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特表2023-518305グリップテキスチャ付き観察光学器械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(54)【発明の名称】グリップテキスチャ付き観察光学器械
(51)【国際特許分類】
   F41G 1/30 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
F41G1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556603
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 US2021023191
(87)【国際公開番号】W WO2021188917
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/992,586
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520168099
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン マイケル エイ
(72)【発明者】
【氏名】モレル ロブ
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン デイヴィッド エム
(57)【要約】
観察光学器械がこの前側面の少なくとも一部分上に施されたテキスチャ(模様)を有する。テキスチャは、観察光学器械の後側面、左側面、右側面および/または上側面のうちの少なくとも1つの一部分上にさらに施されるのが良い。前側面のテキスチャは、任意他の表面上に施されたテキスチャと同一であっても良く、かかるテキスチャとは異なっていても良い。観察光学器械は、銃器、例えばピストルのスライドに固定されるよう設計されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察光学器械であって、少なくとも1つの側面を有し、前記少なくとも1つの側面の少なくとも一部分上にはテキスチャが施されている、観察光学器械。
【請求項2】
前記少なくとも1つの側面は、前側面である、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項3】
前記前側面は、全体にわたって前記テキスチャを有する、請求項2記載の観察光学器械。
【請求項4】
前記観察光学器械は、ベースから上方に延びる後側面ならびに左側面および右側面をさらに有する、請求項1~3のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
【請求項5】
前記テキスチャは、角錐、ディンプル、ライン、溝、円、正方形、およびこれらの組み合わせから成る群から選択された特徴を備えている、請求項1~4のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
【請求項6】
前記テキスチャは、0.001mm~10mmの高さを有する、請求項1~5のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
【請求項7】
前記テキスチャは、0.001mm~10mmの深さを有する、請求項1~6のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
【請求項8】
前記テキスチャは、複数の角錐から成る、請求項1~7のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
【請求項9】
観察光学器械は、レッドドットサイトである、請求項1~8のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
【請求項10】
システムであって、銃器および請求項1~9のうちいずれか一に記載の観察光学器械を含む、システム。
【請求項11】
銃器および観察光学器械を含むシステムであって、前記観察光学器械は、少なくとも1つの側面を有し、前記少なくとも1つの側面の一部分上にはテキスチャが施されている、システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの側面は、前側面である、請求項11記載の観察光学器械。
【請求項13】
前記前側面は、全体にわたって前記テキスチャを有する、請求項12記載の観察光学器械。
【請求項14】
前記銃器は、スライドを有し、前記観察光学器械は、前記スライドに固定されている、請求項11~13のうちいずれか一に記載のシステム。
【請求項15】
前記銃器は、ピストルである、請求項11~14のうちいずれか一に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容(本発明)は、観察光学器械、特に、ガン用サイト(照準器)に関する。一実施形態では、本発明は、少なくとも1つのテキスチャ(模様)付き領域を備えた観察光学器械に関する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は、2020年3月20日出願の米国特許仮出願第62/992,586号の優先権主張出願であって当該米国特許仮出願の非仮特許出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
