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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】鉄道軌道レールの支持体
(51)【国際特許分類】
   E01B 3/46 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
E01B3/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554586
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2021057117
(87)【国際公開番号】W WO2021186048
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】2002703
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522357149
【氏名又は名称】バレット
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムシー、ボリス
(57)【要約】
鉄道軌道レールの支持体(1)であって、平行六面体の外観の中心コアであって、厚さ(e)の並置された材料の少なくとも2つのストリップ(3)により形成され、無垢材又は木質材料で製造された、中心コア(2)と、中心コア(2)を包囲する保護ケーシング(4)であって、一体に製造されおり、少なくとも2つの対向する上面(6)及び下面(7)と、2つの対向する側面(8、9)とを有する周壁により形成されており、かつ中心コア(2)の少なくとも4つの長手方向面に適合するように設計されている、保護ケーシング(4)と、周壁の2つの対向する面又は2つの隣接する面の間に延びており、かつ保護ケーシング(4)の周壁とともに、各々が中心コア(2)の1つのストリップ(3)に相補的な形状を有する少なくとも2つのセル(14)を画定している、少なくとも1つの内部仕切り(13)と、を備え、当該ストリップ(3)は、その厚さ(e)を通して形成された複数のスロットを備え、各ストリップのスロットは、スロットを埋める、プラスチック材料で作製されたピンによって隣接するストリップのスロットに接続されている、鉄道軌道レールの支持体(1)が開示される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に鉄道枕木タイプの鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)であって、平行六面体の外観の中心コア(2)であって、厚さeの少なくとも2つの並置されたストリップ(3)により形成され、無垢材又は木質材料で作製された、中心コア(2)と、前記中心コア(2)を包囲する保護ケーシング(4)であって、一体であり、少なくとも2つの対向する上面(6)及び下面(7)と、2つの対向する側面(8、9)とを有する周壁により形成されており、かつ前記中心コア(2)の少なくとも4つの長手方向面に適合するように設計されている、保護ケーシング(4)と、前記周壁の2つの対向する面又は2つの隣接する面の間に延びており、かつ前記保護ケーシング(4)の前記周壁とともに、各々が前記中心コア(2)のストリップ(3)に相補的な形状を有する少なくとも2つのセル(14)を画定している、少なくとも1つの内部仕切り(13)と、を備える、鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)において、前記ストリップ(3)は、前記ストリップ(3)の厚さeを通して形成された複数のスロットを備え、各ストリップの前記スロットは、前記スロットを埋める、プラスチック材料で作製されたピンによって隣接するストリップの前記スロットに接続されていることを特徴とする、鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)。
【請求項2】
前記保護ケーシング(4)が、プラスチック材料で作製されていることを特徴とする、請求項1に記載の鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)。
【請求項3】
前記保護ケーシング(4)が、前記中心コア(2)の左端面(11)及び右端面(12)を覆うことができる一対のキャップを更に備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)。
【請求項4】
