(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-01
(54)【発明の名称】組換えAAVにおいてCAPおよびREP配列の逆パッケージングを低減するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/864 20060101AFI20230424BHJP
C12N 15/35 20060101ALI20230424BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230424BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230424BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230424BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20230424BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20230424BHJP
A61K 38/36 20060101ALN20230424BHJP
【FI】
C12N15/864 100Z
C12N15/35 ZNA
C12N5/10
C12N15/12
A61K48/00
A61K35/76
A61P7/04
A61K38/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556039
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 US2021023151
(87)【国際公開番号】W WO2021188892
(87)【国際公開日】2021-09-23
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513252910
【氏名又は名称】ウルトラジェニックス ファーマシューティカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】キャンプリン, ブレイディ
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ, スチュワート
(72)【発明者】
【氏名】フラー, マシュー スコット
(72)【発明者】
【氏名】ウォズワース, サミュエル
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90Y
4B065AA95X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA01
4C084AA13
4C084BA44
4C084CA53
4C084DC16
4C084NA10
4C084NA13
4C084ZA53
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA10
4C087NA13
4C087ZA53
(57)【要約】
本開示は、組換え核酸構築物、ベクター、および宿主細胞を含む組成物、ならびに組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)の生成においてcapおよび/またはrep DNA配列の逆パッケージングを低減するためのそれらの使用方法を提供する。本発明の組成物または方法から生成されるrAAVおよび薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含む医薬組成物がまた、提供される。これらの医薬組成物は、被験体における疾患、状態、または障害の防止または処置のための遺伝子治療において有用であり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物であって、
ここで前記AAV Capコード配列は、前記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、
ここで前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである、
組換え核酸構築物。
【請求項2】
前記AAV Capコード配列は、血清型AAV8、AAV9、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh10、AAVhu37、またはその操作されたバリアントのキャプシドタンパク質をコードする、請求項1に記載の組換え核酸構築物。
【請求項3】
前記AAV Capコード配列は、AAV8の血清型のキャプシドタンパク質をコードする、請求項1に記載の組換え核酸構築物。
【請求項4】
前記AAV Capコード配列は、AAV9の血清型のキャプシドタンパク質をコードする、請求項1に記載の組換え核酸構築物。
【請求項5】
前記組換え核酸構築物は、プロモーター、AAVイントロン、および選択マーカーのコード配列から選択される1個またはこれより多くの核酸配列をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項6】
単一の切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列のVP3領域に挿入される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項7】
少なくとも2個の切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列のVP3領域に挿入される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項8】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1個のスプライスドナーおよび少なくとも1個のスプライスアクセプター部位を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項9】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1.5kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項10】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも2.0kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項11】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも2.5kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項12】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも3.0kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項13】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも3.5kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項14】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも4.0kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項15】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、1.0kb~5.0kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項16】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、2.0kb~3.5kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項17】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、約2.0kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項18】