IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピアシカ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-518060固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極
<>
  • 特表-固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極 図1
  • 特表-固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極 図2
  • 特表-固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極 図3
  • 特表-固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/134 20100101AFI20230420BHJP
   H01M 4/80 20060101ALI20230420BHJP
   H01M 4/40 20060101ALI20230420BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20230420BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20230420BHJP
【FI】
H01M4/134
H01M4/80 C
H01M4/40
H01M4/66 A
H01M10/0562
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555782
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2021070290
(87)【国際公開番号】W WO2021189083
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/991,418
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522365395
【氏名又は名称】ピアシカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PIERSICA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブクル,クラウディウ ビー.
【テーマコード(参考)】
5H017
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA04
5H017AS01
5H017EE01
5H017EE07
5H017HH01
5H017HH02
5H017HH03
5H017HH04
5H029AJ01
5H029AJ12
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL12
5H029AM11
5H029DJ04
5H029DJ06
5H029HJ01
5H029HJ04
5H029HJ05
5H029HJ07
5H029HJ09
5H050AA01
5H050AA15
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB12
5H050DA03
5H050DA04
5H050FA09
5H050FA16
5H050HA01
5H050HA04
5H050HA05
5H050HA07
5H050HA09
(57)【要約】
リチウムイオン電池に形成される、リチウムベースの固体負極組立体。負極は、開孔を有する繊維状セラミックフレームワークまたはポリマー・フレームワークと、リチウム親和性を有する活性表面材料とで形成される。繊維フレームワーク内の解放空間と、繊維フレームワークの表面に堆積されたリチウム親和性コーティングにより、負極内で固体リチウムイオンを自由に輸送することができる。固体状態では、リチウム電池が単位重量当たりの容量をより高めることができ、より速い充電、過酷な取り扱いや温度に対するより高い耐久性を実現する。このような負極を有する固体リチウム電池の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体を有する少なくとも1つの正極と、
リチウム親和性繊維フレームワークを有する、少なくとも1つの負極と、
前記少なくとも1つの正極および前記少なくとも1つの負極と接触する少なくとも1つのセパレータと、
前記繊維フレームワーク内に配置された溶融注入リチウム箔と、
を備え、
前記繊維フレームワークは、前記溶融注入リチウム箔とともに、リチウム金属析出物を受け入れることができる固体電解質を形成している、電池。
【請求項2】
前記リチウム親和性繊維フレームワークは、セラミック繊維マットを含む、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記溶融注入リチウム箔は、前記負極内の集電体として作用する、請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記リチウム親和性繊維フレームワークは、ポリマーマットを含む、請求項1に記載の電池。
【請求項5】
前記ポリマーマットは、エレクトロスピニングによって形成されている、請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセパレータは、固体である、請求項1に記載の電池。
【請求項7】
前記リチウム親和性繊維フレームワークは、繊維材料であって、その上に堆積されているリチウム親和性表面コーティングを備える繊維材料をさらに含む、請求項1に記載の電池。
【請求項8】
前記リチウム親和性表面コーティングは、コーティング群からの少なくとも1つのコーティングであり、
前記コーティング群は、酸化物、窒化物、ポリマー、およびセラミックからなる、
請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記酸化物は、酸化物群からの少なくとも1つの酸化物であり、
前記酸化物群は、酸化ニオブ、Al23+ZnO(AZO)、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化金、酸化ヨウ素、および酸化イオウからなる、
請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記リチウム親和性繊維フレームワークの少なくとも70体積%は、リチウムイオン由来の固体リチウム金属を受け入れることが可能な開孔を含む、請求項7に記載の電池。
【請求項11】
前記リチウム親和性繊維フレームワークは、材料群からの少なくとも1つの材料から形成されており、
前記材料群は、セラミック繊維、およびポリマー繊維からなる、
請求項1に記載の電池。
【請求項12】
前記少なくとも1つの材料は、繊維群を含み、
前記繊維群は、
0.5μm未満の直径、1mmより大きい長さ、約10nmのリチウム親和性コーティング厚さを有し、
70%を超える多孔度、約86μmのマット厚さ、および約5cm×5cmのセパレータ接触面積を達成するように配置されている、
請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記電池はリチウムイオン固体電池であり、
前記少なくとも1つの負極および前記少なくとも1つの正極は、液体電解質を含まない、
請求項1に記載の電池。
【請求項14】
前記リチウム親和性繊維フレームワークは固体である、請求項1に記載の電池。
【請求項15】
導電性繊維フレームワークと、
前記導電性フレームワーク上に堆積された活物質であって、30質量%の固体リチウム金属を受けとることができるリチウム親和性を有する活物質と、
