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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】薄型サスペンション設計
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20230420BHJP
   G11B 21/10 20060101ALI20230420BHJP
   G11B 21/02 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
G11B21/21 C
G11B21/21 A
G11B21/10 N
G11B21/02 630A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554537
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(85)【翻訳文提出日】2022-10-27
(86)【国際出願番号】 US2021021733
(87)【国際公開番号】W WO2021183663
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】17/196,901
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/987,797
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517151084
【氏名又は名称】マグネコンプ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】MAGNECOMPCORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イー、クエン チー
(72)【発明者】
【氏名】グラース、デイビッド
(57)【要約】
ディスクドライブサスペンション用のベースプレートが提供される。ベースプレートは、ロードビームのばねと係合するよう構成された、遠位端における受承空間を含む。受承空間は、ベースプレートの長手に部分的に延在する。ベースプレートはまた、近位端におけるスエージハブと、スエージハブを囲む窪み面とを含む。近位端は、遠位端の反対側である。窪み面は、ベースプレート支持部によって少なくとも部分的に画定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクドライブサスペンション用のベースプレートであって、
ロードビームのばねと係合するよう構成された、遠位端における受承空間であって、前記ベースプレートの長手に部分的に延在する受承空間と、
前記遠位端の反対側にある近位端におけるスエージハブと、
前記スエージハブを囲む窪み面であって、ベースプレート支持部によって少なくとも部分的に画定される窪み面と、を備えるベースプレート。
【請求項2】
前記遠位端に左側取付領域および右側取付領域を備え、各取付領域は、前記ベースプレートから延在するとともに、アクチュエータを受承するよう構成された1つ以上の取付シェルフを含む、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項3】
2段作動式サスペンションと共に使用されるよう構成されている、請求項2に記載のベースプレート。
【請求項4】
前記遠位端により近いアクチュエータ取付シェルフは、前記ロードビームの前記ばねに当接するよう構成された係合要素を含む、請求項2に記載のベースプレート。
【請求項5】
各取付領域は、前記アクチュエータ用の取付シェルフとして機能するよう前記取付領域内に延在する、前記ばねの部分を含む、請求項2に記載のベースプレート。
【請求項6】
3段作動式サスペンションと共に使用されるよう構成されている、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項7】
前記窪み面は、前記ベースプレート支持部によって定められたアクチュエータアーム輪郭部分に対応する形状を有する、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項8】
前記受承空間は、前記ロードビームの前記ばねと係合するよう構成されたエッチング面を含む、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項9】
前記ベースプレート支持部は非対称である、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項10】
前記ベースプレート支持部は対称である、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項11】
第1レールおよび第2レールを備える、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項12】
