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特表2023-518087食品を調理するためのシステムおよび装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】食品を調理するためのシステムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20230420BHJP
   A47J 44/00 20060101ALI20230420BHJP
   A47J 43/04 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
A47J27/00 109L
A47J27/00 103Z
A47J44/00
A47J43/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556647
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 IN2021050285
(87)【国際公開番号】W WO2021186476
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】202021011984
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ANDROID
3.WINDOWS
(71)【出願人】
【識別番号】522369902
【氏名又は名称】ヴィヴェーク・ケディア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴェーク・ケディア
【テーマコード(参考)】
4B053
4B055
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA19
4B053BJ02
4B053BJ20
4B053BL01
4B053BL11
4B053BL20
4B055AA02
4B055AA12
4B055BA31
4B055BA34
4B055CA64
4B055CB27
4B055CB30
4B055CC61
4B055CD59
4B055CD73
4B055GB09
4B055GB43
4B055GC32
4B055GC34
(57)【要約】
材料を保管するための区画と、その区画の温度を維持するためのコントローラ(218)とを備えた、食品を自動的に調理するための装置およびシステムが開示されている。本発明は、ユーザに、材料をその必要な温度で保管することにより、新鮮に調理された食品を有することができるようにさせる。ユーザは、食品を調理する前に材料を所定時間にわたり保管するための入力をコントローラ(218)に提供する。材料は、その新鮮さおよび栄養的な価値を保つことができ、またユーザは、新鮮な食品を食べることができる。本発明は、Eレシピをダウンロードおよびアップロードするための記憶ユニット(214、216)と、コントローラ(218)およびユーザデバイス(301)に接続して、コントローラ(218)に命令を与えるための通信ユニット(208)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を調理するための装置(100)であって、
前記食品を調理するために必要な材料を受容するための1つまたは複数の区画と、
ユーザから受領した入力に基づいて、前記1つまたは複数の区画のうちの少なくとも1つの温度を制御するように構成されたコントローラ(218)と、
を備え、
前記コントローラは、前記ユーザから、前記食品を調理するための命令を受け取るまで、前記1つまたは複数の区画のうちの少なくとも1つの温度を維持し続けることを特徴とする、装置(100)。
【請求項2】
前記コントローラ(218)は、低温保管モードおよび食品調理モードの少なくとも一方で、前記1つまたは複数の区画を動作させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記食品は、前記1つまたは複数の区画から前記材料を受容するように構成された容器(104)において調理され、
前記容器は、前記食品を調理するために、加熱要素(106)と接触して保持され、前記容器(104)は、前記材料を混合する、またはかき回すために取り付けられた撹拌器を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1つまたは複数の区画は、蓋(108)によって覆われている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記容器(104)の温度を感知するための温度センサ(210)に結合されている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記コントローラ(218)は、ユーザからの音声入力を受領するためのマイクロホン(202)に結合され、
前記コントローラ(218)は、オーディオ出力のためのスピーカ(204)に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
食品を調理するためのシステムであって、
