(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】改善された性能を有するイソシアネートアミンベースの接着系アンカーおよびその使用
(51)【国際特許分類】
C08G 18/32 20060101AFI20230420BHJP
C08G 18/38 20060101ALI20230420BHJP
C08G 18/71 20060101ALI20230420BHJP
C08L 75/04 20060101ALI20230420BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20230420BHJP
C04B 26/16 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
C08G18/32 025
C08G18/38 093
C08G18/71 080
C08L75/04
C08K3/013
C04B26/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556475
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-09-19
(86)【国際出願番号】 EP2021056941
(87)【国際公開番号】W WO2021185965
(87)【国際公開日】2021-09-23
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/055982
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
(74)【代理人】
【識別番号】100123342
【氏名又は名称】中村 承平
(72)【発明者】
【氏名】メメット-エミン クムル
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン プレンク
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ビュルゲル
(72)【発明者】
【氏名】アレキサンダー ボアンシュレーグル
【テーマコード(参考)】
4J002
4J034
【Fターム(参考)】
4J002CK051
4J002DJ006
4J002DJ016
4J002FD016
4J002GJ02
4J002GL00
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4J034HC03
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4J034HC67
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4J034JA01
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4J034QB13
4J034QB14
4J034QD03
4J034RA08
4J034RA10
(57)【要約】
本発明は、建設要素を化学的に留め付けるためのイソシアネートアミン付加物ベースのモルタル組成物を製造するための多成分樹脂系に関する。本発明はまた、多成分樹脂系から製造されるイソシアネートアミン付加物ベースのモルタル組成物を含む。本発明はまた、鉱物性基材へ建設要素を化学的に留め付けるための方法、および鉱物性基材へ建設要素を化学的に留め付けるためのイソシアネートアミン付加物ベースのモルタル組成物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の平均NCO官能性を有する少なくとも1つの脂肪族および/または芳香族ポリイソシアネートを含むイソシアネート成分と、イソシアネート基に反応性であり、2以上の平均NH官能性を有する少なくとも1つのアミンを含むアミン成分と、を含有する、多成分樹脂系であって、前記多成分樹脂系が、ポリアスパラギン酸エステルを含まないことを条件とし、前記イソシアネート成分および/または前記アミン成分が、少なくとも1つの充填剤および少なくとも1つのレオロジー添加剤を含み、前記イソシアネート成分と前記アミン成分を混合することによって製造されるモルタル組成物の総充填レベルが、30~80%の範囲であり、
前記イソシアネート成分および/または前記アミン成分が、シランを含有する
ことを特徴とする、多成分樹脂系。
【請求項2】
前記シランが、少なくとも1つのSi結合加水分解性基を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の多成分樹脂系。
【請求項3】
前記シランが、さらなる官能基を含むことを特徴とする、請求項2に記載の多成分樹脂系。
【請求項4】
前記シランが、3-アミノプロピルトリアルコキシシラン、3-グリシジルオキシアルキルトリアルコキシシラン、ビス(3-トリアルコキシシリルプロピル)アミン、3-メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルコキシシラン、アルケニルアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項3に記載の多成分樹脂系。
【請求項5】
前記シランが、最大10重量%の量で含有されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の多成分樹脂系。
【請求項6】
前記イソシアネート成分および前記アミン成分の両方が、少なくとも1つの充填剤および少なくとも1つのレオロジー添加剤を含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の多成分樹脂系。
【請求項7】
前記イソシアネート成分の充填レベルおよび前記アミン成分の充填レベルが、それぞれ前記イソシアネート成分および前記アミン成分の総重量に基づいて、各場合に10~70重量%である、ことを特徴とする請求項6に記載の多成分樹脂系。
【請求項8】
前記ポリイソシアネートおよび前記アミンが、前記アミンの前記平均NH官能性に対する前記ポリイソシアネートの前記平均NCO官能性の比が0.3~2.0である量比で存在する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の多成分樹脂系。
【請求項9】
前記イソシアネート成分が、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および/または2,6-トルイレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレンメタン-2,4’-および/または-4,4’-ジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4’‘-トリイソシアネート、ビス-およびトリス-(イソシアナトアルキル)-ベンゼン、トルエン、ならびにキシレン、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの芳香族ポリイソシアネートを含む、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の多成分樹脂系。
【請求項10】
前記イソシアネート成分が、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルHDI(TMDI)、ペンタンジイソシアネート(PDI)2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート(MPDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H