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、約2.5kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項19】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、約3.0kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項20】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、約3.5kbである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項21】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、真核生物翻訳開始因子2、サブユニット1(EIF2S1);I型コラーゲンα2鎖(COL1A2);酸性かつシステインが豊富な分泌タンパク質(SPARC);転写のシグナル伝達因子および活性化因子3(STAT3);エノラーゼ1(ENO1);ピルビン酸キナーゼ(PKM);アルドラーゼ、フルクトース-ビスホスフェートA(ALDOA);Yボックス結合タンパク質1(YBX1);グアニンヌクレオチド結合タンパク質{Gプロテイン}、βポリペプチド2様1(GNB2L1);リボソームタンパク質S3(RPS3);GNAS複合体遺伝子座(GNAS);フィラミンA(FLNA);トランスフェリンレセプター(TFRC);細胞質性ポリA結合タンパク質1(PABPC1);ユビキチン様修飾因子活性化酵素1(UBA1);カルネキシン(CANX);および乳酸デヒドロゲナーゼA(LDHA)から選択されるタンパク質をコードする遺伝子に由来するイントロン配列である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項22】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、配列番号5、1~4、または6~31のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項23】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、配列番号5、1~4、または6~31から選択される配列を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項24】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、配列番号5、1~4、または6~31から選択される配列からなる、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項25】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、CAG/G(配列番号32)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項26】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、CAG/CTG(配列番号33)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項27】
前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、CAG/GTG(配列番号34)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【請求項28】
請求項1~27のいずれかに記載の組換え核酸構築物を含むベクター。
【請求項29】
前記ベクターは、プラスミドである、請求項28に記載のベクター。
【請求項30】
請求項1~27のいずれかに記載の組換え核酸構築物を含む宿主細胞。
【請求項31】
前記組換え核酸構築物は、ベクターに存在する、請求項30に記載の宿主細胞。
【請求項32】
前記ベクターは、プラスミドである、請求項31に記載の宿主細胞。
【請求項33】
前記宿主細胞は、1個またはこれより多くのアデノウイルスヘルパー遺伝子を含むプラスミドをさらに含む、請求項30~32のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項34】
前記宿主細胞は、5’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列、プロモーター、導入遺伝子コード配列、および3’-逆方向末端反復(3’-ITR)配列を含むプラスミドをさらに含む、請求項30~33のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項35】
前記宿主細胞は、
a. 1個またはこれより多くのアデノウイルスヘルパー遺伝子を含むプラスミド;ならびに
b. 5’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列、プロモーター、導入遺伝子コード配列、および3’-逆方向末端反復(3’-ITR)配列を含むプラスミド、
をさらに含む、請求項30~32のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項36】
前記導入遺伝子コード配列は、天然のコード配列である、請求項34~35のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項37】
前記導入遺伝子コード配列は、コドン最適化されたコード配列である、請求項34~35のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項38】
前記導入遺伝子は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、グルコース 6-ホスファターゼ(G6Pase)、第VIII因子、第IX因子、ATP7B、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)、アルギニノスクシネートシンセターゼ、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットα(PCCA)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットβ(PCCB)、生存運動ニューロン(SMN)、イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)、α-1-イズロニダーゼ(IDUA)、トリペプチジルペプチダーゼ1(TPP1)、低密度リポタンパク質レセプター(LDLR)、ミオチュブラリン1、酸性α-グルコシダーゼ(GAA)、筋強直性ジストロフィー-プロテインキナーゼ(DMPK)、N-スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ(SGSH)、線維芽細胞成長因子-4(FGF-4)、rabエスコートタンパク質1(REP1)、カルバモイルシンセターゼ1(CPS1)、アルギニノスクシネートリアーゼ(ASL)、アルギナーゼ、フマリルアセテートヒドロラーゼ、α-1アンチトリプシン、メチルマロニルCoAムターゼ、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質、ミニジストロフィン、およびマイクロジストロフィンから選択される、請求項34~35のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項39】
前記宿主細胞は、Hek293、HeLa、Cos-7、A549、BHK、Vero、RD、ARPE-19、またはMRC-5細胞から選択される、請求項30~38のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項40】
前記宿主細胞は、Hek293細胞である、請求項30~38のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項41】
組換えAAV(rAAV)の調製物を生成するための方法であって、前記方法は、請求項30~40のいずれかに記載の宿主細胞を、rAAVの生成を促進する適切な条件下で培養するステップを包含する方法。
【請求項42】
