(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(54)【発明の名称】洗濯機の減速クラッチ装置、洗濯機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 37/40 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
D06F37/40 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547773
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2022-08-30
(86)【国際出願番号】 CN2021074812
(87)【国際公開番号】W WO2021155779
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】202010082199.2
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】張剛金
(72)【発明者】
【氏名】王得軍
(72)【発明者】
【氏名】傅暁東
(72)【発明者】
【氏名】楊旭光
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA01
3B165AA15
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA52
3B165BA83
3B165CB01
3B165CB31
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA13
3B165GA22
3B165GA23
3B165GA24
3B165GA25
3B165GA26
3B165GA27
(57)【要約】
本発明は、洗濯機の減速クラッチ装置、洗濯機及びその制御方法を提供する。減速クラッチ装置は減速機構とクラッチ機構を含む。前記減速機構は、2方向に回転可能な制動輪と、前記制動輪にそれぞれ固定的に接続される内槽軸及び入力ブッシュを含む。前記クラッチ機構は、入力ブッシュに配設されて軸線方向に往復運動可能なクラッチカバーと、入力ブッシュの外部に固定的に配設される洗浄ラックを含む。前記クラッチカバーは、洗浄ラックと噛合して前記入力ブッシュをロックする。前記クラッチ機構は、更に、クラッチカバーを往復運動させるシフトフォークアセンブリと、シフトフォークアセンブリを運動させるシフトフォーク駆動装置を含む。前記シフトフォーク駆動装置は、シフトフォークアセンブリを押動して少なくとも2つの運動位置を持たせるために、少なくとも2つのストロークを有する。本発明のシフトフォーク駆動装置は少なくとも2つのストロークを有している。これにより、クラッチカバーの複数の運動位置が実現されるため、減速クラッチ装置は多種類の洗浄動作モードを提供可能である。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速機構とクラッチ機構を含み、前記減速機構が、2方向に回転可能な制動輪、及び、前記制動輪にそれぞれ固定的に接続される内槽軸及び入力ブッシュを含み、前記クラッチ機構が、前記入力ブッシュに配設されて軸線方向に往復運動可能なクラッチカバーと、入力ブッシュの外部に固定的に配設される洗浄ラックを含み、前記クラッチカバーが、洗浄ラックと噛合して前記入力ブッシュをロックする洗濯機の減速クラッチ装置であって、
前記クラッチ機構は、更に、前記クラッチカバーを往復運動させるシフトフォークアセンブリと、前記シフトフォークアセンブリを運動させるシフトフォーク駆動装置を含み、前記シフトフォーク駆動装置は、前記シフトフォークアセンブリを押動して少なくとも2つの運動位置を持たせるために、少なくとも2つのストロークを有することを特徴とする洗濯機の減速クラッチ装置。
【請求項2】
前記減速機構は入力軸を含み、前記クラッチ機構は、前記クラッチカバーを往復運動させるシフトフォークアセンブリと、入力軸に配設されて入力軸とともに回転するトルクブッシュを含み、
前記シフトフォークアセンブリは、シフトフォークと、固定的に設置されるシフトフォークホルダを含み、前記シフトフォーク駆動装置は回転可能な駆動カムを含み、前記シフトフォークの中央部は回動可能にシフトフォークホルダに装着され、前記シフトフォークの一端は前記クラッチカバーの外周に挟接し、前記シフトフォークの他端は駆動カムのカム端面に当接し、
前記カム端面は、前記シフトフォークアセンブリを前記洗浄ラックから分離させ、且つ、前記トルクブッシュと噛合及び固定させない第1ストロークと、シフトフォークアセンブリを前記洗浄ラックから分離させ、且つ、前記トルクブッシュと噛合及び固定させる第2ストロークを有することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の減速クラッチ装置。