長年にわたり、観察光学器械が小火器、例えばライフル、マスケット、リボルバー、ショットガン、マシンガン、およびピストルのユーザがかかる兵器を標的に対して正確に位置合わせすることができるようにし、その結果、兵器から発射された飛翔体(弾丸)が標的に確実に当たることができるようにする技術開発が観察光学器械についてなされている。かかる観察光学器械、照準装置またはガン用サイトは、2つの大きなグループ、すなわち、「アクティブ」サイトと「パッシブ」サイトに分類されると認識されている。
【0004】
アクティブサイトは、典型的には、標的を何らかの形態の放射線で照明し、そして兵器と標的の正確な位置合わせを保証するよう標的からの放射線の反射光を利用する。アクティブサイトの一例は、レーザーサイトと通称されている。レーザーサイトは、レーザーサイトのレーザー光のビームを生じ、このレーザー光ビームは、標的フィールドに投射され、その結果、光ビームがある特定のレンジのところの衝撃箇所を実際に照明するようになっている。かかるサイトは、ある特定の状況では非常に有効であるが、これらサイトには多くの欠点がある。例えば、状況によっては、標的は、光ビームまたはその反射光を見ることができる場合があり、同一の標的を照明する多数の兵器が存在する場合、各ユーザがどの反射光がどの銃器と関連しているかを知ることが困難になる場合がある。
【0005】
パッシブサイトは、典型的には、標的の周囲照明を利用し、かかるパッシブサイトは、フロントサイト(例えば、兵器の銃身の前端に設けられたディスポートサイト(disport sight )、ブレードまたはタング)およびリヤサイト(例えば、兵器のレシーバまたはスライドの後端のところに設けられた相補形ノッチ、溝、または円形孔)を含む通常のオープンサイトまたは「アイアンサイト」を含む。パッシブサイトは、レチクル、例えば拡大望遠鏡または非拡大望遠鏡の光学器械の内側に設けられた1組の調整可能なクロスヘアを用いたテレスコピックサイトをさらに含む。
【0006】
レフレックスサイト(reflex sight)と通称されているパッシブサイトの一形式は、照明レチクルを作るためにユーザに向かって投射された視準光ビームを生じさせるために屈折または反射光学系を用いる。結果的に生じてユーザに見える平面波は、無限遠のところに焦点を持つ光の小さなほぼ円形のディスクとして見える。標準型オープンレフレックスサイトでは、この照明レチクルは、これがサイト通して観察される視野(field of view)上に重ね合わされるように投射される。これにより、ユーザは、片目でサイトならびに照明レチクル(例えば、照明レッドドット)を通して同時に標的野を見ることができる。これにより、サイトを通して視野上に重ね合わされたレチクルの理論的に視差のない画像をユーザに与える。例示のレフレックスサイトとしては、ミニレッドドットサイト(mini red dot sight:MRDS)が挙げられる。
【0007】
接近戦および類似の状況において特に有利であるパッシブガンサイトの別の形式は、「オクルーデッドアイガンサイト(occluded eye gun sight:OEG)」と呼ばれることが多い。OEGの通常の形式は、本質的には、ユーザがサイト越しのオープンフィールドビューではなく空白の背景上に重ね合わされたレフレックスサイトの照明ドットを見えるようにサイト越しの視野が遮られるクローズドレフレックスサイト(closed reflex sight)である。かかるOEGを用いる場合、ユーザの利き目がOEGによって遮られまたは塞がれ、その結果、この利き目が標的を見ることができず、その代わりに、照明ドットだけを見るようになっている。
【0008】
照準装置の形式とは無関係に、射手またはユーザは、照準装置をピストル、特にピストルのスライドに取り付ける場合が多い。ピストルでは、スライドは、後方に動いて弾をチャンバ(薬室)中に送り込み、発射後にシェル(空薬莢)をエジェクト(イジェクトともいう)する。ある特定のシナリオでは、ユーザは、照準器具を用いてピストルスライドを操作するほうを選択することがある。多くの状況では、照準器具は、スライドのある特定の区分と比較すると、掴んだり操ったりするのが極めて容易である。照準装置を用いることによってスライドを作動させる場合、保持するのに非常に大きくかつ突き出た物体が得られ、かかる物体は、ユーザに求められる器用さが少なくて済み、しかも大まかな動きと考えられる。最悪のシナリオにおいて、ユーザは、自分の両手のうちの一方が使えなくなった場合にも照準装置を使えばスライドを依然として操作することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
かくして、ユーザによって有効かつ効率的な仕方で操作可能な照準装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態では、本発明は、観察光学器械を提供する。本発明の実施形態によれば、観察光学器械は、少なくとも1つの側面を有し、少なくとも1つの側面の少なくとも一部分上にはテキスチャが施されている。
