(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】剃毛に使用するための流動性固体組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20230420BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230420BHJP
A61Q 9/02 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/34
A61Q9/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555113
(86)(22)【出願日】2021-04-08
(85)【翻訳文提出日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 US2021026294
(87)【国際公開番号】W WO2021207436
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ローレンス リンチ
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン フィリップ イリー
(72)【発明者】
【氏名】タオタオ ジュー
(72)【発明者】
【氏名】ジャミー リン ドリア
(72)【発明者】
【氏名】ポール マーティン リピク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリー ジーン ブラッドフォード
(72)【発明者】
【氏名】アリソン ステフェンス
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ アンドリュー サウィン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA162
4C083AB051
4C083AB212
4C083AB332
4C083AC012
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC131
4C083AC132
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC472
4C083AC642
4C083AC782
4C083AC842
4C083AD042
4C083AD052
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD211
4C083AD272
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD532
4C083BB05
4C083BB11
4C083BB21
4C083BB41
4C083BB48
4C083CC21
4C083DD22
(57)【要約】
流動性固体剃毛組成物。流動性固体剃毛組成物は、結晶化剤、活性物質、及び水相を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性固体剃毛ケア組成物であって、
a.結晶化剤と、
b.活性物質と、
c.水相と、を含む、流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項2】
懸濁剤を更に含む、請求項1に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項3】
堅さ試験方法によって決定された場合、0.1N~50.0Nの堅さを有し、熱安定性試験方法によって決定された場合、約30℃超の熱安定性を有し、水発現試験方法によって決定された場合、約100J m-3~約6000J m-3の液体発現を有し、相安定性試験方法によって決定された場合、1以上の安定性グレードを有し、相安定性試験方法によって決定された場合、2以上の安定性グレードを有する、請求項1又は2に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項4】
前記結晶化剤が、約12~約20個の炭素原子を含有する脂肪酸の塩を含み、好ましくは、前記結晶化剤が、約13~約18個の炭素原子を含有する脂肪酸の塩を含み、最も好ましくは、前記結晶化剤が、約13~約16個の炭素原子を含有する脂肪酸の塩を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項5】
前記結晶化剤が、金属塩であり、好ましくは、前記金属塩が、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、及びミリスチン酸ナトリウムのうちの少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか一項に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項6】
前記結晶化剤が、前記流動性固体剃毛ケア組成物の約0.01重量%~約10重量%の量で存在し、好ましくは、前記結晶化剤が、前記流動性固体剃毛ケア組成物の約1~約7重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項7】
前記活性物質が、不溶性活性物質又は可溶性活性物質のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項8】
前記活性物質が、油制御活性物質、テカリ防止粉末、ざ瘡活性物質、保湿剤、シリコーン、油、抗刺激及び発赤活性物質、芳香剤、感覚剤、封入活性物質、抗菌活性物質、潤滑剤の群から選択される少なくとも1つの活性物質を含み、好ましくは、前記流動性固体剃毛ケア組成物が、アニオン性界面活性剤、並びに/又は蒸発を低減するためのグリセリン及び/若しくはソルビトール、並びに/又は不透明化剤、並びに/又は着色剤を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項9】
前記活性物質が、不溶性油を含む不溶性活性粒子を含み、好ましくは、前記流動性固体剃毛ケア組成物が、約4~約15重量%の不溶性油を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項10】
前記流動性固体剃毛ケア組成物が、疎水性非水性ビヒクルを更に含み、好ましくは、前記流動性固体剃毛ケア組成物が、前記流動性固体剃毛ケア組成物の約1~約15重量%の疎水性非水性ビヒクルを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項11】
前記懸濁剤が、多糖類を含む、請求項2に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項12】
前記懸濁剤が、第1の多糖類と、第2の多糖類とを含み、前記第1の多糖類が、キサンタンガムであり、前記第2の多糖類が、コンニャクガム、ローカストビーンガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項13】
前記懸濁剤が、前記流動性固体剃毛ケア組成物の約0.01~約2重量%の量で存在し、かつ/又は不溶性活性物質が、前記流動性固体剃毛ケア組成物の約0.1~約30重量%の量で存在する、請求項2に記載の流動性固体剃毛ケア組成物。
【請求項14】
流動性固体剃毛ケア組成物の製造のためのプロセスであって、以下、
a)塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムの水溶液を提供するステップと、
b)塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムの前記水溶液を加熱するステップと、
c)乳化剤主要ミックスを得るために乳化剤を添加するステップと、
d)懸濁剤を前記乳化剤主要ミックスに添加するステップと、
e)活性プレミックスを前記乳化剤主要ミックスに添加して、ブレンドを得るステップと、
f)前記流動性固体剃毛ケア組成物の結晶構造体を形成するために、前記ブレンドを冷却するステップと、を含む、プロセス。
【請求項15】
防腐剤を前記乳化剤主要ミックスに添加するステップを更に含み、好ましくは、前記防腐剤が、フェノキシエトナールを含む、請求項14に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
細長い繊維のような晶癖の結晶化剤(crystallizing agent)を有する、約80%超の水を含む流動性固体組成物。流動性固体組成物は、皮膚上で擦られたときに、感覚剤(sensate)の不在下でも、清涼感/冷却感のための強化された蒸発冷却をもたらす独特な皮膚感触「クランチ(crunch)」及び/又は滑りを可能にし、流動性固体はまた、実用的な商業的な実現可能性に重要な十分な堅さ、水相発現、及び熱安定性の特性を示す。
【背景技術】
【0002】
流動性固体組成物などの従来の高水含有組成物、特にカルボン酸ナトリウム系結晶化剤を含むものは、1つ以上の望ましい特性、例えば、十分な堅さ、水相発現、及び熱安定性を欠く。例えば、従来の石鹸型脱臭剤ゲルスティックにゲル化剤としてステアリン酸ナトリウム(C18)を使用して堅い流動性固体組成物を生成するためには、高いプロセス温度でも、加工中にステアリン酸ナトリウムの溶解助剤として、高レベルのポリオール(例えば、プロピレングリコール及びグリセリン)を含める必要がある。典型的な組成物は、約50%のプロピレングリコール、25%のグリセリン、及び25%のみの水を含む(欧州特許第2170257号及び欧州特許第2465487号)。しかしながら、これらの加工助剤の添加は、クランチを排除し、固体ゲルスティックの滑り感及び冷却感を弱める。第2の例では、従来の棒状石鹸は、同様のゲル化剤で構成されているが、カルボン酸ナトリウムがはるかに濃縮されているため、圧縮により水相発現を効果的に可能にすることができない。別の例は、(Kacher et al.、米国特許第5,340,492号)にあるように、過度に可溶性のゲル化剤を添加することによって、組成物において熱安定性が損なわれる場合である。具体的には、組成物の熱安定性温度が低すぎるため、保存寿命又はサプライチェーンにおいて効果的に確実に耐えることができない。
【0003】
剃毛又は身体部分の毛髪の除去は、皮膚に潤いを与え(多くの場合、多量の水で)、泡若しくはゲルの形態の潤滑剤を適用し、皮膚にかみそりを走らせて毛髪を除去し、余分な潤滑剤を洗い流す、皮膚を拭いて乾かし、皮膚処理剤(剃毛後など)を適用し、芳香剤及び/又は油を適用する、一連のステップを経る、多くの消費者にとっては毎日の習慣である。毛髪の剃毛又は除去には、湿式かみそり、ドライシェーバ、脱毛器、及びインテンスパルスライト装置などの多数の装置が含まれ得る。この管理には、多くの製品及び供給源、例えば、多量の水を必要とすることが多く、これは、消費者に時間及び費用の両方で過度の負担をかける。一例として、消費者が皮膚に完全に潤いを与えるための十分な水へのアクセスがある場所は多くない。他の例として、消費者は剃毛又はパーソナルケア管理におけるすべての製品へのアクセスがなく、したがって、所望の結果をもたらすことができない。消費者は、これらの別個のステップを組み合わせて管理を簡素化し、完全な剃毛のためのすべての供給源を含む消費者製品を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
必要とされるのは、十分な堅さ、水相発現、及び熱安定性を有する流動性固体組成物である。圧縮された場合に水相を発現する、比較的剛性の繊維のような結晶粒子のフレームの結晶メッシュを含む自己支持構造体の本発明は、十分な堅さ、熱安定性、及び水相発現の特性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、任意選択で、装置又は器具と組み合わせて、結晶化剤を含む流動性固体剃毛組成物を例示する。結晶化剤は、水並びに可溶性及び不溶性活性物質を含む組成物を固定化する流動性固体組成物を提供し、圧縮中、例えば、皮膚での使用中に組成物の少なくともいくつかを更に放出する結晶メッシュを形成する。
【0006】
一態様によれば、結晶化剤、懸濁剤、活性物質、及び水相を含む、流動性固体剃毛組成物が提供される。
【0007】
一態様によれば、流動性固体組成物の製造プロセスが提供され、このプロセスは、以下、
-塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムの水溶液を提供するステップと、
-塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムの水溶液を加熱するステップと、
-乳化剤主要ミックス、好ましくはパルミチン酸ナトリウム石鹸主要ミックスを得るために、乳化剤、好ましくはパルミチン酸を添加するステップと、
-懸濁剤、好ましくはキサンタンガム及びグリセリンを乳化剤主要ミックスに添加するステップと、
-活性プレミックスを乳化剤主要ミックスに添加してブレンドを得るステップであって、活性プレミックスが、好ましくは、活性物質のワセリン系プレミックスである、得るステップと、
-流動性固体組成物の結晶構造体を形成するために、ブレンドを冷却するステップと、
-任意選択で、結晶構造体を安定化させるために吸湿性安定化剤をブレンドに添加するステップであって、吸湿性安定化剤が、好ましくは乳酸ナトリウムである、添加するステップと、を含む。
【0008】
結晶化剤は、約13~約20個の炭素原子を含有する脂肪酸の塩を含む。
【0009】
流動性固体剃毛組成物は、堅さ試験方法によって決定された場合、約0.1N~約50.0Nの堅さを有する。
【0010】
流動性固体剃毛組成物は、熱安定性試験方法によって決定された場合、約40℃~約95℃の熱安定性を有する。
【0011】
流動性固体剃毛組成物は、水相発現試験方法によって決定された場合、約100J m-3~約8,000J m-3の液体発現を有する。
【0012】
組成物は、水を含む。組成物は、剃毛前、剃毛中、又は剃毛後に更なる利益を提供し得る可溶性及び/又は不溶性活性物質を更に含み得る。可溶性及び不溶性活性物質は、保水剤、保湿剤、油、感覚剤、芳香剤、潤滑剤などの従来の剃毛処理活性物質を含み得る。従来の剃毛処理活性物質に加えて、そのような任意選択の活性物質は、しわ、しみ、保湿、UV保護、抗老化、表面瘢痕、前がん性皮膚斑点、角質除去剤、化学的剥離、細孔保湿剤、酸化防止剤、レチノール、ざ瘡処理剤、及び処理剤ペプチドを含む。
【0013】
流動性固体剃毛組成物は、懸濁剤を含み得る
【0014】
流動性固体剃毛組成物は、かみそりなどの除毛装置に取り付けられてもよいか、又は任意のそのような除毛装置と分離していてもよい。脱毛装置に取り付けられている場合、流動性固体剃毛組成物は、潤滑ストリップ、ウィング、又は任意の他の搭載形態の形態をとってもよい。流動性固体剃毛組成物が任意の除毛装置と分離している場合、スティック、シリンダ、ボタン、グミベア(gummy bear)、単一容器内の球の形態をとることができる。あるいは、流動性固体剃毛組成物は、アプリケータ又はスティックディスペンサなどの除毛装置ではない器具に組み込まれ得る。流動性固体剃毛組成物はまた、任意の除毛装置とは別個に、又はそれと組み合わせて使用され得る。
【0015】
また、剃毛流動性固体組成物を生成する方法も提供され、これには、水を提供することと、結晶化剤を提供することと、NaClを提供することであって、NaClが、流動性固体組成物の重量パーセント当たり約10%以下である、提供することと、水、結晶化剤、及びNaClを混合することと、混合物を加熱することと、混合物を冷却することと、流動性固体組成物を生成することと、が含まれ、流動性固体組成物は、堅さ試験方法によって決定された場合、約0.1N~約50.0Nの堅さ、熱安定性試験方法によって決定された場合、約54℃を超える熱安定性、水相発現試験方法によって決定された場合、約300J m-3~約9,000J m-3の液体発現を有する。
【0016】
また、剃毛流動性固体組成物を生成する方法も提供され、これには、水を提供することと、結晶化剤を提供することと、水及び結晶化剤を混合することと、混合物を加熱することと、混合物を冷却して流動性固体組成物を生成することと、NaClを流動性固体組成物に添加することと、が含まれ、NaClの添加後の流動性固体組成物は、堅さ試験方法によって決定された場合、約0.1N~約50.0Nの堅さ、熱安定性試験方法によって決定された場合、約55℃を超える熱安定性、水相発生試験方法によって決定された場合、約300J m-3~約9,000J m-3の液体発生を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書は、本開示としてみなされる主題を詳細に示しかつ明確に特許請求する特許請求の範囲をもって完結するが、本開示は、以下の説明文を添付の図面と併せて読むことで更に深い理解がなされるものと考えられる。一部の図は、より明確に他の要素を示す目的のために、選択された要素を省略することによって簡略化されている場合がある。一部の図中のそのような要素の省略は、対応する書面による説明の中で明確に叙述されている場合を除き、例示的な実施形態のいずれかの中の特定要素の有無を必ずしも示すものではない。いずれの図面も必ずしも一定の縮尺に従っていない。
【
図2】インターロッキングメッシュのSEMである。
【
図3】本開示による、剃毛補助具としての流動性固体組成物を含むかみそりカートリッジの斜視図である。
【
図4A】本開示による潤滑ストリップ形態の、剃毛補助具としての流動性固体組成物を含むかみそりの側面図である。
【
図4B】本開示による潤滑ストリップ形態の、剃毛補助具としての流動性固体組成物を含むかみそりの正面図である。
【
図5A】本開示によるボックス又はトレイ内に収容された固体形態の、剃毛補助具としての流動性固体組成物を含むかみそりカートリッジの断面図である。
【
図5B】流動性固体組成物を含む固体剃毛補助具を収容することができるトレイの斜視図である。
【
図5C】流動性固体組成物を含む固体剃毛補助具を収容することができるトレイの斜視図である。
【
図6A】本開示によるウィング形態の、剃毛補助具としての流動性固体組成物を含むかみそりカートリッジの正面図である。
【
図6B】本開示によるウィング形態の、剃毛補助具としての流動性固体組成物を含むかみそりカートリッジの側面図である。
【
図6C】本開示によるウィング形態の、剃毛補助具としての流動性固体組成物を含むかみそりカートリッジの斜視図である。
【
図7】ウィング形態の剃毛補助具としての流動性固体組成物と、刃及び剃毛補助具のための別個のハウジングとを含む、かみそりの分解図である。
【
図8A】流動性固体をハウジングに取り付けるための空隙を含む突出部を含むハウジングの斜視図である。
【
