(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】車両構造体
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20230420BHJP
B60R 19/04 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
B62D25/20 F
B60R19/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548247
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(85)【翻訳文提出日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2021052902
(87)【国際公開番号】W WO2021180403
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522143531
【氏名又は名称】オートテック エンジニアリング エス.エレ.
【氏名又は名称原語表記】AUTOTECH ENGINEERING S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】スキーレン,オスカー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィークルンド,ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】レフトー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ボディン ハンス
(72)【発明者】
【氏名】アールヴィッドソン ステーファン
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA06
3D203BB12
3D203BB20
3D203BB22
3D203BB24
3D203BB25
3D203CA02
3D203CA03
3D203CA22
3D203CA52
3D203CA57
3D203CA58
3D203CA67
3D203CA69
3D203CA73
3D203CB03
3D203DA22
(57)【要約】
長手方向(106)に延びる部分(102;202)を含む車両構造体(100;200)であって、部分(102;202)が、長手方向(106)に延びる第1部材(122)と、長手方向(106)に延びる第2部材(124)とを含む、車両構造体。第1部材(122)は、車両の内側(126)を向くように構成され、第2部材(124)は、車両の外側(128)を向くように構成される。第1部材(122)と第2部材(124)とは、間に実質的に閉じた空間(138)を形成するように互いに取付けられる。部分(102;202)は、実質的に閉じた空間(138)内に設置される、波の形状である補強部材(104)を含む。実質的に閉じた空間(138)は、第1部材(122)と第2部材(124)とが互いに取付けられる際に形成される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向(106)に延びる部分(102;202)を含む車両構造体(100;200)であって、前記部分(102;202)が、
前記長手方向(106)に延びる第1部材(122)と、
前記長手方向(106)に延びる第2部材(124)と
を含み、
前記第1部材(122)が、車両の内側(126)を向くように構成され、
前記第2部材(124)が、前記車両の外側(128)を向くように構成され、
前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)の各々が、前記長手方向(106)に延びる区画(130、132)を有し、各区画(130、132)が、前記車両の前記内側(126)及び外側(128)のうちの一方(126、128)を向くように構成される底面(134、136)を有し、
前記第1部材(122)と前記第2部材(124)とは、前記区画(130、132)、ならびに前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)が実質的に閉じた空間(138)を形成するように、互いに取付けられ、
前記部分(102;202)が、前記実質的に閉じた空間(138)内に設置される1つ以上の補強部材(104)を含み、前記補強部材(104)が前記長手方向(106)に延び、
前記補強部材(104)が、前記長手方向(106)に対して交差する方向に延びる第1脚部(108)を有し、
前記補強部材(104)が、前記長手方向(106)に対して交差する方向に延びる第2脚部(110)を有し、
前記第1脚部及び前記第2脚部(108、110)の各々が、前記長手方向(106)に延びる足部(112、114)を有し、
前記第1脚部(108)の前記足部(112)と前記第2脚部(110)の前記足部(114)とが互いから離間し、
前記第1脚部(108)と前記第2脚部(110)とが頭部区域(116)内で接合され、
前記第1脚部(108)が、前記第2脚部(110)と、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)のうちの一方(122、124)の前記区画(130、132)の前記底面(134、136)との間に設置され、前記第2脚部(110)が、前記第1脚部(108)と、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)のうちの他方(122、124)の前記区画(130、132)の前記底面(134、136)との間に設置され、
前記頭部区域(116)が波形であって波形を含み、
前記波形が突条(118)及び溝(120)を含み、
前記突条(118)の各々が、前記第1脚部(108)と前記第2脚部(110)との間に延び、