食品を調理するために必要な材料を受容するための1つまたは複数の区画と、
ユーザから受領した入力に基づいて、前記1つまたは複数の区画の少なくとも1つの温度を制御するように構成されたコントローラ(218)であって、前記ユーザから、食品を調理するための命令を受け取るまで、前記1つまたは複数の区画の少なくとも1つの温度を維持し続ける、コントローラ(218)と、
前記食品を調理するための1つまたは複数のEレシピを記憶するための記憶ユニットと、
を備えていることを特徴とする、システム。
【請求項8】
前記コントローラ(218)は、前記ユーザからの前記入力を受領するために、ユーザデバイス(301)と通信可能に結合されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記記憶ユニットは、ローカルストレージ(214)およびクラウドストレージ(216)の少なくとも一方である、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記Eレシピは、クラウドストレージ(216)を介して他のユーザと共用されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記Eレシピは、カスタマイズ可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
カスタマイズされた前記Eレシピは、オーディオファイル、テキストファイル、ビデオファイルの少なくともいずれか1つである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラ(218)は、有線または無線通信手段を介して、前記ユーザデバイス(301)と結合されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラ(218)は、1つまたは複数のEレシピをアップロードまたはダウンロードするように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の区画を低温保管モードで動作するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の区画を、低温保管モードおよび食品調理モードの少なくとも一方で動作させるように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項17】
前記食品は、前記1つまたは複数の区画から前記材料を受容するように構成された容器(104)において調理され、
前記容器(104)は、前記食品を調理するために、加熱要素(106)と接触して保持され、前記容器(104)は、前記材料を混合する、またはかき回すために取り付けられた撹拌器を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つまたは複数の区画は、蓋(108)によって覆われている、請求項7に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラ(218)は、前記容器の温度を感知するための温度センサ(210)と結合されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記コントローラ(218)は、ユーザからの音声入力を受領するためのマイクロホン(202)に結合され、
前記コントローラ(218)は、オーディオ出力のためのスピーカ(204)に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を調理するためのシステムおよび装置に関し、またより詳細には、必要な温度で材料を保管できる、食品を調理するためのシステムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品を調理することは、食料を実際に料理することを含むだけではなく、何を料理するのかを決定し、またそれをどのように料理するのかを理解することも含む。それはまた、計画し、料理法を学び、材料を購入し、次いで、それを調理する必要がある。新鮮な食品を用意するためには、人が食べたいと思う時に料理しなくてはならない。それより早く食料が料理された場合、古くなり、その栄養的な価値が失われる。すでに料理された食料を再加熱する場合であっても、健康的な食料を有害なものに変える可能性がある。食料を再加熱することは、食料の中の栄養素を破壊するだけではなく、食中毒および食料媒介性の病気を生ずる可能性がある。代替として、材料を前もって用意しておき、それを取っておき、次いで、後に新鮮な食品を調理することである。しかし、このような材料はまた、適正に保管されない場合、それらの栄養素および新鮮さが失われる傾向がある。健康的な食事を提供するためには、食料は、任意の所与の時間に、新鮮に用意されることが重要であり、それは、次いで、使用される材料も新鮮であることが重要になる。
【0003】