図8B】流動性固体をハウジングに取り付けるためのアンダーカットを含む突出部を含むハウジングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、結晶メッシュを含む流動性固体剃毛組成物を含む。結晶メッシュ(「メッシュ」)は、水溶液及び任意選択で1つ以上の活性物質を含有する空隙又は開口部を有する、繊維のような結晶粒子(結晶化剤から形成される)の比較的剛性の三次元のインターロッキング結晶骨格フレームを含む。メッシュは自己支持構造を提供し、その結果、流動性固体組成物は、表面上に置かれたときに「それ自体で立つ」ことができる。臨界応力を超えて圧縮された場合、メッシュは、流動性固体組成物が閉じ込められた水相、及び任意選択で水溶性活性物質を発現することができる。本発明の流動性固体組成物は、結晶化剤、水相、及び任意選択で活性物質を含み、装置と組み合わされて適用を可能にすることができる。
【0019】
十分な堅さ、水相発現、及び熱安定性を示す流動性固体組成物を調製することが可能であることは驚くべきことである。理論に束縛されるものではないが、高水組成物(例えば、約80%超)中に存在するカルボン酸ナトリウム及び正確な鎖長純度は、細長い繊維のような晶癖を形成し得ると考えられる。これらの結晶は、非常に低い濃度でも流動性固体組成物をもたらすメッシュ構造体を形成する。堅さは、結晶化剤の濃度及び鎖長分布を慎重に調整することによって達成することができる。水相発現は、水が組成物から流れ出ることを可能にするメッシュ構造を破壊する降伏挙動を超える圧縮によって、これらの流動性固体構造体から達成され得る。当業者は、これをメッシュ構造体の塑性変形として認識する。これは、非常に高い水濃度で配合され得るが、圧縮により水を発現しないゼラチンのような他のゲル化剤とは対照的である。熱安定性は、40℃を超えて加熱されたときにメッシュが可溶化しないことを確実にするために、適切な鎖長及び鎖長分布を確保することによって達成され得る。これは、消費者製品の保存寿命及びサプライチェーンに関連して重要な特性である。塩化ナトリウムの添加は、組成物の熱安定性を高めるために使用され得るが、メッシュの適切な形成を確実にするために正しく添加されるべきである。これらの発見された設計要素は、実質的に熱安定性であるには可溶性でありすぎるゲル化剤で調製された組成物とは対照的である。最後に、そのような流動性固体組成物は、冷凍庫又は他の機械的に侵襲的なプロセスとは対照的に、混合物を主に静止して冷却することによって調製される。理論に束縛されるものではないが、静止プロセスは、より小さく、あまり効率的でない結晶に破壊するより、非常に大きく効率的な繊維状結晶の形成を可能にする。
【0020】
結晶化剤
本発明では、流動性固体組成物のメッシュは、結晶化剤から形成された繊維のような結晶粒子を含む。本明細書で使用する場合、「結晶化剤」は、パルミチン酸ナトリウム(C16)などの短い鎖長(C13~C20)を有する脂肪酸のナトリウム塩を含む。結晶化剤の商業的供給源は通常、分子の複雑な混合物を含み、C10~C22の鎖長を有することが多い。流動性固体組成物は、「狭いブレンド」又は結晶化剤鎖長分布で最もよく達成され、更に、非常に短い鎖長(C12以下)及び/又は脂肪酸ナトリウム塩の鎖上の測定可能な量の不飽和の不在下でのブレンドで最もよく達成され、制御された結晶化加工と組み合わせてC13~C20の単一鎖長で最もよく達成される。したがって、流動性固体組成物は、ブレンド試験方法によって決定された場合、結晶化剤の鎖長分布が、好ましくは約Po>0.3超、より好ましくは約Po>0.5、より好ましくは約Po>0.6、より好ましくは約Po>0.7、最も好ましくは約Po>0.8である場合に、最もよく達成される。当業者は、粉末X線回折測定において、0.25~60度2θの鋭い散乱ピークを示す場合、結晶粒子を認識する。これは、これらの材料がゲル化剤として使用される組成物とは著しく対照的であり、これは、結晶性固体の長距離秩序を欠く不十分に形成された固体から発生する広い無形質の散乱ピークを示す(
図1)。
【0021】
本発明の流動性固体組成物は、約80%超の水を含み、上記のように、主に一本鎖長のインターロッキングの繊維のような結晶粒子のメッシュによって「構造化」され、(
図2)を参照されたい。用語「繊維のような結晶粒子」は、その最長軸の方向の粒子の長さが、任意の直交方向における粒子の長さの10倍超である粒子を指す。繊維のような結晶粒子は、非常に低い濃度(約0.5重量%)でメッシュを生成し、これは、最小の負荷応力により得られる固体、すなわち流動性固体を生成する。水相は主にメッシュの開放空間に存在する。これらの組成物を調製する際に、結晶化剤は熱を使用して水相に溶解される。混合物が数分から数時間にわたって冷却するにつれて、繊維のような結晶粒子がメッシュに形成される。
【0022】
鎖長ブレンド
効果的な鎖長ブレンドは、流動性固体組成物中の効果的なメッシュ微細構造体の作製を可能にする。実際、結晶化剤のアドホック(又は情報に基づく選択)は、液体又は非常に軟質の組成物をもたらすことが多い。結晶化剤は、カルボン酸ナトリウム分子の混合物を含み得、ここで、各分子は特定の鎖長を有する。例えば、ステアリン酸ナトリウムは18の鎖長を有し、オレイン酸ナトリウムは18:1の鎖長を有する(1は鎖中の二重結合を反映する)、パルミチン酸ナトリウムは16の鎖長を有するなどである。結晶化剤における鎖長分布又は各鎖長の定量的重量分率は、以下に記載されるように、ブレンド試験方法によって決定することができる。結晶化剤の商業的供給源は通常、分子の複雑な混合物を含み、10~22の鎖長を有することが多い。
【0023】
本発明の流動性固体組成物は、ブレンド試験方法によって決定された「最適純度」(Optimal Purity、Po)及び「単一純度」(Single Purity、Ps)によって記載されるように、好ましい鎖長ブレンドを有する。カルボン酸ナトリウム結晶化剤は、13~22個の炭素の「最適鎖長」を有し得、単独で使用されるか、又は組み合わされて、流動性固体組成物の3つすべての性能基準を満たすメッシュ構造体を形成することができる。理論に束縛されるものではないが、これらの鎖長分子(13~22)は、高い可溶化温度(例えば、Krafft温度)を有し、効率的に結晶に詰め込むことができると考えられる。カルボン酸ナトリウム結晶化剤は、10、12、18:1、及び18:2(及びより短い又は他の不飽和鎖長)のカルボン酸ナトリウム分子の鎖長を有する「不適切な鎖長」結晶化剤を有し得る。組成物単独で、又は「最適鎖長」分子とのいくつかの組み合わせで存在する場合、それらは、必要な性能基準を満たす流動性固体組成物を形成しない。したがって、本発明の組成物は、流動性固体組成物の適切な特性を確実にするために、結晶化剤分子の適切なブレンドを必要とする。Poは、結晶化剤分子の総重量に対する結晶化剤の最適な鎖長分子の総重量分率を記載し、これは、好ましくはPo>0.4、より好ましくはPo>0.6、より好ましくはPo>0.8、最も好ましくはPo>0.90である。Psは、結晶化剤の総重量に対する結晶化剤中の最も一般的な鎖長分子の総重量分率を記載し、これは、好ましくはPs>0.5、より好ましくはPs>0.6、より好ましくはPs>0.7、より好ましくはPs>0.9である。
【0024】
水相
流動性固体剃毛組成物は、水性キャリアを含む。使用される水性キャリアは、蒸留水、脱イオン水又は水道水であり得る。水は、水溶液である流動性固体組成物の任意の量で存在し得る。水は、流動性固体組成物の約80重量%~99.5重量%、あるいは約90重量%~約99.5重量%、あるいは約92重量%~約99.5重量%、あるいは約95重量%の量の重量で存在し得る。水相は、少量の低分子量の一価アルコール、例えば、エタノール、メタノール、及びイソプロパノールを含有し得るか、又はエチレングリコール及びプロピレングリコールなどのポリオールも有用であり得る。しかし、エタノール及び/又はイソプロパノールなどの揮発性の低分子量一価アルコールは制限すべきであり、これは、これらの揮発性有機化合物が、引火性の問題及び環境汚染の問題の双方の一因になるからである。一価アルコールのレベルは、流動性固体組成物の約1重量%~約5重量%、あるいは約6重量%未満、あるいは約3重量%未満、あるいは約1重量%未満の重量であり得る。低分子量一価アルコールは、これらのアルコールをそのような成分に添加することにより、香料として、及びいくつかの防腐剤の安定化剤として、又は不純物により流動性固体組成物中に存在し得る。
【0025】
水相は、剃毛活性物質を含有し得る。剃毛活性物質は、水性キャリアに可溶性であり得るか、又はその中に分散され得る。
【0026】
溶媒
組成物は、溶媒を含有し得る。溶媒の非限定的な例としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール200、及びこれらの混合物を挙げることができる。一例では、組成物は、約0.5%~約15%の溶媒、別の例では約1.0%~約10%の溶媒、別の例では約1.0%~約8.0%の溶媒、別の例では約1%の溶媒~約5%の溶媒を含む。
【0027】
水相は、香料が水相に可溶性である程度まで香料を含有し得るか、又は溶媒の使用を通して可溶性にすることができる。剃毛組成物は、水不溶性香料を含み得る。水不溶性香料は、不溶性活性物質として組み込まれ得る。
【0028】
潤滑剤
剃毛組成物は、潤滑剤を含み得る。潤滑剤は、水溶性ポリマーを含み得る。潤滑剤は、水相に少なくとも部分的に可溶性であり得る。潤滑剤は、水相に少なくとも部分的に溶解されず、その中に分散され得る。
【0029】
潤滑剤は、剃毛中に潤滑効果をもたらす。好適な水溶性ポリマーの例としては、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide、PEO)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリビニルイミダゾリン、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチメタクリレート(polyhydroxyethymethacrylate)、PEOとポリプロピレンオキシド(polypropylene oxide、PPO)とのコポリマー、グアー、セルロース、変性セルロース、及びこれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、水溶性ポリマーはPEOであり、いくつかの例では、水溶性ポリマーは、それぞれ、業界でPEO及びPEGと呼ばれる高分子量PEO及び/又は低分子量PEOから選択され得る。
【0030】
本開示によれば、剃毛補助具は、剃毛補助具の約1重量%~約99重量%、好ましくは剃毛補助具の少なくとも約15重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%、最も好ましくは少なくとも約25重量%、かつ最大約70重量%、好ましくは最大約60重量%を含む潤滑剤を含み得る。潤滑性材料は、好ましくは、潤滑剤の少なくとも50重量%のPEOを含む。
【0031】
水溶性ポリマー(特にPEO)は、少なくとも約20,000g/mol、好ましくは少なくとも約50,000、より好ましくは少なくとも約100,000、又は約100,000~約1000万、若しくは約300,000~約800万、若しくは約100万~約500万、若しくは約200万~約300万の数平均分子量を有し得る。PEOは、約500万の数平均分子量を有し得る(すべての値は、±10,000g/molである)。
【0032】
PEOは、構成成分PEOの加重平均がPEOの所望の分子量範囲内にあるように、異なる分子量の異なるPEOのブレンドを含み得る。PEOブレンドは、約40%~80%の、約500万の平均分子量を有するPEO(例えば、POLYOX(商標)凝固剤、Dow Chemical)及び約60%~10%の、約300,000の平均分子量を有するPEO(例えば、POLYOX(商標)WSR-N-750、Dow Chemical)を含み得る。PEOのブレンドは、約40%~80%の、約800万の平均分子量を有するPEO(例えば、POLYOX(商標)308)、及び約60%~10%の、約300,000の平均分子量を有するPEO(例えば、POLYOX(商標)WSR-N-750、Dow Chemical)を含み得る。PEOのブレンドはまた、有利なことに、最大約10重量%(例えば約5重量%)の、PEG-100などの低分子量(すなわち、MW<10,000)のPEGを含有することができる。
【0033】
好適なPEOとPPOとのコポリマーは、少なくとも5,000、好ましくは10,000~20,000、より好ましくは11,000~15,000、更により好ましくは12,000~13,000、なお更により好ましくは12,250~12,750の範囲の平均分子量を有し得る。理論に束縛されるものではないが、十分な分子量のPEO/PPOコポリマーの含有により、特に更なる水溶性ポリマー(特にPEO)と組み合わせたときに水性条件下の剃毛補助具の潤滑特性を更に改善し、ひいては使用する際の望ましくない感触を防ぐと考えられる。
【0034】
PEO/PPOコポリマーは、有利なことに、ブロックコポリマーであってもよく、好ましくは、PEO-PPO-PEOの配列を有するトリブロックコポリマーであってもよく、後者は、PLURACARE(登録商標)(BASF)及びPLURONIC(登録商標)(BASF)などの商品名で市販されている。
【0035】
PEO/PPOコポリマーは、PEO対PPOの重量比が、1000:1~1:1000、又は100:1~1:100であり得る。PEO/PPOコポリマーは、典型的には、潤滑性材料又は剃毛補助具の0.01重量%~50重量%、好ましくは0.01重量%~50重量%、より好ましくは2重量%~40重量%、更により好ましくは3重量%~25重量%、なお更により好ましくは4重量%~20重量%、最も好ましくは5重量%~10重量%の量で存在する。
【0036】
剃毛補助具及び/又は水溶性ポリマーは、発泡性石鹸(すなわち、C4~C30脂肪酸の塩)及び発泡性界面活性剤を、好ましくは5重量%未満、好ましくは1重量%未満含み、より好ましくは実質的に含まない。発泡性界面活性剤は、水と組み合わせられ、かつ機械的に撹拌されたときに泡(foam)又は泡(lather)を発現する界面活性剤として定義される。発泡性界面活性剤としては、アニオン性及び両性発泡性界面活性剤、並びにこれらの混合物を挙げることができる。アニオン性発泡性界面活性剤としては、サルコシネート、サルフェート、スルホネート、イセチオネート、タウレート、ホスフェート、ラクチレート、グルタメート、8~24個の炭素を有する脂肪酸のアルカリ金属塩(すなわち、石鹸)、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0037】
剃毛組成物は、酸化防止剤を含み得る。酸化防止剤は、水相とともに又は水相とは別に含まれ得る。酸化防止剤は、とりわけ、特に、組成物が、例えば、加工中又は出荷中に温度が上昇する場合、潤滑剤の安定性を確保するのに役立ち得る。酸化防止剤は、キレート剤を含む系などの多構成成分酸化防止剤系を含み得る。キレート剤は、組成物中のイオン性不純物の影響を軽減するのに役立ち得る。
【0038】
本発明において有用な酸化防止剤は、参照により本明細書に組み込まれる、2020年11月5日に出願された「Shaving Aid Comprising an Antioxident」という名称の米国特許出願第17/089,867号に開示されている。
【0039】
感覚剤
剃毛組成物は、感覚剤を含み得る。感覚剤は、水相に少なくとも部分的に可溶性であり得る。感覚剤は、少なくとも部分的に水相に溶解されず、その中に分散され得る。感覚剤は、水相に不溶性であり得る。
【0040】
感覚剤
実施形態では、可溶性又は不溶性活性剤は、しばしば感覚剤と呼ばれる感覚的利益を提供する1つ以上の構成成分を含み得る。感覚剤は、温感、刺激感、又は冷却感などの感覚属性を有し得る。好適な感覚剤としては、例えば、メントール、乳酸メンチル、青葉アルコール、樟脳、丁子油、ユーカリ油、アネトール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、カッシア(cassia)、1-8酢酸メチル、オイゲノール、オキサノン、アルファ-イリソン、プロペニルグアエトール、チモール、リナロール、ベンズアルデヒド、CGAとして知られるシンナムアルデヒドグリセロールアセタール、Renessenz-Symriseにより供給されるWinsense WS-5、VBEとして知られるバニリルブチルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
ある特定の実施形態では、感覚剤は、冷感剤を含む。冷感剤は、任意の多種多様な材料のうちのいずれかであり得る。そのような物質には、カルボキサミド、メントール、ケタール、ジオール、及びこれらの混合物が含まれる。カルボキサミド冷感剤のいくつかの例としては、例えば、商業的に「WS-3」として知られるN-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、「WS-23」として知られるN,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミド、及びG-180として知られ、Givaudanによって供給されるN-(4-シアノメチルフェニル)-ρ-メンタンカルボキサミドなどのパラメンタンカルボキシアミド剤が挙げられる。G-180は、一般に、スペアミント油又はペパーミント油などの香味油中の7.5%溶液である。メントール冷感剤の例としては、例えば、メントール、TK-10として知られ、Takasagoによって製造される3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール、MGAとして知られ、Haarmann and Reimerによって製造されるメントングリセロールアセタール、及びFrescolat(登録商標)として知られ、Haarmann and Reimerによって製造される乳酸メンチルが挙げられる。本明細書で使用する場合、用語メントール及び用語メンチルは、これらの化合物の右旋性及び左旋性の異性体、並びにこれらのラセミ混合物を含む。
【0042】
ある特定の実施形態では、感覚剤は、メントール、3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール、乳酸メンチル、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミド、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、N-(4-シアノメチルフェニル)-ρ-メンタンカルボキサミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される冷感剤を含む。更なる実施形態では、感覚剤は、メントール、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミドを含む。
【0043】
いくつかの態様では、感覚剤は、温感覚剤を含む。温感覚剤の非限定的な例としては、バニリルアルコールn-ブチルエーテル(Takasago InternationalがTK-1000として販売)、バニリルブチルエーテル(Corum,Inc.,Taipei,TaiwanからHotFlux(登録商標)として市販されている)、カプサイシン、ノニバミド、ショウガ、トウガラシ(Gattefosse,Lyon,FranceからVegetol(登録商標)Capsicum LC481として市販されている)、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0044】