前記溝(120)の各々が、前記第1脚部(108)と前記第2脚部(110)との間に延びる、車両構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1脚部(108)の前記足部(112)と、前記第2脚部(110)の前記足部(114)とが、前記長手方向(106)に対して交差する同じ第1方向(156)を実質的に指している、車両構造体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1脚部(108)及び前記第2脚部(110)のうちの少なくとも一方(108、110)が、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)のうちの一方(122、124)の前記区画(130、132)の前記底面(134、136)と実質的に平行である、車両構造体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1脚部(108)及び前記第2脚部(110)のうちの少なくとも一方(108、110)が、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)のうちの一方(122、124)の前記区画(130、132)の前記底面(134、136)に当接する、車両構造体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1脚部(108)が、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)のうちの前記一方(122、124)の、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)のうちの前記他方(122、124)に対して前記第1脚部(108)に近い方の前記区画(130、132)の前記底面(134、136)と実施的に平行である、車両構造体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1脚部(108)が、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)のうちの一方(122、124)の前記区画(130、132)の前記底面(134、136)に取付けられる、車両構造体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記補強部材(104)が実質的に凹面である面(119)と実施的に凸面である面(121)とを有し、前記実施的に凸面である面(121)にて、前記頭部区域(116)の前記突条(118)の各々が、前記第1脚部(108)及び前記第2脚部(110)に対して中央である場所に窪み(123)を有する、車両構造体。
【請求項8】
請求項7に記載の車両構造体(100;200)であって、前記窪み(123)が、前記長手方向(106)において互いに整列している、車両構造体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記長手方向(106)に対して交差する方向において、前記第1脚部(108)が、前記長手方向(106)に対して交差する方向において、前記第2脚部(110)よりも長い、車両構造体。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1脚部(108)が実質的に平坦である、車両構造体。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第2脚部(119)が波形であって波形を含んでおり、前記第2脚部(110)の前記波形が突条(125)及び溝(127)を含み、前記第2脚部(110)の前記突条(125)の各々が前記第2脚部(110)の前記足部(114)と前記頭部区域(116)との間に延び、前記第2脚部(110)の前記溝(127)の各々が前記第2脚部(110)の前記足部(114)と前記頭部区域(116)との間に延びる、車両構造体。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)の各々(122、124)が第1側壁(140、142)及び第2側壁(144、146)を有し、前記第1側壁(140、142)が前記底面(134、136)の一方の側に設置され、前記第2側壁(144、146)が前記底面(134、136)の、前記一方の側の反対の側に設置され、前記第1部材(122)の前記第1側壁(140)及び前記第2側壁(144)と前記第1部材(122)の前記区画(130)の前記底面(134)とが前記第1部材(122)の前記区画(130)を規定し、前記第2部材(124)の前記第1側壁(142)及び前記第2側壁(146)と前記第2部材(124)の前記区画(132)の前記底面(136)とが前記第2部材(124)の前記区画(132)を規定し、前記第1部材(122)の前記第1側壁(140)が前記第2部材(124)の前記第1側壁(142)に取付けられ、前記第1部材(122)の前記第2側壁(144)が前記第2部材(124)の前記第2側壁(146)に取付けられる、車両構造体。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)の各々(122、124)が第1側壁(140、142)及び第2側壁(144、146)を有し、前記第1側壁(140、142)が前記底面(134、136)の一方の側に設置され、前記第2側壁(144、146)が前記底面(134、136)の、前記一方の側の反対の側に設置され、前記第1部材(122)の前記第1側壁(140)及び前記第2側壁(144)と前記第1部材(122)の前記区画(130)の前記底面(134)とが前記第1部材(122)の前記区画(130)を規定し、前記第2部材(124)の前記第1側壁(142)及び前記第2側壁(146)と前記第2部材(124)の前記区画(132)の前記底面(136)とが前記第2部材(124)の前記区画(132)を規定し、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)の各々(122、124)が、前記第1側壁(140、142)に取付けられる第1フランジ(148、150)を有し、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)の各々(122、124)が、前記第2側壁(144、146)に取付けられる第2フランジ(152、154)を有し、前記第1部材(122)の前記第1フランジ(148)が前記第2部材(124)の前記第1フランジ(150)に取付けられ、前記第1部材(122)の前記第2フランジ(152)が前記第2部材(124)の前記第2フランジ(154)に取付けられる、車両構造体。