(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】医用検査機器及び医用検査機器の測定部品
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
A61B1/00 C
A61B1/00 550
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554703
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(85)【翻訳文提出日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 CN2020078529
(87)【国際公開番号】W WO2021179152
(87)【国際公開日】2021-09-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517396261
【氏名又は名称】アンコン メディカル テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANKON MEDICAL TECHNOLOGIES (SHANGHAI) CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Floor 1, No. 2218 Jinsui Road, Pilot Free Trade Zone, Shanghai, 200131, China
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100207217
【氏名又は名称】樋口 智夫
(72)【発明者】
【氏名】ドゥァン シャオドン
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン シュぺン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ レイ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD07
4C161FF17
4C161HH51
(57)【要約】
本出願は、医用検査機器及び医用検査機器の測定部品に関し、前記医用検査機器は、ケースと、前記ケースの外壁に取り付けられ、前記ケースの外部環境における被測定パラメータの濃度を測定する測定部品とを含む。したがって、本願の実施例における医用検査機器は、測定部品を設けることにより、消化管内の各パラメータ(pH値、潜血濃度、ペプシン濃度、トリプシン濃度などを含む)への検出が可能となり、消化管の検出結果の正確性を高めることができるとともに、医用検査機器に多くの機能を持たせ、その実用性を高めることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース(1)と、
前記ケース(1)の外壁に取り付けられ、前記ケース(1)の外部環境における被測定パラメータの濃度を測定する測定部品(3)とを含む医用検査機器。
【請求項2】
前記測定部品(3)は、ポリイオンゲルと、前記ポリイオンゲルに充填されている染料とを含み、
被測定パラメータの濃度が異なる場合に、前記染料は、変色可能であることを特徴とする請求項1に記載の医用検査機器。
【請求項3】
前記測定部品(3)は、pH測定部品(33)、潜血測定部品(34)、ペプシン測定部品(35)、トリプシン測定部品(36)のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項2に記載の医用検査機器。
【請求項4】
前記pH測定部品(33)の前記染料は、pH感受性染料であり、前記pH感受性染料は、pH値の異なる環境において変色可能であることを特徴とする請求項3に記載の医用検査機器。
【請求項5】
前記ケース(1)の外部環境における水素イオンは、前記ポリイオンゲルを介して前記pH測定部品(33)に進入可能であり、前記pH測定部品(33)における水素イオンは、前記ポリイオンゲルを介して前記ケース(1)の外部の環境に進入可能であり、
前記pH感受性染料は、水素イオンと結合または分離して動的平衡を形成可能であることを特徴とする請求項4に記載の医用検査機器。
【請求項6】
前記潜血測定部品(34)の前記染料は、メチレンブルー染料を含み、前記メチレンブルー染料は、潜血濃度の異なる環境において変色可能であることを特徴とする請求項3に記載の医用検査機器。
【請求項7】
前記ケース(1)の外部環境におけるヘモグロビンは、前記潜血測定部品(34)における前記ポリイオンゲル及び前記メチレンブルー染料と結合して反応可能であり、
ヘモグロビンの作用で、酸化還元反応により、前記メチレンブルー染料は、色を示すことができ、また、ヘモグロビンの濃度が異なる場合に、前記メチレンブルー染料で示される色は、異なることを特徴とする請求項6に記載の医用検査機器。
【請求項8】
前記ペプシン測定部品(35)の前記染料は、ブロモフェノールブルー染料を含み、前記ブロモフェノールブルー染料は、ペプシン濃度の異なる環境において変色可能であることを特徴とする請求項3に記載の医用検査機器。
【請求項9】
前記ケース(1)の外部環境におけるペプシンは、前記ペプシン測定部品(35)における前記ポリイオンゲル及び前記ブロモフェノールブルー染料と結合可能であり、
結合された前記ブロモフェノールブルー染料は、光散乱信号が変化して異なる色を呈し、また、ペプシンの濃度が異なる場合に、前記ブロモフェノールブルー染料の色は、異なることを特徴とする請求項8に記載の医用検査機器。
【請求項10】
前記トリプシン測定部品(36)の前記染料は、ブロモクレゾールパープル染料を含み、前記ブロモクレゾールパープル染料は、トリプシン濃度の異なる環境において変色可能であることを特徴とする請求項3に記載の医用検査機器。
【請求項11】
前記ケース(1)の外部環境におけるトリプシンは、前記トリプシン測定部品(36)における前記ポリイオンゲル及び前記ブロモクレゾールパープル染料と結合可能であり、
結合された前記ブロモクレゾールパープル染料は、体積が変化し、その光散乱信号が変化して異なる色を示し、また、トリプシンの濃度が異なる場合に、前記ブロモクレゾールパープル染料の色は、異なることを特徴とする請求項10に記載の医用検査機器。
【請求項12】
複数の前記測定部品(3)の、前記ケース(1)の外壁での配列方式は、区画配列方式または交互配列方式であることを特徴とする請求項3に記載の医用検査機器。
【請求項13】
前記医用検査機器は、複数の前記測定部品(3)を含み、
各前記測定部品(3)の測定レンジが完全に同一ではない、及び/又は、各前記測定部品(3)の分解能が完全に同一ではないことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の医用検査機器。
【請求項14】
前記ケース(1)は、透明部(11)を含み、
前記医用検査機器は、前記ケース(1)の内腔に位置する映像部品(4)をさらに含み、前記映像部品(4)は、前記透明部(11)を介して前記ケース(1)の外部の環境を観察可能であることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の医用検査機器。
【請求項15】
前記ケース(1)は、軸方向に沿って対向配置された第1端部と第2端部とを含み、前記第1端部と前記第2端部は、いずれも前記透明部(11)を含み、
前記医用検査機器は、2つの前記映像部品(4)を含み、2つの前記映像部品(4)は、2つの前記透明部(11)にそれぞれ対応して設けられ、
前記測定部品(3)は、前記第1端部または前記第2端部の外壁に取り付けられ、あるいは、
