(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(54)【発明の名称】ウェアラブル自動張力調整デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0225 20060101AFI20230421BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
A61B5/0225 A
A61B5/02 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555084
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-09
(86)【国際出願番号】 US2021022144
(87)【国際公開番号】W WO2021183909
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522361962
【氏名又は名称】ロジャー・ニール・ローブカンプ,ジュニア
(71)【出願人】
【識別番号】522361973
【氏名又は名称】キース・ソウミラー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・ニール・ローブカンプ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】キース・ソウミラー
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA12
4C017AA16
4C017AB02
4C017AB10
4C017AC02
4C017AD01
4C017DD11
4C017FF08
(57)【要約】
保持部材にかかる張力を自動的に調整し、それによって物体に圧縮またはその他の力を加えるための装置。センサが、関与する物体、または環境に関連付けられた変化を感知するために使用されてもよく、保持部材にかかる張力を自動的に調整するために歯車またはプーリなどの回転部材を自動的に回転させるアクチュエータが含まれてもよい。張力の調整は、センサに応答する制御ロジックからの制御信号に基づいて、自動的に、毎秒多数回行われてもよい。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体にかかる張力を自動的に調整するための自動保持装置において、
前記物体とは分離した別個のものであり、前記物体の周囲に位置づけ可能な保持部材であって、前記物体にかかる張力を増大または減少させるために前記物体に係合するように配置および構成された、保持部材と、
前記物体とは分離した別個のハウジングであって、前記保持部材が取り付けられている、ハウジングと、
回転部材を含む、前記ハウジング内部に取り付けられたアクチュエータであって、前記回転部材が前記保持部材に係合するように位置づけられ、前記回転部材が、前記保持部材にかかる張力を増大させるために第1の方向と、前記保持部材にかかる張力を減少させるために第2の方向とに、回転軸を中心に回転可能である、アクチュエータと、
前記物体に関連付けられた感知パラメータの変化を感知するように配置および構成された少なくとも1つのセンサと、
前記センサからの入力に応答し、前記センサからの前記入力に従って前記アクチュエータを制御するように構成された制御回路であって、前記センサからの入力に基づいて前記保持部材にかかる張力を調整するために前記回転部材を前記第1または第2の方向に回転させるように前記アクチュエータを制御するように構成された、制御回路とを含む、自動保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動保持装置において、前記回転部材が前記保持部材に係合するように前記ハウジングから外に延び、前記保持部材が前記ハウジングに隣接している、自動保持装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動保持装置において、前記回転部材が、前記保持部材に隣接して位置づけられ、前記保持部材内に画定された穴に係合するように配置されたウォーム歯車を含む、自動保持装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の自動保持装置において、前記保持部材が剛体であり、厚さよりも幅広であり、前記ウォーム歯車が係合可能な1つまたは複数の穴を画定する、自動保持装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の自動保持装置において、前記保持部材の係合部が前記ハウジング内の前記回転部材に係合する、自動保持装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の自動保持装置において、前記回転部材がシャフトを含み、前記保持部材の前記係合部が、前記物体にかかる張力を増大または減少させるために前記シャフトの周囲に巻き付き、巻き解く、自動保持装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の自動保持装置において、前記保持部材が、平坦な状態と丸まった状態とを有する可撓性基材を含み、前記可撓性基材の前記丸まった状態が前記物体の形状に沿うのに適している、自動保持装置。
【請求項8】
請求項7に記載の自動保持装置において、前記保持部材の第1の端部が前記ハウジングに取り付けられ、前記保持部材の第2の端部が、前記可撓性基材が丸まった状態のときに前記保持部材に選択的に係合可能な、自動保持装置。
【請求項9】
請求項7に記載の自動保持装置において、前記保持装置の係合部が、前記保持部材が前記丸まった状態のときに前記回転部材に自動的に係合するように構成されている、自動保持装置。
【請求項10】
請求項7に記載の自動保持装置において、前記制御回路が、前記保持部材が前記丸まった状態のときに前記保持装置を自動的に作動させるように構成されている、自動保持装置。
【請求項11】
請求項7に記載の自動保持装置において、前記可撓性基材が金属製双安定ばねである、自動保持装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の自動保持装置において、
前記ハウジングに取り付けられたフレームと、
前記フレームに回転可能に取り付けられた少なくとも1つのアームとを含み、
前記保持部材が前記少なくとも1つのアームに結合され、前記少なくとも1つのアームが、前記保持部材にかかる張力の増大により前記物体に向かって回転するように配置および構成され、前記少なくとも1つのアームが、前記保持部材にかかる張力の減少により前記物体から離れる方向に回転するように配置および構成されている、自動保持装置。
【請求項13】
請求項12に記載の自動保持装置において、前記アームが複数の相互接続されたセグメントを含み、前記保持部材が前記セグメントを貫通し、前記複数の相互接続されたセグメントのうちの前記アームの一端に隣接する1つのセグメントに取り付けられている、自動保持装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の自動保持装置において、
前記回転部材に隣接して位置づけられた付勢要素を含み、前記付勢要素が前記保持部材における前記張力とは反対の方向に前記回転部材を付勢するように配置および構成されている、自動保持装置。
【請求項15】
請求項14に記載の自動保持装置において、前記付勢要素がばねを含み、前記付勢要素が前記回転部材と共通のシャフトを共有する、自動保持装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の自動保持装置において、前記回転部材が第1の回転部材であり、前記自動保持装置が、
第2の回転部材をさらに含み、
前記第1の回転部材が前記保持部材に第1の端部で係合するように位置づけられ、
前記第2の回転部材が前記保持部材に第2の端部で係合するように位置づけられ、
前記第1および第2の回転部材が、前記保持部材にかかる張力を増大させるために第1の方向と、前記保持部材にかかる張力を減少させるために第2の方向とに回転可能である、自動保持装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載の自動保持装置において、前記物体が人間または動物の付属器であり、前記感知パラメータが、血圧、体温、血中酸素濃度または心拍数の任意の組合せである、自動保持装置。
【請求項18】
請求項17に記載の自動保持装置において、前記制御回路が、前記感知パラメータが第1の目標基準と一致するときに前記保持部材にかかる張力を増大させるように構成され、前記制御回路が、前記感知パラメータが第2の目標基準と一致するときに前記保持部材にかかる張力を減少させるように構成されている、自動保持装置。
【請求項19】
請求項1から18のいずれかに記載の自動保持装置において、
前記センサの周囲の環境に関連付けられた環境感知パラメータの変化を感知するように配置および構成された環境センサを含み、前記制御回路が、速さ、角運動量、速度、動きまたは加速度の任意の組合せを含む前記環境感知パラメータに応答する、自動保持装置。
【請求項20】
請求項18に記載の自動保持装置において、前記環境センサが前記ハウジング内に位置づけられている、自動保持装置。
【請求項21】
物体にかかる張力を自動的に調整するための自動保持システムにおいて、
フレームと、
前記フレームに取り付けられた複数の自動保持装置とを含み、前記複数の自動保持装置が、
前記物体とは分離した別個のものであり、前記物体の周囲に位置づけ可能な、ハウジングに取り付けられた保持部材と、
回転部材に結合されたモータを含む、前記ハウジング内に取り付けられたアクチュエータであって、前記回転部材が前記保持部材に係合するように前記ハウジングから延びるように位置づけられ、前記回転部材が回転軸を中心に、前記保持部材にかかる張力を増大させるために第1の方向と、前記保持部材にかかる張力を減少させるために第2の方向とに回転可能である、アクチュエータと、
前記物体に関連付けられた感知パラメータの変化を感知するように配置および構成された少なくとも1つのセンサと、
前記センサからの入力に応答し、前記センサからの前記入力に従って前記アクチュエータを制御するように構成された制御回路であって、前記センサからの入力に基づいて前記保持部材にかかる張力を調整するために前記第1または第2の方向に前記回転部材を回転させるように、前記アクチュエータを制御するように構成された、制御回路とを含む、自動保持システム。
【請求項22】
請求項21に記載の自動保持システムにおいて、前記フレームが連結部を含み、前記複数の自動保持装置のうちの少なくとも1つが前記連結部の1つの側に取り付けられ、前記複数の自動保持装置のうちの少なくとも1つが前記連結部の別の側に取り付けられている、自動保持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2020年3月12日に出願された米国仮特許出願第62/988,508号および2020年4月10日に出願された米国仮特許出願第63/008,031号の利益を主張し、両出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、物体に加えられる張力を自動的に制御するためのウェアラブルデバイスに関する。場合によっては、物体に加えられる最適張力が物体の動き、物体を基準にしたウェアラブルデバイスの動き、環境要因、または物体自体の状態の態様に依存することがある。多くの場合に、張力は、ストラップを締めること、靴紐を結ぶこと、ワイヤまたはケーブルを「堅く締まる」までねじること、締め付けを加えること、または圧着ケーブルステーなどによって手動で設定されることがある。そのようなシステムは、最適張力レベルを決定することができず、および/または、必要に応じて自動的に張力を調整することができない。そのため、張力レベルが高くなり過ぎる場合があり、したがってテンショナ自体に損傷を与えるか、または過度の張力を加えることにより、または十分に加えないことにより、所定位置に保持されるべき物体に損傷を与える可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
物体にかかる張力を自動的に調整するためのウェアラブル自動張力装置が開示される。保持部材は、物体とは分離した別個のものであり、物体の周囲に位置づけ可能であってもよい。保持部材は、物体にかかる張力を増大または減少させるために物体に係合するように配置および構成されてもよい。任意により物体とは分離した別個のハウジングが含まれてもよく、保持部材はハウジングに取り付けられてもよい。任意により回転部材を含むアクチュエータが、ハウジング内部に取り付けられてもよい。回転部材は、保持部材と係合するように位置づけられてもよく、回転部材は回転軸を中心に、保持部材にかかる張力を増大させるために第1の方向と、保持部材にかかる張力を減少させるために第2の方向とに回転可能とされてもよい。任意により物体に関連付けられた感知パラメータの変化を感知するように配置および構成された少なくとも1つのセンサが含まれてもよい。
【0004】
別の態様では、センサからの入力に応答し、センサからの入力に従ってアクチュエータを制御するように構成可能な制御回路が含まれてもよい。制御回路は、センサからの入力に基づいて保持部材にかかる張力を調整するために、回転部材を第1または第2の方向に回転させるようにアクチュエータを制御するように構成されてもよい。
【0005】
別の態様では、回転部材は、任意により、保持部材に係合するようにハウジングから延び、保持部材はそれに応じて回転部材に係合するようにハウジングに隣接していてもよい。別の態様では、回転部材は、保持部材に隣接して、任意により保持部材によって画定された穴または溝に係合するように配置および構成されたウォーム歯車を含んでもよい。別の態様では、保持部材は、任意により剛体であり、厚さよりも幅広であってもよく、ウォーム歯車が係合可能な1つまたは複数の穴を画定してもよい。
【0006】
別の態様では、保持部材の係合部がハウジング内部の回転部材に係合する。別の態様では、回転部材は、任意によりシャフトを含み、保持部材の係合部は、物体にかかる張力を選択的に増大または減少させるために、シャフトの周囲に巻き付き、巻き解くように構成されてもよい。
【0007】
別の態様では、保持部材は、任意により、平坦な状態と丸まった状態とを有することができる可撓性基材を含み、可撓性部材の丸まった状態は、物体の形状に沿うのに適していてもよい。別の態様では、保持部材の第1の端部がハウジングに取り付けられてもよく、可撓性基材が丸まった状態のときに保持部材の第2の端部が回転部材に選択的に係合可能であってもよい。別の態様では、保持部材の係合部が、保持部材が丸まった状態のときに回転部材と自動的に係合するように構成されてもよい。別の態様では、制御回路は、保持部材が丸まった状態のときに、保持装置を自動的に作動させるように構成されてもよい。別の態様では、可撓性基材が、金属製双安定ばねを含むか、主として金属製双安定ばねからなってもよい。
【0008】