を含む、負極。
【請求項16】
少なくとも1つの、請求項1に記載の前記負極と、
少なくとも1つの正極と、
少なくとも1つの請求項1に記載の前記負極および前記少なくとも1つの正極と接触している、少なくとも1つの固体セパレータと、
を備える、電池。
【請求項17】
前記負極は、前記活物質中に配置された溶融注入リチウム箔をさらに含む、請求項16に記載の電池。
【請求項18】
前記活物質は、セラミック繊維フレームワークである、請求項17に記載の電池。
【請求項19】
前記活物質は、ポリマー繊維フレームワークである、請求項17に記載の電池。
【請求項20】
前記活物質は、活物質群からの少なくとも1つの活物質であり、
前記活物質群は、セラミック繊維フレームワークおよびポリマー繊維フレームワークからなり、
前記活物質群のそれぞれは、リチウム親和性コーティングを有する、
請求項17に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学装置、すなわち電流生成装置に関する。より具体的には、本開示は、電池全体の性能、安全性、および信頼性を向上させるための、負極(アノード)の製造に対する一定の改善を有する電池構成要素の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池、またはLiイオン電池は、携帯用電子機器および電気自動車において一般に使用される再充電可能な電池の一種である。リチウムイオン電池は、従来のバッテリー技術と比較して、より高速の充電、より大きな容量、およびより高い電力密度を実現し、このことは、より小型で軽量なパッケージにおいて性能を向上させることを可能にしている。リチウムが電池技術において好ましい要素となった理由は数多くあるが、最も重要な理由は、その元素構造に関係している。リチウムは、最外電子を容易に失うために非常に反応性が高く、電池に電流を容易に流すことができる。また、リチウムは最も軽い金属であり、電池に一般的に使用される他の金属(例えば、鉛)よりもはるかに軽い。この特性は、携帯電話等の小型の物品にとって重要であるが、多くの電池を必要とする自動車にとっても重要である。そして最後に、リチウムイオンと電子は、正極(カソード)に容易に戻り、多数回の再充電サイクルを可能にする。リチウムイオン電池技術の革新は、電子デバイスの形状因子を最小化し、同時にその能力を高めるのに役立ってきた。スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス、およびその他の最新の高級電子機器は、ここ数十年の間に見られたリチウムイオン電池の進歩の一部がなければ、ただ不可能であったと考えられる。
【0003】
従来のリチウムイオン電池は、液体電解質を使用している。液体電解質リチウムイオン電池中の液状電解液は、充放電中の電流を調整するために使用される。電流は、負極と正極との間の液状電解液を通って「流れる」ことにより、電池ユーザが電池に電気エネルギーを蓄えたり、そして電池に蓄えられた電気エネルギーを使用したりすることを可能にする。より具体的には、リチウムイオンは、放電中に負極(アノード)から正極(カソード)に電解質を通じて移動し、充電中に戻る。これらのリチウムイオン電池は、通常、正極の材料としてインターカレートされたリチウム化合物を使用し、負極の材料としてグラファイト(黒鉛)を使用する。グラファイトは、完全にリチウム化されたLiC6の状態において、最大容量372mAh/gに相当する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く、メモリー効果がなく、自己放電が少ないが、可燃性の電解質を含むために安全上の問題があり得る。これらの電池が損傷して空気に晒されたり、正しく充電されなかったりすると、爆発や火災の原因となることもあり得る。取り外し可能なリチウムイオン電池の火災の危険性に起因するリコールは、一般的で、また費用のかかるものであり、いくつかの携帯型電子機器メーカーは、取り外し可能な電池を使用していない高価な電子機器を、リチウムイオン火災のためにリコールすることさえ強いられている。この問題は、液体リチウムイオン電池の電気自動車(electric vehicles:EV)への組み込みによって、懸念が高まっている。EVの液体リチウムイオン電池は、事故時や事故直後に空気中の水分に晒されると発火し易く、そのため安全上大きな問題を提起する。この安全性の問題は、電気自動車が商業的にますます実用化され、より広く採用されるにつれて、対処すべき重要性が高まっている。
【0005】
液体リチウムイオン電池に関するこれらの懸念に対処するための研究開発の多くは、液体を含まない負極を備える電池の開発に焦点を当てている。リチウムは、固体状態において3600mAh/g、すなわちLiC6の凡そ10倍の最大容量を有している。しかしながら、リチウム金属は、固体状態においても反応性が高く、極めて不均一に析出(plating)する。液状電解質リチウムイオン電池においても、通常で低臨界電流(0.5mA/cm2)とみなされる析出速度(plating rates)を超えると、リチウムは核形成し、平滑または平坦な析出ではなく、樹枝状または苔状の構造を形成し得る。このことが、液体リチウムイオン電池の膨れや膨張、さらには破裂の原因であることが多い。従来の固体リチウム箔負極電池では、この電流レートはさらに小さいものとなる(0.1mA/cm2)。したがって、液体電解質リチウムイオン電池における多くの改良において樹枝状または苔状が形成される可能性を低減させてきたように、固体リチウムイオン負極を製造する場合には、この現象の予防を促進させることがさらに重要である。消費者および製造業者が最新の液体リチウムイオン電池に期待しているのと同じ範囲の充電速度および放電速度であれば、より大きなエネルギー貯蔵容量を有する電池が有利となるであろう。
【0006】
したがって、固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極を実現するための改善に関し、認識されているが対処されていないニーズがあることは、明白である。本開示は、上述した問題の側面の少なくともいくつかに対処しながら、本明細書に開示される負極を含む、構成要素および内部構造に対する様々な改善を通して、このニーズに対処するように設計されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
簡潔に説明すると、可能な好ましい実施形態において、本開示は、固体電解質を有するリチウムイオン負極(すなわち、固体リチウムイオン負極)を収容するための電池の製造、構造、および設計に様々な改良を導入することによって、上述の欠点を克服し、そのような負極に対して認識されているニーズを満たす。これらは一般に、リチウムイオン伝導体、電子伝導体、イオン/電子混合伝導体、リチウム親和性コーティング、集電体、および改良された溶接部を、個別に、または組み合わせて含むが、これらに限定されない。固体リチウムイオン負極を考慮に入れることによって、これらの改良は、リチウムイオン電池のエネルギー貯蔵容量を、液体電解質形態におけるその理論上の最大値から、エネルギー密度のより高い固体形態へと増加させる可能性を有する。さらに、これらの改良は、単独でおよび/または組み合わせて、リチウムイオン電池の膨れ、膨張、または破損に起因する火災などの危害の可能性を低減することに役立つ。これらの改良は、単独でおよび/または組み合わせて、充電速度およびデバイスへの電力供給を低下させることなく、これらの利点をもたらすことができる。
【0008】
固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の一態様は、リチウムイオン伝導体であってよい。リチウムイオン伝導体は、様々な形態で製造することができ、それぞれの形態は、対応する利点とトレードオフとを有する。これらの形態のバリエーションは、リチウムイオン伝導体の別個の実施形態であることがよりよく理解され得る。