前記医用検査機器は、少なくとも第1測定部品(3)と第2測定部品(3)とを含み、前記第1測定部品(3)と前記第2測定部品(3)とは、測定レンジが異なり、前記第1測定部品(3)と前記第2測定部品(3)のうち、一方は、前記第1端部の外壁に取り付けられ、他方は、前記第2端部の外壁に取り付けられていることを特徴とする請求項14に記載の医用検査機器。
【請求項16】
前記医用検査機器は、データ伝送コンポーネント(2)をさらに含み、
前記映像部品(4)は、カメラ(41)と画像センサ(42)とを含み、前記カメラ(41)と前記画像センサ(42)とは、機械的構造および/または接着剤によって接続されており、
前記画像センサ(42)は、前記データ伝送コンポーネント(2)に電気的または信号的に接続され、前記カメラ(41)と前記データ伝送コンポーネント(2)は、機械的構造および/または接着剤によって接続されていることを特徴とする請求項14に記載の医用検査機器。
【請求項17】
前記カメラ(41)は、前記ケース(1)の内腔に取り付けられ、且つ前記カメラ(41)は、有効結像角度α1を有し、前記透明部(11)は、前記有効結像角度α1で規定される空間を覆い可能であり、
前記画像センサ(42)は、画像表示角度α2を有し、前記透明部(11)は、前記画像表示角度α2で規定される空間を覆い可能であり、且つα1>α2であり、
前記測定部品(3)は、前記ケース(1)の外壁に取り付けられ、前記有効結像角度α1と前記画像表示角度α2との間の空間に位置し、
前記データ伝送コンポーネント(2)は、前記測定部品(3)のデータを読み取り可能であることを特徴とする請求項16に記載の医用検査機器。
【請求項18】
前記カメラ(41)は、前記ケース(1)の内腔に取り付けられ、且つ前記カメラ(41)は、有効結像角度α1を有し、前記透明部(11)は、前記有効結像角度α1で規定される空間を覆い可能であり、
前記画像センサ(42)は、画像表示角度α2を有し、前記透明部(11)は、前記画像表示角度α2で規定される空間を覆い可能であり、且つα1>α2であり、
前記測定部品(3)は、前記ケース(1)の外壁に取り付けられ、前記画像表示角度α2で規定される空間に位置し、
前記画像センサ(42)は、前記測定部品(3)のデータを認識可能であることを特徴とする請求項16に記載の医用検査機器。
【請求項19】
前記測定部品(3)は、前記画像表示角度α2で規定される空間の中部に位置することを特徴とする請求項18に記載の医用検査機器。
【請求項20】
前記測定部品(3)は、前記ケース(1)の外壁にセロテープ(登録商標)材(32)を介して貼り付けられていることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の医用検査機器。
【請求項21】
前記測定部品(3)は、さらに、前記ケース(1)の外壁にシールゴム(14)を介して粘着され、前記シールゴム(14)は、前記測定部品(3)の外縁を包み込むことを特徴とする請求項20に記載の医用検査機器。
【請求項22】
前記ケース(1)は、カプセル型構造であり、
前記医用検査機器は、カプセル内視鏡であることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の医用検査機器。
【請求項23】
医用検査機器の測定部品(3)は、ポリイオンゲルと、前記ポリイオンゲルに充填されている染料とを含み、
被測定パラメータの濃度が異なる場合に、染料は、変色可能であることを特徴とする測定部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、医療機器の技術分野に関連し、特に医用検査機器及び医用検査機器の測定部品に関する。
【背景技術】
【0002】
生活リズムの加速に伴い、人々の生活ストレスも次第に増大し、さらに食生活の変化に加え、消化管疾患は、人々の生活の質に大きな影響を与える疾患種となっている。消化管疾患の診断及び治療は、消化管の生理的パラメータ及び粘膜状態の正確な検査に基づいている。
【0003】
現在、通常内視鏡装置を用いて消化管粘膜を直感的に観察しているが、技術の集積化に限界があるため、市販の内視鏡では、消化管粘膜を画像観察することしかできず、消化管内の他の有用な情報を得ることができない。そのため、現在の内視鏡装置は、機能が単一で、消化管の正確な検査ができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、検査の正確性が高い医用検査機器及び医用検査機器の測定部品を提供する。
【0005】
本願の実施例の第一側面は、ケースと、前記ケースの外壁に取り付けられ、前記ケースの外部環境における被測定パラメータの濃度を測定する測定部品とを含む医用検査機器を提供する。
【0006】
一つの可能な設計では、前記測定部品は、ポリイオンゲルと、前記ポリイオンゲルに充填されている染料とを含む。
【0007】
被測定パラメータの濃度が異なる場合に、前記染料は、変色可能である。
【0008】
一つの可能な設計では、前記測定部品は、pH測定部品、潜血測定部品、ペプシン測定部品、トリプシン測定部品のうち1つまたは複数を含む。
【0009】
一つの可能な設計では、前記pH測定部品の前記染料は、pH感受性染料であり、前記pH感受性染料は、pH値の異なる環境において変色可能である。
【0010】
一つの可能な設計では、前記ケースの外部環境における水素イオンは、前記ポリイオンゲルを介して前記pH測定部品に進入可能であり、前記pH測定部品における水素イオンは、前記ポリイオンゲルを介して前記ケースの外部の環境に進入可能である。
【0011】
前記pH感受性染料は、水素イオンと結合または分離して動的平衡を形成可能である。
【0012】
一つの可能な設計では、前記潜血測定部品の前記染料は、メチレンブルー染料を含み、前記メチレンブルー染料は、潜血濃度の異なる環境において変色可能である。
【0013】
一つの可能な設計では、前記ケースの外部環境におけるヘモグロビンは、前記潜血測定部品における前記ポリイオンゲル及び前記メチレンブルー染料と結合して反応可能である。
【0014】
ヘモグロビンの作用で、酸化還元反応により、前記メチレンブルー染料は、色を示すことができ、また、ヘモグロビンの濃度が異なる場合に、前記メチレンブルー染料で示される色は、異なる。
【0015】
一つの可能な設計では、前記ペプシン測定部品の前記染料は、ブロモフェノールブルー染料を含み、前記ブロモフェノールブルー染料は、ペプシンの濃度の異なる環境において変色可能である。
【0016】
一つの可能な設計では、前記ケースの外部環境におけるペプシンは、前記ペプシン測定部品における前記ポリイオンゲル及び前記ブロモフェノールブルー染料と結合可能である。
【0017】
結合された前記ブロモフェノールブルー染料は、光散乱信号が変化して異なる色を示し、また、ペプシンの濃度が異なる場合に、前記ブロモフェノールブルー染料の色は、異なる。
【0018】
一つの可能な設計では、前記トリプシン測定部品の前記染料は、ブロモクレゾールパープル染料を含み、前記ブロモクレゾールパープル染料は、トリプシン濃度の異なる環境において変色可能である。
【0019】
一つの可能な設計では、前記ケースの外部環境におけるトリプシンは、前記トリプシン測定部品における前記ポリイオンゲル及び前記ブロモクレゾールパープル染料と結合可能である。
【0020】
結合されたブロモクレゾールパープル染料は、体積が変化し、その光散乱信号が変化して異なる色を示し、また、トリプシンの濃度が異なる場合に、前記ブロモクレゾールパープル染料の色は、異なる。
【0021】
一つの可能な設計では、前記測定部品の、ケースの外壁での配列方式は、区画配列方式または交互配列方式である。
【0022】
一つの可能な設計では、前記医用検査機器は、複数の前記測定部品を含む。
【0023】
