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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(54)【発明の名称】コンパクトなトラバースロボット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230421BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551540
(86)(22)【出願日】2021-03-02
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 US2021020381
(87)【国際公開番号】W WO2021178348
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】62/983,846
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514062448
【氏名又は名称】パーシモン テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PERSIMMON TECHNOLOGIES, CORP.
【住所又は居所原語表記】200 Harvard Mill Square Wakefield, MA 01880 US
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ホシェク マルチン
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS25
3C707BS15
3C707CT04
3C707CY27
3C707HS26
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA00
5F131CA39
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB04
5F131DB52
5F131DB57
5F131DB58
5F131DB62
5F131DB64
(57)【要約】
好適な実施形態の一例である装置は、スピンドルプラットフォームと、第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームと、スピンドルプラットフォーム及びトラバースプラットフォームに連結される昇降システムと、スピンドルプラットフォームに接続される可動アームとを備える。可動アームはスピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、第1リンクに接続される第2リンクと、第2リンクに接続される第3リンクとを有する。前記装置は更に、スピンドルプラットフォームに接続され、第1リンクを回動させる第1アクチュエータと、可動アームに配されて第2リンクを回動させる第2アクチュエータとを備える。第1アクチュエータはスピンドルプラットフォームから第1リンクに延び、スピンドルプラットフォームと第1リンクの合計の厚さを占める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンドルプラットフォームと;
第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームと;
前記スピンドルプラットフォームと前記トラバースプラットフォームとに連結される昇降システムであって、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に動かすように構成される昇降システムと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記スピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される第2リンクと、前記第2リンクに接続される第3リンクとを有する少なくとも1つの可動アームと;
前記スピンドルプラットフォームに接続され、前記第1リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第1アクチュエータと、前記少なくとも1つの可動アームに配され、前記第2リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第2アクチュエータと;
を備え、前記第1アクチュエータは、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1アクチュエータと前記少なくとも1つの第2アクチュエータとは垂直方向で重なるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1アクチュエータは前記第2アクチュエータと入れ子になるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記トラバースプラットフォーム上にリニアガイドシステムをさらに備え、該リニアガイドシステムは、直線方向において、前記トラバースプラットフォームの動きを拘束するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記リニアガイドシステムは、前記トラバースプラットフォーム上に少なくとも1つのリニアベアリングを備え、前記少なくとも1つのリニアベアリングは、レールに係合し、前記レール上をスライドするように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記トラバースプラットフォーム上に設けられたリニアアクチュエーションシステムをさらに備え、該リニアアクチュエーションシステムは、前記トラバースプラットフォームを直線方向に移動させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記リニアアクチュエーションシステムは、リニアアクチュエータと少なくとも1つの位置センサとを有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記リニアアクチュエータは、少なくとも1つのコイルを有する永久磁石モータを有し、前記少なくとも1つのコイルは、トラックと磁気的に係合するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置センサは、前記トラバースプラットフォーム上に配置され、制御手段を用いて直線方向に沿って制御されるように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記昇降システムは少なくとも1つの連結部を有し、該少なくとも1つの連結部は、前記トラバースプラットフォームと前記スピンドルプラットフォームとの間に延在し、前記スピンドルプラットフォームと前記スピンドルプラットフォームに対して回動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの連結部は、回転アクチュエータを使用して前記トラバースプラットフォーム上で回動可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記回転アクチュエータは、前記トラバースプラットフォームに対して前記スピンドルプラットフォームを実質的に水平な位置に維持するために、制御手段を用いて制御可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記昇降システムは、カウンターバランススプリングをさらに有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームを提供することと;
スピンドルプラットフォームを提供することと;
前記スピンドルプラットフォームと前記トラバースプラットフォームとに連結される昇降システムであって、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に動かすように構成される昇降システムを提供することと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記スピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される第2リンクと、前記第2リンクに接続される第3リンクとを有する少なくとも1つの可動アームを提供することと;
