(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(54)【発明の名称】人の健康状態を検出する装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20230420BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
A61B5/00 B
B25J13/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556686
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-19
(86)【国際出願番号】 EP2021056288
(87)【国際公開番号】W WO2021185683
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】102020001954.4
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521181769
【氏名又は名称】フランカ エーミカ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FRANKA EMIKA GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】ハダディン、サイモン
(72)【発明者】
【氏名】イェーネ、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】フォーシロー、ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】ゴルツ、サスキア
(72)【発明者】
【氏名】スペニンガー、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ガブル、サイモン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】カラフェル ガルシア、カルレス
(72)【発明者】
【氏名】マック、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ハウスパーガー、ルーク アントン
【テーマコード(参考)】
3C707
4C117
【Fターム(参考)】
3C707AS09
3C707AS35
3C707BS12
3C707BS13
3C707JS03
3C707JT04
3C707JU12
3C707KS36
3C707KT01
3C707KV04
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3C707MS27
4C117XB02
4C117XD01
4C117XD05
4C117XD06
4C117XD09
4C117XD26
4C117XD37
4C117XE05
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE29
4C117XE37
4C117XE43
4C117XE44
4C117XE45
4C117XE46
(57)【要約】
本発明は、人の健康状態を検出するための装置および方法に関する。人の健康状態を検出するための装置は、以下を備える:ロボットマニピュレータの遠位端で、N≧1かつn=1、2、...、Nである異なる提供エフェクタEFF
n(102)の数Nを交換可能に受け取りかつ取り扱うために設計および構成された、少なくとも1つのロボットマニピュレータRM(101)であって、ここで、エフェクタEFF
n(102)はそれぞれ、k=1、2、...、KおよびK≧1である、選択された活動AKT
kを有効にし;ロボットマニピュレータRM(101)の現在の状態Z
RM(t)およびロボットマニピュレータの遠位端に現在配置されているエフェクタEFF
n(102)の現在の状態Z
EFFn(t)を決定するための第1ユニット(103);ロボットマニピュレータRM(101)の作業領域において選択された活動AKT
kに関連する人の身体部位KTの現在の位置L
KT,AKTk(t)を、特にカスタマイズ可能な方法で決定および/または機械的に指定するための第2ユニット(104);ロボットマニピュレータRM(101)に現在作用しているレンチKW(t)を決定するための第3ユニット(105);それぞれの活動AKT
kの目標データおよび対応する許容偏差を指定する第4ユニット(106);Z
RM(t)、L
KT、AKTk(t)、KW(t)、目標データ、および許容偏差の関数として、活動AKT
kの指定に際してロボットマニピュレータRM(101)を制御するように設計および構成されている制御ユニット(107)であって、許容偏差が超過されるとすぐに、ロボットマニピュレータRM(101)およびその上に現在配置されているエフェクタEFFn(102)が、現在選択されている活動AKT
nに基づいて安全状態SZ
RM(AKT
n)、SZ
EFFn(AKT
n)へ制御可能に配置され、活動AKT
kが行われている間に把握されたサンプルおよび/またはデータがそれぞれのインターフェースでの更なる分析のために提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の健康状態を検出する装置であって:
- 少なくとも1つのロボットマニピュレータRM(101)であって、その遠位端においてN≧1かつn=1、2、...、Nである異なる提供エフェクタEFF
n(102)の数Nを交換可能に受け取りかつ取り扱うために設計および構成され、前記エフェクタEFF
n(102)はそれぞれ、以下のリストから選択される活動AKT
kを有効にし、ここで、k=1、2、...、KおよびK≧1であり:
i.提供されたスワブ(AKT
1)、アプリケータスティック(AKT
2)、スワブスパチュラ(AKT
3)、生検針(AKT
4)を使用して、前記人から微生物学的物質をサンプリングする;
ii.提供された毛細管(AKT
5)を使用して、前記人から毛細管血をサンプリングする;
iii.前記人の医療パラメータ:血圧(AKT
6)、脈拍(AKT
7)、体温(AKT
7)、皮膚電気抵抗(AKT
8)、皮膚の電気伝導度(AKT
9)、皮膚表面の局所電位測定値(AKT
10)、酸素飽和度(AKT
11)、音響センサを用いた聴診(AKT
12)、を記録する;
iv.人全体(AKT
13)、または前記人の選択された領域、例えば外耳道(AKT
14)、咽頭(AKT
15)、指定皮膚領域(AKT
16)、関節(AKT
17)、目(AKT
18)、足(AKT
19)、手(AKT
17)、頭(AKT
18)、首(AKT
19)、腹(AKT
20)、背(AKT
21)について画像データをキャプチャし、
- 前記ロボットマニピュレータRM(101)の現在の状態Z
RM(t)およびその遠位端に現在配置されているエフェクタEFF
n(102)の現在の状態Z
EFFn(t)を決定するための第1ユニット(103);
