(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】平面レンズを用いたコンフォーマル光学部品の波面誤差補正
(51)【国際特許分類】
G02B 3/00 20060101AFI20230420BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
G02B3/00 B
G02B5/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549352
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-11
(86)【国際出願番号】 US2021021122
(87)【国際公開番号】W WO2021183387
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504242618
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】バレイン クララ アール
(72)【発明者】
【氏名】シャレク パトリシア エス
(72)【発明者】
【氏名】バレイン アーウィン エー ピー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェラス ジョアン エム
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン ドン エー
(72)【発明者】
【氏名】マカーティ ロバート ジェイ
【テーマコード(参考)】
2H249
【Fターム(参考)】
2H249AA04
2H249AA14
2H249AA65
(57)【要約】
実施形態は、平面レンズを用いたコンフォーマル光学部品の波面誤差(WFE)補正のためのシステム及び方法に関する。実施形態は、電磁放射(EMR)に対して透過性であるコンフォーマル光学部品を含み、EMRは光軸に沿ってコンフォーマル光学部品を通って伝搬する。コンフォーマル光学部品は、光軸に対して回転非対称である。平面補正レンズは、コンフォーマル光学部品のWFEを補正するように構成される。平面補正レンズは、レンズ軸を定義する。従って、単一の平面補正レンズをコンフォーマル光学部品のWFE補正に用いることで、かさばりや製造における複雑さが軽減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系であって、
電磁放射(EMR)に対して透過性であるコンフォーマル光学部品と、
平面補正レンズであって、光軸に沿って前記コンフォーマル光学部品を通り、前記平面補正レンズを通って検出器へ伝搬するEMRの波面誤差(WFE)を補正するように構成され、レンズ軸を定義する平面補正レンズと、
を備え、
前記コンフォーマル光学部品は前記光軸に対して回転非対称である、
ことを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記コンフォーマル光学部品はコンフォーマル光学窓を備える、
ことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項3】
前記コンフォーマル光学部品はコンフォーマルドームを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項4】
前記EMRは中波赤外線(MWIR)放射又は長波赤外線(LWIR)放射の少なくとも一つを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項5】
前記平面補正レンズの屈折率は前記レンズ軸に対して回転非対称である、
ことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項6】
前記レンズ軸は前記光軸と一直線に揃えられる、
ことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項7】
前記平面補正レンズは屈折率分布型(GRIN)レンズを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項8】
前記GRINレンズは基板にエッチングされたGRIN面を備える、
ことを特徴とする請求項7記載の光学系。
【請求項9】
前記GRINレンズは基板に施されたGRINコーティングを備える、
ことを特徴とする請求項7記載の光学系。
【請求項10】
前記平面補正レンズは10mm未満の厚さを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項11】
前記平面補正レンズは約0.5mmの厚さを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項12】
波面誤差(WFE)を補正する方法であって、
プロセッサーによって干渉計を作動させてコンフォーマル光学部品及び平面補正レンズの下流における電磁放射(EMR)のWFEを測定することであって、前記平面補正レンズはレンズ軸を定義し、前記EMRは光軸に沿って前記コンフォーマル光学部品を通って伝播し、前記コンフォーマル光学部品は前記光軸に対して回転非対称であることと、
前記プロセッサーによって前記WFEを低減する屈折率の指示内容を決定することと、
前記プロセッサーによりエネルギー源を操作し、前記屈折率の指示内容に従って前記平面補正レンズの表面にエネルギービームを指向させ、前記表面を変化させることによって、前記表面の複数の場所で屈折率を変化させることと、