前記スピンドルプラットフォームに接続され、前記第1リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第1アクチュエータを提供すること、及び、前記少なくとも1つの可動アームに配され、前記第2リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第2アクチュエータを提供することと;
を含み、前記第1アクチュエータは、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める、方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1アクチュエータと前記少なくとも1つの第2アクチュエータとは垂直方向で重なるように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記トラバースプラットフォーム上にリニアガイドシステムを提供することを含み、該リニアガイドシステムは、直線方向において、前記トラバースプラットフォームの動きを拘束するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記トラバースプラットフォーム上に設けられたリニアアクチュエーションシステムを提供することを含み、該リニアアクチュエーションシステムは、前記トラバースプラットフォームを直線方向に移動させるように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
位置センサおよび制御手段を使用して、第1の方向において前記トラバースプラットフォームの移動を制御することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
制御手段を使用して、第2の方向において前記スピンドルプラットフォームの移動を制御することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラム命令を格納する少なくとも1つの不揮発性メモリとを備える装置であって、前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に、
トラバースプラットフォームを第1の方向に移動させることと;
前記トラバースプラットフォームと前記スピンドルプラットフォームとに連結される昇降システムを作動させて、前記スピンドルプラットフォームを、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に移動させることと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記スピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される第2リンクと、前記第2リンクに接続される第3リンクとを有する少なくとも1つの可動アームを操作することと;
前記スピンドルプラットフォームに接続され、前記第1リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第1アクチュエータ手段と、前記少なくとも1つの可動アームに配され、前記第2リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第2アクチュエータ手段とを作動させることと;
を遂行させるように構成され、前記第1アクチュエータ手段は、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める、装置。
【請求項21】
前記第1アクチュエータ手段と前記第2アクチュエータ手段とを入れ子状にするようにされる、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記トラバースプラットフォームを前記第1の方向に移動させることは、前記トラバースプラットフォームをレールに沿って移動させるためにリニア駆動システムを使用することを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記トラバースプラットフォームをレールに沿って移動させるためにリニア駆動システムを使用することは、マグネットトラックに沿って配されたコイルを有する永久磁石モータを作動させることを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記トラバースプラットフォームの位置を感知するために、前記トラバースプラットフォーム上の位置センサと共に、前記少なくとも1つのプロセッサ及び前記少なくとも1つの非一時的メモリを使用することをさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記スピンドルプラットフォームを前記トラバースプラットフォームに対して水平にするために、前記少なくとも1つのプロセッサ及び前記少なくとも1つの非一時的メモリを、昇降システムと共に使用することを更に含む、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームと;
第1アクチュエータ及び、前記第1アクチュエータに接続される第1制御部を有するスピンドルプラットフォームと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記第1アクチュエータに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される少なくとも1つの第2リンクとを有し、前記第2リンクは、少なくとも1つの第2アクチュエータを有すると共に、前記少なくとも1つの可動アームの第2制御部によって制御され、前記少なくとも1つの第1アクチュエータは前記第1リンクの回動を引き起こすよう構成され、前記少なくとも1つの第2アクチュエータは前記第2リンクの回動を引き起こすよう構成される、前記少なくとも1つの可動アームと;
前記スピンドルプラットフォームと前記トラバースプラットフォームとに連結される昇降システムであって、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に動かすように構成されると共に、前記トラバースプラットフォーム上に第3アクチュエータと、前記第3アクチュエータに接続される第3制御部とを有する、昇降システムと;
を備え、前記第1アクチュエータは、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める、装置。
【請求項27】
前記第1アクチュエータは前記第2アクチュエータと入れ子状になっている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第1制御部、前記第2制御部、及び前記第3制御部は、マスター制御部によって通信ネットワークを介して調整される、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記マスター制御部は前記トラバースプラットフォームに配される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記マスター制御部は前記トラバースプラットフォームの外部に配される、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記トラバースプラットフォームは、リニアベアリング及びレールのシステムに沿って第1の方向に移動するように構成される、請求項26に記載の装置。
【請求項32】
前記トラバースプラットフォームを前記第1の方向に移動させるように構成される磁石及びコイルのシステムをさらに備える、請求項31に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載された例示的かつ非限定的な実施形態は、一般に、材料ハンドリング真空環境システム等の用途に利用することができるトラバースロボットであって、垂直方向にコンパクトなトラバースロボットに関するものである。
【先行技術の簡単な説明】
【0002】
