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特表2023-518092血圧測定システム及びこれを利用した血圧測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】血圧測定システム及びこれを利用した血圧測定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
A61B5/022 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556661
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 KR2020019031
(87)【国際公開番号】W WO2021187729
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0034238
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515273368
【氏名又は名称】チャームケア・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】リ、ドンファ
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA09
4C017AB03
4C017AC03
4C017AC16
4C017AC28
4C017AD01
4C017BC11
4C017FF08
(57)【要約】
本発明は、血圧測定システム及びこれを利用した血圧測定方法を開示する。本発明による血圧測定システムは、人体動脈波と変動圧動脈波の検出のためのセンサー部と、及び前記センサー部によって検出される前記人体動脈波と変動圧動脈波を利用し、血圧値を算出する血圧算出部を含む血圧測定システムとして、前記センサー部が、前記変動圧動脈波の検出のために変動圧力が加えられる部位で脈波を感知する。本発明は、人体の一部位で検出される動脈波と変動圧力が加えられる人体の他の部位で検出される変動圧動脈波から血圧値を計算して出力することができるので、従来のオシロメトリック方式血圧計が血圧測定に40秒以上の時間が所要されるのに比べてさらに早く血圧を計算して正確な血圧値を算出することができるし、それによって血圧計算に所要される時間が大きく減少されることができる。そして、本発明によれば、動脈波と変動圧動脈波で構成される2種の波形から獲得可能な相対比率値やマッピング動脈波を利用し、易しくて単純な処理過程を通じて血圧値が算出されることができ、複雑な血圧計算アルゴリズムを要求されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体動脈波と変動圧動脈波の検出のためのセンサー部と、及び
前記センサー部によって検出される前記人体動脈波と変動圧動脈波を利用し、血圧値を算出する血圧算出部を含む血圧測定システムとして、
前記センサー部は、
前記変動圧動脈波の検出のために変動圧力が加えられる部位で脈波の感知が可能なことを特徴とする血圧測定システム。
【請求項2】
前記センサー部は、
お互いに異なる位置で同時に前記人体動脈波と変動圧動脈波の測定が可能なことを特徴とする請求項1に記載の血圧測定システム。
【請求項3】
前記センサー部は、
前記人体動脈波を検出するための第1センサーと、及び
前記変動圧動脈波を検出するための第2センサーを含むことを特徴とする請求項2に記載の血圧測定システム。
【請求項4】
前記第2センサーは、圧力センサーであることを特徴とする請求項3に記載の血圧測定システム。
【請求項5】
前記第2センサーは、エア圧力センサーであることを特徴とする請求項3に記載の血圧測定システム。
【請求項6】
前記センサー部は、
最低血圧以下で前記人体動脈波を感知し、最低血圧以上の脈波を有する前記変動圧動脈波を感知することを含むことを特徴とする請求項1に記載の血圧測定システム。
【請求項7】
前記センサー部によって測定される人体動脈波の変化量対比前記変動圧動脈波の変化量の相対比率値を算出する脈波処理部をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちで何れか一つに記載の血圧測定システム。
【請求項8】
前記血圧算出部は、
前記相対比率値を利用して前記血圧値を算出することを特徴とする請求項7に記載の血圧測定システム。
【請求項9】
前記血圧算出部は、
前記相対比率値の最高値を最高変動圧力値で設定し、前記最高変動圧力値を基準で最高血圧と最低血圧を決定することを特徴とする請求項8に記載の血圧測定システム。
【請求項10】
前記センサー部によって測定される前記変動圧動脈波に前記人体動脈波をマッピングしてマッピング動脈波を算出する脈波処理部をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちで何れか一つに記載の血圧測定システム。
【請求項11】
前記血圧算出部は、
前記マッピング動脈波を利用して前記血圧値を算出することを特徴とする請求項10に記載の血圧測定システム。
【請求項12】
前記脈波処理部は、
前記変動圧動脈波の変形時間支点基準で前記人体動脈波をマッピングして前記マッピング動脈波を算出することを特徴とする請求項11に記載の血圧測定システム。
【請求項13】
前記変動圧動脈波の測定部位に前記変動圧力を加えるための加圧装置をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちで何れか一つに記載の血圧測定システム。
【請求項14】
前記加圧装置は、
前記変動圧力の発生のために昇圧または減圧可能であり、
前記センサー部は、
前記加圧装置による昇圧または減圧中に前記変動圧動脈波を感知することを特徴とする請求項13に記載の血圧測定システム。
【請求項15】
前記加圧装置は、
圧迫帯と空気袋と絞り装置と熱膨脹素材と形状変形合金とホールとソレノイドバルブとエアポンプでなされるグループで選択される一つ以上を含むことを特徴とする請求項13に記載の血圧測定システム。
【請求項16】
前記センサー部は、
圧力センサーと光センサーと血管のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサーでなされたグループで選択されるセンサーを含むことを特徴とする請求項1に記載の血圧測定システム。
【請求項17】