【0009】
第1の可能な好ましい実施形態では、リチウムイオン伝導体は、セラミック・フレームワーク(framework、骨組み,枠組み,構成等の意味を含む)、または骨格(skeleton)、から構成されてもよい。セラミック・フレームワーク、または骨格は、リチウムイオン伝導体であるリチウム金属を支持するために利用することができる。リチウム金属は、電子伝導性を与えることができ、一方、固体セラミック・フレームワーク/骨格は、空間的な支持とリチウムイオン伝導性とを提供することができる。リチウム金属をセラミック・フレームワーク/骨格に、組み合わせるおよび/または機能的に結合するための1つの手段は、処理されたセラミック・フレームワークにリチウム金属を溶融注入(melt infusion)することによるものであってもよい。まず、ごくわずかな量のリチウム金属のみを、前駆セル組立体に注入することができる。リチウムイオン伝導体の前駆セル組立体に少量のみが注入されるような場合、セルに容量を与える全ての可逆性リチウムは、代わりに最終組立体における正極から供給することができる。このことは、フェロリン酸リチウム(lithium ferrophosphate:LFP)、コバルト酸リチウム(lithium cobalt oxide:LCO)、ニッケル・マンガン・コバルト(nickel/manganese/cobalt:NMC)などの高電圧インサート正極、および/またはこれら種々の正極の組合せを通じて起こり得る。セラミックス骨格の表面積が大きいと、平坦なリチウム箔と比較して、固体電池の動作速度(リチウムの析出/溶出(stripping))を高めることができる。エネルギー密度の観点から、セラミック骨格の重要な要件は、低密度のセラミックを使用することであり得る。提案される例示的な低密度の軽量セラミックは、Li1+xAlxTi2-x312(LATP)であってよい。セラミック・フレームワーク/骨格を有するリチウムイオン伝導体についてのこの実施形態では、様々な利点とトレードオフとを含む付加的な、構成要素、製造方法、およびさらなる変形形態が存在し得る。これらには、活物質の選択や、機能性材料処理の種類の選択、を含むことができる。これらの区別は、添付の図面または図面に照らして読むことにより、以下の図面の簡単な説明、その例示的な実施形態の詳細な説明、および特許請求の範囲から、当業者にはより明確になるであろう。
【0010】
開示された固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極のリチウム伝導体の態様についての第2の可能な好ましい実施形態では、ポリマー・フレームワーク(framework、骨格、骨組み,構成等の意味を含む)または骨格(skeleton)が好ましい。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極のリチウム伝導体の態様である高分子フレームワーク/フレームワークは、可撓性であるという付加的な利点を提供することができる。ここで、セラミック・フレームワーク/骨格は、剛性であると説明することができる。ポリマー・フレームワーク/骨格の要件は、(a)リチウム金属の融点(180℃)よりも高い融点を有すること、(b)高いリチウムイオン伝導性、および(c)リチウム伝導性材料の構造体への注入(ここで構造体は、例えば、対応するリチウム塩(例えば、リチウムビス(トリフルオロメタン・スルホニル)イミド、LiC26NO42:LiTFSI)またはセラミック粒子がポリマー中におよび/またはその表面に埋め込まれた他の導電性ポリマーなど)、であり得る。ポリマー・フレームワーク/骨格を有するリチウムイオン伝導体に関するこの実施形態では、様々な利点およびトレードオフを含む付加的な、構成要素、製造方法、およびさらなる変形形態が存在し得る。これらは、ポリイミド、アラミド、およびポリイミドフレームをさらに含むことができる繊維マットを含み得る。これらの区別は、添付の図面または図面に照らして読むと、以下の図面の簡単な説明、その例示的な実施形態の詳細な説明、および特許請求の範囲から、当業者にはより明確になるであろう。
【0011】
開示された固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極のリチウム伝導体の態様についての第3の可能な好ましい実施形態では、ハイブリッド複合フレームワークまたは骨格が好ましい。ハイブリッド複合フレームワーク/骨格を有するリチウムイオン伝導体についてのこの実施形態では、様々な利益およびトレードオフを含む構成要素、製造方法、およびさらなる変形形態が存在し得る。これらは、ヒュームドシリカおよびG4(テトラグライム)/LiTFSA、窒化ホウ素/窒化バナジウムドーピング、他の窒化物のドーピングなど、および/またはこれらの組合せをさらに含むことができる繊維マットを含み得る。これらの区別は添付の図面または図面に照らして読むと、以下の図面の簡単な説明、その例示的な実施形態の詳細な説明、および特許請求の範囲から、当業者にはより明確になるであろう。
【0012】
固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の別の態様は、電子伝導体である。注入されたリチウム金属に加えて、電子伝導性および充電中の均一な析出を改善するために、電子伝導性の構成要素が負極に必要となり得る。これらの材料はまた、リチウムの樹枝状の成長を阻害する際に重要な役割を果たし得る。リチウムと他の金属との共晶混合物は、塑性流動の特性を有する、より柔らかいリチウム基金属負極を提供することができる。
【0013】
固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極のさらに別の態様は、電池電極にイオン-電子混合伝導体(mixed ionic/electronic conductors:MIEC)を組み込むことであり得る。本開示の負極との組み合わせにおいて、MIECは、固体電極用材料の非常に有望な部類であり得る。MIECは、イオンに加えて電子自体を伝導する点で、固体イオン伝導体とは異なる。MEICは、電子伝導性とイオン伝導性の両方が必要とされ得る電極に最も適したものであり得る。MEICは、イオン伝導性(および電子絶縁性)のみが必要とされる電池セパレータとしては使用が不可能であり得る。
【0014】
固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極のさらに別の態様は、セラミックおよび/またはポリマー・フレームワーク/骨格のいずれかへのリチウム親和性の(lithiophilic)コーティング(被覆物)であってもよい。リチウム親和性コーティングは、セラミック・フレームワークまたはポリマー・フレームワークの使用に重要であり得る。セラミック・フレームワーク/骨格および/またはポリマー・フレームワーク/骨格は、未改良の状態ではリチウム金属との良好な界面を有さないことがあるため、リチウム親和特性を有するコーティングを組み込む改善が、このようなタイプのフレームワーク/骨格を固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極中に含めるために重要であり得る。セラミック・フレームワーク/骨格および/またはポリマー・フレームワーク/骨格へのリチウム親和性コーティングの組み込みは、析出中のリチウムの樹枝状の成長の抑制をさらに促進し、および/または、滑らかな析出を促進し得る。セラミック・フレームワーク/骨格および/またはポリマー・フレームワーク/骨格のリチウム親和性コーティングは、セラミック・フレームワーク/骨格またはポリマー・フレームワーク/骨格に適した選択の範囲を、リチウム親和性コーティングが無くてもリチウムと反応し得る材料にまで拡張することができる。これによって、それ以外の場合には、特定のセラミックおよび/またはポリマーが、コーティングのない状態でリチウムと共に使用されることを妨げる可能性がある。リチウム親和性コーティングは様々な形態で提供され、その各々は、セラミックおよび/またはポリマー・フレームワーク/コーティングを表面へ分布および接着するための、独自のプロトコルを含み得る。高エネルギー密度リチウム金属系負極は、リチウム親和性フレームワークを作り出すために使用される材料が有するリチウム親和性という特性によって、またはリチウム親和性コーティング(複数可)を付与することによって、リチウム親和性の性質を有する繊維マットまたはポリマーマットであると理解することができる。ここで、繊維マットまたはポリマー繊維マットは、それによってリチウムまたは他の金属を堆積させることができる1つ以上の空洞を有する。
