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特表2023-518193ガラス繊維ノズルの製造方法、及びガラス繊維ノズル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(54)【発明の名称】ガラス繊維ノズルの製造方法、及びガラス繊維ノズル
(51)【国際特許分類】
   C03B 37/083 20060101AFI20230421BHJP
   B22C 9/22 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
C03B37/083
B22C9/22 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554954
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2021053467
(87)【国際公開番号】W WO2021180420
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】102020106745.3
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515131116
【氏名又は名称】ヘレウス ドイチェラント ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】サガー、サッシャ
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ハーブスト、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ラング、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、リサ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルベルグ、ステファン
【テーマコード(参考)】
4E093
4G021
【Fターム(参考)】
4E093TA10
4G021MA02
(57)【要約】
本発明は、ガラス繊維ノズルの製造方法に関し、本方法は、
A)第1の材料を含むベースプレート(81)を提供又は製造するステップであって、第1の材料が、ガラス溶融物に対して化学的に耐性があり、分散強化されている、ステップと、
B)第2の材料で作製された少なくとも1つのチューブ(82、92)をベースプレート(81)の一方の側面上に印刷するステップであって、いずれの場合も、少なくとも1つのチューブ(82、92)が少なくとも1つのフィードスルー(84、94)を含み、第2の材料が、ガラス溶融物に対して化学的に耐性がある、ステップと、
C)ベースプレート(81)内の少なくとも1つの通路(80)を生成するステップであって、ベースプレートを通る少なくとも1つの通路(80)は、ベースプレート(81)を通る少なくとも1つの通路(80)の各々が、少なくとも1つのチューブ(82、92)の関連するチューブ(82、92)の少なくとも1つのフィードスルー(84、94)の少なくとも1つと共に、ガラス溶融物に対して透過性がある共通のラインを形成するように、いずれの場合も、少なくとも1つのチューブ(82、92)のうちの1つの少なくとも1つのフィードスルー(84、94)のうちの少なくとも1つに接続され、このラインは、ベースプレート(81)を通り、かつ関連するチューブ(82、92)を通っている、ステップと、を含み、ベースプレート(181)は、少なくとも1つのチューブ(82、92)に使用される方法以外の方法を使用して製造される。
本発明はまた、ガラス繊維を製造するためのガラス繊維ノズル、及びガラス繊維の製造方法に関する。
【選択図】図9

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス溶融物からガラス繊維を製造するために提供される、ガラス繊維ノズルの製造方法であって、
A)第1の材料を含むベースプレート(1、81、111)を提供又は製造するステップであって、前記第1の材料が、前記ガラス溶融物に対して化学的に耐性があり、分散強化されている、ステップと、
B)第2の材料で作製された少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)を前記ベースプレート(1、81、111)の一方の側面上に印刷するステップであって、いずれの場合も、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)を含み、前記第2の材料が、前記ガラス溶融物に対して化学的に耐性がある、ステップと、
C)前記ベースプレート(1、81、111)内の少なくとも1つの通路(80)を生成するステップであって、前記ベースプレート(1、81、111)を通る前記少なくとも1つの通路(80)が、前記ベースプレート(1、81、111)を通る前記少なくとも1つの通路(80)の各々が、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の関連するチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)のうちの少なくとも1つと共に、前記ガラス溶融物に対して透過性がある共通のラインを形成するように、いずれの場合も、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)のうちの1つの前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)のうちの少なくとも1つに接続され、前記ラインが、前記ベースプレート(1、81、111)を通り、かつ前記関連するチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)を通っている、ステップと、
を含み、
前記ベースプレート(1、81、111)が、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)に使用される方法以外の方法を使用して製造されている、
方法。
【請求項2】
前記ベースプレート(1、81、111)が、レーザ溶融法、レーザ焼結法、電子ビーム溶融法、又は電子ビーム焼結法を使用して製造されていない、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベースプレート(1、81、111)が、層状3D印刷方法を使用して製造されていない、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップA)の前に、
A1)溶融鋳造及び/若しくは圧延を含む方法、又は溶融鋳造及びその後の圧延を含む方法を使用して、前記ベースプレート(1、81、111)を製造するステップが行われる、
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
金属材料、特に酸化物分散強化金属材料が前記第1の材料として使用され、前記第1の材料が、前記ガラス溶融物と接触する全ての表面を区画する、
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
分散強化された貴金属、又はセラミック粒子若しくはセラミックZrO粒子で分散強化された分散強化貴金属合金が、前記第1の材料として使用される、
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
各々がセラミック粒子で、酸化物セラミック粒子で、又はセラミックZrO粒子で硬化された酸化物分散体である、白金又は白金-ロジウム合金が、前記第1の材料として使用される、
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
セラミック粒子で、セラミック粒子で、酸化物セラミック粒子で、又はセラミックZrO粒子で硬化された酸化物分散体である、PtRh10合金が、前記第1の材料として使用される、
ことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の材料及び/又は前記第2の材料が、金属又は金属合金である、
ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の材料及び/又は前記第2の材料が、白金又は白金系合金又は白金-ロジウム合金又はPtRh10合金である、
ことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップA)とステップB)との間に、B1)前記第2の材料で作製された連続及び/又は全面コーティングを前記ベースプレート(1、81、111)の前記側面上に印刷するステップが行われ、ステップB)において、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、前記ベースプレート(1、81、111)の前記連続及び/又は全面コーティング上に印刷される、
ことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップB)の後及びステップC)の後に、D)前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の外側、及び前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が印刷されている前記ベースプレート(1、81、111)の前記側面を、保護層、特にセラミック保護層でコーティングするステップが行われる、
ことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
B)前記第2の材料で作製されたチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)を前記ベースプレート(1、81、111)の一方の側面上に印刷するステップであって、前記チューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)を含む、ステップと、
C)ステップB)の前又はステップB)の後に、前記ベースプレート(1、81、111)内の通路(80)を生成するステップであって、前記ベースプレート(1、81、111)を通る前記通路(80)が、前記ベースプレート(1、81、111)を通る前記通路(80)が、前記チューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)のうちの少なくとも1つと共に、前記ガラス溶融物に対して透過性がある共通のラインを形成するように、前記チューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)のうちの少なくとも1つに接続され、前記ラインが、前記ベースプレート(1、81、111)を通り、かつ前記チューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)を通っている、ステップと、