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の車両構造体(100;200)であって、前記頭部区域(116)が前記第1側壁(140、142)を向く、車両構造体。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1脚部(108)の前記足部(112)と、前記第2脚部(110)の前記足部(114)とが、実質的に前記第2側壁(144、146)の方を指し、又は前記第2側壁(144、146)に向く、車両構造体。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記補強部材(104)が板から形成される、車両構造体。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記補強部材(104)が、金属又は金属合金を含む、或いは金属又は金属合金から成る、車両構造体。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)の各々(122、124)が板から形成される、車両構造体。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)の各々(122、124)が、金属又は金属合金を含む、或いは金属又は金属合金から成る、車両構造体。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記第1部材(122)及び前記第2部材(124)の各々(122、124)のプロファイルが、帽子形プロファイル及びU字形プロファイルのうちの一方である、車両構造体。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記車両構造体(100;200)が車両側部構造体(100;200)であり、前記部分(102;202)が側部部分(102;202)である、車両構造体。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の車両構造体(100;200)であって、前記部分(102;202)が側ばり部分(102;202)であり、前記側ばり部分(102;202)が、車体の前記長手方向(106)に延びるように構成されるとともに、前記車体の側部に提供されるように構成される、車両構造体。
【請求項23】
請求項22に記載の車両構造体(100;200)であって、前記側ばり部分(102;202)が前記車体の、1つ以上の横梁(162、164)に取付けられるように構成される、車両構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、長手方向に延びる部分を包含する車両構造体であって、この部分が、長手方向に延びる第1部材と、長手方向に延びる第2部材とを含む、車両構造体に関する。第1部材は、車両の内側を向くように構成され、第2部材は、車両の外側を向くように構成される。第1部材と第2部材とは、実質的に閉じた空間を形成するように互いに取付けられる。
【背景技術】
【0002】
自動車の台枠部分の設計において、重量と強度との間には妥協点がある。良好な妥協点を獲得する有利なやり方として、要求された形状へ、例えば帽子形プロファイルへと形成される1つ以上の金属板又は金属合金板から台枠部分を製造することがある。
【0003】
一般に、自動車の台枠部分は、外側から様々な衝撃を受けることがあることから、或る剛性を有するように形成される。同時に、台枠部分には、例えば外的物体、例えば別の車両との、又は静止した物体、例えば木との衝突等に起因して過負荷を受ける時の衝撃を吸収するために変形できるようにすべきであるものもある。剛性でありながら衝撃を吸収するために変形できるようにすべきである車両台枠部分の一例として、車両側ばり構造体がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両構造体を更に改良できることを本発明の発明者らは発見した。
【0005】
従って、本発明の実施形態の目的は、車両構造体を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的及び更なる目的は、長手方向に延びる部分を含む車両構造体であって、この部分が、
長手方向に延びる第1部材と、
長手方向に延びる第2部材と
を含み、
第1部材が、車両の内側を向くように構成され、
第2部材が、車両の外側を向くように構成され、
第1部材及び第2部材の各々が、長手方向に延びる区画を有し、各区画が、車両の内側及び外側のうちの一方を向くように構成される底面を有し、
第1部材と第2部材とは、区画、ならびに第1部材及び第2部材が実質的に閉じた空間を形成するように、互いに取付けられ、
この部分が、実質的に閉じた空間内に設置される1つ以上の補強部材を含み、補強部材が長手方向に延び、
補強部材が、長手方向に対して交差する方向に延びる第1脚部を有し、
補強部材が、長手方向に対して交差する方向に延びる第2脚部を有し、
各脚部が、長手方向に延びる足部を有し、
第1脚部の足部と第2脚部の足部とが互いから離間し、
第1脚部と第2脚部とが頭部区域内で接合され、
第1脚部が、第2脚部と、第1部材及び第2部材のうちの一方の区画の底面との間に設置され、第2脚部が、第1脚部と、第1部材及び第2部材のうちの他方の区画の底面との間に設置され、
頭部区域が波形であるとともに波形を含み、
波形が突条及び溝を含み、
突条の各々が、第1脚部と第2脚部との間に延び、
溝の各々が、第1脚部と第2脚部との間に延びる、
車両構造体を提供することにより達成される。
【0007】