- 前記ロボットマニピュレータRM(101)の作業領域において選択された活動AKT
kに関連する人の身体部位KTの現在の位置L
KT,AKTk(t)を、特にカスタマイズ可能な方法で決定および/または機械的に指定するための第2ユニット(104);
- 前記ロボットマニピュレータRM(101)に現在作用しているレンチKW(t)を決定するための第3ユニット(105);
- 前記活動AKT
kのそれぞれについて、前記ロボットマニピュレータRMの前記作業領域におけるそれぞれ割り当てられた身体部位KTの目標位置L
KT,SOLL,AKTk、前記ロボットマニピュレータRMの目標動作BEWEG
SOLL,RM,AKTk、ならびに目標動作実行中の前記ロボットマニピュレータRM(101)と前記身体部位KTとの間の相互作用INT
SOLL,AKTk(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)の目標力および前記エフェクタZ
EFFn,SOLL(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)の目標状態、ならびに、対応する許容偏差:ΔL
KT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEG
SOLL,AKTk,erlaubt、ΔINT
SOLL,AKTk,erlaubt(BEWEG
SOLL,RM,AKTk),およびΔZ
EFFn,SOLL,erlaubt(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)、に関する情報およびデータを指定する第4ユニット(106);および、
- Z
RM(t)、L
KT,AKTk(t)、KW(t)、L
KT,SOLL,AKTk(t)、BEWEG
SOLL、AKTk、ΔL
KT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEG
SOLL,AKTk,erlaubt、ΔINT
SOLL,AKTk,erlaubt(BEWEG
SOLL,AKTk)およびΔZ
EFFn,SOLL,erlaubt(BEWEG
SOLL,AKTn)の関数として、活動AKT
kの指定時に前記ロボットマニピュレータRM(101)を制御するよう設計および構成されている制御ユニット(107)、ここで、現在の状態Z
RM(t)、または現在検出されたレンチKW(t)、またはそれから派生する変数、または前記ロボットマニピュレータRM(101)上に現在配置されている前記エフェクタEFF
n(102)の現在の状態Z
EFF(t)から決定される前記ロボットマニピュレータRM(101)の現在の動きが、対応する所定のおよび/または学習した許容偏差を超えるとすぐに、前記ロボットマニピュレータRM(101)およびその上に現在配置されている前記エフェクタEFF
n(102)を、現在選択されている活動AKT
nの関数として安全状態SZ
RM(AKT
n)、SZ
EFFn(AKT
n)に制御可能に配置し、さらに、前記活動AKT
kが行われている間に把握された画像および/または医療パラメータおよび/またはサンプルが、それぞれのインターフェースにおけるさらなる分析のために提供されるように、前記ロボットマニピュレータRM(101)およびその上に現在配置されている前記エフェクタEFF
n(102)を制御する、
を備える、装置。
【請求項2】
前記装置は:
- 検査される前記人に関する個々の医療情報INFO
PERSが以下のリストからの1つ以上の項目で提供される第1データインターフェース(108):
- 既往症;
- アレルギー;
- 家族性疾患;
- 現在の服用薬物;
- 医学的危険因子;
- 過去の診断;
- 現在の診断クエリ;および、
-提供された前記個々の医療情報INFO
PERSに応じて、連続して実行される1つ以上の現在の活動AKT
kを指定するように設計および構成された、AKT
k=AKT
k(INFO
PERS)である、分析ユニット(109)、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1データインターフェース(108)はカードリーダーを含み、前記個々の医療情報INFO
PERSはチップカード(例えば、健康保険証G2)に格納されており、前記カードリーダーはチップカードを読み取るように設計および構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
第2データインターフェース(110)が存在し、これを介して、記録された医療パラメータおよび/または画像データをデータネットワーク内のコンピュータに送信することができる、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第2データインターフェース(110)は、前記コンピュータまたは制御ユニットからデータを受信するように設計されており、データは、前記装置の光学的および/または音響的出力ユニットで出力され、および/または、前記ロボットマニピュレータRM(101)を前記コンピュータから制御することができるようになっている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ロボットマニピュレータRM(101)は、部屋内およびそこにある物体上の微生物学的細菌を殺すための機構がある、密閉可能で温度調節された部屋に組み込まれており、この機構は、前記人の健康状態の検出が終了した後、前記人が部屋を出て、部屋に他の人がいなくなり、部屋が密閉されると自動的に作動されるようになっている、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記機構は、紫外線源および/または室内に散布可能な化学物質および/または超音波源を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ロボットマニピュレータRM(101)は、仕切りで前記人と区切られた部屋に配置され、前記仕切りは開口部を有し、前記制御ユニット(107)は、人の微生物学的物質のサンプルを得るために、前記ロボットマニピュレータRM(101)が、それぞれのスワブまたはそれぞれのアプリケータスティックまたはそれぞれのスワブスパチュラまたはそれぞれの生検針の遠位端のみを前記開口部を介して検査される前記人の身体部位KTの中にガイドするように設計および構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
部屋から離れた方向に面する前記仕切り側の前記開口部は、検査される身体部位を支持および/またはガイドして接触させるための接触装置を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
人の健康状態を検出するための方法であって、その遠位端においてN≧1かつn=1、2、...、Nである異なる提供エフェクタEFF
