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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(54)【発明の名称】温度変化量測定センサ
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/16 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
G01K7/16 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554712
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 KR2021003077
(87)【国際公開番号】W WO2021182907
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0030855
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】100, Hangang-daero, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ソ ジョンウン
(72)【発明者】
【氏名】ゴ ヒョンヒョプ
(72)【発明者】
【氏名】ミョン ジンヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョンファ
(72)【発明者】
【氏名】イ ヨンオ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンギョン
(72)【発明者】
【氏名】パク スンハン
(72)【発明者】
【氏名】パク ウォンソク
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ テリョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ビョングン
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056MS01
(57)【要約】
本発明は温度変化量測定センサに関する。本発明の一側面において、温度変化量に応じて体積が変化する高分子を含む第1複合素材層と、前記第1複合素材層の一方側に提供され、前記温度変化量を抵抗の変化量で示すことができる電極層と、少なくとも一部が前記第1複合素材層の上側に提供され、一方側で起こる温度変化を他方側に伝達するように炭素ナノチューブ(CNT)、窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)、グラフェン(graphene)のうち少なくとも一つとポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)を含むか、又は熱可塑性ポリウレタン弾性体(Thermoplastic PolyUrethane,TPU)を含む第2複合素材層とを含む温度変化量測定センサが提供され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度変化量に応じて体積が変化する高分子を含む第1複合素材層と、
前記第1複合素材層の一方側に提供され、前記温度変化量を抵抗の変化量で示すことができる電極層と、
少なくとも一部が前記第1複合素材層の上側に提供され、一方側で起こる温度変化を他方側に伝達するように炭素ナノチューブ(CNT)、窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)、グラフェン(graphene)のうち少なくとも一つとポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)を含むか、または熱可塑性ポリウレタン弾性体(Thermoplastic PolyUrethane,TPU)を含む第2複合素材層とを含む温度変化量測定センサ。
【請求項2】
前記第2複合素材層の厚さは1μm~30μmで提供される、請求項1に記載の温度変化量測定センサ。
【請求項3】
前記第2複合素材層は、
炭素ナノチューブ(CNT)とポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)で形成され、
前記炭素ナノチューブ(CNT)の重量比率が15%~20%である、請求項1に記載の温度変化量測定センサ。
【請求項4】
前記第2複合素材層は、
熱可塑性ポリウレタン弾性体(Thermoplastic PolyUrethane,TPU)で形成され、前記第2複合素材層の厚さは1μm~10μmで提供される、請求項1に記載の温度変化量測定センサ。
【請求項5】
前記電極層は、
前記第1複合素材層の上部一側面に配置される第1電極と、
前記第1電極と離隔されている第2電極とを含み、
前記第1電極と前記第2電極は同一平面上に配置されている、請求項1に記載の温度変化量測定センサ。
【請求項6】
前記第1電極は、
一方向に配置される第1縦電極と、
前記第1縦電極から既に設定された角度で延びる複数個の第1横電極とを含み、
前記第2電極は、
一方向に配置される第2縦電極と、
前記第2縦電極から既に設定された角度で延びる複数個の第2横電極とを含み、
複数個の前記第1横電極と複数個の前記第2横電極は交互に配置され、互いに平行をなす、請求項5に記載の温度変化量測定センサ。
【請求項7】
前記第2複合素材層は、
前記第1電極及び前記第2電極と接触するとともに、前記第1電極及び前記第2電極の間の前記第1複合素材層と接触する、請求項5に記載の温度変化量測定センサ。
【請求項8】
前記第2複合素材層の上面は平面であり、
前記第2複合素材層の下面は、前記第1電極と前記第2電極との間の間隙を埋める凸部が提供される、請求項5に記載の温度変化量測定センサ。