を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
B)前記第2の材料で作製された複数のチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)を前記ベースプレート(1、81、111)の一方の側面上に印刷するステップであって、前記チューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、いずれの場合も、少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)を有する、ステップと、
C)ステップB)の前又はステップB)の後に、前記ベースプレート(1、81、111)内の複数の通路(80)を生成するステップであって、前記ベースプレート(1、81、111)を通る前記通路(80)が、いずれの場合も、前記ベースプレート(1、81、111)を通る前記通路(80)が、1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)のうちの少なくとも1つと共に、前記ガラス溶融物に対して透過性がある共通のラインを形成するように、いずれの場合も、前記チューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)のうちの1つの前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)のうちの少なくとも1つに接続され、前記ラインが、前記ベースプレート(1、81、111)を通り、かつ前記チューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)を通っている、ステップと、
を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の材料が、前記第2の材料よりも高い耐熱性及び/又は高い耐クリープ性を有する、
ことを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の材料が、前記第2の材料とは異なる化学組成を有する、
ことを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、選択的レーザ溶融(SLM)、選択的レーザ焼結(SLS)、選択的電子ビーム溶融(SEBM)、レーザ金属堆積(LMD)、3D直接エネルギー堆積(DED)、又は選択的電子ビーム焼結(SEBS)によって、前記ベースプレート(1、81、111)上に印刷される、
ことを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ステップB)において、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)を印刷する際に、以下の形状仕様、すなわち、
1.前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)の断面が、円形ではない、
2.前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、軸方向において壁厚の変化を有する、
3.前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)の前記壁が、前記ベースプレート(1、81、111)の前記表面よりも高い粗さを有する、
4.前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、二重壁又はマルチ壁である、
5.前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)が、狭窄部(28、88、98)又は拡張部(38、48)を有する、
及び
6.前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)に加えて、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、液体又はガス状である加熱媒体又は冷却媒体で前記チューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)を加熱又は冷却するために、チャネルする、
のうちの少なくとも1つが満たされる、
ことを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ステップB)において、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が印刷される前記ベースプレート(1、81、111)の少なくとも前記側面が、クリーニング、圧延、研磨、平坦化、及び/又は調整され、特に、ステップB)の前に精緻に調整され、及び/又は精緻に圧延されクリーニングされる、
ことを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ステップB)において、少なくとも3つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が前記ベースプレート(1、81、111)上に印刷され、熱局所応力によって引き起こされる前記ベースプレート(1、81、111)の機械的歪みが印刷中に低く保たれるように、前記連続的に印刷されるチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の順序が印刷中に選択される、
ことを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
印刷中の前記熱局所応力は、直接隣接するチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が直接次々と印刷されないという事実によって低く保たれる、
ことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
ステップB)において、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)内の前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)の形状が、円筒形状とは異なるように選択される、又はそうでなければ円筒形状の屈折を含む、
ことを特徴とする、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)内の前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)の前記形状は、前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)を通って流れるガラス溶融物の混合又は撹拌が行われるように選択される、
ことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、複数のチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)であり、異なるチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の前記フィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)が、特に前記ベースプレート(1、81、111)上の前記チューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の位置に応じて異なる形状を有する、
ことを特徴とする、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項25】
ステップB)において、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、前記ベースプレート(1、81、111)への接続部としての拡張部(15、25、35、45、55、65、75、85、95)と共に前記ベースプレート(1、81、111)上に印刷される、
ことを特徴とする、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記拡張部(15、25、35、45、55、65、75、85、95)が、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)と前記ベースプレート(1、81、111)との間の接続面の増大をもたらす、
ことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
ステップB)において、粉末状の第2の材料又はワイヤ形状の第2の材料が使用される、
ことを特徴とする、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
ガラス溶融物からガラス繊維を製造するためのガラス繊維ノズルであって、
第1の材料を含む、又は前記第1の材料からなるベースプレート(1、81、111)であって、前記第1の材料が、ガラス溶融物に対して化学的に耐性があり、分散強化されている、ベースプレート(1、81、111)と、
第2の材料から印刷された少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)であって、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、前記ベースプレート(1、81、111)の一方の側面上に印刷され、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)が、いずれの場合も、少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)を含み、前記第2の材料が、前記ガラス溶融物に化学的に耐性がある、少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)と、を備え、
