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特表2023-518232二次安全装置を備えた燃料電池自動車システム用バルブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(54)【発明の名称】二次安全装置を備えた燃料電池自動車システム用バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/30 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
F16K17/30 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555681
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 IB2021052035
(87)【国際公開番号】W WO2021186303
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】102020000005749
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522176953
【氏名又は名称】オエンメビ・サレリ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ-ソチエタ・ベネフィット
【氏名又は名称原語表記】OMB SALERI S.P.A.- SOCIETA’ BENEFIT
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ボローニ,ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】モレッリ,ジャコモ
(72)【発明者】
【氏名】モンディネッリ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】サントゥッリ,レナート
(72)【発明者】
【氏名】ペローニ,ダヴィデ
【テーマコード(参考)】
3H060
【Fターム(参考)】
3H060AA09
3H060BB08
3H060DA04
3H060DC05
3H060DD02
3H060DD12
3H060HH07
3H060HH19
(57)【要約】
燃料電池自動車システム用の減圧バルブ(6)は、入口(24)と、出口(28)と、第1段ユニット(40)と、第2段ユニット(60)と、入口(24)と第1段ユニット(40)の間で作用する二次安全装置(200)とを備える。二次安全装置(200)は、ガスの流れが予め設定された閾値流を超えるとき、入口(24)と第1段ユニット(40)との間のガス流量を下げるか又はガスの流れを停止するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池車両システムのための減圧バルブ(6)であって、
上流圧力(p1)でガスが存在する入口(24)と、
下流圧力(p2)でガスが存在する出口(28)と、
前記ガスの圧力を前記上流圧力(p1)から中間圧力に低減するように構成された第1段ユニット(40)と、
前記第1段ユニット(40)の下流に配置され、前記ガスの圧力を前記中間圧力から前記下流圧力(p2)まで圧力を減少させるように構成された第2段ユニット(60)と、
前記第1段ユニット(40)から機械的に独立して、前記入口(24)と前記第1段ユニット(40)との間で作用する二次安全装置(200)とを備えており、
前記二次安全装置(200)は、閉鎖構成で、前記ガスの流量がプリセット閾値を超えたときに、前記入口(24)と前記第1段ユニット(40)との間で前記ガスの流量を減少する又は前記ガスの流れを停止するように、構成されている、減圧バルブ(6)。
【請求項2】
前記二次安全装置(200)が、前記入口(24)と連通する上流ダクト(100)と前記出口(28)と連通する下流ダクト(104)との間に配置されたフローシャッタ(202)を備え、
前記フローシャッタ(202)が、前記上流ダクト(100)から前記下流ダクト(104)に向かって通る前記ガスの流れによって打たれる、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項3】
前記フローシャッタ(202)が、
前記上流ダクト(100)に面する上流端(204)と前記下流ダクト(104)に面する下流端(206)との間でシャッタ軸(X)に沿って延びる要素を有し、