【請求項9】
前記第1複合素材層は、
ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、酸化グラフェン(rGO)、及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)、酸化グラフェン(rGO)に混合された半結晶性高分子を含む、請求項1に記載の温度変化量測定センサ。
【請求項10】
前記半結晶性高分子はポリエチレンオキサイド(PEO)である、請求項9に記載の温度変化量測定センサ。
【請求項11】
請求項1に記載の温度変化量測定センサによって測定された前記抵抗の変化量を清涼感に関する既に設定された第1の数値に変換することができるサーバを含み、
前記サーバは、
パネル端末機から入力される清涼感に関する第2の数値と前記第1の数値とを比較して示すことができる、マッチングシステム。
【請求項12】
前記マッチングシステムは、
前記抵抗の変化量と前記第1の数値に対する相関関係を保存しているデータベースを含み、
前記サーバにより、前記抵抗の変化量と前記第1の数値に対する相関関係はアップデートすることができる、請求項11に記載のマッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度変化量測定センサに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、自分の嗜好に合う使用感(ベタつき、清涼感、拡散性など)を有する化粧品に対する需要が増加している。
【0003】
このような化粧品の需要に対応して、大部分の化粧品製造企業は化粧品の使用感(ベタつき、清涼感、拡散性など)に対する分析を通じて新製品の開発及び感性マーケティング戦略を展開しており、化粧品の使用感を測定するために使用感専門の人材を採用して運営している。
【0004】
このように、化粧品の使用感を測定するために専門的な人材を活用したり、多様な研究が進められているが、使用感を定量化しにくいという問題がある。
【0005】
特に、使用感のうちで化粧品の蒸発に伴う清涼感を定量的に測定する装置はないのが実情であって、清涼感を出すためには専門的な人材の経験に依存しなければならず、これに伴って多量の化粧品の使用感を迅速に測定することが困難である。
【0006】
また、このような専門的な人材は、測定当日の身体コンディション、外部温度及び湿度などの影響を受けるので、清涼感の度合いを正確に測定することができないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施例は上記のような問題を解決するために提案されたものであって、化粧料の蒸発に伴う清涼感の度合いを定量的に測定することができる温度変化量測定センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例において、温度変化量に応じて体積が変化する高分子を含む第1複合素材層と、前記第1複合素材層の一方側に提供され、前記温度変化量を抵抗の変化量で示すことができる電極層と、少なくとも一部が前記第1複合素材層の上側に提供され、一方側で起こる温度変化を他方側に伝達するように炭素ナノチューブ(CNT)、窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)、グラフェン(graphene)のうち少なくとも一つとポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)を含むか、または熱可塑性ポリウレタン弾性体(Thermoplastic PolyUrethane,TPU)を含む第2複合素材層とを含む温度変化量測定センサが提供され得る。
【0009】
また、前記第2複合素材層の厚さは1μm~30μmで提供される温度変化量測定センサが提供され得る。
【0010】
また、前記第2複合素材層は、炭素ナノチューブ(CNT)とポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)で形成され、前記炭素ナノチューブ(CNT)の重量比率が15%~20%である温度変化量測定センサが提供され得る。
【0011】
また、前記第2複合素材層は、熱可塑性ポリウレタン弾性体(Thermoplastic PolyUrethane,TPU)で形成され、前記第2複合素材層の厚さは1μm~10μmで提供される温度変化量測定センサが提供され得る。
【0012】
また、前記電極層は、前記第1複合素材層の上部一側面に配置される第1電極と、前記第1電極と離隔している第2電極とを含み、前記第1電極と前記第2電極は同一平面上に配置される温度変化量測定センサが提供され得る。
【0013】
また、前記第1電極は、一方向に配置される第1縦電極と、前記第1縦電極から既に設定された角度で延びる複数個の第1横電極とを含み、前記第2電極は、一方向に配置される第2縦電極と、前記第2縦電極から既に設定された角度で延びる複数個の第2横電極とを含み、複数個の前記第1横電極と複数個の前記第2横電極とは交互に配置され、互いに並行をなす温度変化量測定センサが提供され得る。
【0014】
また、前記第2複合素材層は、前記第1電極及び前記第2電極と接触するとともに、前記第1電極と前記第2電極との間の前記第1複合素材層と接触する温度変化量測定センサが提供され得る。
【0015】
また、前記第2複合素材層の上面は平面であり、前記第2複合素材層の下面は前記第1電極と前記第2電極との間の間隙を埋める凸部が提供される温度変化量測定センサが提供され得る。
【0016】
また、前記第1複合素材層は、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、酸化グラフィン(rGO)、及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)、酸化グラフィン(rGO)に混合された半結晶性高分子を含む温度変化量測定センサが提供され得る。
