(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】アブレーション器具のためのランプアップ機能
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20230420BHJP
A61N 5/02 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
A61B18/18 100
A61N5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555109
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 US2021022108
(87)【国際公開番号】W WO2021183888
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518312426
【氏名又は名称】バイオコンパティブルズ ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、イアン
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー、ケビン エル.
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジ
(72)【発明者】
【氏名】グラナータ、アリサ
(72)【発明者】
【氏名】コンディ、キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】コールマン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】モセソフ、オレグ
【テーマコード(参考)】
4C082
4C160
【Fターム(参考)】
4C082MA01
4C082MC05
4C082MG01
4C082MG10
4C082ML03
4C160JK03
4C160JK10
4C160MM32
(57)【要約】
本発明の態様は、組織アブレーションシステムを含む装置、システム及び方法に関する。組織アブレーションシステムは、アブレーション器具と、アブレーションジェネレータと、コントローラとを備え、コントローラは、アブレーションジェネレータに、アブレーション器具に第一の電力レベルを供給させ、アブレーションジェネレータに、アブレーション器具に第一の電力レベルよりも高い第二の電力レベルを供給させるように構成されており、アブレーションジェネレータによってアブレーション器具に供給される電力は、第一の電力レベルから第二の電力レベルに調整され、電力を第一の電力レベルから第二の電力レベルに調整することは、アブレーションジェネレータに、アブレーション器具から複数の中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の中間電力レベルを供給させることを含み、中間電力レベルの各々は、第一の電力レベルと第二の電力レベルとの間である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織アブレーションシステムであって、
標的部位にエネルギーを供給するアブレーション器具と、
前記アブレーション器具に電力を供給するアブレーション発生器と、
前記アブレーション発生器と通信するコントローラであって、前記コントローラは、前記アブレーション発生器に、第一の時点で前記アブレーション器具に第一の電力レベルを供給させ、且つ前記アブレーション発生器に、第二の時点で前記アブレーション器具に第二の電力レベルを供給させ、前記第二の電力レベルは、前記第一の電力レベルより高く、前記第二の時点は、前記第一の時点の後である、コントローラと
を備え、
前記アブレーション発生器によって前記アブレーション器具に供給される前記電力は、前記第一の時点と前記第二の時点との間で前記第一の電力レベルから前記第二の電力レベルに調整され、前記電力を前記第一の電力レベルから前記第二の電力レベルに調整することは、前記アブレーション発生器に、前記アブレーション器具から前記標的部位に複数の中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の中間電力レベルを供給させることを含んでおり、前記中間電力レベルの各々は、前記第一の電力レベルと前記第二の電力レベルとの間であり、各連続する中間電力レベルは、先行する中間電力レベルを上回る、
組織アブレーションシステム。
【請求項2】
前記アブレーション発生器は、前記中間電力レベルの各々における電力を予め定められた時間にわたって供給するように構成される、請求項1に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項3】
前記複数の個別の中間電力レベルは、ステップアップ機能を使用して増大される、請求項1又は2に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項4】
前記第一の電力レベルは、20W~60Wであり、
前記第二の電力レベルは、70W~150Wである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項5】
前記第一の時点と前記第二の時点との間の時間は、40秒~100秒である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項6】
各中間電力レベルは、先行する中間電力レベルを1W~10W上回る、請求項1~5のいずれか一項に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項7】
前記アブレーション器具のための冷却剤システムをさらに含み、前記冷却剤システムは、
前記アブレーション器具の遠位端部分を囲む冷却剤チャンバと、
冷却剤を前記冷却剤チャンバに供給する冷却剤入口と、
前記冷却剤を前記冷却剤チャンバから排出する冷却剤出口と、
前記冷却剤を前記冷却剤チャンバに供給する1つ以上のポンプと
を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項8】
アブレーション処置に関する情報を提供するディスプレイと、
ユーザインタフェースと
をさらに備え、
前記コントローラは、前記ディスプレイ及び前記ユーザインタフェースと通信し、且つ
前記ユーザインタフェースから、全アブレーション時間、全アブレーションエネルギー及びアブレーション領域の寸法の少なくとも1つを含む入力を受け取り、
受け取られた前記入力に基づいてアブレーション処置パラメータを特定し、且つ
前記アブレーション発生器に、前記アブレーション処置パラメータに基づいてアブレーション電力を前記アブレーション器具にさせる請求項1~7のいずれか一項に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項9】
前記ユーザインタフェースは、前記アブレーション処置中、前記アブレーション処置パラメータに関する入力を受け取る請求項8に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項10】
前記アブレーション処置中の受け取られた前記入力は、前記全アブレーション時間を増加させるための入力及び前記アブレーション処置を終了させるための入力の少なくとも一方を含む、請求項9に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項11】
前記アブレーション処置中の受け取られた前記入力は、前記アブレーション電力の前記電力レベルを調整するための入力を含む、請求項9に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項12】
前記ディスプレイは、前記アブレーション処置の持続時間、全エネルギーのうちの送達されるパーセント、前記アブレーション電力の現在の電力レベル及び経時的な前記アブレーションエネルギーの電力レベルの少なくとも1つを表示する請求項8に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項13】
前記標的部位にエネルギーを供給する第二のアブレーション器具をさらに含み、
前記アブレーション発生器は、前記第二のアブレーション器具に電力を供給し、前記コントローラは、
前記アブレーション発生器に、第三の時点で前記第二のアブレーション器具に前記第二のアブレーション器具から前記標的部位に第三のレベルのエネルギーを送達することに対応する第三の電力レベルを供給させ、
前記アブレーション発生器に、第四の時点で前記アブレーション器具に前記第二のアブレーション器具から前記標的部位に第四のレベルのエネルギーを送達することに対応する第四の電力レベルを供給させ、前記第四の電力レベルは、前記第三の電力レベルより高く、及び前記第四の時点は、前記第三の時点の後であり、
前記アブレーション発生器によって前記第二のアブレーション器具に供給される前記電力は、前記第三の時点と前記第四の時点との間で前記第三の電力レベルから前記第四の電力レベルに調整され、前記電力を前記第三の電力レベルから前記第四の電力レベルに調整することは、前記アブレーションジェネレータに、前記第二のアブレーション器具から前記標的部位に複数の第二のアブレーション器具中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の第二のアブレーション器具中間電力レベルを供給させることを含み、前記第二のアブレーション器具中間電力レベルの各々は、前記第三の電力レベルと前記第四の電力レベルとの間であり、各連続する第二のアブレーション器具中間電力レベルは、先行する第二のアブレーション器具中間電力レベルを上回っており、
前記アブレーションジェネレータは、前記中間電力レベル及び前記第二のアブレーション器具中間電力レベルの各々における電力を所定の時間にわたって供給する、
請求項1~12のいずれか一項に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項14】
前記第一の電力レベルは、前記第三の電力レベルと同じであり、前記第二の電力レベルは、前記第四の電力レベルと同じである、請求項13に記載の組織アブレーションシステム。
【請求項15】
前記第一の時点と前記第三の時点とは、ほぼ同じであり、前記第二の時点と前記第四の時点とは、ほぼ同じである、請求項13に記載の組織アブレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織アブレーション器具及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
癌等の病気の治療において、特定の種類の組織は、高温で変性することが分かっている。この種の治療は、一般に温熱療法として知られており、一般には電磁放射を利用して、癌組織を60℃より高い温度まで加熱する一方、健康な組織を、不可逆的細胞破壊が起こらないより低温に維持する。マイクロ波アブレーションは、電磁放射を用いて組織を加熱するこのような治療の1つである。
【0003】
マイクロ波組織アブレーションは、外科的切除より侵襲性の低い処置であり、腫瘍を外科的に切除することが難しい多くの状況、例えば腫瘍が比較的小さい、又は比較的小さい器官に近い位置にある、又は大きい血管に近い位置にある場合であり得る。この手法は、前立腺、心臓及び肝臓等、腫瘍の外科的切除の施行が困難であり得る器官に使用されている。
【0004】
処置を有効に計画し、最適化するために、アブレーション器具は、予測可能な大きさ及び形状のアブレーション容積を作り出すことが望ましい。この理由から、規則的な形状の予測可能なアブレーション容積が好ましく、球形又はほぼ球形のアブレーション容積を生成することが特に好ましい。予測可能な大きさ及び形状のアブレーション容積を生じさせるアブレーション器具により、外科的処置が容易となり、望ましくない医学的合併症が低減される。
【0005】
マイクロ波組織アブレーションに関連して考え得る望ましくない合併症の1つは、水蒸気ポケットの発生であり、これは、組織の細胞内に見られる水がマイクロ波アブレーションによって加熱されて気化し、水蒸気になると形成される。組織内に生じた水蒸気が十分になると、水蒸気ポケットが破裂することがある。水蒸気ポケットの破裂は、一般に、スチームポップと呼ばれ、患者にとって不快であり、他の合併症の原因にもなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例1において、組織アブレーションシステムは、標的部位にエネルギーを付与するように構成されたアブレーション器具と、アブレーション器具に電力を付与するように構成されたアブレーションジェネレータと、アブレーションジェネレータと通信するコントローラであって、アブレーションジェネレータに、第一の時点でアブレーション器具に第一の電力レベルを供給させ、アブレーションジェネレータに、第二の時点でアブレーション器具に第二の電力レベルを供給させるように構成されており、第二の電力レベルは第一の電力レベルより高く、第二の時点は第一の時点の後である、コントローラとを含み、アブレーションジェネレータによってアブレーション器具に付与される電力は、第一の時点と第二の時点との間で第一の電力レベルから第二の電力レベルに調整され、電力を第一の電力レベルから第二の電力レベルに調整することは、アブレーションジェネレータに、アブレーション器具から標的部位に複数の中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の中間電力レベルを付与させることを含み、各中間電力レベルは、第一の電力レベルと第二の電力レベルとの間であり、連続する各中間電力レベルは、先行する中間電力レベルを上回る。
【0007】
実施例2では、実施例1の組織アブレーションシステムにおいて、アブレーションジェネレータは、中間電力レベルの各々における電力を所定の時間にわたって付与するように構成される。
【0008】
実施例3では、実施例1又は2の組織アブレーションシステムにおいて、複数の個別の中間電力レベルは、ステップアップ機能を使用して増大される。
実施例4では、実施例1~3のいずれかの組織アブレーションシステムにおいて、第一の電力レベルは、20W~60Wであり、第二の電力レベルは、70W~150Wである。
【0009】
実施例5では、実施例1~4のいずれかの組織アブレーションシステムにおいて、第一の時点と第二の時点との間の時間は、40秒~100秒である。
実施例6では、実施例1~5のいずれかの組織アブレーションシステムにおいて、各中間電力レベルは、先行する中間電力レベルを1W~10W上回る。
【0010】
実施例7では、実施例1~6のいずれかの組織アブレーションシステムにおいて、アブレーション器具のための冷却剤システムをさらに含み、冷却剤システムは、アブレーション器具の遠位部分を囲む冷却剤チャンバと、冷却剤を冷却剤チャンバに供給するように構成された冷却剤入口と、冷却剤を冷却剤チャンバから排出するように構成された冷却剤出口と、冷却剤を冷却剤チャンバに供給するように構成された1つ以上のポンプとを含む。