少なくとも一つの入口開口(204a)が開く前記上流端(204)と少なくとも一つの出口開口(206a)が開く前記下流端(206)との間に内部シャッタ通路(208)を有する、請求項2に記載の減圧バルブ。
【請求項4】
前記入口開口(204a)が、前記シャッタ軸(X)に直交する平面、例えば前記上流ダクト(100)の断面と同軸上に配置されている、請求項3記載の減圧バルブ。
【請求項5】
前記入口開口(204a)は、前記上流ダクト(100)の通路部の直径よりも大きい直径を有する、請求項4に記載の減圧バルブ。
【請求項6】
複数の複数の出口開口(206a)が、リング状に配置されて設けられ、前記内部シャッタ通路(208)と前記下流ダクト(104)との間に半径方向の通路を形成している、請求項3から5のいずれかに記載の減圧バルブ。
【請求項7】
前記二次安全装置(200)が、前記シャッタ通路(208)と前記下流ダクト(104)を接続し、前記二次安全装置(200)が前記閉鎖構成にあるとき、前記内部シャッタ通路(208)と前記下流ダクト(104)の間を通る前記ガスの流れを制限するように構成された補助開口(206b)を有する、請求項1から6のいずれかに記載の減圧バルブ。
【請求項8】
前記二次安全装置(200)は、前記上流ダクト(100)から前記下流ダクト(104)への前記ガスの通路を維持するという意味で、前記フローシャッタ(202)に永久的に作用するスラスト手段(210)を備える、請求項1から7のいずれかに記載の減圧バルブ。
【請求項9】
前記フローシャッタ(202)が主区画(102)内で移動可能であり、
前記主区画(102)が主開口(214)によって前記下流ダクト(104)と連通しており、
前記主開口(214)は、前記下流ダクト(104)に向かう前記ガスの通過を制限するために、前記閉鎖構成において前記フローシャッタ(202)の前記下流端(206)により閉鎖される、請求項1から8のいずれかに記載の減圧バルブ。
【請求項10】
前記主開口(214)が、前記主開口(214)に向かって収束する切頭円錐形状の当接面(218)を有する当接壁(216)によって区画され、
前記フローシャッタ(202)の前記下流端(206)が、前記当接面(218)に当接するための、切頭円錐形の閉鎖面(222)を有する環状の閉鎖壁(220)を有する、請求項9に記載の減圧バルブ。
【請求項11】
基準圧力が所定の閾値を超えたときに前記ガスを放出させるように構成された一次安全装置(80)を備える、請求項1から10のいずれかに記載の減圧バルブ。
【請求項12】
前記一次安全装置(80)は、前記第1段ユニット(40)の下流および前記第2段ユニット(60)の上流に作用する、請求項11に記載の減圧バルブ。
【請求項13】
前記一次安全装置(80)は、前記第2段ユニット(60)の下流に作用することを特徴とする、請求項11に記載の減圧バルブ。
【請求項14】
前記一次安全装置(80)は可逆的である、請求項11から13のいずれかに記載の減圧バルブ。
【請求項15】
前記第1段ユニットは機械的または電子的である、請求項1から14のいずれかに記載の減圧バルブ。
【請求項16】
前記第2段ユニットが機械式または電子式であることを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載の減圧バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、商用車、物品および人を輸送するための車両などの車両に搭載するために設計された、燃料電池車両システム用部品の分野に属するものである。特に、タンクと燃料電池群との間のガス(特に、水素)の流れを管理するためのバルブが、本発明の対象である。
【0002】
周知のように、燃料電池車両システムは、350バールまたは700バールまでの高圧水素を貯蔵するためのタンクと、タンクに適用される多機能バルブ(しばしばOTVバルブと呼ばれる)と、OTVバルブの下流の減圧バルブ(HPRバルブと呼ばれる)と、HPRバルブの下流のさらなる二次バルブと、最後に電流を作り出すための燃料電池グループを有する。
【0003】
タンクに水素を貯蔵する際の圧力が高いため、HPRバルブの役割は基本的なものであり、実際、水素を高圧で燃料電池群に供給すると、破損する危険性がある。したがって、高圧の水素が燃料電池群に到達しないようにするための安全システムを備えることが不可欠である。
【発明の概要】
【0004】
