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特表2023-517994専用周波数に関連付けられた複数のRFタグを使用する遠隔失禁監視システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】専用周波数に関連付けられた複数のRFタグを使用する遠隔失禁監視システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/00 20060101AFI20230420BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20230420BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
G01N27/00 H
A61F13/15 357
A61F13/15 351Z
A61F13/514 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554861
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 CA2021050245
(87)【国際公開番号】W WO2021179061
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】62/988,669
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522360150
【氏名又は名称】チュリ、ラジャ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュリ、ラジャ
【テーマコード(参考)】
2G060
3B200
【Fターム(参考)】
2G060AA07
2G060AE11
2G060AF10
2G060AF20
2G060HC15
2G060JA06
2G060KA05
3B200AA01
3B200DD02
3B200EA21
(57)【要約】
遠隔失禁検知/監視システムが、それの操作方法及び製造方法とともに提供される。本システムは、専用周波数にそれぞれ関連付けられたマーカが埋め込まれたおむつを備える。各マーカは、外部の受信機に向けて中継若しくは反射するように、又は外部の送信機から発信された専用周波数に同調された無線信号を吸収若しくは妨害するように動作可能である。マーカは液体と接触すると、マーカの専用周波数に同調された無線信号の中継、反射、吸収、又は妨害の能力を失い、マーカの場所におむつが飽和していることを示す。当該システムのための構成要素を埋め込んでいるおむつの製造方法であって、同じロールの材料から製造される各おむつには、予め設定された同じ一連の専用周波数に反応する同じ数のマーカが埋め込まれ、すべてのおむつ内で1つの周波数も欠落したり重複したりしない方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄監視システムを製造するためのプロセスであって、
液体不浸透性材料ロール上に、各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを配列で設けるステップと、
前記液体不浸透性材料ロールの長さに沿って、前記液体不浸透性材料ロールの全長にわたって、前記複数のRFタグを設けるステップを繰り返すステップと、
前記RFタグにとって非決定的な方法で、前記液体不浸透性材料ロールを、各区間にほぼ同じ複数のRFタグを含むように、予め決定された長さの区間に切断するステップと、
前記区間のうちの1つを用いて前記排泄監視システムを構成するステップと
を含み、
RFタグの排泄された流体との接触が、対応する周波数の前記信号に対する、前記RFタグによる応答を変化させる、プロセス。
【請求項2】
前記切断するステップが、各区間に、前記配列でない前記複数のRFタグを含むように実行されるか、又は、
前記切断するステップが、各区間に、前記配列で前記複数のRFタグを含むように実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記複数のRFタグが順序通りに配列され、前記排泄監視システムが、区間への前記液体不浸透性材料ロールの前記非決定的な切断によって生じる前記RFタグの連続番号の潜在的不連続性を考慮に入れて前記RFタグの前記連続番号を使用することによって、排泄を監視する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記排泄監視システムが、前記RFタグからの前記応答と前記RFタグのそれぞれの位置とに基づいて排泄を監視する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記複数のRFタグを設けるステップが、前記複数のRFタグを前記液体不浸透性材料ロール上に印刷することによって実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記配列は前記予め決定された長さであり、前記液体不浸透性材料ロール上に設けられた前記配列は互いに重なり合わない、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
排泄を監視するためのRFタグを設けるためのプロセスであって、
2つの導電層とその間に1つの絶縁層とを含む少なくとも3つの層を設け、それによって前記2つの導電層を用いて少なくとも1つのキャパシタと少なくとも1つのインダクタを形成することを含み、
前記RFタグは周波数の信号に応答するように構成され、前記2つの導電層の任意の露出した部分の排泄された流体との接触が、前記周波数の前記信号に対する、前記RFタグによる応答を変化させる、プロセス。
【請求項8】
2つの導電層とその間に1つの絶縁層とを含む少なくとも3つの層を設けることは、
液体不浸透性材料上に第1の導電層を印刷することであって、第1のプレートが印刷され、前記第1のプレートに接続される第1の端子を有する第1の導線が螺旋状に印刷される、第1の導電層を印刷することと、
前記第1の導電層上に第2の絶縁層を印刷することであって、前記第1のプレート上に第1の絶縁部分が印刷され、第2の絶縁部分が前記第1の絶縁部分から前記第1の導線の前記第2の端子に向かって前記第2の端子と前記第1の導線の少なくとも一部とが露出されて印刷される、第2の絶縁層を印刷することと、
前記第2の絶縁層上に第3の導電層を印刷することであって、前記第1のプレートに対向して前記第1の絶縁部分上に第2プレートが印刷され、前記第2の絶縁部分上に第2導線が印刷されて、前記第2のプレートを前記第1の導線の前記第2の端子に接続する、第3の導電層を印刷することと
を含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
2つの導電層とその間に1つの絶縁層とを含む少なくとも3つの層を設けることは、
液体不浸透性材料上に第1の導電層を印刷することであって、第1のプレートが印刷され、前記第1のプレートに接続される第1の端子を有する第1の導線が印刷される、第1の導電層を印刷することと、
前記第1の導電層上に、前記第1の導線の第2の端子を露出させ、少なくとも前記第1のプレートを覆う第2の絶縁層を印刷することと、
前記第2の絶縁層上に第3の導電層を印刷することであって、前記第1のプレートに対向して第2のプレートが印刷され、前記第2のプレートに接続される第1の端子を有する第2の導線が螺旋状に印刷され、前記第2の導線の第2の端子が前記第1の導線の前記露出した第2の端子に接続される、第3の導電層を印刷することと
を含み、
前記第2の導線が前記第1の導線に接触しない、請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
補強層を設けることをさらに含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項11】
前記補強層が液体不浸透性材料上に印刷され、前記少なくとも3つの層が前記補強層上に印刷されるか、又は
前記少なくとも3つの層が液体不浸透性材料上に印刷され、前記補強層が、前記少なくとも3つの層上に設けられて前記2つの導電層の前記露出した部分の少なくとも一部を露出するように構成されるか、又は、
前記補強層が、前記少なくとも3つの導電層のうちの任意の2つの隣接する層の間に設けられ、下にある1つ若しくは複数の導電層の前記露出した部分の少なくとも一部を露出するように構成されるか、又は、
前記少なくとも3つの層が、液体不浸透性材料上に印刷され、前記少なくとも3つの層のうちの少なくとも1つが前記補強層として機能するように何らかの剛性材料で補強される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを備え、排泄が、前記RFタグのそれぞれの周波数の前記信号に対する、排泄された流体によって汚染された前記RFタグによる応答を変化させる、排泄監視システム。
【請求項13】
前記RFタグからの前記応答と前記RFタグのそれぞれの位置とに基づいて、前記排泄を監視する、請求項12に記載の排泄監視システム。
【請求項14】
排泄監視システムを用いて排泄を監視するための方法であって、前記排泄監視システムが、各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを備え、前記排泄が、前記RFタグのそれぞれの周波数の前記信号に対する、排泄された流体によって汚染された前記RFタグによる応答を変化させ、前記方法は、
前記複数の前記RFタグの各々に、前記RFタグのそれぞれの周波数の信号を送信することと、
前記信号に対する前記複数の前記RFタグの前記各々による前記応答を決定することと、
前記複数の前記RFタグの前記応答から、前記排泄された流体によって1つ若しくは複数のRFタグが汚染されているかどうか、及び/又は1つ若しくは複数のRFタグのいずれが汚染されているかを決定することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記汚染された1つ若しくは複数のRFタグと前記汚染された1つ若しくは複数のRFタグのそれぞれの位置とに基づいて、前記排泄された流体の量を決定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