車両構造体の革新的な補強部材の利点は、側面又は側部衝突の際の貫通を防止するために、車両構造体の剛性及び補強を維持又は改良しつつ、衝撃を吸収するための車両構造体の有利な変形が提供されることである。革新的な補強部材によって、車両構造体の剛性及び補強をやはり維持又は改良さえしつつ車両構造体の重量及び費用を低減することができる。革新的な補強部材によって、衝突時の車両構造体の性能が改良される。革新的な補強部材を包含する車両構造体の利点は、改良された車両構造体が提供されることである。車両構造体とは、燃焼機関を備えた自動車用、1つ以上の電池を有する電気車両用、或いはハイブリッド車両用の、例えば車又はトラック用の車両構造体であってもよい。
【0008】
本発明による車両構造体の有利な実施形態によれば、第1脚部の足部と第2脚部の足部とは実質、長手方向に対して交差する同じ第1方向を指している。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0009】
本発明による車両構造体の、更なる有利な実施形態によれば、第1脚部及び第2脚部のうちの少なくとも一方は、第1部材及び第2部材のうちの一方の区画の底面と実質的に平行である。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0010】
本発明による車両構造体の、別の有利な実施形態によれば、第1脚部及び第2脚部のうちの少なくとも一方は、第1部材及び第2部材のうちの一方の区画の底面に当接する。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。幾つかの実施形態において、第1脚部及び第2脚部の各々は、第1部材及び第2部材のうちの一方の区画の底面に当接する。補強部材は、例えば、上述の、第1部材及び第2部材の区画の底面のうちの1つ以上への1つ以上の当接により、衝突が無い時に第1部材及び第2部材に対して不動であってもよい。
【0011】
本発明による車両構造体の、やはり別の有利な実施形態によれば、第1脚部は、第1部材及び第2部材のうちの一方の、第1部材及び第2部材のうちの他方に対して第1脚部に近い方の区画の底面と実質的に平行である。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。一方、幾つかの実施形態において、第1脚部は、第1部材及び第2部材のうちの一方の区画の底面と実質的に平行であることとは異なる他の仕方で配向されてもよい。
【0012】
本発明による車両構造体の、更なる有利な実施形態によれば、第1脚部及び第2脚部のうちの1つ以上が、第1部材及び第2部材のうちの一方の区画の底面に取付けられる。補強部材は、例えば、上述の、第1部材及び第2部材の区画の底面のうちの1つ以上への1つ以上の取付けにより、衝突が無い時に第1部材及び第2部材に対して不動であってもよい。一方、幾つかの実施形態において、第1脚部及び第2脚部のいずれも、第1部材及び第2部材のうちの一方の区画の底面には一切取付けられない、即ち、第1脚部及び第2脚部の各々は第1部材及び第2部材の区画の底面から引き離されてもよい。幾つかの実施形態において、第1脚部及び第2脚部のうちの1つ以上は、第1部材及び第2部材のうちの一方に取付けられ、例えば第1又は第2部材の、区画の底面とは異なる他の部分に取付けられる。幾つかの実施形態において、第1脚部及び第2脚部のうちの1つ以上が第1部材及び第2部材から引き離される。
【0013】
本発明による車両構造体の、更に別の有利な実施形態によれば、第1脚部は、第1部材及び第2部材のうちの一方の区画の底面に取付けられる。この実施形態の利点は、車両構造体の剛性及び補強を維持又は改良しつつ、衝撃を吸収するための車両構造体の有利な変形が提供されることである。従って、この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0014】
本発明による車両構造体の有利な実施形態によれば、補強部材は実質的に凹面である面と実質的に凸面である面とを有し、実質的に凸面である面にて、頭部区域の各突条が、第1脚部及び第2脚部に対して中央である場所に窪みを有する。この実施形態の利点は、車両構造体の剛性及び補強を維持又は改良しつつ、衝撃を吸収するための車両構造体の有利な変形が提供されることである。従って、この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0015】
本発明による車両構造体の、更なる有利な実施形態によれば、窪みは、長手方向において互いに整列している。この実施形態の利点は、車両構造体の剛性及び補強を維持又は改良しつつ、衝撃を吸収するための車両構造体の有利な変形が提供されることである。従って、この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0016】
本発明による車両構造体の、別の有利な実施形態によれば、長手方向に対して交差する方向において、第1脚部は、長手方向に対して交差する方向において、第2脚部よりも長い。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0017】
本発明による車両構造体の、更に別の有利な実施形態によれば、第1脚部は実質的に平坦である。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0018】
本発明による車両構造体の、やはり別の有利な実施形態によれば、第2脚部は波形であって波形を含み、第2脚部の波形は突条及び溝を含み、第2脚部の各突条は第2脚部の足部と頭部区域との間に延び、第2脚部の各溝は第2脚部の足部と頭部区域との間に延びる。この実施形態の利点は、車両構造体の剛性及び補強を維持又は改良しつつ、衝撃を吸収するための車両構造体の有利な変形が提供されることである。従って、この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0019】
本発明による車両構造体の有利な実施形態によれば、第1部材及び第2部材の各々は第1側壁及び第2側壁を有し、第1側壁は底面の、一方の側に設置され、第2側壁は底面の、反対側に設置され、第1部材の第1壁及び第2壁と第1部材の区画の底面とは第1部材の区画を規定し、第2部材の第1壁及び第2壁と第2部材の区画の底面とは第2部材の区画を規定し、第1部材の第1側壁は第2部材の第1側壁に取付けられ、第1部材の第2側壁は第2部材の第2側壁に取付けられる。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0020】
