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特表2023-518050胎児心拍監視デバイスおよびその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】胎児心拍監視デバイスおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/288 20210101AFI20230420BHJP
   A61B 5/257 20210101ALI20230420BHJP
   A61B 5/256 20210101ALI20230420BHJP
【FI】
A61B5/288
A61B5/257
A61B5/256 210
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555736
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 NL2021050185
(87)【国際公開番号】W WO2021187984
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】20164220.4
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515124288
【氏名又は名称】ネーデルランツ オルガニサティー フォール トゥーゲパスト‐ナトゥールヴェテンシャッペリーク オンデルズーク テーエンオー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポエリヒ,ピーテル フランシスクス
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドンゲン,パウリン ルイセッテ
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB01
4C127CC06
4C127EE01
4C127LL08
4C127LL13
4C127LL15
(57)【要約】
本明細書は、胎児の心拍を監視するための胎児心拍監視デバイスに関する。デバイスは、身体に付着可能な担体と、出力信号を提供するための胎児心電センサと、出力信号をフィルタリングするための基準センサと、を備える。デバイスはまた、胎児心電センサの周りの領域に分散された複数のアクチュエータを含むアクチュエータ配列を備える。各アクチュエータは、身体に触覚信号を提供するように構成される。制御装置が、出力信号を受信するために、また、出力信号に応じて身体に触覚フィードバック信号を提供するためのアクチュエータを制御するために、胎児心電センサに通信可能に接続する。本明細書はまた、そのようなデバイスのための制御方法に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胎児の心拍を監視するための胎児心拍監視デバイスであって、
人体に付着されるのに適した担体と、
前記担体上に取り付けられかつ出力信号を提供するように構成された少なくとも1つの胎児心電センサと、
前記出力信号をフィルタリングしてそこから胎児心拍を識別することを可能にするための基準信号を提供する少なくとも1つの基準センサと、を備え、
前記胎児心拍監視デバイスがさらに、
前記担体上に取り付けられかつ前記胎児心電センサの周りの領域に分散された複数のアクチュエータを含むアクチュエータ装置であって、各アクチュエータが前記人体に触覚信号を提供するように構成される、アクチュエータ装置と、
前記出力信号を受信するために前記少なくとも1つの胎児心電センサに通信可能に接続された制御装置であって、前記受信した出力信号に応じて前記人体に触覚フィードバック信号を提供するために前記複数のアクチュエータのそれぞれを制御するようになされた制御装置と、
を備える、胎児心拍監視デバイス。
【請求項2】
前記制御装置が、前記受信した出力信号から心拍数を判定するように構成され、かつ、前記判定された心拍数に対応する周期性を有する周期信号として前記触覚フィードバック信号を提供するように構成される、請求項1に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項3】
前記制御装置が、前記受信した出力信号から信号強度を判定するように構成され、かつ、前記判定された信号強度に応じて前記触覚フィードバック信号を提供するように構成される、請求項1に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項4】
前記制御装置が、前記触覚フィードバック信号を提供するために前記アクチュエータのそれぞれを個別に制御するように構成され、かつ、前記判定された信号強度に応じて前記アクチュエータを介して提供される前記触覚フィードバック信号の強度に各それぞれのアクチュエータを選択的に適合させるように構成される、請求項3に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項5】
