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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】位置センサを組み立てるためのジグ
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/00 20060101AFI20230420BHJP
   A61B 17/24 20060101ALI20230420BHJP
   A61B 34/20 20160101ALN20230420BHJP
【FI】
B23P19/00 304C
A61B17/24
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552566
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2021051534
(87)【国際公開番号】W WO2021176303
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】16/806,259
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アルガウィ・イェフダ
(72)【発明者】
【氏名】ゴバリ・アサフ
(72)【発明者】
【氏名】シットニツキー・イリヤ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM06
(57)【要約】
ジグ(55)は、基部(90)及び1つ以上の可動ブロック(77A、77B、77C、77D)を含む。基部(90)は、複数のファセット(88A、88B、88C、88D、88F)を有する平坦化された多面体として成形された基材(99)を受容するように構成されている上面(92)を有する。1つ以上の可動ブロック(77A、77B、77C、77D)は、複数のファセット(88A、88B、88C、88D、88E、88F)のそれぞれ1つを折り曲げるように基部(90)上で移動し、かつ、基材(99)を折り曲げられた3次元構成で保持するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジグであって、
複数のファセットを有する平坦化された多面体として成形された基材を受容するように構成されている上面を有する基部と、
前記複数のファセットのそれぞれ1つを折り曲げるように前記基部上で移動し、かつ、前記基材を折り曲げられた3次元構成で保持するように構成されている1つ以上の可動ブロックと、
を備える、ジグ。
【請求項2】
前記基部が、少なくとも、前記可動ブロックのうちの少なくとも1つを移動させるためのトラックを備える、請求項1に記載のジグ。
【請求項3】
前記基材が、隣接するファセット間に折り曲げ可能なセクションを備え、前記可動ブロックのうちの少なくとも1つが、前記折り曲げ可能なセクションを折り曲げ、かつ、前記隣接するファセットのうちの1つを固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されている、請求項1に記載のジグ。
【請求項4】
少なくとも、前記可動ブロックのうちの少なくとも1つを前記基部上の所定の位置に固定するように構成されている固定装置を備える、請求項1に記載のジグ。
【請求項5】
前記基部に固定されており、前記ファセットの少なくとも1つを固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されているノブを備える、請求項1に記載のジグ。
【請求項6】
前記基部に固定されるように構成されており、ボアを有する機械的支持部を備え、前記ノブが前記ボアを通過するように構成されており、前記ノブの遠位端は、前記ファセットの前記少なくとも1つを前記それぞれの固体ファセットに固定するために前記固体多面体に向かって移動されるように構成されている、請求項5に記載のジグ。
【請求項7】
前記機械的支持部が、前記固体多面体上にあるブリッジを備え、前記ブリッジが前記基部に固定されたときに、前記ボアが、前記それぞれの固体ファセットと位置合わせされる、請求項6に記載のジグ。
【請求項8】
前記ノブが、ねじを備え、前記ボアが、前記ねじの上にぴったりと嵌合するように構成されたねじ形状のボアを備える、請求項6に記載のジグ。
【請求項9】
前記ノブが、互いに反対側を向いた第1の方向及び第2の方向に回転されるように構成されており、前記ノブが、前記第1の方向に回転されると、前記遠位端が、前記固体多面体に向かって移動するように構成されており、前記ノブが前記第2の方向に回転されると、前記遠位端が、前記固体多面体から離れるように移動するように構成されている、請求項8に記載のジグ。
【請求項10】
前記基材が、上部ファセット、下部ファセット、及び1つ以上の追加のファセットを備え、固体多面体が、前記下部ファセット上に位置付けられ、前記1つ以上の可動ブロックが、前記追加のファセットのそれぞれ1つを前記固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されており、前記上部ファセットを前記固体多面体の上部固体ファセットに固定するように構成されているノブを備える、請求項1に記載のジグ。
【請求項11】
組み立て方法であって、
基部の上面に、複数のファセットを有する平坦化された多面体として成形された基材を配置することと、
前記ファセットのうちの少なくとも1つに、固体多面体を位置付けることと、
前記基部上で、前記複数のファセットのそれぞれ1つを前記固体多面体のそれぞれの固体ファセット上へと折り曲げるための1つ以上の可動ブロックを移動させることと、
前記固体多面体に対して、前記基材を折り曲げられた3次元構成で保持することと、
を含む、組み立て方法。
【請求項12】
前記ブロックを移動させることが、少なくとも、前記基部のトラックに沿ってブロックを移動させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基材が、隣接するファセット間に折り曲げ可能なセクションを含み、前記ブロックを移動させることが、前記折り曲げ可能なセクションを折り曲げることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記基材を保持することが、前記可動ブロックのうちの少なくとも1つを前記基部上の所定の位置に固定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ファセットの少なくとも1つを前記固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