前記ベースプレート(1、81、111)内に少なくとも1つの通路(80)が配置され、前記ベースプレート(1、81、111)を通る前記少なくとも1つの通路(80)が、前記ベースプレート(1、81、111)を通る前記少なくとも1つの通路(80)の各々が、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の関連するチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)の前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)のうちの少なくとも1つと共に、前記ガラス溶融物に対して透過性がある共通のラインを形成するように、いずれの場合も、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)のうちの1つの前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)のうちの少なくとも1つに接続され、前記ラインが、前記ベースプレート(1、81、111)を通り、かつ前記関連するチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)を通っており、
前記ベースプレート(1、81、111)が、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)に使用される方法以外の方法を使用して製造されている、
ガラス繊維ノズル。
【請求項29】
前記少なくとも1つの通路(80)の壁が、前記第1の材料によって区画され、前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)の壁が、前記印刷された第2の材料によって区画されている、
ことを特徴とする、請求項27に記載のガラス繊維ノズル。
【請求項30】
前記ガラス繊維ノズルが、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法を使用して製造されている、
ことを特徴とする、請求項27又は28に記載のガラス繊維ノズル。
【請求項31】
請求項27~29のいずれか一項に記載のガラス繊維ノズルを用いて、ガラス溶融物からガラス繊維を製造する方法であって、
前記ガラス溶融物が、ベースプレート(1、81、111)内の前記少なくとも1つの通路(80)を通って、かつ前記ベースプレート(1、81、111)上に印刷された前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)内の前記少なくとも1つのフィードスルー(4、14、24、34、44、54、64、67、74、84、94)を通って流れ、前記少なくとも1つのチューブ(2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112)から流出した後に、固化して、少なくとも1つのガラス繊維を形成する、
ことを特徴とする、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス繊維ノズルの製造方法に関する。本発明はまた、ガラス繊維ノズル及びガラス繊維の製造方法に関する。
【0002】
工業用ガラス繊維を引き出すためのガラス繊維ノズルは、ガラストラフのベースプレート内の開口部を通してガラス溶融物を注ぐことによって製造することができる。この目的のために、ガラス繊維ノズルを、ボックス形状の構造体から穴の開いたベースプレートと一緒に溶接することができ、円筒形又は円錐形の形態を有するチューブ又はいわゆるチップが、ベースプレートの穴に溶接される。特定のチューブ形状は有利であるが、場合によっては、従来の方法で製造することは困難なだけである。ガラス繊維ノズルは、最大8000個のチューブ(チップ)を備えている。液体ガラス(又はガラス溶融物)は、これらのチューブを介してガラス繊維ノズルを通過する。ガラスの冷却により、固体ガラス繊維が得られる。チューブは、ガラス繊維の品質及びガラス繊維ノズルの耐用年数に重要な影響を及ぼす。
【0003】
米国特許出願公開第2016/0312338(A1)号は、白金-ロジウム合金で作製されたガラス繊維ノズルを開示しており、それと共に、複数のチップがベースプレートの一方の側面上に配置されている(「ブッシング」)。この場合、チップは、ベースプレートを通る複数の通路上に配置され、ベースプレートまで延びる。ガラス溶融物は、通路及びチップを通って流れ、ガラス繊維を製造することができる。チップは、ベースプレートの上に溶接される、又はベースプレートと一体に、かつベースプレートと一緒に製造される、のいずれかである。チップは、ベースプレートと同じ材料からなるべきである。チップ及び通路を有するベースプレートの一体製造は複雑である。加えて、そのような製造では、ベースプレートは、剛性強化及びベースプレートの耐久性向上を達成するために圧延することができない。チップが通路又はベースプレートの通路に溶接される場合、溶接接続部は、ガラス繊維ノズルの弱点である。加えて、全てのチップをベースプレートに個別に溶接する必要があり、時間がかかる。溶接は、ガラス繊維の特性に影響を及ぼす、チップ内部の形状の望ましくない変化をもたらし得る。更に、製造が非常に複雑である。特に、チップを正確に位置決めすべき場合である。チップの内部形状は、通常、使用される材料及び所望の材料特性により、非常に限定される。一体製造では、厚いベースプレートを圧延することができ、チップ(プレスされたプレート)を形成し、後側を目標厚さに研磨することができる。ここでの欠点は、材料の使用量が多いことかつ、関連してコストが高いことである。
【0004】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服することである。特に、可能な限り安価で、同時に、チューブの異なる形状の実現も可能にする、ガラス繊維ノズルを製造及び提供する方法を見つけるべきである。加えて、ガラス繊維ノズルは、ガラス溶融物に対してだけでなく、使用中の高温に対しても安定でなければならない。ガラス繊維ノズルが完全に交換又は少なくとも修復されるべき前に可能な限り長く使用され得るように、チューブの制御された冷却が可能であるべきである。ガラス繊維ノズルは、特定の用途に適した新しいガラス繊維を製造することができるべきである。
【0005】
本発明の目的は、ガラス溶融物からガラス繊維を製造するために提供される、ガラス繊維ノズルの製造方法であって、
A)第1の材料を含むベースプレートを提供又は製造するステップであって、第1の材料が、ガラス溶融物に対して化学的に耐性があり、分散強化されている、ステップと、
B)第2の材料で作製された少なくとも1つのチューブをベースプレートの一方の側面上に印刷するステップであって、いずれの場合も、少なくとも1つのチューブが少なくとも1つのフィードスルーを含み、第2の材料が、ガラス溶融物に対して化学的に耐性がある、ステップと、
C)ベースプレート内の少なくとも1つの通路を生成するステップであって、ベースプレートを通る少なくとも1つの通路は、ベースプレートを通る少なくとも1つの通路の各々が、少なくとも1つのチューブの関連するチューブの少なくとも1つのフィードスルーのうちの少なくとも1つと共に、ガラス溶融物に対して透過性がある共通のラインを形成するように、いずれの場合も、少なくとも1つのチューブのうちの1つの少なくとも1つのフィードスルーのうちの少なくとも1つに接続され、このラインは、ベースプレートを通り、かつ関連するチューブを通っている、ステップと、を含み、ベースプレートは、少なくとも1つのチューブに使用される方法以外の方法を使用して製造される、方法によって達成される。
【0006】
ガラス繊維ノズルについて言及する場合、チューブはまた、しばしばチップと呼ばれる。したがって、少なくとも1つのチューブは、少なくとも1つのチップであり得る。
【0007】
この場合、チューブは、一般的な形状を有するチューブを意味すると理解される。まさか、チューブは、円筒形又は回転対称の形状に限定されない。例えば、チューブはまた、楕円形の断面も有するトルスの形状(ドーナツ形状)を有し得る。特に、少なくとも1つのチューブ内の少なくとも1つのフィードスルーは、少なくとも1つのフィードスルー内及びそれを通るガラス溶融物の流れに影響を及ぼす形状を有し得る。例えば、流れているガラス溶融物の回転は、少なくとも1つのフィードスルーの内部形状によって達成され得る。チューブの形状、したがって現れる繊維の形状は、下部プレート表面上で一定である必要はない。チューブの形状は、サイズの観点並びに形状及び幾何学的形状の観点の両方から変化し得る。
【0008】
適切な適合の結果として、より均質な溶融出射及びより低い熱変動を達成することができ、シート又はトラフからの流出中に異なる繊維形状を作成することができる。
【0009】
本発明によれば、少なくとも1つのチューブは、少なくとも1つのフィードスルーに狭窄部又は拡張部を有し得る。次いで、狭窄部は、ガラス溶融物を排出してガラス繊維を製造するためのノズルとして作用することができる。拡張部は、流れ挙動、特にガラス溶融物の流量に影響を及ぼし得る。
【0010】
第2の材料は、第1の材料とは異なる材料である。
【0011】
好ましくは、ステップB)において、粉末状の第2の材料又はワイヤ形状の第2の材料、特に好ましくは粉末状の第2の材料が使用される。
【0012】
本発明によれば、粉末状の第2の材料は、好ましくは、50μm未満の平均粒径を有し得る。粉末状の第2の材料は、粒径を制限するために、好ましくは200μm以下の断片のふるいで、特に好ましくは100μm~50μmの断片のふるいで、非常に特に好ましくは50μmのふるいで、スクリーニングされ得ることが提供され得る。ワイヤ形状の第2の材料は、好ましくは、200μm未満、好ましくは50μm未満の直径を有する。
【0013】
好ましくは、ステップCは、ステップB)の前又はステップB)の後に行われることが提供され得る。
【0014】
本発明によれば、ベースプレートは、シート、好ましくは金属シート、特に好ましくは、貴金属又は貴金属系合金で作製されたシート、非常に特に好ましくは白金又は白金系合金又は白金-ロジウム合金で作製されたシート、とりわけ好ましくはPtRh10合金で作製されたシートであり得る。
【0015】
第1の材料は、好ましくは、酸化物分散硬化白金(DPH)又は酸化物分散硬化白金-ロジウム合金、非常に特に好ましくは酸化-硬化PtRh10である。
【0016】
本発明による方法では、ベースプレートは、レーザ溶融法、レーザ焼結法、電子ビーム溶融法、又は電子ビーム焼結法を使用して製造されていないことが提供され得る。本発明による方法では、ベースプレートはまた、層状3D印刷方法を使用して製造されていないことが提供され得る。
【0017】
その結果、ベースプレートは、温度及び化学環境に対して、特に安定した方式で設計することができる。更に、前述の方法で可能であるよりも、ベースプレートを製造するためのより費用効果の高い方法を使用することも可能である。
【0018】
更に、ステップA)の前に、
A1)溶融鋳造及び/又は圧延を含む方法、特に溶融鋳造及びその後の圧延を含む方法を使用して、ベースプレートを製造するステップが行われることが提供され得る。
【0019】
この方法を用いると同様に、特に安定した高温耐熱性ベースプレートを製造することができ、印刷方法の可変性を少なくとも1つのチューブに対して同時に使用することができる。
【0020】
