(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】β-ラクタム化合物、プロベネシド、及びバルプロ酸の組み合わせとその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/19 20060101AFI20230420BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230420BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20230420BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230420BHJP
A61K 31/43 20060101ALI20230420BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20230420BHJP
A61P 25/00 20060101ALN20230420BHJP
【FI】
A61K31/19
A61P31/04
A61P19/06
A61K45/00
A61K31/43
A61K31/192
A61P25/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554381
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(85)【翻訳文提出日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 EP2021056210
(87)【国際公開番号】W WO2021180857
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520476662
【氏名又は名称】イテルム セラピューティクス インターナショナル リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ダン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA22
4C084MA02
4C084NA06
4C084ZA02
4C084ZA96
4C084ZB35
4C086AA01
4C086AA02
4C086CC05
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA06
4C086ZA02
4C086ZA96
4C086ZB35
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA01
4C206JA79
4C206MA03
4C206MA04
4C206NA06
4C206ZA02
4C206ZA96
4C206ZB35
(57)【要約】
本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩の組み合わせに関する。本開示はまた、この組み合わせを使用して疾患を治療又は予防する方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患を治療又は予防するための、組み合わせであって、
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、
を含む、組み合わせ。
【請求項2】
バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防するための組合わせであって、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、
を含む、組み合わせ。
【請求項3】
バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防するための、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【請求項4】
バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の副作用を低減又は緩和するための、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【請求項5】
疾患を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に、
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、
を投与することを含む、方法。
【請求項6】
バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、
を投与することを含む、方法。
【請求項7】
バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に、
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、
を投与することを含む、方法。
【請求項8】
バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の副作用を低減又は緩和する方法であって、それを必要とする対象に、
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、
を投与することを含む、方法。
【請求項9】
前記投与が副作用を低減又は緩和する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項10】
前記投与が、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を投与することなく、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与することの副作用を低減又は緩和する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項11】
前記副作用が、躁病、発作、発作可能性の上昇、対象におけるバルプロ酸濃度の低下、神経運動障害、又は神経運動障害の可能性である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項12】
前記副作用が、β-ラクタム化合物の同時投与に関連する対象のバルプロ酸濃度の低下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項13】
プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで投与されている比較可能な対象と比較して、前記投与が対象におけるバルプロ酸の濃度の上昇をもたらす、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項14】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、より高い曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項15】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、約0.1%以上、約0.25%以上、約0.5%以上、約0.75%以上、約1%以上、約2%以上、約3%以上、約4%以上、約5%以上、約6%以上、約7%以上、約8%以上、約9%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約80%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上、約300%以上、約400%以上、又は約500%以上高い曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項16】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、より高い最大血漿濃度(C
max)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項17】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、約0.1%以上、約0.25%以上、約0.5%以上、約0.75%以上、約1%以上、約2%以上、約3%以上、約4%以上、約5%以上、約6%以上、約7%以上、約8%以上、約9%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約80%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上、約300%以上、約400%以上、又は約500%以上高い最大血漿濃度(C
max)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項18】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、実質的に同じ曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項19】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象で得られた曲線下面積(AUC)の約50%~約150%、約60%~約140%、約70%~約130%、約80%~約120%、約90%~約110%、又は約95%~約105%の範囲の曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項20】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象で得られた曲線下面積(AUC)の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約102%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約140%、又は約150%の曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項21】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、実質的に同じ最大血漿濃度(C
max)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項22】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象で得られた最大血漿濃度(C
max)の約50%~約150%、約60%~約140%、約70%~約130%、約80%~約120%、約90%~約110%、又は約95%~約105%の範囲の最大血漿濃度(C
max)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項23】
前記投与が、疾患を治療又は予防する方法を必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象で得られた最大血漿濃度(C
max)の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約102%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約140%、又は約150%の最大血漿濃度(C
max)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項24】
疾患を治療又は予防する方法を必要とする前記対象がヒトである、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項25】
前記β-ラクタム化合物が式(I):
【化1】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体であり、ここでR
1がH又は任意に置換されたアルキルである、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項26】
前記β-ラクタム化合物が式(II):
【化2】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体である、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項27】
前記β-ラクタム化合物が、式(III)、(IIIa)、及び(IIIb)のいずれか1つ:
【化3】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体であり、ここでR
2がH又は任意選択的に置換されたアルキルである、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項28】
前記β-ラクタム化合物が、下記化学式:
【化4】
【化5】
【化6】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、及びその誘導体からなる群から選択される、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項29】
前記β-ラクタム化合物が、
【化7】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、及びその誘導体から選択される、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項30】
前記β-ラクタム化合物が
【化8】
である、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項31】
前記バルプロ酸の医薬的塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、又はアルミニウム塩である、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項32】
前記バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩が、1日1回、1日2回、又は1日3回以上投与される、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項33】
前記バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩が、1日以上の休薬日を設けて投与される、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項34】
前記バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩が休薬日なしで投与される、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項35】
前記バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩が経口投与される、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項36】
前記β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩が、1日1回、1日2回、又は1日3回以上投与される、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項37】
1日以上の休薬日が設けられる、請求項1~36のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項38】
休薬日のない、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項39】
前記β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩が経口投与される、請求項1~38のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項40】
前記プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が、1日1回、1日2回、又は1日3回以上投与される、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項41】
前記プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が、1日以上の休薬日を設けて投与される、請求項1~40のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項42】
前記プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が休薬日なしで投与される、請求項1~41のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項43】
前記プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が経口投与される、請求項1~42のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項44】
前記β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が、同時に、連続的に、又は交互に投与される、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項45】
前記β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が同時に投与される、請求項1~44のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項46】
前記バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得るその塩が同じ経路で投与される、請求項1~45のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項47】
前記バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が経口投与される、請求項1~46のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項48】
前記β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む経口共製剤が投与される、請求項1~47のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項49】
前記β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤が投与される、請求項1~48のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項50】
前記錠剤が、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含む第2の層と、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む第1の層とを含む、二層錠剤である、請求項1~49のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項51】
前記第1の層が、20mg~約5g、約50mg~約2g、約80mg~約1g、約100mg~約900mg、約200mg~約800mg、約300mg~約700mg、約400mg~約600mg、約450mg~約550mg、又は約480mg~約520mgのプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む、請求項1~50のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項52】
前記第2の層が、20mg~約5g、約50mg~約2g、約80mg~約1g、約100mg~約900mg、約200mg~約800mg、約300mg~約700mg、約400mg~約600mg、約450mg~約550mg、又は約480mg~約520mgのβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含む、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項53】
前記第1の層が、約500±450mg、約500±400mg、約500±350mg、約500±300mg、約500±250mg、約500±200mg、約500±150mg、約500±100mg、約500±90mg、約500±80mg、約500±70mg、約500±60mg、約500mg±50mg、約500±45mg、約500±40mg、約500±35mg、約500±30mg、約500±25mg、約500±20mg、約500±15mg、約500±10mg、又は約500±5mgのプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む、請求項1~52のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項54】
前記第2の層が、約500±400mg、約500±350mg、約500±300mg、約500±250mg、約500±200mg、約500±150mg、約500±100mg、約500±90mg、約500±80mg、約500±70mg、約500±60mg、約500±50mg、約500mg±45mg、約500±40mg、約500±35mg、約500±30mg、約500±25mg、約500±20mg、約500±15mg、約500±10mg、又は約500±5mgのβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含む、請求項1~53のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩
【請求項55】
前記二層錠剤が1種以上の医薬賦形剤をさらに含む、請求項1~54のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項56】
前記医薬賦形剤の1種以上が、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ラクトース一水和物、及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項57】
前記バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩が、約50mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約1g/日、約2g/日、約3g/日、約4g/日、又は約5g/日の用量で投与される、請求項1~56のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項58】
前記バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩が、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mgの用量で投与される、請求項1~57いずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項59】
前記β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩が、約50mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約1g/日、約2g/日、約3g/日、約4g/日、又は約5g/日の用量で投与される、請求項1~58のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項60】
前記β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩が、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日の用量で投与される、請求項1~59のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項61】
前記プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が、約50mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約1g/日、約2g/日、約3g/日、約4g/日、又は約5g/日の用量で投与される、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項62】
前記プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日の用量で投与される、請求項1~61のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項63】
前記バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩が、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日の用量で投与され;
前記β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩が、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日の用量で投与され;及び
前記プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日の用量で投与される、
請求項1~62のいずれか1項に記載の方法、組み合わせ、プロベネシド又はその医薬的塩。
【請求項64】
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、
を含む、組み合わせ。
【請求項65】
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、
を含む、医薬組成物。
【請求項66】
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩
を含む、医薬キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年3月11日に出願され米国仮出願第62/987,963号の利益及び優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
β-ラクタム化合物は、分子構造中にβ-ラクタム環を有する抗生物質のクラスである。β-ラクタム化合物は、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に関連する疾患の治療に使用されている。バルプロ酸(「VPA」)は、主に発作性疾患の患者の治療、及び頻度は低いが、躁病や偏頭痛などの他の神経系疾患に使用されている薬剤である。急性感染症の治療には、バルプロ酸とペネム系抗生物質を含むβ-ラクタム化合物の同時投与が必要な場合がある。カルバペネム系抗生物質(例えば、エルタペネム、イミペネム、及びメロペネム)を投与されている患者では、血清バルプロ酸濃度の臨床的に有意な低下が報告されており、発作の制御が失われる可能性がある。この相互作用のメカニズムはよくわかっていない。
【発明の概要】
【0003】
概要
いくつかの態様において、本開示は、疾患を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に以下を投与することを含む方法を提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0004】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に以下を投与することを含む方法を提供する:
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0005】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に以下を投与することを含む方法を提供する:
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0006】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の副作用を低減又は緩和する方法であって、それを必要とする対象に以下を投与することを含む方法を提供する:
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0007】
いくつかの態様において、本開示は、疾患を治療又は予防するための組み合わせであって、以下を含む組み合わせを提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0008】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防するための組み合わせであって、以下を含む組み合わせを提供する:
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0009】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防するための、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を提供する。
【0010】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の副作用を低減又は緩和するための、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を提供する.
【0011】
いくつかの態様において、本開示は、以下を含む組み合わせを提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0012】
いくつかの態様において、本開示は、以下を含む医薬キットを提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0013】
いくつかの態様において、本開示は、以下を含む医薬組成物を提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0014】
他に明記されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において、単数形はまた、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形を含む。本開示の実施又は試験において、本明細書に記載のものと同様又は同等の方法及び材料を使用することができるが、適切な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、及びその他の参考文献は、参照により組み込まれる。ここに引用される参考文献は、特許請求された発明の先行技術であると認められるものではない。矛盾する場合は、定義を含む本明細書が優先される。さらに、材料、方法、及び実施例は、例示のみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書に開示される化合物の化学構造と名称との間に矛盾がある場合、化学構造が支配するものとする。
【0015】
本開示の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】単独で及びスロペネムと組み合わせて(静脈内製剤で)投与した場合のバルプロ酸の平均(±標準偏差)血漿濃度(μg/ml)を示す図である。
【0017】
【
図2】単独及びスロペネムと組み合わせて(経口製剤で)投与した場合のバルプロ酸の平均(±標準偏差)血漿濃度(μg/ml)を示す図である。
【0018】
【
図3】単独投与時及びスロペネム及びプロベネシドとの併用投与時(経口製剤)のバルプロ酸の平均(±標準偏差)血漿濃度(μg/ml)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
いくつかの態様において、本開示は、疾患を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に以下を投与することを含む方法を提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0020】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に以下を投与することを含む方法を提供する:
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0021】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に以下を投与することを含む方法を提供する:
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0022】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の副作用を低減又は緩和する方法であって、それを必要とする対象に以下を投与することを含む方法を提供する:
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0023】
いくつかの態様において、本開示は、疾患を治療又は予防するための組み合わせであって、以下を含む組み合わせを提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0024】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防するための組み合わせであって、以下を含む組み合わせを提供する:
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0025】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の疾患を治療又は予防するための、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を提供する。
【0026】
いくつかの態様において、本開示は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている対象の副作用を低減又は緩和するための、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を提供する.