別の態様では、自動保持装置はハウジングに取り付けられたフレームと、任意により、フレームに回転可能に取り付けられた少なくとも1つのアームを含んでもよい。保持部材はアームに結合されてもよく、アームは、保持部材にかかる張力の増大により物体に向かって回転し、任意により回転部材にかかる張力の減少により物体から離れる方向に回転するように、配置および構成されてもよい。別の態様では、アームは、複数の相互接続されたセグメントを含んでもよく、保持部材はこれらのセグメントを貫通するように配置されてもよい。保持部材は、複数の相互接続されたセグメントのうちのアームの一端に隣接する1つのセグメントに取り付けられてもよい。
【0009】
別の態様では、本開示の保持装置は、回転部材に隣接して位置づけられた付勢要素を含んでもよく、付勢要素は、回転部材を保持部材における張力とは反対の方向に付勢するように配置および構成されてもよい。別の態様では、付勢要素はばねを含んでもよく、要素は回転部材と共通のシャフトを共有してもよい。
【0010】
別の態様では、本開示の保持装置は、任意により第1の回転部材と第2の回転部材とを含み、第1の回転部材は保持部材に第1の端部で係合するように位置づけられてもよく、第2の回転部材は保持部材に第2の端部で係合するように位置づけられてもよい。第1および第2の回転部材は、保持部材にかかる張力を増大させるように第1の方向に、および/または、保持部材にかかる張力を減少させるように第2の方向に回転可能であってもよい。
【0011】
別の態様では、保持される物体は人間または動物の付属器であってもよく、感知パラメータは、血圧、体温、血中酸素濃度、または心拍数の任意の組合せであってもよい。別の態様では、制御回路は、任意により、感知パラメータが第1の目標基準と一致する場合に保持部材にかかる張力を増大させるように構成され、任意により、感知パラメータが第2の目標基準と一致する場合に保持部材にかかる張力を減少させるように構成される。別の態様では、本開示の保持装置は、センサの周囲の環境に関連付けられた環境感知パラメータの変化を感知するように配置および構成された環境センサを含んでもよい。制御回路は、速さ、角運動量、速度、動き、または加速度の任意の組合せを含み得る環境感知パラメータに応答してもよい。別の態様では、環境センサはハウジング内に位置づけられてもよい。
【0012】
別の態様では、任意によりフレームと、フレームに取り付けられた複数の自動保持装置とを含む、物体にかかる張力を自動的に調整するための自動保持システムが開示される。複数の自動保持装置は、本開示の実施例のいずれかにより構成可能である。別の態様では、自動保持システムは、連結部付きのフレームを含んでもよく、複数の自動保持装置のうちの少なくとも1つが連結部の1つの側に取り付けられてもよく、複数の自動保持装置のうちの少なくとも他の1つが連結部の別の側に取り付けられてもよい。
【0013】
本開示のさらなる形態、目的、特徴、態様、利点、長所および実施例は、詳細な説明、および本明細書とともに提供される図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の自動保持装置に含まれ得る構成要素の一例を示すコンポーネント図である。
【
図2】本開示の自動保持装置の一態様を示すコンポーネント図である。
【
図3】本開示の自動保持装置の別の構成を示すコンポーネント図である。
【
図4】本開示の自動保持装置の別の構成を示すコンポーネント図である。
【
図5】
図4に示す特徴の追加の態様を示すコンポーネント図である。
【
図6】本開示の自動保持装置の別の構成を示すコンポーネント図である。
【
図7】本開示の自動保持装置の別の構成を示すコンポーネント図である。
【
図8】本開示の自動保持装置の別の構成を示すコンポーネント図である。
【
図9】本開示の自動保持装置を示す切り欠き透視図である。
【
図10】本開示の自動保持装置を示す部分切り欠き透視図である。
【
図11】本開示の自動保持装置の別の構成を示すコンポーネント図である。
【
図12】本開示の自動保持装置の別の構成を示すコンポーネント図である。
【
図13】本開示の自動保持装置を示す透視図である。
【
図14】本開示の自動保持装置の別の構成を示すコンポーネント図である。
【
図15】本開示の自動保持装置の別の構成を示すコンポーネント図である。
【
図16】本開示の自動保持装置を示す断面図である。
【
図18】本開示の自動保持装置を示すコンポーネント図である。
【
図19】
図18の自動保持装置を示す別のコンポーネント図である。
【
図20】本開示の自動保持装置を示す切り欠き透視図である。
【
図21】本開示の自動保持装置の別の態様を示すコンポーネント図である。
【
図22】本開示の自動保持装置の態様を示す透視図である。
【
図23】開示の自動保持装置の位置決めおよび使用の例を示すコンポーネント図である。
【
図24】本開示の自動保持装置を制御する制御回路の一実施例を示すコンポーネント流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に、本開示の自動保持装置に含まれ得る構成要素の例を100で示す。これらの構成要素と、場合によっては本明細書で言及されているその他の構成要素は、保持装置の本開示の実施例のいずれかまたはすべてに共通し得る。
【0016】
自動保持装置100は、データを処理し、デバイスの動作挙動を制御するために装置における他の構成要素に対する指令または指示を生成する制御回路101を含んでもよい。制御回路101は、入力を受け入れ、装置100の動作特性を制御するための、プロセッサ、論理回路、デジタルまたはアナログ回路、あるいはこれらの任意の組合せを含んでもよい。制御回路101と、電力を必要とする装置の他の構成要素とに電力を供給するために、バッテリ104が含まれてもよい。別の態様では、装置100に電力を供給するために任意による外部電源120が含まれてもよい。この外部電源120は、バッテリ104に充電するため、および/または、バッテリ104が充電されていないかまたは存在しない場合に一次電源として機能するのに有用であり得る。
【0017】
構成データ105および履歴データ108などの情報を記憶するためのメモリ102が含まれてもよい。別の態様では、メモリ102は、所定期間にわたる回転部材の回転の時間、方向および程度などのデータを記憶するように構成されてもよい。センサ入力から経時的に取得されたデータも、制御回路101による処理のため、または、装置100の全体的パフォーマンスを向上させるように構成データ105を変更するためにデータを分析することができる他のコンピューティングデバイスによる処理のために、メモリ102に記憶されてもよい。したがってメモリ102は、制御回路101への入力としてセンサによって供給された、センサ115によって検出された感知パラメータを表すデータ値を記憶するようにも構成されてもよい。履歴データ108は、日付、時刻、場所またはその他のメタデータを含んでもよい。構成データ105は、本開示の自動保持装置の動作を制御するためのパラメータ値を含んでもよい。
【0018】
無線通信モジュール107が含まれてもよく、アンテナ110と、送信器113と、受信器114とを含んでもよい。アンテナは、送信器および受信器が、たとえば更新された構成データ、履歴データ、および/または制御信号、あるいはこれらの任意の組合せを送受信するために、コンピューティングデバイス118に無線通信を送受信するのに使用されてもよい。アンテナ110は、無線通信モジュール107によって送受信されるデータを規定する信号を搬送する電波に従って共振するように構成されてもよい。送信器113は、信号を送信するためにアンテナ110を使用してもよく、受信器114は制御回路101によって処理されるデータおよび/またはメモリ102に記憶されるデータを規定する信号を受信するためにアンテナ110を使用してもよい。送信器および受信器によって送受信される信号は、電波を介して、可視光または不可視光を変調させることによってなど、任意の適切な媒体を介して送信されてもよい。
【0019】
ネットワークインターフェース116が含まれてもよく、インターネットなどのネットワークに接続可能な通信リンクを介してリモートデバイスと対話するのに有用な様々な通信プロトコルを実装してもよい。そのような通信リンクは、無線通信モジュール107を使用して実装された無線通信リンク、またはワイヤ、光ファイバなどを使用して実装された物理通信リンクであってもよい。たとえば、無線通信モジュール107は、信号を送受信してもよく、それらの信号は次に、通信リンクを実装するためにネットワークインターフェース116によって認識されるプロトコルに従って処理されてもよい。
【0020】
保持装置100は、物体に張力を加えるための保持部材111を含んでもよい。1つまたは複数のセンサ115が、保持部材111に組み込まれているかまたは結合されてもよい。任意によりセンサが保持部材111に組み込まれているかまたは取り付けられるか、または自動保持装置100に組み込まれているかまたは取り付けられてもよい。別の態様では、センサ115は、デバイス100によって保持された物体に関連付けられた感知パラメータの変化を感知するように配置および構成されたセンサを含んでもよい。別の態様では、センサ115は、保持部材111に組み込まれているか、または保持部材111に関連付けられた感知パラメータの変化に応答してもよい。たとえば、センサ115は、保持部材における張力を検出し、それによって制御回路が必要に応じて張力を調整することができるようにしてもよい。
【0021】
別の態様では、センサ115は、センサの周囲の環境に関連付けられた環境感知パラメータの変化を感知するように配置および構成された環境センサを含んでもよい。これらの環境センサは、ハウジング119内、またはハウジング外部の他の場所に位置づけられてもよい。環境感知パラメータは、速さ、角運動量、速度、動き、加速度、気圧、熱または温度、煙、火、湿度または液体の存在、流体または水体の深度、高度、姿勢(すなわち地面を基準にした傾斜角)、またはこれらの任意の組合せなど、任意の適切な環境の側面を表し得るため、制御回路101はこれらのパラメータに応答してもよい。センサ115は、遠隔場所から無線通信モジュール107によって信号117として受信されるデータを送信する無線センサの場合など、装置100とやり取りする他の物体に取り付けられてもよい。
【0022】
アクチュエータ103が含まれてもよく、保持部材にかかる張力を増大または減少させて保持部材111によって所定位置に保持されるべき物体のいずれかにかかるその結果の張力を変動させるために、保持部材111に作用するように構成されてもよい。モータ106がアクチュエータ103に含まれ、1つまたは複数の歯車、カム、プーリなど、またはこれらの任意の組合せなどの回転部材109に結合されてもよい。回転部材109を手動で調整することによって保持部材111にかかる張力を手動で調整するために、任意による手動コントロール112が回転部材109に結合されてもよい。この手動回転は、モータ106によって与えられる自動回転と併用して、またはその代替として行われてもよい。別の態様では、手動コントロール112は、アクチュエータとは別個に保持部材111に結合されてもよい。位置にかかわりなく、保持部材によって与えられる張力または圧縮力はモータ106によって与えられる自動回転と併用して、またはその代替として手動コントロール112を使用して手動で調整されてもよい。
【0023】
別の態様では、制御回路101は、センサ115のうちの少なくとも1つのセンサからの入力に応答してもよく、それに応じてアクチュエータを制御するように構成されてもよい。制御回路が、アクチュエータを制御してアクチュエータに、物体にかかる張力を自動的に調整するために回転部材を第1または第2の方向に回転させるべくモータに通電するように指示してもよい。たとえば、制御回路101は、回転方向と回転数とがセンサ115から受信した入力に応じている状態で、第1および第2の方向に回転するようにアクチュエータを制御してもよい。別の態様では、100の構成要素の一部または全部がハウジング119に取り付けられるかまたはハウジング119の内部に取り付けられてもよい。別の態様では、制御回路101は、感知パラメータが第1の目標基準に一致する場合に保持部材にかかる張力を増大させ、および/または、感知パラメータが第2の目標基準に一致する場合に保持部材にかかる張力を減少させるように構成されてもよい。
【0024】
図2に、200に示すような本開示の自動保持装置に共通の追加の態様を示す。物体202とは分離した別個の保持部材201が示されている。保持部材201は、任意により物体202の周囲に位置づけ可能であり、保持部材201は任意により、物体にかかる張力を増大または減少させるために物体に係合するように配置および構成される。この実施例では、保持部材201は、剛体または半剛体であってもよく、したがって、203の方向に動くことができる。その際、保持部材201は物体202に向かって引っ張ることによって、または代わりに物体202に向かって押すことによって、張力を加えるように動作可能である。別の態様では、201は可撓性または半可撓性であってもよく、したがって保持部材201が、物体202に向かって引っ張ることによってのみ物体に張力を加えることができるようにしてもよい。
【0025】
別の態様では、保持部材201はハウジング204に取り付けられてもよい。一実施例では、保持部材201は、第1の端部205、第2の端部206またはこれらの任意の組合せにおいて、またはこれらの端部に隣接して取り付けられてもよい。別の態様では、保持部材201は、第1または第2の端部205および206において、または隣接して、アクチュエータ207に係合してもよい。別の態様では、アクチュエータ207は、その長さに沿った任意の点で保持部材201に係合してもよい。
【0026】
別の態様では、保持部材201とハウジング204とがともに、物体202を中に位置づけることが可能な開口または空き空間208を画定する。たとえば、物体202は、保持部材201が開口208内に位置づけられた物体202の部分に実質的に垂直となるように位置づけられてもよい。しかし、保持部材201を基準にした物体202のどのような適切な向きが用いられてもよい。
【0027】
非限定的な一実施例では、物体202は人間または動物の付属器であってもよく、保持部材201は人間または動物の付属器に加えられる張力を自動的に増大または減少させるように動作可能である。たとえば、保持装置200は、創傷における、または創傷に隣接した、血液またはその他の体液の流れを制御する場合などに、人間または動物の付属器に加えられる圧力を増大または減少させるために保持部材201の張力を自動的に調整してもよい。
【0028】
別の態様では、自動保持装置によって加えられた物体202にかかる圧力を測定するために、ひずみセンサまたは圧縮センサ209が保持部材201に組み込まれているか、または結合されてもよい。別の態様では、ひずみセンサ209は、保持部材に隣接して維持され、任意によりハウジングまたは装置200の他の部分から分離している、センサ115のうちの1つのセンサであってもよい。
【0029】
本開示の自動保持装置の別の態様を
図3の300に示す。物体305とは分離し、別個である保持部材304が示されている。保持部材304は、任意により物体305の周囲に位置づけ可能であり、配置される保持部材304は、任意により物体にかかる張力を増大または減少させるために物体に係合するように配置および構成される。この実施例では、保持部材304は剛性または半剛性であってもよく、したがってアクチュエータ303に応じて308の方向に動くことが可能であってもよい。これに関して、保持部材304は、物体に向かって引っ張ることによって、または物体305に向かって押すことによって、張力を加えるように動作してもよい。