更に、分散強化された材料、特に酸化物分散硬化金属材料を第1の材料として使用することができ、第1の材料は、ガラス溶融物と接触する全ての表面を区画することが提供され得る。
【0021】
更に、分散強化された貴金属、又はセラミック粒子、特にセラミックZrO粒子で分散強化された分散強化貴金属合金が、分散強化金属材料として使用されることが提供され得る。
【0022】
また、各々がセラミック粒子で、酸化物粒子で、又はセラミックZrO粒子で硬化された酸化物分散体である、白金又は白金-ロジウム合金が、第1の材料として使用されることを提供することができる。分散強化されたPtRh10合金を使用することが好ましい。
【0023】
セラミック粒子、特に酸化物粒子又はZrO粒子は、分散強化が行われるように、好ましくは、第1の材料の金属マトリックス中に分布される。酸化物分散強化合金は、好ましくは、分散強化された第1の金属材料として使用される。
【0024】
この材料を使用することにより、高温で安定し、ガラス溶融物に対して特に化学的に耐性がある高密度のベースプレートを製造することができ、同時に、可変で複雑な形状も有する少なくとも1つのチューブを、ベースプレート上に印刷することができる。
【0025】
ベースプレートは、第1の材料からなり得ることが提供され得る。
【0026】
その結果、ベースプレートは、特に費用効果を高く、製造することができる。
【0027】
また、第1の材料及び/又は第2の材料は、金属又は金属合金、好ましくは白金又は白金系合金又は白金-ロジウム合金、特に好ましくはPtRh10合金であることが提供され得る。
【0028】
白金系合金は、白金が主成分である合金を意味すると理解される。好ましくは、少なくとも50原子%の白金を含む合金を意味すると理解される。
【0029】
金属は、加工が容易であり、印刷され得る。白金及び白金-ロジウム合金を含む白金系合金、ガラス溶融物に対して特に化学的に耐性がある。PtRh10合金は、それらのより高い耐クリープ性により、純粋な白金と比較して特に好ましい。
【0030】
更に、ステップA)とステップB)との間に、
B1)第2の材料で作製された連続及び/又は全面コーティングをベースプレートの側面上に印刷するステップが行われることが提供されることができ、ステップB)において、少なくとも1つのチューブが、ベースプレートの連続及び/又は全面コーティング上に印刷される。
【0031】
その結果、ベースプレートへの少なくとも1つのチューブのより良好な接続部が達成され得る。加えて、より均一な表面をベースプレートの側面上に作製することができ、次いで、例えばその後のコーティングのために、それを使用することができる。特に好ましくは、セラミックコーティングは、コーティング及び/又は少なくとも1つのチューブの外側に適用されることが提供され得る。
【0032】
コーティングは、粉末によって行っても、ワイヤによって行ってもよい。コーティングによって、ベースプレートを粗面化することができ、ベースプレートは、少なくとも、粉末が少なくとも1つのチューブに接着する場所で粗面化される。更に、コーティングは、少なくとも1つのチューブが印刷されるときに、ベースプレートの歪みにポジティブな影響を及ぼし得る。
【0033】
また、ステップB)の後及びステップC)の後に、
D)少なくとも1つのチューブの外側、及び少なくとも1つのチューブが印刷されているベースプレートの側面を、保護層、特にセラミック保護層でコーティングするステップが行われることが提供され得る。
【0034】
その結果、ガラス繊維ノズルの動作中の自由表面からの第1及び第2の材料の蒸発を、防止又は低減することができる。これにより、ガラス繊維ノズルの耐久性が増大する。同時に、印刷方法によって提供される粗い表面を使用して、コーティングと第2の材料との間の安定した接続部を作製することができる。したがって、保護層を作製する際に、したがって、ステップD)の前に、ステップB1)、すなわち、第2の材料で作製された連続又は全面コーティングをベースプレートの一方の側面上に印刷するステップが実行され、ステップB)において、少なくとも1つのチューブが、ベースプレートの連続又は全面コーティング上に印刷されると、特に好ましい。
【0035】
更に、本発明による方法は、ステップB)において、第2の材料で作製されたチューブをベースプレートの一方の側面上に印刷し、チューブは少なくとも1つのフィードスルーを含み、ステップB)の前又はステップB)の後に、ステップC)において、ベースプレート内の通路が生成され、ベースプレートを通る通路は、チューブの少なくとも1つのフィードスルーのうちの少なくとも1つと共に、ガラス溶融物に対して透過性があるベースプレートを通る通路が共通のラインを形成するように、チューブの少なくとも1つのフィードスルーのうちの少なくとも1つに接続され、このラインは、ベースプレートを通り、かつチューブを通ることが提供され得る。
【0036】
このようにして、1つのインプリントのみを有するガラス繊維ノズルが製造され、チューブは複数のフィードスルーを有することができ、したがって複数のガラス繊維の並列製造に好適であり得る。
【0037】
代替的に、ステップB)において、第2の材料で作製された複数のチューブをベースプレートの一方の側面上に印刷し、チューブは各々、少なくとも1つのフィードスルーを含み、ステップB)の前又はステップB)の後の、ステップC)において、ベースプレート内の複数の通路が生成され、ベースプレートを通る通路は、いずれの場合も、ベースプレートを通る通路が、1つのチューブの少なくとも1つのフィードスルーのうちの少なくとも1つと、ガラス溶融物に対して透過性がある共通のラインを形成するように、いずれの場合も、チューブのうちの1つの少なくとも1つのフィードスルーのうちの少なくとも1つに接続され、このラインは、ベースプレートを通り、かつチューブを通ることが提供され得る。
【0038】
このようにして、複数のガラス繊維を複数のチューブを介して並列に製造することができる。チューブの各々は、個々のチューブが強く又は急速に加熱しないように、熱の送達に対して個別に使用され得る。これにより、ガラス繊維ノズルの耐久性を改善することができる。
【0039】
更に、第1の材料は、第2の材料よりも高い耐熱性及び/又は高い耐クリープ性を有することができることが提供され得る。
【0040】
結果として、少なくとも1つのチューブよりも大きい程度でガラス溶融物にさらされるベースプレートが、ガラス溶融物に対して化学的により安定でありながら、第1の材料からの成分の蒸発に対してより安定であることも達成される。その結果、ガラス繊維ノズルのより高い耐久性が、ベースプレートがまたより低い耐熱性を有する場合よりも達成され、同時に、たとえこれによるより低い耐熱性を有する場合でも、少なくとも1つのチューブを、印刷方法で非常に可変な形態でベースプレート上に印刷することができる。第1の材料のより大きい耐熱性及び/又は耐クリープ性により、第1の材料及び第2の材料用の白金-ロジウム合金を使用する際に、ベースプレートが固化したときに少なくとも1つのチューブよりも低いロジウム含有量をベースプレートに使用することが可能である。その結果、ベースプレートは、チューブよりも少ないロジウムで、より費用効果の高い材料から製造することができる。もちろん、チューブがベースプレートよりも高い、同一の、又は低いロジウム含有量を有することも可能であり、その結果、最適化は、常にロジウムの価格、蒸発速度、及び安定性に応じて見つけることができる。
【0041】
材料について言及する場合、クリープ(また、リターデーション)は、一定のロード下での時間依存性及び温度依存性の塑性変形を指す。クリープの特徴的な数は、クリープ率又はノートン係数である。ほぼ一定の温度において、クリープ率は、ノートンクリープ法に従う。耐クリープ性は、(定義された時間間隔内の)特定のクリープ拡張を超えないための最大張力を意味する。同様に、クリープ強度は、(破損が発生する前の)特定の耐用年数を達成するための最大張力として定義され得る。
【0042】
耐熱性は、高温における材料の強度である。これは、ガラス溶融物の温度、特に1400℃において、第1の材料の強度が第2の材料の強度よりも高いことを意味する。材料の強度は、破損前の機械的応力に耐えるその能力を記述する。それは、機械的応力(断面積あたりの力)として示される。破損は、許されない変形、特に塑性(永久)変形又は破損であり得る。ここで、強度は、その後に、材料の非弾性、すなわち不可逆的変形が、定義された形状及びロードで生じる、限界値を記述する。
【0043】
機械的特性は、例えば、Zwick GmbH & Co.KGによって作製されたZwick Roell Z100タイプのユニバーサル試験機を使用して判定することができる。材料のサンプルの長さの変化は、マクロ微細ひずみ伸長計及び100kNロードセルによるロードを介して記録することができる。例えば、クリープ限界(降伏強度)Rp0.2、引張強度R、及び破断点における伸びεは、室温及び/又は1400℃で、3mm/分の試験速度で判定することができる。評価は、例えば、Zwick GmbH&Co.KGによって作製された、ソフトウェアtestXper(登録商標)を使用して実行することができる。
【0044】
機械的特性は、例えば、Zwick GmbH & Co.KGによって作製されたZwick Roell Z100タイプのユニバーサル試験機を使用して判定することができる。材料のサンプルの長さの変化は、マクロ微細ひずみ伸長計及び100kNロードセルによるロードを介して記録することができる。例えば、クリープ限界(降伏強度)Rp0.2、引張強度R、及び破断点における伸びεは、室温及び/又は1400℃で、3mm/分の試験速度で判定することができる。評価は、例えば、Zwick GmbH&Co.KGによって作製された、ソフトウェアtestXper(登録商標)を使用して実行することができる。
【0045】
酸化物分散硬化白金(Pt DPH)又は酸化物分散硬化白金-ロジウム(PtRh DPH)は、好ましくは、第1及び/又は第2の材料として、特に好ましくは、製造関連不純物を含む、10重量%のRh及び90重量%のPtの酸化物分散硬化白金-ロジウム(PtRh10 DPH)として使用される。
【0046】
好ましくは第1の材料として使用される酸化物分散硬化白金(Pt DPH)の機械的高温特性は、1400℃で、引張強度R15.6MPa、降伏強度Rp0.213.6MPa、破断点Aにおける伸び53%、10000時間のクリープ強度2.5MPa、及び10-9-1のクリープ率での耐クリープ性2.4MPa、である。
【0047】
対照的に、追加の金属を使用することなく、タングステン不活性ガス溶接(TIG)を用いて突合せ溶接によって接合されたPtRh10成分は、1400℃で、100時間に対する有意に低いクリープ強度6.1MPaを示す。比較すると、100時間の溶接されていないPtRh10 DPHのクリープ強度は12MPaであり、従来の非酸化物分散硬化PtRh10合金では、1400℃で3.8MPaである。