n(102)の数Nを交換可能に受け取りかつ取り扱うために設計および構成される少なくとも1つのロボットマニピュレータRM(101)を有し、前記エフェクタEFF
n(102)はそれぞれ、以下のリストから選択される活動AKT
kを有効にし、ここで、k=1、2、...、KおよびK≧1である:
- 提供されたスワブ(AKT
1)、アプリケータスティック(AKT
2)、スワブスパチュラ(AKT
3)、生検針(AKT
4)を使用して、人から微生物学的物質をサンプリングする;
- 提供された毛細管(AKT
5)を使用して、人から毛細管血をサンプリングする;
- 前記人の医療パラメータ:血圧(AKT
6)、脈拍(AKT
7)、体温(AKT
7)、皮膚電気抵抗(AKT
8)、皮膚の電気伝導度(AKT
9)、皮膚表面の局所電位測定値(AKT
10)、パルスオキシメトリによる酸素飽和度(AKT
11)、音響センサを用いた聴診(AKT
12)、を記録する;
- 人物全体(AKT
13)、または人物の選択された領域、例えば外耳道(AKT
14)、咽頭(AKT
15)、指定皮膚領域(AKT
16)、関節(AKT
17)、目(AKT
18)、足(AKT
19)、手(AKT
17)、頭(AKT
18)、首(AKT
19)、腹(AKT
20)、背(AKT
21)について画像データをキャプチャし;
以下のステップを有する:
- 前記ロボットマニピュレータRM(101)の現在の状態Z
RM(t)およびその遠位端に現在配置されているエフェクタEFF
n(102)の現在の状態Z
EFFn(t)の決定(201);
- 前記ロボットマニピュレータRM(101)の作業領域において選択された活動AKT
kに関連する人の身体部位KTの現在の位置L
KT,AKTk(t)の、特にカスタマイズ可能な方法での決定(202)および/または機械的な指定;
- 前記ロボットマニピュレータRM(101)に現在作用しているレンチKW(t)の決定(203);
- 前記活動AKT
kのそれぞれについて、前記ロボットマニピュレータRMの前記作業領域におけるそれぞれ割り当てられた身体部位KTの目標位置L
KT,SOLL,AKTk、前記ロボットマニピュレータRMの目標動作BEWEG
SOLL,RM,AKTk、ならびに目標動作実行中の前記ロボットマニピュレータRM(101)と身体部位KTとの間の相互作用INT
SOLL,AKTk(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)の目標力およびエフェクタZ
EFFn,SOLL(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)の目標状態、ならびに、対応する許容偏差:ΔL
KT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEG
SOLL,AKTk,erlaubt、ΔINT
SOLL,AKTk,erlaubt(BEWEG
SOLL,RM,AKTk),およびΔZ
EFFn,SOLL,erlaubt(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)、の指定(204);および、
- Z
RM(t)、L
KT,AKTk(t)、KW(t)、L
KT,SOLL,AKTk(t)、BEWEG
SOLL、AKTk、ΔL
KT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEG
SOLL,AKTk,erlaubt、ΔINT
SOLL,AKTk,erlaubt(BEWEG
SOLL,AKTk)およびΔZ
EFFn,SOLL,erlaubt(BEWEG
SOLL,AKTn)の関数とした、活動AKT
kの指定時の前記ロボットマニピュレータRM(101)の制御(205)、ここで、現在の状態Z
RM(t)、または現在検出されたレンチKW(t)、またはそれから派生する変数、または前記ロボットマニピュレータRM(101)上に現在配置されている前記エフェクタEFF
n(102)の現在の状態Z
EFF(t)から決定される前記ロボットマニピュレータRM(101)の現在の動きが、対応した所定のおよび/または学習した許容偏差を超えるとすぐに、前記ロボットマニピュレータRM(101)およびその上に現在配置されている前記エフェクタEFF
n(102)を、現在選択されている活動AKT
nの関数として安全状態SZ
RM(AKT
n)、SZ
EFFn(AKT
n)に制御可能に配置し、さらに、前記活動AKT
kが行われている間に把握された画像および/または医療パラメータおよび/またはサンプルが、それぞれのインターフェースにおけるさらなる分析のために提供されるように、それぞれ前記ロボットマニピュレータRM(101)およびその上に現在配置されている前記エフェクタEFF
n(102)が制御される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の健康状態を検出する装置および方法に関する。
【発明の概要】
【0002】
感染症、特に感染力の強い病気に罹患している可能性のある人の場合、その人の現在の健康状態の把握に通常携わる医療従事者が、高い感染リスクにさらされることがあることが知られている。
【0003】
本発明の目的は、医療従事者の潜在的な感染リスクをほぼ排除する、人の健康状態を検出するための生体信号を記録する装置および方法を規定することである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明は、独立請求項の特徴から生じるものである。有利な改良および実施形態は、従属請求項の主題である。本発明の他の特徴、用途、および利点は、以下の説明および図に描かれている本発明の例示的な実施形態の考察から明らかになるであろう。
【0005】
本発明の第1の態様は、人の健康状態を検出するための装置に関し、ロボットマニピュレータの遠位端において、N≧1かつn=1、2、...、Nである異なる提供エフェクタEFFnの数Nを交換可能に受け取りかつ取り扱うように設計および構成されている、少なくともロボットマニピュレータRMを含み、エフェクタEFFnはそれぞれ、以下のリストから選択される活動AKTkを有効にし、ここで、k=1、2、・・・、KおよびK≧1である:
- 提供されたスワブ(AKT1)、アプリケータスティック(AKT2)、スワブスパチュラ(AKT3)、生検針(AKT4)を使用して、人から微生物学的物質をサンプリングする;
- 提供された毛細管(AKT5)を使用して、人から毛細管血をサンプリングする;
- 人の医療パラメータ:血圧(AKT6)、脈拍(AKT7)、体温(AKT7)、皮膚電気抵抗(AKT8)、皮膚の電気伝導度(AKT9)、皮膚表面の局所電位測定値(AKT10)、パルスオキシメトリによる酸素飽和度(AKT11)、音響センサを用いた聴診(AKT12)、を記録する;
- 人物全体(AKT13)、または人物の選択された領域、例えば外耳道(AKT14)、咽頭(AKT15)、指定皮膚領域(AKT16)、関節(AKT17)、目(AKT18)、足(AKT19)、手(AKT17)、頭(AKT18)、首(AKT19)、腹(AKT20)、背(AKT21)について画像データをキャプチャする。