【請求項3】
前記駆動カムは、円柱状のカム基部と、前記カム基部の側壁から突出するカム凸部を含み、前記カム凸部の先端部の端面は、前記シフトフォークアセンブリを前記洗浄ラックから分離させ、且つ、前記トルクブッシュと噛合及び固定させない第1ストロークと、シフトフォークアセンブリを洗浄ラックから分離させ、且つ、前記トルクブッシュと噛合及び固定させる第2ストロークを有することを特徴とする請求項2に記載の洗濯機の減速クラッチ装置。
【請求項4】
前記カム凸部は、凸部基面と、前記カム凸部の周方向に沿って徐々に上昇する第1ストローク基面及び第2ストローク基面を有し、前記第2ストローク基面のカムストロークは前記第1ストローク基面よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の洗濯機の減速クラッチ装置。
【請求項5】
前記シフトフォークは、一端に第1シフトフォーク部を有し、他端に第2シフトフォーク部を有し、前記第1シフトフォーク部は前記クラッチカバーの外周に挟接し、前記第2シフトフォーク部は前記カム基部の外周に挟接し、前記第2シフトフォーク部は前記カム凸部の先端部の端面と接触を維持することを特徴とする請求項3に記載の洗濯機の減速クラッチ装置。
【請求項6】
前記減速機構は、内部に収容室を有するハウジングを含み、前記制動輪は前記ハウジングの収容室内に設置され、前記シフトフォーク駆動装置は、前記ハウジングに固定される駆動モータを含み、前記駆動モータの出力軸は、駆動可能に前記駆動カムに接続されることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の洗濯機の減速クラッチ装置。
【請求項7】
前記シフトフォークホルダは、前記ハウジングの下端面に固定されるホルダと、前記ホルダから延伸及び突出するシフトフォークベースとを含み、前記シフトフォークの中央部は、回動可能に前記シフトフォークベースに装着されることを特徴とする請求項6に記載の洗濯機の減速クラッチ装置。
【請求項8】
前記減速機構は、前記制動輪の外周に巻き付けられる制動ベルト、前記制動ベルトに接続される制動アーム、及び、前記制動アームに接続されて、前記制動アームが駆動する前記制動ベルトを弛緩させるトラクションモータ、を含み、前記トラクションモータは、排水弁にも接続されて前記排水弁を開放し、前記トラクションモータは、前記制動ベルトを弛緩させ、前記排水弁の閉止を維持する第1トラクションストロークと、前記制動ベルトを弛緩させ、前記排水弁を開放する第2トラクションストロークを有することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の減速クラッチ装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の減速クラッチ装置を備える洗濯機であって、
内槽と、内槽内に設置されるパルセータを含み、前記減速機構はパルセータ軸を含み、前記パルセータ軸は前記パルセータに固定的に接続され、前記内槽軸は前記内槽に固定的に接続されることを特徴とする洗濯機。
【請求項10】
請求項9に記載の洗濯機の制御方法であって、
洗濯機がシフトフォーク駆動装置を初期状態に維持するよう制御することで、クラッチカバーが洗浄ラックと噛合して固定し、制動輪が制動状態となり、且つ、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータが往復回転して第1洗浄動作モードが実行され、
シフトフォーク駆動装置を第1ストロークまで運動させるよう制御することで、シフトフォークアセンブリが運動して、クラッチカバーを洗浄ラックからは分離させるがトルクブッシュとは噛合及び固定させず、制動輪が回転自在な状態となり、且つ、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータが往復回転し、内槽が自在に回転して第2洗浄動作モードが実行され、
シフトフォーク駆動装置を第2ストロークまで運動させるよう制御することで、シフトフォークアセンブリが運動して、クラッチカバーを洗浄ラックから分離させるとともにトルクブッシュと噛合及び固定させ、制動輪が入力軸と同期して連動し、且つ、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータと内槽が同一速度で同一方向に回転する脱水運転モードが実行されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機器の技術分野に関し、具体的には、洗濯機の減速クラッチ装置、洗濯機及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用電気製品として、洗濯機は次第に人々の生活に不可欠な一部となっている。また、全自動パルセータ洗濯機は、主要な洗濯機のタイプとして応用範囲がますます広がっている。従来の全自動パルセータ洗濯機の動作方式では、通常、洗浄及びすすぎ時に、駆動装置が減速クラッチ装置を通じて洗濯機のパルセータを正逆に回転駆動させる。また、脱水時には、駆動装置が、減速クラッチ装置を通じて洗濯機のパルセータと洗浄槽を同期して高速で回転駆動させる。