【0011】
一実施形態では、テキスチャ付きの少なくとも1つの側面は、前側面である。別の実施形態では、前側面は、全体にわたってテキスチャを有する。別の実施形態では、前側面の一部分がテキスチャを有する。別の実施形態では、観察光学器械は、ベースから上方に延びる後側面ならびに左側面および右側面をさらに有する。
【0012】
一実施形態では、テキスチャは、角錐、ディンプル、ライン、溝、円、正方形、およびこれらの組み合わせから成る群から選択された特徴を備える。別の実施形態では、テキスチャは、0.001mm~10mmの高さを有する。さらに別の実施形態では、テキスチャは、0.001mm~10mmの深さを有する。別の実施形態では、テキスチャは、複数の角錐から成る。
【0013】
一実施形態では、観察光学器械は、レッドドットサイトである。
【0014】
本発明は、一実施形態として、システムを提供する。本発明の実施形態によれば、本システムは、銃器および本明細書において説明する任意の実施形態または実施形態の組み合わせとしての観察光学器械を含む。
【0015】
本発明は、一実施形態として、システムを提供する。本発明の実施形態によれば、本システムは、銃器および観察光学器械を含み、観察光学器械は、少なくとも1つの側面を有し、少なくとも1つの側面の一部分上にはテキスチャが施されている。
【0016】
一実施形態では、テキスチャ付きの少なくとも1つの側面は、前側面である。別の実施形態では、前側面は、全体にわたってテキスチャを有する。さらに別の実施形態では、銃器は、スライドを有し、観察光学器械は、スライドに固定されている。別の実施形態では、銃器は、ピストルである。
【0017】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を開示するが、これらは、説明上の目的のためであるに過ぎない。本発明は、その用途が図示のコンポーネントの構成または配置の細部には限定されない。本発明は、他の実施形態で実現できまたは他の種々の仕方で実施できまたは実現される。同一の参照符号は、同一のコンポーネントを示すために用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態としての銃器、特にピストルの略図である。
図2】本発明の実施形態としての銃器、特に、後部に照準装置が取り付けられたピストルの略図である。
図3図2の一部分の拡大図である。
図4】本発明の実施形態としての少なくとも1つの模様付き表面を備えた照準装置を示す図である。
図5】本発明の実施形態としての少なくとも1つの模様付き表面を備えた照準装置の横から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その用途が以下の説明に記載されまたは図面に示されたコンポーネントの構成および配置の細部には限定されない。本発明の技術は、他の実施形態で具体化できまたは種々の仕方で実施できまたは実行できる。また、理解されるべきこととして、本明細書で用いられている表現および用語は、説明の目的のためであり、本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0020】
ここで本明細書に開示する装置および方法を本発明の開示の実施形態を示す添付図面を参照してより完全に以下に説明する。しかし、本明細書に開示する装置および方法は、多くの異なる形態として具現化することができ、本明細書に示す実施形態に限定されると解されるべきではない。限定ではなく、これらの実施形態は、本発明の開示が万全のものになり、本発明の開示の範囲を当業者に完全に伝えることになるように提供するものである。
【0021】
当業者であれば理解されるように、組をなす特徴および/または機能を独立型観察光学器械、例えば兵器照準器、前方装着または後方装着式クリップ留め兵器照準器、および現場配備型の光学兵器照準器の他の置換の技術的関連内で容易に適応させることができる。さらに、特徴および機能の様々な組合せは、あらゆるタイプの既存の固定または可変兵器照準器を換装するためにアドオンモジュール内に組み込むことができることは当業者によって認められるであろう。
【0022】
本発明の開示での数値範囲は、近似であり、したがって、別途の指定がなければ、範囲外の値を含むことができる。数値範囲は、いずれかの下限値といずれかの上限値の間に少なくとも2単位の分離幅が存在することを条件として、下限値から上限値までのこれらの値を含む全ての値(別段の特定がなければ)を1単位の増分で含む。一例として、例えば、距離、速さ、速度などのような組成上の特性、物性、または他の特性が10から100までである場合に、それは、10、11、12のような全ての個々の値、および10から44まで、55から70まで、97から100までのような部分的範囲を明示的に列挙するように意図している。1よりも小さい値または1よりも大きな少数表示可能な数(例えば、1.1、1.5など)を含む範囲では、1単位は、適宜0.0001、0.001、0.01、または0.1であると考えられる。10よりも小さい1桁の数字(例えば、1から5まで)を含む範囲に関し、1単位は、一般的に0.1であると考えられる。これらは、具体的に意図したものの例に過ぎず、列挙する最低値と最高値の間の数値の全ての可能な組合せを本発明の開示において明示的にされているものと考えられたい。本発明の開示の範囲では、とりわけデバイスのユーザから標的までの距離に関する数値範囲が提供される。
