(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-01
(54)【発明の名称】土質植物質の堆肥化可能な生分解性の基材およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 23/04 20060101AFI20230424BHJP
C08L 3/02 20060101ALI20230424BHJP
C08K 3/26 20060101ALI20230424BHJP
C08L 89/00 20060101ALI20230424BHJP
C08L 97/00 20060101ALI20230424BHJP
C08J 3/20 20060101ALI20230424BHJP
C08L 101/16 20060101ALN20230424BHJP
【FI】
C08L23/04 ZBP
C08L3/02
C08K3/26
C08L89/00
C08L97/00
C08J3/20 Z CEP
C08J3/20 CES
C08L101/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020567190
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(85)【翻訳文提出日】2021-02-09
(86)【国際出願番号】 US2020048041
(87)【国際公開番号】W WO2021154335
(87)【国際公開日】2021-08-05
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519420090
【氏名又は名称】ショーウォルター エドワード
(74)【代理人】
【識別番号】100140567
【氏名又は名称】猪狩 充
(72)【発明者】
【氏名】ショーウォルター エドワード
【テーマコード(参考)】
4F070
4J002
4J200
【Fターム(参考)】
4F070AA03
4F070AA13
4F070AB11
4F070FA01
4F070FA17
4F070FC03
4J002AB04X
4J002AD033
4J002AH003
4J002BB02W
4J002BB03W
4J002DE236
4J002FD016
4J002GG01
4J002GG02
4J200AA04
4J200BA07
4J200BA37
4J200BA38
4J200DA05
4J200DA24
4J200EA21
4J200EA22
(57)【要約】
バイオプラスチックの形成のための土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物および上記樹脂の製造方法であって、上記組成物は、該バイオプラスチックの生分解および堆肥化を可能にするために、重量基準で約17.5%~45%のエタノールベースのグリーンポリエチレン、重量基準で約20%~25%の炭酸カルシウム、重量基準で約2%~12%のヘンプハードまたは大豆タンパク質、重量基準で約32%~45%の熱可塑性デンプン、および重量基準で約0.5%~1%の生分解添加剤を含み、ここで、上記組成物は、最初にエタノールベースのグリーンポリエチレン、炭酸カルシウム、ヘンプハードまたは大豆タンパク質、熱可塑性デンプン、および生分解添加剤をミル粉砕して微粉末にし、次いで、微粉末を1つずつ一度に約5分間~25分間にわたって乾式で熱を加えずに機械的に混合して最終混合物にし、次いで、最終混合物を約220華氏度~360華氏度に加熱することによって製造される、組成物および製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノールベースのポリエチレン、熱可塑性デンプン、および生分解添加剤を含む、バイオプラスチックを製造するための土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物であって、前記エタノールベースのポリエチレンは、15重量%~75重量%の範囲から選択され、前記熱可塑性デンプンは、20重量%~60重量%の範囲から選択され、前記生分解添加剤は、0.5重量%~10重量%の範囲から選択される、土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物。
【請求項2】
炭酸カルシウムおよび植物質系の原材料をさらに含み、前記炭酸カルシウムは、15重量%~60重量%の範囲から選択され、前記植物質系の原材料は、2重量%~75重量%の範囲から選択される、請求項1に記載の土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物。
【請求項3】
前記組成物は、
重量基準で前記組成物の約17.5パーセント(%)~45パーセント(%)のエタノールベースのポリエチレンと、
重量基準で前記組成物の約20パーセント~25パーセントの炭酸カルシウムと、
重量基準で前記組成物の約2パーセント~12パーセントの植物質系の原材料と、
重量基準で前記組成物の約32パーセント~45パーセントの熱可塑性デンプンと、
重量基準で前記組成物の約0.5パーセント~1パーセントの生分解添加剤と、
を含む、請求項2に記載の土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物。
【請求項4】
前記植物質系の原材料は、ヘンプハードまたは大豆タンパク質である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記炭酸カルシウムは25重量%であり、前記ヘンプハードは12重量%であり、前記エタノールベースのポリエチレンは17.5重量%であり、前記熱可塑性デンプンは45重量%であり、前記生分解添加剤は0.5重量%である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記炭酸カルシウムは25重量%であり、前記ヘンプハードは2重量%であり、前記エタノールベースのポリエチレンは27.5重量%であり、前記熱可塑性デンプンは45重量%であり、前記生分解添加剤は0.5重量%である、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記炭酸カルシウムは25重量%であり、前記ヘンプハードは6重量%であり、前記エタノールベースのポリエチレンは23.5重量%であり、前記熱可塑性デンプンは45重量%であり、前記生分解添加剤は0.5重量%である、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記炭酸カルシウムは20重量%であり、前記ヘンプハードは2重量%であり、前記エタノールベースのポリエチレンは45重量%であり、前記熱可塑性デンプンは32重量%であり、前記生分解添加剤は1重量%である、請求項4に記載の組成物。