を備える、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記コンフォーマル光学部品はコンフォーマル光学窓を備える、
ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記コンフォーマル光学部品はコンフォーマルドームを備える、
ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記EMRは中波赤外線放射(MWIR)又は長波赤外線放射(LWIR)の少なくとも一つを備える、
ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記平面補正レンズの屈折率は前記レンズ軸に対して回転非対称である、
ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記平面補正レンズは屈折率分布型(GRIN)レンズを備える、
ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項18】
前記平面補正レンズは10mm未満の厚さを備える、
ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項19】
波面誤差(WFE)補正のためのシステムであって、
コンフォーマル光学部品及び平面補正レンズの下流における電磁放射(EMR)のWFEを測定するように構成された干渉計であって、前記平面補正レンズはレンズ軸を定義し、前記EMRは光軸に沿って前記コンフォーマル光学部品を通って伝播され、前記コンフォーマル光学部品は前記光軸に対して回転非対称である干渉計と、
前記WFEを低減する屈折率の指示内容を決定するように構成されたプロセッサーと、
前記屈折率の指示内容に従って前記平面補正レンズの表面にエネルギービームを指向させ、前記表面を変化させることによって、前記表面の複数の場所で屈折率を変化させるように構成されたエネルギー源と、
を備える、
ことを特徴とするシステム。
【請求項20】
前記コンフォーマル光学部品はコンフォーマルドームを備え、
前記EMRは中波赤外線放射(MWIR)又は長波赤外線放射(LWIR)の少なくとも一つを備え、
前記平面補正レンズの屈折率は前記レンズ軸に対して回転非対称であり、
前記平面補正レンズは屈折率分布型(GRIN)レンズを備え、
前記平面補正レンズは10mm未満の厚さを備える、
ことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年3月9日に出願された米国特許出願第16/812,975号(名称「平面レンズを用いたコンフォーマル光学部品の波面誤差補正」)の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本実施形態は、光学系に関連し、特に、平面レンズを用いてコンフォーマル光学部品の下流における波面誤差を補正することに関連する。
【背景技術】
【0003】
コンフォーマル光学部品は、ホストプラットフォームの形状に追従する外面を有する(例えば、空力的な用途で)。例えば、コンフォーマル光学部品は、空力抵抗を変更するため及び/又はレーダーシステムによる検出の難易度を高めるために、乗り物(例えば、航空機)に使用される。光路に沿って電磁放射(EMR)を指向させる光学素子は、必然的にEMRの波面に何らかの収差を導入し、特にコンフォーマル形状は、光学性能を低下させ、著しい光学収差を引き起こす。本明細書では、このような収差を波面誤差(WFE)と呼称する。WFEは、焦点面アレイ又は他のセンサといったEMRを利用する光路内の部品の性能を低下させる。更に、コンフォーマル光学部品の表面輪郭及び/又は配向によって、コンフォーマル光学部品を通って検出器までの経路が回転非対称になり、これが更に波面誤差の原因となる可能性がある。
【0004】
このような波面誤差を補正するために、補正レンズを使用してもよい。しかしながら、現行の補正解決法は、かさばる、高価である、及び/又は製造が困難である等の可能性がある。例えば、従来のレンズは、一般的に湾曲しており、厚く、回転対称である。従来のレンズを用いて回転非対称の光学部品のWFEを補正するには、通常、複数のレンズが必要である。従って、そのような従来のレンズ解決法を用いたシステムは、特に特定の用途(例えば、航空機)においては比較的かさばる。
【0005】
他に可能性のある解決法は、一般的に複雑であり、及び/又は従来の研削及び/又は研磨手法を使用したのでは製造が困難な特殊な形状が必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
実施形態は、平面レンズを用いたコンフォーマル光学部品の波面誤差(WFE)補正のためのシステム及び方法に関する。実施形態は、電磁放射(EMR)に対して透過性があるコンフォーマル光学部品を含み、この電磁放射は光軸に沿ってコンフォーマル光学部品を通って伝搬する。コンフォーマル光学部品は、光軸に対して回転非対称である。平面補正レンズは、コンフォーマル光学部品のWFEを補正するように構成される。平面補正レンズはレンズ軸を定義する。従って、単一の平面補正レンズをコンフォーマル光学部品のWFE補正に用いることで、かさばりや製造の複雑さが軽減される。
【0007】
