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特表2023-518089患者固有の骨用ジグを用いた患者の骨のレジストレーションおよび/またはトラッキング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】患者固有の骨用ジグを用いた患者の骨のレジストレーションおよび/またはトラッキング
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20230420BHJP
【FI】
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556656
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 US2021022524
(87)【国際公開番号】W WO2021188512
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/990,827
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】509059941
【氏名又は名称】アイカーン・スクール・オブ・メディシン・アット・マウント・サイナイ
【氏名又は名称原語表記】ICAHN SCHOOL OF MEDICINE AT MOUNT SINAI
【住所又は居所原語表記】One Gustave L.Levy Place,New York,NY 10029 U.S.A.
(71)【出願人】
【識別番号】522369979
【氏名又は名称】モノグラム・オーサピディクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Monogram Orthopaedics Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ユニス,ダグラス ビー
(72)【発明者】
【氏名】セクソン,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】パティル,フリシェーケシュ
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨を表す三次元データを取得する工程と、1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨の外面部分に一致する内面部分を有する患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨にレジストレーションされた患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す画像データを取得する工程と、取得した画像データ、取得した患者固有の骨用ジグを表す三次元データ、及び取得した患者の骨を表す三次元データに基づいて、1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程と、を含む方法。別の実施形態では、患者の骨の一部に所定の空間指標がレジストレーションされた患者固有の骨用ジグを点サンプリングで採用してもよい。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の外面部分に一致する内面部分を含む患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨にレジストレーションされた前記患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す画像データを取得する工程と、
前記取得された画像データ、前記取得された患者の骨を表す三次元データ、及び、前記取得された患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程と、
を含む、コンピュータで実行される方法。
【請求項2】
前記生成された患者の骨の位置及び向きを表すデータに基づいて、前記患者の骨の少なくとも一部を切除するためのツールを有するロボットシステムを制御する工程をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項3】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記ツールが切除に適切なツールであることを確認する工程をさらに含む、請求項2に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記ツールが前記ロボットシステムに適切に接続されていることを確認する工程をさらに含む、請求項2に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項5】
前記患者固有の骨用ジグは、第1の色を含み、
前記画像データを取得する工程は、
RGBカメラを使用する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の前記第1の色以外の色をフィルタリングする工程と、
を含み、
前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程は、前記フィルタリングされた画像に基づく、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項6】
前記患者固有の骨用ジグは単一色からなり、
前記画像データを取得する工程は、
RGBカメラを使用する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の単一色以外の色をフィルタリングする工程と、
を含み、
前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程は、前記フィルタリングされた画像に基づく、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項7】
前記患者固有の骨用ジグは、黒、緑、またはオレンジの色からなる単一色の外表面を含み、
前記画像データを取得する工程は、
RGBカメラを使用する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の前記黒、緑、またはオレンジ以外の色をフィルタリングする工程と、
を含み、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記フィルタリングされた画像に基づく、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項8】
前記患者固有の骨用ジグは、外向きに伸びるフィデューシャルを含み、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データにおいて撮像された前記外向きに伸びるフィデューシャルに基づく、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項9】
前記患者固有の骨用ジグは、球状IRアレイからなる外向きに伸びるフィデューシャルを有し、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データにおける外向きに伸びる球状IRアレイを撮像したものに基づく、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項10】
前記患者固有の骨用ジグは、複数の指標からなり、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データ中の画像化された指標に基づく、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項11】
前記複数の指標は、複数のチャンネルからなり、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データにおける複数のチャンネルを撮像したものに基づく、請求項10に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項12】
前記複数のチャンネルは、前記患者固有の骨用ジグの厚みを介して延びる、請求項11に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項13】
前記複数の指標は、コーナーを有し、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データにおいて撮像されたコーナーに基づく、請求項10に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項14】
前記複数の指標は、複数の凸面状の凹凸を含み、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データにおける撮像された凸面状の凹凸に基づく、請求項10に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項15】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記生成されたデータに基づき、前記患者の骨の位置と向きを経時的にトラッキングする工程をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項16】
前記患者固有の骨用ジグは、前記患者の骨の前記外面部分を覆って延び、概ね一定の断面厚さを有する、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項17】
前記概ね一定の断面厚さは、1mmから10mmの範囲である、請求項16に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項18】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者固有の骨用ジグを製作する工程をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項19】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記取得された患者の骨を表す三次元データに基づいて、前記患者固有の骨用ジグを表す三次元データを生成する工程をさらに含む、請求項18に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項20】
前記1つ又は複数のプロセッサによって前記患者の骨を表す三次元データを取得する工程は、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の医療用走査装置からスキャンを取得する工程を含む、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項21】
前記スキャンは、CATスキャンおよび/またはMRIスキャンを含む、請求項20に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項22】
前記1つ又は複数のプロセッサによって前記画像データを取得する工程は、前記1つ又は複数のプロセッサによって、イメージャまたはスキャン装置から画像またはスキャンを取得する工程を含む、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項23】
前記イメージャまたは前記スキャン装置は、手持ち式イメージャ、カメラ、またはIRセンサを備える、請求項22に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項24】
1つ又は複数のプロセッサによって、第1の対象を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の外面部分と一致する内面部分を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象にレジストレーションされた前記第2の対象の少なくとも一部を表す画像データを取得する工程と、
前記取得された画像データ、前記取得された第1の対象を表す三次元データ、及び前記取得された第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第2の対象の位置及び/又は向きを表すデータを生成する工程と、