各々が異なる公称周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを有する排泄監視システムを使用することによって排泄を検知するための方法であって、RFタグの排泄された流体との接触が、前記RFタグが対応する周波数の前記信号に応答することを止め、前記方法は、
前記複数のRFタグの前記公称周波数を包含する範囲にわたって掃引周波数を送信することと、
前記複数のRFタグから応答を受信することであって、RFタグからの前記応答が、前記RFタグの公称周波数に近似する又は一致する前記RFタグの実際の周波数である、前記応答を受信することと、
前記複数のRFタグの数と、前記複数のRFタグから受信した前記応答の数とを比較することによって、前記排泄を決定することと
を含む、方法。
【請求項17】
応答の前記実際の周波数と1つの前記RFタグの前記公称周波数との間の前記近似又は前記一致に基づいて、前記応答を前記複数のRFタグの1つに関連付けることと、
実際の周波数がRFタグの前記公称周波数に近似する又は一致する応答が存在しないとき、前記RFタグが前記排泄された流体と接触していると決定することと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを有する排泄監視システムを使用することによって排泄を検知するための方法であって、RFタグの排泄された流体との接触が、対応する周波数の前記信号に対する、前記RFタグによる応答を変化させ、前記方法は、
前記複数のRFタグの各々に対して、信号を送信し、前記RFタグから前記応答を受信することと、
前記応答に基づいて前記排泄を検知することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記複数のRFタグが順序通りになっており、
信号を送信し、前記応答を受信することが、前記複数のRFタグの各々に対して、前記対応する周波数の信号を送信し、前記RFタグから前記応答を受信することを含み、前記排泄を検知することが、応答が構成された通りの期待された1つ又は複数の応答と異なる故障した1つ又は複数のRFタグを決定することと、前記故障した1つ又は複数のRFタグに基づいて前記排泄を検知することとを含むか、又は、前記排泄を検知することが、前記複数のRFタグからの前記応答と前記RFタグの連続番号とを使用することによって、前記排泄監視システムの製造中の非決定的切断によって生じる前記RFタグの前記連続番号の潜在的不連続性を考慮に入れて、前記排泄を決定することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のRFタグはアレイになっており、前記排泄を検知することは、
1つ又は複数の応答が構成された通りの期待された1つ又は複数の応答と異なる故障した1つ又は複数のRFタグを決定することと、
前記故障した1つ又は複数のRFタグすべての面積を考慮することによって、前記故障した1つ又は複数のRFタグのうちのいくつかを、前記排泄監視システムの1つ又は複数の長さ方向の折り目又は曲がりに起因するものと決定することと、
残りの前記故障した1つ又は複数のRFタグに基づいて、前記排泄を検知することと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
2セットの交叉するグループを含む行列で複数のRFタグを有する排泄監視システムを使用することによって排泄を検知するための方法であって、前記2セットのうちの1つのRFタグの各グループが異なる周波数の信号に応答するように構成され、RFタグの排泄された流体との接触が、対応する周波数の前記信号に対する、前記RFタグによる応答を変化させ、前記方法は、
前記2セットのうちの前記1つのRFタグの各グループに対して、前記対応する周波数の信号を送信し、RFタグの前記グループから前記応答を受信することと、
前記2セットのうちの前記1つのRFタグのグループは、前記グループ中のすべてのRFタグが前記対応する周波数の前記信号に対して構成された通りに応答しないとき、前記排泄された流体と接触していると決定することと
を含む、方法。
【請求項22】
前記複数のRFタグが、複数の横列と複数の縦列とを有するアレイになっており、各横列の前記RFタグは、異なる周波数の信号に応答するように構成され、前記方法が、
各横列のRFタグに対して、前記対応する周波数の信号を送信し、前記横列のRFタグから前記応答を受信することと、
横列のRFタグは、前記横列のすべてのRFタグが前記対応する周波数の前記信号に構成された通りに応答しないとき、前記排泄された流体と接触していると決定することと
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
おむつ中の排泄を検知するためのシステムであって、
各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを有するおむつであって、RFタグの排泄された流体との接触が、対応する周波数の前記信号に対する、前記RFタグによる応答を変化させる、おむつと、
各々が、前記複数のRFタグの各々に対して、前記対応する周波数の信号を送信し、前記RFタグから前記応答を受信するように構成された複数の検知手段と
を備え、
動作中、前記おむつ中の前記複数のRFタグの各々について、前記複数の検知手段によって送信された前記対応する周波数の対応する信号のうちの少なくとも1つが前記RFタグに到着し、前記RFタグからの前記応答が前記複数の検知手段のうちの少なくとも1つによって受信されるように、前記おむつがおむつ装着者に装着されるとき、前記複数の検知手段が前記おむつの周囲に配備され、
前記複数の検知手段が、前記排泄が検知されたことに基づいて、前記複数のRFタグからの前記応答について互いに通信する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年3月12日に出願した「REMOTE INCONTINENCE DETECTION AND MONITORING SYSTEM WITH METHOD AND MANUFACTURING METHOD THEREOF」と題する米国特許仮出願第62/988,669号の優先権を主張するものである。本出願の内容は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、濡れセンサ間の電気的接続を確立するためのポッドを必要としない、おむつ様製品中の失禁を遠隔で検知し、監視するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
人口の年齢の上昇に伴い、2、3例を挙げれば、おむつ、パッド又はブリーフのような失禁に対する成人の保護具の必要性が高まっている。本明細書では明快のためにおむつについて言及するが、他の失禁保護具も本開示の範囲内である。
【0004】
病院や老人ホームのような施設は、入所者に介護を提供するという課題に直面する。このような介護は、健康問題や患者の快適性からおむつの消費量や洗濯物の管理にまでわたるいくつかの問題を防ぐために、入所者のおむつを適時交換することを含む。
【0005】
1つの方向性は、センサを含むおむつの形で現れた。それらのセンサは、異なる形態の細片として供給される。それらは、おむつ製造時か、又は後におむつに手を加えることにより、おむつに組み込まれ得る。それらはまた、たとえばセンサ細片の形態でおむつに付加され得る。
【0006】
既存技術は、様々な手段によっておむつにクリップ留め又は接着されるポッドに大きく依存し、ポッドの目的は、センサが検出したものを、おむつ中の液体の存在を監視し、おむつ交換のアラームを発する外部ユニットに中継で送ることである。いくつかの先行技術のおむつは電子チップのような構成要素も含み、おむつがそれ自体を監視し、おむつを交換するための通知を送る。
【0007】
おむつ中の液体の存在を検知し、監視する手段について、先行技術は、ほとんどがセンサとポッドとおむつ中に放出される液体の結合によって形成される電気回路の生成に依存する。検知や監視は、おむつが濡れたらアラームを発するだけのものから、おむつがそれの飽和レベルに達したときのみアラームを発するものまで多岐にわたる。
【0008】
センサとポッドの結合で形成される電気回路の1つの欠点は、センサの製造によって又はポッドの取り付け方によって生じる電気信号のばらつきである。確かに、ポッドが適切に取り付けられて接続されないと、検知や監視が期待されるほどの効果はないことがある。センサ及びポッドが正しく取り付けられることを保証するために、介護者のトレーニングも多少必要である。
【0009】
別の先行技術の濡れ検知システムは、米国特許出願公開第2004/0070510(A1)号に開示されており、おむつに共振タグが貼り付けられ、共振タグのインダクタが尿に接触されると共振タグの実質的に一定の共振周波数が失われ、遠隔検知手段は実質的に一定の掃引周波数を発し、共振周波数が消滅するとアラームを起動するものである。この種の先行技術の濡れ検知の問題点は、予め製造された共振タグがおむつに貼り付けられる必要があり、このような濡れ検知システムを有するおむつの製造が複雑化することである。そしておむつに共振タグを貼り付けられているこのようなシステムは、共振タグの特定位置が尿に接触されたかどうかを決定することしかできず、おむつの飽和状態を決定することはできない。
【0010】
また、別の先行技術の患者失禁監視機器及び方法が米国特許第6,774,800号に開示されており、この方法では、RFタグが液体吸収性材料と接触して又は間隔を置いた関係で配置され、無線励起信号を吸収するよう構成され、その結果、液体吸収性材料に受け入れられる排出流体の量の変化が、RFタグによる無線励起信号のエネルギーの吸収の変化を引き起こす。この先行技術も、予め製造された共振タグがおむつに貼り付けられることを必要とし、タグ付きおむつの製造を煩雑にする。
【0011】