本発明による車両構造体の、更なる有利な実施形態によれば、第1部材及び第2部材の各々は第1側壁及び第2側壁を有し、第1側壁は底面の、一方の側に設置され、第2側壁は底面の、反対側に設置され、第1部材の第1壁及び第2壁と第1部材の区画の底面とは第1部材の区画を規定し、第2部材の第1壁及び第2壁と第2部材の区画の底面とは第2部材の区画を規定し、第1部材及び第2部材の各々は、第1側壁に取付けられる第1フランジを有し、第1部材及び第2部材の各々は、第2側壁に取付けられる第2フランジを有し、第1部材の第1フランジは第2部材の第1フランジに取付けられ、第1部材の第2フランジは第2部材の第2フランジに取付けられる。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0021】
本発明による車両構造体の、更なる有利な実施形態によれば、頭部区域は第1側壁を向く。より具体的には、この実施形態によれば、頭部区域の凸面は第1側壁を向く。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0022】
本発明による車両構造体の、別の有利な実施形態によれば、第1脚部の足部と第2脚部の足部とは実質的に第2側壁の方を指し、又は第2側壁を向く。この実施形態の利点は、衝突時の車両構造体の性能が更に改良されることである。従って、更に改良された車両構造体が提供される。
【0023】
本発明による車両構造体の、更に別の有利な実施形態によれば、補強部材は、板、例えば金属合金板の金属板から形成される。これは、補強部材を製造する効率的な仕方である。
【0024】
本発明による車両構造体の、やはり別の有利な実施形態によれば、補強部材は、金属又は金属合金を含む、或いは金属又は金属合金から成る。これは、補強部材を製造する効率的な仕方である。
【0025】
本発明による車両構造体の有利な実施形態によれば、第1部材及び第2部材の各々は、板、例えば金属板又は金属合金板から形成される。これは、補強部材を製造する効率的な仕方である。
【0026】
本発明による車両構造体の、更なる有利な実施形態によれば、第1部材及び第2部材の各々は、金属又は金属合金を含む、或いは金属又は金属合金から成る。これは、補強部材を製造する効率的な仕方である。
【0027】
本発明による車両構造体の、別の有利な実施形態によれば、第1部材及び第2部材の各々のプロファイルは、帽子形プロファイル及びU字形プロファイルのうちの一方である。これは、第1部材及び第2部材を製造する効率的な仕方である。
【0028】
本発明による車両構造体の、やはり別の有利な実施形態によれば、車両構造体は車両側部構造体であり、部分は側部部分である。車両構造体は、車両の車両側部構造体として適用するのに適切であり、これによって、衝突時の車両側部構造体の性能が改良される。従って、改良された車両側部構造体が提供される。一方、代わりの実施形態において、車両構造体は、車両の他の場所に、例えば車両の前部に適用及び装着されてもよく、車両の後部で又は車両内の他の場所でバンパの一部であってもよい。車両構造体は、例えば電気車両内又はハイブリッド車両内で使用されてもよいが、当然ながら、燃焼機関のみを備えた普通車両内でも使用されてもよい。車両構造体は、電気車両又はハイブリッド車両の電池を保護するように構成されてもよい。従って、車両構造体は、車両内に設置された電池の、1つ以上の側に設置されてもよい。
【0029】
本発明による車両構造体の、更に別の有利な実施形態によれば、部分は側ばり部分であり、側ばり部分は、車体の長手方向に延びるとともに、車体の側部に提供される。この実施形態の利点は、車両構造体の剛性及び補強を維持又は改良しつつ、衝撃を吸収するための側ばり部分を有する車両構造体の有利な変形が提供されることである。特定の衝突時には衝撃が吸収されるべきである車両構造体の側ばり部分にとって、この革新的な補強部材は特に有利である。一方、代わりの実施形態において、部分又は側部部分は、側ばり部分でなく、側部梁部分、バンパ部分、或いは、車両内の他の場所に設置されるように構成される梁部分であってもよい。
【0030】
本発明による車両構造体の、やはり有利な実施形態によれば、側ばり部分は車体の、1つ以上の横梁に取付けられる。これによって、車両構造体の剛性が更に改良されることがある。
【0031】
上述の車両構造体の特徴及び実施形態は、更なる有利な実施形態を提供する、可能である様々な仕方で組み合わせてもよい。
【0032】
本発明による車両構造体の更なる有利な実施形態、及び本発明の実施形態による更なる利点が、従属請求項及び実施形態の詳細な説明から明らかになる。
【0033】
次に、本発明を、例示の目的で、実施形態を通じて、及び添付の図面を参照して、より詳細に説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明による車両構造体の第1実施形態の補強部材の模式的な斜視図である。
【
図2】
図1の補強部材の、異なる視点からの模式的な斜視図である。
【
図5】
図1~
図4の補強部材を包含する、本発明による車両構造体の第1実施形態の模式的な部分斜視図である。
【
図6】車両構造体の補強部材の位置を図説する、
図5の車両構造体の或る区域の拡大図である。
【
図7】第1実施形態である
図8の車両構造体の模式的な分解斜視図である。
【
図8】補強部材を包含する、第1実施形態である
図7の車両構造体の組立部分の断面図である。
【
図9】
図1~
図4の補強部材を包含する、本発明による車両構造体の第2実施形態の模式的な部分斜視図であるが、補強部材は第1部材と第2部材との間に別様に配置される。
【
図10】車両構造体の補強部材の位置を図説する、
図9の車両構造体の或る区域の拡大図である。
【
図11】第2実施形態である
図12の車両構造体の模式的な分解斜視図である。
【
図12】補強部材を包含する、第2実施形態である
図11の車両構造体の組立部分の断面図である。
【
図13】2つの補強部材を包含する、第3実施形態である車両構造体の組立部分の模式的な断面図である。
【
図14】