前記第1レールおよび前記第2レールは、前記ベースプレートに形成されるとともに、前記ベースプレートの少なくとも一部に沿って延在する、請求項11に記載のベースプレート。
【請求項13】
前記第1レールおよび前記第2レールは、前記ロードビームに形成されるとともに、前記ベースプレートの少なくとも一部に沿って延在する、請求項11に記載のベースプレート。
【請求項14】
前記第1レールおよび前記第2レールの各々は、フランジを含む、請求項11に記載のベースプレート。
【請求項15】
ディスクドライブサスペンションであって、
ばねを含むロードビームと、
前記ロードビームの前記ばねに結合されたベースプレートと、を備え、前記ベースプレートは、
前記ロードビームの前記ばねと係合するよう構成された、遠位端における受承空間であって、前記ベースプレートの長手に部分的に延在する受承空間と、
前記遠位端の反対側にある近位端におけるスエージハブと、
前記スエージハブを囲む窪み面であって、ベースプレート支持部によって少なくとも部分的に画定される窪み面と、を備えるディスクドライブサスペンション。
【請求項16】
前記遠位端に左側取付領域および右側取付領域を備え、各取付領域は、前記ベースプレートから延在するとともに、アクチュエータを受承するよう構成された1つ以上の取付シェルフを含む、請求項15に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項17】
2段作動式サスペンションと共に使用されるよう構成されている、請求項16に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項18】
前記遠位端により近いアクチュエータ取付シェルフは、前記ロードビームの前記ばねに当接するよう構成された係合要素を含む、請求項16に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項19】
各取付領域は、前記アクチュエータ用の取付シェルフとして機能するよう前記取付領域内に延在する、前記ばねの部分を含む、請求項16に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項20】
3段作動式サスペンションと共に使用されるよう構成されている、請求項15に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項21】
前記窪み面は、前記ベースプレート支持部によって定められたアクチュエータアーム輪郭部分に対応する形状を有する、請求項15に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項22】
前記受承空間は、前記ロードビームの前記ばねと係合するよう構成されたエッチング面を含む、請求項15に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項23】
前記ベースプレート支持部は非対称である、請求項15に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項24】
前記ベースプレート支持部は対称である、請求項15に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項25】
第1レールおよび第2レールを備える、請求項15に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項26】
前記第1レールおよび前記第2レールは、前記ベースプレートに形成されるとともに、前記ベースプレートの少なくとも一部に沿って延在する、請求項25に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項27】
前記第1レールおよび前記第2レールは、前記ロードビームに形成されるとともに、前記ベースプレートの少なくとも一部に沿って延在する、請求項25に記載のディスクドライブサスペンション。
【請求項28】
前記第1レールおよび前記第2レールの各々は、フランジを含む、請求項25に記載のディスクドライブサスペンション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、ディスクドライブ用サスペンションの分野に関する。より具体的には、本開示は、サスペンションの分野、およびサスペンションに使用されるアクチュエータを取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ハードディスクドライブや、光学ディスクドライブ等の他の種類の回転媒体ドライブが周知である。従来のディスクドライブユニットは、ディスクドライブに記憶されたデータを構成する、磁気記憶媒体用の1と0のパターンを有する回転磁気ディスクを含む。磁気ディスクは駆動モータによって駆動される。ディスクドライブユニットは、ロードビームの遠位端近くに磁気読取り/書込みが取り付けられるディスクドライブサスペンションをさらに含む。サスペンションまたはロードビームの「近位」端は、支持される端、つまりアクチュエータアームにスエージ加工またはその他の方法で取り付けられたベースプレートに最も近い端である。サスペンションまたはロードビームの「遠位」端は、近位端の反対側の端、つまり「遠位」端は片持ち端である。
