(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】電子ビームを用いた極紫外線光源装置
(51)【国際特許分類】
H01J 63/08 20060101AFI20230420BHJP
H01J 35/00 20060101ALI20230420BHJP
H01J 35/06 20060101ALI20230420BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20230420BHJP
H05H 1/24 20060101ALI20230420BHJP
H05G 2/00 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
H01J63/08
H01J35/00 Z
H01J35/06 B
G03F7/20 503
G03F7/20 521
H05H1/24
H05G2/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555071
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(85)【翻訳文提出日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 KR2021003021
(87)【国際公開番号】W WO2021182887
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0031395
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513311848
【氏名又は名称】慶熙大學校産學協力團
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY-INDUSTRY CO OPERATION GROUP OF KYUNG HEE UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】1732, DEOGYEONG-DAERO,GIHEUNG-GU, YONGIN-SI, GYEONGGI-DO, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】パク,キュ・チャン
【テーマコード(参考)】
2G084
2H197
4C092
【Fターム(参考)】
2G084AA11
2G084BB23
2G084BB35
2G084BB37
2G084CC27
2H197CA10
2H197GA01
2H197GA03
4C092AA05
4C092AA15
4C092AB27
4C092AC09
(57)【要約】
極紫外線光源装置は、内部を真空に保持する放電チャンバと、放電チャンバの内部に位置し、電子ビームを生成する電子ビーム放出部と、放電チャンバの内部に位置し、電子ビームによってイオン化される金属放射体とを含む。金属放射体から発生したプラズマで極紫外線放射が行われる。電子ビーム放出部は、カソード電極と、カソード電極上に位置し、カーボン系物質を含む複数のエミッタと、複数のエミッタと距離をおいて複数のエミッタ上に位置し、パルス電圧が印加されるゲート電極とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を真空に保持する放電チャンバと、
前記放電チャンバの内部に位置し、電子ビームを生成する電子ビーム放出部と、
前記放電チャンバの内部に位置し、前記電子ビームによってイオン化される金属放射体とを含み、
前記金属放射体から発生したプラズマで極紫外線放射が行われ、
前記電子ビーム放出部は、カソード電極と、カソード電極上に位置し、カーボン系物質を含む複数のエミッタと、複数のエミッタと距離をおいて複数のエミッタ上に位置し、パルス電圧が印加されるゲート電極とを含む極紫外線光源装置。
【請求項2】
前記複数のエミッタは、先の尖ったエミッタチップから構成され、カーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の極紫外線光源装置。
【請求項3】
前記ゲート電極のうち前記複数のエミッタと向かい合う部分は、金属網または多孔板から構成され、
前記複数のエミッタの周囲に前記カソード電極と前記ゲート電極との間に前記複数のエミッタそれぞれの高さより大きい厚さを有する絶縁層が位置する、請求項2に記載の極紫外線光源装置。
【請求項4】
前記電子ビーム放出部は、前記ゲート電極と距離をおいて前記ゲート電極上に位置し、電子ビーム通過のための開口を具備したアノード電極をさらに含み、
