(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-01
(54)【発明の名称】合わせフロントガラスの通気部
(51)【国際特許分類】
B60H 1/28 20060101AFI20230424BHJP
B60H 1/26 20060101ALI20230424BHJP
B60J 1/02 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
B60H1/28 Z
B60H1/26 651A
B60J1/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022548949
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 US2021018469
(87)【国際公開番号】W WO2021168045
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522320280
【氏名又は名称】テーラー メイド グループ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】TAYLOR MADE GROUP, LLC
【住所又は居所原語表記】93 South Boulevard Gloversville, NY 12078 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マルベイン, カーティス
(72)【発明者】
【氏名】キャッスルマン, ブライアン
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA53
3L211DA82
(57)【要約】
フロントガラスの通気部(10)は、フロントガラス(WS)に固定可能な通気開口部(14)を有するハウジングプレート(12)を含む。開口部に固定された通気フラップ(16)は、閉位置と開位置との間で、クランプ(18)によって固定された軸を中心として回転可能である。通気システムは、ハウジングプレートが接着される凹部を含む合わせガラスのフロントガラスに適する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガラスに固定可能であり、通気開口部を含むハウジングプレートと、
前記開口部に固定され、閉位置と開位置との間で、軸を中心として回転可能な通気フラップと、
を含むフロントガラスの通気部。
【請求項2】
前記通気開口部の両側に1つずつ固定された2つのクランプを更に含み、前記クランプは、前記通気フラップの前記軸を受け入れるように構成されたそれぞれの開口を含む請求項1に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項3】
前記通気フラップに連結されたボール及びスプリングプランジャを更に含み、前記2つのクランプの各々は、前記ボール及びスプリングプランジャと選択的に係合可能な戻り止めを更に含み、これによって前記ボール及びスプリングプランジャが、操作者が選択した位置で前記通気フラップを固定するように構成される請求項2に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項4】
前記2つのクランプの各々は、ツーピースアセンブリを含み、前記戻り止めは、前記ツーピースアセンブリの一方のピースのみに配置される請求項3に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項5】
前記2つのクランプの各々は、ツーピースアセンブリを含み、前記ツーピースアセンブリの少なくとも一部は、前記ハウジングプレートを挟んで配置され、前記通気フラップは、前記クランプに対して回転可能である請求項2に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項6】
前記ツーピースアセンブリは、コネクタと共に固定される請求項5に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項7】
前記通気フラップは、前記2つのクランプの各々にそれぞれ係合する、延長アームと対向面とを含み、前記クランプの各々は、円形隆起部を画定し、前記円形隆起部は、前記延長アームと前記対向面との間に挟まれる請求項2に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項8】
外周のある合わせガラス材料と、
前記外周に製造された凹部と、
前記凹部に固定された通気システムと、を含み、前記通気システムは、
前記凹部に隣接する前記合わせガラス材料に固定され、通気開口部を含むハウジングプレートと、
前記開口部に固定され、閉位置と開位置との間で、軸を中心として回転可能な通気フラップと、
を含む合わせフロントガラス。
【請求項9】
前記ハウジングプレートは、前記合わせガラス材料の内面に接着される請求項8に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項10】
前記通気システムは、前記通気開口部の両側に1つずつ固定された2つのクランプを更に含み、前記クランプは、前記通気フラップの前記軸を受け入れるように構成されたそれぞれの開口を含む請求項8に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項11】
前記通気システムは、前記通気フラップに連結されたボール及びスプリングプランジャを更に含み、前記2つのクランプの各々は、前記ボール及びスプリングプランジャと選択的に係合可能な戻り止めを更に含み、これによって前記ボール及びスプリングプランジャが、操作者が選択した位置で前記通気フラップを固定するように構成される請求項10に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項12】
前記2つのクランプの各々は、ツーピースアセンブリを含み、前記戻り止めは、前記ツーピースアセンブリの一方のピースのみに配置される請求項11に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項13】
前記2つのクランプの各々は、ツーピースアセンブリを含み、前記ツーピースアセンブリの少なくとも一部は、前記ハウジングプレートを挟んで配置され、前記通気フラップは、前記クランプに対して回転可能である請求項10に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項14】
