(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】炭素繊維混合織物、それを含む車両用幌及び車両用シートカバー
(51)【国際特許分類】
D03D 15/275 20210101AFI20230420BHJP
D03D 15/283 20210101ALI20230420BHJP
D03D 1/00 20060101ALI20230420BHJP
B32B 5/02 20060101ALI20230420BHJP
B32B 27/02 20060101ALI20230420BHJP
B32B 25/10 20060101ALI20230420BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20230420BHJP
B60J 7/12 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
D03D15/275
D03D15/283
D03D1/00 A
B32B5/02 B
B32B27/02
B32B25/10
B32B27/30 A
B60J7/12 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552565
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 IB2021051751
(87)【国際公開番号】W WO2021176364
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】102020000004405
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399016318
【氏名又は名称】オートモビリ ランボルギーニ ソチエタ ペル アツイオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】マジーニ,アッティリオ
【テーマコード(参考)】
4F100
4L048
【Fターム(参考)】
4F100AD11A
4F100AK01B
4F100AK07A
4F100AK25C
4F100AK41A
4F100AK47A
4F100AN02B
4F100BA01
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100DG01A
4F100DG07A
4F100DG12A
4F100GB32
4F100YY00A
4L048AA05
4L048AA15
4L048AA20
4L048AA25
4L048AA34
4L048AB07
4L048AB11
4L048BA01
4L048BA02
4L048CA01
4L048CA02
4L048DA27
4L048EB00
(57)【要約】
炭素繊維糸(3)及びポリマー繊維糸(4)の交絡(2)を含む炭素繊維織物が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交絡(2)を形成するために製織された炭素繊維糸(3)及びポリマー繊維糸(4)を含む織物。
【請求項2】
前記交絡(2)は、炭素繊維糸(3)のよこ糸及びポリマー繊維糸(4)のたて糸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の織物。
【請求項3】
前記交絡(2)は、ポリマー繊維糸(4)のよこ糸及び炭素繊維糸(3)のたて糸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の織物。
【請求項4】
前記ポリマー繊維糸(4)は、ポリエステル糸を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の織物。
【請求項5】
前記ポリマー繊維糸(4)は、ポリプロピレン糸を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の織物。
【請求項6】
前記ポリマー繊維糸(4)は、アラミド繊維糸を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の織物。
【請求項7】
前記交絡(2)上に取り付けられ、且つ好ましくはポリマー系溶媒を含む保護層(7)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の織物。
【請求項8】
前記炭素繊維糸(3)のフィラメントの数は、両端値を含めて1K~60K、特に両端値を含めて3K~12Kであることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の織物。
【請求項9】
前記交絡(2)は、綾織の交絡、特に2/1綾織であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の織物。
【請求項10】
前記交絡(2)は、ポリマー繊維のよこ糸(4)の組と、単一の炭素繊維のたて糸(3)とを含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の織物。