【0003】
しかし、科学技術の急速な発展に伴って、従来の全自動パルセータ洗濯機のように、単純にパルセータで水流を攪拌する洗浄方式では、衣類の洗浄効果の向上に次第に限界が生じるようになっている。そこで、全自動パルセータ洗濯機の洗浄の多様性を如何にして増加させ、洗浄効果を向上させるかが、早急に解決すべき技術的課題となっている。
【0004】
現在、この課題については、いくつかの特許が解決策を提案している。例えば、出願番号が第02804912.8号、発明の名称が、2方向回転を発生させる伝動機構、2方向洗浄を発生させる洗濯機及び方法、並びに関連の内槽及び攪拌器である特許文献1が存在する。当該特許は、洗濯機への使用に適した2方向駆動を発生させる伝動機構を開示している。当該機構は、動力入力端及び2つの動力出力端を含む。このうち、一方の動力出力端は攪拌器軸(10)に接続されて、攪拌器軸を第1の方向に回転させる。また、他方の動力出力端は内槽軸(11)に接続されて、内槽軸を第1の方向とは反対の第2の方向に回転させる。また、2方向洗浄を発生させる洗濯機、及び洗濯機内に2方向洗浄を発生可能とする洗浄方法、洗濯機に用いられる攪拌器及び内槽について、当該特許は、洗濯機に2方向駆動を発生可能とする伝動機構を開示している。且つ、明細書には、当該伝動機構の具体的構造が開示されている。明細書及び図面の内容から明らかなように、当該特許は、従来の全自動パルセータ洗濯機における洗浄時の動力駆動方式が単一的であるとの課題を幾分か解決している。しかし、ここで開示されている伝動機構は構造が複雑であり、製造及び取り付けの難易度が高く、製造コストが高い等の問題がある。
【0005】
また、例えば、出願番号が第201310408108.X号、発明の名称が全自動洗濯機である特許文献2の発明は、外槽、内槽、パルセータ及び駆動装置を含む全自動洗濯機を開示している。前記駆動装置は少なくとも2つのロータと少なくとも1つステータを含み、一方のロータが内槽軸に接続され、もう一方のロータがパルセータ軸に接続される。前記駆動装置は、可変周波数ダイレクトドライブモータである。また、前記ロータ、ステータ、内槽軸及びパルセータ軸は同軸に設置されている。内槽軸は中空であり、パルセータ軸は内槽軸内に設けられる。前記洗濯機は、洗浄時に、パルセータと内槽が同一方向に回転するか、互いに逆方向に回転する。或いは、パルセータと内槽のいずれかが回転する。また、脱水時には、パルセータと内槽が同一方向に同一速度で回転する。当該発明における上記の洗濯機は、2つのロータがそれぞれ内槽軸とパルセータ軸に接続されており、2つのロータによって内槽とパルセータをそれぞれ回転駆動させる。このような構造は、駆動系の重量、体積及びコストを大幅に低下させ、伝動効率と安定性を向上させる。
【0006】
開示されている上記2つの特許出願文献から明らかなように、現在のところ、洗濯機の水流の多様性を解決する主な思想には次の2種類が存在する。
【0007】
方式1:2方向の動力を出力可能な減速クラッチ装置を設計し、洗濯機の洗浄過程における2方向洗浄を実現することで、水流の効果を強化する。
【0008】
方式2:2方向の動力出力を有する駆動モータを設計し、パルセータと内槽を別々に駆動して洗濯機の洗浄過程における2方向洗浄を実現することで、水流の効果を強化する。
【0009】
上記の方式1には、減速クラッチ装置の構造が複雑であり、取り付けが困難であるほか、制御方法が複雑であるとの弊害が存在する。また、方式2には、2方向の動力出力を有する駆動モータはコストがかかるとの弊害が存在する。
【0010】
以上に鑑みて、如何にして洗浄方式の多様性を増加させ、且つ、多種類の洗浄方式を切り換えて最適な洗浄方式を選択するかが本願で解決しようとする技術的課題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】中国特許出願第02804912.8号明細書
【特許文献2】中国特許出願第201310408108.X号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の第1の目的は、多種類の洗浄方式の組み合わせを実現可能な減速クラッチ装置を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