一つの実施形態では、光学系は、EMRに対して透過性があるコンフォーマル光学部品と、光軸に沿ってコンフォーマル光学部品を通り、平面補正レンズを通って検出器へ伝搬するEMRのWFEを補正するように構成された平面補正レンズを含む。平面補正レンズは、レンズ軸を定義する。コンフォーマル光学部品は、光軸に対して回転非対称である。
【0008】
別の実施形態では、WFEを補正する方法は、プロセッサーによって干渉計を作動させてコンフォーマル光学部品及び平面補正レンズの下流におけるEMRのWFEを測定することを含む。平面補正レンズは、レンズ軸を定義する。EMRは、光軸に沿ってコンフォーマル光学部品を通って伝搬する。コンフォーマル光学部品は、光軸に対して回転非対称である。本方法は、プロセッサーによって波面誤差を低減する屈折率の指示内容を決定することを更に含む。本方法は、プロセッサーによって、屈折率の指示内容に従って平面補正レンズの表面にエネルギービームを指向させ、その表面を変化させることによって、表面の複数の場所で屈折率を変化させるように、エネルギー源を操作することを更に含む。
【0009】
別の実施形態では、WFE補正のためのシステムは、コンフォーマル光学部品及び平面補正レンズの下流におけるEMRのWFEを測定するように構成された干渉計を含む。平面補正レンズは、レンズ軸を定義する。EMRは、光軸に沿ってコンフォーマル光学部品を通って伝搬する。コンフォーマル光学部品は、光軸に対して回転非対称である。本システムは、プロセッサーによって波面誤差を軽減する屈折率の指示内容を決定することを更に含む。本システムは、屈折率の指示内容に従って平面補正レンズの表面にエネルギービームを指向させ、その表面を変化させることによって、表面の複数の場所で屈折率を変化させるように構成されたエネルギー源を更に含む。
【0010】
当業者は、添付の図面と関連した実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、本開示の範囲を理解し、その追加の態様を実現することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示のいくつかの態様を示し、説明と合わせて、本開示の原理を理解するのに役立つ。
【0012】
【
図1】
図1は、コンフォーマル光学部品及び平面補正レンズを含む光学系を横から見た断面図である。
【0013】
【0014】
【
図2B】
図2Bは、正面図、クローズアップ、及び横から見た断面図を含む
図2Aの平面補正レンズのブロック図である。
【0015】
【
図3】
図3は、波面誤差(WFE)補正装置のブロック図であり、WFEの特定と補正を示す。
【0016】
【
図4】
図4は、
図1~
図3の平面補正レンズの表面を変化させてWFEを補正するための方法のフローチャートである。
【0017】
【
図5】
図5は、
図1~
図3の平面補正レンズの一つの実施形態の一次回折効率を説明する図である。
【0018】
【
図6A】
図6Aは、
図1~
図3の平面補正レンズの一つの実施形態を用いた、様々な波長にわたっての変調伝達機能の改善を説明する図である。
【0019】
【
図6B】
図6Bは、
図1~
図3の平面補正レンズの一つの実施形態を用いた、特定の波長における変調伝達機能の改善を説明する図である。
【0020】
【
図7】
図7は、中波赤外線(MWIR)放射コンフォーマルドームを補正するための円柱状平面補正レンズの設計を示す図である。
【0021】
【
図8A】
図8Aは、
図7のMWIRコンフォーマルドームを用いて撮影された画像である。
【0022】
【
図8B】
図8Bは、
図7のMWIRコンフォーマルドーム及び従来の円筒形補正レンズを用いて撮影された画像である。
【0023】
【
図8C】
図8Cは、
図7のMWIRコンフォーマルドーム及び
図1~3の平面補正レンズを用いて撮影された画像である。
【0024】
【
図9】
図9は、一つの実施形態による、表面の屈折率をカスタマイズするのに適したシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に示す実施形態は、当業者が実施形態を実践することを可能にするための情報を表し、実施形態を実施する最良の態様を例示するものである。添付の図面に照らして以下の説明を読めば、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書で特に取り上げていないこれらの概念の応用を認識することができるであろう。これらの概念及び応用は、本開示及び添付の特許請求の範囲に含まれることを理解されたい。
【0026】
本明細書で詳述するフローチャートはいずれも、説明のために、必然的にある順序で説明されるが、他に明示的に示されない限り、実施形態は、ステップの任意の特定の順序に制限されない。本明細書において、要素と関連して序数を使用することは、「第1層」と「第2層」のように、さもなければ類似又は同一のラベルであり得るものを区別するためだけであり、本明細書に特に記載しない限り、優先順位、タイプ、重要性、又は他の属性を意味するものではない。本明細書で数値と組み合わせて使用する「約」という用語は、その数値より10%大きい又は小さい範囲内にある任意の値を意味する。
【0027】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、要素に言及する冠詞「a」及び「an」は、他に明示的に指定されない限り、その要素の「1つ以上」を指す。本明細書及び特許請求の範囲で使用される「又は」という語は、文脈上不可能でない限り包含的である。一例として、A又はBの記載は、A、又はB、又はA及びBの両方を意味する。