【0030】
別の態様では、保持部材304は、任意により第1の端部307における、または第1の端部307に隣接する、固定物306に取り付けられてもよい。第2の端部302が自動保持装置のハウジング301内部のアクチュエータ303に係合してもよい。この実施例では、保持部材304は、物体305に張力を加えるように構成され、保持部材304の一端がアクチュエータ303による作用を受け、他端がハウジング301とは別個の固定具に取り付けられる。
【0031】
別の態様では、保持部材309と固定物306とハウジング301とがともに、物体305をその中に位置づけることができる開口309を画定する。たとえば、物体305は、保持部材304が開口308内に位置づけられた物体305の部分に実質的に垂直であるように位置づけられてもよい。
【0032】
図5および
図6に、可撓性基材404を含む保持部材403を含む、本開示の自動保持装置400の別の実施例を示す。一実施例では、可撓性金属基材は金属製双安定ばねである。別の実施例では、保持部材403は任意により、主として双安定金属ばねなどの双安定金属材料からなる。
【0033】
可撓性基材404は、任意により、
図4に示す平坦な状態と、
図5に示す丸まった状態とを有する。
図5に示す可撓性基材の丸まった状態は、任意により、物体405の形状に沿うのに適する。
図4に示すように、保持部材403は物体405に当てる前は平坦な状態である。保持部材403は、可撓性基材404が
図5に示すように物体405の周囲で丸まるまで物体405に対して保持部材を押し付けるなどによる、任意の適切な手段によって物体405に当てられてもよい。
【0034】
別の実施例では、保持部材403は、丸まると、保持部材403が物体405の周囲に連続ループを形成するように、平坦な状態と丸まった状態との間で「スナップ」するように動作可能である。別の実施例では、保持部材の第1の端部における、または隣接した、保持部材の固定部406が、ハウジング401に取り付けられてもよい。保持部材403の第2の端部における、または隣接した、保持部材の係合部407が、可撓性基材が丸まった状態のときにアクチュエータ402と選択的に係合してもよい。係合部407は、装着部407がそれによってアクチュエータ402の対応する歯車、ピン、磁石またはその他の要素に自動的に係合するように付勢されることができる、磁石、溝、突出フックまたはピンなどの割り出し要素408を含んでもよい。このようにして、保持部材は、保持部材403が物体405の周囲で自動的に丸まり、係合部407が自動的にアクチュエータ402に係合するように、保持部材403を物体405に「打ち当てる」ことによって物体に容易に当てることができる。
【0035】
別の態様では、保持装置の係合部407が、任意により、保持部材が丸まった状態のときにアクチュエータの任意による回転部材409と自動的に係合するように構成される。別の態様では、自動保持装置400は、本明細書で開示されているような制御回路を含んでもよく、制御回路は、保持部材が丸まった状態のときに保持装置401を自動的に作動させるように構成されてもよい。たとえば、係合部407が回転部材409に隣接しているときにそれを検出するためにセンサが位置づけられてもよく、制御回路はこのセンサに応答し、それに応じて回転部材409を自動的に作動させるように構成されてもよい。
【0036】
図6に、本開示の自動保持装置および関連概念のさらなる態様を600で示す。物体609とは分離した別個のハウジング602が示されており、保持部材607が任意によりハウジング602を貫通するか、または任意によりハウジングによって画定された開口を通ってハウジングに貫入し、ハウジングから出ている。任意によりアクチュエータ603がハウジング602内部に取り付けられ、任意により、係合領域608において保持部材607に係合するように位置づけ可能な回転部材606を含む。別の態様では、回転部材606は、任意により、保持部材607が開口を通ってハウジングに貫入する場合など、ハウジング602内部で保持部材607に係合する。保持部材607は、側面からハウジングに入るように、ハウジング602によって画定される1つまたは複数の穴を貫通してもよく、または別の実施例では、ハウジングの底部に画定された1つまたは複数の穴内を通ってもよい。
【0037】
モータ604が含まれてもよく、接続部材605(たとえばシャフト、連結機構、ベルト、チェーンまたはその他の適切な接続部材)によって回転部材に結合されてもよい。一実施例では、回転部材606は回転軸610を中心に、保持部材607にかかる張力を増大させるために第1の方向と、保持部材にかかる張力を減少するために第2の方向とに回転可能であってもよい。別の実施例では、回転部材606は、任意により、保持部材607にかかる張力を増大させるために第1の方向と、保持部材にかかる張力を減少させるために第2の方向とに、回転軸611を中心に回転可能である。
【0038】
本開示の自動張力装置に、任意により保持部材607にかかる張力を手動で調整するための手動コントロール601が含まれる。手動コントロール601を回転させると回転部材606が回転し、したがって、モータ604がない場合、またはモータ604が誤動作している場合に、回転部材606を調整する代替手段を可能にする。
【0039】
本開示の自動保持装置の別の実施例を
図7の700に示す。任意により、ハウジング702にアクチュエータ702が取り付けられてもよく、アクチュエータは、回転部材706などの回転部材に結合されたモータ704を含む。回転部材706は、シャフト、連結機構、ベルト、チェーン、歯車などによる、モータ704から回転部材706にトルクを伝達するためのデバイスの任意の適切な機構によって、モータ704に結合されてもよい。この実施例では、回転部材706はハウジングから延びて、保持部材の第1の端部709における、または端部709に隣接する、係合領域708で保持部材707に係合する。第2の端部710が、任意によりハウジングに取り付けられる。別の態様では、ハウジング701と第2の端部710とが、任意により互いに融合されるか、または単一の一体構造として形成されてもよい。
【0040】
図8の800に示す本開示の自動テンショナの概念の別の実施例では、保持部材801が、任意により、第1の回転部材802に結合された第1の端部係合領域803と、任意により第2の回転部材807に結合された第2の端部係合領域807とを含む。この実施例では、回転部材802および807は、任意により駆動システム804に結合され、駆動システム804は両方の回転部材802および807に結合された単一のモータ、またはそれぞれが異なる回転部材に結合された協調して動作する複数のモータを含んでもよい。回転部材802または807あるいはその両方が、図のようにハウジングの対向する側で、または同じ側で、ハウジング805から延びてもよい。この実施例では、保持部材801のいずれかの端部が係合し、ハウジング805に取り付けられずに張力を増大または減少させるように作用してもよい。
【0041】
図9に、自動保持装置の本開示の実施例に組み込むことができる他の態様を示す。物体910にかかる張力を自動的に調整するための例示の自動保持装置900が示されている。任意により物体910とは分離した別個の保持部材905が含まれてもよく、物体の周囲に位置づけられてもよい。保持部材905は本開示により、物体にかかる張力を増大または減少させるために物体910に係合するように配置および構成されてもよい。
【0042】
保持装置900は、物体910とは分離した別個のハウジングを含んでもよく、保持部材905は任意の適切な手段によってハウジングに取り付けられてもよく、保持部材がハウジングに接着されているその一例が911に示されている。非限定的な例をいくつか挙げると、締め具、接着剤、溶剤、超音波溶接または化学結合によるものなど、任意の適切な接着技術が採用可能である。別の態様では、911における取り付けは、ハウジング901と保持部材905あるいはその一部を単一の一体構造として形成することによって実現されてもよい。
【0043】
任意によりシャフト907を回転させる回転部材909に結合されたモータ904を、任意により含むアクチュエータが、ハウジング901内部に取り付けられてもよい。回転部材909は、保持部材905に係合するように位置づけられてもよい。この実施例では、回転部材は、任意により、ハウジングに隣接する保持部材905の係合部906に係合するようにハウジング901から物体910に向かって延びるウォーム歯車を含む。係合部906は、係合部906によって画定される1つまたは複数の溝または開口908を含む。溝908は保持部材909の1つまたは複数の歯916に係合する。回転部材909は、任意により、物体910に巻き付けられた保持部材905に実質的に平行であってもよい回転軸903を中心に、回転可能である。
【0044】
別の態様では、回転部材909のために、または本開示の回転部材の他の実施例のために、歯車の歯が溝908のような溝に係合するウォーム歯車を使用することによって、追加の摩耗または電力使用のないブレーキ機構を設けることができるので有利である。ウォーム歯車の使用は、回転部材が後方にスピンし、それによって係合部906および保持部材905全般にかかる張力を意図せずに解放する可能性を、減らすかまたはなくすことができる。
【0045】
回転部材909は、本開示の制御回路902によって制御されるモータ904によって回転させてもよい。回転部材909は、保持部材905にかかる張力を増大させるために第1の方向と、保持部材にかかる張力を低減するために第2の異なる方向とに回転してもよい。
【0046】
自動保持装置は、物体910に関連付けられた感知パラメータの変化を感知するように配置され、構成可能な本開示の少なくとも1つのセンサ914および/または915を含んでもよい。任意によりセンサ914および915からの入力に応答する制御回路902が含まれてもよい。制御回路902は、本明細書で開示されているようなセンサからの入力に従ってアクチュエータを制御するように構成されてもよく、制御回路は、センサからの入力に基づいて保持部材にかかる張力をそれぞれ調整するために、第1または第2の方向912および913に回転部材909を回転させるように回転部材を作動させるモータ904を制御するように構成される。
【0047】
センサ914および915によって感知される感知パラメータは、保持部材905にかかる張力をいつどの程度調整すべきかを判定する際に関心対象となる任意のパラメータであってよい。物体910が人間または動物の付属器である場合、感知パラメータの例には、体温、心拍数、近隣血流量、近隣血圧、血中酸素濃度、発汗、呼吸数、または、心臓の鼓動、ストレス、感情、痛みなどに関係する電気もしくは化学インパルスが含まれるが、これらには限定されない。
【0048】
別の態様では、センサ914はハウジング901とは分離した物体910に取り付けられてもよく、センサ914と制御回路902との間に通信リンクを確立し、維持するように構成されてもよい。別の態様では、センサ915は、保持部材905に取り付けられるかまたはその一部として含まれてもよく、保持部材905が物体910に近接しているために物体910からセンサ入力を得ることができる。
【0049】
別の態様では、
図9に示す保持部材905が、任意により実質的に剛体であり、比較的柔軟性がない。保持部材905は、幅917と厚さ918も画定してよく、実施例によっては、保持部材は厚さよりも幅広であってもよい。すなわち、寸法917が寸法918よりも大きくてもよく、それによって保持部材905を任意によりその長さに対して相対的に薄く、平坦とすることができる。
【0050】
図10の1000に示す別の実施例では、本開示の自動保持装置は、任意により、保持部材1009にかかる張力を自動的に増大または減少させるために駆動歯車1011を回転させるように配置および構成されたアクチュエータを収容するハウジング100を含む。本開示のアクチュエータ機構は、任意により、1001における任意による減速伝動機構に結合されたモータ1003を含む。伝動機構1001は、任意による減速ギアボックス1002を含んでもよい。減速ギアボックスは、モータ1003の回転速度を低下させるため、および/または、モータ1003によって生じるトルクを調整するために、1つまたは複数の遊星歯車またはその他の歯車セットを含んでもよい。別の態様では、モータ1003および/または伝動機構1001はモータ回転軸1005を規定してもよい。軸1005は、モータ1003の1つまたは複数のシャフトまたは歯車、および/またはギアボックス1002によって規定されてもよい。
【0051】
伝動機構1001は、モータ1004と駆動歯車1011との歯車比をさらに変化させる場合もさせない場合もある1つまたは複数のトランスファギア1007も含んでもよい。駆動歯車1011は、任意により、モータ回転軸1005とは分離した、またはモータ回転軸1005からずれていてもよいが任意により回転軸1005と平行な、別個の駆動歯車回転軸1006を中心に回転する。
【0052】
駆動歯車1011は、保持部材1009に隣接してハウジング1004内に取り付けられてもよい。保持部材1009は、任意により、駆動歯車1011が係合可能な複数の溝、穴または開口1010を含む、係合部1012を画定してもよい。別の態様では、これらの開口1010の一部または全部が、保持部材1009の一方の側の開口から反対側の開口まで保持部材1009を貫通する貫通孔であってもよい。別の態様では、保持部材1009は、物体保持部材1009に対して概ね垂直な方向に保持部材に沿って延びる長手方向軸1008を画定し、巻き付けられてもよい。
【0053】
図11に示す別の実施例では、本開示による自動保持装置1100が、任意により、保持部材1109に係合するように配置および構成された本開示のアクチュエータ1101を含む。アクチュエータ1101は、任意により、ウォーム歯車などの回転部材1108または本明細書で開示されているようなその他の回転部材に結合された、モータ1106を含む。回転部材1108は、シャフト1107または、モータ1106から回転部材にトルクを伝達するためのその他の適切な機械的デバイス上に取り付けられてもよい。回転部材1108は、ユーザからの入力に応答して回転部材1108にトルクをかけることによって、保持部材1109の張力を手動で調整するのに有用となり得る任意による手動張力コントロール1110に機械的に結合されてもよい。手動張力コントロール1110は、シャフト1107に、または回転部材1108に直接、機械的に結合されてもよい。
【0054】
自動保持装置は、回転部材1108および任意により第2の付勢部材1105に隣接して位置づけられた、付勢要素1102を含んでもよい。付勢要素1102および/または1105は、保持部材における張力とは反対の方向に回転部材1108を付勢するように配置および構成されてもよい。回転部材1108がシャフト1107に沿って位置を変えるにつれて回転部材1108の横方向の動き1104を位置合わせするために、装置1100のハウジング内にセンサ1103が配置されてもよい。この動きは、保持部材が現在受けている張力のレベルを判定するために使用可能である。
【0055】