前記rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されるrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのcap DNAを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されるrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのrep DNAを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されるrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのrep DNAおよびcap DNAを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
請求項41~44のいずれかに記載の方法によって生成されるrAAV。
【請求項46】
請求項45に記載のrAAVおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む医薬組成物。
【請求項47】
AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物であって、
ここで前記AAV Capコード配列は、血清型AAV8のキャプシドタンパク質をコードし、前記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの異種配列の挿入を介して改変されている、および
ここで前記1個またはこれより多くの異種配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである、および
ここで前記1個またはこれより多くの異種配列は、位置C-1において挿入された配列番号14、位置C-1において挿入された配列番号2、位置A-11において挿入された配列番号2、位置C-1において挿入された配列番号5、位置A-11において挿入された配列番号5、位置C-1において挿入された配列番号20、位置A-11において挿入された配列番号20、位置C-1において挿入された配列番号9、位置A-11において挿入された配列番号9、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、
組換え核酸構築物。
【請求項48】
前記1個またはこれより多くの異種配列は、切り取り可能なイントロン配列である、請求項47に記載の組換え核酸構築物。
【請求項49】
改変前の前記AAV Capコード配列は、配列番号38のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む、請求項47または48に記載の組換え核酸構築物。
【請求項50】
改変前の前記AAV Capコード配列は、配列番号38のヌクレオチド配列を含む、請求項49に記載の組換え核酸構築物。
【請求項51】
AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物であって、
ここで前記AAV Capコード配列は、血清型AAV9のキャプシドタンパク質をコードし、前記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの異種配列の挿入を介して改変されている、
ここで前記1個またはこれより多くの異種配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである、および
ここで前記1個またはこれより多くの異種配列は、位置A-4において挿入された配列番号14、位置A-4において挿入された配列番号2、位置A-5において挿入された配列番号2、位置A-4において挿入された配列番号5、A-5において挿入された配列番号5、A-4において挿入された配列番号20、A-5において挿入された配列番号20、A-4において挿入された配列番号9、A-5において挿入された配列番号9、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、
組換え核酸構築物。
【請求項52】
前記1個またはこれより多くの異種配列は、切り取り可能なイントロン配列である、請求項51に記載の組換え核酸構築物。
【請求項53】
改変前の前記AAV Capコード配列は、配列番号42のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む、請求項51または52に記載の組換え核酸構築物。
【請求項54】
改変前の前記AAV Capコード配列は、配列番号42のヌクレオチド配列を含む、請求項53に記載の組換え核酸構築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月19日出願の米国仮特許出願第62/991,768号(その内容全体は、全ての目的のためにそれらの全体において本明細書に参考として援用される)の利益および優先権を主張する。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式において電子提出され、その全体において参考として援用される配列表を含む。上記ASCIIコピー(作成日:2021年3月15日)は、名称ULP-008WO_SL.txtであり、大きさが約156キロバイトである。
【0003】
発明の技術分野
本開示は一般に、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を生成するための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、非病原性の複製欠損性パルボウイルスである。組換えAAV(rAAV)は、遺伝子治療のための送達ベクターとしてそれらを魅力的にしている多くの特有の特徴を有する。特に、rAAVベクターは、治療用遺伝子を分裂中のおよび分裂していない細胞に送達することができ、これらの遺伝子は、標的化された細胞のゲノムへの組み込みなしに、長期間にわたって持続し得る。rAAVの普及した治療適用を考慮すれば、rAAVベクター生成の改善された方法のニーズが継続してある。
【0005】
rAAV製造業者が直面している現在の問題は、宿主細胞およびプラスミドDNAが、rAAVのパッケージベクターゲノム(packaged vector genome)へと偶発的に組み込まれてしまう現象である。異常にパッケージされた宿主細胞DNAおよびプラスミドDNAは、それぞれ、「共パッケージ(co-packaged)」DNAおよび「逆パッケージ(reverse packaged)」DNAといわれる。rAAV調製物中のこれらの不純物の存在は、免疫系によって認識され得る抗原の持続性の供給源を提供し得、形質導入された細胞の不要なクリアランスをもたらす。従って、異常にパッケージされたDNAの組み込みを減少させることは、AAVベースの治療用生成物を製造するにあたって未だに優先すべきことである。
repおよびcapプラスミドDNAの逆パッケージングを低減しようとする以前の試みは、当該分野で記載されている。例えば、Caoおよび同僚らは、イントロンがrep遺伝子において挿入された、イントロンが改変されたAdヘルパープラスミドの作製を記載する。Caoら, 2000, J. Virology 74(24): 11456-63を参照のこと。しかし、このストラテジーは、ゲノム力価を有意に低減させることが見出され、望ましくない複製能のあるAAVの生成を排除するにあたっては有効でなかった。さらに、Caoらは、全てのパッケージ粒子のうちの比較的高い割合(約0.02%)が、少なくともいくらかのrep DNA配列をなお含んでいることを観察した。その一方で、Halbertらは、cap遺伝子における大きなイントロン(「カプトロン(captron)」といわれる)を導入することによって、cap DNAの逆パッケージングを成功裡に減少させた。これは、カプトロンプラスミドで作製されたベクターに曝された細胞においてCap発現を低減することが見出された。Halbertら, 2011, Gene Therapy 18(4): 411-7および米国特許第10,415,056号を参照のこと。しかし、このアプローチは、逆パッケージrep DNAを低減することに対して何の効果もないことが示され、堅牢な商業的適用に関する適用可能性を制限した。なぜなら、それは、RepおよびCapが異なるプラスミドから発現される4個のプラスミド(四重)トランスフェクションに依拠し、それによって、RepおよびCapが単一のプラスミドから発現される旧来の3個のプラスミド(三重)トランスフェクションと比較して、GMPプラスミドコストを有意に増加させるからである。さらに、Halbertらによって記載されるカプトロンストラテジーは、天然のRepおよびCapスプライス部位を有する本質的に感受性の領域を標的とし、これは、通常のRepおよびCapスプライシングならびに所望のタンパク質のアイソフォームの生成を妨害する可能性がある。