前記圧力センサーは、
空気圧センサーとフィルム型圧力センサーとストレーンゲージ(Strain Gauge)でなされたグループで選択されるセンサーを含むことを特徴とする請求項16に記載の血圧測定システム。
【請求項18】
前記センサー部は、
お互いに異なる部位でそれぞれ動脈波の検出が可能な第1センサーと第2センサーを含み、
前記第1センサーと第2センサーのうちで何れか一つは変動圧力下にある部位で前記変動圧動脈波を測定することを特徴とする請求項1に記載の血圧測定システム。
【請求項19】
前記センサー部は、
等圧下にある部位で前記人体動脈波の測定ができたことを特徴とする請求項1に記載の血圧測定システム。
【請求項20】
2種の動脈波の検出が可能なセンサー部を有する血圧測定システムを利用した血圧測定方法として、
血圧値を算出するプロセッサ(Processor)が、前記センサー部によって検出される人体動脈波と変動圧動脈波を利用して血圧値を計算する血圧算出段階を含む血圧測定方法。
【請求項21】
前記センサー部を利用して前記人体動脈波と変動圧動脈波を検出する脈波検出段階をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の血圧測定方法。
【請求項22】
前記脈波検出段階は、前記人体動脈波と変動圧動脈波を同時に検出することを特徴とする請求項21に記載の血圧測定方法。
【請求項23】
前記センサー部は、
最低血圧以下で前記人体動脈波を感知し、最低血圧以上の脈波を有する前記変動圧動脈波を感知することを含むことを特徴とする請求項20に記載の血圧測定方法。
【請求項24】
前記血圧算出段階以前に、前記センサー部によって測定される人体動脈波の変化量対比前記変動圧動脈波の変化量の相対比率値を算出する脈波処理段階が進行され、前記血圧算出段階は、前記相対比率値を利用して前記血圧値を算出することを特徴とする請求項20乃至請求項22のうちで何れか一つに記載の血圧測定方法。
【請求項25】
前記血圧算出段階は、
前記相対比率値の最高値を最高変動圧力値で設定し、前記最高変動圧力値を基準で最高血圧と最低血圧を決定することを特徴とする請求項24に記載の血圧測定方法。
【請求項26】
前記血圧算出段階以前に、前記センサー部によって測定される前記変動圧動脈波に前記人体動脈波をマッピングしてマッピング動脈波を算出する脈波処理段階が進行され、前記血圧算出段階は、前記マッピング動脈波を利用して前記血圧値を算出することを特徴とする請求項20乃至請求項22のうちで何れか一つに記載の血圧測定方法。
【請求項27】
前記脈波処理段階は、前記変動圧動脈波の変形時間支点を基準で前記人体動脈波をマッピングして前記マッピング動脈波を算出することを特徴とする請求項26に記載の血圧測定方法。
【請求項28】
前記センサー部によって前記変動圧動脈波の測定がなされる中に前記変動圧動脈波の測定部位に対する加圧力を調節するための圧力変動段階をさらに含むことを特徴とする請求項20乃至請求項22のうちで何れか一つに記載の血圧測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧計及び血圧測定方法に関するものであり、より詳細には、短い時間の間の動脈波を検出して早く血圧値を算出することができる血圧測定システム及びこれを利用した血圧測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、血液が血管の壁に及ぶ圧力をはかったことを血圧と言って、心臓は1分に略60乃至80回収縮と拡張を繰り返す。心臓が収縮して血を押し出す時血管に及ぶ圧力を‘収縮血圧’と言って一番高いために‘最高血圧’と言う。また、心臓が拡張されながら血液を受け入れる時血管圧力を‘拡張血圧’と言って一番低いために‘最低血圧’と言う。
【0003】
普通正常人の血圧は収縮血圧が120mmHgであり、拡張血圧は80mmHgを示す。韓国成人の4人の中で1人以上が高血圧に該当し、40歳以後からはこの比率が急激に増加する趨勢を見せているし、反対に低血圧で分類された患者もある。
【0004】
前記高血圧が問題になることは高血圧を適切に管理しないで捨ておく場合眼疾患、腎臓疾患、動脈疾患、脳疾患、心臓疾患のような生命に脅威を加えることがある他の合併症らの原因になることがあるため、合併症の危険があるか、または合併症を有した患者の場合持続的な血圧の測定と管理がなされなければならない。
【0005】
前述した高血圧など成人病関連疾患と健康に対する関心が増加することによって多様な種類の血圧測定装置が開発されている。血圧測定方式には聴診(Korotkoff sounds)方式、オシロメトリック(oscillometric)方式、及びトノメトリック(tonometric)方式などがある。
【0006】
前記聴診方式は典型的な圧力測定方式であり、動脈血が経つ身体部位に十分な圧力をかけて血液の流れを遮断した後減圧する過程で、初めで脈搏音が聞こえる瞬間の圧力を収縮期血圧(systolic pressure)で測定し、脈搏音が消える瞬間の圧力を拡張期血圧(diastolic pressure)で測定する方法である。
【0007】
そして、前記オシロメトリック方式とトノメトリック方式はデジタル化された血圧測定装置に適用される方式である。前記オシロメトリック方式は聴診方式と同じく動脈の血流が遮られるように動脈血が経つ身体部位を充分に加圧した後一定速度で減圧する過程、または前記身体部位を一定速度で増圧されるように加圧する過程で発生する脈波を感知して収縮期血圧と拡張期血圧を測定する。
【0008】
ここで、脈波の振幅が最大である瞬間と比べて一定水準である時の圧力を収縮期血圧または拡張期血圧で測定することもできて、前記脈波振幅の変化率が急激に変化される時の圧力を収縮期血圧または拡張期血圧で測定することもできる。
【0009】
そして、加圧後一定速度で減圧する過程では前記脈波の振幅が最大である瞬間より先立って収縮期血圧が測定され、前記脈波の振幅が最大である瞬間より後に拡張期血圧が測定される。これと反対に、一定速度で増圧する過程では前記脈波の振幅が最大である瞬間より後で収縮期血圧が測定され、前記脈波の振幅が最大である瞬間より先立って拡張期血圧が測定される。
【0010】
前記トノメトリック方式は、動脈の血流を完全に遮断しない大きさの一定圧力を身体部位に加えて、この時発生される脈波の大きさ及び形態を利用して連続的に血圧を測定することができる方式である。
【0011】