【0027】
方法の効果
いくつかの実施形態において、投与は副作用を低減又は緩和する。
【0028】
いくつかの実施形態において、投与は、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を投与することなく、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を投与することの副作用を低減又は緩和する。
【0029】
いくつかの実施形態において、副作用は、対象の躁病、発作、発作可能性の上昇、バルプロ酸濃度の低下、神経運動障害、又は神経運動障害の可能性である。
【0030】
いくつかの実施形態において、副作用は躁病である。
【0031】
いくつかの実施形態において、副作用は、双極性疾患及び/又は片頭痛に関連する躁病である。
【0032】
いくつかの実施形態において、副作用は発作である。
【0033】
いくつかの実施形態において、副作用は、発作の可能性の上昇である。
【0034】
いくつかの実施形態において、副作用は、対象におけるバルプロ酸濃度の低下である。
【0035】
いくつかの実施形態において、副作用は神経運動障害である。
【0036】
いくつかの実施形態において、副作用は神経運動障害の可能性である。
【0037】
いくつかの実施形態において、副作用は、β-ラクタム化合物の投与に関連する発作である。
【0038】
いくつかの実施形態において、副作用は、β-ラクタム化合物及びバルプロ酸の同時投与に関連する発作である。
【0039】
いくつかの実施形態において、副作用は、β-ラクタム化合物の投与に関連する発作の可能性の上昇である。
【0040】
いくつかの実施形態において、副作用は、β-ラクタム化合物及びバルプロ酸の同時投与に関連する発作の可能性の上昇である。
【0041】
いくつかの実施形態において、副作用は、β-ラクタム化合物の同時投与に関連する対象におけるバルプロ酸濃度の低下である。いくつかの実施形態において、副作用は、β-ラクタム化合物の投与に関連する神経運動障害である。
【0042】
いくつかの実施形態において、副作用は、β-ラクタム化合物及びバルプロ酸の同時投与に関連する神経運動障害である。
【0043】
いくつかの実施形態において、副作用は、β-ラクタム化合物の投与に関連する神経運動障害の可能性である。
【0044】
いくつかの実施形態において、副作用は、β-ラクタム化合物及びバルプロ酸の同時投与に関連する神経運動障害の可能性である。
【0045】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで投与されている比較可能な対象と比較して、投与は、対象においてより低い発作可能性をもたらす。
【0046】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで投与されている比較可能な対象と比較して、投与は、対象においてバルプロ酸の濃度の上昇をもたらす。
【0047】
いくつかの実施形態において、投与は、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで投与されている比較可能な対象と比較して、対象において神経運動障害の可能性の低下をもたらす。
【0048】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、より高い曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0049】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、約0.1%以上、約0.25%以上、約0.5%以上、約0.75%以上、約1%以上、約2%以上、約3%以上、約4%以上、約5%以上、約6%以上、約7%以上、約8%以上、約9%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約80%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上、約300%以上、約400%以上、又は約500%以上高い曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0050】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、より高い最大血漿濃度(Cmax)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0051】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、約0.1%以上、約0.25%以上、約0.5%以上、約0.75%以上、約1%以上、約2%以上、約3%以上、約4%以上、約5%以上、約6%以上、約7%以上、約8%以上、約9%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約80%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上、約300%以上、約400%以上、又は約500%以上高い最大血漿濃度(Cmax)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0052】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、実質的に同じ曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0053】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象で得られた曲線下面積(AUC)の、約50%~約150%、約60%~約140%、約70%~約130%、約80%~約120%、約90%~約110%、又は約95%~約105%の範囲の曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0054】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象で得られた曲線下面積(AUC)の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約102%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約140%、又は約150%の曲線下面積(AUC)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0055】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象と比較して、実質的に同じ最大血漿濃度(Cmax)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0056】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象で得られた最大血漿濃度(Cmax)の、約50%~約150%、約60%~約140%、約70%~約130%、約80%~約120%、約90%~約110%、又は約95%~約105%の範囲の最大血漿濃度(Cmax)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0057】
いくつかの実施形態において、投与は、それを必要とする対象において、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はその医薬的に許容し得る塩なしで、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を投与されている比較可能な対象で得られ最大血漿濃度(Cmax)の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約102%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約140%、又は約150%の最大血漿濃度(Cmax)を有するバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の血漿濃度を、投与から約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、又は約7日以内にもたらす。
【0058】
治療される対象と疾患
いくつかの実施形態において、それを必要とする対象は動物である。いくつかの実施形態において、それを必要とする対象はヒトである。
【0059】
いくつかの実施形態において、それを必要とする対象は18歳以上のヒトである。
【0060】
いくつかの実施形態において、それを必要とする対象は18歳未満のヒトである。
【0061】
いくつかの実施形態において、疾患は、対象における(例えば、対象の中枢神経系における)ガンマアミノ酪酸(GABA)レベルの低下に関連する。いくつかの実施形態において、投与は、対象における(例えば、対象の中枢神経系における)ガンマアミノ酪酸(GABA)のレベルの増加をもたらす。
【0062】
いくつかの実施形態において、疾患は、対象における1種以上の微生物(例えば、細菌)の集団の増加又は減少に関連する。
【0063】
いくつかの実施形態において、疾患は、対象における1種以上の微生物(例えば、細菌)の集団の増加に関連する。いくつかの実施形態において、投与は、対象における1種以上の微生物(例えば、細菌)の集団の減少をもたらす。
【0064】
いくつかの実施形態において、疾患は、対象における1種以上の微生物(例えば、細菌)の集団の減少に関連する。いくつかの実施形態において、投与は、対象における1種以上の微生物(例えば、細菌)の集団の増加をもたらす。
【0065】
いくつかの実施形態において、疾患は、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス、エンテロバクター・クロアカエ、クレブシエラ・オキシトカ、シトロバクター・フロウンディ・コンプレックス、クロストリジウム・クロストリジオフォルム、ユーバクテリウム・レンタム、ペプトストレプトコッカス種、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・ディスタソニス、バクテロイデス・オバタス、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、バクテロイデス・ユニホルミス、バクテロイデス・コプロコラ、プレボテラ・コプリ、ポルフィロモナス・アサッカロリティカ、及びプレボテラ・ビビア、又は次の属の任意の生物:スクシニビブリオ、アリスチペス、プレボテラ、パラプレボテラ、パラバクテロイデス、及びオドリバクターから選択される1種以上の細菌集団の、増加又は減少に関連する。
【0066】
いくつかの実施形態において、疾患は、表皮ブドウ球菌、肺炎連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、アガラクチエ連鎖球菌、及び化膿性連鎖球菌から選択される1種以上の細菌の集団の増加又は減少に関連する。
【0067】
いくつかの実施形態において、疾患は、シトロバクター・フロインディ、シトロバクター・コセリ、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカ、ヘモフィルス・インフルエンザ、ヘモフィルス・パラインフルエンザ、クレブシエラ・オキシトカ、モラクセラ・カタラーリス、モルガネラ・モルガニー、プロテウス・ブルガリス、プロビデンシア・レットゲリ、プロビデンシア・スチュアルティ、及びセラチア・マルセッセンスから選択される1種以上の細菌の集団の増加又は減少に関連する。
【0068】
いくつかの実施形態において、疾患は、バクテロイデス・ブルガタス、ウェルシュ菌、及びフソバクテリウム種から選択される1種以上の細菌の集団の増加又は減少に関連する。
【0069】
いくつかの実施形態において、疾患は感染症に関連している。いくつかの実施形態において、感染症はグラム陰性菌感染症である。いくつかの実施形態において、感染症はグラム陽性菌感染症である。
【0070】
いくつかの実施形態において、感染症は、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで投与された場合、1種以上の抗生物質に対して耐性である。
【0071】
いくつかの実施形態において、感染症は、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩なしで投与された場合、1種以上のβ-ラクタム化合物に対して耐性である。
【0072】
いくつかの実施形態において、疾患は、合併症のない尿路感染症、合併症のある尿路感染症、合併症のある腹腔内感染症、合併症のない腹腔内感染症、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、淋菌性尿道炎、骨盤内炎症性疾患、前立腺炎、骨感染症、関節感染症、糖尿病性足感染症、及び感染性下痢である。
【0073】
いくつかの実施形態において、疾患は、対象におけるマイクロバイオーム(microbiome)の変化に関連する(例えば、それに起因する)。
【0074】
いくつかの実施形態において、疾患は、ヒト対象におけるマイクロバイオームの変化に関連する(例えば、それに起因する)。
【0075】
いくつかの実施形態において、疾患は躁病である。
【0076】
いくつかの実施形態において、疾患は、双極性疾患及び/又は片頭痛に関連する躁病である。
【0077】
いくつかの実施形態において、疾患は神経変性疾患である。
【0078】
いくつかの実施形態において、疾患は筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、又はハンチントン病である。
【0079】
いくつかの実施形態において、疾患はアルツハイマー病である。プロベネシドが脳脊髄液中のβ-ラクタム化合物の濃度を増加させることがわかっていることに留意されたい(Ralph G. Dacey and Merle A. Sande, Antimicrobial Agents and Chemotherapy 6:437-441 (1974))。最近では、病原菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスが、アルツハイマー病に関連する病理学的病変に関連して脳内で発見され(Dominy et al., Sci. Adv. 5:eaau3333 (2019))、スロペネムはこの細菌に対して活性がある(Lois M. Ednie and Peter C. Appelbaum, Antimicrobial Agents and Chemotherapy 53: 2163-2170 (2009))。理論に拘束されることは望まないが、β-ラクタム化合物(例えば、化合物III-2b)は、プロベネシドと共に与すると、スロペネム単独での治療と比較して、この微生物による脳感染症のより効果的な治療につながる可能性がある.