【請求項11】
車両用の幌であって、好ましくはブチルゴムの少なくとも1つのゴム層(9)と、車両の外側に面することが意図され、且つ前記ゴム層上に取り付けられる外層(11)とを含み、前記外層(11)は、請求項1~10のいずれか一項に記載の織物(1)を含む、車両用の幌。
【請求項12】
前記車両の内側に面することが意図され、且つ前記ゴム層の、前記外層とは反対の側において、前記ゴム層に取り付けられる内層(10)を含む、請求項11に記載の幌。
【請求項13】
前記内層(10)は、合成材料、好ましくはアクリル材料でできていることを特徴とする、請求項12に記載の幌。
【請求項14】
少なくともの車両上部又はルーフを画定することが意図された主要部分(13)と、各々が前記車両のそれぞれの側面の少なくとも一部を画定する少なくとも第1の側部(14)及び第2の側部(15)とを含み、少なくとも前記主要部分(13)は、請求項1~10のいずれか一項に記載の織物(1)を含むことを特徴とする、請求項11~13のいずれか一項に記載の幌。
【請求項15】
前記第1の側部(14)の内周端部(14a)及び前記第2の側部(15)の内周端部(15a)は、前記内周端部(13a、14a)の長さに沿って延在する頂部(16)を画定するように、前記主要部分(13)のそれぞれの第1の内周端部(13a)及び第2の内周端部(13b)に接続されることを特徴とする、請求項14に記載の幌。
【請求項16】
第1の合わせ目(19)は、前記第1の側部(14)の前記内周端部(14a)の面を前記主要部分(13)の前記第1の内周端部(13a)の面に連結することを特徴とする、請求項15に記載の幌。
【請求項17】
第1の合わせ目(19)は、前記第2の側部(15)の前記内周端部(15a)を前記主要部分(13)の前記第2の内周端部(13b)に連結することを特徴とする、請求項15又は16に記載の幌。
【請求項18】
前記第1の合わせ目(19)が設けられた前記頂部(16)は、前記主要部分(13)の一部上又は前記第1の側部(14)と前記第2の側部(15)との一方の一部上に折りたたまれることを特徴とする、請求項15~17のいずれか一項に記載の幌。
【請求項19】
接着材料の層(20)は、少なくとも前記頂部(16)上に、それを隠すために配置されることを特徴とする、請求項15~18のいずれか一項に記載の幌。
【請求項20】
前記接着材料の層(20)の一部を前記主要部分(13)に連結する少なくとも第2の合わせ目(21)を含むことを特徴とする、請求項19に記載の幌。
【請求項21】
前記接着材料の層(20)の部分を前記第1の側部(14)に連結する少なくとも第2の合わせ目(21)を含むことを特徴とする、請求項19又は20に記載の幌。
【請求項22】
前記接着材料の層(20)の部分を前記第2の側部(15)に連結する第2の合わせ目(21)を含むことを特徴とする、請求項19~21のいずれか一項に記載の幌。
【請求項23】
前記第1の側部(14)の前記内周端部(14a)の折り返し(17)は、好ましくは合わせ目により、前記主要部分(13)の前記第1の内周端部(13a)の折り返し(18)に、前記主要部分(13)及び前記第1の側部(14)が少なくとも前記それぞれの折り返し(17、18)において重なり合うように接続されることを特徴とする、請求項15に記載の幌。
【請求項24】
前記第1の側部(14)及び前記第2の側部(15)はそれぞれ、それぞれの伸縮性要素(22)を含み、前記伸縮性要素(22)は、外周端部(23)と、前記第1の側部(14)の前記内周端部(14a)との間に配設され、前記伸縮性要素(22)は、外周端部(24)と、前記第2の側部(15)の前記内周端部(15a)との間に配設されることを特徴とする、請求項14~23のいずれか一項に記載の幌。
【請求項25】
請求項1~10のいずれか一項に記載の織物(1)を含む、船舶用途のための天幕。
【請求項26】
請求項1~10のいずれか一項に記載の織物(1)の束。
【請求項27】
ゴム、好ましくはブチルゴムの層(9)上に取り付けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載の織物の層(1)を含む、剛性又は半剛性要素のための内張りカバー。
【請求項28】
前記ゴムの層(9)は、0.5mm以下の厚さを有することを特徴とする、請求項27に記載のカバー。
【請求項29】
前記織物の層(1)及び前記ゴムの層(9)は、それぞれの貫通孔を有することを特徴とする、請求項27又は28に記載のカバー。
【請求項30】
請求項27~29のいずれか一項に記載のカバー(100)を少なくとも部分的に含む車両用シート、特に自動車用シート。
【請求項31】
前記カバー(100)の第1の部分(114)の第1の内周端部(114a)及び前記カバー(100)の第2の部分(113)の第2の内周端部(113a)は、前記内周端部(113a、114a)の長さに沿って延在する頂部(116)を形成するように互いに連結されることを特徴とする、請求項30に記載のシート。
【請求項32】
第1の合わせ目(119)は、前記内周端部(114a)の面を前記第2の内周端部(113a)の面に連結することを特徴とする、請求項31に記載のシート。
【請求項33】