前記人体上および前記人体にわたる前記担体の相対運動中、前記制御装置が、前記出力信号の1つまたは複数の信号サンプルを受信し、かつ、前記信号サンプルのそれぞれから信号強度を判定するように構成され、また、前記制御装置が、前記判定された信号強度に基づいてまた前記アクチュエータのうちの1つまたは複数を選択的に制御することにより、前記判定された信号強度を増大させるために前記人体上の前記担体の相対位置が変更されるべき方向の目安を提供するように構成される、請求項4に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項6】
補助出力信号を提供するための1つまたは複数の補助センサをさらに備え、前記制御装置が、前記補助出力信号のそれぞれから補助信号強度を判定するように構成され、かつ、前記判定された補助信号強度に基づいてまた前記アクチュエータのうちの1つまたは複数を選択的に制御することにより、前記少なくとも1つの胎児心電センサから受信される前記出力信号の前記判定される信号強度を増大させるために前記人体上の前記担体の相対位置が変更されるべき方向の目安を提供するように構成される、請求項4に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの胎児心電センサの周りの領域の各4分の1内に少なくとも1つが配置されるように前記領域内に分散された少なくとも4つのアクチュエータ、または、
少なくともn個のアクチュエータを含むような複数のアクチュエータであって、前記少なくとも1つの胎児心電センサの周りの前記領域が、少なくとも1つのアクチュエータがn個のセクタのそれぞれに配置されるように、n個のセクタを含む、複数のアクチュエータのうちの一方を備える、請求項3から6のいずれか一項に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項8】
前記制御装置が、前記判定された信号強度に基づいて、また、請求項6に従属する場合は前記補助信号強度に基づいて、前記アクチュエータのうちの1つまたは複数の前記触覚信号を選択的に制御することにより前記人体内の前記胎児の心臓の相対位置の目安を提供するように構成される、請求項3から7のいずれか一項に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項9】
前記担体が、平坦な曲げられるかまたはしなやかな基板材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項10】
前記担体が、前記人体の皮膚に粘着されるように構成されること、
前記担体が、前記人体に付着するためのパッチによって提供されること、
前記担体が、前記人体の腹部の周りに付着され得るベルトまたは布地によって提供されること、
前記担体が、前記人体の腹上で、場合により臍部、右もしくは左の腰部、下腹部、または右もしくは左の腸骨部のうちの少なくとも1つにおいて、前記人体上に配置されるような前記胎児心電センサを支持するように構成されること、
のうちの少なくとも1つである、
請求項1から9のいずれか一項に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの胎児心電センサ、前記基準センサ、前記アクチュエータ装置、前記アクチュエータ装置の1つもしくは複数の前記アクチュエータ、前記胎児心拍監視デバイスの1つもしくは複数の電気的接続部、または前記胎児心拍監視デバイスの1つもしくは複数の電極のうちの1つまたは複数が、プリント電子装置によって提供される、
請求項1から10のいずれか一項に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項12】
前記胎児心電センサのうちの少なくとも1つと前記基準センサとの間に配置された少なくとも1つの接地電極をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の胎児心拍監視デバイス。
【請求項13】
人体内部に位置する胎児の心拍を監視するための胎児心拍監視デバイスを制御する方法であって、前記胎児心拍監視デバイスが、制御装置と、前記制御装置に出力信号を提供するように構成された少なくとも1つの胎児心電センサと、前記出力信号をフィルタリングするための基準信号を提供する少なくとも1つの基準センサと、各アクチュエータが前記人体に触覚信号を提供するように構成される複数のアクチュエータと、を備え、
前記方法が、
前記制御装置により前記少なくとも1つの胎児心電センサから前記出力信号を受信するステップと、
前記複数のアクチュエータのそれぞれを制御することにより前記受信された出力信号に応じて前記人体に触覚フィードバック信号を提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記制御装置により、前記少なくとも1つの胎児心電センサの前記出力信号の1つもしくは複数の信号サンプルまたは複数の補助センサによって提供される補助出力信号の1つもしくは複数の信号サンプルを得るステップと、
前記制御装置により、前記信号サンプルから1つまたは複数の信号強度を判定するステップと、
前記制御装置により、前記判定された信号強度に基づいてまた前記アクチュエータのうちの1つまたは複数を選択的に制御することにより、前記少なくとも1つの胎児心電センサから受信される前記出力信号の信号強度を増大させるために前記人体上の担体の相対位置が変更されるべき方向の目安を提供するステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記制御装置により、前記少なくとも1つの胎児心電センサの前記出力信号の1つもしくは複数の信号サンプルまたは複数の補助センサによって提供される補助出力信号の1つもしくは複数の信号サンプルを得るステップと、