【0023】
本明細書では、図に示す1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を説明するのに説明のしやすさの目的で「下」、「下方」、「下側」、「上方」、および「上側」などのような空間相対性を表す用語を使用する場合がある。これらの空間相対性を表す用語は、使用時のデバイスの様々な向きまたは図に描く向き以外の向きを包含するように意図したものであることは認められるであろう。例えば、図のデバイスが反転された場合に、他の要素または特徴の「下方」または「下」にあると説明する要素は、これらの他の要素または特徴の「上方」に向けられることになる。したがって、「下方」という例示的な用語は、上方と下方の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他に向けることができ(90°回転または他の向き)、本明細書に使用する空間相対性記述子は、相応に解釈することができる。
【0024】
本明細書で用いられる「および/または」という用語は、この用語と関連して記載されたアイテムの1つ以上の人の組み合わせおよび全ての組み合わせを含む。例えば「Aおよび/またはB」のような表現に対して使用する「および/または」という用語は、AとBの両方、AまたはB、A(のみ)、およびB(のみ)を含むように意図している。同様に、「A、B、および/またはC」のような表現に対して使用する「および/または」という用語は、AおよびBおよびC、AまたはBまたはC、AまたはC、AまたはB、BまたはC、AおよびC、AおよびB、BおよびC、A(のみ)、B(のみ)、ならびにC(のみ)を含むように意図している。
【0025】
要素または層が別の要素または層の「上」にあり、これに「接続され」、または「結合され」ると記載されている場合、当該要素または層は、他方の要素または層の上に直にあり、直接的に接続される、または直接的に結合される場合があることは理解されよう。変形例として、介在する要素または層が存在する場合がある。これとは対照的に、要素が別の要素または層の「上に直接」あり、これに「直接的に接続され」、または「直接的に結合され」ると記載されている場合、介在する要素または層は存在しない。
【0026】
本明細書で用いられる「テキスチャ」(模様と称される場合がある)は、平らな表面、例えば照準装置の平らな表面の平均高さに対する一連の凹みおよび/または隆起領域を意味している。テキスチャを有するのが良い照準装置の平らな表面としては、前側面、第1の側面、第2の側面、および後側面が挙げられるが、これらには限定されない。1つの実施形態では、テキスチャは、任意の三次元パターンを指す。テキスチャは、変化していても良くかつ/あるいは互いに異なるパターンを備えていても良い。
【0027】
本明細書で用いられる「ユーザ」または「射手」という用語は、射撃を行うオペレータにも射撃を行うオペレータと協力して射撃を観察する個人にも区別なく適用される。
【0028】
本明細書に使用する場合に「観察光学器械」という用語は、標的を選択、識別、またはモニタするために射手または観的手によって使用される装置を指す。観察光学器械は、標的の目視観察、または例えば赤外線(IR)撮像、紫外(UV)撮像、レーダー撮像、熱撮像、マイクロ波撮像、または磁気撮像、X線、ガンマ線、同位元素放射線、および粒子放射線を含む放射線、暗視、超音波、音パルス、ソナー、地震振動、磁気共鳴を含む振動の感知器、重力感知器、電波を含むブロードキャスト周波数、テレビジョン感知器およびセルラー感知器、または標的の他の像に頼る場合がある。観察光学器械によってユーザ/射手/観的手(スポッタ)に提示される標的の像は、未修正とするかまたは例えば拡大、増幅、減算、重複、フィルタリング、安定化、テンプレート整合、または他の手段によって改善されたものとすることができる。観察光学器械によって選択、識別、またはモニタされる標的は、射手の視線の範囲内にありまたは射手の視界に対して接線方向に存在する場合がある。他の実施形態では、射手の視線は、標的取得デバイスがピント合わせ標的像を射手に提示する間に遮蔽される場合がある。観察光学器械によって得られる標的像は、例えば、アナログまたはデジタルであり、例えば、ビデオ、物理的なケーブルまたはワイヤ、IR、電波、セルラー接続、レーザパルス、光、802.11b、または他の無線送信により、例えば、html、SML、SOAP、X.25、SNAのようなプロトコル、Bluetooth (登録商標)、シリアル、USB、または他の適切な像分散法を用いて1人または2人以上の射手および観的手のネットワーク内で共有、格納、保存、または送信することができる。「観察光学器械」という用語は、「光学照準器」と互換的に用いられる。
【0029】
本明細書に使用する場合に「銃器(firearm)」は、多くの場合に爆発力の作用によって推進される1つまたは2つ以上の飛翔体又は弾丸を発射する銃身付き兵器である携帯銃である。本明細書で用いられる「銃器」という用語は、拳銃、長銃、ライフル、散弾銃、カービン銃、自動兵器、半自動兵器、機関銃、軽機関銃、自動ライフル、および突撃ライフルを含む。