【0006】
さらに以下を有する:ロボットマニピュレータRMの現在の状態ZRM(t)およびその遠位端に現在配置されているエフェクタEFFnの現在の状態ZEFFn(t)を決定するための第1ユニット;ロボットマニピュレータの作業領域において選択された活動AKTkに関連する人の身体部位KTの現在の位置(位置/向き)LKT,AKTk(t)を、特にカスタマイズ可能な方法で決定および/または機械的に指定するための第2ユニット;ロボットマニピュレータRMに現在作用しているレンチKW(t)を決定するための第3ユニット;活動AKTkのそれぞれについて、ロボットマニピュレータRMの作業領域におけるそれぞれ割り当てられた身体部位KTの目標位置LKT,SOLL,AKTk、ロボットマニピュレータRMの目標動作BEWEGSOLL,RM,AKTk、ならびに目標動作実行中のロボットマニピュレータRM(101)と身体部位KTとの間の相互作用INTSOLL,AKTk(BEWEGSOLL,RM,AKTk)の目標力およびエフェクタZEFFn,SOLL(BEWEGSOLL,RM,AKTk)の目標状態、ならびに、対応する許容偏差:ΔLKT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEGSOLL,AKTk,erlaubt、ΔINTSOLL,AKTk,erlaubt(BEWEGSOLL,RM,AKTk),およびΔZEFFn,SOLL,erlaubt(BEWEGSOLL,RM,AKTk)、を指定する第4ユニット;および、ZRM(t)、LKT,AKTk(t)、KW(t)、LKT,SOLL,AKTk(t)、BEWEGSOLL、AKTk、ΔLKT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEGSOLL,AKTk,erlaubt、ΔINTSOLL,AKTk,erlaubt(BEWEGSOLL,AKTk)およびΔZEFFn,SOLL,erlaubt(BEWEGSOLL,AKTn)の関数として、活動AKTkの指定時にロボットマニピュレータRMを制御するよう設計および構成されている制御ユニット、を有し、ここで、現在の状態ZRM(t)、または現在検出されたレンチKW(t)、またはそれから派生する変数、またはロボットマニピュレータRM上に現在配置されているエフェクタEFFn(102)の現在の状態ZEFF(t)から決定されるロボットマニピュレータRMの現在の動きが、対応して指定および/または学習した許容偏差を超えるとすぐに、ロボットマニピュレータRMおよびその上に現在配置されているエフェクタEFFnを、現在選択されている活動AKTnに基づいて安全状態SZRM(AKTn)、SZEFFn(AKTn)に制御可能に配置し、さらに、活動AKTkが行われている間に把握された画像および/または医療パラメータおよび/またはサンプルが、それぞれのインターフェースにおいてさらなる分析のために提供されるように、それぞれロボットマニピュレータRMおよびその上に現在配置されているエフェクタEFFnを制御する。
【0007】
本実施例では、「健康状態」という用語は、少なくとも、リストアップされたサンプルおよび記録された医療パラメータおよび/または測定データおよび/または画像データから得られる医療診断を意味すると理解される。
【0008】
本実施例では、ロボットマニピュレータRMは好ましくは、6自由度または7自由度を有する多関節マニピュレータである。また、ロボットマニピュレータRMは、連続体ロボット、パラレルロボット、リニアロボットなど、任意の移動装置とすることができる。ロボットマニピュレータRMは、好ましくは、力制御および/またはインピーダンス制御および/またはアドミタンス制御される。また、電流制御やその他の方法でフレキシブルに制御することも可能である。また、位置制御やフォースフィードバック、フレキシブルなエンドエフェクタEFFnを有することも可能である。ロボットマニピュレータRMは好ましくは、抗菌、殺菌コーティングが施されている。
【0009】
活動「AKTk」という用語は、少なくともAKT1からAKT21までと指定されている診断活動を意味すると理解される。ただし、このリストは網羅的なものではないので、他の診断活動も本発明の概念に含まれる。
【0010】
人から微生物学的物質をサンプリングするためのエフェクタEFFnは、有利にはグリッパとして設計されているので、提供されたスワブ、アプリケータスティック、スパチュラ、または生検針を有利に把持し、指定された目標動作に従って取り扱い、サンプリング終了後に提供されたロック可能容器に配置することができる。
【0011】
人から毛細管血をサンプリングするためのエフェクタEFFnは、有利には、一方では、皮膚を穿刺するための装置と、対応グリッパーとからなり、このグリッパーで、提供された毛細管を把持し、所定の目標動作に従って取り扱い、サンプリングが終了した後に提供されたロック可能容器に配置することができる。
【0012】
人の医療パラメータを検出するためのエフェクタEFFnは、有利には、血圧、心拍数、温度、皮膚電気抵抗、皮膚の電気伝導度、皮膚表面の局所電位、酸素飽和度(特にパルスオキシメトリによる)、および肺や心臓などの聴診(聴診)のための適切なセンサで構成されている。このリストは網羅的なものではない。したがって、超音波センサ、レーザセンサ、X線センサなどの使用による医療パラメータおよびデータの記録などのさらなる活動AKTkは、本発明の概念に含まれる。
【0013】
画像データを取り込むためのエフェクタEFFnは、有利には、カメラセンサ、赤外線センサ、レーザセンサ、超音波センサ、X線センサ、磁気共鳴センサなどの対応する画像センサから構成される。
【0014】
エフェクタEFFnは、有利には、選択された活動AKTkの関数として、ロボットマニピュレータRMの遠位端に手動または自動で結合される。エフェクタEFFnは、有利には、いくつかの異なるセンサを有し、および/または異なる活動AKTkを実行するための器具を有することができる。ロボットマニピュレータRMと、ロボットマニピュレータRMに現在配置されているエフェクタEFFnは、制御部によって制御される。
【0015】
「ロボットマニピュレータRMの状態ZRM(t)」という用語は、ここでは広義に理解される。これは、特に、ロボットマニピュレータRMの動的状態および電気的状態を含む。
【0016】
「エフェクタEFFnの状態ZEFFn(t)」という用語も、本実施例では広義に理解される。これは、特に、エフェクタEFFnの動的状態および電気的状態を含む。
【0017】
本実施例では、ロボットマニピュレータRMの状態ZRM(t)とエフェクタEFFnの状態ZEFFn(t)は、第1ユニットによって決定される。この目的のために、ロボットマニピュレータRMおよびそれぞれのエフェクタEFFnからの対応する情報およびデータが、有利には第1ユニットに送信される。代替的または追加的に、外部のセンサーや観測者などからの情報・データを利用することも可能である。