【0028】
本明細書で使用されるフレーズ「表面」は、物品の最外部を指し、物品の最外部の厚さを含む。正確な厚さは、本明細書に特に記述のない限り、一般に実施形態に関係しない。例えば、材料の層は、材料の層の最外部だけでなく、材料の層へのある深さを含む表面を有し、深さは比較的浅くてもよく、又は材料の層の中に実質的に延びてもよい。本明細書に記述のサブ波長開口部は表面に形成されるが、サブ波長開口部の深さが表面の深さを超えて延びるか否かは、一般に実施形態に関係しない。
【0029】
層、領域、又は基板などの要素が、他の要素の「上に」ある、又は「上に」延びていると言及されるとき、それは他の要素の上に直接ある又は直接延びることができ、あるいは介在する要素も存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、ある要素が他の要素の「上に直接」ある、又は「上に直接」延びていると言及されるとき、介在する要素は存在しない。同様に、層、領域、又は基板等の要素が、他の要素の「上に」ある、又は「上に」延びていると言及されるとき、それは他の要素の上に直接ある又は直接延びることができ、あるいは介在する要素も存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、ある要素が他の要素の「上に直接」ある、又は「上に直接」延びていると言及されるとき、介在する要素は存在しない。また、要素が他の要素に「接続されている」又は「結合されている」と言及される場合、他の要素に直接接続又は結合することができ、あるいは介在する要素が存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、ある要素が他の要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」と言及されるとき、介在する要素は存在しない。
【0030】
本明細書では、「下」又は「上」、「上」又は「下」、「水平」又は「垂直」のような相対的な用語は、図示されているように、ある要素、層または領域と別の要素、層または領域との関係を説明するために使用されることがある。これらの用語及び上述した用語は、図に描かれた向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することを意図していることを理解されたい。
【0031】
本明細書において「近接した」という語の使用は、その位置、隣または近傍を意味する。
【0032】
実施形態は、屈折率分布(GRIN)光学系の生成を含む。材料の表面にGRIN光学系を生成するための機構は、例えば、米国特許第9,340,446号及び第9,772,255号に開示されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
実施形態は、光学系に関連し、特に、コンフォーマル光学部品の波面誤差(WFE)を補正するための平面GRINレンズ(本明細書においては他にもメタサーフェス、メタレンズ等と呼称されることがある)に関連する。実施形態は、電磁放射(EMR)に対して透過性の表面部分を有する少なくとも一つのコンフォーマル光学部品を含む。実施形態は、空気/表面での屈折率を変化させることによりコンフォーマル光学部品のWFEを補正する平面補正レンズの表面におけるサブ波長開口部を有する光学部品を含む。
【0034】
所望の屈折率n
effは、下記の式によればサブ波長開口部によっても形成され得る。
【数1】
ここで、n
1、n
2、n
Nは異なる材料の屈折率であり、f
1、f
2、f
Nはそれぞれの充填率である。屈折率の所望の変化を達成するために多くの異なるパターンが使用され得ることに留意されたい。
【0035】
媒体の表面に形成されたサブ波長開口部の直径Dとサブ波長開口部間の距離Lとによって定義される特定の充填率におけるサブ波長開口部のパターンは、媒体の屈折率を変化させることができる。「サブ波長」という語句は、問題となる波長より小さい開口部の直径を指す。例えば、本明細書における実施例は3マイクロメートル(μm)(すなわち、3000ナノメートル(nm))~5μm(すなわち、5000nm)の範囲の波長という文脈で述べられ、従って、サブ波長開口部は、直径が3000nmより小さい開口部を指す。特に、所望の屈折率n
effは、サブ波長開口部の六角形状パターンに対して、下記の式に従いDとLについて解くことにより、材料に形成できる。
【数2】
ここで、n
airは空気の屈折率であり(空気を第1の媒体とする)、n
substrateは第2の媒体の屈折率であり、Dはサブ波長開口部の直径であり、Lはサブ波長開口部の中心間の距離を特定するピッチである。
【0036】
本明細書においては、GRIN平面補正レンズ(他にも位相補正器と呼称されることがある)が開示される。特定の実施形態では、平面補正レンズは、リソグラフィーツール(例えば、電子ビーム、UVリソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィーなど)を用いて基板(例えば、平面光学系、ウェハーなど)の上に直接製造される。リソグラフィーによって、(従来の光学補正素子と比較して)高スループット且つ容易な製造が可能となり得る。光を屈折させて出力位相差を補正するために、Δtで示される複雑な形状/曲率を必要とする他の解決法と対照的に、平面補正レンズは、曲率のないように厚さを一定に保ちつつ平面マスク全体の屈折率(Δn)を制御することにより加工される。