別の態様では、付勢部材1102および/または1105は、保持部材1109にかかる張力を自動的に調整するように動作可能であってもよい。たとえば、モータ1106がないかまたは動作不能な場合、保持部材1109に張力を加えるように任意による手動張力コントロール1110が作動させられてもよい。したがって付勢要素1102および1105は、1104に示すように回転部材1108が横方向に移動するにつれてその結果の張力を自動的に調整することができる。モータ1106が動作可能であり、回転部材1108を回転させるように動作可能な別の態様では、付勢要素1102および/または1105は、モータ1106が保持部材にかかる張力を調整しているときに、またはモータ1106が回転を停止し、張力が設定されたが、物体が物体に作用するかまたは物体自体内から作用する力を受け、それによって自動保持装置によって加えられる張力に瞬間的な増大または減少を生じさせた後で、張力の瞬間的な増大または減少を抑制するように、保持部材1109にかかる張力を自動的に調整してもよい。
【0056】
別の態様では、本開示の自動保持装置は、保持部材に係合するための巻き機構を含んでもよい。この概念の一実施例を、自動保持装置1200がハウジング1201と、保持部材1202の係合部1203とを有するものとして図示されている
図12に示す。係合部1203はハウジング内の回転部材1204の周囲に巻き付き、巻き解く。回転部材1204は、モータ1206によって駆動される任意による歯車機構1208と機械的に係合するシャフトを含んでもよい。回転部材1204が第1の方向1207に回転させられ、それによって保持部材の係合部1203を回転部材1204に巻き付けると、保持部材1202に張力が加えられ得る。係合部1203は、1本のケーブル、ワイヤまたは任意のその他の適切な材料であってもよく、または回転部材1204に結合され、保持部材1202に係合するように外側に延びる別々のケーブルまたはワイヤなどの複数本のケーブル、ワイヤまたはその他の材料を含んでもよい。別の態様では、係合部1203は、ハウジング1201の保持部材1202に対向する側、または任意の他の適切な場所にあってもよい、開口1209および/または1210においてハウジング1201に貫入してもよい。
【0057】
別の態様では、歯車機構1208は回転部材1204の歯に係合する歯を備えたウォーム歯車を含んでもよい。そのような構成は、回転部材が後方にスピンし、係合部1203にかかる張力を意図せずに解放する可能性を減らすかまたはなくすためのブレーキ機構を提供することができるので有利である。別の態様では、保持部材1202および/または係合部1203が、回転部材が張力を低減するように作動させられると回転部材1204から係合部1203を自動的に巻き解くための、弾性バンド、ばね、ゴムバンドまたはその他の類似の付勢要素などの弾性要素を含んでもよい。
【0058】
図13に示す別の実施例では、自動保持装置1300が任意による駆動機構1304に結合された任意によるモータ1305を有するものとして図示されている。装置1300は、保持部材1307に張力を加えるための回転部材1303を含んでもよい。回転部材をモータ1305および駆動機構1304と位置合わせして取り付けるためのフレーム1302が含まれてもよい。回転部材1303が駆動機構1304によって作動させられると回転の方向に応じて張力が増大または減少させられるように、保持部材1307の一端に固定するための固定ピン1306が任意により備えられる。一実施例では、回転部材1303は、物体1301にかかる張力を増大または減少させるために複数回、回転させられてもよい。別の実施例では、回転部材1303は、モータ1305が作動させられると1回または特定回数だけ回転するように構成されてもよい。別の態様では、本明細書の他の個所で言及しているように、保持部材1307は金属またはポリマー材料などの剛体材料を含んでもよく、または保持部材1307はその代わりとしてゴムまたは繊維、あるいは類似の材料などの、可撓性または弾性材料を含んでもよい。別の態様では、物体1301が圧縮性であってもよく、自動保持装置1300による張力がかかっていないときに第1の膨張形状を規定してもよく、自動保持装置による張力がかかっているときに第2の圧縮形状を規定してもよい。このようにして、物体の流体、気体またはその他の内容物が自動保持装置の作動に従って制御された方式で放出されてもよい。
【0059】
図14に示す別の態様では、本開示による自動保持システム1400が、回転部材1403に結合された任意によるモータ1402を備えたアクチュエータ1401を含んでもよい。回転部材1403は、保持部材にかかる張力を増大または減少させ、物体1408に圧力を加えるために、本明細書で開示されているような保持部材1405に係合してもよい。
【0060】
保持部材1405は、自動保持システムが回転部材1403を回転させると保持部材1405に張力が加えられ、それによって1409に示すように保持部材1405がアーム1407を物体1408に近づけるかまたは物体1408から遠ざけるようにさせ、それによって物体に加えられる圧力を増大または減少させることができるように、アーム1407に結合されてもよい。別の態様では、保持部材1405に張力を加えることによって、アーム1407を物体1408に向かって、または物体から離れる方向に旋回させることができ、それによって物体にかかる圧力を選択的に増大または減少させることができる。別の態様では、自動保持システム1400は、固定物または指示物1406に隣接して取り付けられ、または結合されてもよい。したがって、物体1408に加えられる圧力を増大または減少させるために、固定物1406に向かうかまたは離れる方向のアーム1407の動きを保持部材1405の作動によって開始させることができる。
【0061】
図15に示す別の態様では、本開示による自動保持システム1500が複数のアームを含んでもよい。この実施例では、システムは、回転部材1503に結合された任意によるモータ1502を備えたアクチュエータ1501を含む。回転部材1503は、物体1509に加えられる圧力を増大または減少させるために、本明細書で開示されているような任意による保持部材1504および1505などの1つまたは複数の保持部材に係合してもよい。
【0062】
保持部材1504および1505は、それぞれアーム1506および1507に結合され、自動保持システムが回転部材1503を回転させると保持部材に張力が加えられ、それによって保持部材がアーム1506および1507を1508および1511に示すように物体1509に近づけるかまたは物体1509から遠ざけるようにし、それによって物体に加えられる圧力を増大または減少させることができるように配置および構成されてもよい。別の態様では、保持部材1504および1505に張力を加えことにより、1511および1512に示すようにアーム1506および1507を物体1509に向かって、または物体から離れる方向に旋回させ、それによって物体にかかる圧力を選択的に増大または減少させることができる。
【0063】
図16および
図17に示す別の態様では、自動保持システム1600が、フレーム1605に取り付け可能な2つのアーム1601および1608を使用して物体1610にかかる張力または圧縮を調整するように配置および構成される。アームは任意により、1614の方向にアーム1601の回転運動をもたらす取り付け点1612に取り付けられる。アーム1608も、1613の方向にアーム1608の回転運動をもたらす取り付け点1607に取り付けられてもよい。
【0064】
本開示で説明されているもののような保持部材1609が、回転部材1603に係合する。保持部材は、取り付け点1612および1607に隣接してアーム1601および1608に取り付けられ、また、1つまたは複数のピンまたはプーリ1602および1606に隣接して通ってもよい。保持部材1609は、任意により、アーム1601および1608に結合される。たとえば、保持部材1609の第1の端部がアーム1601に結合されてもよく、保持部材の第1の端部とは反対側の第2の端部がアーム1608に結合されてもよい。保持部材1609は、回転部材1603の回転により保持部材1609に張力が加えられ、それによってアーム1601および1608を物体1610に向かって内側に回転させるように、回転部材1603に係合してもよい。
【0065】
一態様では、回転部材1603は、任意により、
図16に示す「緩和」位置にあるときに、保持部材1609も最小張力状態にあるような回転カムとして取り付けられる。モータまたは他の適切な手段によって回転させられると、回転部材1603は、
図17に示すように保持部材1609を押圧し、その際、カムは保持部材にかかる可能最大張力と、物体1610に対する対応する最大圧力レベルとを生じさせる最大変位にある。本開示の制御回路は、任意により、利用可能なセンサからの入力に応じて、これらの2つの極値の間の中間位置まで回転部材1603の回転を制御してもよい。
【0066】
図18および
図19に、少なくとも1つのアームを使用して物体1806にかかる張力を調整するように構成された本開示の自動保持システム1800の別の実施例を示し、アームは
図18では緩和状態にあり、
図19では張力がかかっている様子が示されている。自動保持システム1800は、結合機構、張力部材、付勢要素、連動連結部、または任意の他の適切な手段などによって互いに結合されている、複数の隣接セグメント1807を含む。保持部材1805が、保持部材1805に張力を加えることにより隣接セグメントが物体1806の周囲で締まるように、隣接セグメント1807に結合されている。
【0067】
本開示の他の個所で説明しているように、任意によるモータ1802が、保持部材1805に係合するように配置および構成された回転部材1803に結合されてもよい。回転部材1803を任意により一方向に回転させると、保持部材にかかる張力が増大し、一方、逆方向の回転は張力低減を生じさせることができる。張力が加えられるにつれて、アームセグメント1807が物体1806の周囲で締まり、それによって端部セグメント1809をハウジング1801のフレーム部1804に向かう方向1808に旋回させる。保持部材1805はアーム1810に結合されており、アームは、保持部材にかかる張力の増大により物体1806に向かって回転またはその他により移動し、保持部材1805にかかる張力の減少により物体から離れる方向に回転または移動するように配置および構成されている。
【0068】
別の態様では、アーム1810は任意により複数の相互接続されたセグメント1807を含み、保持部材は任意により、セグメントによって画定されたチャネルを貫通し、アームの端部に隣接する、複数の相互接続されたセグメント1809のうちの1つに取り付けられてもよい。別の態様では、ハウジング1801がアーム1810の取り付け具として機能してもよく、それによってアームはアーム1810とハウジング1801との間で物体1806を圧搾および圧縮することが可能になる。別の態様では、セグメント1807は、アーム1810が物体を取り囲むにつれて物体1806に張力を与えるのを支援し、任意により、アーム1810が所定位置になった後でさらに圧縮するように、可撓性または圧縮性である。
【0069】
別の態様では、保持装置の係合端セグメント1809は、任意により、
図19に示すようにアーム1810が丸まった状態または閉じた状態にあるときに、フレーム部1804に自動的に係合するように構成される。別の態様では、自動保持装置1800は本明細書で開示されているような制御回路を含んでもよく、制御回路は、アーム1810が丸まった状態のときに保持装置1800を自動的に作動させるように構成されてもよい。たとえば、係合アームがフレーム部1804に隣接しているときを検出するためにセンサが位置づけられてもよく、制御回路はこのセンサに応答し、それに応じて回転部材1803を自動的に作動させるように構成されてもよい。
【0070】
端部セグメント1809は、任意により、端部セグメント1809に結合されるかまたは組み込まれた位置合わせアセンブリ1812と、フレーム部1804に結合されるかまたは組み込まれた対応する位置合わせアセンブリ1811とを含んでもよい。アーム1810がフレーム部1804に向かって巻き付くにつれて、位置合わせアセンブリ1811および1812は、端部セグメントがフレームに隣接すると保持部材1805とアーム1810とによって与えられ得る張力を任意により増大させるべく端部セグメントも自動的にフレーム部1804にラッチまたは結合あるいはその他により接続するために、端部セグメント1809をフレーム部1804に向かって自動的に誘導するように構成されてもよい。位置合わせアセンブリ1811および1812は、任意の磁石、フック、留め具、スロット、溝、割り出し部材、または端部セグメント1809をフレーム部1804に位置合わせするためのその他の部材、あるいはこれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0071】
1つまたは複数のマルチセグメントアームを備えた自動保持装置の別の実施例を、
図20に示す。アーム2001および2002がそれぞれ複数の個別セグメント2003および2004を含んでもよい。保持部材2005が、任意により個別アームセグメントを貫通しており、保持部材の一端がアーム2001の端部セグメント2006と、アーム2002の端部セグメント2007とに取り付けられている。
【0072】
アーム2001および2002に取り付け部を与えるために、フレーム2008が含まれてもよい。フレーム2008は、ピン、プーリ、ブッシング、軸受または張力システムのその他の態様を備えてもよい。たとえば、フレーム2008は、保持部材2005によってアーム2001および2002に加えられる張力の方向を変え、または増幅するために有用となり得る、プーリまたはピン2009~2012を含んでもよい。保持部材2005は、保持部材2005にかかる張力を増大または減少させるためにハウジング2014内の回転部材2013に係合してもよい。保持部材2005にかかる張力を増大させると、アームが、アームの間に保持されている物体を圧縮するように互いに向かって回転または旋回する。別の態様では、回転部材2013は、回転部材の半回転などの回転の一部が任意により保持部材2005を最大張力下に置き、回転のさらなる部分が保持部材を最小張力下に置く、カムとして動作してもよい。別の態様では、回転部材2013は、最大張力に達するまでに複数回転が必要なように保持部材2005に係合するように構成されてもよい。これは、保持部材2005が回転部材2013に巻き付く場合、または回転部材2013が、保持部材2005に係合するように構成された歯車または1組の歯車を含む場合であってもよい。
【0073】
別の態様では、アーム2001および2002の個別セグメントが任意により対応する突出部または凹部を含み、1つのセグメントの突出部が、セグメントを位置合わせする助けとなるように隣接アームセグメントによって画定される凹部内に容易に収まるように構成されてもよい。別の態様では、個別アームセグメントは、セグメントを適正な位置合わせと互いに隣接した状態とに維持するように構成された連動部または1つまたは複数の付勢要素を含んでもよい。
【0074】
本開示の自動保持装置の別の実施例を、