【請求項9】
前記炭酸カルシウムは25重量%であり、前記ヘンプハードは2重量%であり、前記エタノールベースのポリエチレンは27.5重量%であり、前記熱可塑性デンプンは45重量%であり、前記生分解添加剤は0.5重量%である、請求項4に記載の組成物。
【請求項10】
前記炭酸カルシウムは25重量%であり、前記大豆タンパク質は2重量%であり、前記エタノールベースのポリエチレンは27.5重量%であり、前記熱可塑性デンプンは45重量%であり、前記生分解添加剤は0.5重量%である、請求項4に記載の組成物。
【請求項11】
前記エタノールベースのポリエチレンは、サトウキビに由来する、請求項3に記載の組成物。
【請求項12】
エタノールベースのポリエチレン、熱可塑性デンプン、および生分解添加剤を含む、バイオプラスチックを形成するための土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の樹脂を製造する方法であって、
第1の予め決められた量の前記エタノールベースのポリエチレン、第2の予め決められた量の前記熱可塑性デンプン、および第3の予め決められた量の前記生分解添加剤を量り取る工程と、
前記第1の予め決められた量をミル粉砕して第1の微粉末にし、前記第2の予め決められた量をミル粉砕して第2の微粉末にし、前記第3の予め決められた量をミル粉砕して第3の微粉末にして、微粉末のバッチを生成する工程と、
前記微粉末のバッチの前記第1の微粉末を機械式ミキサー中に加える工程と、
前記微粉末のバッチのそれぞれの残りの微粉末を前記機械式ミキサー中に1つずつ加えつつ、前記微粉末のすべてが一緒に掻き混ぜられるまでの期間にわたって熱を加えずに各微粉末を乾式で機械的に混合して、最終混合物を形成する工程と、
前記最終混合物を約220華氏度~360華氏度で、前記土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の樹脂が生成されるまで加熱する工程と、
を含む、方法。
【請求項13】
前記樹脂を約250華氏度~360華氏度で硬化させて、バイオプラスチック製品の形成に際して使用するためのペレット化されたバイオプラスチックを形成することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記樹脂は、炭酸カルシウムおよび植物質系の原材料をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記植物質系の原材料は、ヘンプハードまたは大豆タンパク質である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記微粉末のバッチの各微粉末は、約0.25マイクロメートル~3.0マイクロメートルの直径である粒子から構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記期間は、約5分間~25分間である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
バイオプラスチックの製造のための土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物であって、
重量基準で前記組成物の約50パーセント~65パーセントのエタノールベースのポリエチレンと、
重量基準で前記組成物の約30パーセント~50パーセントの熱可塑性デンプンと、
重量基準で前記組成物の約2パーセント~10パーセントの生分解添加剤と、
を含む、組成物。
【請求項19】
前記エタノールベースのポリエチレンは、サトウキビに由来する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記エタノールベースのポリエチレンは60重量%であり、前記熱可塑性デンプンは37重量%であり、前記生分解添加剤は3重量%である、請求項18に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、食品および飲料の容器、包装材料のための、および他の関連用途におけるバイオプラスチックの製造のために効果的に使用され得る組成物、より具体的には、環境に優しい特性を有する土質植物質系(earth plant-based)の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンフタレート、ナイロン、ポリオレフィン、および可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)などの石油系樹脂は、今日、包装材料、自動車部品、家庭用品、玩具などの幅広い用途に広く使用されている。しかしながら、そのような石油系樹脂は、堆肥化可能または生分解性ではないため、例えば、温室効果ガスの排出および汚染の形で環境害を引き起こす。近年、このような影響を受けて、バイオマス系樹脂、典型的にはポリ乳酸(PLA)樹脂の使用がとても主流となっており、石油系プラスチックの代替として広く検討されている。しかしながら、ポリ乳酸の製造に伴うコストが高いこと、そして現在ポリ乳酸の供給が限られていることから、この石油系プラスチックへの代替は経済的に実行不可能となっている。
【0003】
さらに、ポリ乳酸樹脂は耐熱性および耐湿性に乏しく、包装フィルムおよびボトルなどの特定の用途に必要な柔軟性に欠けている。PLAの機械的特性は、石油系樹脂に比べて不足している(例えば、フローレートが高いためPLAはブロー成形には不適切である)。低分子量の柔軟剤もしくは可塑剤をPLA樹脂に添加するか、または添加剤を添加してメルトフローレートを遅くすることが提案されている。しかしながら、包装フィルムが依然として十分な安定性および脆性を示さないため、PLA樹脂は不利なものとなる。さらに、試験により、現在利用可能な添加剤が得られる組成物を非生分解性にすることが明らかになった。