前述したように多様な方式で血圧を測定する装置、すなわち、血圧計は健康指数の基本になる血圧を測定するための最も基本的な医療機器として、一般病院にはほとんど必須に具備されているだけではなく、家庭やスポーツセンターなどでも個人の血圧測定のためにたくさん使用されている。
【0012】
現在使用されている大部分の血圧計は心臓高さと類似な上腕で測定するようになっているが、携帯及び測定の便利さのために手首や指などのような身体部位で血圧を測定することができる製品も開発されている。前述した手首血圧計または指血圧計は上腕血圧計に比べて大きさが小さくて携帯が便利で随時測定に容易な長所を有している。
【0013】
一方、動脈波を利用して血圧を測定する従来の血圧計、例えば、オシロメトリック方式の血圧計はいくつかの動脈パルスを検出して血圧を測定することに血圧測定に所要される時間が40秒以上所要される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、血圧を測定する血圧計に関するものであり、2種のタイプの動脈波を検出して血圧値を早く算出することができる血圧測定システム及びこれを利用した血圧測定方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一形態は、人体動脈波と変動圧動脈波の検出のためのセンサー部と、及び前記センサー部によって検出される前記人体動脈波と変動圧動脈波を利用し、血圧値を算出する血圧算出部を含む血圧測定システムとして、前記センサー部が、前記変動圧動脈波の検出のために変動圧力が加えられる部位で脈波を感知することができる血圧測定システムを提供する。
【0016】
より具体的には、前述した本発明の一形態は、人体の一部位から動脈波の検出が可能であり、変動圧力が加えられる他の一部位から変動圧動脈波の検出が可能なセンサー部と、前記センサー部によって検出される前記人体動脈波と変動圧動脈波を利用し、血圧値を算出する血圧算出部を含む血圧測定システムを提供する。
【0017】
前記センサー部は、お互いに異なる位置で同時に前記人体動脈波と変動圧動脈波の測定が可能である。前記センサー部は、前記人体動脈波を検出するための第1センサー、及び前記第1センサーと異なる位置で前記変動圧動脈波を検出するための第2センサーを含む。
【0018】
前記第2センサーは、圧力センサーで構成されることができる。より具体的には、エア圧力センサーが前記第2センサーで適用されることができる。そして、前記第2センサーは、前記第1センサーとお互いに異なる位置で前記変動圧動脈波を検出することができる。
【0019】
前記センサー部は、最低血圧以下で前記人体動脈波を感知する第1センサーと、最低血圧以上の脈波を有する前記変動圧動脈波を感知する第2センサーを含むことができる。
【0020】
前記血圧測定システムは、前記センサー部によって測定される人体動脈波の変化量対比前記変動圧動脈波の変化量の相対比率値を算出する脈波処理部をさらに含むことができる。この時、前記血圧算出部は、前記相対比率値を利用して前記血圧値を算出することができる。例えば、前記血圧算出部は、前記相対比率値の最高値を最高変動圧力値で設定し、前記最高変動圧力値を基準で最高血圧と最低血圧を決定することができる。
【0021】
前記血圧測定システムは、前記センサー部によって測定される前記変動圧動脈波に前記人体動脈波をマッピングしてマッピング動脈波を算出する脈波処理部をさらに含むこともできる。この時、前記血圧算出部は、前記マッピング動脈波を利用して前記血圧値を算出することができる。例えば、前記脈波処理部は、前記変動圧動脈波の変形時点を基準で一定位置に前記人体動脈波をマッピングして前記マッピング動脈波を算出することができる。
【0022】
前記血圧測定システムは、前記変動圧動脈波の測定部位に前記変動圧力をかけるための加圧装置をさらに含むこともできる。
【0023】
前記加圧装置は、前記変動圧力の発生のために昇圧または減圧可能であり、前記センサー部は、前記加圧装置による昇圧または減圧中に前記変動圧動脈波を感知、すなわち、測定することができる。
【0024】
前記加圧装置は、圧迫帯と空気袋と絞り装置と熱膨脹素材と形状変形合金とホールとソレノイドバルブとエアポンプでなされるグループで選択される一つ以上を含むことができる。言い替えれば、圧迫帯と空気袋と絞り装置と熱膨脹素材と形状変形合金とホールとソレノイドバルブとエアポンプ中の一つまたは2以上の適切な組合によって前記加圧装置が具現されることができる。
【0025】
そして、前記センサー部は、圧力センサーと光センサーと血管のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサーでなされたグループで選択されるセンサーを含むことができる。言い替えれば、圧力センサーと光センサーと血管のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサーなどのような少なくとも一つのセンサーが前記センサー部の具現が適用されることができる。
【0026】
前記圧力センサーは、空気圧センサーとフィルム型圧力センサーとストレーンゲージ(Strain Gauge)などでなされたグループで選択されるセンサーを含むことができる。
【0027】
前記センサー部は、お互いに異なる部位でそれぞれ動脈波の検出が可能な第1センサーと第2センサーを含み、前記第1センサーと第2センサーのうちで何れか一つは変動圧力下にある部位で前記変動圧動脈波を測定するセンサーで適用されることができる。前記センサー部、例えば、前記第1センサーは等圧下にある部位で前記人体動脈波を測定することができる。
【0028】
本発明の他の一形態は、動脈波の検出のためのセンサー部を有する血圧測定システムを利用した血圧測定方法として、血圧を算出するプロセッサ(Processor)が、前記センサー部によって検出される人体動脈波と変動圧動脈波を利用して血圧を計算する血圧算出段階を含む血圧測定方法を提供する。
【0029】
前記血圧測定方法は、前記センサー部を利用して前記人体動脈波と変動圧動脈波を検出する脈波検出段階をさらに含むことができる。前記脈波検出段階は、前記人体動脈波と変動圧動脈波を同時に、すなわち、同一時間帯で検出することができる。
【0030】
前記血圧算出段階以前に、前記センサー部によって測定される人体動脈波の変化量対比前記変動圧動脈波の変化量の相対比率値を算出する脈波処理段階が進行されることができるし、前記血圧算出段階は、前記相対比率値を利用して前記血圧値を算出することができる。例えば、前記血圧算出段階は、前記相対比率値の最高値を最高変動圧力値で設定し、前記最高変動圧力値を基準で最高血圧と最低血圧を決定する段階を含むことができる。