前記制御装置により、前記信号サンプルからの1つまたは複数の信号強度および前記人体内の前記胎児の心臓の予想相対位置を判定するステップと、
前記アクチュエータのうちの1つまたは複数の前記触覚信号を選択的に制御することにより前記人体内の前記胎児の心臓の前記判定された予想相対位置の目安を提供するステップと、
をさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胎児の心拍を監視するための胎児心拍監視デバイスであって、人体に付着されるのに適した担体と、担体上に取り付けられかつ出力信号を提供するように構成された少なくとも1つの胎児心電センサと、出力信号をフィルタリングしてそこから胎児心拍を識別することを可能にするための基準信号を提供する少なくとも1つの基準センサと、を備える胎児心拍監視デバイスを対象とする。本発明は、胎児心拍監視デバイスを制御する方法をさらに対象とする。
【背景技術】
【0002】
典型的には、妊娠中の母親が、超音波エコーにおける音響信号のような、彼女の胎児の心拍を感じたい場合、専門の医療機関を訪れる必要がある。あるいは、またはさらに、彼女は、今日では市場で入手できる商用の胎児心拍検出システムを買うことができる。胎児監視を目的とする携帯用のベルトまたは自己粘着バンデージであり得るそのようなシステムは、(十分に強い)胎児心拍信号を得るために、適切な位置決めを必要とする。専門的な医療従事者にとっては、これは日常業務である。しかし、母親となる人は、これがより困難な作業であることを見出すであろう。携帯用のスマート・バンデージまたはベルトの不適切な使用は、適切な信号を得ることができなかった場合に、当惑や不満をもたらすか、さらに悪いことには何かが間違っているかもしれないという恐慌をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来の胎児心拍検出システムの上述の欠点を克服すること、および、使用者の胎児から胎児心拍信号を得るために未経験の使用者によっても使用され得る胎児心拍監視デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のために、本明細書によれば、胎児の心拍を監視するための胎児心拍監視デバイスが提供され、このデバイスは、人体に付着されるのに適した担体と、担体上に取り付けられかつ出力信号を提供するように構成された少なくとも1つの胎児心電センサと、出力信号をフィルタリングしてそこから胎児心拍を識別することを可能にするための基準信号を提供する少なくとも1つの基準センサと、を備え、デバイスはさらに、担体上に取り付けられかつ胎児心電センサの周りの領域に分散された複数のアクチュエータを含むアクチュエータ装置であって、各アクチュエータが人体に触覚信号を提供するように構成される、アクチュエータ装置と、出力信号を受信するために少なくとも1つの胎児心電センサに通信可能に接続された制御装置であって、受信した出力信号に応じて人体に触覚フィードバック信号を提供するために複数のアクチュエータのそれぞれを制御するようになされ制御装置と、を備える。
【0005】
本発明の胎児心拍監視デバイスは、基準センサを少なくとも1つの胎児心電センサと組み合わせて使用することで、比較的弱い胎児心拍信号とバックグラウンド信号とを区別すること、および、アクチュエータを介して使用者に直接触覚フィードバックを提供することができる。例えば、使用者は、胎児心拍監視デバイスの担体を彼女の腹上に設置して、出力信号が胎児心拍信号を含む場合には彼女の皮膚を介して触覚感覚を受信することができる。例えば、皮膚を介した直接かつリアルタイムの触覚フィードバック信号の提供は、胎児心拍信号を取得することができる正しい位置を使用者が見つけることをさらに容易にすることができる。あるいは、以下でさらに説明するように、特定の実施形態では、胎児心拍信号がより強く受信されるかまたはその最大強度となる正しい位置へ移動するために、触覚信号を介して方向が提供され得る。
【0006】
さらに、1つまたは複数のアクチュエータを介して提供される触覚信号の使用は、外部フィードバック機構-音声発生装置または携帯電話もしくは他の外部デバイスへのBluetooth(登録商標)接続など-の使用を時代遅れなものにする。したがって、監視デバイスは、いくつかの実施形態によれば、例えば電源(例えば、電池、太陽電池板、または充電素子)を含んで、完全に内蔵式とされ得る。これらの目的のための外部要素との接続は必要とされないが、理解され得るように、いくつかの実施形態では、外部デバイスとの接続を容易にする任意のプラグ、ソケット、または他の手段が、有利であると見なされるかまたは任意の追加の目的のために望まれる場合に、なおも存在し得る。例えば、そのような接続は、デバイスに一次的に保存され得る経時的な胎児心拍データを伝達するために、または、特定のデバイス機能を制御するためのトリガ信号を送信もしくは受信するために、または、何らかの他の目的のために使用され得る。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、制御装置は、受信した出力信号から心拍数を判定するように構成され、かつ、判定された心拍数に対応する周期性を有する周期信号として触覚フィードバック信号を提供するように構成される。理解され得るように、任意のまたは適切に選択された周期信号-その周期性は判定された胎児心拍数に対応する-における胎児心拍の皮膚を介した直接触覚フィードバックは、使用者にとって癒しとなり、また、使用者と胎児との結び付きを強くするであろう。