【0004】
一般に、上記のように、PLA樹脂は非常に湿気に弱く、柔軟性に欠け、熱に敏感である。湿気の存在は加水分解反応を引き起こす場合があり、それにより分子量の低下が生ずる。製造された乳酸、モノマー、およびオリゴマーは、成形過程(例えば、プラスチック射出成形)の間に揮発する場合があり、装置を腐食させ、または完成品の品質を低下させる場合がある。したがって、プラスチック射出成形機、ブロー成形機、押出機、およびフィルムシート製造機を利用する多くの製造業者は、自社の装置にポリ乳酸樹脂を通したがらない。
【0005】
その一方で、石油から作られたポリエチレンの代替として、グリーンポリエチレン(例えば、I’m green(商標)ポリエチレン)が組成物に使用されている。原料(例えば、サトウキビおよびテンサイ)に由来するエタノールから作られたグリーンポリエチレン(PE)は、高い性能と加工性とを兼ね備えている。グリーンポリエチレンから作製されたプラスチックは、従来のポリエチレン製品と同様にリサイクル可能であり、グリーンPEも再生可能であるため、温室効果ガス排出の削減の一翼を担う能力を備えている。しかしながら、グリーンPEは生分解性または堆肥化可能ではないため、依然として埋立地および海洋の汚染の一因となる可能性がある。
【0006】
同様に、木質系の紙、硬質紙、および限られたプラスチック製品の代替組成物として、石質系のコポリマー基材樹脂が開発された。より詳細には、この基材樹脂は、石灰石系のコポリマー基材に関連し、これは、木質系物質または石油系物質から現在製造されている限られた商品の代替組成物として使用することができる。石質系のコポリマー基材樹脂はフィルムの作製に適用することができないため、この樹脂を一般的に石油系プラスチック製品の代わりに使用することはできない。さらに、石質系樹脂は、一般的に0.25ミクロン~3.0ミクロンに及ぶ直径の、およそ50重量パーセント~85重量パーセント(50重量%~85重量%)の範囲の高濃度の炭酸カルシウム(CaCO3)を含有する。炭酸カルシウムが存在するため、石質系樹脂から作製された製品は、ヘイズが増加して透明度が大幅に低下するという不利点を有する。したがって、この樹脂を適用することができる分野および用途には多くの制限があった。
【0007】
一般に、現在市場で入手可能なプラスチックは、典型的には石油系であり、製造に大量の処理エネルギーおよびコストを必要とする。残念なことに、石油は原油に由来していることから、現在供給が限られており、需要が高い。原油は再生可能な材料ではない。地中から抽出された原油の1バレルの半分未満がガソリンに精製される。バレルの残部は、灯油、アスファルト、不凍液、洗浄液などのような多くの他の大部分の種類の商品の製造に使用され得る。石油系プラスチック製品は、典型的には生分解性または堆肥化可能ではなく、世界的に大きな環境問題を引き起こし、製品が使用されると廃棄の問題につながる。
【0008】
したがって、環境に優しい特性を有する土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物、ならびに上記樹脂の製造方法を提供することによって、上記の問題を解決することが求められている。
【0009】
この節で示された態様または問題および関連する解決手段は、追求された可能性もありまたは追求されている可能性もあり、これらは必ずしも以前に想到または追求された取り組み方である必要はない。したがって、特段の指示がない限り、この節で示された取り組み方のいずれも、単にこれらが本出願のこの節に存在するという理由だけで先行技術として適格であると想定されるべきではない。
【発明の概要】
【0010】
この概要は、簡略化された形で概念の選択を紹介するために提供され、これらの概念は、以下に詳細な説明でさらに説明される。この概要は、特許請求の範囲に記載された主題の主要な態様または必須の態様を特定することを意図するものではない。さらに、この概要は、特許請求の範囲に記載された主題の範囲を決定する際の補助として使用することを意図するものではない。
【0011】
一態様では、土質基材とコポリマー基材とが配合された組成物を含む、土質植物質系の堆肥化可能な生分解性(earth plant-based compostable biodegradable:EarthPCB)の組成物が提供される。該組成物は、およそ15重量パーセント~75重量パーセント(15重量%~75重量%)のエタノールベースのグリーンポリエチレン(例えば、I’m green(商標)ポリエチレン)を有し得る。該組成物はまた、およそ15重量パーセント~60重量パーセント(15重量%~60重量%)の炭酸カルシウム(CaCO3)を含み得る。該組成物はまた、100%生分解性およびリサイクル可能なヘンプハードを含み得て、ヘンプハードは、2重量パーセントから75重量パーセント(2重量%~75重量%)まで提供され得る。該組成物はまた、自体100%生分解性である熱可塑性デンプンを含み得て、熱可塑性デンプンは、約20重量パーセントから60重量パーセント(20重量%~60重量%)まで提供され得る。EarthPCB樹脂は、およそ0.5重量パーセントから10重量パーセント(0.5重量%~10重量%)までの生分解添加剤を含み得る。したがって、EarthPCB基材の利点は、得られる製品が石油系プラスチックと同じ強さまたはそれより強いと同時に、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、そして環境に対して無毒でもあることであり得る。
【0012】