図21の2100に示す。自動保持装置2100は、本開示の任意によるモータ、回転部材、駆動歯車およびその他の構成要素を収容するハウジング2102を含む。保持部材2103がハウジングから離れる方向に延び、ハウジングは、すべてがユーザが自動保持装置の1つまたは複数の動作態様を調整するためのものである、任意によるユーザインターフェース構成要素も含む。たとえば、自動保持装置は、ハウジング2102に取り付けられたディスプレイデバイス2105を含んでもよい。ディスプレイデバイス2105は、現在の張力閾値、現在の張力設定、バッテリが充電されているか、デバイスが誤作動していないかなど、デバイスの機能態様に関する情報を提供する1つまたは複数の標識を含んでもよい。別の態様では、ユーザインターフェース構成要素は、保持部材2103にかかる張力など、デバイスの動作特性を調整するための1つまたは複数のボタン2101を含んでもよい。
【0075】
本開示の自動保持装置とともに任意の適切なユーザインターフェースを使用することができる。別の実施例では、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、サーバコンピュータ、またはその他のコンピューティングデバイスなどのリモートコンピューティングデバイスが、保持デバイスの状況またはその他の動作態様を表示するためのユーザインターフェース2107と、自動保持装置の動作を調整するユーザからの入力を受け入れるための1つまたは複数の入力デバイス2108とを含んでもよい。一実施例では、アプリケーションがスマートフォンにロードされ、自動保持デバイス2100の動作設定を調整するために使用されてもよい。別の態様では、リモートコンピューティングデバイスは、有線または無線通信リンクであってもよい通信リンク2104によって自動保持装置2100と通信してもよい。別の態様では、リモートコンピューティングデバイス2106によって実行される同じアプリケーションが複数の自動保持装置を制御するのに有効であってもよい。
【0076】
本開示の自動保持装置の別の態様を
図22の2200に示す。この実施例では、本開示の自動保持デバイスのうちの複数の自動保持装置が、物体にかかる張力を自動的に調整するための自動保持システムとして動作するように編成可能である。
図22では、自動保持装置2202~2204がフレーム2210に取り付けられてもよい。フレーム2201は、実質的に剛体であってよく、ユーザの可動性を向上させるために連結領域2205を含んでもよいブレースの場合など、連結領域を含んでもよい。複数の自動保持装置のうちの少なくとも1つ(たとえば2203)が連結領域2205の1つの側に取り付けられてもよく、複数の保持装置のうちの他の少なくとも1つ(たとえば2204)が連結領域の別の側に取り付けられてもよい。連結領域は、人間または動物のユーザに支持と可動性とを与えるように連結された複数の回転要素を含んでもよい。2200における自動保持システムは、したがって、追加の支持または保護を必要とする人間または動物の脚、膝、肘、腕、背中またはその他の場所のためのブレースまたは副子として有効となり得る。
【0077】
人間または動物の対象に使用中の本開示の自動保持装置の実施例を、
図23の2300に示す。一実施例では、自動保持装置2303は、ユーザ2301の腕2306または脚2308など、人間または動物の付属器上に配置されてもよい。設置されると、自動保持装置は、環境または物体の態様を検出するように構成された本開示のセンサから、腕2306または脚2308にどれだけの張力を加えるかを自動的に判定することができる。たとえば、橈骨動脈2302または大腿動脈2309が、事故、戦争、自然災害などにより負傷している場合があり、自動支持装置2303または2313が、生命を脅かす体液損失を減らすかまたはなくすために患部付近に配置されてもよい。本明細書の他の個所で開示しているように、自動保持装置2303または2313は、物体自体の態様(たとえば腕2306または脚2308の血流低下)または環境の態様(たとえば周囲温度、圧力変化など)の感知に基づいて、橈骨動脈2302または大腿動脈2309からの失血を減らすかまたはなくすために、ただちに張力を加える必要があると判定してもよい。
【0078】
別の態様では、ユーザ2301が腕2306と脚2308の両方を負傷している場合があり、その両方が緊急救命治療を必要とする場合がある。本開示の自動保持装置は、2300に示すように、1つを腕に、1つを脚に迅速に配備可能であり、同時に使用することができる。これにより、自動保持装置2303および2313が必要な救命治療を自動的に施している間に介護者が他の犠牲者を看護できるようにすることができる。数十人の犠牲者が重傷を負っている可能性がある集団外傷事故の場合、これにより1人の介護者が、複数のデバイスを配備することによって複数の犠牲者に救命治療を迅速に与えることができる可能性がある。別の態様では、複数の犠牲者のための複数のデバイスが、各患者に関するデータを1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイスに独立して伝達してもよく、それによって少数の介護者が多くの犠牲者のために救命治療を迅速に配備し、監視することを可能にすることができる。
【0079】
別の実施例では、ユーザ2301の膝2305に膝固定具2304が設置されてもよく、自動保持システムを含むように構成されてもよい。ここでは膝固定具2304の自動保持システムの一部として使用されている3つの自動保持デバイス2310~2312が、ユーザが動くにつれて膝固定具2304を所定位置に適正に維持するように、ユーザの脚に沿ったそれぞれの場所における適正張力レベルを自動的に感知し、加えることができる。本開示の装置は、圧力または張力を自動的に加える目的で、人間または動物の任意の有効な場所に位置づけられてもよい。
【0080】
動作時、本明細書で開示されている自動保持装置の様々な実施例における制御回路および/またはその他の電子回路が、保持部材にかかる張力を自動的に調整するように動作可能である。一動作態様では、制御回路は、データ収集および制御電子回路のための電源投入プロセスを行うようにプログラムされる。このプロセスは、制御回路と任意の追加の制御電子回路とを含む装置を起動する電源投入指令の受信によって開始してもよい。制御回路は、デジタルインターフェースを介して1組の慣性センサとの通信を開始してもよく、データを記録し、本明細書で説明されている構成データなどの構成データを維持するためにメモリ内のファイルシステムの初期設定も行ってもよい。制御回路は、任意の慣性センサなどのすべての利用可能なセンサのキャリブレーションも開始してもよい。これには、センサの分解能とサンプルレートを設定することが含まれてもよい。センサノイズフィルタの設定も含まれてもよい。
【0081】
制御回路は、データ収集および制御アルゴリズムを実行するようにも構成されてもよい。このアルゴリズムは、任意の利用可能なセンサから、センサによって生成された様々な感知パラメータの値を表す利用可能なデータのストリームを取り出してもよい。制御回路は、状態データのデジタルフィルタを適用/更新してもよく、および/または、着信データストリームの時間および周波数領域における重要なデータ特徴を特定するためにニューラルネットワークまたは同様のアルゴリズムなどの適合アルゴリズムを使用してもよい。制御回路は、その結果のデータ、構成パラメータおよびリアルタイムデータ特徴を使用して、保持部材に加える張力を表す1つまたは複数の値を計算してもよい。制御回路は、それらの値を測定されたデバイスパラメータと比較し、それに応じて張力を調整するために張力値をアクチュエータに伝達してもよい。データ収集および制御アルゴリズムは、その後、必要に応じて反復してもよい。アルゴリズムは、毎秒10回以上、毎秒1000回以上、または毎秒百万回以上など、毎秒複数回実行されてもよい。
【0082】
信号入力を処理し、モータ制御出力を生成するための回路構成要素の一実施例を、
図24の2400に示す。これらの構成要素は、具体的に
図1の100に示されている構成要素に関連して本明細書の他の個所で説明している構成要素とともに使用されるかまたは組み込まれてもよい。2400における制御回路は、センサ処理回路2414、メモリカードインターフェース2434および決定ロジック高水準制御回路2422、および、外部電流監視回路2408、低水準比例積分微分(PID)ループ2426、および飽和補償回路2428などの複数のサブ回路を含んでもよい。外部電流監視回路2408は、モータ2437の過負荷を回避するための電流制限器として動作可能なハードウェア停止態様を含んでもよい。モータ電流演算増幅器(「Opアンプ」)2402が、モータ電流のデータ値を表す信号を14ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)2404に渡す。センサ処理回路2414は、FFT(高速フーリエ変換)、FIR(有限インパルス応答)、およびIIR(無限インパルス応答)などのフィルタを使用して2418における運動状態を推定するために使用可能な3軸加速度計2412および3軸ジャイロ2416を含み得るセンサ115などの、任意の適切なセンサを含んでもよい。メモリカードインターフェース2434は、自動保持装置のユーザ設定可能態様または動作パラメータを含み得る構成データ2435を更新するためにアクセス可能なSPIバスおよびSDカードリーダ2436を含んでもよい。次に運動応答実行回路2420が、運動状態および構成データを読み出し、その結果を高水準制御決定ロジック2422に渡し、次に高水準制御決定ロジックが目標張力生成回路2424を使用して目標張力を決定することができる。この目標張力が、モータ電流、または力、トルクまたは位置データなどのセンサ回路比較態様から計算された実際の張力と比較されてもよい。その結果がPIDループ2426と飽和補償回路2428とに渡され、パルス幅変調(PWM)出力2430などの出力を生成し、これが本明細書の他の個所で説明されているような保持部材にかかる張力を自動的に制御するためにモータ2437に提供されてもよい。
【0083】
その他の本開示の概念は、以下の番号付けされた実施例を含む。
実施例1:
物体にかかる張力を自動的に調整するための自動保持装置であって、物体とは分離した別個のものであり、物体の周囲に位置づけ可能な保持部を含み、保持部が、物体にかかる張力または圧縮を調整するために物体に係合するように配置および構成された、自動保持装置。
実施例2:
物体とは分離した別個のハウジングを含むいずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持部材が任意によりハウジングに取り付けられた、自動保持装置。
実施例3:
回転部材を含むアクチュエータを含む、いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、回転部材が保持部材に係合するように位置づけられた、自動保持装置。
実施例4:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、回転部材が、保持部材にかかる張力を増大させるために第1の方向と、保持部材にかかる張力を減少させるために第2の方向とに、回転軸を中心に回転可能である、自動保持装置。
実施例5:
物体に関連付けられた感知パラメータの変化を感知するように配置および構成された少なくとも1つのセンサを含む、いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置。
実施例6:
センサからの入力に応答し、センサからの入力に従ってアクチュエータを制御するように構成された制御回路を含む、いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、制御回路が、センサからの入力に基づいて保持部材にかかる張力を調整するために回転部材を第1または第2の方向に回転させるようにアクチュエータを制御するように構成された、自動保持装置。
実施例7:
任意により、保持部材に係合するようにハウジングから延びる回転部材を含む、いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持部材が任意によりハウジングに隣接し、および/または回転部材が任意によりハウジング内部に取り付けられた、自動保持装置。
実施例8:
任意により、保持部材によって画定された穴、溝、スプライン、ピンまたは貫通孔に係合するように配置された、保持部材に隣接して位置づけられたウォーム歯車からなるか、含むかまたは備える、回転部材を含む、いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置。
実施例9:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持部材が、任意により剛体であり、厚さよりも幅広であり、任意によりウォーム歯車が係合可能な1つまたは複数の穴を画定する、自動保持装置。
実施例10:
保持部材が任意により可撓性または半剛体である、いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置。
実施例11:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持部材の係合部がハウジング内部の回転部材に係合し、ハウジングが任意により完全にまたは部分的に閉鎖され、および/または、ハウジングが任意により、回転部材に係合するために保持部材がハウジング外部から貫通可能な貫通孔を画定する、自動保持装置。
実施例12:
シャフトを含む回転部材を含む、いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持部材の係合部が、物体にかかる張力を増大または減少させるためにシャフトの周囲に巻き付き、巻き解く、自動保持装置。
実施例13:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持部材が、平坦な状態と丸まった状態とを有する可撓性基材を含み、可撓性基材の丸まった状態が任意により物体の形状に沿うのに適している、自動保持装置。
実施例14:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持部材の第1の端部がハウジングに取り付けられ、保持部材の第2の端部が、保持部材の可撓性基材が丸まった状態のときに回転部材に選択的に係合可能な、自動保持装置。
実施例15:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持装置の係合部が、保持部材が丸まった状態のときに回転部材に自動的に係合するように構成されている、自動保持装置。
実施例16:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、制御回路が、保持部材が丸まった状態になるとき、または保持部材が丸まった状態に達した直後に保持部材に張力を加え始めるように、保持装置を自動的に作動させるように構成されている、自動保持装置。
実施例17:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持部材が、任意により金属製またはポリマー製の双安定ばねである可撓性基材を含むか、可撓性基材から構成されるか、または主として可撓性基材からなる、自動保持装置。