【0015】
固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極のさらに別の態様は、負極用の集電体であってもよい。集電体は、外部負荷を介して負極から正極に電子を伝え、負荷デバイスに電力を供給する電子伝導体である。従来より、負極集電体には銅箔が使用されている。銅箔を使用することによって、市販の黒鉛負極の支持体が提供されている。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極においては、含浸されたリチウム金属を有するセラミックおよび/またはポリマー・フレームワーク/骨格との結合が良好な、新しいタイプの集電体の開発が必要とされ得、これは、電池の充電および動作中に負荷を通して電子を運ぶ本開示の負極のための集電体であり得る。
【0016】
固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極のさらに別の態様は、固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極、そのコーティングおよび構成要素、ならびに周囲の電池構成要素、の間の新規な融着方法であり得る。銅集電体は、典型的には、電池セルの外側にあるバスバーに電流を運ぶために、互いにタブ溶接されていることがある。本明細書に開示されるように、ここに記載される集電体を、リチウム親和性コーティングを有するセラミックおよび/またはポリマー・フレームワーク/骨格に、そして固体リチウム金属と組み合わせて、タブ接続する溶接の開発は、本開示の固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極をさらに改善するか、またはこれを可能にすることができる。
【0017】
固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の様々な態様および特徴は、単独でまたは組合せで、従来の液体電解質リチウムイオン電池、ならびに、既存の、利用可能な、実験的な、および/または、提案されている固体リチウムイオン電池、のいずれをも上回る優れた利点を提供し得る。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の利点は、現在市販されている黒鉛系負極のエネルギー密度を超えて、負極のエネルギー密度を高めることができることであり得る。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の別の利点は、固体電池について現在観測されている0.1~0.5mA/cm2を上回り、30分未満で電池を充電するために重要な商業的意義を有する10mA/cm2に近い、高い動作電流を提供し得ることである。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の別の特徴は、高いサイクル寿命(例えば、4000サイクル超)をもたらし得るリチウム親和性の界面相(interphases)を備える、安全なリチウム金属負極構造を提供できることであり、これは、搭載された電池の長い寿命を必要とする電気自動車およびその他の耐久性物品にとって商業的に重要であり得る。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の別の特徴は、現在入手可能な市販の黒鉛系負極(-30℃~60℃)よりもはるかに広い温度範囲(例えば、-60℃~150℃)にわたって動作できることであり得る。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の別の特徴は、製造中に、リチウム化前負極(pre-lithiated anode)を提供できることであり得る。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の別の特徴は、可撓性の負極を提供できることであり得る。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の別の特徴は、市販の黒鉛系負極では不可能な、釘刺し試験に合格できることであり得る。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の別の特徴は、例えば、可能な好ましい実施形態である固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極は、セラミック含有量が高く、本開示の電池には可燃性成分がほとんど存在しないため、負極が難燃性を実現し得ることである。固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の別の特徴は、大量生産可能なリチウム系負極をもたらす様々な拡張可能な製造方法であり得る。
【0018】
固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極のこれらの特徴および他の特徴は、添付の図面または図に照らして読むと、先の課題を解決するための手段、ならびに、以下の図面の簡単な説明、その例示的な発明を実施するための形態、および特許請求の範囲から、当業者にはより明らかになるであろう。
【0019】
固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極は、添付の図面を参照しつつ、詳細な説明を読むことによって、より良く理解されるであろう、ここで、これらの図面は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、同様の参照番号は同様の構造を示し、全体を通して同様の要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極の断面の斜視図である。
図2図2は、従来技術に係る電池の構成要素の図である。
図3図3は、電池のブロック図である。
図4図4は、本開示の高エネルギー密度リチウム金属系負極の一実施形態に係る製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の一実施形態を説明する際には、図1図4に示されるように、明確性のために特定の用語が使用される。しかしながら、本開示は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図したものではなく、特定の要素のそれぞれは、同様の機能を達成するように同様に作用する、すべての技術的等価物を含むことが理解されるべきである。しかしながら、特許請求の範囲の実施形態は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。本明細書に記載される実施例は、非限定的な例であり、他の可能な実施例の中の一例に過ぎない。電池、セル、負極、正極、およびセパレータとの用語は、その単数形および複数形で、本開示の固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極に関連するものとして使用されるとともに、液体電解質を有するリチウムイオン電池を含むがこれに限定されない他の電池、を説明するためにも使用されることに留意されたい。本明細書では電池の単一のセルについて記載されることがあるが、電池製造に係る当業者であれば、電池の設計、構築、製造、および組み立てに複数のセルを使用することができ、複数の電池を完成した製造品内に配置および/または搭載できることが理解される。繊維フレームワークは、この詳細な説明全体を通して一貫して使用されるが、繊維状の電池骨格として理解することもできる。