6XDI)、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)、3(4)-イソシアナトメチル-1-メチル-シクロヘキシルイソシアナート(IMCI)、ならびに4,4’-ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン(H
12MDI)、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの脂肪族ポリイソシアネートを含む、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の多成分樹脂系。
【請求項11】
前記多成分樹脂系の総重量に基づいて、総充填レベルが35~65重量%の範囲である、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の多成分樹脂系。
【請求項12】
イソシアネート基に反応性である前記アミンが、4,4’-メチレン-ビス[N-(1-メチルプロピル)フェニルアミン]、6-メチル-2,4-ビス(メチルチオ)フェニレン-1,3-ジアミンと2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)フェニレン-1,3-ジアミンの異性体混合物、4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(N-sec-ブチルシクロヘキサンアミン)、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、および2,4,6-トリメチル-m-フェニレンジアミン、ならびにそれらの混合物からなる基から選択される、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の多成分樹脂系。
【請求項13】
前記多成分樹脂系が、二成分樹脂系である、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の多成分樹脂系。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の多成分樹脂系のイソシアネート成分とアミン成分を混合することによって製造される、モルタル組成物。
【請求項15】
掘削孔内に建設要素を化学的に留め付けるための方法であって、請求項14に記載のモルタル組成物または請求項1~13のいずれか一項に記載の多成分樹脂系が、前記化学的留め付けるために使用される、方法。
【請求項16】
鉱物基材へ建設要素を化学的に留め付けるための請求項1~13のいずれか一項に記載の多成分樹脂系または請求項14に記載のモルタル組成物の使用。
【請求項17】
清浄な掘削孔における引き抜き強度を改善するための、化学的留め付けのためのイソシアネートアミン付加物ベースの多成分樹脂系における、シランの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設要素を化学的に留め付ける(接着系アンカー)ためのイソシアネートアミン付加物ベースのモルタル組成物を製造するための多成分樹脂系に関する。本発明はまた、多成分樹脂系から製造されるイソシアネートアミン付加物ベースのモルタル組成物を含む。本発明はまた、鉱物基材において建設要素を化学的に留め付けるための方法、および鉱物基材において建設要素を化学的に留め付けるためのイソシアネートアミン付加物ベースのモルタル組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
メタクリレート樹脂などのラジカル硬化化合物またはアミン硬化剤と反応させたエポキシ樹脂に基づく結合剤系は、通常、掘削孔内にアンカーロッド、鉄筋、およびネジなどの建設要素を化学的に留め付けるためのモルタル組成物を製造するために使用される。これらの結合剤系ベースの多くの市販の製品が存在する。
【0003】
しかしながら、既知の結合剤系は、特に高温、清浄されていない掘削孔、湿っているかまたは水で満たされた掘削孔、ダイヤモンド穿孔された掘削孔、ひびの入ったコンクリートの掘削孔などの厳しい外部条件下では、十分な特性を有しない。
【0004】
そのため、既存の結合剤系の開発および改善に加えて、上述されたもの以外の結合剤系を、化学的留め付けのためのモルタル組成物のベースとしてのそれらの適合性に関して調査する努力もなされている。例えば、特許文献1は、ポリイソシアネート成分およびポリアスパラギン酸エステル成分を含む多成分組成物から製造される化学アンカーを説明している。2つの成分が混合されると、重付加反応でポリ尿素が形成され、これがモルタル組成物の結合剤を形成する。
【0005】
これらのモルタル組成物は、使用されるポリアスパラギン酸エステルが不十分な架橋をもたらし、かつ80℃の温度ですでに高度に軟化するようになり、したがって高温ではうまく機能しないという点において不利である。加えて、硬化した試験片は、ベース安定性ではない。
【0006】
これらの欠点を克服するために、本願出願時未公開の特許文献2に説明されているように、ポリアスパラギン酸エステルの代わりに2以上の平均NH官能性を有するアミンを使用する多成分樹脂系が、特許文献1から開発された。
【0007】
しかしながら、この系は、化学的留め付けにおけるいくつかの目的および用途に必要とされる高負荷をまだ提供していない。
【0008】
特許文献2から既知である系と比較して、より優れた性能を発揮する、すなわち、より高い引き抜き値および負荷値を有するイソシアネートアミン付加物ベースのモルタル組成物に対する必要性もまた存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3447078号明細書
【特許文献2】欧州特許出願第20164633.8号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、改善された引き抜き強度、すなわち、より高い引き抜き値を提供し、したがって高負荷での留め付けに好適である、イソシアネートアミン付加物ベースのモルタル組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、請求項1に記載の多成分樹脂系によって達成される。本発明による多成分樹脂系の好ましい態様は、従属請求項に提供されており、これらは、任意選択的に互いと組み合わされ得る。
【0012】
本発明はまた、建設要素の化学的留め付けが意図されており、かつ本発明による多成分樹脂系から製造される、請求項14に記載のモルタル組成物に関する。
【0013】
本発明はまた、鉱物性基材(被留め付け材)へ建設要素を化学的に留め付けるための請求項15に記載の方法、および鉱物性基材へ建設要素を化学的に留め付けるための請求項16に記載の本発明による多成分樹脂系またはそれから製造されるモルタル組成物の使用に関する。
【0014】
本発明はまた、清浄された掘削孔における引き抜き強度を改善するための、請求項17に記載の化学的留め付けのためのイソシアネートアミン付加物ベースの多成分樹脂系における、シランの使用に関する。
【0015】
本発明は、第一に、2以上の平均NCO官能性を有する少なくとも1つの脂肪族および/または芳香族ポリイソシアネートを含むイソシアネート成分と、イソシアネート基に反応性であり、2以上の平均NH官能性を有する少なくとも1つのアミンを含むアミン成分と、を含有する、多成分樹脂系であって、多成分樹脂系が、ポリアスパラギン酸エステルを含まないことを条件とし、イソシアネート成分および/またはアミン成分が、少なくとも1つの充填剤および少なくとも1つのレオロジー添加剤を含み、イソシアネート成分とアミン成分を混合することによって製造されるモルタル組成物の総充填レベルが、30~80%の範囲であり、イソシアネート成分およびアミン成分が、シランを含有することを特徴とする、多成分樹脂系に関する。