【0017】
また、前記半結晶性高分子はポリエチレンオキサイド(PEO)である温度変化量測定センサが提供され得る。
【0018】
また、本発明の他の実施例において、温度変化量測定センサによって測定された前記抵抗の変化量を清涼感に関する既に設定された第1の数値に変換することができるサーバを含み、前記サーバは、パネル端末機から入力される清涼感に関する第2の数値と前記第1の数値とを比較して示すことができるマッチングシステムが提供され得る。
【0019】
また、前記マッチングシステムは、前記抵抗の変化量と前記第1の数値に関する相関関係を保存しているデータベースを含み、前記サーバにより、前記抵抗の変化量と前記第1の数値に関する相関関係はアップデートすることができるマッチングシステムが提供され得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施例による温度変化量測定センサは、化粧料の蒸発に伴う清涼感の度合いを定量的に測定することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例において、温度変化量測定センサを上部から見た様子を概略的に示す図面である。
図2図1の温度変化量測定センサをA-A’線に沿って切開した断面図である。
図3】温度が上昇する前の第1複合素材層の構成を概念的に示した図面である。
図4図3の第1複合素材層が加熱された後の第1複合素材層の構成を概念的に示した図面である。
図5】化粧料を図1の温度変化量測定センサに塗布した後、時間の経過に伴ってユーザが感じることができる清涼感の度合いを抵抗の変化量で測定したグラフである。
図6図1の温度変化量測定センサに外部の力(圧力)を加えた際に、抵抗の変化を測定したグラフである。
図7図1の温度変化量測定センサによって測定された清涼感に関する数値と、専門家パネルによって測定された清涼感に関する数値とを比較することができるマッチングシステムを概略的に示す図面である。
図8図1の温度変化量測定センサによって測定された清涼感と専門家パネルによって感知された清涼感の結果とを比較して示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下においては、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明を説明するにおいて、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0023】
図1は、本発明の一実施例による温度変化量測定センサを上部から見た様子を概略的に示す図面であり、図2は、図1の温度変化量測定センサ1をA-A’線に沿って切開した断面図である。
【0024】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例による温度変化量測定センサ1は、温度変化量を感知することができる第1複合素材層10と、温度変化量を抵抗の変化量で表すことができる電極層20と、熱伝導率に優れた素材で提供される第2複合素材層30とを含み得る。
【0025】
本実施例の温度変化量測定センサ1は、温度変化をリアルタイムに敏感に感知することができる。例えば、温度変化量測定センサ1の第2複合素材層30の上面に化粧料サンプルを載せておき、化粧料が蒸発するに伴う蒸発熱に対応する温度変化を抵抗の変化として測定することができる。
【0026】
このような温度変化量測定センサ1は、ユーザが化粧料を皮膚に塗布した後、化粧料が蒸発するに伴ってユーザが感じる清涼感を定量的(数値的)に測定することができるセンサと理解され得る。
【0027】
本実施例においては、説明の便宜のために図1のx軸方向を横方向、y軸方向を縦方向と定義して説明する。
【0028】
第1複合素材層10は、既に設定された厚さt1を有するプレートであり得る。例えば、第1複合素材層10の厚さt1は10μm~100μmであり得る。好ましくは、第1複合素材層10の厚さt1は20μm~50μmであり得る。より好ましくは、第1複合素材層10の厚さt1は30μmであり得る。
【0029】
また、第1複合素材層10は、0.1℃単位の小さな温度変化を感知することができる複合素材で構成され得る。
【0030】
第1複合素材層10は、温度感知敏感度(sensitivity)が優れた素材で提供され得る。例えば、第1複合素材層10は、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)と酸化グラフェン(rGO)と半結晶性高分子(例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO))とが混合された複合素材であり得る。
【0031】
ここで、半結晶性高分子(例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO))は、温度に応じて体積が変化し得、半結晶性高分子が周辺素材に圧力を加えて第1複合素材層10の電気的特性(電気伝導度)が変化し、第1複合素材層10において電気伝導度の変化を電極層20で感知することができる。すなわち、第2複合素材層30の上側表面における化粧料の蒸発に伴う温度変化は、半結晶性高分子を含んでいる第1複合素材層10に伝達され、第1複合素材層10の電気伝導度の変化を測定して、第2複合素材層30の上側表面で起こる温度変化を定量的に測定することができる。
【0032】
これに関するより詳細な説明は後述する。
【0033】
電極層20は、第1複合素材層10の上側に提供され得、第1複合素材層10の温度変化量を抵抗の変化量に変換して示すことができる。
【0034】