洗濯機の減速クラッチ装置は、減速機構とクラッチ機構を含む。前記減速機構は、2方向に回転可能な制動輪と、前記制動輪にそれぞれ固定的に接続される内槽軸及び入力ブッシュを含む。前記クラッチ機構は、入力ブッシュに配設されて軸線方向に往復運動可能なクラッチカバーと、入力ブッシュの外部に固定的に配設される洗浄ラックを含む。前記クラッチカバーは、洗浄ラックと噛合して前記入力ブッシュをロックする。前記クラッチ機構は、更に、クラッチカバーを往復運動させるシフトフォークアセンブリと、シフトフォークアセンブリを運動させるシフトフォーク駆動装置を含む。前記シフトフォーク駆動装置は、シフトフォークアセンブリを押動して少なくとも2つの運動位置を持たせるために、少なくとも2つのストロークを有する。
【0014】
更に、前記減速機構は入力軸を含む。前記クラッチ機構は、クラッチカバーを往復運動させるシフトフォークアセンブリと、入力軸に配設されて入力軸とともに回転するトルクブッシュを含む。
【0015】
前記シフトフォークアセンブリは、シフトフォークと、固定的に設置されるシフトフォークホルダを含む。前記シフトフォーク駆動装置は、回転可能な駆動カムを含む。前記シフトフォークの中央部は、回動可能にシフトフォークホルダに装着される。シフトフォークの一端はクラッチカバーの外周に挟接し、シフトフォークの他端は駆動カムのカム端面に当接する。
【0016】
前記カム端面は、シフトフォークアセンブリを洗浄ラックから分離させ、且つトルクブッシュと噛合及び固定させない第1ストロークと、シフトフォークアセンブリを洗浄ラックから分離させ、且つトルクブッシュと噛合及び固定させる第2ストロークを有する。
【0017】
更に、前記駆動カムは、円柱状のカム基部と、カム基部の側壁から突出するカム凸部を含む。前記カム凸部の先端部の端面は、シフトフォークアセンブリを洗浄ラックから分離させ、且つトルクブッシュと噛合及び固定させない第1ストロークと、シフトフォークアセンブリを洗浄ラックから分離させ、且つトルクブッシュと噛合及び固定させる第2ストロークを有する。
【0018】
更に、前記カム凸部は、凸部基面と、カム凸部の周方向に沿って徐々に上昇する第1ストローク基面及び第2ストローク基面を有する。前記第2ストローク基面のカムストロークは第1ストローク基面よりも大きい。
【0019】
更に、前記シフトフォークは、一端に第1シフトフォーク部を有し、他端に第2シフトフォーク部を有する。第1シフトフォーク部はクラッチカバーの外周に挟接し、第2シフトフォーク部はカム基部の外周に挟接する。また、第2シフトフォーク部はカム凸部の先端部の端面と接触を維持する。
【0020】
更に、前記減速機構は、内部に収容室を有するハウジングを含み、前記制動輪はハウジングの収容室内に設置される。また、前記シフトフォーク駆動装置は、ハウジングに固定される駆動モータを含む。駆動モータの出力軸は、駆動可能に前記駆動カムに接続される。
【0021】
更に、前記シフトフォークホルダは、ハウジングの下端面に固定されるホルダと、ホルダから延伸及び突出するシフトフォークベースを含む。前記シフトフォークの中央部は、回動可能に前記シフトフォークベースに装着される。
【0022】
更に、前記減速機構は、制動輪の外周に巻き付けられる制動ベルト、制動ベルトに接続される制動アーム、及び制動アームに接続されて、当該制動アームが駆動する制動ベルトを弛緩させるトラクションモータ、を含む。前記トラクションモータは、排水弁にも接続されて当該排水弁を開放する。前記トラクションモータは、制動ベルトを弛緩させ、排水弁の閉止を維持する第1トラクションストロークと、制動ベルトを弛緩させ、排水弁を開放する第2トラクションストロークを有する。
【0023】
本発明の第2の目的は、上記の減速クラッチ装置を備える洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0024】
前記減速クラッチ装置を備える洗濯機は、内槽と、内槽内に設置されるパルセータを含む。前記減速機構はパルセータ軸を含む。前記パルセータ軸はパルセータに固定的に接続され、前記内槽軸は内槽に固定的に接続される。
【0025】
本発明の第3の目的は、上記の洗濯機の制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0026】
洗濯機の制御方法において、洗濯機は、減速クラッチ装置を駆動するための駆動モータを含む。前記制御方法は、以下を含む。
【0027】
洗濯機がシフトフォーク駆動装置を初期状態に維持するよう制御することで、クラッチカバーが洗浄ラックと噛合して固定し、制動輪が制動状態となる。また、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータが往復回転して第1洗浄動作モードが実行される。
【0028】
シフトフォーク駆動装置を第1ストロークまで運動させるよう制御することで、シフトフォークアセンブリが運動して、クラッチカバーを洗浄ラックからは分離させるがトルクブッシュとは噛合及び固定させず、制動輪が回転自在な状態となる。また、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータが往復回転し、内槽が自在に回転して第2洗浄動作モードが実行される。