を含む、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項25】
前記第1の対象はロボットエンドエフェクタを備え、
前記第2の対象はツールを備える、請求項24に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項26】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記ツールが手順に適したツールであることを確認する工程をさらに含む、請求項24に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項27】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記ツールが前記ロボットエンドエフェクタに適切に接続されていることを確認する工程をさらに含む、請求項24に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項28】
前記生成された第1の対象の位置および向きを表すデータに基づいて、前記ツールを有するロボットシステムを制御する工程をさらに含む、請求項24に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項29】
前記第2の対象は第1の色を含み、
前記画像データの取得する工程は、
RGBカメラを使用する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の前記第1の色以外の色をフィルタリングする工程と、
を含み、
前記第1の対象の位置及び/又は向きを表すデータを生成する工程は、前記フィルタリングされた画像に基づく、請求項24に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項30】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記生成されたデータに基づいて、前記第1の対象の位置及び/又は向きを経時的にトラッキングする工程をさらに含む、請求項24に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項31】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第2の対象を製造する工程をさらに含む、請求項24に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項32】
前記第1の対象は患者の骨であり、
前記第2の対象は患者固有の骨用ジグである、請求項24に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項33】
処理回路によって読み取り可能な非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備え、
1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の外面部分に一致する内面部分を含む患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨にレジストレーションされた前記患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す画像データを取得する工程と、
前記取得された画像データ、前記取得された患者の骨を表す三次元データ、及び前記取得された患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程と、
を含む方法を実行するための前記処理回路による実行命令を記憶している、コンピュータプログラム製品。
【請求項34】
処理回路によって読み取り可能な非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備え、
1つ又は複数のプロセッサによって、第1の対象を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の外面部分に一致する内面部分を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象にレジストレーションされた前記第2の対象の少なくとも一部を表す画像データを取得する工程と、
前記取得された画像データ、前記取得された第1の対象を表す三次元データ、及び前記取得された第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記第2の対象の位置及び/又は向きを表すデータを、前記1つ又は複数のプロセッサによって生成する工程と、
を含む方法を実行するための前記処理回路による実行命令を記憶している、コンピュータプログラム製品。
【請求項35】
1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の外面部分に一致する内面部分を含む患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨にレジストレーションされた前記患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す点サンプリングデータを取得する工程と、
前記取得された点サンプリングデータ、前記取得された患者の骨を表す三次元データ、及び前記取得された所定の空間指標を含む患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の位置及び方向を表すデータを生成する工程と、
を含む、患者の骨の位置と向きを決定するための、コンピュータで実行される方法。
【請求項36】
前記所定の空間指標は、前記患者固有の骨用ジグに設けられた複数のチャンネルを含む、請求項35に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項37】
前記患者固有の骨用ジグは、一定の厚みを有し、
前記チャンネルは、前記患者固有の骨用ジグの厚み方向に延びている、請求項36に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項38】
前記患者固有の骨用ジグは、第1の色を含み、
RGBカメラを使用して画像データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の前記第1の色以外の色をフィルタリングする工程と、
前記フィルタリングされた画像に基づいて、前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程と、
をさらに含む、請求項35に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項39】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記フィルタリングされた画像に基づく生成データに基づいて、前記患者の骨の位置及び向きを経時的にトラッキングする工程をさらに含む、請求項38に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項40】
前記フィルタリングされた画像に基づく生成データに基づいて、前記患者の骨の少なくとも一部を切除するためのツールを有するロボットシステムを経時的に制御する工程をさらに含む、請求項39に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項41】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記取得された患者の骨を表す三次元データに基づいて、前記患者固有の骨用ジグを表す三次元データを生成する工程をさらに含む、請求項39に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項42】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記生成された、患者固有の骨用ジグを表す三次元データに基づいて、前記所定の空間指標を含む患者固有の骨用ジグを作製する工程をさらに含む、請求項39に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項43】
1つ又は複数のプロセッサによって、第1の対象を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の外面部分と一致する内面部分を含み、所定の空間指標を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象にレジストレーションされた前記第2の対象の前記所定の空間的指標を表す点サンプリングデータを取得する工程と、
前記取得された点サンプリングデータ、前記取得された第1の対象を表す三次元データ、および前記取得された所定の空間指標を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の位置および向きを表すデータを生成する工程と、
を含む、コンピュータで実行される方法。
【請求項44】
前記所定の空間指標は、前記第2の対象における複数のチャンネルを備える、請求項43に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項45】
前記第2の対象は、一定の厚みを有し、
前記チャンネルは、前記第2の対象の厚み方向に延びている、請求項44に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項46】
前記第2の対象が第1の色を含み、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、RGBカメラを使用して画像データを取得し、前記画像中の前記第1の色以外の色をフィルタリングする工程と、
前記フィルタリングされた画像に基づいて、前記第1の対象の位置及び配向を表すデータを生成する工程と、
を含む、請求項43に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項47】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記生成されたデータに基づき、前記患者の骨の位置と配向を経時的にトラッキングする工程をさらに含む、請求項46に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項48】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記取得された第1の対象を表す三次元データに基づいて、前記第2の対象を表す三次元データを生成する工程をさらに含む、請求項43に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項49】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記生成された第2の対象を表す三次元データに基づいて、前記所定の空間指標を含む第2の対象を製作する工程をさらに含む、請求項43に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項50】
処理回路によって読み取り可能な非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備え、方法を実行するための処理回路による実行命令を記憶しているコンピュータプログラム製品であって、
前記方法は、
1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の外面部分と一致する内面部分を含み、所定の空間指標を含む患者固有の骨治具の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨にレジストレーションされた前記患者固有の骨用治具の前記所定の空間指標を表す点サンプリングデータを取得する工程と、