【0022】
ここで、限定ではなく例として図1図4を参照すると、固体電池100のための高エネルギー密度リチウム固体負極111の例示的な実施形態が示されている。本明細書では、固体リチウムイオン電池100、液体電解質電池200、および電池300を、単に電池と呼ぶことがある。本明細書では、高エネルギー密度リチウム金属系固体負極111、液体電解質負極211、および負極311を、単に負極と呼ぶことがある。構造、設計、組成、化学的性質、および組立体における変形例は、図1図4にわたる明確性および一貫性のために、正極312に関連する場合があるが、正極312へのいずれの言及も単に正極であり、他の関連する特徴は、固体電池100、液体電解質電池200、および電池300に関連する説明において参照され得る。固体セパレータ131、多孔質セパレータ231、および固体セパレータ131は、本明細書において単にセパレータと呼ぶことがある。固体電池100、液体電解質電池200、および電池300は、充電デバイス351を介して充電することができ、受電デバイス352に放電することができる。本明細書に記載されるように、固体電池100、液体電解質電池200、および電池300はそれぞれ、単一のセルを有してもよく、あるいは、負極311、正極312、およびセパレータ331からなる複層状態に接続および/または組み立てられた複数のセルを有していてもよい。リチウム、リチウム金属、元素リチウム、およびリチウムイオンは、本明細書においては代替可能に参照することができ、本開示は、その電気的流動元素としてリチウム金属を含む電池に限定されない。他の元素としては、亜鉛、ナトリウム、コバルト、ニッケル、鉛、カリウム、他の金属、それらの塩等、および/またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
1つの可能な好ましい実施形態では、固体電池100は、次の構成要素:繊維フレームワークを有する固体電解質112を含み、金属イオン析出物120とともに示される固体負極111;固体セパレータ131;および固体正極集電体132を有する正極312;を備えることができる。液体電解質リチウムイオン電池200の一実施形態では、液体電解質リチウムイオン電池200は、次の構成要素:黒鉛負極活物質212および負極集電体233を備える液体電解質負極211;多孔質セパレータ231;液体電解質正極集電体232を有する正極312;を含むことができる。電池300の一実施形態では、電池300は、以下の構成要素および接続:負極311;正極312;セパレータ331;充電デバイス351;受電デバイス352;を含むことができる。
【0024】
ここで図1をより具体的に参照すると、ここには固体電池100の一例が示されている。上部に向けて固体負極111が始まっており、固体負極111の上方および下方の両方に固体セパレータ131を有している。固体負極111は、固体電解質112からなる1以上の層から形成することができ、固体電解質112の各層は、繊維フレームワークから形成することができる。一般に、固体負極111は、電子を外部回路に放出し(図3参照)、電気化学反応中に酸化する陰極または還元電極として理解され得る。正極312は、外部回路から電子を獲得し(図3参照)、電気化学反応中に還元される陽極または酸化電極として理解され得る。この可能な好適な実施形態では、固体負極111は固体電解質112を含むことができ、この固体電解質112は、相互に接続された繊維からなるフレームワークとして理解することができる。固体負極111内においてこのフレームワーク相互接続繊維は、様々な特性を有することができ、可撓性であってもよいし、剛性であってもよい。セラミック繊維フレームワークの場合、セラミックは、構造、固体負極111および固体電池100に関する支持、ならびにリチウムあるいは他の金属が堆積し得る表面、を提供するために利用することができる。金属イオン析出物120におけるリチウム金属は、固体電池100のための電子伝導性を提供することができ、一方、固体セラミック・フレームワーク/骨格は、空間的支持、金属イオン析出物120のための表面層、およびリチウムイオン伝導性を提供することができる。固体電池100の充放電の間、金属イオン析出物120は、固体セパレータ131に向かってサイズを大きくしたり、固体負極111の中心に向かってサイズを小さくしたりすることができる。金属イオン析出物120を固体電解質112からなる繊維フレームワークに、結合させる、製造する、および/または動作可能に係合させるための1つの手段は、リチウム金属を、処理されたセラミック・フレームワークに溶融注入することによるものとすることができる。最初に、固体負極111の前駆セル組立体に注入するリチウム金属は、わずかな量しか必要でない場合がある。固体負極111の前駆セル組立体に少量だけ注入される場合、セルにその容量を与える殆どまたは全ての可逆性リチウムは、最終組立体の正極312から代わりにもたらされ得る。そのため、固体電池100の初回充電の間、およびその後のすべての充電の間、金属イオン析出物120は、固体負極111の中心またはほぼ中心で、非常に小さいことが検出または観察され得る。固体電池100の充電プロセス中に、金属イオン析出物120は、固体セパレータ131に向かって外向きにサイズが成長することを検出または観察することができ、固体電解質112に沿って固体負極111の繊維フレームワーク内のすべての空間を占めるように成長することさえあり得る。リチウムおよび/または他の金属の堆積はさらに、フェロリン酸リチウム(LFP)、リチウムコバルト酸化物(LCO)、ニッケル/マンガン/コバルト(NMC)等の高電圧インサート正極および/またはこれらの種類の正極の組合せの一時的な使用によって起こり得る。セラミック繊維フレームワークを有する固体電解質112の表面積をより高くすることで、平坦なリチウム箔と比較して、固体電池100の動作速度(リチウムの析出/溶出)をより高くすることを可能にできる。しかしながら、平坦なリチウム箔を金属イオン析出物120の初期形態として使用することもでき、固体電解質112内の固体負極111の中央に沿って溶融注入することもできる。
【0025】
エネルギー密度の観点から、固体電解質112のセラミック繊維フレームワークに対する重要な要件は、低密度セラミックの使用であり得る。提案された低密度軽量セラミックスの例は、Li1+xAlxTi2-x312であり得る。セラミックを含む固体電解質112を有する固体負極111のこの実施形態では、様々な利点およびトレードオフを含む、追加の構成要素、製造方法、およびさらなる変形形態があり得る。これらは、活物質、および機能性材料処理の種類、の選択を含むことができる。固体電解質112のセラミックバージョンの潜在的に好ましい実施形態では、内部繊維フレームワークに沿った滑らかで一貫した析出を促進するために、特定の金属を引きつける特性を有するコーティング材料が、より大きな利点を提供することができる。これらは、固体セパレータ131に沿って、全層厚が約80~90μmで、約5cm×5cmの全長および全幅にあつらえられ、内部繊維フレームワークの空隙率が70%超であり、個々の繊維直径および/または平均繊維直径が0.35μm未満、個々の繊維長および/または平均繊維長が1mm超であり、約10nmのコーティング厚さを有し、酸化物、窒化物、重合体、またはセラミックからなるコーティング材料を含む固体電解質112を有するエンジニアリング固体負極111を含むことができる。