【0031】
前記血圧算出段階以前に、前記センサー部によって測定される前記変動圧動脈波に前記人体動脈波をマッピングしてマッピング動脈波を算出する脈波処理段階が進行されることもでき、前記血圧算出段階は、前記マッピング動脈波を利用して前記血圧値を算出する段階を含むことができる。例えば、前記脈波処理段階は、前記変動圧動脈波の変形時点を基準で一定位置に前記他の動脈波をマッピングして前記マッピング動脈波を算出する段階を含むことができる。
【0032】
前記血圧測定方法は、前記センサー部によって前記変動圧動脈波の測定がなされる中に前記変動圧動脈波の測定部位に対する加圧力を調節するための圧力変動段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、人体の一部位で検出される人体動脈波と変動圧力が加えられる人体の他の部位で検出される動脈波(変動圧動脈波)から血圧値を計算して出力することができるので、従来のオシロメトリック方式血圧計が血圧測定に40秒以上の時間が所要されるのに比べてさらに早く血圧を計算して正確な血圧値を算出することができるし、それによって血圧計算に所要される時間が大きく減少されることができる。そして、本発明によれば、人体動脈波と変動圧動脈波で構成される2種の波形から獲得可能な相対比率値やマッピング動脈波を利用して、易しくて単純な処理過程を通じて血圧値が算出されることができるので、複雑な血圧計算アルゴリズムが要求されない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明の特徴及び長所らは後述される本発明の実施例に対する詳細な説明とともに次に説明される図面らを参考してさらによく理解される。
図1】本発明による血圧測定システムの構成を示したブロック図である。
図2】本発明による血圧測定システムの一実施例を概略的に示した図面である。
図3図2に示された血圧測定システムによる血圧測定方式を示した図面である。
図4】本発明による血圧測定システムの他の実施例を概略的に示した図面である。
図5図4に示す血圧測定システムによる血圧測定方式を示した図面である。
図6】本発明による血圧測定システムの他の実施例を概略的に示した図面である。
図7図6に示す血圧測定システムによる血圧測定方式を示した図面である。
図8】本発明による血圧測定システムの他の実施例を概略的に示した図面である。
図9】本発明による血圧測定システムの他の実施例を概略的に示した図面である。
図10】本発明による血圧測定システムの他の実施例を概略的に示した図面である。
図11】本発明による血圧測定方法の一実施例を概略的に示したフローチャートである。
図12】本発明による血圧測定方法の一実施例を説明するためのグラフである。
図13】本発明による血圧測定方法の他の実施例を概略的に示したフローチャートである。
図14】本発明による血圧測定方法の他の実施例を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の目的が具体的に実現することができる本発明の望ましい実施例らが添付された図面を参照して説明される。本実施例らを説明するにおいて、同一構成に対しては同一名称及び同一符号が使用されてこれによる付加的な説明は下記で省略される。
【0036】
本明細書で使用される用語は、本発明の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。例えば、“第1”と“第2”などのように序数を含む用語は、同一名称の構成要素らを説明する時これらを相互区分することに使用されることができるが、構成要素の数を定義するか限定するものではない。
【0037】
そして、ある構成要素が異なる構成要素に“連結されて”いるか、または“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在する連結関係、すなわち、間接的に連結される関係も含むと理解されなければならないであろう。
【0038】
本明細書で、“含む”または“有する”などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味することであり、一つまたはその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在、すなわち、付加可能性を排除しないことで理解されなければならない。
【0039】
図1乃至図10を参照すれば、本発明の実施例らは、人体動脈波のような身体の動脈波と変動圧動脈波を検出するためのセンサー部100と、前記センサー部100で検出される信号、すなわち、前述した人体動脈波と変動圧動脈波から血圧を算出する血圧算出部200を含む血圧測定システム及びこれを利用した血圧測定方法に関するものである。本発明による血圧測定システムの一実施例のためのセンサー部100は、前述した変動圧動脈波の検出のために変動圧力が加えられる部位で脈波の感知が可能な構成、すなわち、変動圧力下にある部位で変動圧動脈波を検出することができる構成要素である。
【0040】
より具体的には、前述した本発明の一実施例による血圧測定システムのセンサー部100は、人体の一部位から動脈波の検出が可能であり、変動圧力が加えられる他の一部位から変動圧動脈波の検出が可能な生体信号感知部である。そして、前記血圧算出部200は、前記センサー部200によって検出される信号(人体動脈波と変動圧動脈波)を利用して、血圧値を算出する構成要素である。
【0041】
前記センサー部100は前述した人体動脈波と変動圧動脈波をお互いに異なる位置で同時に測定することができる。このために、前記センサー部100は、前述した人体動脈波を検出するための第1センサー110と、前記変動圧動脈波を検出するための第2センサー120を含むことができるし、前記第2センサー120は前記第1センサー110と異なる位置で生体信号、すなわち、前述した変動圧動脈波を測定する。
【0042】
言い替えれば、前記第1センサー110と第2センサー120は、身体のお互いに異なる位置で同時に前述した動脈波(人体動脈波)と変動圧動脈波をそれぞれ測定する。例えば、前記第1センサー110は等圧下にある部位、より具体的には一定な圧力が加えられる部位で動脈波を検出する。そして、前記第2センサー120は第1センサー110の測定位置と異なる部位で前述した変動圧動脈波を検出する。この時前記第2センサー120は、変動圧力が加えられる部位、すなわち、外部で加えられる力が変化される部位で前述した変動圧動脈波を検出する。