前記取得された点サンプリングデータ、前記取得された患者の骨を表す三次元データ、及び前記取得された、所定の空間指標を含む患者固有の骨治具の少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程と、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項51】
処理回路によって読み取り可能な非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備え、方法を実行するための処理回路による実行命令を記憶しているコンピュータプログラム製品であって、
前記方法は、
1つ又は複数のプロセッサによって、第1の対象を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の外面部分と一致する内面部分を含み、所定の空間指標を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象にレジストレーションされた前記第2の対象の所定の空間指標を表す点サンプリングデータを取得する工程と、
前記取得された点サンプリングデータ、前記取得された第1の対象を表す三次元データ、および前記取得された、所定の空間指標を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の位置および向きを表すデータを生成する工程と、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項52】
1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の外面部分に一致する内面部分を含み、前記患者固有の骨治具の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨にレジストレーションされた患者固有の骨用治具の少なくとも一部を表す画像データを取得する工程と、
前記取得された画像データ、前記取得された患者の骨を表す三次元データ、及び前記取得された、患者固有の骨治具の少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程と、
を含む、コンピュータで実行される方法。
【請求項53】
前記生成された、患者の骨の位置及び向きを表すデータに基づいて、前記患者の骨の少なくとも一部を切除するためのツールを有するロボットシステムを制御する工程をさらに含む、請求項52に記載の方法を実行するコンピュータ。
【請求項54】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記ツールが前記切除のための適切なツールであることを確認する工程をさらに含む、請求項52又は53に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項55】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記ツールが前記ロボットシステムに適切に接続されていること確認する工程をさらに含む、請求項52~54のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項56】
前記患者固有の骨治具は、第1の色を含み、
前記画像データを取得する工程は、
RGBカメラを使用する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の前記第1の色以外の色をフィルタリングする工程と、
を含み、
前記生成された、患者の骨の位置及び向きを表すデータは、前記フィルタリングされた画像に基づく、請求項52~55のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項57】
前記患者固有の骨用ジグは単一色からなり、
前記画像データの取得する工程は、
RGBカメラを使用する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の単一色以外の色をフィルタリングする工程と、
を含み、
前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程は、前記フィルタリングされた画像に基づく、請求項52~55のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項58】
前記患者固有の骨用ジグは、黒、緑、若しくはオレンジの色からなる単一色の外表面からなり、
前記画像データの取得する工程は、
RGBカメラを使用する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の前記黒、緑、もしくはオレンジ以外の色をフィルタリングする工程と、
を含み、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記フィルタリングした画像に基づく、請求項52~55のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項59】
前記患者固有の骨用ジグは、外向きに伸びるフィデューシャルを含み、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データにおいて撮像された外向きに伸びるフィデューシャルに基づく、請求項52~58のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項60】
前記患者固有の骨用ジグは、球状IRアレイからなる外向きに伸びるフィデューシャルを備え、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データにおける外向きに伸びる球状IRアレイの撮像に基づく、請求項52~58のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項61】
前記患者固有の骨用ジグは、複数の指標を含み、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データ中の画像化された指標に基づく、請求項52~60のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項62】
前記複数の指標は、複数のチャンネルを備え、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データにおいて撮像された複数のチャンネルに基づく、請求項61に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項63】
前記複数の複数のチャンネルは、前記患者固有の骨用ジグの厚さにわたって延びる、請求項62に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項64】
前記複数の指標はコーナーを含み、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程、前記取得された画像データにおいて撮像されたコーナーに基づく、請求項61に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項65】
前記複数の指標は、複数の凸面状の凹凸を含み、
前記患者の骨の位置および向きを表すデータを生成する工程は、前記取得された画像データにおける撮像された凸面状の凹凸に基づく、請求項61に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項66】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記生成されたデータに基づき、前記患者の骨の位置と向きを経時的に追跡する工程をさらに含む、請求項52~65のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項67】
前記患者固有の骨用ジグは、前記患者の骨の外面部分を覆って延び、概ね一定の断面厚みを有する、請求項52~66のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項68】
前記概ね一定の断面厚みは、1ミリから10ミリである、請求項67に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項69】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者固有の骨用ジグを製作する工程をさらに含む、請求項52~68のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項70】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記取得された患者の骨を表す三次元データに基づいて、前記患者固有の骨用ジグを表す三次元データを生成する工程をさらに含む、請求項69に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項71】
前記1つ又は複数のプロセッサによって前記患者の骨を表す三次元データを取得する工程は、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の医療用走査装置からのスキャンを取得する工程を含む、請求項52~70のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項72】
前記スキャンは、CATスキャンおよび/またはMRIスキャンを含む、請求項71に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項73】
前記1つ又は複数のプロセッサによって前記画像データを取得する工程は、前記1つ又は複数のプロセッサによって、イメージャまたはスキャン装置から画像またはスキャンを取得する工程を含む、請求項52~72のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項74】
前記イメージャまたはスキャン装置は、手持ち式イメージャ、カメラ、若しくはIRセンサを含む、請求項73に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項75】
1つ又は複数のプロセッサによって、第1の対象を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の外面部分と一致する内面部分を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象にレジストレーションされた前記第2の対象の少なくとも一部を表す画像データを取得する工程と、
前記取得された画像データ、前記取得された第1の対象を表す三次元データ、及び前記取得された、第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記第2の対象の位置及び/又は向きを表すデータを、前記1つ又は複数のプロセッサによって生成する工程と、
を含む、コンピュータで実行される方法。
【請求項76】
前記第1の対象は、ロボットエンドエフェクタを備え、
前記第2の対象は、ツールを備える、請求項75に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項77】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記ツールが手順に適したツールであることを確認する工程をさらに含む、請求項75又は76に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項78】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記ツールが前記ロボットエンドエフェクタに適切に接続されていること確認する工程をさらに含む、請求項75~77のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項79】
前記第1の対象の位置および向きを表す生成されたデータに基づいて、前記ツールを有するロボットシステムを制御する工程をさらに含む、請求項75~78のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項80】
前記第2の対象は第1の色を含み、
前記画像データを取得する工程は、