材料処理ロボットは、駆動装置に結合されたロボットアームを備え、軌道またはレールシステムに沿って移動することが可能である。ロボットアームは、上部リンクと、上部リンク上の下部リンクと、下部リンク上のエンドエフェクタとを備えてもよい。エンドエフェクタは、材料処理作業においてペイロードを取り扱うように構成され得る。駆動装置は、ロボットアームに結合されたスピンドルアセンブリと、スピンドルアセンブリをZ方向(垂直方向)に上下に動かすためのZ軸機構と、同軸に積層された1つ以上のモータとを備える。ロボットアームは真空環境下で位置決めおよび動作が可能であり、駆動装置は大気環境下で位置決めを行うことが可能である。ロボットアームが動作する空間において、真空環境を封じ込めるためにベローズを用いてもよい。スピンドルアセンブリ、スピンドルアセンブリの垂直移動のためのZ軸機構、及び/又は同軸に積層されたモータは、一般に、ロボットが動作する真空チャンバにかなりの深さと容積を必要とする。
【摘要】
【0003】
ある見方によれば、装置は、
スピンドルプラットフォームと;
第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームと;
前記スピンドルプラットフォームと前記トラバースプラットフォームとに連結される昇降システムであって、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に動かすように構成される昇降システムと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記スピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される第2リンクと、前記第2リンクに接続される第3リンクとを有する少なくとも1つの可動アームと;
前記スピンドルプラットフォームに接続され、前記第1リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第1アクチュエータと、前記少なくとも1つの可動アームに配され、前記第2リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第2アクチュエータと;
を備える。
前記第1アクチュエータは、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める。
【0004】
別の見方によれば、方法は、
第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームを提供することと;
スピンドルプラットフォームを提供することと;
前記スピンドルプラットフォームと前記トラバースプラットフォームとに連結される昇降システムであって、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に動かすように構成される昇降システムを提供することと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記スピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される第2リンクと、前記第2リンクに接続される第3リンクとを有する少なくとも1つの可動アームを提供することと;
前記スピンドルプラットフォームに接続され、前記第1リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第1アクチュエータを提供すること、及び、前記少なくとも1つの可動アームに配され、前記第2リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第2アクチュエータを提供することと;
を含む。
前記第1アクチュエータは、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める。
【0005】
別の見方によれば、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラム命令を格納する少なくとも1つの不揮発性メモリとを備え、前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に、
トラバースプラットフォームを第1の方向に移動させることと;
前記トラバースプラットフォームと前記スピンドルプラットフォームとに連結される昇降システムを作動させて、前記スピンドルプラットフォームを、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に移動させることと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記スピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される第2リンクと、前記第2リンクに接続される第3リンクとを有する少なくとも1つの可動アームを作動させることと;
前記スピンドルプラットフォームに接続され、前記第1リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第1アクチュエータ手段と、前記少なくとも1つの可動アームに配され、前記第2リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第2アクチュエータ手段とを作動させることと;
を遂行させるように構成される。
前記第1アクチュエータ手段は、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める。
【0006】
別の見方によれば、装置は、
第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームと;
第1アクチュエータ及び、前記第1アクチュエータに接続される第1制御部を有するスピンドルプラットフォームと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記第1アクチュエータに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される少なくとも1つの第2リンクとを有し、前記第2リンクは、少なくとも1つの第2アクチュエータを有すると共に、前記少なくとも1つの可動アームの第2制御部によって制御され、前記少なくとも1つの第1アクチュエータは前記第1リンクの回動を引き起こすよう構成され、前記少なくとも1つの第2アクチュエータは前記第2リンクの回動を引き起こすよう構成される、前記少なくとも1つの可動アームと;
前記スピンドルプラットフォームと前記トラバースプラットフォームとに連結される昇降システムであって、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に動かすように構成されると共に、前記トラバースプラットフォーム上に第3アクチュエータと、前記第3アクチュエータに接続される第3制御部とを有する、昇降システムと;
を備える。
前記第1アクチュエータは、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める。
【図面の簡単な説明】
【0007】
前述の態様や他の特徴について、添付図面を参照しつつ以下に説明する。
【0008】
図0図0A-0Cは、既存の真空環境材料ハンドリングトラバースロボットのいくつかの外観を示す略図である。
【0009】
図1A】コントローラを有するトラバース型ロボットの略図である。
【0010】
図1B図1B(1)-図1B(3)は、図1Aのロボットの各種外観の略図である。
【0011】
図1C図1C(1)及び図1C(2)は、図1Aのロボットの内部構成要素を示す略図である。
【0012】
図2A】トラバース型ロボットのモータに対するコントローラの位置を示す略図である。
図2B】トラバース型ロボットのモータに対するコントローラの位置を示す略図である。
図2C】トラバース型ロボットのモータに対するコントローラの位置を示す略図である。
図2D】トラバース型ロボットのモータに対するコントローラの位置を示す略図である。
【0013】
図3図3A及び図3Bは、ロボット内での構成部品の内部空間の接続の略図である。
【0014】
図4A図4A(1)-4A(3)は、ロボットのスピンドルプラットフォーム及びアームに対する、ロボットの様々な状態の略図である。
図4B図4B(1)-4B(3)は、ロボットのスピンドルプラットフォーム及びアームに対する、ロボットの様々な状態の略図である。
【0015】
図5図5A及び図5Bは、スピンドルプラットフォームを下降させたときの構成要素の重なりを示す、ロボットの略図である。
【0016】
図6】カウンターバランス機能を有する、代替的且つ例示的なロボットの実施形態の概略図である。
【0017】
図7A】は、ロボット用昇降機構の代替的な例示的実施形態の略図である。
