(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(54)【発明の名称】肢アライメントのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/46 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
A61F2/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556211
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-09
(86)【国際出願番号】 US2021022973
(87)【国際公開番号】W WO2021188798
(87)【国際公開日】2021-09-23
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514284545
【氏名又は名称】オースアライン・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ガンノエ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・デビンセンティス
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA07
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC04
4C097MM10
(57)【要約】
本発明は、特定の実施形態において、脛骨機械軸および大腿骨機械軸を決定するためのデバイスを提供する。本発明は、肢アライメントを円滑にするために移動時に機械軸を追跡するように構成されている外科用配向デバイス、基準デバイス、および/またはモジュールも提供する。本発明は、隙間測定を決定するように構成されている外科用配向デバイス、基準デバイス、および/またはモジュールをさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肢アライメントのためのシステムであって、
脛骨と結合されるように構成されている第1の配向デバイスであって、少なくとも1つの慣性センサーを備える、第1の配向デバイスと、
大腿骨と結合されるように構成されている第2の配向デバイスであって、少なくとも1つの慣性センサーを備える、第2の配向デバイスと、
を備え、
前記第1の配向デバイスまたは前記第2の配向デバイスは、慣性センサーデータを受信するように構成されているプロセッサを備え、前記プロセッサは、大腿骨機械軸と脛骨機械軸とが成す角度を計算するように構成されるシステム。
【請求項2】
プローブ部材を備える脛骨準備システムをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
中線基準プローブアセンブリを備える脛骨準備システムをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の配向デバイスに結合するように構成されている第1のデバイスインターフェースと、前記第2の配向デバイスに結合するように構成されている第2のデバイスインターフェースと、を備える脛骨準備システムをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の配向デバイスに結合するように構成されているデバイスインターフェースを備える大腿骨準備システムをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
脛骨準備システムに対して摺動するように構成されている切断ガイドブラケットを備える大腿骨準備システムをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
脛骨準備システムに対して旋回するように構成されているスイベルポストを備える大腿骨準備システムをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記遠位大腿骨の一部に結合されたネジ山付きピンに対して位置決めされるように構成されている伸展部を備える大腿骨準備システムをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記大腿骨の外側部分に装着されるように構成されているコネクタを備える大腿骨準備システムをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の配向デバイスに結合するように構成されているデバイスインターフェースを備えるコネクタを具備する大腿骨準備システムをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、解剖学的ランドマークの配置に少なくとも部分的に基づき前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸を決定するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記大腿骨の移動に少なくとも部分的に基づき前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸を決定するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸の内反/外反角度を決定するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸の屈曲/伸展角度を決定するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサは、隙間測定値を決定するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
肢アライメントを決定するための方法であって、
脛骨と構成されている第1の配向デバイスを結合するステップであって、前記第1の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える、ステップと、
大腿骨と構成されている第2の配向デバイスを結合するステップであって、前記第2の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える、ステップと、
大腿骨機械軸および脛骨機械軸を計算するステップと、
前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸の変化を測定するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
切除を実行するステップとインプラントを位置決めするステップとをさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸の変化を測定するステップは、伸展した状態の脚を位置決めするステップをさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項19】
脛骨準備システム上に前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスを装着することによって前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスをキャリブレーションするステップをさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項20】
力を印加するステップと、隙間距離を測定するステップと、をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項21】
肢アライメントのためのシステムであって、
脛骨と結合されるように構成されている第1のセンサーであって、少なくとも1つの慣性センサーを含む、第1のセンサーと、
大腿骨と結合されるように構成されている第2のセンサーであって、少なくとも1つの慣性センサーを含む、第2のセンサーと、
前記第1のセンサーおよび前記第2のセンサーのうちの1つまたは複数から出力を受け取るように構成されているプロセッサであって、前記プロセッサは、移動時の前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸の位置および/または配向を計算するように構成される、プロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項22】
前記プロセッサを備える外科用配向デバイスをさらに具備する請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記外科用配向デバイスは、ディスプレイを備える請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記プロセッサは、内反/外反角度を決定するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記プロセッサは、異なる屈曲角度で内反角度を決定するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記プロセッサは、軸回転を決定するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記プロセッサは、屈曲角度を決定するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記プロセッサは、伸展角度を決定するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項29】
前記プロセッサは、トライアルインプラントに対する推奨を提供するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
前記プロセッサは、脛骨プラトーと大腿骨プラトーとの間の隙間を決定するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項31】
前記プロセッサは、脛骨プラトーと大腿骨プラトーとの間の角度を決定するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項32】
肢アライメントを決定するための方法であって、
第1の基準センサーを肢の第1の骨と結合するステップであって、前記第1の基準センサーは少なくとも1つの慣性センサーを含む、ステップと、
第2の基準センサーを肢の第2の骨と結合するステップであって、関節が前記第1の骨と前記第2の骨との間に形成され、前記第2の基準センサーは少なくとも1つの慣性センサーを含む、ステップと、
前記肢を移動して前記第1の骨を前記第2の骨に対して屈曲、軸回転、および/または内反/外反が異なる複数の位置に位置決めするステップと、
前記位置の1つまたは複数のところで、または前記位置の1つまたは複数に基づき、肢アライメントを示す値を出力するステップと、
を含む方法。
【請求項33】
前記肢は脚であり、前記第1の骨は脛骨であり、前記第2の骨は大腿骨である請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記脛骨の切除面上にトライアルインプラントまたはインプラントを位置決めするステップをさらに含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の基準センサーおよび前記第2の基準センサーをキャリブレーションするステップをさらに含む請求項32に記載の方法。
【請求項36】
値を出力するステップは、内反/外反角度を出力するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項37】
値を出力するステップは、異なる屈曲角度で内反角度を出力するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項38】
値を出力するステップは、軸回転を出力するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項39】
値を出力するステップは、屈曲角度を出力するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項40】
値を出力するステップは、脛骨プラトーと大腿骨プラトーとの間の隙間測定値を出力するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項41】
値を出力するステップは、脛骨プラトーと大腿骨プラトーとの間の角度を出力するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項42】
肢アライメントのためのシステムであって、
脛骨と結合されるように構成されている第1の配向デバイスであって、少なくとも1つの慣性センサーを備える、第1の配向デバイスと、
大腿骨と結合されるように構成されている第2の配向デバイスであって、少なくとも1つの慣性センサーを備える、第2の配向デバイスと、
を備え、
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、脚が伸展状態にあるときに大腿骨機械軸と脛骨機械軸との間の相対的配向を計算するように構成されるシステム。
【請求項43】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、切除前に前記脚が伸展状態にあるときに前記大腿骨機械軸と前記脛骨機械軸との間の前記相対的配向を計算するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、切除後に前記脚が伸展状態にあるときに前記大腿骨機械軸と前記脛骨機械軸との間の前記相対的配向を計算するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項45】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記脚が伸展状態にあり、インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされているときに前記大腿骨機械軸と前記脛骨機械軸との間の前記相対的配向を計算するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項46】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記脚が伸展状態にあり、力が印加されるときに前記大腿骨機械軸と前記脛骨機械軸との間の前記相対的配向を計算するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項47】
切断ブロックは、前記大腿骨機械軸に対して位置決めされる請求項42に記載のシステム。
【請求項48】
切断ブロックは、前記脛骨機械軸に対して位置決めされる請求項42に記載のシステム。
【請求項49】
前記第2の配向デバイスは、固定された既知の点で前記大腿骨と結合されるように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項50】
前記第2の配向デバイスは、前記脚が屈曲状態から伸展状態に移動するときに前記大腿骨と結合されるように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項51】
前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸は、3次元座標系における2つのベクトルである請求項42に記載のシステム。
【請求項52】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、関節における角度付けを決定するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項53】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記脚の機械軸を決定するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、矢状面における角度を決定するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、冠状面における角度を決定するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1の配向デバイスは、前記脛骨機械軸を計算するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項57】
前記第1の配向デバイスは、前記脛骨機械軸上の少なくとも2つの点を決定するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項58】
前記第2の配向デバイスは、前記大腿骨機械軸を計算するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項59】
前記第2の配向デバイスは、前記大腿骨機械軸上の少なくとも2つの点を決定するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項60】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、キャリブレーションのために脛骨と結合するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項61】
前記大腿骨の外側部分に結合するように構成されているデバイスインターフェースをさらに備える請求項42に記載のシステム。
【請求項62】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸の内反/外反角度を決定するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項63】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記大腿骨機械軸および前記脛骨機械軸の屈曲/伸展角度を決定するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項64】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、隙間測定値を決定するように構成される請求項42に記載のシステム。
【請求項65】
肢アライメントのためのシステムであって、
脛骨と結合されるように構成されている第1の配向デバイスであって、少なくとも1つの慣性センサーを備える、第1の配向デバイスと、
大腿骨と結合されるように構成されている第2の配向デバイスであって、少なくとも1つの慣性センサーを備える、第2の配向デバイスと、
を備え、
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、大腿骨機械軸と脛骨機械軸との間の位置、配向、または移動の変化を計算するように構成されるシステム。
【請求項66】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、切断検証を提供する請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされたときに冠状面に対する角度を計算するように構成される請求項65に記載のシステム。
【請求項68】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされたときに矢状面に対する角度を計算するように構成される請求項65に記載のシステム。
【請求項69】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされたときに内反/外反角度を計算するように構成される請求項65に記載のシステム。
【請求項70】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされたときに屈曲/伸展角度を計算するように構成される請求項65に記載のシステム。
【請求項71】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされたときに軟部組織バランシングを計算するように構成される請求項65に記載のシステム。
【請求項72】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされたときに隙間測定値を計算するように構成される請求項65に記載のシステム。
【請求項73】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、術前測定に対して角度測定を検証するように構成される請求項65に記載のシステム。
【請求項74】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、イメージング技術から術前測定に対して角度測定を検証するように構成される請求項65に記載のシステム。
【請求項75】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされたときに変形の補正を検証するように構成される請求項65に記載のシステム。
【請求項76】
肢アライメントのためのシステムであって、
脛骨と結合されるように構成されている第1の配向デバイスであって、少なくとも1つの慣性センサーを備える、第1の配向デバイスと、
大腿骨と結合されるように構成されている第2の配向デバイスであって、少なくとも1つの慣性センサーを備える、第2の配向デバイスと、
を備え、
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するように構成されるシステム。
【請求項77】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、矢状面における前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算するように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、冠状面における前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算するように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項79】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記脛骨機械軸の前記回転を、前記脛骨機械軸と前記大腿骨機械軸との間の内反/外反角度として計算するように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項80】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記脛骨機械軸の前記回転を、前記脛骨機械軸と前記大腿骨機械軸との間の屈曲/伸展角度として計算するように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項81】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、切除後の前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算するように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項82】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされている状態で前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算するように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項83】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算して術前に決定された角度と比較するように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項84】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算して隙間を測定するように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項85】
前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスは、前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算して軟部組織バランシングを測定するように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項86】
前記第2の配向デバイスは、キャリブレーションのために前記脛骨と結合されるように構成される請求項76に記載のシステム。
【請求項87】
肢アライメントを決定するための方法であって、
脛骨と第1の配向デバイスを結合するステップであって、前記第1の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える、ステップと、
大腿骨と第2の配向デバイスを結合するステップであって、前記第2の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える、ステップと、
脛骨機械軸を計算するステップと、
大腿骨機械軸を計算するステップと、
前記脛骨を伸展状態に移動して前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の回転を計算するステップと、
を含む方法。
【請求項88】
大腿骨機械軸を計算する前に前記脛骨機械軸を計算するステップをさらに含む請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記脛骨を伸展状態に移動する前に前記第1の配向デバイスおよび前記第2の配向デバイスをキャリブレーションするステップをさらに含む請求項87に記載の方法。
【請求項90】
内反力が印加されたときの前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算するステップをさらに含む請求項87に記載の方法。
【請求項91】
外反力が印加されたときの前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算するステップをさらに含む請求項87に記載の方法。
【請求項92】
軟部組織リリース時に前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算するステップをさらに含む請求項87に記載の方法。
【請求項93】
インプラントが前記脛骨と前記大腿骨との間に位置決めされた状態で前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算するステップをさらに含む請求項87に記載の方法。
【請求項94】
1つまたは複数の平面に関して前記大腿骨機械軸の周りの前記脛骨機械軸の前記回転を計算するステップをさらに含む請求項87に記載の方法。
【請求項95】
大腿骨準備システムであって、
大腿骨上に外側に位置決めされるように構成されるコネクタであって、結合器と固定デバイスを受け入れるように構成されている少なくとも1つの開口部とを備える、コネクタと、
前記コネクタと取り外し可能に結合されるように構成されている配向デバイスであって、第1の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える、配向デバイスと、
を備える大腿骨準備システム。
【請求項96】
前記結合器および前記配向デバイスと結合するように構成されているデバイスインターフェースをさらに備える請求項95に記載のシステム。
【請求項97】
脛骨に結合されている脛骨準備システムに結合するように構成されている切断ガイドブラケットをさらに備える請求項95に記載のシステム。
【請求項98】
顆間切痕のおおよそ中心に位置決めされた固定デバイスに対して伸展部を位置決めするように構成されているスイベルポストをさらに備える請求項95に記載のシステム。
【請求項99】
前記伸展部および前記コネクタの前記結合器に結合するように構成されている装着ブラケットをさらに備える請求項98に記載のシステム。
【請求項100】
前記少なくとも1つの開口部は、一対の角度付き開口部およびオフセット開口部を含む請求項95に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願の参照による組み込み