【0048】
酸化物分散硬化白金(PtRh10 DPH)の機械的高温特性は、1400℃で、引張強度R52MPa、降伏強度Rp0.240MPa、破断点Aにおける伸び32%、10000時間のクリープ強度6.8MPa、及び10-9-1のクリープ率での耐クリープ性8.8MPaである、ことを特徴とする。
【0049】
3D印刷によって、(両方とも酸化物分散硬化されていない)材料Pt又はPtRh10からなる粉末から製造された、少なくとも1つの印刷されたチューブ又はモールドの場合、有意に低い機械的高温特性がもたらされ、すなわち、1400℃で、白金の場合、引張強度R8.2MPa、降伏強度Rp0.23.9MPa、破断点Aにおける伸び68%、及び10000時間のクリープ強度0.6MPa(100時間に対して1.4MPa)、並びにPtRh10の場合、引張強度R35.4MPa、降伏強度Rp0.227.8MPa、破断点Aにおける伸び伸びA30%、及び10000時間のクリープ強度1.3MPa(100時間に対して3.8MPa)となった。測定値は、標準的な方法を使用して判定され得る。
【0050】
更に、第1の材料は、第2の材料とは異なる化学組成を有することが提供され得る。
【0051】
このようにして、第1の材料と第2の材料との間に異なる物理的特性を達成することができる。
【0052】
更に、少なくとも1つのチューブは、選択的レーザ溶融(SLM)、選択的レーザ焼結(SLS)、選択的電子ビーム溶融(SEBM)、レーザ金属堆積(LMD)、3D直接エネルギー堆積(DED)、又は選択的電子ビーム焼結(SEBS)によって、ベースプレート上に印刷されることが提供され得る。
【0053】
これらの方法は、特に金属粉末を使用して、少なくとも1つのチューブの可変で費用効果の高い製造に対して特に良好に使用することができる。加えて、好ましくは第2の材料として使用される、高融点貴金属及び貴金属合金もまた、これらの方法で印刷することができる。
【0054】
更に、ステップB)における少なくとも1つのチューブの印刷中に、少なくとも1つのフィードスルーの断面が円形ではない、形状仕様が満たされることが提供され得る。
【0055】
更に、ステップB)における少なくとも1つのチューブの印刷中に、少なくとも1つのチューブが軸方向における壁厚の変化を有する、形状仕様が満たされることが提供され得る。
【0056】
また、ステップB)における少なくとも1つのチューブの印刷中に、少なくとも1つのフィードスルーの壁が、ベースプレートの表面よりも高い粗さを有する、形状仕様が満たされることが提供され得る。
【0057】
更に、ステップB)における少なくとも1つのチューブの印刷中に、少なくとも1つのチューブが二重壁又はマルチ壁である、形状仕様が満たされることが提供され得る。
【0058】
更に、ステップB)における少なくとも1つのチューブの印刷中に、少なくとも1つのフィードスルーが狭窄部又は拡張部を有する、形状仕様が満たされることが提供され得る。
【0059】
また、ステップB)における少なくとも1つのチューブの印刷中に、少なくとも1つのフィードスルーに加えて、少なくとも1つのチューブが、液体又はガス状であり得る加熱媒体又は冷却媒体でチューブを加熱又は冷却するために、チャネルする、形状仕様が満たされることが提供され得る。
【0060】
その結果、すなわち、複雑な形状でさえ、大きな可変性で印刷することができる印刷の強度が使用される。
【0061】
本発明による方法の好ましい進展によれば、ステップB)において少なくとも1つのチューブが印刷されるベースプレートの少なくとも側面が、クリーニング、圧延、研磨、平坦化、及び/又は調整され、特に、ステップB)の前に精緻に調整され、及び/又は精緻に圧延されクリーニングされることが提供され得る。
【0062】
これにより、少なくとも1つのチューブ、特に複数のチューブの全てが、その後、単一の印刷プロセスによってベースプレートの処理された表面上に印刷され得ることを確実にする。
【0063】
また、ベースプレートの下側を平坦に製造し、少なくとも1つのチューブは、ステップB)において下側上に印刷されることが提供され得る。
【0064】
また、ステップB)において、少なくとも3つのチューブがベースプレート上に印刷され、熱局所応力によって引き起こされるベースプレートの機械的歪みが印刷中に、特に直接隣接するチューブが直接次々と印刷されないという事実によって低く保たれるように、連続的に印刷されるチューブの順序が印刷中に選択されることが提供され得る。
【0065】
あるいは、追加のコーティング又は追加の材料適用による歪みを、更なる引張/圧縮応力を適用することによって補償することができる。得られた歪みは、例えば、光学的又は容量的に検出され、補償材料用途のための最適な位置及び量(材料並びにエネルギー入力)が、シミュレーションによって判定される。
【0066】
その結果、印刷中のベースプレートの変形が回避され、印刷プロセスをより迅速に完了することができる。加えて、ベースプレートの永久変形、及びベースプレートとチューブとの間の接続部の弱化が回避される。
【0067】
複数のチューブの構築は、並列に行われ得る。好ましくは、熱的に誘発された歪みを考慮して、露光シーケンス及びアセンブリシーケンスの調整が行われる。チューブの構築は、熱勾配を低減するために、1つの層で部分的に実行され得る。LMD及びDEDなどの方法では、歪みを低減するために、ベースプレートとして互いに反対側に取り付けられた2つのシート上で、チューブを並列に構築することができる。
【0068】
更に、ステップB)において、少なくとも1つのチューブ内の少なくとも1つのフィードスルーの形状は、円筒形状とは異なるように選択される、又はそうでなければ円筒形状の屈折を含み、この形状は、好ましくは、少なくとも1つのフィードスルーを通って流れるガラス溶融物の混合又は撹拌が行われるように選択され、及び/又は少なくとも1つのチューブが複数のチューブであり、異なるチューブのフィードスルーが、特にベースプレート上のチューブの位置に応じて異なる形状を有することが提供され得る。
【0069】
その結果、本方法を使用して、流れているガラス溶融物の特定の所望の流れ特性を生成することができる。更に、可能な限り均一なガラス繊維を製造するために、例えば、ガラス繊維ノズルのトラフの壁に対してそれらの近傍に対するチューブの位置への影響が、フィードスルーの形状の個々の適合によって補償され得る。
【0070】
更に、ステップB)において、少なくとも1つのチューブが、ベースプレートへの接続部としての拡張部と共にベースプレート上に印刷され、拡張部は、好ましくは、少なくとも1つのチューブとベースプレートとの間の接続面の増大をもたらすことが提供され得る。
【0071】
これにより、少なくとも1つのチューブとベースプレートとの間により安定した接続部が作製され、したがってガラス繊維ノズルの機械的安定性が改善される。
【0072】
本発明の根底にある目的はまた、ガラス溶融物からガラス繊維を製造するためのガラス繊維ノズルであって、第1の材料を含む、又は第1の材料からなるベースプレートであって、第1の材料が、ガラス溶融物に対して化学的に耐性があり、分散強化されている、ベースプレートと、第2の材料から印刷された少なくとも1つのチューブであって、少なくとも1つのチューブがベースプレートの一方の側面上に印刷され、少なくとも1つのチューブが、いずれの場合も、少なくとも1つのフィードスルーを含み、第2の材料は、ガラス溶融物に対して化学的に耐性がある、少なくとも1つのチューブと、を有し、ベースプレート内に少なくとも1つの通路が配置され、ベースプレートを通る少なくとも1つの通路は、ベースプレートを通る少なくとも1つの通路の各々が、少なくとも1つのチューブの関連するチューブの少なくとも1つのフィードスルーのうちの少なくとも1つと共に、ガラス溶融物に対して透過性がある共通のラインを形成するように、いずれの場合も、少なくとも1つのチューブのうちの1つの少なくとも1つのフィードスルーのうちの少なくとも1つに接続され、このラインは、ベースプレートを通り、かつ関連するチューブを通っており、ベースプレートは、少なくとも1つのチューブに使用される方法以外の方法を使用して製造される、ガラス繊維ノズルによって達成される。
【0073】
この場合、少なくとも1つの通路の壁が、第1の材料によって区画され、少なくとも1つのフィードスルーの壁が、印刷された第2の材料によって区画されることが提供され得る。
【0074】
これにより、印刷された第2の材料がベースプレートの穴に挿入又は印刷される必要がないことを確実にする。したがって、印刷された第2の材料の量は低く保たれ、それによってガラス繊維ノズルの耐久性が改善され、同時にその製造に対する費用が低く保たれる。
【0075】
更に、ガラス繊維ノズルは、本発明による方法を使用して製造されることが提供され得る。
【0076】
その結果、ガラス繊維ノズルは、その製造方法について言及された利点を有する。
【0077】
本発明の根底にある目的は、本発明によるガラス繊維ノズルを用いて、ガラス溶融物からガラス繊維を製造する方法であって、ガラス溶融物は、ベースプレート内の少なくとも1つの通路を通って、かつベースプレート上に印刷された少なくとも1つのチューブ内の少なくとも1つのフィードスルーを通って流れ、少なくとも1つのチューブから流出した後に、固化して、少なくとも1つのガラス繊維を形成する、方法によって更に達成される。
【0078】
少なくとも1つのフィードスルー中のガラス溶融物の均質化が、方法中に生成され、少なくとも1つのフィードスルーの内部形状は、好ましくは、ガラス溶融物の混合を行うことが提供され得る。
【0079】
本発明は、少なくとも1つのチューブをベースプレート上に印刷することによって、チューブ形状の高い可変性を可能にすることができるという、驚くべき発見に基づいており、別の方法によって製造されたベースプレートの使用は、例えば、ガラス溶融物に対するベースプレートの化学的な耐久性に対して、又はベースプレートの高温耐性に対してなど、他の物理的パラメータに対してベースプレートを同時に最適化することを可能にする。同時に、連続ライン(単数又は複数)全体又は更にベースプレート全体を少なくとも1つのチューブと一緒に印刷する場合と比較して、少量の印刷媒体のみが消費される必要がある。更に、少なくとも1つのチューブのベースプレートへの溶接を回避することができ、したがって、溶接シームにおけるガラス繊維ノズルの弱点を回避することができる。少なくとも1つのチューブの少なくとも1つのフィードスルーの内面の粗さが大きいほど、少なくとも1つのフィードスルーが滑らかな壁を有する場合よりも、その流れ中にガラス溶融物のより良好な混合を達成することができる。
【0080】
従来のベースプレートと比較して、安定した従来方式で製造されたベースプレート上に直接印刷することによって、ベースプレートの強度は、より大きな耐荷重断面によって、低減された強度を有する最小溶接ゾーンによって、及びベースプレートに必要な事前穴開け直径を小さくすることによって、達成され得る。