各前記測定部品の測定レンジが完全に同一ではない、及び/又は、各前記測定部品の分解能が完全に同一ではない。
【0024】
一つの可能な設計では、前記ケースは、透明部を含む。
【0025】
前記医用検査機器は、前記ケースの内腔に位置する映像部品をさらに含み、前記映像部品は、前記透明部を介して前記ケースの外部の環境を観察可能である。
【0026】
一つの可能な設計では、前記ケースは、軸方向に沿って対向配置された第1端部と第2端部とを含み、前記第1端部と前記第2端部は、いずれも前記透明部を含む。
【0027】
前記医用検査機器は、2つの前記映像部品を含み、2つの前記映像部品は、2つの前記透明部にそれぞれ対応して設けている。
【0028】
前記測定部品は、前記第1端部または前記第2端部の外壁に取り付けられる。
【0029】
あるいは、前記医用検査機器は、少なくとも第1測定部品と第2測定部品とを含み、前記第1測定部品と前記第2測定部品とは、測定レンジが異なり、前記第1測定部品と前記第2測定部品のうち、一方は、前記第1端部の外壁に取り付けられ、他方は、前記第2端部の外壁に取り付けられる。
【0030】
一つの可能な設計では、医用検査機器は、データ伝送コンポーネントをさらに含む。
【0031】
前記映像部品は、カメラと画像センサとを含み、前記カメラと前記画像センサとは、機械的構造及び/又は接着剤によって接続されている。
【0032】
前記画像センサは、前記データ伝送コンポーネントに電気的または信号的に接続され、前記カメラと前記データ伝送コンポーネントとは、機械的構造および/または接着剤によって接続されている。
【0033】
一つの可能な設計では、前記カメラは、前記ケースの内腔に取り付けられ、且つ前記カメラは、有効結像角度α1を有し、前記透明部は、前記有効結像角度α1で規定される空間を覆い可能である。
【0034】
前記画像センサは、画像表示角度α2を有し、前記透明部は、前記画像表示角度α2で規定される空間を覆い可能であり、且つα1>α2である。
【0035】
前記測定部品は、前記ケースの外壁に取り付けられ、且つ前記有効結像角度α1と前記画像表示角度α2との間の空間に位置する。
【0036】
前記データ伝送コンポーネントは、前記測定部品のデータを読み取り可能である。
【0037】
一つの可能な設計では、前記カメラは、前記ケースの内腔に取り付けられ、且つ前記カメラは、有効結像角度α1を有し、前記透明部は、前記有効結像角度α1で規定される空間を覆い可能である。
【0038】
前記画像センサは、画像表示角度α2を有し、前記透明部は、前記画像表示角度α2で規定される空間を覆い可能であり、且つα1>α2である。
【0039】
前記測定部品は、前記ケースの外壁に取り付けられ、前記画像表示角度α2で規定される空間に位置する。
【0040】
前記画像センサは、前記測定部品のデータを認識可能である。
【0041】
一つの可能な設計では、前記測定部品は、前記画像表示角度α2で規定される空間の中部に位置する。
【0042】
一つの可能な設計では、前記測定部品は、前記ケースの外壁にセロテープ(登録商標)材を介して貼り付けられている。
【0043】
一つの可能な設計では、前記測定部品は、さらに、前記ケースの外壁にシールゴムを介して粘着し、前記シールゴムは、前記測定部品の外縁を包み込む。
【0044】
一つの可能な設計では、前記ケースは、カプセル型構造である。
【0045】
前記医用検査機器は、カプセル内視鏡である。
【0046】
本願の実施例の第二側面は、医用検査機器の測定部は、ポリイオンゲルと、前記ポリイオンゲルに充填されている染料とを含み、
被測定パラメータの濃度が異なる場合に、前記染料が変色可能である、医用検査機器の測定部品を提供する。
【0047】
したがって、本願の実施例における医用検査機器は、測定部品を設けることにより、消化管内の各パラメータ(pH値、潜血濃度、ペプシンの濃度、トリプシン濃度などを含む)の検出が可能となり、消化管に対する当該医用検査機器の検出結果の正確性を高めることができるとともに、医用検査機器に多くの機能を持たせ、その実用性を高めることができる。
【0048】
以上の一般的な説明および後述の詳細な説明は、単なる例示であり、本願を制限するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例において必要な図面について簡単に説明するが、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を払うことなく、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
【
図1】本願に関わる医用検査機器の第1の具体的な実施例における概略構成図である。
【
図5】
図4の測定部品とケースとの接続構造の概略図である。
【
図6】本願に関わる医用検査機器の第2の具体的な実施例における概略構成図である。
【
図7】本願に関わる医用検査機器の第3の具体的な実施例における概略構成図である。
【
図8】本願に関わる医用検査機器の第4の具体的実施例における概略構成図である。
【
図9】本願に関わる医用検査機器の第5の具体的実施例における概略構成図である。
【
図10】本願に関わる医用検査機器の第6の具体的な実施例における平面図である。
【
図11】本願に関わる医用検査機器の第7の具体的な実施例における平面図である。
【
図12】本願に関わる医用検査機器の第8の具体的な実施例における平面図である。
【
図13】本願に関わる医用検査機器の第9の具体的な実施例における平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本願の技術案をよりよく理解するために、本願の実施例について、添付の図面と関連して詳細に説明する。
【0051】
説明された実施例は、本願の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではないことは、明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わずに得た他のすべての実施例は、本願の保護の範囲に属する。
【0052】
本願の実施例で使用された用語は、特定の実施例を説明することのみを目的としており、本願を制限することは、意図されていない。本願の実施例および添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「1つ」、「前記」、「この」も、文脈が明確に他の意味を示さない限り、多数の形を含むことを意図している。
【0053】
本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連するオブジェクトを記述する関連関係にすぎず、3つの関係が存在し得ることを表していることが理解されるべきである。例えば、aおよび/または、bは、Aが単独で存在し、AとBが同時に存在し、Bが単独で存在するという3つの状況を表してもよい。また、本文中の文字「/」は、一般的にコンテキストの対象が「または」の関係であることを示す。
【0054】
なお、本願の実施形態に記載された「上」、「下」、「左」、「右」などの方位語は、図面に示す角度で記述されたものであり、本願の実施形態の限定と理解すべきではない。また、コンテキストでは、一つの構成部品が別の構成部品の「上」または「下」に接続されている場合に、それは、別の構成部品の「上」または「下」に直接接続されているだけでなく、中間構成部品を介して間接的に別の構成部品に接続されていることも理解する必要がある。
【0055】
本出願の実施例は、
図1及び