【0029】
シフトフォーク駆動装置を第2ストロークまで運動させるよう制御することで、シフトフォークアセンブリが運動して、クラッチカバーを洗浄ラックから分離させるとともにトルクブッシュと噛合及び固定させ、制動輪が入力軸と同期して連動する。また、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータと内槽が同一速度で同一方向に回転する脱水運転モードが実行される。
【発明の効果】
【0030】
本発明の減速クラッチ装置は、多種類の洗浄機能を提供可能である。つまり、従来の全自動洗浄方式を採用することも、手洗い方式を採用することも可能とする。即ち、洗浄時に、パルセータは回転するが洗浄槽は回転しない洗浄方式を提供することも、パルセータが回転し、且つ洗浄槽が自在に回転する洗浄方式を提供することも可能である。洗濯機の全洗浄過程では、多種類を組み合わせる洗浄方式や、多種類の水流を循環・交差させる洗浄方式を採用して運転可能である。これにより、洗浄がより十分となり、衣類が更に清潔となるほか、衣類の絡まりが回避されるため、洗濯機のユーザエクスペリエンスが向上する。
【0031】
本発明のクラッチカバーはシフトフォークアセンブリにより押動され、シフトフォークアセンブリはシフトフォーク駆動装置により駆動される。シフトフォーク駆動装置は、シフトフォークアセンブリを押動して少なくとも2つの運動位置を持たせるために、少なくとも2つのストロークを有する。これにより、クラッチカバーの運動位置を実現して、本発明の減速クラッチ装置における多種類の洗浄動作モードを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明の実施例における洗濯機の減速クラッチ装置の立体構造の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例における洗濯機の減速クラッチ装置の下面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例における洗濯機の減速クラッチ装置の断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例における洗濯機の減速クラッチ装置のシフトフォークアセンブリ、シフトフォーク駆動装置、制動ベルト及び制動アームの立体構造の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例における洗濯機の減速クラッチ装置の
図4の下面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例における洗濯機の減速クラッチ装置のシフトフォークとシフトフォーク駆動装置を組み付けた場合の正面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例における洗濯機の減速クラッチ装置のシフトフォークとシフトフォーク駆動装置を組み付けた場合の下面図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例における洗濯機の減速クラッチ装置のシフトフォークの立体構造の概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例における洗濯機の減速クラッチ装置のシフトフォーク駆動装置の立体構造の概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例における洗濯機の外槽底部の取付構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、図面を組み合わせて、本発明における洗濯機の減速クラッチ装置、洗濯機及びその制御方法について詳述する。
【0034】
図1~
図9に示すように、本実施例は、減速機構を含む洗濯機の減速クラッチ装置を提供する。当該減速クラッチ装置は、減速機構とクラッチ機構を含む。前記減速機構は、2方向に回転可能な制動輪19と、前記制動輪にそれぞれ固定的に接続される内槽軸9及び入力ブッシュ3を含む。前記クラッチ機構は、入力ブッシュ3に配設されて軸線方向に往復運動可能なクラッチカバー16と、入力ブッシュ3の外部に固定的に配設される洗浄ラック12を含む。前記クラッチカバー16は、洗浄ラック12と噛合して前記入力ブッシュ3をロックする。前記クラッチ機構は、更に、クラッチカバー16を往復運動させるシフトフォークアセンブリと、シフトフォークアセンブリを運動させるシフトフォーク駆動装置を含む。前記シフトフォーク駆動装置は、シフトフォークアセンブリを押動して少なくとも2つの運動位置を持たせるために、少なくとも2つのストロークを有する。
【0035】