2020年3月20日に出願した米国仮出願第62/992,537号を含む本出願とともに提出されたとおりに外国または国内優先権の主張が出願データシートに明記されているいかなる出願もすべて、米国特許規則1.57の下で全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、関節の評価および置換のためのシステムおよび方法、特に、肢アライメント(limb alignment)を測定するために1つまたは複数の慣性デバイス(inertial device)を利用する膝関節および他の肢関節の評価および置換のためのシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
膝関節置換術を含む、関節置換術は、患者の関節を1つまたは複数の人工関節コンポーネントに置き換えるために一般的に使用される。そのような手技は、患者の骨の1つまたは複数の部分に沿って外科的切断を行うために、限定はしないが、切断ガイド(たとえば、切断ブロック)および外科的ガイドを含む、手術道具および外科用デバイスの1つまたは複数のシステムをしばしば使用する。
【0004】
現在のシステムおよび方法は、人体内の手術器具またはランドマークの空間的配置および/または移動を追跡するために、1つまたは複数のコンピュータ、さらには3次元イメージングを必要とする高価で、複雑で、かさばり、かつ/または巨大なコンピュータナビゲーションシステムを使用することがある。これらのシステムは、一般的に、道具またはランドマークが空間内のどこに配置されているかをユーザが決定するのを支援するために使用され、しばしば、広範な訓練、多大な費用、および広い部屋を必要とする。
【0005】
そのような複雑で費用のかかるシステムが使用されない場合、下肢骨を含む、解剖学的特徴とロッドとのアライメントを「目測」するなどの、単純な方法が使用される。これらの単純な方法は、補綴インプラントコンポーネントおよびそのようなコンポーネントが取り付けられる骨を確実にアライメントし、留置する上で十分に正確ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第12/509388号
【特許文献2】米国特許出願第13/011815号
【特許文献3】米国特許出願第13/115065号
【特許文献4】米国特許出願第14/399046号
【特許文献5】米国特許出願第14/401274号
【特許文献6】米国特許出願第10/864085号
【特許文献7】米国特許出願第11/182528号
【特許文献8】米国特許出願第12/557051号
【特許文献9】米国特許出願第13/800620号
【特許文献10】米国特許出願第14/643864号
【特許文献11】米国特許出願第15/550564号
【特許文献12】米国特許出願第15/920216号
【特許文献13】米国特許出願第15/920202号
【特許文献14】国際出願第PCT/US2020/063785号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、手技を過度に複雑にすること、医療従事者を殺到させること、および/または複雑なナビゲーションシステムの大きなコストを医師または医療施設に負担させることなく、人工関節のコンポーネントを選択し、正確に位置決めすることに関連して、関節の骨の相対的アライメントおよび軟部組織状態などの関節特性を評価するために使用され得るデバイス、システム、および方法が欠如している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施形態において、肢アライメントのためのシステムが提供される。システムは、脛骨と結合されるように構成されている第1の配向デバイス(orientation device)を備えることができ、第1の配向デバイスは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。システムは、大腿骨と結合されるように構成されている第2の配向デバイスを備えることができ、第2の配向デバイスは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスまたは第2の配向デバイスは、慣性センサーデータを受信するように構成されているプロセッサを備え、プロセッサは、大腿骨機械軸(femoral mechanical axis)と脛骨機械軸(tibial mechanical axis)とが成す角度を計算するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態において、システムは、プローブ部材を備える脛骨準備システム(tibial preparation system)を含むことができる。いくつかの実施形態において、システムは、中線基準プローブアセンブリ(midline reference probe assembly)を備える脛骨準備システムを含むことができる。いくつかの実施形態において、システムは、第1の配向デバイスに結合するように構成されている第1のデバイスインターフェースと、第2の配向デバイスに結合するように構成されている第2のデバイスインターフェースと、を備える脛骨準備システムを含むことができる。いくつかの実施形態において、システムは、第2の配向デバイスに結合するように構成されているデバイスインターフェースを備える大腿骨準備システムを含むことができる。いくつかの実施形態において、システムは、脛骨準備システムに対して摺動するように構成されている切断ガイドブラケットを備える大腿骨準備システムを含むことができる。いくつかの実施形態において、システムは、脛骨準備システムに対して旋回するように構成されているスイベルポストを備える大腿骨準備システムを含むことができる。いくつかの実施形態において、システムは、遠位大腿骨の一部に結合されたネジ山付きピンに対して位置決めされるように構成されている伸展部を備える大腿骨準備システムを含むことができる。いくつかの実施形態において、システムは、大腿骨の外側部分に装着されるように構成されているコネクタを備える大腿骨準備システムを含むことができる。いくつかの実施形態において、システムは、第2の配向デバイスに結合するように構成されているデバイスインターフェースを備えるコネクタを具備する大腿骨準備システムを含むことができる。いくつかの実施形態において、プロセッサは、解剖学的ランドマークの配置に少なくとも部分的に基づき大腿骨機械軸および脛骨機械軸を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、大腿骨の移動に少なくとも部分的に基づき大腿骨機械軸および脛骨機械軸を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、大腿骨機械軸および脛骨機械軸の内反/外反角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、大腿骨機械軸および脛骨機械軸の屈曲/伸展角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、隙間測定値を決定するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態において、肢アライメントを決定するための方法が提供される。方法は、脛骨と構成されている第1の配向デバイスを結合するステップを含むことができ、第1の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える。方法は、大腿骨と構成されている第2の配向デバイスを結合するステップを含むことができ、第2の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える。方法は、大腿骨機械軸と脛骨機械軸とを計算するステップを含むことができる。方法は、大腿骨機械軸および脛骨機械軸の変化を測定するステップを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、本方法は、切除を実行するステップと、インプラントを位置決めするステップと、を含むことができる。いくつかの実施形態において、大腿骨機械軸および脛骨機械軸の変化を測定するステップは、伸展した状態の脚を位置決めするステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、脛骨準備システム上に第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスを装着することによって第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスをキャリブレーションするステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、力を印加するステップと、隙間距離を測定するステップと、を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、肢アライメントのためのシステムが提供される。システムは、脛骨と結合されるように構成されている第1のセンサーを備えることができ、第1のセンサーは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。システムは、大腿骨と結合されるように構成されている第2のセンサーを備えることができ、第2のセンサーは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。システムは、第1のセンサーおよび第2のセンサーのうちの1つまたは複数から出力を受信するように構成されているプロセッサを備えることができ、プロセッサは、移動時の大腿骨機械軸および脛骨機械軸の位置および/または配向を計算するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態において、システムは、プロセッサを備える外科用配向デバイス(surgical orientation device)を具備することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイスは、ディスプレイを備える。いくつかの実施形態において、プロセッサは、内反/外反角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、異なる屈曲角度で内反角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、軸回転を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、屈曲角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、伸展角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、トライアルインプラントのための推奨を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、脛骨プラトー(tibial plateau)と大腿骨プラトー(femoral plateau)との間の隙間を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、脛骨プラトーと大腿骨プラトーとの間の角度を決定するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態において、肢アライメントを決定するための方法が提供される。方法は、第1の基準センサーを肢の第1の骨と結合するステップを含むことができ、第1の基準センサーは少なくとも1つの慣性センサーを含む。方法は、第2の基準センサーを肢の第2の骨と結合するステップを含むことができ、関節が第1の骨と第2の骨との間に形成され、第2の基準センサーは少なくとも1つの慣性センサーを含む。方法は、肢を移動して第1の骨を第2の骨に対して屈曲、軸回転、および/または内反/外反が異なる複数の位置に位置決めするステップを含むことができる。方法は、位置の1つまたは複数のところで、または位置の1つまたは複数に基づき、肢アライメントを示す値を出力するステップを含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、肢は脚であり、第1の骨は脛骨であり、第2の骨は大腿骨である。いくつかの実施形態において、方法は、脛骨の切除面上にトライアルインプラントまたはインプラントを位置決めするステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、第1の基準センサーおよび第2の基準センサーをキャリブレーションするステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、値を出力するステップは、内反/外反角度を出力するステップを含む。いくつかの実施形態において、値を出力するステップは、異なる屈曲角度での内反角度を出力するステップを含む。いくつかの実施形態において、値を出力するステップは、軸回転を出力するステップを含む。いくつかの実施形態において、値を出力するステップは、屈曲角度を出力するステップを含む。いくつかの実施形態において、値を出力するステップは、脛骨プラトーと大腿骨プラトーとの間の隙間測定値を出力するステップを含む。いくつかの実施形態において、値を出力するステップは、脛骨プラトーと大腿骨プラトーとの間の角度を出力するステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、肢アライメントのためのシステムが提供される。システムは、脛骨と結合されるように構成されている第1の配向デバイスを備えることができ、第1の配向デバイスは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。システムは、大腿骨と結合されるように構成されている第2の配向デバイスを備えることができ、第2の配向デバイスは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、脚が伸展しているときに、大腿骨機械軸と脛骨機械軸との間の相対的配向を計算するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、切除前に脚が伸展状態にあるときに大腿骨機械軸と脛骨機械軸との間の相対的配向を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、切除後に脚が伸展状態にあるときに大腿骨機械軸と脛骨機械軸との間の相対的配向を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、脚が伸展状態にあり、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされているときに、大腿骨機械軸と脛骨機械軸との間の相対的配向を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、脚が伸展状態にあり、力が印加されるときに大腿骨機械軸と脛骨機械軸との間の相対的配向を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、切断ブロックは、大腿骨機械軸に対して位置決めされる。いくつかの実施形態において、切断ブロックは、脛骨機械軸に対して位置決めされる。いくつかの実施形態において、第2の配向デバイスは、固定された既知の点で大腿骨と結合されるように構成される。いくつかの実施形態において、第2の配向デバイスは、脚が屈曲状態から伸展状態に移動するときに大腿骨と結合されるように構成される。いくつかの実施形態において、大腿骨機械軸および脛骨機械軸は、3次元座標系における2つのベクトルである。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、関節における角度付けを決定するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、脚の機械軸を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、矢状面における角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、冠状面における角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスは、脛骨機械軸を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスは、脛骨機械軸上の少なくとも2つの点を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、第2の配向デバイスは、大腿骨機械軸を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第2の配向デバイスは、大腿骨機械軸上の少なくとも2つの点を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、キャリブレーションのために脛骨と結合するように構成される。いくつかの実施形態において、システムは、大腿骨の外側部に結合するように構成されているデバイスインターフェースを備えることができる。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、大腿骨機械軸および脛骨機械軸の内反/外反角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、大腿骨機械軸および脛骨機械軸の屈曲/伸展角度を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、隙間測定値を決定するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、肢アライメントのためのシステムが提供される。システムは、脛骨と結合されるように構成されている第1の配向デバイスを備えることができ、第1の配向デバイスは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。システムは、大腿骨と結合されるように構成されている第2の配向デバイスを備えることができ、第2の配向デバイスは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、大腿骨機械軸と脛骨機械軸との間の位置、配向、または移動の変化を計算するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、切断検証を行う。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされたときに冠状面に対する角度を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされたときに矢状面に対する角度を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされたときに内反/外反角度を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされたときに屈曲/伸展角度を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされたときに軟部組織バランシングを計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされたときに隙間測定値を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、術前測定値に対して角度測定値を検証するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、イメージング技術からの術前測定値に対して角度測定値を検証するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされたときに変形の補正を検証するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態において、肢アライメントのためのシステムが提供される。システムは、脛骨と結合されるように構成されている第1の配向デバイスを備えることができ、第1の配向デバイスは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。システムは、大腿骨と結合されるように構成されている第2の配向デバイスを備えることができ、第2の配向デバイスは、少なくとも1つの慣性センサーを備える。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、矢状面における大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、冠状面における大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、脛骨機械軸の回転を、脛骨機械軸と大腿骨機械軸との間の内反/外反角度として計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、脛骨機械軸の回転を、脛骨機械軸と大腿骨機械軸との間の屈曲/伸展角度として計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、切除後の大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされた状態で大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、術前に決定された角度と比較するために大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、隙間を測定するために大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスは、軟部組織バランシングを測定するために大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するように構成される。いくつかの実施形態において、第2の配向デバイスは、キャリブレーションのために脛骨と結合されるように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態において、肢アライメントを決定するための方法が提供される。方法は、第1の配向デバイスを脛骨と結合するステップを含むことができ、第1の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える。方法は、第2の配向デバイスを大腿骨と結合するステップを含むことができ、第2の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える。方法は、脛骨機械軸を計算するステップを含むことができる。方法は、大腿骨機械軸を計算するステップを含むことができる。方法は、脛骨を伸展状態に移動して大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するステップを含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、方法は、大腿骨機械軸を計算する前に、脛骨機械軸を計算するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、脛骨を伸展状態に移動する前に第1の配向デバイスおよび第2の配向デバイスをキャリブレーションするステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、内反力が加えられたときの大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、外反力が加えられたときの大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、軟部組織リリース時に大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、インプラントが脛骨と大腿骨との間に位置決めされた状態で大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、1つまたは複数の平面に関して大腿骨機械軸の周りの脛骨機械軸の回転を計算するステップを含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、大腿骨準備システムが提供される。大腿骨準備システムは、大腿骨上の外側に位置決めされるように構成されているコネクタを備えることができる。コネクタは、結合器を含むことができる。コネクタは、固定デバイスを受け入れるように構成されている少なくとも1つの開口部を備えることができる。大腿骨準備システムは、コネクタと取り外し可能に結合されるように構成されている配向デバイスを備えることができ、第1の配向デバイスは少なくとも1つの慣性センサーを備える。
【0025】
いくつかの実施形態において、大腿骨準備システムは、結合器および配向デバイスと結合するように構成されているデバイスインターフェースを備えることができる。いくつかの実施形態において、大腿骨準備システムは、脛骨に結合された脛骨準備システムに結合するように構成されている切断ガイドブラケットを備えることができる。いくつかの実施形態において、大腿骨準備システムは、顆間切痕のほぼ中心に位置決めされた固定デバイスに対して伸展部を位置決めするように構成されているスイベルポストを備えることができる。いくつかの実施形態において、大腿骨準備システムは、伸展部およびコネクタの結合器に結合するように構成されている装着ブラケットを備えることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの開口部は、一対の角度付き開口部およびオフセット開口部を含む。
【0026】
これらおよび他の特徴、態様、および利点は、限定はしないが、本発明を例示することを意図されている、図面を参照しつつ以下に説明される。図面において、類似の参照文字は、類似の実施形態全体を通して一貫して対応する特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】脛骨と大腿骨とを含む例示的な肢を示す図である。
【
図3】大腿骨機械軸の位置合わせのためのシステムの一部を例示する図である。
【
図4】脛骨機械軸の位置合わせのためのシステムの一部を例示する図である。
【
図5】遠位大腿骨に結合されている大腿骨準備システムおよび近位脛骨と結合されている脛骨準備システムを例示する図である。
【
図6】大腿骨機械軸の位置合わせのための組み立て図である。
【
図7】大腿骨機械軸の位置合わせのための組み立て図である。
【
図8】キャリブレーションのための組み立て図である。
【
図9】キャリブレーションのための組み立て図である。
【
図12】システムの一実施形態を例示する図である。
【
図13】システムの一実施形態を例示する図である。
【
図14】システムの一実施形態を例示する図である。
【
図15】システムの一実施形態を例示する図である。
【
図16】システムの一実施形態を例示する図である。
【
図17】システムの一実施形態を例示する図である。
【
図18】システムの一実施形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、大腿骨の遠位部分と脛骨の近位部分とが膝関節を形成している状態で、大腿骨と脛骨とを例示している。読者に器具の適切な配向を提示し、器具の構造をより完全に理解するのを助けるために、解剖学的座標系が
図1上に含まれている。解剖学的座標系は、一般的な方向--前方、後方、内側、および外側--さらには上方および下方を示している。他の関連する用語は近位、遠位、内反、および外反を含む。所与の骨について、近位および遠位という用語は、それぞれ、身体の中心に近いまたは遠ざかる方向を指すものとしてよい。所与の関節について、内反は、遠位部分が身体の中線により近い関節の斜角を示し得る(たとえば、内反膝)。所与の関節について、外反は、遠位部分が身体の中線にから遠い関節の斜角を示し得る(たとえば、外反膝)。これらの用語は、大腿骨および脛骨などの膝骨の配向に関係し、様々な器具の説明においてそれらの知られている医学的用途と一致するように使用される。それに加えて、内反/外反および後方/前方という用語は、本明細書において方向性のある移動を説明するために使用される。力は、解剖学的方向または配向へ移動する骨に印加され得る。内反/外反は、本明細書で使用される広義の用語であり、限定することなく、