【0003】
サスペンションはアクチュエータアームに結合され、アクチュエータアームは、データディスク上の正しいデータトラック上にヘッドスライダを位置決めするためにサスペンションを円弧状に動かすボイスコイルモータに結合される。ヘッドスライダは、ディスクの振動、衝突などの慣性イベント、およびディスク表面の凹凸等の変動を考慮して、ディスク上の適切なデータトラックに追従するようスライダをピッチおよびロール可能にするジンバル上に担持されている。
【0004】
1段作動式ディスクドライブサスペンションとDSA(2段作動式)サスペンションとの両方が周知である。1段作動式サスペンションでは、ボイスコイルモータのみがサスペンションを動かす。DSAサスペンションでは、サスペンション上に配置された小型アクチュエータがヘッドスライダを動かして、ヘッドスライダを正しいデータトラック上に位置決めする。アクチュエータは、ボイスコイルモータよりも高精度なヘッドスライダの位置決めと、ボイスコイルモータよりも高いサーボ帯域幅の両方を提供する。アクチュエータは、DSAサスペンション設計に応じて、サスペンションのさまざまな場所に配置され得る。通常、左右のアクチュエータが、ロードビームまたはロードビームの遠位端を回転させるためにプッシュプル方式で動作する。最も一般的なDSAサスペンション設計では、ベースプレート上のアクチュエータを、ロードビームシェルフ上に配置しており、(PZT)圧電アクチュエータの作動がロードビーム全体を回転させる。DSAサスペンションに使用されるアクチュエータは、ミリアクチュエータまたはマイクロアクチュエータと呼ばれる。
【発明の概要】
【0005】
ディスクドライブサスペンション用のベースプレートが提供される。ベースプレートは、ロードビームのばねと係合するよう構成された、遠位端における受承空間を含む。受承空間は、ベースプレートの長手に部分的に延在する。ベースプレートはまた、近位端におけるスエージハブと、スエージハブを囲む窪み面とを含む。近位端は、近位端の反対側である。窪み面は、ベースプレート支持部によって少なくとも部分的に画定される。
【0006】
ベースプレートのいくつかの実施形態では、ベースプレートは、近位端に左側取付領域と右側取付領域とを含んでよい。各取付領域は、ベースプレートから延在するとともに、アクチュエータを受承するよう構成された1つ以上の取付シェルフを含む。ディスクドライブサスペンションは、2段作動サスペンションとして構成されてよい。
【0007】
ベースプレートのいくつかの実施形態では、遠位端により近いアクチュエータ取付シェルフは、ロードビームのばねに当接するよう構成された係合要素を含む。ベースプレートのいくつかの実施形態では、各取付領域は、アクチュエータ用の取付シェルフとして機能するよう取付領域内に延在する、ばねの部分を含む。ベースプレートのいくつかの実施形態では、ディスクドライブサスペンションは、1段作動サスペンションを含む。窪み面は、ベースプレート支持部によって定められたアクチュエータアーム輪郭部分に対応する形状を有してよい。ベースプレート支持部は、非対称または対称であってよい。ベースプレートのいくつかの実施形態では、受承空間は、ロードビームのばねと係合するよう構成されたエッチング面(etched surface)を含む。
【0008】
ディスクドライブサスペンションについても記載する。ディスクドライブサスペンションは、ばねを含むロードビームと、ロードビームのばねに結合されたベースプレートとを備えてよい。ベースプレートは、ロードビームのばねと係合するよう構成された、遠位端における受承空間を含む。受承空間は、ベースプレートの長手に部分的に延在する。ベースプレートはまた、近位端におけるスエージハブと、スエージハブを囲む窪み面とを含む。遠位端は、近位端の反対側である。窪み面は、ベースプレート支持部によって少なくとも部分的に画定される。
【0009】
ディスクドライブサスペンションのいくつかの実施形態では、ベースプレートは、近位端に左側取付領域と右側取付領域とを含んでよい。各取付領域は、ベースプレートから延在するとともに、アクチュエータを受承するよう構成された1つ以上の取付シェルフを含む。ディスクドライブサスペンションは、2段作動サスペンションとして構成されてよい。
【0010】
ディスクドライブサスペンションのいくつかの実施形態では、遠位端により近いアクチュエータ取付シェルフは、ロードビームのばねに当接するよう構成された係合要素を含む。ディスクドライブサスペンションのいくつかの実施形態では、各取付領域は、アクチュエータ用の取付シェルフとして機能するよう取付領域内に延在する、ばねの部分を含む。ディスクドライブサスペンションのいくつかの実施形態では、ディスクドライブサスペンションは、1段作動サスペンションを含む。窪み面は、ベースプレート支持部によって定められたアクチュエータアーム輪郭部分に対応する形状を有してよい。ベースプレート支持部は、非対称または対称であってよい。ディスクドライブサスペンションのいくつかの実施形態では、受承空間は、ロードビームのばねと係合するよう構成されたエッチング面を含む。