前記ツーピースアセンブリは、コネクタと共に固定される請求項13に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項15】
前記通気フラップは、前記2つのクランプの各々にそれぞれ係合する、延長アームと対向面とを含み、前記クランプの各々は、円形隆起部を画定し、前記円形隆起部は、前記延長アームと前記対向面との間に挟まれる請求項10に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年2月18日に出願された米国仮特許出願第62/977898号の優先権を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
該当なし。
【0003】
本発明は、合わせガラスのフロントガラス用通気の解決手段に関する。
【背景技術】
【0004】
船舶、ATV、又は他のスポーツ車両用途のフロントガラスには、通気部を含むことが望ましい。現在、ポリカーボネート製フロントガラスには、利用可能な多くのオプションがある。しかしながら、合わせガラスのフロントガラスは、通常、合わせガラスに孔を開けるのが難しいため、通気オプションを組み込むことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、合わせガラスのフロントガラス用通気の解決手段を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実施形態では、フロントガラスの通気部は、フロントガラスに固定可能な通気開口部を有するハウジングプレートと、開口部に固定された通気フラップとを含む。通気フラップは、閉位置と開位置との間で、軸を中心として回転可能である。
【0007】
フロントガラスの通気部には、通気開口部の両側に1つずつ固定された2つのクランプが設けられてよい。クランプは、通気フラップの軸を受け入れるように構成されたそれぞれの開口を含む。フロントガラスの通気部は、通気フラップに連結されたボール及びスプリングプランジャを更に含んでもよく、2つのクランプの各々は、ボール及びスプリングプランジャと選択的に係合可能な戻り止めを更に含んでもよく、これによって、ボール及びスプリングプランジャは、操作者が選択した位置で通気フラップを固定するように構成される。いくつかの実施形態では、2つのクランプの各々は、ツーピースアセンブリを含み、戻り止めは、ツーピースアセンブリの一方のピースのみに配置される。ツーピースアセンブリの少なくとも一部は、ハウジングプレートを挟んで配置されてよく、通気フラップは、クランプに対して回転可能である。ツーピースアセンブリは、コネクタと共に固定されてよい。
【0008】
通気フラップは、2つのクランプの各々にそれぞれ係合する、延長アームと対向面とを含んでよく、クランプの各々は、円形隆起部を画定する。円形隆起部は、延長アームと対向面との間に挟まれてよい。
【0009】
別の例示的な実施形態では、合わせフロントガラスは、外周のある合わせガラス材料と、外周に製造された凹部と、説明された実施形態における通気システムとを含む。ハウジングプレートは、合わせガラス材料の内面に接着されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面を参照してこれら及び他の態様及び利点を詳細に説明する。
【0011】
【
図1】
図1は、合わせフロントガラスに取り付けられた、説明された実施形態における通気システムを示す。
【
図2】
図2は、合わせフロントガラスに製造された例示的な凹部を示す。
【
図6】
図6は、通気フラップが第1の戻り止めに開いた状態の通気システムの内部図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、通気システム10は、フロントガラスWSに固定可能なハウジングプレート12を含む。ハウジングプレート12は、接続タブ12Aと凹部12Bとを含む。
【0013】
図2に示すように、フロントガラスWSは、外周に製造された凹部Rを含む。すなわち、フロントガラスの製造時に、凹部Rは、合わせガラス材料で形成される。
【0014】
引き続き
図1を参照すると、ハウジングプレート12の凹部12Bは、フロントガラスWSにおける凹部Rに対応するサイズを有する。接続タブ12Aは、フロントガラスWSの内面に接着剤などで接着固定され、凹部12Bは、フロントガラスの凹部Rを埋めている。
【0015】
図3は、通気システム部品の分解図である。ハウジングプレート12は、通気開口部14を含む。通気開口部14は、左右の切り欠き14A、14Bを含む。通気フラップ16は、開口部14に固定可能である。通気フラップ16は、左側軸16A及び右側軸16Bを含む。通気フラップ16には、延長アーム17も設けられている。
【0016】
通気システムはまた、ハウジングプレートの開口部14の切り欠き14A、14Bの各々の上にそれぞれ固定された一対のクランプ18を含む。クランプ18の各々は、ねじ20又は他のコネクタを介して固定されたツーピースアセンブリで形成されている。システムはまた、通気フラップ16に連結された少なくとも1つのボール及びスプリングプランジャ22を含む。
【0017】
図4に示されるように、いくつかの実施形態では、ボール及びスプリングプランジャ22は、通気フラップ16の各側の開口部に圧入されている。
【0018】
図5は、クランプ18のうちの1つの拡大図である。各クランプは、コネクタ20を介して互いに固定されたツーピースアセンブリで形成されてよい。接続されると、クランプ部品は、通気フラップ16の軸16A、16Bを受け入れるように構成された開口24を画定する。
図5にも示されるように、組み立てられたときのクランプ18の部品は、ハウジングプレート12を受け入れるスロット26を画定する。クランプ18の部品はまた、組み立てられたときにフラップ16の延長アーム17と係合する円形隆起部27を画定する。すなわち、円形隆起部27は、フラップの延長アーム17とフラップの対向面16Cとの間に挟まれる。
図1、4及び6を参照されたい。この構造により、フラップ16のより滑らかでより確実な回転及び位置決めが可能となる。
【0019】
各クランプ18の片側には、通気フラップ16に面する表面に戻り止め28が設けられてよい。戻り止め28は、ボール及びスプリングプランジャ22と選択的に係合可能である。このようにして、ボール及びスプリングプランジャ22は、通気フラップ16を操作者により選択された位置に固定するように構成される。操作者は、通気フラップ16の位置を手で容易に調整することができる。いくつかの実施形態では、