【0011】
実施例8では、実施例1~7のいずれかの組織アブレーションシステムにおいて、アブレーション処置に関する情報を提供するように構成されたディスプレイと、ユーザインタフェースとをさらに含み、コントローラは、ディスプレイ及びユーザインタフェースと通信し、且つユーザインタフェースから、全アブレーション時間、全アブレーションエネルギー、及びアブレーション部位の寸法のうちの少なくとも1つを含む入力を受け取り、受け取られた入力に基づいてアブレーション処置パラメータを特定し、アブレーションジェネレータに、アブレーション処置パラメータに基づいてアブレーション電力をアブレーション器具に供給させるようにさらに構成される。
【0012】
実施例9では、実施例8の組織アブレーションシステムにおいて、ユーザインタフェースは、アブレーション処置中、アブレーション処置パラメータに関する入力を受け取るようにさらにさらに構成される。
【0013】
実施例10では、実施例9の組織アブレーションシステムにおいて、アブレーション処置中に受け取られた入力は、全アブレーション時間を増加させるための入力及びアブレーション処置を終了させるための入力の少なくとも一方を含む。
【0014】
実施例11では、実施例9の組織アブレーションシステムにおいて、アブレーション処置中の受け取られた入力は、アブレーション電力の電力レベルを調整するための入力を含む。
【0015】
実施例12では、実施例8の組織アブレーションシステムにおいて、ディスプレイは、アブレーション処置の持続時間、全エネルギーのうちの送達されるパーセント、アブレーション電力の現在の電力レベル及び経時的なアブレーションエネルギーの電力レベルの少なくとも1つを表示するようにさらに構成される。
【0016】
実施例13では、実施例1~12のいずれか1つの組織アブレーションシステムにおいて、標的部位にエネルギーを付与するように構成された第二のアブレーション器具をさらに含み、アブレーションジェネレータは、第二のアブレーション器具に電力を付与するように構成され、コントローラは、アブレーションジェネレータに、第三の時点で第二のアブレーション器具に、第二のアブレーション器具から標的部位に第三のレベルのエネルギーを送達することに対応する第三の電力レベルを供給させ、アブレーションジェネレータに、第四の時点でアブレーション器具に、第二のアブレーション器具から標的部位に第四のレベルのエネルギーを送達することに対応する第四の電力レベルを供給させ、第四の電力レベルは第三の電力レベルより高く、第四の時点が第三の時点の後である、ようにさらに構成されており、アブレーションジェネレータによって第二のアブレーション器具に付与される電力は、第三の時点と第四の時点との間で第三の電力レベルから第四の電力レベルに調整され、電力を第三の電力レベルから第四の電力レベルに調整することは、アブレーションジェネレータに、第二のアブレーション器具から標的部位に複数の第二のアブレーション器具中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の第二のアブレーション器具中間電力レベルを付与させることを含み、第二のアブレーション器具中間電力レベルの各々は、第三の電力レベルと第四の電力レベルとの間であり、各連続する第二のアブーション器具中間電力レベルは、先行する第二のアブレーション器具中間電力レベルを上回り、アブレーションジェネレータは、中間電力レベル及び第二のアブレーション器具中間電力レベルの各々における電力を所定の時間にわたって付与する。
【0017】
実施例14では、実施例13の組織アブレーションシステムにおいて、第一の電力レベルは、第三の電力レベルと同じであり、及び第二の電力レベルは、第四の電力レベルと同じである。
【0018】
実施例15では、実施例13の組織アブレーションシステムにおいて、第一の時点と第三の時点とは、ほぼ同じであり、及び第二の時点と第四の時点とは、ほぼ同じである。
実施例16では、組織アブレーションシステムは、標的部位にエネルギーを付与するように構成されたアブレーション器具と、アブレーション器具に電力を付与するように構成されたアブレーションジェネレータと、アブレーションジェネレータと通信するコントローラであって、アブレーションジェネレータに、第一の時点でアブレーション器具に第一の電力レベルを供給させ、アブレーションジェネレータに、第二の時点でアブレーション器具に第二の電力レベルを供給させ、第二の電力レベルは第一の電力レベルより高く、第二の時点は第一の時点の後である、ように構成されたコントローラとを含み、アブレーションジェネレータによってアブレーション器具に付与される電力は、第一の時点と第二の時点との間で第一の電力レベルから第二の電力レベルに調整され、電力を第一の電力レベルから第二の電力レベルに調整することは、アブレーションジェネレータに、アブレーション器具から標的部位に複数の中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の中間電力レベルを付与させることを含み、中間電力レベルの各々は、第一の電力レベルと第二の電力レベルとの間であり、各連続する中間電力レベルは、先行する中間電力レベルを上回っており、アブレーション器具は、中間電力レベルの各々における電力を所定の時間にわたって付与する。
【0019】
実施例17では、実施例16の組織アブレーションシステムにおいて、複数の個別の中間電力レベルは、ステップアップ機能を使用して増大される。
実施例18では、実施例17の組織アブレーションシステムにおいて、第一の電力レベルは、20W~60Wであり、及び第二の電力レベルは、70W~150Wである。
【0020】
実施例19では、実施例17の組織アブレーションシステムにおいて、第一の時点と第二の時点との間の時間は、40秒~100秒である。
実施例20では、実施例18の組織アブレーションシステムにおいて、各中間電力レベルは、先行する中間電力レベルを1W~10W上回る。
【0021】
実施例21では、実施例16の組織アブレーションシステムにおいて、アブレーション器具のための冷却剤システムをさらに含み、冷却剤システムは、アブレーション器具の遠位部分を囲む冷却剤チャンバと、冷却剤を冷却剤チャンバに供給するように構成された冷却剤入口と、冷却剤を冷却剤チャンバから排出するように構成された冷却剤出口と、冷却剤を冷却剤チャンバに供給するように構成された1つ以上のポンプとを含む。
【0022】
実施例22では、実施例16の組織アブレーションシステムにおいて、アブレーション処置に関する情報を提供するように構成されたディスプレイと、ユーザインタフェースとをさらに含み、コントローラは、ディスプレイ及びユーザインタフェースと通信するとともに、ユーザインタフェースから、全アブレーション時間、全アブレーションエネルギー及びアブレーション部位の寸法の少なくとも1つを含む入力を受け取り、受け取られた入力に基づいてアブレーション処置パラメータを特定し、アブレーションジェネレータに、アブレーション処置パラメータに基づいてアブレーション電力をアブレーション器具に供給させるようにさらに構成される。
【0023】
実施例23では、実施例22の組織アブレーションシステムにおいて、ユーザインタフェースは、アブレーション処置中、アブレーション処置パラメータに関する入力を受け取るようにさらに構成される。
【0024】
実施例24では、実施例23の組織アブレーションシステムにおいて、アブレーション処置中の受け取られた入力は、全アブレーション時間を増加させるための入力及びアブレーション処置を終了させるための入力の少なくとも一方をさらに含む。
【0025】
実施例25では、実施例23の組織アブレーションシステムにおいて、アブレーション処置中の受け取られた入力は、アブレーション電力の電力レベルを調整するための入力をさらに含む。
【0026】
実施例26では、実施例22の組織アブレーションシステムにおいて、ディスプレイは、アブレーション処置の持続時間、全エネルギーのうちの送達されるパーセント、アブレーション電力の現在の電力レベル及び経時的なアブレーションエネルギーの電力レベルの少なくとも1つを表示するようにさらに構成される。
【0027】
実施例27では、組織アブレーションシステムは、標的部位にエネルギーを付与するように構成された第一のアブレーション器具と、標的部位にエネルギーを付与するように構成された第二のアブレーション器具と、電力を第一のアブレーション器具と第二のアブレーション器具に付与するように構成されたアブレーションジェネレータと、アブレーションジェネレータと通信するコントローラであって、アブレーションジェネレータに、第一の時点で第一のアブレーション器具に第一の電力レベルを供給させることと、アブレーションジェネレータに、第二の時点でアブレーション器具に第二の電力レベルを供給させることであって、第二の電力レベルは、第一の電力レベルより高く、第二の時点は、第一の時点の後であることと、アブレーションジェネレータに、第三の時点で第二のアブレーション器具に第三の電力レベルを供給させることであって、第三の電力レベルは、第二のアブレーション器具から標的部位に第三のエネルギーレベルを送達することに対応することと、アブレーションジェネレータに、第四の時点でアブレーション器具に第四の電力レベルを供給させることであって、第四の電力レベルは、第二のアブレーション器具から標的部位に第四のエネルギーレベルを送達することに対応し、第四の電力レベルは、第三の電力レベルより高く、第四の時点は、第三の時点の後であることと、を行うように構成されたコントローラとを含み、アブレーションジェネレータによって第一のアブレーション器具に付与される電力は、第一の時点と第二の時点との間で第一の電力レベルから第二の電力レベルに調整され、電力を第一の電力レベルから第二の電力レベルに調整することは、アブレーションジェネレータに、第一のアブレーション器具から標的部位に複数の第一のアブレーション器具中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の第一のアブレーション器具中間電力レベルを付与させることを含み、第一のアブレーション器具中間電力レベルの各々は、第一の電力レベルと第二の電力レベルとの間であり、各連続する第一のアブレーション器具中間電力レベルは、先行する第一のアブレーション器具中間電力レベルを上回っており、アブレーションジェネレータによって第二のアブレーション器具に付与される電力は、第三の時点と第四の時点との間で第三の電力レベルから第四の電力レベルに調整され、電力を第三の電力レベルから第四の電力レベルに調整することは、アブレーションジェネレータに、第二のアブレーション器具から標的部位に複数の第二のアブレーション器具中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の第二のアブレーション器具中間電力レベルを付与させることを含み、第二のアブレーション器具中間電力レベルの各々は、第三の電力レベルと第四の電力レベルとの間であり、各連続する第二のアブレーション器具中間電力レベルは、先行する第二のアブレーション器具中間電力レベルを上回っており、アブレーションジェネレータは、第一のアブレーション器具中間電力レベル及び第二のアブレーション器具中間電力レベルの各々における電力を所定の時間にわたって付与する。
【0028】
実施例28では、実施例27の組織アブレーションシステムにおいて、第一の電力レベルは、第三の電力レベルと同じであり、及び第二の電力レベルは、第四の電力レベルと同じである。
【0029】
実施例29では、実施例27の組織アブレーションシステムにおいて、第一の時点と第三の時点とは、ほぼ同じであり、及び第二の時点と第四の時点とは、ほぼ同じである。
実施例30では、実施例27の組織アブレーションシステムにおいて、アブレーション処置に関する情報を提供するように構成されたディスプレイと、ユーザインタフェースとをさらに含み、コントローラは、ディスプレイ及びユーザインタフェースと通信し、ユーザインタフェースから、全アブレーション時間、全アブレーションエネルギー及びアブレーション部位の寸法の少なくとも1つを含む入力を受け取り、受け取られた入力に基づいてアブレーション処置パラメータを特定し、アブレーションジェネレータに、アブレーション処置パラメータに基づいてアブレーション電力を第一又は第二のアブレーション器具に供給させる、ように構成される。
【0030】
実施例31では、組織アブレーションの方法において、この方法は、第一の時点で第一の電力レベルのアブレーション電力を付与する工程ステップであって、第一の電力レベルは、アブレーション器具から標的部位に第一のエネルギーレベルを送達することに対応する、前記第一の時点で第一の電力レベルのアブレーション電力を付与する工程と、第二の時点で第二の電力レベルのアブレーション電力を付与する工程ステップであって、第二の電力レベルは、アブレーション器具から標的部位に第二のエネルギーレベルを送達することに対応し、第二の電力レベルは、第一の電力レベルより高く、第二の時点は、第一の時点の後である、前記第二の時点で第二の電力レベルのアブレーション電力を付与する工程と、第一の時点と第二の時点との間において、アブレーション器具から標的部位に複数の個別の中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の中間アブレーション電力レベルをアブレーション器具に付与する工程であって、中間電力レベルの各々は、アブレーション電力の第一のレベルとアブレーション電力の第二のレベルとの間であり、各連続する中間電力レベルは、先行する中間電力レベルを上回る、前記第一の時点と第二の時点との間において、アブレーション器具から標的部位に複数の個別の中間エネルギーレベルを送達することに対応する複数の個別の中間アブレーション電力レベルをアブレーション器具に付与する工程とを含む。
【0031】
実施例32では、実施例31の方法において、ユーザインタフェースから入力を受け取る工程であって、受け取られた入力は、全アブレーション時間、全アブレーションエネルギー及びアブレーション部位の寸法の少なくとも1つを含む、前記ユーザインタフェースから入力を受け取る工程と、受け取られた入力に基づいてアブレーション処置パラメータを特定する工程であって、アブレーション処置パラメータは、第三の時点を特定することを含み、第三の時点は、第二の時点の後である、前記受け取られた入力に基づいてアブレーション処置パラメータを特定する工程と、第二の時点と第三の時点との間において第二の電力レベルをアブレーション器具に付与する工程とをさらに含む。
【0032】
実施例33では、実施例32の方法において、第一の時点と第三の時点との間において入力を受け取る工程をさらに含み、第一の時点と第三の時点との間における受け取られた入力は、全アブレーション時間を増加させるための入力及びアブレーション処置を終了させるための入力の少なくとも1つを含む。
【0033】
実施例34では、実施例32の方法において、第一の時点と第三の時点との間において入力を受け取る工程さらに含み、第一の時点と第三の時点との間における受け取られた入力は、供給されるアブレーション電力レベルを調整するための入力を含む。