図2に示すように、ケース1と測定部品3とを含む医用検査機器であって、ケース1は、上ケース12と下ケース13とをさらに備え、上ケース12と下ケース13とは、固定的に接続され、このケース1の内腔を構成し、測定部品3は、ケース1の外壁に取り付けられ、ケース1の外部環境のパラメータを測定する医用検査機器を提供する。その中で、この医用検査機器を消化管検査に用いる場合に、消化管のpH値、潜血濃度、ペプシンの濃度、トリプシン濃度などのパラメータを検出することができる。
【0056】
したがって、本願の実施例における医用検査機器は、測定部品3を設けることにより、消化管内の各パラメータ(pH値、潜血濃度、ペプシンの濃度、トリプシン濃度などを含む)の検出が可能となり、消化管に対する当該医用検査機器の検出結果の正確性を高めることができる。
【0057】
具体的には、本願の実施例における測定部品3は、pH測定部品33、潜血測定部品34、ペプシン測定部品35、トリプシン測定部品36のうちの1つ又は複数を含むことができ、その中で、pH測定部品33は、ケース1の外部環境(例えば消化管)のpHを測定するために用いられるものであり、潜血測定部品34は、ケース1の外部環境(例えば消化管)における潜血の有無及び濃度を測定するために用いられるものであり、ペプシン測定部品35は、ケース1の外部環境(例えば消化管)におけるペプシンの濃度を測定するために用いられるものであり、トリプシン測定部品36は、ケース1の外部環境(例えば消化管)におけるトリプシンの濃度を測定するために用いられるものである。
【0058】
したがって、本実施例では、上記各種測定部品3により、消化管の各パラメータへの測定が可能となり、医用検査機器の検査結果の精度が向上する。
【0059】
なお、本願の実施例における医用検査機器は、必ず上記4種類の測定部品3を含む必要はなく、そのうちの1種類のみ、あるいは、任意の組み合わせを含み得る。
【0060】
具体的には、
図4に示すように、この測定部品3は、本体部31と、接着材32とを含むことができ、接着材32は、透明な接着材であり、生体適合性を有し、この接着材32によって、測定部品3の本体部31を医用検査機器のケース1に貼り付けることができる。その中で、この接着材32は、透明バックゴムで、ケース1の透明部11に貼り付けられていてもよい。前記透明バックゴムは、医用グレードのUVゴム、医用瞬間乾燥ゴム、医用バックゴムのいずれであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0061】
より具体的には、
図5に示すように、この測定部品3の本体部31とケース1の外壁との間は、また、シールゴム14を介して接着され、その中で、このシールゴム14が本体部31の外縁に設けられており、測定部品3とケース1との間を接着する。なお、このシールゴム14は、医用グレードのUVゴム、医用瞬間乾燥ゴム、医用バックゴムのいずれであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0062】
本実施例では、この測定部品3の外縁とケース1との間をシールゴム14で接続すると、測定部品3とケース1との接続信頼性をより向上させることができ、使用時や取り付け時に測定部品3がケース1から脱落するリスクを低減することができる。
【0063】
具体的には、測定部品3は、ポリイオンゲルと染料とを含むことができ、この染料は、変色可能である。また、この測定部品3は、薄膜構造であってもよく、その形状は、円形、方形、多角形などの任意の形状であってもよく、本願では、測定部品3の具体的な形状について限定しない。
【0064】
一つの可能な設計では、測定部品3の本体部31は、ポリイオンゲルと染料を含み、その中で、染料は、変色でき、ポリイオンゲルは、ポリマーの架橋重合によって形成された固形物であり、且つ染料がこのポリイオンゲルに充填され、ポリイオンゲルと染料との間に強いイオン相互作用があるため、染料をポリイオンゲル内に保持することができる。
【0065】
ここで、上記のポリイオンゲルは、イオン交換膜構造を含み、イオン交換膜は、イオン基を含む溶液中のイオンに対して選択的な透過能を有する高分子膜である。一方、測定部品3が溶液環境(例えば人体の消化管)にある場合に、ポリイオンゲル中に溶液中の被測定物質のイオン(例えば水素イオン)が進入し、ポリイオンゲル中の染料と結合して染料を変色させることができる。また、この測定部品3では、溶液中の被測定物質のイオン(例えば水素イオン)とポリイオンゲル中の被測定物質のイオン(例えば水素イオン)の濃度が同じであり、溶液中の被測定物質のイオン(例えば水素イオン)の濃度が高くなると、ポリイオンゲル内に拡散進入して染料と結合する被測定物質のイオン(例えば水素イオン)の濃度を高くすることができ、溶液中の被測定物質のイオン(例えば水素イオン)の濃度が減少すると、ポリイオンゲル中の被測定物質のイオン(例えば水素イオン)が溶液中に拡散進入して染料と結合した被測定物質のイオン(例えば水素イオン)濃度を減少し、他の被測定物質の濃度(例えば水素イオンの濃度、すなわち溶液のpH)に対応する。
【0066】
したがって、本実施例では、この測定部品3内の染料を被測定物質のイオン(例えば水素イオン)と結合または分離させて動的平衡を形成し、被測定物質濃度の連続測定を実現することができる。
【0067】
これに基づいて、本実施例では、ポリイオンゲルと染料を含む測定部品3は、医用検査機器(例えばカプセル内視鏡)と容易に集積する(例えば貼り付け)ことができ、集積後は、医用検査機器のハードウェアと互換性があり、二次実装を行う必要がなく、関連ソフトウェアを修正するだけで内視鏡検査を実現しながら酸塩基度測定を行うことができ、検査の正確性を向上させることができる。同時に、ポリイオンゲルを増設し、溶液中の被検出物質のイオンがこのポリイオンゲルを透過して染料と結合し、染料と結合した被検出物質のイオンもこのポリイオンゲルを透過でき、この測定部品3は、被検出物質のイオンと動的に平衡し、被検出物質の濃度の連続測定が可能となる。また、この測定部品3は、産業化、コスト低減にも寄与する。
【0068】
一つの具体的な実施例では、この医用検査機器が消化管のpHを測定するために用いられる場合には、この測定部品3は、少なくともpH測定部品33を含み、その中で、このpH測定部品33の本体部31は、ポリイオンゲルとpH感受性染料とを含むことができ、その中で、溶液中の水素イオンの濃度が異なる場合には、このpH感受性染料は、異なる色を有する。
【0069】
医療機器分野において、人体内部の酸塩基度を検出する場合に、従来技術では、主に以下の2つの方式で実現する。一つは、pH電極であり、水素イオンに敏感な材料を電極にすることで、電気化学的原理を利用して、被測定環境のpH値を直接測定することができ、精度が高い。例えばアンチモン電極がある。もう一つの案は、色の変化から被測定環境の酸塩基度を判断することであり、精度が低く、例えば従来のpH試験紙やpH指示剤などがある。
【0070】
電気化学的方法でpH測定を行う場合に、センサが複雑となり、参照電極とテスト電極をパッケージ化するとともに、テスト環境との間にイオンチャンネルを確保する必要がある。通常の使用シーンでは、ガラス電極、アンチモン電極および水素イオン感受性電界効果トランジスタ(H+SFET)は、すべて応用ニーズを満たすことができる。しかし、人体消化管の酸塩基度測定では、上記のpH電極をカプセル内視鏡に集積することは、極めて困難であり、容易には、実現できない。また、pH電極としてアンチモン電極を採用すると、潜在的な生物毒性も存在する。
【0071】
色の変化によって酸塩基度を測定する方法は、古くからあるが、この方法では、異なる酸塩基度環境を連続的に測定することはできず、カプセル型内視鏡装置に集積して連続的なpH測定を行うことはできない。
【0072】
このような理由から、医療機器の分野では、内視鏡装置とpH測定センサを集積できるプロセスがないか、あるいは、現在のプロセスでは、内視鏡装置とpH測定センサを集積した機器は、信頼性が低く、集積化のプロセスコストが高い。