【0043】
本発明の実施例らで、前記センサー部100は、1個の動脈波を等圧下の部位で測定し、他の1個の変動圧動脈波を変動圧、すなわち、圧力変動環境下にある部位で測定する。すなわち、前記センサー部100は等圧下にある部位(例えば、一定な圧力で加圧されるか、または外力が加えられない部位)で前述した人体動脈波の検出が可能であり、変動圧力下にある部位で前述した変動圧動脈波の検出が可能である。そして、前述した第1センサー110と第2センサー120によって前記動脈波と変動圧動脈波が同時、すなわち、同一時間帯に検出されることができる。勿論、同一位置で順次に人体動脈波と変動圧動脈波が測定されることもできる。
【0044】
前述したように、前記センサー部100はお互いに異なる部位でそれぞれ動脈波の検出が可能な第1センサー110と第2センサー120を含み、前記第1センサーと第2センサーのうちで何れか一つは変動圧力下にある部位で前記変動圧動脈波を測定することができるし、本実施例では変動圧動脈波の検出センサーが第2センサー120に適用された例である。
【0045】
前記動脈波(人体動脈波)は最低血圧以下で測定され、前記変動圧動脈波は最低血圧以上の脈波を含むことができる。前記人体動脈波は、動脈に加えられる外部圧力が最低血圧以下の状態で測定される脈波、例えば、外部圧力によって動脈波が変形されない状態で測定される脈波になることができる。そして、変動圧動脈波は、動脈に加えられる外部圧力が最低血圧以上の状態で測定される脈波、例えば、外部圧力によって動脈波が変形された状態で測定される脈波になることができる。
【0046】
前記第1センサー110と第2センサー120としては、圧力センサーと光血流測定機(PPGセンサー)などのような光センサーと血管のインピーダンス(Impedance)を測定するインピーダンスセンサーなどのセンサーが適用されることができる。そして、前記圧力センサーでは、空気圧センサーとフィルム型圧力センサーとストレーンゲージ(Strain Guage)のうちで、少なくとも何れか一つを含むことができる。前述したセンサーら自体は公知されたものであるので、それに対する付加的な説明は省略される。
【0047】
そして、前記血圧算出部200は、後述されるように相対比率値やマッピング動脈波を利用して血圧値を算出する。
【0048】
より具体的に説明すれば、本実施例による血圧測定システムには、前記動脈波(人体動脈波)と変動圧動脈波から、前述した相対比率値やマッピング動脈波を算出する脈波処理部300が具備される。
【0049】
すなわち、前記脈波処理部300は、前記センサー部100によって測定される人体動脈波の変化量対比前記変動圧動脈波の変化量の比率値、すなわち、前述した相対比率値を算出することができる。
【0050】
そして、前記血圧算出部200は、前述した相対比率値を利用して血圧値を算出することができる。例えば、前記血圧算出部200は、前記相対比率値の最高値を最高変動圧力値で設定し、前記最高変動圧力値を基準で最高血圧と最低血圧を決定することができる。
【0051】
他の例として、前記脈波処理部300は、前記センサー部100によって測定される前記変動圧動脈波に前記人体動脈波をマッピングして前述したマッピング動脈波を算出することもできる。この時、前記血圧算出部200は、前記マッピング動脈波を利用して前記血圧値を算出することができる。より具体的に説明すれば、前記脈波処理部300は、前記変動圧動脈波の変形時点を基準で、前記変動圧動脈波に前記人体動脈波をマッピングして前記マッピング動脈波を算出することができる。
【0052】
前記血圧測定システム10は、前記変動圧動脈波の測定部位、すなわち、前記第2センサー120による信号検出がなされる部位(前述した第2センサーの測定位置)に変動圧力をかけるための加圧装置400をさらに含むことができる。
【0053】
後述される第1実施例のように、被検者が自ら第2センサー120による測定部位を徐々に加圧するか、または押して減圧しながら手作業で変動圧力を具現することもできて、前述した加圧装置400によって自動で変動圧力が具現されることもできる。
【0054】
前記加圧装置400は前述した変動圧力の発生のために昇圧(被検部に対する加圧力を増加させる)または減圧(被検部に対する加圧力を減少させる)可能であり、前記センサー部100、特に、前記第2センサー120は、前記加圧装置400による被検部(第2センサーの測定位置)の昇圧または減圧途中に前述した変動圧動脈波を感知する。
【0055】
前記加圧装置400は、被検部を押す圧迫帯、被検部(変動圧動脈波の検出部位)を締めるための絞り器(例えば、大韓民国公開特許第10-2018-0019325号及び第10-2017-0042118号に開示された絞り装置)、空気袋410、後述される実施例らの図面参照)、エアポンプ、熱膨脹素材、形状合金などのような形状変形合金、給気や排気用ホール(Hole)、ソレノイドバルブのような構成らのうちで何れか一つの構成またはこれらの組合による構成らを含むことができる。
【0056】
前記加圧装置400には、前記空気袋410に空気を案内する通路と前記空気袋の空気を排出する排気口(排気用ホール)などを開閉するためのバルブ(図示せず)が具備されることができる。
【0057】
前記第2センサー120は、前記加圧装置400による被検部の昇圧または減圧過程に前述した変動圧2動脈波を測定する。例えば、前記第2センサー120は、被検部が前記加圧装置400によって一定な比率で昇圧または減圧される過程で前記変動圧動脈波を測定することができる。より具体的な例としては、被検部(第2センサーの測定位置)を押す空気袋410がエアポンプの給気作用によって徐徐に膨張されるか、またはエアポンプによって膨張された空気袋410から徐徐に排気(Air Discharge)がなされる途中に前記第2センサー120による変動圧動脈波の測定がなされる。
【0058】
前述したように、第1センサー110による人体動脈波の検出と第2センサー120による変動圧動脈波の検出がなされると、前記脈波処理部300は人体動脈波と変動圧動脈波を利用して相対比率値やマッピング動脈波を獲得し、前記血圧算出部200は前述した相対比率値やマッピング動脈波から血圧値を算出する。
【0059】