【0011】
本開示による実施形態の他の特徴及び効果は、添付の図面および以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
本開示による実施形態は、同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面において、限定ではなく例として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態による、ハードディスクドライブアセンブリを示す図。
図2】本開示の実施形態による、DSAサスペンションの斜視図。
図3】本開示の実施形態による、図2のDSAサスペンションの側面図。
図4】本開示の実施形態による、ベースプレート設計を示す図。
図5】本開示の実施形態による、DSAサスペンションに組み込まれた図4のベースプレート設計を示す図。
図6】本開示の実施形態による、図5のDSAサスペンションの側面図。
図7】本開示の実施形態による、別のベースプレート設計を示す図。
図8】本開示の実施形態による、DSAサスペンションに組み込まれた図7のベースプレート設計を示す図。
図9】本開示の実施形態による、図8のDSAサスペンションの側面図。
図10】本開示の実施形態による、DSAサスペンションに組み込まれた別のベースプレート設計を示す図。
図11】本開示の実施形態による、サスペンションに組み込まれた別のベースプレート設計を示す図。
図12】本開示の実施形態による、図11の1段作動式サスペンションの側面図。
図13】実施形態による、ロードビーム上にレールを有するベースプレート設計を示す図。
図14】実施形態による、ロードビーム上にレールを有するベースプレート設計を示す図。
図15】実施形態による、レールを有するベースプレート設計を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に装置が説明される。装置は、基板と、基板に取り付けられた1つまたは複数のセンサとを含んでよい。1つまたは複数のセンサは、接着結合材料および1つまたは複数のスポット溶接を使用して、基板に取り付けられてよい。
【0014】
現在のディスクドライブサスペンションは、ロードビームおよびベースプレートの全体的な厚さを増加させるロードビームシェルフの特徴を有する。この厚さは、ディスクスペースが小さい多プラッタドライブに対する制限要因となり得るとともに、ドライブの耐衝撃性能に影響を与え得る。より小さなディスクスペース設計にすると、Eブロックアームからディスク表面までの距離はより短くなる。スエージ加工された領域の近くでサスペンションの全体の厚さを減少させると、ディスク表面までの隙間を増加することができる。その結果として改善された設計および製造プロセスが本明細書で説明される。
【0015】
図1は、本開示の実施形態による、ハードディスクドライブアセンブリ100を示す。図示のように、ハードディスクドライブアセンブリ100は、ディスクドライブに記憶されたデータを構成する磁気的な1と0のパターンを有する回転磁気ディスク101を含んでよい。磁気ディスクは駆動モータによって駆動される。
【0016】
ディスクドライブユニット100は、ロードビーム107の遠位端近くに磁気ヘッドスライダ110が取り付けられるディスクドライブサスペンション105をさらに含んでよい。サスペンション105はアクチュエータアーム103に結合されてよく、アクチュエータアーム103は、データディスク101上の正しいデータトラック上にヘッド110を位置決めするためにサスペンション105を円弧状に移動させるボイスコイルモータ112に結合される。磁気ヘッドスライダ110は、スライダ110がディスク上のデータトラックに追従するようピッチおよびロールすることを可能にするジンバル上に担持される。ジンバル上に磁気ヘッドスライダ110を担持することにより、ディスクの振動、衝突などの慣性イベント、およびディスク表面の凹凸等の変動も補償される。
【0017】
図2は、本開示の実施形態による、サスペンション105の斜視図である。サスペンション105は、ベースプレート12およびロードビーム107を含んでよい。サスペンション105はまた、ベースプレート12およびロードビーム107に取り付けられたミリアクチュエータ14などの1つまたは2つのPZTアクチュエータを含んでよい。ミリアクチュエータ14などのアクチュエータの伸縮により、サスペンション105のロードビーム107が移動する、より具体的には、サスペンション105全体が回転する。図示のように、ロードビーム107は、ばねまたはヒンジ部108と、ビーム部106と、読取り/書込みトランスデューサヘッドを担持するヘッドスライダがビーム部の遠位端に取り付けられるフレクシャジンバルアセンブリ36とを含んでよい。