前述のストラテジーの制限を考慮すれば、repおよびcap DNAの異常なパッケージングを低減し得、DNA不純物が減少したrAAV調製物の堅牢な生成を可能にする変化のないRepおよびCapタンパク質発現をなお更に容易にする改善されたアプローチが、必要とされる。本発明は、逆パッケージrep配列および逆パッケージcap配列の両方のレベルを低減し得る改善された核酸構築物(例えば、Rep/Cap発現プラスミド)の開発を介して、このニーズに対処する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第10,415,056号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Caoら, 2000, J. Virology 74(24): 11456-63
【非特許文献2】Halbertら, 2011, Gene Therapy 18(4): 411-7
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
本発明は、とりわけ、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)の生成においてcapおよび/またはrep DNA配列の逆パッケージングを低減するための組成物およびそれらの使用方法を提供する。
【0009】
1つの局面において、本開示は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物であって、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである、組換え核酸構築物を提供する。
【0010】
別の局面において、本開示は、組換え核酸構築物を含むベクターであって、ここで上記組換え核酸構築物は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含み、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである、ベクターを提供する。例示的な実施形態において、上記ベクターは、プラスミドである。
【0011】
さらに別の局面において、本開示は、組換え核酸構築物を含む宿主細胞であって、ここで上記組換え核酸構築物は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含み、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである宿主細胞を提供する。例示的な実施形態において、上記宿主細胞における組換え核酸構築物は、ベクター、例えば、プラスミドに存在する。いくつかの実施形態において、上記宿主細胞は、1個またはこれより多くのアデノウイルスヘルパー遺伝子(例えば、E1、E2A、E4、VA RNAなど)を含むプラスミド(「Adヘルパー」プラスミド)をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記宿主細胞は、5’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列、プロモーター、導入遺伝子コード配列、および3’-逆方向末端反復(3’-ITR)配列を含むプラスミド(「Cis」プラスミド)をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記宿主細胞は、(a)AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物を含むプラスミドであって、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されているプラスミド;(b)Adヘルパープラスミド、ならびに(c)Cisプラスミドを含む。ある特定の実施形態において、上記宿主細胞は、Hek293、HeLa、Cos-7、A549、BHK、Vero、RD、ARPE-19、またはMRC-5細胞から選択される。例示的な実施形態において、上記宿主細胞は、Hek293細胞である。
【0012】
さらに別の局面において、本開示は、組換えAAV(rAAV)の調製物を生成する方法であって、上記方法は、宿主細胞を、rAAVの生成を促進する適切な条件下で培養するステップであって、ここで上記宿主細胞は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物を含み、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbであるステップを包含する方法を提供する。例示的な実施形態において、上記宿主細胞は、AdヘルパープラスミドおよびCisプラスミドをさらに含む。例示的な実施形態において、上記宿主細胞は、Hek293細胞である。いくつかの実施形態において、上記rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されるrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのcap DNAを含む。いくつかの実施形態において、上記rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されるrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのrep DNAを含む。いくつかの実施形態において、上記rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されるrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのrep DNAおよびcap DNAを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、本明細書で記載される組成物または方法を使用して生成されるrAAVは、タンパク質導入遺伝子のコード配列を含むパッケージベクターゲノムを含む。1つの実施形態において、上記コード配列は、天然のコード配列である。別の実施形態において、上記コード配列は、コドン最適化されたコード配列である。いくつかの実施形態において、コード配列は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、グルコース 6-ホスファターゼ(G6Pase)、第VIII因子、第IX因子、ATP7B、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)、アルギニノスクシネートシンセターゼ、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットα(PCCA)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットβ(PCCB)、生存運動ニューロン(SMN)、イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)、α-1-イズロニダーゼ(IDUA)、トリペプチジルペプチダーゼ1(TPP1)、低密度リポタンパク質レセプター(LDLR)、ミオチュブラリン1、酸性α-グルコシダーゼ(GAA)、筋強直性ジストロフィー-プロテインキナーゼ(DMPK)、N-スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ(SGSH)、線維芽細胞成長因子-4(FGF-4)、rabエスコートタンパク質1(REP1)、カルバモイルシンセターゼ1(CPS1)、アルギニノスクシネートリアーゼ(ASL)、アルギナーゼ、フマリルアセテートヒドロラーゼ、α-1アンチトリプシン、メチルマロニルCoAムターゼ、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質、およびジストロフィン遺伝子産物(例えば、ミニジストロフィンまたはマイクロジストロフィン)から選択されるタンパク質導入遺伝子を発現する。
