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特表2023-517728物体を識別し、識別された物体に対応するラベルを表示する一次パッケージを用いて物体を配達するためのシステム
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  • 特表-物体を識別し、識別された物体に対応するラベルを表示する一次パッケージを用いて物体を配達するためのシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(54)【発明の名称】物体を識別し、識別された物体に対応するラベルを表示する一次パッケージを用いて物体を配達するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20230419BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20230419BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230419BHJP
   G06Q 10/08 20230101ALI20230419BHJP
【FI】
B65D25/20 K
G06K19/077 304
G06K7/10 244
G06Q10/08
B65D25/20 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555819
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2021056599
(87)【国際公開番号】W WO2021185792
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】2002657
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519104318
【氏名又は名称】ピーエー コット エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピエール アラン コット
【テーマコード(参考)】
3E062
5L049
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062BA07
3E062BA11
3E062BB02
3E062BB09
3E062BB10
3E062DA02
3E062DA08
5L049AA16
(57)【要約】
本発明は物体を送付するためのシステムに関し、そのシステムは、
-複数の一次パッケージ(1)と、
-コンピューティングプラットフォーム(2)と、を利用し、
複数の一次パッケージ(1)は、それぞれ、パッケージの外側からアクセス可能な電子表示装置(12)を有し、電子表示装置に表示命令を送るように構成されたコンピューティングユニット(13)を含み、
コンピューティングプラットフォーム(2)は、それぞれの物体に対して、識別子と電子表示装置に表示されるラベルとを結び付ける、物体に関するデータベース(20)を備え、コンピューティングプラットフォームは第1長距離通信手段(21)に接続され、一次パッケージ(1)は第2長距離通信手段(14)に接続され、
そのシステムは、
-物体に直接又は間接に連結され、物体の識別子を含む少なくとも1つのRFIDタグ(15)と、
-それぞれの一次パッケージに統合され、RFIDタグと通信することができ、識別子を読み取るように構成された近接トランシーバ(16)と、を備え、
コンピューティングユニット(13)は、トランシーバ(16)に接続され、さらに第1及び第2長距離通信手段を介してコンピューティングプラットフォーム(2)に識別子を送るように構成され、コンピューティングプラットフォーム(2)は識別子に対応するラベルをコンピューティングユニット(13)に返すように構成され、コンピューティングユニット(13)は電子表示装置(12)にラベル表示命令を送るように構成されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を送付するためのシステムであって、
複数の一次パッケージ(1)と、
コンピューティングプラットフォーム(2)と、を利用し、
前記複数の一次パッケージ(1)は、それぞれ、前記パッケージの外側からアクセス可能な電子表示装置(12)を有し、前記電子表示装置に表示命令を送るように構成されたコンピューティングユニット(13)を含み、
前記コンピューティングプラットフォーム(2)は、それぞれの物体に対して、識別子と前記電子表示装置に表示されるラベルとを結び付ける、前記物体に関するデータベース(20)を備え、前記コンピューティングプラットフォームは第1長距離通信手段(21)に接続され、前記一次パッケージ(1)は前記第1長距離通信手段(21)と通信することができる第2長距離通信手段(14)に接続され、