電極層20は、既に設定された厚さt2を有し、互いに離隔された一対の電極210、220を含み得る。例えば、電極層20は、第1複合素材層10の上側の一側面に配置される第1電極210と、第1電極210と離隔されている第2電極220とを含み、第1電極210と第2電極220は同一平面上に配置され得る。また、電極層20は、熱伝導性を有する金属で提供され得る。
【0035】
第1電極210と第2電極220とが同一平面上に配置される場合、温度変化量測定センサ1に加えられる力(圧力)に関係なしに、温度変化量測定センサ1で起こる温度変化量を測定することができる。これに関するより詳細な説明は図6を参照して後述する。
【0036】
第1電極210と第2電極220とを含む電極層20は、第1複合素材層10の上側表面の50%以上の面積をカバーすることができる。好ましくは、電極層20は、第1複合素材層10の上側表面の80%以上の面積をカバーすることができる。より好ましくは、電極層20は、第1複合素材層10の上側表面の95%以上の面積をカバーすることができる。
【0037】
具体的に、第1電極210と第2電極220の少なくとも一部が交互に交差する構造を有することによって、電極層20が第1複合素材層10の上側表面全体にわたって多くの面積をカバーすることができる。
【0038】
第1電極210は、一方向に配置される第1縦電極212と、第1縦電極212から既に設定された角度で延びる複数個の第1横電極214とを含み得る。ここで、第1縦電極212と第1横電極214とがなす角度は90°であり得る。
【0039】
第2電極220は、一方向に配置される第2縦電極222と、第2縦電極222から既に設定された角度で延びる複数個の第2横電極224とを含み得る。ここで、第2縦電極222と第2横電極224とがなす角度は90°であり得る。
【0040】
複数個の第2横電極224と複数個の第1横電極214とは交互に配置され、互いに並行をなすことができる。例えば、複数個の第1横電極214のうち最初の第1横電極214aが配置され、複数個の第2横電極224のうち最初の第2横電極224aが配置され、複数個の第1横電極214のうち二番目の第1横電極214bが配置され、複数個の第2横電極224のうち二番目の第2横電極224bが配置され、複数個の第1横電極214のうち三番目の第1横電極214cが配置され、複数個の第2横電極224のうち三番目の第2横電極224cが配置され得る。
【0041】
本実施例においては、第1横電極214と第2横電極224とがそれぞれ3個であるものを例に挙げて説明するが、第1横電極214と第2横電極224の個数は第1複合素材層10の上側表面をカバーし得る割合に応じて異なり得るところ、その個数は制限される訳ではない。このように、第1電極210の第1横電極214と第2電極220の第2横電極224とが互いに交互に配置される構造を具現することにより、電極層20が第1複合素材層10の上側表面にわたって多くの面積をカバーし得るところ、温度変化量測定センサ1全体で起こる温度変化量を精密に測定することができる。
【0042】
また、第1電極210と第2電極220とが横方向に離隔された幅W1は0.1mm~1.0mmであり得、第1電極210と第2電極220とが縦方向に離隔された幅W2は0.1mm~1.0mmであり得る。ただし、第1電極210と第2電極220とが離隔された幅は、温度変化量測定センサ1のサイズに応じて変更され得る。
【0043】
また、電極層20の厚さt2は10nm~100nmで提供され得る。好ましくは、電極層20の厚さt2は20nm~80nmで提供され得る。より好ましくは、電極層20の厚さt2は50nmで提供され得る。このように、電極層20の厚さが薄く提供されることにより、化粧料の蒸発に伴う第2複合素材層30の表面で起こる温度変化が、電極層20を通じて第1複合素材層10に容易に伝達され得る。
【0044】
第2複合素材層30は、第1複合素材層10と電極層20の上側に提供され得る。
【0045】
第2複合素材層30は、第1電極210と第2電極220とをカバーすると同時に、第1複合素材層10をカバーすることができる。具体的に、第2複合素材層30の上側表面は平らなプレート状で提供され得、第2複合素材層30の下側表面は第1電極210と第2電極220の上側表面と接触するとともに、第1複合素材層10の上側表面の少なくとも一部と接触し得る。
【0046】
第2複合素材層30の下側には、第1電極210と第2電極220との間の間隙Sを埋めるための凸部32が提供され得る。ここで、凸部32は第1電極210と第2電極220との間に提供されるのであって、第1電極210と第2電極220とに接触する平面を基準として下側に凸形状を有することができる。
【0047】
このように、凸部32が提供されることにより、第2複合素材層30と第1複合素材層10とが直接接触し得るところ、第2複合素材層30で起こる温度変化は第1複合素材層10にさらに正確に伝達され得る。
【0048】
第2複合素材層30は、電極層20を外部から保護することによって、繰り返して使用することによる温度変化量測定センサ1の性能低下を防止することができる。ここで、第2複合素材層30は保護層であると理解することができる。
【0049】
第2複合素材層30は、熱伝導率が高く、耐摩耗性を有する素材で形成され得る。例えば、第2複合素材層30は、炭素ナノチューブ(CNT)、窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)、グラフェン(graphene)のうち少なくとも一つとポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)を含み得る。
【0050】
例えば、第2複合素材層30を炭素ナノチューブ(CNT)5%~15%の重量比率、窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)を5%~15%の重量比率、グラフェン(graphene)を1%~5%の重量比率、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)を85%~99%の重量比率の間で形成することができる。