図1に示される膝関節に関する内側および/または外側方向(たとえば、ページ内の右および左)への回転移動を含む。内反/外反は、内反/外反状態を一時的に作り出すための移動または力を含む。臨床的に、これらの力または移動は、関節の静的特性および運動学的特性に関する情報を明らかにする。後方/前方は、本明細書で使用される広義の用語であり、限定することなく、
図1に示されている膝関節に関する後方および/または前方(たとえば、ページの中へおよび外へ)の方向の回転移動を含む。
【0029】
膝関節の大腿骨および脛骨構造を人工装具コンポーネントで置き換える前に、一般に切除と呼ばれる外科的切断が、近位脛骨および遠位大腿骨の両方の1つまたは複数の部分に沿って鋸または1つもしくは複数の他の切断道具を使用して一般に行われる。これらの切断は、人工装具コンポーネントに対する脛骨および大腿骨の準備をするために行われる。切断が行われた後、人工装具コンポーネントは、脛骨および大腿骨に取り付けられ、かつ/または固定され得る。
【0030】
これらの切断の所望の配向および/または位置、ならびに人工装具コンポーネントの所望の配向および/または位置は、術前に、たとえば、個々の患者の脚を通る1つまたは複数の機械軸に基づき決定され得る。これらの切断の所望の配置が術前に決定された後、外科医は、本明細書において説明されているシステムおよび方法を使用して切断工具を正確にアライメントすることができる。システムおよび方法は、膝関節置換術の文脈において説明されているが、システムおよび/またはそのコンポーネントならびに方法は、限定はしないが、肩および股関節置換術を含む、他の種類の医学的手技において同様に使用され得る。
【0031】
本明細書において説明されているシステムおよび方法は、また、肢アライメントおよび/または関節隙間測定にも使用され得る。
図2は、大腿骨を貫通する機械軸を例示している。本明細書において説明されているシステムおよび方法は、股関節窩内の大腿骨の回転の中心から大腿骨の遠位部分の中心部分まで延在する軸10を決定することができる。大腿骨の切除部15は、大腿骨機械軸10に垂直な平面とすることができる。
図2は、脛骨を貫通する機械軸を例示している。本明細書において説明されているシステムおよび方法は、脛骨上の解剖学的近位点から患者の足首上の踝の間の中点まで延在する軸20を決定することができる。脛骨のプラトー25は、脛骨機械軸20に垂直な平面とすることができる。本明細書において説明されているシステムおよび方法は、プラトー15、25の間の角度を決定することができる。プラトー15、25は、脛骨および/または大腿骨の切断後平面の推定とすることができる。プラトー15、25は、何らかの解剖学的基準配置を通して確立された平面とすることができる。
【0032】
本明細書において説明されているシステムおよび方法は、全体的な肢アライメントを決定することができる。膝の手術については、システムおよび方法は、大腿骨と脛骨との間、たとえば、本明細書において開示されているシステムおよび方法によって決定され得る軸10、20の間の全体的なアライメントを決定することができる。本明細書において説明されているシステムおよび方法は、人工膝関節全置換術において使用することができる。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、人工膝関節単顆置換術において使用することができる。本明細書において説明されているシステムおよび方法は、膝および他の関節のための肢アライメントに対する満たされていない臨床的必要性を満たすことができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、動的な肢アライメント角度を提供する。いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、可動域を通る動的な肢アライメント角度を提供する。いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、屈曲/伸展時の動的な肢アライメント角度を提供する。いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、ユーザが内反/外反力を印加するときに動的な肢アライメント角度を提供する。いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、脛骨切除の前および後に動的な肢アライメント角度を提供する。いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、大腿骨切除の前および後に動的な肢アライメント角度を提供する。いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、任意の切除の前および後に動的な肢アライメント角度を提供する。いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、静的な肢アライメント角度を提供する。
【0034】
いくつかの方法において、方法は、外科手術ワークフローの1つまたは複数のステップを含むことができる。方法は、関節に近づけるようにするための切開を含むことができる。本方法は、初期評価を含むことができる。方法は、近位脛骨切除を推定し、指示し、実行し、または他の何らかの形で含むことができる。方法は、隙間バランシングのためのスペーサブロック評価を含むことができる。いくつかの方法において、スペーサブロック評価は、脛骨および大腿骨の両方で切除が行われた後にのみ行われ得る。方法は、遠位大腿骨切除を推定し、指示し、実行し、または他の何らかの形で含むことができる。方法は、トライアルインプラントまたはインプラントの位置決めを含むことができる。方法は、インプラントをセメントで固定するステップを含むことができる。方法は、切開部を閉鎖するステップを含むことができる。これらの方法ステップの1つまたは複数は、本明細書において説明されているシステムおよび方法の使用によって円滑にされ得る。
【0035】
いくつかの方法において、方法は、肢アライメント測定を伴う1つまたは複数のステップを含むことができる。方法は、大腿骨機械軸の位置合わせをするステップを含むことができる。方法は、脛骨機械軸の位置合わせをするステップを含むことができる。方法は、初期評価時の肢アライメント測定を含むことができる。本方法は、大腿骨切断の間の肢アライメント測定を含むことができる。本方法は、スペーサブロック評価時の肢アライメント測定を含むことができる。本方法は、トライアルインプラントまたはインプラントの位置決めの間の肢アライメント測定を含むことができる。方法は、切開部を閉じるかつ/または手技を完了する前、切開部を閉じているかつ/または手技を完了している間、あるいは切開部を閉じたかつ/または手技を完了した後の患者記録に保存される肢アライメント測定を含むことができ、患者記録は後のレビューおよび使用のためにアクセス可能である。
【0036】
システムおよび方法は、多くの利点を提供することができる。システムおよび方法は、再現可能な脛骨プラトー内反/外反評価、指示、または切断検証のための他の形態のナビゲーションを提供することができる。システムおよび方法は、再現可能な脛骨プラトー後方傾斜評価、指示、または他の形態のナビゲーションを提供することができる。システムおよび方法は、本明細書において説明されている器具または治具の低破壊固定方法を提供することができる。システムおよび方法は、現在の外科手術ワークフローに容易に統合することができる。システムおよび方法は、関節摺動面の最下部からの脛骨プラトーの深部切除の再現可能な測定を提供することができる。システムおよび方法は、脛骨プラトー切断ナビゲーションを提供することができる。
【0037】
システムおよび方法は、多くの利点を提供することができる。システムおよび方法は、脛骨および大腿骨機械軸の全体的な肢アライメントの測定を提供することができる。システムおよび方法は、最小限の切除再切断を行うための器具を含むことができる。システムおよび方法は、器具を用いたまたは器具による軟部組織の破壊を最小限度に抑えることができる。
【0038】
システムおよび方法は、多くの利点を提供することができる。システムおよび方法は、脛骨回転の制御を円滑にすることができる。システムおよび方法は、脛骨コンポーネントの回転が肢アライメントに与える影響の容易で再現可能な測定を提供することができる。いくつかの方法において、脛骨回転は、脛骨の動的挙動を含む。いくつかの方法では、脛骨回転は、伸展時の静的無負荷回転を含む。いくつかの方法では、屈曲および伸展における脛骨コンポーネント回転の影響が測定され、表示される。いくつかの方法では、動的回転が測定され、表示される。システムおよび方法は、内反/外反応力がかかっているときに肢アライメント、すなわち大腿顆と脛骨プラトーとの間の空間に対する脛骨コンポーネントの回転が与える影響の容易で再現性のある測定を提供することができる。システムおよび方法は、隙間バランシングを円滑にすることができる。システムおよび方法は、靭帯張力の評価、測定、および調整を円滑にすることができる。システムおよび方法は、意味のある生理学的評価、たとえば、全体的な肢アライメントを決定するための測定値を提供することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、大腿骨機械軸位置合わせを含むことができる。
図3は、大腿骨機械軸位置合わせのために位置決めされたシステムを例示している。いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、脛骨機械軸位置合わせを含むことができる。
図4は、脛骨機械軸位置合わせのためのシステムを例示している。
図5は、大腿骨準備システム100および脛骨準備システム200を例示している。大腿骨準備システム100は、大腿骨に結合されるように構成されている治具を備える。脛骨準備システム200は、脛骨に結合されるように構成されている治具を備える。
図6は、脚が伸展状態にある場合の大腿骨機械軸位置合わせのために位置決めされたシステムを例示している。
図7は、脚が屈曲状態にある場合の大腿骨機械軸位置合わせのために位置決めされたシステムを例示している。
図8および
図9は、キャリブレーションを行うように位置決めされたシステムを例示している。
【0040】
システムおよび方法は、大腿骨準備システム100を含むことができる。いくつかの方法では、大腿骨準備システム100は、切除も含めて切除に至るまでの手技に利用され得る。いくつかの方法において、大腿骨準備システム100は、切除の前および/または後の評価および測定のために利用される。いくつかの方法では、大腿骨準備システム100は、切除を含まない切除に至るまでの手技に利用され得る。いくつかの方法において、大腿骨準備システム100は、切除を行うことなく、評価および測定のために利用される。システムおよび方法は、脛骨準備システム200を含むことができる。いくつかの方法では、脛骨準備システム200は、切除も含めて切除に至るまで利用され得る。いくつかの方法において、脛骨準備システム200は、切除の前および/または後の評価および測定のために利用される。いくつかの方法では、脛骨準備システム200は、切除を含まない切除に至るまで利用され得る。いくつかの方法において、脛骨準備システム200は、切除を行うことなく、評価および測定のために利用される。システムおよび方法は、外科用配向デバイス300を含むことができる。システムおよび方法は、基準センサー400を含むことができる。
【0041】
図3に示されている大腿骨軸位置合わせにおいて、大腿骨準備システム100は、大腿骨に結合され得る。基準センサー400は、大腿骨準備システム100に結合され得る。脛骨準備システム200は、脛骨に結合され得る。外科用配向デバイス300は、脛骨準備システム200に結合され得る。大腿骨準備システム100は、大腿骨機械軸の遠位部分の位置に対応する大腿骨の遠位点を決定することができ、かつ/または、大腿骨の遠位点に装着することができる。いくつかの方法では、大腿骨上の膝関節の中心にピンが挿入される。いくつかの方法において、膝は屈曲した状態にされる。いくつかの実施形態において、大腿骨準備システム100は、ホワイトサイドの線と上顆軸との交点に配置され得る。いくつかの方法において、大腿骨の解剖学的構造はプローブで探られ、それにより大腿骨機械軸の遠位点に対応する配置を決定する。大腿骨準備システム200は、大腿骨機械軸上に配設されている近位点を決定することができる。いくつかの方法において、アウトリガー治具(図示せず)が、膝の中心に留置されたピンに結合される。アウトリガー治具は、膝の側部へのピン102、104の留置を案内するために利用される。ピン102、104は、大腿骨軸位置合わせのための基準センサー400を装着するための治具部分に結合される。基準センサー400は、肢が伸展されることを可能にするように関節の外側に装着される。いくつかの方法において、大腿骨は、大腿骨機械軸の近位点を決定するために可動範囲内で移動される。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、大腿骨の機械軸を決定することができる。いくつかの方法において、基準センサー400は、大腿骨さらには切断ブロックの移動を追跡するために使用される。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300は、軸位置合わせ時に、または軸位置合わせ後に、大腿骨に取り付けられない。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300は、切断ブロックの留置を補助するためにそのまま取り付けられ得る。大腿骨の機械軸は、遠位点と近位点とを交差する線とすることができる。いくつかの実施形態において、大腿骨の機械軸は、大腿骨準備システム100が装着される遠位点と交差する線とすることができる。いくつかの実施形態において、大腿骨の機械軸は、大腿骨の移動中に基準センサー400によって確立されている近位点と交差する線とすることができる。
【0042】
図4に示されている脛骨軸位置合わせにおいて、脛骨準備システム200は、脛骨に結合され得る。外科用配向デバイス300は、脛骨準備システム200に結合され得る。基準センサー400は、脛骨準備システム200に結合され得る。いくつかの実施形態において、大腿骨準備システム100は取り外されるか、または大腿骨準備システム100の少なくとも一部が取り外される。脛骨準備システム200は、脛骨機械軸の近位点を決定することができる。いくつかの方法において、脛骨の解剖学的構造はプローブで探られ、それにより脛骨機械軸の近位点を決定する。脛骨準備システム200は、脛骨機械軸の遠位点を決定することができる。いくつかの方法において、脛骨の解剖学的構造は、脛骨機械軸の遠位点の決定への入力としてプローブで探られる。いくつかの方法において、脛骨の解剖学的構造の2つの部分がプローブで探られ、それにより外科用配向デバイス300が脛骨機械軸に対応する遠位点を決定することを可能にする。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脛骨の機械軸を決定することができる。脛骨の機械軸は、脛骨の遠位点および近位点を含むことができる。
【0043】
図5は、大腿骨準備システム100および脛骨準備システム200の追加の特徴を例示している。大腿骨準備システム100は、大腿骨を貫通する大腿骨機械軸を計算するために使用され得る。いくつかの実施形態において、大腿骨準備システム100は、遠位大腿骨切除で天然の大腿骨を修正するために使用されるものとしてよく、人工装具コンポーネントが大腿骨の遠位端に確実に装着されることを可能にする。大腿骨準備システム100は、1つまたは複数の回数の切除を円滑にするための切断ブロックまたはガイドを支持することができる。本明細書において説明されているように、大腿骨準備システム100は、人工膝関節全置換術または人工膝関節単顆置換術用に設計され得る。いくつかの実施形態において、大腿骨準備システム100は、大腿骨または別の骨の配向を調整する方式で関節が修正されるべきかどうかを評価するために制御された方式で脛骨または対側大腿骨に関する大腿骨の機械軸の配向など、大腿骨特性を評価するために使用される。したがって、大腿骨準備システム100は、大腿骨関節コンポーネントの準備のために切除または他のステップなしで特性評価に使用され得る。
【0044】
大腿骨準備システム100は、大腿骨治具アセンブリ102を備えることができる。大腿骨治具アセンブリ102は、基準センサー400を大腿骨治具アセンブリ102に結合するために使用され得る基準センサーデバイスインターフェース104を備えることができる。いくつかの実施形態において、大腿骨治具アセンブリ102は、外科用配向デバイス300が大腿骨治具アセンブリ102に結合するために使用され得る外科用配向デバイスインターフェース106を備えることができる。
【0045】
外科用配向デバイスインターフェース106は、有利には、外科用配向デバイス300が外科的手技において大腿骨治具アセンブリ102と素早く結合され、結合解除されることを可能にし得る。これは、外科用配向デバイス300が手技の1つまたは複数の段階において様々な整形外科用固定具とともにモジュール方式で使用されることを可能にする。
【0046】
基準センサーデバイスインターフェース104は、有利には、基準センサー400が、外科的手技において大腿骨治具アセンブリ102と素早く結合され、結合解除されることを可能にし得る。これは、基準センサー400が手技の1つまたは複数の段階において様々な整形外科用固定具とともにモジュール方式で使用されることを可能にする。
【0047】
大腿骨の機械軸の遠位点を特定するためのいくつかの技術において、大腿骨の遠位端部分は、任意の従来の外科技術を使用して露出される。次いで、脛骨および大腿骨は、
図3に示されているように、約90度の屈曲状態にされ得る。脚を他の屈曲度にすることも可能である。
【0048】
次いで、大腿骨治具アセンブリ102の固定ピン108の一部を受け入れるための小孔が、適切な解剖学的配置で任意の従来の外科技術を使用してドリルで形成され得る。いくつかの方法において、大腿骨治具アセンブリ102は、大腿骨の遠位端部分に結合され得る。いくつかの方法において、解剖学的配置は、ホワイトサイドの線に沿うことができる。いくつかの方法において、解剖学的配置は、上顆軸に沿うことができる。いくつかの方法において、解剖学的配置は、ホワイトサイドの線と上顆軸との交点とすることができる。方法は、1つまたは複数の固定ピン108を使用して大腿骨治具アセンブリ102の1つまたは複数のコンポーネントを大腿骨に結合するステップを含むことができる。
【0049】
いくつかの方法において、大腿骨治具アセンブリ102は、大腿骨の遠位端部分からオフセットされ得る。いくつかの方法において、解剖学的配置は、ホワイトサイドの線からオフセットされ得る。いくつかの方法において、解剖学的配置は、上顆軸からオフセットされ得る。いくつかの方法において、解剖学的配置は、ホワイトサイドの線と上顆軸との交点からオフセットされ得る。いくつかの方法では、このオフセットは、大腿骨機械軸に沿った点を決定するための入力である。いくつかの方法では、解剖学的配置は、大腿骨の遠位端部分内の、またはそれに隣接する、またはそれからオフセットされる任意の好適な解剖学的ランドマークまたはランドマークの組合せとすることができる。大腿骨治具アセンブリ102が大腿骨に取り付けられた後、方法は、オフセットを確立するために基準マーキングによって提供される距離のしるしと、基準マーキングに関する固定ピン108の配置と、を書き留めることを含むステップができる。ここまでの方法において、大腿骨の機械軸に対応する遠位点は、大腿骨の中心を特定するために大腿骨治具アセンブリ102の一部を使用することによって近似させることができる。
【0050】
この方法は、外科用配向デバイス300および/または基準センサー400が大腿骨治具アセンブリ102に結合された後、脚を伸展させるステップをさらに含むことができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、大腿骨上の中心枢動点の相対座標を決定するために使用され得る。大腿骨頭の枢動点の座標を決定することによって、外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、大腿骨を貫通する機械軸の配置および/または配向を計算することができる。
【0051】
大腿骨頭の枢動点、したがって機械軸の枢動点の座標を決定するために、脚が動かされ得る(たとえば、揺らされ得る)。
図6および
図7は、大腿骨機械軸の位置合わせのための様々な位置における大腿骨を示す。大腿骨は、近位点を決定するために任意の方法で移動され得る。いくつかの方法において、基準センサー400は、大腿骨の機械軸を決定することができる。たとえば、脚は、外科用配向デバイス300および/または基準センサー400が大腿骨治具アセンブリ102に結合された状態で、複数の異なる方向におよび/または平面上で移動され得る。大腿骨の角速度および加速度などの読み取り値(「外科用配向デバイス300および/または基準センサー400データ」)は、脚および大腿骨の機械軸(「大腿骨機械軸」)の配置および/または配向が求められるまで、外科用配向デバイス300および/または基準センサー400によって取得され得る。一実施形態において、1つまたは複数の多軸(たとえば、3軸)加速度計およびジャイロスコープが使用される場合、大腿骨の各移動に対する外科用配向デバイス300および/または基準センサー400のデータは、時間に関して数値積分され、それにより位置および速度点の軌跡を取得することができる。
【0052】
脚の移動時に外科用配向デバイス300および/または基準センサー400によって感知された加速度および角速度は、脚がその枢動点を中心に移動される間に処理され得る。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、外科用配向デバイス300および/または基準センサー400の慣性センサー軸に関する回転の中心を表す出力ベクトルを提供することができる。脚は、慣性データがマイクロプロセッサによって処理されている間にその枢動点を中心に移動さされ得る。マイクロプロセッサ上に実装されたアルゴリズムは、慣性データをリアルタイムで処理し、脚が静止しているかまたは動的に動いているかを決定することができる。枢動点を決定するために、一方または両方の状態からのデータがアルゴリズムによって使用され得る。
【0053】
本明細書において説明されている大腿骨機械軸の配置および/または配向を計算する方法、および一般的に枢動点に基づく任意の軸の配置および/または配向を計算する方法は、医学的手技において遭遇する外部測定の負担の大きい、時には不可能に近い拘束なしに枢動点配置および曲率半径の正確な決定を提供することができる。たとえば、方法は、大腿骨の頭部の場合のように、端部関節が典型的に隠されているかまたは観察不可能であるブラインド状況における枢動点の計算を可能にすることができる。
【0054】
図5は、また、脛骨準備システム200を例示している。脛骨準備システム200は、脛骨を貫通する脛骨機械軸を計算するために使用され得る。いくつかの実施形態において、脛骨準備システム200は、近位脛骨切除で天然の脛骨を修正するために使用されるものとしてよく、人工装具コンポーネントが脛骨の近位端に確実に装着されることを可能にする。脛骨準備システム200は、1つまたは複数の回数の切除を円滑にするための切断ブロックまたはガイドを支持することができる。本明細書において説明されているように、脛骨準備システム200は、人工膝関節全置換術または人工膝関節単顆置換術用に設計され得る。
【0055】
脛骨準備システム200は、脛骨治具アセンブリ202を備えることができる。脛骨治具アセンブリ202は、基準センサー400を脛骨治具アセンブリ202に結合するために使用され得る基準センサーデバイスインターフェース204を備えることができる。脛骨治具アセンブリ202は、外科用配向デバイス300を脛骨治具アセンブリ202に結合するために使用され得る外科用配向デバイスインターフェース206を備えることができる。
【0056】
外科用配向デバイスインターフェース206は、有利には、外科用配向デバイス300が外科的手技において脛骨治具アセンブリ202と素早く結合され、結合解除されることを可能にし得る。これは、外科用配向デバイス300が、大腿骨治具アセンブリ102と脛骨治具アセンブリ202との間で移動することなど、モジュール方式で使用され得る。
【0057】
基準センサーデバイスインターフェース204は、有利には、基準センサー400が、外科的手技において脛骨治具アセンブリ202と素早く結合され、結合解除されることを可能にし得る。これは、基準センサー400が、大腿骨治具アセンブリ102と脛骨治具アセンブリ202との間で移動することなど、モジュール方式で使用され得る。
【0058】
基準センサー400は、好ましくは、膝関節置換術の間、基準センサー400が脛骨の移動に追従し、一般的に脛骨に関して独立して動かないように、脛骨治具アセンブリ202と結合され得る。基準センサーデバイスインターフェース204の構成は、脛骨治具アセンブリ202の他のコンポーネントの下に基準センサー400を低い高さで装着することを可能にすることができ、それにより基準センサー400は脛骨治具アセンブリ202の少なくとも1つの可動コンポーネントと患者の脛骨との間に配置され得る。
【0059】
脛骨の機械軸の近位点を特定するためのいくつかの技術において、脛骨の近位端部分は、任意の従来の外科技術を使用して露出される。次いで、脛骨および大腿骨は、
図5に示されているように、約90度の屈曲状態にされ得る。脚を他の屈曲度にすることも可能である。次いで、脛骨治具アセンブリ202の固定ピンの一部を受け入れるための小孔が、適切な解剖学的配置で任意の従来の外科技術を使用してドリルで形成され得る。
【0060】
脛骨治具アセンブリ202は、中線基準プローブアセンブリ210を含むことができる。中線基準プローブアセンブリ(図示せず)は、近位脛骨の適切な解剖学的配置に位置決めされ得る。いくつかの方法において、解剖学的配置は、前十字靭帯(「ACL」)の挿入部の直後の点であってよい。いくつかの方法において、解剖学的配置は、前十字靭帯(「ACL」)の挿入部の近くの配置であってよい。いくつかの方法において、解剖学的配置は、通常機械軸のA/P点と称される脛骨の上の軟部点とすることができる。この点は、一般的に、脛骨の上の脛骨顆間隆起に沿って配置されており、脛骨の機械軸に沿った点の配置をマークする。いくつかの方法において、解剖学的配置は、任意の好適な解剖学的ランドマークであってよい。いくつかの方法において、中線基準プローブアセンブリ210は、解剖学的配置の上に静止しているものとしてよい。
【0061】
いくつかの方法において、脛骨治具アセンブリ202は、脛骨の近位端部分からオフセットされ得る。脛骨治具アセンブリ202が脛骨に結合され、中線基準プローブアセンブリが位置決めされた後、この方法は、オフセットを確立するために基準マーキングによって提供される距離のしるしと、基準マーキングに関する中線基準プローブアセンブリの配置と、を書き留めるステップを含むことができる。オフセットは、外科用配向デバイス300に入力され得る。このオフセットは、脛骨の近位点の決定を円滑にすることができる。ここまでの方法において、脛骨の機械軸に対応する近位点は、脛骨の中心を特定するために脛骨治具アセンブリ202の一部を使用することによって近似させることができる。
【0062】
いくつかの方法において、脛骨治具アセンブリ202は、細長部材214とプローブ部材216とを備えるプローブアセンブリ212を含むことができる。プローブ部材216は、たとえば患者の足首の踝などの解剖学的ランドマークに接触するように構成され得る。外科用配向デバイス300は、プローブアセンブリ212の移動が外科用配向デバイス300の対応する移動を引き起こすようにプローブアセンブリ212に結合され得る。それによって、外科用配向デバイス300は、プローブアセンブリ212が遠位点に接触するときにプローブアセンブリ212の配向を追跡することができる。
【0063】
方法は、脛骨を通過する機械軸の配置を決定するためにランドマークを取得するステップをさらに含むことができる。たとえば、ランドマークは、プローブアセンブリ212のプローブ部材216を第1の基準位置で内踝に係合させることによって取得され得る。たとえば、ランドマークは、プローブアセンブリ212のプローブ部材216を第2の基準位置で外踝に係合させることによって取得され得る。踝の取得は、プローブ部材216が足首の側部に接触するようにプローブアセンブリ212および/または脛骨治具アセンブリ202の1つもしくは複数の部分を揺動させることによって達成され得る。その後、外科用配向デバイス300は、脛骨機械軸の配置を決定することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、脛骨機械軸を貫通する矢状面および冠状面を配置することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、脛骨機械軸がプローブ部材216と接触する2つの踝点の間の中ほどにある点を通って近位脛骨と中線プローブアセンブリ210との接点から延在すると仮定することによって機械軸の配置を計算することができる。