前記保護ケーシング(4)の前記上面(6)が、前記保護ケーシング(4)の中心を通っており、かつその長手方向軸(X)に対して垂直に延びている平面の両側に対称的に延びている少なくとも2つの凹部(15)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)。
【請求項5】
前記凹部(15)が、ねじ穴(16)を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)。
【請求項6】
前記保護ケーシング(4)の前記周壁が、前記保護ケーシング(4)の周壁の前記下面(7)の少なくとも一部の上に延びている一組のレリーフ及び凹部を形成する構造を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)。
【請求項7】
一組のレリーフ及び凹部を形成する前記構造がまた、前記保護ケーシング(4)の前記周壁の前記対向する側面(8、9)の少なくとも1つの部分にわたって延びており、前記部分が、前記周壁の前記下面(7)から前記周壁の上面(6)に向かって延びていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)。
【請求項8】
前記ストリップ(3)が各々、一連の当接ストリップにより形成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の鉄道軌道レールの支持体(1、10、100)。
【請求項9】
前記ストリップ(3)が、互いに平行に、かつ前記保護ケーシング(4)の前記周壁の前記上面(6)及び前記下面(7)に対して平行又は垂直に延びていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の鉄道軌道レールの支持体(1、10)。
【請求項10】
前記ストリップ(3)が、互いに平行に、かつ前記保護ケーシング(4)の前記周壁の前記上面(6)及び前記下面(7)に対してある角度で延びていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の鉄道軌道レールの支持体(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に枕木タイプの鉄道軌道レールの支持体であって、平行六面体の外観の中心コアであって、少なくとも2つの並置されたストリップにより形成され、無垢材又は木質材料で製造された、中心コアと、中心コアを包囲する保護ケーシングであって、一体に製造されており、少なくとも2つの対向する上面及び下面と、2つの対向する側面とを有する周壁により形成されており、かつ中心コアの少なくとも4つの長手方向面に適合するように設計されている、保護ケーシングと、周壁の2つの対向する面又は2つの隣接する面の間に延びており、かつ保護ケーシングの周壁とともに、各々が当該中心コアのストリップに相補的な形状を有する少なくとも2つのセルを画定している、少なくとも1つの内部仕切りと、を備える、支持体に関する。
【0002】
既知の方法では、本発明に関連して軌道レール支持体とも呼ばれるレール支持体、例えば、鉄道枕木、橋梁部品、エンジニアリング構造部品、及び木材は、鉄道軌道の構築に関与し、バラストに固着されると、レールの支持体として機能することに加えて、後者の間に一定の距離を確保し、列車の通過中にバラストにかかる機械的負荷を分散することを目的とする。
【0003】
鉄道エンジニアは、信頼性が高く、安全であると同時に、既定された予算上の制約に沿ったインフラストラクチャの設計に常に関心を有している。この文脈において、それらの研究は、とりわけ、鉄道軌道の構成要素の機械的性能を向上させるための新しい解決策を継続的に検討し、その結果、鉄道軌道レールの支持体の機械的性能を向上させることにある。
【0004】
この点で、鉄道時代の初期に作製された鉄道軌道支持体の原木の自然老化に関連する問題を克服するために、様々な解決策が長年にわたって提案されてきた。
【0005】
したがって、それらの寿命を増加させるために、定義上腐敗しやすい鉄道軌道レールの木製支持体に、木食性要因、例えば菌類及びシロアリからの生物攻撃に対抗することを目的とした保護物質、例えばクレオソートを含浸させることが提案されている。しかしながら、クレオソートは今日でも認可され、使用されているが、環境及び人間の健康に対して有害な影響があるため、現在激しく争われている。この物質の使用に関する規制が絶えず進化していることもまた、この物質が段階的に廃止されることを示唆している。更に、クレオソートの代替として提案されている新しい化学処理にも同じことが当てはまることに注意する必要があり、この新しい化学処理は依然として環境汚染の原因となっており、特に水生環境の場合、使用許可が更新されない場合があることが認められている。