図7B】は、ロボット用昇降機構の代替的な例示的実施形態の略図である。
図7C】は、ロボット用昇降機構の代替的な例示的実施形態の略図である。
【0018】
図7D】は、図7D(1)及び図7D(2)は、スピンドルプラットフォームがリニアベアリングによって支持され、ボールねじ駆動によって作動される例示的なロボットの概略図である。
【0019】
図7E】作動モータがロボットのアームに配置されている例示的なロボットの概略図である。
【0020】
図7F図7F(1)及び図7F(2)は、昇降機構を有しないロボットの一例を示す略図である。
【0021】
図7G(1)(2)】例示的なロボットの略図であり、構造の比較を示している。
図7G(3)(4)】例示的なロボットの略図であり、構造の比較を示している。
【0022】
図8】上腕と2つの前腕を有するロボットアームの略図である。
【実施形態の詳細説明】
【0023】
図面に示す例示的な実施形態を参照して様々な特徴を説明するが、実施形態の多くの代替形態においてこれらの特徴を具体化できることを理解すべきである。また、要素や材料に関して任意の適切なサイズ、形状もしくは種類を採用することができることも理解すべきである。。
【0024】
図0A-0Cを参照すると、既存の真空環境材料処理トラバースロボットの一例が一般的に10で示されている。これは以下で"ロボット10"と称される。ロボット10は駆動装置14に結合されたロボットアーム12を備える。ロボットアーム12は真空環境に配置されて作動可能であり、駆動装置14は大気環境に配置されている。図示のように、ロボットアーム12は、上部リンク16と、2つの下部リンク18と、下部リンク18の各々に1つずつ設けられた2つのエンドエフェクタ20とを有する。駆動ユニット14は、ロボットアーム12に結合されたスピンドルアセンブリ24と、スピンドルアセンブリ24を上下に動かし、それによってロボットアーム12のZ方向の垂直作動を提供するためのZ軸機構26(ボールねじなど)と、同軸に積層された1つまたは複数のモータ28とから構成される。ロボットアーム12が動作する空間の真空環境を封じ込めるために、ベローズ30が使用されてもよい。ロボット10は、トラック34又はレールに沿って、X方向(図0Aの矢印Xで示す)に移動してもよい。ロボット10は、図0Bに示されるように、2つのトラック34またはレールに沿って移動してもよい。折り畳まれた状態において、図0Cに示されるように、上部エンドエフェクタ20は、下部エンドエフェクタ20を完全に覆ってもよい。
【0025】
本発明の1つの目的は、ロボットが占有する垂直方向の空間を縮小し、その結果として、ロボットが動作する真空チャンバの深さと容積を縮小することである。
【0026】
本発明によるトラバースロボットの例示的実施形態を図1A図1C(2)に図解的に描く。以下、この例示的実施形態を"ロボット100"と称する。図1Aは、制御システム106を有するロボット100の側面図である。ロボット100の追加の図が図1B(1)-図1B(3)に提供され、ロボット100の内部構成要素の配置例が図1C(1)および図1C(2)に図解的に描かれている。
【0027】
図1Aに示すように、ロボット100は、定置基部108によって支持されてもよく、線形誘導および作動システム110、トラバースプラットフォーム112、昇降機構114、スピンドルプラットフォーム116、ロボットアーム120、および制御システム106を備えてもよい。
【0028】
定置基部108は、ロボット100を支持するように構成される構造体であってもよい。一例として、定置基部108は、ロボット100の走行方向(例えば、X軸に沿ったX方向)に沿った長さを有するプレート又はフレーム、真空チャンバの床又は壁、又はロボット100を支持できる任意の他の適切な構造であってもよい。
【0029】
リニアガイド・アクチュエーションシステム110は、定置基部108に対するトラバースプラットフォーム112の(例えば図1AにおけるX軸に沿った方向への)走行を可能するように構成されるリニアガイド構造およびリニアアクチュエータシステムを備えてもよい。
【0030】
図1Aの例で図式的に示されるように、リニアガイド構造は、リニアベアリング構造によって形成されてもよい。一例として、リニアベアリング構造は、定置基部108に取り付けられた1つまたは複数のリニアベアリングレール124と、トラバースプラットフォーム112に取り付けられた1つまたは複数のリニアベアリングブロック126とを備えてもよい。リニアガイド及びアクチュエーションシステム110のリニアガイド部分は、リニアベアリングレール124との接触を防止し、ごみがリニアベアリングブロック126(又は他の1つ又は複数のリニアベアリング)を汚染することを防止し、微粒子がリニアベアリングブロック126(又は他の1つ又は複数のリニアベアリング)から移行することを防止するように構成されるシールドシステムを備えてもよい。
【0031】
あるいは、リニアガイド構造は、車輪およびレールのシステム、ケーブルまたはベルト懸架システム、磁気支持システム、または定置基部108に対するトラバースプラットフォーム112の動きを拘束するように構成される他の任意の適切な構造であってもよい。
【0032】
図1C(1)および図1C(2)の例に図式的に示されているように、リニアアクチュエータシステムは、1つまたは複数のリニアアクチュエータおよび1つまたは複数の位置センサ111を有してもよい。位置センサ111は、トラバースプラットフォーム112上にあるものとして図示されているが、位置センサ111は、リニアガイド・アクチュエーションシステム110上またはその中のどこにあってもよいことが理解されるべきである。リニアアクチュエータシステムのリニアアクチュエータは、定置基部108に取り付けられてもよい不動部分と、トラバースプラットフォーム112に取り付けられてもよい可動部分とを有していてもよい。リニアアクチュエータは、例えば永久磁石モータなどのリニアモータ130であってもよい。可動部分は、トラバースプラットフォーム112の底面上のコイル132(例えば、移動コイル構造)を有するフォーサー(forcer)で構成されてもよく、不動部分は、定置基部108上の磁石トラック134によって形成されてもよい。可動磁石構造では、可動部分は、トラバースプラットフォーム112上の磁石板からなり、不動部分は、定置基部108上のコイル132が形成されたトラックによって形成されてもよい。
【0033】
あるいは、リニアアクチュエータは、実質的にロボット100の所望の走行方向に定置基部108とトラバースプラットフォーム112の間に力を生成できる他の任意の適切な構造に基づくことができ、例えばベルト駆動、バンド駆動、ケーブル駆動、ボールねじ、リードねじに基づくことができる。
【0034】
リニアアクチュエータの位置センサ111は、所望の走行方向(X軸に沿った方向)に沿ったトラバースプラットフォーム112の位置を測定するように構成されてもよい。一例として、位置センサ111は、光学的、磁気的、誘導的、または容量性位置エンコーダなどの位置エンコーダ、レーザ干渉計であってもよい。または、所望の走行方向に沿ったトラバースプラットフォーム112の位置を直接的または(ベルト駆動、バンド駆動、ケーブル駆動、ボールねじ、リードスクリュー等の場合は)間接的に測定できる任意の他の適切なデバイスであってもよい。
【0035】
位置センサ111からの測定値は、ロボット100の所望の走行方向(X軸に沿った方向)に沿った、定置基部108に対するトラバースプラットフォーム112の所望の移動や所望の停止位置を達成するために、制御システム106によってリニアアクチュエータ(例えば、リニアモータ130)を制御するために利用されてもよい。
【0036】
昇降機構114は、スピンドルプラットフォーム116をトラバースプラットフォーム112に対して垂直方向に(又は、より正確には、垂直運動成分を含む方法で)相対的に移動させると共に、スピンドルプラットフォーム116のトラバースプラットフォーム112に対する角度姿勢を安定させる(例えば、スピンドルプラットフォーム116を実質的に水平に保つ)ように構成される1又は複数の昇降連結部136を有してもよい。例えば、図1A図1B(1)、及び図1C(1)に従い、昇降連結部品136は、回転駆動装置でありうる昇降機構モータ140によって作動する平行四辺形の構成を有してもよい。回転駆動(又は他の昇降機構モータ140)は、回転モータ及び回転センサを備えてもよい。(例えばスピンドルプラットフォーム116を実質的に水平に保つための)スピンドルプラットフォーム116の移動制御は、制御システム106を使用して実施されてもよい。