図5に示されるように、戻り止め28は、ツーピースアセンブリの一方のピースのみに配置される。
【0020】
したがって、クランプ18は、通気フラップ16をハウジングプレート12の通気開口部14に回転可能に固定する。軸16A、16Bは、クランプ18に画定された対応する開口24内で回転可能である。通気フラップ16は、閉位置と開位置との間で、軸16A、16Bを中心として回転可能である。通気フラップ16の片面又は両面にボールプランジャ及びスプリングプランジャ22が含まれているため、通気フラップ16は、所望の位置に容易に配置することができる。
図6では、通気フラップ16は、クランプ18上の第1の戻り止め28に対して開いた位置に示されている。
【0021】
説明された実施形態における通気アセンブリは、合わせフロントガラスにおける事前に製造された凹部に取り付けるのに適している。ハウジングプレートは、合わせフロントガラスにおける任意のサイズの凹部に対応するサイズを有することができる。ハウジングプレートに固定された通気フラップは、使用者の好みに応じて選択的に位置決め可能である。通気アセンブリは、合わせ(又は他のタイプの)フロントガラスに対して通気の解決手段を提供する。
【0022】
本発明は現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられているものに関連して説明されてきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれる様々な修正及び同等の構成をカバーすることが意図されていることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガラスに固定可能であり、通気開口部を含むハウジングプレートと、
前記通気開口部の両側に1つずつ固定された2つのクランプであって、各々が前記ハウジングプレートを受け入れるスロットを含み、それぞれの開口を含む、2つのクランプと、
前記
通気開口部
の前記2つのクランプ間に固定され、前記
それぞれの開口の一方と係合する左側軸と、前記それぞれの開口の他方と係合する右側軸とを含み、閉位置と開位置との間で、
前記左側軸及び前記右側軸を中心として回転可能な通気フラップと、
を含むフロントガラスの通気部。
【請求項2】
前記通気フラップに連結されたボール及びスプリングプランジャを更に含み、前記2つのクランプの各々は、前記ボール及びスプリングプランジャと選択的に係合可能な戻り止めを更に含み、これによって前記ボール及びスプリングプランジャが、操作者が選択した位置で前記通気フラップを固定するように構成される請求項
1に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項3】
前記2つのクランプの各々は、ツーピースアセンブリを含み、前記戻り止めは、前記ツーピースアセンブリの一方のピースのみに配置される請求項
2に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項4】
前記2つのクランプの各々は、ツーピースアセンブリを含み、前記ツーピースアセンブリの少なくとも一部は、前記ハウジングプレートを挟んで配置され、前記通気フラップは、前記クランプに対して回転可能である請求項
1に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項5】
前記ツーピースアセンブリは、コネクタと共に固定される請求項
4に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項6】
前記通気フラップは、前記2つのクランプの各々にそれぞれ係合する、延長アームと対向面とを含み、前記クランプの各々は、円形隆起部を画定し、前記円形隆起部は、前記延長アームと前記対向面との間に挟まれる請求項
1に記載のフロントガラスの通気部。
【請求項7】
外周のある合わせガラス材料と、
前記外周に製造された凹部と、
前記凹部に固定された通気システムと、を含み、前記通気システムは、
前記凹部に隣接する前記合わせガラス材料に固定され、通気開口部を含むハウジングプレートと、
前記通気開口部の両側に1つずつ固定された2つのクランプであって、各々が前記ハウジングプレートを受け入れるスロットを含み、それぞれの開口を含む、2つのクランプと、
前記
通気開口部
の前記2つのクランプ間に固定され、前記
それぞれの開口の一方と係合する左側軸と、前記それぞれの開口の他方と係合する右側軸とを含み、閉位置と開位置との間で、
前記左側軸及び前記右側軸を中心として回転可能な通気フラップとを含む、
合わせ
ガラスのフロントガラス。
【請求項8】
前記ハウジングプレートは、前記合わせガラス材料の内面に接着される請求項
7に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項9】
前記通気システムは、前記通気フラップに連結されたボール及びスプリングプランジャを更に含み、前記2つのクランプの各々は、前記ボール及びスプリングプランジャと選択的に係合可能な戻り止めを更に含み、これによって前記ボール及びスプリングプランジャが、操作者が選択した位置で前記通気フラップを固定するように構成される請求項
7に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項10】
前記2つのクランプの各々は、ツーピースアセンブリを含み、前記戻り止めは、前記ツーピースアセンブリの一方のピースのみに配置される請求項
9に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項11】
前記2つのクランプの各々は、ツーピースアセンブリを含み、前記ツーピースアセンブリの少なくとも一部は、前記ハウジングプレートを挟んで配置され、前記通気フラップは、前記クランプに対して回転可能である請求項
7に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項12】
前記ツーピースアセンブリは、コネクタと共に固定される請求項
11に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【請求項13】
前記通気フラップは、前記2つのクランプのそれぞれに係合する、延長アームと対向面とを含み、前記クランプの各々は、円形隆起部を画定し、前記円形隆起部は、前記延長アームと前記対向面との間に挟まれる請求項
7に記載の合わせガラスのフロントガラス。
【国際調査報告】