【数3】
【0037】
他の解決法と比較して、平面補正レンズは、製造が困難な複雑な曲面を必要とせず、高スループットのリソグラフィー技術を使用し、基板材料に直接エッチングされ(潜在的な剥離問題を最小限に抑える)、より低コストで、及び/又はより製造が容易である。
【0038】
図1は、コンフォーマル光学部品102、対物レンズ106(1)~106(3)(本明細書においては対物レンズ106と総称される)を含む対物レンズ組立体104、及び平面補正レンズ108(他にも扁平補正レンズ等と呼称されることがある)を含む光学系100を横から見た断面図である。特定の実施形態では、光学系100は、カメラ112の一部となり得る検出器110を含む。光学系100は、標的114からコンフォーマル光学部品102及び対物レンズ組立体104を通って検出器110へEMRを受けるように構成される。平面補正レンズ108は、コンフォーマル光学部品102及び/又は対物レンズ組立体104内の一又は複数の対物レンズ106によって発生したいかなるWFEも補正するように構成される。検出器110(例えば、焦点面アレイ)は、波面が補正されたEMRに基づいて画像を取り込むように構成される。
【0039】
コンフォーマル光学部品102は、EMRに対して透過性である。EMRは、光軸Aに沿って、コンフォーマル光学部品102を通って平面補正レンズ108へ伝搬する。特定の実施形態では、コンフォーマル光学部品102は、コンフォーマル光学窓及び/又はコンフォーマルドームを含む。特定の実施形態では、コンフォーマル光学部品102は、回転非対称の形状を有する。他の実施形態では、コンフォーマル光学部品102は、回転対称の形状を有するが、光軸Aに対して回転非対称に方向づけられている。即ち、コンフォーマル光学部品102は、光軸に対して回転非対称である。特定の実施形態では、コンフォーマル光学部品102は、円錐状、ピラミッド状、及び/又は円柱状等の形状を含んでいてもよい。更に、特定の実施形態では、コンフォーマル光学部品102は、単一の一体型部品である。他の実施形態では、コンフォーマル光学部品102は、複数の光学部品を含む。
【0040】
特定の実施形態では、対物レンズ組立体104は、平面補正レンズ108を含む複数の対物レンズ106を含む。各対物レンズ106及び平面補正レンズ108は、EMR放射に対して透過性である。例えば、図示されるように、対物レンズ組立体104は、第1対物レンズ106(1)、第2対物レンズ106(2)、第3対物レンズ106(3)、及び平面補正レンズ108を含む。平面補正レンズ108は、検出器110に近接して(例えば、対物レンズ106(1)~(3)と検出器110の間に)配置され、コンフォーマル光学部品102及び/又は対物レンズ106のいずれかによって潜在的に導入されるWFEを補正する。即ち、平面補正レンズ108は、コンフォーマル光学部品102を通って検出器110へ伝搬するEMRのWFEを補正するように構成される。平面補正レンズ108は、レンズ軸を定義する。特定の実施形態では、レンズ軸Bは光軸Aと一直線に揃えられる。
【0041】
特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、GRINレンズを含む。特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、基板にエッチングされたGRIN面を含む。特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、基板に施されたGRINコーティングを含む。特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、10mm未満の厚さ(例えば、約0.5mm)を含む。
【0042】
特定の実施形態では、光学系100は、例えば、レーザー放射、赤外線放射、紫外線、可視(光)等の、様々な種類のEMR放射の一又は複数に対して構成される。例えば、特定の実施形態では、EMRは、中波赤外線放射(MWIR)又は長波赤外線放射(LWIR)の少なくとも一つを含む。実施形態は、一般に、本明細書において選択されたEMRの帯域と呼称される特定の帯域の光の中で使用するために設計され、非限定的な例として、短波赤外線放射(IR)、中波IR、長波IR、紫外線、可視光等を含み得る。かかる帯域は、30μm~1mm、3μm~30μm、700nm~3μm、400nm~700nm、200nm~400nm、1.4μm~3μm、3μm~8μm、8μm~15μm、及び/又は15μm~1000μmの波長帯域を含んでいてもよいが、これらに限定されない。
【0043】
図示されていないが、光学系100は、他にも、光学系100全体に伝搬させるためにEMR放射を焦点化するか又は他の方法で操作するために、標的114と検出器110の間の光路に配置された一又は複数のレンズ、及び/又は一又は複数の反射器を含んでいてもよい。
【0044】
図2A~2Bは、
図1の平面補正レンズを見た図である。
図2Aを参照すると、平面補正レンズ108は、平らな表面116及び平らな裏面118を有し、その厚さTは10mm未満(例えば、0.5mm)である。特定の実施形態では、厚さTは、5mm未満、2.5mm未満、又は1mm未満である。
【0045】