【0018】
第2ユニットは第1に、ロボットマニピュレータRMの作業領域において選択された活動AKTkに関連する人の身体部位KTの現在の位置(すなわち、位置および向き)LKT,AKTk(t)を決定するため、および/または第2に、ロボットマニピュレータRMの作業領域において選択された活動AKTkに関連する人の身体部位KTの現在の位置LKT,AKTk(t)を、カスタマイズ可能な方法で、機械的に指定するために使用される。
【0019】
第1のケースでは、第2ユニットは、センサー(特に撮像センサー:例えばカメラセンサ、ビデオセンサー、赤外線センサー、超音波センサー、レーザースキャナーなど)および/または距離測定センサー(特に超音波センサー、静電容量センサー、レーザーセンサーなど)からなり、それによって分析すべき身体部位KTの3D位置および3D方向が好ましくは可能である。これらのセンサーは、身体部位KTの現在位置を積極的に検出する。この場合、第1ユニットは、このように、対応する評価プログラム(app)が実行される対応するプロセッサを含む。
【0020】
第2のケースでは、ユニットは、好ましくは、人が機械的接触またはガイド装置上に検査されるべき身体部位KTを所定の位置および向きで配置することができる機械的接触またはガイド装置を含んでいる。この接触装置またはガイド装置は、好ましくは、容易に消毒できる材料で作られているか、または、対応する各検査活動AKTkの前に消耗品として手動または自動で交換され、取り換えられる。
【0021】
接触装置またはガイド装置は、例えば、人が自分の鼻または口の開口部または耳の開口部の1つを、装置の設計および配置によって予め定められた位置および向きに置くように設計することができる。接触装置またはガイド装置によって指定される位置および方向は、好ましくは個別化することができ、好ましくは人が手動で調整することができ、または、第1のケースと第2のケースとの相互作用の場合には、センサーによって記録された人の光学条件に基づいて自動的に個別化(位置決め)することができる。
【0022】
第3ユニットは、ロボットマニピュレータRMに現在作用しているレンチKW(t)、すなわち、力および/またはトルクを決定する。第3ユニットは、有利には、ロボットマニピュレータ上またはエフェクタEFFn上の少なくとも1つの力センサまたは接触検出装置に接続されている。したがって、第3ユニットは、活動AKTkを実行するときに、ロボットマニピュレータRMまたはその上に現在遠位に配置されているエフェクタEFFnと人との間の相互作用の間の相互作用力および相互作用トルクを決定する。AKTkの活動を行う際に、人が怪我をしたり、不必要な痛みを感じたりしないようにするためには、発生したレンチを高い感度と信頼性(頑強性)で決定する必要がある。このため、第3ユニットは、対応する外部プログラム(app)が実行される対応するプロセッサを含む。
【0023】
活動AKTkのそれぞれについて、第4ユニットは、ロボットマニピュレータRMの作業領域における関連する身体部位KTの目標位置LKT,SOLL,AKTk、ロボットマニピュレータRMの目標動作BEWEGSOLL,RM,AKTk、および、目標動作の実行中のロボットマニピュレータRM(101)と身体部位KTとの間の相互作用の目標力INTSOLL,AKTk(BEWEGSOLL,RM,AKTk)とエフェクタの目標状態ZEFFn,SOLL(BEWEGSOLL,RM,AKTk)と、ならびに、関連の許容偏差:ΔLKT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEGSOLL,AKTk,erlaubt、ΔINTSOLL,AKTk,erlaubt(BEWEGSOLL,RM,AKTk)、ΔZEFFn,SOLL,erlaubt(BEWEGSOLL,RM,AKTk)に関する情報およびデータを提供する。第4ユニットは、有利には、対応するデータメモリと、対応するソフトウェア(app)が実行される対応するプロセッサとを含む。
【0024】
提案する装置により、医療従事者を必要とせず、人の健康状態を検出することができる。提案する装置は、完全に自律的に、部分的に自律的に、あるいは遠隔で操作することが可能である。提案する装置は、好ましくは可動式であるため、特に医療危機の地帯に容易に持ち込むことができる。
【0025】
提案された装置の有利な改良点の1つは、装置が第1データインターフェースを有し、それを介し、検査される人に関する個々の医療情報INFOPERSが、以下の(非網羅的な)リストからの情報の1つ以上の項目を含むことを特徴とする:
- 既往症;
- アレルギー;
- 家族性疾患
- 現在の服用薬物;
- 医学的危険因子;
- 過去の診断;
- 現在の診断クエリ。
【0026】
この改良において、装置はまた、提供された個々の医療情報INFOPERSに応じて、連続して実行されるべき1つ以上の現在の活動AKTkを指定するように設計および構成された、分析ユニットを備える:AKTk=AKTk(INFOPERS)。この目的のために、第1データインターフェースは、有利にはカードリーダーからなり、個々の医療情報INFOPERSはチップカード(例えば健康保険証G2)に格納され、カードリーダーはチップカードを読み取るように設計および構成される。また、分析ユニットは、AKTk(INFOPERS)を決定するために、ニューラルネットワークと自己学習アルゴリズムとを有利に使用する。特に、利用可能な病歴情報に基づいて、より的を射た診断計画を立てることができ、その結果、実行すべき活動AKTkを選択することができるようになる。
【0027】
提案された装置の有利な改良点の1つは、記録された医療パラメータおよび/または画像データをデータネットワーク内のコンピュータに送信することができる第2データインターフェースが存在することを特徴とすることである。有利には、第2データインターフェースは、コンピュータから、または制御ユニットから、データまたは指示を受信するようにも設計されており、これらのデータまたは指示は、装置の光学および/または音響出力ユニットに送られ(そして例えば、人への指示に関する)、および/またはコンピュータまたは制御ユニットからロボットマニピュレータRMを制御することができるようにする。
【0028】
提案された装置の有利な改良点の1つは、ロボットマニピュレータRMが、密閉可能な、有利には温度調節された、部屋内およびそこに配置された物体上の微生物学的細菌を殺すための機構を有する部屋に組み込まれていることを特徴とし、この機構は、人の健康状態の検出が終了した後、その人が部屋を出て、他の人が部屋にいなくなり、部屋が閉じられると自動的に作動する。部屋は、有利には、部屋が密閉されていれば、外部から微生物学的細菌が侵入できないように密閉されている。この機構は、有利には、紫外線源および/または室内に散布可能な化学物質および/または超音波源から構成される。この機構が作動すると、次の人が検査されるまでに室内が十分に無菌状態になるように、薬品の塗布量や紫外線源、超音波源の強さが設定される。