前記アノード電極には10kV以上の電圧が印加される、請求項1に記載の極紫外線光源装置。
【請求項5】
前記電子ビーム放出部は、前記ゲート電極と前記アノード電極との間に位置し、マイナス電圧が印加される少なくとも1つの集束電極をさらに含む、請求項4に記載の極紫外線光源装置。
【請求項6】
前記集束電極は、第1集束電極と、前記第1集束電極より前記アノード電極により近く位置する第2集束電極とを含む、請求項5に記載の極紫外線光源装置。
【請求項7】
前記第1および第2集束電極は、それぞれの開口を具備し、
前記第2集束電極の開口は、前記第1集束電極の開口より小さく、
前記アノード電極の開口は、前記第2集束電極の開口より小さい、請求項6に記載の極紫外線光源装置。
【請求項8】
前記カソード電極と前記複数のエミッタおよび前記ゲート電極が電子ビームモジュールを構成し、
前記電子ビーム放出部は、回転板をさらに含み、
前記回転板上に複数の電子ビームモジュールが互いに距離をおいて円をなして配置される、請求項4に記載の極紫外線光源装置。
【請求項9】
前記複数の電子ビームモジュールのいずれか1つの電子ビームモジュールが前記アノード電極の開口と向かい合うように整列され、前記回転板の回転時、他の1つの電子ビームモジュールが前記アノード電極の開口と向かい合うように整列される、請求項8に記載の極紫外線光源装置。
【請求項10】
前記金属放射体は、注入装置によって前記プラズマ領域に落下するスズ液滴と、回転体から構成された固体スズとのいずれか1つからなる、請求項1~9のいずれか1項に記載の極紫外線光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビームを用いた極紫外線光源装置に関し、より詳しくは、大面積化に有利な極紫外線光源装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
極紫外線(EUV、extreme ultraviolet)は、X線と深紫外線(DUV、deep ultraviolet)領域との間である約10nmから100nmに至る波長帯域の電磁波である。最近、リソグラフィまたはナノスケールイメージングのような極紫外線領域を扱う応用分野のために、コンパクトな極紫外線光源の開発に多くの努力が集中している。
【0003】
例えば、半導体製造のためのナノメートルサイズの微細パターン工程に極紫外線リソグラフィ装置が用いられている。現在、極紫外線リソグラフィ装置は、高出力のレーザをベースとし、完全に輸入に依存している。このような極紫外線リソグラフィ装置は、非常に高価で、内部構造が複雑であり、大きな体積を占めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、内部構造が単純で、コンパクトな大きさを有し、製造費用を低減できる極紫外線光源装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例による極紫外線光源装置は、内部を真空に保持する放電チャンバと、放電チャンバの内部に位置し、電子ビームを生成する電子ビーム放出部と、放電チャンバの内部に位置し、電子ビームによってイオン化される金属放射体とを含む。金属放射体から発生したプラズマで極紫外線放射が行われる。電子ビーム放出部は、カソード電極と、カソード電極上に位置し、カーボン系物質を含む複数のエミッタと、複数のエミッタと距離をおいて複数のエミッタ上に位置し、パルス電圧が印加されるゲート電極とを含む。
【0006】
複数のエミッタは、先の尖ったエミッタチップから構成され、カーボンナノチューブを含むことができる。ゲート電極のうち複数のエミッタと向かい合う部分は、金属網または多孔板から構成され、複数のエミッタの周囲にカソード電極と支持体との間に複数のエミッタそれぞれの高さより大きい厚さを有する絶縁層が位置することができる。
【0007】
電子ビーム放出部は、ゲート電極と距離をおいてゲート電極上に位置し、電子ビーム通過のための開口を具備したアノード電極をさらに含むことができる。アノード電極には10kV以上の電圧が印加される。
【0008】
電子ビーム放出部は、マイナス電圧が印加される少なくとも1つの集束電極をさらに含むことができる。集束電極は、ゲート電極とアノード電極との間に位置することができる。
【0009】
集束電極は、第1集束電極と、第1集束電極よりアノード電極により近く位置する第2集束電極とを含むことができる。第1および第2集束電極は、それぞれの開口を具備することができる。第2集束電極の開口は、第1集束電極の開口より小さく、アノード電極の開口は、第2集束電極の開口より小さい。