【0018】
サスペンション105は、ミリDSAサスペンションまたはマイクロDSAサスペンションとして構成されたDSAサスペンションであってよい。ミリDSAサスペンションは、ベースプレートに取り付けられたミリアクチュエータなどのアクチュエータを用いて構成される。マイクロDSAサスペンションは、フレクシャジンバルアセンブリに取り付けられたマイクロアクチュエータなどの1つまたは複数のアクチュエータで構成される。サスペンション105は、3段アクチュエータサスペンションとして構成されてもよい。3段作動式サスペンションは、ベースプレートに取り付けられたミリアクチュエータと、フレクシャジンバルアセンブリに取り付けられた1つまたは複数のマイクロアクチュエータとを含む。
【0019】
読取り/書込みヘッドは、回転磁気ディスクドライブであるデータ媒体、または場合によっては光ディスクドライブ内の光媒体にデータを書き込み、そこからデータを読み取る。ベースプレート12は、スエージハブ28を介してアクチュエータアーム103に取り付けられる取付部21と、ヒンジ108が一般的にはスポット溶接される遠位先端20とを含んでよい。ヒンジ108は、ロードビーム107のビーム部106と一体的に形成されてもよい。ロードビーム107はヒンジ108を含んでよい。別の実施形態では、ヒンジ108およびビーム部106は、別々に形成された後に溶接されてもよい。図2に示された一般的な構成から、複数の構造的な変更が可能である。
【0020】
図3は、本開示の実施形態による、図2のサスペンションの側面図である。ベースプレート12は、比較的厚いステンレス鋼板から金属切断作業でダイカットまたは他の方法で切断されてよい。これに対して、ヒンジ108、ビーム部106、およびフレクシャジンバルアセンブリ36のステンレス鋼部は、ステンレス鋼の薄いシートからエッチングされてよい。ミリアクチュエータ14などのアクチュエータは、ミリアクチュエータ14などのアクチュエータへの電気接続を提供するよう構成された非導電および/または導電接着剤を含む接着剤16を使用して、サスペンション105に取り付けられてよい。
【0021】
ミリアクチュエータ14などのアクチュエータは、マイクロアクチュエータ取付領域を形成するビーム部106の突出部内にプッシュプル方式で配置される。マイクロアクチュエータ取付領域は、マイクロアクチュエータ取付シェルフ18を含む。ミリアクチュエータ14などのアクチュエータは、マイクロアクチュエータ取付シェルフ18に取り付けられてもよいが、ロードビーム107がベースプレート12の長手の一部に延在する必要がある。マイクロアクチュエータ取付シェルフ18は、ロードビーム107およびベースプレート12の全体の厚さT1を増加させる。この厚さは、ディスクスペースが小さい多プラッタドライブに対する制限要因となり得るとともに、ドライブの耐衝撃性能に影響を与え得る。より小さなディスクスペース設計にすると、Eブロックアームからディスク表面までの距離はより短くなり得る。(アクチュエータアーム103における)スエージ加工された領域の近くのサスペンション105の全体の厚さT1を減少させると、ディスク表面までの隙間を増加することができる。
【0022】
図4は、本開示の実施形態によるベースプレート9の設計を示す。ベースプレート9は、ミリアクチュエータ14(図1に示す)などのPZTアクチュエータ用の左側および右側の取付領域21を含んでよい。マイクロアクチュエータ取付領域21は、エッチングまたはスタンピングなどによってベースプレート9と一体に形成されたマイクロアクチュエータ取付シェルフ48および49を含む。マイクロアクチュエータ取付領域21は、サスペンションの遠位部50と、サスペンションの近位部51とを含んでよい。
【0023】
図5は、本開示の実施形態による、DSAサスペンション105に組み込まれた図4のベースプレート9を示す。本明細書において使用されるように、「近位」という用語は、マイクロアクチュエータの近位の、すなわち、サスペンション105がアクチュエータアームに取り付けられるスエージハブ28により近い、サスペンション105の部分を単に示す。同様に、「遠位」という用語は、マイクロアクチュエータの遠位の、すなわち、フレクシャジンバルアセンブリ36がサスペンション105に取り付けられるサスペンション105の遠端により近い、サスペンションの部分を単に指す。
【0024】
例示的な実施形態では、遠位部50は、ロードビーム107を支持するヒンジ108またはばね109に接続されてよい。ベースプレート9はまた、近位部の近くに、ベースプレート支持部27によって画定される窪み面29を含んでもよい。ベースプレート支持部27により、ベースプレート9は剛性を有する。窪み面29は、スエージハブ28におけるサスペンション105の全体の厚さを減少させ得るので、ディスク表面までの隙間を増加させる。窪み面29の形状は、ベースプレート支持部27によって定められたアクチュエータアーム輪郭部分に対応してよい。さらに、アクチュエータアーム輪郭部分に対応してスエージハブ28の周りに厚さの減少した領域を有することによって、ベースプレート9の剛性に影響を与えることなく、全体の厚さを減少させることができる。この場合、スエージハブ28の近傍でディスク面までの隙間を増加させることができる。