【0034】
実施例35では、実施例31の方法において、アブレーション処置中の送達されたエネルギーをディスプレイ上に表示する工程をさらに含む。
幾つかの実施形態が開示されているが、ここで開示される主題のさらに別の実施形態も、開示される主題の例示的な実施形態を図示し、説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかとなるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、限定的ではなく、例示的な性質とみなされるものとする。
【0035】
本発明の利点は、以下の詳細な説明により且つ添付の図面を参照して当業者に明らかとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1A】本発明の1つの実施形態にかかる、アブレーションプロセスを実行するためのシステムの要素を含むブロック図。
【
図1B】本発明の1つの実施形態にかかる、アブレーションプロセスを実行するためのアブレーション器具と接続するためのアブレーション器具インタフェースの動作を説明するブロック図。
【
図3】本発明の1つの実施形態にかかる、ハンドルを備えるマイクロ波組織アブレーション器具を示す斜視図。
【
図4A】本発明の1つの実施形態にかかるマイクロ波組織アブレーションシステム400を示す斜視図。
【
図4B】冷却機構の1つの実施形態を示す、線X-Yに沿った断面図。
【
図5】本発明の1つの実施形態にかかるマイクロ波組織アブレーション器具を示す側面図。
【
図6A】複数のマイクロ波アブレーションニードルの構成を示す平面図。
【
図6B】深さの配置が異なる複数のアブレーション器具を示す正面図。
【
図7】ステップアップモードを用いた例示的なアブレーション処置を示す図。
【
図8】デューティサイクリング式アブレーション器具の例示的シーケンスを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
マイクロ波組織アブレーション器具により作り出されるアブレーション領域の大きさと寸法は、幾つかの要素の中でも、マイクロ波アンテナの種類に基づく。臨床医は、標的組織の大きさと寸法より大きいアブレーション領域を生成できるマイクロ波アンテナを選択し、このマイクロ波アンテナを、そのマイクロ波アンテナにより作られるアブレーション領域が標的組織を含むように挿入し得る。アブレーション対象組織が器具により生成されるアブレーション容積の大きさより大きい場合、複数の器具が使用されて、アブレーション対象組織をカバーするようにアブレーション容積が組み合わせられ得る。本明細書で説明するマイクロ波組織アブレーション器具の実施形態は、テーリングの小さい予測可能な形状のアブレーション領域を作るために使用され、これはアブレーションの計画に役立つとともに、治療対象容積の外側にある組織への損傷を防止する。
【0038】
幾つかの実施形態において、本明細書で開示するアブレーション器具は、加熱により組織を壊死させるマイクロ波エネルギーの放出によりアブレーションを行うように構成されたマイクロ波アブレーション器具である。一般に、器具は、本明細書に記載されているもののようなマイクロ波アンテナを有するマイクロ波アブレーションニードルである。
【0039】
別の態様では、本発明は本明細書に記載のプローブ又はニードル等の1つ以上のマイクロ波アブレーション器具を含む、組織のマイクロ波アブレーションのためのシステムを提供する。マイクロ波アブレーション器具は、マイクロ波エネルギーを組織に伝送するように構成されたマイクロ波アンテナと、マイクロ波エネルギーをフィードラインを介してマイクロ波アンテナに供給するように構成されたマイクロ波発生器と、マイクロ波発生器をアブレーション器具のマイクロ波アンテナに接続し、マイクロ波発生器により付与されるマイクロ波エネルギーを組織のアブレーションのためにアンテナに送達するように構成された1つ以上のパワーケーブルと、を含む。
【0040】
本明細書に記載のもののようなアブレーション器具は、最大150ワットの電力で最大20分以上の期間にわたり動作するように構成できる。器具は使用中、アンテナの抵抗加熱及び組織から反射されるエネルギーによって熱を帯びるため、一般にフィードラインの先端部分及びアンテナを含む器具の少なくとも先端部分には冷却が必要となる。好ましくは、各種の実施形態において、フィードライン及びアンテナは全体的に冷却される。アンテナを冷却することにより、器具自体の損傷が防止され、アンテナに近い組織の過熱又は焼け焦げが防止される。これによって組織の物性、例えばエネルギー吸収及び反射特性が変化し、したがって、アンテナの効率が低下し、アブレーション領域が変化し得る。したがって、ある実施形態において、上記組織アブレーション器具は追加的に、アンテナ及び/又はフィードラインの少なくとも一部を冷却するための冷却システムを含み得る。このような冷却システムは一般に、冷却剤(例えば、水)等の冷却流体がフィードラインの少なくとも一部及びアンテナを通過するように構成される。一般に、このようなシステムは冷却剤入口と冷却剤出口を含み、これらは協働して、冷却剤がアンテナと、任意選択によりフィードラインの少なくとも一部を通過して、アンテナと、任意選択によりフィードラインの少なくとも一部、好ましくは全部を冷却するようにする。アンテナとフィードラインは一般に、冷却剤と接触する。
【0041】
1つの選択肢として、冷却システムは冷却剤チャンバを含み、冷却剤チャンバはアンテナ及びフィードラインの少なくとも先端部分を囲み且つ冷却剤を冷却剤チャンバに供給するように構成された冷却剤入口導管と、冷却剤を冷却剤チャンバから出すように構成された冷却剤出口導管を有し、冷却剤入口導管及び冷却剤出口導管は、冷却剤がフィードラインの少なくとも一部及びアンテナの少なくとも一部を通過するように構成される。
【0042】
図1Aは、本発明の一実施形態における、アブレーションプロセスを実行するためのシステムの要素を含むブロック図を示す。システムはコンソール102を含み、コンソール102はユーザインタフェース104、コントローラ106、及びアブレーション器具インタフェース108を含む。ある実施形態において、ユーザインタフェース104は情報をユーザに提示するためのディスプレイと、ユーザからの、例えば1つ以上のボタン、ダイヤル、スイッチ、又はその他の操作可能な要素を介した入力を受信するための入力デバイスを含む。ある実施形態において、ユーザインタフェース104は、ユーザインタフェース104のディスプレイと入力デバイスの両方として機能するタッチスクリーンディスプレイを含む。
【0043】
本発明のある態様によれば、コンソール102のアブレーション器具インタフェース108は、1つ以上のアブレーション器具に接続するように構成される。
図1Aの実施形態において、アブレーション器具インタフェース108は、3つのアブレーション器具120a、120b、120cにそれぞれライン110a、110b、110cを介して接続する。ある実施形態において、コンソール102は3つのアブレーション器具(120a、120b、120c)の1つ、2つ、又は全部と個別に、又は同時に接続できる。
図1Aの実施形態では3つのアブレーション器具が示されているが、本発明の様々な態様はそれ以外の数のアブレーション器具と接続できるアブレーション器具インタフェースを有するコンソールを含み得る。
【0044】
ある実施形態において、コンソールは1つのアブレーション器具と接続できるアブレーション器具インタフェースを含む。他の実施形態では、コンソールは2つのアブレーション器具と、3つのアブレーション器具と、4つのアブレーション器具と、又は5つのアブレーション器具に接続できるアブレーション器具インタフェースを含む。幾つかの例では、アブレーション器具インタフェースは任意の数のアブレーション器具と接続するように構成できる。
【0045】
本発明の特定の態様によれば、1つのコンソールを使って、アブレーション器具インタフェースにより支持されるアブレーション器具の数を上限として、任意の数のアブレーション器具を動作させることができる。例えば、3つのアブレーション器具を同時に受け入れることのできるアブレーション器具インタフェースを有するコンソールは、1つ、2つ、又は3つのアブレーション器具を動作させるように構成できる。
【0046】
ある実施形態において、ライン110a、110b、110cは、それぞれアブレーション器具120a、120b、120cに冷却剤(例えば、冷却剤源140から)及びアブレーション用電力(例えば、マイクロ波信号)を供給するように構成される。ライン110a、110b、110cは、冷却剤がそれぞれのアブレーション器具に供給されるための経路と、アブレーション器具内の冷却剤流路を通過した後それぞれのアブレーション器具からの冷却剤を受け入れるための戻り経路とを形成するように構成できる。
【0047】
本発明のある態様によれば、コントローラ106は、ユーザインタフェース104及びアブレーション器具インタフェース108に接続するように構成される。ある実施形態において、コントローラ106は、ユーザインタフェース104を介した1つ以上の入力を受け取り、ユーザインタフェース104を介して1つ以上の項目を出力するように構成できる。
【0048】
コントローラ106は、1つ以上のアブレーション器具(例えば、120a、120b、120c)の動作をアブレーション器具インタフェース108を介して制御するように構成できる。ある実施形態において、コントローラ106は、冷却剤がアブレーション器具インタフェース108を介して1つ以上のアブレーション器具に供給されるようにすることができる。コントローラ106は、アブレーション用電力が1つ以上のアブレーション器具に供給されて、アブレーション器具にアブレーションプロセスを実行させる。ある実施形態において、アブレーション器具に供給されるアブレーション用電力によって、マイクロ波アブレーション器具はマイクロ波放射を放出する。電源130は、アブレーション用電力を生成するために使用される電力を供給できる。
【0049】
ある例において、コントローラは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサにコントローラを介して実施させるための命令を記憶したメモリとを含む。本発明のいくつかの実施形態において、コントローラは、例えば1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジック回路等、単独又は任意の好ましい組合せの1つ以上のプロセッサとして実装される。コントローラはまた、実行されるとコントローラに本開示でコントローラに付与されている機能を実行させるプログラム命令及び関連データを記憶するメモリも含み得る。メモリは、任意の固定又はリムーバブル磁気、光、又は電気媒体も含み得て、これは、例えばRAM、ROM、CD-ROM、フラッシュメモリ、又はEEPROM等である。メモリはまた、メモリの更新を行うこと、又はメモリの容量を増大させることに使用され得るリムーバブルメモリ部分も含み得る。リムーバブルメモリにより、画像データを他のコンピューティングデバイスに容易に転送することもでき得る。コントローラはまた、コンピュータ又はその他の電子システムの幾つか又は全部の要素を1つのチップに統合するシステム・オン・チップとしても実装され得る。
【0050】
図1Bは、本発明の1つの実施形態による、アブレーションプロセスを実行するためのアブレーション器具に接続するアブレーション器具インタフェースの動作を例示するブロック図を示す。一例において、アブレーション器具インタフェース108は1つ以上の流体ポンプを含み、1つ以上の流体ポンプ(148a、148b、148c)の各々は、冷却剤をそれぞれのアブレーション器具に送出するように構成される。例えば、図のように、ポンプ148aは冷却剤源140と連通し、冷却剤をアブレーション器具(例えば、120a)に冷却剤ライン114aを介して供給するように構成できる。このようなポンプは、コントローラにより制御可能である。コントローラは、ポンプ(例えば、148a)からアブレーション器具(例えば、120a)に供給される流体の流量を制御するように構成でき、これにはポンプによる冷却剤のアブレーション器具への供給を開始させること及びポンプによる冷却剤のアブレーション器具への供給を停止させることが含まれる。
【0051】
図1Bの例では、アブレーション器具インタフェース108は、冷却剤をそれぞれのアブレーション器具に、それぞれ冷却剤ライン114a、114b、114cを介して供給するための3つのポンプ148a、148b、148cを含む。冷却剤ライン114a、114b、114cは、それぞれ
図1Aに示されるライン110a、110b、110cの中に含めることができる。ある実施形態において、各ポンプはコントローラにより、例えば他のポンプから独立して制御され、それによって何れのポンプも他のポンプの動作状態に関係なく動作できる。
【0052】
他の実施形態では、ポンプ148a、148b、148cの各々はコントローラにより制御される1つのモータにより駆動される蠕動ポンプを含む。幾つかのこのような例において、各ポンプはモータにより定められるものと同じ速度で動作し、冷却剤は冷却剤ライン114a、114b、114cを介して、接続されている何れのアブレーション器具にも流れる。コントローラは、モータのスピードを制御することにより、アブレーション器具内での冷却剤の流量を調整できる。
【0053】
幾つかの例において、アブレーション器具に提供される冷却剤は閉ループ再循環系で供給され、冷却剤はアブレーション器具から受け取られ、冷却剤源140へと戻される。ある実施形態において、冷却剤源140は冷却剤、例えば滅菌水の貯蔵部を含み、そこから冷却剤が引き出され、1つ以上のアブレーション器具に冷却剤ラインを介して送達され、そして、1つ以上のアブレーション器具から、冷却剤をアブレーション器具から外に出すように構成された冷却剤出口ラインを介して貯蔵部に戻される。幾つかの代替的な例では、冷却剤出口ラインは冷却剤をアブレーション器具から廃棄システムへと(例えば、ドレインへと)運び出す。
【0054】
図1Bのアブレーション器具インタフェースは、マイクロ波信号を生成して、マイクロ波信号を、マイクロ波エネルギーを組織へと伝送するように構成されたマイクロ波アブレーション器具内のマイクロ波アンテナに供給するマイクロ波発生器138を含む。マイクロ波信号をアブレーション器具に供給することは、アブレーション用電力をアブレーション器具に供給することを含むことができ、器具はマイクロ波放射を放出する。マイクロ波発生器138は、マイクロ波信号をパワーケーブルを介してアブレーション器具に供給できる。
図1Bの実施形態において、マイクロ波発生器138はマイクロ波信号を最大3つのアブレーション器具へとそれぞれパワーケーブル112a、112b、112cを介して供給できる。
【0055】