材料が準備されている場合であっても、食事を調理する、または料理することにはなお、時間がかかり、いくつかのシナリオでは、長い1日の後に帰宅し、新鮮な食料を食したいと望む人は、それを料理した後にしか食べることができず、それには、長い時間がかかる可能性があり、その人は、空腹に耐えるように強いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ユーザの便宜に応じて食品を自動的に調理することができ、またその新鮮さおよび栄養価が損なわれないままの温度で未加工の材料を保管できるデバイスが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の要約は、開示される実施形態に特有な革新的特徴のいくつかを容易に理解できるように提供され、完全な説明を行うようには意図されていない。本明細書に開示される諸実施形態の様々な態様の完全な理解は、明細書全体、特許請求の範囲、図面、および要約を全体として考慮することにより得ることができる。
【0006】
本発明は、一般的に自動的な食料調理に関する。本開示の実施形態は、食料を調理する装置およびシステムに関し、それは、食品を調理するために必要な材料を保管するための1つまたは複数の区画と、ユーザ入力に基づいて、材料保管区画の温度を維持するコントローラとを備える。
【0007】
本発明は、これだけに限らないが、温度制御された保管を用いて、新鮮な食品を自動的に調理する方法を提供することを含むいくつかの方法において有利である。自動的な食事調理器である装置は、容器と、混合してかき回すための撹拌器と、料理法が必要とし得る各材料に対する異なる区画とを含み、区画は、デバイスに保管される必要のある時間量に基づいて異なる温度に設定することができる。様々な温度で材料を保管することは、長寿命の利益を提供し、またそれらの栄養的な価値を失うことなく、材料の新鮮さを保つ。装置は、異なる特有の料理から様々な食品を調理する。ユーザは、インターネットから自分の望む任意の料理法をダウンロードする、もしくは自分自身でカスタマイズした料理法をアップロードする、または他のユーザと料理法を共用することができる。こうすることは、レストランでは複数の人々に向けて料理するので、莫大なコスト節約の利益を提供すると同時に、料理をする多くの人々を雇用する必要性を低減する。ユーザは、食品を調理するのに要する正確な時間が分かるようになる。それはまた、自家製の食料を望むが、時間がない、または自分で料理する技術がない人々にとっても有用である。それは、ユーザが、食品の調理を開始するのに任意の時間を設定できる時間遅延設定のさらなる特徴を備えており、いつでも新鮮な食料をユーザに提供する。さらに、装置は、手動で料理された食品とは異なり、いつも完全な味を保証する。材料およびスパイスの量から温度および時間の設定まで、装置は、食品を調理する間、すべてを管理する。
【0008】
したがって、開示される実施形態の1つの目的は、様々な材料を保管するために一定の温度を設定し、かつ維持するように構成された装置およびシステムを提供することである。本発明の実施形態は、長時間保管された場合であっても、材料の栄養的な価値を保持し、それらが古くならないようにする解決策を提供する。
【0009】
本発明の第1の態様では、食品を調理するための装置が開示される。装置は、材料を受け入れ、かつ保管するための1つまたは複数の区画と、特定の時間期間の間、特定の温度で材料を保管するためのユーザからの入力を受け取る、またはユーザにより命令されるまで、温度を維持するコントローラとを備える。
【0010】
本発明の第1の態様に対する実施形態によれば、コントローラは、1つまたは複数の区画を低温保管モードで、または食品調理モードで動作させるように構成される。
【0011】
本発明の第1の態様に対する実施形態によれば、食品は、区画から材料を受け取る容器において調理され、また容器は、加熱要素と接触して保持される。容器は、材料を混合する、またはかき回すための撹拌器に取り付けられる。
【0012】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、1つまたは複数の区画は、蓋で覆われる。
【0013】
本発明の第1の態様に対する実施形態によれば、コントローラは、容器の温度を感知するための温度センサに結合される。
【0014】
本発明の第1の態様に対する実施形態によれば、コントローラは、ユーザからの音声入力を受領するためのマイクロホンと結合され、またオーディオ出力用のスピーカと結合される。
【0015】
本発明の第2の態様では、食品を調理するためのシステムが開示される。システムは、材料のための1つまたは複数の区画と、特定の時間期間の間、特定の温度で材料を保管するためのユーザからの入力を受け取る、またはユーザにより命令されるまでその温度を維持するコントローラと、1つまたは複数のEレシピを記憶するための記憶ユニットとを備える。
【0016】
本発明の第2の態様に対する実施形態によれば、コントローラは、ユーザから入力を受け取るために、ユーザデバイスと通信可能に結合される。
【0017】
本発明の第2の態様に対する実施形態によれば、記憶ユニットは、ローカルストレージまたはクラウドストレージである。
【0018】
本発明の第2の態様に対する実施形態によれば、Eレシピは、クラウドストレージを介して他のユーザと共用される。
【0019】
本発明の第2の態様に対する実施形態によれば、Eレシピは、カスタマイズすることができる。
【0020】
