(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(54)【発明の名称】パッケージ、物品キャリア、ならびにパッケージおよび物品キャリア用のブランク
(51)【国際特許分類】
B65D 67/02 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
B65D67/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556597
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021022873
(87)【国際公開番号】W WO2021188751
(87)【国際公開日】2021-09-23
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301030
【氏名又は名称】ウエストロック・パッケージング・システムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・イー・ザシャール
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA22
3E067AB99
3E067AC12
3E067BA09A
3E067BB01A
3E067BC04A
3E067CA24
3E067DA06
3E067FC06
(57)【要約】
パッケージ、1つ以上の物品を包装するためのキャリア、およびキャリアを形成するためのブランクが開示される。キャリアは、物品の一部に係合して配設された少なくとも1つの物品受入れ孔を有する係合パネルを備える。係合パネルは、第1の側縁と、第1の端縁と、第1の側縁および第1の端縁によって画定された隅部と、隅部領域とを有する。物品受入れ孔は、隅部から隅部領域を横切る第1の係合縁を備える。隅部領域は、第1の係合縁によって少なくとも部分的に画定され、第1の側縁および第1の端縁の各々の端部がそれぞれ、隅部から延びる。隅部領域は、第1の側縁の端部が第1の側縁の隣接する部分に対して角度付けされるように係合パネルの残りの部分に対して折り畳まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物品と物品キャリアとを備えるパッケージであって、前記物品キャリアは、少なくとも1つの前記物品の一部に係合して配設された少なくとも1つの物品受入れ孔を有する係合パネルを備え、前記係合パネルは、第1の側縁と、第1の端縁と、前記第1の側縁および前記第1の端縁によって画定された隅部と、隅部領域とを備え、前記物品受入れ孔は、前記隅部から前記隅部領域を横切る位置に第1の係合縁を備え、前記隅部領域は、前記第1の係合縁によって少なくとも部分的に画定され、前記第1の側縁の端部が前記隅部から延び、前記第1の端縁の端部前記隅部から延び、
前記隅部領域は、前記第1の側縁の前記端部が前記第1の側縁の隣接する部分に対して角度付けされるように、前記係合パネルの残りの部分に対して折り畳まれる、パッケージ。
【請求項2】
前記第1の端縁の前記端部は、前記第1の端縁の隣接する部分に対して角度付けされる、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記隅部領域は、第1および第2の折り目によって少なくとも部分的にさらに画定され、前記第1の折り目は、前記隅部領域を前記係合パネルの前記残りの部分に接続し、前記第2の折り目は、前記隅部領域を前記係合パネルの前記残りの部分に接続する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記第1の折り目は、前記第1の側縁から少なくとも1つの前記物品受入れ孔に向かって延び、前記第2の折り目は、前記第1の端縁から少なくとも1つの前記物品受入れ孔に向かって延びる、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項5】
物品キャリアと少なくとも1つの物品とを備えるパッケージであって、少なくとも1つの前記物品は、上向きにテーパ付けされた上部を有し、前記物品キャリアは、第1の上部プライと第2の下部プライとを備える係合パネルを備え、前記下部プライは、少なくとも1つの下部孔を含み、少なくとも1つの前記下部孔は、少なくとも1つの前記下部孔の周りに形成された環状の一連の下部プライタブを有し、前記下部プライタブは、前記下部プライタブが少なくとも1つの前記物品の前記上部に面接触係合するように前記係合パネルに対して上向きに角度付けされ、前記上部プライは、少なくとも1つの前記下部孔に略同軸に配置された少なくとも1つの上部孔を含み、少なくとも1つの前記上部孔の周りに形成された環状の一連の上部プライタブを有し、前記上部プライタブは、前記上部プライタブのうちの各々の少なくともいくつかが前記下部プライタブのそれぞれの隣接する対に面接触係合するように前記係合パネルに対して上向きに角度付けされる、パッケージ。
【請求項6】
前記下部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有し、少なくとも1つの前記下部孔は、下部プライタブの前記ベースによって画定される概念的な下部外円を有し、前記概念的な下部外円は、下部外円直径を有し、前記上部プライタブの各々は、ベースと、各上部プライタブの前記ベースに対向する内縁とを有し、少なくとも1つの前記上部孔は、前記上部プライタブの前記ベースによって画定される概念的な上部外円を有し、前記概念的な上部外円は、上部外円直径を有し、前記上部外円直径は、前記下部外円直径以下である、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記下部孔は、前記下部プライタブの前記内縁によって画定される概念的な下部内円を有し、前記概念的な下部内円は、下部内円直径を有し、少なくとも1つの前記上部孔は、前記上部プライタブの前記内縁によって画定される概念的な上部内円を有し、前記概念的な上部内円は、上部内円直径を有し、前記上部内円直径は、前記下部内円直径よりも大きい、請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記上部プライタブの各々は、前記上部プライタブのうちの隣接する上部プライタブからくぼみによって離隔され、前記くぼみのうちの少なくともいくつかの各々は、前記下部プライタブのそれぞれの下部プライタブに揃えられる、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項9】
1つ以上の物品を包装するための物品キャリアであって、面接触形態で互いに固定された第1の上部プライおよび第2の下部プライを備える係合パネルを備え、前記上部プライは、少なくとも1つの上部孔を含み、少なくとも1つの前記上部孔は、少なくとも1つの前記上部孔の周りに形成された環状の一連の上部プライタブを有し、前記上部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有し、前記上部プライタブは、少なくとも1つの物品の一部が少なくとも1つの前記上部孔内に受け入れられたときに前記係合パネルに対して上向きに折り畳まれ、前記下部プライは、少なくとも1つの前記上部孔と略同軸の少なくとも1つの下部孔を含み、少なくとも1つの前記下部孔は、少なくとも1つの前記下部孔の周りに形成された環状の一連の下部プライタブを有し、前記下部プライタブの各々は、ベースと、各下部プライタブの前記ベースに対向する内縁とを有し、少なくとも1つの前記下部孔は、下部プライタブの前記ベースによって画定される概念的な下部外円を有し、前記概念的な下部外円は、下部外円直径を有し、前記上部プライタブの各々は、ベースと、各上部プライタブの前記ベースに対向する内縁とを有し、少なくとも1つの前記上部孔は、前記上部プライタブの前記ベースによって画定される概念的な上部外円を有し、前記概念的な上部外円は、上部外円直径を有し、前記上部外円直径は、前記下部外円直径以下である、物品キャリア。
【請求項10】
少なくとも1つの前記下部孔は、前記下部プライタブの前記内縁によって画定される概念的な下部内円を有し、前記概念的な下部内円は、下部内円直径を有し、少なくとも1つの前記上部孔は、前記上部プライタブの前記内縁によって画定される概念的な上部内円を有し、前記概念的な上部内円は、上部内円直径を有し、前記上部内円直径は、前記下部内円直径よりも大きい、請求項9に記載の物品キャリア。
【請求項11】
前記上部プライタブの各々は、前記上部プライタブのうちの隣接する上部プライタブからくぼみによって離隔され、前記くぼみのうちの少なくともいくつかの各々は、前記下部プライタブのそれぞれの下部プライタブに揃えられる、請求項9に記載の物品キャリア。
【請求項12】