パワーケーブル112a、112b、112cは好ましくは同軸ケーブルであり、これらは好ましくは少なくとも30ワット、好ましくは少なくとも100ワット、好ましくは少なくとも150ワットの定格電力に設定される。ケーブルは、冷却剤供給によって、好ましくはケーブル冷却剤入口とケーブル冷却剤出口との間でケーブルに沿って冷却剤を循環させることによって冷却されるように構成された冷却ケーブルであり得る。幾つかの例において、冷却剤ライン114a~114cは、それぞれパワーケーブル112a~112cに沿って冷却剤を供給する。ある例示的な構成では、システムは冷却システムを含み、この冷却システムはケーブルとマイクロ波アブレーション器具の両方を冷却するように構成される。
【0056】
幾つかの例において、マイクロ波発生器は、好ましくは、915MHzバンド(902~928GHz)、2.45GHzバンド(2.402~2.483GHz)又は5.8GHzバンド(5.725~5.875GHz)の1つ以上、好ましくは2.45GHzバンド、最も好ましくは2.45GHz又は約2.45GHzのマイクロ波エネルギーをアンテナに供給するように構成される。マイクロ波発生器は、最大で5つのマイクロ波アブレーションプローブ、好ましくは1、2又は3つのプローブのアンテナにマイクロ波エネルギーを供給するように構成され得る。
【0057】
マイクロ波発生器138は、コントローラ106により規定されたマイクロ波信号を提供するように構成できる。例えば、例示的な実施形態において、コントローラ106はマイクロ波発生器138に対し、特定のマイクロ波信号を特定のアブレーション器具に提供するように命令することができる。コントローラは、特定のアブレーションの大きさ(例えば、所望のマイクロ波パワー及び/又はアブレーション器具から発せられるエネルギー等)、アブレーション持続期間、又はその他のパラメータ、例えばデューティサイクル、位相シフト、若しくはマイクロ波信号に関連するその他のパラメータを指定するように構成できる。幾つかの例において、マイクロ波信号は、アブレーション器具に送達される電力(例えば、90W)を含む。マイクロ波信号は、アブレーション器具に所望の特性を有するマイクロ波放射(例えば、周辺組織に対して放射されるマイクロ波パワー等)を発出させるための特性(例えば、電力、周波数等)を含む電気信号を含むことができる。電気信号は、所望のアブレーション用電力をマイクロ波アブレーション器具に提供することができる。
【0058】
ある実施形態において、コントローラ106はマイクロ波発生器138にマイクロ波信号を複数のアブレーション器具の各々に印加するように命令することができる。例えば、
図1Bに関して、コントローラは、パワーケーブル112aを介して第一のアブレーション器具に第一のマイクロ波信号を提供すること、パワーケーブル112bを介して第二のアブレーション器具に第二のマイクロ波信号を提供すること、およびパワーケーブル112cを介して第三のアブレーション器具に第三のマイクロ波信号を提供することを、マイクロ波発生器138に命令することができる。幾つかのこのような例において、マイクロ波発生器138は、このような第一、第二、及び第三のマイクロ波信号を同時に提供することができる。このような信号は、同じ信号とすることも、又は異なる信号とすることもできる。例えば、ある実施形態において、同程度のアブレーション用電力が第一、第二、及び第三のマイクロ波信号の各々により提供される。
【0059】
幾つかの例において、コントローラは以下のパラメータの1つ以上を制御するように構成され得、ここでパラメータとは、出力波長、出力電力、マイクロ波エネルギーがアンテナの1つ以上に送達される期間、エネルギーが出力電力で送達される期間である。アブレーション器具が温度センサ等のセンサを含む場合、コントローラは、センサからの信号(例えば、温度測定値)に応答してパラメータの任意の1つ以上を制御するように構成できる。例えば、コントローラは、温度が過剰な状態に応答してアンテナの1つ以上への電源をオフにするように構成され得る。
【0060】
図1Bではマイクロ波信号を複数のアブレーション器具に供給するように構成された1つのマイクロ波発生器138として実装されるように示されているが、幾つかの例では、アブレーション器具インタフェース108は複数のマイクロ波発生器を含むことができ、その各々がそれぞれのアブレーション器具に対応する。ある実施形態において、コントローラ106は複数のマイクロ波発生器に接続されて、複数のマイクロ波発生器にマイクロ波信号をそれぞれのパワーケーブル(例えば、112a、112b、112c)に印加させて、このようなマイクロ波信号がそれぞれのアブレーション器具に提供されるように構成できる。
【0061】
図1Bは、3つのライン110a、110b、110cがマイクロ波信号及び冷却剤を3つのアブレーション器具のそれぞれに同時に提供できる例示的な実施形態を示している。本発明の幾つかの態様では、マイクロ波信号と冷却剤は、例えば3つ未満のアブレーション器具がコンソール102に接続されている場合、ライン110a、110b、110cのうちの一部に供給されることも可能である。さらに、幾つかの態様において、マイクロ波信号及び冷却剤は、3つのアブレーション器具がコンソール102に接続されている場合でも、ライン110a、110b、110cのうちの一部に供給されることが可能である。例えば、このように接続された1つ以上のアブレーション器具は不使用の状態で維持することができる。
【0062】
ある実施形態において、コントローラ106はどのアブレーション器具(例えば、110a、110b、110cのうちのどのライン)がマイクロ波信号及び冷却剤を受け取るかを制御する。本発明のある態様において、コントローラ106はマイクロ波信号の態様、例えばマイクロ波信号の大きさ、周波数、デューティサイクル、持続時間などを制御できる。本発明の他の態様において、コントローラ106はアブレーション器具に冷却剤を供給する態様を制御することができ、例えば、それぞれのポンプの動作を制御することにより、冷却剤の流量を制御する。ある実施形態において、各アブレーション器具について、コントローラはアブレーション器具に印加されるマイクロ波信号の態様、および冷却剤をアブレーション器具に供給する態様を制御する。動作中、異なるアブレーション器具は各々、他のアブレーション器具で受け取られた信号及び流体に依存しないマイクロ波信号及びそのような量の冷却剤を受け取ることができ、他のアブレーション器具に供給されるマイクロ波信号及び流体量と同じとすることも又は異なることもできる。
【0063】
図1Bは3つのアブレーション器具に接続するアブレーション器具インタフェースを示しているが、異なる実施形態にかかるコンソールはそれ以外の数のアブレーション器具に接続することのできるアブレーション器具インタフェースを含むことができる。
【0064】
図1Bのブロック図は、アブレーション器具と接続する幾つかの要素を含むアブレーション器具インタフェース108を示しているが、アブレーション器具インタフェース108の一部であるように示されている要素は必ずしも1つのモジュール又はハウジング内に含められる必要はない。このような要素は、これらの要素によって、接続されているアブレーション器具のコントローラ106による制御が容易になるという点で、アブレーション器具インタフェースにまとめられる。
【0065】
追加的に、
図1Bはマイクロ波アブレーション器具に接続するアブレーション器具インタフェースを示しているが、同様のアブレーション器具インタフェースの概念は、コントローラと他のアブレーション器具、例えばRFアブレーション、又は冷凍アブレーション等との間の接続を形成するためにも使用できる。
【0066】
ある実施形態において、アブレーション器具インタフェースは、アブレーション器具の一部、例えば流体ライン(例えば、114a)に接続するための流体インタフェースやパワーケーブル(例えば、112a)に接続するための電気インタフェースを有するカートリッジを受け入れるように構成された1つ以上のポートを含む。
【0067】
図2は、本発明に係る冷却システムを示す簡略図である。システム201はアブレーション器具202を含む。この場合、マイクロ波アブレーション器具はマイクロ波アブレーションニードルを含み、マイクロ波アブレーションニードルはマイクロ波エネルギーを患者の組織に送達して組織をアブレーションするように構成される。
【0068】
マイクロ波アブレーション器具202は、組織を穿刺するように構成されたチップ203と、近位端部205と遠位端部206を有する長尺状のシャフトとを有する。シャフトは冷却剤チャンバ214と、内側導体、外側導体、及びそれらの間の誘電体(
図2では図示せず)を有する同軸ケーブルであり得るフィードライン207とを囲む。
図2のフィードラインは、遠位側に、マイクロ波アンテナ204を含む放射領域208を含む。フィードライン207の近位端部は、マイクロ波アブレーション器具202をマイクロ波発生器210に接続してマイクロ波エネルギーを器具に供給するためのケーブル209(一般に同軸ケーブル)に取り付けられる。ケーブルは、着脱自在に接続可能であってもよいし、又はこの場合のように、永久的に器具に取り付けられてもよい。幾つかの実施形態において、
図1A又は1Bに関して示したように、マイクロ波発生器210はコンソール、例えばコンソール102の中に格納される。
【0069】
器具には、器具冷却剤入口212に永久的に取り付けられ得る器具冷却剤供給ライン211を介して冷却剤が供給される。幾つかの実施形態では、器具冷却剤供給ラインは代替的に、例えばルアー(Luer)(登録商標)式のコネクタ等を介して冷却剤入口212に対して着脱自在に接続可能であってもよい。器具冷却剤入口212は器具冷却剤出口213と、器具内で冷却剤を循環させるように構成された一連の冷却剤通路214、215、及び216を介して連通する。この簡略図では、冷却剤は冷却剤入口管215を経て器具に入り、冷却剤チャンバ214内を通って循環して器具を冷却し、冷却剤出口管216及び器具冷却剤戻りライン217を通って出る。
【0070】
システム201には、冷却剤流体を冷却剤流体源219から冷却剤システム供給ライン220を介して受け入れるマニホルド218が備えられている。冷却剤システム供給ライン220は、マニホルド流体供給入口250でマニホルド218に対して永久的に接続されてもよいし、又は例えばルアーロック(LuerLok)(登録商標)コネクタによって供給入口250に対して着脱自在に接続されてもよい。冷却剤流体源は例えば、IVバッグであり得る。流入する冷却剤は、マニホルド流入導管222を介して、1つ以上のマニホルド出口ポート21に分配され得る。好ましい実施形態において、
図2に示すように、ポート221から出た冷却剤の流れはマニホルド出口バルブ223により制御され得る。このバルブは通常は閉鎖姿勢にある。幾つかの実施形態では、
図1A又は1Bに関して示したように、マニホルド218はコンソール、例えばコンソール102内に格納され得る。
【0071】
マニホルド218はまた、マニホルド冷却剤流出導管224を含み、マニホルド冷却剤流出導管224は1つ以上のマニホルド流体入口ポート225と冷却剤システム戻りライン226との間に流体接続を形成する。冷却剤システム戻りライン226はマニホルド流体戻り入口251においてマニホルド218に対して永久的に接続されてもよいし、又は、例えばルアーロック(LuerLok)(登録商標)コネクタによって供給入口250に対して着脱自在に接続可能でもあってもよい。設計のある態様において、マニホルド入口バルブ227は各入口ポートを通る流れを制御し、これも通常は閉鎖状態であり得る。
【0072】
供給カプリング229は、マニホルド出口ポート221に接続されるように構成される。システムは、戻りカプリング233も含み得、戻りカプリング233はマニホルド入口ポートに接続されるように構成されている。1つの態様において、マニホルド出口バルブ223は、供給カプリング229が接続されると開くように構成され得る。1つの方式では、供給カプリングは突出部230を含み、カプリング229がポート221に接続されるとバルブを開放させるが、本明細書の他の箇所で述べるように別の構成も可能である。
【0073】
供給カプリング229上の冷却剤回路冷却剤入口231は器具冷却剤供給ライン211と連通しているため、供給カプリング229を出口ポート221に接続すると、冷却回路232は冷却流体源219に連通する。
【0074】
戻りカプリング233は、器具冷却剤戻りライン217に連通する冷却剤回路出口234を有し得る。供給カプリング229及び戻りカプリング233は、それぞれマニホルド出口ポート221及び入口ポート225に対して同時に接続されるように構成できる。
【0075】
ポンピング部分235は、たとえば器具冷却回路232内に配置され、供給ライン211内に配置されて、冷却剤をマイクロ波アブレーション器具202内で循環させるように構成される。
図2に示すシステムにおいて、ポンプは、器具冷却剤供給ライン211内に永久的に接続され、且つポンプヘッドドライブ(図示せず)に接続されるようになされた、ポンプベーン237を有する使い捨てポンプヘッド236である。代替的なポンピング部分が使用されてもよく、本明細書の他の箇所において説明される。幾つかの実施形態において、
図1A又は1Bに関して示すように、ポンピング部分235はコンソール、例えばコンソール102の中に格納され得る。
【0076】
図3は、本発明の1つの実施形態に係る、ハンドル305を備えるマイクロ波組織アブレーション器具300を示す斜視図である。
マイクロ波組織アブレーション器具300はハンドル305を含む。ハンドル305は、外科医が組織アブレーション器具300を扱うためにより確実に握ることができるように構成される。ハンドル305はさらに、冷却剤循環のための液体マニホルドと、フィードラインに電源供給するための同軸コネクタとを格納するように構成される。
【0077】
マイクロ波組織アブレーション器具300は、プローブ307を含む。プローブ307は、患者の体内に挿入されて標的組織を加熱するように構成される。1つの実施形態において、プローブ307は、本明細書の他の箇所に記載されている各種のアブレーション器具要素、例えばフィードライン、非対称ダイポールアンテナ、流入管と流出管とを有する冷却システム等を含む。ある実施形態において、マイクロ波アンテナは、915MHzバンド(902~928MHz)、2.45GHzバンド(2.402~2.483GHz)及び/又は5.8GHzバンド(5.725~5.875GHz)から選択される周波数バンドのマイクロ波放射を発出するように構成される。好ましい波長は、2.45GHzバンド内にあり、特に、アンテナは、2.45GHz又は約2.45GHzのマイクロ波エネルギーを発出するように構成されることが好ましい。器具は、アンテナに供給される最大で150ワットの電力で動作するように構成される。
【0078】
プローブ307は表面315を含む。表面315は人体組織と接触するように構成され、生体適合材料によって形成される。器具のシャフトは少なくとも部分的に金属、例えばステンレス鋼であり、標識311、例えばレーザ標識を含む。標識311は、外科医に体内へのプローブの貫通深さを知らせるように構成される。これは、PTFE等の潤滑表面層を含み得、挿入を助けるとともに、ニードルの挿入又は抜去中に組織がニードルシャフトに付着することを防止する。