固体電解質112内の繊維のための酸化物コーティング材料としては、一例として、これに限定されないが、ニオブ、Al23+ZnO(AZO)、アルミニウム、インジウム、亜鉛、ビスマス、マグネシウム、ケイ素、金、ヨウ素、およびイオウ酸化物等、および/またはこれらの酸化物の組合せ、が挙げられる。固体電解質112内の繊維のための窒化物コーティング材料としては、一例として、これに限定されないが、ホウ素、窒化バナジウム等、およびそれらの組合せを含む。固体電解質112内の繊維のためのポリマーコーティング材料は、一例として、これに限定されないが、スクシノニトリル(succinonitrile:SCN)を含む。固体電解質112内の繊維のためのセラミックコーティング材料は、一例として、これに限定されないが、クロソボレート(closoborates:CB)、酸窒化リンリチウム(lithium phosphorus oxynitride:LiPON)等、および/またはそれらの組合せを含む。固体電解質112のセラミック繊維構造体に1つ以上のコーティングを使用することによって、リチウムまたは他の金属に容易に結合し得ないセラミックをリチウムに結合させるように誘導することができ、それによって、充電および放電中にリチウムイオンを含む固体金属が自由に移動しうる電解質として作用することができる。
【0026】
固体電池100用の固体負極111のリチウム伝導体の態様の第2の可能な好ましい実施形態では、固体電解質112におけるポリマー(高分子)・フレームワークが好ましい。固体負極111内の固体電解質112からなる先のセラミック繊維フレームワークは剛性であると評し得るところ、固体負極111内で固体電解質112からなるポリマー・フレームワークは、可撓性であるという追加の利点を提供することができる。このことは、固体電池100の個々のセルまたは層の両方のレベルにおいて、様々な利益およびトレードオフをもたらし得るが、固体電池100が搭載された受電デバイス352にも様々なトレードオフおよび利点を提供することができる。固体負極111のポリマー・フレームワーク、およびその中に析出される材料の要件は、(a)リチウム金属の融点(180℃)以上の融点を有すること、(b)リチウムイオンについて非伝導性であること、および(c)固体電解質112からなる構造へのリチウム導電性材料の含浸、とすることができ、例えば、対応するリチウム塩(例えば、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド/LiC26NO42/LiTFSI)を備える他の導電性高分子や、あるいは、内部および/またはその表面に埋め込まれたセラミック粒子を備える他の導電性高分子、であってよい。固体電解質112のポリマー・フレームワークを有する固体負極111のこの実施形態では、様々な利点およびトレードオフを含む、追加の構成要素、製造方法、およびさらなる変形例が存在し得る。これらは、固体負極111および固体電解質112の全体に亘って延在する繊維マットを含むことができ、さらに、アラミドおよびポリイミドのフレームを含むことができる。さらに、セラミック繊維フレームワークのための全てのコーティングが、ポリマー・フレームワークまたはポリマー繊維フレームワークに適用可能であるというわけではなく、また、セラミック繊維フレームワークのすべての特性および特徴がポリマー・フレームワークまたはポリマー繊維フレームワークに直接適用できるというわけではないが、いくつかは適用することができる。これらは、固体電解質112を有するエンジニアリング固体負極111を含むことができ、その固体電解質112は、層ごとの全厚みが約80~90μm、固体セパレータ131に沿う全長および全幅が約5cm×5cmにあつらえられ、内部繊維フレームワークの空隙率が70%超の割合であり、個々の繊維径および/または平均繊維径が0.35μm未満であり、個々の繊維長および/または平均繊維長が1mmを超え、被覆厚さが約10nmであり、そして、酸化物、窒化物、高分子、またはセラミックを含むコーティング材料を有している。固体電解質112内の繊維のための酸化物コーティング材料としては、限定ではなく例として、ニオブ、Al23+ZnO(AZO)、アルミニウム、インジウム、亜鉛、ビスマス、マグネシウム、ケイ素、金、ヨウ素、およびイオウ酸化物等、および/またはこれらの酸化物の組合せを含む。固体電解質112内の繊維のための窒化物コーティング材料は、限定ではなく例として、ホウ素、窒化バナジウム等、およびそれらの組合せを含む。固体電解質112内の繊維のための高分子コーティング材料は、限定ではなく例として、スクシノニトリル(SCN)を含む。固体電解質112内の繊維のためのセラミックコーティング材料は、限定ではなく例として、クロソボレート(CB)、酸窒化リンリチウム(LiPON)等、および/またはそれらの組合せを含む。固体電解質112のセラミック繊維構造に1つ以上のコーティングを使用することによって、リチウムまたは他の金属に容易に結合し得ないセラミックがリチウムに結合することを促進でき、それによって、リチウムイオンを含む固体金属が充電および放電中に自由に移動し得る電解質として作用し得る。
【0027】
固体負極111および固体電解質112のセラミック繊維フレームワークまたはポリマー繊維フレームワークのいずれかの潜在的に好ましい実施形態に含まれる、リチウムの初期析出物は、いくつかの理由で重要であり得る。これらは、金属イオン析出物120において、非常に小さく、ほとんど実体のない量で最初に形成され得るが、サイズ、重量、および体積が増大し、固体負極111および固体電解質112内のすべての空の空間を占める可能性もある。これは種々の手段によって達成することができるが、固体負極111の中心付近で、固体電解質112およびその繊維の表面上に金属を最初に析出させるための潜在的に好ましいプロセスは、リチウム箔の溶融注入によって行うことができる。
【0028】
さらに、繊維自体の製造は、セラミックであろうとポリマーであろうと、固体電解質112、固体負極111、および固体電池100の構造、形成、および全体的特性に様々な重要な改善を提供することができる。これらの技術は、電池技術産業ではほとんど知られていないかもしれないが、材料科学および不織材料産業において重要な用途を有し得る。そのような1つのプロセスは、ゾル-ゲルプロセスを含むことができ、このゾル-ゲルプロセスは、好ましくは、金属イオン析出物120の析出の前に行うことができる。この化学的手順では、「ゾル」(コロイド溶液)を形成することができ、これはその後、その形態が離散粒子から連続ポリマーネットワークに及ぶ、液相と固相の両方を含むゲル状二相系の形成に向かって徐々に進展することができる。コロイドの場合、粒子の体積分率は非常に低くなり得るため、ゲル状特性を認識するためには、かなりの量の流体が最初に除去される必要があり得る。そのような流体を除去する1つの手段は、単に沈降が起こるまで時間を置き、その後、残った流体を流し落とすことであり得る。相分離のプロセスを加速するために、遠心分離を用いることもできる。残りの液体(溶媒)相の除去には乾燥プロセスが必要であり、かなりの量の収縮と緻密化とをもたらすことができる。溶媒を除去することができる速度は、最終的にはゲル中の空隙の分布によって決定される。最終的な構成要素の最終的な微細構造は、この処理段階中に構造テンプレートに課される変化によって強く影響される可能性がある。最終的な焼結、緻密化、および粒成長を経て、さらなる重縮合を促進し、機械的特性および構造安定性を向上させるために、熱処理または焼成プロセスが必要になることが多い。従来の処理技術とは対照的に、この方法を使用することの明確な利点の1つは、高密度化がはるかに低い温度で達成されることが多いことである。前駆体ゾルは、(例えば、ディップコーティング、スピンコーティング、またはエレクトロスピニングによって)基材上に堆積させて膜を形成するか、(例えば、モノリシックセラミック、ガラス、繊維、膜、エアロゲルを得るために)所望の形状を有する適切な容器中にキャストするか、または粉末(例えば、ミクロスフェア、ナノスフェア)を合成するために、使用され得る。この技術は、エレクトロスピニング(電解紡糸)と組み合わせて、金属、すなわちリチウムイオンの堆積に非常に適した開孔(解放空孔)を有する紙状の材料を作り出すことが知られている。開示されるセラミックおよびポリマーの様々な組成物を使用して、固体電解質112のこの空間充填特性および開孔特性をさらに強化し得る追加のプロセスは、共沈、蒸発および自己集合、ならびにナノ粒子の利用を含むことができる。