【0064】
ランドマーク取得毎に、ユーザは足首を触診することができる。踝の配置がプローブ部材216と接触した後、ユーザは、外科用配向デバイス300上のユーザ入力部を押して外科用配向デバイス300に基準位置における外科用配向デバイス300の配向を決定させることができる。たとえば、外科用配向デバイス300は、第1の基準位置および第2の基準位置のところで外科用配向デバイス300の内側のセンサーから収集されたデータに基づき外科用配向デバイス300の現在の配向を位置合わせし、かつ/または計算することができる。第1の基準位置および第2の基準位置における外科用配向デバイス300の配向は、脛骨の機械軸を含む脛骨を貫通する冠状面の配向を識別するために使用され得る。第1の基準位置および第2の基準位置における外科用配向デバイス300の配向は、脛骨の機械軸を含む矢状面の配置および/または配向を識別するために使用され得る。
【0065】
いくつかの方法において、脛骨の機械軸が決定される。脛骨および大腿骨は、
図4に示されているように、屈曲した状態にあるものとしてよい。外科用配向デバイス300は、脛骨準備システム200上に位置決めされ得る。基準センサー400は、脛骨準備システム200上に位置決めされ得る。ランドマーク位置合わせの際に、外科用配向デバイス300は、屈曲した状態にある脛骨の機械軸を決定する。基準センサー400は、脛骨の位置を追跡することができる。外科用配向デバイス300は、脛骨機械軸を記憶する。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、中線プローブアセンブリ210の接点と、およびプローブ部材216と接触する2つの踝点の間の中ほどにある点と、から延在する機械軸を決定する。
【0066】
いくつかの方法において、大腿骨の機械軸が決定される。脛骨および大腿骨は、
図3に示されているように、屈曲した状態にあるものとしてよい。外科用配向デバイス300は、脛骨準備システム200上に位置決めされ得る。基準センサー400は、大腿骨準備システム100上に位置決めされ得る。ランドマーク位置合わせの際に、基準センサー400は、屈曲した状態にある大腿骨の機械軸を決定することができる。外科用配向デバイス300は、大腿骨機械軸を記憶する。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、顆間切痕のおおよその中心と回転中心との接点から延在する機械軸を決定する。いくつかの方法において、脛骨の機械軸は、大腿骨の機械軸の前に決定される。他の方法では、大腿骨の機械軸は、脛骨の機械軸の前に決定される。
【0067】
いくつかの方法において、脚は、肢アライメント測定のために伸展状態に移行される。脚は、
図6において伸展した状態で示されている。外科用配向デバイス300は、脛骨準備システム200上に位置決めされ得る。基準センサー400は、大腿骨準備システム100上に位置決めされ得る。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400の一方は、大腿骨準備システム100上に位置決めされ、外科用配向デバイス300および基準センサー400の他方は、脛骨準備システム200上に位置決めされる。
【0068】
外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脚が伸展状態に移行される前に脛骨および大腿骨の機械軸を決定した。外科用配向デバイス300は、機械軸を記憶した。脛骨および大腿骨の機械軸は、ベクトルとして記憶され得る。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脚が伸展状態にあるときに固定基準フレームに関する脛骨の機械軸の配向の変化を感知するように構成される。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脚が伸展状態にあるときに固定基準フレームに関する大腿骨の機械軸の配向の変化を感知するように構成される。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、機械軸の配向の変化を感知するように構成されている。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脚が伸展状態にあるときに脛骨および大腿骨の機械軸の配向の変化を感知する。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脚が屈曲状態にあるときに脛骨および大腿骨の機械軸の配向に関して脚が伸展状態にあるときの脛骨および大腿骨の機械軸の配向の変化を感知する。脚は、
図7において屈曲状態で示されている。
【0069】
脛骨および大腿骨の機械軸の配向の変化は、脛骨および大腿骨の機械軸の間の内反/外反角度を決定することができる。脛骨および大腿骨の機械軸の配向の変化は、脛骨および大腿骨の機械軸の間の屈曲/拘縮角度を決定することができる。脛骨および大腿骨の機械軸の配向の変化は、冠状面において測定され得る。脛骨および大腿骨の機械軸の配向の変化は、矢状面において測定され得る。
【0070】
外科用配向デバイス300および基準センサー400の相対的位置決めは、機械軸同士の間の角度付けを決定することができる。内反/外反は、内側方向および/または外側方向への回転運動を含む。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、肢アライメント測定に使用できる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、股関節窩内の大腿骨の回転中心から大腿骨の遠位部分上のランドマークまで延在する機械軸を決定することができる。大腿骨のプラトーは、大腿骨機械軸に垂直な平面とすることができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脛骨の近位部分上のランドマークから患者の足首上の踝の間の中点まで延在する機械軸を決定することができる。脛骨のプラトーは、脛骨機械軸に垂直な平面とすることができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、プラトー同士の間の角度を決定することができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、プラトー同士の間の内反/外反角度を決定することができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、プラトー同士の間の屈曲/拘縮角度を決定することができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、1つまたは複数の平面に関する角度を決定することができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、1つまたは複数の解剖学的平面に関する角度を決定することができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、3次元座標系における位置に基づき角度を決定することができる。
【0071】
いくつかの方法において、機械軸は、切除の前に決定される。いくつかの方法において、脛骨および大腿骨機械軸のアライメントは、切除の前に決定される。いくつかの方法において、脚は、切除前に肢アライメント測定のために伸展状態に移行される。屈曲と伸展との間の脛骨および大腿骨機械軸の配向の変化は、記憶され得る。脛骨および大腿骨機械軸の配向は、x線などのイメージング技術から取得された術前測定値と比較され得る。脚は、切除のために伸展状態から屈曲状態に移動され得る。屈曲状態の脚が、
図7に示されている。外科医は、切除に進むことができる。大腿骨準備システム100は、切断ガイドに結合され得る。脛骨準備システム200は、切断ガイドに結合され得る。外科用配向デバイス300は、切断ガイドに結合され得る。基準センサー400は、切断ガイドに結合され得る。いくつかの実施形態において、切除は、人工膝関節置換のために行う。いくつかの実施形態において、切除は、部分的膝関節置換のために行われる。切断ガイドの追加の詳細は、すべての目的に関して内容全体が参照により本明細書に組み込まれている2009年7月24日に出願した特許文献1、2011年1月21日に出願した特許文献2、2011年5月24日に出願した特許文献3、2014年11月5日に出願した特許文献4、および2014年11月14日に出願した特許文献5において開示されている。
【0072】
いくつかの方法において、脛骨および大腿骨機械軸のアライメントは、切除の前に決定されない。外科医は、機械軸が決定された後、切除に進むことができる。外科医は、機械軸が外科用配向デバイス300によって記憶された後、切除に進むことができる。脚は、屈曲状態のままであり得る。脚は、機械軸の位置合わせおよび切除のために屈曲した状態で位置決めされ得る。
【0073】
いくつかの方法において、脛骨および大腿骨機械軸のアライメントは、切除の後に決定される。いくつかの方法において、脛骨および大腿骨機械軸のアライメントは、切除の前後に決定される。いくつかの方法において、脛骨および大腿骨機械軸のアライメントは、切除の後でのみ決定される。いくつかの方法において、脚は、切除後に肢アライメント測定のために伸展状態に移行される。屈曲時の脛骨および大腿骨機械軸に関する伸展時の脛骨および大腿骨の機械軸の配向の変化が決定され得る。脛骨および大腿骨機械軸の配向の変化は、x線などのイメージング技術から取得された術前測定値と比較され得る。脚は、さらなる切除のために伸展状態から屈曲状態に移動され得る。
【0074】
図8および
図9は、外科用配向デバイス300および基準センサー400のキャリブレーションを例示している。いくつかの方法において、脚は、キャリブレーションのために伸展状態にある。いくつかの方法において、脚は、キャリブレーションのために屈曲状態にある。いくつかの方法において、キャリブレーションは任意選択である。いくつかの方法において、脛骨および大腿骨の機械軸の決定の後に、外科用配向デバイス300および基準センサー400がキャリブレーションされる。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、肢アライメント測定の前にキャリブレーションされる。外科用配向デバイス300は、キャリブレーションのために脛骨準備システム200上に位置決めされ得る。基準センサーデバイス400は、キャリブレーションのために脛骨準備システム200上に位置決めされ得る。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脛骨準備システム200に装着されるときに互いに関して既知の配向であるものとしてよい。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、ゼロ点調整され得る。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、ドリフトによって引き起こされる誤差を低減することができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、基準センサー400が肢アライメント計算のために大腿骨準備システム100上に位置決めされる前にキャリブレーションされ得る。基準センサー400は、キャリブレーション後に大腿骨準備システム100に戻され得る。大腿骨準備システム100および脛骨準備システム200は、基準センサー400を治具アセンブリ102、202に結合するために使用され得る基準センサーデバイスインターフェース104、204を備えることができる。
図7および
図8は、基準センサーデバイスインターフェース104、204の一実施形態を例示している。
【0075】
図10Aは、モジュール500の位置合わせを例示している。外科用配向デバイス300は、脛骨治具アセンブリ202に結合され得る。基準センサー400は、脛骨治具アセンブリ202に結合され得る。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、脛骨に関して静止状態に留まる。いくつかの実施形態において、モジュール500が提供される。モジュール500は、本明細書において説明されている外科用配向デバイス300および基準センサー400の特徴のいずれかを含むことができる。モジュール500は、本明細書において説明されている任意のセンサーを備えることができる。いくつかの実施形態において、基準センサー400およびモジュール500は、同じ構成を有する。いくつかの実施形態において、基準センサー400およびモジュール500は、異なる構成を有する。いくつかの方法において、基準センサー400およびモジュール500は両方とも利用される。いくつかの方法において、基準センサー400は利用されるが、モジュール500は利用されない。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、モジュール500の代わりに任意の方法で利用され得る。いくつかの実施形態において、モジュール500は、基準センサー400の代わりに任意の方法で利用され得る。
【0076】
脛骨治具アセンブリ202は、モジュール500のキャリブレーションのために部分的にまたは完全に組み立てられ得る。外科用配向デバイス300は、脛骨治具アセンブリ202の可動部分に結合され得る。基準センサー400は、脛骨治具アセンブリ202の固定部分または静止部分に結合され得る。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脛骨機械軸を位置決めするときにこれらのデバイスが結合されたのと同じ方法で脛骨治具アセンブリ202に結合され得る。脛骨治具アセンブリ202は、モジュール500を脛骨治具アセンブリ202に結合するために使用され得るモジュールインターフェース250を備えることができる。
【0077】
モジュール500は、脛骨治具アセンブリ202に結合され得る。いくつかの実施形態において、モジュール500は、脛骨治具アセンブリ202の可動部分と結合する。いくつかの実施形態において、モジュール500は、脛骨治具アセンブリ202の、外科用配向デバイス300と同じ可動部分に結合する。外科用配向デバイス300とモジュール500との間の角度は、キャリブレーション時に固定され得る。モジュール500は、外科用配向デバイス300に関してキャリブレーションされ得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、モジュール500は、脛骨治具アセンブリ202の固定部分と結合する。いくつかの実施形態において、モジュール500は、脛骨治具アセンブリ202の、基準センサー400と同じ固定部分に結合する。基準センサー400とモジュール500との間の角度は、キャリブレーション時に固定され得る。モジュール500は、基準センサー400に関してキャリブレーションされ得る。
【0079】
いくつかの方法において、脚は、
図7Aに示されているように伸展状態に移行される。モジュール500は、基準センサー400および/または外科用配向デバイス300に対して位置合わせされるか、またはキャリブレーションされる。いくつかの方法において、モジュール500は、位置合わせの際に、脛骨治具アセンブリ202上に静止した状態に保たれる。いくつかの方法において、モジュール500は、脛骨に対して固定され得る。いくつかの方法において、モジュール500は、位置合わせの際に、脛骨治具アセンブリ202の可動部分に結合される。モジュール500は、位置合わせの際に、基準センサー400に対して移動され得る。いくつかの方法において、脚は、位置合わせの際に、静止状態に保持される。いくつかの方法において、脛骨は、位置合わせの際に、静止状態に保持される。いくつかの方法において、モジュール500のセンサーは、位置合わせの際に、起動される。いくつかの方法において、ジャイロ積分は、位置合わせの際に開始される。
【0080】
図10Bに示されているように、モジュール500は、肢アライメントおよび隙間測定時に大腿骨に移動され得る。いくつかの方法では、モジュール500は、脛骨治具アセンブリ202上の配置から大腿骨治具アセンブリ102上の配置へ移動される。
図7Bは、肢アライメントおよび隙間測定時の外科用配向デバイス300、基準センサー400、モジュール500の位置を例示している。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、脛骨治具アセンブリ202の可動部分に結合され得る。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、脛骨治具アセンブリ202の固定部分に結合され得る。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、脛骨治具アセンブリ202の固定部分に結合され得る。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、可動治具アセンブリ202の固定部分に結合され得る。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、肢アライメントおよび隙間測定の際に脛骨の位置を追跡する。いくつかの実施形態において、配向デバイス300は、肢アライメントおよび隙間測定の際に基準センサー400から情報を受信した。いくつかの実施形態において、配向デバイス300は、肢アライメントおよび隙間測定の際にモジュール500から情報を受信した。
【0081】
いくつかの方法において、モジュール500は、肢アライメントおよび隙間測定の際に大腿骨治具アセンブリ102と結合することができる。いくつかの実施形態において、モジュール500は、大腿骨治具アセンブリ102の固定部分と結合する。いくつかの実施形態において、モジュール500は、大腿骨治具アセンブリ102の可動部分と結合する。いくつかの方法において、モジュール500は、肢アライメントおよび隙間測定の際に大腿骨の位置を追跡する。
【0082】
いくつかの実施形態において、基準センサー400は、肢アライメントおよび隙間測定の間に大腿骨に移動され得る。いくつかの方法において、基準センサー400は、脛骨治具アセンブリ202上の配置から大腿骨治具アセンブリ102上の配置へ移動される。外科用配向デバイス300は、脛骨治具アセンブリ202に結合され得る。モジュール500は、脛骨治具アセンブリ202と結合され得る。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、肢アライメントおよび隙間測定の際に脛骨の位置を追跡する。いくつかの実施形態において、配向デバイス300は、肢アライメントおよび隙間測定の際に基準センサー400から情報を受信した。いくつかの実施形態において、配向デバイス300は、肢アライメントおよび隙間測定の際にモジュール500から情報を受信した。
【0083】
いくつかの方法において、基準センサー400は、肢アライメントおよび隙間測定の際に大腿骨治具アセンブリ102と結合することができる。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、大腿骨治具アセンブリ102の固定部分と結合する。いくつかの方法において、基準センサー400は、肢アライメントおよび隙間測定の際に大腿骨の位置を追跡する。
【0084】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、肢アライメントおよび隙間測定の際に脛骨および大腿骨の位置を追跡することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、脛骨を追跡する。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、大腿骨を追跡する。いくつかの実施形態において、モジュール500は、大腿骨を追跡する。他の構成も企図されている。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、脛骨の位置および配向を追跡することができる。いくつかの実施形態において、モジュール500は、脛骨の位置および配向を追跡することができる。ユーザは、基準センサー400およびモジュール500からリアルタイムで位置および/または配向信号を得ることができる。ユーザは、リアルタイムで肢アライメント測定値を得ることができる。いくつかの実施形態において、脛骨および大腿骨の追跡は、時間的に制限される。いくつかの実施形態において、脛骨および大腿骨の追跡は、再キャリブレーションが必要になるまでの時間に関して制限される。再キャリブレーションは、モジュール500を位置合わせするか、またはキャリブレーションするための本明細書において説明されているステップのいずれかを含むことができる。
【0085】
いくつかの方法において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、脛骨および大腿骨の位置に基づき静的測定値を受け取る。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、可動域内の脛骨および大腿骨の位置に基づき動的測定を行う。いくつかの実施形態において、外反応力が脛骨に印加され、中立位置に戻され得る。脛骨が中立位置に戻される前に、任意の程度の応力が印加され得る。脚は外転され得る。臨床医が抵抗を感じるまで負荷が印加され得る。移動の他の範囲および程度もあり得る。いくつかの実施形態において、脚は、ホームポジションからホームポジションに戻る1つの一般的ループ動作で振られるものとしてよく、ループ動作は、脚の外転および脚上げの両方を引き起こす。いくつかの実施形態において、脛骨および大腿骨は、約90度の屈曲で留置され得る。いくつかの実施形態において、脛骨および大腿骨は、完全な伸展状態に留置され得る。脚を他の屈曲度にすることも可能である。脚の他の移動も企図されている。
【0086】
いくつかの実施形態において、
図10Bに示されているように、基準センサー400は脛骨を追跡することができ、モジュール500は大腿骨を追跡することができる。他の構成も企図されている。他の実施形態では、基準センサー400は、肢アライメントおよび隙間測定の際に大腿骨治具アセンブリ102に結合され得る。モジュール500は、脛骨治具アセンブリ202と結合され得る。いくつかの実施形態において、基準センサー400およびモジュール500の一方は、脛骨に結合し、基準センサー400およびモジュール500の他方は、大腿骨に結合する。
【0087】
外科用配向デバイス300および基準センサー400を伴う他の実施形態において、外科用配向デバイス300は、脛骨治具アセンブリ202の固定部分に移動され得るか、または外科用配向デバイス300が装着されている脛骨治具アセンブリ202の部分は、クランプまたは他の係止デバイスを起動させることによって固定され得る。基準センサー400は、脛骨治具アセンブリ202の固定部分に結合され得る。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、互いに対して位置合わせされ得る。外科用配向デバイス300は、肢アライメントおよび隙間測定の際に大腿骨治具アセンブリ102の固定部分に移動され得る。いくつかの実施形態において、肢アライメントおよび隙間測定の際に、外科用配向デバイス300および基準センサー400のうちの一方は脛骨に結合し、外科用配向デバイス300および基準センサー400のうちの他方は大腿骨に結合する。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400のみが、肢アライメントおよび隙間測定において利用される。
【0088】
いくつかの方法において、外科医は、靭帯の隙間バランシングを評価するために弛緩テストを実行することができる。基準センサー400およびモジュール500は、
図10Bに示されている肢アライメントおよび弛緩テストのために同じ位置にあるものとしてよい。いくつかの実施形態において、モジュール300は、脛骨の位置および/または配向を追跡することができる。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、大腿骨の位置および/または配向を追跡することができる。いくつかの実施形態において、モジュール500は、大腿骨の位置および/または配向を追跡することができる。
【0089】
図11は、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500のうちの少なくとも2つによる隙間バランシング評価を例示している。隙間評価中、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500のうちの1つまたは複数が脛骨に取り付けられる。隙間評価中、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500のうちの1つまたは複数は、大腿骨に取り付けられる。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、肢アライメント測定の前に隙間バランシングを実行する。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、肢アライメント測定の後に隙間バランシングを実行する。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、肢アライメント測定のために脚が伸展状態にあるときに隙間バランシングを実行する。
図11において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、アイコンとして示されている。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300は、脛骨上に位置決めされる。いくつかの方法において、基準センサー400は、大腿骨上に位置決めされる。いくつかの方法において、基準センサー400は脛骨上に位置付けられ、モジュール500は大腿骨上に位置付けられ得るか、またはその逆である。いくつかの方法において、基準センサー400および外科用配向デバイス300が利用される。基準センサー400は脛骨上に位置付けられ、外科用配向デバイス300は大腿骨上に位置付けられ得るか、またはその逆が可能である。いくつかの方法において、モジュール500および外科用配向デバイス300が利用される。モジュール500は、大腿骨上に位置決めされ得、外科用配向デバイス300は、脛骨上に位置決めされ得るか、またはその逆である。いくつかの方法において、脛骨機械軸は、隙間バランシング評価の前に計算されており、大腿骨機械軸は、隙間バランシング評価の前に計算されている。いくつかの方法において、切除は、隙間バランシング測定の前に実行されている。いくつかの方法において、肢アライメント測定は、隙間バランシング測定の前に実行されている。
【0090】
隙間測定時に、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500のうちの少なくとも1つは、脛骨の位置および/または配向を追跡することができる。隙間測定時に、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500のうちの少なくとも1つは、大腿骨の位置および/または配向を追跡することができる。隙間測定時に、基準センサー400は、脛骨の位置および/または配向を追跡することができ、モジュール500は、
図11に示されている配置構成で大腿骨の位置および/または配向を追跡することができる。いくつかの方法において、隙間バランシングは、トライアルインプラントまたはインプラントを用いて実行される。いくつかの方法において、隙間バランシングは、脛骨と大腿骨との間に位置決めされた少なくとも1つのインプラントを用いて実行される。脚は、伸展状態で位置決めされ得る。基準センサー400とモジュール500との間の角度は、顆が接触している状態で決定され得る。この角度は、0度として位置合わせすることができる。脛骨および大腿骨は、可動域内に通され得る。いくつかの実施形態において、内反力が脛骨に印加され、脛骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500と、大腿骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500と、の間の角度が決定され得る。いくつかの実施形態において、力が脛骨に印加され、脛骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500と、大腿骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500と、の間の角度が決定される。いくつかの実施形態において、内反力が脛骨に印加され、脛骨上の外科用配向デバイス300と大腿骨上の基準センサー400との間の角度が決定され得る。顆頭間距離は、知ることができる。顆頭間距離は、x線画像など、画像から決定され得る。顆頭間距離は、手術時に測定され得る。この距離は、外科用配向デバイス300への入力とすることができる。例示されている例では、顆頭間距離は55mmである。内反力による隙間は、既知の印加された内反力と顆頭間距離とに基づく幾何学的関係に基づき決定され得る。