この目的のために、今日知られているHPRバルブは、安全装置(PRVバルブと呼ばれる)を含んでいる。この安全装置は、HPRバルブ出口で閾値より大きい圧力を検出すると、水素を急激に放出することができる。
【0005】
本発明の目的は、安全性のレベルをさらに向上させる減圧バルブを得ることである。
【0006】
そのような目的は、請求項1に記載の減圧バルブによって達成される。従属請求項には、本発明のさらに有利な実施形態が特定されている。
【0007】
本発明に係る減圧バルブの特徴および利点は、添付の図面の図に従って、非限定的な例として与えられる以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態によるHPRバルブを備える、燃料電池車両システムの斜視図である。
図2図2は、通常動作の構成における、減圧バルブの断面図である。
図3図3は、二次安全装置を作動させる構成における減圧バルブの断面図である。
図4図4は、減圧バルブの一部の拡大図で、二次安全装置は非作動状態である。
図5図5は、減圧バルブの一部の拡大図で、二次安全装置が作動状態にある。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の表の図を参照すると、そこには燃料電池車両システムの一例の全体が符号1で示されている。この燃料電池車両システムは以下の構成を有する。
【0010】
高圧水素、例えば350または700バールまでの水素を貯蔵するためのタンク2。
【0011】
タンク2に装着され、燃料補給時のタンクへのガスの流入と、システム使用時のガスの流出を調整するよう適合された多機能バルブ(OTV 4)。多機能バルブ(OTV 4)は、好ましくは、さらに安全機能を有する。
【0012】
OTV4バルブの下流に配置され、上流値p1(OTV4バルブから出るガスの圧力)から下流値p2まで圧力を下げるように構成された、減圧バルブまたはHPR6バルブ。
【0013】
好ましくは、HPR6バルブの下流に配置された、さらなる二次バルブ8。
【0014】
水素を変換することによって電流を生成するように構成された、燃料電池グループ10。
【0015】
明瞭さの理由から、実施形態に係る減圧バルブを以下に説明するが、本発明は、異なる構成を有する減圧バルブにも適用可能である。
【0016】
HPR6バルブは、例えば金属材料、典型的にはアルミニウムで一体に作られたバルブ本体20と、バルブ本体20に配置された第1段ユニット又は高圧段ユニット40と、第1段ユニット40の下流でバルブ本体20に配置された第2段ユニット又は低圧段ユニット60を含む。
【0017】
HPR6バルブは、第1段ユニット40の上流でバルブ本体20に適用される、入口24を有する入口本体22と、第2段ユニット60の下流でバルブ本体20に適用される、出口28を有する出口本体26とを更に備える。
【0018】
バルブ本体20は、調整された入口通路30、第1段ピストンチャンバ32、中間通路34、第2段ピストンチャンバ36および出口通路38を有する。
【0019】
第1段ユニット40は、第1段ピストン42と、弾性スラスト手段44と、前部ガスケット46と、後部ガスケット48とを備えている。ガスケット、46、48と協働する第1段ピストン42は、第1段ピストンチャンバ32内に摺動可能に密封して収容される。
【0020】
第1段ピストン42は、入口通路30と中間通路34との間の遮断機(スプリッタ)として作用するように構成される。
【0021】
第2段ユニット60は、第2段ピストン62 、弾性スラスト手段64、前部ガスケット66および後部ガスケット68を有する。第2段ピストン62の両端間には、内部通路70が形成されている。ガスケット、66、68と協働する第2段ピストン62は、第2段ピストンチャンバ36内に摺動可能に密封して収容される。
【0022】
第2段ピストン62は、中間通路34と内部通路70または出口通路38との間の遮断機(スプリッタ)として作用するように構成されている。
【0023】
HPRバルブの通常動作状態では、入口通路30に存在するガスの圧力によって第1段ピストン42に作用する開動作と、底部区画54に存在するガスの圧力によって第1段ピストン42に作用する閉動作が釣り合う。この状態で、第1段ピストン42が、入口通路30と中間通路34の間の通路を分断して、圧力降下を生じさせる。
【0024】
同様に、この構成では、中間通路34内に存在するガスの圧力によって又スラスト手段64によって第2段ピストン62に加えられる開動作と、出口通路38内に存在するガスの圧力によって第2段ピストン62に加えられる閉動作が釣り合う。この状態で、第2段ピストン62が、中間通路34と内部通路70または出口通路38の間の通路を分断し、さらなる圧力降下が引き起こされる。