前記物体に直接又は間接に連結され、前記物体の前記識別子を含む少なくとも1つのRFIDタグ(15)と、
それぞれの一次パッケージに統合され、前記RFIDタグと通信することができ、前記識別子を読み取るように構成された近接トランシーバ(16)と、を備え、
前記コンピューティングユニット(13)は、前記トランシーバ(16)に接続され、さらに前記第1及び第2長距離通信手段を介して前記コンピューティングプラットフォーム(2)に前記識別子を送るように構成され、前記コンピューティングプラットフォーム(2)は前記識別子に対応する前記ラベルを前記コンピューティングユニット(13)に返すように構成され、前記コンピューティングユニット(13)は前記電子表示装置(12)にラベル表示命令を送るように構成され、
前記データベース(20)は、前記ラベルが物理的な宛先に関するデータを含むように構成されることを特徴とする、物体を送付するためのシステム。
【請求項2】
前記近接トランシーバ(16)はRFIDリーダであることを特徴とする、請求項1に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項3】
前記近接トランシーバ(16)はNFCリーダであることを特徴とする、請求項1に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項4】
前記データベース(20)は、前記ラベルが物理的な宛先に関するデータを含むように構成されることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項5】
前記データベース(20)は、前記ラベルが前記物体の重量に関するデータを含むように構成されることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項6】
前記一次パッケージ(1)に収容することができる二次パッケージ(3)を利用し、前記RFIDタグ(15)は前記二次パッケージ(3)によって保持されることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項7】
前記二次パッケージ(3)は、キャビティを有する容器(30)と、前記容器(30)と共に開形態又は閉形態を取り得る閉封手段(31)とを備え、前記閉封手段(31)は、前記閉形態において、前記キャビティへのアクセスを禁止し、前記RFIDタグ(15)は、前記二次パッケージ(3)がその閉形態に維持されることを保証するシール(150)に統合されることを特徴とする、請求項6に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項8】
前記シール(150)は、前記二次パッケージが前記閉形態から前記開形態に切り替わる場合に不可逆的に破損可能な部分(151)を備えることを特徴とする、請求項7に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項9】
前記シール(150)は、前記二次パッケージの前記閉形態において前記容器(30)及び前記二次パッケージ(3)の閉封手段(31)に重なるように接着されることを意図されたストリップの形を取ることを特徴とする、請求項7又は8に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項10】
前記シール(150)は、電子無線周波数識別チップ(152)と、アンテナ(153)を備える第1通信手段とを備え、前記第1通信手段は、前記電子チップ(152)に繋がれ、前記シールの前記破損可能な部分(151)に少なくとも部分的に延伸し、前記一次パッケージの前記トランシーバ(16)は、前記アンテナ(153)によって受け取られ、次に前記電子チップ(152)に送られることが可能な無線要求を定期的に送信するように、及び次に前記アンテナ(153)によって送られた前記無線要求に応答して前記電子チップ(152)によって生成された返送信号を受け取るように構成され、前記コンピューティングユニット(13)は返送信号なしを検出するように構成されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の物体を送付するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は物流専用の機器の設計及び製造の分野である。
【0002】