【0016】
化学的留め付けのためのモルタル組成物に使用されるイソシアネートアミンベースの結合剤系におけるポリアスパラギン酸エステルの存在は、硬化したモルタル組成物の耐熱性に悪影響を与えることがわかっている。特に、対応する系は、80℃などの高温での結合応力が大幅に減少する。
【0017】
さらに、驚くべきことに、化学的留め付けのためのモルタル組成物に使用されるイソシアネートアミンベースの結合剤系におけるSi結合加水分解性基を有するシランの存在は、よく清浄された掘削孔における結合応力によい影響を与えることがわかっている。これは、Si結合加水分解性基に加えて、シランが、結合剤のイソシアネート基とアミノ基との間の付加反応に関与することができるさらなる官能基を有するかどうかに関係なく当てはまる。
【0018】
多成分樹脂系、特に多成分樹脂系のアミン成分が、ポリアスパラギン酸エステルを含まないことも不可欠である。本出願の文脈における「ポリアスパラギン酸エステルを含まない」という表現は、多成分樹脂系におけるポリアスパラギン酸エステルの割合が、多成分樹脂系の総重量に基づいて、各場合に好ましくは2重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、さらにより好ましくは0.1重量%未満であることを意味する。前述の重量パーセント範囲内のポリアスパラギン酸エステルの存在は、潜在的な不純物に起因し得る。しかしながら、多成分樹脂系におけるポリアスパラギン酸エステルの割合は、多成分樹脂系の総重量に基づいて、特に好ましくは0.0重量%である。
【0019】
本発明をよりよく理解するために、本明細書で使用される用語の以下の説明が有用であると考えられる。本発明に於いては、
-「多成分樹脂系」は、互いとは別個に貯蔵された複数の成分、一般的には樹脂成分および硬化剤成分を含み、その結果、すべての成分が混合された後にのみ硬化が起こる、反応樹脂系である。
-「イソシアネート」は、官能性イソシアネート基-N=C=Oを有し、構造単位R-N=C=Oを特徴とする化合物である。
-「ポリイソシアネート」は、少なくとも2つの官能性イソシアネート基-N=C=Oを有する化合物であり、ポリイソシアネートの定義によっても網羅されるジイソシアネートは、例えば、構造O=C=N-R-N=C=Oを特徴とし、したがって、2のNCO官能性を有する。
-「平均NCO官能性」は、化合物中のイソシアネート基の数を表す。イソシアネートの混合物の場合、「平均NCO官能性」は、混合物中のイソシアネート基の平均数を表し、式:平均NCO官能性(混合物)=Σ平均NCO官能性(イソシアネートi)/niに従って、すなわち、個々の成分の平均NCO官能性の合計を個々の成分の数で割ることによって計算される。
-「イソシアネート成分」または成分Aは、少なくとも1つのポリイソシアネート、ならびに任意選択的に少なくとも1つの充填剤および/または少なくとも1つのレオロジー添加剤および/またはさらなる添加剤を含む、多成分樹脂系の成分を説明する。
-「アミン」は、官能性NH基を有し、1個または2個の水素原子を炭化水素基で置き換えることによってアンモニアから誘導され、一般構造RNH
2(一級アミン)およびR
2NH(二級アミン)を有する、化合物である(A.D.McNaught and A.Wilkinson,Blackwell Scientific Publications,Oxford(1997)によって編集されたIUPAC Compendium of Chemical Terminology,2nd ed.(the“Gold Book”)を参照されたい)。ポリアスパラギン酸エステルの化合物クラスは、本発明の文脈においてアミンという用語から明示的に除外される。これらは、ポリアスパラギン酸エステルという用語の下で別個に定義される。
-「NH官能性」は、アミノ基中のイソシアネート基と反応することができる活性水素原子の数を表す。
-「平均NH官能性」は、アミン中のイソシアネート基と反応することができる活性水素原子の数を表し、化合物に含有されるアミノ基、すなわちアミンの数およびNH官能性から得られる。アミンの混合物の場合、「平均NH官能性」は、混合物中の活性水素原子の平均数を表し、式:平均NH官能性(混合物)=Σ平均NH官能性(アミンi)/n
iに従って、すなわち、個々の成分の平均NH官能性の合計を個々の成分の数で割ることによって計算される。
-「ポリアスパラギン酸エステル」という用語は、以下の一般式の化合物を指し、
【化1】
式中、
R
1およびR
2は、同じあり得るかまたは異なり得、イソシアネート基に対して不活性である有機基を表し、
Xは、イソシアネート基に対して不活性であるn価の有機基を表し、
nは、少なくとも2、好ましくは2~6、より好ましくは2~4、特に好ましくは2の整数を表す。
-「アミン成分」または成分Bは、少なくとも1つのアミン、ならびに任意選択的に少なくとも1つの充填剤および/または少なくとも1つのレオロジー添加剤および/またはさらなる添加剤を含む、多成分樹脂系の成分を説明する。
-「イソシアネートアミン付加物」は、イソシアネートのアミンとの重付加反応によって形成されるポリマーである。本発明によるイソシアネートアミン付加物は、好ましくは、-[-NH-R-NH--NH-R’-NH-]という形態の少なくとも1つの構造要素を含む、ポリ尿素である。
-「脂肪族化合物」は、芳香族化合物を除く、非環式または環式の飽和または不飽和炭素化合物である。
-「脂環式化合物」は、ベンゼン誘導体または他の芳香族系を除く、炭素環構造を有する化合物である。
-「芳香脂肪族化合物」は、官能化された芳香脂肪族化合物の場合、存在する官能基が化合物の芳香族部分ではなく脂肪族に結合しているような芳香族骨格を有する脂肪族化合物である。
-「芳香族化合物」は、ヒュッケル則(4n+2)に従う化合物である。
-「二成分反応樹脂系」は、2つの別個に貯蔵された成分、この場合はイソシアネート成分およびアミン成分を含み、その結果、2つの成分が混合された後にのみ硬化が起こる、反応樹脂系を意味する。
-「モルタル組成物」という用語は、イソシアネート成分とアミン成分を混合することによって得られ、かつ化学的留め付けに直接使用することができるような組成物を指す。
-「充填剤」という用語は、有機または無機、特に無機の化合物を指す。
-「レオロジー添加剤」という用語は、貯蔵、塗布、および/または硬化中に、イソシアネート成分、アミン成分、および多成分樹脂系の粘度挙動に影響を与えることができる添加剤を指す。レオロジー添加剤は、とりわけ、ポリイソシアネート成分および/またはアミン成分における充填剤の沈降を防止する。これはまた、成分の混和性を改善し、かつ可能性のある相分離を防止する。
-「耐熱性」という用語は、参照結合応力と比較した、高温での硬化したモルタル組成物の結合応力の変化を指す。本発明の文脈において、耐熱性は、特に、参照応力に対する80℃での結合応力の比として規定される。
-あるクラスの化学化合物に先行する、例えば、「充填剤」という単語に先行する冠詞としての「a」または「an」は、このクラスの化学化合物に含まれる1つ以上の化合物、例えば、様々な「充填剤」が意図され得ることを意味する。
-「少なくとも1つ」は、数値的に「1つ以上」を意味する。好ましい態様では、この用語は、数値的に「1つ」を意味する。
-「含有する」および「含む」は、言及された構成成分に加えて、より多くの構成成分が存在し得ることを意味し、これらの用語は、包括的であることが意図され、したがって、「からなる」も含み、「からなる」は、排他的であることが意図され、さらなる構成成分が存在しない場合があることを意味し、好ましい態様では、「含有する」および「含む」という用語は、「からなる」という用語を意味する。