いくつかの態様では、感覚剤は、刺激感覚剤を含む。刺激感覚剤の非限定的な例としては、花椒、ヒドロキシアルファサンショオール、レンブ(jambu)抽出物、スピラントール、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。好適な感覚促進剤は、Givaudan,Vernier,Switzerlandから入手可能なMariliance(商標)などの神経鎮静剤(neuro-soother)を含み得る。
【0045】
感覚剤を含めることの1つの利点は、それらが局所的感覚効果をもたらすことができることである。1つ以上の感覚剤を有する流動性固体剃毛組成物が皮膚に適用される場合、製品の強みの知覚を増加させるために、臭いと調和して機能することができる皮膚上感覚をもたらすことができる。
【0046】
流動性固体剃毛組成物は、約0.001~約1.5重量%の感覚剤、あるいは約0.01~約1重量%、あるいは約0.1~約0.75重量%、あるいは約0.2重量%~約0.5重量%を含み得、すべて流動性固体剃毛組成物の重量による。
【0047】
懸濁剤
懸濁剤は、流動性固体剃毛組成物の調製における不溶性活性物質の分離を防ぐ。本発明の組成物を、結晶化剤が溶解するまで加熱して、低粘度流体中に分散した活性物質を残す。組成物が冷却されると、結晶化剤は、繊維のような結晶粒子を形成し始め、これは一緒にメッシュに織り込まれ、最終的に活性物質を捕捉する。このプロセスは、数分から数時間かかり得る。理論に束縛されるものではないが、懸濁剤は粘度を増加させるか、又は結晶化剤の結晶化及びメッシュの形成中にクリーミング又は沈降から活性物質を保持する降伏応力を生じさせると考えられる。好ましい懸濁剤は、消費者製品のメッシュ及び性能に対する潜在的な悪影響を防ぐために低濃度で効果的である。好ましいレベルは、約2重量%未満、あるいは約1重量%未満、あるいは約0.5重量%未満、あるいは約0.1重量%未満である。いくつかの態様では、流動性固体剃毛組成物は、約0.01~約2重量%の懸濁剤、あるいは約0.05~約1重量%、あるいは約0.1~約0.5重量%を含み得、すべて流動性固体剃毛組成物の重量による。
【0048】
好適な懸濁剤としては、ガム、ポリマー、マイクロファイバー粒子、粘土粒子、及びびこれらの組み合わせが挙げられ、予想外に、それらの添加がメッシュに悪影響を及ぼさないように組成物のために選択されなければならない。例えば、ガムの使用は、ガムを含有しない組成物に対してメッシュ構造体を弱めることができ、結晶化剤の量の増加を必要とする(実施例2)。別の例として、粘土(実施例10)及びマイクロファイバー(実施例9)の使用は、塩化ナトリウムの添加によって効果がなくなる可能性がある。
【0049】
ガム
流動性固体剃毛組成物は、調製中に不溶性材料(すなわち、固体又は油)を懸濁状態に保つための少なくとも1つの懸濁剤を含む。懸濁剤は、1つ以上のバイオポリマーを含んでもよい。そのようなバイオポリマーの非限定的な例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、グルクロン酸、及びこれらの混合物のポリマーなどの多糖類が挙げられる。
【0050】
懸濁剤は、多糖類又は多糖類の混合物の形態であり得る。好ましい多糖類の懸濁剤としては、キサンタンガム、グルコマンナン、ガラクトマンナン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。グルコマンナンは、コンニャクガムなどの天然ガム由来であり得る。ガラクトマンナンは、ローカストビーンガムなどの天然(naturals)ガム由来であってもよい。多糖類の懸濁剤はまた、カラギーナンを含み得る。懸濁剤のガムは、脱アセチル化などによって変性されてもよい。
【0051】
流動性固体剃毛組成物は、第1の多糖類及び第2の多糖類など少なくとも2つの多糖類を含む多糖類の懸濁剤系を含んでもよい。第1の多糖類は、キサンタンガムであり得る。第2の多糖類は、グルコマンナン、ガラクトマンナン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。第2の多糖類は、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラビーン(tara bean)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0052】
好ましくは、第1の多糖類は、キサンタンガムであり、第2の多糖類は、コンニャクガムである。
【0053】
第1の多糖類は、多糖類の懸濁剤系の重量の約10重量%超かつ約100重量%未満、あるいは約40重量%~約90重量%、あるいは約40重量%~約60重量%のレベルで存在してもよい。
【0054】
第2の多糖類は、多糖類の懸濁剤系の重量の約0重量%~約90重量%、あるいは約60重量%~約10重量%、あるいは約60重量%~約40重量%のレベルで存在してもよい。
【0055】
流動性固体剃毛組成物中に存在する多糖類の総濃度は、約0.01~約1.0重量%、又はより好ましくは約0.03~約1.0重量%、又はより好ましくは約0.05~約0.8重量%、より好ましくは約0.07~約0.75重量%、最も好ましくは約0.09~約0.5重量%であり得、すべて流動性固体剃毛組成物の重量による。理論に束縛されるものではないが、組成物中の総多糖類レベルを最小化することは、メッシュ構造体に対する懸濁剤の効果を最小限に抑えながら、調製中の分散活性剤の安定性を確保すると考えられる。
【0056】
多糖類の懸濁剤系は、約10,000ダルトン~約15,000,000ダルトン、あるいは約200,000ダルトン~約10,000,000ダルトン、あるいは約300,000ダルトン~約6,000,000ダルトン、あるいは約300,000ダルトン~約500,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有してもよい。
【0057】
多糖類の懸濁剤系は、平均アセチル化率を特徴とし得、平均アセチル化率は、多糖類中のアセチル化ヒドロキシル基の数を多糖類中の遊離ヒドロキシル基の数で割ったものである。平均アセチル化率は、約2.0~約0.5の範囲内、好ましくは約1.5~約0.5の範囲内であってもよい。
【0058】
粘土
本開示において、懸濁剤は、懸濁活性剤粒子が調製中にクリーミング又は沈降するのを防ぐように、組成物に粘度及びチキソトロピー特性を提供するために使用され得る。1つ以上の実施形態では、懸濁剤は、鉱物粘土混合物、より具体的には親有機性鉱物粘土混合物であり得る。1つ以上の実施形態では、鉱物粘土混合物を疎水性にするために、鉱物粘土混合物をアルキル四級アンモニウム化合物で処理することができる。そのような粘土は、親有機性とも呼ばれ得る。1つ以上の実施形態では、鉱物粘土混合物は、鉱物粘土混合物の重量に基づいて、約50~約95重量%、又は約60~約95重量%、又は約70~約90重量%の、セピオライト、パリゴルスカイト、及びセピオライトとパリゴルスカイトとの混合物からなる群から選択される鉱物粘土を含む鉱物粘土(a)と、鉱物粘土混合物の重量による残量のスメクタイトを含む鉱物粘土(b)とを含むことができる。1つ以上の実施形態では、スメクタイトは、ヘクトライト、ラポナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、サポナイト、ステベンサイト、及びこれらの混合物からなる群から選択される天然又は合成粘土鉱物であり得る。好適な粘土には、BYK Additives(Gonzalez,TX)から入手可能なGaramite製品ラインからのラポナイトが含まれる。
【0059】
マイクロファイバー
任意の微結晶セルロースを本発明の組成物に用いることができる。好適な原料としては、例えば、漂白亜硫酸及び硫酸パルプなどの木材パルプ、トウモロコシの殻、バガス、わら、ワタ、ワタリンター、亜麻、ケンプ、ラミー、発酵セルロースなどが挙げられる。微結晶セルロース及び親水コロイドの量は、最終組成物で所望される特性に応じて広範囲にわたって変化し得る。好適なマイクロファイバーには、Rheocrysta c-2sp(WASE COSFA USA,Inc.)が含まれる。
【0060】
不溶性活性物質
流動性固体剃毛組成物は、メッシュを含む繊維のような結晶粒子以外の1つ以上の不溶性活性粒子を含み得る。本明細書で使用する場合、「不溶性活性粒子」は、いくらかの量の不溶性活性物質を含む、固体、半固体、又は液体材料の少なくとも一部を含む。不溶性活性粒子は、様々な異なる形態をとることができ、例えば、不溶性活性粒子は、100重量%の固体であり得るか、又は中空であり得る。不溶性活性粒子は、例えば、メソ細孔性粒子、活性炭、ゼオライト、有益剤送達粒子、ワックス、不溶性油、ハイドロゲル、及び/又は粉砕ナットシェルを挙げることができる。
【0061】
いくつかの態様では、流動性固体剃毛組成物は、約0.001~約25重量%の不溶性活性粒子、あるいは約0.1~約15重量%、あるいは約0.5~約12重量%、あるいは約1~約10重量%、あるいは約5~約10重量%を含み得、すべて流動性固体剃毛組成物の重量による。
【0062】
いくつかの態様では、流動性固体剃毛組成物は、約0.001~約25重量%の不溶性活性物質、あるいは約0.1~約15重量%、あるいは約0.5~約12重量%、あるいは約1~約10重量%、あるいは約5~約10重量%を含み得、すべて流動性固体剃毛組成物の重量による。
【0063】
流動性固体剃毛組成物は、1種以上の不溶性活性粒子、例えば、2種の不溶性活性粒子を含み得、第1又は第2の不溶性活性粒子のうちの一方は、(a)他方とは異なる材料で作製される、(b)他方とは異なる量の壁材料若しくはモノマーを含む壁を有する、(c)他方とは異なる量の香油成分を含有する、(d)異なる香油を含有する、(e)異なる温度で硬化される壁部を有する、(f)異なるcLogP値を有する香油を含有する、(g)異なる揮発度を有する香油を含有する、(h)異なる沸点を有する香油を含有する、(i)異なる重量比の壁材料で作製された壁部を有する、(j)異なる硬化時間で硬化される壁部を有する、かつ/又は(k)異なる速度で加熱される壁部を有する。
【0064】
複数の不溶性活性剤粒子は、約500μm未満、あるいは約400μm未満、あるいは約300μm未満、あるいは約200μm未満、あるいは約100μm未満の直径を有し得る。当業者は、粒子を懸濁する能力が粒子の平均直径の関数であり(より大きな粒子は懸濁することがより困難である)、粒子の総量の関数である(大量の粒子は懸濁することがより困難である)ことを認識する。
【0065】
前者に対して、当業者は、より大きな不溶性活性粒子を収容するために、所与の不溶性活性剤による懸濁剤の濃度を増加させる必要があり得ることを更に認識する。より小さい活性剤粒子が好ましいように、懸濁剤の量を最小化することが一般的に好ましい(例えば、実施例2)。後者に対して、当業者は、より大量の不溶性活性粒子を収容するために、所与の不溶性活性剤による懸濁剤の濃度を増加させる必要があり得ることを更に認識する(実施例7)。
【0066】
封入不溶性有益剤
不溶性活性粒子は、不溶性活性物質を封入する壁材料を含み得る。不溶性活性物質は、香料組成物、香料原材料、香料、皮膚冷感剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、漂白剤封入剤、キレート剤、帯電防止剤、昆虫及び蛾忌避剤、着色剤、酸化防止剤、消毒剤、殺菌剤、細菌抑制剤、カビ抑制剤、白カビ制御剤、抗ウイルス剤、乾燥剤、防汚剤、汚れ放出剤、塩素漂白臭気制御剤、染料定着剤、移染防止剤、色維持剤、蛍光増白剤、色回復/再生剤、色褪せ防止剤、白色度向上剤、耐磨耗剤、耐摩耗性剤、布地一体性剤、抗摩耗剤、抗毛玉剤、泡制止剤、消泡剤、UV保護剤、日焼け防止剤、抗アレルギー剤、酵素、防水剤、布地快適剤、収縮抵抗剤、伸張抵抗剤、伸張回復剤、皮膚剤、天然活性物質、抗菌活性物質、制汗活性物質、カチオン性ポリマー、染料、金属触媒、非金属触媒、活性化剤、予備形成ペルオキシカルボン酸、ジアシルペルオキシド、過酸化水素源、酵素、局所用薬物活性物質、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。本明細書で使用する場合、「香料原材料」とは、以下の成分のうちの1つ以上を指す:芳香性精油;芳香化合物;プロ香料;安定化剤、希釈剤、加工剤、及び混入物質を含む、芳香性精油、芳香化合物、及び/又はプロ香料とともに供給される材料;並びに芳香性精油、芳香化合物、及び/又はプロ香料に一般的に付随する任意の材料。
【0067】
不溶性活性粒子の壁材料には、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリル酸エステル系材料、ゼラチン、スチレンリンゴ酸無水物、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物が含まれ得る。ポリアクリレート系壁材料には、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレート並びに強酸から形成されるポリアクリレート、カルボン酸アクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びに強塩基から形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びにカルボン酸アクリレート及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーから形成されるポリアクリレート、並びにこれらの混合物が含まれ得る。
【0068】
ポリアクリル酸エステル系壁材料は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のアルキル及び/又はグリシジルエステルによって形成されたポリアクリル酸エステル、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基及びアリルグルコンアミドを有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルによって形成されたポリアクリル酸エステル、並びにこれらの混合物を含んでもよい。
【0069】
芳香族アルコール系壁材料には、アリールオキシアルカノール、アリールアルカノール、及びオリゴアルカノールアリールエーテルが含まれ得る。更に、少なくとも1つの遊離ヒドロキシル基を有する、特に好ましくは直接芳香族結合した少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基を有する芳香族化合物を含んでもよく、少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基が、特に芳香族環に直接結合していることが好ましく、より特に互いにメタ位にあることが好ましい。芳香族アルコールが、フェノール、クレゾール(o-、m-、及びp-クレゾール)、ナフトール(アルファ-及びベータ-ナフトール)及びチモール、並びにエチルフェノール、プロピルフェノール、フルオロフェノール及びメトキシフェノールから選択されることが好ましい。
【0070】
ポリビニルアルコール系壁材料は、架橋された、疎水的に改質されたポリビニルアルコールを含んでもよく、このポリビニルアルコールは、i)約2,000~約50,000Daの分子量を有する第1デキストランアルデヒドと、ii)約50,000超~約2,000,000Daの分子量を有する第2デキストランアルデヒドとを含む架橋剤を含む。
【0071】
好ましくは、香料を含む不溶性活性粒子は、シリカ、又はアクリル酸のポリマー若しくはその誘導体を含む壁材料、及び香料混合物を含む有益剤を有する。
【0072】
不溶性活性粒子に関して、流動性固体剃毛組成物は、流動性固体剃毛組成物の重量により、約0.001重量%~約20重量%の、有益剤送達粒子の壁材料を含んだ有益剤を含有してもよい。又は、流動性固体剃毛組成物は、流動性固体剃毛組成物の重量により、約0.01重量%~約10重量%、又は最も好ましくは約0.05重量%~約5重量%の、不溶性活性粒子の壁材料を含んだ有益剤を含有してもよい。
【0073】
これらの壁のある粒子は、付着助剤、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、又はこれらの混合物でコーティングされてもよい。好適なポリマーは、ポリビニルホルムアルデヒド、部分ヒドロキシル化ポリビニルホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0074】
封入されていない香料
流動性固体剃毛組成物は、快楽効果をもたらすだけの(すなわち、悪臭を中和しないが、快い香りをもたらす)1つ以上の香料原材料を含む封入されていない香料を含んでもよい。好適な香料は、米国特許第6,248,135号に開示されている。例えば、流動性固体剃毛組成物は、悪臭を中和するための揮発性アルデヒドと快楽をもたらす香料アルデヒドとの混合物を含んでもよい。
【0075】
流動性固体剃毛組成物に悪臭制御構成成分中の揮発性アルデヒド以外の香料が配合される場合、香料及び揮発性アルデヒドの総量は、流動性固体剃毛組成物の重量により、約0.015重量%~約2重量%、あるいは約0.01重量%~約1.0重量%、あるいは約0.015重量%~約0.5重量%であってもよい。
【0076】
香料送達技術
流動性固体剃毛組成物は、香料成分の処理された基材への付着及び当該基材からの放出を安定化及び強化する1つ以上の香料送達技術を含み得る。かかる香料送達技術を使用して、処理された基材からの香料の放出寿命を延長することもできる。香料送達技術、特定の香料送達技術を作製する方法、及びかかる香料送達技術の使用法は、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。
【0077】
流動性固体剃毛組成物は、重量で、約0.001重量%~約20重量%、又は約0.01重量%~約10重量%、又は約0.05重量%~約5重量%、又は更には約0.1重量%~約0.5重量%の香料送達技術を含んでもよい。一態様では、香料送達技術は、プロ香料、ポリマー粒子、可溶性シリコーン、ポリマー支援型送達、分子支援型送達、支援型送達、アミン支援型送達、シクロデキストリン、デンプン封入アコード、ゼオライト、及び無機キャリア、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0078】