【0037】
一般に、昇降機構114の1つ又は複数の昇降連結部136の各々は、1つ又は複数のリンク、(回転式または別の適切なタイプの)ジョイント、および/またはベルト、バンド、またはケーブルを利用するプーリー構造を有してもよい。つ以上の昇降連結部136は、1つ以上の回転モータ、リニアモータ、ストラット、または任意の他の適切な作動手段によって作動されてもよい。
【0038】
図1A図1B(1)、図1B(2)、及び図1C(1)の例に描かれているように、昇降機構114の1つ以上の昇降連結部136は、トラバースプラットフォーム112の一方又は両方の側に配置されてもよい。図1B(2)は、トラバースプラットフォーム112の両側に昇降連結部136が配置されている例を示している。他の例として、1つ以上の昇降連結部136が、トラバースプラットフォーム112の1つの面又は両方の面に配置されてもよい。あるいは、1つ以上の昇降連結部136が、トラバースプラットフォーム112の任意の適切な位置に配置されてもよい。
【0039】
スピンドルプラットフォーム116は、ロボットアーム120と、ロボットアーム120またはロボットアーム120の一部を駆動または作動させるように構成される1つまたは複数のモータとを担持してもよい。一例として、図1C(1)に図式的に描かれているように、ロボットアーム120の第1リンク142(上腕)は、回転ジョイントを介してスピンドルプラットフォーム116に結合されてもよく、モーター(モーターT)のステータ144は、スピンドルプラットフォーム116に取り付けられてもよく、モーター(モーターT)のロータ146は、ロボットアーム120の第1リンク142に取り付けられてもよい。モータ(モータT)は、都合よくロボットアーム120の第1リンク142まで突出し、及び/又はロボットアーム120の第1リンク142の中に延び、スピンドルプラットフォーム116とロボットアーム120の第1リンク142の合計の厚さ(高さ)を利用してもよい。あるいは、モータ(モータT)のステータ144は、ロボットアーム120の第1リンク142に取り付けられてもよく、モータ(モータT)のロータ146は、スピンドルプラットフォーム116に取り付けられてもよい。図1C(1)にはモータTが内部ロータ構成で示されているが、モータTは外部ロータ構成であってもよいし、任意の適切なタイプであってもよい。
【0040】
図1B(1)の例を参照すると、ロボットアーム120は、第1リンク142(上腕)と、2つの前腕(前腕A 150及び前腕B 152)と、2つの手首リンク(手首リンクA 154及び手首リンクB 156)とを有し、それぞれが1以上のエンドエフェクタ160を搭載し、そのそれぞれがペイロードを受け入れるよう構成されても良い。前腕150、152の各々は、回転関節(肘関節A164および肘関節B166)を介して第1リンク142に結合されてもよい。2つのモータ(図1C(1)に示すモータA及びモータB)が第1リンク142に取り付けられてもよく、それぞれが2つの前腕150、152のうちの1つに結合される。手首リンク154、156の各々は、回転関節(手首関節A170及び手首関節B172)を介して前腕150、152のうちの1つに結合されてもよい。ロボットアーム120は、手首リンク154、156の一方の角度を拘束するように構成される2つのベルトドライブ(ベルト駆動装置)、バンドドライブ(バンド駆動装置)、又はケーブルドライブ(ケーブル駆動装置)をさらに備えてもよい。(バンドドライブA、Bは、図1C(1)において、前腕150、152にそれぞれ示されている。)ベルト駆動装置、バンド駆動装置、またはケーブル駆動装置は、参照によりその全体がここに組み込まれる米国特許第9,149,936号、第9,840,004号、第9,889,557号、および第10,224,232号に記載されるように、円形プーリーおよび/または非円形プーリーを採用してもよい。
【0041】
トラバースプラットフォーム112、スピンドルプラットフォーム116、及びロボットアーム120は、これらに取り付けられたモータ及び他のアクティブコンポーネントによって生じる熱を除去するように構成される特徴を備えてもよい。一例として、ロボットアーム120及びスピンドルプラットフォーム116は、互いに向き合い、放射メカニズムや、残留ガスが存在する場合には伝導及び対流メカニズムを通じて、ロボットアーム120からスピンドルプラットフォーム116に熱が伝達されることを可能にする、(平面、円筒形、又は任意の適切な形状の)1つ又は複数の表面を備えてもよい。同様に、トラバースプラットフォーム112及びスピンドルプラットフォーム116は、放射や、残留ガスが存在する場合は熱伝導及び対流を使用して、ロボットアーム120から熱を取り出すように構成される表面を備えてもよい。
【0042】
ロボット100の制御システム106は、例えば、ユーザまたはホストシステムから外部入力を受け取り、位置エンコーダ(簡略化のため図示せず)から個々の運動軸(モータ)の位置を読み取り、その情報を処理して、モータに電圧を印加して所望の運動を行い、および/または所望の位置を達成することができる。
【0043】
一例の実施形態では、例えば図2Aに図解されているように、ロボット100内アクチュエータ(モータ)は、それぞれアクチュエータに近接して配置された制御モジュール(複数可)により制御されてもよい。スピンドルプラットフォーム116に位置する1つ又は複数のアクチュエータ(例えば、モータT)は、スピンドルプラットフォーム116に取り付けられた、またはスピンドルプラットフォーム116に位置するコントローラまたは制御システムまたは1つ又は複数の制御モジュール200によって制御されてもよい。昇降機構114の1つ又は複数のアクチュエータ(例えば、昇降機構モータ140)は、トラバースプラットフォーム112上に(またはトラバースプラットフォーム内に)位置するコントローラまたは1つ又は複数の制御モジュール210によって制御されてもよい。ロボットアーム120内の1つ又は複数のアクチュエータは、ロボットアーム120内のコントローラまたは1つ又は複数の制御モジュール218によって制御されてもよい。制御モジュール200、210、218は、例えば、通信ネットワーク212を介して、マスターコントローラ220によって調整されてもよい。マスターコントローラ220は、トラバースプラットフォーム112に位置してもよく、ホスト通信システム228と通信することができるマスターコントローラ220と昇降機構114の制御モジュール210は、別々の装置であってもよいし、単一の統合された装置に組み合わされてもよい。あるいは、図2Bに図式的に描かれているように、マスターコントローラ220は、トラバースプラットフォーム112の外側に置かれてもよく、定置基部108に対して動かない状態で存在してもよい。いずれの構成においても、マスターコントローラ220は、1つまたは複数のプロセッサ222と、本明細書に記載されるような動作を実行するように構成されるプレグラム命令を有する1つまたは複数のメモリ224を有してもよい。
【0044】
別の例示的な実施形態では、エンコーダ信号238およびモータ線は、図2Cおよび図2Dに図式的に示すように、集中コントローラ240にもたらされてもよい。集中コントローラ240は、トラバースプラットフォーム112内にあってもよく、又はトラバースプラットフォーム112の外側にあってもよい(定置基部108に対して動かないようにされてもよい)。あるいは、図2A図2Dの構成の任意の組み合わせが使用されてもよい。集中コントローラ240は、1つまたは複数のプロセッサ242と、本明細書に記載されるような動作を実行するように構成されるプレグラム命令を有する1つまたは複数のメモリ244を有してもよい。
【0045】
図2C及び図2Dの例では、モータSは、リニアアクチュエータシステムのアクチュエータを指し、モータZは、昇降機構114アクチュエータを指す。制御モジュールは200、210、および218で示される。
【0046】
昇降機構114およびロボットアーム120は、電力を供給し、電気信号を伝送し、ロボット100内で流体(気体および/または液体)を循環させるための構成を備えてもよい。これらの構成は、制御システム(電力供給および電気信号伝送)のために、また、熱除去(流体循環)を増進するために必要とされ得る。回転ジョイントによって結合された構成要素間の電力供給、信号伝送、および/または流体循環を支援し得る例示的な構成は、図3Aに300で図式的に描かれており、"構成300"と称される。
【0047】