前述した相対比率値を利用する場合、前記血圧算出部200は、前記相対最高値を最高変動圧力値を決定する。そして、前記血圧算出部200は、前記最高変動圧力値を基準で最高血圧と最低血圧を決定する。
【0060】
そして、前述したマッピング動脈波を利用する場合、前記血圧算出部200は、前記変動圧動脈波の測定時動脈波の変形時間支点(図14の一番上に図示されたグラフでaとbの時間支点)を基準で前記人体動脈波をマッピングして前記マッピング動脈波を算出し、前述したマッピング動脈波を利用して血圧を算出する。より具体的には、前記血圧算出部200は、前記マッピング動脈波の最高値を最高血圧で決定し、前記マッピング動脈波の最低値を最低血圧で決定する。
【0061】
前記センサー部100、すなわち、第1センサー110と第2センサー120はプロセッサ(Processor)、すなわち、制御部(C)によって制御され、前記加圧装置400も前述した制御部(C)によって制御されることで、後述される空気袋の充空及び排気が遂行されることもできる。そして、前述した方式で算出された血圧値、例えば、最高血圧と最低血圧はデジタルモニターなどのような血圧出力部500に表示される。
【0062】
以下、図2乃至図10を参照して本発明による血圧測定システムの具体的な実施例らが説明される。
【0063】
先ず、図2及び図3を参照すれば、本発明による血圧測定システムの第1実施例10は指で動脈信号、すなわち、人体動脈波と変動圧動脈波を検出する血圧計として、前述した第1センサー110が光センサーでなされて、前述した第2センサー120がフィルム型圧力センサーでなされた例である。前記第1センサー110は指パッド101に配置されることができる。
【0064】
被検者は、第1センサー110(光センサー)が配置された部位と第2センサー120(フィルム型圧力センサー)が配置された部位に指(F1、F2)をそれぞれ乗せた後、一つの指(F1)をあげて一定な圧力で接触させ、第2センサー120(フィルム型圧力センサー)が配置された部位に上げられた指(F2)を徐徐に押しながら圧力を高める。このような過程中に、前記第1センサー110は人体動脈波を検出し、前記第2センサー120は変動圧下で変動圧動脈波を検出する。
【0065】
前記指パッド101は指のまわりに絡められて固定可能なバンドタイプで提供されることもでき、前記第2センサー120もバンドタイプで指に固定されることができる。
【0066】
次に、図4及び図5を参照すれば、本発明による血圧測定システムの第2実施例(10A)も指で動脈の信号を検出する血圧計として、前述した第1センサー110が光センサーでなされて、前述した第2センサー120が空気圧センサーでなされた例であり、前記第2センサー120が空気袋410に具備される。前記第1センサー110と第2センサー120は前述した実施例のように指にバンドタイプで絡められて固定されることができる。
【0067】
被検者は第1センサー110(光センサー)が配置された部位に一つの指(F1)をあげて接触させ、他の指(F2)で第2センサー120(空気圧センサー)が配置された空気袋410を押す。被検者は指(F2)で前記空気袋410を所定圧力、例えば、300mmHgの圧力になるように押した状態で前記空気袋410のエアホール(図示せず)で排気がなされて、このような排気過程で前記第2センサー120(空気圧センサー)による変動圧動脈波の検出が遂行される。前記空気袋のエアホール、すなわち、排気ホールには流量調節のためのリニアバルブが具備されることができる。
【0068】
そして、前述した方式で第1実施例10と第2実施例(10A)によって動脈波と変動圧動脈波の測定がなされると、前述した脈波処理部300によって相対比率値やマッピング動脈波が獲得され、前記血圧算出部200が前述した相対比率値やマッピング動脈波を利用して血圧を算出する。
【0069】
図6及び図7を参照すれば、本発明による血圧測定システムの第3実施例(10B)は上腕カフ型血圧計として、人体動脈波の検出のための第1センサー110と変動圧動脈波の検出のための第2センサー120を含み、前記第1センサー110は光センサーでなされて、第2センサー120は空気圧センサーでなされた例である。
【0070】
前記第1センサー110と第2センサー120は、上腕に着用されるカフベルト600に具備される。より具体的に説明すれば、前記カフベルト600には空気袋410が具備され、前記空気袋410は手動または自動ポンピング機構(エアポンプ)によって充空されることがある。そして、前記第2センサー120、すなわち、空気圧センサーは前記空気袋410に具備され、前記第1センサー110は空気袋410の外部領域、すなわち、空気袋410の圧力によって影響を受けない部位に具備される。
【0071】
前記カフベルト600に具備される、いわゆる、面ファスナー610やボタン、その他のベルト固定手段を利用して前述した上腕カフ型血圧計が被検者の上腕に着用された後に、被検者の上腕が圧迫されるように前記空気袋410に空気が満たされ、前記第1センサー110による測定部位、例えば、心臓高さの部位はカフベルト600から圧力が加えられないか、または一定な圧力、例えば、絞り力の変動なしに弱い力でカフベルトに単純接触された状態であり、第2センサー120による測定部位は空気袋410によって圧迫された状態になる。
【0072】
その後、前記空気袋410の排気によって一定の比率で徐徐に被検部に対する減圧がなされて、このような排気過程で第1センサー110は人体動脈波(光動脈波)を検出し、同時に前記第2センサー120(空気圧センサー)による変動圧動脈波の検出が遂行される。
【0073】
そして、前述した方式で第3実施例によって人体動脈波と変動圧動脈波の測定がなされると、前述した脈波処理部300によって相対比率値やマッピング動脈波が獲得され、前記血圧算出部200が前述した相対比率値やマッピング動脈波を利用して血圧を計算する。
【0074】
次に、図8を参照すれば、本発明による血圧測定システムの第4実施例は、手首血圧計(10C)として、人体動脈波の検出のための第1センサー110と変動圧動脈波の検出のための第2センサー120を含み、前記第1センサー110は光センサーでなされて、第2センサー120は空気圧センサーでなされた例である。
【0075】