【0029】
提案された装置の有利な改良点の1つは、装置は人に光学的および/または音響的な指示を出力するための出力ユニットを有することを特徴とし、指示は、選択された活動AKTkに関連する人の身体部位KTの決定された現在位置(位置/向き)LKT,AKTk(t)の関数として決定され、出力される。このように、出力ユニットは、特に、健康状態の決定中に、人をガイドしたり、情報を提供したりする役割を果たす。
【0030】
提案された装置の有利な改良点の1つは、ロボットマニピュレータRMが、仕切りによって人から隔てられた部屋に配置されていることを特徴とし、仕切りは開口部を有し、制御ユニットは、ロボットマニピュレータRMが、人の微生物学的物質のサンプルを得るために、それぞれのスワブまたはそれぞれのアプリケータスティックまたはそれぞれのスワブスパチュラまたはそれぞれの生検針の遠位端だけを開口部を通して検査されるべき人の身体部位KTに導くように設計および構成される。
【0031】
この部屋はまた、有利には、部屋を閉め切れば外部から微生物学的な細菌が侵入できないように密閉されている。部屋は、有利には、紫外線源および/または部屋に撒くことができる化学物質および/または超音波源を有する機構からなる。この機構が作動すると、室内が十分に無菌状態に保たれるように、薬液の塗布量や紫外線・超音波の強さが設定される。
【0032】
有利には、部屋から離れた方向に面する仕切りの側の開口部には、検査される身体部位の支持および/またはガイドされた接触のための接触装置がある。有利には、開口部は、それぞれのスワブまたはそれぞれのアプリケータスティックまたはそれぞれのスワブスパチュラまたはそれぞれの生検針のガイドスルー遠位端の予め定義された動作制限があるように設計されている。これにより、特に、開口部を通してガイドされる遠位端の可動範囲を機械的に十分に制限し、検査される身体部位に対する損傷を除外できるような、追加の安全フレームワークが作成される。仕切りは、有利には、接触装置を消毒するための機構を有する。
【0033】
本発明のさらなる態様は、人の健康状態を検出するための方法に関し、その遠位端において、N≧1かつn=1、2、...、Nである異なる提供エフェクタEFFnの数Nを交換可能に受け取りかつ取り扱うために設計および構成された、少なくとも1つのロボットマニピュレータRMを含み、エフェクタEFFnはそれぞれ、以下のリストから選択される活動AKTkを有効にし、ここで、k=1、2、...、KおよびK≧1である:
- 提供されたスワブ(AKT1)、アプリケータスティック(AKT2)、スワブスパチュラ(AKT3)、生検針(AKT4)を使用して、人から微生物学的物質をサンプリングする;
- 提供された毛細管(AKT5)を使用して、人から毛細管血をサンプリングする;
- 人の医療パラメータ:血圧(AKT6)、脈拍(AKT7)、体温(AKT7)、皮膚電気抵抗(AKT8)、皮膚の電気伝導度(AKT9)、皮膚表面の局所電位測定値(AKT10)、パルスオキシメトリによる酸素飽和度(AKT11)、音響センサを用いた聴診(AKT12)、を記録する;
- 人物全体(AKT13)、または人物の選択された領域、例えば外耳道(AKT14)、咽頭(AKT15)、指定皮膚領域(AKT16)、関節(AKT17)、目(AKT18)、足(AKT19)、手(AKT17)、頭(AKT18)、首(AKT19)、腹(AKT20)、背(AKT21)について画像データをキャプチャする。
【0034】
本方法は、以下の手順を含む:1つのステップにおいて、ロボットマニピュレータRMの現在の状態ZRM(t)と、その遠位端に現在配置されているエフェクタEFFnの現在の状態ZEFFn(t)とが決定される。さらなるステップにおいて、ロボットマニピュレータRMの作業領域における選択された活動AKTkに関連する人の身体部位KTの現在の位置(位置/向き)LKT,AKTk(t)の決定および/または特にカスタマイズ可能な、機械的仕様が存在する。さらなるステップにおいて、ロボットマニピュレータRMに現在作用しているレンチKW(t)が決定される。さらなるステップにおいて、活動AKTkの各々について、以下が指定される:ΔLKT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEGSOLL,AKTk,erlaubt、ΔINTSOLL,AKTk,erlaubt(BEWEGSOLL,RM,AKTk),およびΔZEFFn,SOLL,erlaubt(BEWEGSOLL,RM,AKTk)。さらなるステップにおいて、活動AKTkの指定時に、ZRM(t)、LKT,AKTk(t)、KW(t)、LKT,SOLL,AKTk(t)、BEWEGSOLL、AKTk、ΔLKT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEGSOLL,AKTk,erlaubt、ΔINTSOLL,AKTk,erlaubt(BEWEGSOLL,AKTk)およびΔZEFFn,SOLL,erlaubt(BEWEGSOLL,AKTn)の関数として、ロボットマニピュレータRMは制御され、ここで、現在の状態ZRM(t)、または現在検出されたレンチKW(t)、またはそれから派生する変数、またはロボットマニピュレータRM上に現在配置されているエフェクタEFFnの現在の状態ZEFF(t)から決定されるロボットマニピュレータRMの現在の動きが、対応する所定のおよび/または学習した許容偏差を超えるとすぐに、ロボットマニピュレータRMおよびその上に現在配置されているエフェクタEFFnを、現在選択されている活動AKTnにの関数として安全状態SZRM(AKTn)、SZEFFn(AKTn)に制御可能に配置する。さらに、ロボットマニピュレータRM(101)およびその上に現在配置されているエフェクタEFFn(102)は、活動AKTkが行われている間に把握された画像および/または医療パラメータおよび/またはサンプルが、それぞれのインターフェースでのさらなる評価のために提供されるように、制御される。
【0035】
提案された方法の有利な改良点の1つは、検査される人に関する個々の医療情報INFOPERSの1つまたは複数の項目が、第1データインターフェースを介して以下のリストから提供されることを特徴とする:
- 既往症;
- アレルギー;
- 家族性疾患
- 現在の服用薬物;
- 医学的危険因子;
- 過去の診断;
- 現在の診断クエリ、および、
- 提供された個々の医療情報INFOPERSに応じて、次々と実行される1つ以上の活動AKTkが指定される:AKTk=AKTk(INFOPERS)。
【0036】
本方法の有利な改良点の1つは、第1データインターフェースがカードリーダーを含むことを特徴とし、個人医療情報INFOPERSは、チップカード(例えば健康保険証G2)に格納され、その中でカードリーダーによって情報INFOPERSが読み取られ、利用可能となる。
【0037】
本方法の有利な改良点の1つは、ニューラルネットワークと自己学習アルゴリズムを用いてAKTk(INFOPERS)を決定することを特徴とする。