前記第1の合わせ目(119)が設けられた前記頂部(116)は、前記第1の部分(113)の一部上又は前記第2の部分(114)の一部上に折りたたまれることを特徴とする、請求項31又は32に記載のシート。
【請求項34】
接着材料の層(120)は、少なくとも前記頂部(116)上に、それを隠すために配置されることを特徴とする、請求項30~33のいずれか一項に記載のシート。
【請求項35】
前記接着材料の層(120)の一部を前記第1の部分(113)に連結する少なくとも第2の合わせ目(121)を含むことを特徴とする、請求項34に記載のシート。
【請求項36】
前記接着材料の層(120)の部分を前記第2の部分(114)に連結する少なくとも第2の合わせ目(121)を含むことを特徴とする、請求項34又は35に記載のシート。
【請求項37】
前記第1の部分(114)の前記内周端部(114a)の折り返し(117)は、好ましくは合わせ目により、前記第2の部分(113)の前記第1の内周端部(113a)の折り返し(118)に、前記第1の部分(113)及び前記第2の部分(114)が少なくとも前記それぞれの折り返し(117、118)において重なり合うように接続されることを特徴とする、請求項31に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維を含む織物又は炭素繊維織物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、炭素繊維のたて糸及びよこ糸を含む織物が知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
炭素繊維を含み、且つ引張が作用する場合に従来技術の炭素繊維織物と比較して少なくとも2~3%だけ伸びることができる織物の要求を満たすために、本出願人は、炭素繊維糸及びポリマー繊維糸の交絡を有する、炭素繊維を含む織物を開発した。
【0004】
有利には、ポリマー繊維糸が炭素繊維糸とともに製織されることで、必要な伸び能力が織物に付与される。
【0005】
この解決策のさらなる特徴及び利点は、添付の図面において示されるような炭素繊維織物の好ましい一実施形態を参照して、以下の代表的であり、したがって非限定的な説明からより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本明細書による炭素繊維織物の一部の概略図である。
【
図4】本明細書による炭素繊維織物から製造された車両用幌の一部の概略断面図である。
【
図5】本明細書による炭素繊維織物から製造された幌を含む車両の概略斜視図である。
【
図7】
図5の幌の第1の変形実施形態の拡大詳細図である。
【
図8】
図5の幌の第2の変形実施形態の拡大詳細図である。
【
図9】
図5の幌の第3の変形実施形態の拡大詳細図である。
【
図10】
図5の幌の第4の変形実施形態の拡大詳細図である。
【
図12】本明細書による炭素繊維織物から製造された車両用シートの内張りカバーの一部の概略断面図である。
【
図13】本明細書による炭素繊維織物から製造された内張りカバーを含む車両用シートの概略斜視図である。
【
図14】
図13のシートの第1の変形実施形態の拡大詳細図である。
【
図15】
図13のシートの第2の変形実施形態の拡大詳細図である。
【
図16】
図13のシートの第3の変形実施形態の拡大詳細図である。
【
図17】
図13のシートの第4の変形実施形態の拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
参照番号1は、本明細書による織物を示す。
【0008】
織物1は、交絡2を形成するために製織された炭素繊維糸3及びポリマー繊維糸4を含む。
【0009】
換言すると、織物1は、炭素繊維糸3及びポリマー繊維糸4の交絡2を有する。
【0010】
炭素繊維糸3は、50~5000g/kmの線密度を有し、5~10ミクロンの直径の1000~60000のフィラメント、特に3000~24000のフィラメントを含む。
【0011】
より具体的には、交絡2は、炭素繊維糸3のよこ糸及びポリマー繊維糸4のたて糸を含む。
【0012】
好ましくは、交絡2の炭素繊維糸3に関して、糸1本当たりのフィラメントの数は、両端値を含めて1K~60K、特に両端値を含めて3K~12Kである。
【0013】
別の一実施形態では、交絡2は、ポリマー繊維糸4のよこ糸及び炭素繊維糸3のたて糸を含む。
【0014】
有利には、ポリマー繊維糸4が炭素繊維糸とともに製織されることで、織物1中の糸4自体の主要伸張方向に少なくとも沿った弾性伸び能力が織物1に付与される。
【0015】
ポリマー繊維糸4が織物1のたて糸を構成する場合、織物1は、たて糸に沿って弾性伸張可能である。
【0016】
ポリマー繊維糸4が織物1のよこ糸を構成する場合、織物1は、よこ糸に沿って弾性伸張可能である。
【0017】
ポリマー繊維糸4の方向に沿った織物1の伸びは、炭素繊維糸3の方向に沿った織物1の伸びよりも大きい。
【0018】
一実施形態では、織物1は、引張が作用する場合、最大5%、少なくとも2%又は3%だけ伸びる。
【0019】
一実施形態では、ポリマー繊維糸4は、ポリエステル糸である。
【0020】