【0079】
シャフトは一般に円柱形であり、一般に生体適合ポリマ、生体適合複合材料、例えばガラス繊維強化ポリマ若しくは炭素繊維強化ポリマ、セラミック、又は金属(ステンレス鋼等)によって形成される。シャフトは好ましくは、セラミック又は金属で形成されるが、好ましい実施形態において、シャフトは金属部分と非金属部分を含む。非金属部分は生体適合複合材料、例えばガラス繊維強化ポリマ若しくは炭素繊維強化ポリマ、又はセラミックであり得るが、その性能と強度の高さからセラミックが好ましい。セラミックは好ましくは、アルミナ又はジルコニアセラミックである。
【0080】
シャフトは好ましくは、遠位側において器具キャップ内で終端する。シャフトは好ましくは円柱形である。フィードライン及びアンテナは好ましくは、器具シャフト内に配置される。器具シャフトは一般に、近位側ハブから延びて遠位方向に遠位側キャップ内で終端する。ハブはフィードライン等のシャフトの電気要素との電気接続部を含み、必要に応じて冷却剤入口接続部及び冷却材出口接続部も含み得る。
【0081】
シャフトの直径は限定されず、一般的に所期の目的に合うようになされ、例えばアブレーションニードルの場合、挿入時に生じる損傷を限定的にするとともに、位置決めの微細な制御を可能にする幅狭の針を有することが重要であり、その結果、ニードルシャフトの直径は1.4~3mm、好ましくは1.5~2.5mm、特には2~2.5mmである。
【0082】
図3のプローブ307はアプリケータキャップ330を含む。ある実施形態において、アプリケータキャップ330は生体適合金属又はセラミック、例えば好ましくはステンレス鋼又はセラミックによって形成される。アプリケータキャップ330は円形の基底部と遠位チップ(例えば、トロカールチップ)を含むことができる。アプリケータキャップ330のチップは、アプリケータキャップ330の遠位端部に配置され、組織を貫通するように構成された鋭利端を含むことができる。円形の基底部はプローブ307のシースによって密封されるように構成でき、それによってプローブ307の内部はプローブ307の外部から流体的に絶縁される。
【0083】
シャフトは、外面上に、超音波イメージングにおいて見えるように構成されたエコー発生領域をさらに含み得る。1つの実施形態において、この領域は音響的に反射するマイクロスフィアを含むコーティングを含む。エコー発生領域は、少なくともシャフトのうちアンテナの半径方向に外側の領域を覆うように延びる。
図3のプローブ307は、超音波イメージングにおいて見えるように構成されたエコー発生領域325を含み、1つの実施形態では、音響的に反射するマイクロスフィアを含有するコーティングを含む。
【0084】
シャフトが金属部分および非金属部分を含有する場合、金属部分と非金属部分が当接する、両部分間の接合部は脆弱である可能性のある部位であり得、特にこれは非金属部分がセラミックである場合に当てはまり、それはセラミックは一般に、ステンレス鋼等の金属より柔軟性が低く、より脆いからである。したがって、シャフトは追加的に、この部分と金属部分との間に、使用時にプローブシャフトの非金属(例えば、セラミック)部分と金属部分との間の接合部に弾性を付与するように構成された弾性要素含むことが好ましい。
【0085】
プローブ307は、使用中に誘導される、例えばシャフトが曲がることにより生じるプローブ上の歪を軽減するように構成された領域320をさらに含む。この歪軽減領域は、プローブシースの遠位部分がセラミックである場合に特に有益である。歪軽減領域320は、プローブ307の柔軟性をさらに高めて、医療的作業中のプローブ307の破損を回避するように構成される。
【0086】
弾性要素は非金属領域とキャップとの間にも存在し得るが、これは、この部位でのシャフトの歪がより小さいため、なくてもよい。弾性要素は例えば、弾性環状スペーサを含み得、これは弾性熱可塑性エラストマ、例えばポリエーテルブロックアミド(PEBA)-商品名PEBAX(登録商標)若しくはベスティミド(Vestimid)(登録商標)E(エボニック・インダストリーズ(Evonik Industries))、又はポリアクリルエーテルケトン(PAEK)、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)によって形成され得る。スペーサは好ましくは、非金属部分の近位端部を金属部分の遠位端部から離間させるような形状及び構成に形成される。弾性要素は好ましくは、近位面で金属部分と当接し、遠位面で非金属部分に当接する。弾性環状スペーサは一般に、半径方向に外方に延びて、プローブシャフトの外面と面一をなす表面を形成する。環状スペーサの半径方向に内側の部分は近位側及び/又は遠位側に延びて、非金属部分の近位端部及び/又は金属部分の遠位端部の内面を支持するように構成された環状ステップを設け得る。1つの好ましい実施形態では、環状スペーサは近位側に延びて、金属部分の遠位端部の内面を支持するように構成された環状ステップを形成するが、遠位側には延びない。器具シャフトはまた、シャフトの非金属部分と金属部分との間の接合部を支持するためのアダプタスリーブを含み得る。アダプタは、シャフトの非金属部分と金属部分との間に厚さの違いがある場合にこれを考慮して、例えば金属及び非金属部分間の平滑な表面移行を形成するように構成され得る。これは金属又は、熱可塑性エラストマ、例えばPEBA PEBAX(登録商標)若しくはベスティミド(Vestimid)(登録商標)E、又はPEEK等のPAEK等の非金属であり得る。アダプタは、非金属部分がセラミックである場合、セラミックの強度を高めるのに必要な厚さのために、およびシャフトの曲げがこの部位において亀裂を生じさせる危険性があるために、特に重要である。好ましい態様として、スリーブは接合部の両側に、接合部のための支持部を形成するために十分に延びて、一般にシャフトの半径方向に内方に、一般にフィードラインとシャフトの内壁との間に配置される。アダプタスリーブは、好ましくは金属性である。
【0087】
弾性要素とアダプタスリーブはともに、歪軽減領域を含む。弾性要素とアダプタスリーブは単体でも別体でもよい。
1つの好ましい実施形態において、歪軽減領域は上記弾性要素を含み、これは非金属部分の近位端部を金属部分の遠位端部から離間させるような形状及び構成で形成される弾性環状スペーサを含み、スペーサは、近位面で金属部分と当接し、かつ遠位面で非金属部分と当接するように構成され、スペーサは半径方向に外方に延びて、プローブシャフトの外面と面一をなす表面を形成し、スペーサの半径方向に最も内側の部分は近位側に延びて、金属部分の遠位端面の内面を支持するように構成された環状のステップを形成し、歪軽減領域はそれに加えて、接合部の両側に、環状スペーサの半径方向に内側へと延びるアダプタスリーブを含む。好ましくは、スリーブは環状スペーサの近位側に延び、シャフトの金属部分の遠位端部の内面と接触してそれを支持するように構成されるとともに、好ましくはスペーサの遠位端側に延び、シャフトのセラミック部分の近位端部の内面と接触して、それを支持するように構成される。
【0088】
マイクロ波組織アブレーション器具300はハウジング310を含む。ハウジング310は同軸ケーブル、流体ライン、電線等を格納する。
図4Aは、本発明の1つの実施形態にかかるマイクロ波組織アブレーション器具400を示す斜視図である。
図4Bは、冷却機構の1つの実施形態を説明するための線X-Yに沿った断面図である。
【0089】
図4Aの組織アブレーション器具400は、金属部分445とセラミック部分402を有するシャフト401を有する。セラミック部分402はカラー405の遠位端部406からキャップ440の基底部441まで延びる。セラミック部分402は、器具の内部要素を示すために、シャフト401から離して示されている。
【0090】
組織アブレーション器具400は、弾性要素(例えば、カラー405)と、シャフトの金属部分445をセラミック部分402に結合するためのアダプタ410とを含む。本発明の器具では、アダプタは2つの部分間にあるシャフトの厚さの差を取り込むとともに、それに加えて、金属部分445とセラミック部分402との間の曲がりを軽減させるように作用する。本発明の器具では、ここに示すシャフトのセラミック部分と金属部分との間の弾性環状スペーサは、この領域に弾性を付与し、使用中のシャフトの歪によるこの地点での破損の発生を低減させるように作用する。
【0091】
例えば
図1A又は1Bに関して説明したように、マイクロ波発生器により生成されたマイクロ波エネルギーは、マイクロ波発生器を器具400内のアンテナ452のフィードライン432に電気的に接続するパワーケーブルによりアンテナに供給できる。マイクロ波アブレーション器具はまた、マイクロ波アンテナ及びフィードラインの少なくとも遠位端部分を囲むとともに一般にそれと同軸をなすシャフトも有する。シャフトは一般に、近位側ハブから遠位キャップまで延びる。
【0092】
フィードラインは好ましくは、内側導体、外側導体、及びそれらの間に配置された誘電体を含む。フィードラインは、外側導体を器具のその他の部品から絶縁し、フィードラインへの外側絶縁体として作用するさらなる誘電体又は絶縁体を含み得るが、これは全ての実施形態で必要というわけではない。幾つかの実施形態では、さらなる誘電体は、フィードラインの遠位部分、少なくとも接合点までにおいてなくてよい。フィードラインには、器具シャフト内、例えば遠位ハブの近位側フィードラインコネクタとアンテナの接合点との間等でこのようなさらなる誘電体を欠いていてもよい。フィードラインは一般的に、第一の誘電体又は絶縁体によって囲まれた中心導体を有する同軸ケーブルであり、第一の誘電体は第二の導体によって囲まれ、これは上記のようにさらなる誘電体又は絶縁体により被覆されてもよい。内側導体は一般的に電力導体である。
【0093】
図4Aの例において、組織アブレーション器具400は螺旋アーム412と線形アーム420を含むアンテナ452を有する。螺旋アーム412の遠位端部435は、接合点436においてフィードライン432の外側導体430との電気接続部を形成する。幾つかの実施形態では、接合点は、好ましくは、フィードラインの最遠位端部に向かって、又は最遠位端に位置する。フィードライン432は、電気接合部に適当な機械的支持を設けるために、接合点を越えて延び得るが、好ましくは接合点を越えて延びる分は5mm以下、特に1mm以下である。
【0094】
一般に、螺旋アームは1つの導体の形態である。アンテナの螺旋アームはワイヤ又はリボンの形態であり得るが、一般には円形の断面を有するワイヤ、又はリボンである。螺旋アームは好ましくは円柱導体の形態をなしており、近位側から遠位端部まで続く螺旋間隙を有して、フィードラインの外周囲で湾曲する平坦導体面を有する螺旋導体を設ける。螺旋アームは接合点を除いて、内側導体又は外側導体の何れともそれ以外には接触しない。
【0095】
図4Aの例において、螺旋アーム412は接合点436から近位方向にフィードライン432の周囲に巻回されて延びて、フィードラインの周囲に同軸的に配置される。螺旋アーム412は、接合点436を除き、内側導体427又は外側導体430とそれ以外の電気接触を形成しない。螺旋アームは、螺旋アームを所定の位置に保持するため、および組立を容易にするために、その基体に接着剤で固定されてもよい。螺旋アームは、螺旋アームを保護するため、螺旋アームを器具のその他の部品から絶縁するため、又は密封を形成するために、ポリマ層又はコーティング等の母材に埋め込まれてもよい。
【0096】
幾つかの実施形態において、螺旋アームはフィードラインと直接接触する状態で巻回されていない。これは例えば、フィードラインから半径方向にずれた位置において巻回され得る。螺旋アームは好ましくは、それを支持する基体の周囲に巻回される。フィードラインが外側絶縁体を含む場合、この外側絶縁体が螺旋アームのための基体となり得、螺旋アームは外側絶縁体の周囲に巻回され得る。代替的に、螺旋アームは例えば、管状基体、例えばフィードラインの周囲に配置される冷却管の周囲に巻回され得る。
【0097】
幾つかの実施形態において、巻きの総数(N)は1~12の範囲であるが、これは整数に限定されない。好ましい実施形態において、Nは一般に4~8である。螺旋の完全な1巻きに関して、軸方向の距離はピッチ(P)であり、これは0.7~1.5mmの範囲とすることができ、好ましくはピッチは1~1.5mmの範囲であり、好ましい実施形態において、螺旋アームのピッチ(P)は1.2~1.25mmである。螺旋ループ(N)の数、ピッチ(P)はマイクロ波エネルギーの出力、照射場の形状、及びエネルギー吸収スペクトルに影響を与える可能性がある。各変数を組み合わせて適切に選択することにより、組織アブレーションのための有利な特性を有するアブレーション器具を提供できる。
【0098】
図4Aの例では、螺旋アームは管426に巻回され、管426はハブ(図示せず)からシャフトの金属部分445の中を通ってアンテナ452の先端428まで延びる。アンテナの螺旋アーム412とフィードライン432の外側導体との間の電気接続部は、接合点436において管を貫通する。図の例において、螺旋アーム412は長さ(Lha)を有する。幾つかの例において、螺旋アームの全長(Lha)は1~18mmの範囲とすることができ、好ましくは螺旋アームは4~10mmの範囲である。好ましい実施形態において、螺旋アームは4~7mmの範囲である。
【0099】
線形アーム420は、フィードライン432の内側導体427の延長であり、誘電体を待たない第二の部分423を除き、誘電体層425により囲まれる。
本明細書に記載のアンテナの線形アームはフィードラインの内側導体に電気的に接続され、好ましくは螺旋アーム及び/又はフィードラインと同軸をなす軸上で遠位側に延びる導体である。導体は好ましくは、直線ワイヤの形態である。特に好ましい実施形態において、線形アームは第一の近位側絶縁部分と第二の遠位側非絶縁部分を含む。一般に、第一の部分は誘電体により囲まれ、第一の部分の遠位側にある第二の部分は誘電体を欠く。第二の部分はアームの先端まで延びる。線形アームの第一の部分を囲む誘電体は、好ましくはフィードラインの遠位端部から延びる。その最も簡潔な形態では、アンテナの線形アームはフィードラインの内側導体の延長であり得る。誘電体は、よって、同軸をなすフィードラインの中心導体と外側導体の間に配置された誘電体の延長であり得る。
【0100】
好ましくは、アンテナの線形アームと螺旋アームはアブレーション器具のシャフトと同軸をなしているため、線形アームは螺旋アームと同軸をなすとともに螺旋アームから遠位側に延びる。図のように、
図4Aの非対称ダイポールアンテナの線形アーム420は長さL1aを有する。線形アームは、絶縁体で被覆された第一の部分L1 421を含み、これはフィードライン432の、内側導体427と外側導体430との間に配置され、この図では見えない第一の誘電体層の延長である。線形アーム420は第二の部分423をさらに含み、これは長さL2 422を有し、絶縁体で被覆されない。1つの実施形態において、第二の部分L2 422は循環する冷却剤にさらされる。
【0101】