【0051】
例えば、第2複合素材層30を炭素ナノチューブ(CNT)とポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)で形成し、炭素ナノチューブ(CNT)の重量比率を5%~15%として形成することができる。この場合、第2複合素材層30の熱伝導率を高めることができる。
【0052】
また、第2複合素材層30は、熱可塑性ポリウレタン弾性体(Thermoplastic PolyUrethane,TPU)で形成されることもある。
【0053】
第2複合素材層30を熱伝導率が高い素材で形成することにより、第2複合素材層30の上側に化粧料を塗布した際に、化粧料が蒸発するに伴う温度変化の度合いを第1複合素材層10に迅速に伝達することができる。
【0054】
より具体的には、第2複合素材層30上側の温度変化を第1複合素材層10に伝達し、第1複合素材層10の温度変化に応じて第1複合素材層10の電気伝導度が変化し得、第1複合素材層10において電気伝導度の変化を電極層20で感知することにより、第2複合素材層30の上側における温度変化を定量的に示すことができる。第1複合素材層10の温度変化に伴う電気伝導度の変化に関する詳細な説明は後述する。
【0055】
すなわち、第2複合素材層30を熱伝導率が高い素材で提供することにより、第2複合素材層30の上側表面で起こる化粧料の蒸発に伴う温度変化を第1複合素材層10に効率的に伝達することができる。
【0056】
第2複合素材層30の厚さt3は1μm~30μmであり得る。好ましくは、第2複合素材層30の厚さt3は1μm~10μmであり得る。このような薄い厚さで第2複合素材層30を提供することによって、化粧料の蒸発に伴う温度変化を効果的に伝達することができる。
【0057】
また、第2複合素材層30が熱可塑性ポリウレタン弾性体(Thermoplastic PolyUrethane,TPU)で形成される場合、第2複合素材層30の厚さは1μm~10μmであり得る。
【0058】
また、第2複合素材層30は、第1電極210と第2電極220とをカバーすると同時に、第1電極210と第2電極220との間の間隙Sを通じて露出する第1複合素材層10をカバーすることができる。
【0059】
A-A’断面を基準として第2複合素材層30を見た場合、第2複合素材層30の上面は平面であるが、第2複合素材層30の下面は第1電極210と第2電極220との間の間隙Sを埋める凸部32を含み得る。
【0060】
上述したように、凸部32が提供されることにより、第2複合素材層30と第1複合素材層10とが直接接触し得るところ、第2複合素材層30で起こる温度変化を第1複合素材層10に直接伝達することができる。
【0061】
上述の実施例では、第1複合素材層10、電極層20及び第2複合素材層30が積層されていることを例に挙げて説明したが、第1複合素材層10の下部にPDMSで提供される基板層(図面は図示せず)をさらに含み得る。
【0062】
また、基板層の下部には人の皮膚温度とほぼ同じ33℃~37℃の条件に維持することができる加熱層(図面は図示せず)をさらに含み得る。
【0063】
図3は、温度が上昇する前の第1複合素材層10の構成を概念的に示した図面であり、図4図3の第1複合素材層10が加熱された後の第1複合素材層10の構成を概念的に示した図面である。
【0064】
以下においては、図3及び図4を参照して第1複合素材層10をより具体的に説明する。
【0065】
第1複合素材層10は、温度変化に応じて電気伝導度が変わり得る複合素材で提供され得る。例えば、第1複合素材層10は、高分子マトリックス12と電導性充填剤14と半結晶性高分子16を含み得る。
【0066】
本実施例においては、高分子マトリックス12はポリビニリデンフルオライド(PVDF)、電導性充填剤14は酸化グラフェン(rGO)、半結晶性高分子16はポリエチレンオキサイド(PEO)であるものを例に挙げて説明する。ただし、これに限定されるわけではなく、第1複合素材層10は温度変化に応じて電気伝導度が変わり得る他の複合素材で提供され得る。
【0067】
第1複合素材層10は、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)12内に酸化グラフェン(rGO)14とポリエチレンオキサイド(PEO)16が分布した構造を有することができる。
【0068】
ポリビニリデンフルオライド(PVDF)12は、脂肪族系炭化水素の分子構造において水素原子をフッ素原子に一部置換した樹脂であって、フッ素樹脂の優れた耐薬品性、機械的、熱的及び電気的特性を有し、結晶性が高くてフッ素系樹脂の中で優れた機械的強度を示すために複合素材に優れた物性を付与することができる。
【0069】
酸化グラフィン(rGO)14は、優れた熱伝導度及び電気伝導度の特性を有しながらも高い耐電圧強度を具現することができる。酸化グラフィン(rGO)14は、熱硬化性樹脂内で高い相溶性を示すことができ、高分子マトリックス内に添加されて電導性物質及び温度感知物質として利用され得る。
【0070】
ポリビニリデンフルオライド(PVDF)12と酸化グラフィン(rGO)14からなる複合素材は、NTC特性を有しているため温度感知素材として利用され得る。
【0071】
ポリビニリデンフルオライド(PVDF)12と酸化グラフィン(rGO)14だけで構成された複合素材は、温度による抵抗値の変化が大きくなく温度敏感度(sensitivity)に劣るため、正確度が高い温度センサに適用するには困難がある。本実施例においては、これを解決するために、ポリエチレンオキサイド(PEO)16をポリビニリデンフルオライド(PVDF)12と酸化グラフィン(rGO)14に混合して第1複合素材層10を形成した。
【0072】
ポリエチレンオキサイド(PEO)16は、半結晶性高分子であって温度に応じて体積が膨張または収縮する特性を有する。