【0006】
別の解決策は、防食材料、例えばコンクリート、鋼、プラスチック、又は複合材料で作製された鉄道軌道レールの支持体を開発することで構成された。
【0007】
コンクリート製のレール支持体は費用対効果が高いが、重く、取り扱いが複雑で、かつそれらの剛性により脆弱である。加えて、それらは機械加工することができず、バラストを持ち上げる必要があるため、追加の費用がかかる。最後に、コンクリート製の鉄道軌道支持体はカーボンフットプリントが高い。
【0008】
鋼製の軌道支持体は、耐用年数が長い。しかしながら、鋼製の軌道支持体は、列車がそれらの上を通過すると騒音を発生させるため、使用できる地域が制限される。導電率が高く、メンテナンス費用が高いこと、特に腐食のリスクがあることからもまた制限される。
【0009】
より最近では、プラスチック又は複合材料で作製された軌道支持体が利用可能になり、木材製のものと同様に、機械加工可能かつリサイクル可能であり、振動、したがって騒音を吸収する。それにもかかわらず、その構成材料の熱膨張による寸法変化などの技術的な制約が残っている。加えて、後者は経時的にクリープが起こる場合があり、ラグボルトの引き抜き強度を損なう可能性がある。また、プラスチック製又は複合材製の軌道支持体の費用は高く、これが配備への更なる障害となっている。
【0010】
また、木材の腐敗の問題を克服するために、熱可塑性材料で作製された保護ケーシングでコーティングされた木製コアの形で、鉄道軌道レールの支持体を設計することが想定されており、その目的は、木材を任意のあらゆる外部接触から隔離し、したがって、あらゆる可能性のある生物攻撃から保護することである。
【0011】
明細書国際公開第0158663号及び同第2016105209号は、中心コアが中実の木片で作製される鉄道枕木について記載している。しかしながら、この構成には、無視できないリスクがある:プラスチックシェルの全部又は一部を変更した場合、その一体型構造のため、中心コア全体が徐々に分解し、ある領域から別の領域への腐敗現象の伝播を可能にし、考慮されている枕木の機械的特性の低下につながる。
【0012】
明細書米国特許第4286753号は、均質なブロックを形成するために結合された無垢材の厚板又はパーティクルボードを並置して、鉄道枕木の中心コアを設計する可能性を教示している。しかしながら、説明されている解決策の欠点は、ホルムアルデヒドなどの有害かつ汚染の可能性のある物質使用する必要があることである。
【0013】
本発明の目的は、保護ケーシングで覆われた木材又は木質材料で作製され、既に説明したものを代替する構造を有し、上記の全ての欠点を克服すること、かつ鉄道上を移動する列車の重量の影響に関するその寿命を改善することの両方を可能にし、同時に、現在実施されている技術的、予算的、及び環境的基準を満たしている中心コアからなるタイプの鉄道枕木などの鉄道軌道レールの支持体を提案することである。より正確には、本発明は、既存のレール支持体と比較して寿命が長く、環境にやさしく、構造及び構成材料が容易にリサイクルできる鉄道軌道レールの機械加工可能な支持体を提案することを目的とする。
【0014】
この目的のために、本発明の目的は、プリアンブルに示した種類の鉄道軌道レールの支持体を提供することであり、ストリップは、その厚さeを通して形成された複数のスロットを備え、各ストリップのスロットは、当該スロットを埋める、プラスチック材料で作製されたピンによって隣接するストリップのスロットに接続されることを特徴とする。
【0015】
本発明の有利な実施形態によれば、当該保護ケーシングはプラスチック材料で作製される。
【0016】
特定の実施形態によれば、保護ケーシングは、中心コアの左端面及び右端面を覆うことができる一対のキャップを更に備える。
【0017】
本発明はまた、当該保護ケーシングの上面が、保護ケーシングの中心を通っており、かつその長手方向軸に対して垂直に延びている平面の両側に対称的に延びている少なくとも2つの凹部を備えるように提供された。
【0018】
好ましくは、凹部はねじ穴を有する。
【0019】
本発明の有利な実施形態によれば、当該保護ケーシングの周壁は、当該保護ケーシングの周壁の下面の少なくとも一部の上に延びている一組のレリーフ及び凹部を形成する構造を有し得る。
【0020】