実施例18:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、ハウジングに取り付けられたフレームと、任意により、フレームまたはハウジングに回転可能に取り付けられた少なくとも1つのアームとを含み、保持部材が任意により少なくとも1つのアームに結合された、自動保持装置。
実施例20:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、少なくとも1つのアームが、保持部材にかかる張力の増大により物体に向かって回転するように配置および構成され、少なくとも1つのアームが、保持部材にかかる張力の減少により物体から離れる方向に回転するように配置および構成されている、自動保持装置。
実施例21:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、少なくとも1つのアームが、保持部材にかかる張力の減少により物体に向かって回転するように配置および構成され、少なくとも1つのアームが保持部材にかかる張力の増大により物体から離れる方向に回転するように配置および構成されている、自動保持装置。
実施例22:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、複数の相互接続されたセグメントを有する少なくとも1つのアームも含み、保持部材が貫通する、自動保持装置。
実施例23:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、複数の相互接続されたセグメントを有する少なくとも1つのアームを含み、保持部材が複数の相互接続されたセグメントのうちのアームの一端に隣接する1つのセグメントに取り付けられている、自動保持装置。
実施例24:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、回転部材に隣接して位置づけられた付勢要素も含み、付勢要素が任意により回転部材を保持部材における張力とは反対の方向に付勢するように配置および構成され、および/または、付勢要素が任意により保持部材における張力と同じ方向に回転部材を付勢するように配置および構成されている、自動保持装置。
実施例25:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、ばねであるか、ばねを含むかまたは主としてばねからなる付勢要素も含み、付勢要素が、任意により回転部材と共通のシャフトを共有している状態で回転部材に係合する、自動保持装置。
実施例26:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、第1および第2の回転部材の少なくとも2つの回転部材を含み、第1の回転部材が任意により保持部材に第1の端部で係合するように位置づけられ、第2の回転部材が任意により保持部材に第2の端部で係合するように位置づけられ、第1および第2の回転部材が別々にまたはその他の方法により、保持部材にかかる張力を増大させるために第1の方向と、保持部材にかかる張力を減少させるために第2の方向とに回転可能である、自動保持装置。
実施例27:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、物体が人間または動物の付属器であり、保持装置のセンサに関連付けられた感知パラメータが、血圧、体温、血中酸素濃度または心拍数の任意の組合せを含む、自動保持装置。
実施例28:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、制御回路が、センサの感知パラメータが第1の目標基準と一致するときに保持部材にかかる張力を増大させるように構成され、制御回路が、感知パラメータが第2の目標基準と一致するときに保持部材にかかる張力を減少させるように構成されている、自動保持装置。
実施例29:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、センサの周囲の環境に関連付けられた環境感知パラメータの変化を感知するように配置および構成された環境センサを含み、制御回路が、環境感知パラメータに応答し、感知パラメータが速さ、角運動量、速度、動きまたは加速度の任意の組合せを含む、自動保持装置。
実施例30:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、環境センサが自動保持装置のハウジング内に位置づけられている、自動保持装置。
実施例31:
本明細書に記載のいずれかの1つまたは複数の他の実施例に記載の複数の自動保持装置を含む自動保持装置であって、複数の自動保持装置が任意によりフレームに取り付けられている、自動保持システム。
実施例32:
いずれかの他の開示の実施例による自動保持システムであって、連結部を画定するフレームを含み、複数の自動保持装置のうちの少なくとも1つの実施例が連結部の1つの側に取り付けられ、複数の自動保持装置のうちの少なくとも1つの実施例が連結部の別の側に取り付けられている、自動保持システム。
実施例33:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、制御回路の制御パラメータを経時的に自動的に調整する適合アルゴリズムに従って、保持部材にかかる張力を増大させるように構成された制御回路も含む、自動保持装置。
実施例34:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、制御回路が、メモリに記憶されたデータに基づいて制御回路の1つまたは複数の制御パラメータの値を適応的に決定するためにニューラルネットワークアルゴリズムを使用する、自動保持装置。
実施例35:
いずれかの他の実施例に記載の自動保持装置であって、保持部材が任意により装置の回転部材の少なくとも一部を貫通している、自動保持装置。
定義および代替物の用語解説
実施例を図面に示し、本明細書で説明しているが、本開示は例示であって制限的な性格のものではないとみなされるべきである。本開示は、例示的性質のものであって、特許請求の範囲で定義されている本発明の思想の範囲に含まれるすべての変更、均等物および修正が含まれる。詳細な説明は、本発明の原理を理解しやすくする目的で、図面に示されている実施例の態様を説明するために、本明細書に記載されている。これにより本発明の範囲のいかなる限定も意図されていない。本発明が関係する技術分野の業者が通常想到し得るような、記載されている実施例のあらゆる変更および修正、および、本明細書に記載されている原理のあらゆるさらなる適用が企図されている。いくつかの実施例が詳細に開示されているが、明確にするために、重要でないと思われる一部の特徴は省かれている。
【0084】
本明細書で引用されている公開文献、特許および特許出願についての言及がある場合、それらはそれぞれの個別の公開文献、特許または特許出願が参照により組み込まれているものと具体的かつ個別に示され、全体が本明細書に記載されているかのように、参照により組み込まれるものと理解される。
【0085】
特に明記されていない限り、単数形の「a」、「an」、「the」などは、複数の指示対象も含む。例として、「a device(装置)」または「the device(その装置)」と言う場合、そのようなデバイスおよびその均等物の1つまたは複数を含む。
【0086】
本明細書で使用されている「上方」、「下方」、「最上部」、「最下部」、「前方」、「後部」、「横方向」、「長手方向」、「半径方向」、「円周方向」などの方向を示す語は、示されている実施例を読者にわかりやすくするために、読者の便宜のためにのみ使用されている。これらの方向を示す語の使用は、説明、図示および/または特許請求されている特徴を、いかなる方法でも特定の方向および/または向きに限定しない。
【0087】
図面では複数の関連する物が同じ部品番号によって示されているが、別個の個別の事例について文字によって区別されている場合がある。これらは、完全名の区別可能な部分によって、および/または番号のみによって総称的に指されている場合がある。たとえば、複数の「横方向に延びる要素」90A、90B、90Cおよび90Dが図面に示されている場合、本開示はこれらを「横方向に延びる要素90A~90D」として、または「横方向に延びる要素90」として、または「要素90」のように完全名の区別可能な部分によって指す場合がある。
【0088】
本開示で使用されている表現は、以下で明示的に定義されているものを除き、その一般的かつ通常の意味のみを有するものとみなされる。本明細書に記載されている定義で使用されている用語は、その一般的かつ通常の意味のみを有するものとする。そのような一般的かつ通常の意味は、最新刊のWebsterの辞書およびRandom houseの辞書にあるすべての矛盾のない辞書の定義を含む。本明細書で使用される以下の定義は、以下の用語およびその通常の変化形(たとえば、単数/複数形、過去/現在時制など)に適用される。
【0089】
数値に関する「約」は、明記されている値のプラスマイナス10%を全般に指す。たとえば、明記されている値が4.375である場合、「約4.375」という用語の使用は、3.9375と4.8125の間の範囲を全般に意味する。
【0090】
「作動させる」は一般に、「電力を供給すること」と同義であるか、またはすでに電力を有する回路または電子デバイスの「特定の機能を使用可能にすること」を指す。
「アクチュエータ」は、被作動デバイスの動作を作動させ、または制御するためのデバイスを全般に指す。これには動きまたは動きの制御が含まれ得るが、これには限定されない。アクチュエータは、バルブの開閉のためのアクチュエータを含むバルブの場合など、被作動デバイスの要素または態様であってもよい。アクチュエータは、直接の機械的結合によって、またはワイヤ、光ファイバまたは空気を通る電磁エネルギーを介してデバイスに送られる信号によって、または標的デバイスの所望の作動を生じさせる介在装置を作動させることによって、デバイスの動作を作動させてもよい。
【0091】
「および/または」は、本明細書では包含的であり、「および」と「または」とを意味する。たとえば、「Pおよび/またはQ」は、P、Q、およびPに加えてQを包含し、このような「Pおよび/またはQ」は他の要素も含み得る。
【0092】
「アンテナ」または「アンテナシステム」は、電力を電磁放射に変換する、任意の適切な構成の電気デバイスまたは一連の電気デバイスを全般に指す。そのような放射は、電磁スペクトルの任意の周波数で垂直偏波、水平偏波または円偏波可能である。円偏波で伝送するアンテナは、右回り偏波または左回り偏波を有してもよい。
【0093】
電波の場合、アンテナは極低周波(ELF)から極高周波(EHF)までの電磁スペクトルの範囲の周波数で送信可能である。電波を送信するように設計されたアンテナまたはアンテナシステムは、(多くの場合、伝送線を介して)受信器または送信器に電気的に接続された、金属導体(素子)の配列を含む場合がある。送信器によってアンテナを通される電子の振動電流が、アンテナ素子の周囲に振動磁界を生じさせ、一方、電子の電荷も素子に沿って振動電界を生じさせる。これらの時間変動場は、アンテナから空間中に移動横電磁界波として放射される。逆に、受信時は、着信電磁波の振動電界および磁界が、アンテナ素子において電子に力を及ぼし、それによって電子を往復運動させ、アンテナにおいて振動電流を生じさせる。これらの電流を次に受信器によって検出することができ、デジタルまたはアナログ信号またはデータを取り出すために処理される。
【0094】
アンテナは、電波をあらゆる水平方向に実質的に等しく(全方向性アンテナ)、または特定の方向に選択的に(指向性または高利得アンテナ)送受信するように設計することができる。後者の場合、アンテナは、送信器または受信器への物理的な電気接続がある場合もない場合もある追加の素子または表面も含み得る。たとえば、寄生素子、パラボラ反射鏡またはホーン、およびその他のそのような非励起素子が、電波をビームまたはその他の所望の放射パターンに方向づける機能を果たす。したがって、アンテナは、これらの様々な表面または素子の配置によって、増大または減少した指向性または「利得」を呈するように構成可能である。高利得アンテナは、垂直方向、水平方向またはこれらの任意の組合せとすることができる所与の方向に、放射電磁エネルギーのほぼ大半を向けるように構成可能である。
【0095】
アンテナは、電磁エネルギーを電離層などの大気の上層に向けて焦点を合わせるために、地面に対して垂直な角度(すなわち「取り出し角」)の特定の範囲内で放射するようにも構成可能である。電磁エネルギーを特定の角度で上層大気に向けることによって、特定の周波数で電磁エネルギーを送信することにより特定の時刻に特定の跳躍距離を実現することができる。
【0096】
アンテナのその他の例には、電気エネルギーを電磁スペクトルの可視光部または不可視光部における電磁エネルギーのパルスに変換するエミッタとセンサが含まれる。例としては、遠赤外線から極紫外線までの電磁スペクトルの周波数範囲で電磁エネルギーを発生させるように構成された発光ダイオード、レーザなどがある。
【0097】
「付属器」は、人体の任意の部分を全般に指す。例としては、首、腕、脚、指、胴体、頭部、足などがある。
「バッテリ」は、電気エネルギー貯蔵デバイス、または複数のエネルギー貯蔵デバイスを含む貯蔵システムを全般に指す。バッテリは、それぞれが起電力(すなわちボルト単位で測定される「EMF」)を発生する化学反応によって貯蔵化学エネルギーを電気エネルギーに変換する1つまたは複数の別々の電気化学電池を含むことができる。個別の電池は、電位がより高い正極(カソード)とカソードより電位が低い負極(アノード)とを有することができる。ガルバニ電池、電解電池、燃料電池、フローセルおよびボルタ電堆を含む、任意の適切な化学プロセスを採用する適切な電気化学電池を使用することができる。バッテリが外部回路に接続されると、電解質がバッテリ内でイオンとして移動することができ、別々の端子において化学反応を完結させることを可能にし、それによってエネルギーを外部回路に送る。
【0098】
バッテリは、組み立て時にただちに電流を生じさせることができる「一次」バッテリである場合がある。この種の例には、アルカリバッテリ、オキシ水酸化ニッケル、リチウム銅、リチウムマンガン、リチウムイオン、リチウム炭素、リチウム塩化チオニル、酸化水銀、マグネシウム、亜鉛空気、塩化亜鉛、または亜鉛炭素バッテリが含まれる。このようなバッテリは、一般に再充電可能ではなく、放電後に廃棄またはリサイクルされるため、「使い捨て」と呼ばれることが多い。
【0099】
バッテリは、充電されるまでほとんどまたはまったく電流を発生することができない「二次バッテリ」または「充電式」バッテリである場合がある。この種の例には、鉛酸バッテリ、制御弁式鉛蓄電池バッテリ、密閉型止ゲル電池バッテリ、および、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(MiMH)、およびリチウムイオン(Liイオン)バッテリなどの様々な「乾電池」バッテリが含まれる。
【0100】