【0008】
いくつかの実施形態では、制御装置は、受信した出力信号から信号強度を判定するように構成され、かつ、判定された信号強度に応じて触覚フィードバック信号を提供するように構成される。例えば、触覚フィードバック信号は、出力信号からの(すなわち、出力信号に見られる胎児心拍信号からの)信号強度が増大する場合に、増強され得る。これは、胎児心拍を最も良く取得することができる位置を見つける使用者の能力をさらに増強し、かつ、胎児心拍信号が見出されて触覚信号を介してフィードバックとして母親に提供されたときの心地良さをさらに増大させる。
【0009】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、制御装置は、触覚フィードバック信号を提供するためにアクチュエータのそれぞれを個別に制御するように構成され、かつ、判定された信号強度に応じてアクチュエータを介して提供される触覚フィードバック信号の強度に各それぞれのアクチュエータを選択的に適合させるように構成される。個々のアクチュエータにより別々に提供される触覚フィードバック(の強度)を制御することにより、触覚フィードバック信号を介して使用者に方向を提供することが可能になる。
【0010】
例えば、特定の実施形態では、人体上および人体にわたる担体の相対運動中、制御装置は、出力信号の1つまたは複数の信号サンプルを受信することができ、この場合、制御装置は、信号サンプルのそれぞれから信号強度を判定するように構成され、また、制御装置は、判定された信号強度に基づいてまたアクチュエータのうちの1つまたは複数を選択的に制御することにより、判定された信号強度を増大させるために人体上の担体の相対位置が変更されるべき方向の目安を提供するように構成される。使用者は、この実施形態では、提供される触覚信号により、胎児心電センサを含む担体を、検出された胎児心拍信号から受信される信号強度における極大に向かって移動させるように導かれる。これは、担体が人体の皮膚上で人体の皮膚にわたって移動されている間に収集されかつ(一時的に)保存される収集された信号サンプルに基づいてなされる。それにより、使用者は、心拍を取得するための良好な位置を迅速に見つけることを支援される。
【0011】
これらの実施形態のうちのさらに他の実施形態では、デバイスは、補助出力信号を提供するための1つまたは複数の補助センサをさらに備え、制御装置は、補助出力信号のそれぞれから補助信号強度を判定するように構成され、かつ、判定された補助信号強度に基づいてまたアクチュエータのうちの1つまたは複数を選択的に制御することにより、少なくとも1つの胎児心電センサから受信される出力信号の判定される信号強度を増大させるために人体上の担体の相対位置が変更されるべき方向の目安を提供するように構成される。理解され得るように、信号を増大させるために担体が移動される必要があり得る方向を判定するために信号サンプルの履歴データが使用される上記の実施形態の代わりにまたはそれに加えて、本実施形態の補助センサは、複数の信号サンプルを同時に提供することを可能にし、それにより、履歴データを必要とせずに方向を決定することを可能にする。したがって、これらの実施形態における使用者は、担体を彼女の皮膚上に設置すると、胎児心拍信号の信号強度が増大する方向に向かって直ちに導かれ得る。これは、胎児心拍信号を見つけることをさらに容易にする。
【0012】
本発明の様々な実施形態では、胎児心拍監視デバイスは、少なくとも1つの胎児心電センサの周りの領域の各4分の1内に少なくとも1つが配置されるようにその領域内に分散された少なくとも4つのアクチュエータを備える。胎児心電センサの周りの領域の各4分の1内にアクチュエータのうちの少なくとも1つがある状態で最小限の4つのアクチュエータを有することで、触覚フィードバック信号を介して上、下、左、および右などの単純な方向を提供することが可能である。各4分の1内にそれらのうちの1つがある4つの(または、それより多くの)アクチュエータは、以下のより一般的な種類の実施形態のうちの特定の実施形態であり、より一般的な種類の実施形態では、胎児心拍監視デバイスが、少なくともn個のアクチュエータを備えるように複数のアクチュエータを備え、少なくとも1つの胎児心電センサの周りの領域が、少なくとも1つのアクチュエータがn個のセクタのそれぞれに配置されるように、n個のセクタを含む。例えば、8個のセクタにおける8個のアクチュエータは、上、右上、右、右下、下、左下、左、または左上などの方向を示すことができる。4つの4分の1および(少なくとも)4つのアクチュエータを含む実施形態では、方向:右上、右下、左下、または左上は、当然ながら、複数のアクチュエータを同時に動作させて触覚フィードバック信号を提供することによって示され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、制御装置は、判定された信号強度に基づいて、また場合により(実施形態に適用可能であれば)補助センサからの補助信号強度に基づいて、アクチュエータのうちの1つまたは複数の触覚信号を選択的に制御することにより人体内の胎児の心臓の相対位置の目安を提供するように構成される。