平面補正レンズ108は、任意の適した光学材料を含み、光学系100が設計された特定の波長、又は波長帯域に基づいて選択され得る。例えば、特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、ケイ素、二酸化ケイ素、サファイア、ゲルマニウム、Cleartran(トレードマーク)(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、カルコゲナイドガラス(例えば、AMTIR‐4、AMTIR‐5、IRG24)等を含む。例としては、IR波長について、平面補正レンズ108は、ゲルマニウム、シリコン等を含んでいてもよい。一つの実施形態では、平面補正レンズ108は、非晶性状態及び結晶性状態を含む複数の状態を有するガラス‐セラミック材料を含む。材料は、非晶性状態のときに一つの屈折率を有し、結晶性状態のときに別の屈折率を有する。これにより、材料は、コンフォーマル光学部品102に関連するWFEを補正するために変化させられ得る平面補正レンズ108の表面を形成する。特に、屈折率の指示内容に従って、レーザー等のエネルギービーム源によって材料内の場所をターゲットにし、その場所を非晶性状態から結晶性状態に変化させ、それによって屈折率を変化させてWFEを補正できる。
【0046】
図2Bを参照すると、一つの実施形態では、表面116は、表面116に開口部を形成して表面116の気孔率を変化させ、それにより表面の屈折率を変化させることによって変化させられる。特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、レンズ軸B(平面補正レンズ108の中心)からの距離D(1)第1部分120(1)及びレンズ軸Bからの距離D(2)第2部分120(2)を含んでいてもよい。例として、距離D(1)は、中心Cからの距離D(2)と同一である。更に、第1部分120(1)は、第2部分120(2)と異なる屈折率を有する。特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、レンズ軸Bに対して回転非対称な屈折率を有する。特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、180°回転についてのみ回転対称な屈折率を有する。従来のレンズと比較して、平面補正レンズ108は、回転対称性を必要としない。
【0047】
特定の実施形態では、第1部分120(1)は、第1の充填率の開口部122(1)を含み、第2部分120(2)は、第2の充填率(第1屈折率とは異なる)の開口部122(2)を含む。第1部分120(1)は、表面116の本来の屈折率を第1の所望の屈折率に変化させる、第1の充填率の複数の第1サブ波長開口部122(1)を形成する。第2部分120(2)は、本来の屈折率を第2の所望の屈折率(第1の所望の屈折率とは異なる)に変化させる、第2の充填率の複数の第2サブ波長開口部122(2)を形成する。
【0048】
第1サブ波長開口部122(1)及び第2サブ波長開口部122(2)の、直径及び/又は深さは同一であっても又は異なっていてもよい。更に、第1サブ波長開口部122(1)間のピッチL1は、第2サブ波長開口部122(1)間のピッチL2と同一であっても又は異なっていてもよい。直径123、開口部122(1)、122(2)(開口部122と総称される)間の距離、及び計算された深さ124(1)、124(2)の組み合わせが決定され、その後、表面116に形成されて表面116の気孔率を変化させることにより、表面116の様々な場所の屈折率を変化させてWFEを低減又は除去する。いくつかの実施形態では、直径123は、散乱を最小限に抑えるために、対象となるEMRの波長の約半分未満であってもよい。
【0049】
平面補正レンズ108は、コンフォーマル光学部品102の長さL及び/又は幅Wにわたって、様々な充填率及びその結果として生じる屈折率を有していてもよい。一つの実施形態では、サブ波長開口部122は、表面116にエネルギービームを指向させてサブ波長開口部122のマスクをインプリントすることにより形成されるが、実施形態は特定のマスクのインプリント機構に限定されない。エネルギービームは、非限定的な例として、イオンビーム、電子ビームリソグラフィー、又はレーザービームを含む。特定の実施形態では、製造コスト削減のためにリソグラフィー製造プロセスを使用してもよい。その後、続けて化学的又は物理的エッチング処理手順を行って、マスクに従って開口部122を形成してもよい。特定の実施形態では、原子層堆積(ALD)、又は類似の技術で層をサブ波長開口部122の上に堆積させてもよい。
【0050】
図3は、WFE補正装置126のブロック図である。特定の実施形態では、WFE補正装置126は、
図1のコンフォーマル光学部品102及び平面補正レンズ108の下流におけるEMRのWFEを測定するように構成された干渉計128を含む。平面補正レンズ108は、レンズ軸Bを定義する。特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、レンズ軸Bに対して回転非対称な屈折率を有する。EMRは、光軸Aに沿ってコンフォーマル光学部品102を通って伝播する。コンフォーマル光学部品102は、光軸Aに対して回転非対称である。
【0051】
特定の実施形態では、干渉計128は、レーザービーム138を用いてWFEを測定する。WFEは、干渉計128によって、例えば、検出器(例えば、焦点面アレイ144)が配置されるイメージプレーン142で測定されてもよい。特に、イメージプレーン142でWFEを測定することにより、コンフォーマル光学部品102及び対物レンズ組立体104によって生じる累積的、又は集合的なWFEが測定される。干渉計128は、イメージプレーン142でWFEを測定し、平面補正レンズ108の表面116は、WFEを補正するように変化させられる。干渉計128は、WFEを特定するデータ、又はWFEを測定できるようなデータを計算デバイス130に提供する。