そのため、本実施例の減速クラッチ装置は、多種類の洗浄機能を提供可能である。つまり、従来の全自動洗浄方式を採用することも、手洗い方式を採用することも可能とする。即ち、洗浄時に、パルセータは回転するが洗浄槽は回転しない洗浄方式を提供することも、パルセータが回転し、且つ洗浄槽が自在に回転する洗浄方式を提供することも可能である。洗濯機の全洗浄過程では、多種類を組み合わせる洗浄方式や、多種類の水流を循環・交差させる洗浄方式を採用して運転可能である。これにより、洗浄がより十分となり、衣類が更に清潔となるほか、衣類の絡まりが回避されるため、洗濯機のユーザエクスペリエンスが向上する。
【0036】
従来の制動ベルトは、制動輪を一方向にしか制動できず、制動輪のもう一つの方向はワンウェイベアリングにより規定される。これに対し、本実施例の制動輪19は2方向に回転可能である。また、パルセータのみが回転する洗浄方式の実現を保証するために、制動輪19を2方向において制動する必要もある。そこで、本実施例の減速クラッチ装置は、クラッチ機構のクラッチカバー16が往復運動するとの構造特性に基づき、クラッチカバー16と噛合可能な固定的に設置される洗浄ラック12によって入力ブッシュ3のロックを実現するのと同時に、制動輪19も制動する。
【0037】
本実施例における上記の減速機構は入力軸1を含む。また、前記クラッチ機構は、クラッチカバー16を往復運動させるシフトフォークアセンブリと、入力軸1に配設されて入力軸1とともに回転するトルクブッシュ17を含む。
【0038】
且つ、減速クラッチ装置による多種類の洗浄機能の提供を実現するために、本実施例のクラッチカバー16は、少なくとも、洗浄ラック12と噛合して固定する第1位置と、洗浄ラック12と分離し且つトルクブッシュ17と噛合しない第2位置と、トルクブッシュ17と噛合する第3位置を有する。クラッチカバー16の3つの運動位置を実現するために、本実施例のクラッチカバー16はシフトフォークアセンブリにより押動され、シフトフォークアセンブリはシフトフォーク駆動装置により駆動される。シフトフォーク駆動装置は、シフトフォークアセンブリを押動して少なくとも2つの運動位置を持たせるために、少なくとも2つのストロークを有する。これにより、クラッチカバー16の運動位置を実現して、本実施例の減速クラッチ装置における多種類の洗浄動作モードを実現する。
【0039】
本実施例のクラッチカバー16におけるトルクブッシュ17に近接する一端には、クラッチカバー噛合歯が設置されている。また、前記トルクブッシュ17におけるクラッチカバー16に近接する一端には、トルクブッシュ噛合歯が設置されている。クラッチカバー16がトルクブッシュ17まで運動すると、クラッチカバー噛合歯とトルクブッシュ噛合歯とが噛合することで、クラッチ機構が噛合状態となる。
【0040】
本実施例におけるクラッチカバー噛合歯は周方向に均一に分布しており、歯の下縁が斜歯となっている。また、斜歯の角度は0~15度である。装着状態において、斜歯の方向は、脱水方向から見て低い方から高い方に向かっている。また、本実施例のクラッチカバー噛合歯は周方向に均一に分布しており、歯の上縁が斜歯となっている。且つ、クラッチカバー噛合歯に対応して、トルクブッシュ噛合歯の斜歯の角度は0~15度である。また、装着状態において、斜歯の方向は、脱水方向から見て高い方から低い方に向かっている。
【0041】
更に、本実施例における上記のシフトフォークアセンブリは、シフトフォーク4と、固定的に設置されるシフトフォークホルダ14を含む。また、前記シフトフォーク駆動装置は、回転可能な駆動カム7を含む。前記シフトフォーク4の中央部は、回動可能にシフトフォークホルダ14に装着されて梃子構造を形成する。シフトフォーク4の一端はクラッチカバー16の外周に挟接し、シフトフォーク4の他端は駆動カム7のカム端面に当接する。前記カム端面は、シフトフォークアセンブリを洗浄ラック12から分離させ、且つトルクブッシュ17と噛合及び固定させない第1ストロークと、シフトフォークアセンブリを洗浄ラック12から分離させ、且つトルクブッシュ17と噛合及び固定させる第2ストロークを有する。
【0042】
本実施例の一実施形態として、前記駆動カム7は、円柱状のカム基部701と、カム基部701の側壁から突出するカム凸部702を含む。前記カム凸部702の先端部の端面は、シフトフォークアセンブリを洗浄ラック12から分離させ、且つトルクブッシュ17と噛合及び固定させない第1ストロークと、シフトフォークアセンブリを洗浄ラック12から分離させ、且つトルクブッシュ17と噛合及び固定させる第2ストロークを有する。
【0043】
図9に示すように、本実施例における上記のカム凸部702は、凸部基面と、カム凸部の周方向に沿って徐々に上昇する第1ストローク基面及び第2ストローク基面を有する。前記第2ストローク基面のカムストロークは第1ストローク基面よりも大きい。
【0044】