【0025】
図6は、本開示の実施形態による、図5のサスペンション105の側面図である。ベースプレート9の遠位部50は、ロードビーム107のばね109と係合するよう構成されたエッチング面を含んでよい。マイクロアクチュエータ取付シェルフ49は、ロードビーム107のばね109に当接するよう構成された係合要素41を含んでよい。その結果、ロードビーム107は、図3と比較して、ベースプレート9の長手に沿って延在しない。マイクロアクチュエータ取付シェルフ48および49は、ロードビーム107およびベースプレート9の全体の厚さT2を減少させる。したがって、ロードビーム107からの追加的な支持を不要にすることができるとともに、図3のT1と比較して全体の厚さを減少させることができる。
【0026】
図7は、本開示の実施形態による、別のベースプレート13を示す。ベースプレート13は、PZTアクチュエータ用の左側および右側の取付領域21を含んでよい。各アクチュエータ取付領域21は、アクチュエータ取付シェルフ48を含んでよい。アクチュエータ取付シェルフ48は、エッチングまたはスタンピングによってベースプレート13と一体に形成されてよい。アクチュエータ取付領域21は、サスペンションの遠位部50と、サスペンションの近位部51とを含んでよい。図示されるように、アクチュエータ取付シェルフ48は、近位部51から延在してよい。遠位部50は、図4に示す取付シェルフ49に代わって受承空間17を有してよい。
【0027】
図8は、本開示の実施形態による、サスペンションに組み込まれた図7のベースプレート設計を示す。遠位部50の厚さは、近位部51の厚さよりも小さい。図7に示す受承空間17は、ロードビーム107の一部を受承するよう構成されてよい。ロードビーム107に結合されると、ばね109および遠位部50の厚さは、近位部51の厚さと同じかまたはそれよりも小さくてよい。または、ばね109および遠位部50の厚さは、近位部51の厚さと同じかまたはそれより僅かに大きくてもよい。
【0028】
遠位部50は、ロードビーム107を支持するヒンジ108またはばね109に接続されてよい。ばね109は、アクチュエータ取付領域21内に延在することで、図2に示すアクチュエータ用の取付シェルフとして機能してよい。ベースプレート13はまた、近位部の近くに、ベースプレート支持部27によって画定される窪み面29を含んでもよい。ベースプレート支持部27により、ベースプレート13は剛性を有する。窪み面29は、スエージハブ28におけるサスペンションの全体の厚さを減少させ得るので、ディスク表面までの隙間を増加させる。窪み面29の形状は、ベースプレート支持部27によって定められたアクチュエータアーム輪郭部分に対応してよい。さらに、アクチュエータアーム輪郭部分に対応してスエージハブ28の周りに厚さの減少した領域を有することによって、ベースプレート13の剛性に影響を与えることなく、全体の厚さを減少させることができる。この場合、スエージハブ28の近傍でディスク面までの隙間を増加させることができる。
【0029】
図9は、本開示の実施形態による、図8のDSAサスペンションの側面図である。ベースプレート13の遠位部50は、ロードビーム107のばね109と係合するよう構成された受承空間17を含んでよい。ばね109は、アクチュエータ取付領域21内に延在することで、アクチュエータ取付シェルフ48の反対側の取付シェルフとして機能してよい。その結果、ロードビーム107は、図3と比較して、ベースプレート13の長手に沿って延在しない。ベースプレート13とロードビーム107とを受承空間17で結合することにより、ロードビーム107とベースプレート13との全体の厚さT3が減少する。したがって、ロードビーム107からの追加的な支持を不要にすることができるとともに、全体の厚さを減少させることができる。
【0030】
図10は、本開示の実施形態による、サスペンションに組み込まれた別のベースプレート15を示す。図8を参照して説明した実施形態と同様に、遠位部50は、ロードビーム107を支持するばね109に接続されてよい。ベースプレート15はまた、近位部の近くに、部分ベースプレート支持部27によって画定される窪み面30を含んでもよい。部分ベースプレート支持部27は非対称である。ベースプレート支持部27により、ベースプレート15はベースプレート15の片側で剛性を有する。窪み面30は、スエージハブ28におけるサスペンションの全体の厚さを減少させ得るので、ディスク表面までの隙間を増加させる。窪み面30の形状は、部分ベースプレート支持部27によって定められたアクチュエータアーム輪郭部分に対応してよい。さらに、アクチュエータアーム輪郭部分に対応してスエージハブ28の周りに厚さの減少した領域を有することによって、ベースプレート15の剛性に影響を与えることなく、全体の厚さを減少させることができる。この場合、スエージハブ28の近傍でディスク面までの隙間を増加させることができる。