【0091】
隙間評価時に、脛骨および大腿骨は、外反力が印加されると可動域に通され得る。いくつかの実施形態において、外反力が脛骨に印加され、脛骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500と、大腿骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500と、の間の角度が決定され得る。いくつかの実施形態において、脛骨に力が印加される。力が印加されたときに、脛骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500と、大腿骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500と、の間の角度が決定される。いくつかの実施形態において、外反力が脛骨に印加され、脛骨上の外科用配向デバイス300と大腿骨上の基準センサー400との間の角度が決定され得る。顆頭間距離は、知ることができる。外反力による隙間は、内反力による隙間と同じ方式で幾何学的関係に基づき決定され得る。
【0092】
隙間は、力を印加し、大腿骨機械軸と脛骨機械軸との角度の変化を測定することによって計算され得る。この角度と顆頭間距離とは、隙間の推定値をもたらし得る。いくつかの方法において、ユーザは、内反トルクを印加する。いくつかの方法において、ユーザは、外反トルクを印加する。いくつかの方法において、ユーザは、内反トルク、次いで外反トルクを印加する。いくつかの方法において、ユーザは、外反トルク、次いで内反トルクを印加する。いくつかの方法において、ユーザは、伸展状態の膝に内反および/または外反力を印加する。いくつかの方法において、ユーザは、屈曲状態の膝に内反および/または外反力を印加する。いくつかの方法において、ユーザは屈曲および伸展状態で内反力を印加する。いくつかの方法において、ユーザは屈曲および伸展状態で外反力を印加する。
【0093】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500のうちの1つまたは複数は、隙間距離を計算することができる。隙間距離は、脛骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400および/またはモジュール500と、大腿骨上の外科用配向デバイス300、基準センサー400および/またはモジュール500と、の間の測定済み角度の積である。隙間距離は、既知の顆頭間距離の積である。いくつかの実施形態において、動的な隙間高さは、内側/外側靭帯張力に対する洞察をもたらす。隙間高さは、軟部組織バランシングに関する洞察をもたらすことができる。隙間測定は、切除の前に評価され得る。隙間は、切除後に評価され得る。隙間は、切除前および切除後に評価され得る。隙間は、複数のインプラントまたはトライアルインプラントを用いて評価され得る。
【0094】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、膝関節手技で使用される解剖学的ランドマークの配置を測定し記録するために使用され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、脛骨の機械軸の近位点または遠位点の配置を決定するために使用され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、大腿骨の機械軸の近位点または遠位点の配置を決定するために使用され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、肢バランシング測定を実行するために使用され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、隙間バランシング測定を実行するために使用され得る。これらの測定は、肢アライメントを定量化し、インプラント選択を改善し、かつ/またはインプラント配置を改善することによって、患者の転帰を改善することができる。
【0095】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、1つまたは複数の慣性センサーを備えることができる。慣性センサーは、肢アライメントおよび隙間測定の時に脛骨および大腿骨の配向および/または位置を追跡することができる。外科用配向デバイス300内のセンサーおよび基準センサー400は、大腿骨の機械軸および脛骨の機械軸を決定することができる。これらの機械軸は、所望の切除のために切断ブロックをガイドすることができる。これらの機械軸は、肢バランシング測定にも利用することもできる。これらの機械軸は、隙間測定にも利用することもできる。
【0096】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、加速度計、ジャイロスコープ、またはこれらのセンサーと他のセンサーとの組合せなど、少なくとも1つの慣性センサーを含むことができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、光学式トラッカー以外のセンサーを利用することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、加速度を測定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、速度を測定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、取り付け先の骨の物理的特性を測定することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、重力に対する配向を検出するための3軸加速度計と、回転を検出するための複数のジャイロスコープと、を備えることができる。他のセンサーは、様々な修正で使用されることも可能である。
【0097】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、一緒になって慣性測定ユニット(IMU)を形成する1つまたは複数のセンサーを含むことができる。いくつかの実施形態において、IMUは、加速度を決定するための第1のセンサーと、ジャイロ位置決めを決定するための第2のセンサーと、を備えることができる。本明細書において説明されているように、第1のセンサーは加速度計とすることができ、第2のセンサーはジャイロスコープセンサーとすることができる。いくつかの実施形態において、センサーは、3軸ジャイロスコープセンサーおよび3軸加速度センサーを含むことができる。
【0098】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500内のセンサーは、好ましくは、それらの間で、場合によってはコンピュータ、タブレット、および/またはスマートフォンなどの外部デバイス、ならびに外部ディスプレイとの間でデータを転送する。外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、手術野内に配置され得る。外部デバイスは、手術野内に、または手術野外に配置されてもよい。外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、Bluetooth(登録商標)、wifi(登録商標)、または他の標準的な無線テレメトリープロトコルを使用して、データをワイヤレス方式で転送することができる。
【0099】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、データを送信し、かつ/またはデータを受信するための送信機を含むことができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、基準センサー400およびモジュール500からデータを受信することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、データを送信するため、または外部出力デバイスからデータを受信するための送信機を含むことができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、基準センサー400およびモジュール500にデータを送信することができる。いくつかの実施形態において、基準センサー400およびモジュール500は、それらの間でデータを送信することができる。
【0100】
基準センサー400およびモジュール500からの情報は、たとえば、肢アライメントおよび/または隙間測定時に脛骨および大腿骨の位置および/または配向に対応することができる。基準センサー400およびモジュール500からの情報は、たとえば、隙間測定時に脛骨および大腿骨の位置および/または配向に対応することができる。基準センサー400からの情報は、たとえば、可動域の間の脛骨機械軸の位置および/または配向に対応することができる。基準センサー400からの情報は、たとえば、力が印加されている間の脛骨機械軸の位置および/または配向に対応することができる。モジュール500からの情報は、たとえば、可動域の間の大腿骨機械軸の位置および/または配向に対応することができる。モジュール500からの情報は、たとえば、力が印加されている間の大腿骨機械軸の位置および/または配向に対応することができる。
【0101】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、インジケータを備えることができる。インジケータは、それぞれのデバイスの前面上に配置され得る。インジケータは、それぞれのデバイスの外側面上に配置され得る。インジケータは、それぞれのデバイスがオンになっていることを示す光またはLEDであってよい。インジケータは、それぞれのデバイスが移動を感知していることを示す光またはLEDであってよい。インジケータは、それぞれのデバイスの外側ハウジングとは別のコンポーネントであり得るか、またはそれぞれのデバイスの外側ハウジング上に、または外側ハウジング内で一体化され得る。
【0102】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、ディスプレイを備えることができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、ディスプレイを備える。ディスプレイは、医学的手技を行っている間にユーザがディスプレイ上の数字、レタリング、および/または記号を容易に読み取ることができるようなサイズにされ得る。ディスプレイは、ユーザが指示を受け取ることができるようなサイズとすることができる。ディスプレイは、ユーザが測定データを閲覧することができるようなサイズにされ得る。
【0103】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、ユーザ入力デバイスを備えることができる。ユーザ入力デバイスは、それぞれのデバイスの前面上に配置され得る。ユーザ入力デバイスは、それぞれのデバイスの外側面上に配置され得る。ユーザ入力デバイスは、タッチスクリーンを備え得る。ユーザ入力デバイスは、1つまたは複数のボタンを備え得る。ユーザ入力デバイスは、1つまたは複数のスイッチを備え得る。ユーザ入力デバイスは、1つまたは複数のスクロールホイールを備え得る。ユーザ入力デバイスは、たとえば、指、手、および/または器具によって起動され、それぞれのデバイスの動作の1つもしくは複数のモードを選択することができる。ユーザ入力デバイスは、それぞれのデバイスの外側ハウジングとは別のコンポーネントであり得るか、またはそれぞれのデバイスの外側ハウジング上に、または外側ハウジング内で一体化され得る。いくつかの実施形態において、ユーザ入力デバイスは、ハウジングとは別個のコンポーネントである。たとえば、ユーザ入力デバイスは、有線またはワイヤレス接続を介してそれぞれのデバイスに結合されたリモート入力デバイスを含むことができる。それぞれのデバイスは、ユーザによる入力を受信する手段を備えることができる。
【0104】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、位置、配向、または移動を感知するように構成されている1つまたは複数の機能コンポーネントを備えることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、1つまたは複数の慣性センサーと通信する電子制御ユニットを備えることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、電源を備えることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、内部メモリを備えることができる。
【0105】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、外部メモリと通信することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、本明細書において説明されている外部出力デバイスと通信することができる。いくつかの実施形態において、外部出力デバイスは、外部メモリを備えることができる。外部メモリは、外部出力デバイスとは別個のコンポーネントであり得るか、または外部出力デバイス上にもしくは外部出力デバイス内に一体化され得る。外部出力デバイスは、外科医、医療従事者、および/または他のユーザが、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500を容易に、効率よく、正確に操作することを可能にすることができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500の電子制御ユニットは、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500の1つまたは複数のセンサーから入力を受け取る。電子制御ユニットは、出力を制御し、かつ/または外部メモリに送信することができる。電子制御ユニットは、出力を制御し、かつ/または外部出力デバイスに送信することができる。電子制御ユニットは、電子データを受信し、送信するように構成され得る。電子制御ユニットは、受信された電子データに基づき計算を実行するように構成され得る。電子制御ユニットは、送信機を備えることができる。電子制御ユニットは、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(商標)、wifi(登録商標)、または他の標準的な無線テレメトリープロトコルを使用して、データをワイヤレス方式で転送することができる。電子制御ユニットは、BlueTooth(登録商標)無線機を備えることができる。電子制御ユニットは、Bluetooth Low Energy(商標)無線機を備えることができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、ワイヤレスモジュールを備えることができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、少なくとも1つの加速度計、少なくとも1つのジャイロスコープ、およびワイヤレスモジュールを備える。
【0107】
特定の実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500の電子制御ユニットは、外部出力デバイスまたは外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/もしくはモジュール500のディスプレイ上での提示のために電子データを機械可読形式から人間可読形式に変換するように構成され得る。
【0108】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500の電子制御ユニットは、内部メモリと通信してデータを取り出し、かつ/または記憶することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500の電子制御ユニットは、外部メモリと通信してデータを取り出し、かつ/または記憶することができる。電子制御ユニットは、内部メモリおよび/または外部メモリと通信して、ソフトウェアおよび/またはハードウェアに対するプログラム命令を取り出すことができる。内部メモリおよび外部メモリは、情報の一時的記憶するためのスタティックRAMなどのランダムアクセスメモリ(「RAM」)および/または情報をより永続的に記憶するためのフラッシュメモリなどのリードオンリーメモリ(「ROM」)を含むことができる。外部メモリは、クラウドデータベースに一体化されてもよい。外部出力デバイスは、クラウドデータベースからデータを取り出すことができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、クラウドインテグレーションを介して外部メモリとインタラクティブにやり取りすることができる。外部メモリは、サーバであってよい。
【0109】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500の電子制御ユニットは、1つまたは複数のセンサーからリアルタイムデータを受信するように構成され得る。電子制御ユニットは、センサーデータを使用して、脛骨の機械軸を決定し、推定し、かつ/または計算するように構成され得る。電子制御ユニットは、センサーデータを使用して、大腿骨の機械軸を決定し、推定し、かつ/または計算するように構成され得る。電子制御ユニットは、センサーデータを使用して、脛骨の機械軸と大腿骨の機械軸との間のアライメントを決定し、推定し、かつ/または計算するように構成され得る。電子制御ユニット20は、センサーデータを使用して、肢アライメントを決定し、推定し、かつ/または計算するように構成され得る。電子制御ユニット20は、センサーデータを使用して、内反/外反力の下での隙間距離を決定し、推定し、かつ/または計算するように構成され得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500の1つまたは複数のセンサーは、患者の対応する解剖学的構造の動き、配向、および/または位置に関係するリアルタイムデータを電子制御ユニットに提供するように構成されている少なくとも1つの配向センサーを備えることができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のセンサーは、少なくとも1つのジャイロセンサー、加速度センサー、傾斜センサー、磁力計および/または他の同様の1つもしくは複数のデバイスを含み得る。1つまたは複数のセンサーは、脚の機械軸のアライメントを測定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のセンサーは、基準点、線、平面、および/または重力ゼロに対する測定値を提供するように構成され得る。本明細書において言及される重力ゼロは、一般的に、センサーの軸が重力の力に対して垂直であり、それによって、重力ベクトルに関する角度オフセット、たとえば、傾斜、ピッチ、ロール、またはヨーを生じない配向を指す。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のセンサーは、推測航法または慣性航法システムにおいて使用するための測定値を提供するように構成され得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、座標系に対するデータを収集することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、大域座標系に対して位置合わせすることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、大域座標系と同期することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、脛骨の機械軸を含む座標系に位置合わせすることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、大腿骨の機械軸を含む座標系に位置合わせすることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、原点を含む座標系に対して位置合わせすることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、立位側方フィルムまたはx線画像に関係する座標系に位置合わせすることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、前方/後方x線に関係する座標系に位置合わせすることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、キャリブレーションまたは位置合わせの際に決定された座標系に位置合わせすることができる。
【0112】
いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、肢アライメント測定時に脛骨の配向を決定することができる。いくつかの方法において、モジュール500は、肢アライメント測定の際に大腿骨の配向を決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、脛骨に対する大腿骨の配向を決定することができる。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、脛骨機械軸の配向を決定することができる。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、大腿骨機械軸の配向を決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、可動域を通るこれらの機械軸を追跡することができる。システムおよび方法は、大腿骨および脛骨のアライメントを含む、肢アライメントに関係する様々な測定値を決定することができる。システムおよび方法は、印加された力の下での隙間測定を含む、隙間に関係する様々な測定値を決定することができる。
【0113】
システムおよび方法は、全体的な内反/外反の肢アライメント角度を決定することができる。システムおよび方法は、脚が屈曲状態にある間、全体的な内反/外反の肢アライメント角度を決定することができる。システムおよび方法は、脚が伸展状態にある間、全体的な内反/外反の肢アライメント角度を決定することができる。システムおよび方法は、可動域を通る全体的な内反/外反の肢アライメント角度を決定することができる。内反/外反は、骨のシャフト内または関節での角度付けに関係する。外反は、関節の遠位部分がより外側にあることに関係し、内反は、関節の遠位部分がより内側にあることに関係する。
【0114】
正常な膝関節アライメントでは、脛骨および大腿骨の機械軸はおおよそアライメントされている。ミスアライメントがある場合、脛骨および大腿骨の機械軸の間に角度が生じる。内反では、内側顆にかかる圧縮力の方が外側顆にかかる圧縮力よりも大きくなる。外反では、外側顆にかかる圧縮力の方が内側顆にかかる圧縮力よりも大きくなる。
【0115】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、脛骨および大腿骨機械軸の間の関係を決定することによって全体的な内反/外反の肢アライメント角度を決定することができる。いくつかの方法において、これは、膝が屈曲状態にあるときの静的決定である。いくつかの方法において、これは、膝が伸展状態にあるときの静的決定である。いくつかの方法において、これは、膝が、たとえば屈曲から伸展へ、または伸展から屈曲への可動域に通されるときの動的な決定である。
【0116】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、全体的な内反/外反の肢アライメント角度を決定することができる。いくつかの方法において、この角度は、任意の切除の前に決定され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、術後に全体的な内反/外反の肢アライメント角度を決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルリダクション時に全体的な内反/外反の肢アライメント角度を決定することができる。1つまたは複数のトライアルインプラントは、脛骨と大腿骨との間に位置決めされ得る。膝は、可動域を通して位置決めされるか、または可動域を通され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルインプラントの各々について全体的な内反/外反の肢アライメント角度を決定することができる。目標の内反/外反の肢アライメントを達成するトライアルインプラントが選択され得る。トライアルインプラントに対応するインプラントが移植され得る。
【0117】
システムおよび方法は、最大伸展から最大屈曲までの全体的な変化を測定することによって可動域を測定することができる。システムおよび方法は、全体的な前方/後方(屈曲/伸展)肢アライメント角度を決定することができる。システムおよび方法は、脚が屈曲状態にある間に全体的な膝屈曲角度を決定することができる。システムおよび方法は、脚が伸展状態にある間に全体的な膝伸展角度を決定することができる。システムおよび方法は、可動域を通る全体的な前方/後方(屈曲/伸展)肢アライメント角度を決定することができる。膝屈曲は、足を大腿後部の方へ持っていくために膝関節を曲げることである。膝伸展は、膝関節をまっすぐにすることである。屈曲および伸展は、膝の関節運動に関係する。膝の正常な可動域は、約0°の伸展、および約140°の屈曲である。何人かの患者は、低減屈曲/伸展を有し得る。
【0118】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、屈曲状態で静的に肢アライメントを決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、伸展状態で静的に肢アライメントを決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、膝が可動域を通されるときに肢アライメントを動的に決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、脛骨および大腿骨機械軸の間の関係を決定することによって膝伸展角度および膝屈曲角度を決定することができる。
【0119】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、任意の切除の前に全体的な膝伸展角度および膝屈曲角度を決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、任意の切除の後に膝伸展角度および膝屈曲角度を決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルリダクション時に全体的な膝伸展角度および膝屈曲角度を決定することができる。1つまたは複数のトライアルインプラントは、脛骨と大腿骨との間に位置決めされ得る。膝は、可動域を通して位置決めされるか、または可動域を通され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルインプラントの各々について全体的な膝伸展角度および膝屈曲角度を決定することができる。目標膝伸展角度および膝屈曲角度を達成するトライアルインプラントが選択され得る。たとえば、トライアルインプラントは、患者の可動域を正常な可動域に向けて改善することができる。たとえば、トライアルインプラントは、完全な伸展を可能にすることができる。たとえば、トライアルインプラントは、完全な屈曲を可能にすることができる。トライアルインプラントに対応するインプラントが移植され得る。
【0120】
システムおよび方法は、隙間空間を計算することができる。システムおよび方法は、脚が屈曲状態にある間に隙間空間を計算することができる。システムおよび方法は、脚が伸展状態にある間に隙間空間を計算することができる。システムおよび方法は、可動域を通る隙間空間を計算することができる。隙間空間は、内側および外側大腿骨顆と脛骨プラトーとの間の距離に関係する。いくつかの方法において、隙間空間は、脛骨プラトーと他のコンパートメントの大腿骨顆との間の接触を仮定して単一の大腿骨顆から脛骨プラトーまでの隙間開口部として計算され得る。インプラントまたはトライアルインプラントが隙間空間内に位置決めされる場合、隙間距離は、内側および外側大腿顆とインプラントまたはトライアルインプラントとの間の距離に関係付けられ得る。