本発明の第2の態様に対する実施形態によれば、カスタマイズされたEレシピは、オーディオファイル、テキストファイル、またはビデオファイルのうちの少なくとも1つである。
【0021】
本発明の第2の態様に対する実施形態によれば、コントローラは、有線または無線通信を介して、ユーザデバイスと結合される。
【0022】
本発明の第2の態様に対する実施形態によれば、コントローラは、Eレシピをダウンロードまたはアップロードするように構成される。
【0023】
本発明の第2の態様に対する実施形態によれば、コントローラは、1つまたは複数の区画を低温保管モードで動作させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の例示的な実施形態を開示する、装置100の上面斜視図である。
図2】本発明の例示的な実施形態を開示する、装置100の側面斜視図である。
図3】本発明の例示的な実施形態を開示する、装置100の正面斜視図である。
図4】本発明の例示的な実施形態を開示する、装置における材料区画110~117の上面図である。
図5】本発明の例示的な実施形態を開示する、蓋108を備えた装置100の上面斜視図である。
図6】本発明の例示的な実施形態を開示する、蓋108を備えた装置100の正面斜視図である。
図7】本発明の例示的な実施形態を開示する、蓋108を備えた装置100の側面斜視図である。
図8】本発明の例示的な実施形態を開示する、装置100におけるスパイス区画120~127の斜視図である。
図9】本発明の例示的な実施形態を開示する、装置100のシステム200の図である。
図10】本発明の例示的な実施形態を開示する、システム200におけるクラウドストレージ216を介する料理法の共用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
要約、ならびに例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読めば、よく理解される。本開示を説明するために、本開示の例示的な構成が図面で示される。しかし、本開示は、本明細書で開示される特定の方法および手段に限定されない。さらに、当業者であれば、本図面は縮尺を合わせていないことが理解されよう。可能な場合は常に、同様の要素は同一の数字で示される。
【0026】
以下の記述で論じられる特定の構成は、変更することのできる非限定的な例であり、それは、少なくとも1つの実施形態を単に例示するために引用されており、その範囲を限定するようには意図されていない。
【0027】
本発明は、例えば、後で食品を調理するために、必要な温度で材料を保管する自動的な食事調理器である食品を調理するためのシステムおよび装置を開示する。本開示は、材料が保管される温度を制御するための温度センサおよび温度調節器を含むことができる。本開示は、容器と、食品を調理するための加熱要素とを含むことができる。本開示はまた、インターネットから料理法をダウンロードすることにより、または自分自身でカスタマイズした料理法をアップロードすることにより、ユーザにより選択され得る食品に対する必要材料を入れるための様々な区画を含むこともできる。本開示はまた、ビデオの指示を聞くためのスピーカを備えた、料理法を選択するまたは料理法のビデオを見るためのディスプレイを含むこともできる。本発明は、パンこね機、パンメーカー、ポップコーンメーカー、炊飯器、スローフライヤー(slow fryer)などの機能を組み合わせる。
【0028】
本開示の様々な非限定の利益には、材料を必要な温度に保管することにより新鮮な食品を調理すること、混合してかき回すことから必要な温度に設定して様々な時間に様々な材料を加えることまでの食品を料理するのにかかる正確な時間をユーザに知らせること、インターネットからの何らかの料理法をダウンロードする、またはカスタマイズされた料理法をアップロードして他人とそれを共用すること、異なる特有の料理法から様々な食品を調理すること、複数の人々に対して料理すること、および料理を開始する任意の時間を設定することが含まれる。
【0029】
図1は、自動的な食事調理器とすることのできる装置100を示す。装置100は、容器104、および加熱要素106を含むことができる。装置100は、鋼鉄、アルミニウムなどの材料から作ることができる。装置100は、料理している間に換気するためのファンを有することができる。装置100は、非常時のために安全センサおよび停止ボタンを有することができる。容器104は、料理用ポットまたは料理用なべとすることができる。容器104は、料理法による必要に応じて開閉するための蓋を有することができる。容器104は、料理中に出口を有する蒸気のための蒸し器(steamer)を有することができる。容器104は、ユーザがそれを持ち上げて、元に戻すための1つまたは複数のハンドルを有することができる。容器104は、食品を調理するために必要な熱を提供する加熱要素106と接触を保つことができる。加熱要素106は、ガスまたは電気的に動力を得ることができ、容器104に対して直接熱を、または誘導加熱を提供することができ、それは、料理法に応じて熱を増減するように制御され得る。容器104は、料理法による必要に応じて、様々な間隔で、材料を切り刻む、かき回す、かつ混合するための撹拌器を含むことができる。
【0030】