より具体的に、本発明は、物体の送付、特に一般に電子商取引プラットフォームからの物体又はある個人から別の個人へ運ばれる物体の送付に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の分野において、電子商取引プラットフォームによる物体の送付は、非常にしばしば、パッケージを送付に携わる行為者のそれぞれによるパッケージの識別を可能にする、特に印刷されたバーコードの形を取る、少なくとも1つの視覚的コードを有するタグを送付のために与えられたパッケージ内に、送付される1つ又は複数の物体を配置することで行われる。
【0004】
従来、1つ又は幾つかの物体の送付のために、パッケージは作業者によって成形される。次に、1つ又は複数の物体は成形されたパッケージ内に配置され、次に、パッケージは、閉じられ、送付のためにタグを付けられる。
【0005】
物体の送付の分野において、製品又はより広く物体の再生利用及び/又はそれらの破壊を目的として、それらの再発送に関するテーマがある。
【0006】
この点で、特に、
-使用済みのコーヒーカプセル、
-使用済みの電池又はより一般に小型電気機器用の電池、
-注射器のような一部の医療機器、
-期限切れの医薬、
-…、に言及し得る。
【0007】
現在、再発送されなければならない又は再発送され得るこれらの物体の幾つかに対して、これらの物体のユーザが、これらの物体を、それらの再生利用又はそれらの破壊に責任を負うべき作業者に送り返すことに時間を取らない又はそれをしようと努力しないことが観察され、遺憾にさえ思われている。
【0008】
それ故、再発送されるべき物体のユーザを励ましてそれらを再発送させる必要がある。
【0009】
同時に、最近、接続されたパッケージが現れた。これらのパッケージは、パッケージの外側から見える電子表示装置を備え付けられ、発送先の郵便宛先及びことによると他の幾つかの種類の情報を表示することを意図されている。
【0010】
これらのパッケージの表示装置は、パッケージのユーザがパッケージの所定の引渡場所への再発送を始めることができるようにプログラムされ得、そして引渡場所の宛先は電子表示装置上に表示される。
【0011】
加えて、それらの費用を考慮に入れると、これらの「接続された」パッケージは、様々な扱い(開封、閉封、成形等)及びそれらの運送段階の中で発生しそうな様々な衝撃に対して耐性を有する材料で作られる。このように、これらのパッケージは何度も何度も再使用されるように設計される。
【0012】
現在、そのようなパッケージは、上述のような物体の再発送への動機付けの文脈で使用されていない。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、特に、従来技術の欠点又は短所を克服することにある。
【0014】
より具体的に、本発明の目的は、使用済みの物体の再生利用又は破壊施設への再発送を容易にする再使用可能な接続されたパッケージを用いて物体を送付するためのシステムを提案することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、パッケージにとって攻撃的又は面倒な運送物の場合を含めて、パッケージの完全性を保つそのような物体送付システムを提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、ユーザにとって使用することが容易なそのようなシステムを提供することにある。
【0017】
これらの目的、及び後に現れる他の目的は、物体を送付するためのシステムに関する本発明のおかげで達成される。そのシステムは、
-複数の一次パッケージと、
-コンピューティングプラットフォームと、を利用し、
複数の一次パッケージは、それぞれ、パッケージの外側からアクセス可能な電子表示装置を有し、電子表示装置に表示命令を送るように構成されたコンピューティングユニットを含み、
コンピューティングプラットフォームは、それぞれの物体に対して、識別子と電子表示装置に表示されるラベルとを結び付ける、物体に関するデータベースを備え、コンピューティングプラットフォームは第1長距離通信手段に接続され、一次パッケージは第1長距離通信手段と通信することができる第2長距離通信手段に接続され、
そのシステムは、
-物体に直接又は間接に連結され、物体の識別子を含む少なくとも1つのRFIDタグと、
-それぞれの一次パッケージに統合され、RFIDタグと通信することができ、識別子を読み取るように構成された近接トランシーバと、を備え、
コンピューティングユニットは、前記トランシーバに接続され、さらに第1及び第2長距離通信手段を介してコンピューティングプラットフォームに識別子を送るように構成され、コンピューティングプラットフォームは識別子に対応するラベルをコンピューティングユニットに返すように構成され、コンピューティングユニットは電子表示装置にラベル表示命令を送るように構成されることを特徴とする。
【0018】
従って、本発明のおかげで、一次パッケージは、発送される(又は再発送される)物体に連結されたRFIDタグを介して、物体の識別子に対応するラベルを有するようにプログラムされる。