図3Aに示すように、ベローズ304は、回転ジョイント306によって結合された構成要素の内部空間を接続するために利用され、1つ又は複数のケーブル及び/又は1つ又は複数のホースのための通路308を提供することができる。形状ガイド310は、1つ又は複数のケーブル及び/又は1つ又は複数のホースを拘束し、1つ又は複数のケーブル及び/又は1つ又は複数のホースがベローズ304及び他の構成要素に対して擦れるのを防止するために使用されてもよい。
【0048】
図3Aの例示的な構成300では、ベローズ304の内部空間は、それが接続するロボット構成要素の内部空間と実質的に同じ圧力であってよく、それは外部真空環境の圧力よりも高くてもよい。あるいは、ベローズ304の安定性を高めるために、図3Bに図式的に示すように、低圧環境がベローズ304の内部にあるような構成を採用することもできる。図3Bにおいて、ベローズ304は圧縮された状態で示されている。
【0049】
ロータリージョイントを介した電力供給、信号伝達、および/または流体循環を支援し得る他の構成例が米国特許第10,569,430号に記載されており、その全体が参照により本書に組み込まれるものとする。
【0050】
ロボット100の定置基部とトラバースプラットフォーム112との間で電力および通信信号を伝送するために、追加の構成が使用されてもよい。例えば、サービスループ、誘導結合、容量結合、光通信リンク、または無線周波数通信システムが、この目的のために採用されてもよい。
【0051】
ロボット100は、図4A(1)-4A(3)及び4B(1)-4B(3)に図解的に示されるように、定置基部108に沿って走行し、スピンドルプラットフォーム116を上昇させ、ロボットアーム120を回転させ、ロボットアーム120の各エンドエフェクタを伸長させることができる。一例として、図4A(1)-4A(3)は、ロボット100が定置基部108に対してとりうる状態の1つを描いている。この状態において、スピンドルプラットフォーム116は下降し、両方のエンドエフェクタ160は引っ込んでいる。別の例として、図4B(1)-図4B(3)は、ロボット100が定置基部108に対してとりうる状態の別の1つを描いている。この状態において、スピンドルプラットフォーム116は上昇し、エンドエフェクタ160の一方は伸長している。
【0052】
図1Aの例示的な実施形態の特徴的な点は、ロボット100のモータと他の構成要素とが、垂直方向に入れ子になっているか、または重なっていてよいことである。すなわち、実質的に同じ垂直空間を共有していることである。特に、図5Aおよび5Bに図示されているように、スピンドルプラットフォーム116が下降し、倒れた状態にあるときに、そのようになっている。図5Aに示されるように、スピンドルプラットフォーム116がトラバースプラットフォーム112に対して倒されているとき、またはロボットアーム120が格納位置にあるときでさえ、モータTの一部はロボットアーム120の第1リンク142の中に突出しうる。これにより、ロボット100が占める垂直方向の空間が減少し、その結果、ロボット100が動作し得る真空チャンバの深さ及び容積が減少する。また、少なくともモータAとモータBとは、ロボット100によって占有される垂直空間をさらに減少させるために、折り畳まれた状態でモータTと入れ子になっていてもよい。
【0053】
本発明によるトラバースロボット100の代替的な例示的な実施形態が、図6-8に図式的に描かれている。
【0054】
昇降機構114は、昇降機構114アクチュエータ(モータ)上のトルク又は力を低減するために、カウンターウェイト又はばね(例えば、コイルばね又はねじりばね)のようなカウンターバランス機能を備えてもよい。張力がかけられたコイルばね600を利用するカウンターバランス機能を有する例示的な実施形態が、図6に図解的に描かれている。代替的に、任意の他の適切なカウンターバランス機能を使用してもよい。
【0055】
例示的な代替的昇降機構が図7Aに図式的に描かれており、以下にこれを"昇降機構714"と表記する。昇降機構714はリンク716を有してもよく、このリンクは、回転ジョイント720及び722のそれぞれによってトラバースプラットフォーム112及びスピンドルプラットフォーム116に結合されてもよい。昇降機構714は、バンド732(又はベルト又はケーブル)を駆動するように構成されるアクチュエータ又はモータ730をさらに有してもよい。この例において、アクチュエータ又はモータ730は、トラバースプラットフォーム112に対するスピンドルプラットフォーム116の同じ角度の向きを保つように駆動される。例えば、スピンドルプラットフォーム116を実質的に水平に保つように駆動される。この構成では、図示されているように、第1のプーリー734がトラバースプラットフォーム112に取り付けられてもよく、第2のプーリー736がスピンドルプラットフォーム116に取り付けられてもよい。
【0056】
図7Aに示されるように、リンク716は、トラバースプラットフォーム112に取り付けられた回転モータRMによって作動させられてもよい。回転モータRMがリンク716を作動させてトラバースプラットフォーム112に対して回動させると、スピンドルプラットフォーム116はトラバースプラットフォーム112に対して高度を変化させる。代替的に、回転モータRMは、スピンドルプラットフォーム116に取り付けられてもよい。別の代替例として、昇降機構714のリンク716を作動させるために、リニアモータ、ストラット、または任意の他の適切な作動手段が使用されてもよい。
【0057】
別の例示的な代替昇降機構が、図7Bに750で図式的に示されている。昇降機構750は、第1リンク754及び第2リンク756から構成されてもよい連結部を備えてもよい。第1リンク754は、第1回転ジョイント760によってトラバースプラットフォーム112に結合されてもよく、第2リンク756は、第2回転ジョイント762によって第1リンク754に結合されてもよく、スピンドルプラットフォーム116は、第3回転ジョイント764によって第2リンク756に結合されてもよい。昇降機構750の連結部は、トラバースプラットフォーム112に対するスピンドルプラットフォーム116の角度姿勢が変わらないように維持するように構成される、2つのベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブを更に備えてもよい。これらは例えば、スピンドルプラットフォーム116を実質的に水平に保つように構成されてもよい。
【0058】
図7Bに示すように、第1のベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、第1リンク754の内側に位置し、トラバースプラットフォーム112に取り付けられた第1のプーリー770と、第2リンク756に取り付けられた第2のプーリー772とを連結してもよい。トラバースプラットフォーム112に取り付けられた第1のプーリー770の直径は、第2リンク756に取り付けられた第2のプーリー772の直径の2倍であってよい。第2のベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、第2リンク756の内側に配置され、第2のプーリー772をスピンドルプラットフォーム116上の第3のプーリー774に連結してもよい。第3のプーリー774の直径は、第2のプーリー772の直径の約2倍であってよく、第1のプーリー770の直径と同じか同じくらいであってもよい。
【0059】
図7Bをさらに参照すると、昇降機構750リンクの第1リンク754は、トラバースプラットフォーム112の中または上にある回転モータRMによって作動させられてもよい。この構成では、回転モータRMが、第1リンク754がトラバースプラットフォーム112に対して回動するように第1リンク754を作動させると、スピンドルプラットフォーム116がトラバースプラットフォーム112に対して垂直に移動する。代替的に、リニアモータ、ストラット、または他の任意の適切な作動手段が、昇降機構750を作動させるために使用されてもよい。
【0060】
図7Bの例示的な昇降機構750は、同じジョイント間長さの2つリンクと円形プーリーとで示されているが、2つリンクは、不等なジョイント間長さであってもよく、プーリーの一部または全部は、非円形であってもよい。あるいは、任意の適切な数のリンクおよびプーリーのタイプが使用されてもよい。第1リンク754及び第2リンク756によって規定される連結部は、トラバースプラットフォーム112の一方又は両方の側に配置され、スピンドルプラットフォーム116の一方又は両方の側に結合されてもよい。