図8に示すように、本実施例における上記のシフトフォーク4は、一端に第1シフトフォーク部402を有し、他端に第2シフトフォーク部401を有する。第1シフトフォーク部402はクラッチカバー16の外周に挟接し、第2シフトフォーク部401はカム基部701の外周に挟接する。また、第2シフトフォーク部401はカム凸部702の先端部の端面と接触を維持する。本実施例の第2シフトフォーク部におけるカム凸部702に面する側の表面には突起403が設置されている。前記突起403は、駆動カム7が第2ストロークまで運動したときに、カム凸部702の先端部の端面に当接する。
【0045】
本実施例における上記の減速機構は、内部に収容室を有するハウジングを含み、前記制動輪19はハウジングの収容室内に設置される。また、前記シフトフォーク駆動装置は、ハウジングに固定される駆動モータ8を含む。駆動モータ8の出力軸は、駆動可能に前記駆動カム7に接続される。本実施例における上記の制動輪19は、開口した収容室を有する制動輪本体と、制動本体の開口端に固定的に接続される制動輪軸を含む。前記制動輪軸と前記ハウジングの間には、2方向回転軸受21が設置されている。こうすることで、本実施例の制動輪19は2方向に回転可能となる。
【0046】
図2~
図5に示すように、本実施例における上記のシフトフォークホルダ14は、ハウジングの下端面に固定されるホルダと、ホルダから延伸及び突出するシフトフォークベースを含む。前記シフトフォーク4の中央部は、回動可能に前記シフトフォークベースに装着される。
【0047】
本実施例のハウジングは、上ハウジング11と、上ハウジングに固定的に接続される下ハウジング13を含む。前記シフトフォークホルダ14及び駆動モータ8は、いずれも下ハウジング13に固定的に装着される。また、本実施例の洗浄ラック12も前記下ハウジング13に固定的に装着される。
【0048】
本実施例の一実施形態として、前記シフトフォークホルダ14と洗浄ラック12は一体的に成型してもよい。
【0049】
本実施例における上記の減速機構は、制動輪19の外周に巻き付けられる制動ベルト5、制動ベルト5に接続される制動アーム6、及び、制動アーム6に接続されて、当該制動アーム6が駆動する制動ベルトを弛緩させるトラクションモータ24、を含む。前記トラクションモータ24は、排水弁26にも接続されて当該排水弁26を開放する。前記トラクションモータ24は、制動ベルト5を弛緩させ、排水弁26の閉止を維持する第1トラクションストロークと、制動ベルト5を弛緩させ、排水弁26を開放する第2トラクションストロークを有する。
【0050】
本実施例のトラクションモータ24が動作していないとき、制動ベルト5は制動輪19に巻き付けられて固定を維持する。これにより、パルセータは回転するが洗浄槽は回転しない洗浄方式が実現される。また、トラクションモータ24の第1トラクションストロークでは、制動ベルト5を弛緩させ、排水弁26の閉止を維持する。これにより、パルセータが回転し、洗浄槽も自在に回転する洗浄方式が実現される。また、トラクションモータ24の第2トラクションストロークでは、制動ベルト5を弛緩させ、排水弁26を開放する。これにより、パルセータが回転し、洗浄槽も同期して回転する脱水過程が実現される。
【0051】
洗浄ラック12の固定的な設置を実現するために、本実施例における減速クラッチ装置のハウジングには、入力ブッシュ3を挿通するためのハウジング入口が備わっている。また、前記洗浄ラック12は、ハウジングに固定されてハウジング入口の外周に位置する環状本体を含み、環状本体に洗浄噛合歯が設置される。前記クラッチブッシュ16における洗浄ラックに近接する一端には上噛合歯が設置されている。前記クラッチブッシュ16の上噛合歯は、前記洗浄ラック12の洗浄噛合歯と噛合して前記入力ブッシュ3をロックする。
【0052】
且つ、本実施例における制動輪19は、内槽軸9及び入力ブッシュ3にそれぞれ固定的に接続する必要がある。前記制動輪19は、内部に収容室を有し、収容室内に減速機構が設置される減速歯車列を含む。また、制動輪19の両端には第1接続口及び第2接続口が備わっている。前記内槽軸9は第1接続口に固定的に接続され、前記入力ブッシュ3は第2接続口に固定的に接続される。
【0053】
好ましくは、前記制動輪19は、円筒状の本体と、本体の一端の開口から径方向に内側へ収縮するくびれ端を含む。前記第1接続口はくびれ端に設置され、前記第2接続口は円筒状の他端の開口である。前記内槽軸9は、一定の長さを有するスリーブであり、スリーブの一端が第1接続口内に伸入して固定的に接続される。前記入力ブッシュ3は、スリーブと、スリーブの一端に固定されるスリーブ盤を含む。前記スリーブ盤は、第2接続口を封鎖し、且つ当該第2接続口に固定的に接続される。
【0054】
本実施例の入力軸1には、入力軸と駆動モータのロータを固定的に接続するためのモータロックナット2が配設されている。また、前記トルクブッシュにおける駆動モータに近接する一端の端面には緩衝パッド18が設置されている。
【0055】