【0031】
上記の実施形態は、アクチュエータがサスペンション上に配置されてヘッドスライダの微細な円弧運動を行うサスペンションに関するものであった。開示された実施形態は、ボイスコイルモータのみを含む1段作動式ディスクドライブ、2段作動式ディスクドライブ、3段作動式ディスクドライブ、または他の種類のディスクドライブにおいて実施されてよい。
【0032】
図11は、本開示の実施形態による、ベースプレート11の別の実施形態を示す。本明細書において使用されるように、「近位部54」という用語は、サスペンションがアクチュエータアームに取り付けられるスエージハブ28により近い、ベースプレート11の部分を単に示す。同様に、「遠位部53」という用語は、ロードビーム107がベースプレート11に取り付けられる場所により近い、サスペンションの部分を単に指す。
【0033】
例示的な実施形態では、遠位部53は、ロードビーム107を支持するヒンジ108またはばね109に接続されてよい。ベースプレート11は、近位部54の近くに、ベースプレート支持部27によって画定される窪み面31を含んでよい。ベースプレート支持部27により、ベースプレート11は剛性を有する。窪み面31は、スエージハブ28におけるベースプレート11の全体の厚さを減少させ得るので、ディスク表面までの隙間を増加させる。窪み面31の形状は、ベースプレート支持部27によって定められたアクチュエータアーム輪郭部分に対応してよい。さらに、アクチュエータアーム輪郭部分に対応してスエージハブ28の周りに厚さの減少した領域を有することによって、ベースプレート11の剛性に影響を与えることなく、全体の厚さを減少させることができる。この場合、スエージハブ28の近傍でディスク面までの隙間を増加させることができる。
【0034】
図12は、本開示の実施形態による、図11の1段作動式サスペンションの側面図である。ベースプレート13の遠位部53は、ロードビーム107のばね109と係合するよう構成された受承空間17を含んでよい。ばね109は、図3と比較して、ベースプレート11の長手に沿って部分的に延在してよい。ベースプレート11とロードビーム107とを受承空間17で結合することにより、ロードビーム107とベースプレート11との全体の厚さT4が減少する。したがって、ロードビーム107からの追加的な支持を不要にすることができるとともに、全体の厚さを減少させることができる。
【0035】
図13は、実施形態による、ロードビーム上にレールを有するベースプレート設計を示す。本明細書において使用されるように、「近位部254」という用語は、サスペンションがアクチュエータアームに取り付けられるスエージハブ228により近い、ベースプレート211の部分を単に示す。同様に、「遠位部253」という用語は、ロードビーム207がベースプレート211から延在する場所により近い、サスペンションの部分を単に指す。ロードビーム207は、いくつかの実施形態によれば、ベースプレート211の近位部254に向かって延在する。ロードビーム207の少なくとも一部は、ベースプレート211の下に配置される。また、ベースプレート211は、ベースプレート211の側面を越えて延在するとともに、ベースプレート211の上面213の上方に延びるレール205を含む。いくつかの実施形態によれば、レール205は、ベースプレート211の各側面215に隣接して形成される。いくつかの実施形態では、レール205は、ベースプレート211の各側面215の一部について、ベースプレート211の各側面215に隣接して、ロードビーム207に形成される。レール205は、ベースプレート211の曲げ剛性を増加させるよう構成される。
【0036】
例示的な実施形態では、遠位部253は、ロードビーム207を支持するヒンジ208またはばね209に接続されてよい。ベースプレート211は、近位部254の近くに、本明細書に記載されるようなベースプレート支持部227によって画定される、本明細書に記載されるような窪み面231を含んでよい。ベースプレート支持部227により、ベースプレート211は剛性を有する。窪み面231は、スエージハブ228におけるベースプレート211の全体の厚さを減少させるよう構成されるので、ディスク表面までの隙間を増加させる。窪み面231の形状は、いくつかの実施形態によれば、ベースプレート支持部227によって定められたアクチュエータアーム輪郭部分に対応するよう構成される。さらに、アクチュエータアーム輪郭部分に対応してスエージハブ228の周りに厚さの減少した領域を有することによって、ベースプレート211の剛性に影響を与えることなく、全体の厚さを減少させることができる。この場合、スエージハブ228の近傍でディスク面までの隙間を増加させることができる。いくつかの実施形態では、ベースプレート支持部227および窪み部231は、同じ厚さを有する。
【0037】