別の態様では、およそ2重量パーセント~10重量パーセント(2重量%~10重量%)で提供される大豆タンパク質、大豆ポリオール、または大豆プラスチックを含み得る、土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物が提供される。EarthPCB樹脂は、ヘンプハードの代わりに大豆タンパク質を有し得て、エタノールベースのグリーンポリエチレン、炭酸カルシウム、大豆タンパク質、生分解添加剤(例えば、EcoPure(登録商標))、および熱可塑性デンプンを含む組成物が得られる。したがって、大豆タンパク質に置き換えられたEarthPCB組成物の利点は、得られる製品が石油プラスチックと同じ強さ又はそれより強いにもかかわらず、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、そして環境に対して無毒であることであり得る。さらなる利点は、EarthPCB組成物を構成する成分が広く利用可能であり、費用効率が高いことから、該樹脂は石油系プラスチック樹脂の手頃な価格で再生可能な代替となることであり得る。
【0013】
別の態様では、土質植物質の堆肥化可能な生分解性の組成物を作製する方法が提供される。EarthPCB樹脂は、エタノールベースのPE、炭酸カルシウム、ヘンプハード、熱可塑性デンプン、生分解添加剤、大豆タンパク質、およびバイオポリマーを含み得る。土質植物質の堆肥化可能な生分解性の組成物を製造する方法は、最初に基材コポリマーを微粉末にミル粉砕することを含み得る。ここで、該粉末の各粒子は、およそ直径0.25マイクロメートル(ミクロン)~3.0マイクロメートル(ミクロン)である。グリーンポリエチレンを約0.25ミクロン~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕し、基材炭酸カルシウムを約0.25ミクロン~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕し、2つの粉末を一緒に機械的に混合して、第1の混合物が形成され得る。基材ヘンプハードを約0.25ミクロン~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕し、第1の混合物と機械的に乾式で混合および配合して、第2の混合物が形成され得る。次いで、基材熱可塑性デンプンを約0.25ミクロン~3.0ミクロンの微粒状粉末にミル粉砕し、第2の混合物と機械的に乾式で混合および配合して、第3の混合物が形成され得る。基材生分解添加剤を約0.25ミクロン~3.0ミクロンの微粒状粉末にミル粉砕した後に、第3の混合物と機械的に乾式で混合および配合して、最終EarthPCB組成物が形成され得る。次いで、バイオポリマーを約220華氏(F)度から360華氏(F)度の間に加熱して、バイオポリマーの熱力学的活性化を達成し、こうしてポリマー樹脂配合物が形成され得る。したがって、EarthPCB基材を製造する方法の利点は、樹脂のすべての成分が均一に配合され、混合過程の間に熱を加える必要なしに乾式で配合されることであり得る。EarthPCB基材を製造する方法のさらなる利点は、製造方法が比較的低いエネルギー消費を要することであり得る。
【0014】
別の態様では、土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の基材樹脂をペレット化形で製造する方法が提供される。EarthPCB基材コポリマーを製造する方法は、およそ50重量%~65重量%のエタノールベースのグリーンポリエチレン、およそ30重量%~50重量%の熱可塑性デンプン、およびおよそ2重量%~10重量%の生分解添加剤を有し得る。EarthPCB基材コポリマーを製造する方法は、最初に各基材コポリマーを別々に約0.25ミクロン~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕することを含み得る。次いで、これらの微粉末を、機械式ミキサーにおいて、各粉末について約5分間~25分間にわたって均一に配合することができ、その際、各基材コポリマーは混合過程の間に1つずつ添加される。微粉末は、機械式ミキサーにおいて熱を加えずに乾式で配合される。3つのすべての基材コポリマーを機械的に一緒に乾式で掻き混ぜたら、基材の完全な混合物を約220華氏度から360華氏度の間の温度で加熱して熱力学的活性化を達成し、こうして各基材コポリマー間の凝集を確立し、基材樹脂を得ることができる。最後に、基材樹脂を250華氏度から360華氏度の間の温度で硬化させて、バイオプラスチック製品の製造のための様々な製造方法で使用され得るペレット化されたバイオプラスチックを形成することができる。したがって、基材樹脂を製造する方法の利点は、多くの種類の食品および飲料の容器、包装、フィルム、および同様のプラスチック製品を形成するための材料として上記樹脂を使用することができることであり得る。該方法のさらなる利点は、得られる製品がリサイクル可能、堆肥化可能、および生分解性であることであり得る。
【0015】
上記の態様または例および利点、ならびに他の態様または例および利点は、次の説明から明らかになるであろう。
【0016】
例示のためであって、限定のためではなく、添付の図面の図に本発明の態様、実施形態、または例が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(A及びB)一態様による、試験の間に作製された土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下は、本発明を実施することができる様々な態様、実施形態、および/または例の説明である。添付の図面が参照され、図面に含まれる情報はこの詳細な説明の一部である。本明細書に記載される態様、実施形態、および/または例は、例示のために示されており、限定のためには示されていない。当業者によれば、本発明の範囲から逸脱することなく、論理的変更を加えることができることを理解されたい。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって規定される。
【0019】
図面および明細書を理解しやすいように、当業者が本発明を理解するために必要でない場合に、当該技術分野で知られるいくつかの構成要素または工程に関するいくつかのまたはすべての詳細は、示されていないか、または記載されていないことを理解されたい。
【0020】
以下の説明については、図全体を通して対応して表示された要素のほとんどが同じ特性を有し、同じ構造および機能に従うと想定され得る。指摘されていない対応して表示された要素の間に違いがあり、この違いにより特定の実施形態、例、または態様について対応しない要素の構造または機能がもたらされる場合に、その特定の実施形態、例、または態様について与えられた競合する説明が優先するものとする。