したがって、おむつを変更すること又はその製造プロセスを大幅に改変することに頼ることなく、失禁を検知し、監視する代替手段を提供することが望まれる。センサの人手による取り付けが不要なおむつを提供することが望まれる。センサが検知したデータを実際の監視システムに中継するポッドを必要とせずに失禁の検知と監視が可能となるおむつを提供することが望まれる。失禁を正確に検知、監視し、望ましくないばらつきに支配されず、高度な構成要素に頼る必要のない手段を提供することも望まれる。実際の検知及び監視のプロセスをおむつの外に出すことを含むような、おむつの費用効率の良い製造手段を提供することも望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0070510(A1)号
【特許文献2】米国特許第6,774,800号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様では、本開示はおむつと外部監視システムとの結合に関する。おむつの製造時に、ロール状の材料が使用され、おむつが予め設定された長さで切断され、その他の機能が付加されて製品を仕上げる。マーカ/タグは、各おむつに予め設定された当該マーカ/タグの数を維持するために、素材上に、おむつの長さに沿って(予め)印刷される。製造されるおむつは、すべて内側に同じ数のマーカ/タグが印刷される。
【0014】
各マーカ/タグは、決定された個々の無線周波数に反応するように(予め)印刷され、おむつに印刷されるマーカの総数は、マーカのセット毎に繰り返される、予め決定された周波数のセットに常に一致する。各製造されたおむつは、予め決定された周波数の同じセットに反応するマーカを同じ数だけ含む。その結果、マーカの数及びマーカが対応する周波数に関して言えば、製造された一連のおむつは全く同じものになる。
【0015】
外部監視システムは、マーカに関連付けられた予め設定された周波数に対応する一連の電磁信号を送受信する送信機と受信機とを備える。マーカが液体に曝されていない限り、送信機からそのマーカの周波数で送信された信号はそのマーカによって応答され、たとえば、そのマーカによって受信機に中継若しくは反射され、又はそのマーカによって吸収若しくは妨害されて受信機によって受信されないようになる。マーカが最終的に液体に曝されると、信号を中継又は反射又は吸収又は妨害するマーカの能力が失われ、その特定のマーカに関連付けられた周波数は、無音になるか又は受信機に表示される。おむつ中に液体がますます膨張し、当該おむつが飽和状態になると、より多くのマーカがそれらの周波数に反応する能力を失う。受信機における周波数の有無や周波数の配置に基づき、おむつが交換されなければならない時点を決定し、したがって介護者に注意を促すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の実施例による例示的なおむつの概略上面図である。
図1A】本開示の実施例による、3つの層を有するRFタグを印刷するためのプロセスを示す図である。
図2】本開示の実施例によるおむつを製造するための材料の、例示的な広げられたロールの概略上面図である。
図3】本開示の実施例によるおむつを製造するための広げられた材料の区間(section)のクローズアップである。
図4】本開示の実施例によるおむつを製造するための材料の、別の例示的な広げられたロールの概略上面図である。
図5】本開示の実施例によるおむつを製造するための材料の、さらに別の例示的な広げられたロールの概略上面図である。
図6】本開示の実施例による、おむつ中に液体が放出されていないときの例示的なおむつの概略断面図である。
図7】本開示の実施例による、おむつ中に液体が放出されていないときの例示的なおむつの概略側断面図である。
図8】本開示の実施例による、おむつ中で液体が放出されたときの例示的なおむつの概略断面図である。
図9】本開示の実施例による、おむつ中で液体が放出されたときの例示的なおむつの概略側断面図である。
図9A】本開示の実施例による、周波数fで一定の振幅の信号を送信し、図1Aで製造された共振タグから応答を受信するトランシーバにおける例示的な信号を示す図である。
図9B】本開示の実施例による、掃引周波数が送信される場合のトランシーバにおける例示的な信号のグラフを示す図である。
図10A】本開示の実施例による、連続する周波数のロールオーバーを図示する図である。
図10】本開示の実施例による、おむつ中に液体が放出されていないときの、備えられたベッド上の例示的なおむつの概略断面図である。
図11】本開示の実施例による、おむつ中で液体が放出されたときの、備えられたベッド上の例示的なおむつの概略断面図である。
図12】本開示の実施例による、おむつ中に液体が放出されていないときの、備えられたベッド上の例示的なおむつの概略上面図である。
図13】本開示の実施例による、おむつ中で液体が放出されたときの、備えられたベッド上の例示的なおむつの概略上面図である。
図14】本開示の実施例による濡れ検知システムの概略図である。
図15】本開示の実施例による、タグの複数の(たとえば3つの)縦列を有するおむつの概略図である。
図15A】本開示の実施例による、図15に示すようなおむつ中のタグの例示的な周波数分布を示す図である。
図15B】本開示の実施例による、図15に示すようなおむつ中のタグの例示的な周波数分布を示す図である。
図15C】本開示の実施例による、液体不浸透性層全体に設けられたタグを有するおむつの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本開示の実施例による、長さ14及び幅15を有する例示的なおむつ10を示す。当業者によって理解されるように、おむつ10は、主に、尿又は任意の他の体液を吸収することを目的とする吸収層12と、液体不浸透性層16との少なくとも2層の材料で構成される。おむつのための他の構造が可能であり、本開示の範囲内であるとみなされることが理解される。
【0018】
本開示の実施例では、複数のタグ18が液体不浸透性層16上に設けられる。好ましくは、タグ18は液体不浸透性層16の内側(すなわち、吸収層12に面する側)上に設けられ、吸収層12が当該タグ18の上部に位置する、すなわち、タグ18は、タグが設けられた液体不浸透性層16の内面と吸収層12の下面とで挟まれている。そして、液体不浸透性層16の外側(すなわち、吸収層12と反対側)にタグを設けることも可能である。図1に描かれたような例示的な実施例では、一例として液体不浸透性層16の内側上のそれの長さ14に沿ったおむつ10の中心軸上に、9つのタグ18が設けられる。図1に示すようなタグ18の数(たとえば9つ)及び配列(たとえば液体不浸透性層の内側の中央配置、間隔)は例示のみを目的としており、液体不浸透性層16上には、他の配列、たとえば左又は右、外側などに配置されている異なる数のタグ18が存在し得ることに留意されたい。
【0019】
図1に示すように、各タグ18は、それぞれの専用周波数と関連付けられる。特に、各タグ18は、それぞれの専用周波数で動作するように設けられ又は設計されており、すなわち、通常動作中、各タグは、各タグのそれぞれの専用周波数に同調された信号に反応(たとえば、共振して再送信、又は中継、又は反射、又は吸収、又は妨害など)するように動作可能である。一例として、図1において、9つのタグ18は、上から順に、周波数f1、f2、・・・、f9にそれぞれ関連付けられる。本開示の実施例では、タグ18に関連付けられた周波数はおむつにおいて互いに異なり、たとえば、周波数f1、f2、・・・、f9は、図1に示すように、互いに(僅かに)異なる。
【0020】
おむつ製造組立ラインにおける大幅な改変又は複雑化を回避するために、最初にタグ18を製造し、次にそのタグ18をおむつ中又は液体不浸透性材料/層上に挿入する代わりに、本開示の実施例により、タグ18が液体不浸透性材料/層16上に直接印刷される。
【0021】
上述したように、タグ18は、タグのそれぞれの専用周波数で動作するように設けられ又は設計される。本開示の実施例では、各タグ18は、その信号によってエネルギー供給され、次いで、同じ周波数の信号を送り返すことによって、各タグ18のそれぞれの専用周波数に同調された信号に応答するように構成される。たとえば、タグ18は、共振周波数がタグ18のそれぞれの専用周波数であるLC共振回路として機能するように構成される。
【0022】
タグ18がLC共振回路として機能する本開示の実施例では、タグ18が、液体不浸透性材料/層上に、キャパシタ及びインダクタ、たとえば中央のキャパシタとそのキャパシタの周囲に(たとえばコイル状に)配置されたインダクタとを印刷することによって設けられ得る。LC共振タグのキャパシタ及びインダクタは、別の方法で配置され得、それも本開示の技術的解決策とともに使用され得ることに留意されたい。一例として、液体不浸透性材料/層上に印刷される、第1の導電層50と第2の絶縁層60と第3の導電層70との3つの層でタグ18が構成される。図1Aは、本開示の実施例による、タグ18を印刷するための例示的なプロセスを示す図である。
【0023】
図1Aの上部の図に示すように、第1の導電層50が液体不浸透性材料/層16上に印刷され、プレート52がその中央に印刷され、導線54がその第1の端子56が中央プレート52に接続されて中央プレート52の周囲を螺旋状に印刷される。導線54はまた、第2の端子58を有する。中央プレートの周囲を螺旋状に囲む導線は、コイル、すなわちインダクタを形成することが理解される。
【0024】
次に、第1の導電層50のプレート及び導線を第3の導電層70のプレート及び導線から絶縁するために、第2の絶縁層60が第1の導電層50の上に印刷される。本開示の実施例では、第2の絶縁層60は、少なくともプレート52を覆い、少なくとも第2の端子58と導線54の一部とを露出し、たとえば、第2の絶縁層60は、中央プレート52、及び中央プレート52から第2の端子58への接続部分のみを覆い、第2の端子58の位置に第2の端子58を露出するためのホールを有する。たとえば、図1Aの中央の図に示す実施例では、第2の絶縁層60が、中央プレート52を覆う中央絶縁部分62と、第2の端子58を露出するためのホール68を有する接続絶縁部分64とから形成される。
【0025】