図13の2つの補強部材の位置に対して別様に配置された2つの補強部材を包含する、第4実施形態である車両構造体の組立部分の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1~
図4及び
図6を参照すると、第1埋め込みによる車両構造体100の部分102は、補強部材104を包含する。補強部材104は長手方向106に延びる。補強部材104は、金属又は金属合金を含んでもよい、或いは、金属又は金属合金から成ってもよい。補強部材104は、板、例えば金属板又は金属合金板、例えばアルミニウムの板、或いはその他の任意の適切な材料から形成されてもよい。この板はホットスタンピングにより処理されてもよい。補強部材104は長手方向106において滑らかな波の形状である。
【0036】
補強部材104は、長手方向106に対して交差する方向に延びる第1脚部108を有する。補強部材104は、長手方向106に対して交差する方向に延びる第2脚部110を有する。第1脚部108及び第2脚部110の各脚部108、110は、長手方向106に延びる足部112、114を有する。幾つかの実施形態では、第1脚部108の足部112が第1脚部108の端部に設置されること、或いは第1脚部108の足部112が第1脚部108の端部を形成することが規定されてもよい。幾つかの実施形態では、第2脚部110の足部114が第2脚部110の端部に設置されること、或いは第2脚部110の足部114が第2脚部110の端部を形成することが規定されてもよい。第1脚部108の足部112と第2脚部110の足部114とは互いから離間する。第1脚部108と第2脚部110とは頭部区域116内で接合される。幾つかの実施形態では、頭部区域116が、第1脚部108の足部112及び第2脚部110の足部114を包含又は形成する第1脚部108及び第2脚部110の端部とは異なる又はこれらの端部に対向する、第1脚部108及び第2脚部110の端部に設置されることが規定されてもよい。図示する実施形態では、長手方向106に対して交差する方向において、第1脚部108は、長手方向106に対して交差する方向において、第2脚部110よりも長い。図示する実施形態では、第1脚部108は実質的に平坦である。
【0037】
頭部区域116は、長手方向106において波形であり、滑らかな波の形状を形成する。頭部区域116は波形を包含する。頭部区域116は、実質その長手方向広がり全体又は長さ部分全体に沿って波形であってもよい。頭部区域116の波形は、突条118及び溝120を包含する。頭部区域116は、複数の突条118、例えば5つの又は10の又はそれ以上の突条118と、複数の溝120、例えば5つの又は10の又はそれ以上の溝120とを含んでもよい。各突条118は、第1脚部108と第2脚部110との間に延びる。各溝120は、第1脚部108と第2脚部110との間に延びる。これらの革新的な波形によって、車両構造体100、200、300、400(
図12~
図14参照)の剛性及び補強を維持又は改良しつつ、衝撃を吸収するための車両構造体100、200、300、400(
図12~
図14参照)の有利な変形が達成される。
【0038】
補強部材104の頭部区域116と第1脚部108及び第2脚部110とは、W字形又はU字形を、このW字形又はU字形の各端部に足部112、114を備えて形成するものとして説明することができる。従って、補強部材104は、U字形の又はW字形の断面を有してもよい。一方、他の形状、例えばV字形の断面が可能である。
【0039】
図1~
図4を参照すると、補強部材104は実質的に凹面である面119と実質的に凸面である面121とを有する。実質的に凸面である面121にて、頭部区域116の各突条118が、第1脚部108及び第2脚部110に対して中央である場所に窪み123を有する。窪み123は、長手方向106において互いに整列していてもよい。
【0040】
図3を参照すると、図示する実施形態では、第2脚部110は波形であるとともに波形を含む。第2脚部110の波形は突条125及び溝127を包含する。第2脚部110の各突条125が、第2脚部110の足部114と頭部区域116との間に延びる。第2脚部110の各溝127が、第2脚部110の足部114と頭部区域116との間に延びる。代わりの実施形態において、第2脚部110は実質的に平坦であってもよい。
【0041】
車両構造体100は、自動車用、例えば車又はトラック用の車両構造体100であってもよい。
図5~
図8を参照すると、車両構造体100は、長手方向106に延びる部分102を包含する。部分102は、長手方向106に延びる第1部材122を有する。部分102は、長手方向106に延びる第2部材124を有する。第1部材122は、車両、例えば車等の自動車の内側126を向くように構成される。第2部材124は、同じ車両の外側128を向くように構成される。従って、車両構造体100が据付けられている時、第1部材122は車両の内側126を向いてもよく、第2部材124は同じ車両の外側128を向いてもよい。第1部材122及び第2部材124の各々122、124は、長手方向106に延びる区画130、132を有する。各区画130、132は、車両の内側126及び外側128のうちの一方126、128を向くように構成される底面134、136を有する。より具体的には、第1部材122の区画130の底面134が車両の外側128を向くように構成されることが規定されてもよい。より具体的には、第2部材124の区画132の底面136が車両の内側126を向くように構成されることが規定されてもよい。従って、車両構造体100が据付けられている時、第1部材122の区画130の底面134は車両の外側128を向いてもよく、第2部材124の区画132の底面136は同じ車両の内側126を向いてもよい。幾つかの実施形態では、第1部材122の区画130の底面134と、第2部材124の区画132の底面136とが互いを向くように構成されることが規定されてもよい。幾つかの実施形態では、車両構造体100が車両内に据付けられている一方で車両の車輪が地面に又は或る表面に寄り掛かる時、第1部材122の区画130の底面134、及び第2部材124の区画132の底面136の各底面134、136は、車両の車輪が寄り掛かる地面に対して又はこの表面に対して、実施的に垂直に延びるように構成されることが規定されてもよい。