所望により、一組のレリーフ及び凹部を形成する構造はまた、保護ケーシングの周壁の対向する側面の少なくとも1つの部分にわたって延びており、当該部分は、周壁の下面から周壁の上面に向かって延びている。
【0021】
更に、本発明はまた、当該ストリップが各々、一連の当接ストリップにより形成されるという特徴を提供した。
【0022】
考えられる実施形態によれば、当該ストリップは、互いに平行にかつ保護ケーシングの周壁の上面及び下面に対して平行又は垂直に延びている。
【0023】
あるいは、当該ストリップが、互いに平行に、かつ保護ケーシングの周壁の上面及び下面に対してある角度で延びている構造もまた、本発明に従う。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の利点は、添付の図面に示される実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
図1】ここでは鉄道枕木によって画定される、本発明によるレールの支持体の実施形態の斜視透視図に対応する。
図2図1の鉄道枕木の中心コアの斜視図である。
図3】中心コアのストリップがそれらの横方向縁部のうちの1つに沿って備えている貫通スロットが、位置合わせされた、図1の鉄道枕木の断面図に対応する。
図4図1の鉄道枕木の部分側面図を示す。
図5】本発明による鉄道軌道レールの支持体の第2の実施形態の変形例の断面図である。
図6】本発明によるレールの支持体の第3の実施形態の変形例の断面図である。
【0025】
図1図3に示される実施形態の変形例では、本発明によるレールの支持体は、一方では平行六面体の外観の中心コア2と、他方では当該中心コア2を包囲する保護ケーシング4と、を備える鉄道枕木1によって画定される。後者は、ここでは厚さeの無垢材から作製された4つのストリップ3により形成されている。しかしながら、ストリップ3が各々、一連の木製ストリップにより形成され、例えばそのそれぞれの側縁部によって、又はそのそれぞれの長手方向縁部によって、又は重ね合わせて対向するように互いに組み立てられる他の構成も考えられる。更に、更に他の構成によれば、木材材料の費用、本発明によるレールの支持体の機械的特性及び耐久性を最適化するために、中心コア2の異なるストリップ3は、各々異なるタイプの木材から作製されてもよい。したがって、例えば、定義上、ブナ材よりも耐久性及び抵抗力のある材料であるオーク材の2つの外側ストリップ3の間に挟まれた、ブナ材の3つの内側ストリップを含む中心コア2を製造することが可能である。他の場合には、ポリマー材料で少なくとも部分的に作製された2つの外側ストリップの間に中心コア2を挿入し、このアセンブリを外側ケーシング4で包囲することが可能であり得る。
【0026】
本発明によれば、保護ケーシング4は有利には一体であり、プラスチック又は熱可塑性材料で作製されており、繊維及び/又はタルクで補強されており、又は補強されておらず、例えば、プラスチック射出、押出、又は「exjection」プロセス(登録商標)などのそれ自体既知のプロセスによって作製される。
【0027】
より正確には、保護ケーシング4は、好ましくは5mm~15mmの厚さe1を有する周壁により形成されている。保護ケーシング4は、当該中心コア2の少なくとも4つの長手方向面に適合するように設計された、2つの対向する上面6及び下面7、及び2つの対向する側面8、9、並びに中心コア2の左端面及び右端面を覆うように設計された、2つの左端面11及び右端面12を有する。
【0028】
更に、保護ケーシング4はまた、互いに平行に、かつ保護ケーシング4の2つの対向する側面8と側面9との間に延びており、その上面6及び下面7に対して平行である3つの内部仕切り13を備える。好ましくは、内部仕切り13は、3mm~10mmの厚さe2を有し、保護ケーシング4の周壁とともに、各々が中心コア2のストリップ3に相補的な形状を有する4つのセル14を画定している。
【0029】
要約すると、このような鉄道枕木1の構成により、中心コア2を構成する各木製ストリップ3は、セル14によって各ケース内に画定された個別の保護シースに収容され、したがって、他のストリップ3から完全に分離される。したがって、保護ケーシング4の周壁に劣化がある場合、木製ストリップ3の外部要因への曝露につながり、後者のみが徐々に分解されるが、残りのストリップ3に現象が広がるリスクはない。そのような特徴は、鉄道枕木1の寿命を大幅に改善することを可能にする。更に、木材及びプラスチックを交互に使用することで、プラスチック材料の可能性のあるクリープ現象の発生が最小限に抑えられ、したがって、レールを枕木1に固定するためのタイロッドの固着の堅牢性を確実にする構造につながる。