次に、第3の導電層70が第2の絶縁層60の上部に印刷され、プレート52に対応する位置(すなわち中央絶縁部分62上)に別のプレート72が形成され、導線74が接続絶縁部分64上に形成されてプレート72と露出した第2の端子58とを接続する。中央絶縁部分62によって分離された2つのプレート52と72とがキャパシタを形成し、プレート52の周囲を螺旋状に囲む導線54がインダクタを形成し、キャパシタとインダクタが導線74によって接続されることが理解される。また、たとえば中央絶縁部分62の厚さ(すなわちプレート52とプレート72との間の距離)及び/又はプレート52とプレート72の面積及び/又は導線54によって形成されるコイルの巻数を制御することによって、タグ18は所望の共振周波数、すなわちそれの専用周波数で印刷され得ることが理解される。
【0026】
3つの層は図1Aに示すものとは逆の順序で印刷され得ることが理解されるであろう。すなわち、まず液体不浸透性層上に印刷される第1の導電層50にプレート72と導線74とが印刷され、次に第1の導電層50上に第2の絶縁層60が印刷され、次に第3の導電層70が第2の絶縁層の上部に印刷され、プレート52と導線54(すなわちインダクタ)とが印刷される。
【0027】
潜在的なねじれや曲がりを回避するために、本開示のいくつかの実施例では、タグ18は剛性に作られる。たとえば、図1Aに示すように、タグ18の印刷プロセス中に、たとえば剛性であるポリマーの層などの補強層が追加され得る。非限定的な実例として、タグの印刷プロセス中に、まず補強層が液体不浸透性層/材料上に印刷され、次いで、図示及び上述したように、第1の導電層、第2の絶縁層及び第3の導電層が補強層上に印刷される。補強層は、他の3つの層に関して別の配置で、たとえば他の3つの層の上、特に第3の導電層の上、又は他の3つの層のうちの任意の2つの隣接する層の間にも設けられ得ることに留意されたい。
【0028】
或いは、追加の補強層を加えるのではなく、本開示のいくつかの実施例において、タグの3つの層(すなわち、第1の導電層、第2の絶縁層及び第3の導電層)のうち少なくとも1つが剛性となるように補強される。たとえば、3つの層のうちの少なくとも1つは、剛性となるように何らかの剛性ポリマーで補強される。別の実例として、第2の絶縁層が、単純に何らかの剛性ポリマーで作られ得る。
【0029】
補強層(追加の補強層か又は3つの層(第1の導電層、第2の絶縁層、第3の導電層)のうち1つを剛性材料で剛性にしたもののいずれか)は、タグの全体としてのねじれや曲がりを防ぐように構成され、すなわち補強層がタグの全体の領域又は表面を剛性にするように構成されることに留意されたい。そのためには、補強層は、タグの表面全体を覆う(たとえば、補強層がまず液体不浸透性層/材料上に印刷され、次いで、第1の導電層、第2の絶縁層及び第3の導電層が補強層上に印刷される実施例において)か、又は、タグの外縁に達するように、たとえば星のような形のいくつかの枝又は区間を有することが必要である。
【0030】
補強層は、タグの機能及び/又は動作を妨げないような方法で設けられることが必要とされることにも留意されたい。特に、追加補強層を加えた後、又は3つの層(第1の導電層、第2の絶縁層及び第3の導電層)のうちの1つを補強層として構築した後、タグ18は、なおもLC共振回路として機能することができ、尿などの排泄された液体のタグ18との接触は、タグの機能及び/又は動作を変化させ、たとえば共振周波数の信号に対するタグの応答を変化させる。たとえば、補強層が第3の導電層の上方に設けられる場合、排泄された液体が通過してタグの機能及び/又は動作を変化させることが可能になるように、補強層はいくつかの間隙又はホールで構成される。
【0031】
実施例では、タグ18は液体不浸透性シート上に印刷され、液体不浸透性シートがタグ18とともにロール形態で供給され、製造されるおむつの液体不浸透性層16を構成するためにおむつ製造組立ラインに搬送される。或いは、最小限の製造プロセスの改変で、たとえば1台又は複数台のプリンタを組立ラインに含め、タグ18がそこに予め印刷されることなく、供給される液体不浸透性材料(の内側又は外側)上にタグ18を印刷することによって、タグ18はおむつの製造プロセス中に組み込まれ得る。
【0032】
当業者には理解されているように、おむつ製造のための液体不浸透性シートは、大きなロールの形態で供給される。本開示の実施例では、おむつを製造するために、液体不浸透性シートのロール(その上にタグ18が既に予め印刷されているか否かにかかわらず)が広げられ、タグ18(予め印刷されているか、組立ラインのプリンタによって印刷されるかのいずれか)を有する液体不浸透性シートは次いで、吸収層12など他の層と一体にされ、適切な大きさの区間に切断される。各当該区間は、同じ配列(すなわち、同じ数のタグ、同じ間隔、及び同じ相対位置)のタグの同じセットを含み、1つのおむつを形成するために使用される。本開示の実施例では、区間の長さが同じであれば各区間に同じ数のタグが含まれることを保証することができるように、タグ18は、2つの連続した隣接するタグの間に一定の間隔を置いて、液体不浸透性材料/層上に印刷される。
【0033】
図2は、本開示の実施例による、上部に吸収層12が配置されるタグ18を有する液体不浸透性材料/シートの広げられたロール20を示す。上述したように、液体不浸透性シート20上には、タグ18が予め印刷されるか、又は、組立ラインのプリンタによって印刷される。本開示の実施例では、予め決定された数のタグ18のセットが、タグの配列(たとえば、間隔及び相対位置)を変更しないまま、その長さに沿って液体不浸透性シート上で連続的に繰り返され、1つのそのようなセット中のタグ18が異なる特定周波数で動作するような方法で、タグ18は予め印刷されているか又は印刷される。一実例として、図2に表されるような実施例では、8つのタグ18のセットが液体不浸透性シート上にその長さに沿って同じ配列で連続的に繰り返され、1つのそのようなセット中の8つのタグ18は、8つの異なる周波数f1、f2、・・・、f8でそれぞれ動作する。1つのそのようなセット中のタグ18の数及び配列は、必要に応じて、たとえば製造する予定のおむつのサイズに基づいて、予め決定され得ることに留意されたい。本開示の実施例では、1つのそのようなセット中のタグ18の数は、各製造されるおむつが液体不浸透性層16上にその数のタグ18を含むように、予め決定される。また、液体不浸透性材料/層上のタグの印刷処置(おむつの製造プロセス前か、プロセス中かのいずれか)を容易にするために、たとえば、第2の絶縁層60の厚さ及び/又はプレートの面積及び/又はインダクタを形成するコイルの巻数を徐々に増加/減少させることによって、そのようなセットのタグ18は周波数の降順/昇順に印刷される。一実例として、図2に表されるような実施例では、f1>f2>f3>f4>f5>f6>f7>f8、又はf1<f2<f3<f4<f5<f6<f7<f8である。
【0034】
上述したように、液体不浸透性シート20は、吸収層12など他の層と一体にされた後、適切な大きさの区間に切断され、それの各々が、予め決定された数のタグの同じセットを同じ配列で含み、1つのおむつを形成するために使用される。本開示の実施例では、液体不浸透性シート20は、上述のように各区間に予め決定された数のタグ18を含むように、とりわけ吸収層12とともに区間に切断される。一実例として、図2に表されるような例示的実施例では、液体不浸透性シート20は、8つのタグ18のセットが、各区間24に含まれるように、吸収層12とともに線26において区間24に切断される。図2において、一例として、ライン26は、周波数f8に関連付けられたタグ18と、周波数f1に関連付けられたタグ18との間に配置され、すなわち、各区間24中の8つのタグ18は、それぞれ、8つの異なる周波数f1、f2、f3、f4、f5、f6、f7、f8に、上から下に向かって順次関連付けられる。
【0035】
本開示の実施例では、特定の位置(たとえば、常に2つの特定の連続した隣接するマーカの間)で切断作業を実行する必要はないことに留意されたい。代わりに、予め決定された数のタグが確実に各区間に含まれる方法で切断作業が実行されればよく、たとえば、一定の長さの区間を得るように切断作業が一定のインターバルで実行されればよく、これにより次いでタグが一定の間隔で印刷されるときに、同じ数のタグが各区間に含まれることになる。図2に示すような線26の配置(すなわち、切断位置)は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきでないことが理解される。その他の可能な配列や配置は、本開示の範囲内であるとみなされる。本開示の実施例では、予め決定された数のタグ18のセットが、液体不浸透性シート20上に連続して繰り返されるため、切断が、連続する(隣接する)任意の2つのタグ18の間で繰り返し実行されることで、各区間に予め決定された数のタグ18が含まれる区間を得ることができる。たとえば、図2に示すような実施例では、液体不浸透性シート20は吸収層12とともに、周波数f3に関連付けられたタグ18と、周波数f4に関連付けられたタグ18との間で切断され、各区間中に8つの異なる周波数f4、f5、f6、f7、f8、f1、f2、f3にそれぞれ関連付けられた8つのタグ18を上から下に向かって順に含むようにすることができる。
【0036】
図3は、本開示の実施例による、おむつの液体不浸透性層16上の複数の印刷されたタグ18のクローズアップ図である。表されるように、各タグ18は、それぞれの特定の周波数に同調された信号で動作するように、印刷され、構成される。各タグは、それぞれの専用周波数で動作するように設計される。表された実施例では、9つのタグが、11.1MHzから11.9MHzまでの範囲の周波数のセットで動作するように印刷され、複数の予め設定された周波数28を形成する。11.1MHzから11.9MHzまでの範囲は説明のために与えられており、他の任意の範囲の周波数が使用され得、本開示の範囲内である。
【0037】
原理の説明目的のための実施例である図4に移ると、ロール20は、線26で切断される準備ができているおむつ材料のいくつかの区間24で表される。3つの区間24a、24b、及び24cが表されている。理解することができるように、複数のタグ18は、各区間24が同じ複数の予め設定された周波数28に対応する同じ数のタグを受け取るように(予め)印刷されている。理解することができるように、タグ18は、確実に複数の予め設定された周波数28が全く同じに各区間24上に繰り返される方法で(予め)印刷される。推測され得るように、同じ複数の予め設定された周波数28は、すべての区間24上に繰り返し(予め)設けられる。その結果、すべてのおむつ10が、同じ複数の予め設定された周波数28に対応する同じ数のタグ18を含むことになる。