図2および図3は、本発明の例示的な実施形態を開示し、かつ容器104および加熱要素106を備える装置100の2つの異なる斜視図を示す。
【0031】
装置100は、材料およびスパイスのための区画を備えたトレー102を含むことができる。図4は、材料を保管するための区画110~117を備えたトレー102を示し、図8は、スパイスを保管するための区画120~127を示す。トレーは、料理法に従って、必要に応じて、または必要な場合に、各材料を容器104の中に分与する移動ベースを有することができる。装置100は、材料およびスパイスを識別するための事前定義のコードを備えたセンサを有することができる。材料は、2つの異なるモードで保管することができる、すなわち、新鮮さを保つための低温保管モードと、装置100が食品の調理を開始したときに対する食品調理モードとである。材料は、測定カップを用いて測定され、容器104の中に分与され得る。トレー102のベースは、料理法において、材料の必要性に応じて、また必要になった時、回転し、それを容器104の中に分与することができる。トレー102は、料理法で必要な場合に材料を回転するための第1のモータ118と、料理法により必要な場合にスパイスを回転させるために第2のモータ128とを含むことができる。モータ118、128は、トレー102を移動させることができ、トレー102は、必要な材料またはスパイスを分与することができる。
【0032】
ユーザは、食品を調理する間に使用され得る任意の数の未加工の材料およびスパイスを入れることができ、また装置100は、料理法に従うことにより、食品それ自体を調理する。材料は、野菜、米、麺類などを含むことができ、またスパイスは、粉末、液体、ソース、調味料などを含むことができる。例えば、ユーザが麺類を作ろうと思った場合、ユーザは、容器104を水で、材料区画110~117を麺類および野菜で、またスパイス区画120~127を塩および麺類粉末で満たすことができる。水が正しい温度に沸騰したとき、装置100のトレー102は、区画の1つから麺類を容器の中へと分与することができる。異なる時間に、トレー102は、区画から野菜を分与することができ、また最後に、スパイス区画から塩および麺類粉末を分与することができる。容器104内の撹拌器は、料理法により必要に応じて、すべての材料を共にかき回して混合することができ、人が何も介在することなく、麺類が用意されることになる。
【0033】
図5は、トレー102がまた、区画を覆うための蓋108を有することのできる装置100を示す。蓋108はトレー102を覆い、材料がトレー102から材料が落ちないようにすることができる。蓋108は、いずれかの区画が空である、またはさらに多量の材料もしくはスパイスが必要になり得る場合、トレー102を再充填できるように取外し可能である。蓋108はまた、材料およびスパイスを清浄に保ち、ほこりを防ぎ、かつその保管寿命を増加することができる。
【0034】
図6および図7は、本発明の例示的な実施形態を開示し、かつ容器104、加熱要素106、および区画トレー102の上に蓋108を備える装置100の異なる斜視図を示す。
【0035】
装置100はまた、容器104に接続された油または水のための保管区画も含むことができる。保管区画は、料理法により必要な場合、水または油を容器104の中に分与することができる。
【0036】
本発明の別の実施形態は、図9で示されるように、装置100のシステム200を示す。システム200は、マイクロホン202、スピーカ204、ディスプレイユニット206、通信ユニット208、温度センサ210、温度調節器212、ローカルストレージ214、およびクラウドストレージ216を含むことができる。コントローラ218は、システム200およびユーザデバイス301に接続することができる。
【0037】
コントローラ218は、装置100が料理を開始するための時間遅延を設定する機能を有することができる。例えば、ユーザは、すべての材料およびスパイスを装置100に入れることができ、食品が午後6時の夕方までに調理されるべきであることを朝に時間設定することができる。ユーザはまた、遠隔の場所からインターネットに接続される、例えば、モバイル、タブレットなどのユーザデバイス301を介して、装置100で任意の料理法を選択することができ、かつコントローラ218に調理を開始するコマンドを与えることができる。
【0038】
装置100は、食品を調理する動作のために、インターネットサービスを必要としないこともあり得る。
【0039】
一実施形態では、装置100は、ユーザにより与えられる短距離コマンドに対してBluetoothを介してユーザデバイス301に接続することができる。
【0040】
別の実施形態では、装置100は、例えば、NFC(近距離無線通信)、BLE(Bluetooth低エネルギー)など、様々な技術を使用することができる。例えば、Android、iOS、およびWindowsなどの大部分のオペレーションシステムは、これらの技術の少なくとも1つをサポートする。ユーザは、これらの技術のいずれか1つを用いて、料理法を選択することができ、それをコントローラ218に送ることができる。
【0041】