【0080】
いくつかの実施形態において、疾患は癌である。
【0081】
いくつかの実施形態において、癌は、固形癌、例えば卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、膀胱癌、肝細胞癌、結腸直腸癌、若しくはリンパ腫、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0082】
いくつかの実施形態において、癌は、肉腫又は癌腫、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌腫、膵臓癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫である。
【0083】
いくつかの実施形態において、癌は、白血病、例えば急性リンパ性白血病及び急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、及び赤白血病)、又は慢性白血病(慢性骨髄性(顆粒球性)白血病及び慢性リンパ球性白血病)である。
【0084】
いくつかの実施形態において、癌は、真性多血症、リンパ腫(ホジキン病及び非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、又は重鎖疾患である。
【0085】
いくつかの実施形態において、疾患は炎症性腸疾患である。
【0086】
いくつかの実施形態において、炎症性腸疾患は、クローン病、潰瘍性大腸炎、不確定性大腸炎、過敏性腸症候群、顕微鏡的大腸炎、空置性大腸炎、又はベーチェット病である。
【0087】
いくつかの実施形態において、疾患は、合併症のない尿路感染症、合併症のある尿路感染症、合併症のある腹腔内感染症、急性細菌性前立腺炎、市中細菌性肺炎、淋菌性尿道炎、骨盤内炎症性疾患、慢性細菌性前立腺炎、結核菌感染症、非結核性マイコバクテリア感染症、骨及び関節感染症、急性及び慢性副鼻腔炎、糖尿病性足感染症、又は感染性下痢(例えば、サルモネラ菌、赤痢菌、又はビブリオコレラによる下痢)である。
【0088】
β-ラクタム化合物、プロベネシド、バルプロ酸
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、モノバクタム又はそのプロドラッグである。
【0089】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、アズトレオナム、チゲモナム、カルモナム、ノカルジシンA、これらのプロドラッグ、これらの類似体、又はこれらの誘導体である。
【0090】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、ペネム、カルバペネム、クラバム、又はこれらのプロドラッグである。
【0091】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、ベンジルペニシリン、ベンザチンベンジルペニシリン、プロカインベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、プロピシリン、フェネチシリン、アジドシリン、クロメトシリン、ペナメシリン、クロキサシリン(例えば、ジクロキサシリン又はフルクロキサシリン)、オキサシリン、ナフシリン、メチシリン、アモキシシリン、アンピシリン(例えば、ピバンピシリン、ヘタシリン、バカンピシリン、メタアンピシリン、タランピシリン)、エピシリン、チカルシリン、カルベニシリン、カリンダシリン、テモシリン、ピペラシリン、アズロシリン、メズロシリン、メシリナム(例えば、ピブメシリナム)、スルベニシリン、これらの医薬的に許容し得る塩、これらのプロドラッグ、これらの類似体、又はこれらの誘導体である。
【0092】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、ペネム、カルバペネム、又はこれらのプロドラッグである。
【0093】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、チオペネム、オキシペネム、アミノペネム、アルキルペネム、アリールペネム、又はこれらのプロドラッグである。
【0094】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、エルタペネム、抗シュードモナスカルバペネム(例えば、ドリペネム、イミペネム、メロペネム)、ビアペネム、パニペネム、スロペネム、テビペネム、ファロペネム、これらの医薬的に許容し得る塩、これらのプロドラッグ、これらの類似体、又はこれらの誘導体である。
【0095】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、セフェム、カルバセフェム、オキサセフェム、又はこれらのプロドラッグである。
【0096】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、セファゾリン、セファレキシン、セファドロキシル、セファピリン、セファゼドン、セファザフルル、セフラジン、セフロキサジン、セフテゾール、セファログリシン、セファセトリル、セファロニウム、セファロリジン、セファロチン、セファトリジン、セファクロル、セフォテタン、セファマイシン(例えば、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフロキシムアキセチル、セファマンドール、セフミノックス、セフォニシド、セフォラニド、セフォチアム、セフブペラゾン、セフゾナム、セフメタゾール)、カルバセフェム(例えば、ロラカルベフ)、セフィキシム、セフトリアキソン、抗シュードモナス剤(例えば、セフタジジム、セフォペラゾン)、セフジニル、セフカペン、セフダロキシム、セフチゾキシム、セフメノキシム、セフォタキシム、セフピラミド、セフポドキシム、セフチブテン、セフジトレン、セフェタメット、セフジジム、セフピミゾール、セフスロジン、セフテラム、セフチオレン、オキサセフェム(例えば、フロモキセフ、ラタモキセフ)、セフェピム、セフォゾプラン、セフピロム、セフキノム、セフタロリンフォサミル、セフトロザン、セフトビプロール、セフチオフル、セフキノム、セフォベシン、これらの医薬的に許容し得る塩、これらのプロドラッグ、これらの類似体、又はこれらの誘導体である。
【0097】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、チオペネム又はそのプロドラッグである。
【0098】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、式(I)の化合物:
【化1】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体であり、ここでR
1はH又は任意選択的に置換されたアルキルである。
【0099】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、式(Ia)の化合物:
【化2】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体である。
【0100】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、式(Ib)の化合物:
【化3】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体である。
【0101】
いくつかの実施形態において、R1はHである。
【0102】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、式(II)の化合物:
【化4】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体である。
【0103】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、式(IIa)の化合物:
【化5】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体である。
【0104】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、式(IIb)の化合物:
【化6】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体である。
【0105】
いくつかの実施形態において、R1は任意選択的に置換されたアルキルである。
【0106】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、式(III)、(IIIa)、及び(IIIb)の化合物のいずれか1つ:
【化7】
、その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体であり、ここでR
2はH又は任意選択的に置換されたアルキルである。
【0107】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、
【化8】
【化9】
【化10】
これらの医薬的に許容し得る塩、これらのプロドラッグ、これらの類似体、又はこれらの誘導体からなる群から選択される。
【0108】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、
【化11】
【化12】
【化13】
これらの医薬的に許容し得る塩、これらのプロドラッグ、これらの類似体、又はこれらの誘導体からなる群から選択される。
【0109】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、
【化14】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体から選択される。
【0110】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、
【化15】
である。
【0111】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物は、式(IV)、(IVa)、及び(IVb)のいずれか1つ:
【化16】
【化17】
【化18】
その医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグ、その類似体、又はその誘導体であり、ここでR
3はH又は任意選択的に置換されたアルキルである。
【0112】
いくつかの実施形態において、R3はC2~C8アルキルである。
【0113】
いくつかの実施形態において、R3は、CH2CH3、CH2CH2CH3、又はCH2CH(CH3)2アルキルである。
【0114】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物の医薬的塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、又はアルミニウム塩である。
【0115】
バルプロ酸は以下の構造を有することが理解されたい:
【化19】
【0116】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸の医薬的塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、又はアルミニウム塩である。
【0117】
プロベネシド(例えば、ブランド名Probalanで販売されている)は、以下の構造のものであることが理解されたい:
【化20】
【0118】
いくつかの実施形態において、プロベネシドの医薬的塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、又はアルミニウム塩である。
【0119】
バルプロ酸、β-ラクタム化合物、及びプロベネシドの投与
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、1日1回以上、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1g、約2g、約3g、約4g、約5g、約6g、約7g、約8g、約9g、約10g、約20g、約30g、約40g、又は約50gの1日用量で投与される。
【0120】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、1日1回、1日2回、又は1日3回以上投与される。
【0121】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、継続的に投与される。
【0122】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、約2日間以上投与される。
【0123】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約14日間、又は約30日間投与される。
【0124】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、1日以上の休薬日を設けて投与される。
【0125】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、休薬日なしで投与される。
【0126】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、経腸的に投与される。
【0127】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与又は直腸投与される。
【0128】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0129】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0130】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、注射(例えば、静脈内注入)によって投与される。
【0131】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、静脈内投与される。
【0132】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、1日1回以上、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1g、約2g、約3g、約4g、約5g、約6g、約7g、約8g、約9g、約10g、約20g、約30g、約40g、又は約50gの1日用量で投与される。
【0133】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、1日1回、1日2回、又は1日3回以上投与される。
【0134】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、継続的に投与される。
【0135】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、約2日間以上投与される。
【0136】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約14日間、又は約30日間投与される。
【0137】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、1日以上の休薬日を設けて投与される。
【0138】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、休薬日なしで投与される。
【0139】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、経腸的に投与される。
【0140】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与又は直腸投与される。
【0141】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0142】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0143】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、注射(例えば、静脈内注入)によって投与される。
【0144】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、静脈内投与される。
【0145】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、1日1回以上、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1g、約2g、約3g、約4g、約5g、約6g、約7g、約8g、約9g、約10g、約20g、約30g、約40g、又は約50gの1日用量で投与される。
【0146】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、1日1回、1日2回、又は1日3回以上投与される。
【0147】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、継続的に投与される。
【0148】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、約2日間以上投与される。
【0149】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約14日間、又は約30日間投与される。
【0150】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、1日以上の休薬日を設けて投与される。
【0151】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、休薬日なしで投与される。
【0152】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、経腸的に投与される。
【0153】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与又は直腸投与される。
【0154】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0155】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0156】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、注射(例えば、静脈内注入)によって投与される。
【0157】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、静脈内投与される。
【0158】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、同時に又は連続的に投与される。
【0159】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、同時に、連続的に、又は交互に投与される。
【0160】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、同時に、連続的に、又は交互に投与される。
【0161】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、同時に、連続的に、又は交互に投与される。
【0162】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、同時に投与される。