【0038】
図5に移って、特定の状況を一例として説明する。実際、ロール20が広げられるとき、おむつが11.1MHzで始まり11.9MHzで終わるタグを含むようにすべての区間24が切断される保証はない。同じ複数の予め設定された周波数28を繰り返しながら、同じ一連のタグが際限なく提供される。目的は、すべての区間24a、24b、24c、及び24dが、必ずしも特定の周波数で始まり、別の特定の周波数で終わらなくとも、同じ数のタグ18と周波数28とを含むことである。図5では、区間24bの最初のタグは、11.5MHzの周波数に対応する。しかし、11.9MHzで終了したサイクルは、すぐに11.1MHzで再開し、区間24bが11.1MHzから11.9MHzまでの範囲の周波数28を持つタグを確実に含むようにしている。理解することができるように、区間24a、24b、24c、及び24dは、同じ複数の予め設定された周波数28を持つ同じ一連のタグを有することになる。すべての予め設定された周波数28は、どのおむつ10にも一度だけ表示される。すべてのおむつ10には、すべての予め設定された周波数28が印刷される。
【0039】
図6は、本開示の実施例によるおむつ10の概略断面図を示す。説明のために、異なる構成要素の大きさは強調されている。少なくとも1つの液体不浸透性層16の上部に配置される少なくとも1つの吸収層12がある。タグ18は、層16上に印刷される。本開示の実施例では、タグ18は、おむつ10の幅15を中央で横切る長手方向軸22上に印刷される。これは例示的な実施例に過ぎず、タグ18の他の可能な配置が本開示の範囲内であることが理解される。
【0040】
図7は、本開示の実施例によるおむつ10の側断面図を示し、層16の長さ上に印刷され、タグを覆う吸収層12を有するタグ18の配置を理解することができる。
【0041】
図8及び図9に移ると、それらは、本開示の実施例による、液体40がおむつ10の中に放出されたときの例示的なおむつ10を示す。液体40は吸収層12に吸収されることを理解することができる。やがて、吸収層12が、層16上に印刷されたタグ18の位置で飽和に向かって進展すると、液体はタグ18に達し、接触することになる。図9において、より多くの液体が吸収層12に吸収されるにつれて、より多くのタグ18が液体40と接触することを理解することができる。やがて、ほとんど又はすべてのタグ18が液体40と接触することになる。
【0042】
図1Aにより印刷されるタグ18の場合、その通常の動作中に、タグ18は、送信機32によって送信されたそのタグ18の専用周波数fに同調された信号36を受信し、共振する、すなわちタグ18は、送信機32によって送信された信号36によってエネルギー供給される。次にタグ18はまたその共振周波数(すなわち、それのそれぞれの専用周波数f)で信号38を送り返すが、たとえば送信機32が信号36の発信を停止した後、徐々に減衰する。
【0043】
一方、タグ18が液体と接触すると、液体が導線54(及び導線74)の露出した部分の少なくともいくつかを互いに短絡させ、その結果、LC共振回路の故障が生じる。したがって、液体に接触しているタグ18は、タグの専用周波数fに同調された信号36によってエネルギー供給され得ず、その周波数の信号38を送り返すことができない。
【0044】
このような場合、タグの専用周波数に同調された信号38(徐々に減衰する)の受信機34における不在が、そのタグが液体と接触していることの指示とみなされ得ることが理解される。
【0045】
受信機34と送信機32とは、単一のユニットとして、たとえばトランシーバとして実施され得ることに留意されたい。このような場合、トランシーバにおける信号は、図9Aに示すような挙動を示し、一定振幅の第1の部分はトランシーバ32/34によって送信される信号36を表し、徐々に減衰する第2の部分はトランシーバ32/34によって受信される信号38、すなわち共振するタグによって送信されるときの信号38を表す。徐々に減衰する第2の部分のトランシーバにおける不在は、その特定のタグの故障、すなわちそのタグの液体との接触を示すために使用され得ることが理解される。
【0046】
上述のように、おむつ10は予め決定された数のタグ18で構成され、タグ18の各々は、タグのそれぞれの専用周波数fで動作するように設計又は構成される。おむつ10中のタグ18がすべて図1Aにより印刷される場合、タグ18の各々は、タグの専用の共振周波数fに同調された信号に応答するように構成される。このような場合、送信機32がその共振周波数の信号36を発した後、同じ共振周波数の信号38(徐々に減衰する)を受信機34で受信しないとき、タグ18が液体に接触していると決定され得る。そして、液体に接触しているタグの数と位置とに基づいて、おむつ10の飽和レベルが決定され得る。たとえば、受信機で1つの周波数が欠落する場合、又は受信機で互いに離れた2つのタグ18に対応する2つの周波数が欠落する場合は、エラーに起因し得るか、小さな不連続の液体スポットを示しているだけであるので、おむつを交換する指示とはみなされ得ない。一方、たとえば、4つ又は5つの連続した隣接するタグ18に対応する4つ又は5つの周波数が受信機で欠落する場合は、おむつを交換する指示とみなされ得る。
【0047】
製造上のばらつき及び/又は欠陥のために、正確な公称周波数を持つタグを提供することはほとんど不可能であることが理解される。そして、正確な公称周波数のタグのみを有するおむつであっても、おむつの装着時又は装着中の潜在的な折り目及び/又は圧力及び/又はずれが、これらの周波数を変え得る。したがって、より良い成果を得るためには、飽和レベルを実際に測定する前に、既に装着されているおむつ中のタグの実際の周波数を決定することが好ましい。
【0048】
タグ18の実際の周波数のそのような決定の必要性を回避するために、本開示の実施例では、少なくともすべてのタグの公称周波数を包含する周波数の掃引が、送信機32によって送信される。送信機32によって送信される周波数の掃引は、タグの公称周波数のセットよりも高い分解能を有する、すなわち、送信機32によって送信される掃引における2つの連続する(隣接する)周波数間のインターバルは、タグ18の2つの連続する(隣接する)公称周波数間のインターバルよりもはるかに小さいことに留意されたい。これらの公称周波数以外の掃引におけるすべての周波数は、タグ18の実際の周波数の潜在的なばらつき又はずれ又は変化に適合するために使用される。
【0049】
一実例として、9つのタグ18のそれぞれの公称周波数f1、f2、f3、・・・、f9、たとえば10.1MHz、10.2MHz、10.3MHz、10.4MHz、10.5MHz、10.6MHz、10.7MHz、10.8MHz、及び10.9MHzである9つのタグ18が、おむつ10の中に埋め込まれている実施例を考える。少なくともf1、f2、f3、・・・、f9のすべてを包含する掃引周波数、たとえば9.9MHzから11.1MHzまでの範囲の掃引周波数が、送信機32によって、0.001MHzの分解能(すなわち、隣接する2つの周波数のインターバル)で、すなわち9.9MHz、9.901MHz、9.902MHz、9.903MHz、・・・10.604MHz、10.605MHz、10.606MHz、・・・、11.099MHz、11.1MHzで掃引されて送信される。このような場合、9つの周波数に潜在的なばらつき、ずれ、又は変化があっても、9つのタグ18の実際の周波数と(ほぼ)完全に一致する、掃引における9つの周波数が確実に存在する。
【0050】
一実例として、図1Aによりタグ18が印刷される実施例を考える。液体がなければ、受信機34に9つの周波数(すなわち、9つのタグ18の実際の共振周波数)が現れることが期待され、したがって、受信機34で欠落した1つ又は複数の周波数の数と対応するタグの位置とに基づいて、おむつ10の飽和レベルを決定することが可能であることが理解される。たとえば、受信機で1つの周波数が欠落する場合、又は受信機で互いに離れた2つのタグ18に対応する2つの周波数が欠落する場合は、おむつを交換する指示とはみなされ得ない。一方、たとえば、4つ又は5つの連続した隣接するタグ18に対応する4つ又は5つの周波数が受信機で欠落する場合は、おむつを交換する指示とみなされ得る。
【0051】
図9Bは、本開示の実施例による、周波数の掃引が送信されるときのトランシーバにおける例示的な信号のグラフを示す。図示の実施例では、おむつに9つのタグが存在し、9つのタグの公称共振周波数を包含する周波数f1~f100の掃引(特に、各々が周波数fl~f100のうちの1つに同調された100個の信号36)が、一例として、トランシーバ32によって送信される。おむつ中に液体がない場合、9つのタグは、タグのそれぞれの共振周波数で共振し、各共振するタグは、タグのそれぞれの共振周波数の信号38を送り返す。図示するように、9つの信号38が周波数fa~fiでトランシーバに現れ、すなわち、9つのタグの実際の共振周波数はそれぞれfa、fb、・・・、fiである。図9Bに示すような実例では、周波数fa、fb、fc、fd、fe、ff、fg、fh、及びfiは、周波数f3、f15、f21、f33、f45、f54、f67、f79、及びf88にそれぞれ対応する。
【0052】
上述のように、たとえば周波数fc(f21に相当)の信号38がトランシーバで欠落するとき、実際の共振周波数fcを持つタグ18は、液体と接触していると決定され得る。したがって、受信機/トランシーバで欠落した信号38の数に基づいて、また対応するタグの位置に基づいて、おむつの飽和レベルを決定することが可能である。飽和を決定するために、最初にタグの実際の共振周波数を決定する必要はないことに留意されたい。その代わりに、タグの実際の共振周波数を決定することなく、すなわち、受信機に現れる周波数に基づいて無傷のタグを決定し、次いで他の欠落した周波数の位置に基づいて飽和度を決定することによって、飽和度は推定され得る。
【0053】