【0010】
カソード電極と複数のエミッタおよびゲート電極が電子ビームモジュールを構成することができる。電子ビーム放出部は、回転板をさらに含むことができ、回転板上に複数の電子ビームモジュールが互いに距離をおいて円をなして配置される。
【0011】
複数の電子ビームモジュールのいずれか1つの電子ビームモジュールがアノード電極の開口と向かい合うように整列され、回転板の回転時、他の1つの電子ビームモジュールがアノード電極の開口と向かい合うように整列される。
【0012】
金属放射体は、注入装置によってプラズマ領域に落下するスズ液滴と、回転体から構成された固体スズとのいずれか1つからなってもよい。
【発明の効果】
【0013】
実施例による極紫外線光源装置は、レーザ装置の代わりに、カーボン系エミッタベースの電子ビーム放出部を備えることにより、内部構造を単純化し、コンパクトな大きさを有し、製造費用を低減することができる。実施例による極紫外線光源装置は、半導体製造のための微細パターン工程においてリソグラフィ装置として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施例による極紫外線光源装置の構成図である。
【
図2】
図1に示した極紫外線光源装置のうち電子ビーム放出部の拡大図である。
【
図3】本発明の第2実施例による極紫外線光源装置の構成図である。
【
図4】
図3に示した極紫外線光源装置のうち電子ビーム放出部の斜視図である。
【
図5】本発明の第3実施例による極紫外線光源装置の構成図である。
【
図6】本発明の第4実施例による極紫外線光源装置のうち電子ビーム放出部の斜視図である。
【
図7】本発明の第4実施例による極紫外線光源装置のうち電子ビーム放出部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0016】
図1は、本発明の第1実施例による極紫外線光源装置の構成図であり、
図2は、
図1に示した極紫外線光源装置のうち電子ビーム放出部の拡大図である。
【0017】
図1を参照すれば、第1実施例の極紫外線光源装置100は、放電チャンバ10と、放電チャンバ10の内部に位置する電子ビーム放出部20および金属放射体30とを含む。電子ビーム放出部20は、レーザベースではない、電界によって電子を放出するカーボン系エミッタをベースとする。
【0018】
放電チャンバ10は、内部を真空に保持し、金属放射体30をイオン化してプラズマを発生させ、これを保持する。放電チャンバ10の内部空間のうちプラズマの保持される領域を、便宜上、プラズマ領域という。
【0019】
金属放射体30は、電子ビームによって加熱されてイオン化され、金属放射体30を取り囲むプラズマ領域で極紫外線放射が行われる。すなわち、金属放射体30から発生したプラズマが極紫外線を生成する光源として機能する。金属放射体30は、リチウム(Li)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、およびアルミニウム(Al)のいずれか1つの金属、またはこれら金属の混合物を含むことができる。
【0020】
金属放射体30は、スズ液滴であってもよいし、放電チャンバ10にはスズ液滴を落下させる注入装置40が設けられる。注入装置40は、予め設定された体積のスズ液滴を予め設定された時間周期に応じて落下させる構成からなってもよい。
【0021】
電子ビーム放出部20は、放電チャンバ10の内部に位置し、金属放射体30の側面から金属放射体30に向けて電子ビームを照射することができる。電子ビーム放出部20は、カソード電極21と、カソード電極21上に位置する複数のエミッタ22と、複数のエミッタ22と距離をおいて複数のエミッタ22上に位置するゲート電極23と、ゲート電極23と距離をおいてゲート電極23上に位置するアノード電極24とを含む。
【0022】
複数のエミッタ22は、先の尖ったエミッタチップから構成されるか、平らなエミッタ層から構成されてもよい。
図1と
図2に前者の場合を例として示した。複数のエミッタ22は、カーボン系物質、例えば、カーボンナノチューブを含むことができる。
【0023】
ゲート電極23のうち複数のエミッタ22と向かい合う部分は、金属網または多孔板形状に構成される。金属網は、薄い金属線が互いに距離をおいて網(net)形状に織り込まれた構成であり、多孔板は、金属板に複数の開口が形成された構成である。ゲート電極23は、金属線間の空間または複数の開口を通して電子ビームを通過させる。
【0024】