【0061】
別の例として、図7Cに図式的に示すように、昇降機構750の第1リンク754及び第2リンク756によって規定される1つ又は複数の連結部は、トラバースプラットフォーム112の前面及び/又は後面に配置されて、スピンドルプラットフォーム116の(側面ではなく)前面及び/又は後面に結合されてもよい。あるいは、昇降機構750の第1リンク754及び第2リンク756は、トラバースプラットフォーム112とスピンドルプラットフォーム116との間の任意の適切な位置に配設されてもよい。
【0062】
ここで図7D(1)及び図7D(2)を参照すると、ロボットアーム702を有する例示的な実施形態ロボット700の簡略化した断面図が示されている。例示的なロボット700は、1つ以上のリニアベアリング及びリニアアクチュエーションシステムを利用してもよい。例示的なロボット700において、スピンドルプラットフォーム766は、1つ以上のリニアベアリング768及びリニアアクチュエータによって支持されてもよい。リニアアクチュエータは、以前の例と同様に、レール769などのレール又は軌道システム上の、フォーサー/コイル構造などであってもよい。スピンドルプラットフォーム766は、例えば、適切なZ軸機構26(例えば、ボールねじ駆動、リードスクリュー、バンド駆動、ベルト駆動、ケーブル駆動、リニアモータ、または任意の他の適切な作動手段)により、上下に動かされることができる。図示されるように、ベローズ776は、スピンドルプラットフォーム766が上下に動くことを可能にしながら、真空環境を収容するためにも利用され得る。ロボット700の高さは、図7Eに図解的に示されるように、上部アーム778を作動させるモータMをロボットアーム702に再配置することによって、本明細書に開示される他の実施例と比較して低減することができる。
【0063】
昇降機構を有しない本発明によるトラバースロボットの例示的な実施形態が、図7F(1)及び7F(2)に図式的に描かれており、以下これを"ロボット780"と称する。ロボット780は、ベース784に直接取り付けられたロボットアーム782を備える。ロボットアーム782は、レール769(またはトラック)に沿ってスライドするように構成される1つまたは複数のリニアベアリング768を利用する。ロボット780はまた、以前の例示的な実施形態と同様に、リニアアクチュエーションシステムを含む。
【0064】
選択された例示的実施形態と、既存技術を表すロボットとの比較が、図7G(1)、7G(2)、7G(3)、及び7G(4)に提供される。図7G(1)は、既存技術を表すロボット10の簡略化された断面図を示し、図7G(2)は、2つのモータMがロボットアーム802に再配置されたトラバースロボット800の例示的実施形態を示す。図7G(3)は、前述の連結部に基づく昇降機構を有する例示的実施形態、例えば、ロボット100を描いている。図7G(4)は、昇降機構がない例示的実施形態、例えば、ロボット780を描いている。
【0065】
上記の例示的な実施形態の一部として、単一の昇降機構によって支持された単一のスピンドルプラットフォームが示されているが、スピンドルプラットフォーム及び昇降機構の数は複数であってもよい。昇降機構を有さない実施形態も存在しうる。
【0066】
例示的な代替ロボットが図8に1000で図式的に描かれており、以下これを、"ロボット1000"と称する。ロボット1000は、定置基部108によって支持され、これまでの実施例と同様に、リニアガイド及びアクチュエーションシステム110、トラバースプラットフォーム112、昇降機構114、スピンドルプラットフォーム116、及び制御システム106を備えてもよい。アーム1012がスピンドルプラットフォーム116に取り付けられ、アーム1012は、それぞれがエンドエフェクタを担持する上腕1014及び2つの前腕1016を有し、前腕1016は、同軸回転ジョイント(肘関節1020と呼ぶ)を介して上腕1014に結合される。上腕1014は、それぞれが2つの前腕1016のうちの1つを作動させるように構成される2つのモータ(モータAおよびモータB)を収容してもよい。図8は、外部ロータを有する構成のモータAおよびBを示しているが、モータAおよびBは、内部ロータ構成であってもよい。あるいは、任意の適切なモータ構成、タイプ、および設計が使用されてもよい。
【0067】
本書に記載された図に示されたベアリング、ベアリングの構成、およびベアリングの位置は、説明のためだけのものであり、目的は、個々の部品が一般的に互いに対してどのように拘束され得るかを伝えることであることに留意されたい。ベアリング、ベアリングの構成及びベアリングの位置は、任意の適切なものを使用することができる。
【0068】
制御システムの様々な構成要素間の通信手段として通信ネットワークを説明したが、無線ネットワークやポイントツーポイントバスなど、マスターコントローラと制御モジュールとの間の任意の他の適切な通信手段を利用することができる。
【0069】
本明細書に記載される特徴は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/788,993号、第16/788,973号、および第15/294,099号に記載される特徴と共に使用することができる。
【0070】
ある例示的実施形態において、装置は、
スピンドルプラットフォームと;
第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームと;
前記スピンドルプラットフォームと前記トラバースプラットフォームとに連結される昇降システムであって、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に動かすように構成される昇降システムと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記スピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される第2リンクと、前記第2リンクに接続される第3リンクとを有する少なくとも1つの可動アームと;
前記スピンドルプラットフォームに接続され、前記第1リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第1アクチュエータと、前記少なくとも1つの可動アームに配され、前記第2リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第2アクチュエータと;
を備える。
前記第1アクチュエータは、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める。
【0071】
前記少なくとも1つの第1アクチュエータと前記少なくとも1つの第2アクチュエータとは垂直方向で重なるように構成されてもよい。前記第1アクチュエータは、前記第2アクチュエータと入れ子になるように構成されてもよい。前記装置は、前記トラバースプラットフォーム上にリニアガイドシステムをさらに備えてもよい。その場合、該リニアガイドシステムは、直線方向において、前記トラバースプラットフォームの動きを拘束するように構成されている。前記リニアガイドシステムは、前記トラバースプラットフォーム上に少なくとも1つのリニアベアリングを備え、前記少なくとも1つのリニアベアリングは、レールに係合し、前記レール上をスライドするように構成されてもよい。前記装置は、前記トラバースプラットフォーム上に設けられたリニアアクチュエーションシステムをさらに備えてもよい。その場合、該リニアアクチュエーションシステムは、前記トラバースプラットフォームを直線方向に移動させるように構成されている。前記リニアアクチュエーションシステムは、リニアアクチュエータと少なくとも1つの位置センサとを有していてもよい。前記リニアアクチュエータは、少なくとも1つのコイルを有する永久磁石モータを有してもよく、その場合、前記少なくとも1つのコイルは、トラックと磁気的に係合するように構成されている。前記少なくとも1つの位置センサは、前記トラバースプラットフォーム上に配置されてもよく、制御手段を用いて直線方向に沿って制御されるように構成されてもよい。前記昇降システムは少なくとも1つの連結部を有してもよく、その場合、該少なくとも1つの連結部は、前記トラバースプラットフォームと前記スピンドルプラットフォームとの間に延在し、前記スピンドルプラットフォームと前記スピンドルプラットフォームに対して回動可能である。前記少なくとも1つの連結部は、回転アクチュエータを使用して前記トラバースプラットフォーム上で回動可能であってもよい。前記回転アクチュエータは、前記トラバースプラットフォームに対して前記スピンドルプラットフォームを実質的に水平な位置に維持するために、制御手段を用いて制御可能であってもよい。前記昇降システムは、カウンターバランススプリングをさらに有してもよい。