【0014】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型8、9、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、rh10、hu37のAAV(例えば、AAV8、AAV9、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh10、AAVhu37)に由来するキャプシド、またはその操作されたバリアントをコードする。例示的な実施形態において、上記AAVキャプシドは、AAV血清型8(AAV8)キャプシド、AAV8バリアントキャプシド、AAV血清型9(AAV9)キャプシド、AAV9バリアントキャプシド、またはAAV血清型hu37(AAVhu37)キャプシドである。
【0015】
いくつかの実施形態において、上記組換え核酸構築物は、プロモーター、AAVイントロン、および選択マーカーのコード配列から選択される1個またはこれより多くの核酸配列をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、単一の切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列のVP3領域へと挿入される。いくつかの実施形態において、少なくとも2個の(例えば、2個、3個、4個、またはこれより多くの)切り取り可能な異種イントロン配列が、AAV Capコード配列のVP3領域へと挿入される。
【0017】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1個のスプライスドナーおよび少なくとも1個のスプライスアクセプター部位を含む。
【0018】
本明細書で記載される種々の局面において、上記切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1kbの長さを有する。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1.5kbの長さを有する。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2.0kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3.0kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb、3.8kb、3.9kb、または少なくとも4.0kbの長さを有する。
【0019】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、1.0kb~5.0kbの長さを有する。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、1.5kb~4.5kbの長さを有する。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、1.8kb~4.0kbの長さを有する。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、2.0kb~3.5kbの長さを有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、約1.8kb、1.9kb、2.0kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3.0kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb、3.8kb、3.9kb、4.0kb、4.1kb、4.2kb、4.3kb、4.4kb、または約4.5kbの長さを有する。
【0021】
いくつかの実施形態において、上記1個またはこれより多くの(例えば、1個、2個、3個、4個、またはこれより多くの)切り取り可能な異種イントロンの全ての合わせたサイズは、約1.5kb、1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2.0kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3.0kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb、3.8kb、3.9kb、4.0kb、4.1kb、4.2kb、4.3kb、4.4kb、または約4.5kbである。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明における使用のための上記切り取り可能な異種イントロンは、真核生物翻訳開始因子2、サブユニット1(EIF2S1);I型コラーゲンα2鎖(COL1A2);酸性かつシステインが豊富な分泌タンパク質(secreted protein acidic and rich in cysteine)(SPARC);転写のシグナル伝達因子および活性化因子3(signal transducer and activator of transcription 3)(STAT3);エノラーゼ1(ENO1);ピルビン酸キナーゼ(PKM);アルドラーゼ、フルクトース-ビスホスフェートA(ALDOA);Yボックス結合タンパク質1(YBX1);グアニンヌクレオチド結合タンパク質{Gプロテイン}、βポリペプチド2様1(GNB2L1);リボソームタンパク質S3(RPS3);GNAS複合体遺伝子座(GNAS);フィラミンA(FLNA)、トランスフェリンレセプター(TFRC);細胞質性ポリA結合タンパク質1(PABPC1);ユビキチン様修飾因子活性化酵素1(UBA1);カルネキシン(CANX);および乳酸デヒドロゲナーゼA(LDHA)から選択されるタンパク質をコードする遺伝子に由来するイントロン配列である。
【0023】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0024】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、CAG/G(配列番号32)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される。
【0025】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、CAG/CTG(配列番号33)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される。
【0026】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、CAG/GTG(配列番号34)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される。
【0027】
いくつかの実施形態において、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物であって、ここで上記AAV Capコード配列は、血清型AAV8のキャプシドタンパク質をコードし、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの異種配列の挿入を介して改変されている、およびここで上記1個またはこれより多くの異種配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである、およびここで上記1個またはこれより多くの異種配列は、位置C-1において挿入された配列番号14、位置C-1において挿入された配列番号2、位置A-11において挿入された配列番号2、位置C-1において挿入された配列番号5、位置A-11において挿入された配列番号5、位置C-1において挿入された配列番号20、位置A-11において挿入された配列番号20、位置C-1において挿入された配列番号9、位置A-11において挿入された配列番号9、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、組換え核酸構築物が提供される。いくつかの実施形態において、上記1個またはこれより多くの異種配列は、切り取り可能なイントロン配列である。
【0028】