【0052】
干渉計128は、コンフォーマル光学部品102及び/又は対物レンズ106に関連するWFEを測定することが可能である。干渉計128は、インターフェログラム等の特定のフォーマットでWFEを定量化するデータを生成する。本明細書においては、例として干渉計を取り上げるが、WFE測定部品は、光学素子に関連するWFEを測定可能なあらゆるデバイスを含み得る。例えば、特定の実施形態では、変調伝達関数(MTF)が計測され、(干渉計128の使用に代えて又は加えて)MTFに基づいてWFEが測定される。
【0053】
WFE補正装置126は、データを受信及び処理して、WFEを補正するために平面補正レンズ108の表面116に加えられるべき変更を特定する屈折率の指示内容を決定する計算デバイス130を更に含む。計算デバイス130は、一又は複数のマイクロプロセッサー又はプロセッサー132、メモリー134、及びストレージ136を含み得る。特に、プロセッサー132は、波面誤差を低減する屈折率の指示内容を決定するように構成される。
【0054】
WFE補正装置126は、屈折率の指示内容に従って平面補正レンズ108の表面116にエネルギービーム140を指向させ、表面116を変化させることによって、表面の複数の場所で屈折率を変化させるように構成されたエネルギー源139を更に含む。特定の実施形態では、平面補正レンズ108の屈折率は、レンズ軸に対して回転非対称である。特定の実施形態では、エネルギー源139は、電子ビームリソグラフィーシステムである。
【0055】
図4は、
図1~3の平面補正レンズの表面を変化させてWFEを補正するための方法のフローチャートである。手順152において、本方法は、プロセッサー132によって干渉計128を作動させてコンフォーマル光学部品102及び平面補正レンズ108の下流におけるEMRのWFEを測定することを含み、ここで、平面補正レンズ108はレンズ軸Bを定義する。EMRは、光軸Aに沿ってコンフォーマル光学部品102を通って伝播する。コンフォーマル光学部品102は、光軸Aに対して回転非対称である。
【0056】
手順154において、本方法は、プロセッサー132によってWFEを低減する屈折率の指示内容を決定することを更に含む。
【0057】
手順156において、本方法は、プロセッサー132によりエネルギー源146を操作し、屈折率の指示内容に従って平面補正レンズ108の表面116にエネルギービーム148を指向させ、表面116を変化させることによって、表面116の複数の場所で屈折率を変化させることを更に含む。特定の実施形態では、平面補正レンズ108の屈折率は、レンズ軸に対して回転非対称である。特定の実施形態では、エネルギービーム148は、イオンビーム及びレーザービームの一つを含む。
【0058】
図5は、
図1~3の平面補正レンズ108の一次回折効率を示す図である。なお、平面補正レンズ108は特定の波長に最適化されてもよいが、特定の実施形態では、平面補正レンズ108は、複数の波長にわたって広帯域効率を提供する。例えば、一つの実施形態では、平面補正レンズ108は、0.5mmのゲルマニウムウェハー(他にも基板と呼称されることがある)の上に厚さ10μmのフェーズマスクを有する。平面補正レンズ108は、LWIRの10μmの波長に最適化されているが、なおも8μm~13μmの波長域において80%を超える集束効率を有する。更に、図において、例えば開口部は、様々な間隔を有する300nmの穴である。
【0059】
図6Aは、
図1~
図3の平面補正レンズを用いた、様々な波長にわたっての変調伝達関数の改善を説明する図である。この図は、平面補正レンズ108を用いた及び用いない場合の、光学系の変調伝達関数(MTF)の理論値及び実測値を示している。なお、MTFは、画像の鮮明度を計測した値である。この図には、平面補正レンズ160を用いて計測されたMTF及び平面補正レンズ162を用いて計測されたMTFが示されている。なお、本実施形態では、平面補正レンズ160に反射防止コーティングが施されていなかったため、この特定の平面補正レンズ160の分析にはゴーストが含まれていたことに留意されたい。特定の実施形態では、平面補正レンズ160に反射防止コーティングが施される。図示されているように、平面補正レンズ108を使用することにより、理論値及び実測値の両方で改善がなされた。
【0060】
図6Bは、
図1~
図3の平面補正レンズ108を用いた、特定の波長での変調伝達関数の改善を説明する図である。特に、9μmで計測されたMTF164、10μmで計測されたMTF166、11μmで計測されたMTF168、及び12μmで計測されたMTF170が図示されている。
【0061】
図7は、MWIRコンフォーマルドームを補正するための、円柱形状を有する平面補正レンズ108’の設計を示す図である。示されているように、開口部の密度は平面補正レンズ108’の長さにわたって変化し、平面補正レンズ108’の長さにわたって屈折率を変化させる。
【0062】
図8Aは、
図7のMWIRコンフォーマルドームを用いて撮影された画像である。
図8Bは、MWIRコンフォーマルドーム及び従来の円柱状補正レンズを用いて撮影された画像である。
図8Cは、MWIRコンフォーマルドーム及び
図1~3の平面補正レンズ108を用いて撮影された画像である。MWIRコンフォーマルドームを用いて撮影された