ボアを有する機械的支持部を前記基部に固定することと、前記ファセットのうちの前記少なくとも1つを前記それぞれの固体ファセットに固定するために、前記ノブを前記ボアを通して前記固体多面体に向かって移動させることと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ノブを移動させることが、(i)前記ノブの遠位端を前記固体多面体に向かって移動させるために、前記ノブを第1の方向に回転させることと、(ii)前記固体多面体から離れるように前記遠位を移動させるために、前記ノブを第2の方向に回転させることと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記基材が、上部ファセット、下部ファセット、及び1つ以上の追加のファセットを備え、前記固体多面体を位置付けることが、前記下部ファセット上に前記固体多面体を位置付けることを含み、前記ブロックを保持することが、前記追加のファセットのそれぞれ1つを前記固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定することを含み、前記上部ファセットを前記固体多面体の上部固体ファセットに固定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記多面体を前記基材で包むために、前記折り曲げられたファセットの隣接する縁部を互いに結合することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記隣接する縁部を結合することが、(a)溶接、(b)はんだ付け、(c)接着、(d)ステープル留め、及び(e)クリッピングからなるリストから選択される結合技術を使用することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にアセンブリツールに関し、具体的には位置センサを組み立てるための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの電子デバイスは、様々な技術を使用して組み立てられる折り曲げ可能な基材を備える。
【0003】
例えば、米国特許出願公開第2014/0090243号は、可撓性基材上に構築されたデバイスを製造するための方法が、その場での折り曲げ補助デバイスフレームを用いることを記載している。折り曲げ補助フレームは、従来の曲げ機器の代わりに、フレームの1つ以上の枢動部材をその場での曲げジグとして使用して、平面状の可撓性基材を支持し、所望の3次元構成へと折り曲げることができるように、パッケージ内の内部容積の一部分に適合する。フレームは、フレームに組み込まれたヒンジなどの折り曲げ補助特徴部が可撓性回路基板に取り付けられ、回路基板を所定の位置に穏やかに曲げるために枢動点を中心にして閉じるように、折り曲げられていない又は部分的に折り曲げられた可撓性回路基板の配置を収容し得るため、3次元折り曲げられた回路を作成する。
【0004】
米国特許第5,434,362号は、第1及び第2の端部を有する可撓性基材、及び中間部分を含む可撓性回路基板アセンブリを記載している。導電性金属化相互接続経路は、基材端部間を中間部分を横切って延在する。基材の第1及び第2の端部は、剛性化器プレートの第1及び第2の端部に取り付けられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、基部及び1つ以上の可動ブロックを含むジグを提供する。基部は、複数のファセットを有する平坦化された多面体として成形された基材を受容するように構成されている上面を有する。1つ以上の可動ブロックは、複数のファセットのそれぞれ1つを折り曲げるように基部上で移動し、かつ、基材を折り曲げられた3次元構成で保持するように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、基部は、少なくとも、可動ブロックのうちの少なくとも1つを移動させるためのトラックを含む。他の実施形態では、基材は、隣接するファセット間に折り曲げ可能なセクションを備え、可動ブロックのうちの少なくとも1つは、折り曲げ可能なセクションを折り曲げ、かつ、隣接するファセットのうちの1つを固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されている。更に他の実施形態では、ジグは、少なくとも、可動ブロックのうちの少なくとも1つを基部上の所定の位置に固定するように構成されている固定装置を含む。
【0007】
一実施形態では、ジグは、基部に固定されており、ファセットの少なくとも1つを固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されているノブを含む。別の実施形態では、ジグは基部に固定されるように構成されており、ボアを有する機械的支持部分を備え、ノブはボアを通過するように構成されており、ノブの遠位端は、ファセットの少なくとも1つをそれぞれの固体ファセットに固定するために固体多面体に向かって移動されるように構成されている。更に別の実施形態では、機械的支持部は、固体多面体の上にあるブリッジを含み、ブリッジが基部に固定されたときに、ボアが、それぞれの固体ファセットと位置合わせされる。
【0008】
いくつかの実施形態では、ノブはねじを含み、ボアは、ねじの上にぴったりと嵌合するように構成されたねじ形状のボアを含む。他の実施形態では、ノブは、互いに反対側を向いた第1の方向及び第2の方向に回転されるように構成されており、ノブが第1の方向に回転されると、遠位端が、固体多面体に向かって移動するように構成されており、ノブが第2の方向に回転されると、遠位端が、固体多面体から離れるように移動するように構成されている。更に他の実施形態では、基材は、上部ファセット、下部ファセット、及び1つ以上の追加のファセットを備え、固体多面体は、下部ファセット上に位置付けられ、1つ以上の可動ブロックは、追加のファセットのそれぞれ1つを固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されており、ジグは上部ファセットを固体多面体の上部固体ファセットに固定するように構成されているノブを含む。
【0009】