いくつかの実施形態において、改変前の上記AAV Capコード配列は、配列番号38のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、改変前の上記AAV Capコード配列は、配列番号38のヌクレオチド配列を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物であって、ここで上記AAV Capコード配列は、血清型AAV9のキャプシドタンパク質をコードし、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの異種配列の挿入を介して改変されている、ここで上記1個またはこれより多くの異種配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである、およびここで上記1個またはこれより多くの異種配列は、位置A-4において挿入された配列番号14、位置A-4において挿入された配列番号2、位置A-5において挿入された配列番号2、位置A-4において挿入された配列番号5、A-5において挿入された配列番号5、A-4において挿入された配列番号20、A-5において挿入された配列番号20、A-4において挿入された配列番号9、A-5において挿入された配列番号9、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、組換え核酸構築物が提供される。いくつかの実施形態において、上記1個またはこれより多くの異種配列は、切り取り可能なイントロン配列である。
【0030】
いくつかの実施形態において、改変前の上記AAV Capコード配列は、配列番号42のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、改変前の上記AAV Capコード配列は、配列番号42のヌクレオチド配列を含む。
【0031】
本開示のこれらおよび他の局面ならびに特徴は、本出願の以下の節において記載される。
【0032】
本発明は、以下の図面を参照してより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、AAV8 Capコード配列(配列番号38)の図示である。下線を付したヌクレオチドは、VP3コード配列を表す。CAG/G(配列番号32)(太字)の14個のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列は、AAV8 Capコード配列に存在する;これらの14個(5’から3’へA-1~A-14と称される)のうち、10個は、VP3コード配列中に位置する。CAG/CTG(配列番号33)の2個のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列(太字、斜体、およびボックスで囲まれる)は、AAV8 Capコード配列中に存在する;これらの2個(5’から3’にB-1~B-2と称される)のうち、1個は、VP3コード配列中に位置する。CAG/GTG(配列番号34)の1個のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列(C-1と称される)は、VP3コード配列中に位置する(太字、斜体、およびボックスで囲まれ、影が付けられる)。最後3個のヌクレオチド(TAA)は、Capコード配列終止コドンに相当する。
【0034】
【
図2】
図2は、AAV8 Cap VP3コード配列(配列番号43)の一部、ならびにA-5、A-6、C-1、B-2、およびA-7と称される挿入位置におけるエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を示す図示である。
図2はまた、AAV8 Cap VP3コード配列に相当する翻訳されたアミノ酸配列(配列番号44)を示す。
【0035】
【
図3】
図3は、AAV8 Cap VP3コード領域、ならびにA-5、A-6、C-1、B-2、A-7、A-8、A-9、A-10、A-11、A-12、A-13、およびA-14挿入部位に相当するエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列の位置を示す図示である。
【0036】
【
図4】
図4は、標準的なTransプラスミド(陽性対照、pos.ctrl.)で、Adヘルパープラスミドなしの標準的なTransプラスミド(Adヘルパーなしの陽性対照、pos.ctrl.no Ad)で、標準的なTransプラスミドなし(陰性対照、neg.ctrl.)で、またはAAV8 Cap VP3コード配列中の異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(ALDOA-C1、COL1A2-C1、COL1A2-A11、SPARC-C1、SPARC-A11、GNAS2-C1、GNAS-A11、ENO1-C1、またはENO1-A11)で作製されたrAAV8-hFIX生成物におけるqPCRによって測定された場合のAAV8 cap DNAのレベルを示す棒フラフである。AAV8 cap DNAにおける2倍~8倍の低減は、packtron Transプラスミドで作製された9個のrAAV8-hFIX生成物のうちの大部分にわたって観察された。
【0037】
【
図5】
図5は、標準的なTransプラスミド(陽性対照、pos.ctrl.)、Adヘルパープラスミドなしの標準的なTransプラスミド(Adヘルパーなしの陽性対照、pos.ctrl.no Ad)で、標準的なTransプラスミドなし(陰性対照、neg.ctrl.)で、またはAAV8 Cap VP3コード配列中の異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(ALDOA-C1、COL1A2-C1、COL1A2-A11、SPARC-C1、SPARC-A11、GNAS2-C1、GNAS-A11、ENO1-C1、またはENO1-A11)のいずれかで作製したrAAV8-hFIX生成物におけるqPCRによって測定された場合のAAV8 rep DNAのレベルを示す棒グラフである。AAV8 rep DNAにおける2倍~8.5倍の低減が、packtron Transプラスミドで作製された9個のrAAV8-hFIX生成物のうちの大部分にわたって観察された。
【0038】
【
図6】
図6は、標準的なTransプラスミド(陽性対照、pos.ctrl.)で、Adヘルパープラスミドなしの標準的なTransプラスミド(Adヘルパーなしの陽性対照、pos.ctrl.no Ad)で、標準的なTransプラスミドなし(陰性対照、neg.ctrl.)で、またはAAV8 Cap VP3コード配列における異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(ALDOA-C1、COL1A2-C1、COL1A2-A11、SPARC-C1、SPARC-A11、GNAS2-C1、GNAS- A11、ENO1-C1、またはENO1-A11)で作製されたrAAV8-hFIX生成物におけるqPCRによって測定される場合のパッケージゲノム力価のレベルを示す棒グラフである。パッケージhFIXベクターゲノムDNAの1.5倍~5倍の増加が、packtron Transプラスミドで作製された9個のrAAV8-hFIX生成物のうちの大部分にわたって観察された。
【0039】
【
図7】
図7は、標準的なTransプラスミド(陽性対照、pos.ctrl.)、Adヘルパープラスミドなしの標準的なTransプラスミド(Adヘルパーなしの陽性対照、pos.ctrl.no Ad)、標準的なTransプラスミドなし(陰性対照、neg.ctrl.)で、またはAAV8 Cap VP3コード配列における異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(ALDOA-C1、COL1A2-C1、COL1A2-A11、SPARC-C1、SPARC-A11、GNAS2-C1、GNAS- A11、ENO1-C1、またはENO1-A11)のいずれかで作製されたrAAV8-hFIX生成物におけるVP1、VP2、およびVP3の細胞内AAV8キャプシドタンパク質発現の比を試験するウェスタンブロットを示す。そのブロットは、AAV8 VP3 ORFへの異種イントロンの挿入が、AAV8 Capタンパク質の発現レベルまたはアイソフォームのスプライシングを有意に変化させないことを示す。
【0040】
【
図8】