種々のアクチュエータによって提供される触覚フィードバック信号の強度を互いに適応させることにより、使用者によって受け取られたときの触覚感覚の位置が変更され得る。これは、胎児の心臓の判定された予想相対位置(すなわち、腹の皮膚上での胎児の心臓の射影(最も近い位置))に依存して行われ得る。したがって、使用者は、子宮内の胎児の動きを感知して、胎児がどこにいるかを知ることができ、すなわち彼女の腹上の相対位置の観点からそれを知ることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、担体は、平坦な曲げられるかまたはしなやかな基板材料を含む。担体は、例えば粘着または他の固定法により使用者の身体に少なくとも一時的に付着されるように構成され得る。様々な実施形態では、担体は、人体の皮膚に粘着されるように構成される。いくつかの実施形態では、担体は、人体に付着するためのパッチによって提供される。他の実施形態では、担体は、人体の腹部の周りに付着され得るベルトまたは布地によって提供される。いくつかの実施形態では、担体は、人体の腹上で人体上に配置されるような胎児心電センサを支持するように構成される。具体的には、場合により、担体は、臍部、右もしくは左の腰部、下腹部、または右もしくは左の腸骨部のうちの少なくとも1つに配置されるような胎児心電センサを支持するように構成される。
【0015】
いくつかの好ましい実施形態では、胎児心拍監視デバイスにおいて、少なくとも1つの胎児心電センサ、基準センサ、アクチュエータ装置、アクチュエータ装置の1つもしくは複数のアクチュエータ、デバイスの1つもしくは複数の電気的接続部、またはデバイスの1つもしくは複数の電極が、プリント電子装置(print electronics)によって提供される。具体的には、上述の実施形態のうちのいくつか、例えば平坦かつ曲げられる基板および/または粘着され得るパッチとの組み合わせにおいて、これは、終日にわたって触覚フィードバックを提供するように使用者の衣服の下に装着され得る実施形態を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態では、胎児心拍監視デバイスは、胎児心電センサのうちの少なくとも1つと基準センサとの間に配置された少なくとも1つの接地電極をさらに備える。追加的な接地電極は、胎児心電センサの出力信号における雑音レベルを低下させることをさらに可能にする。しかし、接地電極は、本発明に必須でないことは確実であり、本発明は、追加的な接地用電極を伴わずに動作し得る。
【0017】
第2の態様によれば、人体内部に位置する胎児の心拍を監視するための胎児心拍監視デバイスを制御する方法が提供され、デバイスは、制御装置と、制御装置に出力信号を提供するように構成された少なくとも1つの胎児心電センサと、出力信号をフィルタリングするための基準信号を提供する少なくとも1つの基準センサと、各アクチュエータが人体に触覚信号を提供するように構成される複数のアクチュエータと、を備え、方法は、制御装置により少なくとも1つの胎児心電センサから出力信号を受信するステップと、複数のアクチュエータのそれぞれを制御することにより受信された出力信号に応じて人体に触覚フィードバック信号を提供するステップと、を含む。この方法は、第1の態様に従って上述されたような胎児心拍監視デバイスにおける制御装置によって適用され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、第2の態様の方法は、制御装置により、少なくとも1つの胎児心電センサの出力信号の1つもしくは複数の信号サンプルまたは補助センサによって提供される補助出力信号の1つもしくは複数の信号サンプルを得るステップと、制御装置により、信号サンプルから1つまたは複数の信号強度を判定するステップと、制御装置により、判定された信号強度に基づいてまたアクチュエータのうちの1つまたは複数を選択的に制御することにより、少なくとも1つの胎児心電センサから受信される出力信号の信号強度を増大させるために人体上の担体の相対位置が変更されるべき方向の目安を提供するステップと、をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、方法は、制御装置により、少なくとも1つの胎児心電センサの出力信号の1つもしくは複数の信号サンプルまたは補助センサによって提供される補助出力信号の1つもしくは複数の信号サンプルを得るステップと、制御装置により、信号サンプルからの1つまたは複数の信号強度および人体内の胎児の心臓の予想相対位置を判定するステップと、アクチュエータのうちの1つまたは複数の触覚信号を選択的に制御することにより人体内の胎児の心臓の判定された予想相対位置の目安を提供するステップと、をさらに含む。
【0020】
本発明は、添付の図面を参照しながらそのいくつかの特定の実施形態を説明することにより、さらに明らかにされる。詳細な説明は、本発明の可能な実施態様の例を提供するが、本発明の範囲に含まれる実施形態のみを説明するものと見なされるべきではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲において定められるものであり、説明は、本発明に対する制限となることなしに、例示と見なされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による胎児心拍監視デバイスを概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態による胎児心拍監視デバイスのための制御電子装置を概略的に示す図である。