【0121】
健全な膝では、脛骨の末端と大腿骨の末端とを分離する軟骨の層がある。関節炎の膝における脛骨顆に対する内側および外側大腿骨顆の間の摩耗のバラツキにより、脛骨プラトーと大腿骨プラトーと間の隙間は、対称的にまたは非対称的に狭くなり得る。
【0122】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、脛骨と大腿骨との間の関係を決定することによって、隙間空間を計算することができる。いくつかの方法において、隙間空間は、少なくとも部分的に、距離測定によって計算される。いくつかの方法において、隙間空間は、少なくとも部分的に、慣性測定によって計算される。いくつかの方法において、これは、膝が屈曲状態にあるときの静的決定である。いくつかの方法において、これは、膝が伸展状態にあるときの静的決定である。いくつかの方法において、これは、膝が、たとえば屈曲から伸展へ、または伸展から屈曲への可動域に通されるときの動的な決定である。
【0123】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、任意の切除の前に隙間空間を決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、任意の切除の後に隙間空間を決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルリダクション時に隙間空間を決定することができる。1つまたは複数のトライアルインプラントは、脛骨と大腿骨との間に位置決めされ得る。膝は、可動域を通して位置決めされるか、または可動域を通され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルインプラントの各々の隙間空間を決定することができる。目標隙間空間を達成するトライアルインプラントが選択され得る。トライアルインプラントに対応するインプラントが移植され得る。
【0124】
システムおよび方法は、ナビゲートされた脛骨切除角度に基づき肢アライメント角度を推定することができる。システムおよび方法は、ナビゲートされた切断脛骨切除角度に基づき肢アライメント角度を推定することができる。システムおよび方法は、脚が屈曲状態にある間に肢アライメント角度を推定することができる。システムおよび方法は、脚が伸展状態にある間に肢アライメント角度を推定することができる。システムおよび方法は、可動域を通して肢アライメント角度を推定することができる。いくつかの実施形態において、推定される肢アライメント角度は、内反/外反である。いくつかの実施形態において、推定される肢アライメント角度は、屈曲/伸展である。
【0125】
ナビゲートされた脛骨切除角度は、術前に決定された目標角度であってよい。ナビゲートされた脛骨切除角度は、術前撮影に基づき決定された目標角度とすることができる。ナビゲートされた脛骨切除角度は、脛骨準備システム200を調整することによってナビゲートされる目標角度であるものとしてよい。切断脛骨切除角度は、切除後の脛骨の解剖学的構造に基づき決定され得る。切断脛骨切除角度は、手術中に決定され得る。切断脛骨切除角度は、切断検証のために切除が行われた後に決定され得る。いくつかの実施形態において、ナビゲートされた脛骨切除角度と切断脛骨切除角度とは、同じ角度である。
【0126】
ナビゲートされた大腿骨切除角度は、術前に決定された目標角度であってよい。ナビゲートされた大腿骨切除角度は、術前撮影に基づき決定された目標角度とすることができる。ナビゲートされた大腿骨切除角度は、大腿骨準備システム100を調整することによってナビゲートされる目標角度であるものとしてよい。切断大腿骨切除角度は、切除後の大腿骨の解剖学的構造に基づき決定され得る。切断大腿骨切除角度は、手術中に決定され得る。切断大腿骨切除角度は、切断検証のために切除が行われた後に決定され得る。いくつかの実施形態において、ナビゲートされた大腿骨切除角度と切断大腿骨切除角度とは、同じ角度である。
【0127】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、脛骨および大腿骨機械軸の間の関係を決定することによってナビゲートされた脛骨切除角度に基づき肢アライメント角度を決定することができる。いくつかの方法において、これは、膝が屈曲状態にあるときの静的決定である。いくつかの方法において、これは、膝が伸展状態にあるときの静的決定である。いくつかの方法において、これは、膝が、たとえば屈曲から伸展へ、または伸展から屈曲への可動域に通されるときの動的な決定である。
【0128】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、術前に肢アライメント角度を推定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、術後に肢アライメント角度を推定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルリダクション時に肢アライメント角度を推定することができる。1つまたは複数のトライアルインプラントは、脛骨と大腿骨との間に位置決めされ得る。膝は、可動域を通して位置決めされるか、または可動域を通され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルインプラントの各々について肢アライメント角度を推定することができる。目標肢アライメントを達成するトライアルインプラントが選択され得る。トライアルインプラントに対応するインプラントが移植され得る。
【0129】
システムおよび方法は、可動域計算を実行することができる。システムおよび方法は、脚が屈曲状態にある間の可動域を計算することができる。システムおよび方法は、脚が伸展状態にある間の可動域を計算することができる。システムおよび方法は、脚運動範囲を通して可動域を計算することができる。いくつかの実施形態において、計算された可動域は、内反/外反運動である。いくつかの実施形態において、計算された可動域は、屈曲/伸展運動である。いくつかの実施形態において、計算された可動域は、軸回転である。
【0130】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、脛骨および大腿骨機械軸の間の関係を決定することによって可動域を計算することができる。いくつかの方法において、これは、膝が屈曲状態にあるときの静的決定である。いくつかの方法において、これは、膝が伸展状態にあるときの静的決定である。いくつかの方法において、これは、膝が、たとえば屈曲から伸展へ、または伸展から屈曲への可動域に通されるときの動的な決定である。
【0131】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、術前に可動域を決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、術後に可動域を決定することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルリダクション時に可動域を決定することができる。1つまたは複数のトライアルインプラントは、脛骨と大腿骨との間に位置決めされ得る。膝は、可動域を通して位置決めされるか、または可動域を通され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、トライアルインプラントの各々に対する可動域を決定することができる。目標可動域を達成するトライアルインプラントが選択され得る。トライアルインプラントに対応するインプラントが移植され得る。
【0132】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、静的肢アライメント角度を決定するために利用され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、動的な肢アライメント角度を決定するために利用され得る。静的測定は、脚が静止位置にある間の脚の測定を含む。動的測定は、大腿骨が動いている間、脛骨が動いている間、または脛骨および大腿骨の両方が動いている間の測定を含む。
【0133】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、人工膝関節単顆置換術に利用され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、人工膝関節全置換術に利用され得る。
【0134】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、術中測定に利用することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、術前測定に利用することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、術後測定に利用することができる。
【0135】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、ユーザに視覚的表現を提供することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス500は、ディスプレイを備えることができる。視覚的表現は、角度、距離、または任意の他の測定値を含むことができる。視覚的表現は、内反/外反、内側/外側、前方/後方、および/または屈曲/伸展を含む肢アライメント角度を含むことができる。視覚的表現は、脛骨、大腿骨、および/または脚のグラフィック表現を含むことができる。
【0136】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、再利用可能であってよい。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、滅菌され得る。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、再滅菌できるものとしてよい。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、オートクレーブ内で滅菌され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、使い捨てであってよい。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、およびモジュール500は、一度使用した後捨てられるものとしてよい。
【0137】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の慣性センサーを備えることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、加速度計を備えることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、ジャイロスコープを備えることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、ワイヤレスモジュールを備えることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、少なくとも1つの慣性センサーおよびワイヤレスモジュールを備えることができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500の各々は、少なくとも1つの慣性センサーおよびワイヤレスモジュールを備えることができる。
【0138】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、外部デバイスと通信するように構成され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、クラウドと通信するように構成され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500は、それらの間で通信するように構成される。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、位置および/または配向に関係する信号を受信することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、位置および/または配向に関係する信号を送信することができる。
【0139】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、参照により本明細書に組み込まれている特許文献3において説明されている外科用配向デバイスおよび基準デバイスの任意の特徴を有することができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、加速度計、ジャイロスコープ、ディスプレイ、タッチスクリーン、ボタン、およびワイヤレスモジュールのうちの1つまたは複数を含む任意のナビゲーションユニットを備えることができる。
【0140】
いくつかの実施形態において、慣性センサーは、中央プロセッサと通信する。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、外科用配向デバイス300の中央プロセッサと通信する。いくつかの実施形態において、基準センサー400は、外部メモリまたはクラウドなどの、外部デバイスの中央プロセッサと通信する。いくつかの実施形態において、モジュール500は、外科用配向デバイス300の中央プロセッサと通信する。いくつかの実施形態において、モジュール500は、外部メモリまたはクラウドなどの、外部デバイスの中央プロセッサと通信する。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、外部メモリまたはクラウドなどの、外部デバイスの中央プロセッサと通信する。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、外科用配向デバイス300と通信する。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、コンピュータ、タブレット、またはスマートフォンなどの外部デバイスと通信する。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、ワイヤレスモジュールを備える任意のデバイスを備える。
【0141】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、脛骨および大腿骨のうちの1つまたは複数に結合され得る。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、脛骨の準備中に脛骨に直接取り付けられ得る。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、大腿骨の準備中に大腿骨に直接取り付けられ得る。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、開放創において大腿骨および/または脛骨に直接取り付けられ得る。
【0142】
大腿骨準備システム100および/または脛骨準備システム200は、それぞれの骨に結合されるように構成されているピン治具を備えることができる。大腿骨準備システム100および/または脛骨準備システム200は、基準センサー400を治具アセンブリ102、202に結合するために使用され得る基準センサーデバイスインターフェース104、204を備えることができる。大腿骨準備システム100および/または脛骨準備システム200は、基準センサー400を治具アセンブリ102、202に結合するために使用され得る外科用配向デバイスインターフェース106、206を備えることができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、インターフェース104、106、204、206を有するアセンブリ102、202に経皮的に取り付けられ得る。
【0143】
モジュール500は、脛骨および大腿骨のうちの1つまたは複数に結合され得る。モジュール500は、肢アライメントおよび隙間測定時に脛骨に直接取り付けられ得る。モジュール500は、肢アライメントおよび隙間測定時に大腿骨に直接取り付けられ得る。モジュール500は、大腿骨治具アセンブリ102に結合し得る。モジュール500は、脛骨治具アセンブリ202に結合し得る。モジュール500は、キャリブレーション時に大腿骨治具アセンブリ102に結合し得る。モジュール500は、キャリブレーション時に脛骨治具アセンブリ202に結合し得る。モジュール500は、アセンブリ102、202の任意のインターフェースと結合し得る。モジュール500は、アセンブリ202に経皮的に結合し得る。
【0144】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、大腿骨に結合され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、脛骨に結合され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、患者の皮膚に結合され得る。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、患者の軟部組織に結合され得る。
【0145】
外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、患者の皮膚に付着するように構成されている接着剤を含むことができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、患者の解剖学的構造の一部を囲むように構成されているラップまたはストラップを備えることができる。外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500のうちの1つまたは複数は、布に埋め込まれた慣性センサーを備えることができる。
【0146】
脛骨インプラントの選択および留置は、脛骨切除の完了後になされる。大腿骨インプラントの選択および留置は、大腿骨切除の完了後になされる。脛骨インプラントは、切除された脛骨表面上の任意の方向に回転させることができる。脛骨インプラントは、隙間高さが異なる複数のインプラントから選択され得る。脛骨インプラントは、内反角度が異なる複数のインプラントから選択され得る。脛骨インプラントは、外反角度が異なる複数のインプラントから選択され得る。脛骨インプラントは、許容可動域が異なる複数のインプラントから選択され得る。脛骨インプラントは、屈曲が異なる複数のインプラントから選択され得る。脛骨インプラントは、伸展が異なる複数のインプラントから選択され得る。
【0147】
より正確なかつ/または定量化可能なアライメント方法は、インプラント性能および患者満足度を改善する可能性が高い。システムおよび方法は、いくつかの実施形態において、インプラント性能および患者満足度を改善するための、そのようなより正確なかつ/または定量化可能なアライメント方法を提供する。システムおよび方法は、脛骨および大腿骨の機械軸のアライメントを定量化する方法を提供する。システムおよび方法は、肢アライメント角度を定量化する方法を提供する。システムおよび方法は、隙間高さを定量化する方法を提供する。
【0148】
システムおよび方法は、トライアルインプラントまたはインプラントに関する推奨を提供することができる。システムおよび方法は、推定隙間距離を提供することができる。システムおよび方法は、角度測定値の関数として内反力を定量化する手段を提供する。この角度は、適用された角度と顆頭間距離との関数となっている、隙間を決定することができる。システムおよび方法は、角度測定値の関数として外反力を定量化する手段を提供する。システムおよび方法は、全体的な膝伸展角度を定量化する手段を提供する。システムおよび方法は、全体的な膝屈曲角度を定量化する手段を提供する。システムおよび方法は、軸回転を定量化する手段を提供する。システムおよび方法は、可動域を定量化する手段を提供する。
【0149】
システムおよび方法は、いくつかの実施形態において、大腿骨および脛骨の機械軸に基づく肢アライメントおよび/または隙間測定によって脛骨インプラントおよび大腿骨インプラントのうちの1つまたは複数を選択するための方法を提供する。何人かの患者について、大腿骨は、内側の1つの点と外側の1つの点の、2つの点で脛骨に接触する。膝が可動域を通して屈曲すると、脛骨上のこれらの接点の配置は変化し得る。可動域全体にわたって内側接点および外側接点があり得る。脛骨インプラントおよび大腿骨インプラントは、接点外形に基づき選択され得る。一例として、脛骨インプラントおよび大腿骨インプラントは、隙間を変更するように選択することができる。脛骨インプラントおよび大腿骨インプラントは、全体的な屈曲角度を大きくするか、または小さくするように選択され得る。
【0150】
いくつかの方法において、基準センサー400およびモジュール500のうちの1つは、大腿骨および脛骨の各々にしっかりと取り付けられる。いくつかの方法において、脛骨に取り付けられている基準センサー400は、脛骨機械軸とおおよそアライメントされ得る。いくつかの方法において、大腿骨に取り付けられているモジュール500は、大腿骨機械軸とおおよそアライメントされ得る。基準センサー400およびモジュール500は、好ましくは、膝蓋骨が正常に機能して正常な膝運動学を再現することを可能にするように装着される。いくつかの実施形態において、典型的な外科的露出にうまく対応できるように脛骨および大腿骨の両方に内側化された取り付けが好ましい。外科用配向デバイス300は、手術野内にもあり得る。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300は、脛骨治具アセンブリ202に結合される。
【0151】
いくつかの方法において、脛骨および大腿骨機械軸の配向が計算される。機械軸は、外科用配向デバイス300、基準センサー400、および/またはモジュール500に対して計算され得る。機械軸は、重力を含む基準フレームに対して計算され得る。機械軸は、大域座標系に対して計算され得る。機械軸は、外部基準座標系に対して計算され得る。機械軸は、脛骨治具アセンブリ202または大腿骨治具アセンブリ102のうちの1つまたは複数の構成に基づきオフセットを用いて計算され得る。オフセットは、精度を改善するために、計算された機械軸に適用され得る。
【0152】
膝関節の特性を確立するために、外科医は、膝を完全伸展状態にすることができる。外科医は、膝を完全屈曲状態にすることもできる。外科医は、脚を短い関節可動域で移動することができる。外科医は、すべての方向で大腿骨頭の周りで旋回することができる。外科医は、脚の長軸の周りで回転することができる。外科医は、膝に内反トルクを印加することができる。外科医は、膝に外反トルクを印加することができる。外科医は、これらの動作のうちの1つまたは複数を順次行うことができる。外科医は、これらの動作のうちの1つまたは複数を同時に行うことができる。これらの動作は、膝関節の特性を確立するために切除の前に実行され得る。これらの動作は、トライアルインプラントまたはインプラントを用いて膝関節の特性を確定するために切除の後に実行され得る。これらの動作は、膝関節の特性を確立するために術後に実行され得る。
【0153】
いくつかの方法において、基準センサー400およびモジュール500は、キャリブレーション時に互いに対して静止状態にあるものとしてよい。基準センサー400およびモジュール500は、脛骨治具アセンブリ202に取り付けられ得る。基準センサー400およびモジュール500は、互いに対して固定された関係にあるものとしてよい。静止状態の間、基準センサー400およびモジュール500は、基準センサー400とモジュール500との間の相対的ミスアライメントを計算するために転送アライメントを実行することができる。いくつかの実施形態において、モジュール500の配向は、基準センサー400の基準フレーム内で確立され得る。いくつかの実施形態において、基準センサー400およびモジュール500の配向は、外科用配向デバイス300の基準のフレームにおいて確立され得る。
【0154】
次いで、肢アライメントおよび/または隙間バランシングの間、膝は可動域を通される。脛骨と大腿骨との間の相対的回転は、可動域全体を通してそれぞれの基準センサー400およびモジュール500によって記録された角度変化を比較することによって測定される。慣性測定値は、外科用配向デバイス300に伝送され得る。これらの回転は、屈曲/伸展方向、軸回転、および内反/外反方向に対応する3つの方向に帰着し得る。外科用配向デバイス300のプロセッサは、これらの回転のうちの1つまたは複数に関係するユーザ可読出力を提供し得る。ユーザ可読出力は、屈曲角度とすることができる。ユーザ可読出力は、伸展角度とすることができる。ユーザ可読出力は、内反角度とすることができる。ユーザ可読出力は、外反角度とすることができる。ユーザ可読出力は、大腿骨に対する脛骨の軸回転とすることができる。ユーザ可読出力は、軸回転測定値とすることができる。ユーザ可読出力は、グラフィック表示とすることができる。ユーザ可読出力は、グラフであってもよい。ユーザ可読出力は、異なる屈曲度での内反/外反角度であってよい。外科用配向デバイス300は、数値を表示することができる。外科用配向デバイス300は、90度または120度などの様々な屈曲角度での内反/外反角度に対する数値を表示することができる。外科用配向デバイス300は、90度または120度などの様々な屈曲角度での回転角度に対する数値を表示することができる。
【0155】
トライアルリダクション時に、外科医は、転送アライメントを繰り返す。いくつかの方法において、外科医は、外科用配向デバイス300を脛骨に、基準センサー400を大腿骨に留置する。脚は、可動域を通される。次いで、外科用配向デバイス300は、トライアルインプラントに関係する肢アライメントおよび/または隙間バランシング測定値を表示する。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、慣性センサー出力を標的と比較することができる。これらの標的は、健全な膝に対する公表されている平均値に基づくものとしてよい。これらの標的は、切除前に患者から得られた運動学的測定値に基づき得る。これらの標的は、反対側の膝から得られた運動学的測定値に基づき得る。
【0156】
いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、トライアルインプラントに関係する推奨を提供することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、トライアルインプラントの内反/外反角度を変更するための推奨を提供することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、隙間高さを変更するための推奨を提供することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、トライアルインプラントを回転する推奨を提供することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、基準センサー400およびモジュール500の慣性センサー測定値に基づき推奨を提供することができる。
【0157】
いくつかの方法において、外科医は、各コンパートメントで許容される開口部を測るために膝に交互の内反および外反トルクを印加する。この内反または外反角度は、外科用配向デバイス300に表示され得る。この測定は、内反/外反方向における膝弛緩の従来の視覚的推定を補足することができる。この角度は、内側および外側弛緩を定量的に比較するための手段を提供する。いくつかの実施形態において、外科医は、基準センサー400および/またはモジュール500からの慣性データを利用して、内側/外側弛緩のバランスをとることができる。いくつかの実施形態において、外科医は、基準センサー400および/またはモジュール500からの慣性データを利用して、膝の周りの軟部組織をリリースすることができる。いくつかの実施形態において、外科医は、基準センサー400および/またはモジュール500からの慣性データを利用して、膝関節の弛緩を定量化することができる。いくつかの実施形態において、外科医は、基準センサー400および/またはモジュール500からの慣性データを利用して、特定の屈曲角度での内反/外反角度を定量化することができる。いくつかの実施形態において、外科医は、基準センサー400および/またはモジュール500からの慣性データを利用して、可動域を通る内反/外反角度を定量化することができる。