【0073】
ポリエチレンオキサイド(PEO)16は、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)12と酸化グラフィン(rGO)14とからなる素材内に均一に分布しており、このような分布によりポリビニリデンフルオライド(PVDF)12と酸化グラフィン(rGO)14とポリエチレンオキサイド(PEO)16とからなる第1複合素材層10の温度感知敏感度は向上し得る。このような第1複合素材層10の温度感知敏感度は0.1℃であり得る。
【0074】
図3は、温度が上昇する前に体積が増加する前のポリエチレンオキサイド(PEO)16を示し、図4は、温度が上昇した後、体積が増加したポリエチレンオキサイド(PEO)16を示す。
【0075】
第1複合素材層10によって温度変化量が感知される特性について説明すると、次のとおりである。
【0076】
第1複合素材層10を加熱すると、温度が増加するに伴ってポリエチレンオキサイド(PEO)16の粒子が膨張し、膨張したポリエチレンオキサイド(PEO)16はポリビニリデンフルオライド(PVDF)12と酸化グラフィン(rGO)14とに圧力を加えるようになり、酸化グラフィン(rGO)14の間の接触面積を増加させて第1複合素材層10の電気的特性(電気伝導度)が変化し得る。
【0077】
このような温度変化量に伴う第1複合素材層10の電気的特性(電気伝導度)の変化は、電極層20によって感知されて抵抗の変化量として示され得る。
【0078】
以下においては、化粧料(サンプル)を温度変化量測定センサ1に載せておいた後、化粧料が蒸発するに伴う清涼感の度合いを測定するための過程について説明する。
【0079】
実験のために温度変化量測定センサ1の下部を加熱して、皮膚と同一の温度条件に設定することができる。
【0080】
第2複合素材層30の上部に化粧料(サンプル)を広い範囲に扁平に広げると、時間の経過に伴って化粧料が蒸発する。それに伴って、第2複合素材層30の表面の温度が下降し、温度の変化量が第2複合素材層30の下側に伝達されて第1複合素材層10によって温度の変化量が感知され得る。このような温度の変化量の度合いは、電極層20を通じて抵抗の変化量として数値化されて変換され得る。
【0081】
従来は化粧料を皮膚に塗布した後、化粧料が蒸発するに伴う清涼感の度合いを人の感覚に依存しなければならない問題があったが、温度変化量測定センサ1を通じて清涼感の度合いを定量的に測定することができる。このような温度変化量測定センサ1は、化粧料を製造する化粧品会社で使用することができるだけでなく、需要者に対しても化粧品を使用することによって感じる清涼感の度合いを数値化して示すことができるという長所がある。
【0082】
図5は、化粧料を温度変化量測定センサ1に塗布した後、時間の経過に伴って感じる清涼感の度合いを抵抗の変化量で測定したグラフである。
【0083】
図5を参照すると、グラフにおいてkは第2複合素材層30の素材として炭素ナノチューブ(CNT)とポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)を使用した実験例を示し、jは第2複合素材層30の素材としてポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)のみを使用した比較例を示す。
【0084】
グラフにおいてx軸は時間を示し、y軸は温度変化量を抵抗の変化量で示した値である。y軸のピーク値(最高値)は、人が感じることができる清涼感の度合いを示すものと理解され得る。
【0085】
本実施例において、温度変化量測定センサ1を上述した素材で形成される第2複合素材層30で形成することによって熱伝導率を高めることができ、秒(s)単位で温度変化量を測定することができる。
【0086】
例えば、第2複合素材層30が炭素ナノチューブ(CNT)とポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)で提供され、第2複合素材層30に塗布される化粧料のサンプルを水と増粘剤とポリオールを既に設定された割合で混合した成分で測定した場合、温度変化量測定センサ1によって測定された清涼感の度合いは1.047(R/R)と数値化され得る。この時、図5に示されたx軸(時間)において0~70秒(s)の範囲は温度変化量測定センサ1が安定化する時間であり、温度変化量測定センサ1が安定化した70秒(s)に到達する時点にて化粧料のサンプルが温度変化量測定センサ1の上部に塗布されるものと理解され得る。つまり、化粧料のサンプルが温度変化量測定センサ1の上部に均一に塗布された後、ピーク値1.047(R/R)に到達する時間は10秒(s)であるものと理解され得る。また、同一条件で実験するものの、第2複合素材層30の素材としてPDMSだけを使用した場合、その清涼感の度合いは1.045(R/R)と示され得る。
【0087】
すなわち、第2複合素材層30の素材として炭素ナノチューブ(CNT)とポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)を使用した場合、PDMSだけを使用した場合より温度変化をより敏感に感知することができる。
【0088】
図6は、図1の温度変化量測定センサ1に外部の力(圧力)を加えた際に、抵抗の変化を測定したグラフである。
【0089】
図6のmは、図1のように第1電極210と第2電極220とを同一平面に配置した場合に、外力の変化に伴う抵抗の変化を示す実施例のグラフである。
【0090】
図6のnは、二つの電極を互いに異なる平面に配置した場合(第1複合素材層10の間に積層した場合)に、外力の変化に伴う抵抗の変化を示す比較例のグラフである。
【0091】