【0042】
図5~
図12を参照すると、幾つかの実施形態では、車両構造体100が車両内に据付けられている一方で車両の車輪が地面に又は或る表面に寄り掛かる時、第1脚部108及び第2脚部110の各脚部108、110は、車両の車輪が寄り掛かる地面に対して又はこの表面に対して実質的に垂直に延びるように構成されることが規定されてもよい。幾つかの実施形態では、車両構造体100が車両内に据付けられている時、第1脚部108第2脚部110間に形成される空間が少なくとも上方へ又は少なくとも下方へ開放することが規定されてもよい。
【0043】
第1部材122及び第2部材124は、区画130、132と第1部材122及び第2部材124とが実質的に閉じた空間138を形成又は規定するように互いに取付けられる。第1部材122及び第2部材124は、例えば、溶接、接着剤又はリベット等の機械的ロック構造体、或いはその他の任意の適切な緊締手段等によって互いに取付けられてもよい。第1部材122及び第2部材124の各々122、124は、金属又は金属合金を含んでもよい、或いは金属又は金属合金から成ってもよい。第1部材122及び第2部材124の各々122、124は、板、例えば金属板又は金属合金板、例えばアルミニウムの板から形成されてもよい。この板はプレスハードニングにより処理されてもよい。
【0044】
図示する実施形態における第1部材122及び第2部材124の各々122、124のプロファイルは帽子形プロファイルである。より具体的には、図示する実施形態では、第1部材122及び第2部材124の各々122、124は、第1側壁140、142及び第2側壁144、146を有する。第1側壁140、142は底面134、136の、一方の側に設置され、第2側壁144、146は底面134、136の、反対側に設置される。第1部材122の第1壁140及び第2壁144と、第1部材122の区画130の底面134とは、第1部材122の区画130を規定又は形成する。対応する仕方において、第2部材124の第1壁142及び第2壁146と、第2部材124の区画132の底面136とは、第2部材124の区画132を規定又は形成する。第1部材122及び第2部材124の各々122、124は、第1側壁140、142に取付けられる、例えばこの第1側壁と一体に形成される第1フランジ148、150を有する。第1部材122及び第2部材124の各々122、124は、第2側壁144、146に取付けられる、例えばこの第2側壁と一体に形成される第2フランジ152、154を有する。第1部材122の第1フランジ148は、例えば溶接又は接着剤によって第2部材124の第1フランジ150に取付けられる。第1部材122の第2フランジ152は、例えば溶接又は接着剤によって第2部材124の第2フランジ154に取付けられる。一方、例えば上述したようなその他の取付け手段が可能である。
【0045】
代わりの実施形態において、第1部材122及び第2部材124の各々122、124のプロファイルはU字形プロファイルとすることができよう。その際、第1部材122の第1側壁140は、例えば溶接によって第2部材124の第1側壁142に取付けることができよう。そして、第1部材122の第2側壁144は、例えば溶接によって第2部材124の第2側壁146に取付けることができよう。一方、例えば上述したようなその他の取付け手段が可能である。
【0046】
上述したように、部分102は、例えば
図1~
図4と合わせて開示するように、実質的に閉じた空間138内に設置される1つ以上の補強部材104を包含する。補強部材104は長手方向106に延びる。
図8を参照すると、第1脚部108は、第2脚部110と、第1部材122及び第2部材124のうちの一方122、124の区画130、132の底面134、136との間に設置され、第2脚部110は、第1脚部108と、第1部材122及び第2部材124のうちの他方122、124の区画130、132の底面134、136との間に設置される。図示する実施形態では、第1脚部108は、第2脚部110と、第1部材122の区画130の底面134との間に設置され、第2脚部110は、第1脚部108と、第2部材124の区画132の底面136との間に設置される。一方、代わりの実施形態において、第1脚部108は、第2脚部110と、第2部材124の区画132の底面136との間に設置することができよう。一方で、第2脚部110は、第1脚部108と、第1部材122の区画130の底面134との間に設置することができよう。第1脚部108及び第2脚部110の各々108、110は、第1部材122及び第2部材124のうちの一方122、124の区画130、132内に設置されてもよい。図示する実施形態では、第1脚部108は、第1部材122の区画130内に設置され、第2脚部110は、第2部材124の区画132内に設置される。
【0047】
第1脚部108と第2脚部110との間に、1つ以上の付加的区域又は1つ以上の付加的部材が位置決めされてもよいことが理解されるべきである。第1脚部108と、第1部材122及び第2部材124のうち最寄りの部材122の区画130の底面134との間に、1つ以上の付加的区域又は1つ以上の付加的部材が位置決めされてもよいことが理解されるべきである。第2脚部110と、第1部材122及び第2部材124のうち最寄りの部材124の区画132の底面136との間に、1つ以上の付加的区域又は1つ以上の付加的部材が位置決めされてもよいことが理解されるべきである。特に車両が組み立てられる時、第1部材122又は第2部材124と、車両の内側126又は外側128との間に、1つ以上の付加的区域又は1つ以上の付加的部材が位置決めされてもよいことが理解されるべきである。
【0048】
図8を参照すると、図示する実施形態では、補強部材104の第1脚部108の足部112と、同じ補強部材104の第2脚部110の足部114とは実質、同じ第1方向156を指している。第1方向156は長手方向106に対して交差する。例えば車両構造体100が据付けられている時、第1方向156は上方向であってもよい。補強部材104の第1脚部108の足部112と、同じ補強部材104の第2脚部110の足部114とは実質、第1部材122及び第2部材124の第2側壁144、146の方を指している又はこの第2側壁を向く。