【0030】
本明細書で用いられる「外界シーン」という用語は、標的を含むがこれに限定されない現実世界のシーンを指す。
【0031】
本明細書で用いられる「零点規正」(ゼロインと称されることもある)は、狙点(射手が狙いをつけているもの)と着弾点(銃器から発射された弾丸が実際に当たる場所)を位置合わせすることである。1つの実施形態では、零点規正は、ライフルスコープまたは他の観察光学器械を指定されたレンジに関するウィンデージとエレベーションの両方についての正確な許容度が取られた後の設定値に調整するプロセスである。
【0032】
一実施形態では、照準装置は、硬化可能であり、成形可能であり、刻印可能であり、彫刻可能であり、または違ったやり方で照準装置に所望のテキスチャ表面を付与することができる。テキスチャは、これが施された場合、パターン化できるとともに/あるいはランダムに配置できる複数の凹みおよび/または隆起領域を有するのが良い。凹みは、例えば線または溝の形態をしているのが良く、かかる凹みの深さは、様々であって良い。一実施形態では、凹みは、テキスチャが施された平らな表面の平均高さから測定して約0.001mm~約10mm、または変形例として、約0.001mm~約0.1mm、変形例として、約0.1mm~約1mm、変形例として、約0.1mm~約0.5mmの深さを有する。テキスチャは、視覚的補助手段、例えば10倍または100倍の拡大設定値に設定された拡大鏡または顕微鏡なしで目に見えるのが良い。
【0033】
一実施形態では、本発明は、サイト本体、光学素子、およびサイト本体上に施されたテキスチャ(模様)付き表面を含む組立体に関する。一実施形態では、テキスチャ付き表面は、サイト本体の前側面の少なくとも一部分に設けられている。別の実施形態では、本発明は、右側面、左側面、前側面、後側面および上側面を備えたサイト本体、光学素子およびサイト本体の前側面に設けられたテキスチャ付き表面を含む組立体に関する。さらに別の実施形態では、テキスチャ付き表面は、サイト本体の少なくとも2つの側面上に設けられる。
【0034】
図1は、観察光学器械を固定することができる例示の銃器100を示している。図示の実施形態では、例示の銃器100は、ピストルである。図1に示されているように、銃器100は、図示の実施形態では、バックストラップ12と一緒になって握り部分を形成するポリマーフレームであるフレーム10および弾丸がローディングされるマガジンウェル28を有する。さらにトリガーガード(用心金)36、トリガーセーフティ(引き金安全装置)38を備えたトリガー(引き金)およびテイクダウンレバー35が示されている。スライド20がフレームレール15を備えたフレーム10の上方部分のところに位置している。スライド20は、後方に戻ってチャンバ(薬室)中にカートリッジまたは弾を込め、そして銃器100の発火後にシェル(空薬莢)またはケーシングをエジェクトする。弾丸カートリッジをチャンバ中に装填して銃口29に通してエジェクトする。エキストラクタ(抽筒子)22が先に発火したカートリッジのケーシングを除去し、これらカートリッジは、エジェクションポート25のところで銃器から排出される。また、フロントサイト(照星)30およびリヤサイト(照門)32で構成された銃器100のアイアンサイトが示されている。
【0035】
図2は、銃器100の後部に取り付けられた例示の観察光学器械または照準装置200を示している。図3は、図2の一部分をさらに詳細に示している。図2および図3に示されているように、照準装置200は、銃器100のスライド20にその後端部のところで固定されている。特に、照準装置200は、これがスライド20と一緒に動くようスライド20に固定されている。ある特定のシナリオでは、ユーザは、照準装置200を用いてその都合の良い配置およびサイズに起因してスライド20を操作するのを選ぶ可能性がある。ユーザが照準装置200を用いてスライド20を操作する場合、そのようにすべき通常の表面は、ほぼ垂直の前側面210である。硬くて広い表面は、低照明条件であっても容易に見つけることができ、しかもそれにより、手、物体または補助アイテムが表面に接触してスライド20を後方に動かすことができる。前側面210はまた、照準装置200の他の表面およびスライド20それ自体の幾つかの部分であっても、これら部分よりも大きい。その結果、照準装置200を用いてスライド20を作動させることは、ユーザの器用さが少なくて済み、しかも大まかな動きであると考えられる。最悪のシナリオにおいて、ユーザは、自分の両手のうちの一方が使えなくなった場合にも照準装置を使えばスライドを依然として操作することができる。
【0036】