【0025】
HPR6バルブは、前記出口通路38内のガスの圧力が所定の閾値を超えたとき、出口通路38からガスを急激に放出するように構成された一次安全装置80を更に含む。
【0026】
例えば、出口本体26は、出口通路38と連通する安全通路82を備える。この安全通路は、一次安全装置80のシャッタ84によって閉鎖される。一次安全装置80はさらに、シャッタ84に常時作用して該シャッタ84が安全通路82を閉鎖する状態に維持するように構成されたスラスト手段86を備える。
【0027】
出口通路38内のガスの圧力が所定の閾値を超えると、シャッタ84は安全通路82を開く。これにより、ガスは、即座に、安全通路82を通り(例えば、一次安全装置80のシャッタドア88の内側、スラスト手段86のスプリング90の内側、及び一次安全装置80の閉鎖体94に形成された排気孔92を介して)、外部に排出される。
【0028】
通常動作状態から、例えば、第1段ピストン又は第2段ピストンのジャミングにより、出口通路38内のガス圧力が、所定の閾値を超えるまで上昇すると、一次安全装置80を動作させることが可能である。
【0029】
好ましくは、出口通路38内のガス圧力が閾値以下に戻ると、シャッタ84が安全通路82を再び閉じ、HPRバルブ6は、条件が整えば、通常動作に戻るので、一次安全装置80は可逆的である。
【0030】
さらに、本発明によれば、第2安全装置200が設けられている。第2安全装置200は、第1段ユニット40とは機械的に独立しており、好ましくは第1段ユニット40の上流で作用して、ガス流量が所定の閾値を超えたときに、入口24から入口通路30へのガスの通過を制限する。
【0031】
実施形態によれば、入口本体22は、入口24と連通する、較正部を有する上流ダクト100と、上流ダクト100が開口する上流の主区画102と、主区画102の下流で、バルブ本体20の入口通路30と連通する下流ダクト104と、を有する。
【0032】
二次安全装置200は、主区画102に収容されたフローシャッタ202を有する。フローシャッタ202は、上流ダクト100から下流ダクト104に向かって通過するガス流に当たり、当該ガス流の作用下で可動して上流ダクト100から下流ダクト104に向かうガスの通過を制限するよう構成される。
【0033】
好ましい実施形態によれば、フローシャッタ202は、上流ダクト100に面する上流端204と下流ダクト104に面する下流端206との間でシャッタ軸Xに沿って伸びる要素からなる。フローシャッタ202は、少なくとも1つの入口開口204aが開く上流端204と、少なくとも1つの出口開口206aが開く下流端206との間に、内部シャッタ通路208を有する。
【0034】
例えば、入口開口204aは、シャッタ軸Xに直交する平面上で、例えば上流ダクト100の断面と同軸上に配置され、好ましくは上流ダクト100の断面の直径より大きな直径を有する。
【0035】
例えば、さらに、複数の出口開口206aが、リング状に配置されて設けられ、シャッタ通路208と下流ダクト104との間に半径方向の通路を形成している。
【0036】
好ましくは、さらに、下流端206に、例えば、入口開口204aと同軸に、補助開口206bが存在する。
【0037】
二次安全装置200は、上流ダクト100から下流ダクト104へガスを通過させ続けるためにフローシャッタ202に恒久的に作用する、例えばばね212を有するスラスト手段210をさらに備えている。
【0038】
例えば、スラスト手段210は、フローシャッタ202の上流端204を上流ダクト100が開口する壁に対して当接した状態に保つよう作用する。
【0039】
好ましい実施形態によれば、主区画102と下流ダクト104との間の接続は、下流ダクト104に向かうガスの通過を制限するために、フローシャッタ202の下流端206によって閉鎖される主開口214によってなされる。
【0040】
例えば、主開口214は、主開口214に向かって収束する、切頭円錐形の当接表面218を有する当接壁216によって区切られる。これに対応して、フローシャッタ202の下流端206は、閉鎖方向に収束する、切頭円錐形状の閉鎖面222を有する、環状閉鎖壁220を有する。
【0041】
好ましい実施形態によれば、二次安全装置200は、コンパス(周囲部)224を有する。コンパス224は、主区画102に収容され、例えばそこにねじ込まれた、軸方向延長部を有する環状ガイド壁226と、径方向延長部を有する底壁228とを備え、底壁228に主開口214が開いている。