少なくとも1つの物品を包装するためのキャリアであって、第1の上部プライと第2の下部プライとを備える係合パネルを備え、前記下部プライは、少なくとも1つの下部孔を含み、少なくとも1つの前記下部孔は、少なくとも1つの前記下部孔の第1の部分の周りに形成された一連の第1の下部プライタブと、少なくとも1つの前記下部孔の第2の部分の周りに形成された少なくとも1つの第2の下部タブとを有し、前記上部プライは、少なくとも1つの前記下部孔に略同軸に配置された少なくとも1つの上部孔を含み、少なくとも1つの前記上部孔は、少なくとも1つの前記上部孔の第1の部分の周りに形成された一連の第1の上部プライタブと、少なくとも1つの前記上部孔の第2の部分の周りに形成された少なくとも1つの第2の上部タブとを有し、前記第1の下部プライタブは、前記第1の上部プライタブに対してずらされ、少なくとも1つの前記第2の下部タブは、少なくとも1つの前記第2の上部タブと位置合わせされる、キャリア。
【請求項13】
前記第1の下部プライタブは、前記第1の上部プライタブに対して周方向にずらされる、請求項12に記載のキャリア。
【請求項14】
前記第1の下部プライタブのうちの2つの隣接して配設された第1の下部プライタブを互いから分離する切れ目は、前記第1の上部プライタブのうちの1つを実質的に2等分する、請求項13に記載のキャリア。
【請求項15】
前記第1の下部プライタブは、前記第1の上部プライタブに対して半径方向にずらされる、請求項13に記載のキャリア。
【請求項16】
前記第1の下部プライタブの内縁は、前記第1の上部プライタブの内縁に対してはめ込まれる、請求項15に記載のキャリア。
【請求項17】
少なくとも1つの前記第2の下部タブは、共通する係合縁を形成するように少なくとも1つの前記第2の上部タブと位置合わせされる、請求項12に記載のキャリア。
【請求項18】
少なくとも1つの前記第2の下部タブは、少なくとも1つの前記第2の上部タブに対して周方向および半径方向に揃えられる、請求項17に記載のキャリア。
【請求項19】
物品キャリアを形成するためのブランクであって、係合パネルの上部プライを形成するための第1のパネルと、前記係合パネルの下部プライを形成するための第2のパネルとを備え、前記第2のパネルは、少なくとも1つの下部孔を含み、少なくとも1つの前記下部孔は、少なくとも1つの前記下部孔の第1の部分の周りに形成された一連の第1の下部プライタブと、少なくとも1つの前記下部孔の第2の部分の周りに形成された少なくとも1つの第2の下部タブとを有し、前記第1のパネルは、組立て状態において少なくとも1つの前記下部孔に略同軸となるように配置された少なくとも1つの上部孔を含み、前記第1のパネルは、少なくとも1つの前記上部孔の第1の部分の周りに形成された一連の第1の上部プライタブと、少なくとも1つの前記上部孔の第2の部分の周りに形成された少なくとも1つの第2の上部タブとを有し、前記第1の下部プライタブは、前記第1の上部プライタブに対してずれるように配置され、少なくとも1つの前記第2の下部タブは、前記ブランクが組立て状態であるときに少なくとも1つの前記第2の上部タブと位置合わせされる、ブランク。
【請求項20】
物品キャリアを形成するためのブランクであって、上部プライを形成するための第1のパネルと、下部プライを形成するための第2のパネルとを備える係合パネルを備え、前記第2のパネルは、前記第1のパネルに面接触形態で互いに固定されるようにヒンジ結合され、前記上部プライは、少なくとも1つの上部孔を含み、少なくとも1つの前記上部孔は、少なくとも1つの前記上部孔の周りに形成された環状の一連の上部プライタブを有し、前記上部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有し、前記上部プライタブは、少なくとも1つの物品の一部が少なくとも1つの前記上部孔内に受け入れられたときに前記係合パネルに対して上向きに折畳み可能であり、前記下部プライは、組立て状態において少なくとも1つの前記上部孔に略同軸となるように配置された少なくとも1つの下部孔を含み、少なくとも1つの前記下部孔は、少なくとも1つの前記下部孔の周りに形成された環状の一連の下部プライタブを有し、前記下部プライタブの各々は、ベースと、各下部プライタブの前記ベースに対向する内縁とを有し、少なくとも1つの前記下部孔は、下部プライタブの前記ベースによって画定される概念的な下部外円を有し、前記概念的な下部外円は、下部外円直径を有し、前記上部プライタブの各々は、ベースと、各上部プライタブの前記ベースに対向する内縁とを有し、少なくとも1つの前記上部孔は、前記上部プライタブの前記ベースによって画定される概念的な上部外円を有し、前記概念的な上部外円は、上部外円直径を有し、前記上部外円直径は、前記下部外円直径以下である、ブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品頂部係合デバイス、パッケージ、物品キャリア、およびこれらを形成するためのブランクに関する。より詳細には、限定はしないが、本発明は、物品を受け取り内部に保持するための1つ以上の孔を有する頂部把持タイプのキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
包装の分野では、複数の物品を搬送するためのカートンを提供することが知られている。カートンは、当技術分野で周知であり、消費者が物品の群を消費のために輸送し、貯蔵し、入手するのを可能にするうえで有用である。コストおよび環境上の要件として、そのようなカートンまたはキャリアは、できるだけ少ない材料で形成し、形成材料の無駄をほとんど生じさせないようにする必要がある。さらなる要件は、カートンの強度、および物品の大きい重量を保持し輸送するためのカートンの適切性である。カートンの内容物をカートン内で固定することが望ましい。
【0003】
キャリアのパネルに孔が形成され、前記パネルからタブが打ち抜かれる頂部把持物品キャリアを提供することが周知である。タブは、孔内に物品が受け入れられたときに前記パネルの平面から変位され、前記タブは、物品のフランジまたはリップの全体にわたって物品を係合する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、一般に板紙などから形成されるカートンの分野における改良を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、少なくとも1つの物品と物品キャリアとを備えるパッケージを提供する。物品キャリアは、少なくとも1つの物品の一部に係合して配設された少なくとも1つの物品受入れ孔を有する係合パネルを備える。係合パネルは、第1の側縁と、第1の端縁と、第1の側縁および第1の端縁によって画定された隅部と、隅部領域とを備える。物品受入れ孔は、隅部から隅部領域を横切る位置に第1の係合縁を備える。隅部領域は、第1の係合縁によって少なくとも部分的に画定される。第1の側縁の端部が隅部から延び、第1の端縁の端部が隅部から延びる。隅部領域は、第1の側縁の端部が第1の側縁の隣接する部分に対して角度付けされるように係合パネルの残りの部分に対して折り畳まれる。
【0006】
任意選択で、第1の端縁の端部は、第1の端縁の隣接する部分に対して角度付けされる。
【0007】
任意選択で、隅部領域は、第1および第2の折り目によって少なくとも部分的にさらに画定され、第1の折り目は、隅部領域を係合パネルの残りの部分に接続し、第2の折り目は、隅部領域を係合パネルの残りの部分に接続する。
【0008】
任意選択で、第1の折り目は、第1の側縁から少なくとも1つの物品受入れ孔に向かって延び、第2の折り目は、第1の端縁から少なくとも1つの物品受入れ孔に向かって延びる。
【0009】
本発明の第2の態様は、物品キャリアと少なくとも1つの物品とを備えるパッケージを提供する。少なくとも1つの物品は、上向きにテーパ付けされた上部を有する。キャリアは、第1の上部プライと第2の下部プライとを備える係合パネルを備える。下部プライは、少なくとも1つの下部孔を含み、少なくとも1つの下部孔は、少なくとも1つの下部孔の周りに形成された環状の一連の下部プライタブを有する。下部プライタブは、下部プライタブが少なくとも1つの物品の上部に面接触係合するように係合パネルに対して上向きに角度付けされる。上部プライは、少なくとも1つの下部孔に実質的に同軸に配置された少なくとも1つの上部孔を含み、少なくとも1つの上部孔の周りに形成された環状の一連の上部プライタブを有する。上部プライタブは、上部プライタブのうちの少なくともいくつかの各々が下部プライタブのそれぞれの隣接する対に面接触係合するように係合パネルに対して上向きに角度付けされる。
【0010】
任意選択で、下部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有し、少なくとも1つの下部孔は、下部プライタブのベースによって画定される概念的な下部外円を有し、概念的な下部外円は、下部外円直径を有する。上部プライタブの各々は、ベースと、各上部プライタブの前記ベースに対向する内縁とを有し、少なくとも1つの上部孔は、上部プライタブのベースによって画定される概念的な上部外円を有し、概念的な上部外円は、上部外円直径を有する。上部外円直径は、下部外円直径以下である。
【0011】