図8は、標準的なTransプラスミド(対照)で作製したか、またはAAV8 Cap VP3コード配列における異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(SPARC-A11またはGNAS2-C1)で作製したかのいずれかの、3種の導入遺伝子 - hFIX、eGFP、またはmCherry -のうちの1個を発現するrAAV8生成物におけるqPCRによって測定された場合のAAV8 cap DNAのレベルを示す棒グラフである。AAV8 cap DNAにおける低減は、標準的なTransプラスミドで作製した相当するrAAV8生成物と比較して、packtron Transプラスミドで作製した全6個のrAAV8生成物にわたって観察された。
【0041】
【
図9】
図9は、標準的なTransプラスミド(対照)で作製したか、またはAAV8 Cap VP3コード配列における異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(SPARC-A11またはGNAS2-C1)で作製したかのいずれかの、3種の導入遺伝子 - hFIX、eGFP、またはmCherry - のうちの1個を発現するrAAV8生成物におけるqPCRによって測定された場合のAAV8 rep DNAのレベルを示す棒グラフである。AAV8 rep DNAにおける低減は、標準的なTransプラスミドで作製された相当するrAAV8生成物と比較して、packtron Transプラスミドで作製された全6個のrAAV8生成物にわたって観察された。
【0042】
【
図10】
図10は、標準的なTransプラスミド(対照)で作製されたかまたはAAV8 Cap VP3コード配列における異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(SPARC-A11またはGNAS2-C1)で作製されたかのいずれかの、3種の導入遺伝子 - hFIX、eGFP、またはmCherry - のうちの1つを発現するrAAV8生成物におけるqPCRによって測定される場合のパッケージゲノム力価のレベルを示す棒グラフである。パッケージベクターゲノムDNAの増加は、標準的なTransプラスミドで作製された相当するrAAV8生成物と比較して、GNASイントロンの挿入を含むpacktron Transプラスミドで作製されたrAAV8生成物において観察された。
【0043】
【
図11】
図11は、標準的なTransプラスミド(陽性対照、pos.ctrl.)で、標準的なTransプラスミドなし(陰性対照、neg.ctrl.)で、またはAAV9 Cap VP3コード配列における異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(ALDOA-A4、COL1A2-A4、COL1A2-A5、SPARC-A4、SPARC-A5、GNAS2-A4、GNAS-A5、ENO1-A4、またはENO1-A5)でのいずれかで作製されたrAAV9-hFIX生成物におけるqPCRによって測定された場合のAAV9 cap DNAのレベルを示す棒グラフである。AAV9 cap DNAの低減は、標準的なTransプラスミドで作製されたrAAV9-hFIX生成物と比較して、packtron Transプラスミドで作製された全rAAV9-hFIX生成物で観察された。
【0044】
【
図12】
図12は、標準的なTransプラスミド(陽性対照、pos.ctrl.)で、標準的なTransプラスミドなし(陰性対照、neg.ctrl.)で、またはAAV9 Cap VP3コード配列における異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(ALDOA-A4、COL1A2-A4、COL1A2-A5、SPARC-A4、SPARC-A5、GNAS2-A4、GNAS-A5、ENO1-A4、またはENO1-A5)でのいずれかで作製されたrAAV9-hFIX生成物におけるqPCRによって測定された場合のAAV9 rep DNAのレベルを示す棒グラフである。AAV9 rep DNAの低減は、標準的なTransプラスミドで作製されたrAAV9-hFIX生成物と比較して、packtron Transプラスミドで作製された全rAAV9-hFIX生成物において観察された。
【0045】
【
図13】
図13は、標準的なTransプラスミド(陽性対照、pos.ctrl.)で、標準的なTransプラスミドなし(陰性対照、neg.ctrl.)で、またはAAV9 Cap VP3コード配列における異種イントロンの挿入を介して改変されたpacktron Transプラスミド(ALDOA-A4、COL1A2-A4、COL1A2-A5、SPARC-A4、SPARC-A5、GNAS2-A4、GNAS-A5、ENO1-A4、またはENO1-A5)でのいずれかで作製されたrAAV9-hFIX生成物におけるqPCRによって測定された場合のパッケージゲノム力価のレベルを示す棒グラフである。パッケージhFIXベクターゲノムDNAの増加は、packtron Transプラスミドで作製された全9個のrAAV9-hFIX生成物にわたって観察された。
【発明を実施するための形態】
【0046】
発明の詳細な説明
背景の節において考察されたストラテジーの限界を考慮すれば、repおよびcap DNAの異常なパッケージングを低減し得るが、さらに変化のないRepおよびCapタンパク質発現を促進し、DNA不純物が減少したrAAV調製物の堅牢な生成を可能にする改善されたアプローチが必要とされる。本発明は、逆パッケージrepおよび逆パッケージcap配列の両方のレベルを低減し得る改善された核酸構築物(例えば、Rep/Cap発現プラスミド)の開発を介して、このニーズに対処する。そして驚くべきことに、逆パッケージrepおよびcap配列の有意な低減に付随して、本発明者らは、これらの改善された核酸構築物をrAAVの生成のための方法において利用する場合に、パッケージベクターゲノムの5倍までのより高いレベルを観察した。
【0047】
本発明は、とりわけ、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)の生成においてcapおよび/またはrep DNA配列の逆パッケージングを低減するための組成物およびそれらの使用方法を提供する。
【0048】
別段注記されなければ、技術用語は、従来の使用法に従って使用される。分子生物学において共通する用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes V、発行 Oxford University Press 1994(ISBN 0-19-854287-9);Kendrewら(編), The Encyclopedia of Molecular Biology, 発行 Blackwell Science Ltd., 1994(ISBN 0-632-02182-9);およびRobert A. Meyers(編), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, 発行 VCH Publishers, Inc., 1995(ISBN 1-56081-569-8)において見出され得る。
【0049】
本開示の種々の実施形態の検討を促進するために、具体的な用語の以下の説明が提供される:
【0050】
アデノ随伴ウイルス(AAV): ヒトおよびいくらかの他の霊長類の種に感染する、小さな複製欠損性の、エンベロープのないウイルス。AAVは、疾患を引き起こすことは知られておらず、非常に軽度の免疫応答を誘発する。AAVを利用する遺伝子治療ベクターは、分裂中の細胞および休止細胞の両方に感染し得、宿主細胞のゲノムへと組み込まれることなく、染色体外状態で持続し得る。これらの特徴は、AAVを遺伝子治療のための魅力的なウイルスベクターにしている。現在では、12の認識されているAAV血清型(AAV1~12)が存在する。
【0051】
投与/投与する: 被験体に任意の効果的な経路によって薬剤(例えば、治療剤(例えば、組換えAAV))を提供するまたは与えること。例示的な投与経路としては、注射(例えば、皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、髄腔内、脳室内または静脈内での投与)、経口、管内、舌下、直腸、経皮、鼻内、膣および吸入経路が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
コード配列: 「コード配列」とは、適切な調節配列に作動可能に連結される場合に、インビトロまたはインビボでポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を意味する。
【0053】