【0072】
別の例示的実施形態において、方法は、第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームを提供することと;
スピンドルプラットフォームを提供することと;
前記スピンドルプラットフォームと前記トラバースプラットフォームとに連結される昇降システムであって、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に動かすように構成される昇降システムを提供することと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記スピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される第2リンクと、前記第2リンクに接続される第3リンクとを有する少なくとも1つの可動アームを提供することと;
前記スピンドルプラットフォームに接続され、前記第1リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第1アクチュエータを提供すること、及び、前記少なくとも1つの可動アームに配され、前記第2リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第2アクチュエータを提供することと;
を含む。
前記第1アクチュエータは、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める。
【0073】
前記少なくとも1つの第1アクチュエータと前記少なくとも1つの第2アクチュエータとは垂直方向で重なるように構成されてもよい。前記方法は、前記トラバースプラットフォーム上にリニアガイドシステムを提供することを含んでもよい。その場合、該リニアガイドシステムは、直線方向において、前記トラバースプラットフォームの動きを拘束するように構成されている。前記方法は、前記トラバースプラットフォーム上に設けられたリニアアクチュエーションシステムを提供することを含んでもよい。。その場合、該リニアアクチュエーションシステムは、前記トラバースプラットフォームを直線方向に移動させるように構成されている。前記方法は、位置センサおよび制御手段を使用して、第1の方向において前記トラバースプラットフォームの移動を制御することを含んでもよい。前記方法は、制御手段を使用して、第2の方向において前記スピンドルプラットフォームの移動を制御することをさらに含んでもよい。
【0074】
別の例示的実施形態において、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラム命令を格納する少なくとも1つの不揮発性メモリとを備え、前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に、
トラバースプラットフォームを第1の方向に移動させることと;
前記トラバースプラットフォームと前記スピンドルプラットフォームとに連結される昇降システムを作動させて、前記スピンドルプラットフォームを、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に移動させることと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記スピンドルプラットフォームに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される第2リンクと、前記第2リンクに接続される第3リンクとを有する少なくとも1つの可動アームを操作することと;
前記スピンドルプラットフォームに接続され、前記第1リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第1アクチュエータ手段と、前記少なくとも1つの可動アームに配され、前記第2リンクの回動を引き起こすように構成される少なくとも1つの第2アクチュエータ手段とを作動させることと;
を遂行させるように構成される。
前記第1アクチュエータ手段は、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める。
【0075】
前記装置は更に、前記第1アクチュエータ手段と前記第2アクチュエータ手段とを入れ子状にするようにされてもよい。前記トラバースプラットフォームを前記第1の方向に移動させることは、前記トラバースプラットフォームをレールに沿って移動させるためにリニア駆動システムを使用することを含んでもよい。前記トラバースプラットフォームをレールに沿って移動させるためにリニア駆動システムを使用することは、マグネットトラックに沿って配されたコイルを有する永久磁石モータを作動させることを含んでいてもよい。前記装置は、前記トラバースプラットフォームの位置を感知するために、前記トラバースプラットフォーム上の位置センサと共に、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つの非一時的メモリを使用することをさらに含んでもよい。前記装置は、前記スピンドルプラットフォームを前記トラバースプラットフォームに対して水平にするために、前記少なくとも1つのプロセッサ及び前記少なくとも1つの非一時的メモリを、昇降システムと共に使用することを更に備えてもよい。
【0076】
別の例示的実施形態において、装置は、第1の方向に移動するように構成されるトラバースプラットフォームと;
第1アクチュエータ及び、前記第1アクチュエータに接続される第1制御部を有するスピンドルプラットフォームと;
前記スピンドルプラットフォームに接続される少なくとも1つの可動アームであって、前記第1アクチュエータに接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続される少なくとも1つの第2リンクとを有し、前記第2リンクは、少なくとも1つの第2アクチュエータを有すると共に、前記少なくとも1つの可動アームの第2制御部によって制御され、前記少なくとも1つの第1アクチュエータは前記第1リンクの回動を引き起こすよう構成され、前記少なくとも1つの第2アクチュエータは前記第2リンクの回動を引き起こすよう構成される、前記少なくとも1つの可動アームと;
前記スピンドルプラットフォームと前記トラバースプラットフォームとに連結される昇降システムであって、前記スピンドルプラットフォームを、折りたたまれた状態と伸ばされた状態との間で、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に動かすように構成されると共に、前記トラバースプラットフォーム上に第3アクチュエータと、前記第3アクチュエータに接続される第3制御部とを有する、昇降システムと;
を備える。
前記第1アクチュエータは、前記スピンドルプラットフォームから前記第1リンクに延び、前記スピンドルプラットフォームと前記第1リンクの合計の厚さを占める。
【0077】
前記第1アクチュエータは、前記少なくとも1つの第2アクチュエータと入れ子になっていてもよい。前記第1制御部、前記第2制御部、及び前記第3制御部は、マスター制御部によって通信ネットワークを介して調整されてもよい。前記マスター制御部は、前記トラバースプラットフォームに配されてもよい。前記マスター制御部は、前記トラバースプラットフォームの外部に配されてもよい。前記トラバースプラットフォームは、リニアベアリング及びレールのシステムに沿って第1の方向に移動するように構成されてもよい。前記装置は、前記トラバースプラットフォームを前記第1の方向に移動させるように構成される磁石及びコイルのシステムをさらに備えてもよい。
【0078】
なお、上述の説明は単なる例であることも理解しなければならない。当業者は種々の変形および修正を考えることができるだろう。例えば、前述した様々な実施形態からの特徴を選択的に組合せて新たな実施形態とすることも可能である。したがって本願は、添付の特許請求の範囲に含まれる変更や修正,変形等の全ての事項を包含するものである。
図0
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G(1)(2)】
図7G(3)(4)】
図8
【国際調査報告】