任意選択で、少なくとも1つの下部孔は、下部プライタブの内縁によって画定される概念的な下部内円を有し、概念的な下部内円は、下部内円直径を有する。少なくとも1つの上部孔は、上部プライタブの内縁によって画定される概念的な上部内円を有し、概念的な上部内円は、上部内円直径を有する。上部内円直径は、下部内円直径よりも大きい。
【0012】
任意選択で、上部プライタブの各々は、上部プライタブのうちの隣接する上部プライタブからくぼみによって離隔され、くぼみのうちの少なくともいくつかの各々は、下部プライタブのそれぞれの下部プライタブに揃えられる。
【0013】
本発明の第3の態様は、1つ以上の物品を包装するための物品キャリアを提供する。物品キャリアは、面接触形態で互いに固定された第1の上部プライおよび第2の下部プライを備える係合パネルを備える。上部プライは、少なくとも1つの上部孔を含み、少なくとも1つの上部孔は、少なくとも1つの上部孔の周りに形成された環状の一連の上部プライタブを有する。上部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有する。上部プライタブは、少なくとも1つの物品の一部が少なくとも1つの上部孔内に受け入れられたときに係合パネルに対して上向きに折り畳まれる。下部プライは、少なくとも1つの上部孔と実質的に同軸の少なくとも1つの下部孔を含む。少なくとも1つの下部孔は、少なくとも1つの下部孔の周りに形成された環状の一連の下部プライタブを有する。下部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有する。少なくとも1つの下部孔は、下部プライタブのベースによって画定される概念的な下部外円を有する。概念的な下部外円は、下部外円直径を有する。上部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有する。少なくとも1つの上部孔は、上部プライタブのベースによって画定される概念的な上部外円を有する。概念的な上部外円は、上部外円直径を有する。上部外円直径は、下部外円直径以下である。
【0014】
任意選択で、少なくとも1つの下部孔は、下部プライタブの内縁によって画定される概念的な下部内円を有し、概念的な下部内円は、下部内円直径を有する。少なくとも1つの上部孔は、上部プライタブの内縁によって画定される概念的な上部内円を有し、概念的な上部内円は、上部内円直径を有する。上部内円直径は、下部内円直径よりも大きい。
【0015】
任意選択で、上部プライタブの各々は、上部プライタブのうちの隣接する上部プライタブからくぼみによって離隔される。くぼみのうちの少なくともいくつかの各々は、下部プライタブのそれぞれの下部プライタブに揃えられる。
【0016】
本発明の第4の態様は、少なくとも1つの物品を包装するためのキャリアを提供する。キャリアは、第1の上部プライと第2の下部プライとを備える係合パネルを備える。下部プライは、少なくとも1つの下部孔を含み、少なくとも1つの下部孔は、少なくとも1つの下部孔の第1の部分の周りに形成された一連の第1の下部プライタブと、少なくとも1つの下部孔の第2の部分の周りに形成された少なくとも1つの第2の下部タブとを有する。上部プライは、少なくとも1つの下部孔に実質的に同軸に配置された少なくとも1つの上部孔を含む。少なくとも1つの上部孔は、少なくとも1つの上部孔の第1の部分の周りに形成された一連の第1の上部プライタブと、少なくとも1つの上部孔の第2の部分の周りに形成された少なくとも1つの第2の上部タブとを備える。第1の下部プライタブは、第1の上部プライタブに対してずらされ、少なくとも1つの第2の下部タブは、少なくとも1つの第2の上部タブと位置合わせされる。
【0017】
任意選択で、第1の下部プライタブは、第1の上部プライタブに対して周方向にずらされる。
【0018】
任意選択で、第1の下部プライタブのうちの2つの隣接して配設された第1の下部プライタブを互いから分離する切れ目は、第1の上部プライタブのうちの1つを実質的に2等分する。
【0019】
任意選択で、第1の下部プライタブは、第1の上部プライタブに対して半径方向にずらされる。
【0020】
任意選択で、第1の下部プライタブの内縁は、第1の上部プライタブの内縁に対してはめ込まれる。
【0021】
任意選択で、少なくとも1つの第2の下部タブは、共通する係合縁を形成するように少なくとも1つの第2の上部タブと位置合わせされる。
【0022】
任意選択で、少なくとも1つの第2の下部タブは、少なくとも1つの第2の上部タブに対して周方向および半径方向に揃えられる。
【0023】
任意選択で、第1のくぼみは、一連の第1の下部プライタブのうちの第1の、第1の下部プライタブを少なくとも1つの第2の下部タブから分離する。
【0024】
任意選択で、第2のくぼみは、一連の第1の下部プライタブのうちの第2の、第1の下部プライタブを少なくとも1つの第2の下部タブから分離する。
【0025】
任意選択で、第3のくぼみは、一連の第1の上部プライタブのうちの第1の、第1の上部プライタブを少なくとも1つの第2の上部タブから分離する。
【0026】
任意選択で、第4のくぼみは、一連の第1の上部プライタブのうちの第2の、第1の上部プライタブを少なくとも1つの第2の上部タブから分離する。
【0027】
本発明の第5の態様は、物品キャリアを形成するためのブランクを提供する。ブランクは、係合パネルの上部プライを形成するための第1のパネルと、係合パネルの下部プライを形成するための第2のパネルとを備える。第2のパネルは、少なくとも1つの下部孔を含み、少なくとも1つの下部孔は、少なくとも1つの下部孔の第1の部分の周りに形成された一連の第1の下部プライタブと、少なくとも1つの下部孔の第2の部分の周りに形成された少なくとも1つの第2の下部タブとを有する。第1のパネルは、組立て状態において少なくとも1つの下部孔に略同軸となるように配置された少なくとも1つの上部孔を含む。第1のパネルは、少なくとも1つの上部孔の第1の部分の周りに形成された一連の第1の上部プライタブと、少なくとも1つの上部孔の第2の部分の周りに形成された少なくとも1つの第2の上部タブとを有する。第1の下部プライタブは、第1の上部プライタブに対してずれるように配置され、少なくとも1つの第2の下部タブは、ブランクが組立て状態であるときに少なくとも1つの第2の上部タブと位置合わせされる。
【0028】
本発明の第6の態様は、物品キャリアを形成するためのブランクを提供する。ブランクは、上部プライを形成するための第1のパネルと、下部プライを形成するための第2のパネルとを備える係合パネルを備える。第2のパネルは、第1のパネルに面接触形態で互いに固定されるように第1のパネルにヒンジ結合される。上部プライは、少なくとも1つの上部孔を含み、少なくとも1つの上部孔は、少なくとも1つの上部孔の周りに形成された環状の一連の上部プライタブを有する。上部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有する。上部プライタブは、少なくとも1つの物品の一部が少なくとも1つの上部孔内に受け入れられたときに係合パネルに対して上向きに折畳み可能である。下部プライは、組立て状態において少なくとも1つの上部孔に略同軸となるように配置された少なくとも1つの下部孔を含む。少なくとも1つの下部孔は、少なくとも1つの下部孔の周りに形成された環状の一連の下部プライタブを有する。下部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有する。少なくとも1つの下部孔は、下部プライタブのベースによって画定される概念的な下部外円を有する。概念的な下部外円は、下部外円直径を有する。上部プライタブの各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁とを有する。少なくとも1つの上部孔は、上部プライタブのベースによって画定される概念的な上部外円を有する。概念的な上部外円は、上部外円直径を有する。上部外円直径は、下部外円直径以下である。
【0029】
本出願の範囲内では、上記パラグラフ、特許請求の範囲、ならびに/または以下の説明および図面に記載された様々な態様、実施形態、実施例、特徴、および代替例は、独立して考慮または検討され得るかあるいは任意に組み合わせて考慮または検討され得ることが構想または意図される。
【0030】
一実施形態に関連して説明するかまたは一実施形態との関係において説明する特徴または要素は、特徴が不適合でない限り、すべての実施形態に適用可能である。一実施形態における1つ以上の特徴または要素は、本明細書で開示される他の実施形態のうちのいずれかに組み込まれるか、またはそれと組み合わされてもよく、前記一実施形態から抽出された前記特徴または要素は、前記他の実施形態の1つ以上の特徴または要素に加えて含められるか、あるいは1つ以上の特徴または要素に代えて含められてもよい。
【0031】
本明細書で開示する実施形態の特徴または特徴の組合せは、その実施形態の他の特徴とは別個に抽出されてもよい。代替的に、実施形態の特徴または特徴の組合せは、その実施形態から除外されてもよい。