RGBカメラを使用する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の前記第1の色以外の色をフィルタリングする工程と、
を含み、
前記第1の対象の位置及び/又は向きを表すデータを生成する工程は、前記フィルタリングされた画像に基づく、請求項75~79のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項81】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記生成されたデータに基づいて、前記第1の対象の位置及び/又は向きを経時的に追跡する工程をさらに含む、請求項75~81のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項82】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第2の対象を製造する工程をさらに含む、請求項75~81のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項83】
前記第1の対象は、患者の骨を含み、
前記第2の対象は、患者固有の骨用ジグである、請求項75~82のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項84】
患者の骨の位置及び向きを決定するための方法であって、
1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の外表面部分に一致する内表面部分を含み、所定の空間指標を含む患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨にレジストレーションされた前記患者固有の骨用ジグの所定の空間指標を表す点サンプリングデータを取得する工程と、
前記取得された点サンプリングデータ、前記取得された患者の骨を表す三次元データ、及び前記取得された、所定の空間指標を含む患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程と、
を含む、コンピュータで実行される方法。
【請求項85】
前記所定の空間指標は、前記患者固有の骨用ジグに設けられた複数のチャンネルを備える、請求項85に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項86】
前記患者固有の骨用ジグは、一定の厚さを有し、
前記チャンネルは前記患者固有の骨用ジグの厚さを貫通して延びている、請求項85に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項87】
前記患者固有の骨用ジグは、第1の色を含み、
RGBカメラを使用して画像データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記画像中の前記第1の色以外の色をフィルタリングする工程と、
をさらに含み、
前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程は、フィルタリングされた画像に基づく、請求項84~86のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項88】
前記フィルタリングされた画像に基づき生成されたデータに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の位置及び向きを経時的に追跡する工程をさらに含む、請求項87に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項89】
前記フィルタリングされた画像に基づく生成されたデータに基づいて、前記患者の骨の少なくとも一部を切除するためのツールを有するロボットシステムを経時的に制御する工程をさらに含む、請求項87に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項90】
前記取得された患者の骨を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、患者固有の骨用ジグを表す三次元データを生成する工程さらに含む、請求項84~89のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項91】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記生成された、患者固有の骨用ジグを表す三次元データに基づいて、所定の空間指標を含む患者固有の骨用ジグを作製する工程さらに含む、請求項90に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項92】
1つ又は複数のプロセッサによって、第1の対象を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の外面部分と一致する内面部分を含み、所定の空間指標を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象にレジストレーションされた前記第2の対象の所定の空間指標を表す点サンプリングデータを取得する工程と、
前記取得された点サンプリングデータ、前記取得された第1の対象を表す三次元データ、および前記取得された、所定の空間指標を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、1つ又は複数のプロセッサによって、第1の対象の位置および向きを表すデータを生成する工程と、
を含む、コンピュータで実行される方法。
【請求項93】
前記所定の空間指標は、前記第2の対象における複数のチャンネルを備える、請求項92に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項94】
前記第2の対象は、一定の厚さを有し、
前記チャンネルは、前記第2の対象の厚さ方向に延びている、請求項93に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項95】
前記第2の対象は、第1の色を含み、
RGBカメラを使用して画像データを取得し、1つ又は複数のプロセッサによって、画像内の第1の色以外の色をフィルタリングする工程と、
前記フィルタリングされた画像に基づいて、前記第1の対象の位置及び向きを表すデータを生成する工程と、
請求項92~94のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項96】
前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記生成されたデータに基づき、患者の骨の位置と向きを経時的に追跡する工程をさらに含む、請求項95に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項97】
前記取得された、第1の対象を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第2の対象を表す三次元データを生成する工程をさらに含む、請求項92~96のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項98】
前記生成された、第2の対象を表す三次元データに基づいて、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記所定の空間指標を含む第2の対象を製作する工程をさらに含む、請求項92~97のいずれか1項に記載のコンピュータで実行される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年3月17日に出願された「患者固有の骨用ジグを使用した患者の骨のレジストレーションおよび/またはトラッキング」と題する米国仮特許出願第62/990,827号の優先権の利益を完全に主張し、この出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、一般に外科的方法に関し、より具体的には、画像化および/またはポイントサンプリングとともに患者固有(患者専用)の骨用ジグ(治具)を使用する患者の骨のレジストレーションおよび/またはトラッキングに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、コンピュータ支援ナビゲーション手順、術前外科画像処理は、患者の骨のような関心のある解剖学的特徴をデジタル的に捕捉するために頻繁に使用される。レジストレーション及びトラッキングのプロセスは、第1に、関心のある対象の実際の開始位置に関する情報をナビゲーションシステムに提供し、第2に、トラッキングされた対象の時間の経過に伴う動きでナビゲーションシステムを更新するために使用される。レジストレーションプロセスでは、熟練したユーザがトラッキング可能なスタイラスを使用して臨床的に既知の解剖学的標識点をサンプリングすることが一般的である。例えば、股関節のコンピュータ支援ナビゲーション手順では、これらの点(ポイント)は、大転子または小転子の頂点である場合がある。他の従来のレジストレーションプロセスでは、位置合わせマーカ(フィデューシャルマーカ)を備えたトラッキングプローブを関心のある対象に手動で配置し、サンプリングした点を対象の位置を推測するアルゴリズムに統合する。非限定的な例として、フィデューシャルマーカは、IRカメラ、光学カメラ、若しくはレーダーによって可視化されてもよい。レジストレーションアルゴリズムは、アライメント誤差を最小化することによって、データのセットを共通の座標系に関連付ける。レジストレーションパラメータは、表面モデルの座標フレームとロボットの座標フレームとの間の変換を規定する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例えば、1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨を表す三次元データを取得する工程と、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨の外面部分に一致する内面部分を含む患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨にレジストレーションされた前記患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す画像データを取得する工程と、前記取得された画像データ、前記患者の骨を表す取得された三次元データ、及び前記患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す得られた三次元データに基づいて、前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを、前記1つ又は複数のプロセッサによって生成する工程と、を含む、コンピュータで実行される方法の一実施形態によって、先行技術の欠点は克服され、さらなる利点が提供される。
【0005】
別の実施形態では、コンピュータで実行される方法は、例えば、1つ又は複数のプロセッサによって、第1の対象を表す三次元データを取得する工程と、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の外面部分に一致する内面部分を含む第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象にレジストレーションされた前記第2の対象の少なくとも一部を表す画像データを取得する工程と、前記取得された画像データ、前記第1の対象を表す、取得された三次元データ、及び前記第2の対象の少なくとも一部を表す、取得された三次元データに基づいて、前記第2の対象の位置及び/又は向きを表すデータを、前記1つ又は複数のプロセッサによって生成する工程と、を含む。
【0006】