【0081】
しかしながら、たとえ従来のブッシングで溶接されるチューブ(チップ)と比較しても(たとえチューブが3D印刷によって製造される場合であっても)利点が得られる。これは、従来のベースプレート上への印刷が、後でベースプレートに溶接される必要がある完全なチューブを印刷する必要がある場合よりも、有意に少ない粉末若しくはワイヤ又は第2の材料の材料を必要とするためである。これにより、ベースプレートに溶接される完全に3D印刷されたチューブと比較して、印刷媒体の又は少なくとも1つのチューブが印刷される粉末の最大75%の節約をもたらす。これにより、溶接又は融合された材料ゾーンの大幅な低減がもたらされ、融合された材料ゾーンは、好ましくは、溶接されたチューブと比較して少なくとも90%小さい。融合された材料ゾーンは、本発明による方法及び本発明によるデバイスによって回避される、強度の不利な低減をもたらす。
【0082】
加えて、本発明による方法又は本発明によるガラス繊維ノズルはまた、チューブ(チップ)を含む完全に3D印刷されたブッシングプレートと比較しても利点をもたらす。本発明の文脈では、3D印刷以外のベースプレートの製造方法をチューブに使用することができ、したがって、より安定した結果及び/又はより費用効果の高い製造方法を適用することができる。例えば、高強度酸化物分散強化白金又は高強度酸化物分散強化白金-ロジウム合金をベースプレートに使用することができ、その結果として、そのようなブッシングの長期安定性が、完全に印刷されたブッシングプレートの場合よりも有意に高い。具体的には、これらは、酸化物分散強化白金変異体又は白金-ロジウム変異体として印刷可能ではない。例えば、それが鋳造及び/又は圧延される場合、ベースプレートの収縮も回避され得る。
【0083】
従来の方法によって製造することができない新しいチューブ形状を実現することができる。少なくとも1つのチューブが3D印刷されるが、機械除去(回転、研磨)によって製造されていないという事実により、ガラス繊維の品質及び出力にプラスの影響を及ぼす、除去法では不可能な、より複雑な形状が可能である。
【0084】
したがって、本発明は、貴金属合金又は別の適切な材料組み合わせで作製されたベースプレート上にガラス繊維チップ(少なくとも1つのチューブ)の直接3D印刷を提案する。
【0085】
ベースプレートは既に穴開けされていてもよく、又は穴(少なくとも1つの通路)が(少なくとも1つのチューブの)チップが印刷された後に製造されてもよい。チップの形状は、ユーザによって所望される形状で実行され得る。ここでは、異なる断面、壁厚プロファイル、流れに影響を及ぼす形状及び断面、保護バリアとしての二重壁設計、並びに冷却又は加熱チャネルが考えられる。
【0086】
チップ又はチューブは、任意の3D印刷方法を使用して、ベースプレート(例えば、シート)上に構築され得る。
【0087】
再作業手段を可能にするために許容範囲が必要であり得る。この目的のために、ベースプレートは、例えば、クリーニング、平坦化、研磨、及び/又はコーティングされ得る。
【0088】
少なくとも1つのチューブの内部又はまたその外側の構造化された3D印刷表面は、流体力学(内部)に関して構成要素の特性を最適化するために、又は白金及び/又はロジウムの蒸発を低減又は完全に防止する高度に接着性のコーティングを有する構成要素を提供するために、有利であり得る。
【0089】
本発明による方法を使用して製造されたガラス繊維は、例えば、ガラス繊維強化プラスチック、電子産業(ガラス繊維強化プリント回路基板)及びテキスタイル産業(防火布)などの用途に好適な技術ガラス繊維である。
【0090】
本発明の更なる例示的な実施形態は、11の図を参照して以下に説明されるが、それによって本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
図1】本発明によるガラス繊維ノズルのベースプレートの下側の概略斜視図を示す。
図2】本発明によるガラス繊維ノズルの印刷されたチューブ(チップ)の概略斜視図(図2の上部)及び概略斜視断面図(図2の下部)を示す。
図3】本発明によるガラス繊維ノズルの第3の例示的なチューブ(チップ)の概略斜視断面図を示す。
図4】本発明によるガラス繊維ノズルの第4の例示的なチューブ(チップ)の概略斜視断面図を示す。
図5】本発明によるガラス繊維ノズルの第5の例示的なチューブ(チップ)の概略斜視断面図を示す。
図6】本発明によるガラス繊維ノズルの第6の例示的なチューブ(チップ)の概略斜視断面図を示す。
図7】本発明によるガラス繊維ノズルの第7の例示的なチューブ(チップ)の概略斜視断面図を示す。
図8】本発明によるガラス繊維ノズルの第8の例示的なチューブ(チップ)の概略斜視断面図を示す。
図9】本発明によるガラス繊維ノズルの概略断面図を示す。
図10】本発明によるガラス繊維ノズルの製造に関する概略断面図を示す。
図11】本発明による方法のシーケンスをフローチャートとして示す。
【0092】
図1は、本発明によるガラス繊維ノズルのベースプレート1の下側の概略斜視図を示している。チップとも呼ばれる複数のチューブ2は、互いにオフセットされた2列でベースプレート1の下側上に配置され得る。チューブ2は、3D印刷方法を使用して、ベースプレート1の下側上に印刷され得る。この目的のため、ベースプレート1上の層にチューブ2を構築するために、レーザを使用して、金属粉末(図示せず)を層状に溶融、溶接、又は焼結することができる。あるいは、金属ワイヤをレーザ材料堆積(LMD)法と一緒に適用することもできる。ベースプレート1は、ガラス繊維ノズルのガラス溶融物用の容器(図示せず)を形成するために、ベースプレート1が側壁(図示せず)(図9に類似)に接続され得る、段差3を有することができる。各チューブ2は、ベースプレート1まで延びる連続フィードスルー4を有することができる。
【0093】
通路は、ベースプレート1内に配置されている(図1では見えない)。通路は、チューブ2内のフィードスルー4に開口することができる。通路は、ベースプレート1の下側をベースプレート1の上側に接続することができる。通路は、フィードスルー4と整列して、ガラス溶融物に対して透過性の共通ラインを形成することができる。次いで、ガラス溶融物は、ベースプレート1を通って、かつチューブ2を通って、フィードスルー4から流出することができる。ガラス繊維は、ガラス溶融物のその後の固化中に形成される。
【0094】
ベースプレート1自体は、酸化物分散硬化金属又は酸化物分散硬化金属合金、特に酸化物分散硬化白金又は酸化物分散硬化白金-ロジウム合金、特に好ましくはPtRh10 DPHからなり得る。硬化の場合、セラミック又は他の酸化物粒子は、金属又は金属合金中に分布され得る。
【0095】
図2は、本発明によるガラス繊維ノズルを実現するために、ベースプレート(図2には示されていない)上に印刷され得るチューブ12の第2の例示的な実施形態を示している。この目的のために、チューブ12は、図2の上部で概略斜視図で完全に示され、図2の下部で概略斜視断面図で示されている。断面図で明確に見られ得るように、連続円筒形フィードスルー14は、チューブ12内に配置され得る。ベースプレート(図示せず)に固定されたチューブ12の側面は、足の形態の拡張部15を有することができる。拡張部15は、ベースプレートへの接続面を増大させ、したがって、ベースプレートとチューブ12との間により安定した接続をもたらし得る。
【0096】
チューブ12は、拡張部15とは反対側のその側面上に円錐形チップ16を有することができる。円錐形チップ16は、ガラス溶融物をフィードスルー14からより均一に流出させる。ベースプレート(図示せず)上の拡張部15から開始して、チューブ12は、金属粉末から層状に印刷することができる。あるいは、金属ワイヤをレーザ材料堆積(LMD)法と一緒に適用することもできる。好ましくは、複数のこれらのチューブ12が、ベースプレート上に印刷される。ベースプレート内の各チューブ12に対して、通路が提供され得る(図9を参照)。チューブ12は、通路がフィードスルー14と整列するようにベースプレート上に配置又は印刷され得、その結果、通路及びフィードスルーがガラス溶融物のための共通のラインを形成する。
【0097】
3D印刷方法の使用により、多数の異なる形状及び幾何学的形状をチューブの製造に使用することができる。図3図8は、この目的のためのチューブ22、32、42、52、62、72に対する6つの更なる例示的な実施形態を示し、これらは、本発明によるガラス繊維ノズルを、個別に、複数で、又はまた互いに混合して、実装するのに適している。
【0098】
図3は、本発明によるガラス繊維ノズルを実現するために、ベースプレート(図3には示されていない)上に印刷され得るチューブ22の第3の例示的な実施形態を示している。この目的のために、図3のチューブ22は、概略斜視断面図で示されている。断面図で明確に見られ得るように、連続フィードスルー24が、チューブ22内に配置され得る。ベースプレート(図示せず)に固定されたチューブ22の側面は、足の形態の拡張部25を有することができる。拡張部25は、ベースプレートへの接続面を増大させ、したがって、ベースプレートとチューブ22との間により安定した接続をもたらし得る。
【0099】
チューブ22は、拡張部25とは反対側のその側面上に円錐形チップ26を有することができる。円錐形チップ26は、ガラス溶融物をフィードスルー24からより均一に流出させる。フィードスルー24は、回転対称であるように形成することができ、かつ拡張部25及び円錐形チップ26の領域において円筒形であるように形成することができる。フィードスルー24の壁の円周方向のビード形状の肉厚部27は、フィードスルー24内に配置され得る。壁の肉厚部27は、肉厚部27の領域内にフィードスルー24の狭窄部28をもたらす。狭窄部28は、フィードスルー24を通って流れるガラス溶融物の流れに変化を引き起こす。狭窄部28は、例えば、ガラス溶融物中の流れに対して垂直な半径の関数として流量を変化させることができる。特に、ガラス溶融物の混合は、チューブ22の円錐形チップ26から流出する前に直接行われ得る。
【0100】
ベースプレート上の拡張部25から開始して(図示せず)、チューブ22は、金属粉末、特に白金粉末又は白金-ロジウム粉末から、特に好ましくはPtRh10 DPHで作製された粉末から、層状に印刷することができる。あるいは、金属ワイヤをレーザ材料堆積(LMD)法と一緒に適用することもできる。好ましくは、複数のこれらのチューブ22が、ベースプレート上に印刷される。ベースプレート内の各チューブ22に対して、通路が配置され得る(図9を参照)。チューブ22は、通路がフィードスルー24と整列するようにベースプレート上に配置又は印刷され得、その結果、通路及びフィードスルーがガラス溶融物のための共通のラインを形成する。
【0101】