【0073】
本実施例では、本願の医用検査機器は、消化管の酸塩基度情報を取得することができ、この医用検査機器は、pH測定部33を集積したとともに、pH測定部33の構造を変更することにより、集積プロセスを簡素化し、集積コストを低減することができる。また、ポリイオンゲルとpH感受性染料を含むpH測定部品33は、電気化学電極を用いることなく医用検査機器(例えばカプセル内視鏡)と容易に集積する(例えば貼り付け)ことができ、集積後は、医用検査機器のハードウェアと互換性があり、二次実装を行う必要がなく、関連ソフトウェアを修正するだけで内視鏡検査を実現しながら酸塩基度測定を行うことができ、検査の正確性を向上させることができる。同時に、ポリイオンゲルを増設し、溶液中の水素イオンがこのポリイオンゲルを透過してpH感受性染料と結合し、pH感受性染料と結合した水素イオンもこのポリイオンゲルを透過でき、このpH測定部品33は、水素イオンと動的に平衡し、酸塩基度の連続測定が可能となる。また、このpH測定部品33は、胃のpHの他、口腔、腸管などの臓器のpHを測定することができ、各臓器のpHによって異なる色を表示することができる。また、このpH測定部品33は、産業化、コスト低減にも寄与する。
【0074】
具体的には、pH測定部品33中のpH感受性染料の量や種類を変えることで、pH測定部品33の測定レンジや精度を変えることができる。例えば、一方のpH測定部品33は、1、5、7、8の酸塩基度の測定を満たすことができる、他方のpH測定部品33は、2、3、4、6の酸塩基度の測定を満たすことができるため、当該医用測定部が上記2種類のpH測定部品33を含む場合に、1~8の範囲の酸塩基度の測定を満たすことができ、0.5~1pHの分解能を満たすことができる。ここで、上記2種類のpH測定部品33の違いは、両者の感受性染料の種類が異なることであり、両者のポリイオンゲルは、同じであってもよい。
【0075】
別の具体的な実施形態では、この医用検査機器は、消化管に潜血があるかどうか、および潜血の濃度を測定するために用いられる場合に、この測定部品3は、少なくとも潜血測定部品34を含み、潜血測定部品34の本体部31は、ポリイオンゲルとメチレンブルー染料とを含んでもよく、その中で、溶液中のヘモグロビンの濃度が異なる場合に、このメチレンブルー染料が異なる色を有する。
【0076】
医療機器の分野において、消化管潜血の検出には、2つの主要な方式がある。第1の提案は、基本的には、糸条付きカプセルを飲み込み、胃液を尾部に吸収させた後にカプセルを糸条により引き抜き、胃液を塗布したカプセルに発色剤を滴下し、色の変化を観察することにより、伏在血の発生を判断する伏在血ビーズ法である。第2の方法は、潜血試験紙により便中の出血を検出して消化管の潜血状態を検出する方法である。
【0077】
第1の方法は、上部消化管の潜血検出にのみ適用され、且つ、創的検出であり、検出過程は、嘔吐などの不快な反応を引き起こす。第2の方法は、下部消化管の潜血検査、特に結腸直腸の検査にのみ適用され、痔などの影響を受けやすく検査に偽陽性を示す。
【0078】
本実施例では、ポリイオンゲルとメチレンブルー染料を含む潜血測定部品34を使用した場合に、ポリイオンゲルとメチレンブルー染料との間に強いイオン相互作用があるため、メチレンブルー染料を外部に漏らさずにポリイオンゲルに保持することができ、メチレンブルー染料は、ヘモグロビンに対して酸化作用を有する生物染色剤であり、反応の過程でメチレンブルー染料がヘモグロビンで還元された後、青色から無色に変化し、ヘモグロビン濃度によって青色の濃淡が異なり、色の変化で潜血状況を定量的に検出することができる。
【0079】
本実施例では、メチレンブルー染料は、毒性のない染料であり、酸化型は、青色を呈し、還元型は、無色である。高濃度のヘモグロビンの環境下では、細胞の新陳代謝作用により、細胞内に強い還元能力があり、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼによって、メチレンブルー染料を青色の酸化型から無色または淡黄色の還元型に変えることができるが、低濃度のヘモグロビンの環境下では、この環境における細胞は、還元能力がないか、または、還元能力が極めて弱く、このとき、このメチレンブルー染料は、青色または水色を呈する。したがって、メチレンブルー染料が青色または水色を呈する場合に、環境(例えば消化管)におけるヘモグロビンが低濃度であることを示し、メチレンブルー染料が無色または淡黄色を呈する場合に、環境(例えば消化管)におけるヘモグロビンが高濃度であることを示す。
【0080】
また、本実施例における潜血測定部品34は、連続的な測定が可能であり、異なる臓器の潜血濃度を測定することができ、例えば、胃や腸管などの臓器の潜血を測定することができる。
【0081】
したがって、本願の実施例における医用検査機器は、潜血測定部品34を集積するとともに、潜血測定部品34の構成を変更することにより、集積プロセスを簡素化し、コストを低減することができ、さらに重要なことは、この医用検査機器は、非侵襲的な検査が可能で、測定精度が高いことである。
【0082】
他の具体的な実施例では、この医用検査機器が消化管のペプシンの濃度を測定するために用いられる場合には、この測定部品3は、少なくともペプシン測定部品35を含み、その中で、このペプシン測定部品35の本体部31は、ポリイオンゲルとブロモフェノールブルー染料とを含むことができ、その中で、溶液(例えば消化管)中のペプシンの濃度が異なる場合には、このブロモフェノールブルー染料は、異なる色を有する。
【0083】
胃液中のペプシンは、胃炎、胃癌系疾患の生物学的マーカーとなっており、腸上皮化生、非典型的増殖、胃癌の場合に、ペプシン分泌は、減少し、ピロリ菌に感染したり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの疾患があるとペプシン値が上昇する。現在、大量の統計分析により、血清ペプシノゲン含有量の変化は、胃疾患と関係しており、血清ペプシノゲンの検出は、胃癌の早期診断において重要な役割を持っていると考えられている。
【0084】
現在、現在の技術は、主に三つの方法でペプシンの含有量を検出している。一つ目は、血清採取体外検査で、この方法は、被検者の血清を採取して分析するが、この方法は、ペプシンの具体的な含有量を分析するように、体内で検体を採取して体外で検査し、測定されたペプシンは、一回の検査であり、胃液中のペプシン含有量をリアルタイムで監視するには、限界がある。また、ペプシンは、酸性環境でのみ作用し、pH>6になると不活性になり、体外環境下では、環境影響を受けやすくテスト結果が不正確になる。2つ目は、胃カメラで診断を確定することであるが、胃カメラ検査には、一定の苦痛があり、費用が高く、医師のレベルに制限され、患者の受け入れ度が低い。三つ目は、ペプシン化学発光免疫検査キットの検査方法で、ペプシン化学発光免疫検査キットを採用する。このキットには、ペプシン抗原校正品、検体収集液、検体希釈液、ペプシン抗体包埋マイクロプレート、ペプシン抗体標識物、化学発光基質液、濃縮洗浄液が含まれる。このキットは、胃液中、食道内容物、咽頭分泌物中のペプシン含有量を検出することができ、またペプシンが検出できるかどうかによって胃食道逆流の有無を判断し、ペプシン含有量によって胃部病変治療の効果と病状変化を判断する。この方法は、ペプシン検査を行うことができるが、プロセスが複雑で、操作者及び検査装置に対する要求が高く、同時にコストも低くない。
【0085】