【0019】
物体の識別子は、固有であり、認証され、暗号化されることに留意されたい。
【0020】
また、本発明の意味の範囲内で、「ラベル」は、受取人の宛先、発送人の宛先、及び追跡物流タグを統合したデジタルタグとして定義され得ることに留意されたい。従って、ラベルは、一次パッケージの電子表示装置によって表示されると、一次パッケージに添付され、様々な情報を有するタグと類似する。中身の保護の理由で、前記中身はラベル上に記載されない。
【0021】
加えて、本発明による送付システムは、再生利用又は破壊されるべき物体の再発送を鼓舞する側面を有することがわかるだろう。実際、この種類の物体は、識別子を有するようにプログラムされた専用のRFIDタグと共に配達され得、識別子は、それ自体、コンピューティングプラットフォームのデータベースに記録され、一次パッケージの電子表示装置上に表示されるラベルをそれに関連付ける。消費者は、消費した物体を適切な一次パッケージに入れるだけでよく、一次パッケージは、その埋め込まれた知能を介して、一次パッケージに入れられた物体に対応する再発送の宛先を自動的に表示する。
【0022】
第1の有利な解決策によれば、近接トランシーバは、RFIDリーダであり、より具体的にUHF RFIDリーダである。
【0023】
第2の有利な解決策によれば、近接トランシーバはNFCリーダである。
【0024】
どちらの場合も、この型の近接トランシーバは、非常に一般的であり、それ故に安価に大量生産方式で実施され得る。
【0025】
有利な一解決策によれば、データベースは、ラベルが物理的な宛先に関するデータを含むように構成される。
【0026】
先に述べられたように、これにより、一次パッケージ上に物理的な宛先を自動的に表示することができる。そういう状況だから、ラベルは、本発明の範囲から外れることなく、宛先以外のデータを含み得る。
【0027】
従って、別の有利な解決策によれば、データベースは、ラベルが物体の重量に関するデータを含むように構成される。
【0028】
このようにして、一次パッケージに統合された重量測定装置を用いて、中身の質量を考慮した配達の請求額を計算することができる。換言すれば、一次パッケージは中身の固有の識別子及びその重量を暗号化して送る。その代わりに、コンピューティングプラットフォームは、中身を処理することができる受取人の物理的な宛先を表示する、正しい重量で前払いされたラベルを送る。
【0029】
特定の一実施形態によれば、システムは一次パッケージに収容することができる二次パッケージを利用し、RFIDタグは二次パッケージによって保持される。
【0030】
この実施形態では、RFIDタグは、再発送される物体自体によってではなく、二次パッケージと呼ばれる別のパッケージによって直接に保持されることがわかる。物体は二次パッケージに挿入され、その全体が一次パッケージに入れられる。
【0031】
従って、この実施形態の脈絡の中で、再使用可能な接続された一次パッケージで、一次パッケージに対して攻撃的又は面倒でありそうな物体を運送することができる。実際、攻撃的及び/又は面倒な物体は二次パッケージ内に閉じ込められる。その結果、一次パッケージの材料の完全性が保たれ、保全又は管理を必要とせずに、多数回再使用されるその能力も保たれる。
【0032】
実際、二次パッケージは、一次パッケージに対して、一次パッケージの内部空間のための保護囲いを構成する。
【0033】
この実施形態によれば、二次パッケージは、キャビティを有する容器と、容器と共に開形態又は閉形態を取り得る閉封手段とを備え、閉封手段は、閉形態において、キャビティへのアクセスを禁止し、RFIDタグは、二次パッケージがその閉形態に維持されることを保証するシールに統合される。
【0034】
このようにして、シールは二重の機能を有する。即ち、
-それは運送物の識別データを有する媒体を形成し、
-それは、容器及び関連した閉封手段を閉形態に維持し、運送物を(識別子に対応しない)別のものと取り替えることを禁止し、又は少なくとも二次パッケージの再開封を報告する。
【0035】
この場合、シールは、有利に、二次パッケージが閉形態から開形態に切り替わる場合に不可逆的に破損可能な部分を備える。
【0036】
従って、見えることなく、又は少なくとも報告されることなく、シールの完全性を損なうことは不可能である。
【0037】
特定の一実施形態によれば、シールは、二次パッケージの閉形態において容器及び二次パッケージの閉封手段に重なるように接着されることを意図されたストリップの形を取る。
【0038】
そのようなシール、例えばステッカーは、非常に実用的であり、二次パッケージにすぐに利用され得る。
【0039】