【0020】
このテキストに引用されるすべての標準(例えば、DIN標準)は、本出願の提出日の時点で最新のバージョンで使用された。
【0021】
イソシアネート化合物
本発明による多成分樹脂系は、少なくとも1つのイソシアネート成分および少なくとも1つのアミン成分を含む。使用前に、イソシアネート成分およびアミン成分は、反応を阻害する様式で、互いとは別個に提供される。
【0022】
イソシアネート成分は、少なくとも1つのポリイソシアネートを含む。当業者に既知であり、個別にもしくは互いとの任意の混合物で2以上の平均NCO官能性を有するすべての脂肪族および/または芳香族イソシアネートを、ポリイソシアネートとして使用することができる。平均NCO官能性は、NCO基がポリイソシアネートにいくつ存在するのかを示す。ポリイソシアネートは、2つ以上のNCO基が化合物に含有されていることを意味する。
【0023】
好適な芳香族ポリイソシアネートは、ジイソシアナトベンゼン、トルエンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジイソシアナトナファタレン、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族結合イソシアネート基を有するものだけでなく、ビス-およびトリス-(イソシアナトアルキル)ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどのメチレン基などのアルキレン基を介して芳香族基に結合するイソシアネート基を有するものである。
【0024】
芳香族ポリイソシアネートの好ましい例は、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルイレンジイソシアネート、2,5-トルイレンジイソシアネート、2,6-トルイレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、テトラメチル-1,3-キシリレンジイソシアネート、テトラメチル-1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、エチルフェニルジイソシアネート、2-ドデシル-1,3-フェニレンジイソシアネート、2,4,6-トリイソプロピル-m-フェニレンジイソシアネート、2,4,6-トリメチル-1,3-フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、ジフェニレンメタン-2,4’-ジイソシアネート、ジフェニレンメタン-2,2’-ジイソシアネート、ジフェニレンメタン-4,4’-ジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4’‘-トリイソシアネート、5-(p-イソシアナトベンジル)-2-メチル-m-フェニレンジイソシアネート、4,4-ジイソシアナト-3,3,5,5-テトラエチルジフェニルメタン、5,5’-ウレイレンジ-o-トリルジイソシアネート、4-[(5-イソシアナト-2-メチルフェニル)メチル]-m-フェニレンジイソシアネート、4-[(3-イソシアナト-4-メチルフェニル)メチル]-m-フェニレンジイソシアネート、2,2’-メチレン-ビス[6-(o-イソシアナトベンジル)フェニル]ジイソシアネートである。
【0025】
3~30個の炭素原子、好ましくは4~20個の炭素原子の炭素骨格を(NCO基を含有せずに)有する脂肪族イソシアネートが、好ましくは使用される。脂肪族ポリイソシアネートの例は、ビス(イソシアナトアルキル)エーテルまたはアルカンジイソシアネート、例えば、メタンジイソシアネート、プロパンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、ヘプタンジイソシアネート(例えば、2,2-ジメチルペンタン-1,5-ジイソシアネート、オクタンジイソシアネート、ノナンジイソシアネート(例えば、通常2,4,4-および2,2,4-異性体の混合物としてのトリメチルHDI(TMDI))、2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート(MPDI)、ノナントリイソシアネート(例えば、4-イソシアナトメチル-1,8-オクタンジイソシアネート、5-メチルノナンジイソシアネート)、デカンジイソシアネート、デカントリイソシアネート、ウンデカンジイソシアネート、ウンデカントリイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、ドデカントリイソシアネート、1,3-および1,4-ビス-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、ビス-(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン(H12MDI)、ビス-(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)または3(4)-イソシアナトメチル-1-メチル-シクロヘキシルイソシアネート(IMCI)、オクタジドロ-4,7-メタノ-1H-インデンジメチルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、5-イソシアナト-1-(イソシアナトメチル)-1,3,3-トリメチルシクロヘキサン、ウレイレン-ビス(p-フェニレンメチレン-p-フェニレン)ジイソシアネートである。
【0026】
特に好ましいイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルHDI(TMDI)、ペンタンジイソシアネート(PDI)、2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート(MPDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3-および1,4-ビス-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ビス-(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)、3(4)-イソシアナトメチル-1-メチル-シクロヘキシルイソシアナート(IMCI)、ならびに/もしくは4,4’-ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン(H12MDI)、またはこれらのイソシアネートの混合物である。
【0027】
さらにより好ましくは、ポリイソシアネートは、プレポリマー、ビウレット、イソシアヌレート、イミノオキサジアジンジオン、ウレトジオンおよび/またはアロファネートとして存在し、これは、二官能性イソシアネートをオリゴマー化することによって、またはイソシアネート化合物をポリオールもしくはポリアミンと個別にまたは混合物として反応させることによって生成することができ、かつ2以上の平均NCO官能性を有する。
【0028】