図3】使用者によって使用されている本発明の一実施形態による胎児心拍監視デバイスを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による胎児心拍監視デバイス1を概略的に示す。デバイスは、デバイスの複数の構成要素をその上に有しかつそれらに統合された担体基板3を備える。担体は、用途に適しまた使用者の皮膚に対して固定されかつ使用者の皮膚と接触するのに適した任意の種類の担体であってよい。例えば、担体3は、皮膚に粘着され得る粘着側を有するパッチ、あるいは、粘着パッチ・セクションまたは着脱容易なコネクタ、クリップ、ベルクロ(登録商標)などを含む1つもしくは複数のベルトによって付着され得る柔軟な布地を備え得る。担体3は、使用者の皮膚の輪郭に従うように曲げられるかまたはしなやかなものであり得る平坦な担体基板であることが好ましい。担体上の構成要素は、部品の平坦な配置として全体が具現化されることを可能にするプリント電子装置によって提供されることが好ましい。しかし、プリント電子装置の代わりにまたはそれに加えて、プリント電子装置によって提供され得るこれらの構成要素および任意の他の部品はまた、銅ポリイミドなどの他のタイプのしなやかな電子装置を使用して提供されてもよい。例えば、担体およびその構成要素は、機能層、すなわち皮膚と接触すべき電極の配列、担体基板層、プリント電子装置層、およびカバー層で構成され得る。しかし、これは、当業者が理解し得るように必須ではなく、いくつかの層が単一の層に統合されてもよく、あるいは、装置は、全く平坦な装置として具現化されなくてよい。例えば、製造コストを減少させるために選択されたかあるいは信頼性もしくは正確性または他の理由のために選択された可能性のある非平坦な構成要素が、同様に適用され得る。上記では、電極は例示されていないが、電極が皮膚との局所接続を提供するために上層内または担体3上のそれぞれの機能構成要素に接続することが、理解されるべきである。例えば、センサのそれぞれは、入力信号を受信するために皮膚に触れている電極を備え(または、電極と接続され)得る。説明されるアクチュエータは、以下で明らかになるように、皮膚に触れている電極または機能部品を必ずしも必要としないが、当然ながら、これは禁じられておらず、場合によっては皮膚に接触していることがなおも有利であり得る。
【0023】
図1の胎児心拍監視デバイス1は、胎児心電センサ5(fECGセンサ)をさらに備える。fECGセンサ5は、胎児の心臓からの小さな電気インパルスを検知し、かつ、検知した信号を示す出力信号を提供するように構成される。この検知技法は、標準的なECG検知に類似するが、fECGは、胎児からの非常に弱い心臓信号を取得できるように遙かに敏感である。典型的には、fECGは、雑音および周囲の心臓信号(すなわち、母親の心臓信号)も取得するので、fECG信号は、出力信号において十分に強力な胎児心拍信号を提供してこれを外乱と区別するために、フィルタリングを必要とする。図1の実施形態では、任意選択の基準センサ13が示されている。基準センサ13の位置は、この実施形態では、母親の心臓により近い担体3の上部にある。基準センサ13は、この基準センサが設計に存在するいずれかの任意選択の補助センサに対して付加的なものであることが必須ではないという点で、この実施形態では任意的なものである。ここで、図1の実施形態では、以下でさらに説明されるような補助センサ12が設計に存在し、フィルタリングのための基準信号をも提供するために適用され得る。したがって、図1の実施形態では、基準センサ13は、幾分冗長的な場合があり、したがって、省かれてもよい。とはいえ、基準センサ13は、説明的な目的のために図面に含まれている。
【0024】
図1の担体3は、中央部2および複数の肢部4を有するパッチとして具現化されている。パッチは、各肢部4の端部にアクチュエータ10を有し、したがって、合計4つのアクチュエータ10が存在する。アクチュエータ10は、説明されるように、触覚フィードバック信号を提供する。アクチュエータは、制御電子装置6を使用して制御され、かつ、制御電子装置6と電気的にかつ通信可能に接続される。デバイス1は、補助センサ12をさらに備える。補助センサ12は、補助出力信号を提供するさらなる胎児心電センサである。さらに、肢部4のそれぞれは、皮膚に触れる任意選択の接地電極8を含む。接地電極は、fECGセンサ5および補助センサ12における背景雑音を減少させる。接地電極8は、任意選択のものであり、いくつかの実施形態では存在しない場合がある。図1に示されているパッチは、4つの腕または肢部4を含む十字形状を有する。この形状は単に例示的なものであって必須ではないことを、当業者は理解し得る。パッチは、任意の形状またはサイズを有することができるが、構成要素を担持すること、および、異なるアクチュエータ10から来る触覚フィードバック信号を使用者が区別できるように十分に大きな面積にまたがることを可能にするために、十分な大きさでなければならない。当然ながら、パッチは、実施形態の全ての電極を支持するのに十分な大きさでなければならない。さらに、パッチは、パッチが取り外されて皮膚上の異なる位置に配置されることを可能にするために、粘着性とされ得るかまたは皮膚にたびたび容易に粘着することができるように他の方法で処理され得る。