代替的には、ポリマー繊維糸4は、ポリプロピレン糸である。
【0021】
さらに別の一実施形態では、ポリマー繊維糸4は、アラミド繊維糸である。
【0022】
炭素繊維糸3とともに製織されたポリマー繊維糸4を用いることで、特に荷重が加わる方向に沿った伸びによって引張荷重に対応可能な「ハイブリッド」交絡2を形成することができる。
【0023】
好ましくは、交絡2は、「綾織」交絡2、特に「2/1綾織」である。
【0024】
好ましくは、交絡2は、炭素繊維の単一の糸3とともに製織されたポリマー繊維のたて糸4の組を含む(
図2を参照されたい)。
【0025】
Bally試験による曲げ強度に関して、機械的な実験室での試験により、従来技術の炭素繊維織物の5,000作業サイクルと比較して、本明細書による織物1は、25,000作業サイクルを超えることが可能であることが示された。
【0026】
好ましい一実施形態では、織物1は、特に織物1を撥水性にするために、交絡2上に取り付けられた保護層7を含む。
【0027】
より具体的には、保護層7は、ポリマー系溶媒を含む。
【0028】
保護層7は、2barで2000mm水柱の水不透過性を与える。
【0029】
保護層7は、少なくとも20,000作業サイクルの引掻抵抗を与える。
【0030】
保護層7は、交絡2の伸張表面の1つ、好ましくは使用条件において外部雰囲気に露出する表面に少なくとも沿って配設される。
【0031】
伸び特性に関して、織物1は、引張によって伸びる能力と組み合わせて炭素繊維の軽量及び機械的強度を必要とする多数の技術分野で用いることができる。
【0032】
例えば、図示されていない船舶用途のための天幕は、本明細書による織物1を含むことができる。
【0033】
これに関連して、特に
図4及び5を参照すると、主要伸張方向Dを有する車両100用の幌8が示されている。
【0034】
幌又はルーフ8は、折りたたみ式であり、車両100は、車両100の内部が覆われる、
図5に示される開いた配置と、車両100の内部が覆われない閉じた配置又は折りたたまれた配置との間で移動可能な折りたたみルーフを有するコンバーチブルである。
【0035】
幌8は、車両100の内側に面することが意図された少なくとも1つの第1の層又は内層10と、車両100の外側に面することが意図された第2の層又は外層11との間に介在する少なくとも1つのゴム層9、好ましくはブチルゴムの層9を含む。
【0036】
外層11は、織物1、好ましくは保護層7で覆われた織物1を含む。
【0037】
幌8の第1の層10は、例えば、合成材料、好ましくはアクリル材料でできている。
【0038】
織物1の伸びを試験するために、DIN EN 13934-1に準拠した引張試験を行った。
【0039】
引張試験の試験片は、炭素繊維糸3のたて糸及びポリマー繊維糸4、特にポリエステルのよこ糸を含んだ。
【0040】
【0041】
織物1は、最大5%、少なくとも2%及び3%だけ伸びる。
【0042】
図6を参照すると、幌8は、好ましくは且つ概略的に、車両100の上部又はルーフを少なくとも部分的に画定することが意図された主要部分13と、各々が車両100のそれぞれの側面の少なくとも一部を画定する少なくとも第1の側部14及び第2の側部15とを含むことが確認できる。
【0043】
第1及び第2の側部14、15は、第2の方向Dに沿って主要部分13の互いに反対側に配設される。
【0044】
第1及び第2の側部14、15のそれぞれは、幌8が閉じた状態であるときの車両100の本体に接触することが意図されたそれぞれの外周端部23、24を有する。
【0045】
より具体的には、第1の側部14及び主要部分13は、好ましくは、合わせ目を縫い合わせることにより、それぞれの内周端部14a及び13aに沿って連結され、それにより例えば幌8をより十分に折りたたむことが可能となる。
【0046】
第2の側部15及び主要部分13は、好ましくは、合わせ目を縫い合わせることにより、それぞれの内周端部15a及び13bに沿って連結される。
【0047】
主要部分13は、第1の内周端部13a及び第2の内周端部13bを有する。
【0048】
第1の実施形態では、
図7に示されるように、第1の側部14の内周端部14a及び主要部分13の第1の内周端部13aは、第1の側部14の内周端部14aの1つの面が主要部分13の第1の内周端部13aの1つの面と当接して、端部13a、14aの長さに沿って延在する頂部16を画定するように連結される。
【0049】
この特徴は、第2の側部15の内周端部15a及び主要部分13の第2の内周端部13bにも適用される。
【0050】
第2の変形実施形態では、第1の合わせ目19は、第1の側部14の内周端部14aの面を主要部分13の第1の内周端部13aの面に連結する(
図8)。
【0051】
この特徴は、第2の側部15の内周端部15a及び主要部分13の第2の内周端部13bにも適用される。
【0052】
第1の合わせ目19は、頂部16の伸張の長手方向を横断する。
【0053】
第3の代替的な変形実施形態(
図9)では、第1の合わせ目19が設けられた頂部16は、主要部分13の一部上又は第1の側部14と第2の側部15との一方の一部上に折りたたまれる。
【0054】