図14は、実施形態による、ロードビーム上にレールを有するベースプレート設計を示す。ロードビーム307は、いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるようなベースプレート311の近位部354に向かって延在する。ロードビーム307の少なくとも一部は、ベースプレート311の下に配置される。また、ベースプレート311は、ベースプレート311の側面を越えて延在するとともに、ベースプレート311の上面313の上方に延びるレール305を含む。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、レール305は、本明細書に記載されるようなベースプレート311の各側面315に隣接して形成される。いくつかの実施形態では、レール305は、ベースプレート311の各側面315の一部について、ベースプレート311の各側面315に隣接して形成される。レール305はフランジ317を含む。フランジ317は、いくつかの実施形態によれば、レール305から離れる方向に延在する面として構成される。いくつかの実施形態では、フランジ317は、レール305およびベースプレート311から離れる方向に延在する面として構成される。いくつかの実施形態では、フランジは、フランジ317を含むレール305が略上下逆の大文字Lの形状に形成されるよう構成される。フランジ317は、いくつかの実施形態によれば、レール305の全長に延在する。他の実施形態では、フランジ317はレール305の一部に沿って延在する。フランジ317を有するレール305は、ベースプレート311の曲げ剛性を増加させるよう構成される。フランジ317により、スエージ加工またはヘッドスタックアセンブリ処理中にあまり望ましくない高いレールの回避が可能になる。例示的な実施形態では、本明細書に記載された技術を含む技術を使用して、遠位部353は、ロードビーム307を支持するヒンジまたはばねに接続されてよい。
【0039】
図15は、実施形態による、ロードビーム上にレールを有するベースプレート設計を示す。本明細書において使用されるように、「近位部454」という用語は、サスペンションがアクチュエータアームに取り付けられるスエージハブ428により近い、本明細書に記載されるようなサスペンション410のベースプレート411の部分を単に示す。同様に、「遠位部453」という用語は、ロードビーム407がベースプレート411から延在する場所により近い、サスペンション410の部分を単に指す。ロードビーム407は、いくつかの実施形態によれば、ベースプレート411の近位部454に向かって延在する。ベースプレート411の少なくとも一部は、レール405を含むとともに、ベースプレート411の上面413の上方に延びる。いくつかの実施形態によれば、レール405は、ベースプレート411の各側面415に沿ってベースプレートに形成される。いくつかの実施形態では、レール405は、ベースプレート411の各側面415の一部に沿って形成される。レール405は、ベースプレート411の曲げ剛性を増加させるよう構成される。いくつかの実施形態では、レール405は、本明細書に記載されるようなフランジを含む。
【0040】
例示的な実施形態では、遠位部453は、ロードビーム407を支持するヒンジ408またはばね409に接続されてよい。ベースプレート411は、近位部454の近くに、本明細書に記載されるようなベースプレート支持部によって画定される、本明細書に記載されるような窪み面を含んでよい。いくつかの実施形態では、ベースプレート支持部および窪み部は、本明細書に記載されるような同じ厚さを有する。
【0041】
様々な実施形態が上記で説明されてきたが、それらは限定ではなく例として提示されていることを理解されたい。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、構成および詳細について様々な変更を行うことができることは明らかであろう。実際には、上記の説明を読んだ後、当業者には別の実施形態をどのように実施するかが明らかになるであろう。例えば、他の工程が設けられてよく、または説明されたフローから工程が除去されてよい。また説明されたシステムに他の構成要素が追加されるか、またはシステムから除去されてよい。したがって、他の実装は、以下の特許請求の範囲内にある。
【0042】
加えて、機能および効果を示す任意の図は、例示的な目的のみのために提示されていることを理解されたい。開示された方法およびシステムはそれぞれ、示された以外の方法で利用され得るよう、十分に柔軟かつ構成可能である。
【0043】
「1つ以上の」という用語は、明細書、特許請求の範囲、および図面においてしばしば使用され得るが、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「前記(said)」などの用語も、明細書、特許請求の範囲、および図面において「1つ以上の」を表す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】