【0021】
本発明は、石油系プラスチックの代わりに効果的に使用することができる、環境に優しい特性を有する土質植物質系(EarthPCB)の組成物および方法に関する。EarthPCB組成物は、バイオプラスチック材料の強度の向上、柔軟性の向上、耐湿性、酸素バリア、生分解特性の可能性、および堆肥化などのさらなる有利な特性を有し得る。EarthPCBを形成する材料も広く入手可能であり、比較的低コストである。本開示に記載されるように、EarthPCB組成物は、ハードペレット樹脂セグメントとソフトセグメントとを含む、土質系材料、植物質系材料の樹脂のポリマー樹脂配合物を含み得る。ハードペレット樹脂セグメントは炭酸カルシウム(CaCO3)を含み得て、ソフトセグメントは熱可塑性デンプン、ヘンプハード、エタノールベースのグリーンポリエチレン、およびよく知られた生分解添加剤(例えば、EcoPure(登録商標))を含み得る。これらのセグメントにより、EarthPCB樹脂から作製された製品は、使用後に堆肥化および生分解することができると同時に、無毒でもある。したがって、土質植物質の堆肥化可能な樹脂系のバイオプラスチックを使用して、食品および飲料の包装、ならびに他の種類の消費者製品に現在使用されている石油系プラスチックを置き換えることができることが利点であり得る。
【0022】
一態様では、EarthPCB組成物は、約0.25マイクロメートル(ミクロン)~3.0マイクロメートル(ミクロン)の微粉砕粉末の好ましい形態で、およそ15重量パーセント~75重量パーセント(15重量%~75重量%)のエタノールベースのグリーンポリエチレンを有し得る。EarthPCB樹脂基材は、一般に0.25ミクロン~3.0ミクロンの好ましいおよその直径の微粉末の重量基準でおよそ15パーセント~60パーセント(15%~60%)でCaCO3を有することもできる。EarthPCB内の炭酸カルシウムの存在は、ピルボトル、シャンプーボトルなどの白色プラスチックが望ましい特定の用途に有利であり得る。炭酸カルシウムは自然に白色であるため、白色着色剤の必要性が低下し、そのような用途向けのEarthPCBの製造コストが削減され得る。さらなる利点は、EarthPCBが石質系樹脂よりも低濃度の炭酸カルシウムを使用することにより、EarthPCB組成物がより脆性でなくなることである。
【0023】
EarthPCB樹脂基材はまた、例として、約0.25ミクロン~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕されたおよそ2重量パーセント~75重量パーセント(2重量%~75重量%)のヘンプハードを有し得る。ヘンプハードを使用してプラスチックを製造することは、100%生分解性かつリサイクル可能であるため、石油系プラスチックよりもはるかに優れた選択肢となり得る。EarthPCB樹脂基材は、植物(例えば、ジャガイモ、小麦、米、トウモロコシ、キャッサバ)内で生ずるデンプン粒に由来する熱可塑性デンプン(TPS)も含み得る。熱可塑性デンプンは、約0.25ミクロン~3.0ミクロンの粒子の微粉末にミル粉砕されたおよそ20重量パーセント~60重量パーセント(20重量%~60重量%)で提供され得る。
【0024】
最後に、EarthPCB樹脂はまた、例として、約0.25ミクロン~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕されたおよそ0.5重量パーセント~10重量パーセント(0.5重量%~10重量%)で生分解添加剤を有し得る。生分解添加剤は、EarthPCB組成物を用いて形成された製品がASTM D5511(プラスチック材料の嫌気性生物分解を測定するための標準試験法)の下で嫌気性条件下で60日~180日以内に生分解するだけでなく、嫌気性条件下で30日~90日で堆肥化することを可能にする。したがって、EarthPCB組成物の利点は、上記樹脂から作製されたバイオプラスチック製品が石油プラスチックと同じ強さまたはそれより強い製品であるにもかかわらず、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、そして環境に対して無毒であることであり得る。
【0025】
上記の範囲内で、様々なEarthPCB組成物を調合することができることを理解されたい。上記の5つの成分のうち、試験により、適切なEarthPCBを得るためには5つの成分のうち3つが重要であることが明らかになった。これらの3つの成分は、エタノールベースのグリーンポリエチレン、熱可塑性デンプン、および生分解添加剤である。一例では、重量基準で75%のグリーンポリエチレンと、重量基準で20%の熱可塑性デンプンおよび重量基準で5%の生分解添加剤とを組み合わせることが選択され得る。別の例では、各成分の比率が各成分について上記の範囲内にあり、かつ比率の合計が100%に等しいことを保証することによって、上記成分の5つすべてを単一の組成物に組み合わせることが選択され得る。例えば、以下の通りである:重量基準で40%のグリーンポリエチレン、重量基準で20%の炭酸カルシウム、重量基準で15%のヘンプハード、重量基準で24.5%の熱可塑性デンプン、および重量基準で0.5%の生分解添加剤。
【0026】
別の態様では、EarthPCB組成物は、ヘンプハードの原材料の代替として大豆タンパク質を有し得る。したがって、大豆タンパク質に置き換えられたEarthPCB組成物は、約0.25ミクロン~3.0ミクロンの直径の微粉末にミル粉砕されたおよそ2重量パーセント~10重量パーセント(2重量%~10重量%)の大豆タンパク質を含み得る。残りのバイオポリマー(例えば、熱可塑性デンプンおよびグリーンポリエチレン)は、上記と同じ重量基準の量および同じ粒子径で提供され得る。したがって、大豆タンパク質に置き換えられたEarthPCB組成物の利点は、上記樹脂を用いて作製された製品が石油プラスチックと同じ強さまたはそれより強い製品であるとともに、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、そして環境に対して無毒であることであり得る。
【0027】