更に、本発明の実施形態によれば、基部の上面に、複数のファセットを有する平坦化された多面体として成形された基材を配置することを含む、組み立て方法が更に提供される。ファセットのうちの少なくとも1つに、固体多面体を位置付ける。基部上で、複数のファセットのそれぞれ1つを固体多面体のそれぞれの固体ファセット上へと折り曲げるための1つ以上の可動ブロックを移動させ、固体多面体に対して、基材を折り曲げられた3次元構成で保持する。
【0010】
いくつかの実施形態では、方法は、多面体を基材で包むために、折り曲げられたファセットの隣接する縁部を互いに結合することを含む。他の実施形態では、隣接する縁部を結合することは、(a)溶接、(b)はんだ付け、(c)接着、(d)ステープル留め、及び(e)クリッピングからなるリストから選択される結合技術を使用することを含む。
【0011】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による、耳鼻咽喉(ENT)システムを用いたENT処置の概略的絵図である。
図2】本発明の一実施形態による、3軸位置センサ(TAPS)を組み立てるためのジグの概略的絵図である。
図3】本発明の一実施形態による、TAPSの折り曲げ可能な基材の概略的絵図である。
図4】本発明の一実施形態による、TAPSを組み立てるためのジグの基部及びブロックの概略的絵図である。
図5】本発明の一実施形態による、図2のジグを用いてTAPSを製造する方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
概論
以下に記載される本発明の実施形態は、医療用途のために磁気位置追跡システムで使用される位置センサの製造可能性を改善するための方法及び装置を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態では、3軸位置センサ(TAPS)は、本明細書では固体立方体又は立方体とも呼ばれるフェライト立方体を含み、複数の折り曲げ可能なファセットを有する可撓性プリント回路基板(PCB)などの折り曲げ可能な基材で包まれている。固体立方体をPCBで包むことは、PCBファセットを固体立方体のそれぞれのファセット上に折り曲げ、PCBファセットを固体立方体のファセットに固定するためのPCTファセットの縁部間の結合を伴う。そのような複雑かつ時間のかかる動作は、手動で(例えば、オペレータによって)、又は1つ以上のロボットを使用して実行され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、TAPSを組み立てるためのジグが提供される。ジグは、上面を有する基部と、基部内にパターン化された4つのトラックと、を備える。基部は、本明細書において第1~第6の(第1から第6の)ファセットとも呼ばれる、6つのファセットを有する平坦化された立方体として成形されたPCBを受容するように構成されている。組み立てプロセス中、立方体は、PCBの第1のファセット上に配置される。
【0016】
いくつかの実施形態では、ジグは、PCBの第2、第3、第4、及び第5のファセットを立方体の4つの固体ファセット上にそれぞれ折り曲げるように、基部のそれぞれの4つのトラックに沿って移動させるように構成されている4つの可動ブロックを備える。基部及び各ブロックは、ボアを有し、ジグは、PCBを、立方体の固体ファセットに対して折り曲げられた3次元構成で保持するように、基部上の所定の位置に4つのそれぞれのブロックを固定するための4つのピンを備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、ジグは、基部に固定されたブリッジを有する固定具と、第6のPCBファセットを立方体に固定するためにブリッジのボアを通って移動するように構成されたノブと、を備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、ブロック及び固定具が基部に固定されたときに、ジグは、全てのPCBファセットをそれぞれの立方体ファセットに固定するように構成されている。そのような実施形態では、オペレータの手は、PCBによって立方体を包むことを完了するように、隣接するPCBファセットの縁部を自由に結合(例えば、溶接、はんだ付け、又は接着)する。
【0019】
開示された技術は、組み立て品質を改善し、折り曲げ可能な基材で包まれたデバイス又は構成要素の生産コストを低減する。
【0020】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、耳鼻咽喉(ENT)システム20を使用したENT処置の概略的絵図である。いくつかの実施形態では、ENT処置は、バルーン副鼻腔形成術であって、バルーン(図示せず)が副鼻腔48の詰まった小孔内に挿入され、膨張されて、小孔を開放させて、患者22の鼻腔26を通る、副鼻腔からの粘液の正常な流れと排出とを可能とするものである。他の実施形態では、ENT処置は、患者のENT内で実行される任意の他の診断又は治療処置を含み得る。そのような実施形態では、ENTシステム20は、本実施例においては、ENTツール28である医療用カテーテルを備える。これは、患者22の1つ以上の副鼻腔48に、1種類以上のENT処置を実行するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、ENTツール28は、回転可能な中空管を備え(本明細書においては管52と呼ぶ)、この中空管は、医師24によって、患者22の前述の鼻腔26などの腔内に挿入される。ENTツール28は更に、管52の近位端に結合された手持ち式装置30を備え、この手持ち式装置30は、医師24が、患者22の頭部41で、ENT処置を実行するのを補助するように構成されている。
【0022】
一実施形態において、システム20は、頭部41の1つ以上の位置センサの位置を追跡するように構成されている磁気位置追跡システムを更に備える。この磁気位置追跡システムは、磁場発生器44と、磁場発生器44によって発生された外部磁場を検知することに応答して位置信号を発生させる位置センサ57と、を備える。これらによって、プロセッサ34(詳しくは後述)は、患者22の頭部41内での位置センサ57の位置の推定が可能となる。
【0023】
この位置検知方法は、様々な医療用途において、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)により製造されているCARTO(商標)システムにおいて実施されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号及び同第2004/0068178(A1)号に詳述されており、これらの開示は全て、参照により本明細書に組み込まれている。