これらの変形形態は、任意付加的に、少なくとも頂部16上に、それを隠すために配置された接着材料の層20を含む。
【0055】
これらの変形形態は、任意付加的に、接着材料の層20の一部を主要部分13に連結する少なくとも第2の合わせ目21も含む。
【0056】
第2の合わせ目21は、主要部分13のそれぞれの内端部13a、13b、すなわち、第1の内周端部13a及び第2の内周端部13bと平行である。
【0057】
さらなる選択肢の1つは、接着材料の層20の部分を第1の側部14に連結する第2の合わせ目21である。
【0058】
第2の合わせ目21は、第1の側部14の周端部14aと平行である。
【0059】
さらなる選択肢の1つは、接着材料の層20の部分を第2の側部15に連結する第2の合わせ目21である。
【0060】
第2の合わせ目21は、第2の側部15の周端部15aと平行である。
【0061】
第4の実施形態では、
図8に示されるように、第1の側部14の内周端部14aの折り返し17は、好ましくは合わせ目により、主要部分13の第1の内周端部13aの折り返し18に、主要部分13及び第1の側部14が、少なくとも、互いの上に配置されるそれぞれの折り返し18、17において重なり合うように接続される。
【0062】
この特徴は、第2の側部15の内周端部15a及び主要部分13の第2の内周端部13bにも適用される。
【0063】
本明細書によると、幌8の主要部分13は、織物1を含むか、又は少なくとも主要部分13は、好ましくは、織物1でできている。
【0064】
このため、有利には、幌8は、少なくとも主要部分13において、弾性特性などの織物1のすべての特性を有する。
【0065】
第1の側部14及び第2の側部15のそれぞれは、それぞれの伸縮性要素22を含む。
【0066】
有利には、それぞれの伸縮性要素22により、幌8の第1の側部14及び第2の側部15を開く/閉じる間の所望の折りたたみ方向が確保され、それにより主要部分13の折りたたみが防止される。
【0067】
実際に、幌8を開く又は閉じるときに主要部分13が折りたたまれると、折り目の形成の原因となり、その位置で織物1の構造が最終的に摩耗することが分かっている。
【0068】
第1の側部14に関して、伸縮性要素22は、外周端部23と内周端部14aとの間に配設される。
【0069】
好ましくは、伸縮性要素22は、外周端部23から内周端部14aまで延在する。
【0070】
第2の側部15に関して、伸縮性要素22は、外周端部24と内周端部15aとの間に配設される。
【0071】
好ましくは、伸縮性要素22は、外周端部24から内周端部15aまで延在する。
【0072】
伸縮性要素22は、外周端部23の伸張方向及び第1の側部14の内周端部14aの伸張方向に対して傾いている。
【0073】
伸縮性要素22は、外周端部24の伸張方向及び第2の側部15の内周端部15aの伸張方向に対して傾いている。
【0074】
第1の側部14及び第2の側部15の伸縮性要素22は、それらの伸張方向が収束するように互いに対して配設される。
【0075】
開かれた配置は通常、炭素繊維でできたたて糸及びよこ糸の両方を含む織物では通常得ることができない程度まで幌が伸びることを必要とするので、これらの性質により、幌8は、閉じた配置又は折りたたまれた配置から、開かれた配置に移行することができる。
【0076】
図12は、剛性又は半剛性要素のための内張りカバー100の詳細の概略断面図を示す。
【0077】
カバー100は、ゴム、好ましくはブチルゴムの層9上に取り付けられた織物の層1を含む。
【0078】
ゴムの層9は、0.5mm以下の厚さを有する。
【0079】
織物の層1及びゴムの層9は、それぞれ貫通孔を有する。
【0080】
図13は、特に、カバー100を少なくとも部分的に含む車両、特に自動車のシート200を示す。
【0081】
シート200は、
図14~17に示されるように、互いに縫い合わされたカバー100の部分を含む。
【0082】
図14を参照すると、シート200は、カバー100の第1の部分114の第1の内周端部114aと、カバー100の第2の部分113の第2の内周端部113aとを含み、これらは、内周端部113a、114aの長さに沿って延在する頂部116を形成するように互いに連結される。
【0083】
図15を参照すると、第1の合わせ目119は、内周端部114aの面を第2の内周端部113aの面に連結する。
【0084】
第1の合わせ目119が設けられた頂部116は、第1の部分113の一部上又は第2の部分114の一部上に折りたたまれる。
【0085】
接着材料の層120は、頂部116を隠すために、少なくともその上に配置される。
【0086】
図16を参照すると、少なくとも第2の合わせ目121は、接着材料の層120の一部を第1の部分113に連結する。
【0087】
第2の合わせ目121は、接着材料の層20の部分を第2の部分114に連結する。
【0088】
図17を参照すると、第1の部分114の内周端部114aの折り返し117は、好ましくは合わせ目により、第2の部分113の第1の内周端部113aの折り返し118に、第1の部分113及び第2の部分114が少なくともそれぞれの折り返し117、118において重なり合うように接続される。
【国際調査報告】