「ブレーキ機構」は、別の物体を基準にした1つの物体の移動または回転を減少または停止させるように構成された選択的に係合可能な機構を全般に指す。一例では、ブレーキ機構は、移動または回転する物体の運動エネルギーを熱に変換するように選択的に互いに押し付けられる2つの表面の間の摩擦を使用するが、エネルギー変換の他の方法が採用される場合もある。回生ブレーキは、エネルギーの多くを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを後で使用するために貯蔵することができる。その他の方法は、運動エネルギーを圧搾空気または加圧オイルなどの貯蔵形態のポテンシャルエネルギーに変換する。渦電流ブレーキは、磁界を使用してブレーキディスク、フィン、またはレールにおいて運動エネルギーを電流に変換し、この電流が熱に変換される。さらに他のブレーキ方法は、たとえば運動エネルギーを回転フライホイールに伝達することによって、運動エネルギーを異なる形態に変換する。
【0101】
ブレーキ機構の別の例は、一方向のみの連続直線運動または連続回転運動を可能にし、反対方向の動きを防止するラチェットである。ラチェットは、歯車の周囲または線状架台上に配置された歯などの一連の係合部材を含む場合がある。歯止めと呼ばれる旋回ばね荷重フィンガが歯に係合する。歯は一様であるが、非対称であり、各歯は一方の縁に緩やかな勾配を有し、他方の縁により急峻な勾配を有する。歯が非制限(すなわち前方)方向に移動しているとき、歯止めが歯の緩やかな勾配の縁部を容易に上方にスライドして越え、歯止めが各歯の先端を通過するときにばねなどの付勢要素が歯止めを歯の間の陥凹部に強制的に入り込ませる。歯が反対方向(後方)に移動しようとすると、歯止めが最初に当たった歯の急峻な勾配の縁に引っかかり、それによって歯止めを歯に接してロックし、歯止めが解放されるまでその方向にさらに移動するのを妨げる。
【0102】
「ケーブル」は、引っ張り強さを有するが、圧縮強度はあったとしてもわずかしかない材料の1本または複数の細長い撚り線を全般に指す。言い換えると、ケーブルは、引き離しまたは引き延ばしされにくいが、互いに圧縮されることには全般に耐えることができない、1本または複数の撚り線からなる比較的柔軟性がある細長い構造体である。例としては、ワイヤロープ、可撓性シャフト、ボーデンケーブル、同軸ケーブル、ツイストペア電気ワイヤ、1本撚り線ワイヤ、および天然または合成繊維からなる非ワイヤロープがある。
【0103】
「コントローラ」は、別の機械デバイスまたは電気デバイスの動作を制御するように構成された機械デバイスまたは電気デバイスを全般に指す。コントローラは、被制御デバイスがどのように動作すべきかを指示するために、被制御デバイスによって受信またはインターセプト可能な信号またはその他の電気刺激を与えるように構成された「制御回路」を含み得る。
【0104】
「コンピュータ」は、任意の数の入力値または変数の結果を計算するように構成されたあらゆるコンピュータデバイスを全般に指す。コンピュータは、入力または出力を処理するために計算を行う制御回路を含み得る。コンピュータは、プロセッサによって処理される値を記憶するため、または前の処理の結果を記憶するためのメモリを含み得る。
【0105】
コンピュータは、値の送受信のための多様な入出力デバイスから入力および出力を受け入れるようにも構成可能である。このようなデバイスは、他のコンピュータ、キーボード、マウス、視覚ディスプレイ、プリンタ、工業装置、およびシステムまたはあらゆる種類および大きさの機械類を含む。たとえば、コンピュータは、要求に応じて様々なネットワーク通信を行うためにネットワークまたはネットワークインターフェースを制御することができる。ネットワークインターフェースはコンピュータの一部であってもよく、またはコンピュータとは別個のリモートにあることを特徴とするものもある。
【0106】
コンピュータは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータなどの単一の物理コンピューティングデバイスであってもよく、またはネットワーク化されたクラスタ内の1つのデバイスとして動作するサーバのグループなど同じ種類の複数のデバイス、または1つのコンピュータとして動作し、通信ネットワークによって互いにリンクされた異なるコンピューティングデバイスの異種組合せからなってもよい。コンピュータに接続された通信ネットワークは、インターネットなどのより広いネットワークにも接続されてもよい。したがって、コンピュータは1つまたは複数の物理プロセッサまたはその他のコンピューティングデバイスまたは回路を含んでもよく、任意の適切な種類のメモリも含んでもよい。
【0107】
コンピュータは、未確定数または変動する数の物理プロセッサとメモリまたはメモリデバイスとを有する仮想コンピューティングプラットフォームも含み得る。したがってコンピュータは、物理的に1つの地理的場所にあってもよく、または単一のコンピュータとして動作するように通信ネットワークによって互いにリンクされた複数のプロセッサを備えたいくつかの広く散在する場所に物理的に分散されていてもよい。
【0108】
「コンピュータ」およびコンピュータまたはコンピューティングデバイス内の「プロセッサ」という概念は、本開示のシステムの一部として計算または演算を行うように機能する任意のそのようなプロセッサまたはコンピューティングデバイスも包含する。コンピュータにおいて行われる閾値比較、規則比較、計算などの処理動作は、たとえば、別々のサーバ上、別々のプロセッサを備えた同じサーバ上、または、上述のような未確定数の物理プロセッサを有する仮想コンピューティング環境上で行われてもよい。
【0109】
コンピュータは、任意により1つまたは複数の視覚ディスプレイに結合されてもよく、および/または、組み込み視覚ディスプレイを備えてもよい。同様に、ディスプレイは同じ種類または異なる視覚デバイスの異種組合せであってもよい。コンピュータは、いくつか代表例を挙げると、キーボード、マウス、タッチスクリーン、レーザまたは赤外線ポインティングデバイス、またはジャイロポインティングデバイスなどの、1つまたは複数のオペレータ入力デバイスも含んでもよい。また、ディスプレイに加えて、プリンタ、プロッタ、工業生産機械、3Dプリンタなど、1つまたは複数の他の出力デバイスが含まれてもよい。したがって、様々なディスプレイ、入出力デバイス構成が可能である。
【0110】
複数のコンピュータまたはコンピューティングデバイスが、ネットワークを形成するように、互いにまたは他のデバイスと無線通信リンクを介して通信するように構成されてもよい。ネットワーク通信が、インターネットなどの他のより大規模なコンピュータネットワークを通過する前に、スイッチ、ルータ、ファイアウォールまたはその他のネットワークデバイスまたはインターフェースなどの、ネットワーク機器として動作する様々なコンピュータを通過してもよい。通信は、伝送回線または自由空間を通って電磁波を介して搬送される無線データ伝送としてネットワークを通過させることもできる。そのような通信には、データを転送するためのWiFiまたはその他の無線ローカルエリアネットワーク(WAN)またはセルラ送信器/受信器の使用が含まれる。
【0111】
「通信リンク」は、2つ以上の通信エンティティ間の接続を全般に指し、通信エンティティ間の通信チャネルを含む場合も含まない場合もある。通信エンティティ間の通信は、任意の適切な手段によって行うことができる。たとえば、接続は、物理リンク、電気リンク、電磁リンク、論理リンク、または通信を容易にする任意のその他の適切なリンクとして実装可能である。
【0112】
物理リンクの場合、通信エンティティは互いに物理的に接続されてもよい。たとえば、1つのエンティティに直接接続された物理リンクが別のエンティティに直接接続されてもよい。電気リンクの場合、通信リンクは、通信リンクを形成するように通信エンティティに電気的に接続された1つまたは複数の導電体からなってもよい。電磁リンクの場合、通信エンティティは、任意の適切な周波数で電磁エネルギーを送信または受信し、それによって通信が電磁波として通過することを可能にすることによって、通信リンクに結合されてもよい。これらの電磁波は、ワイヤまたは光ファイバなどの物理媒体、自由空間またはこれらの任意の組合せを通る場合も通らない場合もある。電磁波は、電磁スペクトルにおける任意の周波数を含む、任意の適切な周波数で通過させてもよい。
【0113】
論理リンクの場合、通信リンクは送信局と受信局などの送信側と受信側との間の概念的リンクとすることができる。論理リンクは、物理、電気、電磁またはその他の種類の通信リンクの任意の組合せを含み得る。
【0114】
「結合デバイス」は、1つの物体を別の物体に結合するためのデバイスを全般に指す。例として、非限定的な例をいくつか挙げると、ベルトバックル、ジッパー、ラッチ、南京錠、トレーラヒッチ、衣服用ボタン、電気コネクタ、スノーボードまたは雪上スキー用のブーツバインディング、水上スキー、カイトボード、サーフボード、ウェーブボードまたはセールボード用フットストラップがある。
【0115】
「電気的に接続されている」は、2つの物体の間または2つの物体の中を電気が流れることができるようにする、2つの物体の構成を全般に指す。一例では、2つの導電性材料が互いに物理的に隣接し、それらの間を電気が通ることができるように互いに十分に近接している。別の例では、2つの導電性材料が物理的に接触し、それによってその間を電気が流れることができるようにする。
【0116】
「歯車」は、歯車の本体から外側に延びる係合歯または歯車歯を有する機械部品を全般に指す。歯は、他の部品内の少なくとも一部まで延びる、対応する同様に間隔を空けた歯または同様に間隔を空けた穴を有する他の部品と噛み合うように構成されている。歯車の種類には、非限定的な例をいくつか挙げると、平歯車、はすば歯車、食い違い軸歯車、山歯歯車、かさ歯車、まがりばかさ歯車、ハイポイド歯車、クラウン歯車、ウォーム歯車、非円形歯車、ラックアンドピニオン歯車、エピサイクリック歯車、遊星歯車、ハーモニック歯車、ケージ歯車、サイクロイド歯車および磁気歯車がある。
【0117】
ウォーム歯車は、ねじに類似しており、平歯車に類似したウォームホイールに噛み合う。ウォームと歯車のセットは、高トルク、低速歯車比を実現する簡単でコンパクトな方式である。ウォーム歯車は、はすば歯車の一種であるが、螺旋角度が通常は多少大きく(90度に近い)、その本体が通常、軸方向にかなり長い。これらの属性が、ねじのような性質を与えている。ウォーム歯車とはすば歯車との区別は、少なくとも1つの歯が螺旋を中心としたフル回転の間、残り続けることである。ウォーム歯車は、螺旋を中心にして数回、回転する間、歯が残り続ける場合、単一の歯を有するとみなすことができる。ウォーム歯車は、歯車の長軸に対して垂直方向に見ると、複数の歯を有するとみなすこともできる。したがって、ウォームの長さに沿って周期的に再び現れる歯を複数の歯とみなすことができる。
【0118】
ウォームと歯車のセットでは、ウォームが常に歯車を駆動することができる。しかし、歯車がウォームを駆動しようとした場合に成功する場合もあればしない場合もある。特に、リード角度が小さい場合、ウォームの円周方向の分力が摩擦に打ち克つのに十分ではないため、歯車の歯がウォームの歯に接して容易にロックし得る。しかし、従来型のオルゴールでは、歯車が、大きな螺旋角度を有するウォームを駆動する。ウォームと歯車のセットは、ウォームを回転させることによって機構の位置を設定し、その後、逆回転を可能にすることなく機構にその位置を保持させたい場合のように、「自動ロック式」とすることもできる。一例は、ある種の弦楽器に見られる糸巻き部である。
【0119】
「穴」は、中実体または中実面によって画定された中空領域を全般に指す。穴は、くぼみ、へこみ、またはピットの場合のように、貫通せずに中実体または中実面内に延びていてもよい。穴は、物体の1つの側を通って別の側に貫通し、それによって物体を完全に貫通していてもよい。中実体内部のループの場合のように、第2の側は第1の側と同じであってもよい。穴は、円形、矩形、楕円形、正方形、三角形など、任意の適切な形状を有し得る。
【0120】
「入力」は、投入される物理的実体(たとえば燃料の増量投入)、通常は出力の形態の相当量の回収を意図して機械またはシステムに投入される電力またはエネルギー、生産要素(土地、労働力、または原材料など)、コンピュータに入力される信号、データまたは情報、アドバイスまたはコメント、または身体の系に作用し、組み込まれる刺激など、投入されるものを全般に指す。コンピュータに供給される情報の場合、入力は感知パラメータを検出するセンサによって生成可能である。この場合、感知パラメータの時間変動値が入力の少なくとも一部である。
【0121】
「メモリ」は、データまたは情報を保持するように構成された任意の記憶システムまたはデバイスを全般に指す。各メモリは、いくつか例を挙げると、1つまたは複数の種類の固体電子メモリ、磁気メモリ、または光メモリを含み得る。メモリは、任意の適切な記憶技術または記憶技術の組合せを使用してもよく、揮発性、不揮発性、または揮発性型と不揮発性型のハイブリッド組合せであってもよい。非限定的な例として、各メモリは、固体電子ランダムアクセスメモリ(RAM)、シーケンシャルアクセス可能メモリ(SAM)(先入れ先出し(FIFO)型または後入れ先出し(LIFO)型など)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、電子的プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、または電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)を含み得る。
【0122】
メモリは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、バーストSRAMまたは同期バーストSRAM(BSRAM)、高速ページモードDRAM(FPM DRAM)、エンハンストDRAM(EDRAM)、拡張データ出力RAM(EDO RAM)、拡張データ出力DRAM(EDO DRAM)、バースト拡張データ出力DRAM(REDO DRAM)、シングルデータレート同期DRAM(SDR SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、ダイレクトラムバスDRAM(DRDRAM)、またはエクストリームデータレートDRAM(XDR DRAM)を含む、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)または任意の変種を指し得る。
【0123】
メモリは、不揮発性読み出しアクセスメモリ(NVRAM)、フラッシュメモリ、不揮発性スタティックRAM(nvSRAM)、強誘電RAM(FeRAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、相変化メモリ(PRAM)、導電ブリッジRAM(CBRAM)、シリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコン(SONOS)、抵抗変化型RAM(RRAM)、ドメインウォールメモリ(DWM)または「レーストラック」メモリ、ナノRAM(NRAM)、またはミリピードメモリなどの、不揮発性記憶技術も指し得る。その他の不揮発性型メモリには、光ディスクメモリ(DVDまたはCD ROMなど)、磁気的に符号化されたハードディスクまたはハードディスクプラッタ、フロッピィディスク、テープまたはカートリッジ媒体が含まれる。「メモリ」の概念には、任意の適切な記憶技術または記憶技術の任意の組合せの使用が含まれる。
【0124】
「モータ」は、回転シャフトなどにより、電気エネルギーまたは化学エネルギーを機械エネルギーに変換する回転機械を全般に指す。例としては電気モータおよび内燃機関がある。