【0024】
いくつかの実施形態では、システム20は位置特定パッド40を更に備え、位置特定パッド40は、フレーム46上に固定された磁場発生器44を備える。図1に示される例示的な構成では、パッド40は、5つの磁場発生器44を備えるが、代替的に、任意の他の好適な数の磁場発生器44を備えてもよい。パッド40は、磁場発生器44が頭部41の外部の固定された既知の位置に位置するように、患者22の頭部41の下に配置された枕(図示せず)を更に備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、システム20はコンソール33を備え、コンソール33は、メモリ49と、頭部41周囲の空間内の所定の作業体積内に磁場を発生させるために、ケーブル37を介し、好適な信号を用いて磁場発生器44を駆動するよう構成された駆動回路42と、を備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、コンソール33はプロセッサ34を備え、プロセッサ34は、典型的には、ケーブル32を介して1つ以上の磁気センサ57が結合されているENTツール28からの信号を受信し、かつ本明細書に記載されたシステム20のその他の構成要素を制御するための、好適なフロントエンド回路及びインタフェース回路を有する汎用コンピュータである。
【0027】
いくつかの実施形態において、プロセッサ34は、各位置センサ57の位置を推定するように構成されている。磁気位置追跡システムの座標系における、それぞれのセンサの推定された位置に基づいて、プロセッサ34は、遠位端アセンブリ77の位置、向き、及び曲率半径を導出するように構成されている。
【0028】
本発明の範囲の文脈において、用語「屈曲」「偏向」は互換的に使用され、ENTツール28の1つ以上の区分の操縦を意味する。
【0029】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、外部のCTシステム(図示せず)を用いて取得した、頭部41のそれぞれのセグメント化2次元(2D)スライスを描写するコンピュータ断層撮影(CT)画像などの、1つ以上の解剖学的画像を、インタフェース(図示せず)を介して受信するように構成されている。用語「セグメント化」とは、CTシステムでの組織のそれぞれの減衰を測定することによって、各スライス内で識別される様々な種類の組織を表示することを指す。
【0030】
コンソール33は、システム20の動作を制御するための入力デバイス39と、ユーザディスプレイ36とを更に備え、ユーザディスプレイ36は、プロセッサ34から受信したデータ(例えば、画像)を表示するように、かつ/あるいは、医師24又は入力デバイス39のユーザによって挿入された入力を表示するように、構成されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、解剖学的画像35などのCT画像の中から1つ又はモードスライスを選択し、選択されたスライスをユーザディスプレイ36に表示するように構成されている。図1の実施例において、解剖学的画像35は患者22の1つ以上の副鼻腔48の前断面図を示す。
【0032】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、CTシステムの座標系と磁気位置追跡システムの座標系との間に位置合わせされ、解剖学的画像35に、遠位端アセンブリ77の位置をオーバーレイするように構成されている。
【0033】
場合によっては、患者22の頭部41は、ENT処置中に不必要に移動され得る。望ましくない動きは、CTシステムの座標系と磁気位置追跡システムの座標系との間の位置ずれをもたらし得る。いくつかの実施形態では、システム20は、患者22の額に結合されている、又は頭部41の任意の好適な位置に結合されている位置追跡アセンブリ(PTA)70を備える。
【0034】
ここで、PTA70を示した挿入図56を参照する。いくつかの実施形態では、PTA70は、ケーブル54を介してコンソール33に結合されている3軸位置センサ(TAPS)11を含み、磁場発生器44によって発生された外部磁場を検知することに応答して位置信号を生成するように構成されている。
【0035】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、(例えば、ENT処置の前に)位置追跡システムの座標系にTAPS11を位置合わせするように構成されている。頭部41は、剛性物体と見なされ、したがって、ENTツール28が移動することなく頭部41に位置付けられるとき、位置センサ57とTAPS11との間の距離は一定のままであることに留意されたい。
【0036】
いくつかの実施形態では、頭部41の前述の望ましくない動きに応答して、プロセッサ34は、上記の位置ずれを補正するために、TAPS11の位置信号を使用するように構成されている。そのような実施形態では、TAPS11から受信した位置信号に基づいて、プロセッサ34は、頭部41の望ましくない動きによって引き起こされるTAPS11のシフトを推定し、位置センサ57の測定位置にオフセット(例えば、ベクトル)を追加することによってシフトを補償するように構成されている。
【0037】
挿入図56の例示的な構成では、TAPS11は、患者22の額に結合されるように構成されている基材58上に取り付けられている。その他の構成では、TAPS11は、任意の好適な技術を使用して、頭部41に結合され得る。TAPS11及びその組み立てプロセスは、以下の図2~5においてより詳細に説明される。
【0038】
システム20は、典型的には、開示される技術には直接関連せず、したがって、図1及びシステム20の説明から意図的に省略されている、追加のモジュール及び要素を備える。
【0039】
プロセッサ34は、システムによって使用される機能を実行し、ソフトウェアによって処理又は他の方法で使用されるデータをメモリ49に記憶するようにソフトウェアでプログラムされてもよい。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でプロセッサにダウンロードされてもよく、又は光学的、磁気的、若しくは電子的メモリ媒体など、非一時的な有形媒体上に提供されてもよい。あるいは、プロセッサ34の機能の一部又は全ては、専用又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0040】