香料送達技術は、アミン反応製品(amine reaction product、ARP)又はチオ反応製品を含み得る。アミン官能基及び/又はチオール官能基が1つ以上のPRMと予備反応して反応生成物を生成する、「反応性」ポリマー性アミン及び、又はポリマーチオールを用いてもよい。典型的には、反応性アミンは、一級及び/又は二級アミンであり、ポリマーの一部であってもモノマー(非ポリマー)であってもよい。また、そのようなARPを追加のPRMと混合して、ポリマー支援型送達及び/又はアミン支援型送達の効果を提供することもできる。ポリマー性アミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(polyethyleneimine、PEI)などのポリアルキルイミン、又はポリビニルアミン(polyvinylamine、PVAm)に基づくポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定的な例としては、ヒドロキシルアミン、例えば、2-アミノエタノール及びそのアルキル置換誘導体、並びに芳香族アミン、例えば、アントラニレートが挙げられる。ARPは、香料と予混合しておいてもよく、リーブオン用途又はリンスオフ用途では別個に添加してもよい。別の態様において、例えば、酸素、リン又はセレンなどの窒素及び/又は硫黄以外のヘテロ原子を含有する材料をアミン化合物の代替として使用することができる。更に別の態様において、上述の代替化合物をアミン化合物と併用してもよい。更なる別の態様において、1つの分子が、アミン部分と、代替ヘテロ原子部分(例えば、チオール、ホスフィン及びセレノール)のうちの1つ以上と、を含んでもよい。その効果としては、香料の送達の改善に加えて、香料の徐放を挙げることができる。好適なARP並びにその製造方法は、米国特許出願公開第2005/0003980(A1)号及び米国特許第6,413,920(B1)号に見ることができる。
【0079】
精油及び天然油
不溶性活性粒子は、精油及び天然油などの不溶性油の個々の混合物を含み得る。本明細書で使用する場合、用語「精油」は、植物から蒸留されるか又は圧搾される油又は抽出物及びこれらの油の構成物を指す。典型的な精油及びこれらの主な構成物は、例えば、タイム(チモール、カルバクロール)、オレガノ(カルバクロール、テルペン)、レモン(リモネン、テルピネン、フェランドレン、ピネン、シトラール)、レモングラス(シトラール、メチルヘプテノン、シトロネラール、ゲラニオール)、オレンジフラワー(リナロール、β-ピネン、リモネン)、オレンジ(リモネン、シトラール)、アニス(アネトール、サフロール)、クローブ(オイゲノール、酢酸オイゲニル、カリオフィレン)、ローズ(ゲラニオール、シトロネロール)、ローズマリー(ボルネオール、ボルニルエステル、樟脳)、ゼラニウム(ゲラニオール、シトロネロール、リナロール)、ラベンター(酢酸リナリル、リナロール)、シトロネラ(ゲラニオール、シトロネロール、シトロネラール、カンフェン)、ユーカリ(ユーカリプトール)、ペパーミント(メントール、メンチルエステル)、スペアミント(カルボン、リモネン、ピネン)、ウインターグリーン(サリチル酸メチル)、樟脳(サフロール、アセトアルデヒド、樟脳)、ベイ(オイゲノール、ミルセン、カビコール)、シナモン(桂皮アルデヒド、酢酸シンナミル、オイゲノール)、ティーツリー(テルピネン-4-オール、シネオール)、ユーカリ油、ナツメグ油、テレビン油、カモミール油、ネロリ油、スギ油(α-ツジョン、β-ツジョン、フェンコン)、及びこれらの組み合わせから得られたものである。精油は、香水に、並びに香味料、薬剤、及び溶媒として広く使用されている。精油、これらの組成、及び生産は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,4th Edition、及びThe Merck Index,13th Editionに詳細に記載されている。
【0080】
いくつかの態様では、流動性固体剃毛組成物は、約0.1~約20重量%の不溶性油、あるいは約0.5~約15重量%、あるいは約1~約12重量%、あるいは約4~約10重量%を含み得、すべて流動性固体剃毛組成物の重量による。
【0081】
ワックス及び油
不溶性活性粒子は、ワックス及び油の個々の混合物を非水性ビヒクルとして含み得る。非水性ビヒクルは一般に、水を含有しない任意の物理的形態の任意の化学物質である。非水性ビヒクルは、液体ワセリン、ワセリン、鉱油、グリセリン、天然及び合成油、脂肪、シリコーン及びシリコーン誘導体、ポリ酢酸ビニル、天然及び合成ワックス、例えば、蜜蝋、ラノリン、及びシェラックのような動物ワックス、炭化水素及び炭化水素誘導体、植物油ワックス、例えば、カルナウバ、カンデリラ、及びヤマモモワックス、植物油、例えば、トリカプリル/カプリン酸グリセリド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの態様では、非水性ビヒクルは、液体ワセリン、ワセリン、鉱油、植物油、例えば、杏仁油、キャノーラ油、スクアラン、スクアレン、ココナツ油、トウモロコシ油、ホホバ油、ホホバウワックス、レシチン、オリーブ油、ベニバナ油、ゴマ油、シアバター、ダイズ油、スイートアーモンド油、ヒマワリ油、ティーツリー油、シアバター、パーム油、並びに動物油、例えば、魚油及びオレイン酸、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかの態様では、非水性ビヒクルは、鉱油であり得る。いくつかの態様では、非水性ビヒクルは、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルであり得る。
【0082】
好ましくは、非水性ビヒクルは、疎水性である。ワセリンなどの疎水性非水性ビヒクルを添加することの1つの利点は、温度安定性である。理論に束縛されるものではないが、疎水性非水性ビヒクルの添加は、油相と水相との間のより良好な分配を提供することができ、これは温度安定性を提供することができると考えられる。加えて、疎水性非水性ビヒクルは、流動性固体剃毛組成物の堅さ及び広がり性を改善することができる。
【0083】
いくつかの態様では、流動性固体剃毛組成物は、約1~約15重量%の非水性ビヒクル、あるいは約3~約12重量%、あるいは約5~約10重量%を含み得、すべて流動性固体剃毛組成物の重量による。
【0084】
本明細書で使用するのに好適な油は、例えば天然油、合成油、シリコーン油、ペトロラタム、トリグリセリド、バター、又はこれらの混合物を含む。本明細書で使用する場合、用語「油」は、USP定義に従って、ごくわずかに水溶性であるか、又は実質的に水不溶性の任意の非水性物質を含むが、これに限定されない。
【0085】
油は、天然油、合成油、シリコーン油、及びこれらの混合物から選択され得る。好適な天然油の非限定的な例としては、アセチル化ヒマシ油、アセチル化水素化ヒマシ油、Actinidia Chinensis(キウイ)、種油、Adansonia Digitata油、Aleurites Moluccana種油、Anacardium Occidentale(カシュー)種油、Arachis Hypogaea(落花生)油、Arctium Lappa種油、Argania Spinosa核油、Argemone Mexicana油、Avena Sativa(オート麦)核油、Bertholletia Excelsa種油、Borago Officinalis種油、Brassica Campestris(ナタネ)、Calophyllum Tacamahaca種油、Camellia Japonica種油、Camellia Kissi種油、Camellia Oleifera種油、キャノーラ油、トリカプリル/カプリン/ラウリン酸グリセリド、トリカプリル/カプリン/リノール酸グリセリド、トリカプリル/カプリン/ミリスチン/ステアリン酸グリセリド、トリカプリル/カプリン/ステアリン酸グリセリド、トリカプリル/カプリン酸グリセリド、Carthamus Tinctorius(ハイブリッドベニバナ)種油、Carthamus Tinctorius(ベニバナ)種油、Carum Carvi(キャラウェイ)種油、Carya Illinoensis(ぺカン)種油、ヒマシ油ベンゾエート、Chenopodium Quinoa 種油、Cibotium Barometz油、Citrullus Vulgaris(スイカ)種油、Cocos Nucifera(ココナツ)油、タラ肝油、Coffea Arabica(コーヒー)種油、Coix Lacryma-Jobi(ジュズダマ)種油、Corylus Americana(ヘーゼル)種油、Corylus Avellana(ヘーゼル)種油、Cucumis Sativus(キュウリ)油、Cucurbita Pepo(カボチャ)種油、Daucus Carota Sativa(ニンジン)種油、Elaeis Guineensis(パーム)核油、Elaeis Guineensis(パーム)油、Gossypium(ワタ)種油、Helianthus Annuus(ハイブリッドヒマワリ)油、Helianthus Annuus(ヒマワリ)種油、Hippophae Rhamnoides油、ヒト胎盤脂質、水素化キャノーラ油、水素化ヒマシ油、ラウリン酸水素化ヒマシ油、トリイソステアリン酸水素化ヒマシ油、水素化ココナツ油、水素化綿実油、水素化C12-18トリグリセリド、水素化魚油、水素化ラード、水素化ニシン油、水素化ミンク油、水素化オリーブ油、水素化オレンジラフィー油、水素化パーム核油、水素化パーム油、水素化落花生油、水素化ナタネ油、水素化サメ肝油、水素化ダイズ油、水素化ヒマワリ種油、水素化獣脂、水素化植物油、lsatis Tinctoria種油、Juglans Regia(クルミ)種油、トリラウリル/パルミチン/オレイン酸グリセリド、Umnanthes Alba(メドウフォーム)種油、Unum Usitatissimum(亜麻仁)種油、Lupinus Albus種油、Macadamia Integrifolia種油、Macadamia Ternifolia種油、マレイン化ダイズ油、Mangifera Indica(マンゴー)種油、マーモット油、Melaleuca Alternifolia(ティーツリー)葉油、Melia Azadirachta種油、Melissa Officinalis(バームミント)種油、ニシン油、ミンク油、Moringa pterygosperma種油、Mortierella 油、ニートフット油、Nelumbium Speciosumフラワー油、Nigella Sativa種油、Oenothera Biennis(マツヨイグサ)油、Olea Europaea(オリーブ)果実油、Olea Europaea(オリーブ)外皮油、オレンジラフィー油、Orbignya Cohune種油、Orbignya Oleifera種油、Oryza Sativa(コメ)ヌカ油、Oryza Sativa(コメ)胚芽油、ダチョウ油、酸化トウモロコシ油、酸化ヘーゼル種油、Papaver Orientale(ポピー)種油、Passiflora Edulis種油、Persea Gratissima(アボカド)油、Pistacia Vera種油、胎盤脂質、Prunus Amygdalus Amara(ビターアーモンド)核油、Prunus Amygdalus Dulcis(スイートアーモンド)油、Prunus Armeniaca(アプリコット)核油、Prunus Avium(スイートチェリー)種油、Prunus Cerasus(ビターチェリー)種油、Prunus Persica(モモ)核油、Pyrus Malus(リンゴ)油、Ribes Nigrum(クロフサスグリ)種油、Ricinus Communis(ヒマシ)種油、Rosa Canina果実油、Rosa Moschata種油、サケ油、Salvia Hispanica種油、Santalum Album(サンダルウッド)種油、Sesamum Indicum(ゴマ)種油、サメ肝油、Solanum Lycopersicum(トマト)種油、ダイズ脂質、スフィンゴ脂質、Taraktogenos Kurzii種油、Telphairia Pedata油、植物油、Vitis Vinifera(ブドウ)種油、Zea Mays(トウモロコシ)胚芽油、Zea Mays(トウモロコシ)油鉱油、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0086】
好適な合成油としては、炭化水素、エステル、アルカン、アルケン、及びこれらの混合物が挙げられる。非限定的な例としては、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、イソヘキサデカン、イソドデカン、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0087】
好適なシリコーン油の非限定的な例としては、ジメチコーン(ジメチコーンと天然/合成油由来の脂肪酸との部分エステルを含む)、シクロメチコーン、フェニル化シリコーン、フェニルトリメチコーン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、シリコーンポリエーテルブロックコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0088】
皮膚軟化剤は、シリコーンポリエーテルを含有し得る。好適なシリコーンポリエーテルコポリマーは、約1重量%~約50重量%のPEO、約20重量%~約90重量%のPPO、及び約1重量%~約20重量%のシリコーンを含んでもよい。好ましくは、シリコーンポリエーテルコポリマーは、少なくとも約40重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%、最も好ましくは少なくとも約60重量%のPPOを含む。加えて、シリコーンポリエーテルコポリマーは、好ましくは少なくとも約10重量%、より好ましくは少なくとも約15重量%、最も好ましくは約15重量%~30重量%のPEOを含む。更に、シリコーンポリエーテルブロックコポリマーは、1重量%~20重量%、好ましくは10重量%~20重量%、より好ましくは約15重量%のシリコーンを含む。
【0089】
市販のシリコーン油の非限定的な例としては、Dow Corning200流体、Dow Corning244、Dow Corning245、Dow Corning344、及びDow Corning345(Dow Corning Corp.から市販される)、SF-1204及びSF-1202シリコーン流体(G.E.Siliconesから市販される)、GE7207及び7158(General Electric Co.から市販される)、及びSWS-03314(SWS Silicones Corp.から市販される)、Viscasilシリーズ(General Electric Companyから販売)、SF1075メチルフェニル流体(General Electric Companyから販売)、及び556コスメチック・グレード液(Dow Corning Corp.から販売)、Silshine151(Momentiveから販売)、PH1555及びPH1560(Dow Corningから販売)、並びにSilwets7210、7230、及び7220などのSilwets(Momentiveから市販される)が挙げられる。
【0090】
好適なトリグリセリドは、次式:
【0091】
【化1】
(式中、R、R’、及びR’’は、その他のうちの一方又は両方と同じであっても異なっていてもよく、R、R’、及びR’’のそれぞれは脂肪酸であり、トリグリセリドは25℃で固体である)を有し得る。
【0092】
そこからトリグリセリドが形成され得る好適な油としては、本明細書に列記した油が挙げられるが、これらに限定されない。トリグリセリドを形成するのに好適な脂肪酸としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、リノール酸、αリノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキン酸(C20)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
本明細書に含めるのに好適な具体的なトリグリセリド源としては、シアバター、Theobroma Cacao(ココア)シードバター、ココアバター、Mangifera Indica(マンゴー)シードバター、コクムバター、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、シアバター、カカオバター、及びこれらの混合物である。
【0094】
悪臭中和剤
流動性固体剃毛組成物は、他の悪臭低減技術を含んでもよい。これには、限定されないが、アミン官能性ポリマー、金属イオン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、ポリオール、酸化剤、活性炭、ゼオライト、及びこれらの組み合わせが含まれ得る。
【0095】
感触改質剤
流動性固体剃毛組成物はまた、皮膚などの表面に適用されるとき、組成物の感触特性を変化させるように設計された不溶性活性剤を含み得る。これには、デンプン(例えば、タピオカデンプン、コメデンプンなど)、タルク、ヒュームドシリカ(Aerosil(登録商標)200)、二酸化チタン、ジメチコーン、酸化鉄、雲母、木炭、コロイド状オートミール、コロイド状セルロース、カオリン、及びこれらの組み合わせが含まれ得る。
【0096】
皮膚剤
皮膚剤は、治療的及び/又は皮膚の保護的利益を送達するために添加され得る。皮膚に送達される組成物に有用な多数の材料のもの、安全で効果的な皮膚剤と考えられてきたもの、及びこれらの混合物は、本明細書で使用するための論理材料であることが認識されるであろう。そのような材料としては、米国食品医薬品局(FDA)のTentative Final Monograph on Skin Protectant Drug Products for Over-the-Counter Human Use(21 C.F.R.§347)によって定義されるカテゴリーIの活性物質が挙げられ、現在、これには、アラントイン、水酸化アルミニウムゲル、カルアミン、ココアバター、ジメチコーン、タラ肝油(組み合わせて)、グリセリン、カオリン、ワセリン、ラノリン、鉱油、サメ肝油、白色ワセリン、タルク、局所デンプン(topical starch)、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛などが含まれる。他の潜在的に有用な材料は、米国食品医薬品局のTentative Final Monograph on Skin Protectant Drug Products for Over-the-Counter Human Use(21 C.F.R.§347)によって定義されるカテゴリーDIの活性物質であり、現在、これには、生酵母細胞誘導体、アルジオキサ、酢酸アルミニウム、微多孔性セルロース、コレカルシフェロール、コロイド状オートミール、システイン塩酸塩、デクスパンテノール、ペルーバルサム油、タンパク加水分解物、ラセミメチオニン、重炭酸ナトリウム、ビタミンA、カチオン及びアニオン交換樹脂の緩衝混合物、トウモロコシデンプン、トロラミンなどが含まれる。更に、他の潜在的な材料は、米国食品医薬品局のTentative Final Monograph on Skin Protectant Drug Products for Over-the-Counter Human Use(21 C.F.R.§347)によって定義されるカテゴリーIIの活性物質であり、これには、次硝酸ビスマス、ホウ酸、塩化第二鉄、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、硫黄、タンニン酸などが含まれる。皮膚剤は、これらの材料及びこれらの混合物から選択され得る。上述のように、使用のための材料は安全であるべきである。流動性固体剃毛組成物は、流動性固体剃毛組成物の重量により、約0.001重量%~約20重量%の皮膚剤を含み得る。組成物中の皮膚剤の濃度範囲は、材料ごとに変化する。