これに対して、本願の実施例では、ポリイオンゲルとブロモフェノールブルー染料を含むペプシン測定部品35を使用した場合に、ポリイオン液体ゲルとブロモフェノールブルー染料との間に強いイオン相互作用があるため、ブロモフェノールブルー染料を外部に漏らさずにゲル内に保持することができる。またブロモフェノールブルー染料は、異なるpH条件下でペプシンと非共有結合で結合する生物染色剤であり、ペプシンの疎水核とブロモフェノールブルー染料の非極性基とが結合し、結合された集合体の体積がブロモフェノールブルー染料自身の体積より大きいため、結合後のモル吸光係数が変化し、光散乱信号が変化し、異なる色を示し、且つその信号強度は、単位体積当たるの粒子数、すなわちペプシンの濃度に比例するため、ペプシン濃度の検出が可能となる。検出中に、ペプシン測定部品35中のブロモフェノールブルー染料は、ペプシン濃度によって異なる色を呈し、色変化によって濃度を定量的に検出することができる。
【0086】
また、ペプシンは、酸性環境にしか存在せず、中性またはアルカリ性環境では、不活性変性するため、ペプシンは、胃の中にしか存在しない。これに基づいて、このペプシン測定部品35は、胃の中のペプシンの濃度の測定にしか使用できず、他の臓器には、使用できない(他の臓器では、ペプシンが不活性化するためである。)。検出時には、胃のペプシンとブロモフェノールブルー染料が結合し、モル吸光係数が変化し、光散乱信号が変化して色を示し、且つ色とペプシンの濃度が一定の比例関係にあることで、対応するタンパク質の検出が実現される。このペプシン測定部品35は、酸性環境の検出環境下において、低濃度から高濃度までの範囲で異なる発色変化を有し、一定の連続検出機能を有しており、しかし、溶液環境が変化した場合に、例えば胃から十二指腸に行った後、連続的な検出特性を持たない。
【0087】
したがって、本願の実施例における医用検査機器は、ペプシン測定部品35を集積しているとともに、ペプシン測定部品35の構造を変更することにより、集積プロセスを簡素化し、コストを低減することができ、さらに重要なことに、非侵襲的な検査が可能であり、測定精度が高い。
また、別の具体的な実施形態として、消化管のトリプシン濃度を測定するために医用検査機器を用いる場合に、測定部品3は、少なくともトリプシン測定部品36を含む、トリプシン測定部品36の本体部31は、ポリイオンゲルとブロモクレゾールパープル染料とを含んでいてもよく、消化管などの溶液中のトリプシン濃度が異なる場合には、ブロモクレゾールパープル染料の色が異なる。
【0088】
本願の実施例では、ポリイオンゲルとブロモクレゾールパープル染料を含むトリプシン測定部品36を使用した場合に、ポリイオン液体ゲルとブロモクレゾールパープル染料との間に強いイオン相互作用があるため、ブロモクレゾールパープル染料を漏れなくゲル内に保持することができる。また、ブロモクレゾールパープル染料は、異なるpH条件下でトリプシンと非共有結合で結合し、トリプシンの疎水核とブロモクレゾールパープル染料の非極性基が結合し、結合後の凝集体の体積がブロモクレゾールパープル染料自身の体積より大きく、結合後のモル吸光係数が変化し、光散乱信号が変化して異なる色を示し、且つその信号強度が単位体積当たりの粒子数、すなわちトリプシン濃度に比例する生物染色剤であるため、検出中、トリプシン測定部品36中のブロモクレゾールパープル染料は、濃度によってトリプシン濃度が異なる色を示し、色変化によって濃度を定量的に検出することができる。
【0089】
また、トリプシンは、弱アルカリ環境にしか存在しないため、酸性環境では、活性変性を失い、トリプシンは、膵臓に存在し、膵臓内のトリプシンは、膵液とともに十二指腸に流出することができる。このことから、トリプシン測定部品36は、膵臓および十二指腸のトリプシン濃度の測定にしか使用できず、他の臓器には、使用できない(他の臓器内のトリプシンが不活性化しているためである。)。検出時、トリプシンとブロモクレゾールパープル染料が結合することにより、モル吸光係数が変化し、光散乱信号が変化し、さらに色を示し、且つ色とトリプシンの濃度が一定の比例関係にあることにより、対応するタンパク質の検出が実現される。このトリプシン測定部品36は、弱アルカリ環境の検出環境下では、低濃度から高濃度の範囲で異なる発色変化を有する、一定の連続検出機能を有しており、しかし、溶液環境が変化した場合に、例えば十二指腸から空腸に行った後、連続的な検出特性を持たない。
【0090】
したがって、本出願の実施例における医用検査機器は、トリプシン測定部品36を集積しているとともに、トリプシン測定部品36の構造を変えることにより、集積プロセスを簡素化し、コストを低減することができ、さらに重要なことに、非侵襲的な検査が可能であり、測定精度が高い。
【0091】
具体的な実施例としては、この医用検査機器は、複数の測定部品3を備え、各測定部品3の測定レンジが完全に同一ではなく、及び/又は、各測定部品3の分解能が完全に同一だ、複数の測定部品3を組み合わせることで、複数種類の被測定パラメータの濃度の測定を満たすことができる、測定の正確性と測定範囲を向上させることができる。また、複数の測定部品3を備える場合に、単一の測定部品3が故障して被測定パラメータを測定できなかったり、測定結果が不正確になったりすることも回避できる。例えば、複数のpH測定部品33を備え、各pH測定部品33の測定レンジが完全に同一でなくてもよく、あるいは、各pH測定部品33の分解能が完全に同一でなくてもよく、複数のpH測定部品33を組み合わせることで、複数種類のpH測定を満たすことができ、測定精度と測定範囲を向上させることができ、また、単一のpH測定部品33が故障してpH情報を測定できなくなったり、測定結果が不正確になったりすることを回避することができる。
【0092】
なお、複数の測定部品3は、同種の測定部品3であってもよいし、異なる種類の測定部品3であってもよく、複数種類の測定部品3の組み合わせであってもよい。例えば、
図6に示す実施例では、この医用検査機器は、pH測定部品33、潜血測定部品34、ペプシン測定部品35、トリプシン測定部品36を同時に備えているため、消化管のpH、潜血濃度、ペプシンの濃度、トリプシン濃度を測定することができる。なお、上記のpH測定部品33、潜血測定部品34、ペプシン測定部品35、トリプシン測定部品36は、測定の正確性を向上するために、いずれか1つまたは複数備えられていてもよい。上記各測定部品3の形状は、円形であってもよい。
【0093】
図7に示す実施例では、この医用検査機器は、ペプシン測定部品35とトリプシン測定部品36を備えているため、この医用検査機器は、ペプシンの濃度とトリプシン濃度を測定するために用いることができる。なお、上述ペプシン測定部品35およびトリプシン測定部品36は、測定の精度を向上させるために、いずれか1つまたは複数備えられていてもよい。上記の各測定部品3の形状は、矩形とすることができる。
【0094】
図8に示す実施例では、この医用検査機器は、pH測定部品33と潜血測定部品34を備えており、これにより、医用検査機器は、pH値と潜血濃度を測定することができる。なお、上記のpH測定部品33および潜血測定部品34は、測定の正確性を高めるために、いずれも1つまたは複数備えられていてもよい。上記各測定部品3の形状は、円形であってもよい。
【0095】
以上の各実施例では、
図1に示すように、この医用検査機器は、ケース1の少なくとも一部が透明部11である、この透明部11は、生体適合性のある透明材料製であり、すなわち、この透明部11によってケース1の内部からケース1の外部の環境を観察することができる。
【0096】
一方、
図1~
図3に示すように、この医用検査機器は、さらに映像部品4を備えるており、この映像部品4は、ケース1の内腔に位置し、具体的には、ケース1の透明部11を通してケース1の外部環境(例えば人体の消化管)の光を受光可能なカメラ41と、カメラ41が受光した光信号を電気信号に変換する画像センサ42と、照明用の照明灯43と、を備え、照明灯43は、具体的には、LEDランプであり、この照明灯43は、LED構造体431を含むため、この映像部品4は、光学的な結像原理により、ケース1の外部環境の画像を撮影し観察することができる。これに基づいて、本願の実施例における医用検査機器は、内視鏡であってもよい。