【0158】
外科医は、トライアルインプラントを調整するか、または交換することができる。このプロセスは、トライアルインプラントが満足のいくものになるまで繰り返され得る。外科医は、トライアルインプラントに基づきインプラントを位置決めすることができる。いくつかの実施形態において、トライアルインプラントまたはインプラントの可動域は、外科用配向デバイス300によって記憶される。いくつかの実施形態において、トライアルインプラントまたはインプラントの可動域は、術後比較のために外科用配向デバイス300によって伝送される。
【0159】
図12~
図18は、大腿骨準備システム600および脛骨準備システム700を例示している。大腿骨準備システム600は、本明細書において説明されている大腿骨準備システム100の任意のコンポーネントを備えることができる。脛骨準備システム700は、本明細書において説明されている脛骨準備システム200の任意のコンポーネントを備えることができる。大腿骨準備システム600および脛骨準備システム700は、脛骨準備システム700に対して大腿骨準備システム600を留置することを可能にする治具を備えることができる。
【0160】
大腿骨準備システム600は、基準センサー400を大腿骨に対して位置決めするために使用され得る。基準センサー400は、大腿骨の遠位端に対して外側に位置決めされ得る。基準センサー400は、脚が伸展状態に置かれるように位置決めされ得る。基準センサー400は、解剖学的ランドマークから既知の距離で位置決めされ得る。基準センサー400は、解剖学的ランドマークから既知の角度のところに位置決めされ得る。基準センサー400は、位置および配向に関係する慣性センサーデータを外科用配向デバイス300に伝達することができる。
【0161】
大腿骨準備システム600は、大腿骨の側部上にしっかりと取り付けられるように構成される。大腿骨準備システム600は、大腿骨遠位切除で天然の大腿骨を修正し、本明細書において説明されているように大腿骨の遠位端に補綴コンポーネントが確実に装着されることを可能にするための1つまたは複数の切断ガイドも備えることができる。
【0162】
大腿骨準備システム600は、切断ガイドロッド602を備えることができる。切断ガイドロッド602は、脛骨準備システム700に結合することができる。切断ガイドロッド602は、ネジ山付きポスト604を備えることができる。ネジ山付きポスト604は、脛骨準備システム700のネジ山付きボアと係合することができる。ネジ山付きボアは、大腿骨準備システム600がその上に装着される前に、本明細書において説明されているように、中線基準プローブアセンブリに係合することができる。切断ガイドロッド602は、取り外し可能であってよい。切断ガイドロッド602は、大腿骨準備システム600と脛骨準備システム700との結合を外すために回転され得る。切断ガイドロッド602は、大腿骨準備システム600と脛骨準備システム700とを結合するために回転され得る。切断ガイドロッド602は、フランジ606を備えることができる。切断ガイドロッド602は、キャップ608を備えることができる。
【0163】
大腿骨準備システム600は、切断ガイドブラケット610を備えることができる。切断ガイドブラケット610は、スロット612を備えることができる。スロット612は、脛骨準備システム700に対する切断ガイドブラケット610の調整を可能にすることができる。スロット612は、患者の解剖学的構造に対する切断ガイドブラケット610の調整を可能にすることができる。切断ガイドブラケット610は、切断ガイドロッド602に対して摺動することができる。切断ガイドロッド602は、スロット612内に位置決めされ得る。フランジ606は、切断ガイドブラケット610より下にあるものとしてよい。キャップ608は、切断ガイドブラケット610より上にあるものとしてよい。切断ガイドブラケット610は、切断ガイドロッド602に対して摺動することができる。切断ガイドブラケット610は、切断ガイドロッド602に対して回転することができる。切断ガイドブラケット610は、図示されているように、大腿骨準備システム600を脛骨準備システム700の左方へ位置決めすることができる。切断ガイドブラケット610は、大腿骨準備システム600を脛骨準備システム700の右方へ位置決めすることができる。切断ガイドブラケット610は、脛骨準備システム700の左側または右側に位置決めすることを可能にするユニバーサルブラケットであってよい。切断ガイドブラケット602は、段614を備えることができる。段614は、切断ガイドブラケット602を脛骨準備システム700の近位に位置決めすることができる。段614は、切断ガイドブラケット610とシステムの別のコンポーネントとの間の干渉を防ぐことができる。切断ガイドブラケット602は、開口部616を含むことができる。
【0164】
大腿骨準備システム600は、スイベルポスト620を備えることができる。スイベルポスト620は、フランジ622を備えることができる。スイベルポスト620は、キャップ624を備えることができる。開口部は、切断ガイドブラケット602に対するスイベルポスト620の回転を可能にすることができる。開口部616は、患者の解剖学的構造に対するスイベルポスト620の回転を可能にすることができる。スイベルポスト620は、切断ガイドブラケット610に対して回転することができる。スイベルポスト620は、切断ガイドブラケット602の開口部616内に位置決めされ得る。フランジ622は、切断ガイドブラケット602より上にあるものとしてよい。キャップ624は、切断ガイドブラケット602より下にあるものとしてよい。
【0165】
大腿骨準備システム600は、伸長部630を備えることができる。伸長部630は、スイベルポスト620に結合され得る。伸長部630およびスイベルポスト620は、別々に形成され得る。伸長部630およびスイベルポスト620は、一体形成され得る。伸長部は、開口部632を含むことができる。開口部632は、ネジ山付きピン634と係合するように摺動することができる。開口部632は、ネジ山付きピン634を受け入れることができる。ネジ山付きピン634は、髄内ピンとすることができる。伸長部630の長さは、外科用配向デバイス300への入力とすることができる。伸長部630の長さは、患者の解剖学的構造に基づき選択され得る。伸長部630は、患者の解剖学的構造に関係なく固定長を有することができる。伸長部630は、溝636を備えることができる。溝636は、キー付き溝とすることができる。溝636は、あり溝とすることができる。伸長部630は、患者の方へ角度を付けることができる。
【0166】
大腿骨準備システム600は、装着ブラケット640を備えることができる。いくつかの実施形態において、装着ブラケット640は、L字型ブラケットとすることができる。装着ブラケット640は、第1の部分642を含むことができる。第1の部分642は、先細り突出部とすることができる。第1の部分642は、伸長部630の溝636に対して摺動することができる。第1の部分642および溝636は、噛み合うことができる。第1の部分642および溝636は、自由度1を有することができる。第1の部分642は、目盛りを備えることができる。第1の部分642は、伸長部630に対する長さを示すためのマーキングを備えることができる。第1の部分642は、ピン634に関する長さを示すためのマーキングを備えることができる。第1の部分642上の距離のしるしは、外科用配向デバイス300への入力として記録され得る。装着ブラケット640は、第2の部分644を含むことができる。第1の部分642および第2の部分644は、垂直であってよい。第2の部分644は、ハブ646を含むことができる。
【0167】
大腿骨準備システム600は、プッシュボタン650を備えることができる。プッシュボタン650は、装着ブラケット640のハブ646に対して摺動することができる。大腿骨準備システム600は、バネ652を備えることができる。バネ652は、プッシュボタン650を付勢することができる。
【0168】
大腿骨準備システム600は、コネクタ660を備えることができる。コネクタ660は、結合器662を含むことができる。コネクタ660は、1つまたは複数の開口部664を備えることができる。コネクタ660は、2つの開口部664を備えることができる。開口部664は、ネジ山付きピン666を受け入れることができる。大腿骨準備システム600は、1つまたは複数のネジ山付きピン666を備えることができる。大腿骨準備システム600は、2つのネジ山付きピン666を備えることができる。2つの開口部664は、ネジ山付きピン666の軌跡を画成することができる。結合器662は、
図18に示されている基準センサーインターフェース680と係合することができる。基準センサーインターフェース680は、大腿骨準備システム600の一部が取り外された後にコネクタ662に直接装着され得る。
【0169】
プッシュボタン650は、結合器662と係合することができる。プッシュボタン650は、結合器662と係合するように付勢され得る。プッシュボタン650は押されると、大腿骨準備システム600の一部の連結を解除することができる。プッシュボタン650は押されると、装着ブラケット640がコネクタ660から係脱されることを可能にし得る。プッシュボタン650は、結合器662を係脱するために放され得る。プッシュボタン650は、基準センサーインターフェース680がコネクタ662に装着されることを可能にするために放され得る。
【0170】
脛骨準備システム700は、補綴コンポーネントに対して脛骨を準備するために使用する整形外科アセンブリを含むことができる。脛骨準備システム700は、外科用配向デバイス300の後方/前方傾斜を調整するためのコンポーネントを備えることができる。脛骨準備システム700は、切断ブロックの後方/前方傾斜を調整するためのコンポーネントを備えることができる。脛骨準備システム700は、外科用配向デバイス300の内反/外反傾斜を調整するためのコンポーネントを含み、また備えることができる。脛骨準備システム700は、切断ブロックの傾斜の内反/外反傾斜を調整するためのコンポーネントを含み、また備えることができる。
【0171】
脛骨準備システム700は、ランドマーク取得アセンブリ710を備えることができる。ランドマーク取得アセンブリ710は、人体上の解剖学的ランドマークと接触し、かつ/またはランドマークに関する情報を取得するように構成されている構造を備えることができる。ランドマーク取得アセンブリ710は、細長部材712を備えることができる。ランドマーク取得アセンブリ710は、細長部材712の少なくとも一端上に配置されているプローブ部材714を備えることができる。プローブ部材714は、たとえば患者の足首の踝などの解剖学的ランドマークに接触するように構成され得る。細長部材712は、距離および/または長さを示す一連のマーキングをさらに備えることができる。マーキングは、たとえば、プローブ部材714のAPオフセットを測定するために使用され得る。
【0172】
脛骨準備システム700は、中線基準プローブアセンブリを備えることができる。脛骨準備システム700は、ネジ山付きボアを備えることができる。ネジ山付きボアは、大腿骨準備システム600がその上に装着される前に、中線基準プローブアセンブリに係合することができる。中線基準プローブアセンブリは、近位脛骨の適切な解剖学的配置に位置決めされ得る。中線基準プローブアセンブリは、前十字靭帯(ACL)の挿入部のすぐ後方の点、または別の好適な解剖学的ランドマークのところにあるものとしてよい。たとえば、中線基準プローブアセンブリの先端は、膝の前十字靭帯の挿入点、および/または一般に機械軸のA/P点と称される脛骨の頂部の軟点の上に静止しているものとしてよい。この点は、一般的に、脛骨の上の脛骨顆間隆起に沿って配置されており、脚の機械軸に沿った点の配置をマークする。中線基準プローブアセンブリの上側表面上の距離のしるしが書き留められてもよく、対応するA/Pオフセット位置は、外科用配向デバイス300への入力であってよい。A/P点は、機械軸上の点に対応することができる。外科用配向デバイス300は、機械軸上の第2の点を計算することができる。外科用配向デバイス300は、機械軸ベクトルを決定することができる。
【0173】
脛骨準備システム700は、基準センサーインターフェース780を備えることができる。脛骨準備システム700は、外科用配向デバイスインターフェース770を備えることができる。基準センサー400は、基準センサーインターフェース780に結合することができる。外科用配向デバイス300は、外科用配向デバイスインターフェース770に結合することができる。脛骨位置合わせの際に、脛骨準備システム700は、基準センサー400が基準センサーインターフェース780に結合されかつ外科用配向デバイス300が外科用配向デバイスインターフェース770に結合されて組み立てられる。外科用配向デバイス300は、脛骨準備システム700の可動部分に装着され得る。基準センサー400は、脛骨準備システム700の固定部分に装着され得る。基準センサー400は、ランドマーク取得時に脛骨の位置を追跡することができる。
【0174】
脛骨位置合わせの方法は、脛骨を通過する機械軸の配置を決定するためにランドマークを取得するステップを含むことができる。たとえば、ランドマークは、ランドマーク取得アセンブリ710のプローブ部材714を最初に内踝に係合させ、次いで外踝に係合させる(またはその逆)ことによって取得され得る。他の踝の取得は、同様に、プローブ部材714が脚の他方の側に接触するようにランドマーク取得アセンブリ710の1つまたは複数の部分を揺動することによって達成され得る。その後、外科用配向デバイス300は、たとえば、機械軸を貫通する矢状面および冠状面を特定することによって、機械軸の配置を決定することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、機械軸が脚のいずれかの側のランドマーク取得アセンブリ710のプローブ部材と接触する2つの踝点の間の中ほどにある点、または任意の他の適切な点を通って近位脛骨と中線基準プローブアセンブリとの接点から延在すると仮定することによって機械軸の配置を計算することができる。
【0175】
いくつかの実施形態において、ユーザは、各ランドマーク取得の際に、外科用配向デバイス300上のユーザ入力部の1つを押すことなどによって、外科用配向デバイス300を起動することができる。起動された後、外科用配向デバイス300は、外科用配向デバイス300の配向を基準位置(たとえば、第1の基準位置)として位置合わせ(たとえば、記録)することができる。たとえば、外科用配向デバイス300は、外科用配向デバイス300の内側のセンサーから収集されたデータに基づき外科用配向デバイス300の現在の配向を位置合わせし、かつ/または計算することができる。第1の基準位置における外科用配向デバイス300の配向は、脚の機械軸を含む冠状面の配向を識別し、位置合わせするために、さらにはこの同じ機械軸を含む矢状面の配置および/または配向を識別するための第1の基準点を決定するために使用され得る。
【0176】
次いで、ユーザは、ランドマーク取得アセンブリ710のプローブ部材を脚の他方の(たとえば、内)側上に振ることができ、それにより、基準プローブ714は他方の踝に隣接して配置される。ランドマーク取得毎に、ユーザは足首を触診することができる。他の(たとえば内)踝の配置が識別された後、ユーザは、外科用配向デバイス300のユーザ入力部の1つを押して、外科用配向デバイス300に、第2の基準位置での外科用配向デバイス300の配向を決定させることができる。たとえば、外科用配向デバイス300は、外科用配向デバイス300の内側のセンサーから収集されたデータに基づき外科用配向デバイス300の現在の配向を位置合わせし、かつ/または計算することができる。
【0177】
第2の基準位置における外科用配向デバイス300の配向は、脚の機械軸を含む脛骨を貫通する冠状面の配向を識別するために再び使用されるものとしてよく、かつ/または同じ機械軸を含む矢状面の配置および/または配向を識別するための第2の基準点を配置するために使用されるものとしてよい。
【0178】
第1の基準位置および第2の基準位置を決定するために外科用配向デバイス300を使用するときに、外科用配向デバイス300内のセンサーの出力は、読み取りにおける誤差を最小限度に抑えて監視することができる。たとえば、所与の解剖学的ランドマークの正確な推定に到達するために、センサーの出力において遷移相が排除され得る。
【0179】
第1の基準位置および第2の基準位置の両方に関する情報が取得され、外科用配向デバイス300に位置合わせされた後、外科用配向デバイス300は、外踝と内踝との間の所望の平面の配置を決定する(たとえば、計算する)ことができる。所望の平面は、機械軸を含む矢状面に対応することができる。所望の平面は、患者の特定の解剖学的構造、ならびに外科医の訓練および経験などの要因に依存して、変化し得る。たとえば、所望の平面は、外踝と内踝との間の中ほど、または外踝から内踝の方への55%の位置、またはいくつかの他の所定の配置に配置され得る。
【0180】
ユーザは、1つまたは複数のユーザ入力を使用して、外科用配向デバイス300に、矢状面の配置および/または配向を計算することを指令することができる。外科用配向デバイス300が、矢状面がどこにあるかを計算した後、外科用配向デバイス300は、たとえばディスプレイ上の1つまたは複数の視覚信号の形態で、矢状面の配置が計算されたことを示す配置フィードバックをユーザに提供することができる。
【0181】
大腿骨位置合わせの方法は、大腿骨を通過する機械軸の配置を決定するためにランドマークを取得するステップを含むことができる。大腿骨準備システム600は、大腿骨準備のための整形外科アセンブリを備えることができる。大腿骨準備システム600は、大腿骨の側部上にしっかりと装着されるように構成される。いくつかの実施形態において、大腿骨準備システム600は、切断ガイドロッド602、切断ガイドブラケット610、スイベルポスト620、伸長部630、装着ブラケット640、プッシュボタン650、およびコネクタ660を備えることができる。
【0182】
大腿骨準備システム600は、脛骨準備システム700に装着され得る。切断ガイドロッド602は、脛骨準備システム700と係合することができる。大腿骨準備システム600は、調整可能であるものとしてよい。大腿骨準備システム600は、脛骨準備システム700に挿入され、それに固定され得る。切断ガイドブラケット610は、切断ガイドロッド602に対して摺動することができる。スイベルポスト620は、切断ガイドブラケット610に対して旋回することができる。伸長部630は、解剖学的構造に対して位置決めされ得る。
【0183】
大腿骨準備システム600は、患者の解剖学的構造にアライメントされ得る。大腿骨遠位切除の準備において、方法は、大腿骨の機械軸と交差する遠位点を特定するステップを含むことができる。方法は、ネジ山付きピン634を位置決めするステップを含むことができる。ネジ山付きピン634は、大腿骨機械軸の遠位点に対して位置決めされ得る。ネジ山付きピン634は、中線ピンであってよい。ネジ山付きピン634は、顆間切痕のおおよそ中心にあるものとしてよい。ネジ山付きピン634は、大腿骨準備システム600を大腿骨の遠位端部分のおおよそ中心の位置に留置する。方法は、伸長部630を位置決めするステップを含むことができる。伸長部630は、スイベルポスト620を介して旋回することができる。伸長部630は、開口部632を含むことができる。いくつかの方法において、ネジ山付きピン634が最初に挿入され、伸長部630はネジ山付きピン634に対して位置決めされる。他の方法では、開口部632は、ネジ山付きピン634を挿入するためのドリルガイドとして働き得る。いくつかの方法において、装着ブラケット640は、伸長部630の位置決めの際に伸長部630から結合を解除される。
【0184】
いくつかの方法において、装着ブラケット640は、コネクタ660に結合される。プッシュボタン650は、付勢され得る。プッシュボタン650は、装着ブラケット640およびコネクタ660を結合して一体構造を形成することができる。いくつかの方法において、装着ブラケット640、プッシュボタン650、およびコネクタ660は、予め組み立てられたものとしてよい。
【0185】
いくつかの方法において、装着ブラケット640は、伸長部630に対して位置決めされ得る。装着ブラケット640および伸長部630は、舌と溝との接続部を形成することができる。方法は、組み立て済み装着ブラケット640およびコネクタ660を伸長部630に対して摺動するステップを含むことができる。方法は、コネクタ660が骨と一致するまで装着ブラケット640およびコネクタ660を縮小するステップを含むことができる。装着ブラケット630およびコネクタ660のこの移動の際に、伸長部630は、ネジ山付きピン634を介して大腿骨に固定されたままである。伸長部630に対する装着ブラケット640の配置は、システムへの入力としてよい。装着ブラケット640が伸長部630に対して摺動する距離は、システムへの入力としてよい。
【0186】
コネクタ660は、1つまたは複数の開口部664を備えることができる。いくつかの方法において、1つまたは複数の開口部664は、ネジ山付きピン666を挿入するためのドリルガイドとして働き得る。ネジ山付きピン666は、コネクタ660の開口部664に通して挿入される。開口部664は、角度を付けられ得る。開口部644は、オフセットされ得る。開口部664は、角度を付けられ、オフセットされたドリルガイド穴とすることができる。コネクタ660は、1つまたは複数のピン666を介して大腿骨に固定することができる。
【0187】
装着ブラケット640は、コネクタ660から取り外すことができる。プッシュボタン650は、コネクタ660の方へ押され得る。プッシュボタン650は、コネクタ660を係脱することができる。装着ブラケット640は、コネクタ660に対して摺動して、コネクタ660から係脱することができる。装着ブラケット640は、伸長部630に対して摺動して、伸長部630から係脱することができる。伸長部630は、取り外され得る。
【0188】
切断ガイドロッド602、切断ガイドブラケット610、スイベルポスト620、および伸長部630は、取り外すことができる。コネクタ660は、大腿骨に固定されたままである。コネクタ660は、基準センサー400に結合し得る。コネクタ660は、基準センサーインターフェース680に結合することができる。基準センサー400は、基準センサーインターフェース680に結合することができる。いくつかの方法において、切断ブロックは、切除のためにネジ山付きピン634に装着される。いくつかの方法において、ネジ山付きピン634は、取り外され得る。
【0189】
基準センサーデバイス400および/または配向デバイス300は、大腿骨上の中心枢動点の相対座標を決定するために使用され得る。大腿骨頭の枢動点の座標を決定することによって、基準センサーデバイス400および/または外科用配向デバイス300は、大腿骨を貫通する機械軸の配置および/または配向を計算することができる。
【0190】
大腿骨頭の枢動点(すなわち、機械軸の枢動点)の座標を決定するために、脚が動かされ得る(たとえば、揺らされ得る)。たとえば、基準センサーデバイス400を取り付けた状態で、脚が複数の異なる方向および/または平面に移動され得る。脚と大腿骨の機械軸(「大腿骨機械軸」)の配置および/または配向が判明するまで、大腿骨の角速度および加速度などの読み取り値が、基準センサーデバイス400によって取得され得る。一実施形態において、1つまたは複数の多軸(たとえば、2軸)加速度計およびジャイロスコープが使用される場合、大腿骨の各移動に対する基準センサーデータは、時間に関して数値積分され、それにより位置および速度点(各IMUデータにつき1つの点)の軌跡を取得することができる。IMUデータは、大腿骨の移動に対して平面軌跡の制限を課すことなく積分され得る。
【0191】
脚の移動時に基準センサーデバイス400によって感知された加速度および角速度は、脚がその枢動点を中心に移動される間に処理され得る。基準センサーデバイス400は、基準センサーデバイス400の慣性センサー軸に関する回転の中心を表す出力ベクトルを提供することができる。
【0192】
いくつかの実施形態において、機械軸の回転中心の配置および/または配向を決定する前に、誤差補正技術が、外科用配向デバイス300および基準センサー400のバイアスを除去するために使用され得る。たとえば、誤差補正技術は、外科用基準センサー400および外科用配向デバイス300における1)静的バイアス、2)ジャイロスコープバイアス、および3)加速度計バイアスを評価することを含むことができる。
【0193】
位置合わせにおいて、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、屈曲時の脛骨および大腿骨の機械軸を決定する。外科用配向デバイス300は、機械軸を記憶する。いくつかの方法において、脚は、両方の機械軸が取得された後に伸展状態に移行される。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、配向の変化を感知するように構成される。脚が屈曲状態にあるときおよび脚が伸展状態にあるときの配向の変化は、機械軸の角度付けを決定することができる。機械軸の変化は、内反/外反角度を決定することができる。機械軸の変化は、屈曲/伸展角度を決定することができる。機械軸の変化は、冠状面において測定され得る。機械軸の変化は、矢状面において測定される。いくつかの方法において、脚アライメント測定は、切除の前に行われる。脚は、伸展状態にされる。大腿骨機械軸に対する脛骨機械軸の変化が計算される。股関節、膝関節、および足関節の肢アライメントが計算される。機械軸の相対的位置決めは、切除の前に外科用配向デバイスによって記憶され得る。
【0194】
外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、骨の荷重支持軸に垂直な切断面を達成するために切断ブロックを骨上にどのように位置決めするかについて外科医にガイダンスを提供することが可能である。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、必要であれば、切断面をその垂直な平面から数度ずらすために骨上の切断ブロックをどのように位置決めするかについて外科医にガイダンスを提供することができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、切断面に対する内反/外反角度に関するガイダンスを提供することができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、切断面に対する屈曲/伸展角度に関するガイダンスを提供することができる。
【0195】
いくつかの方法において、切断ガイドは、切断されるべき骨に固定され、基準センサー400および/または外科用配向デバイス300は、切断ガイドに結合され得る。脛骨準備システム700は、切断ガイドを備えることができる。いくつかの方法において、一方のデバイスが脛骨準備システム700の固定部分に取り付けられて骨の配向の基準として働き、他方のデバイスが脛骨準備システム700の関節アームに取り付けられて外科医に所望の切断面を見つけ設定する手段を提供する。脛骨準備システム700の関節アームは、2次元内で、たとえばピッチおよびヨー(回転ではない)でしか移動されないように制限され得る。これらの2つの軸は、その平面上で骨を切断するように鋸をガイドする切断ブロックの留置をガイドするために調整することができる平面を形成する。
【0196】
機械軸が識別された後、脛骨切断ブロックが利用され得る。切断ブロックは、切断ブロックが脛骨の前面から離間するように位置決めされ得る。外科用配向デバイス300および脛骨準備システム700は、脛骨の頂部の切除のための所望の配向を取得するように切断ブロックを調整するために使用され得る。たとえば、脛骨準備システム700の後方傾斜アセンブリおよび内反/外反アセンブリは、各々、切断ブロックの角度、およびその後の、意図された切除の角度を変更するように独立して調節され得る。この調整の際に、外科用配向デバイス300は、外科用配向デバイス300および切断ブロックが脛骨機械軸を含む矢状面および/または冠状面とアライメントされているかどうかを示す1つまたは複数の読み取り値をディスプレイ上に提示することができる。
【0197】
機械軸が識別された後、大腿骨切断ブロックが利用され得る。切断ブロックは、切断ブロックが大腿骨の遠位表面から離間するように位置決めされ得る。基準センサー400および大腿骨準備システム600は、大腿骨の切除のための所望の配向を取得するように切断ブロックを調整するために使用され得る。基準センサーデバイス400および/または外科用配向デバイス300が、上で説明されているように機械軸の枢動点を計算し、機械軸を配置した後、ユーザは、機械軸の配置に対して大腿骨切断ブロックの調整および配向を開始することができる。たとえば、外科用配向デバイス300は、切断ブロックが大腿骨頭を通過する機械軸との中立アライメントに到達するのに必要な内反/外反および屈曲/伸展角度の調整を表示することができる。