複数のエミッタ22の周囲にカソード電極21とゲート電極23との間には、図示しない絶縁層(または絶縁スペーサ)が位置することができる。この時、絶縁層の厚さは、複数のエミッタ22それぞれの高さより大きく作製されて、ゲート電極23が複数のエミッタ22と接触しないようにする。ゲート電極23は、絶縁層によってカソード電極21および複数のエミッタ22と絶縁状態を保持することができる。
【0025】
アノード電極24は、電子ビーム通過のための開口241が形成された金属板から構成される。開口241の中央は、複数のエミッタ22の中央およびゲート電極23の中央と一致することができる。エミッタ22とゲート電極23との間の距離は、ゲート電極23とアノード電極24との間の距離より小さい。
【0026】
カソード電極21は接地可能であり、ゲート電極23にはパルス電圧が印加され、アノード電極24には10kV以上の高電圧が印加される。すると、カソード電極21とゲート電極23との電圧差によって複数のエミッタ22の周囲に電界が形成され、この電界によって複数のエミッタ22から電子ビームが放出され、放出された電子ビームはアノード電極24の高電圧に導かれて加速される。
【0027】
この時、ゲート電極23のパルス電圧は、高い周波数または低いパルス幅を有する電圧であって、例えば、100kHz以上の高周波数特性を有することができる。このようなパルス電圧は、電子ビームの高速スイッチングを可能にし、駆動電力を低下させる効果につながる。
【0028】
アノード電極24に向けて加速された電子ビームのうちアノード電極24の開口241を通過した電子ビームが金属放射体30に照射されて金属放射体30を加熱する。加熱によってイオン化された金属放射体30から発生したプラズマで極紫外線放射が行われ、極紫外線は放電チャンバ10の出力開口11を通して放電チャンバ10の外部に出力される。
【0029】
この時、アノード電極24と金属放射体30との間には、出力開口11に向けて極紫外線を集光する反射鏡12が位置することができる。反射鏡12は、電子ビーム通過のための開口を具備し、金属放射体30に向けて凹んだ反射面を含む。反射鏡12は、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)が交互に多層に積み重なったものを用いることができる。
【0030】
第1実施例の極紫外線光源装置100は、レーザ装置の代わりに、前述した電子ビーム放出部20を備えることにより、内部構造を単純化し、コンパクトな大きさを有し、製造費用を低減することができる。第1実施例の極紫外線光源装置100は、半導体製造のための微細パターン工程においてリソグラフィ装置として使用できる。
【0031】
図3は、本発明の第2実施例による極紫外線光源装置の構成図であり、
図4は、
図3に示した極紫外線光源装置のうち電子ビーム放出部の斜視図である。
【0032】
図3と
図4を参照すれば、第2実施例の極紫外線光源装置101において、電子ビーム放出部20の一部は、回転式で構成される。例えば、カソード電極21と複数のエミッタ22およびゲート電極23が電子ビームモジュール50を構成し、複数の電子ビームモジュール50が回転板51上で互いに距離をおいて円をなして配列される。
【0033】
電子ビーム放出部20は、回転板51と、回転板51に固定された回転軸52と、回転軸52に結合されて回転軸52を回転させる駆動部53とを含むことができる。回転板51は、円板であってもよいし、駆動部53は、ステップモータから構成されるが、このような例示に限定されない。回転軸52の一部と駆動部53は、放電チャンバ10の外部に位置することができる。
【0034】
回転軸52は、アノード電極24の開口241と垂直方向にずれており、複数の電子ビームモジュール50のいずれか1つの電子ビームモジュール50がアノード電極24の開口241と向かい合うように整列される。アノード電極24と向かい合うように整列された電子ビームモジュール50が一定時間使用後に寿命が尽きると、駆動部53が回転板51を回転させて、他の電子ビームモジュール50がアノード電極24と向かい合うようにする。
【0035】
このように回転板51上に複数の電子ビームモジュール50を配置し、回転板51を回転させることにより、電子ビームモジュール50を1つずつ順次に用いることができる。この場合、電子ビーム放出部20の取替周期が伸びて保守を簡素化することができ、放電チャンバ10の寿命も増大させることができる。
【0036】
第2実施例の極紫外線光源装置101は、電子ビーム放出部20が回転式で構成されることを除き、前述した第1実施例と同一または類似の構成からなる。
【0037】
図5は、本発明の第3実施例による極紫外線光源装置の構成図である。
【0038】