好ましくは、シールは、電子無線周波数識別チップと、アンテナを備える第1通信手段とを備え、第1通信手段は、電子チップに繋がれ、シールの破損可能な部分に少なくとも部分的に延伸し、一次パッケージのトランシーバは、アンテナによって受け取られ、次に電子チップに送られることが可能な無線要求を定期的に送信するように、及び次にアンテナによって送られた無線要求に応答して電子チップによって生成された返送信号を受け取るように構成され、コンピューティングユニットは返送信号なしを検出するように構成される。
【0040】
この実施形態によれば、二次パッケージが閉形態で維持されることを保証するシールが破損したどうかをリアルタイムで知ることができる。それ故、そのような情報によって、二次パッケージがシールの貼付後に開かれたかどうかを知ることができる。一次パッケージのコンピューティングユニットへの確認によって、開封の可能性に関する情報を得ることができる。
【0041】
実際、二次パッケージの開封、換言すれば、その閉形態からその開形態への切り替えは、シールの破損可能な部分の破損(破壊)を引き起こす。従って、第1通信手段が破損可能な部分に統合されるので、それも二次パッケージの開封中に破損する。そして、第1通信手段のこの破損によって、トランシーバによって電子無線周波数識別チップに発せられる要求の受信及び/又は送信が妨げられ、その結果、電子チップは返送信号を生成しない。
【0042】
この脈絡の中で、タグ、一次パッケージ、及び遠隔コンピューティングプラットフォームの間で交換される情報は、暗号化され、認証されることが想起される。
【0043】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明による送付システムの概略図を提供するただ1つの図1を参照して、説明に役立つ非限定的な例として与えられた本発明の好ましい実施形態の以下の説明を読むと、より明瞭にわかってくるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明による送付システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1に示されるように、本発明による物体を送付するためのシステムは複数の一次パッケージ1を利用し、複数の一次パッケージ1は、
-1つ又は幾つかの物体を収容することを意図された収容空間の範囲を定める箱10と、
-箱10に接続され又は接続されず、箱と共に一次パッケージ閉形態又は一次パッケージ開形態を取り得る蓋1と、からなる型のものである。
【0046】
一次パッケージは、それぞれ、
-一次パッケージの外側からアクセス可能な電子表示装置12と、
-電子表示装置に表示命令を送るように構成されたコンピューティングユニット13と、をさらに有する。
【0047】
本発明による送付システムは、送付される物体に関するデータベース20を含むコンピューティングプラットフォーム2をさらに備え、このデータベースは、それぞれの物体に対して、識別子と、一次パッケージの電子表示装置に表示されるラベルとを結び付ける。
【0048】
加えて、コンピューティングプラットフォームは第1長距離通信手段21に接続される。
【0049】
一次パッケージは、それらに関する限り、コンピューティングプラットフォームの第1長距離通信手段と通信することができる第2長距離通信手段14に接続される。
【0050】
本発明の原理によれば、送付システムはそれぞれの一次パッケージに対して次のものを備える。
-送付される物体に直接又は間接に連結された1つのRFIDタグ15(又は幾つかでさえある)。このRFIDタグは、コンピューティングプラットフォームのデータベース20に記憶される、送付される物体の識別子を含むようにプログラムされる。
-それぞれの一次パッケージに統合され、同じ一次パッケージのRFIDタグ15と通信することができる近接トランシーバ16。トランシーバはRFIDタグに含まれる識別子を読み取るように構成される。
【0051】
加えて、一次パッケージのコンピューティングユニットは、対応するトランシーバ15に接続され、さらに、第1長距離通信手段及び第2長距離通信手段を介して、コンピューティングプラットフォーム2に、収容された物体の識別子を送るように構成される。さらに、コンピューティングプラットフォーム2は、再び第1長距離通信手段及び第2長距離通信手段を介して、コンピューティングユニット13に、一次パッケージに収容された物体の識別子に対応するラベル(当のラベルは、コンピューティングプラットフォーム2のデータベース20を介して物体の識別子と結び付けられている)を返すように構成される。パッケージに添付されたタグに含まれる識別子は、固有であり、認証され、一次パッケージのユニットとプラットフォームとの間のやり取りは優先的に暗号化されることに留意されたい。
【0052】
一次パッケージのレベルでは、コンピューティングユニットは最終的に一次パッケージの電子表示装置12にラベル表示命令を送るように構成される。
【0053】