別の実施形態では、コンピュータで実行される方法は、例えば、1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨を表す三次元データを取得する工程と、前記1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨の外面部分に一致する内面部分を含み、所定の空間的指標を有する患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記患者の骨にレジストレーションされた前記患者固有の骨ジグの所定の空間指標を表す点サンプリングデータを取得する工程と、前記取得された点サンプリングデータ、前記患者の骨を表す前記取得された三次元データ、及び、前記所定の空間的指標を有する患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す、取得された三次元データに基づいて、前記患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程と、を含む。
【0007】
別の実施形態では、コンピュータで実行される方法は、例えば、1つ又は複数のプロセッサによって、第1の対象を表す三次元データを取得する工程と、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象の外面部分と一致する内面部分を有し、所定の空間指標を有する第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データを取得する工程と、前記1つ又は複数のプロセッサによって、前記第1の対象にレジストレーションされた前記第2の対象の所定の空間指標を表す点サンプリングデータを取得する工程と、前記取得した点サンプリングデータ、前記取得した第1の対象を表す三次元データ、および前記取得した所定の空間指標を有する第2の対象の少なくとも一部を表す三次元データに基づいて、前記第1の対象の位置および方向を表すデータを、前記1つ又は複数のプロセッサによって生成する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
開示とみなされる主題は、本明細書の結論部分において特に指摘され、明確に請求される。しかしながら、本開示は、様々な実施形態の以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって最もよく理解され得る。
図1図1は、本開示の一実施形態に係る、患者の骨をレジストレーションおよびトラッキングするためのプロセスのフローチャートである。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る、患者の大腿骨の近位部分に取り付けられた患者固有の骨用ジグの斜視図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る深度カメラの斜視図である。
図4図4は、患者の骨に固定されたトラッキング可能な基準アレイを伴う、図2の患者の大腿骨の近位部分に取り付けられた患者固有の骨用ジグの斜視図である。
図5図5は、背景に示されている患者の骨に取り付けられた患者固有の骨用ジグの前景に示され、図3の深度カメラによって得られた画像の斜視図である。
図6図6は、本開示の一実施形態に係る、背景に示されている患者の骨に取り付けられた患者固有の骨用ジグの前景に示されるカラーフィルタ処理された画像であって、図3の深度カメラによって得られた画像の斜視図である。
図7図7は、本開示の一実施形態に係る表面構成の斜視図である。
図8図8は、本開示の一実施形態に係る表面構成の斜視図である。
図9図9は、本開示の一実施形態に係る手持ち深度カメラの斜視図である。
図10図10は、本開示の一実施形態に係る、ツールおよび複数のカメラを有するロボットの斜視図である。
図11図11は、本開示の一実施形態による、患者別の骨用ジグの斜視図である。
図12図12は、図11の患者固有の骨用ジグの部分斜視図である。
図13図13は、本開示の一実施形態に係る患者固有の骨用ジグの斜視図である。
図14図14は、本開示の一実施形態に係る患者固有の骨用ジグの第1の斜視図である。
図15図15は、図14の患者固有の骨用ジグの第2の斜視図である。
図16図16は、本開示の一実施形態に係る、埋め込まれたフィデューシャルを有する患者固有の骨用ジグの斜視図である。
図17図17は、本開示の一実施形態に係る、患者の骨をレジストレーションおよびトラッキングする際に使用するためのシステムのブロック図である。
図18図18は、本開示の一実施形態に係る、患者の骨をレジストレーションおよびトラッキングする際に使用するためのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一般的に、本開示は、外科的方法、より詳細には、患者の骨の画像化及び/又は最小点サンプリングと共に患者固有の骨用ジグを採用する患者の骨のレジストレーション及びトラッキングに関するものである。
【0010】
この詳細な説明及び以下の請求項において、近位、遠位、前、後、内側、外側、上、及び下という語は、自然の骨の相対的配置又は方向性の用語に従って骨又はインプラントの特定の部分を示すためのそれらの標準的な使用法によって定義されている。位置または方向は、解剖学的構造または表面を参照して本明細書で使用されてもよい。例えば、現在の装置および方法は、股関節の骨との使用を参照して本明細書に記載されているので、股関節の骨は、インプラント装置、インプラント設置装置、および手術方法の表面、位置、方向、または向きを説明するために使用されてもよい。さらに、本明細書に開示される装置および外科的方法、ならびにその態様、構成要素、特徴などは、簡潔さを目的として、身体の片側に関して説明される。しかしながら、人体は、対称線(正中線)に関して比較的対称である、または鏡面であるので、本明細書に記載および/または図示される装置および外科的方法、ならびにその態様、構成要素、特徴などは、本開示の思想および範囲から逸脱することなく、同一または類似の目的のために身体の別のサイドと使用または関連するために変更、変化、修正、再構成またはその他の変更が可能であると明らかに考慮される。例えば、右大腿骨に関して本明細書に記載されたツールおよび方法、ならびにその態様、構成要素、特徴などは、左大腿骨で同様に機能するようにミラーリングされてもよく、その逆もまた然りである。
【0011】
レジストレーションは、実際の患者の骨などの実際の解剖学的構造を、コンピュータに入力されたX線写真、蛍光透視法、及び/又は、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンデータと一致させるプロセスである。本開示は、いくつかの実施形態において、術前コンピュータモデルを術野におけるそのリアルタイムの位置又は「姿勢(ポーズ)」に整合させるレジストレーションプロセスの時間を短縮し、精度を高めるためのプロセス、及び/又は、(姿勢は全てのサンプリング位置で捕捉することができるが、通常、既知の開始姿勢が決定されると、)レジストレーションされた対象のリアルタイム位置をナビゲートトラッキング又は更新するプロセスに一般的に関する。数学的に、変換は、開始姿勢を見つけるために決定されてもよく、この変換は、リアルタイムトラッキング位置の全てに適用されてもよい。本開示の技術の利点は、同等の時間において可能である、よりも多くの点をサンプリングすることによってレジストレーション精度を高めつつ、患者の骨自体の手動による点サンプリングレジストレーション方法の必要性を排除することを含み得る。実際の患者の骨とコンピュータモデルまたは患者の骨を表すデータをレジストレーションした後、患者の骨の切除を含むさらなる自動化またはロボットによる処置が行われる場合がある。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る、患者の骨のレジストレーション及びトラッキングに使用するための方法10を示す図である。例えば、方法10は、一般に、撮像システムの使用と、患者固有の骨用ジグ(治具)の使用との組み合わせを含んでいてよい。
【0013】
この例示された実施形態では、方法10は、患者の骨の位置及び向きを決定するように動作可能であってもよく、例えば、1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨を表す三次元データを取得する工程20と、患者固有の骨用ジグは患者の骨の一部と一致する患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データを、1つ又は複数のプロセッサによって取得する工程30と、1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨にレジストレーションされた患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す画像データを取得する工程40と、取得された画像データ、取得された患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データ、及び取得された患者の骨を表す三次元データに基づいて、1つ又は複数のプロセッサによって、患者の骨の位置及び向きを表すデータを生成する工程50と、を含んでよい。該方法はさらに、生成された患者の骨の位置及び向きを表すデータに基づいて、患者の骨の少なくとも一部を切除するためのツールを有するロボットシステムを制御する工程60を含んでいてよい。
【0014】
図2は、本開示の一実施形態に係る、大腿骨の近位部などの患者の骨12に固定された患者固有の骨用ジグ100を示す図である。この例示された実施形態では、患者固有の骨用ジグ100は、患者固有の骨用ジグ100を患者の骨12に調整又は整合させることを可能にする少なくとも1つ以上の特徴を含んでもよい。例えば、患者固有の骨用ジグ100は、患者の骨12の対応する外面輪郭13に一致するように設計された患者固有の内面輪郭112を有する本体110を含んでもよい。以下により詳細に説明するように、患者固有の骨用ジグ100は、深度カメラ200(図3)による検出のために最適化されてもよい。以下の説明から理解されるように、患者固有の骨用ジグ100のモデル、形状、又は部分の知識は、患者の骨自体を撮像する際に必要とされるような複雑な計算画像認識アルゴリズムの必要性を排除しつつ、患者の骨12の姿勢(例えば、位置及び/又は向き)データを迅速に推測することを可能にし得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、患者固有の骨用ジグ100の1つ以上の特徴又は指標は、臨床環境における患者の骨12のレジストレーション及びトラッキングのために1つ以上の深度カメラを利用するシステムの性能を最適化又は支援するように設計されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、患者固有の骨用ジグ100は、患者固有の骨用ジグ100の色を含む特徴又は指標に基づいてもよい。外科的切開では、例えば皮膚組織、脂肪組織、筋肉組織、血液、軟骨、手術用レトラクター、滅菌ドレープなど、様々な色を持つものが多数存在する場合がある。さらに、そのときの照明条件は、大きく変化する可能性がある。患者固有の骨用ジグ100は、周囲のシーン(光景)と対比されやすいような非有機的で高度に差別化された色で設計されてもよい。例えば、患者固有の骨用ジグ100は、明るいオレンジ色又は明るい緑色を有していてもよい。いくつかの実施形態では、患者固有の骨用ジグは、患者の骨の外面部分上に延び、概ね一定の断面厚さTを有していてもよい。
【0016】
図3を参照すると、深度カメラ200は、RGB(赤、緑、青)カメラ210と、赤外線(IR)プロジェクタ220と、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)センサなどの近赤外線(IR)センサ230とを含んでもよい。RGBカメラ210は、プロセッサ及び適切なプログラミングと共に、指定されたRGB範囲内の色をフィルタリング又はマスクするように動作可能であってよい。RGBカメラ210は、例えば、明るいオレンジ色又は明るい緑色でない任意の対象をフィルタリング又はマスクするために使用することができる。骨を「識別」するために複雑な計算ソフトウェアに頼るのではなく、患者の骨は、患者固有の骨用ジグを介して識別することができる。例えば、カメラは、明るい緑色の対象(例えば、骨用ジグ)以外の全てをマスクするように構成されてもよい。患者固有の骨用ジグが既知の位置(すなわち、患者固有であるような位置)で患者の骨上に静止及び/又は患者の骨に固定された状態で、明るいオレンジ又は緑の患者固有の骨用ジグの識別に基づいて、基礎となる患者の骨の位置を推測、決定、又は生成することができる。他の実施形態では、深度カメラは、構造化光投影器及びカメラ受信機を含んでもよく、既知のパターンがシーンに投影されて、シーン内の対象に関する深度及び表面情報を計算する。