【0097】
さらに、
図2及び
図3に示すように、この医用検査機器は、データ伝送コンポーネント2をさらに含み、このデータ伝送コンポーネント2は、ケース1の内腔に位置し、具体的には、データ収集処理モジュール21、アンテナ22及びバッテリー23を含み、その中で、バッテリー23は、映像部品4及びデータ伝送コンポーネント2における各部品に電力を供給し、データ収集処理モジュール21は、映像部品4に電気的又は信号的に接続され、映像部品4内の情報を認識して処理することができると同時に、アンテナ22は、取得した情報を外部の受信装置に渡すためのものである。
【0098】
具体的には、この医用検査機器は、カプセル内視鏡であってもよく、加工時には、まず、このカプセル内視鏡の回路基板と映像部品4及びデータ伝送コンポーネント2とを組み立てて接続し、各部品を接続する際には、主にUVゴムにより接続し、撮影機能を有するカプセルコアを形成し、その後、このカプセルコアをケース1内に入れ、まず、カプセルコアを下ケース13に入れ、次に上ケース12を取り付け、LED構造体431を上ケース12と下ケース13との間に係合させ、これにより、LED構造体431がカプセル内部の位置で固定され、さらにカプセルコアがケース1内部に固定され、カプセル内視鏡の組み立てが完了する。
【0099】
したがって、上記のこの医用検査機器が人体の各部位に内蔵されている場合に、その測定部品3は、濃度の異なる被測定パラメータに応じて異なる色を表示することができ、色の変化によって被測定パラメータの濃度を定量的に検出することができ、また、色の変化は、映像部品4のカメラ41で測定部品3の画像を取得して判断することができ、色情報は、データ伝送コンポーネント2を介して外部受信装置に送信され、リアルタイムに表示され、検出に役立つ。同時に、この医用検査機器は、映像部品4のカメラ41で医用検査機器の外部環境の画像を撮影して観察することもでき、画像情報は、データ伝送コンポーネント2を介して外部の受信装置に送信してリアルタイムに表示することができ、この部位の健康状態を判断することができる。
【0100】
本願の実施例における医用検査機器は、映像部品4とデータ伝送コンポーネント2を設けることで消化管粘膜の健康状態を観察することができ、測定部品3を設けることで消化管内の被測定パラメータの濃度を測定することができる。すなわち、この医用検査機器は、内視鏡装置と測定部品3を集積するとともに、測定部品3の構造と種類を変えることで、これら2つの部品を集積するプロセスを簡素化し、集積コストを低減することができる。
【0101】
具体的には、
図3に示すように、カメラ41がケース1の内腔に取り付けられており、カメラ41が有効結像角度α1を有しており、且つ、上記ケース1の透明部11が有効結像角度α1で規定される空間を覆うことができるため、カメラ41の視野が遮られない。一方、この画像センサ42は、
図3に示すように、画像表示角度α2を有し、且つ、上記ケース1の透明部11も、この画像表示角度α2で規定される空間を覆うことができるため、画像センサ42の結像領域は、遮られていない。
【0102】
一方、このカメラ41と画像センサ42との装着後、α1>α2を満たす、つまり、カメラ41は、α1に対応する範囲の画像を撮影することができる、α1に対応する範囲は、有効結像角度境界D1を有するが、画像センサ42がこの画像を表示できる範囲は、α2に対応する範囲であり、α2に対応する範囲は、画像表示角度境界D2を有する。例えば、上記有効結像角度α1は、140°である、画像表示角度α2は、135°であってもよい。
【0103】
これに基づいて、第1具体的実施例では、
図10に示すように、上記測定部品3が透明部11に取り付けられ、有効結像角度α1と画像表示角度α2との間の空間、すなわち有効結像角度境界D1と画像表示角度境界D2との間に位置し、この有効結像角度境界D1と画像表示角度境界D2との間に複数の測定部品3を備えてもよく、複数の測定部品3は、同じタイプでも異なるタイプでもよく、
図10に示す実施例では、この有効結像角度境界D1と画像表示角度境界D2との間にpH測定部品33とペプシン測定部品35とを有し、両者とも円弧構造であってもよい。
【0104】
このとき、画像センサ42の観察領域内では、測定部品3の様子は、観察できないが、測定部品3がカメラ41の結像範囲内にあるため、カメラ41とデータ伝送コンポーネント2は、測定部品3の色情報を読み取り、アンテナ22を介して外部受信装置に色情報を伝達し、外部受信装置でその色情報を表示し、色情報から被測定パラメータの濃度値を得ることができる。この測定部品3は、画像センサ42の結像領域を占有していないため、消化管粘膜の全体像を観察することができ、アンテナ22を介して外部の受信装置に画像を送信し、外部の受信装置に画像を表示して消化管の健康状態を観察することができる。
【0105】
別の実施の形態では、
図11に示すように、この測定部品3は、透明部11に取り付けられ、画像表示角度α2で規定される空間に位置し、すなわちこの測定部品3は、画像表示角度境界D2の内部に位置し、画像表示角度境界D2の近くに位置することで、測定部品3が表示画像範囲の中央位置を占めることを回避し、測定部品3による画像の遮蔽を低減することができる。このとき、測定部品3は、画像センサ42の結像領域内に位置し、画像センサ42は、測定部品3の色情報を外部の受信装置に送信することで、ユーザは、色で表示された測定部品3を見ることができ、その色情報をアンテナ22を介して外部の受信装置に送信して、被測定パラメータの濃度を外部の受信装置に表示することができる。したがって、本実施例の医用検査機器は、消化管粘膜を観察しながら、消化管の被測定パラメータの濃度を採取することができる。
【0106】
この医用検査機器の画像表示角度境界D2の内部には、1つまたは複数の測定部品3が設けられていてもよく、複数の測定部品3は、同じ種類であっても異なっていてもよく、
図11に示す実施例では、この画像表示角度境界D2内に潜血測定部品34とトリプシン測定部品36が設けられていてもよく、且つ、両者ともアーチ構造であり、画像表示角度境界D2に近接している。
【0107】
さらに別の具体的な実施例では、この医用検査機器では、この測定部品3は、透明部11に取り付けるており、画像表示角度α2で規定される空間に位置し、すなわちこの測定部品3は、画像表示角度境界D2の内部に位置し、この測定部品3は、画像表示角度α2で規定される空間の中部に位置していてもよい。
【0108】
このとき、測定部品3は、画像センサ42の結像領域内にあり、画像センサ42は、測定部品3の色情報を外部の受信装置に送信することで、ユーザは、色で表示された測定部品3を見ることができ、その色情報をアンテナ22を介して外部の受信装置に送信して、被測定パラメータの濃度を外部の受信装置に表示することができる。したがって、本実施例の医用検査機器は、消化管粘膜を観察しながら、消化管の被測定パラメータの濃度を採取することができる。同時に、この測定部品3が画像表示角度α2で規定される空間の中部に位置する場合に、ユーザーがこの測定部品3を見やすいし、オクルージョンを低減して、被測定パラメータの濃度値をよる正確に取得することができる。
【0109】
この医用検査機器は、1つまたは複数の測定部品3を設けてもよく、複数の測定部品3は、同じ種類であっても異なっていてもよく、
図12に示す実施例では、この画像表示角度境界D2と有効結像角度境界D1との間に複数のペプシン測定部品35とトリプシン測定部品36が設けられ、且つ各ペプシン測定部品35とトリプシン測定部品36は、ともに視野の隅に位置し、この画像表示角度境界D2内にpH測定部品33が設けられ、このpH測定部品33は、画像表示角度α2で規定される空間の中部に位置する。上記測定部品3は、いずれも円形構造であってもよい。