【0097】
組成物はまた、ジンクピリチオンなどの金属ピリチオン塩活性物質などの1つ以上の抗真菌又は抗菌活性物質を含み得る。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、硫黄、木炭、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イクチオールペール(ichthyol pale)、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。典型的な抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、及びコールタールが挙げられる。
【0098】
界面活性剤
組成物は界面活性剤を含有し得る。好適な界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な界面活性剤は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換されていても置換されていなくてもよく、石油化学物質由来であっても生体物質由来であってもよい。
【0099】
アニオン性界面活性剤:アニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に一般に8~22個の炭素原子又は一般に8~18個の炭素原子を含有する有機疎水性基と、好ましくはスルホネート、サルフェート、及びカルボキシレートから選択される少なくとも1つの水可溶化基とを含有する表面活性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。通常、疎水性基は、C8~C22アルキル、又はアシル基を含むことになる。かかる界面活性剤は、塩の形態で用いられ、塩形成カチオンは、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウムなどから選択され、ナトリウムカチオンが通常選択されるものである。
【0100】
本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性補助界面活性剤は酸形態で存在してもよく、当該酸形態を中和して、本組成物で使用するのに望ましい界面活性剤塩を形成することができる。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えば、NaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。酸形態の本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤又は補助界面活性剤を中和するための更に好ましい中和剤としては、アンモニア、アミン、オリゴアミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンが好ましい。好適な非限定的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野で既知のその他の直鎖若しくは分枝鎖アルカノールアミンが挙げられ、例えば、極めて好ましいアルカノールアミンとしては、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1-アミノ-3-プロパノールが挙げられる。アミン中和は完全又は部分的に行われてもよく、例えばアニオン性界面活性剤の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、及びアニオン性界面活性剤の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0101】
好適なスルホネート界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート、αオレフィンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、特にアルキルベンゼンスルホネート、好ましくはC10-13アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得ることができる、好ましくは得られる。好適なLABとしては、Sasolによって商標名Isochem(登録商標)として供給されているもの又はPetresaによって商標名Petrelab(登録商標)として供給されているものなどの低2-フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、Sasolによって商標名Hyblene(登録商標)として供給されているものなどの高2-フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性界面活性剤は、DETAL触媒方法によって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩が用いられる。
【0102】
好適なサルフェート界面活性剤としては、アルキルサルフェート、好ましくはC8-18アルキルサルフェート、又は主にC12アルキルサルフェートが挙げられる。
【0103】
他の好適なアニオン性界面活性剤としては、アルキルエーテルカルボキシレートが挙げられる。
【0104】
好適な非イオン性界面活性剤は、C8~C18アルキルエトキシレート(例えば、Shellから販売されるNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤);C6~C12アルキルフェノールアルコキシレート(好ましくは、このアルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位又はこれらの混合物である);エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとの、C12~C18アルコール及びC6~C12アルキルフェノール縮合物(例えば、BASFから販売されるPluronic(登録商標);アルキル多糖類、好ましくはアルキルポリグリコシド;メチルエステルエトキシレート;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;エーテルでキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0105】
好適な非イオン性界面活性剤には、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールが含まれる。
【0106】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化アルコール、好ましくはC8-18アルキルアルコキシル化アルコール、好ましくはC8-18アルキルエトキシル化アルコールが挙げられ、好ましくはアルキルアルコキシル化アルコールは、1~50、好ましくは1~30、又は1~20、又は1~10の平均アルコキシル化度を有し、好ましくは、アルキルアルコキシル化アルコールは、1~10、好ましくは1~7、より好ましくは1~5、最も好ましくは3~7の平均エトキシル化度を有するC8-18アルキルエトキシル化アルコールである。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、BASF製の商標名Lutensol(登録商標)を有するものが挙げられる。
【0107】
好適なカチオン性界面活性剤としては、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0108】
カチオン性界面活性剤は、以下の一般式を有する四級アンモニウム化合物を含む。
(R)(R1)(R2)(R3)N+X-
式中、Rは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換C6-18アルキル又はアルケニル部分であり、R1及びR2は、互いに独立して、メチル又はエチル部分から選択され、R3はヒドロキシル、ヒドロキシメチル、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは電荷の中性を提供するアニオンであり、好ましいアニオンとしては、ハライド、好ましくはクロリド、サルフェート、及びスルホネートが挙げられる。
【0109】
好適な両性又は双性イオン性界面活性剤としては、アミンオキシド及び/又はベタインが挙げられる。例示的なアミンオキシドとしては、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルアミンオキシド、及びココジメチルアミノオキシドが挙げられる。アミンオキシドは、直鎖又は中分枝鎖アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8~18アルキル部分と、C1~3アルキル基及びC1~3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式R1-N(R2)(R3)Oにより特徴付けられ、式中、R1はC8~18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖状C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0110】
他の好適な界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられる。
【0111】
防腐剤
実施形態では、可溶性活性剤は、防腐剤を含み得る。防腐剤は、特定の期間にわたって腐敗を防ぐか、又は意図せず混入した微生物の増殖を防ぐのに十分であるが、流動性固体組成物の臭気中和性能に寄与するのに十分ではない量で存在し得る。換言すれば、防腐剤は、微生物によって生じた臭気を消すために、流動性固体組成物が付着する表面上の微生物を死滅させる抗菌性化合物として使用されているのではない。むしろ、流動性固体組成物の保存寿命を長くする目的で、流動性固体組成物の腐敗を防ぐために防腐剤が用いられる。
【0112】
防腐剤は、布地の外観に損傷(例えば変色、着色、脱色)を生じさせない任意の有機防腐剤物質とすることができる。好適な水溶性防腐剤としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、パラベン、プロパンジオール物質、イソチアゾリノン、四級化合物、ベンゾエート、低分子量アルコール、デヒドロ酢酸、フェニル及びフェノキシ化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0113】
市販の水溶性防腐剤の非限定的な例としては、Rohm and Haas Co.によって商標名Kathon(登録商標)CGで1.5%水溶液として入手可能な広域スペクトル防腐剤である、約77%の5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと約23%の2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物;HenkelからBronidox L(登録商標)の商品名で入手可能な5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;InolexからBronopol(登録商標)の商品名で入手可能な2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール;クロロヘキシジン、並びにその例えば酢酸及びジグルコン酸との塩として一般的に知られている、1,1’-ヘキサメチレンビス(5-(p-クロロフェニル)ビグアニド);LonzaからGlydant Plus(登録商標)の名称で入手可能な、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオンと3-ブチル-2-ヨードプロピニルカルバメートとの95:5混合物;Sutton Laboratories,Inc.からGermall(登録商標)IIの商品名で入手可能であり、ジアゾリジニルウレアとして一般的に知られる、N-[1,3-ビス(ヒドロキシメチル)2,5-ジオキソ-4-イミダゾリジニル]-N,N’-ビス(ヒドロキシ-メチル)ウレア;例えば、3V-Sigmaから商標名Abiol(登録商標)として、InduchemからUnicide U-13(登録商標)として、Sutton Laboratories,Inc.からGer-mall 115(登録商標)として入手可能な、イミダゾリジニルウレアとして一般的に知られる、N,N’’-メチレンビス{N’-[1-(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソ-4-イミダゾリジニル]ウレア};Nuosept(登録商標)Cの商品名でHuls Americaから入手可能なポリメトキシ二環オキサゾリジン;ホルムアルデヒド;グルタルアルデヒド;ICI Americas,Inc.から商標名Cosmocil CQ(登録商標)として、又はBrooks,Incから商標名Mikrokill(登録商標)として入手可能なポリアミノプロピルビグアニド;デヒドロ酢酸;並びにRohm and Hass Corporationから商標名Koralone(商標)B-119として入手可能なベンズイソチアゾリノン;1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン;Acticide MBSが挙げられる。
【0114】
防腐剤の好適なレベルは、流動性固体組成物の約0.0001重量%~約0.5重量%、あるいは約0.0002重量%~約0.2重量%、あるいは約0.0003重量%~約0.1重量%である。
【0115】
アジュバント
アジュバントを公知の目的で、本明細書の流動性固体剃毛組成物に加えることができる。そのようなアジュバントとしては、限定されるものではないが、亜鉛塩、銅塩、及びこれらの混合物を含む水溶性金属塩;帯電防止剤;害虫忌避剤及び蛾忌避剤;着色剤;酸化防止剤;芳香療法剤、封入されていない顔料、フィルム形成剤、分散剤、酸化防止剤、精油、防腐剤、芳香剤、培地に分散可能な脂溶性ポリマー、充填剤、中和剤、シリコーンエラストマー、美容及び皮膚用油溶性活性剤、例えば、皮膚軟化剤、保湿剤、ビタミン、しわ防止剤、必須脂肪酸、日焼け止め剤、並びにこれらの混合物が挙げられ、添加することができる。
【0116】
水溶性金属塩
塩化ナトリウム(及び他のナトリウム塩)は、組成物の熱安定性を調整するための水相に対する特定の有用な添加剤であるが、特に注意して組成物に添加されなければならない(実施例3)。理論に束縛されるものではないが、塩化ナトリウムは、本発明の結晶化剤を「塩出」し、それらの溶解度を低下させると考えられる。これは、熱安定性試験方法によって測定された場合、流動性固体組成物の熱安定性温度を増加させる効果を有する。例えば、最適な鎖長結晶化剤は、塩化ナトリウムの添加により15℃ほど上昇した熱安定性温度を有することができる。これは、水相への他の成分の添加が、塩化ナトリウムの不在下で熱安定性温度を低下させることが多いため、特に有益である。驚くべきことに、塩化ナトリウムを添加すると、流動性固体組成物の調製に悪影響をもたらす可能性がある。ほとんどの作製プロセスでは、冷却前に塩化ナトリウムを熱い結晶化剤水相に添加してメッシュを形成することが好ましい。しかしながら、過度の添加は、結晶化剤の「凝固」及び非常にひどい組成物を生じさせる可能性がある。メッシュの形成後に塩化ナトリウムを添加して、凝固することなくより高いレベルで熱安定性温度を上昇させる利点を提供することもできる。最後に、塩化ナトリウムの添加により熱安定性温度を上昇させるが、他の非ナトリウム塩の添加は、結晶化剤から形成された結晶の繊維状の性質を変化させて、流動性固体ではないプレート又は板状晶を形成する。
【0117】
抗菌性化合物
実施形態では、可溶性活性剤は、空気中又は表面上の生存微生物の数を減少させる化合物を有効量含んでもよい。そのような微生物種としては、Klebsiella pneumoniae、Staphylococcus aureus、Aspergillus niger、Klebsiella pneumoniae、Steptococcus pyogenes、Salmonella choleraesuis、Escherichia coli、Trichophyton mentagrophytes、及びPseudomonoas aeruginosaが挙げられる。抗菌性化合物はまた、H1-N1、ライノウイルス、呼吸系発疹ウイルス、1型ポリオウイルス、ロタウイルス、A型インフルエンザ、1型及び2型単純ヘルペス、A型肝炎、及びヒトコロナウイルスなどの生存ウイルスの数を低減するうえで有効であり得る。
【0118】
流動性固体組成物に好適な抗微生物化合物は、水溶性であり得る。水溶性抗菌性化合物としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、四級化合物、デヒドロ酢酸、フェニル及びフェノキシ化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0119】
四級化合物が使用されてもよい。流動性固体組成物に使用するのに好適な市販の四級化合物の例として、Lonza Corporationから入手可能なBarquat、及びLonza Corporationから商標名Bardac(登録商標)2250のジデシルジメチルアンモニウムクロリドクアット(didecyl dimethyl ammonium chloride quat)がある。
【0120】
抗菌性化合物は、流動性固体組成物の約500重量ppm~約7000重量ppm、あるいは約1000重量ppm~約5000重量ppm、あるいは約1000重量ppm~約3000重量ppm、あるいは約1400重量ppm~約2500重量ppmの量で存在してもよい。
【0121】
ビタミン
本明細書で使用する場合、「キサンチン化合物」は、1つ以上のキサンチン、これらの誘導体、及びこれらの混合物を意味する。本明細書において有用であり得るキサンチン化合物としては、カフェイン、キサンチン、1-メチルキサンチン、テオフィリン、テオブロミン、これらの誘導体、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物の中で、組成物中のその溶解度を考慮して、カフェインが好ましい。組成物は、約0.05重量%、好ましくは約2.0重量%、より好ましくは約0.1重量%、更により好ましくは約1.0重量%~約0.2重量%、好ましくは約1.0重量%、より好ましくは約0.3重量%のキサンチン化合物を含有することができる。
【0122】
本発明で使用する場合、「ビタミンB3化合物」とは、次式:
【0123】
【化2】
(式中、Rは、-CONH