【0032】
次に、本発明の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】各々が、アレイとして互いに接続された、第1の実施形態による物品キャリアを形成することができる、複数のブランクの上からの平面図である。
【
図2】物品の群に係合する、
図1のブランクのうちの1つから形成された、キャリアの上からの斜視図である。
【
図4】
図1のブランクのうちの1つの上からの平面図である。
【
図5】
図4のブランクをキャリアに組み立てるステージの上からの平面図である。
【
図6】各々が、アレイとして互いに接続された、第2の実施形態による物品キャリアを形成することができる、複数のブランクの上からの平面図である。
【
図7】各々が、アレイとして互いに接続された、第3の実施形態による物品キャリアを形成することができる、複数のブランクの上からの平面図である。
【
図8】
図2のキャリアと物品とを備えるパッケージの一部の切欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書では、パッケージ、ブランク、およびキャリアの特定の実施形態の詳細な説明を開示する。開示する実施形態は、本発明のいくつかの態様を実施することができる方法の実施例に過ぎず、本発明を具現化し得る方法のすべての網羅的なリストを表すものではないことが理解されよう。本明細書では、「例示的」という語は、例示、試料、モデル、またはパターンとして働く実施形態を指すように拡張的に使用される。実際、本明細書で説明するパッケージ、ブランク、およびキャリアは、様々な代替形態で具現化されてもよいことが理解されよう。各図は、必ずしも正確な縮尺ではなく、いくつかの特徴は、特定の構成要素の細部を示すために誇張または最小化される場合がある。本開示を曖昧にすることを避けるために、周知の構成要素、材料、または方法については必ずしも極めて詳細に説明するとは限らない。本明細書で開示する任意の特定の構造および機能の詳細は、限定として解釈すべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎および当業者に本発明の様々な使用法を教示するための代表的な基礎として解釈すべきである。
【0035】
図1を参照すると、概して参照符号1によって参照される複数の接続されたブランク10a~10fの平面図が示されており、
図4には、
図2に示すような、以下では物品Bと呼ばれる、限定はしないが、ボトルまたは缶などの一次製品の群を収容して搬送するための、
図2に示すような、カートンまたはキャリア90を形成することのできる個々のブランク10が示されている。ブランク10は、少なくとも1つの一次製品容器またはパッケージを包装するための二次パッケージを形成する。代替的なブランク110a~110f、210a~210fが
図6および
図7に示されている。
【0036】
本明細書で詳細に説明する実施形態では、「カートン」および「キャリア」という用語は、本発明の様々な特徴を示す非制限的な目的のために、一次製品容器などの、物品を係合して搬送するための容器を指す。本発明の教示は、様々な製品容器に適用することができ、製品容器は、テーパ付けされていてもそうでなくてもよく、かつ/または円筒形であってもそうでなくてもよい。例示的な容器は、ボトル(たとえば、金属、ガラス、またはプラスチックボトル)、缶(たとえば、アルミニウム缶)、ブリキ缶、袋、パックなどを含む。
【0037】
ブランク10a~10f、110a~110f、210a~210fは、適切な基材のシートから形成されている。本明細書では、「適切な基材」という用語は、板紙、段ボール、ボール紙、プラスチック、それらの組合せなどの、すべての種類の折畳み可能なシート材料を含むことを理解されたい。たとえば、以下でより詳しく説明するキャリア構造を提供するために適切であれば、1つまたは他の数のブランクを使用してもよいことを認識されたい。
【0038】
本明細書で説明する包装構造またはカートンは、板紙などのシート材料から形成されてもよく、板紙は、その強度を増すための材料で作られるかまたは被覆されてもよい。そのようなシート材料の一例は、WestRock Companyによって製造された耐引裂き性NATRALOCK(登録商標)板紙である。耐引裂き性材料は、パッケージの引裂き抵抗を向上させるのを助けるために複数の層によって設けられてもよいことに留意されたい。一般に、シート材料の一方の表面は、他方の表面と異なる特性を有してもよい。たとえば、完成したパッケージから外側に面するシート材料の表面は、特に平滑であってもよく、良好な印刷適性を有するようにクレーコーティングなどのコーティングまたはその他の表面処理を有してもよい。一方、内側に面するシート材料の表面については、コーティング、層、処理を施すか、あるいは引裂き抵抗、良好な接着性、ヒートシール適性、またはその他の所望の機能特性のうちの1つ以上などの特性をもたらすように他の方法で準備してもよい。
【0039】
図示の実施形態では、ブランク10a~10f、110a~110f、210a~210fは、例示的な物品Bの例示的な形態を包装するためのカートンまたはキャリア90を形成するように構成される。図示の実施形態では、この形態は2×2マトリックスまたはアレイであり、2つの物品の2つの列が設けられ、物品Bは飲料缶である。代替的に、ブランク10a~10f、110a~110f、210a~210fは、他の種類、数、およびサイズの物品を包装し、かつ/または物品を異なる形態または構成で包装するためのキャリアを形成するように構成することができる。
【0040】
図1を参照すると、複数の接続されたブランク1が示され、具体的には、2×3マトリックスまたはアレイとして配置された6つのブランク10a、10b、10c、10d、10e、10fがある。各ブランク10a、10b、10c、10d、10e、10fは、キャリア90(
図2参照)の頂部壁または係合パネル12A/12Bを形成するためのメインパネル12A、12Bの対を備える。各ブランク10a、10b、10c、10d、10e、10fは、脆弱な接続部F2によって少なくとも2つの隣接するブランク10に接続されている。
【0041】
メインパネル12A、12Bの対は、キャリア90の下部層または下部プライを形成するための第1のメインパネル12Aと、キャリア90の上部層または上部プライを形成するための第2のメインパネル12Bとを備える。各々の第1のメインパネル12Aは、折り目F1の形をしたヒンジ式接続部によってヒンジ式にそれぞれの第2のメインパネル12Bに接続されている。
【0042】
メインパネル12A、12Bの対は、少なくとも1つの物品保持構造RTを含む。
図5を参照されたい。
図1~
図5の実施形態では、係合パネル12A/12Bは、複数の物品保持構造RT、具体的には2×2マトリックスまたはアレイとして配置された4つの物品保持構造RTを備える。物品保持構造RTの各々は、孔A1/A2を備える。
【0043】
物品保持構造RTは、第1のメインパネル12Aに画定されるか、または第1のメインパネル12Aから打ち抜かれた第1の孔A1によって部分的に画定された物品受入れ開口を備える。
【0044】
物品受入れ開口は、第2のメインパネル12Bに画定されるか、または第2のメインパネル12Bから打ち抜かれた第2の孔A2によって部分的に画定されている。
【0045】
物品保持構造RTは、孔A1/A2に沿って配設された複数の歯またはタブ16、18を備える。
【0046】
図4を参照すると、ブランク10の平面図が示されており、第1のメインパネル12Aは、第1の孔A1の円周または境界の一部に沿って配設された第1の複数の歯16(本明細書では内歯または下部歯16とも呼ばれる)を備える。第1の複数の歯16は、第1のメインパネル12Aによって設けられる。下部歯16の各々は、ヒンジ式接続部によって第1のメインパネル12Aにヒンジ式に接続されている。ヒンジ式接続部は、複数の切れ目13、19によって画定されている。複数の切れ目13、19は、第1の孔A1の周りの環状の一連の切込みとして配置されてもよい。
【0047】
複数の切れ目13、19は、円の一部を画定または近似してもよい。
【0048】
複数の第1の歯16の各々は、ヒンジ式縁に対向する係合縁E1を備える。係合縁E1は、孔A1を画定する切れ目の直線部分によって画定されている。各係合縁E1は多角形の一部を画定する。図示の実施形態は、16角形の実質的な部分を一緒になって画定する11個の下部歯16を備える。各下部歯16は、側縁の対を備え、側縁は、16角形のそれぞれの頂点から半径方向外側に延びる切れ目15、17によって画定されている。すなわち、16角形の部分を画定する切れ目の隣接する直線部分の対間のそれぞれの頂点から。切れ目15、17は、互いに対して分岐して配置され、間に角度を画定しており、この角度は約22.5°であってもよい。
【0049】
複数の切れ目13、19は、複数の第1の周方向切れ目13を備える。複数の第1の周方向切れ目13の各々は、半径方向切れ目15、17のうちの1つまたはその概念的な延長部が複数の第1の周方向切れ目13のそれぞれの第1の周方向切れ目13を2等分するように半径方向切れ目15、17のうちの前記1つに揃えられる。