【0038】
本方法の有利な改良点の1つは、記録された医療パラメータおよび/または画像データが、第2データインターフェースを介してデータネットワーク内のコンピュータに送信されることを特徴とする。
【0039】
本方法の有利な改良点の1つは、第2データインターフェースが、装置の光学および/または音響出力ユニットに出力されるおよび/またはロボットマニピュレータRMがコンピュータから制御されることを可能にするデータをコンピュータから受信することを特徴とする。
【0040】
本方法の有利な改良点の1つは、ロボットマニピュレータRMが、部屋内およびそこに位置する物体上の微生物学的細菌を殺すための機構を有する、密閉可能で温度調節された部屋に組み込まれていることを特徴とし、この機構は、人の健康状態の検出が終了した後、その人が退室し、他の人が部屋にいなくなり、部屋が閉じられると自動的に作動する。
【0041】
本方法の有利な改良点の1つは、機構が、紫外線源および/または室内に散布可能な化学物質および/または超音波源を含むことを特徴とする。
【0042】
本方法の有利な改良点の1つは、人に光学的および/または音響的な指示を出力するための出力ユニットが存在することを特徴とし、指示は、選択された活動AKTkに関連する人の身体部位KTの決定された現在位置(位置/向き)LKT,AKTk(t)の関数として決定され、出力される。
【0043】
本方法の有利な改良点の1つは、ロボットマニピュレータRMが、仕切りによって人から隔たれた部屋に配置されていることを特徴とし、仕切りは開口部を有し、制御ユニットは、人の微生物学的物質のサンプルを得るために、それぞれのスワブまたはそれぞれのアプリケータスティックまたはそれぞれのスワブスパチュラまたはそれぞれの生検針の遠位端のみが、開口部を介して検査される人の身体部位KTの中にガイドされるように、ロボットマニピュレータRMを制御する。
【0044】
本方法の有利な改良点の1つは、部屋から離れた方向に面する仕切りの側の開口部が、検査される身体部位の支持および/またはガイドされた接触のための接触装置を有することを特徴とする。
【0045】
本方法の有利な改良点の1つは、接触装置が、使用のたびに消毒手段によって自動的に消毒されることを特徴とする。
【0046】
提案された方法の利点と有利な改良点に関しては、提案された方法と関連して上記でなされた記述の類推的かつ対応する移転から生じる。
【0047】
さらなる利点、特徴、および詳細は、以下の説明から明らかになり、その中で、場合によっては図面を参照しながら、少なくとも1つの例示的な実施形態が詳細に説明される。同一、類似、および/または機能的に同一の部品には、同一の参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】
図1は、本装置の高度に概略化された構造である。
【
図2】
図2は、本手法の高度に概略化されたフローチャートである。
【0049】
図1は、人の健康状態を検出するための提案された装置の高度に概略化された構造を示し、以下を含む:少なくとも1つの力および/またインピーダンス制御された多軸ロボットマニピュレータRM101であって、その遠位端において、N≧1かつn=1、2、...、Nである異なる提供エフェクタEFF
n102の数Nを交換可能に受け取りかつ取り扱うために設計および構成された、エフェクタEFF
n102はそれぞれ、以下のリストから選択される活動AKT
kを有効にし、ここで、k=1、2、...、KおよびK≧1である:
- 提供されたスワブ(AKT
1)、アプリケータスティック(AKT
2)、スワブスパチュラ(AKT
3)、生検針(AKT
4)を使用して、人から微生物学的物質をサンプリングする;
- 提供された毛細管(AKT
5)を使用して、人から毛細管血をサンプリングする;
- 人の医療パラメータ:血圧(AKT
6)、脈拍(AKT
7)、体温(AKT
7)、皮膚電気抵抗(AKT
8)、皮膚の電気伝導度(AKT
9)、皮膚表面の局所電位測定値(AKT
10)、パルスオキシメトリによる酸素飽和度(AKT
11)、音響センサを用いた聴診(AKT
12)、を記録する;
- 人物全体(AKT
13)、または人物の選択された領域、例えば外耳道(AKT
14)、咽頭(AKT
15)、指定皮膚領域(AKT
16)、関節(AKT
17)、目(AKT
18)、足(AKT
19)、手(AKT
17)、頭(AKT
18)、首(AKT
19)、腹(AKT
20)、背(AKT
21)について画像データをキャプチャし;
ロボットマニピュレータRM101の現在の状態Z
RM(t)およびその遠位端に現在配置されているエフェクタEFF
n102の現在の状態Z
EFFn(t)を決定するための第1ユニット103;ロボットマニピュレータRM101の作業領域において選択された活動AKT
kに関連する人の身体部位KTの現在の位置L
KT,AKTk(t)を、特にカスタマイズ可能な方法で決定および/または機械的に指定するための第2ユニット104;ロボットマニピュレータRM101に現在作用しているレンチKW(t)を決定するための第3ユニット105;活動AKT
kのそれぞれについて、ロボットマニピュレータRMの作業領域におけるそれぞれ割り当てられた身体部位KTの目標位置L
KT,SOLL,AKTk、ロボットマニピュレータRMの目標動作BEWEG
SOLL,RM,AKTk、ならびに目標動作実行中のロボットマニピュレータRM101と身体部位KTとの間の相互作用INT
SOLL,AKTk(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)の目標力およびエフェクタZ
EFFn,SOLL(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)の目標状態、ならびに、対応する許容偏差:ΔL
KT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEG
SOLL,AKTk,erlaubt、ΔINT
SOLL,AKTk,erlaubt(BEWEG
SOLL,RM,AKTk),およびΔZ
EFFn,SOLL,erlaubt(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)、を指定する第4ユニット106;および、Z
RM(t)、L
KT,AKTk(t)、KW(t)、L
KT,SOLL,AKTk(t)、BEWEG
SOLL、AKTk、ΔL
KT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEG
SOLL,AKTk,erlaubt、ΔINT
SOLL,AKTk,erlaubt(BEWEG
SOLL,AKTk)およびΔZ
EFFn,SOLL,erlaubt(BEWEG
SOLL,AKTn)の関数として、活動AKT
kの指定時にロボットマニピュレータRM101を制御するよう設計および構成されている制御ユニット107、ここで、現在の状態Z