図8Cの画像は、
図8A及び
図8Bの画像と比較してより鮮明であり、且つコンフォーマルドームを通した収差を除去している。
【0063】
図9は、一実施形態による、表面の屈折率をカスタマイズするのに適したシステム174のブロック図である。このシステム174は、一又は複数の別個の計算デバイスを含んでいてもよい。このシステム174は、プロセッサーデバイス176、システムメモリー178、及びシステムバス180を含む。システムバス180は、システムメモリー178及びプロセッサーデバイス176を含むがこれに限定されないシステムコンポーネントのためのインターフェースを提供する。プロセッサーデバイス176は、任意の市販又は専用のプロセッサーとすることができる。
【0064】
システムバス180は、様々な市販のバスアーキテクチャのいずれかを使用して、メモリーバス(メモリーコントローラーを有する又は有しない)、ペリフェラルバス、及び/又はローカルバスに更に相互接続できる数種類のバスアーキテクチャのいずれであってもよい。システムメモリー178は、不揮発性メモリー182(例えば、読み取り専用メモリー(ROM)、消去可能ROM(EPROM)、電気的EPROM(EEPROM)等)、及び揮発性メモリー184(例えば、RAM)を含んでいてもよい。基本入出力システム(BIOS)186は、不揮発性メモリー182に格納されていてもよく、システム174内の要素間での情報の伝達を助ける基本ルーチンを含み得る。揮発性メモリー184は他にも、データをキャッシュするためにスタティックRAM等の高速RAMを含んでいてもよい。
【0065】
システム174は、記憶デバイス188等の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を更に含むか、又はそれに結合されてもよく、記憶デバイス188は、例えば、内部又は外部ハードディスクドライブ(HDD)(例えば、拡張統合ドライブエレクトロニクス(EIDE)又はシリアル・アドバンスド・テクノロジー・アタッチメント(SATA))、HDD(例えば、EIDE又はSATA)、フラッシュメモリー等を含んでいてもよい。記憶デバイス188並びにコンピュータ可読媒体及びコンピュータ使用可能媒体に関する他のドライブは、データ、データ構造、コンピュータ実行可能命令等の不揮発性ストレージを提供してもよい。上記のコンピュータ可読媒体についての記述ではHDDを参照しているが、Zipディスク、磁気カセット、フラッシュメモリーカード、カートリッジ等のコンピュータで読み取り可能な他の種類の媒体も動作環境で使用されてもよく、更に、そのような媒体はいずれも開示された実施例の新たな方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含んでいてもよいことが理解されるべきである。記憶デバイス188は、表面がどのように変化させられるべきかを特定する一又は複数の指示内容190を格納していてもよい。例えば、指示内容190は、光学部品の複数の異なる表面部分のそれぞれについて、光学部品の表面に形成されるべきサブ波長開口部の特定の充填率、直径、及びピッチを特定してもよい。
【0066】
記憶デバイス188及び揮発性メモリー184には、指示内容190を決定するために、
図3Aに関する先述の機構を実現する指示決定部192を含む多数のモジュールが格納され得る。実施例の全て又は一部は、記憶デバイス188等の一時的又は非一時的コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読ストレージ媒体に格納され、複雑なコンピュータ可読プログラムコード等の、プロセッサーデバイス176に本明細書に記述された手順を実行させるための複雑なプログラミング命令を含むコンピュータプログラム製品として実現されてもよい。従って、コンピュータ可読プログラムコードは、プロセッサーデバイス176上で実行された際に本明細書に記載の実施例の機能を実現するためのソフトウェア命令を含み得る。プロセッサーデバイス176は、本明細書に記載の機能を実現するためのシステム174の制御部、又は制御システムとして機能してもよい。
【0067】
オペレーターは他にも、キーボード(図示せず)、マウス等のポインティングデバイス(図示せず)、又は表示デバイス等のタッチセンシティブ表面(図示せず)を介して一又は複数の設定コマンドを入力することが可能であってもよい。かかる入力デバイスは、システムバス180に連結された入力デバイスインターフェース194を介してプロセッサーデバイス176に接続されていてもよいが、パラレルポート、シリアルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IRインターフェース等の他のインターフェースによって接続され得る。
【0068】
システム174は他にも、必要又は要求に応じてネットワークと通信するのに適した通信インターフェース196を含んでいてもよい。システム174は他にも、指示内容190にアクセスするのに適した電子ビームリソグラフィーシステム198を含んでいてもよく、また指示内容190に従って光学部品の表面に複数のサブ波長開口部を形成し、表面の一又は複数の部分を本来の屈折率から所望の屈折率に変化させてもよい。
【0069】
当業者は、本開示の好ましい実施形態についてなされた改善や変更を認識するであろう。かかる改善や変更は全て、本明細書において開示された概念及び続く特許請求の範囲に含まれると見做される。
【国際調査報告】