ラベルは、好ましくは、送付される物体の物理的な宛先に関するデータを含み、そして、宛先は一次パッケージの電子表示装置12上に表示される。
【0054】
この意味で、コンピューティングプラットフォームのデータベース20は、ラベルが、それぞれの送付される物体に対して、当の物体の前記物理的な宛先データを含むように構成される。
【0055】
また、コンピューティングプラットフォームのデータベースは、ラベルが物体の重量に関するデータを含むように構成され得ることに留意されたい。
【0056】
一次パッケージに統合された近接トランシーバに関して、近接トランシーバはRFID又はNFC型であり得る。
【0057】
図1に示される実施形態によれば、送付システムは、一次パッケージに加えて、一次パッケージに収容することができる(即ち、一次パッケージに収容されるような寸法に合わせた)二次パッケージ3を利用する。この場合、1つ又は複数の送付される物体は、一次パッケージによって運送される二次パッケージ内に配置及び収容される。加えて、RFIDタグ15は、図1に見えるように、対応する2次パッケージによって保持される。
【0058】
この実施形態によれば、二次パッケージ3は、それぞれ、1つ又は複数の送付される物体を収容することを意図されたキャビティを有する容器30と、閉封手段31(実際には蓋)とを備える。閉封手段31は、容器と共に、二次パッケージのキャビティへのアクセスを許す開形態、又は閉封手段がキャビティへのアクセスを禁止する閉形態を取り得る。
【0059】
そして、この場合、RFIDタグ15は、二次パッケージがその閉形態で維持されることを保証するシール150に統合される。
【0060】
1つの有利な特徴によれば、シール150は(シール150を横切る点線によって概略的に示され、プレカットからなってもよく又はいなくてもよい)破損可能な部分151を備える。この破損可能な部分は、二次パッケージが閉形態から開形態に切り替わる場合に、不可逆的に破損可能である。
【0061】
好ましい一実施形態によれば、シール150は、二次パッケージの閉形態において容器30及び二次パッケージの閉封手段31に重なるように接着されることを意図されたストリップ、例えば接着剤付きのストリップの形を取る。
【0062】
勿論、シール150は、物体が二次パッケージに入れられ、二次パッケージが閉形態に戻されると、容器及び二次パッケージの閉封手段に重なるように付加される。
【0063】
まだこの実施形態によれば、シールは、電子無線周波数識別チップ152と、シールの破損可能な部分に少なくとも部分的に延伸する結合部を介して電子チップに繋がれたアンテナ153の形の第1通信手段とを備える。
【0064】
一次パッケージのトランシーバ16は、それに関する限り、シールのアンテナによって受け取られ、次に電子チップに送られることが可能な無線要求を定期的に送信するように構成される。チップは、無線要求に応答して、一次パッケージのトランシーバによって受け取られることを意図された返送信号を生成するようにプログラムされ、この返送信号はアンテナを介して送られる。加えて、コンピューティングユニットは返送信号なしを検出するように構成される。
【0065】
また、返送信号がない場合、コンピューティングユニット13は第1長距離通信手段及び第2長距離通信手段を介してコンピューティングプラットフォームに警告信号を発するように構成される。
【0066】
二次パッケージの利用の有無にかかわらず、前述のような送付システムの運転が以下に記述される。
【0067】
RFIDタグ15を直接又は間接に保持する物体が一次パッケージに入れられた場合、RFIDタグに含まれる識別子が本質的に既知の方法で近接トランシーバに送られ、識別子に関するデータが一次パッケージのコンピューティングユニットに送られる。
【0068】
この識別子は第1長距離通信手段及び第2長距離通信手段を介してコンピューティングプラットフォームに送られる。
【0069】
物体に関するデータベース20のおかげで、識別子は、一次パッケージの表示装置上に表示されることを意図されたラベルと結び付けられている。このラベルに関するデジタルデータは第1長距離通信手段及び第2長距離通信手段を介して一次パッケージのコンピューティングユニット13に発せられる。
【0070】
ラベルに関するこのデータは、表示命令と共に、一次パッケージのコンピューティングユニットによって電子表示装置に送られる。
【0071】
従って、ラベルが物理的な宛先に関するデータを含む場合、宛先は一次パッケージの外側からアクセス可能な電子表示装置に表示される。
【0072】
本発明による物体送付システムでは、「目録」モードの使用を想定することができる。作業者の要求で又は自動的に一定の時間間隔で、製品自体又は二次パッケージによって保持されたRFIDタグに含まれる識別子が一次パッケージのトランシーバによって読み取られてコンピューティングプラットフォームに送られる。この運転中、一次パッケージの開封は不必要である。