ユーザが温度変化量測定センサ1に化粧料を塗布する間、温度変化量測定センサ1をタッチすることで圧力変化が起こり得る。ところが、本実施例においては第1電極210と第2電極220とを同一平面に配置することにより、温度変化量測定センサ1が圧力変化に関係なしに、温度変化だけを測定することができるように構成した。このような結果は、図6のグラフmにおいて、圧力変化に関係なしに抵抗値が一定である実験結果から確認することができる。
【0092】
図7は、図1の温度変化量測定センサ1によって測定された清涼感に関する数値と、専門家パネルによって測定された清涼感に関する数値とを比較することができるマッチングシステム1000を概略的に示し、図8は、図1の温度変化量測定センサ1によって測定された清涼感に関する数値と、専門家パネルによって感知された清涼感に関する数値とを比較して示したグラフである。
【0093】
図7及び図8を参照すると、マッチングシステム1000は、温度変化量を抵抗の変化量で示すことができる温度変化量測定センサ1と、温度変化量測定センサ1によって測定された清涼感に関する数値とパネル端末機2から入力された清涼感に関する数値とを比較することができるサーバ3と、専門家パネルによって測定された清涼感に関する数値が入力されてサーバ3に送信することができるパネル端末機2とを含み得る。ここで、温度変化量測定センサ1とサーバ3とパネル端末機2は、通信網を通じて互いに無線で通信したり、有線で通信してデータを送受信することができる。
【0094】
サーバ3は、温度変化量測定センサ1によって測定された抵抗の変化量を清涼感に関する既に設定された第1の数値に変換することができる。
【0095】
サーバ3は、パネル端末機2から入力される清涼感に関する第2の数値と温度変化量測定センサ1によって測定された抵抗の変化量から換算された第1の数値とを比較して示すことができる。
【0096】
また、マッチングシステム1000は、抵抗の変化量と第1の数値に対する相関関係を保存しているデータベース4を含み得る。例えば、温度変化量測定センサ1によって測定された抵抗の変化量(R/R)は1.00~1.50の間の範囲を示すことができ、それに対応する清涼感の度合いである第1の数値は5.0~10.0と数値化されてデータベース4に保存され得る。ここで、第1の数値は、既存の清涼感に対する評価基準に符合するように設定され得る。
【0097】
また、サーバ3により、データベース4に保存された抵抗の変化量と第1の数値に対する相関関係に関するデータはアップデートされ得る。ここで、サーバ3は、温度変化量測定センサ1によって測定された抵抗の変化量(R/R)をマシンラーニングを通じて分析し、このような分析結果を反映してデータベース4に保存されたデータをアップデートさせることができる。
【0098】
本実施例のマッチングシステム1000を通じて、温度変化量測定センサ1によって測定された清涼感に関する結果値と、パネル端末機2から入力された清涼感に関する結果値とがマッチングされて比較される過程を説明すると次のとおりである。
【0099】
温度変化量測定センサ1により化粧料の蒸発に伴う清涼感の度合いが抵抗の変化量で測定され得、抵抗の変化量はサーバ3に送信され得る。その後、サーバ3により抵抗の変化量(例えば、1.2(R/R))は、清涼感の結果値(例えば、7.0)に変換され得る。
【0100】
その後、専門家パネルによって測定された清涼感の結果値(例えば、7.0(R/R))はパネル端末機2に入力され、パネル端末機2に入力された清涼感の結果値はサーバ3に送信され得る。
【0101】
その後、サーバ3によって温度変化量測定センサ1により測定された清涼感の度合いとパネル端末機2から入力された清涼感の度合いとが比較されてディスプレイされ得る。この時、マッチングシステム1000は、二つの値を視覚的に比較して示すことができるディスプレイ装置(図示せず)をさらに含み得る。
【0102】
図8に示されているPは、パネル端末機2から入力された清涼感の結果値である7と、温度変化量測定センサ1によって測定された清涼感の結果値7を示す。また、図8に示されているQは、パネル端末機2から入力された清涼感の結果値である9.4と、温度変化量測定センサ1によって測定された清涼感の結果値9.3を示す。このように、図8を参照すると、温度変化量測定センサ1によって測定された清涼感の度合いと専門家パネルによって測定された清涼感の度合いとはほぼ一致することが分かる。
【0103】
したがって、本発明の実施例において、マッチングシステム1000を通じて温度変化量測定センサ1によって測定された清涼感の度合いと専門家パネルによって測定された清涼感の度合いとをマッチングさせることによって、既存の評価基準に符合する清涼感の結果を導き出すことができる。以下においては、本発明の一実施例による温度変化量測定センサ1の効果について説明する。
【0104】
従来は化粧料を皮膚に塗布した後、化粧料が蒸発するに伴う清涼感の度合いを人の感覚に依存しなければならない問題があったが、本実施例の温度変化量測定センサ1を通じて清涼感の度合いを定量的に測定することができる。このような温度変化量測定センサ1は、化粧料を製造する化粧品会社で使用することができるだけでなく、需要者に対して化粧品を使用することによって感じる清涼感の度合いを数値化して示すことができるという長所がある。
【0105】
また、温度変化量測定センサ1を通じて多様な化粧品原料の清涼感の度合いを数値化する場合、清涼感に関するデータベースを構築することができる。
【0106】
また、温度変化量測定センサ1の第2複合素材層30を熱伝導率が高い複合素材で形成することにより、第2複合素材層30の上側に化粧料を塗布した場合、化粧料が蒸発するに伴う温度変化の度合いを第1複合素材層10に迅速に伝達することができる。
【0107】
つまり、第2複合素材層30を熱伝導率が高い複合素材で提供することによって、化粧料の蒸発に伴う清涼感の度合いを効果的に伝達することができる。
【0108】
また、薄い厚さで第2複合素材層30を形成することによって、化粧料の蒸発に伴う温度変化を効果的に伝達することができる。
【0109】