1つの態様において、線形アームのうち誘電体を持たない部分は部分的又は完全に金属キャップの中に挿入されるが、キャップと接触しない。これは、内部にアンテナのこの部分又はその一部が挿入されるキャップの基底部に開放ポケットを形成することにより実現される。露出した遠位先端がどこまで挿入されるかは、エネルギーの場の遠位部分の形状、したがってアブレーション領域の形状に影響を与える。
【0102】
先端とキャップとの間の距離が3mmより大きい場合、これらは特に2.45GHzでのアブレーションの成形において有益となるように十分に結合されたとは考えられない。
線形アーム420の長さ(Lla)は、好ましくは4mm~14mmであり、好ましくは8mm~10mmである。第二の露出部分423の長さ(L2)は、好ましくは0.1mm~2mm、好ましくは0.3mm~0.5mmである。
【0103】
それゆえ、好ましい実施形態において、アンテナの螺旋アーム412はリボンの形態であり、その長さ(Lha)は1~18mmであり、1~14巻きを含み、アンテナの線形アーム420は、長さ4~14mmであり、0.1~3mmの長さの誘電体を持たない第二の遠位部分423を有し、誘電体を持たない部分はキャップの基底部から0.2~3mm離されている。
【0104】
より好ましい実施形態において、アンテナの螺旋412アームはリボンの形態であり、その長さ(Lha)は4~10mmであり、4~8巻きを含み、アンテナの線形アーム420は、長さ7~10mmであり、0.3~0.5mmの長さの誘電体を欠く第二の遠位部分423を有し、誘電体を欠く部分はキャップの基底部から1~2mm離されている。
【0105】
より好ましい実施形態において、アンテナの螺旋アーム412はリボンの形態であり、その長さ(Lha)は4~6mmであり、3~5巻きを含む。線形アーム420は、長さ7~10mmであり、0.3~0.5mmの長さの誘電体を持たない第二の遠位部分423を有し、誘電体を持たない部分はキャップの基底部から1~2mm、好ましくは1.5mm又は約1.5mm離されている。
【0106】
シャフトが非金属部分(例えば、セラミック部分402)を有する場合、非金属部分は、好ましくは軸方向に延びてアンテナを覆い、それゆえアンテナの放射部分と少なくとも同一の範囲を有する。1つの実施形態において、非金属部分は少なくとも螺旋アームの最も近位側の地点からシャフトの遠位端部(例えば、器具のチップの取付点)まで延びる。非金属部分は軸方向及び円周方向に延び、それによってシャフトは好ましくは、非金属部分の近位側範囲と遠位側範囲との間が非金属性となる。
【0107】
キャップは、器具の遠位端部を封止して、冷却剤の漏出又は組織流体の浸透を防止するように構成され得る。キャップは別体の部品として製造され得て、シャフトに取り付けられるように構成され得る。キャップは好ましくは、組織への挿入を助け、患者の皮膚を穿刺するように構成され、例えば遠位点に至るか、又はトロカールとして構成され得る。
図4Aに示すキャップ440はトロカールチップを含む。キャップ440のトロカールチップは、ステンレス鋼及び/又はセラミックで製作できる。
【0108】
幾つかの例において、キャップは任意の適当な生体適合材料でも形成され得て、これは例えば、生体適合ポリマ、複合材料、セラミック、又はステンレス鋼等の金属である。キャップが金属である場合、キャップとアンテナの遠位端部(すなわち、アンテナの線形アームの遠位端部)は電磁的に連結されるように構成され得る。これは、アンテナの遠位先端とキャップとの間の距離を、これらがアンテナが動作することが意図される周波数及び電力で電磁的に連結されるように調整することによって行うことができる。この効果は、アンテナにより生成されるエネルギー場の遠位部分の形状、したがって、アブレーション領域の形状を調整するために使用できる。しかしながら、キャップとアンテナはそのように結合しなくてもよく、すなわち、アンテナはキャップから電磁的に分離され得る。先端とキャップは接触しないことが好ましい。実際には、先端とキャップとの間の間隙は0.2mm以上、特に0.2mm~3mm、最も好ましくは1~2mmである。最も好ましくは、これは1.5mm又は約1.5mmである。
【0109】
エネルギー場の形状、したがってアブレーション容積はまた、フィードラインと同心の金属シースを設けることによって影響を受ける。シースは、好ましくは円柱形であり、フィードラインのうち少なくともアンテナの近位側部分にわたって延びる。シースはまた、アンテナの少なくとも一部を覆って延び得るが、好ましくはアンテナの螺旋アームの最も遠位端の近位側の地点で終了し、アンテナ上には延びない。好ましくは、シースと螺旋アームの最遠位部分との間の間隙は少なくとも0.1mmである。間隙は例えば、0.1~2mm又は0.1~1mmであり得、好ましくは0.5mm又は約0.5mmである。シースは、好ましくはシャフトの外面上には設置されず、好ましくはフィードラインから半径方向にずらされ、それと同軸をなす。好ましくは、シースはフィードラインとシャフトの内壁との間に設置される。1つの構成において、金属シースは、本明細書の他の箇所に記載されているように、アダプタスリーブであり得る。
【0110】
好ましくは、冷却剤チャンバは器具シャフトの内壁間に画定される。チャンバは、遠位側境界がキャップにより定められ、近位側境界が冷却剤チャンバを近位側で閉鎖する1つ以上の近位側シールにより定められ得る。1つ以上のシールは好ましくは、ハブ、又はハブとアンテナの螺旋アームの近位部分との間のある地点に形成される。冷却システムは、冷却剤を冷却剤チャンバに送達するように構成された少なくとも1つの冷却剤入口導管と、冷却剤をチャンバから取り出すための少なくとも1つの冷却剤出口導管とを含む。冷却剤入口導管及び冷却剤出口導管は一般に、近位側シールを通過する。1つの方式では、冷却剤入口導管は、アンテナ及び又はフィードラインに近接する位置であって、その半径方向外方の位置に冷却剤を送達するように構成された冷却剤入口管である。この場合、冷却剤入口管は好ましくは、アンテナとシャフトの内壁との間の冷却剤チャンバ内に配置される。好ましくは、これはフィードラインから半径方向に外側にずらされる。
【0111】
代替的な構成では、冷却システムは冷却剤入口導管と冷却剤出口導管とを含み、各導管は、少なくともフィードラインの一部及びアンテナの一部の周囲に配置される。各導管は螺旋の形態に配置され、冷却剤入口導管と冷却剤出口導管は相互に組み合わせられて二重螺旋を形成する。1つの好ましい構成では、冷却システムはフィードライン及び、アンテナの少なくとも一部の周囲に二重螺旋として配置された1対の螺旋仕切りを含み、各仕切りはシャフトの内壁に向かって半径方向に外側に延び、アンテナ及び/又はフィードラインに向かって半径方向に内側に延び、それによって冷却剤入口導管と冷却材出口導管は2つの仕切り間に形成され、冷却剤入口導管と冷却剤出口導管は二重螺旋を形成する。仕切りはフィラメント又はリボンの形態、又はその両方の組合せであり得る。仕切りがリボンを含む場合、リボンは好ましくは、シャフト内壁に概して垂直である。フィラメントは金属又は弾性ポリマで形成され得る。仕切りは好ましくは、内壁並びに、アンテナ及び/又はフィードラインの少なくとも一部に対して密封するように延びる。
【0112】
冷却システムは追加的に、冷却剤入口導管及び冷却剤出口導管の両方に連通する冷却剤混合チャンバを含み、それによって冷却剤入口及び冷却剤出口は冷却剤混合チャンバを介して連通する。冷却剤混合チャンバは好ましくは、冷却剤がアンテナの少なくとも一部、特にアンテナの線形アームの少なくとも一部を通過できるように構成される。冷却剤混合チャンバは特に、冷却剤がアンテナの線形アームの遠位部分及び、キャップの少なくとも一部を通過できるように構成される。
【0113】
代替的に、好ましくは、冷却システムは器具シャフトの内壁間に画定される冷却剤チャンバを含む。チャンバは、遠位側境界がキャップにより定められ、近位側境界がハブとシャフトとの間のシール体によって、又は上記のようにハブの遠位側であり且つアンテナとハブとの間のある地点により定められ得る。冷却剤チャンバは、アンテナと、フィードラインの少なくとも遠位部分を囲む。
【0114】
ある実施形態において、冷却システムは、フィードラインの周囲に配置された冷却管を含み、冷却管は好ましくは、フィードラインの周囲で遠位側に、好ましくはそれと同軸に延びる。冷却管は好ましくは、冷却剤チャンバを第一の冷却導管448と第二の冷却導管460に分割し、第一の冷却導管はフィードラインと冷却管の内壁との間に配置され、第二の冷却導管は冷却管の外壁と器具シャフトの内壁との間に配置される。冷却管は好ましくは、フィードラインの遠位部分に延び、アンテナの少なくとも一部の周囲で遠位側に延び、好ましくは冷却管は少なくともアンテナの線形アームの先端まで延びる。各種の材料が冷却管に適しているが、これは好ましくは非金属である。好ましい態様として、冷却管は熱硬化性ポリマ、例えばポリイミドで、又は熱可塑性ポリマ樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)若しくはフッ素ポリマ、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で、又はPAEK、例えばPEEKで製作され得る。
【0115】
本明細書の他の箇所に記載されているように、
図4Aの例では、螺旋アームは管426の周囲に巻かれている。ある実施形態において、管426は管426の内壁454とフィードライン432との間の第一の冷却導管448と、管426の外壁455とシャフト453の内壁との間の第二の冷却導管460とを画定する。冷却剤は、管426とフィードライン432との間の空間を通って、管426とキャップ440との間の混合チャンバ429へと送出され得て、管426の外側とシャフトのセラミック部分402との間の空間内を戻り、シャフトの内側とアダプタ410との間の空間411を通り、シャフトの金属部分445からハブへと戻る。
【0116】
アンテナの螺旋アームは第一の冷却導管内に配置され得て、例えばフィードラインの遠位部分は上記のような第二の絶縁体を含み得て、アンテナの螺旋アームはフィードラインの周囲に直接巻き付けられ、第二の絶縁体は少なくとも螺旋アームとフィードラインの第二の導管との間で軸方向に延びる。この場合、冷却管は螺旋アームの一部を覆うように延びるが、好ましくは螺旋アームと、線形アームの少なくとも一部を覆うが、最も好ましくは、冷却管は少なくともアンテナの遠位端部まで延び、それによって第一の冷却導管は少なくともアンテナの先端部まで延びる。
【0117】
そうではなく、冷却管はフィードラインの先端部分及び線形アームの一部を覆うように延びるが、最も好ましくは、冷却管は少なくともアンテナの遠位端部まで延びており、それによって第一の冷却導管は少なくともアンテナの先端部まで延びる。
【0118】
冷却システムは追加的に、第一の冷却導管と第二の冷却導管の両方に連通する冷却剤混合チャンバを含み得、それによって第一の冷却導管と第二の冷却剤導管は冷却剤混合チャンバを介して連通する。冷却剤混合チャンバは好ましくは、冷却剤がキャップの一部に接触できるように構成される。
【0119】
第一又は第二の冷却導管の何れも、冷却剤取込み導管又は冷却剤排出導管として機能し得る。第一及び第二の冷却導管は遠位端部で開放しており、それによって冷却剤は冷却管の遠位端部とアプリケータキャップの基底部との間の冷却剤混合チャンバを通って循環できる。
【0120】
冷却管は好ましくは、ハブに向かって近位側に延びる。第一の冷却導管と第二の冷却導管は、使用中の冷却剤の供給と冷却剤の排出のために、ハブの冷却剤取込み口コネクタ及び冷却材排出口コネクタに連通する。
【0121】
特に好ましい方式では、アンテナの螺旋アームは、好ましくはリボンの形態で、冷却管の周囲に巻き付けられる。この場合、螺旋アームは接合点においてフィードラインの外側導体と電気接触し、上記のように冷却管の周囲で一連の巻きとして遠位側に延びる。この場合、冷却管は好ましくは、少なくともアンテナとフィードラインの接合点まで延び、好ましくはそれは線形アームの少なくとも一部を覆うように延びるが、最も好ましくは、冷却管は線形アームの先端部まで延び、それによって第一の冷却導管は少なくともアンテナの先端部まで延びる。好ましくは、螺旋アームの遠位端部とフィードラインの外側導管との間の電気接触は冷却管を通過する。
【0122】
この方式では、外側絶縁体がフィードラインの遠位部分に延びないことが好ましい。好ましくは、それは少なくとも、フィードライン上の、アンテナの螺旋アームのすぐ近位側のある点から接合点まで延びる部分には延びない。外側絶縁体は、アブレーション器具のシャフト内のフィードラインのどこにもなくてよい。
【0123】
冷却システムが上記のような冷却管を含む実施形態において、螺旋アームはワイヤ又はリボンのいずれかであり得るが、最も好ましくはリボンである。螺旋アームは好ましくは、円柱形導体の形態であり、螺旋状の間隙がその近位部からその遠位端部へと延びており、フィードラインの周囲に、好ましくはフィードラインと同軸に配置された平坦導体表面を有する螺旋導体が得られる。
【0124】
本明細書に記載の冷却システムは、冷却剤(例えば、水)をフィードライン及び、アンテナの少なくとも一部、好ましくはアンテナ全体にわたり通過させる。通常の動作のためにアンテナを冷却剤から隔離する必要はない。本明細書に記載の幾つかの実施形態において、フィードラインの一部にはフィードラインを囲む外側絶縁体がない。フィードラインは、ハブと接合点との間に、又は器具シャフト内のその全長において絶縁体がなくてよい。アンテナの螺旋アームは、特にそれが冷却管の周囲に巻かれている場合、絶縁体を欠いていてもよい。
【0125】
本明細書に記載のアブレーション器具は追加的に、シャフトに沿った地点の温度を測定するための1つ以上の温度センサ、例えば熱電対を含み得る。一般に、熱電対は冷却システム内に配置され、器具の動作中に冷却剤又はフィードライン若しくは器具シャフト等の器具の他の部品の温度を測定するように構成され得る。
図4Aの組織アブレーション器具400は、内部アダプタ410の隣に格納されてハブを介して制御ユニットに対して電気的接続部451を有する温度センサ450を含む。
【0126】
本明細書の他の箇所に記載されているように、本明細書に記載されているもののようなアブレーション器具は一般に、すでに簡単に述べたように近位側ハブを含む。ハブは一般に、フィードラインをエネルギー供給ラインに接続するため、及び器具シャフト内の電気機器を制御システムに接続するためのコネクタを含む。このようなコネクタは、永久的又は取外し可能であり得る。ハブはまた、冷却剤取込み部を冷却剤供給部に接続するため、及び冷却剤排出部を廃棄又は再循環システムに接続するための入力コネクタ及び出力コネクタを備える冷却剤マニホルドも含み得る。ハブはまた、外科医が組織アブレーション器具を扱うのにより確実に握ることができるように構成されたハンドルの一部も形成し得る。
【0127】
図5は、本開示の1つの実施形態にかかるマイクロ波組織アブレーション器具を示す側面図である。アブレーション器具500はハンドル501を含む。ハンドル501にはマニホルド505が格納される。