【0029】
固体電解質112のセラミックまたはポリマーのいずれかの実施形態において、開孔を有する繊維状構造体、リチウム親和性コーティングを有する繊維状構造体を構成する材料を、固体負極111を構成する活物質とみなしてもよい。換言すると、固体負極111の活物質は、固体電解質112であってもよく、この固体活物質は、リチウムイオンが移動(マイグレーション)して金属イオン析出物120に集束する。固体負極111を造るために製造されるいずれの活物質であっても、これらの特性を有し、かつ固体電池100の固体電解質112として機能する機能材料に処理(加工)することができる。この処理プロセスの第1段階は、LATP、クロソボレート、および硫化物セラミックスなどの物質を含む繊維マットの合成であってもよい。固体電解質112の開孔構造を形成するためのゾル-ゲルまたは他のプロセスの段階は、アリオバレント(異価数、aliovalent)置換の実施に必要とされる焼成温度を低下させること、によって改善され得る。他の改良は、フラックス添加物(例えば、Li2O、MgO、ZnO、Li3PO4、Li3BO3、B23、LiBO2、Al23、Ta、Nb、Y、Al、Si、Mg、Ca、YSZ、NiO、Fe23等、および/またはそれらの組合せ)を使用することによって、密度を最大化すること、を含むことができる。固体電解質112の機能的材料処理を実現するために、前駆固体電解質112組立体からなる活物質は、固体負極111として使用するための堅牢で機能的な積層体、シート、またはマットを得ることが必要とされ得る。急速焼結の過程でグリーン積層体を処理するために、スラリー添加物を添加してもよい。これらのスラリー添加物としては、樹脂、油、および分散剤(例えば、PAA、グルコース、PVP、エチレングリコール、オレイン酸、超音波ホーン等、および/またはそれらの組合せ)が挙げられ得るが、これらに限定されない。当業者に知られている従来技術を用いたグリーン材料の焼結は、長時間プロセス(>10時間)であり得、また、高温(>1250℃)で行われる必要があり得る。これらの従来の要件は、運転コストが高く、同様にスケールアップの困難さ、および焼結中の蒸発によるリチウムの望ましくない損失を伴う場合がある。これらの時間および温度におけるリチウムの損失は、合成時に余分なリチウム塩を使用することによって対策する必要があり得、これはコストをさらに増加させるだけである。これに代えて、開放雰囲気中でのスケーラブルな適用を可能にし、リチウムの損失または消費を防止する方法を代用するべきである。得られた焼結グリーン積層体は、焼結後にリチウム金属を溶融注入するための空隙を有していることが必要であり、この溶融注入は室温で行うことができる。空隙は、代わりに、上述のように、犠牲(造孔用)のプラスチック/炭素ビーズを使用することによって、または繊維マットをエレクトロスピニングすることによって、構築することができる。そして得られた固体電解質112は、金属イオン析出物120に沿ったリチウムの堆積に適し得る。
【0030】
固体電解質112におけるこれらの特性を促進し、それによって最適な固体負極111を作り出すための代替的な手段は、出発材料の反応焼結、電界内での焼結、マイクロ波焼結、SPSまたはスパークプラズマ、溶媒蒸発および塩CSPを用いた低温焼結、ならびに高電流を用いたフラッシュ焼結、を含むことができるが、これらに限定されない。固体電解質112の開発に係るこれらの技術と代替的に、または、これらの技術と組み合わせて、多孔質シートは、犠牲(造孔用)ビーズを使用して、またはエレクトロスピニングによるセラミック繊維マットの開発を使用して、製造することができる。ここで造孔用ビーズとは、繊維マットに開口部を残して除去および/または分解され得る、気化温度の低い様々なプラスチックまたは炭素である。固体電解質112のポリマー繊維仕様に特に適用される他の想定される手段には、リチウム金属の融点(180℃)を有するポリマーの使用が含まれる。しかし、これらのポリマーは典型的にはリチウムイオンを伝導しないため、その構造中に、他の伝導性ポリマー(LiTFSIなどの対応するリチウム塩を備えている)またはセラミック粒子などの付加的なリチウム導電性材料を浸透させることができるような、構造的役割を果たす。例えば、限定ではなく例として、溶融リチウムを浸透させ、コーティングとして機能させるために、(450℃の融点を有する)ポリイミドを含む繊維マットを使用することができる。さらなる例としては、アラミド、ポリイミドフレームが挙げられる。固体電解質112に適した構造を提供するさらに別の例は、ポリマー繊維特性とセラミック繊維の両方の特性を有するハイブリッド複合構造であり得る。ハイブリッド複合繊維マットは、表面上にホウ素/バナジウム(または他の窒化物)をドーピングしたヒュームドシリカおよびG4/LiTFSAを含むことができる。
【0031】
固体電解質112の表面構造および組成にとってさらに重要なのは、金属イオン析出物120の堆積、運動性、および平滑な析出に対する追加の利点を、単独でまたは組合せて、提供することができるコーティング代替手段であり得る。これらは、AZOコーティング、I2,Li3N,Li3PO4,LLZO,Li9AlSiO8,Li3OCl,LiI:4CH3OHの使用、または、アルミニウム,インジウム,亜鉛,マグネシウム,ケイ素,および/または金を含むがこれらに限定されないリチウムと十分に合金化する金属の使用、と組合せたCVD/PVD/PECVDおよび/またはALD蒸着を含むことができる。溶液コーティングはまた、固体電解質112の上で使用してもよいし、または、固体電解質112の重要な要素を形成してもよく、これは、例えば、DEGDMEに溶解した、ポリサルファイド、溶存硫化ZnOドープ型アルジロダイト(dissolved sulfur ZnO doped argyrodite)Li6PS5Br、Li23、またはLi34の溶液を用いた硫黄ベースの溶液コーティング法を使用して発展させることができる。固体電解質112の表面コーティングとしてポリマーコーティングを追加で採用することができ、これは、添加物および塩類(例えば、CsPF6、CsTFSI、LiNO3、LiF、CuF2)、SHPなどのエラストマー、ならびに、ポリドーパミンおよび/またはポリシロキサンなどの接着剤を含む、SN/FECを含むことができる。固体電解質112に対するこれらの様々なコーティングは、金属イオン析出物120でのおよび固体電解質112上への堆積中のリチウムの樹枝状成長(リチウムデンドライトの成長)の低減、様々な用途のための固体電解質112組成の選択可能範囲の拡大、ならびに、固体負極111の構築のための様々な非常に有用な材料とリチウムまたは他の金属との間の反応の防止を含む、様々な利点を提供することができる。
【0032】
あるいは、金属イオン析出物120を固体電解質112内の固体負極111内に配置される負極集電体に置き換えてもよいことが、本明細書において企図される。これらは、金属、特にリチウムを堆積させることができる、箔またはコーティングを含むことができる。固体電解質112内の固体負極111に配置される負極集電体の材料の例としては、窒化バナジウム、リチウム-アルミニウム合金、ガリウム,インジウム,およびスズなどを含む液体金属、および/またはそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0033】