【0163】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、連続的に投与される。
【0164】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が同時に投与される。
【0165】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、同時に投与される。
【0166】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、同時に投与される。
【0167】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、同時に投与される。
【0168】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は同時に投与され、続いてプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩が投与される。
【0169】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩の投与後に同時に投与される。
【0170】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は同時に投与され、続いてβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩が投与される。
【0171】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩の投与後に同時に投与される。
【0172】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は同時に投与され、続いてバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩が投与される。
【0173】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩の投与後に同時に投与される。
【0174】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、連続的に投与される。
【0175】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、プロベネシド化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びβ-ラクタム又はその医薬的に許容し得る塩は、連続的に投与される。
【0176】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、連続的に投与される。
【0177】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、連続的に投与される。
【0178】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム又はその医薬的に許容し得る塩、及びバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、連続的に投与される。
【0179】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、及びβ-ラクタム又はその医薬的に許容し得る塩は、連続的に投与される。
【0180】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、時間的に近接して投与される。
【0181】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、時間的に近接して投与される。
【0182】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、時間的に近接して投与される。
【0183】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、時間的に近接して投与される。
【0184】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩の投与の前に投与される。
【0185】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩の投与の前に投与される。
【0186】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、同じ経路によって投与される。
【0187】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、同じ経路によって投与される。
【0188】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、同じ経路によって投与される。
【0189】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、同じ経路によって投与される。
【0190】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、異なる経路によって投与される。
【0191】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、異なる経路によって投与される。
【0192】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、異なる経路によって投与される。
【0193】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、異なる経路によって投与される。
【0194】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、経腸的に投与される。
【0195】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、経腸的に投与される。
【0196】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、経腸的に投与される。
【0197】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、経腸的に投与される。
【0198】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は経腸的に投与される。
【0199】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は経腸的に投与される。
【0200】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は経腸的に投与される。
【0201】
いくつかの実施形態において、経腸投与は経口投与である。
【0202】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0203】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0204】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0205】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0206】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0207】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0208】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、経口投与される。
【0209】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む経口共製剤が投与される。
【0210】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含む経口共製剤が投与される。
【0211】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む経口共製剤が投与される。
【0212】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む経口共製剤が投与される。
【0213】
いくつかの実施形態において、経口共製剤は、対象に1日1回以上投与される。
【0214】
いくつかの実施形態において、経口共製剤は、対象に1日1回投与される。
【0215】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤が投与される。
【0216】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤が投与される。
【0217】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤が投与される。
【0218】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤が投与される。
【0219】
いくつかの実施形態において、錠剤は、以下を含む二層錠剤である:
β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含む第2の層、及び
プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む第1の層。
【0220】
いくつかの実施形態において、第1の層は、20mg~約5g、約50mg~約2g、約80mg~約1g、約100mg~約900mg、約200mg~約800mg、約300mg~約700mg、約400mg~約600mg、約450mg~約550mg、又は約480mg~約520mgのプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む、
【0221】
いくつかの実施形態において、第2の層は、20mg~約5g、約50mg~約2g、約80mg~約1g、約100mg~約900mg、約200mg~約800mg、約300mg~約700mg、約400mg~約600mg、約450mg~約550mg、又は約480mg~約520mgのβ-ラクタム化合物(例えば、化合物III-2、化合物III-2a、又は化合物III-2b)又はその医薬的に許容し得る塩を含む。
【0222】
いくつかの実施形態において、第1の層は、約500±450mg、約500±400mg、約500±350mg、約500±300mg、約500±250mg、約500±200mg、約500±150mg、約500±100mg、約500±90mg、約500±80mg、約500±70mg、約500±60mg、約500±50mg、約500±45mg、約500±40mg、約500±35mg、約500±30mg、約500±25mg、約500±20mg、約500±15mg、約500±10mg、又は約500±5mgのプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む。
【0223】
いくつかの実施形態において、第2の層は、約500±400mg、約500±350mg、約500±300mg、約500±250mg、約500±200mg、約500±150mg、約500±100mg、約500±90mg、約500±80mg、約500±70mg、約500±60mg、約500±50mg、約500±45mg、約500±40mg、約500±35mg、約500±30mg、約500±25mg、約500±20mg、約500±15mg、約500±10mg、又は約500±5mgのβ-ラクタム化合物(例えば、化合物III-2、化合物III-2a、又は化合物III-2b)又はその医薬的に許容し得る塩を含む。
【0224】
いくつかの実施形態において、第1の層は、約500mgのプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む。
【0225】
いくつかの実施形態において、第2の層は、約500mgのβ-ラクタム化合物(例えば、化合物III-2、化合物III-2a、又は化合物III-2b)又はその医薬的に許容し得る塩を含む。
【0226】
いくつかの実施形態において、二層錠剤は1つ以上の医薬賦形剤をさらに含む。
【0227】
いくつかの実施形態において、医薬賦形剤の1つ以上は、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ラクトース一水和物、及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される。
【0228】
いくつかの実施形態において、二層錠剤は対象に1日1回以上投与される。
【0229】
いくつかの実施形態において、二層錠剤は対象に1日1回投与される。
【0230】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤が投与される。
【0231】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤が投与される。
【0232】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤が投与される。
【0233】
いくつかの実施形態において、錠剤は対象に1日1回以上投与される。
【0234】
いくつかの実施形態において、錠剤は対象に1日1回投与される。
【0235】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、別々の経口製剤で投与される。
【0236】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤は、両方とも別々の経口製剤で投与される。
【0237】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤は、両方とも別々の経口製剤で投与される。
【0238】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤は、両方とも別々の経口製剤で投与される。
【0239】
いくつかの実施形態において、別々の経口製剤は対象に1日1回以上投与される。
【0240】
いくつかの実施形態において、別々の経口製剤は対象に1日1回投与される。
【0241】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、別々の錠剤で投与される。
【0242】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤は、両方とも別々の錠剤で投与される。
【0243】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩を含む錠剤は、両方とも別々の錠剤で投与される。
【0244】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、両方とも別々の錠剤で投与される。
【0245】
いくつかの実施形態において、錠剤は対象に1日1回以上投与される。
【0246】
いくつかの実施形態において、錠剤は対象に1日1回投与される。
【0247】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0248】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0249】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0250】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0251】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0252】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0253】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、非経口投与される。
【0254】
いくつかの実施形態において、非経口投与は静脈内投与である。
【0255】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、静脈内投与される。
【0256】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、静脈内投与される。
【0257】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、静脈内投与される。
【0258】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、静脈内投与される。
【0259】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は静脈内投与される。
【0260】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は静脈内投与される。
【0261】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は静脈内投与される。いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、共製剤で投与される。
【0262】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、共製剤で投与される。
【0263】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、共製剤で投与される。
【0264】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、共製剤で投与される。
【0265】
いくつかの実施形態において、共製剤は対象に1日1回以上投与される。
【0266】
いくつかの実施形態において、共製剤は対象に1日1回投与される。
【0267】
いくつかの実施形態において、共製剤は経口共製剤(例えば、錠剤)である。
【0268】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩、及びプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、別個の製剤で投与される。
【0269】
方法の例示的な実施形態
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、約50mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約1g/日、約2g/日、約3g/日、約4g/日、又は約5g/日の用量で投与される。
【0270】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg(たとえば、約500mg/日)の用量で投与される。
【0271】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、約50mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約1g/日、約2g/日、約3g/日、約4g/日、又は約5g/日の用量で投与される。
【0272】