システム20のこの特定の構成は、本発明の実施形態が対処する特定の問題を説明し、またこのようなシステムの性能を向上させる際のこれらの実施形態の適用を明示するために、例として示されている。しかしながら、本発明の実施形態は、この特定の種類の例示的なシステムに限定されるものではなく、本明細書に記載される原理は、他の種類の医療診断及び/又は治療ツール及び/又はシステムにも、同様に適用され得る。
【0041】
3軸位置センサを組み立てるためのジグ
図2は、本発明の一実施形態による、3軸位置センサ(TAPS)11を組み立てるためのジグ55の概略的絵図である。いくつかの実施形態では、TAPS11は、典型的にはフェライト又は任意の他の好適な材料、あるいは1つ以上の合金から作製された、又はそれを含む多面体を含む。
【0042】
本実施例では、TAPS11は、TAS11の3軸位置検知能力を可能にするための導電性トレースを有する可撓性プリント回路基板(PCB)(以下の図3に示される)によって囲まれた(例えば、PCBで包まれている)フェライト立方体(以下の図4に示される)を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、ジグ55は、上面92を有する基部90と、基部90内に形成された(例えば、パターン化された)トラック80A及び80Bなどの4つのトラック、とを有する。トラックは、以下の図4でより詳細に示され、説明される。基部90は、複数のファセットを有する平坦化された多面体として成形されている、前述のPCBなどの基材を受容するように構成されている。本実施例では、TAPS11は、6つのファセットを有する平坦な立方体として基材が成形されるように、立方体を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、ジグ55は、立方体ファセットのそれぞれ1つを折り曲げるように、基部90の上面92上の前述のトラックに沿って移動するように構成されている4つのブロック77A、77B、77C、及び77Dを備える。例えば、ブロック77A及び77Bは、トラック80A及び80Bに沿ってそれぞれ移動する。図2の実施例では、ブロック77Aは、概念を明確にするためにTAPS11を示すように、透明要素として示されている。他の実施形態では、トラック80Aに沿って移動されるブロック77Aは、ブロック77B、77C、及び77Dの同じ形状、色、及び不透明性を有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、(図2に示すように)フェライト立方体に結合されると、ブロック77A、77B、77C及び77Dは、フェライト立方体のそれぞれの固体ファセットに対して折り曲げられた3次元構成で基材のファセットを保持するように構成されている。更に、基部90上の所定の位置に固定されると、ブロック77A、77B、77C、77Dは、基材の4つのファセットをフェライト立方体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されている。
【0046】
本開示との概念において、かつ特許請求の範囲において、用語「基材」及び「PCB」は互換的に使用される。更に、「多面体」及び特定の種類の多面体である「立方体」という用語は、互換的に使用される。図2図4の実施例では、TAPS11は、立方体として成形されているが、本明細書に記載される実施形態は、任意の種類の多面体を組み立てるために、必要な変更を加えて適用されてもよいことに留意されたい。例えば、TAPS11は、五角形、六角形、八角形、又は任意の他の好適な形状として成形され得る。
【0047】
他の実施形態では、TAPS11は、限定されないが、楕円のボールなどの多面体以外の任意の好適な形状を有し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、ジグ55は、基材のファセットを、TAPS11のフェライト立方体の上部固体ファセット(以下の図4に示される)に固定するように構成されている固定具72を備える。いくつかの実施形態では、固定具72は、本明細書ではブリッジ74と呼ばれる機械的支持部を備え、これは2つの位置で上面92に固定される。ブリッジ74は、本明細書に記載されるように、それを通過するノブ76に機械的支持を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、ノブ76は、基材のファセットの少なくとも1つをTAPS11の固体立方体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されている。
【0049】
一実施形態では、ノブ76は、ねじ(図示せず)として成形され、ブリッジ74は、ねじの上にぴったりと嵌合するように構成された対応するねじ形状のボアを有する。この実施形態では、ノブ76が(例えば、時計回りに)回転されると、ノブ76の遠位端84がTAPS11の上部ファセットに向かって押され、基材のそれぞれのファセットを立方体の上部ファセットに固定するように構成されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、基材の全てのファセットを立方体のそれぞれの固体ファセットに固定した後、基材の隣接するファセットの縁部は、TAPS11の組み立てを完了するように(例えば、溶接、はんだ付け、接着、又は任意の他の好適な技術を使用して)互いに結合され得る。組み立てプロセスは、以下の図5においてより詳細に説明される。
【0051】
ジグ55のこの特定の構成は、本発明の実施形態によって対処される特定の問題を説明し、TAPS11及び他のタイプのデバイスを組み立てるためのそのようなジグの性能を向上させる際のこれらの実施形態の適用を実証するために例として示されている。しかしながら、本発明の実施形態は、決してこの特定の種類の例示的なジグに限定されるものではなく、本明細書に記載される原理は、組み立てられる他の種類のジグ及びデバイスにも同様に適用することができる。
【0052】
例えば、TAPS11は、下部ファセット、上部ファセット、及び6つの追加のファセットを有する容積六角形として成形される場合、ジグ55は、6つのトラックと、容積六角形の6つの追加のファセットに対して基材の6つのファセットをそれぞれ保持するための6つのそれぞれのブロックと、を有し得る。別の実施例では、TAPS11は、ボールとして成形される場合、ブロックのうちの少なくとも1つの縁部(ボールに接触している)は、基材のセクションをボールの表面に対して保持するためにボール上にぴったりと嵌合するように、弧として成形され得る。