【0050】
複数の第1の周方向切れ目13の各々は、隣接して配設された下部歯16の対間に接続ニックまたはブリッジ部を画定するように第1の周方向切れ目13を2等分する半径方向切れ目15、17のうちの前記1つから離隔されている。
【0051】
複数の第1の周方向切れ目13の各々は直線状であってもよい。
【0052】
物品保持構造RTは、複数の第2の周方向切れ目19を備える。複数の第2の周方向切れ目19の各々は、複数の第1の周方向切れ目13の対間に配設され、各下部歯16と第1のメインパネル12Aとの間に接続ニックまたはブリッジ部の対を画定するように第1の周方向切れ目13から離隔されている。接続ニックまたはブリッジ部の対は、各下部歯16と第1のメインパネル12Aとの間にヒンジ式または折畳み可能接続部を構成する。
【0053】
複数の第2の周方向切れ目19の各々は直線状であってもよい。
【0054】
代替実施形態では、複数の第1の周方向切れ目13の各々は弧状または曲線状であってもよい。第1の周方向切れ目13は、物品受入れ開口の直径の2分の1に等しい曲率半径を備えてもよい。第1の周方向切れ目13は、物品受入れ開口の2分の1よりも大きい曲率半径を備えてもよい。
【0055】
代替実施形態では、複数の第2の周方向切れ目19の各々は弧状または曲線状であってもよい。第2の周方向切れ目19は、物品受入れ開口の直径の2分の1に等しい曲率半径を備えてもよい。第2の周方向切れ目19は、物品受入れ開口の直径の2分の1よりも大きい曲率半径を備えてもよい。
【0056】
第1の複数の歯16は、少なくとも1つのくぼみまたは切欠き26a、26bによって分断される。第1のくぼみ26aは、第1のメインパネル12Aの側縁Seに最も近接して配設された第1の孔A1の円周に沿った位置に設けられる。第2のくぼみ26bは、第1のメインパネル12Aの端縁Eeに最も近接して配設された第1の孔A1の円周に沿った位置に設けられる。単一の第2の下部歯20が第1のくぼみ26aと第2のくぼみ26bとの間に設けられてもよい。第2の下部歯20は、一部が第1のくぼみ26aによって画定され、一部が第2のくぼみ26bによって画定されている。
【0057】
第2の下部歯20は、第1のメインパネル12Aの隅部領域に位置する。第2の下部歯20は、隅部タブCTの一部であり、隅部タブCTは、第1のメインパネル12Aの平面から折畳み可能である。第1の折畳み可能な領域が第1のくぼみ26aと側縁Seとの間に画定されてもよい。第2の折畳み可能な領域が第2のくぼみ26bと端縁Eeとの間に画定されてもよい。
【0058】
第2の下部歯20は、物品Bに係合するための下部係合縁E2を備える。下部係合縁E2は直線状であってもよく、代替的に、下部係合縁E2は非直線状または弧状であってもよい。第2の下部歯20は、物品受入れ開口の円周において下部歯16の各々よりも大きい部分を占有してもよい。
【0059】
第2のメインパネル12Bは、第2の孔A2の円周または境界の一部に沿って配設された第2の複数の歯18(外歯または上部歯18とも呼ばれる)を備える。第2の複数の歯18は第2のメインパネル12Bによって設けられる。上部歯18の各々は、折畳み可能または変形可能に第2のメインパネル12Bに結合または接続される。いくつかの実施形態では、ヒンジ式接続部は、折り目、クリース、スコア、またはその他の適切なデバイスによって設けられてもよい。図示の実施形態では、上部歯18は第2のメインパネル12Bと一体であり、すなわち、上部歯18は分断されない接続部を有し、折り目もその他のヒンジ画定デバイスも設けられない。
【0060】
図示の実施形態は12個の上部歯18を備える。各上部歯18は、一部がノッチまたはくぼみの形をした切欠きC1によって画定されている。切欠きC1は実質的に「U」字形である。切欠きC1は、第2のメインパネル12Bの弧状自由縁を画定し、弧状縁は、物品受入れ開口の曲率半径よりもずっと小さい曲率半径を有する。
【0061】
第2の複数の歯18は、少なくとも1つのくぼみまたは切欠きC2、C3によって分断される。第3のくぼみC2は、第2のメインパネル12Bの側縁Se2に最も近接して配設された第2の孔A2の円周に沿った位置に設けられる。第4のくぼみC3は、第2のメインパネル12Bの端縁Ee2に最も近接して配設された第2の孔A2の円周に沿った位置に設けられる。単一の第2の上部歯22が第3のくぼみC2と第4のくぼみC3との間に設けられてもよい。第2の上部歯22は、一部が第3のくぼみC2によって画定され、一部が第4のくぼみC3によって画定されている。
【0062】
第2の上部歯22は、第2のメインパネル12Bの隅部領域に位置する。歯22は隅部タブCTの一部であり、隅部タブCTは、第2のメインパネル12Bの平面から折畳み可能である。第3の折畳み可能な領域が、第3のくぼみC2と側縁Se2との間に画定されてもよい。第4の折畳み可能な領域が、第4のくぼみC3と端縁Ee2との間に画定されてもよい。
【0063】
第2の上部歯22は、物品Bに係合するための上部係合縁E3を備える。上部係合縁E3は直線状であってもよく、代替的に、上部係合縁E3は非直線状または弧状であってもよい。第2の上部歯22は、物品受入れ開口の円周において上部歯18の各々よりも大きい部分を占有してもよい。
【0064】
第2の上部歯22は、第2のメインパネル12Bが
図5に示すように第1のメインパネル12Aと面接触関係になるように折り目F2に沿って折り畳まれたときに第1の下部歯20と位置合わせされるように配置される。
【0065】
第3のくぼみC2は、第1のくぼみ26aと位置合わせされるように配置される。第4のくぼみC3は、第2のくぼみ26bと位置合わせされるように配置される。このようにして、第3の折畳み可能な領域は第1の折畳み可能な領域と位置合わせされ、第2の折畳み可能な領域は第4の折畳み可能な領域と位置合わせされる。
【0066】
第1の複数の歯16の下部歯16は、
図5に最もよく示すように、第2の複数の歯18の上部歯18から周方向にずらされる。下部歯の各々は、2つの隣接して配設された上部歯18と重なり合う関係にある。上部歯18の各々は、くぼみC1、C2、C3の対の間に画定された自由縁E4を備える。
【0067】
上部歯18は、下部歯16よりも高さが低い。下部歯16は、上部歯18よりも半径方向寸法が大きい。このようにして、第1の孔A1は、
図5に最もよく示すように、第2の孔A2よりも半径が小さくなっている。
【0068】
上部歯18の各々は、下部歯16の少なくとも1つの側縁に負荷または力を加える効果を有してもよい。一連または複数の歯18のうちの一番端の上部歯を除くすべての歯は、隣接する下部歯16の対の各下部歯16の側縁に負荷または力を加える効果を有してもよい。
【0069】
このようにして、上部歯18は、使用時に下部歯16を物品Bの方へ動くのを促してもよい。このずれ形態はまた、下部歯16が物品Bの周りで屈曲または変形するのを促してもよい。下部歯16は、物品Bの外壁と相補的な湾曲形状または弧形状をとってもよい。このようにして、下部歯16の係合縁E1のより大きい範囲が、物品Bによって形成されるフランジまたはその他の突起の下方に係合して保持されてもよい。上部歯18間の切欠きC1は、下部歯16が非平面形状をとるのを容易にし、各下部歯16において下向きの力または負荷が加えられる領域を設けてもよく、かつ各下部歯16の中央または中間領域が変形するかまたは折り畳まれる中央または中間領域用の空間を形成し、ガイドまたは軸として機能し得る。
【0070】
ブランク10は、任意選択でハンドル構造を備えてもよい。ハンドル構造は、第1のメインパネル12Aに設けられた第1のハンドル開口部H1と、第2のメインパネル12Bに設けられた第2の、第1のハンドル開口部H2とを備えてもよい。第1のハンドル開口部H1は、第1のメインパネル12Aにおける第1の孔A1の対と第1の孔A1の第2の対との間の領域から打ち抜かれるかまたはその領域に画定されている。第2の、第1のハンドル開口部H2は、第2のメインパネル12Bにおける第2の孔A2の対と第2の孔A2の第2の対との間の領域から打ち抜かれるかまたはその領域に画定されている。第1のハンドル開口部H1は、折り目61Aによって第1のメインパネル12Aにヒンジ式に接続された第1のフィンガタブ60Aによって少なくとも部分的に画定されてもよい。第2のハンドル開口部H2は、折り目61Bによって第2のメインパネル12Bにヒンジ式に接続された第2のフィンガタブ60Bによって少なくとも部分的に画定されてもよい。第1のハンドル開口部H1および第2の、第1のハンドル開口部H2は、第2のメインパネル12Bが第1のメインパネル12Aと面接触関係になるように折り目F2に沿って折り畳まれたときに互いに位置合わせされるように配置される。
【0071】
第1および第2のフィンガタブ60A、60Bの各々は、折り目またはクリースラインの対を備えてもよい。折り目は、互いに対して分岐して配置されてもよい。折り目の各々は弧状であってもよい。
【0072】