上記のEarthPCB樹脂は、以下の好ましい調合から製造され得る。EarthPCB組成物の第1の例示的な調合は、重量基準で25%の炭酸カルシウム、重量基準で12%のヘンプハード、重量基準で17.5%のグリーンポリエチレン、重量基準で45%の熱可塑性デンプン、および重量基準で0.5%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0028】
別の例示的な調合では、EarthPCB組成物は、重量基準で25%の炭酸カルシウム、重量基準で2%のヘンプハード、重量基準で27.5%のグリーンポリエチレン、重量基準で45%の熱可塑性デンプン、および重量基準で0.5%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0029】
別の例示的な調合では、EarthPCB組成物は、重量基準で25%の炭酸カルシウム、重量基準で6%のヘンプハード、重量基準で23.5%のグリーンポリエチレン、重量基準で45%の熱可塑性デンプン、および重量基準で0.5%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0030】
別の例示的な調合では、EarthPCB組成物は、重量基準で20%の炭酸カルシウム、重量基準で2%のヘンプハード、重量基準で45%のグリーンポリエチレン、重量基準で32%の熱可塑性デンプン、および重量基準で1%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0031】
別の例示的な調合では、EarthPCB組成物は、重量基準で60%のグリーンポリエチレン、重量基準で37%の熱可塑性デンプン、および重量基準で3%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0032】
別の例示的な調合では、EarthPCB組成物は、重量基準で25%の炭酸カルシウム、重量基準で2%のヘンプハード、重量基準で27.5%のグリーンポリエチレン、重量基準で45%の熱可塑性デンプン、および重量基準で0.5%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0033】
最後の例示的な調合では、EarthPCB組成物は、重量基準で25%の炭酸カルシウム、重量基準で2%の大豆タンパク質、重量基準で27.5%のグリーンポリエチレン、重量基準で45%の熱可塑性デンプン、および重量基準で0.5%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0034】
上記の好ましい調合によって示されるように、生分解性かつ堆肥化可能な樹脂を実現するために、少なくとも3つの基材コポリマーを使用する必要がある。それらの3つの基材コポリマーは、およそ50重量パーセント~70重量パーセント(50重量%~70重量%)のグリーンポリエチレン、およそ30重量パーセント~50重量パーセント(30重量%~50重量%)の熱可塑性デンプン、およびおよそ2重量パーセント~10重量パーセント(2重量%~10重量%)の生分解添加剤(例えば、EcoPure(登録商標))である。したがって、本明細書に開示されるEarthPCB組成物の利点は、EarthPCB樹脂から作製されたバイオプラスチック製品が、少なくとも3つの基材コポリマーのみを使用する場合でさえ、堆肥化可能、生分解性、およびリサイクル可能であり得ることであり得る。
【0035】
実施された試験では、上記の例示的な調合のうちの2つで作製されたEarthPCB樹脂を分析した。「EPC104」および「EPC105」と呼ばれるこれらの組成物を、以下の表1に示されるように、衝撃(ASTM D256)、引張(ASTM D638)、メルトフロー(ASTM D1238)、比重(ASTM D792)、および灰分試験(ASTM D5630)に従って試験した。EPC 104は、重量基準で25%の炭酸カルシウム、重量基準で2%のヘンプハード、重量基準で27.5%のグリーンポリエチレン、重量基準で45%の熱可塑性デンプン、および重量基準で0.5%のEcoPure(登録商標)添加剤を含むEarthPCB樹脂の例示的な実施形態に相当する。EPC 105は、重量基準で25%の炭酸カルシウム、重量基準で6%のヘンプハード、重量基準で23.5%のグリーンポリエチレン、重量基準で45%の熱可塑性デンプン、および重量基準で0.5%のEcoPure(登録商標)添加剤を含むEarthPCB樹脂の例示的な実施形態に相当する。
【0036】
【0037】
特に、組成物をPLA樹脂に対して試験した。試験の間に、組成物中の熱可塑性デンプンの存在が、それ自体でメルトフローレートを約4.26g/10minに低下させることが観察されたことに留意されたい。さらに、表1に示されるように、7.5g/10minのPLA樹脂のメルトフローレートと比較して、EPC104はメルトフローレートを1g/10min未満に低下させ、EPC105はメルトフローレートを0.2g/10min未満に低下させた。これらの結果により裏付けられるように、EarthPCB樹脂の利点は、メルトフローレートが遅くなることで、特定の用途および製造方法に有用となり得る場合があることであり得る。別の例示的な試験では、EarthPCB樹脂により引張弾性率が大幅に向上した。表1に示されるように、PLA樹脂の弾性率は190000psiであり、最も改善がみられたEPC105は、412098psiの引張弾性率を有した。したがって、EarthPCB樹脂のさらなる利点は、該樹脂から形成されたバイオプラスチックがPLA系プラスチックよりも強いことであり得る。
【0038】
図1A~
図1Bは、一態様による、試験の間に作製された土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物の例示的な実施形態を示す。
図1Aは、先で論じられた例示的な実施形態EPC104(101によって示される)を示す。
図1Bは、先で論じられた例示的な実施形態EPC105(102によって示される)を示す。
図1A~
図1Bに示される例示的な実施形態は、最初に各成分を溶融させて、それらの溶融形を混合することにより、従来の硬化方法を使用して作製した。