【0198】
切断ブロックが適所に置かれた後、切断ブロックは、複数のピンによって表面に装着され得る。切断ブロックが脛骨に装着された後、脛骨の近位部分は切除され得る。切断ブロックが大腿骨に装着された後、大腿骨の遠位部分は切除され得る。
【0199】
有利には、機械軸は、切除後に検証され得る。いくつかの方法において、脚は、切除後に伸展状態にされる。インプラントは、膝関節内に位置決めされ得る。肢アライメントで、インプラントの留置を検証することができる。肢アライメントで、伸展状態での内反/外反角度を検証することができる。アライメントで、伸展状態での屈曲/伸展角度を検証することができる。いくつかの方法において、脛骨機械軸の変化は、切除後に決定される。いくつかの方法において、大腿骨機械軸の変化は、切除後に決定される。いくつかの実施形態において、大腿骨上の基準センサーデバイス400の配置では、脚が伸展状態に移動されることを可能にする。伸展では、機械軸の相対的位置決めが決定される。
【0200】
いくつかの実施形態において、基準センサーデバイス400は、大腿骨の相対的位置を追跡することができるので、手術される脚を固定することなく手技を進めることを可能にすることができる。たとえば、基準センサーデバイス400および外科用配向デバイス300の少なくとも一方は、他方と通信することができ、それにより、これらのデバイスのうちの一方の任意の相対的移動が他方によって追跡され得、基準センサーデバイス400および/または外科用配向デバイス300の結果として得られる全体的配向は、外科用配向デバイス300のディスプレイ上に表示され得る。いくつかの実施形態において、基準センサーデバイス400は、大腿骨の移動を追跡することができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300は、脛骨の移動を追跡することができる。
【0201】
外科用配向デバイス300および基準センサー400は、任意の点または軸を記録することができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、手技においてこれらの点および軸を記憶することができる。外科用配向デバイス300は、切除後にこれらの記憶された機械軸を参照することができる。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、解剖学的ランドマークの配置を測定し、記録するために使用され得る。脚の機械軸は、本明細書において定義されているように、一般的に、大腿骨の近位頭部の回転中心(たとえば、大腿骨頭の中心)から、理想的には膝のおおよその中心を通って、足首の中心、すなわち中点まで延在する線を指す。大腿骨の機械軸は、大腿骨の近位頭の回転中心から大腿骨の遠位端の中心(大腿骨の遠位端の中心は顆間切痕の中心と一般に記述される)を通って延在する同じ軸線である。一般的に、患者の理想的な機械軸は、荷重が股関節の中心から、膝関節の中心を通り、足首の中心まで通過することを可能にする。
【0202】
外科用配向デバイス300は、基準センサー400と併せて、機械軸の空間的配向を特定するために使用され得る。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、機械軸と交差する1つ、2つ、またはそれ以上の平面を特定するために使用され得る。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、冠状面を特定するために使用され得る。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、矢状面を特定するために使用され得る。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、切除の前に、1つまたは複数の整形外科用固定具、または1つまたは複数の切断面のアライメントを検証するために使用され得る。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、切除の後に、1つまたは複数の整形外科用固定具、または1つもしくは複数の切断面のアライメントを検証するために使用され得る。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、切除前に機械軸のアライメントを決定するために使用され得る。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、切除後に機械軸のアライメントを決定するために使用され得る。外科用配向デバイス300および基準センサー400は、切除後の隙間測定値を決定するために使用され得る。
【0203】
外科用配向デバイス300は、脛骨位置合わせ時に脛骨準備システム700上に装着され得る。外科用配向デバイス300は、大腿骨位置合わせ時に脛骨準備システム700上に装着されたままにしておくことができる。外科用配向デバイス300は、肢アライメントおよび/または隙間測定のために脚が伸展状態にされるときに脛骨準備システム700に装着されたままにしておくことができる。外科用配向デバイス300は、機械軸間の1つまたは複数の角度を決定するために脛骨準備システム700上に装着されたままにしておくことができる。外科用配向デバイス300は、切除時および切除後に脛骨準備システム700に装着されたままにしておくことができる。外科用配向デバイス300は、切除後の肢アライメント測定の時に脛骨準備システム700に取り付けられたままにしておくことができる。
【0204】
いくつかの方法において、基準センサー400は、脛骨位置合わせ時に脛骨準備システム700上に装着され得る。基準センサー400は、大腿骨位置合わせ時に大腿骨準備システム600で移動され得る。基準センサー400は、肢アライメントおよび/または隙間バランシング測定時に大腿骨準備システム600に装着されたままにしておくことができる。基準センサー400は、脚が伸展状態にされるときに大腿骨準備システム600上に装着されたままにしておくことができる。基準センサー400は、機械軸間の1つまたは複数の角度を決定するために大腿骨準備システム600上に装着されたままにしておくことができる。基準センサー400は、切除時および切除後に大腿骨準備システム600上に装着されたままにしておくことができる。いくつかの方法において、基準センサー400は、切除時および切除後に脛骨準備システム700に戻され得る。いくつかの方法において、基準センサー400は、キャリブレーションのために脛骨準備システム700に戻され得る。基準センサー400は、切除後の肢アライメント測定時に大腿骨準備システム600に戻され得る。
【0205】
肢アライメント測定は、脚が伸展状態にあるときの脛骨機械軸および大腿骨機械軸における角度付けを含むことができる。肢アライメント測定は、部分的膝関節置換術に有用であり得る。肢アライメント測定は、人工膝関節置換術に有用であり得る。肢アライメント測定は、任意のインプラントに対する耐用年数を改善することができる。肢アライメント測定で、患者の股関節、膝関節、および足関節を貫通する機械軸を決定することができる。肢アライメント測定は、脛骨および大腿骨の機械軸の間の内反/外反角度を決定することができる。肢アライメント測定は、冠状面内の角度を決定することができる。肢アライメント測定は、脛骨および大腿骨の機械軸の間の屈曲/伸展角度を決定することができる。肢アライメント測定は、矢状面内の角度を決定することができる。
【0206】
肢アライメント測定は、切断検証を提供することができる。外科医は、切除を実行することができる。切除は、中立切断であってよい。切除は、冠状面に対してある角度にすることができる。切除は、矢状面に対してある角度にすることができる。人工膝関節置換術において、切除は、近位遠位切断を含むことができる。人工膝関節置換術において、切除は、内側および外側コンパートメント切断を含み得る。部分的膝置換術において、切除は、近位遠位切断を含まない。部分的膝置換術において、切除は、1つのコンパートメントを含むことができる。インプラントは、脚の機械軸の全体的なアライメントを変更することができる。インプラントは、内反/外反角度を変更することができる。インプラントは、屈曲/伸展角度を変更することができる。インプラントは、隙間を変更することができる。肢アライメント測定は、インプラントの留置後の機械軸の相対的配向を決定することができる。肢アライメント測定は、インプラントが冠状面において補正をもたらすかどうかを決定することができる。肢アライメント測定は、インプラントが矢状面において補正をもたらすかどうかを決定することができる。肢アライメント測定は、測定された角度が、イメージング技術から決定された術前角度と相関するかどうかを決定することができる。これらの測定は、軟部組織リリースが必要かどうかに関する情報を提供することができる。これらの測定は、インプラントに関するリフトオフを決定することができる。
【0207】
肢アライメント測定は、脛骨の機械軸が大腿骨の機械軸の周りにどのように回転するかを決定することができる。肢アライメント測定は、機械軸が取得された後に実行され得る。肢アライメント測定は、機械軸が記憶された後に実行され得る。肢アライメント測定は、外科用配向デバイス300および基準センサー400がキャリブレーションされた後に実行され得る。肢アライメント測定は、切除の前に実行され得る。肢アライメント測定は、切除の後に実行され得る。肢アライメント測定は、脚が伸展状態にあるときに実行され得る。肢アライメント測定は、インプラントが位置決めされた後に実行され得る。肢アライメント測定は、外科的手技の間、いつでも実行することができる。
【0208】
いくつかの方法において、膝に力が印加される。外科用配向デバイス300は、基準センサー400と併せて、隙間バランシング評価を実行することができる。隙間評価時に、基準センサー400は、大腿骨に装着される。隙間評価時に、外科用配向デバイス300は、脛骨に装着される。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、肢アライメント測定の前に隙間バランシングを実行する。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、肢アライメント測定の後に隙間バランシングを実行する。いくつかの方法において、外科用配向デバイス300および基準センサー400は、脚が伸展状態にあるときに隙間バランシングを実行する。いくつかの方法において、隙間バランシングは、脛骨と大腿骨との間に位置決めされた少なくとも1つのインプラントを用いて実行される。外科用配向デバイス300と基準センサー400との間の角度は、顆が接触している状態で決定され得る。この角度は、0度として位置合わせすることができる。脛骨および大腿骨は、可動域を通され得る。いくつかの実施形態において、脛骨に内反力が印加される。いくつかの実施形態において、脛骨に外反力が印加される。脛骨上の外科用配向デバイス300と大腿骨上の基準センサー400との間の角度が、決定され得る。いくつかの方法において、ユーザは、内反トルクを印加する。いくつかの方法において、ユーザは、外反トルクを印加する。
【0209】
顆頭間距離は、知ることができる。顆頭間距離は、x線画像など、画像から決定され得る。顆頭間距離は、手術時に測定され得る。この距離は、外科用配向デバイス300への入力とすることができる。例示されている例では、顆頭間距離は55mmである。内反力による隙間は、既知の印加された内反力と顆頭間距離とに基づく幾何学的関係に基づき決定され得る。外反力による隙間は、内反力による隙間と同じ方式で幾何学的関係に基づき決定され得る。隙間は、力を印加し、大腿骨機械軸と脛骨機械軸との角度の変化を測定することによって計算され得る。この角度と顆頭間距離とは、隙間の推定値をもたらし得る。
【0210】
外科用配向デバイス300および基準センサー400のうちの1つまたは複数は、隙間距離を計算することができる。隙間距離は、脛骨と大腿骨との間の測定済み角度の積である。隙間距離は、既知の顆頭間距離の積である。いくつかの実施形態において、動的な隙間高さは、内側/外側靭帯張力に対する洞察をもたらす。隙間高さは、軟部組織バランシングに関する洞察をもたらすことができる。隙間測定値は、さらなる軟部組織リリースが必要であるかどうかを決定することができる。隙間測定値は、切除の前に決定され得る。隙間測定値は、切除の後に決定され得る。隙間は、切除前および切除後に評価され得る。隙間は、複数のインプラントまたはトライアルインプラントを用いて評価され得る。
【0211】
外科用配向デバイス300は、ディスプレイを備えることができる。外科用配向デバイス300は、肢アライメント測定時に手術野内に配置される。外科用配向デバイス300は、隙間測定時に手術野内に配置される。ディスプレイは、手技を行っている間にユーザがディスプレイ画面上に表示される数字、レタリング、および/または記号を容易に読み取ることができるようなサイズにすることができる。ディスプレイは、切除時に切断ガイドの位置決めを円滑にすることができる。ディスプレイは、切除後に機械軸の位置を検証するための情報を提供することができる。ディスプレイは、肢アライメントに関する情報を提供することができる。ディスプレイは、隙間バランシングに関する情報を提供することができる。
【0212】
外科用配向デバイス300は、測定された、または計算されたデータを記憶することができる。外科用配向デバイス300は、ユーザによって入力されたデータを記憶することができる。外科用配向デバイス300は、伸長部630に関する装着ブラケット640に対応する距離測定値を記憶することができる。外科用配向デバイス300は、伸長部630の長さおよび/または角度を記憶することができる。外科用配向デバイス300は、大腿骨準備システム600の配向を記憶することができる。外科用配向デバイス300は、少なくとも1つのユーザ入力デバイスをさらに備えることができる。少なくとも1つのユーザ入力デバイスは、ディスプレイに隣接して配置されている複数のボタンを備え得る。ボタンは、データを入力するために、たとえば指、手、および/または器具によって起動され得る。データは、解剖学的ランドマークに関係する距離測定値を含むことができる。外科用配向デバイス300は、臨床医が手技においてインタラクティブに操作することができるユーザインターフェースを備える。
【0213】
外科用配向デバイス300および基準センサー400は、位置および配向に関係するデータを取得し、記憶することができる。外科用配向デバイス300は、電気システムを含む。電気システムは、1つもしくは複数のセンサー、1つもしくは複数のセンサーと通信する電子制御ユニット、1つもしくは複数の視覚的アライメントインジケータ、電源、ディスプレイ、メモリ、1つもしくは複数のユーザ入力デバイス、1つもしくは複数のプロセッサ、プログラムロジック、データおよび命令を表す他の基板構成、コントローラ回路、プロセッサ回路、プロセッサ、汎用シングルチップもしくはマルチチップマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、組み込みマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、他の出力デバイスおよび/または1つもしくは複数の入力/出力(「I/O」)ポートを含む1つまたは複数の特徴を備えることができる。特定の実施形態において、電子制御ユニットは、外科用配向デバイス300のディスプレイ上に提示するために電子データを機械可読形式から人間可読形式に変換するように構成され得る。電子制御ユニットは、内部メモリおよび/または外部メモリと通信して、ソフトウェアおよび/またはハードウェアのためのデータおよび/またはプログラム命令を取り出し、かつ/または記憶することができる。内部メモリおよび外部メモリは、情報の一時的記憶するためのスタティックRAMなどのランダムアクセスメモリ(「RAM」)および/または情報をより永続的に記憶するためのフラッシュメモリなどのリードオンリーメモリ(「ROM」)を含むことができる。一般に、センサーは、1つまたは複数のプロセッサに連続的なリアルタイムデータを提供するように構成され得る。電子制御ユニットは、センサーからリアルタイムデータを受信し、センサーデータを使用して、外科用配向デバイス300の配向もしくは位置および/または基準センサー400の配向もしくは位置を決定し、推定し、かつ/または計算するように構成され得る。
【0214】
いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300に加えて、または代替的に、システムは、外部ディスプレイを備えることができる。電子機器は、コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはiPad(登録商標)などのタブレットコンピュータなどの1つまたは複数のハンドヘルドデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、手術野内に配置される。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、手術野外に配置される。いくつかの実施形態において、基準センサーデバイス400は、ディスプレイを備えることができる。いくつかの実施形態において、外科用配向デバイス300に加えて、または代替的に、電子機器は、少なくとも1つのユーザ入力デバイスを備えることができる。ユーザ入力デバイスは、たとえば指、手、および/または器具によって起動され得る。電子機器は、本明細書において説明されているシステムのためのソフトウェアおよび/またはハードウェアを含み得る。電子機器は、本明細書において説明されているシステム用の外部メモリを備えることができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400は、インターネットに接続することができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400は、インターネットから情報を伝送する、または受信することができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400は、クラウドに接続することができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400は、クラウドから情報を伝送する、または受信することができる。
【0215】
いくつかの配置構成において、外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の1つまたは複数のセンサーは、外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の運動、配向、および/または位置に関係するリアルタイムデータを電子制御ユニットに提供するように構成されている少なくとも1つの配向センサーを含み得る。たとえば、センサーモジュールは、外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の配向を測定し、かつ/または配向の決定を円滑にするように構成されている少なくとも1つのジャイロセンサー、加速度センサー、傾斜センサー、磁力計、および/または他の類似の1つもしくは複数のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、センサーは、基準点、線、平面、および/または重力ゼロに対する測定値を提供するように構成され得る。本明細書において言及される重力ゼロは、一般的に、センサーの軸が重力の力に対して垂直であり、それによって、重力ベクトルに関する角度オフセット、たとえば、傾斜、ピッチ、ロール、またはヨーを生じない配向を指す。他の実施形態において、センサーは、推測航法または慣性航法システムにおいて使用するための測定値を提供するように構成され得る。
【0216】
様々な実施形態において、センサーは、重力による外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の静的加速度を測定する1つまたは複数の加速度計を含む。たとえば、加速度計は、1つまたは複数の軸の周りの外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の回転を検出するための傾斜センサーとして使用され得る。1つまたは複数の加速度計は、2軸加速度計(2つの回転軸の周りの回転を測定することができる)または3軸加速度計(3つの回転軸の周りの回転を測定することができる)を含み得る。加速度計の軸の周りの配向の変化は、重力ゼロに対して、かつ/または本明細書において説明されている脛骨もしくは大腿骨準備手技の間に位置合わせされた基準面に対して決定され得る。
【0217】
特定の実施形態において、多軸加速度計(Analog Devices, Inc.社から入手可能なADXL203CE MEMS加速度計またはST Microelectronics社から入手可能なLIS331DLH加速度計など)が、2つの回転軸の周りの配向の変化を検出する。たとえば、多軸加速度計は、外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の水平面からの角度位置の変化(たとえば、前方/後方回転)ならびに外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の垂直面からの角度位置の変化(たとえば、ロール回転)を検出することができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の水平面および垂直面からの角度位置の変化(センサーによって測定されるような)は、また、外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の内側/外側配向の変化(たとえば、内反/外反回転)を決定するために使用され得る。
【0218】
いくつかの配置構成において、センサーは、少なくとも1つの単軸または多軸ジャイロスコープセンサーと、少なくとも1つの単軸または多軸加速度センサーと、を備える。たとえば、センサーは、3軸ジャイロスコープセンサー(または3つのジャイロスコープセンサー)および3軸加速度センサー(または3つの加速度センサー)を含み、外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の6つの自由度すべてについて位置および配向の測定を提供し得る。いくつかの実施形態において、センサーは、外部基準を必要とすることなく外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の位置、配向、および速度を連続的に計算する慣性ナビゲーションまたは推測方式システムを提供する。
【0219】
基準センサー400は、外科用配向デバイス300の特徴のいずれをも含むことができる。外科用配向デバイス300および/または基準センサー400は、一実施形態では、一緒に慣性測定ユニット(IMU)を形成し得る1つまたは複数のセンサーを含む。特に、IMUは、加速度を決定するための第1のセンサーと、ジャイロ位置決めを決定するための第2のセンサーと、を備える。本明細書において説明されているように、第1のセンサーは加速度計とすることができ、第2のセンサーはジャイロスコープセンサーとすることができる。基準センサー400は、センサーから外科用配向デバイス300の電気システムにデータを送信するための送信機も備える。基準センサー400から受信された情報は、入力ポートに供給され得るか、または代替的に、外科用配向デバイス300の電子制御ユニットそれ自体が、情報をワイヤレス方式で受信することができる。基準センサー400からの情報は、たとえば、基準センサー400の位置および/または配向に対応するものとしてよく、外科用配向デバイス300によって、外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400の総体的な、相対的な、もしくは全体的な位置および/または配向を決定するために使用され得る。
【0220】
外科用配向デバイス300および/または基準センサーデバイス400は、脚、脛骨、および大腿骨の機械軸の配置などの、解剖学的ランドマークの配置を測定し、記録するために使用され得る。システム、デバイス、センサー、および方法の追加の詳細は、すべて内容全体がすべての目的に関して参照により本明細書に組み込まれている2004年6月9日に出願した特許文献6、2009年7月15日に出願した特許文献7、2009年9月10日に出願した特許文献8、2009年7月24日に出願した特許文献1、2011年1月21日に出願した特許文献2、2011年5月24日に出願した特許文献3、2014年11月5日に出願した特許文献4、2014年11月14日に出願した特許文献5、2013年3月13日に出願した特許文献9、2015年3月10日に出願した特許文献10、2017年8月11日に出願した特許文献11、2018年3月13日に出願した特許文献12、2018年3月13日に出願した特許文献13、および2020年12月8日に出願した特許文献14において述べられている。
【0221】
これらの発明は特定の好ましい実施形態および例の文脈で開示されてきたが、本出願は具体的に開示された実施形態を超えて、その他の代替的実施形態および/または発明の用途、ならびにその明らかな修正形態および等価物に拡大することが、当業者によって理解されるであろう。それに加えて、本発明の多くの変更形態が図示され詳細に説明されているが、本発明の範囲内にある、他の修正形態は、本開示に基づいて当業者には容易に明らかになるであろう。また、これらの実施形態の具体的な特徴および態様の様々な組合せもしくは部分的組合せが実施され、本出願の範囲内に収まることも企図されている。たとえば、本出願では、接続ハブが単独で、または他のモジュールのうちの任意のモジュールと組み合わせて、別の態様を含むことも可能であることを企図している。または、それらのモジュールのうちのいずれか1つまたは組合せは、アンブレラハブ(umbrella hub)またはオーバーヘッドサポート(overhead support)に直接接続されて、他の別個の態様を形成し得る。したがって、開示された実施形態の様々な特徴および態様が、開示された実施形態の様々な形態を形成するために、互いに組み合わされ、または代わりに用いられることができることが理解されるべきである。したがって、本明細書において開示されている本発明の範囲は、上で説明されている特定の開示されている実施形態によって限定されるべきではないが、以下の請求項を公平に読むことによってのみ決定されるべきであることが意図されている。
【0222】
同様に、開示のこの方法は、いかなる請求項もその請求項において明示的に述べられている以上の特徴を必要とする意図を反映するものとして解釈されるべきでない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の態様は、単一の前記の開示されている実施形態のすべてには満たない数の特徴の組合せにある。したがって、「発明を実施するための形態」に続く請求項がこれによりこの「発明を実施するための形態」に明示的に組み込まれ、それぞれの請求項は独立の実施形態として自立している。
【符号の説明】
【0223】
10 軸
15 切除部、プラトー
20 軸
20 脛骨機械軸、電子制御ユニット
25 脛骨のプラトー
100 大腿骨準備システム
102 大腿骨治具アセンブリ、ピン
104 基準センサーデバイスインターフェース、ピン
106 外科用配向デバイスインターフェース
108 固定ピン
200 脛骨準備システム
202 脛骨治具アセンブリ
204 基準センサーデバイスインターフェース
206 外科用配向デバイスインターフェース
210 中線基準プローブアセンブリ
212 プローブアセンブリ
214 細長部材
216 プローブ部材
250 モジュールインターフェース
300 外科用配向デバイス
400 基準センサー、基準センサーデバイス
500 モジュール
600 大腿骨準備システム
602 切断ガイドロッド
604 ネジ山付きポスト
606 フランジ
608 キャップ
610 切断ガイドブラケット
612 スロット
614 段
616 開口部
620 スイベルポスト
622 フランジ
624 キャップ
630 伸長部
632 開口部
634 ネジ山付きピン
636 溝
640 装着ブラケット
642 第1の部分
644 第2の部分
646 ハブ
650 プッシュボタン
652 バネ
660 コネクタ
662 コネクタ、結合器
664 開口部
666 ネジ山付きピン
680 基準センサーインターフェース
700 脛骨準備システム
710 ランドマーク取得アセンブリ
712 細長部材
714 プローブ部材
770 外科用配向デバイスインターフェース
780 基準センサーインターフェース
【国際調査報告】