RM(t)、または現在検出されたレンチKW(t)、またはそれから派生する変数、またはロボットマニピュレータRM101上に現在配置されているエフェクタEFF
n102の現在の状態Z
EFF(t)から決定されるロボットマニピュレータRM101の現在の動きが、対応して指定および/または学習した許容偏差を超えるとすぐに、ロボットマニピュレータRM101およびその上に現在配置されているエフェクタEFF
n102を、現在選択されている活動AKT
nに基づいて安全状態SZ
RM(AKT
n)、SZ
EFFn(AKT
n)に制御可能に配置し、活動AKT
kが行われている間に把握された画像および/または医療パラメータおよび/またはサンプルが、それぞれのインターフェースにおいてさらなる分析のために提供されるように、それぞれロボットマニピュレータRM101およびその上に現在配置されているエフェクタEFF
n102を制御する。
【0050】
図2は、人の健康状態を検出するための提案された方法の高度に概略化されたフローチャートを示し、その遠位端において、N≧1かつn=1、2、...、Nである異なる提供エフェクタEFF
n102の数Nを交換可能に受け取りかつ取り扱うために設計および構成された、少なくとも1つの力および/またインピーダンス制御された多軸ロボットマニピュレータRM101を含み、エフェクタEFF
n102はそれぞれ、以下のリストから選択される活動AKT
kを有効にし、ここで、k=1、2、...、KおよびK≧1である:
- 提供されたスワブ(AKT
1)、アプリケータスティック(AKT
2)、スワブスパチュラ(AKT
3)、生検針(AKT
4)を使用して、人から微生物学的物質をサンプリングする;
- 提供された毛細管(AKT
5)を使用して、人から毛細管血をサンプリングする;
- 人の医療パラメータ:血圧(AKT
6)、脈拍(AKT
7)、体温(AKT
7)、皮膚電気抵抗(AKT
8)、皮膚の電気伝導度(AKT
9)、皮膚表面の局所電位測定値(AKT
10)、パルスオキシメトリによる酸素飽和度(AKT
11)、音響センサを用いた聴診(AKT
12)、を記録する;
- 人物全体(AKT
13)、または人物の選択された領域、例えば外耳道(AKT
14)、咽頭(AKT
15)、指定皮膚領域(AKT
16)、関節(AKT
17)、目(AKT
18)、足(AKT
19)、手(AKT
17)、頭(AKT
18)、首(AKT
19)、腹(AKT
20)、背(AKT
21)について画像データをキャプチャし;以下のステップを有する:
ロボットマニピュレータRM101の現在の状態Z
RM(t)およびその遠位端に現在配置されているエフェクタEFF
n102の現在の状態Z
EFFn(t)の決定201;ロボットマニピュレータRM101の作業領域において選択された活動AKT
kに関連する人の身体部位KTの現在の位置L
KT,AKTk(t)の、特にカスタマイズ可能な方法での決定202および/または機械的な指定;ロボットマニピュレータRM101に現在作用しているレンチKW(t)の決定203;活動AKT
kのそれぞれについて、ロボットマニピュレータRMの作業領域におけるそれぞれ割り当てられた身体部位KTの目標位置L
KT,SOLL,AKTk、ロボットマニピュレータRMの目標動作BEWEG
SOLL,RM,AKTk、ならびに目標動作実行中のロボットマニピュレータRM101と身体部位KTとの間の相互作用INT
SOLL,AKTk(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)の目標力およびエフェクタZ
EFFn,SOLL(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)の目標状態、ならびに、対応する許容偏差:ΔL
KT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEG
SOLL,AKTk,erlaubt、ΔINT
SOLL,AKTk,erlaubt(BEWEG
SOLL,RM,AKTk),およびΔZ
EFFn,SOLL,erlaubt(BEWEG
SOLL,RM,AKTk)、の指定204;および、Z
RM(t)、L
KT,AKTk(t)、KW(t)、L
KT,SOLL,AKTk(t)、BEWEG
SOLL、AKTk、ΔL
KT,SOLL,AKTk,erlaubt、ΔBEWEG
SOLL,AKTk,erlaubt、ΔINT
SOLL,AKTk,erlaubt(BEWEG
SOLL,AKTk)およびΔZ
EFFn,SOLL,erlaubt(BEWEG
SOLL,AKTn)の関数とした、活動AKT
kの指定時のロボットマニピュレータRM101の制御205、ここで、現在の状態Z
RM(t)、または現在検出されたレンチKW(t)、またはそれから派生する変数、またはロボットマニピュレータRM101上に現在配置されているエフェクタEFF
n102の現在の状態Z
EFF(t)から決定されるロボットマニピュレータRM101の現在の動きが、対応して指定および/または学習した許容偏差を超えるとすぐに、ロボットマニピュレータRM101およびその上に現在配置されているエフェクタEFF
n102を、現在選択されている活動AKT
nに基づいて安全状態SZ
RM(AKT
n)、SZ
EFFn(AKT
n)に制御可能に配置し、さらに、活動AKT
kが行われている間に把握された画像および/または医療パラメータおよび/またはサンプルが、それぞれのインターフェースにおいてさらなる分析のために提供されるように、それぞれロボットマニピュレータRM101およびその上に現在配置されているエフェクタEFF
n102が制御される。
【0051】
本発明は、好ましい実施形態によってより詳細に例示および説明されてきたが、本発明は、開示された例によって限定されず、他の変形形態は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、当業者によってそこから導き出され得る。したがって、複数の可能な変形形態があることは明らかである。例として引用された実施形態は、実際には、範囲、潜在的な用途、または本発明の構成の制限として決して解釈されるべきではない例を構成するにすぎないことも明らかである。むしろ、前述の説明および図の説明は、当業者が実施形態を具体的に実施することを可能にし、ここで、開示された本発明の概念の知識を有する当業者は、特許請求の範囲および説明におけるさらなる説明などのそれらの法的同等物によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、多数の修正(例えば、一実施形態で引用された個々の要素の機能または配置に関して)を行うことができる。
【符号の説明】
【0052】
101 ロボットマニピュレータRM
102 エフェクタEFFn
103 第1ユニット
104 第2ユニット
105 第3ユニット
106 第4ユニット
107 制御ユニット
108 第1データインターフェース
109 分析ユニット
110 第2データインターフェース
201-204 方法ステップ
【国際調査報告】