図1A~1Bに示されるように、この方法を使用して作製されたEarthPCB樹脂の実施形態は、バイオプラスチック101、102の試験片全体にわたって着色および均一性が一様でない。例えば、より暗い領域103a、104aの存在およびより明るい領域103b、104bの存在は、EarthPCBの各実施形態における混合の間の成分の不均一な配合を示している。この不均一な配合は、全体にわたって不均一な強度を引き起こす場合があり、それにより、得られたバイオプラスチックは特定の用途でより破損しやすくなり得る。
【0039】
本明細書で以下にさらに詳細に議論されるように、試験の間に、樹脂を混合する前に各成分をミル粉砕することにより、各成分が均一に配合されることが見出された。
【0040】
一態様では、EarthPCB組成物の製造方法が提供される。EarthPCB樹脂基材を製造する方法は、最初に各コポリマーを別々に微粉末にミル粉砕することを含み得る。その際、各粒子は、約0.25ミクロン~3.0ミクロンの直径である。基材コポリマーは、例として、グリーンポリエチレン、CaCO3、ヘンプハード、熱可塑性デンプン、生分解添加剤、および任意に大豆タンパク質粉であり得て、固体状態で提供され得る。EarthPCB組成物を製造するために、予め選択された量の各基材コポリマーを量り取ることができる。基材コポリマーをこの直径範囲に粉砕または粉末化して、各コポリマーを微粉化して配合することで均一な組成物にすることを可能にすることができる。粉末化されたコポリマーの粒子サイズは、顕微鏡検査または篩い分けなどの幾何学的方法を介して測定することができる。好ましい例示的な実施形態では、ヘンプハードは、約0.25ミクロン~0.75ミクロンの直径の微粉末にミル粉砕され得る。麻幹の内芯を形成するヘンプハード繊維は一般的に木質であるため、そのままでは十分に混和されずまたは均一に配合されない。したがって、ヘンプハードを約0.25ミクロン~0.75ミクロンの直径の微粉末に粉砕すると、ヘンプハードは他の基材コポリマーとより均一に配合および混和される。したがって、ヘンプハードをこの微粉末サイズにミル粉砕することの利点は、EarthPCB樹脂がより強く、より柔軟で、堆肥化可能で、かつ生分解性であることであり得る。
【0041】
各基材コポリマーを一般に約0.25ミクロン~3.0ミクロンの範囲で配合したら、これらのコポリマーを一緒に配合し、熱を加えることなく機械的に混合することができる。例として、各成分を、機械的機構において混合物に1つずつ添加することができ、その際、該混合物は、次の基材コポリマーが添加される前の時点で約5分間~25分間混合される。すべての基材コポリマーを一緒に機械的に乾式で掻き混ぜたら、得られた混合物を約220華氏度から360華氏度の間の温度に加熱することができる。基材の最終混合物の加熱は、混合物内の熱力学的活性化を達成し、その結果、混合物の各基材コポリマー間に凝集が確立される。最終混合物を加熱すると、本明細書で上記に開示された最終EarthPCB樹脂が得られる。したがって、EarthPCB樹脂を製造する方法の利点は、多くの種類の食品および飲料の容器、包装、フィルム、および同様のプラスチック製品を形成するための材料として上記樹脂を使用することができることであり得る。該方法のさらなる利点は、得られる製品がリサイクル可能、堆肥化可能、および生分解性であることであり得る。
【0042】
EarthPCB樹脂は、例として、熱成形、ブロー成形、射出成形、バブル成形、真空成形、およびペレット化によって一連の製品および商品へと製造することができる。EarthPCB樹脂を、押出、押出されたストランドの切断、および硬化を含む過程を介してペレット化して、バイオプラスチック製品を製造することができる。組成物を構成する各成分のミル粉砕により組成物の硬化過程がより速くなるため、EarthPCB樹脂で作製された様々な製品を製造する前の倉庫管理コストが削減されることを理解されたい。当業者に知られているように、ペレット化は、基材を小さなペレットの形に圧縮または成形する方法である。次いで、これらのペレットを、射出成形、押出フィルム、ブロー成形などの特定の製造方法でペレットを使用するさまざまな製造業者に出荷することができる。熱成形下でのEarthPCB基材材料のメルトフローレートは、例として、約7.5g/10min~4.26g/10minであり得る。添加剤の形の改質剤を基材に適用して、メルトフローレートを、例として、約7g/10min~3.5g/10minに調整することができる。
【0043】
樹脂基材の特性に明らかな調整を加えるために、耐衝撃改良剤または温度改質剤が基材に添加され得ることを理解されたい。例として、耐衝撃性改良剤を基材に添加して、該樹脂から製造された場合に製品により高い強度を与えることができる。
【0044】
EarthPCB組成物は、一態様では、EarthPCB樹脂から作製されたバイオプラスチックを製造する方法に提供され得る。バイオプラスチックを形成するためのEarthPCB組成物を製造する方法は、最初にグリーンポリエチレンおよび炭酸カルシウムを約0.25ミクロン~3.0ミクロンの直径の微粉末にミル粉砕し、次いで2つの粉末を一緒に機械的に混合して、第1の混合物を形成することを含み得る。ヘンプハードを約0.25ミクロン~3.0ミクロンの直径の微粉末にミル粉砕し、熱を加えずに第1の混合物と機械的に乾式で混合および配合して、第2の混合物を形成することができる。したがって、第2の混合物は、グリーンポリエチレン、炭酸カルシウム、およびヘンプハードの混合物を含む。この例示的な方法では、大豆タンパク質がヘンプハードを置き換えることができることを理解されたい。次いで、熱可塑性デンプンを、約0.25ミクロン~3.0ミクロンの直径の微粒状粉末にミル粉砕し、熱を加えずに第2の混合物と機械的に乾式で混合および配合して、第3の混合物を形成することができる。最後に、第3の混合物および最終混合物を約220華氏度から360華氏度の間の温度で掻き混ぜて、各基材コポリマー内の材料構造を熱力学的に活性化して連結させ、EarthPCB樹脂を形成することができる。配合された材料の構造単位は、加熱結合過程を介して線状または分岐状に連結される。EarthPCB樹脂は、約250華氏度~360華氏度で硬化して、ペレット化された材料の形でバイオプラスチックを形成することができる。次いで、ペレット化された材料を使用して、押出、ブロー成形、射出成形などによって食品および飲料の製品を形成することができる。したがって、EarthPCB樹脂からバイオプラスチックを製造する方法の利点は、現在プラスチックから作製されている製品を、目下、堆肥化可能かつ生分解性の樹脂から作製することができることであり得る。