【0025】
デバイス1では、fECGセンサ5は、胎児心拍信号を含む出力信号を提供する。この信号は、母親の心臓信号および雑音信号によってもたらされる外乱から胎児心拍信号を区別することを可能にするために、基準センサ13を使用してフィルタリングされる。図2に示されかつ以下で説明される制御電子装置は、fECGセンサ5から出力信号を受信し、区別された胎児心拍信号に応じてアクチュエータ10のうちの1つもしくは複数または全てを作動させて、触覚フィードバック信号を提供するように構成される。アクチュエータ10は、使用者すなわち母親に触覚フィードバック感覚を提供するように、振動信号、圧力信号、または場合により温度信号を提供するように構成され得る。アクチュエータ10は、胎児心拍をまねる、すなわち胎児心拍数に等しい周期的な振動数を有する、周期的な心拍信号を提供している場合がある。
【0026】
アクチュエータ10によって提供される触覚フィードバック信号は、アクチュエータ10のうちの1つまたは複数を選択的に制御することにより、選択された位置において、すなわち特定の位置において検知されるように、提供され得る。この位置の依存性は、例えばfECGセンサ5からの出力信号または以前に取得された信号サンプルの履歴データに応じて、制御電子装置によって制御され得る。例えば、使用者は、デバイス1を彼女の身体に対して移動させて皮膚と接触させていてよいが、それと同時に、センサ5の出力信号の信号サンプルが制御装置20によって取得されて、バッファまたはメモリ25に一時的に保存されている。補助センサ12からの補助信号は、移動、すなわち使用者の身体に対するデバイス1の相対位置の変化を監視するために適用されることが好ましい。これは、例えば、母親の心臓信号に対して三角測量を行う(身体内の固定された基準点として母親の心臓を使用する)かまたは胎児心臓信号に対して三角測量を行う(それにより、デバイス1が身体に固定される前に身体に対して動かされている間に胎児の一時的な静止位置を仮定する)ことによって達成され得る。当業者は、場合により身体内または身体上の他の固定された基準からの信号がさらにまたはその代わりに使用され得ることを理解するであろう。基本的に、特定の実施形態では、これは少々面倒であり、したがって最も有利な解決法ではないが、固定された基準信号を生成するために、例えば電極を含む(デバイス1とは別の)さらなるパッチといった外部の信号源すら適用され得る。補助センサ12を含まない実施形態では、センサ5からの主要な出力信号、および、例えば運動センサからの信号が、使用者の身体上のデバイス1の相対位置を判定するかまたは移動データを判定するために適用され得る。このことから、身体30に対してデバイス1を移動させる方法に関する方向の目安が生成され得る。上記の実施形態は、信号サンプルに加えて、身体に対するデバイス1の相対位置に関する位置データ、または身体に対してデバイス1によってなされた移動に関する移動データを保存することを可能にする。
【0027】
履歴信号サンプルから、また、例えば(胎児心臓信号強度の)制御装置による信号強度判定後、胎児の心臓の予想相対位置(または、腹の皮膚上での胎児の心臓の射影)が(例えば、胎児の心臓信号における極大の位置として)判定され得る。触覚フィードバック信号は、この位置に近いアクチュエータ10のうちの1つもしくは複数を選択的に制御することにより、または、アクチュエータのそれぞれを介して異なる信号強度で触覚フィードバック信号を提供することにより、この位置においてまたはこの位置の近くで提供され得る。あるいは、履歴データは、強い心拍信号を得るための最適な位置にパッチを動かすように母親/使用者を案内するために使用され得る。例えば、履歴データに基づいて、アクチュエータ10を介する触覚フィードバック信号は、最良の(すなわち、最も強くかつ/または最も乱れの少ない)出力信号を得ることが可能であってそこから胎児心拍信号を最も良く区別することができる位置へデバイス1を動かすように使用者を案内する態様で提供され得る。例えば、図1に示されるような4つのアクチュエータ10の場合、方向信号は、アクチュエータ10のうちの選択されたものを介して触覚信号を提供するようにアクチュエータ10の動作を選択的に制御することにより、制御電子装置6によって与えられ得る。例えば、触覚フィードバック信号を提供するように上部のアクチュエータ10を制御することにより、方向「上」が与えられ得る。
【0028】
上記の案内法の一例が、図3に概略的に示されている。図3では、妊娠中の母親30が、概略的に示されている。輪郭線32は、使用者30の腹を概略的に示す。これに関連して、本明細書はデバイス1を設置する望ましい位置として使用者の腹にしばしば言及するが、これは本発明を限定するものと解釈されるように意図されていないことに留意すべきである。デバイスは、十分に強力な胎児心拍信号が取得され得る身体上のどこにでも設置され得る。これは、腹上、例えば臍部、右もしくは左の腰部、下腹部、または右もしくは左の腸骨部などの腹部上であってよい。しかし、これは同様に、腹部(下肋部領域、腰部、もしくは腸骨部)の横または使用者の背中(例えば、腰もしくは背側部)からであってよい。図3に示されたデバイス1は、胎児心臓信号が最も良く取得され得る位置へ使用者を案内する。この位置は、心臓35、すなわち想定される胎児心臓位置によって概略的に示されている。
【0029】