2(すなわち、ナイアシンアミド)、-COOH(すなわち、ニコチン酸)、又は-CH
2OH(すなわち、ニコチニルアルコール)、これらの誘導体、これらの混合物である)及び前述のうちのいずれかの塩を有する1つ以上の化合物を意味する。
【0124】
前述のビタミンB3化合物の例示的な誘導体としては、ニコチン酸エステルが挙げられ、ニコチン酸の非血管拡張性エステル(例えば、ニコチン酸トコフェノール及びニコチン酸ミリスチル)、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N-オキシド、及びナイアシンアミドN-オキシドが含まれる。組成物は、約0.05重量%、好ましくは約2.0重量%、より好ましくは約0.1重量%、更により好ましくは約1.0重量%~約0.1重量%、好ましくは約0.5重量%、より好ましくは約0.3重量%のビタミンB3化合物を含有することができる。
【0125】
本明細書で使用する場合、用語「パンテノール化合物」は、パンテノール、1つ以上のパントテン酸誘導体、及びそれらの混合物を含むように十分に広い。パンテノール及びその誘導体は、D-パンテノール([R]-2,4-ジヒドロキシ-N-[3-ヒドロキシプロピル)]-3,3-ジメチルブタミド)、DL-パンテノール、パントテン酸、及びそれらの塩、好ましくはカルシウム塩、トリ酢酸パンテニル、ロイヤルゼリー、パンテチン(panthetine)、パントテイン(pantotheine)、パンテニルエチルエーテル、パンガミン酸、パントイルラクトース、ビタミンB複合体、又はそれらの混合物を含み得る。組成物は、約0.01重量%、好ましくは約0.02重量%、より好ましくは約0.05重量%~約3重量%、好ましくは約1重量%、より好ましくは約0.5重量%のパンテノール化合物を含有することができる
【0126】
除毛装置
流動性固体剃毛組成物は、除毛装置とともに使用され得る。流動性固体剃毛組成物は、潤滑ストリップ又はウィングの形態などで除毛装置に搭載されてもよい。流動性固体剃毛組成物は、除毛装置に搭載されなくてもよい。流動性固体剃毛組成物は、除毛装置の使用前、使用中、又は使用後などに、除毛装置とともに使用され得る。流動性固体剃毛組成物は、キットの形態などで、除毛装置を用いて利用可能であり、例えば、市販されている。
【0127】
除毛装置
本開示のいくつかの実施形態によれば、剃毛補助具は、除毛装置に対して特定の応用が可能である。除毛装置は、一般に、完全に又は取り外し可能/取り付け可能のいずれかで、除毛ヘッドと、除毛ヘッドを設置するハンドル30及び/又は把持部と、を含む。除毛装置は、手動であっても電動であってもよく、湿潤及び/又は乾燥用途で用いてよい。いくつかの例では、除毛ヘッドは、脱毛器、ドライシェーバ、又はインテンスパルスライト装置を含み得る。他の例では、
図1を参照すると、除毛ヘッドは、かみそりカートリッジ10であり得る。
【0128】
除毛ヘッドは、駆動可能に、順番に又は独立して(例えば、完全に固定して)ハンドル30に接続される連結構造体50に接続され得る。いくつかの実施形態では、連結構造体50は、除毛ヘッドを解除可能に係合するために少なくとも1つのアーム32を含む。除毛ヘッドは、除毛装置がユニット全体として廃棄されるようにハンドル30と一体であり得るか、又は取り外し可能な除毛ヘッドがハンドル30から分離されて配置され、新しい取り外し可能な除毛ヘッドが同じハンドルに取り付けられる、剃毛システムの一部を形成する取り外し可能な除毛ヘッドを備え得る。
【0129】
除毛ヘッドは、典型的には、第1の末端部と第2の末端部との間に通常位置する1つ以上の細長い縁部を含み、1つ以上の細長い縁部は、前方に延びる先端部を含む。
図1を参照すると、除毛ヘッドがかみそりカートリッジ10である場合、カートリッジ10はハウジング12を備え得、1つ以上の細長い縁部は、ハウジング12に組み込まれた1つ以上のかみそり刃20を含むことができ、各刃20は、刃縁部22を含む。
【0130】
様々なかみそりカートリッジを本開示に基づいて使用することができる。例えば、米国特許第7,168,173号は、The Gillette Companyから市販され、複数の刃を有するかみそりカートリッジを含む、FUSION(登録商標)かみそりを概して説明している。フィン、ガード、及び/又は剃毛補助具を有し、かつ有しない好適なかみそりカートリッジの非限定的な例としては、FUSION(登録商標)、VENUS(登録商標)の製品ライン(Gillette)でThe Gillette Companyが販売するもの、並びに米国特許第7,197,825号、同第6,449,849号、同第6,442,839号、同第6,301,785号、同第6,298,558号、同第6,161,288号、及び米国特許出願公開第2008/060201号に開示されるものが挙げられる。当業者であれば、剃毛補助具を、2枚、3枚、4枚以上の刃を有するものを含む、任意の現在販売されているかみそり又は剃毛システムとともに使用することができることを理解するであろう。そのような場合、除毛装置はかみそりであり、除毛ヘッドはかみそりカートリッジ10であり、かつ1つ以上の細長い縁部は刃である。
【0131】
いくつかの実施形態では、本発明の流動性固体などの少なくとも1つの剃毛補助具は、除毛プロセス中に皮膚と接触するカートリッジ10の部分上の、刃20の前方及び/又は後方に位置する。1つ以上の細長い縁部の「前方」にある機構は、例えば、除毛装置によって処理される表面が細長い縁部と接触する前にその機構に接触するように配置される。細長い縁部の「後方」にある機構は、除毛装置で処理される表面が細長い縁部と接触した後にその機構に接触するように配置される。
【0132】
図1に示す例では、剃毛補助具18は、かみそりカートリッジ10のキャップ16上に配置される。他の例では、複数の剃毛補助具が除毛ヘッド上に提供され得、複数の剃毛補助具は、物理的形状/構造体及び/又は化学組成物に関して同じ(同一)又は異なり得る。例えば、複数の剃毛補助具のうちの1つは、本発明の流動性ソルディ(soldi)であり得るが、別の剃毛補助具は、従来の潤滑ストリップ又はウィングであり得る。これら剃毛補助具は、細長い縁部(例えば、かみそりカートリッジの刃)の前方若しくは後方にまとめて(例えば、互いに隣接して)配置する(並べて配置することを含む)か、又は一方が細長い縁部の前方で他方が後方になるように別々に配置してもよい。
【0133】
剃毛補助具は、除毛装置又はヘッドと分離しているか、又はそれに取り付けられ得る。剃毛補助具は、接着剤若しくは締まりばめ(interference fit)などの任意の好適な取り付け手段によって除毛装置若しくはヘッドに取り付けられ得るか、又は容器40内に少なくとも部分的に収容され得る。容器に収容される固体剃毛補助具の例示的な実施形態には、米国特許出願第2011/0041865号及び米国特許出願第2012/0023763号が含まれる。剃毛補助具は、任意の手段によって容器40内に形成され得る。剃毛補助具は、容器に直接成形することなどによって、容器40内に直接配合され得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、
図1に示すように、カートリッジ10は、使用者の皮膚に係合するための少なくとも1つの細長い可撓性突出部(表示されず)を備えるガード14を含む。少なくとも1つの可撓性突出部は、1つ以上の細長い縁部に対して略平行な可撓性フィンを含み得る。少なくとも1つの可撓性突出部は、1つ以上の細長い縁部に対して略平行ではない少なくとも1つの部分を備える可撓性フィンを、追加的に又は代替的に備える場合がある。好適なガードの非限定的な例としては、現在のかみそり刃で用いられているものが挙げられ、米国特許第7,607,230号及び同第7,024,776号(エラストマーの/可撓性のフィンバーを開示する)、米国公開特許出願公開第2008/0034590号(湾曲したガードフィンを開示している)、及び同第2009/0049695(A1)号(上の面と下の面との間に延びる少なくとも1つの通路を形成するガードを有するエラストマーガードを開示している)に開示されているものが含まれる。いくつかの例では、剃毛補助具は、ガードの後方及び細長い縁部の前方のカートリッジ10上に配置される。別の例では、本発明の流動性固体などの剃毛補助具は、ガードの前方のカートリッジ10上に配置される。この例は、ガードと接触する前に剃毛補助具を送達するのに特に有用であり得る。
【0135】
本発明の流動性固体を含む剃毛補助具などの除毛装置に搭載される剃毛補助具18は、一般的に、ハウジング12の略外向きに除毛ヘッド上に配置されるウィングの形態をとり得る。ウィングは、ハウジング12の前方又は後方に配置され得る。代替的に又は追加的に、ウィングは、ハウジングの側面に配置され得る。
図6a、
図6b、及び
図6cは、ウィングを有する除毛ヘッドの上面図、側面図、及び斜視図(それぞれ)を示す。
【0136】
ウィングの形態の剃毛補助具などの剃毛補助具18は、刃20などの少なくとも1つの細長い縁部を収容するハウジング12と一体であり得るか、又は別個のハウジング13に組み込まれ得る。
図7は、刃20及び剃毛補助具18用の別個のハウジングを備えるかみそりの分解図を示す。
【0137】
ウィングの形態の剃毛補助具などの剃毛補助具18は、任意の手段によってハウジング12(図示せず)又はハウジング13に取り付けることができる。ウィングは、ハウジングから1つ以上の突出部15上に被覆成形され得る。切り欠き又はアンダーカットなどの空隙を組み込んで、剃毛補助具をハウジング上に保持することを可能にする突出部。
図8a及び
図8bは、それぞれ、空隙及びアンダーカットを備える突出部を示す。
【0138】
流動性固体組成物の特性
そのような組成物は、想定される用途のための効果的な消費者製品を作製するために使用される3つの特性を示す。
【0139】
水相発現
水相発現は、単位体積当たりの水を発現する作業において発現される、本発明における消費者用途の重要な特性であり、好ましい組成物は、水相発現試験方法によって決定された場合、300J m-3~約9,000J m-3、より好ましくは、1,000J m-3~約8,000J m-3、より好ましくは2,000J m-3~約7,000J m-3、最も好ましくは2,500J m-3~約6,000J m-3である。これらの限界は、例えば、組成物が皮膚に適用されたときに蒸発及び/又は感覚剤に基づく冷却を提供し、硬質表面に適用されたときに洗浄を提供する、実現可能な製品組成物を可能にする。これらの作業限界は、圧縮時に水相を発現しない棒状石鹸及び脱臭剤スティックとは対照的である。これらの作業限界はまた、圧縮時に同様に水を発現しないゼラチンとも対照的である。したがって、圧縮により水相を発現する高水組成物がこれらの材料で生成することができることは驚くべきことである。理論に束縛されるものではないが、これは、十分な応力の適用中に壊れ、圧縮が開放されるときに取り込まれることなく水相を放出する結晶性材料のネットワークの結果であると考えられている。
【0140】
堅さ
堅さは、構造化された流動性固体組成物を形成する際、消費者の適用に心地よくなければならず、好ましい実施形態では、約0.5N~約25.0N、より好ましくは1.0N~約20.0N、より好ましくは3.0N~約15.0N、最も好ましくは5.0N~約10.0Nである。堅さ値は、表面上に静止している場合にはその形状を維持することができる実現可能な製品組成物を可能にし、そのため、触れると乾いているが、押圧すると濡れる特性を提供する流動性固体スティックとして有用である。堅さ値は、これらの値を超える棒状石鹸及び脱臭剤よりも非常に軟質である。したがって、約0.25重量%~約10重量%の結晶化剤、より好ましくは約0.5重量%~約7重量%の結晶化剤、最も好ましくは約1重量%~約5重量%の結晶化剤を有する流動性固体組成物にとどまる高水組成物を作製することができることは驚くべきことである。理論に束縛されるものではないが、これは結晶化剤の材料が十分な堅さを提供するインターロッキングメッシュを生成する結果であると考えられる。
【0141】
熱安定性
熱安定性は、構造化された流動性固体組成物が、サプライチェーンを介して、消費者に意図されるように送達され得ることを確実にするために使用され、熱安定性試験方法によって決定された場合、好ましくは約40℃超、より好ましくは約45℃超、最も好ましくは約50℃超の熱安定性である。許容可能な熱安定性を有する組成物を生成することは、結晶化剤及び可溶性活性剤の濃度により予測不可能に変化し得るため、困難である。理論に束縛されるものではないが、熱安定性は、水相中の結晶化剤の不溶性に起因する。逆に、熱不安定性は、メッシュを含んだ結晶化剤の完全な可溶化に起因すると考えられる。
【0142】
安定性温度
本明細書で使用する場合、安定性温度は、結晶化剤のほとんど又はすべてが水相に完全に溶解する温度であり、そのため、組成物がもはや安定した固体構造体を示さず、液体とみなされ得る。本発明の実施形態では、安定性温度範囲は、約40℃~約95℃、約40℃~約90℃、約50℃~約80℃、又は約60℃~約70℃であり得、これらの温度は、サプライチェーンにおいて典型的である。安定性温度は、以下に記載されるように、熱安定性試験方法を使用して決定することができる。
【0143】
堅さ
スティックなどの意図された用途に応じて、組成物の堅さも考慮され得る。組成物の堅さは、例えば、力のニュートンで表すことができる。例えば、1~3重量%の結晶化剤を含む本発明の組成物は、固体スティック又はシート上のコーティングの形態で、約4~約12Nの値を提供し得る。明らかなことだが、本発明の実施形態による組成物の堅さは、例えば、組成物が有利に自己支持性であり、低~中程度の力を適用すると、例えば表面と接触すると、液体及び/又は活性物質を放出して、ケラチン繊維などの皮膚及び/又は表面の身体成長物などの表面上に十分な付着物を形成することができる。加えて、この堅さは、本発明の組成物に良好な衝撃強度を与えることができ、これは、例えば、ワイプ又は乾燥機シート製品などのスティック又はシート形態に成形又は鋳造され得る。例えば、顔料を含まない組成物を含む本発明の組成物はまた、透明又はクリアであり得る。好ましい堅さは、約0.1N~約50.0N、より好ましくは約0.5N~約40.0N、より好ましくは約1.0N~約30.0N、最も好ましくは約2.5N~約15.0Nである。堅さは、以下に記載されるように、堅さ試験方法を使用して測定され得る。
【0144】
水相発現
スティックなどの意図された用途に応じて、組成物の水相発現も考慮され得る。これは、組成物から水相を発現するための単位体積当たりに必要な作業量の尺度であり、値が大きいほど、液体を発現させることがより困難になることを意味する。例えば、組成物を皮膚に適用する場合、低い値が好ましい場合がある。高い値は、例えば、組成物が、触れると乾いているが、拭くと濡れる特を必要とする基材に適用される場合に好ましい可能性がある。好ましい値は、約100J m-3~約8,000J m-3、より好ましくは約1,000J m-3~約7,000J m-3、最も好ましくは約2,000J m-3~約5,000J m-3である。液体発現は、本明細書に記載される、水相発現試験方法を使用して測定され得る。
【0145】
堅さ試験方法
すべての試料及び手順は、試験前及び試験中に室温(25±3℃)に維持され、水の損失がほとんど又は全くないことを確実にする。
【0146】
すべての測定を、標準的な45°角貫通コーンツール(Texture Technology Corp.、部品番号TA-15のような)を取り付けたTA-XT2 Texture Analyzer(Texture Technology Corporation,Scarsdale,N.Y.,U.S.A.)で行った。
【0147】
TA-XT2 Texture Analyzerを操作するために、ツールはプローブキャリアアームに取り付けられ、低リントワイプで洗浄される。試料は、ツールが試料の代表的な領域に接触するように、しっかりと配置されて保持される。ツールは、製品試料の約1cm上にリセットされる。
【0148】
試料は、ツールが試料の第2の代表的な領域に接触するように再配置である。2mm/秒の速度でツールを試料中に正確に10mm移動させることによって実行される。テクスチャアナライザーの「実行」ボタンを押して、測定を行うことができる。第2の実行は、第2の実行に影響を及ぼさない以前の測定から十分な距離で、試料の別の代表的な領域で同じ手順で行われる。第3の実行は、第3の実行に影響を及ぼさない以前の測定から十分な距離で、試料の別の代表的な領域で同じ手順で行われる。
【0149】
堅さ試験方法の結果はすべて、実施例において、「堅さ」という名称の列に入力されている。一般に、数値は、以下の2つの場合のうちの1つを除いて、上記の3つの測定値の最大値の平均として返される:
1)組成物が均質な流動性固体(例えば、完全に又は部分的に液体)を形成せず、「NM1」の値が返される;
2)及び、組成物が作製中に凝固し、「NM2」の値が返される。
【0150】
熱安定性試験方法
試験前に、すべての試料及び手順を室温(25±3℃)に維持する。
【0151】
サンプリングは、試料上の代表的な領域で2つのステップで行われる。まず、スパチュラを実験室用ワイプで洗浄し、少量の試料を除去し、領域の試料の上部から廃棄して、深さ約5mmの小さな正方形の穴を作成する。第2に、スパチュラを清潔な実験室用ワイプで再度洗浄し、少量の試料を正方形の穴から収集し、DSC皿に充填する。
【0152】
試料をDSC皿に充填する。すべての測定は、高体積ステンレス鋼皿セット(TA部品番号900825.902)で行われる。皿、蓋、及びガスケットを、Mettler Toledo MT5分析マイクロバランス(又は同等物、Mettler Toledo,LLC.,Columbus,OH)で秤量し、風袋の重さを量る。試料は、試料が皿の底部と接触していることを確実にするために注意しながら、製造元の仕様に従って、20mg(+/-10mg)の目標重量で皿に充填される。次いで、皿をTA High Volume Die Set(TA部品番号901608.905)で密封する。最終アセンブリを測定して、試料の重量を得る。
【0153】
試料を、製造説明書に従って、TA QシリーズDSC(TA Instruments,New Castle,DE)に充填する。DSC手順は、以下の設定を使用する:1)25℃で平衡化する;2)サイクル1の終わりの印を付ける;3)1.00℃/分で90.00℃に昇温する;4)サイクル3の終わりの印を付ける;次いで、5)方法の終了;実行を押す。
【0154】
温度安定性試験方法の結果はすべて、実施例において、「温度」という名称の列に入力されている。一般に、数値は、以下の2つの場合のうちの1つを除いて、上記のように返される:
1)組成物が、均質な流動性固体(例えば、完全に又は部分的に液体)を形成せず、測定に適しておらず、「NM3」の値が返される;
2)及び、組成物が、作製中に凝固し、測定に適しておらず、「NM4」の値が返される。
【0155】
水相発現試験方法
試験前に、すべての試料及び手順を室温25(±3℃)に維持する。
【0156】