【0045】
従来の樹脂硬化方法および混合方法は、最初に、組成物を構成する各成分のペレット化形を溶融することを含む。上記のように、EarthPCB樹脂を製造する方法は、溶融されたペレットを混合するのではなく、すべての成分を粉末化形の最終混合物に混合することを含む。したがって、上記に開示された方法の利点は、組成物を構成する各成分を、熱を加えずに乾式で混合および配合することができることであり得る。
【0046】
EarthPCB組成物の上記の例示的な実施形態は、特に様々な用途に使用され得ることを理解されたい。例として、例えば、包装用フィルムの製造の場合には、ヘンプハードまたは大豆タンパク質および炭酸カルシウムは、得られるフィルムの完全性を損なう可能性があるため、EarthPCB組成物の製造に使用しないことが好ましい。
【0047】
本特許文書で使用されている特定の単語および語句の定義を示すことは有利であり得る。「基材」、「組成物」、および「樹脂」という用語は、本明細書では互換的に使用されることを理解されたい。「または」という用語は、包括的であり、および/またはを意味する。「~と関連する」および「それと関連する」という語句、ならびにそれらの派生語は、~を包含する、~内に包含される、~と相互接続する、~を含む、~内に含まれる、~に接続するまたは~と接続する、~に連結するまたは~と連結する、~と連絡可能である、~と協働する、交互配置する、並置する、~と近接する、~に結合されるまたは~と結合される、~を有する、~の特性を有することなどを意味し得る。
【0048】
さらに、本出願で使用される場合に、「複数」は2つ以上を意味する。物の「集合」は、1つ以上のそのような物を含み得る。明細書中であろうと特許請求の範囲中であろうと、「~を含む(comprising)」、「~を包含する(including)」、「~を保持する(carrying)」、「~を有する(having)」、「~を含有する(containing)」、「~を伴う(involving)」などの用語はオープンエンドであり、すなわち、~を包含するが、それらに限定されないと理解されるべきである。特許請求の範囲に関しては、それぞれ「~からなる(consisting of)」および「本質的に~からなる(consisting essentially of)」という移行句のみが、クローズドまたは半クローズドな移行句である。
【0049】
存在する場合に、クレーム構成要素を修飾するための特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」などの序数の用語の使用は、それ自体で、あるクレーム構成要素の別のクレーム構成要素に対する優先順位、優先度、もしくは順序、または方法の行為が行われる時間的順序を意味するものではない。これらの用語は単に、特定の名称を有するあるクレーム構成要素を同じ名称を有する(序数の用語の使用を除く)別の要素と区別することで、クレーム構成要素を区別するための表示として使用されるにすぎない。本出願で使用される場合に、「および/または」は、列記された物が選択肢であることを意味するが、該選択肢も列記された物の任意の組み合わせを含む。
【0050】
この詳細な説明全体を通して、示される態様、実施形態、または例は、開示されたまたは特許請求の範囲に記載された装置または手順に対する制限ではなく、例示とみなされるべきである。いくつかの例は、方法の行為またはシステムの要素の特定の組み合わせを含み得るが、それらの行為およびそれらの要素は、同じ目的を達成するために他の様式で組み合わされ得ることを理解されたい。
【0051】
ある態様、実施形態、または例に関連してのみ論じられた行為、要素、および特徴は、他の態様、実施形態、または例における1つ以上の同様の役割から除外されることを意図するものではない。
【0052】
本発明の態様、実施形態、または例は、プロセスとして記載される場合もあり、該プロセスは、通常、フローチャート、流れ図、構造図、またはブロック図を使用して描写される。フローチャートは、操作を逐次プロセスとして描写することができ、操作の多くは並行してまたは同時に実行することができる。さらに、操作の順序を再配置することもできる。フローチャートに関しては、追加のより少ない工程を採用することができ、示される工程を組み合わせて、またはさらに改良して、記載された方法を実現することができることを理解されたい。
【0053】
ミーンズ・プラス・ファンクションの限定が特許請求の範囲に記載されている場合に、その手段は、記載された機能を実施するために本出願に開示された手段に限定されることを意図するものではなく、記載された機能を実施するために現時点で知られるまたは後に開発されるあらゆる均等な手段を範囲内に含めることを意図している。
【0054】
示される場合に、方法および/またはプロセスに対する請求項は、記述された順序でのそれらの工程の実施に限定されるべきではなく、当業者であれば、その順序が変動することができ、依然として本発明の趣旨および範囲内に留まり得ることを容易に理解することができる。
【0055】
態様、実施形態、および/または例が本明細書に例示および記載されているが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に例示および記載された態様、実施形態、および/または例に置き換えることができる同じ結果を達成可能であり得る同じおよび/または均等な変形形態の代替を容易に見つけ出すであろう。したがって、本出願の範囲は、そのような代替の態様、実施形態、および/または例を網羅することを意図している。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって規定される。さらに、すべての各請求項は、さらなる開示として本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】