好適な市販のイソシアネートの例は、Desmodur(登録商標)N 3900、Desmodur(登録商標)N 100、Desmodur(登録商標)Ultra N 3200、Desmodur(登録商標)Ultra N 3300、Desmodur(登録商標)Ultra N 3600、Desmodur(登録商標)N 3800、Desmodur(登録商標)XP 2675、Desmodur(登録商標)2714、Desmodur(登録商標)2731、Desmodur(登録商標)N 3400、Desmodur(登録商標)XP 2679、Desmodur(登録商標)XP 2731、Desmodur(登録商標)XP 2489、Desmodur(登録商標)E 3370、Desmodur(登録商標)XP 2599、Desmodur(登録商標)XP 2617、Desmodur(登録商標)XP 2406、Desmodur(登録商標)XP 2551、Desmodur (登録商標)XP 2838、Desmodur(登録商標)XP 2840、Desmodur(登録商標)VL、Desmodur(登録商標)VL 50、Desmodur(登録商標)VL 51、Desmodur(登録商標)ultra N 3300、Desmodur(登録商標)eco N 7300、Desmodur(登録商標)E23、Desmodur(登録商標)E XP 2727、Desmodur(登録商標)E 30600、Desmodur(登録商標)E 2863 XPDesmodur(登録商標)H、Desmodur(登録商標)VKS 20 F、Desmodur(登録商標)44V20I、Desmodur(登録商標)44P01、Desmodur(登録商標)44V70 L、Desmodur(登録商標)N3400、Desmodur(登録商標)N3500(すべてCovestro AGから入手可能)、Tolonate(商標)HDB、Tolonate(商標)HDB-LV、Tolonate(商標)HDT、Tolonate(商標)HDT-LV、Tolonate(商標)HDT-LV2(Vencorexから入手可能)、Basonat(登録商標)HB 100、Basonat(登録商標)HI 100、Basonat(登録商標)HI 2000 NG(BASFから入手可能)、Takenate(登録商標)500、Takenate(登録商標)600、Takenate(登録商標)D-132N(NS)、Stabio(登録商標)D-376N(すべてMitsuiから入手可能)、Duranate(登録商標)24A-100、Duranate(登録商標)TPA-100、Duranate(登録商標)TPH-100(すべてAsahi Kasaiから入手可能)、Coronate(登録商標)HXR、Coronate(登録商標)HXLV、Coronate(登録商標)HX、Coronate(登録商標)HK(すべてTosohから入手可能)である。
【0029】
1つ以上のポリイソシアネートは、イソシアネート成分の総重量に基づいて、好ましくは20~100重量%の割合で、より好ましくは30~90重量%の割合で、さらにより好ましくは35~65重量%の割合でイソシアネート成分に含有される。
【0030】
アミン化合物
反応を阻害する様式で多成分樹脂系のイソシアネート成分とは別個に提供されるアミン成分は、イソシアネート基に反応性であり、アミノ基、好ましくは少なくとも2つのアミノ基を官能基として含む、少なくとも1つのアミンを含む。本発明によれば、アミンは、2以上の平均NH官能性を有する。平均NH官能性は、アミンの窒素原子に結合している水素原子の数を示す。したがって、例えば、一級モノアミンは、2の平均NH官能性を有し、一級ジアミンは、4の平均NH官能性を有し、3つの二級アミノ基を有するアミンは、3の平均NH官能性を有し、1つの一級アミノ基および1つの二級アミノ基を有するジアミンは、3の平均NH官能性を有する。平均NH官能性はまた、アミン供給者によって提供される情報に基づく場合があり、実際に示されるNH官能性は、本明細書で理解されているような理論上の平均NH官能性とは異なる可能性がある。「平均」という表現は、それが化合物のNH官能性であり、化合物に含有されるアミノ基のNH官能性ではないことを意味する。アミノ基は、一級または二級アミノ基であり得る。アミンは、一級もしくは二級アミノ基のいずれかのみ、または一級および二級アミノ基の両方を含有することができる。
【0031】
好ましい態様によれば、イソシアネート基に反応性であるアミンは、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、および芳香族アミンからなる群から、特に好ましくは、脂環式および芳香族アミンからなる群から選択される。
【0032】
イソシアネート基に反応性であるアミンは、原則的に当業者に既知である。イソシアネート基に反応性である好適なアミンの例を、本発明の範囲を制限することなく以下に示す。これらは、個別にまたは互いとの任意の混合物でのいずれかで使用することができる。例は、1,2-ジアミノエタン(エチレンジアミン)、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ジアミノブタン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(ネオペンタンジアミン)、ジエチルアミノプロピルアミン(DEAPA)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、1,3-ジアミノペンタン、2,2,4-または2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサンおよびそれらの混合物(TMD)、1,3-ビス(アミノメチル)-シクロヘキサン、1,2-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン(HMD)、1,2-および1,4-ジアミノシクロヘキサン(1,2-DACHおよび1,4-DACH)、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ジエチレントリアミン(DETA)、4-アザヘプタン-1,7-ジアミン、1,11-ジアミノ-3,6,9-トリオキスンデカン(trioxundecane)、1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、1,5-ジアミノ-メチル-3-アザペンタン、1,10-ジアミノ-4,7-ジオキサデカン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、1,13-ジアミノ-4,7,10-トリオキサトリデカン、4-アミノメチル-1,8-ジアミノオクタン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ジアミノペンタン、N,N-ビス(3-アミノプロピル)メチルアミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、1,3-ベンゼンジメタンアミン(m-キシリレンジアミン、mXDA)、1,4-ベンゼンジメタンアミン(p-キシリレンジアミン、pXDA)、5-(アミノメチル)ビシクロ[[2.2.1]ヘプト-2-イル]メチルアミン(NBDA、ノルボルナンジアミン)、ジメチルジプロピレントリアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン(DMAPAPA)、2,4-ジアミノ-3,5-ジメチルチオ-トルエン(ジメチルチオ-トルエンジアミンDMTDA)、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン(IPDA))、ジアミノジシクロヘキシルメタン(PACM)、ジエチルメチルベンゼンジアミン(DETDA)、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(33ダプソン)、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(44ダプソン)、混合多環式アミン(MPCA)(例えばAncamine 2168)、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン(Laromin C260)、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、(3(4),8(9)ビス(アミノメチルジシクロ[5.2.1.02,6]デカン(異性体の混合物、三環式一級アミン、TCDジアミン)、メチルシクロヘキシルジアミン(MCDA)、N,N’-ジアミノプロピル-2-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジアミン、N,N’-ジアミノプロピル-4-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジアミン、N-(3-アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、ならびに2-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)プロパン-1,3-ジアミンである。