水相発現の決定のための測定を、TA Discovery HR-2 Hybrid Rheometer(TA Instruments,New Castle,DE)、及び付随するTRIOSソフトウェアバージョン3.2.0.3877又は同等のものを使用して行った。器具には、DHR Immobilization Cell(TA Instrument)及び55mm平坦鋼プレート(TA Instruments)が取り付けられている。較正は、製造業者の推奨に従って行われ、DHR Immobilization Cellの底部を測定することに特別な注意を払って、これがギャップ=0として確立されることを確実にする。
【0157】
試料は、実施例の手順に従って調製される。試料の直径がHR-2 Immobilization Cellの直径と一致するように、試料がSpeed Mixer容器(Flak-Tech,Max 60 Cup Translucent、カタログ番号501 222t)で調製されることは重要である。試料は、容器の縁部と試料との間に薄いスパチュラを走らせることによって、容器から解放される。容器を静かに反転させ、平坦な表面上に置く。試料が容器から解放され、容器の外に静かに滑り出るまで、反転させた容器の底部の中心にやさしく力を加える。試料を、DHR Immobilization Cellの中央リングに注意深く置く。試料がこのプロセス全体を通して変形して再成形されないことを確実にするために、注意を払う。試料の直径は、リングの内径よりもわずかに小さくなければならない。これは、後のステップで試料に加えられる力が試料の円筒形状を著しく変形させず、代わりに水相が試料の底部を通って逃げることを可能にすることを確実にする。これはまた、実験のための試料の高さにおける任意の変化が、試験中に発現される水相の量と同等であることを確実にする。測定の終了時に、Immobilization Cellに接続された流出管中の水相を探すことによって、測定を通じて水相が試料から実際に発現されることを確認する必要がある。水相が観察されない場合、試料は水相を発現しないとみなされ、本発明ではない。
【0158】
機器設定を次のように設定する。軸方向試験形状を選択する。次いで、次の「形状」オプションを設定する:直径=50mm、ギャップ=45000um、充填ギャップ=45000um、トリムギャップオフセット=50um、材料=「鋼」、環境システム=「ペルチェプレート」。次の「手順」オプションを設定する:温度=25℃、浸漬時間:0秒、持続期間=2000秒、運動方向=「圧縮」、一定線形速度=2um秒-1、最大ギャップ変化=0um、トルク=0uN・m、データ取得=5秒ごとに「画像を保存」。
【0159】
ツールが表面に触れないように注意しながら、試料の表面の約1000um以内に鋼ツールを手動で移動させる。「形状」オプションでは、ギャップをこの距離にリセットする。
【0160】
実行を開始する。
【0161】
データは2つのプロットで表される:
1)プロット1:左y軸に軸方向力(N)及びx軸にステップ時間(秒);
2)プロット2:右y軸にはギャップ(um)及びx軸にステップ時間(秒)。
【0162】
接触時間T(接触)は、プロット1から得られる。T(接触)は、ツールが試料の上部に触れるときの時間として定義される。T(接触)は、第1の軸方向力データ点が0.05Nを超えるときのステップ時間である。
【0163】
試料厚さLは、接触時間におけるギャップ距離であり、メートル単位で表される。
【0164】
圧縮時間T(圧縮)は、ギャップが0.85*L、又は試料の15%であるステップ時間である。
【0165】
構造体から水相を圧搾するために必要な作業は、一定線形速度を乗じたT(接触)とT(圧縮)との間のプロット1の軸方向力曲線下面積、又は発現した流体の総体積を割ることによって正規化された2e-6 m s-1であり、ジュール毎立方メートルの単位(J m-3)で表される。
【0166】
水相発現試験方法の結果はすべて、実施例において、「AP発現」という名称の列に入力されている。一般に、数値は、以下の3つの場合のうちの1つを除いて、記載されるように、少なくとも2つの値の平均としての数値が返される:
1)組成物は、均質な流動性固体(例えば、完全に又は部分的に液体)を形成せず、測定に適しておらず、「NM5」の値が返される;
2)組成物が、作製中に凝固し、測定に適しておらず、「NM6」の値が返される;
3)組成物は流動性固体であるが、装置に効果的に充填するには柔らかすぎ、「NM7」の値が返される;
4)及び組成物は、硬質すぎるため、15%の圧縮前に力が50Nを超え、「NM8」の値が返される;
【0167】
ブレンド試験方法
試験前に、すべての試料及び手順を室温25(±3℃)に維持する。
【0168】
試料は、水溶液中の4mg(+/-1mg)の3%脂肪酸を、PTFE隔壁を備えるシンチレーションバイアルに秤量し、次いでACSグレードの2mLのエタノール又は同等物を添加することによって調製される。次いで、バイアルにキャップをし、試料が均質になるまで試料を混合する。次いで、バイアルを70℃のオーブンに入れ、キャップを外し、エタノール(及び水)を蒸発させた後、室温まで冷却させる。
【0169】
ピペッターを使用して、2mLのBF3-メタノール(メタノール中10%三フッ化ホウ素、Sigma Aldrich番号15716)をバイアルに分注し、しっかりキャップをした。試料が均質になるまで、試料を70℃に設定されたVWRホットプレート上に置き、次いで更に5分間置いた後、室温に冷却する。
【0170】
飽和塩化ナトリウム溶液は、ACSグレードの塩化ナトリウム塩又は同等物を、周囲温度の10mLの蒸留水に添加することによって調製される。バイアルが室温になったら、4mLの飽和塩化ナトリウム溶液をバイアルに添加し、旋回して混合する。次いで、ACSグレードの4mLのヘキサン、又は同等物をバイアルに添加し、次いでキャップをして激しく振盪する。次いで、試料を固定実験台に置き、ヘキサン及び水が二相に分離するまで置く。
【0171】
トランスファーピペットを使用して、ヘキサン層を新しい8mLバイアルに移し、次いでACSグレードの0.5gの硫酸ナトリウム又は同等物を添加して、ヘキサン層を乾燥させる。次いで、乾燥させたヘキサン層を分析のために1.8mLのGCバイアルに移す。
【0172】
試料を、キャピラリーインレットシステム及びピーク積分能を有する水素炎イオン化型検出器、並びにAgilent DB-FastFAME(番号G3903-63011)又は同等のカラムを備えたAgilent 7890B(Agilent Technologies Inc.,Santa Carla,CA)又は同等のガスクロマトグラフを使用して分析する。
【0173】
ガスクロマトグラフ条件及び設定は、以下のように定義される:キャリアガスとして、UHPグレードのヘリウム、又はガス精製システムを通して精製された通常のグレードのヘリウムを使用し、1.2mL/分(31.8cm/秒の速度)の一定流量モードに設定される;100℃で2分間に設定され、3分間、250Cに達するまで毎分10℃の速度で増加させたオーブン温度プログラムを有する;注入器温度は250℃に設定され、検出器温度は280℃に設定される;ガス流量は、水素については40mL/分、空気については400mL/分、及び補給(ヘリウム)については25mL/分に設定される;注入量及び分割率は、1μL、1:100の分割注入と定義される。
【0174】
機器は、37-Component FAME標準混合物(Supelco番号CRM47885)、又は同等の較正標準品を使用して較正される。n-C16 FAME標準に基づく応答係数及び正規化応答係数。
【0175】
応答係数は、較正溶液中の分析物を考慮したFAME FID面積を、較正溶液中の同一のFAME分析物の濃度で割ることによって、各構成成分について計算される。
【0176】
正規化応答係数は、各構成成分の応答係数を、1.00として定義されたn-C16メチルエステルの応答係数で割ることによって計算される。
【0177】
正規化FAME FID面積は、FAME FID面積(構成成分)を正規化応答係数(構成成分)で割ることによって、正規化応答係数を用いて計算される。
【0178】
各構成成分のFAME重量パーセントは、正規化FAME FID面積(成分)を正規化FAME FID面積(各成分の合計)で割り、次いで100を掛けることによって計算される。
【0179】
FAMEから遊離脂肪酸への変換係数は、目標脂肪酸の分子量を目標FAMEの分子量で割ることによって計算される。
【0180】
正規化脂肪酸FID面積は、正規化FAME FID面積にFAMEから遊離脂肪酸への変換係数を掛けることによって計算される。
【0181】
各構成成分の脂肪酸重量パーセントは、正規化脂肪酸FID面積(成分)を正規化FA FID面積(各成分の合計)で割り、結果に100を掛けることによって計算される。
【0182】
FAMEから遊離脂肪酸ナトリウム塩への変換係数は、目標脂肪酸ナトリウム塩の分子量を目標FAMEの分子量で割ることによって計算される。
【0183】
正規化脂肪酸ナトリウム塩FID面積は、正規化FAME FID面積にFAMEから遊離脂肪酸ナトリウム塩への変換係数を掛けることによって計算される。
【0184】
各脂肪酸ナトリウム塩構成成分の重量パーセントは、正規化脂肪酸ナトリウム塩FID面積(成分)を正規化脂肪酸ナトリウム塩FID面積(各成分の合計)で割り、次いで100を掛けることによって計算された。
【0185】
結晶化剤の純度は、以下の方法で記載される。
最適純度Poは、以下のように計算される結晶化剤ブレンド中の最適鎖長分子の質量分率であり、
【0186】
【数1】
式中、Moは、結晶化剤中の各最適鎖長の質量であり、Mtは、結晶化剤の総質量である。
【0187】
単一純度Pは、以下のように計算される結晶化剤ブレンド中の最も一般的な鎖長の質量分率であり、
【0188】
【数2】
式中、Msは、結晶化剤中の最も一般的な鎖長の質量であり、Mtは、結晶化剤の総質量である。最も一般的な鎖長が不適切な鎖長分子の群から選択される場合、値は括弧-[Ms]で表される。
【実施例】
【0189】
材料リスト
(1)水:Millipore,Burlington,MA(18m-オーム抵抗)
(2)カプリン酸ナトリウム(デカン酸ナトリウム、NaC10):TCI Chemicals、カタログ番号D0024
(3)ラウリン酸ナトリウム(ドデカン酸ナトリウム、NaC12):TCI Chemicals、カタログ番号D0024
(4)ミリスチン酸ナトリウム(テトラデカン酸ナトリウム、NaC14):TCI Chemicals、カタログ番号M0483
(5)パルミチン酸ナトリウム(ヘキサデカン酸ナトリウム、NaC16):TCI Chemicals、カタログ番号P0007
(6)ステアリン酸ナトリウム(オクタデカン酸ナトリウム、NaC18):TCI Chemicals、カタログ番号S0081
(7)オレイン酸ナトリウム(トランス-9-オクタデカン酸ナトリウム、NaC18:1):TCI Chemicals、カタログ番号O0057
(8)ペンタデシル酸(ペンタデカン酸、HC15):TCI Chemicals、カタログ番号P0035
(9)マルガリン酸(ヘプタデカン酸、HC17):TCI Chemicals、カタログ番号H0019
(10)ノナデシル酸(ノナデカン酸、HC19):TCI Chemicals、カタログ番号N0283
(11)C1270 K ID:P&G Chemicals,Cincinnati,OH)製品コード10275803
(12)C1618 K ID:P&G Chemicals,Cincinnati,OH)製品コード10275805
(13)C1218 K ID:P&G Chemicals,Cincinnati,OH)製品コード10275798
(14)C1214 K ID:P&G Chemicals,Cincinnati,OH)製品コード10275796
(15)NaOH:0.10M、Fluka Chemical、カタログ番号319481-500ML
(16)塩化ナトリウム(NaCl):VWR、カタログ番号BDH9286-500G
(17)ラウリン酸(HL):TCI Chemicals、カタログ番号L0011
(18)NaOH:1.0N、Honeywell/Fluka、カタログ番号35256-1L
【0190】
(実施例1)
これらには、ブレンド試験方法によって決定された場合、約1のPo値及び同様に約1のPs値を有する結晶化剤を含有する試料が含まれ、最適及び不適切な結晶化剤を対比する。実施例A~E(表1~表2)は、テトラデカン酸ナトリウムの異なる重量パーセントで調製された試料を示す。増加濃度は、試料の堅さ及び温度安定性の両方を増加させるが、水相発現値に反映されるように、水相を発現することがより困難になる。実施例Eは、約9重量%で、これらの材料をゲル化剤として使用する棒状石鹸で観察されたように、水相を発現することはもはや実用的ではないことを示す。実施例F~H(表2)は、他の最適な鎖長結晶化剤が前の実施例と同様の傾向を共有することを示す。実施例I~K(表3)は、不適切な結晶化剤を有し、試料組成物は液体をもたらす。理論に束縛されるものではないが、これらの結晶化剤は、可溶性すぎる(例えば、低いクラフト温度)か、又は鎖中の不飽和からの「キンク」が結晶化を破壊する、のいずれかであると考えられている。実施例L~N(表4)は、奇数鎖長結晶化剤を含む組成物を生成することが可能であることを実証する。奇数鎖長結晶化剤は、偶数鎖長結晶化剤とは異なる様式で結晶化すると考えられ、そのため、これらの組成物がそれでも効果的なメッシュ構造体を形成することは驚くべきことである。
【0191】
組成物の調製
加熱混合装置を使用して組成物を調製した。オーバーヘッドミキサ(IKA Works Inc,Wilmington,NC、モデルRW20 DMZ)及び3枚刃インペラデザインを組み立てた。すべての調製物を、付属のプローブで加熱を制御した加熱パッドアセンブリ(VWR,Radnor,PA,7×7 CER Hotplate、カタログ番号97042-690)で加熱した。すべての調製は、250mlのステンレス鋼ビーカー(Thermo Fischer Scientific,Waltham,MA.)で行った。
【0192】
実施例A~Kを、最初に水(1)及び結晶化剤(2~7)をビーカーに添加することによって調製した。ビーカーを加熱パッドアセンブリ上に置いた。オーバーヘッドスターラを、ビーカーに入れ、100rpmで回転するように設定した。ヒータを80℃に設定した。調製物を80℃に加熱した。次いで、溶液を、3つの60gのプラスチック瓶(Flak-Tech,Max 60 Cup Translucent、カタログ番号501 222t)に分け、1つの瓶を50mlまで充填し、2つの瓶を25mlまで充填した(実施例A~H)。試料を、固体まで室温25(±3℃)で冷却した。堅さ測定を、堅さ試験方法で50mlの試料で行い、熱安定性測定を、50ml試料で熱安定性試験方法によって行った。水発現測定を、2つの25mlの試料で水相発現試験方法によって行った。代表的なデータは、プロトタイプがこれらの流動性固体組成物に必要な特性を示すことを実証する。
【0193】
実施例L~Nを、最初にNaOH(15)及び脂肪酸(8~10)をビーカーに添加することによって調製した。NaOHの量は、酸価(AOCS Official Method Db 3-48-Free Acids又はFree Alkali in Soap and Soap Products)によって決定された。ビーカーを加熱パッドアセンブリ上に置いた。オーバーヘッドスターラを、ビーカーに入れ、100rpmで回転するように設定した。ヒータを80℃に設定した。調製物を80℃に加熱した。次いで、溶液を、3つの60gのプラスチック瓶(Flak-Tech,Max 60 Cup Translucent、カタログ番号501 222t)に分け、1つの瓶を50mlまで充填し、2つの瓶を25mlまで充填した。試料を、固体まで室温25(±3℃)で冷却した。堅さ測定を、堅さ試験方法で50mlの試料で行い、熱安定性測定を、50ml試料で熱安定性試験方法によって行った。水発現測定を、2つの25mlの試料で水相発現試験方法によって行い、ブレンドは、ブレンド試験方法から決定した。代表的なデータは、プロトタイプが、これらの流動性固体組成物に必要な堅さ、水相発現、及び熱安定性の特性を示すことを実証する。
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
(実施例2)
この実施例は、ブレンド試験方法によって決定された、結晶化剤分子のブレンドを含有する組成物を含み、3つの必要な特性に対する相対量の最適及び不適切な鎖長結晶化剤分子の影響を対比する。実施例O~R(表5)は、典型的な市販の脂肪酸混合物の異なる重量パーセントを使用して調製された試料を示す。ヘッダは、調製物に使用された特定の結晶化剤を示し、「分析から」は、ブレンド試験方法からの鎖長分布を示す。すべての組成物は結晶化に失敗し、堅さ、安定性温度、又は水相発現について測定することができなかった。理論に束縛されるものではないが、これらの試料は、実現可能なメッシュ形成を開始するには高すぎるレベルの不適切な結晶化剤を有すると考えられる。実施例S~V(表6)は、組成物中の比較可能なレベルの最適及び不適切な結晶化剤の鎖長を調整することの影響を示す。結晶化剤の重量パーセントは、組成物中で一定のままであるが、不適切な鎖長(C10)の量は増加し、結晶化してメッシュ構造体を形成しない、より低い熱安定性温度を有するより軟質な組成物の生成をもたらす。実施例W~Z(表7)は、組成物中の、比較可能なレベルの最適及び不適切な結晶化剤の鎖長を調整することの影響を示す。結晶化剤の重量パーセントは、組成物中で一定のままであるが、不適切な鎖長(C10)の量は増加し、結晶化してメッシュ構造体を形成しない、より低い熱安定性温度を有するより軟質な組成物の生成をもたらす。驚くべきことに、不適切な結晶化剤の影響は、より短い鎖長の最適な結晶化剤と組み合わせてより有害である。理論に束縛されるものではないが、繊維状結晶は、主に結晶中の結晶化剤の鎖間相互作用によって一緒に「保持」され、より短い鎖長の結晶化剤ではより少なく、結晶中の不適切な結晶化剤の存在の影響をより受けやすいと考えられる。
【0199】
組成物の調製
加熱混合装置を使用して組成物を調製した。オーバーヘッドミキサ(IKA Works Inc,Wilmington,NC、モデルRW20 DMZ)及び3枚刃インペラデザインを組み立てた。すべての調製物を、付属のプローブで加熱を制御した加熱パッドアセンブリ(VWR,Radnor,PA,7×7 CER Hotplate、カタログ番号97042-690)で加熱した。すべての調製は、250mlのステンレス鋼ビーカー(Thermo Fischer Scientific,Waltham,MA.)で行った。
【0200】