【0110】
また、
図12に示すように、この医用検査機器は、測定部品3をオンにする機能を果たす赤外線スイッチ5を含んでもよく、これにより、この医用検査機器の測定部品3の動作を開始させることができる。
【0111】
図10~
図12に示す実施例では、この映像部品4のカメラ41の有効結像角度境界D1と画像角度境界D2は、いずれも円形であり、両者は、同心であってもよい。
図13に示す実施例では、この映像部品4のカメラ41の有効結像角度境界D1は、正方形であり、画像角度境界D2は、円形であってもよく、この場合、測定部品3が画像角度境界D2と有効結像角度境界D1との間に位置するとき、有効結像角度境界D1の四隅に位置してもよい。
【0112】
一つの具体的な実施例では、複数の測定部品3は、ケース1の外壁に、区画配列方式又は交互配列方式で配置される。この区画配列方式は、この区画配列方式は、ケース1の外壁を複数の領域に区画し、各領域ごとに同種の1つまたは複数の測定部品3を設置するためのものである。例えば赤外スイッチ5を基準として、透明部11を左右2つのサブ部分に均等に区画し、サブ部分ごとに同種の1つまたは複数の測定部品3を設けることができる。例えば
図11では、透明部11を左右2つのサブ部分に均等に区画した後、左サブ部分にトリプシン測定部36を置き、右サブ部分に潜血測定部34を置く。前記区画配列方式は、ケース1の外壁を複数の異なる種類の測定部品3を設置するための複数の領域に区画し、各種類の測定部品3は、1つまたは複数であってもよい。赤外線スイッチ5を基準として、透明部11を時計回りに90°を分割区間として平均的に4つのサブ部分に区画し、各サブ部分ごとに異なる種類の測定部3を複数設けることができる。例えば、
図12において、透明部11を時計回りに、赤外スイッチ5を基準として、平均的に[0,90°]、[90°,180°]、[180°,270°]、[270°,360°]の4つのサブ部分に区画した後、サブ部分毎に一つのトリプシン測定部品36と一つのペプシン測定部品35とを置く。この交互配列方式は、溶液(例えば胃腸内の液体)が少なく、一部のケース1だけが溶液に浸漬されている場合に、最大限に完璧な検査結果が得られ、検査を最適化することができる。。
【0113】
一方、この医用検査機器では、
図6~8に示す実施例のように、この映像部品4は、消化管の画像を撮影し、測定部品3の色情報を取得するためのカメラ41を含む。本実施例では、カメラ41は、消化管の画像と共にデータ伝送コンポーネント2を介して外部の受信装置に送信される測定部品3の撮像画像を取得し、外部の受信装置は、測定部品3の撮像画像から、対応する被検出パラメータの濃度を認識して表示することができる。
【0114】
もちろん、
図9に示すように、この医用検査機器は、2つの映像部品4を含んでもよく、具体的に、そのケース1は、軸方向に沿って対向配置された第1端部と第2端部(上ケース12と下ケース13)を含み、且つこの第1端部と第2端部とも透明部11を設ける可能であるし、同時に2つの映像部品4は、それぞれ2つの透明部11に対応して設けられ、その中で、この医用検査機器は、デュアルカメラカプセル内視鏡であってもよい。
【0115】
具体的には、上記測定部品3は、第1端部の外壁に全て取り付けられていてもよいし、第2端部の外壁に全て取り付けられていてもよい。この場合、この医用検査機器の一つの映像部品4は、被測定パラメータの濃度を測定するためのものであり、もう一つは、画像を観察して撮影するためのものである。
【0116】
あるいは、この医用検査機器では、ケース1の第1端部の外壁に第1測定部品が取り付けられ、第2端部の外壁に第2測定部品が取り付けられ、この第1端部に1つまたは複数の第1測定部品が設けられてもよく、第2端部に1つまたは複数の第2測定部品が設けられてもよく、且つ第1測定部品と第2測定部品の種類は、同じでも異なっていてもよいし、測定レンジは、同じでも異なっていてもよく、測定レンジが異なる場合に、この医用検査機器は、異なる濃度範囲の検出を同時に満たすことができる。
【0117】
図9に示す実施例では、このケース1の第1端部と第2端部の両方ともカメラ41が設けられ、このカメラ41が第1端部と第2端部の透明部11に位置するともに、この第1端部には、pH測定部品33とペプシン測定部品35が設けられ、第2端部には、潜血測定部品34とトリプシン測定部品36が設けられてもよく、この場合、この医用検査機器の第1端部は、消化管の画像撮影に使用できるほか、消化管中のpH値とペプシンの濃度を測定することができ、この医用検査機器の第2端部は、消化管の画像撮影に使用できるほか、消化管中の潜血濃度とトリプシン濃度を測定することができる。
【0118】
なお、以上の前記医用検査機器は、カプセル型内視鏡であってもよいが、もちろん、他の医用検査機器、例えば電子内視鏡などの他の映像測定装置であってもよい。
【0119】
一つの具体的な実施例では、上記医用検査機器がカプセル型内視鏡装置である場合には、カプセル型内視鏡とカプセルケース1の透明部11表面に貼り付けた少なくとも一つの測定部品3を含む。その中で、この測定部品3は、内外径寸法がそれぞれ5mm、6mm、厚さが40μmのリング構造であってもよく、もちろん、その寸法や厚さは、他の数値であってもよく、また、この測定部品3の本体部31は、医用UVゴム(接着材32)によって透明部11の外面に貼り付けられており、測定部品3は、有効結像角度α1と画像表示角度α2との間にあってもよく、正常なユーザーインターフェースの画像表示に影響を与えず、測定部品3の測定結果を外部受信装置で観察することができる。
【0120】
他の具体的な実施例では、このカプセル型内視鏡装置は、カプセル内視鏡とカプセルケース1の透明部11の表面に貼り付けた測定部品3を含む。その中で、測定部品3は、ストライプ状であってもよく、縦横の寸法は、それぞれ6mmと2mm、厚さは、50μmであってもよく、もちろんその寸法と厚さは、他の数値であってもよい。この測定部品3の本体部31は、医用接着剤(接着材32)によってケース1の透明部11の表面に貼り付けることができ、且つこの測定部品3は、有効結像角度α1内にあることができる。
【0121】
また、本出願実施例は、ポリイオンゲルと染料を含み、その中、染料は、被測定パラメータの濃度に応じて異なる色を持つ物質であり、ポリイオンゲルは、ポリマーの架橋重合によって形成された固形物であり、且つ染料がこのポリイオンゲルに充填され、ポリイオンゲルと染料との間に強いイオン相互作用があるため、染料をポリイオンゲル内に保持することができる測定部品3を提供する。動作時には、環境溶液中の被測定物質のイオンがポリイオンゲルを通過し、染料と結合して変色し、環境溶液の被測定パラメータの濃度を示すことができる。
【0122】
以上の説明は、本願の好ましい実施形態に過ぎない、本願を制限するものではなく、本願の精神と原則の範囲内で行われたいかなる修正、同等の置換、改良なども本願の保護の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0123】
1-ケース、 11-透明部、 12-上ケース、 13-下ケース、 14-シールゴム 2-データ伝送コンポーネント、 21-データ収集処理モジュール、 22-アンテナ、 23-バッテリー、 3-測定部品、 31-本体部、 32-接着材、 33-pH測定部品、 34-潜血測定部品、 35-ペプシン測定部品、 36-トリプシン測定部品、 4-映像部品、 41-カメラ 411-カメラマウント、 42-画像センサ、 43-照明灯、 431-LED構造体、 5-赤外線スイッチ、 D1-有効結像形成角度境界、 D2-画像表示角度境界
【国際調査報告】