前記第1センサー110と第2センサー120は、手首に着用される手首カフ700、すなわち、手首ストラップに具備される。より具体的に説明すれば、前記手首カフ700には空気袋410が具備され、前記空気袋410は手動または自動ポンピング機構(エアポンプ)によって充空されることがある。そして、前記第2センサー120、すなわち、空気圧センサーは前記空気袋410に具備され、前記第1センサー110は空気袋410の外部領域、すなわち、空気袋410の圧力によって影響を受けない部位、例えば、血圧値を出力するディスプレイ装置(血圧出力部)用ケース710の下側に具備される。前記手首カフ700は面ファスナーやボタンやバックルなどのストラップ装着脱装手段720によって連結される。
【0076】
前述した手首血圧計(10C)が被検者の手首に着用された後に、被検者の手首が局所的に圧迫(例えば、腰骨動脈や尺骨動脈が経つ部位の圧迫)されるように前記空気袋410に所定圧力まで空気が満たされる。その後、前記空気袋410の排気によって一定の比率で徐徐に減圧がなされて、このような排気過程で第1センサー110は人体動脈波(光動脈波)を検出し、同時に前記第2センサー120(空気圧センサー)による変動圧動脈波の検出が遂行される。
【0077】
そして、前述した方式で第4実施例によって人体動脈波と変動圧動脈波の測定がなされると、前述した脈波処理部300によって相対比率値やマッピング動脈波が獲得され、前記血圧算出部200が前述した相対比率値やマッピング動脈波を利用して血圧を計算する。
【0078】
図9を参照すれば、本発明による血圧測定システムの第5実施例(10D)は患者監視装置方式で具現された血圧測定システムとして、監視モニター800に連結されて相互別に分離された酸素飽和度測定機900と上腕カフ600を含み、前記上腕カフ600には空気袋410と空気圧センサー120、すなわち、第2センサーが具備される。
【0079】
前記酸素飽和度測定機900は、酸素飽和度測定のためのセンサー、例えば、光センサー(第1センサー)110を利用して人体動脈波を測定し、前記上腕カフ600は被検者の上腕に着用されるベルト(Belt)として、上腕カフ600、すなわち、カフベルトに具備される空気袋と空気圧センサーによって前述した第3実施例と等しい方式で変動圧動脈波が測定される。すなわち、本実施例では前記上腕カフ600に空気袋と第2センサーが具備できるが、第1センサーはないし、酸素飽和度測定機が第1センサーの機能をする。
【0080】
そして、前述した方式で第5実施例によって人体動脈波と変動圧動脈波の測定がなされると、前述した脈波処理部300によって相対比率値やマッピング動脈波が獲得され、前記血圧算出部200が前述した相対比率値やマッピング動脈波を利用して血圧を計算する。
【0081】
次に、図10を参照すれば、本発明による血圧測定システムの第6実施例(10E)は上腕カフ型血圧計として、人体動脈波の検出のための第1センサー110と変動圧動脈波の検出のための第2センサー120を含み、前記第1センサー110と第2センサー120がそれぞれ空気圧センサーでなされた例である。
【0082】
前記第1センサー110と第2センサー120は、上腕に着用されるカフベルト600に具備される。より具体的に説明すれば、前記カフベルト600には第1空気袋410が具備され、前記第1空気袋410は手動または自動ポンピング機構(エアポンプ)によって充空されることがある。そして、前記第2センサー120、すなわち、空気圧センサーは前記第1空気袋410に具備され、前記第1センサー110は第1空気袋410の外部領域、すなわち、空気袋410の圧力によって影響を受けない部位に具備される。
【0083】
本実施例では前記カフベルト600に別途の空気袋、すなわち、第2空気袋420が具備され、前記第1センサー110は前記第2空気袋420に具備される。
【0084】
前記カフベルト600に具備される、いわゆる、面ファスナー610やボタン、その他のベルト固定手段を利用して前述した上腕カフ型血圧計が被検者の上腕に着用された後に、被検者の上腕が圧迫されるように前記第1空気袋410と第2空気袋420に空気が満たされる。勿論、前記第2空気袋420はあらかじめ一定量の空気が満たされて密封された構造になることもある。
【0085】
本実施例によれば、前記第1センサー110による測定部位、例えば、心臓高さの部位は前記第2空気袋420によって一定圧力で圧迫された状態になって、第2センサー120による測定部位は、第1空気袋410によって圧迫された状態になる。
【0086】
その後、前記第1空気袋410の排気によって一定の比率で徐徐に被検部(第2センサーの測定部位)に対する減圧がなされて、第2空気袋420の圧力はそのまま維持され、このような排気過程で第1センサー110は人体動脈波(光動脈波)を検出し、同時に前記第2センサー120(空気圧センサー)による変動圧動脈波の検出が遂行される。
【0087】
そして、前述した方式で第6実施例によって人体動脈波と変動圧動脈波の測定がなされると、前述した脈波処理部300によって相対比率値やマッピング動脈波が獲得され、前記血圧算出部200が前述した相対比率値やマッピング動脈波を利用して血圧を計算する。
【0088】
図11及び図12を参照すれば、動脈波を検出するセンサー部を有する血圧測定システムによる血圧測定方法の一実施例は、血圧を算出するプロセッサ(Processor)、すなわち、制御部(C)、特に、前述した血圧算出部200が、前述したセンサー部100によって検出される人体動脈波と変動圧動脈波を利用して血圧値を計算する血圧算出段階を含む。
【0089】
より具体的に説明すれば、本実施例での血圧算出段階は、前述した相対比率値を利用して血圧値を計算する段階を含む。
【0090】
勿論、前述した血圧値の算出のために、前述したセンサー部100によって人体のお互いに異なる位置で前述した人体動脈波と変動圧を検出する脈波検出段階が遂行される。例えば、前述した人体動脈波と変動圧の検出は、同一時間帯で同時に遂行される。
【0091】
前記脈波検出段階は、変動圧動脈波が測定される部位の圧力が昇圧または減圧過程中に前記変動圧動脈波を測定することができる。より具体的には、前記脈波検出段階は、変動圧動脈波が測定される部位の圧力が一定な比率で昇圧または減圧過程に圧力信号を感知して前記変動圧動脈波を検出することができる。
【0092】
本発明による血圧測定方法の第1実施例は、前述したセンサー部100によって検出される人体動脈波の変化量対比変動圧動脈波の変化量の比率、すなわち、前述した相対比率値を算出する脈波処理段階を含む。前記脈波処理段階、すなわち、相対比率値の算出は血圧算出段階の以前に進行され、前記血圧算出段階では前述した相対比率値を利用して前記血圧値を算出する段階が進行される。
【0093】