【0017】
図4は、本開示の一実施形態による、フィデューシャルアレイ300を有する患者固有の骨用ジグ100を示す。深度カメラを利用してレジストレーションが行われてもよく、計算負荷が高いリアルタイムの対象識別と比較して、従来の手段でフィデューシャルアレイ300を有する患者固有の骨用ジグ100をトラッキングするために変換が適用されてもよい。
【0018】
図5は、患者固有の骨用ジグ100、フィデューシャルアレイ300、及び患者の骨12のRGBカメラ200(図3)の視点からのシーンの出力を表す表示画像400(図5において右下に示す)を示す図である。患者固有の骨用ジグ100、フィデューシャルアレイ300、及び患者の骨12を表すデータは、深度カメラ200(図3)によって得られ、表示画像400に示される患者固有の骨用ジグ100’、フィデューシャルアレイ300’、及び患者の骨12’を表す画像データを形成するように処理され得る。
【0019】
図6は、患者固有の骨用ジグ100のRGBカメラ200、フィデューシャルアレイ300、及び患者の骨12(図6の左上にも示す)の視点から図5に示すのと同じシーンの出力の表示画像500(図6の右下に示す)であり、黒のカラーマスクが施されている。表示画像500のこの図示された実施形態では、黒色の対象、すなわち患者固有の骨用ジグ100’’以外の全てが見えるようにされている。例えば、表示画像500において、黒色以外の全ての色を見えなくするようにしてもよい。
【0020】
理解されるように、カラーフィルタを使用すると、「ノイズの多い」シーンは、さらなる処理及び計算のために単純化されることがある。従って、着色された患者固有の骨用ジグ100は、対象識別を補助する。本技術は、対象の全てが見えるマスク又はフィルタリングなしの画像400(図5)と比較して、必要な処理時間を単純化及び短縮することができ、これにより、患者の骨を識別するための計算上の課題が増加する(例えば、特に時間の露出が制限されている場合)。
【0021】
いくつかの実施形態では、患者固有の骨用ジグは、図7に示すような多角形の表面コーティングのように、複数の鋭い角(コーナー)120を有するとても不規則な表面などの特徴又は指標を利用することができる。いくつかの実施形態では、患者固有の骨用ジグは、図8に示されるような照明コントラストを高めるために、凸状表面凹凸130などの特徴又は指標も利用することができる。異なる表面の特徴又は指標は、単独で、又は患者固有の骨用ジグに関連して使用されてもよい。深度カメラは、対象の位置及び/又は向きを推論するための2段階のプロセスを採用してもよい。例えば、深度キャメラは、高速特徴検出アルゴリズムとそれに続くICP(Iterative Closest Point)最適化を利用することができる。促進的案特徴検出の一般的な方法として、コーナー検出を採用することができる。
【0022】
患者固有の骨用ジグは、レジストレーションのため、又はレジストレーション及びトラッキングのために使用されてもよい。例えば、色及び/又は表面特徴のような既知の特徴又は指標を有する患者固有の骨用ジグを識別するアルゴリズムを訓練することにより、レジストレーション及び/又はトラッキングのために深度カメラを利用する課題が単純化される場合がある。深度カメラは、一度に何千もの点をサンプリングすることができ、これは、レジストレーションの潜在的な精度を増加させることができる。
【0023】
図9は、手持ち式であってよく、ナビゲーションシステム、例えばレーダーなどのナビゲーションシステムによって監視され得るフィデューシャル(基準、指標)または他のデバイスによってトラッキングされ得るRGBDカメラなどの手持ち式深度カメラ250を例示している。図10は、ロボット600と、ロボットアーム610と、ロボットエンドエフェクタ620と、ツール630と、複数の深度カメラ250と、を示している。
【0024】
ロボットシステムの位置精度を利用して、ツール中心点(TCP)をロボット上の既知の点、例えばフランジに較正することができる。エンドエフェクタは、RGBDカメラによるフィルタリングを可能にするために陽極酸化されるか、さもなければ着色されることが可能である。ロボット上の既知の位置に既知の可視標識点を埋め込んで、そこにTCPをレジストレーションすることができる。
【0025】
RGBDカメラは、ロボットエンドエフェクタと係合しているツールタイプを識別するために使用することができる。例えば、システムが6mmのバリを要求しているが9mmのバリが係合されている場合、RGBDカメラは高速特徴検出アルゴリズムを使用して対象物を特定し、この情報をユーザに返すことができる。非限定的な例として、球状バリが係合されているが非球状バリが必要な場合、同様にソフトウェアアルゴリズムがこの情報をユーザに返すことができる。
【0026】
別の実施形態では、RGBDカメラは、すべてのサンプリングされた点におけるカメラの位置が既知であるようにトラッキングされてよい。TCP位置は、複数の既知の位置(ローカライゼーション)における複数の読み取り値から推測することができる。
【0027】
手持ち式深度カメラ250は、エンドエフェクタおよびツール先端の姿勢および位置を正確かつ迅速に求めるために、高速特徴検出アルゴリズムと共に使用され得る。ツール先端の特別な位置を正確に測定する能力により、ロボットは、様々な位置に移動でき(例えばXYZ-4点較正)、制御アルゴリズムのためにツールオフセットを迅速かつ正確に推測することができる。例えば、理論的な位置は、実際の位置と比較され、変換を推論することができる。適切なツール(直径およびツールタイプを含む)によって、ツールが完全に係合し、適切に適用するためにロボットのエンドエフェクタ内に適切に装着されていることを確認することができる。
【0028】
ロボットを較正するための従来の方法には、基準部品に触れる工程と、距離センサを使用する工程と、レーザー干渉法を採用する工程と、が含まれ得る。また、ロボットは、基準対象の正確な位置を取得するために、様々なロボット位置に取り付けられるカメラシステムなどの外部センサを使用して較正されることもある。本開示では、高速特徴識別が可能なカメラを用い、位置特定アルゴリズムで位置を特定することで、これらの従来の方法に伴う問題である、時間がかかること、及び複雑であることを克服できる可能性がある。
【0029】
注目すべきは、先に説明したような同色のRGBフィルタをここで使用することができることである。例えばエンドエフェクタ、バリガイド、及びツールは、術野で対象を識別する計算問題を単純化するために、着色又は陽極酸化されてもよい。注目すべきは、このシステムの利点は、カメラを動かして、より正確に対象の位置を特定できることである。他のセットアップでは、センサは固定され、ロボットが動かされることが多い。
【0030】
本開示のいくつかの実施形態では、深度カメラは、ツール中心点(TCP)をロボットフランジまたはロボット上のいくつかの既知の点にレジストレーションする。例えば、産業オートメーションロボットは、各関節の正確な位置を返す関節感知(例えば、エンコーダ)を含んでよい。空間におけるフランジの位置を、高精度に知ることができる。本開示は、空間におけるフランジの位置にTCPをレジストレーションすることを提案する。レジストレーションは、その術野内の対象(ツールの先端からフランジ)に対するものであるので、深度カメラは、空間内のその位置に戻るために、ナビゲーションシステムによってトラッキングされる必要がない。冗長性として、RGBDカメラをトラッキングし、TCPの位置が予想位置の許容範囲内であることを確認することもできる。
【0031】
深度カメラは、術野におけるトラッキング対象の姿勢推定に使用されるだけでなく、ロボットツール自体の較正に使用することもでき、また、適切な切削ツールタイプが係合し(例えば、正しい直径及び形状のバリ)、切削器具に適切に装着されているかを確認することもできる。ロボットは、作業中にツールの正確な位置を認識していることが望ましい。異なるツールを装着するたびに、ロボットを正確に再キャリブレーションすることを要する場合がある。TCPは、ロボットツール測定においてツールの正確な作業点を決定する。
【0032】
本開示の別の技術は、従来の点サンプリングに基づくレジストレーション方法の性能を向上させるために患者固有の骨用ジグを利用する方法に関する。従来の点サンプリング方法は、一般に、以下を含む2段階のプロセスである。1)解剖学的に重要な点をサンプリングすることによって対象の姿勢の近似が決定され、2)より多くの点をサンプリングし、反復的な最接近点アルゴリズムを実行することによって、より正確な位置が決定される。本開示の技術は、低減された点サンプリングで患者固有の骨用ジグと患者の骨とを容易に調整することを可能にする指標又は特徴を有する患者固有の骨用ジグを含んでもよい。
【0033】
図11は、本開示の一実施形態に係る、本体710に統合されたチャンネル720などの指標又は特徴を有する本体710を有する患者固有の骨用ジグ700を示す。チャンネル720の位置は、本体710に対して既知であるか又は相関していてもよく、この本体710もまた、患者の骨の医療スキャンと連携するように構成されてもよい。チャンネル720は、レジストレーションプローブによる関心点のサンプリングを低減し、より正確に行うことを可能にし得る。レジストレーションプローブは、より正確に点をサンプリングするために、例えば、チャンネルの先端部において、患者固有の骨用ジグ上の既知の位置の点に配置することができる。図12を参照すると、レジストレーションプローブチップは、レジストレーションのためのより正確な位置読み取りを得るために、チャンネル720の遠位端730(図12の丸で囲んだ領域内)に配置され得る。図13は、チャンネル820を有する本体810を有する患者固有の膝骨用ジグ800を示す。異なる構成を有する他のチャンネル、切り欠き、又は他の通路が好適に採用されてもよいことが理解される。例えば、点サンプリングは、患者の骨にレジストレーションされ固定された患者固有の骨用ジグの初期位置及び向きを得るために実行されてもよい。その後、患者の骨にレジストレーションされ固定された患者固有の骨用ジグの位置及び向きを経時的にトラッキングするために、撮像が実行されてもよい。
【0034】
図14及び図15は、本開示の一実施形態による、本体910に統合された又は取り付けられた位置合わせマーカ950などの指標又は特徴を有する本体910を有する患者固有の骨用ジグ900を示す図である。この例示された実施形態では、患者固有の骨用ジグ900は、患者の骨の解剖学的構造の外面部分に一致するように輪郭付けされた内面912を有する本体910を含んでよく、適切な医療スキャンなどの手術前画像又はデータから生成される。患者固有の骨用ジグ900の内面は、適切な配置及び位置合わせのために患者の解剖学的構造に一致するように輪郭付けされる。本体910は、1つ又は複数のトラッキングマーカが貼り付けられ得る1つ又は複数の特徴又は指標を有する患者固有の骨用ジグの外装部分を含んでもよい。例えば、位置合わせマーカ950は、糸を含み、特定の位置及び向きで患者特異的骨用ジグの本体910に糸状に取り付けられ得る。他の実施形態では、外装部はまた、再帰反射テープ、または、別個の対象として識別可能にする他のマーキングもしくは指標を含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、患者固有の骨用ジグ900は、以下に説明するように、点をサンプリングするためにトラッキングされたスタイラスに依存しないレジストレーションプロセスにおいて採用されてもよい。例えば、フィデューシャルを有する患者固有の骨用ジグを表すデータは、ナビゲーションシステムによって参照されることができるデータベースにアップロードされる。ナビゲーションシステムがIRカメラを使用する場合、例えば、骨用ジグと一致する配列をアップロードし、ナビゲーションソフトウェアで一度識別すれば、患者の骨をトラッキングすることができる。同様に、ジグにビーコンを取り付けて、レーダーで対象物をトラッキングすることも可能である。ユーザが患者固有の骨用ジグを適切な骨表面の位置に置き、患者固有の骨用ジグがナビゲーションカメラによって適切に識別され、トラッキングされると、ユーザは患者固有の骨用ジグの位置をサンプリングし、初期姿勢推定値を得ることができる。
【0036】