ブランク10は、少なくとも板紙基材を含む。板紙基材の材料は、任意の従来の板紙、たとえば、重量が約10ptから上、好ましくは約16ptから約28ptまでの範囲(0.028”/約0.7mm)の板紙から選択されてもよい。そのような機材の例には、WestRock(登録商標)Companyによって製造された20ポイント(pt)(0.020”/約0.5mm)SBSボード(一方の面をコーティングされた漂白硫酸塩板紙、商品名PrintKote(登録商標))またはCNK(登録商標)ボード(Coated Natural Kraft(登録商標)、一方の面にクレーコーティングを有する未漂白クラフト板紙、商品名CarrierKoteTM)がある。板紙基材は、漂白または未漂白紙であってもよい。この紙は、少なくとも一方の面、任意選択で積層に対向する面に、印刷方法および紙組成との適合性に関して選択される従来のコーティングが施されてもよい。
【0073】
ブランク10は、板紙層に積層された耐引裂き性層を含んでもよい。ブランク10は任意選択で、板紙基材と耐引裂き性層との間に接着剤層を含む。耐引裂き性層は、板紙基材の非コーティング側に配設されてもよく、ポリマー材料で形成され基材に固定されてもよい。耐引裂き性層は積層構造に靭性を付与する。適切な耐引裂き性材料は、限定はしないが、耐引裂き性積層シート材料、たとえばn軸延伸フィルムの層を含み得るNATRALOCK(登録商標)、たとえば二軸延伸ポリエステルであるMYLAR(登録商標)、延伸ナイロン、クロスラミネーティッドポリオレフィン、または高密度ポリオレフィンを含み得る。これらの材料の延伸構造およびクロスラミネーティッド構造は耐引裂き特性に寄与する。さらに、耐引裂き性は、押出しメタロセン触媒ポリエチレン(mPE)などの耐引裂き性材料の化学的性質に起因してもよい。
【0074】
代替的に、耐引裂き性層は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)層であってもよい。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)またはmPEが使用される実施形態では、接着剤層を組み込む必要はない。高レベルの耐引裂き性を有する他の適切な材料が使用されてもよい。
【0075】
接着剤層は、低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリオレフィン材料で形成されてもよい。接着剤層は、耐引裂き性層を基材に固定するために基材と耐引裂き性層との間に配置されてもよい。
【0076】
ブランク10からキャリア90を組み立てる場合、にかわまたは他の接着剤処理が第1のメインパネル12Aと第2のメインパネル12Bの一方または両方の表面に施される。ブランク10は、折り目F1に沿って折り畳まれ、第1のメインパネル12Aが第2のメインパネル12Bと面接触関係にされる。第1のメインパネル12Aは第2のメインパネル12Bに固定される。
【0077】
複数の接続されたブランク1の場合、ブランク10a~10cが同時に折り畳まれてもよく、ブランク10d~10fが同時に折り畳まれてもよい。このようにして、複数の接続されたキャリア90が形成される。
【0078】
ブランク10は、物品Bの群に取り付けられてもよい。ブランク10は、物品Bの群に対して下降させられる。ブランク10の物品保持構造RTの各々が群内のそれぞれの物品Bと揃えられる。物品Bの各部分が係合パネル12A/12Bを通過する。下部歯16は第1のメインパネル12Aの平面から折り畳まれ、上部歯18は第2のメインパネル12Bの平面から変形または変位されてもよい。
【0079】
下部歯16の係合縁E1は突起の下方に係合する。突起は、物品Bのネックまたはへり(フランジを形成してもよい)の周りに位置してもよい。物品Bが缶であるとき、突起は缶詰業者のエンドシームによって設けられてもよい。他の実施形態では、突起は、たとえば、物品Bのリッジもしくはアンダーカット形状または物品Bのエンドクロージャによって形成されてもよいが、王冠コルクもしくはクロージャに限定されない。このようにして、係合縁E1は物品Bを把持または保持し、物品Bが意図せずにメインパネル12から分離するのを防止または抑制する。組立て済みのキャリア90が
図2に示されている。
【0080】
図8は、キャリア90の部分図を示し、下部歯16が上向きに変形して物品Bのフランジの下方に係合することを示すためにキャリアの一部が断面図で示されている。上部歯18は、上向きに変位しており、下部歯16に近接している。上部歯は、下部歯16の一部の輪郭に従う。上部歯18は、物品Bに係合または接触せず、むしろ下部歯16を物品Bに接触させて支持または固定する。
【0081】
隅部タブCTは、
図3に最もよく示すように、物品Bの隅部またはショルダに沿って下向きに折り畳まれる。隅部タブCTは、物品Bの隣接する部分に近接して配設される。隅部タブCTは、物品Bの輪郭に従ってもよく、それによって、隅部タブCTは物品Bのフットプリントを越えて外側に突き出ることがなくなるか、または少なくとも著しく突き出ることがなくなる。
【0082】
上部および下部の第2の歯22、20は、互いに固定され、物品Bのフランジに係合する。上部および下部の第2の歯22、20は、キャリア90の係合パネル12A/12Bに対して折り畳まれてもよく、折畳みの程度または角度は下部および/または上部の第1の歯16、18の折畳みの程度または角度よりも小さくてもよい。その理由は、第1の歯16、18が結合された係合パネル12A/12Bの隅部部分が下向きに折り畳まれるからである。
【0083】
いくつかの実施形態では、上部および下部の第2の歯22、20は、隅部タブCTに対して折り畳まれなくてもよい。隅部タブCTは、物品Bの形状に適合または合致してもよく、第1および第2のメインパネル12A、12Bの折畳み可能な領域に折り目が生じ、隅部タブCTをキャリア90の係合パネル12A/12Bの平面から移動させることが可能になる。
【0084】
いくつかの実施形態では、複数のキャリアが同時に物品Bの第1の群に取り付けられる。物品Bの第1の群は、物品Bの複数の第2の群に分割可能である。したがって、物品Bの各々の第2の群は、物品Bの第1の群のサブセットから形成されている。
図1に示す実施形態では、物品Bの第1の群は、4×6マトリックスまたはアレイとして配置された24個の物品を備え、各々の個々のブランク10A~10Lは、4個の物品を2×2マトリックスまたはアレイとして収容する。
【0085】
個々のブランク10間の脆弱な接続部F2は、複数のブランク1を物品Bの第1の群に取り付けたときに分離されてもよい。代替的に、脆弱な接続部F2はそのまま残ってもよく、個々のブランク10は店頭または販売場所において他のブランク10から分離されてもよい。
【0086】
キャリア90の別の任意の特徴は、係合パネル12A/12Bが、キャリア90の他の部分が接続されていない周縁によって画定されることである。すなわち、キャリア90は、他のパネル、たとえば、限定はしないが、物品群の側面に沿って延びる側壁または端壁パネルとの接続部を有さない。したがって、係合パネル12A/12Bの周縁は、全体的に自由縁、切り口、または非ヒンジ式縁によって画定されている。
【0087】
次に、
図6および
図7を参照すると、本開示の追加の実施形態が示されている。第2および第3の図示の実施形態では、同じ参照符号は、可能であれば同じ部分を示すために使用されている。ただし、これらの特徴がそれぞれ第2および第3の実施形態に属することを示すためにプレフィックス「100」、「200」が加えられている。追加の実施形態は、第1の実施形態と多数の共通の特徴を共有し、したがって、
図1および
図5に示す実施形態との違いのみについて詳細に説明する。
【0088】
図6は、第2の実施形態を示し、概して参照符号101によって参照される複数の接続されたブランクを示し、具体的には、2×3マトリックスまたはアレイとして配置されたブランク110a、110b、110c、110d、110e、110fがある。各ブランク110a、110b、110c、110d、110e、110fは、キャリア(図示せず)の頂壁または係合パネルを形成するためのメインパネル112A、112Bの対を備える。各ブランク110a、110b、110c、110d、110e、110fは、脆弱な接続部によって少なくとも2つの隣接するブランク110に接続されている。
【0089】
メインパネル112A、112Bの対は、キャリアの下部層または下部プライを形成するための第1のメインパネル112Aと、キャリアの上部層または上部プライを形成するための第2のメインパネル112Bとを備える。各々の第1のメインパネル112Aは、折り目の形をしたヒンジ式接続部によってそれぞれの第2のメインパネル112Bにヒンジ式に接続されている。
【0090】
メインパネル112A、112Bの対は、少なくとも1つの物品保持構造を形成する。
図6の実施形態では、ブランク110a、110b、110c、110d、110e、110fの各々は複数の物品保持構造、具体的には、2×2マトリックスまたはアレイとして配置された4つの物品保持構造を形成するように配置される。