次に、具体的に図2を参照すると、液体電解質リチウムイオン電池200のセルの断面図の一例が示されている。一般に、液体電解質リチウムイオン電池200としての従来のリチウムイオン電池は、黒鉛負極活物質212および負極集電体233を有する液体電解質負極211と、多孔質セパレータ231と、液体電解質正極集電体232を有する正極312と、を含むことができる。液体電解質を有するリチウムイオン電池の既知の変形例は275Wh/kgの容量を達成することができ、再充電する能力を特徴とするが、上記の背景技術の項目に記載されている深刻な欠点を有する。
【0034】
構造、リチウムの平滑な析出、ならびに本明細書に記載される他の考慮事項を維持しながら十分な開放空間が達成される場合、固体電池100は、耐久性、安全性、急速充電、ならびに他の上述の利点などの追加の利点を可能にしながら、実質的により高い容量を達成することができる。例えば、液体電解質リチウムイオン電池200の275Wh/kgという容量は、様々な形態および組合せで635Wh/kg以上を達成している本開示の固体電池100と比較することができる。
【0035】
ここで具体的に図3を参照すると、負極311、正極312、セパレータ331、充電デバイス351、および受電デバイス352を有する電池300の簡単なブロック図が示されている。正極312が充電デバイス351と導電接触すると、負極311と回路が形成され、これによって電池300が充電される。あるいは、正極312が受電デバイス352と導電接触している場合、負極311と回路が形成され、充電デバイス351に電力が供給(給電)される。充電および給電の各々は、負極311と正極312との間の任意の形態の既知の電気化学プロセスによって行われる。本明細書に固体電池100の固体負極111の様々な特徴、構成要素、製造方法、および改良に加えて、電池300の部材および特徴は、固体電池100を十分に製造し、使用するために必要とされ得る。さらに、固体電池100の製造を含む、電池製造の技術分野で知られており開発されているような、電池300の構成要素に対する様々な改善は、固体負極111の本明細書に記載されるような利益をさらに増加させ得る。固体負極111を負極311に単に置き換えるだけでは十分ではない場合があり、電池設計および製造の技術分野における当業者は、本明細書の開示を十分に活用するために、固体負極111の特徴を電池300に実装して適合させることができる。
【0036】
ここで特に図4を参照すると、固体電池100の固体負極111の例示的な製造方法のフローチャートが示されている。第1の方法ステップ401から始まり、繊維状骨格が活物質である固体負極111へと形成される。任意選択で、第2のステップ(任意選択)402において、繊維状骨格の追加の層を組み立てて固体負極111を形成してもよく、第3のステップ(任意選択)403で、その繊維状骨格の層を融着してもよい。第4の方法ステップ404で、リチウム親和性コーティングを、固体負極111に施してもよい。第5の方法ステップ405で、リチウム析出物を固体負極111に注入して、金属イオン析出物120を形成することができる。固体電池100を形成するために、第6の方法ステップ406において、固体負極111、固体セパレータ131、および固体正極312を互いに接触させて配置することができ、次いで、タブ溶接を使用して、固体負極111と固体正極312とを接続することができる。図4の開示された方法のステップは、意図された効果を達成するために、当業者が望むように、順序を変更し、繰り返し、および/または再配置されてもよい。
【0037】
上記の説明に関して、サイズ、材料、形状、形態、位置、機能および操作態様、組立、負極/正極/電池容器のタイプ、接続のタイプ、および使用におけるバリエーションを含むように、最適な寸法関係が、本開示によって包含されることが意図されることが理解されるべきである。固体リチウムイオン電池(固体電池100)用の高エネルギー密度リチウム金属系負極、すなわち固体負極111、および本明細書に記載される様々な部品および構成要素は、固体負極111、固体電解質112、金属イオン析出物120、固体セパレータ131、正極312、正極集電体132など、および/またはそれらの組合せを含むが、これらに限定されない、様々な部品の様々な全体的なサイズおよび対応するサイズを含み得ることが企図される。実際、固体電池100のこれらの様々な部品および構成要素は、固体電池100の標準的な動作中に、サイズ、形状などが変化し得る。本明細書における固体電池100用の高エネルギー密度リチウム金属系固体負極111の説明では、電気自動車および他の電子デバイスのための利点に言及しているが、本発明はそのように限定されない。本開示の固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極は、他の車両、コンピュータ、企業、家庭、産業施設、民生用および携帯用電子機器、病院、工場、倉庫、政府施設、データセンター、緊急バックアップ、航空宇宙、宇宙旅行、ロボット、ドローンなど、および/またはそれらの組合せに対し、電力を供給するための用途を有し得る。本明細書に提供される化学式、金属、原子および分子組成物(「開示された式」)は、例示に過ぎない。当業者であれば、開示された式の変形が、開示された固体電池100用の高エネルギー密度リチウム金属系固体負極111にトレードオフを提供し、本開示の固体リチウムイオン電池用の高エネルギー密度リチウム金属系負極と同様の利点を達成するために置換され得ることを理解することができる。さらに、ポリマー、合金、金属、組立、タブ付け、溶接、大気組成など、およびそれらの組合せを含むが、これらに限定されない材料および製造技術の変動に起因して、電池製造に関して様々な考慮事項が考慮され得ることが企図される。それでもなお、本発明者は、単位質量あたりの電気貯蔵容量(エネルギ密度)がより大きくなり、高い動作電流を提供し、電池の耐久性および寿命を増大させ、電池が確実に動作し得る範囲を拡大させ、より安全な電池を提供し、より効率的な製造手段という結果を達成するための電池を製造および組み立てる様々な方法を考えてきたが、本開示は、具体的な構成要素、本明細書に記載される利益、および/または本明細書に記載される製造方法に限定されるものではない。
【0038】
前述の説明および図面は、例示的な実施形態を構成している。このように例示的な実施形態を説明してきたが、本明細書の開示は例示にすぎず、本開示の範囲内で様々な他の代替、応用、および修正を行うことができることに、当業者は留意すべきである。ある方法のステップをある順序で単に列挙または番号付けすることは、その方法のステップの順序に対するいかなる限定も構成しない。前述の説明および関連する図面に提示される教示の利益を有する、本開示が関連する当業者には、多くの修正形態および他の実施形態が思い浮かぶであろう。本明細書では特定の用語を使用することがあるが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。したがって、本開示は、本明細書に例示される特定の実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0039】
100…固体電池、111…固体負極、112…固体電解質、120…金属イオン析出物、131…固体セパレータ、132…正極集電体、200…液体電解質電池、211…液体電解質負極、212…黒鉛負極活物質、231…多孔質セパレータ、232…液体電解質正極集電体、233…負極集電体、300…電池、311…負極、312…正極、331…セパレータ、351…充電デバイス、352…受電デバイス
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】