ユーザがアクセスする料理法のリストは、特有の料理、調理するのにかかる時間、菜食主義者、非菜食主義者、スイーツ、軽食、朝食などに基づいて分割され得る。そのリストは、ユーザがその必要性に応じて料理法を決定するのを助けることができる。その料理法は、無料または有料であり得る。有料の料理法は、購入する、または使用料を払って借用することができる。
【0042】
システムは、料理法に従って装置100にコマンドを与えることができる。例えば、コントローラ218は、現在の温度を検出することができ、材料が保管され得るように、また食品が調理され得るように、焦がすことなく温度を増加させ、損なうことなく温度を減少させるために、容器104に対しては加熱要素106に、また区画に対しては温度調節器212にコマンドを与えることができる。撹拌器は、容器104にある材料を刻む、かき回す、または混合するとき、システム200により命令され得る。システム200は、材料またはスパイスをいつ分与すべきか、またはどのくらいの量を分与することができるかをモータ118、128にコマンドを与えることができる。自分自身の料理法をアップロードするユーザは、例えば、材料を分与する時間、材料の量、調理温度など、自分自身の命令を設定することができる。ユーザはまた人々の数に従って、食品の量を選択することもできる。
【0043】
通信ユニット208は、コントローラ218およびユーザデバイス301に接続することができる。通信ユニット208は、ユーザデバイス301が、例えば、特定の温度で材料を保管すること、食品の調理を開始するための遠隔命令、食品を調理するための時間を設定することなど、いずれかの命令をシステム200に与える場合に使用することができる。
【0044】
システム200は、インターネットに接続することができ、また作るための任意の料理法をダウンロードすることができる。ダウンロードされた料理法は、ローカル214に、またはクラウド216を介して記憶することができる。加えて、ユーザはまた、図10で示されるように、クラウド216を介して、自分自身のカスタマイズされた料理法をアップロードすることができる、またはユーザデバイスからの料理法を他のユーザ301、302、303と共用することができる。ダウンロードまたはアップロードされた料理法は、将来使用するために、セーブされ得る。料理法は、ディスプレイユニット206上に示され得る。表示画面は、正方形または長方形をしており、白黒またはカラー画面のいずれかとすることができる。ディスプレイユニット206は、テキスト、画像、ビデオなどを示すことができる。例えば、料理法の段階的なガイド、または料理法のビデオを、ディスプレイ206上で見ることができる。ディスプレイ206は、どの料理法を作るかをユーザに選択できるようにし、またシステム200は、食品の調理を開始するコマンドを与えることができる。現在の温度および時間遅延設定(もしあれば)もまた、ディスプレイユニット206上で見ることができる。ディスプレイユニット206はまた、例えば、残り時間がいくらかなど、食品の調理に関する通知を提供することができる。
【0045】
マイクロホン202を、ユーザによる音声命令をコントローラ218に提供するために使用することができる。ユーザは、マイクロホン202を通して、材料もしくはスパイスを追加すること、熱を増減すること、料理法を選択することなどのコマンドを与えることができる。
【0046】
異なる材料または食品は、調理するのに異なる温度が必要になり得るので、システム200における温度センサ210は、食品を調理するとき、容器104における熱を増減することにより温度を制御することができる。温度センサ210はまた、その新鮮さを保つために、また古くならないようにするために、区画トレー102にあるいくつかの材料を必要な温度で保管することを提供することができる。コントローラ218は、温度センサ210から現在の温度を受け取り、かつユーザにより受領した入力に基づいて、一定の温度を維持するために、温度調節器212にコマンドを与えることができる。
【0047】
スピーカ204は、ディスプレイユニット206上で料理法のビデオを見ている時に、ユーザにより使用することができ、例えば、料理法の各ステップは、スピーカ出力を介して説明される。スピーカ204はまた、例えば、食品の調理が開始したとき、残り時間がいくらか、食品の用意ができたときになど、ディスプレイユニット206上に通知警告がある場合には、常に使用され得る。通知警告は、音または音声とすることができる。
【符号の説明】
【0048】
100 装置
102 トレー
104 容器
106 加熱要素
108 蓋
110 材料区画
111 材料区画
112 材料区画
113 材料区画
114 材料区画
115 材料区画
116 材料区画
117 材料区画
118 第1のモータ
120 スパイス区画
121 スパイス区画
122 スパイス区画
123 スパイス区画
124 スパイス区画
125 スパイス区画
126 スパイス区画
127 スパイス区画
128 第2のモータ
200 システム
202 マイクロホン
204 スピーカ
206 ディスプレイユニット
208 通信ユニット
210 温度センサ
212 温度調節器
214 ローカルストレージ
216 クラウドストレージ
218 コントローラ
301 ユーザデバイス
302 ユーザデバイス
303 ユーザデバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】