いくつかの実施形態において、β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日(たとえば、約500mg/日)の用量で投与される。
【0273】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、約50mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約1g/日、約2g/日、約3g/日、約4g/日、又は約5g/日の用量で投与される。
【0274】
いくつかの実施形態において、プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日(例えば、約500mg/日)の用量で投与される。
【0275】
いくつかの実施形態において、バルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩は、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日(たとえば、約500mg/日)の用量で投与され;
β-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日(たとえば、約500mg/日)の用量で投与され;及び
プロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩は、500±300mg/日、500±250mg/日、500±200mg/日、500±150mg/日、500±100mg/日、500±90mg/日、500±80mg/日、500±70mg/日、500±60mg/日、500±50mg/日、500±40mg/日、500±30mg/日、500±20mg/日、500±10mg/日、500±5mg/日、500±4mg/日、500±3mg/日、500±2mg/日、500±1mg/日(たとえば、約500mg/日)の用量で投与される。
【0276】
組み合わせ、医薬組成物、及び医薬キット
いくつかの態様において、本開示は以下を含む組み合わせを提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩;
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩;及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0277】
いくつかの態様において、本開示は以下を含む医薬組成物を提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩;
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩;及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0278】
いくつかの態様において、本開示は以下を含む医薬キットを提供する:
医薬的有効量のバルプロ酸又はその医薬的に許容し得る塩;
医薬的有効量のβ-ラクタム化合物又はその医薬的に許容し得る塩;及び
医薬的有効量のプロベネシド又はその医薬的に許容し得る塩。
【0279】
定義
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は同等として使用される。本出願で使用される任意の数字は、約/おおよそを伴って又は伴わずに、関連技術の当業者によって理解される任意の通常の変動をカバーすることを意味する。特定の実施形態において、「およそ」又は「約」という用語は、別段の記載がない限り、又は文脈から明らかな場合を除き(そのような数値が可能な値の100%を超える場合を除く)、記載の基準値の両方向に25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下の値の範囲を指す。
【0280】
本明細書で使用される「アルキル」、「C1、C2、C3、C4、C5、又はC6アルキル」又は「C1~C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、又はC6直鎖(直鎖)飽和脂肪族炭化水素基、及びC3、C4、C5、又はC6分枝飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図する。例えば、C1~C6アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6アルキル基を含むことを意図する。アルキルの例としては、1~6個の炭素原子を有する部分、例えば、特に限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、又はn-ヘキシルが含まれる。特定の実施形態において、直鎖又は分枝アルキルは6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC1~C6、分枝鎖についてはC3~C6)を有し、別の実施形態において、直鎖又は分枝アルキルは4個以下の炭素原子を有する。
【0281】
本明細書で使用される「シクロアルキル」は、3~30個の炭素原子(例えば、C3~C12、C3~C10、又はC3~C8)を有する飽和又は不飽和の非芳香族炭化水素単環若しくは多環(例えば、縮合、架橋、又はスピロ環)系を指す。シクロアルキルの例には、特に限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、及びアダマンチルが含まれる。
【0282】
本明細書で使用される用語「ヘテロシクロアルキル」は、他に明記されない限り、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1つ以上のヘテロ原子(例えば、O、N、S、P、又はSe)、例えば、1又は1~2又は1~3又は1~4又は1~5又は1~6個のヘテロ原子、又は例えば、1、2、3、4、5、若しくは6個のヘテロ原子を有する、飽和又は不飽和の非芳香族の3~8員の単環系、7~12員の二環系(縮合、架橋、又はスピロ環)、又は11~14員の三環系(縮合、架橋、又はスピロ環)を指す。ヘテロシクロアルキル基の例には、特に限定されるものではないが、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、イソインドリニル、インドリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2,3、6-テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピラニル、モルホリニル、テトラヒドロチオピラニル、1,4-ジアゼパニル、1,4-オキサゼパニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカニル、1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカニル、1-オキサスピロ[4.5]デカニル、1-アザスピロ[4.5]デカニル、3’H-スピロ[シクロヘキサン-1,1’-イソベンゾフラン]-イル、7’H-スピロ[シクロヘキサン-1,5’-フロ[3,4]-b]ピリジン]-イル、3’H-スピロ[シクロヘキサン-1,1’-フロ[3,4-c]ピリジン]-イル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾリル、3,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピリド[4,3-d]ピリミジニル、4、5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-メチル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-メチル-2-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-アザスピロ[4.5]デカニル、2-メチル-2-アザスピロ[4.5]デカニル、2-オキサ-アザスピロ[3.4]オクタニル、2-オキサ-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イルなどが含まれる。多環式非芳香族環の場合、環の1つだけが非芳香族である必要がある(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル又は2,3-ジヒドロインドール)。
【0283】
本明細書で使用される用語「任意選択的に置換されたアルキル」は、非置換アルキル、又は炭化水素主鎖の1つ以上の炭素上の1つ以上の水素原子を置換する指定された置換基を有するアルキルを指す。このような置換基には、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸塩、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホナート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボン酸塩、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分が含まれ得る。
【0284】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、長さ及び可能な置換が上記のアルキルに類似しているが、少なくとも1つの二重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば「アルケニル」という用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、及び分岐アルケニル基を含む。特定の実施形態において、直鎖又は分枝アルケニル基は、その主鎖に6個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖についてはC2~C6、分枝鎖についてはC3~C6)。「C2~C6」という用語は、2~6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。「C3~C6」という用語は、3~6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。
【0285】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、長さ及び可能な置換が上記のアルキルに類似しているが、少なくとも1つの三重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、及び分岐アルキニル基を含む。特定の実施形態において、直鎖又は分岐アルキニル基は、その主鎖に6個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖についてはC2~C6、分岐鎖についてはC3~C6)。「C2~C6」という用語は、2~6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。「C3~C6」という用語は、3~6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。本明細書で使用される用語「C2~C6アルケニレンリンカー」又は「C2~C6アルキニレンリンカー」は、C2、C3、C4、C5、又はC6鎖(直鎖又は分枝)の二価不飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図する。例えば、C2~C6アルケニレンリンカーは、C2、C3、C4、C5、及びC6アルケニレンリンカー基を含むことを意図する。
【0286】
他の任意選択的に置換された部分(例えば、任意選択的に置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール)には、非置換部分と指定された置換基の1つ以上を有する部分の両方が含まれる。例えば、置換ヘテロシクロアルキルには、1つ以上のアルキル基で置換されたもの、例えば2,2,6,6-テトラメチル-ピペリジニル及び2,2,6,6-テトラメチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジニルが含まれる。
【0287】
本明細書で使用される用語「アリール」は、「共役」を含む芳香族性を有する基、又は1つ以上の芳香環を有し、環構造にヘテロ原子を含まない多環式系を含む。例としては、フェニル、ナフタレニルなどがある。
【0288】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1つ以上のヘテロ原子、例えば1又は1~2又は1~3又は1~4又は1~5又は1~6個のヘテロ原子、又は例えば1、2、3、4、5、若しくは6個のヘテロ原子とからなる、安定な5員、6員、若しくは7員の単環式、又は7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員の二環式芳香族複素環を含むことを意図する。窒素原子は、置換されていても置換されていなくてもよい(すなわち、N又はNRであり、ここで、RはH又は定義された他の置換基である)。窒素及び硫黄ヘテロ原子は、任意選択的に酸化されていてもよい(すなわち、N→O及びS(O)p、ここでp=1又は2)。芳香族複素環中のS及びO原子の総数は1以下であることに注意すべきである。ヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンなどが含まれる。
【0289】
さらに、用語「アリール」及び「ヘテロアリール」は、多環式アリール及びヘテロアリール基、例えば、三環式、二環式、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、インドリジンを含む。
【0290】
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール環は、1つ以上の環位置(例えば、環形成炭素又はNなどのヘテロ原子)で、上記のような置換基、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸塩、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、ホスホナート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボン酸塩、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分によって置換され得る。アリール及びヘテロアリール基はまた、多環系(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル、例えばベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)を形成するために、芳香族ではない脂環式又は複素環式環と縮合又は架橋することもできる。
【0291】
本明細書で使用される場合用語「複素環」又は「複素環基」は、少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば、N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子)を含む任意の環構造(飽和、不飽和、又は芳香族)を含む。複素環には、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールが含まれる。複素環の例には、特に限定されるものではないが、モルホリン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジン、オキセタン、ピラン、テトラヒドロピラン、アゼチジン、及びテトラヒドロフランが含まれる。
【0292】
複素環基の例には、特に限定されるものではないが、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、カルバゾリル、H4a-カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル(例えば、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾール5(4H)-オン、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H-1,2,5-チアジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、及びキサンテニルが含まれる。
【0293】
本明細書で使用される用語「置換された」は、指定された原子上の任意の1つ以上の水素原子が、記載された基からの選択物で置換されているが、但し、記載された原子の通常の原子価を超えず、置換が安定した化合物をもたらすことを意味する。置換基がオキソ又はケト(すなわち、=O)の場合、原子上の2つの水素原子が置換される。ケト置換基は、芳香族部分には存在しない。本明細書で使用される環二重結合は、2つの隣接する環原子間で形成される二重結合である(例えば、C=C、C=N、又はN=N)。「安定な化合物」及び「安定な構造」は、反応混合物からの有用な純度までの単離及び有効な治療薬への配合に耐えるのに、十分堅牢な化合物を示すことを意味する。
【0294】
置換基への結合が、環内の2つの原子を結合する結合を横切ることが示される場合、そのような置換基は、環内の任意の原子に結合することができる。置換基が所定の式の化合物の残りに結合する原子を示さずに置換基が列挙される場合、そのような置換基は、そのような式中の任意の原子を介して結合され得る。置換基及び/又は変数の組み合わせは許容されるが、そのような組み合わせが安定した化合物をもたらす場合に限られる。
【0295】
任意の変数(例えば、R)が化合物の任意の成分又は式に2回以上出現する場合、各出現におけるその定義は、他のすべての出現におけるその定義とは無関係である。従って例えば、ある基が 0~2個のR部分で置換されていることが示されている場合、その基は任意選択的に最大2個のR部分で置換されていてもよく、Rは出現するたびに Rの定義から独立して選択される。置換基及び/又は変数の組み合わせは許容されるが、そのような組み合わせが安定した化合物をもたらす場合に限られる。
【0296】
本明細書で使用される「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」という用語は、-OH又は-O-を有する基を含む。
【0297】
本明細書で使用される「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。用語「過ハロゲン化」は、一般に、すべての水素原子がハロゲン原子で置換されている部分を指す。用語「ハロアルキル」又は「ハロアルコキシル」は、1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル又はアルコキシルを指す。
【0298】
本明細書で使用される用語「カルボニル」は、酸素原子への二重結合で結合している炭素を含む化合物及び部分を含む。カルボニルを含む部分の例には、特に限定されるものではないが、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物などが含まれる。
【0299】
本明細書で使用される用語「カルボキシル」は、-COOH又はそのC1~C6アルキルエステルを指す。
【0300】