レジストレーションで重要な数学的概念は、初期姿勢変換の概念である。トラッキングされる対象(患者の骨)の位置は、患者固有の骨用ジグの位置から推測される。ナビゲーションカメラは、患者固有の骨用ジグの位置をトラッキングし、患者の骨の位置はトラッキングしないことがある。患者の骨の位置は、患者特有の骨用ジグの位置から推測、決定、及び/又は生成されてもよく、この位置は、トラッキングされたマーカ、例えばフィデューシャルアレイの位置から推測、決定、及び/又は生成されてもよい。
【0037】
これらのプロセスを単純化するために、患者の骨の原点位置と患者固有の骨用ジグに注意を払うことができる。骨の術前画像データ(例えばCTスキャンからのDicomファイル)が生成されると、そのデータは、コンピュータ支援設計ソフトウェアで操作可能なデジタル形式に変換されてもよい。デジタルファイルは、原点位置を有していてもよい。患者固有の骨用ジグは、患者の骨のデジタルファイルの原点フレームとして使用されたのと同じ原点フレームで設計されてもよい。ナビゲーションカメラが患者専用骨用ジグをトラッキングすると、患者専用骨用ジグの原点は、患者専用骨用ジグが患者の骨の外側に適切に配置されたときの患者の骨の原点に対応することになる。
【0038】
図16は、患者固有の骨用ジグをトラッキングするために使用され得る球状IRアレイなどの埋め込みフィデューシャル1010を有する患者固有の骨用ジグ1000を例示している。様々な実施形態において、患者固有の骨用ジグは、患者の骨の外面部分上に延び、概ね一定の断面厚さを有していてもよい。例えば、概ね一定の厚さは、1ミリメートルと10ミリメートルとの間であってもよい。様々な実施形態において、患者固有の骨用ジグは、明るいオレンジ色、明るい緑色、又は黒色などの固体又は単一色を有していてもよい。
【0039】
図17は、本開示の一実施形態による、例えば方法10(図1)、患者の骨のレジストレーション及び/又はトラッキング、及び/又は患者固有の骨用ジグの作製を実施するためのシステム1200のブロック図である。システム1200は、一般に、プロセッサ又はプロセッサ1210、入力/出力装置1220、及びメモリ1230を含んでもよい。
【0040】
例えば、患者の大腿骨の近位部などの患者の骨の少なくとも一部を表す三次元データなどの患者骨データ1202(図1のブロック20)が、システム1200に取得又は入力されてもよい。患者の骨データ1202は、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、コンピュータ軸断層撮影(CAT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、又は他の適切な二次元画像化若しくは三次元画像化若しくは処理により得られる三次元データを含んでもよい。このようなデータは、画像プロセッサから直接提供されることもあれば、保存された医用画像データのデータベースから取得することもできる。
【0041】
患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を表す三次元データ又はモデル(図1のブロック30)などの患者固有の骨用ジグデータ1204は、システム1200に取得又は入力されてもよい。患者固有の骨用ジグデータ1204は、例えば、患者固有の骨用ジグの走査に基づいて、又は患者骨データ1202から生成された、以前に生成された三次元データを含んでもよい。例えば、システム1200は、患者骨データ1202に基づいて患者固有の骨用ジグを生成するために動作可能な患者固有の骨用ジグ生成器1240を含んでもよく、患者固有の骨用ジグ生成器1240は、患者固有の骨用ジグを製作するために3Dプリンタ1295又は他の製造プロセスを制御するために動作可能であってもよい。患者固有の骨用ジグの生成及び製作のためのデータは、患者固有の骨用ジグデータ1204と同じであっても異なっていてもよい。例えば、患者固有の骨用ジグデータ1204は、レジストレーションプロセスにおける使用を可能にする患者固有の骨用ジグの一部を表す十分なデータに限定されてもよい。
【0042】
ロボットツール、例えば切削端などの作業端の少なくとも一部を表す三次元データまたはモデルなどのツールデータ1206は、システム1200に取得または入力されてもよい。ツールデータ1202は、例えば、ツールの走査に基づいて以前に生成された三次元データ、又はツールを製作するためのデータを含んでもよい。例えば、ツールデータ1206は、ロボット切断計画での使用を可能にする患者固有の骨用ジグの一部を表す十分なデータに限定されてもよい。
【0043】
画像データなどの画像入力1207は、患者の特定の骨用ジグが患者の骨に固定されている間に、患者の特定の骨用ジグ(図1のブロック40)の少なくとも一部を表すイメージャ、カメラ、深度カメラ、RGBカメラ、IRセンサ、又は他の適切なイメージャ若しくは走査装置から得られてもよい。画像入力1207は、システム1200に入力されてもよい。
【0044】
ポインタデータなどのポインタ入力1208は、患者固有の骨用ジグが患者の骨に固定されている間に、患者固有の骨用ジグの少なくとも一部を位置決めして方向付けるのに用いるために、ポインタまたは他の適切なデバイスから取得することができる。ポインタデータ1208は、システム1200に入力されてもよい。
【0045】
さらなる入力データは、位置、向き、ツール、患者固有の骨用ジグ、または他のデータに関する所望の一般的なデータなどの外科医入力1209を含むことができる。
【0046】
プロセッサ1210は、例えば、WINDOWS(登録商標)、OSX、UNIX(登録商標)またはLinux(登録商標)オペレーティングシステムを動作させるコンピュータであってよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ1210は、ポータブルまたはハンドヘルドコンピューティングデバイスであってもよい。他の実施形態では、プロセッサ1210は、グローバル通信ネットワーク、例えばインターネットなどの1つ以上のネットワーク上でリンクされるか又は動作する、1つ以上の動作可能に接続されたプロセッサ、演算装置、サーバであってもよい。
【0047】
メモリ1230は、入力データを処理するための様々なモジュールを含んでもよい。例えば、メモリ1230は、患者固有の骨用ジグ生成器1240、骨レジストレーション生成器1250、ツールレジストレーション生成器1260、及びロボット骨切断計画生成器1270を含んでもよい。
【0048】
患者固有の骨用ジグ生成器1240は、患者固有の骨データ1202に基づいて、例えば内面を有する患者固有の骨用ジグの構成を決定するように動作可能であってもよく、また、同等の、又は関連する外側空間指標又はフィデューシャルの構成を決定してもよい。例えば、患者固有の骨用ジグ1240は、患者の骨の一部と一致する又は対応する内面を有する患者固有の骨用ジグの本体を決定してもよい。いくつかの実施形態では、患者固有の骨用ジグの3Dモデルは、患者固有の骨用ジグを生成するために、3Dプリンタ1295又は当技術分野で既知の他の製造装置によって使用されてもよい。3Dプリンタまたは製造装置は、上述のように、一体型、モノリシック、または一体型本体として、または1つ以上の部品から形成され、標準的な金属材料、ポリマー材料、または他の適切な材料から形成された患者固有の骨用ジグを形成するように動作可能であってよい。
【0049】
骨レジストレーション生成器1250は、患者が手術台上に配置されているときなど、患者の骨の実際の位置及び向きを決定するために、患者骨データ1202、患者固有の骨用ジグデータ、並びにイメージャ入力1207及び/又はポインタ入力1208を受け取るように動作可能であってよい。例えば、患者の骨データまたは骨モデルを用いて、患者固有の骨用ジグデータおよび患者の骨に取り付けられた観察された実際の患者固有の骨用ジグ(イメージャまたはポインタを使用)に基づいて実際の患者の骨の位置および向きを決定するための適切なプログラミングが提供され得る。
【0050】
ツールレジストレーション生成器1260は、ツールデータ1206と、イメージャ入力1207、及び/又はポインタ入力1208とを受け取って、患者が手術台上に配置され、患者固有の骨用ジグが患者の骨に固定された状態でロボットの端部に取り付けられたときのようなツールの実際の位置及び向きを決定するように動作可能であってもよい。例えば、ツールデータ又はツールモデルを用いて、ツールデータ及びロボットに取り付けられた観察された(イメージャ又はポインタを用いて)実際のツールに基づいて実際のツールを位置付け及び方向付けるための適切なプログラミングが提供されてもよい。ツールレジストレーション生成器1260は、特定の手順に対して適切なツールが係合されていることを確認またはチェックするためにも動作可能であってもよい。
【0051】
ロボット骨切断計画生成器1270は、例えば患者の骨を切除するために外科用ロボット1290又は他の自動化装置を操作するためのデータ又は指示を決定するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態では、患者の大腿骨または脛骨の切除された近位部分などの切除された骨の3Dモデルが、外科用ロボット1290にアップロードされて、外科用ロボットが、例えば、切除を形成し及び/または患者の骨に1つまたは複数の空洞を形成するために自律的に、または半自主的に大腿骨または脛骨の近位部分の大きさを変更する骨切断計画を実行するように作動可能であって良い。データまたは命令は、局所カメラ・イメージャーまたはセンサからのデータなど、外科用ロボット1290によって受信されたデータと組み合わされてもよい。好適な外科用ロボットは、ミシガン州シェルビータウンシップのKUKA ROBOTICS Corporationによって製造されたLBR iiwa Kukaロボットであってもよく、1つまたは複数の骨鋸、ラスプ、鋸、ドリル、および/または他の装置で作動可能であってもよい。ロボット骨切断計画生成器1270は、切除面又は切断面生成器、空洞又は空洞生成器、及び最適化生成器などの様々なモジュールを含んでもよい。ロボット骨切断計画生成装置1270は、外科医が、例えば、切除面を示すことを可能にしてもよいし、そのような面は、例えば、外科医からの入力によって、または所定のデータに基づいてもしくは利用して、提供される自動的に生成されてもよい。ロボット骨切断計画生成装置1270は、位置、幅、長さ、深さなどの外科医からの初期入力を受け取ることを含んでもよく、または、所定のデータに基づいて、または、所定のデータを利用していてもよい。
【0052】
図18は、本開示の実施形態の技術的アーキテクチャの一部である、患者固有の骨用ジグを採用した患者の骨のレジストレーション及び/又はトラッキングに用いるための別のシステム1300のブロック図である。システム1300は、特定の実施形態において、マイクロプロセッサ1320を含むことができる回路1310を含むことができる。システム1300は、メモリ1330(例えば、揮発性メモリデバイス)、及びストレージ1340も含んでもよい。システム1300は、入力/出力1360を介して、メモリ1330、ストレージ1340、及び/又は回路1310にロード又は格納され、マイクロプロセッサ1320及び/又は回路1310によって実行され得るコード1352を含むプログラムロジック1350を含んでもよい。様々な構成要素は、システムバスを介して直接的又は間接的に動作可能に結合されてもよく、又は、他のデータ処理システム及び構成要素に直接的又は間接的に結合されてもよい。プログラムロジック1350は、例えば、股関節全置換術用の大腿骨コンポーネントの患者固有の大腿骨ステムを形成する際に使用するために、本開示で上述したプログラムコードを含んでもよい。
【0053】
当業者には理解されるように、本技術の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。したがって、本技術の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができ、これらはすべて、本明細書において通常、「回路」、「モジュール」、または「システム」として言及されることがある。
【0054】
フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、およびフローチャート図および/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装できることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックまたはブロックに指定された機能/行為を実施する手段を作り出すように、機械を製造してもよい。フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実行するための1つまたは複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、または部分を表すことができる。