【0033】
特に好ましいアミンは、ジエチルメチルベンゼンジアミン(DETDA)、2,4-ジアミノ-3,5-ジメチルチオトルエン(ジメチルチオ-トルエンジアミン、DMTDA)、4,4’-メチレン-ビス[N-(1-メチルプロピル)フェニルアミン]、6-メチル-2,4-ビス(メチルチオ)フェニレン-1,3-ジアミンと2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)フェニレン-1,3-ジアミンの異性体混合物(Ethacure 300)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(N-sec-ブチルシクロヘキサンアミン)(Clearlink 1000)、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(33ダプソン)、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(44ダプソン)、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミンおよび2,4,6-トリメチル-m-フェニレンジアミン、4,4’-メチレンビス(N-(1-メチルプロピル)-3,3’-ジメチルシクロヘキサンアミン(Clearlink(登録商標)3000)、2-プロペンニトリルの3-アミノ-1,5,5-トリメチルシクロヘキサンメタンアミン(Jefflink(登録商標)745)との反応混合物、ならびに3-((3-(((2-シアノエチル)アミノ)メチル)-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル)アミノ)プロピオノニトリル(Jefflink(登録商標)136またはBaxxodur PC136)である。
【0034】
最も特に好ましいアミンは、4,4’-メチレン-ビス[N-(1-メチルプロピル)フェニルアミン]、6-メチル-2,4-ビス(メチルチオ)フェニレン-1,3-ジアミンと2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)フェニレン-1,3-ジアミン(Ethacure(登録商標)300)の異性体混合物、4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(N-sec-ブチルシクロヘキサンアミン)(Clearlink(登録商標)1000)、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(33ダプソン)、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、および2,4,6-トリメチル-m-フェニレンジアミンである。
【0035】
1つ以上のアミンは、アミン成分の総重量に基づいて、好ましくは20~100重量%の割合で、より好ましくは30~70重量%の割合で、さらにより好ましくは35~70重量%の割合でアミン成分に含有される。
【0036】
ポリイソシアネートとアミンの量比は、好ましくは、アミンの平均NH官能性に対するポリイソシアネートの平均NCO官能性の比が、0.3~2.0、好ましくは0.5~1.8、より好ましくは0.5~1.5、さらにより好ましくは0.7~1.5、最も好ましくは0.7~1.3であるように選択される。
【0037】
異なるイソシアネートおよび/または異なるアミンの混合物を使用して、硬化速度を調整することができる。この場合、それらの量比は、アミン混合物の平均NH官能性に対するイソシアネート混合物の平均NCO官能性の比が、0.3~2.0、好ましくは0.5~1.8、より好ましくは0.5~1.5、さらにより好ましくは0.7~1.5、最も好ましくは0.7~1.3であるように選択される。
【0038】
充填剤および添加剤
本発明によれば、イソシアネート成分および/またはアミン成分は、接着促進剤として少なくとも1つのシランを含有する。
【0039】
シランを使用することによって、掘削孔壁のモルタル組成物との架橋が改善され、それによって、硬化状態での接着が増加する。
【0040】
好適な接着促進剤は、少なくとも1つのSi結合加水分解性基を有するシランの群から選択される。シランは、イソシアネート基またはアミノ基などのSi結合加水分解性基に加えて、さらなる官能基を含む必要はない。それにもかかわらず、シランは、Si結合加水分解性基に加えて、1つ以上の同一または異なるさらなる官能基、例えば、アミノ、メルカプト、エポキシ、イソシアナト、アルケニル、(メタ)アクリロイル、アンヒドリド、またはビニル基を含み得る。Si結合加水分解性基は、好ましくは、C1~C7アルコキシ基であり、非常に特に好ましくは、メトキシまたはエトキシ基である。
【0041】
好適なシランは、3-アミノプロピルトリメトキシシランおよび3-アミノプロピルトリエトキシシランなどの3-アミノプロピルトリエトキシシラン;3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランおよび3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランなどの3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン;グリシジルオキシメチルトリメトキシシラン;3-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン;ビス-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミンおよびビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)アミンなどのビス-(3-トリアルコキシシリルプロピル)アミン;3-メルカプトプロピルトリメトキシシランおよび3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどの3-メルカプトプロピルトリアルコキシシラン;3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどの3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルコキシシラン;3-(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、および3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン;ビニルアルコキシシラン、例えばビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランなどのアルケニルアルコキシシラン;テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、およびテトラプロポキシシランなどのテトラアルコキシシラン;2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチル-ジエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピル-トリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ならびにそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0042】