本明細書で使用される用語「アシル」は、アシル基(R-C(O)-)又はカルボニル基を含む部分を含む。本明細書で使用される用語「置換アシル」は、1つ以上の水素原子が、例えばアルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸塩、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホナート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボン酸塩、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分によって置換されているアシル基を含む。
【0301】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」又は「アルコキシル」は、酸素原子に共有結合している置換及び非置換のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基を含む。アルコキシ基又はアルコキシル基の例には、特に限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシ、及びペントキシ基が含まれる。置換アルコキシ基の例には、ハロゲン化アルコキシ基が含まれる。アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸塩、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホナート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボン酸塩、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分などの基で置換され得る。ハロゲン置換アルコキシ基の例としては、特に限定されるものではないが、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、及びトリクロロメトキシが含まれる。
【0302】
本明細書で使用される用語「エーテル」又は「アルコキシ」は、2つの炭素原子又はヘテロ原子に結合している酸素を含む化合物又は部分を含む。例えば、この用語は「アルコキシアルキル」を含み、これは、アルキル基に共有結合している酸素原子に共有結合しているアルキル、アルケニル、又はアルキニル基を指す。
【0303】
本明細書で使用される用語「エステル」は、カルボニル基の炭素に結合している酸素原子に結合している炭素又はヘテロ原子を含む化合物又は部分を含む。用語「エステル」には、アルコキシカルボキシ基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどが含まれる。
【0304】
本明細書で使用される用語「チオアルキル」には、硫黄原子と結合しているアルキル基を含む化合物又は部分が含まれる。チオアルキル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸塩、カルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボン酸塩、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分などの基で置換され得る。
【0305】
本明細書で使用される用語「チオカルボニル」又は「チオカルボキシ」は、二重結合で硫黄原子に結合している炭素を含む化合物及び部分を含む。
【0306】
本明細書で使用される用語「チオエーテル」は、2つの炭素原子又はヘテロ原子に結合している硫黄原子を含む部分を含む。チオエーテルの例には、特に限定されるものではないが、アルキルチオアルキル、アルキルチオアルケニル、及びアルキルチオアルキニルが含まれる。用語「アルキルチオアルキル」は、アルキル基に結合している硫黄原子に結合しているアルキル、アルケニル、又はアルキニル基を有する部分を含む。同様に、用語「アルキルチオアルケニル」という用語は、アルキル、アルケニル、又はアルキニル基が、アルケニル基に共有結合している硫黄原子に結合している部分を指し、「及びアルキルチオアルキニル」は、アルキル、アルケニル、又はアルキニル基が、アルキニル基に共有結合している硫黄原子に結合している部分を指す。
【0307】
本明細書で使用される用語「アミン」又は「アミノ」は、-NH2を指す。「アルキルアミノ」には、-NH2の窒素が少なくとも1つのアルキル基に結合している化合物の群が含まれる。アルキルアミノ基の例には、ベンジルアミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、フェネチルアミノなどが含まれる。
【0308】
本明細書で使用される用語「ジアルキルアミノ」は、-NH2の窒素が2つのアルキル基に結合している基を含む。ジアルキルアミノ基の例には、特に限定されるものではないが、ジメチルアミノ及びジエチルアミノが含まれる。
【0309】
本明細書で使用される用語「アリールアミノ」及び「ジアリールアミノ」には、窒素がそれぞれ少なくとも1つ又は2つのアリール基に結合している基が含まれる。
【0310】
本明細書で使用される用語「アミノアリール」及び「アミノアリールオキシ」は、アミノで置換されたアリール及びアリールオキシを指す。
【0311】
本明細書で使用される用語「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」、又は「アリールアミノアルキル」は、少なくとも1つのアルキル基及び少なくとも1つのアリール基に結合しているアミノ基を指す。
【0312】
本明細書で使用される用語「アルカミノアルキル」は、アルキル基にも結合している窒素原子に結合しているアルキル、アルケニル、又はアルキニル基を指す。
【0313】
本明細書で使用される用語「アシルアミノ」には、窒素がアシル基に結合している基が含まれる。アシルアミノの例には、特に限定されるものではないが、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイド基が含まれる。
【0314】
本明細書で使用される用語「アミド」又は「アミノカルボキシ」には、カルボニル又はチオカルボニル基の炭素に結合している窒素原子を含む化合物又は部分が含まれる。
【0315】
本明細書で使用される用語「アルクアミノカルボキシ」には、カルボニル又はチオカルボニル基の炭素に結合しているアミノ基に結合しているアルキル、アルケニル、又はアルキニル基が含まれる。
【0316】
本明細書で使用される用語「アリールアミノカルボキシ」には、カルボニル又はチオカルボニル基の炭素に結合しているアミノ基に結合しているアリール又はヘテロアリール部分が含まれる。
【0317】
本明細書で使用される用語「アルキルアミノカルボキシ」、「アルケニルアミノカルボキシ」、「アルキニルアミノカルボキシ」、及び「アリールアミノカルボキシ」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリール部分がそれぞれ窒素原子に結合し、次に窒素原子がカルボニル基の炭素に結合している部分を含む。
【0318】
アミドは、直鎖アルキル、分岐アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環などの置換基で置換することができる。アミド基上の置換基は、さらに任意選択的に置換され得る。
【0319】
窒素を含む本開示の化合物は、酸化剤(例えば、3-クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)及び/又は過酸化水素)で処理することによりN-オキシドに変換して、本開示の他の化合物を得ることができる。従って、示され、特許請求されているすべての窒素含有化合物は、原子価及び構造によって許容される場合、示されている化合物とそのN-オキシド誘導体(N→O又はN+-O-と指定できる)の両方を含むと見なされる。さらに、他の例では、本開示の化合物中の窒素は、N-ヒドロキシ又はN-アルコキシ化合物に変換することができる。例えば、N-ヒドロキシ化合物は、mCPBAなどの酸化剤による親アミンの酸化によって調製することができる。示され特許請求されているすべての窒素含有化合物は、原子価及び構造によって許容される場合、示されている化合物とそのN-ヒドロキシ誘導体(すなわち、N-OH)及びN-アルコキシ誘導体の両方をカバーするとみなされる。
【0320】
本明細書において、化合物の構造式は、便宜上特定の異性体を表す場合があるが、本開示は、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体などの全ての異性体を包含し、必ずしもすべての異性体が同じレベルの活性を有するわけではないことが理解されたい。さらに、式で表される化合物には結晶多形が存在する場合がある。任意の結晶形態、結晶形態混合物、又はその無水物若しくは水和物が、本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【0321】
本明細書で使用される用語「異性」は、同一の分子式を有するが、これらの原子の結合順序又はこれらの原子の空間配置が異なる化合物を意味する。原子の空間配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」又は時に光学異性体と呼ばれる場合がある。反対のキラリティーの個々のエナンチオマー形態を等量含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0322】
本明細書で使用される用語「キラル中心」は、4つの同一でない置換基に結合している炭素原子を指す。
【0323】
本明細書で使用される用語「キラル異性体」は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。2つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして、又は「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在し得る。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(R又はS)によって特徴付けることができる。絶対配置とは、キラル中心に結合している置換基の空間配置を指す。検討中のキラル中心に結合している置換基は、Cahn, Ingold and Prelogのシーケンス規則(Sequence Rule)に従ってランク付けされる(Cahn et al., Angew. Chem. Inter. Edit. 1966, 5, 385; errata 511; Cahn et al., Angew. Chem. 1966, 78, 413; Cahn and Ingold, J. Chem. Soc. 1951 (London), 612; Cahn et al., Experientia 1956, 12, 81; Cahn, J. Chem. Educ. 1964, 41, 116)。
【0324】
本明細書で使用される用語「幾何異性体」は、これらの存在が二重結合又はシクロアルキルリンカー(例えば、1,3-シクロブチル)の周りの妨害された回転に起因するジアステレオマーを意味する。これらの立体配置は、接頭辞のシスとトランス、又はZとEによって名前が区別され、これは、Cahn-Ingold-Prelog 規則に従って、基が分子内の二重結合の同じ側又は反対側にあることを示す。
【0325】
本開示の化合物は、異なるキラル異性体又は幾何異性体として描写され得ることを理解するべきである。化合物がキラル異性体又は幾何異性体の形態を有する場合、すべての異性体形態が本開示の範囲に含まれることが意図され、化合物の命名はいかなる異性体形態を排除せず、必ずしもすべての異性体が同じレベルの活性を持つわけではないことを理解するべきである。
【0326】
本開示で議論される構造及び他の化合物は、そのすべてのアトロピック異性体を含むことを理解するべきである。必ずしもすべてのアトロピック異性体が同じレベルの活性を有するわけではないことも理解するべきである。
【0327】
本明細書で使用される用語「アトロピック異性体」は、2つの異性体の原子が空間的に異なって配置されている立体異性体の一種である。アトロピック異性体が存在するのは、中心結合の周りの大きな基の回転が妨げられることによって生じる制限された回転によるものである。このようなアトロピック異性体は通常、混合物として存在するが、クロマトグラフィー技術の最近の進歩の結果、特定の場合に2つのアトロピック異性体の混合物を分離することが可能になった。
【0328】
本明細書で使用される用語「互変異性体」は、平衡状態で存在する2つ以上の構造異性体のうちの1つであり、ある異性体から別の異性体に容易に変換される。この変換により、隣接する共役二重結合の切り替えを伴う水素原子の正式な移動が起きる。互変異性体は、溶液中の互変異性セットの混合物として存在する。互変異性化が可能な溶液では、互変異性体が化学平衡に達する。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、pHなどのいくつかの要因によって異なる。互変異性化によって相互変換可能な互変異性体の概念は、互変異性と呼ばれる。可能性のあるさまざまなタイプの互変異性のうち、2つが一般的に観察される。ケト-エノール互変異性では、電子と水素原子の同時シフトが発生する。環鎖互変異性は、糖鎖分子のアルデヒド基(-CHO)が、同じ分子内の水酸基(-OH)の1つと反応して、グルコースによって示されるように環状(リング状)の形になることによって生じる。
【0329】
本開示の化合物は、異なる互変異性体として描写され得ることを理解するべきである。化合物が互変異性形態を有する場合、すべての互変異性形態が本開示の範囲に含まれることが意図されており、化合物の命名はいかんる互変異性形態も排除しないことも理解するべきである。特定の互変異性体が他の互変異性体よりも高いレベルの活性を有する可能性があることが理解されるであろう。
【0330】
本明細書で使用される用語「結晶多形」、「多形」、又は「結晶形態」は、化合物(又はその塩若しくは溶媒和物)が異なる結晶パッキング構成で結晶化することができる結晶構造を意味し、そのすべてが同じ元素組成を有する。異なる結晶形は、通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度硬度、結晶形状、光学的及び電気的特性、安定性、及び溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、保存温度、及びその他の要因により、1つの結晶形が支配的になる場合がある。化合物の結晶多形は、異なる条件下での結晶化によって調製することができる。
【0331】
本明細書に記載の任意の式の化合物は、該当する場合、化合物自体、並びにこれらの塩、及びこれらの溶媒和物を含むことを理解するべきである。例えば、置換ベンゼン化合物上の陰イオンと正に荷電した基(例えば、アミノ)との間で、塩を形成することができる。適切な陰イオンには、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、重硫酸塩、スルファミン酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、グルクロン酸塩、グルタル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、サリチル酸塩、乳酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、及び酢酸塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)が含まれる。
【0332】
本明細書で使用される用語「医薬的に許容し得る陰イオン」は、医薬的に許容し得る塩を形成するのに適した陰イオンを指す。同様に、置換ベンゼン化合物上の陽イオンと負に荷電した基(例えば、カルボン酸塩)との間で塩を形成することもできる。適切な陽イオンには、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びテトラメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウム陽イオンが含まれる。置換ベンゼン化合物には、第四級窒素原子を含む塩も含まれる。
【0333】
本開示の化合物、例えば化合物の塩は、水和又は非水和(無水)形態で、又は他の溶媒分子との溶媒和物として存在し得ることを理解するべきである。水和物の非限定例には、一水和物、二水和物などが含まれる。溶媒和物の非限定例には、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが含まれる。
【0334】
本明細書で使用される用語「溶媒和物」は、化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含む溶媒付加形態を意味する。一部の化合物は、固定モル比の溶媒分子を結晶性固体状態に閉じ込める傾向があり、従って溶媒和物を形成する。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は水和物である。溶媒がアルコールの場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1つ以上の水の分子と、その中で水がH2Oとしての分子状態を保持する1つの物質の分子との結合によって形成される。
【0335】
本明細書で使用される用語「類似体」は、別の化合物と構造的に類似しているが、組成がわずかに異なる化学化合物を指す(異なる元素の原子による1つの原子の置換、又は特定の官能基の存在下、又は又は別の官能基によるある官能基の置換におけるように)。従って、類似体は、参照化合物と機能及び外観が類似又は同等であるが、構造又は起源が異なる化合物である。
【0336】
本明細書で使用される用語「誘導体」は、共通のコア構造を有し、本明細書に記載の様々な基で置換されている化合物を指す。
【0337】
本明細書で使用される用語「バイオアイソステア(bioisostere)」は、原子又は原子群と、別の広く類似した原子又は原子群との交換から生じる化合物を指す。バイオアイソステリック置換の目的は、親化合物と同様の生物学的特性を持つ新しい化合物を作成することである。バイオイソステリック置換は、物理化学的又はトポロジーに基づいている可能性がある。カルボン酸バイオアイソステアの例には、特に限定されるものではないが、アシルスルホンイミド、テトラゾール、スルホン酸塩、及びホスホン酸塩が含まれる。例えば、Patani and LaVoie, Chem. Rev. 96, 3147-3176, 1996を参照されたい。
【0338】
本開示は、本化合物に存在する原子のすべての同位体を含むことを意図することを理解するべきである。同位体には、原子番号が同じであるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、限定するものではないが、水素の同位体にはトリチウム及び重水素が含まれ、炭素の同位体にはC-13及びC-14が含まれる。
【0339】
本明細書で使用される表現「A、B、又はCの1つ以上」、「1つ以上のA、B、又はC」、「A、B、及びCの1つ以上」、「1つ以上のA、B、及びC」、「A、B、及びCからなる群から選択される」、「A、B、及びCから選択される」などは交換可能に使用され、別段の指示がない限り、すべて、A、B、及び/又はC、すなわち1つ以上のA、1つ以上のB、1つ以上のC、又はこれらの任意の組み合わせから群からの選択を指す。
【0340】
本明細書で使用される用語「実質的に同じ」は、当業者によって理解されるように、参照値(例えば、比較可能な対象における値)を超える任意の正常範囲内にある値を指す。いくつかの実施形態において用語「実質的に同じ」は、参照値(例えば、比較可能な対象における値)の約40%~約160%、約50%~約150%、約60%~約140%、約70%~約130%、約80%~約120%、約90%~約110%、又は約95%~約105%の範囲内にある値を指す。いくつかの実施形態において、用語「実質的に同じ」は、参照値(例えば、比較可能な対象における値)の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約102%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約140%、又は約150%である値を指す。