一実例として、昇順/降順の周波数を持つ予め決定された数のタグ18のセットが、液体不浸透性材料/層上に同じ配列で連続的に繰り返し印刷される実施例を考える。昇順/降順の周波数を持つ予め決定された数のタグ18の1つのそのようなセットが製造時におむつに丁度含まれるようにおむつが製造される(すなわち、吸収性材料ロール及び液体不浸透性材料ロールなどの一体にされた材料ロールが切断される)場合、タグはおむつの長さに沿っておむつの一端から他端に向かって周波数が昇順/降順に順次連続的に配列されているので、おむつの飽和を決定することは、簡単且つ直観的である。すなわち、おむつの長さに沿って、最も高い周波数に関連付けられたタグはおむつの一端の最も近くに配置され、最も低い周波数に関連付けられたタグはおむつの他端の最も近くに配置され、その間をタグの周波数は一端から他端に向かって下降する。したがって、n番目に高い周波数に同調された信号の受信機における不在は、おむつの一端からn番目のタグが液体に接触していることを示し、2つの連続した隣接する周波数は、2つの連続した隣接するタグと関連付けられている。
【0054】
しかしながら、上述したように、おむつの製造中に、おむつは、共振周波数がその長さに沿っておむつの一端から他端まで上昇/下降しないように製造されることが可能である。一実例として、おむつは、n番目に高い周波数に関連付けられたタグがおむつの一端の最も近くに配置され、(n+1)番目に高い周波数に関連付けられたタグがおむつの他端の最も近くに配置され、その間を一端から他端まで、タグの周波数が(n-1)番目に高い周波数から最高周波数まで上昇し、最低周波数に跳び、その後(n+2)番目に高い周波数まで上昇するように製造され得る(すなわち吸収性材料ロール及び液体不浸透性材料ロールなどの一体にされた材料ロールが切断される)。このような場合、おむつ中の2つの連続した隣接するタグの間に周波数跳びが存在し、飽和の判定に考慮されることになっている。特に、周波数跳びに関連する2つのタグは、2つの連続した隣接するタグとみなされるものとする。
【0055】
本開示の実施例では、予め決定された数のタグのセットは、ループ状に配置されているとみなされ、すなわち、セット内の最後のタグの後にセット内の最初のタグが続くとみなされ、これについては、9つのタグが(及び9つの周波数も)セット内に含まれる一例を図10Aに示す。このように、どの2つの連続した隣接するタグの間で材料ロールが切断されても、そのようなループから、製造されたおむつの実際のタグのセットを決定することができる。したがって、このようなループから、対応する周波数の実際のセット(たとえば、共振周波数)を決定することができる。そうすることによって、おむつ中のタグ間や周波数間の隣接関係が決定され得、おむつの飽和状態、すなわち濡れているとみなされるいくつかの領域が連続し、隣接しているかを決定するのに有効である。
【0056】
図10に移ると、本開示の実施例により、例示的なおむつ10がベッド30上に置かれている。本開示のおむつが、たとえば椅子など他の機器又は他のものとともに使用されることも可能であり、これは本開示の範囲内であるとみなされるものとすることに留意されたい。
【0057】
ベッド30は送信機32と受信機34とを備える。本実施例では、送信機32と受信機34とはベッド30に埋め込まれているが、他の可能な実施例は本開示の範囲内であるとみなされる。図10では、送信機32と受信機34とは、おむつ10に対して反対側に配置されるように図示される。この配置は例示のみを目的としており、送信機32と受信機34とは、おむつ10中のタグ18が、送信機32から送信されたタグ18のそれぞれの専用周波数に同調された信号と共振し、タグ18のそれぞれの専用周波数の信号を受信機34に送り返すこと(タグがそのように設計されている場合)、送信機32から送信されたタグ18のそれぞれの専用周波数の無線信号を受信機34に向けて中継若しくは反射すること(タグがそれらのそれぞれの専用周波数に同調された信号を中継又は反射するように設計されている場合)、又は、送信機32から送信された、さもなければ受信機34によって受信されるであろう、タグのそれぞれの専用周波数の無線信号を吸収若しくは妨害すること(タグがそれらのそれぞれの専用周波数に同調された信号を吸収又は妨害するように設計されている場合)が可能になる、おむつ10(特にタグ18)に対する任意の配置で置かれ得、たとえば、送信機32と受信機34はおむつ10に対して同じ側、たとえば、両方とも左側又は両方とも右側に配置され得ることに留意されたい。
【0058】
無線信号36が送信機32からタグ18の専用周波数28で発信される。今はまだ排尿や排便がないため、タグ18はいかなる液体とも接触しておらず、したがって構成された通りに動作する。すなわち、液体不浸透性層16上に印刷されたタグが特定の周波数に設定された電波を中継又は反射するように設計されている場合、図10に示すように、タグ18は周波数28の無線信号36を受信機34に向けて中継又は反射する。或いは、液体不浸透性層16上に印刷されたタグが、特定の周波数に設定された電波を吸収又は妨害するように設計されている場合、図面には示していないが、タグ18はいかなる液体にも接触していないとき、無線信号36を吸収又は妨害する。同様に、液体不浸透性層16上に印刷されたタグが、タグのそれぞれの周波数で共振し、信号を送り返すように設計されている場合、同じく図面に示していないが、タグ18は周波数28の信号36と共振し、信号38を送り返す。送信機と受信機とおむつを直接接触させる必要はない。図10及び以下から理解することができるように、液体の存在を検知し、監視するプロセスは、無線且つ遠隔で行われる。この処理を、おむつ10の中に印刷されたすべてのタグ18に繰り返す。詳細については次の図で与えられる。
【0059】
図11では、液体40がおむつ10の中で放出されて拡がる。図11上に見えるタグ18は、この時点で液体40と接触しており、これが、タグ18が設計又は構成された通りに動作することを止める。すなわち、送信機32が周波数28の信号36を発信すると、タグ18は、周波数28に設定された電波を中継又は反射するように設計されていれば、タグの液体40との接触により信号36を受信機34に向けて中継又は反射しないため、したがって受信機34は、図11に示すように周波数28の無線信号36を受信することができない。或いは、液体不浸透性層16上に印刷されたタグが、特定の周波数に設定された電波を吸収又は妨害するように設計されている場合、タグ18はそれの液体との接触により無線信号36を吸収又は妨害せず、したがって受信機34は、図面に示さないが、周波数28の無線信号36を受信する。同様に、液体不浸透性層16上に印刷されたタグが、タグのそれぞれの専用周波数に同調された信号と共振し、送り返すように設計されている場合、タグ18はそれの液体との接触によりタグの周波数の無線信号36と共振せず、したがって信号38を送り返さず、結果として、受信機34は、図面には示さないが、周波数28の無線信号38を受信しない。受信機34上のタグ18の周波数における無線信号の不在(図11に示すように、タグが無線信号を中継若しくは反射する、又は図面に示さないが、信号に共振し、送り返すように設計されている場合)又は存在(図面に示さないが、マーカが無線信号を吸収又は妨害するように設計されている場合)は、液体がタグ18に達し、吸収層がおむつ10の中の当該タグ位置に対応する飽和のレベルに達していることを示す。
【0060】
図12に移ると、本開示の実施例による例示的なおむつ10が備えられたベッド30上に配置されている。送信機32は、予め設定された周波数28に同調された複数の信号36を送信する。特定の周波数28に同調された信号36が、特定の周波数28の信号を中継若しくは反射する(図12に示す)か、吸収若しくは妨害する(図示せず)か、又は共振する(図示せず)ように設計された対応するタグ18に到着すると、タグ18が乾燥している場合、そのタグ18は、特定の周波数28に同調された信号36(図示せず)を中継若しくは反射する(図12に示す)か、吸収若しくは妨害する(図示せず)か、又はその特定の周波数28で共振して信号38を送り返し(図示せず)、したがって、特定の周波数28に同調された信号36/38は、受信機34で受信され(図12に図示)、又は受信されない(図示せず)ことになる。
【0061】
図13に移ると、液体40がおむつ10中に放出されている。また、送信機32は、予め設定された周波数28に同調された複数の信号36を発信する。おむつ10の末端に向かって位置するタグ18は、液体と接触しておらず、したがって、依然として設計又は構成された通りに動作することが可能であり、すなわち、タグのそれぞれの周波数28の信号36を中継若しくは反射する(図13に示す)か、吸収若しくは妨害する(図示せず)か、又は信号36と共振して同じ周波数28の信号38を送り返し(図示せず)、したがって受信機34は、当該信号36/38を依然として受信し(図示通り)、又は受信しない(図示せず)。しかし、いくつかのタグ18は、液体40のプールに捕捉されていることを理解することができる。液体40の存在により、これらのタグ18は、設計又は構成された通りに動作することができない。図13に示すように、タグが特定の周波数の信号を中継又は反射するように設計される実施例では、液体40のプールに捕捉されたタグは、これ以上受信機34に向かって信号36を中継又は反射することができない。空白の領域39は、受信機34が受信するはずであった中断された信号が存在しない、これらの「無信号円錐域」を視覚的に表現する。液体がおむつ10中にさらに拡がると、より多くのタグ18が液体に曝され、設計又は構成された通りに動作しなくなり、たとえば信号36を中継又は反射又は共振しなくなる(又は吸収若しくは妨害しなくなる)ことを図13で理解することができる。その結果、受信機34は、送信機32によって送信された、出て行く信号36よりも少ない信号36/38を受信するか(タグが中継、又は反射、又は共振して送り返すように設計されている場合)、又は予想よりも多くの信号36を受信することになる(タグが吸収又は妨害するように設計されている場合)。各タグはそれの独自の周波数28を有するので、1つのタグ18(たとえばおむつ10の中央に位置する)からの信号と、別のタグ18(たとえばおむつ10の末端に位置する)からの信号との間を識別することができる。したがって、受信機34によって受信された周波数と、周波数の対応するタグ18のそれぞれの位置とに基づいて、おむつ中の液体の進行と、おむつを交換しなければならないまでの飽和レベルを監視することが可能である。
【0062】