【0053】
3軸位置センサを組み立てるための基材
図3は、本発明の一実施形態による、TAPS11を組み立てるために使用される折り曲げ可能な基材の概略的絵図である。本実施例では、折り曲げ可能な基材は、TAPS11の前述の固体立方体の6つの固体ファセット(以下の図4に示される)に対応する6つのファセット88A、88B、88C、88D、88E、及び88Fの間に配置された、セクション94などの複数の折り曲げ可能なセクションを有するプリント回路基板(PCB)99を備える。
【0054】
いくつかの実施形態では、ファセット88A~88Fは、可撓性であっても又は剛性であってもよいが、セクション94は、TAPS11の立方体の周りのファセット88A~88Fの折り曲げを可能にするように可撓性である。TAPS11の立方体の下部固体ファセットに固定されることが意図されているファセット88Eは、4つのセクション94によって囲まれていることに留意されたい。
【0055】
いくつかの実施形態では、ファセット88A~88Fは、互いに結合されるように構成された縁部を有する。例えば、ファセット88C及び88Dは、ファセット88Cの縁部97Aとファセット88Dの縁部97Bとの間を結合することによって互いに結合される。同様に、ファセット88C及び88Fは、ファセット88Cの縁部97Cとファセット88Fの縁部97Dとの間を結合することによって互いに結合される。上述のように、全てのファセット88A~88Fを立方体のそれぞれの固体ファセットに固定した後、PCB99の隣接するファセットの縁部(例えば、それぞれのファセット88C及び88Dの縁部97A及び97B)は、TAPS11の組み立てを完了するように互いに結合され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、隣接する縁部間の結合は、以下に限定されないが、溶接、マイクロ溶接、はんだ付け、接着、ステープル留め、クリッピング、又は任意の他の好適な技術などの1つ以上の結合技術を使用して実行され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、PCB99の1つ以上のファセットは、結合プロセスのためのバンドを有し得る。図3の実施例では、ファセット88A、88C、及び88Fは、PCB99の隣接するファセットを互いに接着するように構成されたバンド95を有する。組み立てプロセスは、以下の図5においてより詳細に説明される。
【0058】
3軸位置センサを組み立てるためのジグの基部の機械的構造
図4は、本発明の一実施形態による、基部90、並びにジグ77のブロック77B及び77Cの概略的絵図である。いくつかの実施形態では、基部90は、ブロック77A、77B、77C、及び77Dの対応する移動方向をそれぞれ設定するように構成されたトラック80A、80B、80C、及び80Dを有する。
【0059】
いくつかの実施形態では、基部90は、ブリッジ74を基部90の上面92に固定するように構成されたボア82を有し、同様に、ブリッジ74は、固定するように構成された2つの対応するボア(図示せず)を有する。そのような実施形態では、ピン(図示せず)を各ボア82内に挿入することができ、ブリッジ74の対応するボアは、ブリッジ74を基部90の上面92に固定するようにピンの上に嵌合することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、TAPS11の組み立てプロセス中に、PCB99が上面92上に配置され、その結果、ファセット88Eは、基部90の中心に位置付けられ、ファセット88A、88B、88C、及び88Dは、それぞれトラック80A、80B、80C、及び80D上に配置され、ファセット88Fはまたファセット88Aに結合され、トラック80A上にも配置される。
【0061】
いくつかの実施形態では、PCB99を表面92に位置付けた後、フェライトから作製された又はフェライトを含む立方体66はファセット88E上に位置付けられる(立方体66によって隠される)。続いて、ブロック77A~77Dは、PCB99のそれぞれのファセットを折り曲げ、PCB99を、立方体66のそれぞれのファセットに対して折り曲げられた3次元構成で保持するように、トラック80A~80Dに沿って移動する。図4の実施例では、ブロック77Cは、基部90のトラック80Cに沿って既に移動され、立方体66の対応する固体ファセットに対してファセット88Aを折り曲げ、保持するように、立方体66に到達する。
【0062】
いくつかの実施形態では、ブロック77Bは、ファセット88Bを立方体66の固体ファセット66Bに対して折り曲げ、保持するために、トラック80Bに沿って方向86に移動されている。図4に示すように、ファセット88Bは、ブロック77Bがまだ固体ファセット66Bに達していないため、ブロック77Bの移動によって折り曲げられているが、まだ固体ファセット66Bに固定されていない。
【0063】
いくつかの実施形態では、基部90は、それぞれのブロック(例えば、ブロック77A、77C及び77D)の位置を基部90の上面92に固定するための、ボア83A、83C、及び83Dなどのボアを有する。基部90は、ブロック77Bを基部90の上面92に固定するための追加のボアを有することに留意されたい。図4の実施例では、追加のボアは、ブロック77Bによって隠されている。
【0064】
いくつかの実施形態では、ブロック77A~77Dのうちの少なくとも1つは、それぞれのブロックを基部90の上面92に固定するためのボアを有する。本構成では、全てのブロック77A~77Dは、それぞれのボアを有し、例えば、ブロック77C(説明のために及び概念を明確にするために透明ブロックとして示される)は、ボア78Cを有する。図4の実施例では、ブロック77Cが、立方体66の対応する固体ファセットに対してファセット88Cを保持するとき、ボア78C(ブロック77Cの)及びボア83C(基部90の)が位置合わせされる。
【0065】