【0055】
ソフトウェアおよび/またはプログラムコードとも呼ばれるこれらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他の装置が特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に格納することもでき、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックまたはブロックに指定された機能/行為を実施する命令を含む製造物品を製造するように、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読媒体が、コンピュータに、プログラムすることができるように、プログラムできる。例えば、特定の配置において、デスクトップまたはワークステーションコンピュータは、市販のオペレーティングシステム、例えば、Windows(登録商標)、OSX(登録商標)、UNIX(登録商標)またはLinux(登録商標)ベースの実装を使用して採用されることができる。
【0056】
コンピュータ可読ストレージ媒体1340は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、または前述の任意の適切な組み合わせであってよいが、これらに限定されるものではない。ストレージ1340は、内部ストレージ装置、付属ストレージ装置及び/又はネットワークアクセス可能なストレージ装置を含んでもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)としては、1本以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、または前述の任意の適切な組み合わせなどがある。本明細書では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを格納することができる任意の有形媒体とすることができる。
【0057】
本技術の態様のための操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語、PHP、ASP、アセンブラまたは同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語、ならびに関数型プログラミング言語および技術計算用の言語などの1以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれていてもよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータで完全に実行してもよいし、ユーザのコンピュータの一部で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行してもよいし、ユーザのコンピュータの一部とリモートコンピュータの一部、またはリモートコンピュータやサーバで完全に実行してもよい。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)やワイドエリアネットワーク(WAN)などの任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、接続は外部のコンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われてもよい。さらに、プログラムコードを実装するために、クラウドコンピューティング環境における1つ以上のリソースを含むがこれに限定されない、複数のコンピュータを使用することができる。
【0058】
入力/出力またはI/Oデバイス1360(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス、DASD、テープ、CD、DVD、サムドライブおよび他のメモリメディアなどを含むが、これに限定されない)は、直接または介在するI/Oコントローラを通じてシステムに接続され得る。ネットワークアダプタは、データ処理システムが他のデータ処理システム、リモートプリンタまたはストレージデバイスとプライベートまたはパブリックネットワークを介在して接続できるようにシステムに接続されることもある。モデム、ケーブルモデム、イーサネットカードは、利用可能なネットワークアダプタの種類のほんの一部である。
【0059】
患者、例えば患者の骨盤及び股関節に関連するデータは、医療センサ装置によって作成されてもよいし、医療センサ装置からアクセスされてもよい。例えば、四肢の以前の医療スキャン、例えばコンピュータ軸断層撮影(CAT又はCT)又は磁気共鳴画像(MRI)スキャンから得られたものは、医療記録保存装置、ストレージ1340に保存されてもよく、又はシステム1300によってアクセスされてもよい。かかる患者データは、所定の患者に関する他のデータ(例えば、骨密度、タイプ、長さ、病状等)を含んでもよい。非限定的な例として、患者データは、スキャン装置から得られた一連の二次元画像(例えば、CTスキャンスライス)を含むスキャンデータセットを含んでもよい。このように、スキャンデータセットは、スキャンデータの三次元的な表現である。
【0060】
本開示の技術は、多数の関心点を手動でサンプリングすることを採用する現在の最先端のレジストレーション及びトラッキングの時間及び処理上の制約を克服し得ることが理解される。特に、本開示の技術は、高精度のレジストレーションを達成するために多数の点を手動でサンプリングするのに必要な時間、及び熟練したユーザによってレジストレーションが実行される必要性を含む現在のレジストレーション方法の不利な点を克服し得る。
【0061】
例えば、カメラを使用することにより、本技術は、非常に短時間で数千の点を「サンプリング」することができ、レジストレーションの精度を高め、時間を短縮し得る。また、レジストレーションは、あまり熟練していないユーザでも行うことができる。
【0062】
本明細書から、本開示の技術は、外科領域における深度カメラの有用性を高めるためにシーン及びターゲットを最適化するための方法を提供し得ることが理解される。外科領域におけるレジストレーション及びトラッキングのために深度カメラを利用するために、カメラは、1)トラッキングする臨床的に関連する対象を識別し、2)対象の姿勢又は空間的位置及び向きを決定するように動作可能であってよい。
【0063】
画像化及び/又は最小限の点サンプリングによる患者固有の骨用ジグを採用する本技術は、現在のレジストレーション及びトラッキングに関連する問題を克服している。解剖学的構造をアルゴリズム的に識別することは、機械学習又は複雑な幾何学的モデリング技術を含むことができる非自明な計算上の問題である。また、被写体の姿勢や空間的な位置や向きを決定することも困難である。臨床現場では、被写体の露出が小さいことが多く、手術部位の形状が大きく変化することがある。空間的な向きを決定するためのアルゴリズムによる特徴検出は、困難であることが証明されている。これらのアルゴリズムの「トレーニング」または「検証」に使用するデータが入手可能であることも、開発の大きな障害となっている。深度カメラに依存する従来の特徴検出アルゴリズムは、「ノイズの多い」環境(軟骨、血液、手術器具、その他の軟組織)において、限られた表面異常(滑らかな)を持つ小さな露光でモデルに相関させるのに苦労している。アルゴリズムを学習させるための実世界の手術のデータセットは入手困難である。さらに、脊椎解剖学とは異なり、膝や股関節の重要な解剖学的標識点を限られた露出で特定することは、非常に困難なことである。
【0064】
例えば、本開示の技術は、臨床的に知られている解剖学的標識点をサンプリングするユーザが主観的でエラーになりやすい従来のレジストレーションの問題点を克服し得る。本技術は、精度を高めるために多数の点をサンプリングしなければならないという従来のレジストレーションにおける必要性を低減し、このサンプリングの増加は、手術時間を増加させる。さらに、点のサンプリングには外科医のような高度なスキルを持つユーザが必要なため、スキルの低いユーザがこの作業をサポートすることには限界がある。高精度のレジストレーションデータをタイムリーに作成することは、業界における課題として継続されている。
【0065】
本明細書の教示に基づいて当業者が認識し得るように、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の上述および他の実施形態に多数の変更および修正がなされ得る。添付の要約及び図面を含む本明細書に開示されるシステム、デバイス及び/又は装置のジグ、プログラミング、その他の構成要素は、意図された目的のために同様の機能を提供するために、当該代替構成要素又は特徴によって同じ、同等又は類似の結果を得るために当業者に知られているような別の実施形態に開示されるものなどの代替構成要素又は特徴によって置換されても良い。さらに、デバイス及び装置は、本明細書で説明及び図示されるような実施形態よりも多い又は少ない構成要素又は特徴を含んでもよい。したがって、現在好ましい実施形態のこの詳細な説明は、本開示を限定するものとは対照的に、例示として受け取られるべきである。
【0066】
本開示の技術は、Sexsonらによって2019年5月30日に出願された、「Robot Mounted Camera Registration and Tracking System for Orthopedic and Neurological Surgery」(アティドック番号5247・005P)と題する米国仮特許出願番号62/854,648に記載の1又は複数の構成要素と採用してもよく、その内容全体は参照により本明細書に援用されるものとする。例えば、患者固有の骨用ジグは、マーカとして採用されてもよい。
【0067】
本開示の技術は、「A System And Method For Interaction And Definition Of Tool Pathways For A Robotic Cutting Tool」と題する、Sexsonらによる2019年5月20日出願の米国仮特許出願第62/850,050号(atty. dock番号5247.003P)に記載された1つ以上の構成要素と共に採用されてよく、その全体の内容は参照により本明細書に援用される。
【0068】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つ」及び「その」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、用語「構成する」(および「構成している」などの「構成する」の任意の形式)、「有する」(および「有している」などの「有する」の任意の形式)、「備える」(および「備えている」などの「備える」の任意の形式)、および「含む」(および「含んでいる」などの「含む」の任意の形式)はオープンエンドな連結動詞であると理解できる。その結果、1つ以上のステップまたは要素を「構成する」、「有する」、「備える」、若しくは「含む」方法または装置は、それらの1つ以上のステップまたは要素を所有するが、それらの1つ以上のステップまたは要素のみを所有することに限定されるわけではない。同様に、1つ以上の特徴を「構成する」、「有する」、「備える」、若しくは「含む」方法のステップまたは装置の要素は、それらの1つ以上の特徴を所有するが、それらの1つ以上の特徴のみを所有することに限定されない。さらに、ある方法で構成された装置や構造物は、少なくともその方法で構成されているが、記載されていない方法で構成されている場合もある。
【0069】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明された。本明細書に記載された構造上の及び動作上の実施形態は、同じ一般的な特徴、特性、及び一般的な装置動作を提供するための複数の可能な配置の例示であることが理解される。修正および変更は、先の詳細な説明を読み、理解することにより、第3者にも生じる。本発明は、そのようなすべての修正および変更を含むものとして解釈されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】