本実施例の入力ブッシュ3には、クラッチカバー16を弾性復元して噛合させるためのクラッチ圧縮バネが配設されている。クラッチ圧縮バネは、クラッチカバー16と下ハウジング13底部の端面との間に設置される。
【0056】
図10に示すように、本実施例は、更に、前記減速クラッチ装置を備える洗濯機を提供する。当該洗濯機は、内槽と、内槽内に設置されるパルセータを含む。前記減速機構はパルセータ軸を含む。前記パルセータ軸はパルセータに固定的に接続され、前記内槽軸は内槽に固定的に接続される。
【0057】
更に、本実施例の洗濯機は外槽22を含む。外槽には排水口が備わっており、外槽の底部には、排水口の開閉を制御する排水弁26が装着されている。
【0058】
前記トラクションモータ24は、制動ベルトを牽引して制動輪を解除し、排水弁26の閉止を維持する第1トラクションストロークと、制動ベルトを牽引して制動輪を解除し、排水弁26の開放を維持する第2トラクションストロークを有する。
【0059】
本実施例の排水弁は排水弁プルロッドを有し、前記牽引器24が排水弁プルロッドに接続される。前記排水弁プルロッドと牽引器24は引っ張りバネを介して接続される。牽引器24が第1トラクションストロークを実行する過程では、引っ張りバネが伸長し、排水弁プルロッドが動作しなくなることで、排水弁が閉状態を維持する。
【0060】
本実施例は、更に、前記洗濯機の制御方法を提供する。洗濯機は、減速クラッチ装置を駆動するための駆動モータを含む。前記制御方法は、以下を含む。
【0061】
洗濯機がシフトフォーク駆動装置を初期状態に維持するよう制御することで、クラッチカバーが洗浄ラックと噛合して固定し、制動輪が制動状態となる。また、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータが往復回転して第1洗浄動作モードが実行される。
【0062】
シフトフォーク駆動装置を第1ストロークまで運動させるよう制御することで、シフトフォークアセンブリが運動して、クラッチカバーを洗浄ラックからは分離させるがトルクブッシュとは噛合及び固定させず、制動輪が回転自在な状態となる。また、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータが往復回転し、内槽が自在に回転して第2洗浄動作モードが実行される。
【0063】
シフトフォーク駆動装置を第2ストロークまで運動させるよう制御することで、シフトフォークアセンブリが運動して、クラッチカバーを洗浄ラックから分離させるとともにトルクブッシュと噛合及び固定させ、制動輪が入力軸と同期して連動する。また、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータと内槽が同一速度で同一方向に回転する脱水運転モードが実行される。
【0064】
更に、洗濯機がシフトフォーク駆動装置とトラクションモータを初期状態とするよう制御することで、前記クラッチカバーが洗浄ラックと噛合して固定し、制動輪が制動状態になるとともに、排水弁の閉止が維持される。また、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータが往復回転して第1洗浄動作モードが実行される。
【0065】
洗濯機が、シフトフォーク駆動装置を第1ストロークまで運動させ、トラクションモータを第1トラクションストロークまで動作させるよう制御すると、シフトフォーク駆動装置がシフトフォークアセンブリを動作させることで、クラッチカバーが洗浄ラックからは分離するがトルクブッシュとは噛合及び固定せず、且つ、排水弁が閉止を維持する。また、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータが往復回転し、内槽が自在に回転して第2洗浄動作モードが実行される。
【0066】
洗濯機が、シフトフォーク駆動装置を第2ストロークまで運動させ、トラクションモータを第2トラクションストロークまで動作させるよう制御すると、シフトフォーク駆動装置がシフトフォークアセンブリを動作させることで、クラッチカバーが洗浄ラックから分離するとともに、トルクブッシュと噛合して固定し、且つ、排水弁が開放を維持する。また、駆動モータを動作させるよう制御し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に伝動することで、パルセータと内槽が同一速度で同一方向に回転し、脱水運転モードが実行される。
【0067】
好ましくは、前記第1洗浄プログラムと第2洗浄プログラムは、同一の洗浄プログラムにおいて、いずれかを選択するか、交互に実行可能である。
【0068】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは補足は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【国際調査報告】