いくつかの実施形態では、ロボット又はジグ55のオペレータ(どちらも示されていない)は、ブロック77Cを上面92に固定し、したがって、ファセット88Cを立方体66の固体ファセットに固定するように、ピン79C(説明と概念の明確にするために破線で示されている)をボア78C及び83Cを通して挿入することができる。手動固定の場合、ボア78C及び83Cを通してピン79Cを挿入した後、ブロック77Cは上面92に固定されており、オペレータの手は、ブロック77Bを方向86に自由に挿入及び移動させる。そのような実施形態では、ブロック77Bをトラック80Bに沿って方向86に移動させることにより、ジグ55はファセット88Bを折り曲げ(破線弧として示される)、ブロック77Bが立方体66の位置に達すると、ファセット88Bは立方体66の固体ファセット66Bに固定される。
【0066】
本開示及び特許請求の範囲の文脈において、「に固定される」及び「に対して保持する」という用語は互換的に使用され、PCB99のファセットと立方体66の対応するファセットとの間の結合にジグ55がどのように使用されるかを説明するために使用される。
【0067】
いくつかの実施形態では、ブロック77A及び77D(上記の図2に示される)は、ファセット77B及び77Cについて説明された技術を使用して、ファセット88A及び88Dが立方体66のそれぞれの固体ファセットに固定されるように、それぞれのトラック80A及び80Dに沿って移動するように構成されている。上述のように、立方体66は、ファセット88A~88Dが立方体66の対応するファセットに固定されるように、ファセット88E上に位置付けられる。その後、オペレータ(又はロボット)は、立方体66の固体ファセット66F上でファセット88Fを折り曲げ、ノブ76を(例えば、時計回りに)回転させることができ、ファセット88Fを固体ファセット66Fに固定するために遠位端84を立方体66に向かって移動させる。
【0068】
全てのファセット88A~88Fを折り曲げられた3次元構成で保持し、立方体66のそれぞれの固体ファセットに固定した後、オペレータ(又はロボット)は、隣接するファセットの縁部を互いに結合することによって組み立てプロセスを完了し得る。例えば、上述のように、それぞれのファセット88C及び88Dの縁部97Aと97Bとの間を結合することによって。
【0069】
3軸位置センサの組み立てプロセス
図5は、本発明の一実施形態による、ジグ55を使用してTAPS11を製造する方法を概略的に示すフローチャートである。この方法は、基材配置ステップ100で始まり、6つのファセット(例えば、ファセット88A~88F)を有するPCB99又は任意の他の好適な折り曲げ可能な基材をジグ55の基部90の上面92上に配置する。
【0070】
立方体配置ステップ102において、立方体66又は任意の他の好適な種類の固体多面体を、上記の図4に記載されるように、ファセット88E(本明細書ではPCB99の第1のファセットとも呼ばれる)上に配置する。第1の折り曲げステップ104において、4つのそれぞれのブロック77A、77B、77C、及び77Dを立方体66に向かって上面92上に移動させることによって、ファセット88A、88B、88C、及び88D(本明細書では、PCB99の第2、第3、第4、及び第5のファセットとも呼ばれる)を折り曲げる。第1の固定ステップ106において、ブロック77A、77B、77C、及び77Dをそれぞれ使用して、ファセット88A、88B、88C、及び88Dを立方体66の対応する固体ファセットに固定する(例えば、対応する固体ファセットに対して保持する)。
【0071】
いくつかの実施形態では、PCB99のファセットを固定した後、各ブロックのボアを通して基部90のそれぞれのボア内にそれぞれのピンを挿入することによって、ブロックを基部90に固定する。例えば、上記の図4に記載されるように、ピン79Cは、ブロック90を基部90の上面92上の所望の位置に固定するために、ブロック77Cのボア78Cを通して、基部90のボア83C内に挿入される。
【0072】
第2の折り曲げステップ108において、ファセット88F(本明細書ではPCB99の第6のファセットとも呼ばれる)を、立方体66の上部固体ファセットである固体ファセット66F上に折り曲げられる。第2の固定ステップ110において、上記の図2及び図4に記載されるように固定具72の回転ノブ76によって、又は任意の他の好適な技術を使用することによって、ファセット88Fを固体ファセット66Fに固定する(例えば、固体ファセット66Fに対して保持する)。
【0073】
縁部結合ステップ112において、隣接するPCBファセットの縁部を互いに結合することによって、PCB99を立方体66へと組み立てる。例えば、上記の図3に記載されるように、ファセット88C及び88Dを、それぞれの縁部97Aと97Bとの間を結合することによって互いに結合される。ジグ55は、上記の図2図4に記載されるように、前述のオペレータ又はロボットが、PCB99の固定ファセットの縁部を自由に結合するように、立方体66の周りを包んでいる、折り曲げられた3次元構成でPCB99を保持するように構成されていることに留意されたい。
【0074】
図5の方法を終了する立方体除去ステップ114において、ジグ11から、上記の図1及び図2のTAPS11(PCB99で包まれた立方体66を含む)を除去する。いくつかの実施形態では、TAPS11の除去は、ノブ76を反時計回りに回転させ、ピン(例えば、ピン79C)を引っ張り、それぞれのブロック(例えば、ブロック77C)を組み立てられたTAPS11から離れるように移動させることによって実行され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、図5の方法を結論付けた後、TAPS11は、ケーブル54に結合され、上記の図1に記載されるように、患者22の額に取り付けられるように構成されている任意の好適なハウジングに挿入又は成形され得る。
【0076】
本明細書に記載される実施形態は主に医療用途で使用される組み立て位置センサに対処するが、本明細書に記載の方法及びシステムは、折り曲げ可能な基材で包まれた、かつ/又は折り曲げ可能な基材によって包装された任意のデバイスを組み立てる際など、他の用途にも使用することができる。
【0077】
したがって、上述の実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、上記に具体的に示し、かつ説明したものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上記の明細書に記載される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。参照により本特許出願に組み込まれる文献は、これらの組み込まれた文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾する様式で定義される程度まで、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の不可欠な部分と見なすものとする。