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を送付するためのシステムであって、
複数の一次パッケージ(1)と、
コンピューティングプラットフォーム(2)と、を利用し、
前記複数の一次パッケージ(1)は、それぞれ、前記パッケージの外側からアクセス可能な電子表示装置(12)を有し、前記電子表示装置に表示命令を送るように構成されたコンピューティングユニット(13)を含み、
前記コンピューティングプラットフォーム(2)は、それぞれの物体に対して、識別子と前記電子表示装置に表示されるラベルとを結び付ける、前記物体に関するデータベース(20)を備え、前記コンピューティングプラットフォームは第1長距離通信手段(21)に接続され、前記一次パッケージ(1)は前記第1長距離通信手段(21)と通信することができる第2長距離通信手段(14)に接続され、
前記物体に直接又は間接に連結され、前記物体の前記識別子を含む少なくとも1つのRFIDタグ(15)と、
それぞれの一次パッケージに統合され、前記RFIDタグと通信することができ、前記識別子を読み取るように構成された近接トランシーバ(16)と、を備え、
前記コンピューティングユニット(13)は、前記トランシーバ(16)に接続され、さらに前記第1及び第2長距離通信手段を介して前記コンピューティングプラットフォーム(2)に前記識別子を送るように構成され、前記コンピューティングプラットフォーム(2)は前記識別子に対応する前記ラベルを前記コンピューティングユニット(13)に返すように構成され、前記コンピューティングユニット(13)は前記電子表示装置(12)にラベル表示命令を送るように構成され、
前記データベース(20)は、前記ラベルが物理的な宛先に関するデータを含むように構成されることを特徴とする、物体を送付するためのシステム。
【請求項2】
前記近接トランシーバ(16)はRFIDリーダであることを特徴とする、請求項1に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項3】
前記近接トランシーバ(16)はNFCリーダであることを特徴とする、請求項1に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項4】
前記データベース(20)は、前記ラベルが前記物体の重量に関するデータを含むように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項5】
前記一次パッケージ(1)に収容することができる二次パッケージ(3)を利用し、前記RFIDタグ(15)は前記二次パッケージ(3)によって保持されることを特徴とする、請求項1に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項6】
前記二次パッケージ(3)は、キャビティを有する容器(30)と、前記容器(30)と共に開形態又は閉形態を取り得る閉封手段(31)とを備え、前記閉封手段(31)は、前記閉形態において、前記キャビティへのアクセスを禁止し、前記RFIDタグ(15)は、前記二次パッケージ(3)がその閉形態に維持されることを保証するシール(150)に統合されることを特徴とする、請求項に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項7】
前記シール(150)は、前記二次パッケージが前記閉形態から前記開形態に切り替わる場合に不可逆的に破損可能な部分(151)を備えることを特徴とする、請求項に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項8】
前記シール(150)は、前記二次パッケージの前記閉形態において前記容器(30)及び前記二次パッケージ(3)の閉封手段(31)に重なるように接着されることを意図されたストリップの形を取ることを特徴とする、請求項に記載の物体を送付するためのシステム。
【請求項9】
前記シール(150)は、電子無線周波数識別チップ(152)と、アンテナ(153)を備える第1通信手段とを備え、前記第1通信手段は、前記電子チップ(152)に繋がれ、前記シールの前記破損可能な部分(151)に少なくとも部分的に延伸し、前記一次パッケージの前記トランシーバ(16)は、前記アンテナ(153)によって受け取られ、次に前記電子チップ(152)に送られることが可能な無線要求を定期的に送信するように、及び次に前記アンテナ(153)によって送られた前記無線要求に応答して前記電子チップ(152)によって生成された返送信号を受け取るように構成され、前記コンピューティングユニット(13)は返送信号なしを検出するように構成されることを特徴とする、請求項に記載の物体を送付するためのシステム。
【国際調査報告】