【0091】
物品保持構造は、第1のメインパネル112Aに画定されるかまたは第1のメインパネル112Aから打ち抜かれた第1の孔A1によって部分的に画定された物品受入れ開口を備える。
【0092】
物品受入れ開口は、第2のメインパネル112Bに画定されるかまたは第2のメインパネル112Bから打ち抜かれた第2の孔A2によって部分的に画定されている。第2の孔A2およびその周りに配設された複数の歯18の各々は、
図1~
図5の実施形態に関連して上記で説明したように、各々の第2の孔A2の周りに配設された歯の数が9本の歯に減らされているが、実質的に同じ構成を有する。
【0093】
第1の孔A1は、その周りに複数の歯またはタブ116が配設されている。
【0094】
第1のメインパネル112Aは、第1の孔A1の円周または境界の一部の周りに配設された第1の複数の歯116(本明細書では内歯または下部歯116とも呼ばれる)を備える。第1の複数の歯116は、第1のメインパネル112Aによって形成されている。下部歯116の各々は、ヒンジ式接続部によって第1のメインパネル112Aにヒンジ式に接続されている。ヒンジ式接続部は複数の切れ目113によって画定されている。複数の切れ目113は、第1の孔A1の周りに環状の一連の切れ目として配置されてもよい。
【0095】
複数の下部歯116の各々は係合縁を備える。係合縁は、第1の孔A1を画定する切れ目の直線部分によって画定されてもよい。各係合縁は多角形の一部を画定している。図示の実施形態は、全体的に12角形の実質的な部分を画定する10個の下部歯116を備える。各下部歯116は、側縁の対を備え、側縁は、12角形のそれぞれの頂点から半径方向外側に延びる切れ目115、117によって画定されている。すなわち、12角形の一部を画定する切れ目の隣接する直線部分の対間のそれぞれの頂点から。切れ目115、117は、互いに対して分岐して配置され、間に角度を画定しており、この角度は約30°であってもよい。
【0096】
複数の切れ目113は複数の弧状切れ目113を備える。複数の第1の周方向切れ目113の各々は、半径方向切れ目115、117のうちの前記1つまたはその概念的な延長線が複数の弧状切れ目113のそれぞれを2等分するように半径方向切れ目115、117に揃えられる。
【0097】
複数の第1の周方向切れ目113の各々は、隣接して配設された下部歯116の対の間に接続ニックまたはブリッジ部を画定するように第1の周方向切れ目113を2等分する半径方向切れ目115、117のうちの前記1つから離隔されている。
【0098】
切れ目113の各々は曲線状または弧状である。切れ目113は、曲率半径が物品受入れ開口の曲率半径よりも実質的に小さい。
【0099】
図1の実施形態の切れ目19は、
図6の実施形態から除外されている。
【0100】
第1のくぼみ126aおよび第2のくぼみ126bは、
図1の実施形態の第1のくぼみ26aおよび第2のくぼみ26bと比較して寸法が小さくされており、具体的には、
図6の第1および第2のくぼみ126a、126bは、物品受入れ開口の円周のより小さい弧または部分を占有する。
【0101】
複数の下部歯116は、複数の上部歯118に対して周方向にずらされる。複数の下部歯116は、物品受入れ開口において複数の上部歯118よりも大きい部分を占有する。(
図1の実施形態では、複数の上部歯118は、物品受入れ開口において複数の下部歯116よりも大きい部分を占有する。)
【0102】
図7は、第3の実施形態を示し、概して参照符号201によって参照される複数の接続されたブランクを示し、具体的には、2×3マトリックスまたはアレイとして配置された6つのブランク210a、210b、210c、210d、210e、210fがある。各ブランク210a、210b、210c、210d、210e、210fは、キャリア(図示せず)の頂壁または係合パネルを形成するためのメインパネル212A、212Bの対を備える。各ブランク210a、210b、210c、210d、210e、210fは、脆弱な接続部によって少なくとも2つの隣接するブランク210に接続されている。
【0103】
メインパネル212A、212Bの対は、キャリアの下部層または下部プライを形成するための第1のメインパネル212Aと、キャリアの上部層または上部プライを形成するための第2のメインパネル212Bとを備える。各々の第1のメインパネル212Aは、折り目の形をしたヒンジ式接続部によってそれぞれの第2のメインパネル212Bにヒンジ式に接続されている。
【0104】
メインパネル212A、212Bの対は、少なくとも1つの物品保持構造を形成する。
図7の実施形態では、ブランク210a、210b、210c、210d、210e、210fの各々は複数の物品保持構造、具体的には、2×2マトリックスまたはアレイとして配置された4つの物品保持構造を形成するように配置される。
【0105】
図7の実施形態において、物品保持構造は、
図6の実施形態の物品保持構造と構成が実質的に同様である。ただし、第1および第2のくぼみ126a、126bが第1の孔A1から除外されている。第3および第4のくぼみC2、C3が第2の孔A2から除外されており、第2の上部歯122および下部歯120も除外されている。このようにして、複数の下部歯216は第1の孔A1の全周に沿って延び、複数の上部歯218は第2の孔A2の全周に沿って延びている。上部歯218は、各下部歯が2つの隣接する上部歯218と部分的に重なり合う関係になるように下部歯216に対して周方向にずらされる。
【0106】
本開示は、改良された物品保持構造または物品頂部係合デバイスRTを有する頂部係合タイプのキャリア90を提供する。
【0107】
物品頂部係合デバイスRTは、少なくとも1つの頂部受入れ開口を有する係合パネル12A/12Bを備える。
【0108】
パッケージは少なくとも1つの物品Bと物品キャリア90とを備える。物品キャリア90は、少なくとも1つの物品Bの一部と係合して配設された少なくとも1つの物品受入れ孔RTを備える係合パネル12A/12Bを備える。係合パネル12A/12Bは、第1の側縁Seと、第1の端縁Eeと、第1の側縁および第1の端縁によって画定された隅部CNと、隅部領域CTとを有する。物品受入れ孔RTは、隅部CNから隅部領域CTを横切る位置に第1の係合縁E2を備える。隅部領域CTは、第1の係合縁E2、隅部CNから延びる第1の側縁Seの端部Sea、および隅部CNから延びる第1の端縁Eeの端部Eeaによって少なくとも部分的に画定され、隅部領域CTは、第1の側縁Seの端部Seaが第1の側縁Seの隣接する部分に対して角度付けされるように係合パネル12A/12Bの残りの部分に対して折り畳まれる。
【0109】
第1の端縁Eeの端部Eeaは、第1の端縁Eeの隣接する部分に対して角度付けされる。
【0110】
隅部領域CTはさらに、第1のP1折り目および第2のP2折り目によって少なくとも部分的に画定されている。第1の折り目P1は、隅部領域CTを係合パネル12A/12Bの残りの部分に接続している。第2の折り目P2は、隅部領域CTを係合パネル12A/12Bの残りの部分に接続している。
【0111】
第1の折り目P1は、第1の側縁Seから少なくとも1つの物品受入れ孔RTに向かって延び、第2の折り目P2は、第1の端縁Eeから少なくとも1つの物品受入れ孔RTに向かって延びている。
【0112】
本開示はまた、物品キャリア90と少なくとも1つの物品Bとを備えるパッケージを提供し、少なくとも1つの物品Bは上向きにテーパ付けされた上部またはネックNを有する。キャリア90は、第1の上部プライ12B、112B、212Bと第2の下部プライ12A、112A、212Aとを備える係合パネル12A/12B、112A/112B、212A/212Bを備える。下部プライ12Aは、少なくとも1つの下部孔A1を含み、少なくとも1つの下部孔A1は、環状の一連の下部プライタブ16、116、216が周りに形成されている。下部プライタブ16、116、216は、下部プライタブ16、116、216が少なくとも1つの物品Bの上部Nに面接触係合するように係合パネル12A/12B、112A/112B、212A/212Bに対して上向きに角度付けされている。上部プライ12B、112B、212Bは、少なくとも1つの下部孔A1と実質的に同軸の少なくとも1つの上部孔A2を含み、少なくとも1つの上部孔A2は、環状の一連の上部プライタブ18、118、218が周りに形成されている。上部プライタブ18、118、218は、上部プライタブ18、118、218のうちの少なくともいくつかの各々が下部プライタブ16、116、216のそれぞれの隣接する対に面接触係合するように係合パネル12A/12B、112A/112B、212A/212Bに対して上向きに角度付けされている。
【0113】