【0078】
〔実施の態様〕
(1) ジグであって、
複数のファセットを有する平坦化された多面体として成形された基材を受容するように構成されている上面を有する基部と、
前記複数のファセットのそれぞれ1つを折り曲げるように前記基部上で移動し、かつ、前記基材を折り曲げられた3次元構成で保持するように構成されている1つ以上の可動ブロックと、
を備える、ジグ。
(2) 前記基部が、少なくとも、前記可動ブロックのうちの少なくとも1つを移動させるためのトラックを備える、実施態様1に記載のジグ。
(3) 前記基材が、隣接するファセット間に折り曲げ可能なセクションを備え、前記可動ブロックのうちの少なくとも1つが、前記折り曲げ可能なセクションを折り曲げ、かつ、前記隣接するファセットのうちの1つを固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されている、実施態様1に記載のジグ。
(4) 少なくとも、前記可動ブロックのうちの少なくとも1つを前記基部上の所定の位置に固定するように構成されている固定装置を備える、実施態様1に記載のジグ。
(5) 前記基部に固定されており、前記ファセットの少なくとも1つを固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されているノブを備える、実施態様1に記載のジグ。
【0079】
(6) 前記基部に固定されるように構成されており、ボアを有する機械的支持部を備え、前記ノブが前記ボアを通過するように構成されており、前記ノブの遠位端は、前記ファセットの前記少なくとも1つを前記それぞれの固体ファセットに固定するために前記固体多面体に向かって移動されるように構成されている、実施態様5に記載のジグ。
(7) 前記機械的支持部が、前記固体多面体上にあるブリッジを備え、前記ブリッジが前記基部に固定されたときに、前記ボアが、前記それぞれの固体ファセットと位置合わせされる、実施態様6に記載のジグ。
(8) 前記ノブが、ねじを備え、前記ボアが、前記ねじの上にぴったりと嵌合するように構成されたねじ形状のボアを備える、実施態様6に記載のジグ。
(9) 前記ノブが、互いに反対側を向いた第1の方向及び第2の方向に回転されるように構成されており、前記ノブが、前記第1の方向に回転されると、前記遠位端が、前記固体多面体に向かって移動するように構成されており、前記ノブが前記第2の方向に回転されると、前記遠位端が、前記固体多面体から離れるように移動するように構成されている、実施態様8に記載のジグ。
(10) 前記基材が、上部ファセット、下部ファセット、及び1つ以上の追加のファセットを備え、固体多面体が、前記下部ファセット上に位置付けられ、前記1つ以上の可動ブロックが、前記追加のファセットのそれぞれ1つを前記固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定するように構成されており、前記上部ファセットを前記固体多面体の上部固体ファセットに固定するように構成されているノブを備える、実施態様1に記載のジグ。
【0080】
(11) 組み立て方法であって、
基部の上面に、複数のファセットを有する平坦化された多面体として成形された基材を配置することと、
前記ファセットのうちの少なくとも1つに、固体多面体を位置付けることと、
前記基部上で、前記複数のファセットのそれぞれ1つを前記固体多面体のそれぞれの固体ファセット上へと折り曲げるための1つ以上の可動ブロックを移動させることと、
前記固体多面体に対して、前記基材を折り曲げられた3次元構成で保持することと、
を含む、組み立て方法。
(12) 前記ブロックを移動させることが、少なくとも、前記基部のトラックに沿ってブロックを移動させることを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記基材が、隣接するファセット間に折り曲げ可能なセクションを含み、前記ブロックを移動させることが、前記折り曲げ可能なセクションを折り曲げることを含む、実施態様11に記載の方法。
(14) 前記基材を保持することが、前記可動ブロックのうちの少なくとも1つを前記基部上の所定の位置に固定することを含む、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記ファセットの少なくとも1つを前記固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定することを含む、実施態様11に記載の方法。
【0081】
(16) ボアを有する機械的支持部を前記基部に固定することと、前記ファセットのうちの前記少なくとも1つを前記それぞれの固体ファセットに固定するために、前記ノブを前記ボアを通して前記固体多面体に向かって移動させることと、を含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記ノブを移動させることが、(i)前記ノブの遠位端を前記固体多面体に向かって移動させるために、前記ノブを第1の方向に回転させることと、(ii)前記固体多面体から離れるように前記遠位を移動させるために、前記ノブを第2の方向に回転させることと、を含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記基材が、上部ファセット、下部ファセット、及び1つ以上の追加のファセットを備え、前記固体多面体を位置付けることが、前記下部ファセット上に前記固体多面体を位置付けることを含み、前記ブロックを保持することが、前記追加のファセットのそれぞれ1つを前記固体多面体のそれぞれの固体ファセットに固定することを含み、前記上部ファセットを前記固体多面体の上部固体ファセットに固定することを含む、実施態様11に記載の方法。
(19) 前記多面体を前記基材で包むために、前記折り曲げられたファセットの隣接する縁部を互いに結合することを含む、実施態様11に記載の方法。
(20) 前記隣接する縁部を結合することが、(a)溶接、(b)はんだ付け、(c)接着、(d)ステープル留め、及び(e)クリッピングからなるリストから選択される結合技術を使用することを含む、実施態様19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】