図8を参照すると、図示する実施形態では、頭部区域116は、第1部材122及び第2部材124の第1側壁140、142を向く。頭部区域116が第1部材122及び第2部材124の第1側壁140、142を向くことは、頭部区域116と第1側壁140、142との間に空き空間があることを必ずしも意味するのではない。そうではなく、代わりの実施形態において、それらの間に他の部材又はユニットがあってもよい。
【0049】
図8を参照すると、第1脚部108及び第2脚部110のうちの少なくとも一方、例えば第1脚部108は、第1部材122及び第2部材124のうちの一方122、124の区画130、132の底面134、136、例えば第1部材122の区画130の底面134と実質的に平行である。第1脚部108及び第2脚部110のうちの少なくとも一方108、110、例えば第1脚部108は、第1部材122及び第2部材124のうちの一方122、124の区画130、132の底面134、136、例えば第1部材122の区画130の底面134に当接する。図示する実施形態では、第1脚部108は、第1部材122及び第2部材124のうちの一方122の、第1部材122及び第2部材124のうちの他方124に対して第1脚部108に近い方の区画130の底面134と実質的に平行である。図示する実施形態では、第1脚部108は、第1部材122の区画130の底面134と実質的に平行である。
【0050】
図8を参照すると、図示する実施形態では、第1脚部108は、第1部材122及び第2部材124のうちの一方122、124の区画130、132の底面134、136に取付けられる。図示する実施形態では、第1脚部108は、第1部材122の区画130の底面134に取付けられる。第1脚部108は、例えば、溶接、接着剤又はリベット等の機械的ロック構造体、或いはその他の任意の適切な緊締手段等によって底面134、136に取付けられてもよい。第1脚部108は基本的に、第1脚部108の長さ部分全体に沿って底面134に取付けられてもよい。この別法として又はこの追加として、代わりの実施形態では、第2脚部110は、第1部材122及び第2部材124のうちの一方122、124の区画130、132の底面134、136に、例えば、溶接、接着剤又はリベット等の機械的ロック構造体、或いはその他の任意の適切な緊締手段等によって取付けられてもよい。
【0051】
図9~
図12を参照して、本発明による車両構造体200の第2実施形態を概略的に図説する。
図5~
図8の第1実施形態に対する唯一の差異は、部分202の補強部材104が、
図5~
図8の部分102の補強部材104に対して180°回転していることである。従って、
図12を参照すると、第1脚部108の足部112と第2脚部110の足部114とは実質、第1部材122及び第2部材124の第1側壁140、142の方を指しており又はこれらの第1側壁を向き、頭部区域116は第1部材122及び第2部材124の第2側壁144、146を向く。従って、
図12を参照すると、図示する実施形態では、補強部材104の第1脚部108の足部112と、同じ補強部材104の第2脚部110の足部114とは実質、同じ第2方向157を指している。第2方向157は長手方向106に対して交差する。例えば車両構造体100が据付けられている時、第2方向157は下方向であってもよい。それ以外の点では、
図9~
図12の第2実施形態は、
図5~
図8の第1実施形態に対応してもよいため、ここで第2実施形態を更に詳細には説明しない。
【0052】
図13及び
図14を参照すると、車両構造体の実施形態300、400の部分302、402は、
図13及び
図14にそれぞれ示すように配置される2つ以上の補強部材104を含んでもよい。各補強部材104は、上で開示した補強部材の実施形態104に対応してもよいため、ここで更に詳細には説明しない。代わりの実施形態において、これらの補強部材104のうちの1つ104の第1脚部108と、これらの補強部材104のうちの他の1つ104の第1脚部108とが、第1部材122及び第2部材124の、異なる部材122、124に当接してもよい又は取付けられてもよい。
【0053】
上で説明した車両構造体100、200、300、400の各々は、車両側部構造体100、200、300、400であってもよく、それぞれの部分102、202、302、402は側部部分102、202、302、402であってもよい。一方、車両構造体100、200、300、400は、車両の他の場所に、例えば車両の前部に適用及び装着されてもよく、車両の後部で又は車両内の他の場所でバンパの一部であってもよい。車両構造体100、200、300、400は、例えば電気車両内又はハイブリッド車両内で使用されてもよいが、当然ながら、燃焼機関のみを備えた普通車両内でも使用されてもよい。車両構造体100、200、300、400は、電気車両又はハイブリッド車両の、1つ以上の電池を保護するように構成されてもよい。従って、車両構造体100、200、300、400は、電池の、1つ以上の側に設置されてもよい。
【0054】
説明した部分102、202、302、402の各々は、有利には、側ばり部分102、202、302、402として使用される。従って、開示した、部分の実施形態102、202、302、402の各々は、側ばり部分102、202、302、402であってもよい。側ばり部分102、202、302、402は、車体の長手方向106に延びるように構成されるとともに、車体の側部に提供されるように構成される。有利には、側ばり部分102、202、302、402は、車体の、1つ以上の横梁162、164、例えば2つの横梁162、164に取付けられるように構成される。一方、代わりの実施形態において、部分又は側部部分は、側ばり部分でなく、側部梁部分、バンパ部分、或いは、車両内の他の場所に設置されるように構成される梁部分であってもよい。
【0055】
上で開示した車両構造体の、異なる実施形態の特徴は、更なる有利な実施形態を提供する、可能である様々な仕方で組み合わせてもよい。
【0056】
本発明は、図説した実施形態に限定されるものと見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者により多くの方法で修正および変更することができる。
【国際調査報告】