図4は、本発明によるガラス繊維ノズルを実現するために、ベースプレート(図4には示されていない)上に印刷され得るチューブ32の第4の例示的な実施形態を示している。この目的のために、図4のチューブ32は、概略斜視断面図で示されている。断面図で明確に見られ得るように、連続フィードスルー34が、チューブ32内に配置され得る。ベースプレート(図示せず)に固定されたチューブ32の側面は、足の形態の拡張部35を有することができる。拡張部35は、ベースプレートへの接続面を増大させ、したがって、ベースプレートとチューブ32との間により安定した接続をもたらし得る。
【0102】
チューブ32は、拡張部35とは反対側のその側面上に円錐形チップ36を有することができる。円錐形チップ36は、ガラス溶融物をフィードスルー34からより均一に流出させる。フィードスルー34は、実質的に回転対称であるように形成することができ、かつ拡張部35及び円錐形チップ36の領域において円筒形であるように形成することができる。フィードスルー34の壁の円周方向の球形セグメント形状の肉薄部37は、フィードスルー34内に配置され得る。壁の肉薄部37は、肉薄部37の領域内にフィードスルー34の拡張部38をもたらす。壁の内側上で巻かれた突出ストリップ39は、拡張部38内に配置され得、ねじの方式で、フィードスルー34を通って流れるガラス溶融物上にトルクを引き起こす。拡張部38及びストリップ39は、フィードスルー34を通って流れるガラス溶融物の流れに変化を引き起こす。拡張部38は、例えば、ガラス溶融物中の流れに対して垂直な半径の関数として流量を変化させることができる。特に、ガラス溶融物の混合は、チューブ32の円錐形チップ36から流出する前に直接行われ得る。
【0103】
ベースプレート上の拡張部35から開始して(図示せず)、チューブ32は、金属粉末、特に白金粉末又は白金-ロジウム粉末から、特に好ましくはPtRh10 DPHで作製された粉末から、層状に印刷することができる。あるいは、金属ワイヤをレーザ材料堆積(LMD)法と一緒に適用することもできる。好ましくは、複数のこれらのチューブ32が、ベースプレート上に印刷される。ベースプレート内の各チューブ32に対して、通路が配置され得る(図9を参照)。チューブ32は、通路がフィードスルー34と整列するようにベースプレート上に配置又は印刷され得、その結果、通路及びフィードスルーがガラス溶融物のための共通のラインを形成する。
【0104】
図5は、本発明によるガラス繊維ノズルを実現するために、ベースプレート(図5には示されていない)上に印刷され得るチューブ42の第5の例示的な実施形態を示している。この目的のために、図5のチューブ42は、概略斜視断面図で示されている。断面図で明確に見られ得るように、連続フィードスルー44が、チューブ42内に配置され得る。ベースプレート(図示せず)に固定されたチューブ42の側面は、足の形態の拡張部45を有することができる。拡張部45は、ベースプレートへの接続面を増大させ、したがって、ベースプレートとチューブ42との間により安定した接続をもたらし得る。
【0105】
チューブ42は、拡張部45とは反対側のその側面上に円錐形チップ46を有することができる。円錐形チップ46は、ガラス溶融物をフィードスルー44からより均一に流出させる。フィードスルー44は、回転対称であるように形成することができ、かつ拡張部45及び円錐形チップ46の領域において円筒形であるように形成することができる。フィードスルー44の壁の円周方向の球形セグメント形状の肉薄部47は、フィードスルー44内に配置され得る。壁の肉薄部47は、肉薄部37の領域内にフィードスルー44の拡張部48をもたらす。拡張部48は、フィードスルー44を通って流れるガラス溶融物の流れに変化を引き起こす。拡張部48は、例えば、ガラス溶融物中の流れに対して垂直な半径の関数として流量を変化させることができる。特に、ガラス溶融物の混合は、チューブ42の円錐形チップ46から流出する前に直接行われ得る。
【0106】
ベースプレート上の拡張部45から開始して(図示せず)、チューブ42は、金属粉末、特に白金粉末又は白金-ロジウム粉末から、特に好ましくはPtRh10 DPHで作製された粉末から、層状に印刷することができる。あるいは、金属ワイヤをレーザ材料堆積(LMD)法と一緒に適用することもできる。好ましくは、複数のこれらのチューブ42が、ベースプレート上に印刷される。ベースプレート内の各チューブ42に対して、通路が配置され得る(図9を参照)。チューブ42は、通路がフィードスルー44と整列するようにベースプレート上に配置又は印刷され得、その結果、通路及びフィードスルーがガラス溶融物のための共通のラインを形成する。
【0107】
図6は、本発明によるガラス繊維ノズルを実現するために、ベースプレート(図6には示されていない)上に印刷され得るチューブ52の第6の例示的な実施形態を示している。この目的のために、図6のチューブ52は、概略斜視断面図で示されている。断面図で明確に見られ得るように、連続フィードスルー54が、チューブ52内に配置され得る。ベースプレート(図示せず)に固定されたチューブ52の側面は、足の形態の拡張部55を有することができる。拡張部55は、ベースプレートへの接続面を増大させ、したがって、ベースプレートとチューブ52との間により安定した接続をもたらし得る。
【0108】
チューブ52は、拡張部55とは反対側のその側面に円錐形チップ56を有することができる。円錐形チップ56は、ガラス溶融物をフィードスルー54からより均一に流出させる。フィードスルー54は、大まかに円筒形であるように形成することができ、かつ拡張部55及び円錐形チップ56の領域において完全に円筒形であるように形成することができる。フィードスルー54では、コア57は、中央、すなわち円筒形フィードスルー54の円筒軸上に配置することができる。コア57は、5つのウェブ58で保持することができ、ウェブ58は、コア57をフィードスルー54の内壁に接続する。この目的のために、ウェブ58は、ガラス溶融物の意図された流れ方向に対して、フィードスルー54の内壁から斜めに突出することができる。コア57及びある程度までウェブ58もまた、フィードスルー54を通って流れるガラス溶融物の流れに変化を引き起こす。コア57は、例えば、フィードスルー54の中央のガラス溶融物中の流れの流量を遅くすることができる。特に、ガラス溶融物の混合は、チューブ52の円錐形チップ56から流出する前に直接行われ得る。
【0109】
ベースプレート上の拡張部55から開始して(図示せず)、チューブ52は、金属粉末、特に白金粉末又は白金-ロジウム粉末から、特に好ましくはPtRh10 DPHで作製された粉末から、層状に印刷することができる。あるいは、金属ワイヤをレーザ材料堆積(LMD)法と一緒に適用することもできる。好ましくは、複数のこれらのチューブ52が、ベースプレート上に印刷される。ベースプレート内の各チューブ52に対して、通路が配置され得る(図9を参照)。チューブ52は、通路がフィードスルー54と整列するようにベースプレート上に配置又は印刷され得、その結果、通路及びフィードスルーがガラス溶融物のための共通のラインを形成する。
【0110】
図7は、本発明によるガラス繊維ノズルを実現するために、ベースプレート(図7には示されていない)上に印刷され得るチューブ62の第7の例示的な実施形態を示している。この目的のために、図7のチューブ62は、概略斜視断面図で示されている。断面図で明確に見られ得るように、連続中央フィードスルー64は、チューブ62内に配置され得る。ベースプレート(図示せず)に固定されたチューブ62の側面は、足の形態の拡張部65を有することができる。拡張部65は、ベースプレートへの接続面を増大させ、したがって、ベースプレートとチューブ62との間により安定した接続をもたらし得る。
【0111】
チューブ62は、拡張部65とは反対側のその側面に円錐形チップ66を有することができる。円錐形チップ66は、ガラス溶融物を中央フィードスルー64からより均一に流出させる。中央フィードスルー64は、円筒形であるように形成され得る。複数の外側連続フィードスルー67は、中央フィードスルー64の壁に配置することができ、円錐形チップ66の領域内の開口部68を介して、中央フィードスルー64に開口する。外側フィードスルー67は、チューブ状であり得、好ましくは、領域内で円筒形であり得る。中央フィードスルー64は、外側フィードスルー67よりも大きい直径を有し得る。ガラス繊維ノズルの動作中、ガラス溶融物は、中央フィードスルー64を通って、かつ外側フィードスルー67を通って流れることができる。あるいは、チューブ62を冷却するために、及び/又はガラス溶融物を変化させるために、若しくはガラス溶融物の流れを変化させるために、空気又は別のガスが外側フィードスルー67を通って流れることも可能にする。特に、ガラス溶融物の混合は、チューブ62の円錐形チップ66から流出する前に直接行われ得る。
【0112】
ベースプレート上の拡張部65から開始して(図示せず)、チューブ62は、金属粉末、特に白金粉末又は白金-ロジウム粉末から、特に好ましくはPtRh10 DPHで作製された粉末から、層状に印刷することができる。あるいは、金属ワイヤをレーザ材料堆積(LMD)法と一緒に適用することもできる。好ましくは、複数のこれらのチューブ62が、ベースプレート上に印刷される。ベースプレート内の各チューブ62に対して、通路が配置され得る(図9を参照)。チューブ62は、通路及びフィードスルーがガラス溶融物のための共通のラインを形成するように、通路が中央フィードスルー64と整列するような方法で、又は通路及びフィードスルーがガラス溶融物のための共通のラインを形成するように、通路が中央フィードスルー64及び外側フィードスルー67と整列するような方法で、ベースプレート上に配置又は印刷され得る。
【0113】
図8は、本発明によるガラス繊維ノズルを実現するために、ベースプレート(図8には示されていない)上に印刷され得るチューブ72の第8の例示的な実施形態を示している。この目的のために、図8のチューブ72は、概略斜視断面図で示されている。断面図で明確に見られ得るように、連続フィードスルー74が、チューブ72内に配置され得る。ベースプレート(図示せず)に固定されたチューブ72の側面は、足の形態の拡張部75を有することができる。拡張部75は、ベースプレートへの接続面を増大させ、したがって、ベースプレートとチューブ72との間により安定した接続をもたらし得る。
【0114】
チューブ72は、拡張部75とは反対側のその側面上に円錐形チップ76を有することができる。円錐形チップ76は、ガラス溶融物をフィードスルー74からより均一に流出させる。フィードスルー74は、非常に急勾配のピッチを有するねじの方式で成形することができ、そうでなければ円筒形であり得る。この目的のために、フィードスルー74の壁の複数の円周方向のねじ溝77を、フィードスルー74内に配置することができる。ねじ溝77は、フィードスルー74を通って流れるガラス溶融物にトルクを伝達し、したがって、フィードスルー74を通って流れるガラス溶融物の流れに変化をもたらすことができる。特に、ガラス溶融物の混合は、チューブ72の円錐形チップ76から流出する前に直接行われ得る。