【0341】
本開示は、本明細書に記載の式のいずれかの化合物の合成方法を提供することを理解するべきである。本開示はまた、以下のスキーム並びに実施例に示されるものに従って、本開示の様々な開示された化合物の合成のための詳細な方法を提供する。
【0342】
説明を通して、組成物が特定の成分を有する、含む(including)、又は含む(comprising)として記載される場合、組成物はまた、記載された成分から本質的になる、又はからなることが企図されることを理解するべきである。同様に、方法又はプロセスが、記載された特定のプロセス工程を有する、含む(including)、又は含む(comprising)として説明される場合、そのプロセスはまた、記載された処理工程から本質的になる、又はからなる。さらに、本発明が作動可能である限り、工程の順序又は特定の行動を実行する順序は重要ではないことを理解するべきである。さらに、2つ以上の工程又は行動を同時に実行することもできる。
【0343】
本開示の合成プロセスは多種多様な官能基を許容することができるため、様々な置換された出発物質を使用できることを理解するべきである。これらのプロセスは、一般に、全プロセスの終わり又はその近くで所望の最終化合物を提供するが、場合によっては、化合物を医薬的に許容し得るその塩にさらに変換することが望ましい場合もある。
【0344】
本開示の化合物は、さまざまな方法で、市販の出発物質、文献で知られている化合物、又は容易に調製される中間体を使用して、当業者に公知であるか又は本明細書の教示に照らして当業者には明らかな、既知の標準的な合成方法及び手順を使用することによって、調製できることを理解するべきである。有機分子の調製及び官能基の変換と操作のための標準的な合成方法と手順は、関連する科学文献又はこの分野の標準的な教科書から入手できる。1つ以上のソースに限定されるものではないが、Smith, M. B., March, J., March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 5th edition, John Wiley & Sons: New York, 2001; Greene, T.W., Wuts, P.G. M., Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons: New York, 1999; R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994); 及びL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995) (参照により本明細書に取り込まれる)は有用であり、当業者に公知の有機合成の有用かつ認識された参照教科書である。
【0345】
当業者は、本明細書に記載の一連の反応及び合成スキームの間に、保護基の導入及び除去などの特定の工程の順序が変更され得ることに注目するであろう。当業者は、特定の基が保護基の使用を介して、反応条件からの保護を必要とし得ることを認識するであろう。保護基は、分子内の類似の官能基を区別するためにも使用できる。保護基のリストとこれらの基を導入及び除去する方法は、Greene, T.W., Wuts, P.G. M., Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons: New York, 1999に見いだすことができる。
【0346】
特に明記しない限り、治療方法のいかなる説明も、本明細書に記載されるような治療又は予防を提供するための化合物の使用、並びにそのような状態を治療又は予防する薬剤を調製するための化合物の使用を含むことを理解するべきである。治療は、ヒト、又は例えばげっ歯類を含む非ヒト動物、及び他の疾患モデルの治療を含む。
【0347】
本明細書で使用される用語「対象」は、用語「それを必要とする対象」と交換可能であり、どちらも疾患を有するか又は疾患を発症するリスクが高い対象を指す。「対象」には哺乳動物が含まれる。哺乳動物は、例えば、ヒト又は適切な非ヒト哺乳動物、例えば、霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ、又はブタであり得る。対象は鳥や家禽でもよい。1つの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0348】
本明細書で使用される用語「比較可能な対象」は、比較される対象(例えば、治療される対象)の時点で、比較可能なパラメーターを有するか、又は比較可能な状態にある対象を指す。例えば「比較可能な対象」は、比較される対象の時点で疾患を有するか、又は比較される対象の時点で疾患を発症するリスクが高い可能性がある。別の例では「比較可能な対象」は、比較される対象の時点で、1つ以上の薬剤(たとえば、β-ラクタム化合物、プロベネシド、又はこれらの組み合わせ)に対して1つ以上の血漿薬物動態パラメーター(たとえば、Cmax又はAUC)を示し得る。いくつかの実施形態において、「比較可能な対象」は、異なる時点で比較される対象であってもよく、例えば(例えば、β-ラクタム化合物、プロベネシド、及び/又はバルプロ酸の組み合わせを投与することによって)治療される対象は、治療前に「比較可能な対象」としての条件(例えば、バルプロ酸なしでβ-ラクタム化合物及びプロベネシドの投与)に供されてもよい。いくつかの実施形態において、「比較可能な対象」は、異なる時点で比較される対象であってもよく、例えば(例えば、β-ラクタム化合物、プロベネシド、及び/又はバルプロ酸の組み合わせを投与することによって)治療される対象は、治療前に「比較可能な対象」としての条件(例えば、プロベネシドなしでβ-ラクタム化合物及びバルプロ酸の投与)に供されてもよい。いくつかの実施形態において、「比較可能な対象」は、異なる時点で比較される対象であってもよく、例えば(例えば、β-ラクタム化合物、プロベネシド、及び/又はバルプロ酸の組み合わせを投与することによって)治療される対象は、治療前に「比較可能な対象」としての条件(例えば、β-ラクタム化合物なしでバルプロ酸及びプロベネシドの投与)に供されてもよい。いくつかの実施形態において、「比較可能な対象」は、異なる時点で比較される対象であってもよく、例えば(例えば、β-ラクタム化合物及び/又はバルプロ酸の組み合わせを投与することによって)治療される対象は、治療前に「比較可能な対象」としての条件(例えば、バルプロ酸なしでβ-ラクタム化合物の投与)に供されてもよい。いくつかの実施形態において、「比較可能な対象」は、異なる時点で比較される対象であってもよく、例えば(例えば、β-ラクタム化合物及び/又はプロベネシドの組み合わせを投与することによって)治療される対象は、治療前に「比較可能な対象」としての条件(例えば、プロベネシドなしでβ-ラクタム化合物の投与)に供されてもよい。いくつかの実施形態において、「比較可能な対象」は、異なる時点で比較される対象であってもよく、例えば(例えば、プロベネシド及び/又はβ-ラクタム化合物の組み合わせを投与することによって)治療される対象は、治療前に「比較可能な対象」としての条件(例えば、β-ラクタム化合物なしでプロベネシドの投与)に供されてもよい。いくつかの実施形態において、「比較可能な対象」は、異なる時点で比較される対象であってもよく、例えば(例えば、プロベネシド及び/又はバルプロ酸の組み合わせを投与することによって)治療される対象は、治療前に「比較可能な対象」としての条件(例えば、バルプロ酸なしのプロベネシド)に供されてもよい。いくつかの実施形態において、「比較可能な対象」は、異なる時点で比較される対象であってもよく、例えば(例えば、バルプロ酸及び/又はβ-ラクタム化合物の組み合わせを投与することによって)治療される対象は、治療前に「比較可能な対象」としての条件(例えば、β-ラクタム化合物なしでバルプロ酸の投与)に供されてもよい。いくつかの実施形態において、「比較可能な対象」は、異なる時点で比較される対象であってもよく、例えば(例えば、バルプロ酸及び/又はプロベネシドの組み合わせを投与することによって)治療される対象は、治療前に「比較可能な対象」としての条件(例えば、プロベネシドなしでバルプロ酸)に供されてもよい。
【0349】
本明細書で使用される用語「治療している」又は「治療する」は、疾患、状態、又は障害と戦うことを目的とする患者の管理及びケアを記述し、疾患、状態、又は障害の症状又は合併症を軽減するため、又は疾患、状態、又は障害を排除するために、本開示の化合物、又はその医薬的に許容し得るその塩、多形体、若しくは溶媒和物を投与することを含む。用語「治療する」はまた、インビトロの細胞又は動物モデルの治療を含み得る。
【0350】
本明細書で使用される用語「時間的近接」は、ある治療薬(例えば、本明細書で開示されるβ-ラクタム、プロベネシド、又はバルプロ酸化合物)の投与が、別の治療薬(例えば、β-ラクタム、プロベネシド、又はバルプロ酸化合物)の投与前又は投与後の時間内に起きることを指し、従って1つの治療薬の治療効果は他の治療薬の治療効果と重複する。いくつかの実施形態において、1つの治療薬の治療効果は、他の治療薬の治療効果と完全に重複する。いくつかの実施形態において、「時間的近接」は、ある治療薬の投与が別の治療薬の投与の前又は後の時間内に起きることを意味し、従ってある治療薬と他の治療薬との間に相乗効果がある。「時間的近接」は、特に限定されるものではないが、治療薬を投与される対象の年齢、性別、体重、遺伝的背景、病状、病歴、及び治療歴;治療又は改善される疾患又は状態;達成される治療結果;治療薬の投与量、投与頻度、及び投与期間;治療薬の薬物動態及び薬力学;及び治療薬が投与される経路を含む、様々な要因によって異なり得る。いくつかの実施形態において、「時間的近接」は、15分以内、30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、6時間以内、8時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、1週間以内、2週間以内、3週間以内、4週間以内、6週間以内、8週間以内を意味する。いくつかの実施形態において、ある治療薬の複数回投与は、別の治療薬の単回投与に時間的に近接して行うことができる。いくつかの実施形態において、時間的近接は、治療サイクル中又は投薬計画内で変化し得る。
【0351】
本開示の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩、多形体、若しくは溶媒和物は、関連する疾患、状態、若しくは障害を予防するために、又はそのような目的に適した候補物を同定するために使用することができるか又は使用してもよい。。
【0352】
本明細書で使用される用語「予防している」、「予防する」、又は「に対して防御する」は、そのような疾患、状態、又は障害の症状又は合併症の発症を軽減又は排除することを表す。
【0353】
当業者は、本明細書で論じられる既知の技術又は同等の技術の詳細な説明について、一般的な参考文献を参照できることを理解するべきである。これらの文献には、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Inc. (2005); Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (3rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2000); Coligan et al., Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons, N.Y.; Enna et al., Current Protocols in Pharmacology, John Wiley & Sons, N.Y.; Fingl et al., The Pharmacological Basis of Therapeutics (1975), Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA, 18th edition (1990), Mandell, et al., Principles and Practice of Infectious Diseases, Saunders Publishing (8th edition, 2014) が含まれる。もちろん、これらの文献は、本開示の態様を作成又は使用する際にも参照することができる。
【0354】
本開示はまた、少なくとも1つの医薬的に許容し得る賦形剤又は担体と組み合わせた、本明細書に記載の任意の化合物を含む医薬組成物も提供することを理解するべきである。
【0355】
本明細書で使用される用語「医薬組成物」は、対象への投与に適した形態で本開示の化合物を含む製剤である。1つの実施形態において、医薬組成物はバルク又は単位剤形である。単位剤形は、例えばカプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器上の単一ポンプ、又はバイアルを含む様々な形態のいずれかである。組成物の単位用量中の有効成分(例えば、開示された化合物、又はその塩、水和物、溶媒和物、若しくは異性体の製剤)の量は有効量であり、関与する特定の治療に応じて変化する。当業者は、患者の年齢及び状態に応じて、投薬量を日常的に変更することが必要な場合があることを理解するであろう。投与量は投与経路にも依存する。経口、肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、口腔、舌下、胸膜内、髄腔内、鼻内などを含む様々な経路が考えられる。本開示の化合物の局所又は経皮投与のための剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、及び吸入剤が含まれる。1つの実施形態において、活性化合物は、無菌条件下で、医薬的に許容し得る担体と、及び必要とされる任意の保存剤、緩衝剤、又は噴射剤と混合される。
【0356】
本明細書で使用される用語「医薬的に許容し得る」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題や合併症がなく、合理的な利益/リスク比に見合った、ヒト及び動物の組織に接触して使用するのに適した、化合物、陰イオン、陽イオン、材料、組成物、担体、及び/又は剤形を指す。
【0357】
本明細書で使用される用語「医薬的に許容し得る賦形剤」は、一般に安全で、非毒性であり、生物学的にもそれ以外でも望ましくないことはない医薬組成物を調製するのに有用な賦形剤を意味し、獣医学的使用及びヒトでの医薬的使用に許容される賦形剤を含む。本明細書及び特許請求の範囲で使用される「医薬的に許容し得る賦形剤」は、1つ及び2つ以上のそのような賦形剤の両方を含む。
【0358】
本開示の医薬組成物は、その意図する投与経路に適合するように製剤化されることを理解するべきである。投与経路の例には、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、及び経粘膜投与が含まれる。非経口、皮内、又は皮下投与に使用される溶液又は懸濁液には、次の成分が含まれる場合がある:無菌の希釈剤、例えば注射用水、食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒;抗細菌剤、例えばベンジルアルコールやメチルパラベン抗菌剤;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸や重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝剤、例えば酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩;及び張性を調整するための薬剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロース。pHは、塩酸や水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。非経口製剤は、アンプル、使い捨て注射器、又はガラス製若しくはプラスチック製の複数回投与バイアルに封入することができる。
【0359】
本開示の化合物又は医薬組成物は、化学療法治療に現在使用されている周知の方法の多くで、対象に投与できることを理解するべきである。例えば、本開示の化合物は、血流又は体腔に注射するか、又は経口摂取するか、又はパッチで皮膚を通して適用することができる。選択される用量は、効果的な治療を構成するのに十分であるべきであるが、許容できない副作用を引き起こすほど高すぎてはならない。患者の病状及び健康状態、治療中及び治療後の妥当な期間に注意深く監視することが望ましい。
【0360】
本明細書で使用される用語「治療有効量」は、特定された疾患又は状態を治療、改善、又は予防するための、又は検出可能な治療効果若しくは阻害効果を示すための薬剤の量を指す。効果は、当技術分野で公知の任意のアッセイ方法によって検出することができる。対象にとって正確な有効量は、対象の体重、体格、及び健康状態;状態の性質と程度;及び投与のために選択された治療薬又は治療薬の組み合わせによって異なる。所定の状況に対する治療有効量は、臨床医の技術及び判断の範囲内である日常的な実験によって決定することができる。
【0361】
任意の化合物について、治療有効量は、最初に、例えば腫瘍細胞の細胞培養アッセイ、又は動物モデル、通常はラット、マウス、ウサギ、イヌ、又はブタのいずれかで推定できることを理解するべきである。動物モデルはまた、適切な濃度範囲及び投与経路を決定するためにも使用され得る。次いで、そのような情報を使用して、ヒトへの投与に有用な用量及び経路を決定することができる。治療/予防の有効性及び毒性は、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的方法、例えばED50(集団の50%で治療的に有効な用量)及びLD50(集団の50%に致死的な用量)によって決定することができる。毒性効果と治療効果の用量比は治療指数であり、比率LD50/ED50として表すことができる。大きな治療指数を示す医薬組成物が好ましい。用量は、使用される剤形、患者の感受性、及び投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。
【0362】
用量及び投与は、十分なレベルの活性薬剤を提供するか、又は所望の効果を維持するように調整される。考慮し得る要因には、疾患状態の重症度、対象の一般的な健康状態、対象の年齢、体重、性別、食事、投与の時間と頻度、薬物の併用、反応感受性、及び治療に対する耐性/反応が含まれる。長時間作用型の医薬組成物は、具体的な製剤の半減期及びクリアランス速度に応じて、3~4日ごと、毎週、又は2週間ごとに1回投与することができる。
【0363】
本開示の活性化合物を含有する医薬組成物は、一般に知られている方法で、例えば従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、湿式粉砕、乳化、封入、捕捉、又は凍結乾燥法によって製造することができる。医薬組成物は、従来の方法で、活性化合物から医薬的に使用できる調製物への処理を促進する賦形剤及び/又は補助剤を含む1種以上の医薬的に許容し得る担体を使用して、製剤化することができる。 もちろん、適切な製剤は、選択した投与経路に依存する。
【0364】