図4および図5は、図示の実施形態では、MRDSである照準装置200を示す図である。照準装置200は、ベース部分205を有している。前(まえ)側面210、後(うしろ)側面(図示せず)、左(ひだり)側面208および右(みぎ)側面208がベース部分205から全体として上方に延びている。上(うえ)側面209が前側面210、後側面、左および右側面208の各々の上縁部相互間に延びている。前側面210、後側面、左側面208、右側面208、および上側面209は、一緒になって、照明システムおよび照準装置を機能的にする他のコンポーネントを収納している。光学素子(図示せず)、例えばレンズが前側面210内に収納されるのが良い。幾つかの実施形態では、リヤの透明なカバー(図示せず)、例えばガラスが後側面内に収納されるのが良い。前側面210内の光学素子だけが存在する場合、MRDSは、「オープン」MRDSである。リヤの透明なカバーも存在する場合、MRDSは、「クローズド」MRDSである。ベース205は、分かりやすくするために図面には示されていない取り付け手段(例えば、取り付けねじ)および種々の調整器具(例えば、調整ねじ)をさらに有する。同様に、バッテリもまた照準装置200内に固定され、このバッテリは、バッテリキャップによって保護され、ただし、バッテリおよびバッテリキャップは、図面を分かりやすくするために図示されていない。
【0037】
図4および図5に示されているように、左および右側面208のうちの少なくとも一方、あるいは幾つかの実施形態では、左側面208と右側面208の両方は、照準装置の1つ以上の特性、例えば輝度を制御するための制御部220を収容している。図示の制御部220は、部分的に左側面208上に、そしてまた部分的にベース205上に配置された押し込み可能なボタンであるが、別の実施形態では、制御部220は、任意形式の調整手段または調整手段の組み合わせ、例えば、押し込み可能なボタン、トグル、ノブ、スライドなどであって良い。制御部はまた、左および/または右側面208、ベース205、または照準装置200の他の部分上に異なる仕方で配置されても良い。さらに、制御部は、任意の数のかかる調整手段を含むことができ、かかる調整手段としては、単一の制御部、または3つ以上の制御部が挙げられる。同様に、制御部のうちの1つ以上は、輝度とは別の観察光学器械の特性を調節するよう構成されても良く、制御部は、互いに異なる特性を制御するよう構成されても良い。
【0038】
さらに図4および図5を参照すると、前側面210は、その表面の少なくとも一部分に沿ってテキスチャ215を有する。特に、図示の実施形態では、前側面210は、その表面の大部分または好ましくは全体にわたってテキスチャ215を有する。テキスチャ215は、照準装置200をその定位置に保つとともに滑りを阻止するのに役立つ。テキスチャ215はまた、正確な表面が握られているという手応えをユーザに提供してユーザが照準装置200に対するグリップを維持するのを助ける。
【0039】
図示の特定の実施形態では、テキスチャ215は、複数の角錐状構造体であり、これら角錐状構造体は、前側面210の平面から遠ざかる方向に延びる山部および角錐相互間に設けられていて前側面210の平面よりも深く延びる谷部を有する。別の実施形態では、テキスチャ215は、異なる幾何学的形状または形態を有することができ、かかる幾何学的形状または形態としては、触感をユーザに提供して照準装置200を定位置に保つのを助けるディンプル、ライン(線)、溝、円、正方形または任意の特徴もしくはこれらの特徴および他の特徴の組み合わせが挙げられる。
【0040】
図示の実施形態では、テキスチャ215が照準装置200の前側面210上にのみ、特に前側面210の全体上にのみ施されているが、別の実施形態では、前側面210の一部分または多数の部分だけがテキスチャを有しても良くかつ/あるいは1つ以上の追加の側面(例えば、後側面、左および/または右側面208ならびに上側面209)が全ての部分または1つ以上の部分に施されたテキスチャを有しても良いことが理解されよう。一実施形態では、照準装置200は、前側面210、後側面、左および右側面208、および/または上側面209のうちの少なくとも一部分上に施されたテキスチャ215を有している。一実施形態では、照準装置200は、テキスチャを備えた少なくとも2つの側面を有する。一実施形態では、照準装置200は、テキスチャを備えた少なくとも3つの側面を有する。一実施形態では、照準装置200は、テキスチャを備えた少なくとも4つの側面を有する。かかる実施形態では、互いに異なる側面のテキスチャは、同一であっても良くあるいは異なっていても良い。一実施形態では、照準装置200は、少なくとも2つの側面を有し、これら少なくとも2つの側面の少なくとも一部分上には同一のテキスチャが施される。
【0041】
一つの実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210およびテキスチャ付き後側面を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210およびテキスチャ付き左側面208を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210およびテキスチャ付き右側面208を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210およびテキスチャ付き上側面209を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き後側面、およびテキスチャ付き左側面208を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き後側面、およびテキスチャ付き右側面208を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き後側面およびテキスチャ付き上側面209を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き左側面208、テキスチャ付き右側面208、テキスチャ付き後側面およびテキスチャ付き上側面209を有する。