【0115】
ベースプレート上の拡張部75から開始して(図示せず)、チューブ72は、金属粉末、特に白金粉末又は白金-ロジウム粉末から、特に好ましくはPtRh10 DPHで作製された粉末から、層状に印刷することができる。あるいは、金属ワイヤをレーザ材料堆積(LMD)法と一緒に適用することもできる。好ましくは、複数のこれらのチューブ72が、ベースプレート上に印刷される。ベースプレート内の各チューブ72に対して、通路が配置され得る(図9を参照)。チューブ72は、通路がフィードスルー74と整列するようにベースプレート上に配置又は印刷され得、その結果、通路及びフィードスルーがガラス溶融物のための共通のラインを形成する。
【0116】
図9は、本発明によるガラス繊維ノズルの概略断面図を示している。ガラス繊維ノズルは、複数の通路80を有するベースプレート81を有し得る。チップとも呼ばれる複数のチューブ82、92は、ベースプレート81の下側上に配置され得る。チューブ82、92は、3D印刷方法を使用して、ベースプレート81の下側上に印刷され得る。この目的のため、ベースプレート81上の層にチューブ82、92を構築するために、レーザを使用して、金属粉末(図示せず)を層状に溶融、溶接、又は焼結することができる。チューブ82、92は、通路80の周りに印刷することができ、又は通路80は、チューブ82、92を印刷した後に、ベースプレート81に穴開けするか、そうでなければベースプレート81内で生成することができる。ベースプレート81は、ガラス繊維ノズルのガラス溶融物用の容器(図示せず)を形成するために、ベースプレート81が円周方向の側壁89に接続され得る、段差83を有することができる。各チューブ82、92は、ベースプレート81まで延びる連続フィードスルー84、94を有することができる。通路80は、チューブ82、92内のフィードスルー84、94に開口することができる。通路80は、ベースプレート81の下側をベースプレート81の上側に接続することができる。フィードスルー84、94は、通路80と整列され得、その結果、フィードスルー84、94は、通路80と共に、ガラス溶融物のための共通のラインを形成する。次いで、ガラス溶融物は、ベースプレート81を通って、かつチューブ82、92を通って、フィードスルー84、94から流出することができる。ガラス繊維は、ガラス溶融物のその後の固化中に形成される。
【0117】
ベースプレート81自体は、酸化物分散硬化金属又は酸化物分散硬化金属合金、特に酸化物分散硬化白金又は酸化物分散硬化白金-ロジウム合金、特に好ましくはPtRh10 DPHからなり得る。硬化の場合、セラミック又は他の酸化物粒子は、金属又は金属合金中に分布され得る。
【0118】
図8によるチューブ82、92は、ベースプレート81上に印刷された第9及び第10の例示的な実施形態を表している。ベースプレート81に固定されたチューブ82、92の側面は、足の形態の拡張部85、95を有することができる。拡張部85、95は、ベースプレート81への接続面を増大させ、したがって、ベースプレート81とチューブ82、92との間により安定した接続をもたらし得る。チューブ82、92が印刷されるベースプレート81の全側面(図8の下部)は、チューブ82、92と同じ材料からなる薄層(図8では見えない)で印刷されることが提供され得る。
【0119】
チューブ82、92は、拡張部85、95とは反対側のその側面上に円錐形チップ86、96を有することができる。円錐形チップ86、96は、ガラス溶融物をフィードスルー84、94からより均一に流出させる。フィードスルー84、94は、回転対称であるように形成することができ、かつ拡張部85、95及び円錐形チップ86、96の領域において円筒形であるように形成することができる。フィードスルー84、94の壁の円周方向のビード形状の肉厚部87、97は、フィードスルー84、94内に配置することができる。壁の肉厚部87、97は、肉厚部87、97の領域内にフィードスルー84、94の狭窄部88、98の形成をもたらす。狭窄部88、98は、フィードスルー84、94を通って流れるガラス溶融物の流れに変化を引き起こす。狭窄部88、98は、例えば、ガラス溶融物中の流れに対して垂直な半径の関数として流量を変化させることができる。特に、ガラス溶融物の混合は、チューブ82、92の円錐形チップ86、96から流出する前に直接行われ得る。中間チューブ92のフィードスルー94の狭窄部98は、2つの外側チューブ82のフィードスルー84の狭窄部88よりも狭い。結果として、ガラス溶融物の均一な流れ、したがって製造されたガラス繊維を達成するために、チューブ82、92と側壁89との間の距離の関数として、フィードスルー84、94を通るガラス溶融物の異なる流れに対する許容範囲が作製され得る。
【0120】
拡張部85、95から開始して、チューブ82、92は、金属粉末、特に白金粉末又は白金-ロジウム粉末から、特に好ましくはPtRh10 DPHで作製された粉末から、ベースプレート81上に層状に印刷することができる。あるいは、金属ワイヤをレーザ材料堆積(LMD)法と一緒に適用することもできる。好ましくは、2つの隣接するチューブ82、92がベースプレート81上に直接次々と印刷されないように、これらのチューブ82、92を構築するための層は、ベースプレート81上に印刷される。その結果、印刷プロセス中に生成される熱は、より良好に放散され得、ベースプレート81の局所的な過熱の可能性が少なくなる。それによって、ベースプレート81の望ましくない変形を回避することができる。ベースプレート81内の各チューブ82、92に対して通路80が提供され得る。チューブ82、92は、通路80の各々がフィードスルー84、94のうちの1つと正確に整列するようにベースプレート81上に配置又は印刷され得、その結果、両方が一緒にガラス溶融物の共通のラインを形成する。
【0121】
本発明による方法のシーケンスを、図10及び図9を参照して以下に説明する。
【0122】
第1の作業ステップ100において、溶融物から鋳造により、ベースプレート81を製造することができる。この場合、酸化物粒子は、溶融物中で分布又は生成され得る。第2の作業ステップ101において、溶融物の固化後、圧延によって、及び/又は更なる温度処理によって、ベースプレート81を形成し、更に硬化させることができる。また、この時点において、段差83をベースプレート81に導入することができる。
【0123】
任意選択の第3の作業ステップ102において、ベースプレート81の下側を、平坦化及び/又は前処理し、その後にその上に印刷することができるようにクリーニングすることができる。
【0124】
第4の作業ステップ103において、印刷のためにベースプレート81が提供され得る。この目的のために、ベースプレート81を、3Dプリンタに固定することができる。また、以下の第5の作業ステップ104で指定されたもの以外の方法で製造されたベースプレート81を提供することが可能である。したがって、本発明による方法は、第4の作業ステップ103で開始することができる。
【0125】
第5の作業ステップ104において、チューブ82、92を、ベースプレート81上に層状に印刷することができる。この目的のために、粉末(図示せず)を溶融し、焼結し、又はレーザでベースプレート81上又は以前の層上に、層状に溶接することができる。
【0126】
任意選択の第6の作業ステップ105において、チューブ82、92を有するベースプレート81の表面をクリーニング、再圧縮、研磨、又はコーティングすることができる。特に、3D印刷(印刷された場合)による粗いベースプレートの下側の表面に、及びチューブ82、92の外側に、セラミックコーティングを適用することができる。
【0127】
任意選択の第7のステップ106において、ベースプレート81は、円周方向の側壁89に溶接又はそうでなければ接続することができる。その前に、ベースプレート81と同じ方法を使用して、側壁89を製造することができる。
【0128】
その結果、本発明によるガラス繊維ノズルが得られる。側壁89及びベースプレート81は、ガラス溶融物用の容器を形成することができる。ガラス溶融物は、この容器から流出し、通路80及びフィードスルー84、94を通って流れ、したがってガラス繊維を形成することができる。また、同じ方法を使用して、他の形状、例えば、図2図7に示される形状を有するチューブを備えたガラス繊維ノズルを作製することができる。加えて、形状はまた、必要に応じて容易に混合することができる。
【0129】
図11は、本発明によるガラス繊維ノズルの製造に関する概略断面図を示している。ここで、レーザ法を使用して、2つのベースプレート111上に複数のチューブ112を構築することができる。ベースプレート111は、分散硬化白金又は分散硬化PtRh10合金のシートであり得る。図11には、ベースプレート111上に位置する製造中の半完成チューブ113もまた示されている。ベースプレート111は、キャリア114上の両側面上に固定することができ、2つのレーザ116を両側面の並列構造に使用することができる。図11に示されるように、レーザビーム118は、積層造形のために半完成チューブ113に衝突することができる。キャリア114は、スタンド120上に取り付けられ得る。
【0130】
レーザ金属堆積(LMD)又は3D直接エネルギー堆積(DED)を適用して、この方法を実装することができる。LMD及びDEDなどの方法では、歪みを低減するために、互いに反対側に取り付けられた2つのベースプレート111上で、チューブ112を並列に構築することができる。
【0131】
上記の説明、並びに特許請求の範囲、図面、及び例示的な実施形態に開示されている本発明の特徴は、個別及び任意の所望の組み合わせの両方で、その様々な実施形態で本発明を実装するために不可欠であり得る。
【0132】
符号の説明
1、81、111 ベースプレート
2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、112 チューブ(チップ)
3、83 段差
4、14、24、34、44、54、64、74、84、94 フィードスルー
15、25、35、45、55、65、75、85、95 拡張部
16、26、36、46、56、66、76、86、96 円錐形チップ
27、87、97 壁の肉厚部
28、88、98 フィードスルーの狭窄部
37、47 壁の肉薄部
38、48 フィードスルーの拡張部
39 ストリップ
57 コア
58 ウェブ
67 フィードスルー
68 開口部
77 ねじ溝
80 通路
89 側壁
100、101、102、103 作業ステップ
104、105、106 作業ステップ
113 半完成チューブ
114 キャリア
116 レーザ
118 レーザビーム
120 スタンド

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】