デバイス1は、胎児心電センサ5ならびに補助センサ12-1、12-2、12-3、および12-4を使用して胎児心拍信号測定を行う。これらの測定から、位置35から発する胎児心臓信号が補助センサ12-2および12-3を介して最も良く受信されることが判定され得る。次いで、補助センサ12-1から12-4に近接して配置されているアクチュエータ10-1、10-2、10-3、および10-4が、アクチュエータ10-2および10-3を介して触覚フィードバック信号36を提供するために動作される。使用者30は、これらの触覚フィードバック信号36を感じ、デバイス1を左下方向(図3では、これは右下方向)に移動させるための方向としてこれを直感的に解釈する。位置35が事実上胎児心電センサ5の下または胎児心電センサ5の直ぐ近くに配置されるような位置35上でのデバイス1の正しい設置により、触覚フィードバック信号36が全てのアクチュエータ10-1から10-4を介して同様に提供されることになる。これは、さらなる補正は必要ないこと、および、デバイスをその位置で体に対して固定することができることを、使用者30に知らせる。胎児が子宮の内側で動くときに、触覚フィードバックが提供される位置は同様に、各個々のアクチュエータ10-1から10-4によって提供されるときの触覚フィードバック信号の強度を変化させることにより制御電子装置6によって適合される。小さな変化は、異なるアクチュエータ10-1から10-4間のわずかな強度差によって示され得る。例えば、胎児が下に移動する場合、アクチュエータ10-3の強度が増大され、アクチュエータ10-1の強度が減少され得る。胎児の位置が大きく移動する場合、新たな胎児位置35から最も遠くに配置されたアクチュエータ10は、触覚信号の提供を中止し得る。例えば、図3に示されたような状況が再び得られてよく、この場合、触覚フィードバック信号36を提供するためにアクチュエータ10-2および10-3のみが動作される。これは、デバイス1の位置を変えるタイミングであり得ることを使用者30に示す。
【0030】
図2は、一実施形態によるデバイス1の制御電子装置6を概略的に示す。制御電子装置6は、電源18およびプロセッサ20を少なくとも備える。プロセッサ20は、データ、例えば信号サンプルと位置データまたは移動データなどの他のデータとを保存するための任意選択のメモリ25と通信可能に接続され得る。プロセッサ20は、さらに心電センサ5およびアクチュエータ10と通信可能に接続される。さらに、存在するのであれば、プロセッサ20は、さらに補助センサ12と通信可能に接続される。追加的な電子構成要素が存在し得るが、本発明の提示および説明を不必要な詳細で分かりにくくしないために、図面からは省かれている。しかし、場合により存在し得るそれらの追加的な構成要素をいくつかを挙げるとしたら、加速度計が、例えば移動の測定および記録を案内するために適用され得る。
【0031】
本発明は、そのいくつかの特定の実施形態に関して説明された。図面に示されかつ本明細書において説明された実施形態は、理解を助ける目的のみを対象としたものであり、いかなる態様または手段によっても本発明に対して制限的であるように意図されていないことが、理解されるであろう。本発明の動作および構造は、上記の説明およびそれに添付された図面から明らかになると考えられる。本発明は本明細書において説明されたいかなる実施形態にも限定されないこと、および、添付の特許請求の範囲に記載された範囲内で考慮されるべき修正が可能であることが、当業者には明らかであろう。運動学的な逆転もまた、本質的に開示されかつ本発明の範囲内にあると見なされる。さらに、開示された様々な実施形態の構成要素および要素のいずれもが、必須と考えられるか、望ましいか、または好ましい場合に、特許請求の範囲において定められる本発明の範囲から逸脱することなしに組み合わせられ得るかまたは他の実施形態に組み込まれ得る。
【0032】
特許請求の範囲において、いかなる参照記号も、請求項を限定すると解釈されるものではない。用語「備えている」および「含んでいる」は、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、排他的または徹底的な意味で解釈されるべきではなく、むしろ包括的な意味で解釈されるべきである。したがって、本明細書において使用される「備えている」という表現は、任意の請求項に記載されたものに加えて他の要素またはステップの存在を排除しない。さらに、用語「a」および「an」は、「唯一」に限定されると解釈されるものではなく、むしろ「少なくとも1つ」を意味するために使用されるものであり、また、複数性を排除するものではない。具体的にもしくは明確に説明または特許請求されない特徴が、本発明の範囲内で本発明の構造に追加的に含まれ得る。「~するための手段」などの表現は、「~するように構成された構成要素」または「~するように構成された部材」と読まれるべきであり、また、開示された構造に対する均等物を含むように解釈されるべきである。「重要な」、「好ましい」、「特に好ましい」などのような表現の使用は、本発明を限定するように意図されていない。当業者の視野に含まれる追加、削除、および修正は、一般に、特許請求の範囲によって定められるような本発明の精神および範囲から逸脱することなしになされ得る。本発明は、本明細書において具体的に説明されたのとは異なる形で実践されてよく、かつ、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】