【0125】
「動き」は、非限定的な例をいくつか挙げると、位置、寸法、姿勢、入射角、または場所などの物理特性を物理的に変更する動作を全般に指す。物体の動きは、その物体によって、その物体に直接または間接的に作用する他の物体の活動によって、および/または重力、風などの環境的力の活動によって、生じ得る。
【0126】
「複数の(multiple)」は、本明細書で使用される場合、「複数の(plurality)」と同義であり、1つより多いか、またはさらに拡大して2つ以上を指す。
「ネットワーク」または「コンピュータネットワーク」は、コンピュータがデータをやり取りすることができるようにする遠隔通信ネットワークを全般に指す。コンピュータは、データをデータグラムまたはパケットの集合に変換することによって、データ通信を介して互いにデータを受け渡しすることができる。コンピュータとネットワークとの間の接続は、ケーブル、光ファイバを使用して、または無線ネットワークデバイスなど電磁伝送を介して確立可能である。
【0127】
ネットワークに結合されたコンピュータは、「ノード」または「ホスト」と呼ばれる場合があり、ネットワークからデータを発信、ブロードキャスト、ルーティングまたは受け付けることができる。ノードは、パーソナルコンピュータ、電話、サーバ、および「ネットワークデバイス」と呼ばれるネットワークを介するデータの流れを維持するように動作する専用コンピュータなど、任意のコンピューティングデバイスを含むことができる。2つのノードは、互いへの直接接続を有しているか否かを問わず、1つのデバイスが別のデバイスと情報をやり取りすることができる場合に「互いにネットワーク化されている」とみなすことができる。
【0128】
有線ネットワーク接続の例には、デジタル加入者回線(DSL)、同軸ケーブル回線または光ファイバ回線が含まれ得る。無線接続は、BLUETOOTH(登録商標)、マイクロ波アクセスのための世界規模相互運用(Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX))、赤外線チャネルまたは衛星バンド、または、電気電子技術者協会(IEEE)の802.11標準(たとえば、いくつか例を挙げると802.11(a)、802.11(b)、802.11(g)または802.11(n))を使用して実装されたものなどの任意の無線ローカルエリアネットワーク(Wi-Fi)を含み得る。無線リンクは、1G、2G、3Gまたは4Gを含む、モバイルデバイス間の通信ために使用される任意のセルラネットワーク標準を含むかまたは使用してもよい。ネットワーク標準は、国際電気通信連合(ITU)によって維持されている仕様などの仕様または標準を満たすことによって、1G、2Gなどとみなされ得る。たとえば、ネットワークは、国際移動通信2000(IMT-2000)仕様における基準を満たす場合、他にどのように呼ばれることがあるかに関係なく「3Gネットワーク」と称することができる。ネットワークは、International Mobile Telecommunications Advanced(IMTAdvanced)仕様を満たす場合、「4Gネットワーク」と称することができる。セルラネットワークまたはその他の無線標準の例には、AMPS、GSM、GPRS、UMTS、LTE、LTE Advanced、Mobile WiMAX、およびWiMAX-Advancedが含まれる。
【0129】
セルラネットワーク標準は、FDMA、TDMA、CDMAまたはSDMAなど、様々なチャネルアクセス方法を使用することができる。異なるリンクおよび標準を介して異なる種類のデータが伝送可能であり、または、異なる種類のリンクおよび標準を介して同じ種類のデータが伝送可能である。
【0130】
ネットワークの地理的範囲は大きく異なり得る。例としては、ボディエリアネットワーク(BAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、IPv6を使用した低電力無線パーソナルエリアネットワーク(6LoWPAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはインターネットがある。
【0131】
ネットワークは、ネットワーク接続の数および使用を規定する任意の適切なネットワークトポロジを有し得る。ネットワークトポロジは、任意の適切な形態のものであってよく、ポイント・ツー・ポイント、バス、スター、リング、メッシュまたはツリーを含み得る。ネットワークは、仮想的であって、他のネットワークを使用するかまたは他のネットワークの「上に重なった」1つまたは複数の層として構成される、オーバーレイネットワークであってもよい。
【0132】
ネットワークは、プロトコルの層またはスタックを含む、異なる通信プロトコルまたはメッセージング技術を使用してもよい。例としては、Ethernetプロトコル、インターネットプロトコルスイート(TCP/IP)、ATM(非同期転送モード)技術、SONET(同期光ネットワーキング)プロトコル、またはSDEI(同期デジタルハイアラーキ)プロトコルがある。TCP/IPインターネットプロトコルスイートは、アプリケーション層、トランスポート層、インターネット層(たとえばIPv6を含む)、またはリンク層を含み得る。
【0133】
「任意により」は、本明細書で使用されている場合、自由裁量で、必須ではない、可能であるが強制ではない、個人の選択に任される、ことを意味する。
「パーソナルコンピューティングデバイス」は、個人による使用のために構成されたコンピューティングデバイスを全般に指す。例としては、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレットコンピュータ、眼鏡などの人体に装着される物に取り付けられるウェアラブルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯型音楽/ビデオプレイヤ、車載コンピュータ、またはスマートフォンなどの携帯電話など、モバイルデバイスが含まれる。パーソナルコンピューティングデバイスは、デスクトップコンピュータ、ゲームコンソール、またはサーバコンピュータなどの典型的にはモバイルではないデバイスであってもよい。パーソナルコンピューティングデバイスは、任意の適切な入力/出力デバイスを含んでもよく、無線または有線接続を介して、および/または他のネットワークハードウェアを介してなど、ネットワークにアクセスするように構成されてもよい。
【0134】
「主に」は、本明細書で使用される場合、50%を超えることと同義である。
「プロセッサ」は、入力を処理して出力を生成するために構成またはプログラムされた単一のユーニットとして動作するように構成された、1つまたは複数の電子コンポーネントを全般に指す。あるいは、マルチコンポーネント形態の場合、プロセッサは、他のコンポーネントに対してリモートに位置する1つまたは複数のコンポーネントを有し得る。各プロセッサの1つまたは複数のコンポーネントは、デジタル回路、アナログ回路またはその両方を規定する電子コンポーネントとすることができる。一例では、各プロセッサは、米国カリフォルニア州サンタクララのINTELコーポレーションによって供給される1つまたは複数のPENTIUM(登録商標)、i3、i5またはi7プロセッサなど、従来型の集積回路マイクロプロセッサ構成であってもよい。市販プロセッサの他の例には、米国イリノイ州ショウンバーグのモトローラコーポレーション製のX8およびFreescale Coldfireプロセッサ、米国カリフォルニア州サンタクララのNvidia製のARMプロセッサおよびTEGRAシステムオンチップ(SoC)プロセッサ、米国ニューヨーク州ホワイトプレーンズのインターナショナルビジネスマシーンズ製のPOWER7プロセッサ、米国カリフォルニア州サニーベールのアドバンストマイクロデバイセズ製のFX、Phenom、Athlon、SempronまたはOpteronプロセッサのうちのいずれか、または、米国カリフォルニア州サンディエゴのクアルコム製のSnapdragon SoCプロセッサが含まれるが、これらには限定されない。
【0135】
プロセッサには、特定用途向け集積回路(ASIC)も含まれる。ASICは、特定のタスクまたは機能を実行するようにコンピュータを制御する特定の一連の論理演算を行うようにカスタマイズされた集積回路(IC)である。ASICは、汎用用途向けに構成されたプロセッサではなく、特殊目的コンピュータのプロセッサの一例である。特定用途向け集積回路は、一般に、他の機能を実行するようにプログラムし直すことはできず、製造時に1回のみプログラム可能である。
【0136】
別の例では、プロセッサは「フィールドプログラマブル」型であってもよい。そのようなプロセッサは、製造後、様々な特殊機能または汎用機能を実行するように「現場で」複数回プログラム可能である。フィールドプログラマブルプロセッサは、プロセッサにおける集積回路内にフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含み得る。FPGAは、FPGAの不揮発性メモリセルに保持することができる特定の一連の命令を実行するようにプログラム可能である。FPGAは、顧客または設計者がハードウェア記述言語(HDL)を使用して構成することができる。FPGAは新たな指令のセットまたは動作命令を実装するために、FPGAを再構成するように別のコンピュータを使用してプログラムし直すことができる。このような操作は、プロセッサ回路のファームウェア更新によるなど、任意の適切な手段で実行可能である。
【0137】
コンピュータの概念が単一の場所における単一の物理デバイスに限定されないのと同様に、「プロセッサ」の概念も単一の物理論理回路または回路のパッケージには限定されず、場合によっては多数の物理的場所の複数のコンピュータ内に含まれるかまたは分散されている、1つまたは複数のそのような回路または回路パッケージも含む。仮想コンピューティング環境では、未確定数の物理プロセッサがデータをアクティブに処理中であってよく、未確定数も時間の経過により自動的に変化し得る。
【0138】
「プロセッサ」の概念には、閾値比較、規則比較、計算を行い、またはデータに規則を適用して論理結果(たとえば「真」または「偽」)を出す論理演算を行うように構成またはプログラムされたデバイスが含まれる。処理活動は、別々のサーバ上の複数のシングルプロセッサ、別々のプロセッサを備えた単一のサーバにおける複数のプロセッサ、または別々のコンピューティングデバイスにおいて互いに物理的にリモートにある複数のプロセッサ上で行うことができる。
【0139】
「部分」は、全体とは別個であるかまたは全体に組み込まれている、全体の一部分を意味する。
「保持部材」は、第1の物体を第2の物体に対して保持するように、または物体に張力または圧力を全般的に加えるように構成された、要素、構成要素、部分、部品またはアセンブルを全般に指す。第2の物体は、その目的がそれ自体を、第1の物体を基準にして所定位置に保持することである保持部材の場合など、保持部材自体であってもよい。保持部材は、複数の相互に関連するセグメント、撚り糸、またはその他の撚り合わされたまたはその他により互いに結合された要素など、組み合わさって保持部材として機能する複数の相互に関連する部材からなるアセンブリであってもよい。
【0140】
保持部材の例には、ストラップ、チェーン、ケーブル、ワイヤ、ベルト、ひもなどの細長い構造体が含まれるがこれらには限定されない。保持部材は、スナップ、ラッチ、結合器、留め具またはフックなどの結合デバイスを含み得る。他の例としては、ねじ、ボルト、釘、無頭釘、ナットまたはステープルなどの締め具がある。
【0141】
「感知パラメータ」は、センサによって検出可能な環境の特性を全般に指す。本明細書で使用されている感知パラメータは、動作条件、環境要因、センサパラメータまたは環境条件と同義の場合がある。感知パラメータには、温度、気圧、速さ、加速度、張力、重量、他の物体を基準にした、または重力を基準にした物体の偏向角、音または光あるいはその他の電磁現象の存在または強度、磁界または電界の強度および/または向きなどが含まれ得る。他の例としては、心拍数、グローバルポジショニングシステム(GPS)などの位置提供サービスによる位置の変化、血圧などがある。
【0142】
「センサ」は、センサにとってローカルの環境の特性を感知または検知するように構成されたトランスデューサを全般に指す。たとえば、センサは、事象または、数量または感知パラメータの変化を検知し、対応する出力を一般には電気信号または電磁信号として供給するように構築可能である。センサの感度は、入力量が測定された変化である場合、センサの出力がどれだけ変化するかを示す。
【0143】
「信号」は、情報を表す機能または手段を全般に指す。信号は、変換または符号化プロセスの出力とみなすことができる。この概念は、情報を伝える媒体または搬送波の状態の変化を全般に含む。媒体は、空気、水、電気、磁気または、電波、可視光または不可視光のパルスなどの場合のような電磁エネルギーなどの、任意の適切な媒体とすることができる。
【0144】
本明細書で使用されている「信号」は、意味のある情報の表現を含意する。搬送媒体の状態の恣意的またはランダムな変化は、一般に「信号」とはみなされず、「雑音」とみなされ得る。たとえば、恣意的なバイナリデータストリームは信号とはみなされない。一方、アナログ物理量の表現であるアナログおよびデジタル信号は、信号の例である。信号は、一般に、情報を伝送または送信する何らかの方法と、その情報を受信するために送信器に応答する受信器とがないと有用ではない。
【0145】
通信システムでは、たとえば、送信器がメッセージを信号に符号化し、その信号が通信チャネルによって受信器まで搬送される。たとえば、「時刻は12時である」という言葉が電話に対して発話されるメッセージであるとする。次に、電話送信器がその音を電圧信号に変換することができる。信号はワイヤによって受信側電話機に送信され、受信器において音声に再変換される。
【0146】
信号は、「離散的」または「連続的」とみなされ得る。離散時間信号は他の分野においてしばしば時系列と呼ばれる。連続時間信号は、方形波信号の場合など、信号機能が連続的でない場合であってもしばしば連続信号と呼ばれる。
【0147】
もう1つの分類は、「離散値」および「連続値」である信号である。特にデジタル信号処理では、デジタル信号は、基礎にある連続値物理プロセスから導出される場合もそうでない場合もある、一連の離散値と定義される場合がある。他の文脈では、デジタル信号は、ビットストリームを表すデジタルシステムにおける連続時間波形信号と定義される。最初の場合は、デジタル変調方法を使用して生成される信号がアナログ信号に変換されるとみなすことができ、2番目の場合はデジタル信号とみなすことができる。
【0148】
本明細書で使用されている「囲む」は、「少なくとも一部の周囲に延びる」ことを意味する。別の物体または複数の物体の配列によって少なくとも部分的に囲まれている物体の周囲の物理的または概念的周縁部が暗黙的に示されている。これには、完全に包み込むこと、すべての側を囲むこと、および/または縁または縁端部の周囲全体に延びることが含まれる。この用語は、テーブルを囲むと言うときの椅子、または建物を取り囲む警官の場合のように、別の物体の一部の周囲への物体の配置の間の不連続な間隔も意図する場合がある。この用語は、人物の活動が秘密に包まれている場合など、抽象的にも使用されることがある。
【国際調査報告】