実施例O~Rを、最初にNaOH(15)及び市販の脂肪酸(11~14)をビーカーに添加することによって調製した。NaOHの量は、酸価(AOCS Official Method Db 3-48-Free Acids又はFree Alkali in Soap and Soap Products)によって決定された。ビーカーを加熱パッドアセンブリ上に置いた。オーバーヘッドスターラを、ビーカーに入れ、100rpmで回転するように設定した。ヒータを80℃に設定した。調製物を80℃に加熱した。次いで、溶液を、3つの60gのプラスチック瓶(Flak-Tech,Max 60 Cup Translucent、カタログ番号501 222t)に分け、1つの瓶を50mlまで充填し、2つの瓶を25mlまで充填した。それらを室温25(±3℃)で冷却した。これらの試料は液体のままであり、そのため、堅さ、熱安定性、又は水発現については測定されなかった。当業者は、異なる速度での結晶化剤の冷却組成物が、堅さ、水相発現、及び安定性温度の特性において適度な違いをもたらし得、これは、異なる絶対重量で調製された試料において一般的であることを認識する。
【0201】
実施例S~Zを、最初に水(1)及び結晶化剤(2~7)をビーカーに添加することによって調製した。ビーカーを加熱パッドアセンブリ上に置いた。オーバーヘッドスターラを、ビーカーに入れ、100rpmで回転するように設定した。ヒータを80℃に設定した。調製物を80℃に加熱した。次いで、溶液を、3つの60gのプラスチック瓶(Flak-Tech,Max 60 Cup Translucent、カタログ番号501 222t)に分け、1つの瓶を50mlまで充填し、2つの瓶を25mlまで充填した(実施例A~H)。試料を、固体まで室温25(±3℃)で冷却した。堅さ測定を、堅さ試験方法で50mlの試料で行い、熱安定性測定を、50ml試料で熱安定性試験方法によって行った。水相発現の測定を、液体のままであった実施例V及び実施例Zを除くすべての場合において、水相発現試験方法によって2つの25mlの試料で行った。ブレンドを、ブレンド試験方法から決定した。
【0202】
当業者は、異なる速度での結晶化剤の冷却組成物が、堅さ、水相発現、及び安定性温度の特性において適度な違いをもたらし得、これは、異なる絶対重量で調製された試料において一般的であることを認識する。
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
(実施例3)
これには、流動性固体組成物の熱安定性及び堅さに対する塩化ナトリウム添加の影響が実証される例が含まれる。実施例AA~AD(表8)は、結晶化剤及び水相の高温混合物に塩化ナトリウムを添加する影響を示す。実施例AAは、塩化ナトリウムが添加されていない対照である。実施例AB及び実施例ACは、熱安定性温度の増加をもたらすが、堅さがわずかに低下する、増加量の塩化ナトリウムを有する。驚くべきことに、実施例ADは、高温混合物を凝固させる。理論に束縛されるものではないが、塩化ナトリウムは、結晶化剤を「塩出」すると考えられ、そのため、より高い温度でのみ可溶性になり、また、結晶化剤の結晶化を変化させ、わずかに軟質の組成物をもたらす。しかしながら、塩化ナトリウムのレベルが高すぎると、溶解度温度が加工温度を超え、混合物が凝固する。凝固が生じると、もはや結晶メッシュを形成することができない。実施例AE~AGは、この問題に対する解決策を実証する。これらの実施例では、結晶メッシュが最初に形成され、次いで、塩化ナトリウムが、流動性固体組成物の上部に物理的に添加される。この進行において、塩化ナトリウム濃度は、堅さを変化させずに、熱安定性温度を増加させる。理論に束縛されるものではないが、結晶メッシュは、対照例AAにあるように形成され、添加された塩化ナトリウムは、組成物を通して拡散して繊維状結晶化剤の溶解度を変化させるが、繊維の性質は変化させないと考えられる。塩添加前に混合物が最初に結晶化されるため、凝固は、もはや問題ではない。このアプローチにより、熱安定性温度が20度超増加する。
【0208】
組成物の調製
加熱混合装置を使用して組成物を調製した。オーバーヘッドミキサ(IKA Works Inc,Wilmington,NC、モデルRW20 DMZ)及び3枚刃インペラデザインを組み立てた。すべての調製物を、付属のプローブで加熱を制御した加熱パッドアセンブリ(VWR,Radnor,PA,7×7 CER Hotplate、カタログ番号97042-690)で加熱した。すべての調製は、250mlのステンレス鋼ビーカー(Thermo Fischer Scientific,Waltham,MA.)で行った。
【0209】
実施例AA~ADを、水(1)、NaM(4)、及び塩化ナトリウム(16)をビーカーに添加することによって調製した。ビーカーを加熱パッドアセンブリ上に置いた。オーバーヘッドスターラを、ビーカーに入れ、100rpmで回転するように設定した。ヒータを80℃に設定した。調製物を80℃に加熱した。次いで、溶液を、60gのプラスチック瓶(Flak-Tech,Max 60 Cup Translucent、カタログ番号501 222t)に注ぎ、固体まで冷蔵庫(VWR Refrigerator、モデル番号SCUCFS-0204G、又は同等物)で、3℃(±1℃)で結晶化させた。堅さ測定を堅さ試験方法で行い、熱安定性測定を熱安定性試験方法によって行い、純度をブレンド試験方法から決定した。実施例AE~AGを、水(1)及びNaM(4)をビーカーに添加することによって調製した。ビーカーを加熱パッドアセンブリ上に置いた。オーバーヘッドスターラを、ビーカーに入れ、100rpmで回転するように設定した。ヒータを80℃に設定した。調製物を80℃に加熱した。次いで、溶液を、60gのプラスチック瓶(Flak-Tech,Max 60 Cup Translucent、カタログ番号501 222t)に注ぎ、固体まで冷蔵庫(VWR Refrigerator、モデル番号SCUCFS-0204G、又は同等物)で、3℃(±1℃)で結晶化させた。塩化ナトリウム(16)を、組成物の上部に添加し、測定前に組成物を通して1週間拡散させた。堅さ測定を堅さ試験方法で行い、熱安定性測定を熱安定性試験方法によって行い、純度をブレンド試験方法から決定した。当業者は、異なる速度での結晶化剤の冷却組成物が、堅さ、水相発現、及び安定性温度の特性において適度な違いをもたらし得、これは、異なる絶対重量で調製された試料において一般的であることを認識する。
【0210】
【0211】
【0212】
(実施例4)
この実施例は、実施例AHによって例示される、棒状石鹸組成物に対する本明細書における本発明の試料間の違いを示す。この実施例は、3つすべての性能基準を満たすことができない。具体的には、組成物の熱安定性温度が低すぎるため、保存寿命又はサプライチェーンにおいて効果的に確実に耐えることができない。理論に束縛されるものではないが、12の鎖長は、短い鎖長(すなわち、試料J)のため、はるかに可溶性であり、このため、塩化ナトリウムの1重量%の添加でさえ、C12が40℃未満で可溶化すると考えられる。
【0213】
組成物の調製
加熱混合装置を使用して組成物を調製した。オーバーヘッドミキサ(IKA Works Inc,Wilmington,NC、モデルRW20 DMZ)及び3枚刃インペラデザインを組み立てた。すべての調製物を、付属のプローブで加熱を制御した加熱パッドアセンブリ(VWR,Radnor,PA,7×7 CER Hotplate、カタログ番号97042-690)で加熱した。すべての調製は、250mlのステンレス鋼ビーカー(Thermo Fischer Scientific,Waltham,MA.)で行った。
【0214】
水(1)、塩化ナトリウム(16)、及びラウリン酸(17)をビーカーに添加することによって、溶液を調製した。ビーカーを加熱混合装置上に置いた。オーバーヘッドスターラを、ビーカーに入れ、100rpmで回転するように設定した。ヒータを設定し、調製物を71℃に加熱した。次いで、水酸化ナトリウム(15)を溶液に添加して脂肪酸を中和し、混合物全体を95℃に加熱した。次いで、溶液を、冷却瓶(Flak-Tech,Max 60 Cup Translucent、カタログ番号501 222 t)に入れ、台上に設置して、固体まで室温25(±3℃)で冷却した。堅さ測定は堅さ試験方法で行い、熱安定性測定を熱安定性試験方法によって行い、水発現を水相発現試験方法によって行い、純度をブレンド試験方法から決定した。
【0215】
【0216】
(実施例5)
以下の実施例では、「結晶化剤」は、結晶化剤(4~6)の群及びこれらの組み合わせを指すことが理解される。
【0217】
材料
(1)水
(4)ミリスチン酸ナトリウム(NaC14)
(5)パルミチン酸ナトリウム(NaC16)
(6)ステアリン酸ナトリウム(NaC18)
(19)皮膚処理活性物質
(20)皮膚感触活性物質
(21)芳香剤
(22)油系活性物質
(23)任意選択の活性物質
【0218】
この実施形態では、「皮膚処理活性物質」が、限定されないが、l-メントール、フレスコラート(frescolat)MGA、及び他の感覚剤、並びにこれらの組み合わせを含む、皮膚への処理を提供するための設計である活性物質を指すことが、以下の実施例で更に理解される。この実施形態では、「皮膚感触活性物質」が、限定されないが、デンプン、タルク、シリカ、オゾケライト、クズウコン粉末、タピオカ、及びこれらの組み合わせを含む、皮膚の触覚特性を変化させるように設計される活性物質を指すことが、以下の実施例で更に理解される。この実施形態では、「芳香剤」が、限定されないが、純香油及び香料マイクロカプセル、並びにこれらの組み合わせを含む、嗅覚特徴を製品に与えるように設計される活性物質を指すことが、以下の実施例で更に理解される。この実施形態では、「油系活性物質」が、限定されないが、油、精油、ミント油、ペパーミント油、ココナツ油、キャンデリラワックス、ホホバ種油、水素化ヒマシ油、ワセリン、鉱油、シリコーン油、ヒマワリ種油、シトラスオレンジピール油、ジメチコーン、C20-C40 Pareth-10、シアバター、及びこれらの組み合わせを含む、油性、蝋様、又はこれらの組み合わせである活性物質を指すことが、以下の実施例で更に理解される。この実施形態では、以下の実施例で、「任意選択の活性物質」が、従来は剃毛組成物に添加されていないが、しわの治療、しみの治療、保湿、UV保護、抗老化、表面瘢痕、前がん性皮膚斑点の治療、角質除去剤、化学的剥離、細孔保湿剤、酸化防止剤、レチノール、ざ瘡処理剤、及び処理剤ペプチド、並びにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない皮膚処理剤に望ましい活性物質を指すことが、以下の実施例で更に理解される。
【0219】
すべての組成物は、皮膚を水和するのに十分な水を有する。すべての組成物は、皮膚を潤滑し、製品に固体のような特性を提供する両方に作用するのに十分な結晶化剤を有する。すべての組成物は、純香料又は香料カプセルとして香料を有する。試料AIは、皮膚表面から脂を吸収し、皮膚に滑らかで乾いた感触を与えるためにタピオカデンプンなどの皮膚感触活性物質を含み得る。試料AJは、剃毛プロセス中に皮膚に薬物適用するためのざ瘡処理剤を含有し得る、堅い組成物である。試料AKは、処理後に冷たい感覚をもたらすMGA感覚剤のような皮膚処理剤を含有し得る、堅い組成物である。試料ALは、剃毛後に乾燥皮膚を処理するための薬用皮膚処理精油を含有し得る、堅い組成物である。
【0220】
試料AMは、皮膚表面から脂を吸収し、皮膚に滑らかで乾いた感触を与えるためにタピオカデンプンなどの皮膚感触活性物質を含み得る。試料ANは、剃毛プロセス中に皮膚に薬物適用するためのざ瘡処理剤を含有し得る、堅い組成物である。薬剤はまた、任意の油性皮膚により乾いた感触を与えるためにタピオカデンプンを含有してもよい。試料AOは、剃毛後に皮膚を終日保護するために、TiO2のようなUV保護活性物質を含有し得るより軟質の組成物である。試料APは、爽やかさのために少量の感覚剤と組み合わせて、UV保護を有する前がん性皮膚のための薬用皮膚処理剤を含有し得る、非常に堅い組成物である。
【0221】
プレミックスの調製
例示される組成物は、加熱混合装置を使用して調製される。オーバーヘッドミキサ(IKA Works Inc,Wilmington,NC、モデルRW20 DMZ)及び3枚刃インペラデザインを組み立てた。すべての調製物を、付属のプローブで加熱を制御することができる加熱パッドアセンブリ(VWR,Radnor,PA,7×7 CER Hotplate、カタログ番号97042-690)で加熱することができる。
【0222】
溶液は、水(1)及び結晶化剤(2~4)を250mlのステンレス鋼ビーカー(Thermo Fischer Scientific,Waltham,MA)に添加することによって調製することができる。好ましい水の濃度は、約90重量%超、より好ましくは約95重量%超、最も好ましくは約98重量%超となる。好ましい結晶化剤の濃度は、約10重量%超、より好ましくは約5重量%超、最も好ましくは約2重量%超となる。そのような好ましい組成物は、理想的な混合のために、混合物が加熱されると、均質で低粘度であることを確実にする。
【0223】
ビーカーを加熱混合装置上に置く。オーバーヘッドスターラを、ビーカーに設置し、混合物に入れ、100rpmで回転させる。ヒータを約90℃に設定し、均質な低粘度液体混合物を形成するまで調製物を加熱する。
【0224】
活性剤の添加
活性剤の添加のステップは、活性剤の種類によって変化し得る。活性物質は、プロセス温度又は低い予備冷却温度で液体混合物に添加され得る。予備冷却温度は、プロセス温度と結晶化温度との間、典型的には40℃~60℃である。これらの温度で結晶化剤は結晶化し始め得るが、結晶化は、顕著な結晶化が起こる前に、より低い予備冷却温度での添加が数分後に迅速に起こる必要がある緩徐なプロセスである。
【0225】
「皮膚処理活性物質」及び「皮膚感触活性物質」を含む組成物、これらの物質は、混合物がプロセス温度又は予備冷却した温度にあるときに添加され得る。これらの活性剤の好ましい濃度は、約3重量%未満、好ましくは約2重量%未満、最も好ましくは約1重量%未満であり得、すべての重量パーセントは、流動性固体組成物の最終組成物に関する。
【0226】
「芳香剤」を含む組成物、これらの活性剤は、これらの材料が一般的な揮発性であり、低温の引火点を有し得るため、予備冷却された温度で最も良く添加される。これらの薬剤の添加は、しばしば、適切な乳化(純油)を確実にするために、速度及び時間において撹拌を強化する必要があり、冷却及び成形ステップでできるだけ最短の冷却時間を確実にするために最後に追加されるべきである。芳香剤の好ましい濃度は、約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、最も好ましくは約3重量%未満であり得、すべての重量パーセントは、流動性固体組成物の最終組成物に関する。
【0227】
「油系材料」を含む組成物は、プロセス温度で添加される必要がある。それにより、それらの溶融点温度を超えるワックス及び油などの液体を分散させることがはるかに容易になる。香料マイクロカプセルの好ましい濃度は、約5重量%未満、好ましくは約3重量%未満、最も好ましくは約1重量%未満であり得、すべての重量パーセントは、流動性固体組成物の最終組成物に関する。
【0228】
「任意選択の活性物質」を含む組成物は、混合物がプロセス温度又は予備冷却した温度にあるときに添加され得る。これらの活性物質は、広範囲の材料を含有し、各材料は、異なる温度での化学的及び物理的安定性に関して独立して評価されなければならない。任意の増白剤の好ましい濃度は、約2重量%未満、好ましくは約1重量%未満、最も好ましくは約0.5重量%未満であり得、すべての重量パーセントは、流動性固体組成物の最終組成物に関する。
【0229】
冷却及び成形
活性剤の添加ステップ後の混合物を流動性固体組成物に変換する。
【0230】
1つの好適なアプローチは、混合物を規則的な形状に成形することである。好ましい形状には、スティック、シート、ビーズ、ボール、グミベア、かみそりアタッチメント、かみそり上のストリップ、及び他の消費者が好むものに沿った形状が含まれる。液体混合物をこれらの金型に入れ、混合物が完全に結晶化するまで、金型を結晶化温度で静止状態に保つ必要がある。
【0231】
消費者製品は、剃毛器具又は剃毛器具の一部とともに使用され得る。任意選択で、組成物は、スティック形態で使用され、男性の顔のひげ上に適用され得る。ひげを除去するためにかみそりが使用され得る場合、この領域に10~15秒間静置させてもよい。任意選択で、組成物は、毛髪を除去するのに望ましい領域にわたって女性の脚に適用されるスティック形態で使用され得る。望ましくない毛髪を除去するためにかみそりが使用され得る場合、この領域に10~15秒間静置させてもよい。任意選択で、組成物は、組み立てられた製品の一部であり得、流動性固体組成物は、かみそりなどの除毛装置に固定され、剃毛プロセスで同時に使用される。任意選択で、組成物は、皮膚に潤いを与え、かつ/又は処理するために、除毛器具とは関係なく使用され得る。
【0232】
【0233】
【0234】
剃毛組成物
表13及び表14には、本発明の剃毛組成物が含まれる。これらの組成物は、上記で概説した一般的なプロセスにより作製され、一般に、組成物を混合及び加熱し、その後、冷却し、流動性固体を形成することを伴う。構成成分を個別に添加するか、又はプレミックスを使用して、成分の溶解及び/又は懸濁を容易にするのを助けることができる。
【0235】
懸濁剤プレミックス
懸濁剤が使用される場合、懸濁剤は、組成物中のその分配及び溶解を促進するために、他の成分のうちの1つで予備混合され得る。例えば、キサンタン-は、水相又はグリセロール中に予備懸濁又は溶解され得る。
【0236】
油性組成物
油/ワセリンの予備混合物はまた、本発明において有用であり得る。例えば、ワセリン及び/又は他の油性構成成分は、組成物を配合する前に、ワセリンを液化するために混合され、約50~60℃などに加熱され得る。
【0237】
結晶化剤プレミックス
結晶化剤は、組成物を配合する前に、水相又は水相の一部に予備懸濁/溶解され得る。結晶化剤プレミックスは、塩化ナトリウムなどの塩を更に含み得る。
【0238】
本発明の流動性固体剃毛組成物を表13及び14に示す。
【0239】
【0240】
【表15】
(1)Momentiveから入手可能なポリメチルシルセスキオキサン
(2)Salvonaから入手可能な封入されたサリチル酸
(3)Givaudanから入手可能なN-[4-(シアノメチル)フェニル]-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサン-1-カルボキサミド
(4)Dowから入手可能なポリエチレンオキシド
(5)CP Kelcoから入手可能なカルボキシメチルセルロースナトリウム
理論に束縛されるものではないが、記載される基本単位操作は、バッチのサイズによって拡大縮小することができると考えられる。したがって、記載された同じ作製プロセスが商業規模のバッチに適用され得ることが予想される。更に、バッチプロセスとして記載されているが、そのような組成物は、連続プロセスにおいても調製され得ることが予想される。更に、バッチプロセスへの構成成分の添加順序は非限定的である。
【0241】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0242】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用されるすべての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0243】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】