また、電極層20の第1電極210と第2電極220とを同一平面上に配置して、温度変化量測定センサ1に加えられる力(圧力)に関係なしに、温度変化量測定センサ1で起こる温度変化量を測定することができる。
【0110】
第1横電極214と第2横電極224は、互いに交互に配置されることにより、温度変化量測定センサ1全体で起こる温度変化量をより精密に測定することができる。
【0111】
また、第2複合素材層30を炭素ナノチューブ(CNT)とポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)で形成し、炭素ナノチューブ(CNT)の重量比率を15%~20%として形成する場合、第2複合素材層30の熱伝導率をさらに高めることができるという長所がある。
【0112】
以下は、本発明の実施例の記載である。
【0113】
項目1は、温度変化量に応じて体積が変化する高分子を含む第1複合素材層と、前記第1複合素材層の一方側に提供され、前記温度変化量を抵抗の変化量で示すことができる電極層と、少なくとも一部が前記第1複合素材層の上側に提供され、一方側で起こる温度変化を他方側に伝達するように炭素ナノチューブ(CNT)、窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)、グラフェン(graphene)のうち少なくとも一つとポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)を含むか、または熱可塑性ポリウレタン弾性体(Thermoplastic PolyUrethane,TPU)を含む第2複合素材層とを含む温度変化量測定センサが提供され得る。
【0114】
項目2は、前記第2複合素材層の厚さは1μm~30μmで提供される、項目1の温度変化量測定センサが提供され得る。
【0115】
項目3は、前記第2複合素材層は、炭素ナノチューブ(CNT)とポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)で形成され、前記炭素ナノチューブ(CNT)の重量比率は15%~20%である、項目1及び項目2の温度変化量測定センサが提供され得る。
【0116】
項目4は、前記第2複合素材層は、熱可塑性ポリウレタン弾性体(Thermoplastic PolyUrethane,TPU)で形成され、前記第2複合素材層の厚さは1μm~10μmで提供される、項目1~項目3の温度変化量測定センサが提供され得る。
【0117】
項目5は、前記電極層は、前記第1複合素材層の上部一側面に配置される第1電極と、前記第1電極と離隔されている第2電極とを含み、前記第1電極と前記第2電極とは同一平面上に配置される、項目1~項目4の温度変化量測定センサが提供され得る。
【0118】
項目6は、前記第1電極は、一方向に配置される第1縦電極と、前記第1縦電極から既に設定された角度で延びる複数個の第1横電極とを含み、前記第2電極は一方向に配置される第2縦電極と、前記第2縦電極から既に設定された角度で延びる複数個の第2横電極とを含み、複数個の前記第1横電極と複数個の前記第2横電極は交互に配置され、互いに平行をなす、項目1~項目5の温度変化量測定センサが提供され得る。
【0119】
項目7は、前記第2複合素材層は、前記第1電極及び前記第2電極と接触するとともに、前記第1電極と前記第2電極との間の前記第1複合素材層と接触する、項目1~項目6の温度変化量測定センサが提供され得る。
【0120】
項目8は、前記第2複合素材層の上面は平面であり、前記第2複合素材層の下面は前記第1電極と前記第2電極との間の間隙を埋める凸部が提供される、項目1~項目7の温度変化量測定センサが提供され得る。
【0121】
項目9は、前記第1複合素材層は、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、酸化グラフェン(rGO)、及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)、酸化グラフェン(rGO)に混合された半結晶性高分子を含む、項目1~項目8の温度変化量測定センサが提供され得る。
【0122】
項目10は、前記半結晶性高分子はポリエチレンオキサイド(PEO)である、項目1~項目9の温度変化量測定センサが提供され得る。
【0123】
項目11は、項目1~項目10の温度変化量測定センサによって測定された前記抵抗の変化量を清涼感に関する既に設定された第1の数値に変換することができるサーバを含み、前記サーバはパネル端末機から入力される清涼感に関する第2の数値と前記第1の数値とを比較して示すことができるマッチングシステムが提供され得る。
【0124】
項目12は、前記マッチングシステムは、前記抵抗の変化量と前記第1の数値に対する相関関係を保存しているデータベースを含み、前記サーバにより、前記抵抗の変化量と前記第1の数値に対する相関関係はアップデートすることができる項目11のマッチングシステムが提供され得る。
【0125】
以上、本発明の実施例による温度変化量測定センサを具体的な実施形態で以って説明したが、これは例示に過ぎないものであって、本発明はこれに限定されるものではなく、本明細書に開示された基礎思想に基づく最も広い範囲を有するものと解釈されるべきである。当業者は開示された実施形態を組み合わせ、置換して摘示されていない実施形態を実施することができるが、これもまた本発明の範囲を逸脱しないものである。この他にも、当業者は本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更または変形することができ、このような変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、温度変化量測定センサの分野に利用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】