一実例として、タグがそれらのそれぞれの特定の周波数の信号を中継又は反射するように設計されている図13に示す実施例では、最初の排尿40-1について、タグ18-5のみが液体に接触し、したがって、そのタグ18-5に関連付けされた周波数の信号36のみが受信機34において不在であり、これは、おむつ10が既に濡れているが交換のためには十分に飽和していないことを意味する。次いで、2回目の排尿40-2の後、タグ18-5及び18-6がともに液体に接触し、したがって、タグ18-5に関連付けられた周波数とタグ18-6に関連付けられた周波数の両方の信号36が受信機34において不在であり、これは、おむつ10がより多く濡れているがまだ交換のためには十分に飽和していないことを示す。第3の排尿40-3の後、タグ18-4、18-5、18-6及び18-7はすべて液体に接触し、したがって、図13に示すように、これら4つのタグに関連付けられたすべての周波数の信号36は受信機34において不在である。4つの周波数における4つの信号36の不在は、おむつ10を交換するための指示とみなされ得る。上記より、受信機34において欠落した周波数に基づいておむつの飽和状態を監視することが可能であることが理解され得る。
【0063】
無線信号は、おむつ装着者の身体によって遮断され得ることが理解される。したがって、受信機における信号の欠落は、無傷のタグの正常な動作(タグが専用周波数に同調された信号を吸収又は妨害するように構成されている場合)又は液体に接触したタグの故障(タグが専用周波数に同調された信号と共振して再送信、又は中継、又は反射するように構成されている場合)ではなく、身体による遮断に起因する可能性がある。
【0064】
身体の遮断による潜在的な悪影響のいずれかを回避するために、本開示の実施例では、おむつ中のタグのいずれかについて、送信機からの少なくとも1つの信号経路と受信機への少なくとも1つの信号経路とが確実に身体によって遮断されないようにする方法で、送信機と受信機の1対よりも多くの対がおむつ装着者の周囲に展開される。おむつ装着者の周囲に展開された1対よりも多くの対は、身体による遮断の結果、何らかの信号が欠落しても正しい決定を行うように、互いに情報を共有、たとえば、互いに通信するように構成され得る。
【0065】
図14は、本開示の実施例による濡れ検知システムの概略図であり、3つのトランシーバ51、52及び53が、ベッドに横たわるおむつ装着者の下半身(特に、おむつ)の周囲に展開される。図示するように、トランシーバ51及び52は、おむつ装着者の下半身の上及び下に(たとえば、装着者によって装着されたおむつの真上及び真下に)展開され、トランシーバ53は、ベッドの上面でアラインメントされ、おむつ装着者の足の方に向けて(特に、装着者によって装着されたおむつの下側に向けて)展開される。これら3つのトランシーバ51、52、及び53が全体として、おむつ装着者の身体による遮断や中断なしに、おむつ中のタグのいずれかに/から信号を送信/受信することができることが理解される。
【0066】
一実例として、図14に示すように、9つのタグ18、すなわち18-1、18-2、・・・、18-9はおむつ装着者が装着するおむつ中に設けられ、3つのトランシーバ51、52、及び53はおむつの周囲に展開される。図14において、トランシーバ51とタグ18-6、18-7、18-8、及び18-9との間の信号経路、トランシーバ52とタグ18-1、18-2、18-3、及び18-4との間の信号経路、並びにトランシーバ53とタグ18-1、18-2、18-8、及び18-9との間の信号経路がおむつ装着者の身体により遮断されることを一実例として示す。最悪の場合、これらの遮断された信号経路の信号は完全に遮断されるため、対応するタグが液体に接触しているか否かにかかわらず、トランシーバ51はタグ18-6、18-7、18-8、及び18-9のいずれからも信号を受信せず、トランシーバ52はタグ18-1、18-2、18-3、及び18-4のいずれかの信号を受信せず、トランシーバ53はタグ18-1、18-2、18-8、及び18-9のいずれかの信号を受信しないことになる。したがって、これら3つのトランシーバの各々は、個々に独立して動作すると、液体の存在を決定する際に誤った結論に到達し得る。しかし、3つのトランシーバが互いに情報を共有すれば、トランシーバは正しい結論に到達することになる。
【0067】
装着者がおむつを装着するとき、おむつは装着者の脚の間で押しつぶされ、その結果、おむつ中にいくつかの折り目が生じ、これがおむつ中のいくつかのタグの故障を引き起こし得る。装着者は、おむつの起き得る滑り落ちを回避するために常にできる限りおむつを引き上げ、それがまた任意の横方向の折り目を避けるので、一般に折り目はおむつの長さ14に沿っていることに留意されたい。長さ方向の折り目からの悪影響を排除又は軽減するために、本開示の実施例により、タグの複数(たとえば3つ又は4つ)の縦列が、おむつの長さ14に沿っておむつ中に設けられる。おむつ中に複数の縦列のタグがあると、脚の間のおむつのひだやそれによって生じる折り目があっても、各横列(すなわち、幅15に沿って)中の少なくとも1つのタグは通常通り機能し、その横列での液体の存在又は不在を示すことになる。
【0068】
たとえば、図15に示すような実施例では、おむつのひだ又は折り目がタグ18-40、18-41、18-51、18-52、18-60、及び18-62の故障をもたらすが、タグ18-42、18-50、及び18-61は依然として通常通りに機能する、すなわち、無傷のときにはタグのそれぞれ専用周波数に同調された信号と共鳴又は中継又は反射又は吸収又は妨害し、液体と接触したときにはそうしたことを行わない。したがって、ひだや折り目があっても、受信機における信号に基づき、それぞれの横列に液体が存在するか否か決定することがなおも可能であり、すなわち、横列にあるすべてのタグが構成又は設計通りに動作しない場合にのみ、その横列が濡れていると決定されることになる。そして、複数(たとえば4、5、又は6)の連続する(隣接した)横列のタグがすべて構成又は設計通りに動作しない場合にのみ、おむつが飽和状態であり、したがって交換が必要であると決定され得る。
【0069】
一実例として、ある横列のすべてのタグは同じ周波数に関連付けられ、タグの異なる横列は異なる周波数に関連付けられ、この場合、横列の対応する周波数に同調された信号に応答する期待される信号動作が受信機で欠落したときのみ、その横列は濡れていると決定されることになる。図15Aは、本開示の実施例による3つの縦列のタグ18を有するおむつの概略図であり、横列中の3つのタグはすべて同じ周波数と関連付けられ、異なる横列は異なる周波数と関連付けられる。
【0070】
或いは、ノイズに対する耐性を高めるために、おむつ中のタグの周波数はよりランダムにされ得る。たとえば、少なくともおむつのある領域では、すべてのタグの周波数が異なる。その領域では、横1列中のすべてのタグの周波数が互いに異なる。また、上述のように、タグの印刷手順を容易にするために、縦1列中のタグの周波数は連続している、すなわち、昇順又は降順のどちらかであることが実用的である。図15Bは、本開示の実施例による、タグ18の3つの縦列を有するおむつの概略図であり、おむつ中のすべてのタグは異なる周波数と関連付けられている。
【0071】
本開示の別の実施例では、タグは、液体不浸透性層(内側又は外側のいずれか)の側面全体に、たとえば、すべてのタグ(すなわち周波数)が互いに異なる10×20アレイで印刷される。図15Cは、タグの10×20アレイがおむつ中に設けられた本開示の実施例による、排尿後の受信機における信号分布図である。図15Cにおいて、影がつけられた領域は構成又は設計通りに動作しないタグに対応し、影がない領域は依然として設定又は設計通りに動作するタグに対応する。前述のように、タグの正常な動作(すなわち、構成又は設計通りの動作)は、液体と接触していないことの指示とみなされ、タグが構成又は設計通りに動作しない故障は、タグの液体との接触によって生じた可能性がある。しかしながら、おむつ中の折り目が、無傷のタグ(すなわち、液体と接触していないタグ)が構成又は設計通りに動作することを妨げている可能性もある。したがって、おむつ中の液体含有領域の決定のためには、折り目によって生じた影がつけられた領域がフィルタ除去されなければならない。一実例として、このフィルタ演算は、画像処理アルゴリズムに基づいて行われ得る。特に、一般におむつ中で放出された液体は、そのおむつ中を伝播又は拡散して円形又は楕円形の領域を形成するので、円形又は楕円形の領域を構成しない影がつけられた領域はすべて折り目によるものとみなされ得、フィルタ除去される。
【0072】
本出願の実施例によれば、たとえば図15Cに示すように、タグが液体不浸透性層の側面全体に印刷されたおむつについて、測定される対象は、受信機における信号が、構成又は設計通りに機能しているタグの予め決定された数を示す場合にのみ、その飽和度が決定されるべきおむつであると考えられ、それ以外の場合は、測定がおむつ以外の対象で実行されたものとみなされ、したがって、破棄される。これは、実際には、たとえば図15Cに示すような10×20アレイのすべてのタグが液体と接触することは不可能であり、特にそれらの最も外側のタグがそうであるためである。一実例として、4つの縦方向に最外の横列(図15Cに示すように、各端に2つずつ、すなわち上側横2列と下側横2列)及び2つの横方向に最外の縦列(図15Cに示すように、各端に1つずつ、すなわち最左の縦1列と最右の縦1列)のタグの通常の動作は、測定対象が飽和を決定すべきおむつであることを示すために使用される。
【0073】
上述及び図面に示したようなタグの配列は例示のみを目的としており、本開示の技術的解決策は、他の配列で使用され得ることに留意されたい。たとえば、本開示のいくつかの実施例では、複数の横列と複数の縦列とを有するアレイの代わりに、タグは、2セットの交叉するグループを含む行列に配列され得、これでも同じ効果を達成することができる。
【0074】
本開示の実施例のいくつかを以下に要約する。
【0075】
実施例1では、排泄監視システムを製造するためのプロセスが提供され、本プロセスは、
液体不浸透性材料ロール上に、各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを配列で設けるステップと、
液体不浸透性材料ロールの長さに沿って、そのロールの全長にわたって、複数のRFタグを設ける当該ステップを繰り返すステップと、