【0030】
鉄道枕木1を横断して永続的な接続を作製するために、ストリップ3は、それらの厚さeを通して形成された複数のスロット30を備え、それにより、図2に示す代替的実施形態では、ストリップ3の各スロット30が、隣接するストリップ(複数可)3の対応するスロット30と位置合わせされることにも留意されたい。これらのスロット30は、例えば、プラスチック射出、押出、又は「exjection」プロセス(商標)による、鉄道枕木1の製造中に、平行六面体コア2のストリップ3を保護ケーシング4で包囲するために使用されるプラスチック又は熱可塑性材料で満たされる。したがって、プラスチック材料が硬化した後、ストリップ3は各々個別の保護シースに包囲されるだけでなく、当該スロット30を埋める、プラスチック材料で作製されたピン31によって互いに接続される。この最後の特徴は、特に軌道上を移動する列車の重量の影響下で、ストリップ3が保護ケーシング4内で互いに対して移動するのを防止する。
【0031】
本発明によれば、スロット30は、長手方向縁部18から5mm~40mmの距離d0、及びそれらの横方向縁部19から5mm~70mmの距離d1に位置するように、ストリップ3の各々の長手方向縁部18及び横方向縁部19に沿って優先的に位置合わせされることにも留意されたい。更に、同じストリップ3のスロット30は、好ましくは50mm~200mmの距離d2だけ規則的に間隔があいている。
【0032】
一方、図1及び図3を参照すると、保護ケーシング4の上面6は、保護ケーシング4の中心を通り、かつその長手方向軸Xに対して垂直に延びている平面の両側に対称的に延びている2つの凹部15を備える。2つの凹部15は、例えば機械加工されており、レールを取り付けるための金属板(図示せず)を収容するように各々設計されている。この目的のために、それらには、ストリップ3及び保護ケーシング4の内部仕切り13を通って延びているねじ穴16が設けられ、金属板を凹部15に固定するためのねじを受け入れることを意図している。
【0033】
図示の実施形態では、各凹部15の底部17は、現在のフレンチ規格に従って取り付け板を受け入れるのに好適な傾斜を有することにも留意されたい。当然のことながら、凹部15の底部17は、例えば、他のタイプの取り付け板を収容できるようにするために、図示されたものとは異なる傾斜を有し、水平に延びていてもよい。
【0034】
上記から明らかなように、本発明によるレール支持体、例えば鉄道枕木1は、それらが元々作製されている木材の腐敗しやすい性質に関連する問題を克服するために、既存のものに代わる代替的な解決策を示す。実際、ストリップ3を作製する材料を覆う水密保護ケーシング4は、ストリップ3を作製する材料を保護することを可能にし、したがって、規制に従ってその耐久性を保証する。更に、本発明によるレール支持体は、製造が簡単で、経済的であり、環境に優しい。有毒かつ汚染の可能性のある物質の使用とは無関係に、最新技術の既知のレール支持体と比較して耐用年数が長いという利点もある。
【0035】
更に、図1図3に示したもの以外の実施形態の変形例も提供することができる。したがって、鉄道枕木10を画定するレールの支持体の変形例が設計されており(図4を参照)、ストリップ3は、中心コア20を形成しており、互いに平行に、かつ保護ケーシング4の上面6及び下面7に対して垂直に延びている。鉄道枕木100が、互いに平行に、かつ保護ケーシング4の上面6及び下面7に対してある角度で延びているストリップ3の2つのグループを有する中心コア200を備え、保護ケーシング4の中心を通っており、かつ保護ケーシング4の長手方向軸Xに対して平行に延びている平面に対して、2つのグループが対称にケーシング内に配置される、図5に示す代替的実施形態も、本発明の精神に従う。
【0036】
本発明によるレール支持体を製造するために使用される製造プロセスによれば、保護ケーシング4は、中心コア2、20、200の左端面11及び右端面12を覆うように設計された一対のキャップ(図示せず)で完成させることができることにも留意されたい。
【0037】
一方、本発明によるレールの支持体、例えば鉄道枕木1、10、100の鉄道軌道のバラストへの統合を改善するために、保護ケーシング4の周壁は、有利には、その下面7の少なくとも一部にわたって、又は更には必要に応じて、その下面7からその上面6に向かって、また、その対向する側面8、9の少なくとも一部にわたって延びている一組のレリーフ及び凹部を形成する構造を有するように設計することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】