特に好適なシランは、3-アミノプロピルトリアルコキシシラン、3-グリシジルオキシアルキルトリアルコキシシラン、ビス-(3-トリアルコキシシリルプロピル)アミン、3-メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルコキシシラン、アルケニルアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0043】
最も特に好適なシランは、3-グリシドキシプロピルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、およびビニルトリメトキシシランである。
【0044】
シランは、多成分樹脂系の総重量に基づいて、最大10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは1.0~2.5重量%の量で多成分樹脂系に含有され得る。シランは、完全に1つの成分、すなわち、イソシアネート成分もしくはアミン成分に含有され得るか、または2つの成分の間で分割され得る、すなわち、イソシアネート成分とアミン成分との間で分割され得る。
【0045】
イソシアネート成分および/またはアミン成分は、少なくとも1つの充填剤および少なくとも1つのレオロジー添加剤を含有し、2つの成分のうちの少なくとも1つが充填剤およびレオロジー添加剤の両方を含有することが、本発明にとって不可欠である。イソシアネート成分およびアミン成分の両方が、各々、少なくとも1つの充填剤および少なくとも1つのレオロジー添加剤を含有することが好ましい。
【0046】
多成分樹脂系のイソシアネート成分とアミン成分を混合することによって製造されるモルタル組成物のモレキュラーシーブを含む総充填レベルは、本発明によれば、モルタル組成物の総重量に基づいて、30~80重量%の範囲、好ましくは35~65重量%の範囲、より好ましくは35~60重量%の範囲である。モルタル組成物の総充填レベルは、イソシアネート成分およびアミン成分の総重量に基づく充填剤およびレオロジー添加剤の重量パーセントに関連している。好ましい態様では、イソシアネート成分の充填レベルは、イソシアネート成分の総重量に基づいて、最大80重量%、好ましくは10~70重量%、より好ましくは35~65重量%である。アミン成分の充填レベルは、アミン成分の総重量に基づいて、各場合に好ましくは最大80重量%、より好ましくは10~70重量%、さらにより好ましくは35~65重量%である。
【0047】
無機充填剤、特に、ポルトランドセメントまたはアルミン酸セメントなどのセメント、ならびに他の水硬性無機物質、石英、ガラス、コランダム、磁器、陶器、重晶石、ライトスパー(light spar)、石膏、タルク、および/またはチョーク、ならびにそれらの混合物が、好ましくは充填剤として使用される。無機充填剤は、砂、粉末、または成形体の形態、好ましくは繊維またはボールの形態で添加することができる。タイプおよび粒子径分布/(繊維)長さに関する充填剤の好適な選択を使用して、レオロジー挙動、押出力、内部強度、引張強度、引き抜き力、および衝撃強度など、用途に関連する特性を制御することができる。特に好適な充填剤は、Millisil(商標登録)W3、Millisil(商標登録)W6、Millisil(商標登録)W8、およびMillisil(商標登録)W12、好ましくはMillisil(商標登録)W12などの、表面処理されていない石英粉末、微細石英粉末、および超微細石英粉末である。シラン化石英粉末、微細石英粉末、および超微細石英粉末も使用することができる。これらは、例えば、Quarzwerke製のSilbond(登録商標)製品シリーズで市販されている。製品シリーズSilbond(登録商標)EST(エポキシシラン修飾)およびSilbond(登録商標)AST(アミノシラン処理)が特に好ましい。さらに、Denka(Japan)製のASFPタイプ(d50=0.3μm)、またはタイプ指定45(d50<0.44μm)、07(d50>8.4μm)、05(d50<5.5μm)、および03(d50<4.1μm)を有するDAWもしくはDAMなどのグレードの酸化アルミニウム超微細充填剤などの酸化アルミニウムベースの充填剤が可能である。さらに、Hoffman Mineral製のAktisil AMタイプ(アミノシラン処理、d50=2.2μm)およびAktisil EM(エポキシシラン処理、d50=2.2μm)の表面処理された微細および超微細充填剤を使用することができる。充填剤は、個別にまたは互いとの任意の混合物で使用することができる。
【0048】
流動特性は、本発明によれば、イソシアネート成分および/またはアミン成分に使用されるレオロジー添加剤を添加することによって調整される。好適なレオロジー添加剤は、ラポナイト、ベントン、もしくはモンモリロナイトなどのフィロシリケート、ノイブルク珪質土、ヒュームドシリカ、多糖類;ポリアクリレート、ポリウレタン、またはポリ尿素増粘剤、およびセルロースエステルである。最適化のために、湿潤剤および分散剤、表面添加剤、消泡剤および脱気剤、ワックス添加剤、接着促進剤、粘度低下剤、または加工添加剤もまた、添加することができる。
【0049】
イソシアネート成分中の1つ以上のレオロジー添加剤の割合は、イソシアネート成分の総重量に基づいて、好ましくは0.1~3重量%、より好ましくは0.1~1.5重量%である。アミン成分中の1つ以上のレオロジー添加剤の割合は、アミン成分の総重量に基づいて、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.5~3重量%である。
【0050】
一態様では、多成分樹脂系は、多成分樹脂系の性能を向上させるために、モレキュラーシーブ、特にゼオライトを充填剤として含有する。
【0051】
一般に、組成物Mn+
x/n[(AlO2)-
x(SiO2)y]・zH2O(式中、nが、Mの電荷であり、通常、1または2であり、Mが、アルカリまたはアルカリ土類金属のカチオンであり、特に、Na+、K+、Ca2+、およびMg2+である)を特徴とする合成または天然ゼオライトを、ゼオライトとして使用することができる。
【0052】
以下をゼオライトとして使用することができる:
ゼオライトA(Na12[(AlO2)12(SiO0)12]27H2O、K12[(AlO2)12(SiO2)12]27H2O)、
ゼオライトX(Na86[(AlO2)86(SiO2)106]264H2O)、
ゼオライトY(Na56[(AlO2)56(SiO2)136]250H2O)、
ゼオライトL(K9[(AlO2)9(SiO2)27]22H2O)、
モルデナイト(Na8.7[(AlO2)8.7(SiO2)39.3]24H2O)、
ゼオライトZSM5(Na0.3H3.8[(AlO2)4.1(SiO2)91.9])および
ゼオライトZSM11(Na0.1H1.7[(AlO2)1.8(SiO2)94.2])。