【0042】
さらに別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き左側面208およびテキスチャ付き右側面208を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き左側面208およびテキスチャ付き後側面を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き左側面208およびテキスチャ付き上側面209を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き左側面208、テキスチャ付き後側面、およびテキスチャ付き上側面209を有する。
【0043】
別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き右側面208およびテキスチャ付き後側面を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き右側面208、およびテキスチャ付き上側面209を有する。別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き右側面208、テキスチャ付き後側面およびテキスチャ付き上側面209を有する。
【0044】
別の実施形態では、照準装置は、テキスチャ付き前側面210、テキスチャ付き後側面およびテキスチャ付き上側面209を有する。
【0045】
非限定的な実施例では、テキスチャ215として機能するため、この用語が本明細書において用いられた場合、テキスチャ215が前側面210から遠ざかるある特定の方向に延びるときに/あるいは前側面210中へある特定の距離にわたって延びることが有益である。説明の目的上、テキスチャが表面から外方に延びる距離を「高さ」といい、テキスチャが表面中に延びる距離を「深さ」という。一実施形態では、テキスチャは、テキスチャが施された平らな表面の平均高さから測定して約0.001mm~約10mm、または変形例として、約0.001mm~約0.1mm、変形例として、約0.1mm~約1mm、変形例として、約0.1mm~約0.5mmの高さを有する。一実施形態では、テキスチャは、約0.001mm、0.01mm、または0.1mmから約0.5mm、1mm、5mm、又は10mmまでの高さを有する。一実施形態では、テキスチャは、テキスチャが施された平らな表面の平均高さから測定して約0.001mm~約10mm、または変形例として、約0.001mm~約0.1mm、変形例として、約0.1mm~約1mm、変形例として、約0.1mm~約0.5mmの深さを有する。一実施形態では、テキスチャは、約0.001mm、0.01mm、または0.1mmから約0.5mm、1mm、5mm、または10mmまでの深さを有する。
【0046】
一実施形態では、テキスチャ215は、射出成形、鋳造、機械加工または当該技術分野において適した任意他の方法を用いて前側面210および任意他の側面に施される。
【0047】
取り付けシステムMRDSを参照して説明したが、様々な他の観察光学器械が本明細書において説明したように前側面の少なくとも一部分上にテキスチャを備えることができる。幾つかの実施形態では、照準装置は、「アクティブ」サイトである。幾つかの実施形態では、照準装置は、「パッシブ」サイトである。幾つかの実施形態では、照準装置は、レーザーサイト、オープンサイト、アイアンサイト、レフレクタサイト、およびレッドドットサイトを含むが、これらには限定されない。一実施形態では、照準装置は、レッドドットサイトである。特定の実施形態では、照準装置は、MRDSである。一実施形態では、MRDSは、オープンMRDSである。別の実施形態では、MRDSは、クローズドMRDSである。
【0048】
照準装置の種々の実施形態を詳細に説明したが、これら実施形態に対する改造例および変形例が可能であることは、明らかなはずであり、これら改造例および変形例の全ては、本発明の真の精神および範囲に属する。次に、上述の説明に関し、理解されるべきこととして、寸法、材料、形状、形態、機能、ならびに動作の仕方、組立の仕方、および使用の仕方における変形例を含む本発明の諸部分に関する最適な寸法上の関係は、当業者には容易に明らかでありかつ明白であると考えられ、図面に記載されるとともに本明細書において説明した実施形態に対するすべての均等な関係は、本発明に含まれるものである。したがって、上記内容は、本発明の原理の例示としてのみみなされる。さらに、多くの改造および変更が当業者には容易に想到されるので、本発明を図示するとともに説明した構成および作用そのものに限定することは望まれず、したがって、すべての適当な改造例および均等例は、本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】