【0042】
好ましくは、フローシャッタ202の外形寸法は、当該シャッタがガイド壁226によって並進的に案内されるように規定される。
【0043】
上流ダクト100から下流ダクト104に向かうガス流が所定の閾値未満である二次安全装置の静止構成では、主開口214は妨害されず、ガスは上流ダクト100から下流ダクト104に向かって通過する。このような構成において、フローシャッタ202は、主開口214を自由にするような限界開放位置にあり、例えば、限界開放位置では、フローシャッタ202は上流側ダクト100が開口する壁面に当接しており、スラスト手段210の働きによりその位置に保持される。
【0044】
上流側ダクト100から下流側ダクト104に向かうガスの流れが所定の閾値よりも大きい二次安全装置200の作動の構成では、主開口214はフローシャッタ202によって閉塞され、上流側ダクト100から下流側ダクト104に向かうガスの通過は低下または停止させられる。このような構成では、シャッタに対するガス流の作用がスラスト手段210の作用に打ち勝ち、フローシャッタ202は、主開口214を分割又は閉鎖するような限界閉鎖位置にあり、例えば、限界閉鎖位置では、フローシャッタ202は当接壁216に当接され、主開口214は開口している。
【0045】
しかしながら、二次安全装置200は、後者の構成、例えばその構成要素によって取られる位置によって影響を受けないという意味で、第1段ユニット40から機械的に独立して作用するように構成される。有利なことに、これは、第1段ユニットおよび第2段ユニットのジャミングがあるときにも、前記第2安全装置200の介入を保証する。
【0046】
全体として、二次安全装置200を備えたHPRバルブは、3つの動作構成からなる。
【0047】
- 通常動作の構成。この構成では、第2段ユニット60、すなわち出口通路38内のガス圧力は閾値未満であり、第1段ユニット40の上流、すなわち上流ダクト100から下流ダクト104へ通過するガス流量は閾値未満であり、このような構成では、第1安全装置80は非活性化され、第2安全装置は非活性化されている。
【0048】
- 第1異常構成。この構成では、第2段ユニット60の下流のガス圧力が閾値より大きく、第1段ユニット40の上流のガス流量が閾値より小さい。このような構成では、一次安全装置80は作動し(ガスは外部に出る)、二次安全装置は不活性化される。
【0049】
- 第2異常構成。この構成では、第2段ユニット60の下流のガス圧力が閾値より大きく、第1段ユニット40の上流のガス流量が閾値より大きい。このような構成では、第1安全装置80は作動し、第2安全装置は作動する(第1段ユニットへのガスの流れは低下又は停止する)。
【0050】
革新的に、二次安全装置を備えた本発明によるバルブは、過圧によりガスが外に出るにもかかわらず、減圧器に向かうガスの流れが増加し続ける場合に、減圧器の上流のガスの流れを遮断するので、信頼性のレベルを向上させることが可能である。
【0051】
予想されるように、上述した減圧バルブは、本発明の適用例の1つである。
【0052】
変形例によれば、減圧バルブは1つの減圧段のみを備え、二次安全装置は前記1つの減圧段の上流に配置される。
【0053】
さらなる変形例によれば、減圧バルブは、第2の減圧段の下流または単一の減圧段の下流に配置された第1の安全装置を欠いており、第1の減圧段の上流または単一の減圧段の上流に配置された第2の安全装置のみを備えている。
【0054】
さらなる変形例によれば、二次安全装置は、第1段ユニットの下流に作用するが、第2段ユニットの上流に作用する。
【0055】
上述した変形例によれば、減圧段は機械的である。
【0056】
さらなる変形例によれば、減圧段の少なくとも1つは電子式である。言い換えれば、そのような実施形態変形例では、圧力の減少を引き起こす制限を作り出すピストンは、比例ソレノイドによって作動し、そのソレノイドには、ピストンの上流のガス圧力を代表する信号が送られ、制限を増加または減少するように前記ピストンを並進制御し、したがってピストンの下流のガス圧力をそれぞれ低下または増加させる。
【0057】
明らかに、偶発的なニーズを満たすために、当業者は、以下の請求項によって定義される保護範囲に含まれる全ての、前述の変形例と同様に、上述の減圧バルブに変更を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】