【0128】
マニホルド505は、電源(図示せず)と組織アブレーションプローブ530とを同軸ケーブルコネクタ515を通じて電気的に接続する。組織アブレーションプローブ530は、手術中に外科医にプローブの貫通深さを知らせるように構成された標識535を含む。
【0129】
マニホルド505はまた、冷却剤源(図示せず)と組織アブレーションプローブ530とを連通する。マニホルド505は、冷却剤入口520と冷却剤出口525を含む。冷却剤入口520は冷却剤流入導管に連通され、冷却剤出口525は冷却剤流出導管に連通される。
【0130】
組織アブレーション器具500は、電気ワイヤ及び流体管を格納する管状ハウジング540をさらに含む。
本明細書の他の箇所で述べるように、複数のアブレーション器具、例えば組織アブレーション器具300を同時に使用して、アブレーションプロセスを実行できる。このようなアブレーション器具は、様々な方法で配置され得る。
図6Aは、マイクロ波アブレーションニードルの各種の構成の平面図を示す。ある例において、マイクロ波アブレーション器具は、配置600のように互いに等距離に配置することができる。ニードルは、配置600、610、及び620のように規則的な多角形の編成に配置できる。アブレーション器具を互いに等距離に配置することにより、好ましくは、複数のアブレーション器具により形成される、ほぼ対称の正味アブレーション容積を形成し得る。追加的に、アブレーション器具を規則的な多角形の編成に配置することにより、複数のアブレーション器具により形成される、ほぼ球形の正味アブレーション容積を形成し得る。代替的に、複数の器具は、その他の配置、たとえば配置630のように線形に、又は配置640のように不規則な形状に配置されてもよい。アブレーション器具は、特定の手術に適した所望のアブレーション容積を形成するように、様々な構成に配置され得る。
【0131】
それに加えて、このような器具は同じ又は異なる貫通深さまで挿入できる。
図6Bは、異なる深さの配置の複数のアブレーション器具の正面図を示す。マイクロ波組織アブレーション器具300等のアブレーション器具は、例えば標識311により計測される特定の深さまで挿入できる。幾つかの構成では、器具は、配置605のようにほぼ同じ深さまで挿入される。他の例では、器具は配置615、625、及び635のように異なる深さまで挿入できる。異なる計画配置と同様に、アブレーション器具は、様々な構成に配置されて、特定の手術に適した所望のアブレーション容積を形成することができる。
【0132】
1つ以上のアブレーション器具が係わる手術中、コンソール(例えば、102)でポンプ(例えば、148a)を作動させて、冷却剤が冷却剤源(例えば、140)から、1つ以上のアブレーション器具(例えば、400)の各々に流れるようにすることができる。各アブレーション器具について、冷却剤は冷却剤ライン(例えば、114a)、冷却剤入口(例えば、520)、第一の冷却導管(例えば、448)、第二の冷却導管(例えば、460)、及び冷却剤出口(例えば、525)を通って流れることができる。幾つかの例において、冷却剤ライン(例えば、114a)は、例えば冷却剤が冷却剤源へと再循環される再循環系の中で冷却剤出口(例えば、525)から流体を受け入れる戻り経路を形成する。ある実施形態において、冷却剤はこのような流路を流れて、アブレーション器具を冷却することができる。
【0133】
本明細書に記載されているように、例えば、アブレーション器具(例えば、400)を受け入れるコンソール(例えば、102)内のコントローラ(例えば、106)を使用して、アブレーション器具を通る流体の流れのほか、アブレーション器具から発せられるマイクロ波エネルギーを制御することができる。
【0134】
冷却剤はまた、マイクロ波アブレーション器具が患者の体内に挿入されたときに、マイクロ波アンテナ(例えば、452)から発せられるマイクロ波放射を周辺組織に結合するための誘電体として機能することもできる。ある実施形態において、冷却剤は治療のためのアブレーションプロセス中にニードルを通じて治療アブレーション流量で流れる。ニードルを治療アブレーション流量で流れる冷却剤は、ニードルから発せられたマイクロ波エネルギーをニードルの周辺組織に結合し、マイクロ波エネルギーの組織への貫通深さに影響を与える可能性がある。冷却剤の流れを減少させることにより、周辺組織へのマイクロ波エネルギーの結合を減少させることができ、その結果、アブレーション領域がより小さくなる。追加的又は代替的に、冷却剤の流れを減少させると、ニードルがニードル付近の組織から熱を除去する能力が低下する可能性があり、その結果、より高い流量の場合と比較して、ニードル付近の組織がより局所的に加熱される。
【0135】
アブレーション処置中、電力がアブレーション器具に供給されて、アブレーション器具は、エネルギーを発出し、アブレーション器具の周囲の組織を焼灼する。例えば、治療のためのアブレーションプロセスを実行するために、30~150Wのアブレーション電力がアブレーション器具に印加される。特定の例では、治療のためのアブレーションプロセスを実行するために、90Wのアブレーション電力がアブレーション器具に供給される。
【0136】
アブレーション電力レベルは、少なくとも2種類の方法において、すなわち振幅を制御すること、又はデューティサイクリングを利用することによって制御され得る。例えば、40Wの平均電力レベルを供給することが望ましい場合、これは、電力レベルを40Wに設定することによって、又は電力レベルを、より高い値である80Wに設定するとともに50%のデューティサイクルを使用することによって実現され得る。電力レベルの両方の制御方法も想定される。
【0137】
本明細書で述べるように、アブレーション電力が供給された結果としてアブレーション器具によって発せられるアブレーションエネルギーは、一般には、周囲の媒質を加熱する。周囲の媒質が組織を含む場合、アブレーション器具は、アブレーション器具に近接する標的部位内で組織をある時間にわたり加熱することにより、組織を死滅させ得る。
【0138】
標的部位内の組織を加熱すると、組織の細胞内にある水分及びセルの外部に見られる水分、例えば細胞外基質も加熱され得る。標的部位内の水分が加熱されると、水分が気化して、標的部位内に水蒸気が生成される原因となる。標的部位内の温度の急上昇により、かなりの量の水蒸気が標的部位内に生成され、組織内に水蒸気ポケットを生じさせる。幾つかの処置中、生成された水蒸気の量が過剰となり、その結果、水蒸気ポケットが破裂し得る。水蒸気ポケットの破裂は、通常、スチームポップと呼ばれ、組織への過剰な応力及び患者にとっての不快感の原因となる可能性がある。そのため、水蒸気ポケットの存在及びその結果としてのスチームポップの存在を減少させて、患者の不快感を軽減することが好ましい。加えて、水蒸気ポケットの存在は、不均一なアブレーションの原因になったり、組織離断につながったりする可能性があり、これは、熱が標的組織内に有効に伝達されることを阻止する可能性がある。そのため、水蒸気ポケットの存在を減少させることにより、より均一なアブレーションを行うことを可能にし得るとともに、組織離断を低減させて、より有効なアブレーションを行い得る。
【0139】
本発明においてスチームポップを最小化する1つの方法は、まず、より低レベルのアブレーション電力をアブレーション器具に供給し、その後、所望のアブレーション電力レベルに到達するまで、供給されるアブレーション電力の量を経時的に増加させることである。例えば、30~60Wの初期アブレーション電力がアブレーション器具に供給され、その後、電力は、フルパワーレベルに増加される。ある例において、40Wの初期アブレーション電力を使用することができる。他の例では、アブレーション処置は、アンテナの設計及び治療面積に応じて、他のアブレーション電力レベル、例えば0W~30W又は60W超で開始し得る。より低電力でアブレーションを開始すると、組織をよりゆっくりとしたペースで加熱するため、アブレーション処置中に形成される水蒸気は、漏出又は吸収され、それにより水蒸気ポケットの形成が低減しその結果標的部位内でのスチームポップの発生が低減する。
【0140】
治療用アブレーション電力より低いアブレーション電力でアブレーション処置が開始される実施形態では、アブレーション電力は、より低いアブレーション電力からより高いアブレーション電力に増加され得る。より低い初期アブレーション電力では、本明細書に記載するような利点を付与することができるものの、より高い治療用アブレーション電力を使用すれば、より低い初期アブレーション電力と比較して、アブレーション処置の持続時間が短縮され、アブレーション処置の効率が増加し得る。アブレーション電力をより低い電力レベルからより高い電力レベルに増加させることは、例えば、1回のステップ、複数のステップ又はある時間にわたる直線的増加等、様々な方法で行われ得る。
【0141】
図7は、ステップアップ動作モードを利用する例示的なアブレーション処置を示す。ステップアップ動作モードは、初期のより低いアブレーション電力レベル(P
1)からより高いアブレーション電力レベル(P
2)に増加させるために使用される一連の複数のステップを含み得る。好ましい実施形態において、複数のステップは、複数の個別の中間電力レベルを含み、各中間電力レベルは、より低いアブレーション電力レベル(P
1)と、より高いアブレーション電力レベル(P
2)との間である。他の好ましい実施形態では、連続する中間電力レベルはそれぞれ、先行する中間電力レベルを上回る。幾つかの例において、各中間電力レベルは、アブレーション器具に所定の時間、例えば約1秒~約15秒間にわたって供給され得る。しかしながら、1秒未満及び15秒より長い時間も想定される。電力レベルP
2は、時間T
3まで供給され、そこで、アブレーション電力は、停止されるか又は少なくとも低減される。
【0142】
図7は、連続する電力レベルの各々間の差がほぼ同じであり、中間電力レベル間の所定の時間の各々もほぼ同じである例を示す。特に、図の例では、アブレーション電力は、第一の時点(T
1)と第二の時点(T
2)との間において、40Wの初期電力レベルから90Wに5秒ごとに同じ増分5Wのエネルギーで増加される。幾つかの実施形態では、T
1とT
2との間の差は、30~80秒、最大で2~3分であり得る。特定の例では、アブレーション電力は、
図7に示すもののように、初期電力から50秒で所望の電力まで増加される。しかしながら、30秒未満及び80秒超等、他の数値も想定される。電力レベル間の時間の長さが長いほど、アブレーションは、より効果的となり得るが、より長い時間を使用すると全体的な処置時間も長くなり、これは、患者にとって欠点となり得る。また、中間電力レベル間の所定の時間は、処置全体を通して同じでなくてもよい。例えば、より低いアブレーション電力レベルでより長い時間及びより高いアブレーション電力でより短い時間使用すること、及びその逆を使用することが有利であり得る。
【0143】
図7では示されていないが、他のステップアップ増分も使用され得る。例えば、1W~10Wの値の中間電力間の増分が使用され得るが、1Wより小さい及び10Wより大きい増分も想定される。幾つかの例において、中間電力レベルはまた、均等な電力増分で供給される必要はなく、および/又は同じ長さの時間にわたり供給される必要もない。さらに、アブレーション電力レベルをより低いアブレーション電力レベル(P
1)からより高いアブレーション電力レベル(P
2)に増加させるために、他の機能、例えば連続ランプアップ、すなわち線形ランプアップ機能又は当業者に知られている他の機能が使用されてもよい。
【0144】
幾つかの例では、アブレーション処置は、第一のアブレーション電力レベルから第二のアブレーション電力レベルに、所定の時間が経過した後に1ステップで増加する。代替的に、アブレーション電力は、第一のアブレーション電力レベルから第二のアブレーション電力レベルに、複数の個別の中間電力レベルを用いて徐々にステップアップし得る。
【0145】
幾つかの例では、複数の個別の電力レベルは、第一のアブレーション電力レベルと第二のアブレーション電力レベルとの間で供給され、電力の各増分(ステップ820)は、大きさにおいて同じ増分である(例えば、各ステップで5Wずつ増える)。同様に、幾つかの例では、各電力レベルでの所定の時間は、各中間電力レベルについて同じである(例えば、5秒)。しかしながら、他の例では、電力の量は、毎回同じ量だけ増加する必要はない。同様に、幾つかの例では、各中間電力レベルが付加される所定の時間は、各中間電力レベルについて同じである必要はない。例えば、第一の電力レベルでの第一の長さの時間と、その後のより高い第二の電力レベルでのより短い第二の長さの時間と、その後の第三の電力レベルでの第三の長さの時間とが続くシーケンスを使用することが有利であり得る。第一及び第三の長さの時間は、同一、又は異なり得、第一及び第三の電力レベルも同一、又は異なり得る。特に、第一の電力レベルでの第一の長さの時間と、その後の第二のより高い電力レベルでのより短い第二の長さの時間と、その後の第三の電力レベルでの第三の長さの時間とが続き、第三の長さの時間が第二の長さの時間より長く、第三の電力レベルが第二の電力レベルより高いシーケンスが使用され得る。
【0146】
本明細書で述べるように、第一のアブレーション電力レベルが第二のアブレーション電力レベルより低い実施形態では、第一のアブレーション電力レベルと第二のアブレーション電力レベルとの間の1つ以上の個別の中間電力レベルを供給することができ、異なる中間電力レベルの各々は、先行する中間電力レベルを上回る。しかしながら、追加的な電力レベルも含められ得る。例えば、複数のアブレーション器具が使用される場合、アブレーション電力は、例えば、異なるアブレーション器具に供給されるアブレーション電力のデューティサイクリングにより、常に各アブレーション器具に同時に付与されなくてもよい。その結果、アブレーション電力がアブーション器具に供給されない期間が生じ得る。
【0147】
アブレーション電力が例えばデューティサイクルを通して間欠的に供給されるこのような例でも、各アブレーション器具に供給されるアブレーション電力は、ある時間にわたり増加され得る。幾つかの例では、アブレーションシステムは、各中間電力レベルを所定の時間にわたり供給し得るが、電力レベルは、所定の時間だけデューティサイクルを適用され得る。例えば、
図7に関して、電力レベルP1が約5秒間供給されてから、電力レベルが中間電力レベルに増加される。その5秒間中、幾つかの実施形態において、アブレーション器具に供給される電力は、デューティサイクルを適用され得、アブレーション器具がオフ状態である1つ以上の期間を含み得る。例えば、複数のアブレーション器具のデューティサイクリングを
図8で説明する。
【0148】
図8は、複数のアブレーション器具に供給されるアブレーション電力のプロットを示す。
図8は、デューティサイクルを利用する例示的な実施形態を示す。
図8に関して、各アブレーション器具820a~820cに提供されるアブレーション信号は、同じ期間(P)、第一の長さの時間(T
1)及び第二の長さの時間(T
2)を有する。図に示すように、図の例では、T
2は、T