これらのうち、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、ならびにゼオライトZSM5およびゼオライトZSM11が好ましい。
【0053】
モレキュラーシーブ、特にゼオライトは、粉末、粒状物、またはペースト(例えば、ひまし油中に分散した48~50%の粉末)として使用することができる。
【0054】
合成ゼオライトは、好ましくは、最大250μm、特に5μm~24μmの粒子径を有する粒子を含む合成ゼオライトである。合成ゼオライトは、特に好ましくは、約5A~約10A、特に約3A~約4Aの細孔径を有する。
【0055】
ゼオライト粒子の比表面積(BET)は、好ましくは、800m2/g~1000m2/gである。
【0056】
ゼオライトの残留水含量は、2.5%w/w未満、好ましくは1.5%w/w未満であり、吸水容量は、22~24%w/w未満である。
【0057】
2つ以上の異なるタイプのゼオライトの混合物を使用することが可能である。
【0058】
モレキュラーシーブ、特にゼオライトは、多成分樹脂系の総重量に基づいて、好ましくは0.1~60重量%の量で、特に好ましくは1~35重量%の量で、非常に特に好ましくは2~5重量%の量で使用される。量は、一般に、上述の充填剤の量に考慮され、モレキュラーシーブの量は、充填剤の量に考慮される。
【0059】
モレキュラーシーブは、多成分樹脂系の2つの成分のうちの1つ、または両方の成分に含有され得る。
【0060】
本発明はまた、多成分樹脂系のイソシアネート成分とアミン成分を混合することによって製造されるモルタル組成物に関する。
【0061】
多成分樹脂系は、好ましくは、イソシアネート成分およびアミン成分が反応を阻害する様式で別個に配置される、2つ以上の別個のチャンバを備えることを特徴とする、カートリッジまたはフィルムパウチ内に存在する。
【0062】
多成分樹脂系の意図される使用のために、イソシアネート成分およびアミン成分は、別個のチャンバから排出され、好適なデバイス、例えば、スタティックミキサまたは溶解器で混合される。次いで、イソシアネート成分とアミン成分の混合物(モルタル組成物)は、既知の注入デバイスの手段によって、事前に清浄された掘削孔内に導入される。次いで、留め付けられる部材をモルタル組成物内に挿入し、位置合わせする。反応性構成成分であるイソシアネート成分は、重付加によってアミン成分のアミノ基と反応し、それによって、モルタル組成物は所望の期間内、好ましくは数分または数時間以内に、環境条件下で硬化する。
【0063】
本発明によるモルタル組成物または本発明による多成分樹脂系は、好ましくは建設目的に使用される。「建設目的」という表現は、コンクリート/コンクリート、鋼/コンクリート、もしくは鋼/鋼、または当該材料のうちの1つと他の鉱物材料とを構造的に接着させること、コンクリート、レンガ、および他の鉱物材料で作製された構成要素を構造的に強化すること、繊維強化ポリマーを用いて建築物を強化する用途、コンクリート、鋼、または他の鉱物材料で作製された表面を化学的に留め付けること、特に、(強化)コンクリート、レンガ、他の鉱物材料、金属(例えば鋼)、セラミック、プラスチック、ガラス、および木材などの様々な基材の掘削孔内に建設要素およびアンカー留め付け手段、例えばアンカーロッド、アンカーボルト、(ネジ山付き)ロッド、(ネジ山付き)スリーブ、鉄筋、ネジなどを化学的に留め付けることを指す。最も特に好ましくは、本発明によるモルタル組成物および本発明による多成分樹脂系は、アンカー留め付け手段を化学的に留め付けるために使用される。
【0064】
本発明はまた、掘削孔内に建設要素を化学的に留め付けるための方法、建設要素を化学的に留め付けるために上記のように使用されている本発明によるモルタル組成物または本発明による多成分樹脂系に関する。本発明による方法は、コンクリート/コンクリート、鋼/コンクリート、もしくは鋼/鋼、または当該材料のうちの1つと他の鉱物材料とを構造的に接着させること、コンクリート、レンガ、および他の鉱物材料で作製された構成要素を構造的に強化すること、繊維強化ポリマーを用いて建築物を強化する用途、コンクリート、鋼、または他の鉱物材料で作製された表面を化学的に留め付けること、特に、(強化)コンクリート、レンガ、他の鉱物材料、金属(例えば鋼)、セラミック、プラスチック、ガラス、および木材などの様々な基材の掘削孔内に建設要素およびアンカー留め付け手段、例えばアンカーロッド、アンカーボルト、(ネジ山付き)ロッド、(ネジ山付き)スリーブ、鉄筋、ネジなどを化学的に留め付けることに、特に好適である。最も特に好ましくは、本発明による方法は、アンカー留め付け手段を化学的に留め付けるために使用される。
【0065】
本発明はまた、鉱物性基材に建設要素を化学的に留め付けるための本発明によるモルタル組成物または多成分樹脂系の使用に関する。
【0066】
本発明はまた、本発明の掘削孔による多成分樹脂系から製造される化学(接着系)アンカーの引き抜き強度を改善するための、本発明によるモルタル組成物または本発明による多成分樹脂系の使用に関する。これには、特に、よく清浄された掘削孔における引き抜き強度の増加が含まれ、よく清浄されたとは、掘削孔が圧縮空気を繰り返し吹き付けられ、次いで掘削孔壁に付着している掘削粉じんおよび繰粉を取るためにブラシで払われ、次いで圧縮空気を再び繰り返し吹き付けられることを意味する。
【0067】
本発明は、実施例に基づいて以下により詳細に説明されるが、この実施例は、限定的な意味で理解されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0068】
以下の化合物を使用して、比較組成物および本発明による組成物を調製した。
【表1】
【0069】
イソシアネート成分およびアミン成分の比較組成物および本発明による組成物を、以下の表1に示す。
【表2】
【0070】
モルタル組成物を製造するために、イソシアネート成分およびアミン成分を、各々最初に個別に製造した。この目的のために、表1に示す構成成分を合わせ、真空(80mbar)下で溶解器(PC Laborsystem GmbH、8分、3500rpm)で均質化して、気泡のないペースト状組成物を形成した。次いで、イソシアネート成分とアミン成分を互いに組み合わせ、スピードミキサで1500rpmで30秒間混合した。このようにして得たモルタル組成物を、各々単一成分のハードカートリッジに充填し、押出デバイスを使用して掘削孔内に注入した。
【0071】
硬化した留め付け組成物の結合応力(荷重値)を決定するために、アンカーネジ山付きロッドHilti HAS-M12を、直径14mmおよび掘削孔深さ72mmのC20/25乾燥コンクリートのハンマー掘削された掘削孔内に挿入した。ここで、掘削孔を最初に圧縮空気(6bar)で2回、次いで清浄ブラシで2回、次いで再び圧縮空気(6bar)で2回、清浄した。次いで、このようにして清浄された掘削孔に、比較組成物および本発明による組成物を半分まで充填し、アンカーネジ山付きロッドを、埋め込み深さ60mmまで挿入した。結合応力は、アンカーネジ山付きロッドを中央に引き抜くことによって決定した。各場合において、5本のアンカーネジ山付きロッドを挿入し、約21℃で24時間硬化させた後、結合応力を測定した。留め付け組成物を、スタティックミキサ(HIRT-RE-Mミキサ、Hilti Aktiengesellschaft)を介してカートリッジから吐出させ、掘削孔内に注入した。
【0072】
乾燥掘削孔(プレミアム清浄)についての上記のモルタル配合を使用して得られた結合応力を、以下の表2に列挙する。
【表3】
【0073】
結果は、本発明による組成物が、よく清浄された乾燥掘削孔において、有意に高い性能を有することを示す。
【国際調査報告】