注射使用に適した医薬組成物には、無菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液、及び無菌注射溶液又は分散液の即時調製用の無菌粉末が含まれる。静脈内投与に適した担体には、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF, Parsippany, N.J.)、又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が含まれる。すべての場合において、組成物は無菌でなければならず、容易に注射できる程度に流動的でなければならない。これは、製造及び保管の条件下で安定していなければならず、細菌や真菌などの微生物による汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びこれらの適切な混合物を含む溶媒又は分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散の場合に必要な粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの場合、等張剤、例えば糖、多価アルコール、例えばマンニトール及びソルビトール、及び塩化ナトリウムを、組成物に含めることが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物に含めることによってもたらすことができる。
【0365】
無菌注射溶液は、必要に応じて、上に列挙した成分の1つ又は組み合わせを含む適切な溶媒に、必要量の活性化合物を取り込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、基本的な分散媒体と上に列挙したものからの必要な他の成分とを含む無菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。無菌注射液の調製のための無菌粉末の場合、調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥であり、これは、有効成分と事前に無菌濾過されたその溶液からの追加の所望の成分の粉末を与える。
【0366】
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤又は食用の医薬的に許容し得る担体を含む。これらはゼラチンカプセルに封入するか、錠剤に圧縮することができる。経口治療薬投与のために、活性化合物を賦形剤に取り込み、錠剤、トローチ剤、又はカプセル剤の形態で使用することができる。経口組成物はまた、うがい薬として使用するための流体担体を使用して調製することもでき、ここで流体担体中の化合物は経口的に適用され、すすがれ、吐き出され、又は飲み込まれる。医薬的に適合する結合剤及び/又は補助剤材料を組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分のいずれか、又は同様の性質の化合物:結合剤、例えば微結晶セルロース、トラガカントゴム、又はゼラチン;賦形剤、例えばデンプン又はラクトース;崩壊剤、例えばアルギン酸、プリモゲル、又はコーンスターチ;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はステロテス;流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えばスクロース又はサッカリン;又は、香味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ香料を含むことができる。
【0367】
吸入による投与の場合、化合物は、適切な噴射剤、例えば二酸化炭素などのガスを含む加圧容器又はディスペンサー、又はネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0368】
全身投与は、経粘膜又は経皮手段によるものでもあり得る。経粘膜又は経皮投与の場合、透過されるバリアに適した浸透剤が製剤に使用される。このような浸透剤は、当技術分野で一般的に知られており、例えば経粘膜投与の場合、界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜投与は、点鼻スプレー又は座薬を使用して行うことができる。経皮投与のために、活性化合物は、当技術分野で一般的に知られているように、軟膏、膏薬、ゲル、又はクリーム剤に製剤化される。
【0369】
活性化合物は、インプラント及びマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤などの、化合物を身体からの急速な排出から防御する医薬的に許容し得る担体を用いて調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。このような製剤の調製方法は、当業者には明らかであろう。材料は、Alza Corporation and Nova Pharmaceuticals, Inc. から商業的に入手することもできる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体で感染細胞を標的とするリポソームを含む)も、医薬的に許容し得る担体として使用できる。これらは、当業者に公知の方法に従って、例えば米国特許第4,522,811号に記載されているように調製することができる。
【0370】
投与の容易さ及び投与量の均一性のために、経口又は非経口組成物を投与単位剤形で製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される単位剤形は、治療される対象の単位投与量として適した物理的に別個の単位を指す。各単位は、必要な医薬的担体と共同して所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活性化合物を含む。本開示の投与単位剤形の規格は、活性化合物の特徴及び達成されるべき特定の治療効果によって決定され、それに直接依存する。
【0371】
治療適用において、本開示に従って使用される医薬組成物の投与量は、選択された投与量に影響を与える他の要因の中でも、薬剤、受容患者の年齢、体重、及び臨床状態、並びに治療を施す臨床医又は開業医の経験及び判断に応じて変化する。一般的に、用量は、疾患の症状を遅らせ、好ましくは退行させ、好ましくは疾患の完全な退行を引き起こすのに十分であるべきである。用量は、1日当たり約0.01mg/kg~1日当たり約5000mg/kgの範囲であり得る。好ましい態様において、投与量は、1日当たり約1mg/kg~1日当たり約1000mg/kgの範囲であり得る。ある態様において、用量は、約0.1mg/日~約50g/日;約0.1mg/日~約25g/日;約0.1mg/日~約10g/日;約0.1mg~約3g/日;又は約0.1mg~約1g/日の範囲でもよく、単回、分割、又は連続用量で投与され得る(この用量は、患者の体重(kg)、体表面積(m2)、及び年齢(年)に合わせて調整することができる)。薬剤の有効量は、臨床医又は他の資格のある観察者によって指摘されるように、客観的に識別可能な改善を提供する量である。生存率と成長の改善は退行を示す。本明細書で使用される用語「用量有効様式」は、対象又は細胞において所望の生物学的効果を生み出すための活性化合物の量を指す。
【0372】
医薬組成物は、投与のための説明書と共に、容器、パック、又はディスペンサーに含めることができることを理解するべきである。
【0373】
さらに塩を形成することができる本開示の化合物については、これらの形態のすべてもまた、特許請求される開示の範囲内で企図されることを理解するべきである。
【0374】
本明細書で使用される用語「医薬的に許容し得る塩」は、親化合物がその酸塩又は塩基塩を作成することによって修飾されている本開示の化合物の誘導体を指す。いくつかの実施形態において、化合物(例えば、本明細書に記載のβ-ラクタム化合物又はプロベネシド)の医薬的に許容し得る塩は、化合物のプロドラッグでもある。医薬的に許容し得る塩の例としては、特に限定されるものではないが、アミンなどの塩基性残基の無機又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ又は有機塩などが挙げられる。医薬的に許容し得る塩には、従来の非毒性の塩、又は例えば非毒性の無機酸又は有機酸から形成される親化合物の四級アンモニウム塩が含まれる。例えば、このような従来の非毒性の塩には、特に限定されるものではないが、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2-エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコールアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバミン酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、亜酢酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、及び一般的に存在するアミン酸、例えばグリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンなどから選択される無機及び有機酸に由来するものが含まれる。
【0375】
医薬的に許容し得る塩の他の例としては、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ムコン酸等が含まれる。本開示はまた、親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、又はアルミニウムイオンによって置換される場合に形成される塩も包含し、又は有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどと配位結合する。塩の形態では、化合物と塩の陽イオン又は陰イオンとの比は1:1、又は1:1以外の任意の比、例えば、3:1、2:1、若しくは1:2であり得ることを理解するべきである。
【0376】
医薬的に許容し得る塩へのすべての言及は、同じ塩の本明細書で定義される溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形)を含むことを理解するべきである。
【0377】
本明細書で使用される用語「プロドラッグ」は、哺乳動物に投与された場合に、全体又は一部が標的化合物(例えば、本明細書に記載のβ-ラクタム化合物又はプロベネシド)に変換される任意の薬剤を指す。いくつかの実施形態において、化合物(例えば、本明細書に記載のβ-ラクタム化合物又はプロベネシド)のプロドラッグはまた、化合物の医薬的に許容し得る塩でもある。
【0378】
本開示の化合物は、エステル、例えば医薬的に許容し得るエステルとしても調製できることを理解するべきである。例えば、化合物中のカルボン酸官能基は、その対応するエステル、例えばメチル、エチル、又は他のエステルに変換することができる。また、化合物中のアルコール基は、その対応するエステル、例えば酢酸エステル、プロピオン酸エステル、又は他のエステルに変換することができる。
【0379】
化合物又はその医薬的に許容し得る塩は、経口、経鼻、経皮、肺、吸入、口腔内、舌下、腹腔内、皮下、筋肉内、静脈内、直腸内、胸膜内、くも膜下腔内、及び非経口的に投与される。1つの実施形態において、化合物は経口投与される。当業者は、特定の投与経路の利点を認識しているであろう。
【0380】
化合物を利用する投与計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別、及び病状;治療すべき状態の重症度;投与経路;患者の腎機能及び肝機能;及び使用される特定の化合物又はその塩を含む様々な要因に従って選択される。通常の熟練した医師又は獣医師は、状態の進行を予防、対抗、又は阻止するために必要な薬物の有効量を容易に決定及び処方することができる。
【0381】
本開示の開示された化合物の製剤化及び投与のための技術は、Remington: the Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, Mack Publishing Co., Easton, PA (1995) に見出すことができる。1つの実施形態において、本明細書に記載の化合物及びその医薬的に許容し得る塩は、医薬的に許容し得る担体又は希釈剤と組み合わせて医薬調製物で使用される。適切な医薬的に許容し得る担体には、不活性な固体充填剤又は希釈剤、及び無菌の水溶液又は有機溶液が含まれる。化合物は、そのような医薬組成物中に、本明細書に記載の範囲で所望の投与量を提供するのに十分な量で存在する。
【0382】
本明細書で使用されるすべてのパーセント及び比率は、別段の指示がない限り、重量によるものである。本開示の他の特徴及び利点は、異なる例から明らかである。提供された例は、本開示を実施する際に有用な異なる構成要素及び方法論を示している。実施例は、請求された開示を限定するものではない。本開示に基づいて、当業者は、本開示を実施するのに有用な他の構成要素及び方法を特定し、使用することができる。
【0383】
本明細書に記載の合成スキームにおいて、化合物は、簡単にするために1つの特定の立体配置で描かれる場合がある。そのような特定の立体配置は、本開示を1つ又は別の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体に限定すると解釈されるべきではなく、また異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体の混合物を排除するものでもない。しかし、所定の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体は、別の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体よりも高いレベルの活性を有し得ることは理解されるであろう。
【0384】
上記の方法によって設計、選択、及び/又は最適化された化合物は、生成されると、当業者に公知の様々なアッセイを使用して特徴付けて、化合物が生物学的活性を有するかどうかを決定することができる。例えば、分子は、特に限定されるものではないが、以下に記載されるアッセイを含む従来のアッセイによって特徴付けて、これらが、予測される活性、結合活性、及び/又は結合特異性を有するかどうかを決定することができる。
【0385】
さらに、高スループットスクリーニングを使用して、そのようなアッセイを使用する分析を高速化することができる。その結果、当技術分野で公知の技術を使用して、本明細書に記載の分子の活性を迅速にスクリーニングすることが可能となる。高スループットスクリーニングを実施するための一般的な方法論は、例えば、Devlin (1998) High Throughput Screening, Marcel Dekker、及び米国特許第5,763,263号に記載されている。高スループットアッセイは、特に限定されるものではないが、以下に記載されるものを含む1つ以上の異なるアッセイ技術を使用することができる。
【0386】
本明細書で引用されるすべての刊行物及び特許文献は、そのような刊行物又は文献のそれぞれが、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。刊行物及び特許文献の引用は、いずれかが関連する先行技術であることを認めることを意図したものではなく、その内容又は日付に関する承認を構成するものでもない。本発明はここで書面による記載によって説明されてきたが、当業者は、本発明が様々な実施形態で実施可能であること、及び前述の説明及び以下の例が例示を目的としており、後述の特許請求の範囲を限定するものではないことを認識するであろう。
【実施例】
【0387】
実施例1. バルプロ酸の投与に対するスロペネム及びスロペネムエツァドロキシルの影響
コホート1では、静脈内スロペネム(1,000mgを3時間かけて注入)の複数回投与により、バルプロ酸について時間0から投与期間(AUC
0-tau)まで外挿された血漿濃度-時間曲線下面積と、投与期間中の観察された最大血漿濃度(C
maxSS)とが、バルプロ酸単独の投与と比較して、それぞれ約33%及び28%減少した。プロベネシドなしでバルプロ酸とスロペネムエツァドロキシル(500mg)を併用投与すると、バルプロ酸単独の投与と比較して、バルプロ酸AUC
0-tauとC
maxSSが、それぞれ約25%と19%減少した(表1~3及び
図1~2)。対照的に、AUC
0-tauとC
maxSS について、バルプロ酸単独の幾何平均比(GMR)に対するバルプロ酸と二層錠剤の90%信頼区間(CI)は、生物学的同等性を示すために利用された標準値の80~125%の範囲内であった。
【表1】
【表2】
【表3】
【0388】
実施例2. バルプロ酸とスロペネムエツァドロキシルの投与時のバルプロ酸バイオアベイラビリティーに対するプロベネシドのへの影響
コホート2及び3では、すべての患者にバルプロ酸を毎日投与した。5日目から、コホート3にはスロペネムエツァドロキシル錠剤(「エツァドロキシル錠」)のみを投与し、コホート2にはスロペネムエツァドロキシルとプロベネシドの二層錠剤(500mgスロペネムエツァドロキシル+500mgプロベネシド膜コーティング二層錠剤;「二層錠」)を投与した。バルプロ酸のバイオアベイラビリティーに関する投与の影響を
図3と表4~6に示す。スロペネム(二重層錠剤又はエツァドロキシル錠剤)の経口投与の1回投与後、観察された最大血漿濃度(t
max)に到達するまでの時間の中央値は2.000時間であった。スロペネムエツァドロキシル/プロベネシドの二層錠剤は、健康な成人男性被験者のバルプロ酸の定常状態の薬物動態プロファイルに影響を与えなかったが、複数回の静脈内スロペネム又はスロペネムエツァドロキシル錠剤投与は弱い影響を及ぼした。これらの知見は、バルプロ酸のバイオアベイラビリティに対するプロベネシドの影響が、早ければ3日で発生する可能性があることを確認している。
【0389】
全体として、バルプロ酸及びスロペネムは、すべての製剤において忍容性が高く、安全であった。最も一般的な薬物関連の治療緊急有害事象(TEAE)は、軽度の下痢と尿臭の異常であった。死亡又は重篤な有害事象(SAE)はなかった。この試験では、バイタルサイン、12誘導心電図、健康診断、又は臨床検査パラメーターにおいて、臨床的に意味のある変化は報告されなかった。
【表4】
【表5-1】
【表5-2】
【表6-1】
【表6-2】
【0390】
実施例3. バルプロ酸とスロペネムエツァドロキシルの投与時のスロペネムバイオアベイラビリティに対するプロベネシドの影響
コホート2及び3では、すべての患者にバルプロ酸を毎日投与した。5日目から、コホート3 にはスロペネムエツァドロキシル錠剤(「エツァドロキシル錠」)のみを投与し、コホート2にはスロペネムエツァドロキシルとプロベネシドの二層錠剤(500mgスロペネムエツァドロキシル+500mgプロベネシド膜コーティング二層錠剤;「二層錠」)を投与した。スロペネムのバイオアベイラビリティに対する投与の影響を表7~10に示す。表7と表9との比較は、5日後の二層錠剤の投与によるスロペネムの薬物動態パラメーターの増強を示している。表8と表10との比較は、7日後の二層錠剤の投与によるスロペネムの薬物動態パラメーターの増強を示している。
【表7】
【表8】
【表9】
【表10-1】
【表10-2】
【0391】
均等物
本発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化できることを理解するべきである。従って、前述の実施形態は、すべての点で例示と見なされるべきであり、本明細書に記載の発明を限定するものではない。従って、本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等性の意味及び範囲内に入るすべての変更は、本特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【国際調査報告】