下部プライタブ16、116、216の各々は、ベースと、前記ベースに対向する内縁E1とを有する。少なくとも1つの下部孔A1は、下部プライタブ16、116、216のベースによって画定される概念的な下部外円Nc2を有する。概念的な下部外円Ne2は下部外円直径Dioを有する。上部プライタブ18、118、218の各々は、ベースと、各上部プライタブ18、118、218の前記ベースに対向する内縁とを有する。少なくとも1つの上部孔A2は、上部プライタブ18、118、218のベースによって画定される概念的な上部外円Nc3を有する。概念的な上部外円Nc3は上部外円直径Duoを有する。上部外円直径Duoは下部外円直径Dio以下である。
【0114】
少なくとも1つの下部孔A1は、下部プライタブ16、116、216の内縁E1によって画定される概念的な下部内円Nc1を有する。概念的な下部内円Nc1は下部内円直径Diiを有する。少なくとも1つの上部孔A2は、上部プライタブ18、118、218の内縁によって画定される概念的な上部内円を有する。概念的な上部内円Nc1は上部内円直径Duiを有する。上部内円直径Duiは下部内円直径Diiよりも大きい。
【0115】
上部プライタブ18、118、218の各々は、上部プライタブ18、118、218のうちの隣接する上部プライタブからくぼみC1によって離隔されている。くぼみC1の各々のうちの少なくともいくつかは、上部プライタブ18、118、218のそれぞれと揃えられる。
【0116】
第1の上部プライ12B、112B、212Bと第2の下部プライ12A、112A、212Aとを備える係合パネル12A/12B、112A/112B、212A/212Bを備えるキャリア90が本明細書で開示される。下部プライ12Aは、少なくとも1つの下部孔A1を含み、少なくとも1つの下部孔A1は、少なくとも1つの下部孔A1の第1の部分の周りに形成された環状の一連の第1の下部プライタブ16、116、216と、少なくとも1つの下部孔A1の第2の部分の周りに形成された少なくとも1つの第2の下部タブ20とを有する。上部プライ12B、112B、212Bは、少なくとも1つの下部孔A1と実質的に同軸の少なくとも1つの上部孔A2を含み、少なくとも1つの上部孔A2は、その第1の部分の周りに環状の一連の第1の上部プライタブ18、118、218が形成されており、その第2の部分の周りに少なくとも1つの第2の上部タブ22が形成されている。
【0117】
第1の下部プライタブ16、116、216は、第1の上部プライタブ18、118、218に対してずらされる。
【0118】
第1の下部プライタブ16、116、216は、第1の上部プライタブ18、118、218に対して周方向にずらされる。第1の下部プライタブ16、116、216を互いに分離する切れ目15、17、115、117は、第1の上部プライタブ18、118、218のうちの1つを実質的に2等分する。
【0119】
第1の下部プライタブ16、116、216は、第1の上部プライタブ18、118、218に対して半径方向にずらされる。第1の下部プライタブ16、116、216の内縁E1は、第1の上部プライタブ18、118、218の内縁に対してはめ込まれる。
【0120】
少なくとも1つの第2の下部タブ20は、共通の係合縁E2/E3を形成するように少なくとも1つの第2の上部タブ22と位置合わせされる。少なくとも1つの第2の下部タブ20は、少なくとも1つの第2の上部タブ22に対して周方向および半径方向に揃えられる。
【0121】
第1の下部プライタブ16、116、216は、下部プライタブ16、116、216が少なくとも1つの物品Bの上部Nに面接触係合するように係合パネル12A/12B、112A/112B、212A/212Bに対して上向きに角度付けされる。上部プライタブ18、118、218は、上部プライタブ18、118、218のうちの少なくともいくつかの各々が下部プライタブ16、116、216のそれぞれの隣接する対に面接触係合するように係合パネル12A/12B、112A/112B、212A/212Bに対して上向きに角度付けされる。
【0122】
物品キャリア90は、面接触配置されるように互いに固定された第1の上部プライ12B、112B、212Bと第2の下部プライ12A、112A、212Aとを備える係合パネル12A/12B、112A/112B、212A/212Bを備える。
【0123】
本明細書では、「頂部」、「底部」、「ベース」、「前」、「後」、「端」、「側」、「内側」、「外側」、「上」、および「下」などの方向参照が必ずしもそれぞれのパネルをそのような向きに限定せず、これらのパネルを互いに区別する働きをするに過ぎないことが認識されよう。
【0124】
本明細書では、「ヒンジ式接続部」および「折り目」という用語は、ブランクのヒンジ構成を画定し、ブランクの部分を互いに折り畳むのを容易にし、または別の形で、ブランク用の最適なパネル折畳み位置を示すすべての種類のラインを指す。「ヒンジ式接続部」のあらゆる参照は必ずしも単一の折り目のみを指すものと解釈すべきではなく、実際、ヒンジ式接続部は2つ以上の折り目から形成することができ、2つ以上の折り目の各々が直線/直線状または曲線/曲線状であってもよい。直線状の折り目がヒンジ式接続部を形成するとき、そのような折り目は互いに平行に配設されるか、または互いに対してわずかに角度付けされてもよい。曲線状の折り目がヒンジ式接続部を形成するとき、そのような折り目は互いに交差して、曲線状の折り目によって囲まれた領域内に成形パネルを画定してもよい。そのようなヒンジ式接続部の代表的な例は、間に楕円形のパネルを画定するように2つの点で交差するアーチ状または弧状の折り目の対を備えてもよい。ヒンジ式接続部は、1つ以上の直線状折り目および1つ以上の曲線状折り目から形成されてもよい。そのようなヒンジ式接続部の代表的な例は、間に半月状のパネルを画定するように2つの点で交差する、直線状の折り目とアーチ状または弧状の折り目との組合せを備えてもよい。
【0125】
本明細書では、「折り目」という用語は、分割ライン、エンボスライン、デボスライン、目打ち線、ショートスリットライン、ハーフカットライン、シングルハーフカット、破線、整列スリット線、スコアライン、および前述の選択肢の任意の組合せのうちの1つを指してもよい。
【0126】
ヒンジ式接続部および折り目の各々が、ミシン目、目打ち線、ショートスリットライン、ハーフカットライン、シングルハーフカット、切れ目、破線、スリット、スコア、エンボスライン、デボスライン、それらの任意の組合せなどを含む、ブランクの基材に形成される要素を含むことができることを理解されたい。このような要素は、所望の機能を実現するように寸法を定め配置することができる。たとえば、目打ち線は、折り目および/または切離し線を画定するための脆弱度を有するように寸法を定め設計することができる。目打ち線は折畳みを容易にし、破壊に抵抗し、折畳みを容易にしかつより労力をかけた破壊を容易にするか、またはより労力をかけない破壊を容易にするように設計することができる。
【0127】
本明細書では、「位置合わせして」という句は、2枚の重なり合ったパネルのうちの第1のパネルに形成された孔などの組み立てたカートンにおける2つ以上の要素と、2枚の重なり合ったパネルのうちの第2のパネルに形成された第2の孔との位置合わせを指す。互いに位置合わせした要素は、重なり合ったパネルの厚さ方向に互いに揃えてもよい。たとえば、第1のパネルの孔が、第1のパネルと重なり合う形態に配置された第2のパネルの第2の孔と「位置合わせ」されているとき、孔の縁が、第2の孔の縁の少なくとも一部に沿って延びてもよく、第1および第2のパネルの厚さ方向において第2の孔と揃えられてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 ブランク
10 ブランク
10a~10f、110a~110f、210a~210f ブランク
12A 第1のメインパネル、係合パネル
12B 第2のメインパネル、係合パネル
13 切れ目、第1の周方向切れ目
15、17 切れ目、半径方向切れ目
16 歯またはタブ、内歯、下部歯、第1の歯
18 歯またはタブ、外歯、上部歯、第2の歯
19 切れ目、第2の周方向切れ目
20 第2の下部歯
22 第2の上部歯
26a くぼみまたは切欠き、第1のくぼみ
26b くぼみまたは切欠き、第2のくぼみ
61A、61B 折り目
90 キャリア
112A メインパネル、第1のメインパネル
112B メインパネル、第2のメインパネル
113 切れ目
115、117 切れ目
116 歯、内歯、下部歯
118 上部歯
126a 第1のくぼみ
126b 第2のくぼみ
210a~210f ブランク
212A、212B メインパネル
216 下部歯
218 上部歯
A1 第1の孔
A2 第2の孔
B 物品
C1 くぼみまたは切欠き
C2 くぼみまたは切欠き、第3のくぼみ
C3 くぼみまたは切欠き、第4のくぼみ
CN 隅部
CT 隅部タブ
Dii 下部内円直径
Duo 上部外円直径
Dui 上部外円直径
E1 係合縁
E2 下部係合縁
E3 上部係合縁
E4 自由縁
Ee 端縁
Eea 端部
Ee2 端縁
H1 第1のハンドル開口部
H2 第2の、第1のハンドル開口部
Nc1 概念的な下部内円、概念的な上部内円
P1 第1の折り目
P2 第2の折り目
RT 物品保持構造、物品頂部係合デバイス、物品受入れ孔
Se 側縁
Se2 側縁
【国際調査報告】