1の持続時間の約2倍である。より具体的には、図の例では、T
1は、約200msであり、T
2は、約400msである。さらに、各アブレーション器具のための第一の長さの時間は、時間的に相互にずらされている。より具体的には、あるアブレーション器具の動作のための第一の長さの時間は、他のアブレーション器具のための第一の長さの時間から200msだけ時間的にずらされている。
【0149】
図8に関して、第一の例の200msは、アブレーション器具820a及び820bがオン状態であり、アブレーション器具820cがオフ状態であるアブレーション状態を表す。
図8の200~400msの時間は、アブレーション器具820a及び820bがオン状態であり、アブレーション器具820bがオフ状態であるアブレーション状態を表す。
図8の400~600msの時間は、アブレーション器具820b及び820cがオン状態であり、アブレーション器具820aがオフ状態であるアブレーション状態を表す。図面から分かるように、パターンは、
図8の600~900msの時間のアブレーション状態に戻ることによって繰り返され、繰り返しが続く。
【0150】
図8は、3つのアブレーション器具(例えば、アブレーション器具820a~820c)が600msごとに状態を周期的に切り替えることを示す。幾つかの実施形態において、周期的切替にかかる時間は、600msより長くても又は短くてもよい。例えば、アブレーション状態は、状態を周期的に切り替えるのにかかる時間が600ms未満となるように(例えば、200ms~600ms)、より速く循環されてもよい。代替的に、アブレーション状態の周期的切替は、状態を周期的に切り替えるのにかかる時間が600msより長くなるように(例えば、600ms~5秒)、よりゆっくりと循環されてもよい。追加的に、200msより速い時間及び5秒より遅い時間も想定される。
【0151】
図8に示すように、アブレーション電力は、相互に時間的にずらされたデューティサイクルを有する複数のアブレーション器具に供給され得る。本明細書で使用される限り、デューティサイクル間の時間的ずれとは、デューティサイクルのオン及びオフ状態間の遷移間の時間の差を表す。例えば、
図8に示すように、アブレーション器具820aに関連するデューティサイクルは、アブレーション器具820bに関連するデューティサイクルから約200msだけ時間的にずらされている。幾つかの実施形態では、デューティサイクル間の時間的ずれは、約50ms~約500msである。幾つかの実施形態では、デューティサイクル間の時間的ずれは、約100ms~約300msである。別例では、50ms未満及び500msより長い時間的ずれも使用できる。
【0152】
実施形態において、各アブレーション器具に関連するデューティサイクルは、同程度の期間を有する。幾つかのこのような例において、連続するデューティサイクル間の時間的ずれは、期間をアブレーション器具の数で割ったものとほぼ等しくすることができる。例えば、
図8に関して、3つのアブレーション器具(820a~820c)の各々に関連するデューティサイクル期間は、約600msであり、デューティサイクルは、約200msだけ時間的にずらされている。
【0153】
幾つかの例では、デューティサイクル自体は、例えば、使用されるアブレーション器具の数、同時に電力供給できるアブレーション器具の最大数等を含む様々な要素に基づいて実装され得る。例えば、3つのアブレーション器具が使用され、2つのアブレーション器具に同時に電力供給できる例では、2/3デューティサイクル(2つは、オンであり、1つは、オフである)が実装され得る。各アブレーション器具は、デューティサイクルが適用されたアブレーション電力を供給され得、各アブレーション器具のためのデューティサイクルは、相互に時間的にずらされている。
【0154】
図8は、同等であるが、時間的にずれたデューティサイクルを有する各アブレーション器具を一般に示すが、他の実施形態において、様々なデューティサイクルは、アブレーション器具間で同様である必要はない。幾つかの実施形態では、アブレーション器具の1つ以上は、異なるデューティサイクルにより、例えばオンの動作状態(T
1)又はオフの動作状態(T
2)の時間の長さを変えて動作し得る。アブレーション器具は、同じ又は同程度のデューティサイクルも有し得るが、そのデューティサイクルに関連する周期(P)は、異なり得る。
【0155】
追加的又は代替的に、
図8は、様々なアブレーション状態間の周期的作動を一般に示すが、アブレーション状態間の変更パターンは、周期的である必要はない。例えば、幾つかの実施形態では、異なるアブレーション状態の任意の順序での手動の切替は、医師により、例えばユーザインタフェースを介して手作業で実行され得る。一般に、1つ以上のアブレーション器具を用いるシステムに関して、何れのアブレーション状態、又はこのようなアブレーション状態を適用する何れの順序も可能である。
【0156】
したがって、本明細書中である電力レベル(例えば、中間電力レベル)を所定の時間にわたり供給することに言及した場合、これは、供給される電力にデューティサイクルを適用することを排除しない(したがって時間の幾つかの部分では電力が供給されない)か、又はこのような電力が、その所定の時間にわたって変化する振幅を有する幾つかの別の時間変化信号特性(例えば、AC方形波)を有することを排除しない。
【0157】
幾つかの実施形態において、したがって、1つ以上の連続する中間電力レベル中にアブレーション電力がアブレーション器具に供給されない期間があり得る。特に、このような実施形態は、複数のアブレーション器具が同時に使用され、複数のアブレーション状態間で例えばデューティサイクリングによって周期的に作動させる場合に実装され得る。幾つかの例では、アブレーション電力が特定のアブレーション器具に供給されない期間(例えば、デューティサイクルのオフ状態中)は、特定の中間電力レベルの供給の開始又は終了と整合させることができるが、その必要はない。幾つかの例では、デューティサイクルは、1つの中間アブレーション電力の供給中に何度も発生させることができ、1つの中間アブレーション電力の供給中に1回、又は複数の中間アブレーション電力の供給にわたって1回である。
【0158】
第二のアブレーション電力レベルが第二の時点で供給されると、第二のアブレーション電力レベルは、第三の時点まで供給され得る。
図7に示すように、90Wの第二のアブレーション電力レベル(P
2)が180秒の第三の時点(T
3)まで供給される。幾つか実施形態では、第三の時点は、アブレーション処置の終了時を表し得る。第三の時点は、所定の時間であり得、例えばアブレーション処置の開始から30秒~3分又は第二の時点で第二のアブレーション電力レベルに到達してから900秒であり得る。
【0159】
中間電力レベルに関して上記したものと同様に、第二のアブレーション電力レベルでの電力の送達は、デューティサイクルを適用され得、および/又はそれが時間にわたって振幅が変化する信号(例えば、AC方形波)を含み得、その結果、おそらくアブレーション電力が特定のアブレーション器具に供給されない、又はピーク未満の電力レベルがアブレーション器具に供給される期間ができる。そのため、本明細書で説明するように、例えば複数のアブレーション器具が使用され、複数の状態間で周期的に作動される場合、第二のアブレーション電力レベルを所定の時間にわたって供給している間、第二の時点(T2)と第三の時点(T3)との間で一定の大きさの電力が連続的に供給される必要はない。
【0160】
追加的又は代替的に、時間の長さは、エネルギー目標が満たされたか否かに基づいて特定され得る。例えば、ある実施形態では、アブレーション器具は、組織に送達されるエネルギーがエネルギー送達目標に到達するまで、第二のアブレーション電力レベルを供給し続け得る。幾つかの例では、エネルギー目標が満たされたか否かを特定することは、アブレーション器具から送達されるエネルギーの量を、例えば電力対時間曲線を積分することによって計算することを含み得る。電力対時間の積分(又はその概算)により、送達される全エネルギー量が得られる。そのため、幾つかの例では、このような情報は、例えば、コントローラを通してモニタして、アブレーションプロセス中にアブレーション器具から送達される全エネルギーを特定することができる。
【0161】
幾つかの例では、コントローラは、アブレーション器具の送達された電力及び/又は反射された電力をモニタするように構成され得る。例えば、幾つかの場合、様々な要因により、アブレーション器具に送達される電力の一部は、アブレーション器具内で反射され得る。このような要因としては、アブレーション信号要因(例えば、電力レベル、周波数等)、標的部位の組成(例えば、組織の種類、水分含有量等)、使用されるアブレーション器具の種類、他の媒質(例えば、骨、エアポケット、他のアブレーション器具、補助的器具)との近接性又はその他が含まれ得る。例えば、幾つかの例では、アブレーション器具と周囲の組織との結合不良は、例えば、マイクロ波アブレーションニードル内等、アブレーション器具内での電力反射の原因となる可能性がある。
【0162】
アブレーションシステムは、アブレーション器具の送達された電力及び/又は反射された電力を、例えば送達された電力及び/又は反射された電力に関する情報を受け取ることによって特定することができ得る。幾つかの実施形態では、アブレーションシステムは、方向性カプラを含み得、これは、受け取られた電力を測定すること、及び電力を供給することに使用され得る。このような方向性カプラは、アブレーション器具から発せられた電力を測定するために使用され得、これを、アブレーション器具に供給された電力と比較することができる。追加的又は代替的に、送達された電力及び/又は受け取られた電力を特定するために他の器具も使用され得、これは、例えば、別のアブレーション器具上の別の方向性カプラ又は電力を受け取るように指定されたアンテナである。方向性カプラ又は同様の機器を使用する場合、反射された電力は、受け取られた電力(例えば、方向性カプラのS11)をモニタすることによって特定され得る。追加的又は代替的に、アブレーション器具は、1つ以上の他のアブレーション器具によって送達された電力の量を、受け取られた電力(例えば、方向性カプラのS21又はS31等)をモニタすることによって特定するために使用され得る。好ましい実施形態では、例えば本明細書に記載されているようなデューティサイクルのオフ期間中等、ある時点でアブレーション電力を供給していないアブレーション器具は、送達された電力の量を特定するために使用され得る。
【0163】
幾つかの実施形態では、送達された電力をモニタすることにより、反射された電力を特定し得る。幾つかの実施形態では、第二の器具(例えば、異なるアブレーション器具)が受け取らなかった全ての電力は、アブレーション器具によって反射された電力であり、標的領域内に発せられなかった電力であると考えられる。しかしながら、2つの器具間の距離により、電力信号は、組織を通して減衰することになり得る。減衰により、第二の器具によって受け取られた電力は、送達された全電力ではなく、それよりわずかに少なくなり得る。幾つかの実施形態において、送達された電力は、受け取られた電力を用いて、例えば標的部位内の組織の既知の特性及びアブレーション器具と第二の器具との間の距離を用いて減衰を計算することによって計算され得る。追加的に、反射された電力をモニタすることにより、送達された電力を特定し得る。幾つかの実施形態では、反射されなかった電力を用いて、送達された電力を特定し得ると考えられる。
【0164】
反射された電力及び/又は送達された電力は、アブレーション処置の効率、例えば送達された電力対反射された電力の比、送達された電力対供給された電力の比又は反射された電力対供給された電力の比を特定するために使用できる。幾つかの例では、計算された効率は、グラフィックユーザインタフェース上でユーザ(例えば、医師)に対して表示され得る。
【0165】
幾つかの実施形態では、特定された、ある時間にわたり送達された電力は、アブレーション器具から送達されたエネルギーの量を計算するために使用され得、組織に流れなかった反射された電力を補償する。
【0166】
アブレーションシステムは、標的部位の寸法、1つ以上のアブレーション器具の位置決め、所定のアブレーション時間及び/又は所定のエネルギー量等のアブレーションパラメータに関する入力を受け取り得る。アブレーションシステムは、標的部位の直径(例えば、6.5cm)及びアブレーション器具の配置(例えば、
図6A及び6Bに示される配置)に関する情報を受け取り得る。幾つかの実施形態では、アブレーションシステムは、例えば、アブレーション処置のためのアブレーション電力レベル、全エネルギー量及び/又はアブレーション持続時間等の1つ以上のアブレーションパラメータを、アブレーション処置を行うための選択された組織又は領域に基づいて計算して推奨する。このようなパラメータは、例えば、ユーザによって与えられた1つ以上の入力に応答して、メモリ内に記憶された1つ以上の式及び/又はルックアップテーブルを用いて特定され得る。
【0167】
アブレーションシステムは、アブレーション処置パラメータの一部としてランプアップパラメータも推奨し得る。ランプアップパラメータは、
図7及び8に関して説明するように、第一のアブレーション電力レベル、第二のアブレーション電力ベル、第一の時点及び/又は第二の時点を含み得る。幾つかの実施形態において、デフォルトのランプアップパラメータ、例えば
図7に示すパラメータも、ユーザによって調整されない限り使用され得る。代替的に、ランプアップパラメータは、アブレーション処置パラメータ、例えば標的部位の大きさ、アブレーション器具の数、第一のアブレーション電力レベル、第二のアブレーション電力レベル、送達される全エネルギー量、アブレーションの持続時間及び/又はその他に依存し得る。
【0168】
幾つかの実施形態では、ユーザは、1つ以上の入力を与えて、アブレーションシステムと連絡し得る。ユーザは、アブレーション器具に供給されている電力の量を増加又は減少させるための入力を与えることができる。追加的又は代替的に、ユーザは、アブレーションに関連する時間の長さ、例えば中間電力レベルでの滞留時間の長さ及び/又はアブレーション電力(例えば、第二のアブレーション電力レベル)を供給する時間の長さを増加又は減少させるための入力を与えることができる。ユーザは、アブレーション電力の供給を停止させるため、例えばシステムをシャットダウンさせるための入力を与えることができる。
【0169】
同様に、ユーザは、アブレーションプロセスの開始時に1つ以上の入力を与えることができ、例えば第一のアブレーション電力レベル、第二のアブレーション電力レベル、中間アブレーション電力レベルの数、連続する中間アブレーション電力レベル間の増分の変更、各中間アブレーション電力レベルを供給する時間の長さ及び/又は第二のアブレーション電力レベルを供給する時間の長さを入力することができる。
【0170】
各種の非限定的な例が説明された。これら及びその他は、以下の特許請求の範囲に含まれる。追加的に、本発明は、様々な改変形態及び代替形態が可能であるが、その幾つかの具体的な実施形態が図面中に例として示されている。図面は、縮尺通りでない場合がある。
【国際調査報告】