RFタグにとって非決定的な方法で、液体不浸透性材料ロールを、各区間にほぼ同じ複数のRFタグを含むように、予め決定された長さの区間に切断するステップと、
区間のうちの1つを用いて排泄監視システムを構成するステップとを含み、
RFタグの排泄された流体との接触が、対応する周波数の信号に対する、そのRFタグによる応答を変化させる。
【0076】
実施例2では、実施例1によるプロセスについて、切断するステップは、各区間に、配列でない複数のRFタグを含むように実行される。
【0077】
実施例3では、実施例1によるプロセスについて、切断するステップは、各区間に、配列で複数のRFタグを含むように実行される。
【0078】
実施例4では、先のいずれかの実施例によるプロセスについて、複数のRFタグが順序通りに配列され、排泄監視システムは、RFタグにとって非決定的な方法で液体不浸透性材料ロールを区間に切断するステップによって生じるRFタグの連続番号の潜在的不連続性を考慮に入れてRFタグの連続番号を使用することによって、排泄を監視する。
【0079】
実施例5では、先のいずれかの実施例によるプロセスについて、排泄監視システムは、RFタグからの応答とRFタグのそれぞれの位置とに基づいて排泄を監視する。
【0080】
実施例6では、先のいずれかの実施例によるプロセスについて、複数のRFタグを設けるステップは、複数のRFタグを液体不浸透性材料ロール上に印刷することによって実行される。
【0081】
実施例7では、先の各実施例のいずれかによるプロセスについて、配列は予め決定された長さであり、液体不浸透性材料ロール上に設けられた配列は互いに重なり合わない。
【0082】
実施例8では、排泄を監視するためのRFタグを設けるためのプロセスが提供され、本プロセスは、
液体不浸透性材料上に第1の導電層を印刷することであって、第1のプレートが印刷され、第1のプレートに接続される第1の端子を有する第1の導線が螺旋状に印刷される、第1の導電層を印刷することと、
第1の導電層上に第2の絶縁層を印刷することであって、第1のプレート上に第1の絶縁部分が印刷され、第2の絶縁部分がその第1の絶縁部分から第1の導線の第2の端子に向かって第2の端子と第1の導線の少なくとも一部とが露出されて印刷される、第2の絶縁層を印刷することと、
第2の絶縁層上に第3の導電層を印刷することであって、第1のプレートに対向して第1の絶縁部分上に第2のプレートが印刷され、第2の絶縁部分上に第2の導線が印刷されて、第2のプレートを第1の導線の第2の端子に接続する、第3の導電層を印刷することとを含み、
RFタグはある周波数の信号に応答するように構成され、RFタグの任意の露出した部分の排泄された流体との接触が、その周波数の信号に対する、RFタグによる応答を変化させる。
【0083】
実施例9では、実施例1~7のいずれかによるプロセスを用いて製造される排泄監視システムが提供され、本システムは、各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを備え、排泄が、RFタグのそれぞれの周波数の信号に対する、排泄された流体によって汚染されたRFタグによる応答を変化させる。
【0084】
実施例10では、実施例9による排泄監視システムについて、排泄監視システムは、RFタグからの応答とRFタグのそれぞれの位置とに基づいて、排泄を監視する。
【0085】
実施例11では、実施例9~10のいずれかによる排泄監視システムを用いた排泄を監視するための方法が提供され、本方法は、
複数のRFタグの各々に、RFタグのそれぞれの周波数の信号を送信することと、
信号に対する複数のRFタグの各々による応答を決定することと、
複数のRFタグの応答から、排泄された流体によって1つ又は複数のRFタグが汚染されているかどうか、及び/又は、どのRFタグが汚染されているかを決定することとを含む。
【0086】
実施例12では、実施例11による方法は、
汚染されたRFタグと1つ又は複数のRFタグのそれぞれの位置とに基づいて、排泄された流体の量を決定することをさらに含む。
【0087】
実施例13では、各々が異なる公称周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを有する排泄監視システムを使用することによって排泄を検知するための方法が提供され、RFタグの排泄された流体との接触は、対応する公称周波数の信号に対する、そのRFタグによる応答を変化させ、本方法は、
複数のRFタグの公称周波数を包含する範囲にわたって掃引周波数を送信することと、
複数のRFタグから応答を受信することであって、RFタグからの期待される応答が、タグの公称周波数に近似するか又は一致するタグの実際の周波数である、受信することと、
複数のRFタグの数と、複数のRFタグからそれぞれの実際の周波数で受信した応答の数とを比較することによって、排泄を決定することとを含む。
【0088】
実施例14では、実施例13による方法は、
応答の実際の周波数と1つのRFタグの公称周波数との間の近似又は一致に基づいて、応答を複数のRFタグの1つに関連付けることと、
実際の周波数がそのRFタグの公称周波数に近似するか又は一致する応答が存在しないとき、RFタグが排泄された流体と接触していると決定することとをさらに含む。
【0089】
実施例15では、各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを順序通りに有する排泄監視システムを使用することによって排泄を検知するための方法が提供され、RFタグの排泄された流体との接触が、対応する周波数の信号に対する、そのRFタグによる応答を変化させ、本方法は、
複数のRFタグの各々に対して、対応する周波数の信号を送信し、そのRFタグから応答を受信することと、
応答が構成された通りの期待された応答と異なる故障した1つ又は複数のRFタグを決定することと、
故障したRFタグに基づいて排泄を検知することとを含む。
【0090】
実施例16では、各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを順序通りに有する排泄監視システムを使用することによって排泄を検知するための方法が提供され、RFタグの排泄された流体との接触が、対応する周波数の信号に対する、そのRFタグによる応答を変化させ、本方法は、
複数のRFタグの各々に対して、信号を送信し、そのRFタグから応答を受信することと、
複数のRFタグからの応答とRFタグの連続番号とを使用することによって排泄を決定することであって、排泄監視システムの製造中にRFタグにとって非決定的な方法で切断することによって生じるRFタグの連続番号の潜在的不連続性を考慮に入れて、排泄を決定することとを含む。
【0091】
実施例17では、各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグをアレイで有する排泄監視システムを使用することによって排泄を検知するための方法が提供され、RFタグの排泄された流体との接触が、対応する周波数の信号に対する、そのRFタグによる応答を変化させ、アレイは複数の横列と複数の縦列とを有し、本方法は、
複数のRFタグの各々に対して、対応する周波数の信号を送信し、そのRFタグから応答を受信することと、
応答が構成された通りの期待された応答と異なる故障した1つ又は複数のRFタグを決定することと、
故障したRFタグすべての面積を考慮することによって、故障したRFタグのうちのいくつかを、排泄監視システムの長さ方向の折り目又は曲がりに起因するものと決定することと、
残りの故障したRFタグに基づいて排泄を検知することとを含む。
【0092】
実施例18では、2セットの交叉するグループを含む行列で複数のRFタグを有する排泄監視システムを使用することによって排泄を検知するための方法が提供され、2セットのうちの1つのRFタグの各グループは異なる周波数の信号に応答するように構成され、RFタグの排泄された流体との接触は、対応する周波数の信号に対する、そのRFタグによる応答を変化させ、本方法は、
2セットのうちの1つのRFタグの各グループに対して、対応する周波数の信号を送信し、そのグループのRFタグから応答を受信することと、
2セットのうちの1つのRFタグのグループは、そのグループ中のすべてのRFタグが対応する周波数の信号に対して構成された通りに応答しないとき、排泄された流体と接触していると決定することとを含む。
【0093】
実施例19では、複数の横列と複数の縦列とを有するアレイで複数のRFタグを有する排泄監視システムを使用することによって排泄を検知するための方法が提供され、RFタグの各横列は、異なる周波数の信号に応答するように構成され、RFタグの排泄された流体との接触は、対応する周波数の信号に対する、そのRFタグによる応答を変化させ、本方法は、
各横列のRFタグに対して、対応する周波数の信号を送信し、その横列のRFタグから応答を受信することと、
横列のRFタグは、その横列のすべてのRFタグが対応する周波数の信号に対して構成された通りに応答しないとき、排泄された流体と接触していると決定することとを含む。
【0094】
実施例20では、おむつ中の排泄を検知するためのシステムが提供され、本システムは、
各々が異なる周波数の信号に応答するように構成された複数のRFタグを有するおむつであって、RFタグの排泄された流体との接触は、対応する周波数の信号に対する、そのRFタグによる応答を変化させる、おむつと、
各々が、複数のRFタグの各々に対して、対応する周波数の信号を送信し、そのRFタグから応答を受信するように構成された複数の検知手段とを備え、
動作中、おむつ中の複数のRFタグの各々について、複数の検知手段によって送信された対応する周波数の対応する信号のうちの少なくとも1つがそのRFタグに到着し、そのRFタグからの応答が複数の検知手段のうちの少なくとも1つによって受信されるように、おむつがおむつ装着者に装着されるとき、複数の検知手段がおむつの周囲に配備され、
複数の検知手段は、排泄が検知されたことに基づいて、複数のRFタグからの応答について互いに通信する。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図9B
図10
図10A
図11
図12
図13
図14
図15
図15A
図15B
図15C
【国際調査報告】