図5を参照すれば、第3実施例の極紫外線光源装置102において、放電チャンバ10は、円筒形状であってもよい。金属放射体30は、固体スズを含むことができ、回転体から構成される。回転体から構成された金属放射体30は、使用寿命が長くて取替周期を伸ばすのに効果的であり、スズ液滴を落下させる注入装置に比べて構成が極めて単純である。
【0039】
電子ビーム放出部20は、金属放射体30に向けて電子ビームを照射して金属放射体30をイオン化することができ、金属放射体30を取り囲むプラズマ領域で極紫外線放射が行われる。金属放射体30を中心として金属放射体30の一側に出力開口11が位置することができ、反対側に反射鏡13が位置することができる。反射鏡13は、出力開口11に向けて極紫外線を反射させて出力開口11を透過する極紫外線の強度を高める。
【0040】
第3実施例の極紫外線光源装置102は、放電チャンバ10の形状と金属放射体30の構成を除き、前述した第1実施例と同一または類似の構成からなる。
【0041】
図6と
図7は、それぞれ本発明の第4実施例による極紫外線光源装置のうち電子ビーム放出部の斜視図と断面図である。
【0042】
図6と
図7を参照すれば、第4実施例の極紫外線光源装置において、電子ビーム放出部20は、ゲート電極23とアノード電極24との間に位置する少なくとも1つの集束電極をさらに含む。集束電極は、ゲート電極23上に位置する第1集束電極26と、第1集束電極26上に位置する第2集束電極27とを含むことができる。
【0043】
ゲート電極23は、複数のエミッタ22に対応する金属網231と、金属網231の端に固定されて金属網231を支持する支持体232とを含むことができる。そして、複数のエミッタ22の周囲にカソード電極21と支持体232との間に第1絶縁層251が位置することができる。
【0044】
第2絶縁層252がゲート電極23と第1集束電極26との間に位置して、ゲート電極23と第1集束電極26とを絶縁させることができ、第3絶縁層253が第1集束電極26と第2集束電極27との間に位置して、第1集束電極26と第2集束電極27とを絶縁させることができる。そして、第4絶縁層254が第2集束電極27とアノード電極24との間に位置して、第2集束電極27とアノード電極24とを絶縁させることができる。
【0045】
第2絶縁層252、第1集束電極26、第3絶縁層253、第2集束電極27、および第4絶縁層254は、電子ビーム通過のためのそれぞれの開口を具備する。第2絶縁層252と第3絶縁層253および第4絶縁層254の開口は、同じ大きさに形成される。
【0046】
第1集束電極26の開口261の直径は、ゲート電極23の金属網231より小さい大きさであってもよく、第2集束電極27の開口271の直径は、第1集束電極26の開口261の直径より小さい。アノード電極24の開口241の直径は、第2集束電極27の開口271の直径より小さい。すなわち、第1集束電極26、第2集束電極27、アノード電極24の順に小さい大きさの開口を具備することができる。
【0047】
第1および第2集束電極26、27にはマイナス(-)電圧が印加される。すると、ゲート電極23の金属網231を通過した電子ビームが、第1集束電極26の開口261と第2集束電極27の開口271を順次に経て、第1および第2集束電極26、27が加える斥力によって集束される。
【0048】
第1および第2集束電極26、27を備えた電子ビーム放出部20は、電子ビームを集束して金属放射体30に到達する電子ビームの大きさを減少させることができ、その結果、金属残渣(Debris)の生成を低減して金属放射体30の使用寿命を伸ばすことができる。
【0049】
第4実施例の極紫外線光源装置は、電子ビーム放出部20の構成を除き、前述した第1実施例および第3実施例のいずれか1つの実施例と同一または類似の構成からなる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の実施例による極紫外線光源装置は、レーザ装置の代わりに、カーボン系エミッタベースの電子ビーム放出部を備えることにより、内部構造を単純化し、コンパクトな大きさを有し、製造費用を低減することができる。本発明の実施例による極紫外線光源装置は、半導体製造のための微細パターン工程においてリソグラフィ装置として使用できる。
【符号の説明】
【0052】
100、101、102 極紫外線光源装置
10 放電チャンバ
11 出力開口
12、13 反射鏡
20 電子ビーム放出部
21 カソード電極
22 エミッタ
23 ゲート電極
24 アノード電極
26 第1集束電極
27 第2集束電極
30 金属放射体
40 注入装置
50 電子ビームモジュール
51 回転板
52 回転軸
53 駆動部
【国際調査報告】