より具体的に説明すれば、前記血圧算出段階は、前記相対比率値の最高値を最高変動圧力値を決定する。そして、前記最高変動圧力値を基準で最高血圧と最低血圧が決定されることで血圧値の算出がなされる。
【0094】
図12を参照すれば、前述した第2センサー120によって測定される信号、例えば、変動圧力が圧力に対する変動圧動脈波に変換され、第1センサー110では光信号による動脈波が測定される。
【0095】
図12に示されたグラフで一番上側のグラフは、第1センサーによって検出される動脈波、すなわち、人体動脈波を示したグラフである。
【0096】
そして、図12の上から2番目のグラフは、変動圧力環境、例えば、減圧過程で第2センサーによって検出される変動圧動脈波を示したものであり、上から3番目のグラフは動脈波の変化量(人体動脈波の変化量、以下、‘第1変化量’と称する)を示した波形グラフであり、上から4番目のグラフは変動圧動脈波の変化量(以下、‘第2変化量’と称する)を示した波形グラフである。
【0097】
最後に、図12の一番下に示されたグラフは、第1変化量対比第2変化量の相対比率値を示したグラフ、すなわち、相対比率値の波形グラフ(相対比率波)として、相対比率値のうちで一番大きい値(最高値)が最高変動圧力値であり、この値を基準で左右一定支点の値が最高血圧値と最低血圧値になる。
【0098】
言い替えれば本発明の実施例では、人体動脈波と変動圧動脈波を基盤で相対比率値が計算(算出)され、このような相対比率値を利用して血圧計算が遂行される。図12で、tは時間を示して、Pは圧力を示す。
【0099】
次に、図13及び図14を参照すれば、動脈信号を検出するセンサー部を有する血圧測定システムによる血圧測定方法の他の実施例(第2実施例)は、血圧を算出するプロセッサ(Processor)、すなわち、制御部(C)が人体動脈波と変動圧動脈波を利用して血圧値を算出する血圧算出段階を含み、より具体的には、変動圧下で測定される信号、すなわち、変動圧動脈波に人体動脈波をマッピングしてマッピング動脈波を算出し、前記マッピング動脈波を利用して血圧値を計算する。
【0100】
より具体的に説明すれば、本実施例での血圧算出段階は、前述したマッピング動脈波を利用して血圧値を計算する段階を含む。
【0101】
勿論、前述した血圧値の算出のために、前述したセンサー部100によって人体のお互いに異なる位置で前述した人体動脈波と変動圧を検出する脈波検出段階が遂行される。例えば、前述した人体動脈波と変動圧の検出は同一時間帯で同時に遂行される。
【0102】
前記脈波検出段階は、変動圧動脈波が測定される部位の圧力が昇圧または減圧過程中に前記変動圧動脈波を測定することができる。より具体的には、前記脈波検出段階は、変動圧動脈波が測定される部位の圧力が一定な比率で昇圧または減圧過程に圧力信号を感知して前記変動圧動脈波を検出することができる。
【0103】
本発明による血圧測定方法の第2実施例は、前述センサー部100によって検出される変動圧動脈波に人体動脈波をマッピングしてマッピング動脈波を算出する脈波処理段階を含む。前記脈波処理段階、すなわち、マッピング動脈波の算出は血圧算出段階の以前に進行され、前記血圧算出段階では前述したマッピング動脈波を利用して前記血圧値を算出する段階が進行される。
【0104】
前記マッピング動脈波の算出は前記変動圧動脈波の測定時変動圧動脈波の変形時間支点(変形時点)を基準に遂行される。言い替えれば、本実施例は、前記変動圧動脈波の測定時変動圧動脈波の変形時間支点を基準で一定位置に、等圧下で測定される人体動脈波(例えば、光センサーによって検出される動脈波)をマッピングして前記マッピング動脈波を算出し、前述したマッピング動脈波を利用して血圧値を計算する。
【0105】
そして、前記血圧算出段階は、前述したマッピング動脈波の最高値を最高血圧で決定し、マッピング動脈波の最低値を最低血圧で決定する。
【0106】
図14を参照すれば、前述した第2センサー120によって測定される信号、例えば、被検部位の動脈圧力が圧力に対する変動圧動脈波に変換され、第1センサー110では一定な圧力での動脈波、すなわち、人体動脈波が測定される。
【0107】
図14に示されたグラフで一番上側のグラフは、昇圧過程、例えば、前述した空気袋に空気が充填される過程に前述した空気圧センサーなどのような第2センサーで測定される圧力として、空気袋自体の圧力と血管の圧力が共に反映されたグラフであり、aとb支点は変動圧動脈波が変形される時間支点である。
【0108】
そして、図14の上から2番目のグラフは第1センサーによって測定される信号、すなわち、人体動脈波を示したグラフである。
【0109】
次に、図14の一番下に示されたグラフは前述したマッピング動脈波を示したグラフであり、一番上側のグラフ(変動圧動脈波グラフ)の変動圧動脈波の変形時間支点であるaとbに人体動脈波のグラフ(上から2番目のグラフ)の同一時間支点(cとd支点)に重なるように、変動圧動脈波のグラフに人体動脈波グラフを重畳して示したグラフである。このようなマッピング動脈波で最高値が最高血圧で決定されてマッピング動脈波の最低値が最低血圧になる。参照で、2個動脈波のマッピング時に変動圧動脈波のa及びb支点に人体動脈波のcとd支点が正確に重なるために人体動脈波の振幅が調整される。
【0110】
前述したように本発明の実施例らは、前述した2種生体信号、特に、人体動脈波と変動圧動脈波を基盤に獲得される相対比率値とマッピング動脈波を利用して血圧計算を遂行することができるし、マッピングの基準としては変動圧動脈波の変形時間支点が使用される。
【0111】
以上のように本発明による実施例らをよく見たし、前に説明された実施例ら以外にも本発明がその趣旨や範疇から脱することがなしに、他の特定形態で具体化されることができるという事実は該当技術に通常の知識を有した人々には自明なことである。
【0112】
それで、前述した実施例は制限的なものではなく、例示的なもので思われなければならないし、これによって本発明は前述した説明に限定されないで、添付された請求項の範疇及びその同等範囲内で変更されることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、人体の血圧測定のための血圧測定装置及び血圧測定方法に関するものであり、医療機器分野、特に、血圧計関連技術分野に利用可能な発明であり、本発明によれば、動脈波を基盤で早くて正確に血圧値算出がなされることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】