コドン最適化した: 「コドン最適化した」核酸とは、そのコドンが、特定のシステム(例えば、特定の種または種の群)における発現のために最適であるように変化させた核酸配列に言及する。例えば、核酸配列は、哺乳動物細胞または特定の哺乳動物種(例えば、ヒト細胞)における発現のために最適化され得る。コドン最適化は、そのコードされるタンパク質のアミノ酸配列を変化させない。
【0054】
切り取り可能な(excisable): イントロンを参照して、用語「切り取り可能な」とは、メッセンジャーRNAの翻訳前に除去され得るイントロンに言及する。
【0055】
異種: 用語「異種」とは、比較されている実体に対して外来である、すなわち、遺伝子型として異なる遺伝子、核酸、イントロンなどに言及する。本発明の文脈において、異種イントロンとは、挿入されている実体(例えば、AAVまたはAAVのエレメント)からは外来である、すなわち、遺伝子型として異なるイントロンに言及する。さらに明確にするために、用語「異種」とは、種々の分子、例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチドなどに言及して使用される場合、天然において所定の実体(例えば、AAV)によって通常もしくは天然に見出されないおよび/または生成されない分子に言及する。
【0056】
イントロン: タンパク質のコード情報を含まない遺伝子内のDNAの伸長部。イントロンは、メッセンジャーRNAの翻訳前に除去される。
【0057】
逆位末端反復配列(ITR): 効率的な複製のために必要とされるアデノ随伴ウイルスのゲノムにおける対称的な核酸配列。ITR配列は、AAV DNAゲノムの各末端に位置する。ITRは、ウイルスDNA合成の複製起点として働き、AAV組み込みベクターを生成するために必須のCis構成要素である。
【0058】
単離された: 「単離された」生物学的構成要素(例えば、核酸分子、タンパク質、ウイルスまたは細胞)は、その構成要素が天然に存在する生物の細胞もしくは組織、または生物自体における他の生物学的構成要素(例えば、他の染色体および染色体外DNAおよびRNA、タンパク質ならびに細胞)から実質的に分離または精製されている。「単離された」核酸分子およびタンパク質は、標準的な精製法によって精製されたものを含む。上記用語はまた、宿主細胞において組換え発現によって調製された核酸分子およびタンパク、ならびに化学合成された核酸分子およびタンパク質を含む。
【0059】
作動可能に連結された: 第1の核酸配列は、この第1の核酸配列が、第2の核酸配列と機能的な関係性に配置されている場合に、この第2の核酸配列と作動可能に連結されている。例えば、プロモーターは、このプロモーターが、コード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合に、そのコード配列に作動可能に連結されている。概して、作動可能に連結されたDNA配列は連続しており、2つのタンパク質コード領域を結合する必要がある場合、同じリーディングフレームにある。
【0060】
薬学的に受容可能なキャリア: 本開示において有用な薬学的に受容可能なキャリア(ビヒクル)は、従来どおりである。E. W. MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co., Easton, Pa., 第15版(1975))は、1またはこれより多くの治療用化合物、分子または薬剤の薬学的送達に適した組成物および製剤を記載する。
【0061】
概して、上記キャリアの性質は、使用されている特定の投与様式に依存する。例えば、非経口製剤は通常、薬学的におよび生理学的に受容可能な流体(例えば、水、生理食塩水、平衡化塩類溶液、水性デキストロース、グリセロールなど)をビヒクルとして含む注射用流体を含む。固形の組成物(例えば、散剤、丸剤、錠剤またはカプセル剤の形態)に関しては、従来の非毒性固体キャリアは、例えば、製薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを含み得る。生物学的に中性のキャリアに加えて、投与されるべき医薬組成物は、微量の非毒性補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、保存剤、およびpH緩衝化剤など(例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレート))を含み得る。
【0062】
疾患を防止する、処置する、または改善する: 疾患を「防止する」とは、疾患の完全な発生を阻害することをいう。「処置する」とは、疾患または病的状態が発生し始めた後の疾患または病的状態の徴候または症状を改善する、治療的介入をいう。「改善する」とは、疾患の徴候または症状の数または重篤度の低減をいう。
【0063】
プロモーター: 核酸(例えば、遺伝子)の転写を指示する/開始するDNAの領域。プロモーターは、転写開始部位の近くに必要な核酸配列を含む。多くのプロモーター配列は、当業者に公知であり、さらには、人工核酸分子中に異なるプロモーター配列の組み合わせが可能である。
【0064】
精製された: 用語「精製された」は、絶対的な純度を要求しない;むしろ、それは相対的な用語として意図される。従って、例えば、精製されたペプチド、タンパク質、ウイルス、または他の活性化合物は、天然に関連付けられたタンパク質および他の夾雑物から完全にまたは部分的に単離されているものである。ある特定の実施形態において、用語「実質的に精製された」とは、細胞、細胞培養培地、または他の粗製調製物から単離され、その最初の調製物の種々の構成要素(例えば、タンパク質、細胞デブリ、および他の構成要素)を除去するために分画に供された、ペプチド、タンパク質、ウイルスまたは他の活性化合物に言及する。
【0065】
組換え: 組換え核酸分子は、天然に存在しない配列を有するか、または2つの別の方法で分離された配列セグメントの人工的な組み合わせによって作製される配列を有するものである。この人工的な組み合わせは、化学合成によって、または核酸分子の単離されたセグメントの人工的な操作によって(例えば、遺伝子工学技術によって)達成され得る。
【0066】
同様に、組換えウイルスは、天然に存在しない配列(例えば、ゲノム配列)または異なる由来の少なくとも2つの配列の人工的組み合わせによって作製される配列を含むウイルスである。用語「組換え」はまた、天然の核酸分子、タンパク質またはウイルスの一部の付加、置換、または欠失によってのみ変更された核酸、タンパク質およびウイルスを含む。本明細書で使用される場合、「組換えAAV」(「rAAV」)とは、組換え核酸分子(例えば、タンパク質導入遺伝子をコードする組換え核酸分子)がパッケージされたAAV粒子をいう。
【0067】
配列同一性: 2もしくはこれより多くの核酸配列、または2もしくはこれより多くのアミノ酸配列の間の同一性または類似性は、その配列間の同一性または類似性に関して表される。配列同一性は、パーセンテージ同一性に関して測定され得る;パーセンテージが高いほど、配列はより同一である。配列類似性は、パーセンテージ類似性に関して測定され得る(保存的アミノ酸置換が考慮される);パーセンテージが高いほど、配列はより類似である。核酸またはアミノ酸配列のホモログまたはオルソログは、標準的方法を使用して整列される場合、比較的高い程度の配列同一性/類似性を有する。この相同性は、そのオルソログのタンパク質またはcDNAが、関係性がより遠い種(例えば、ヒト配列およびC.elegans配列)と比較して、関係性がより近い種(例えば、ヒト配列およびマウス配列)に由来する場合により顕著である。
【0068】
比較のための配列のアラインメント法は、当該分野で周知である。種々のプログラムおよびアラインメントアルゴリズムは、以下に記載される: Smith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482, 1981; Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443, 1970: Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444, 1988; Higgins & Sharp, Gene, 73:237-44, 1988; Higgins & Sharp, CABIOS5:151-3, 1989; Corpetら, Nuc. Acids Res. 16:10881-90, 1988; Huangら Computer Appls. in the Biosciences 8, 155-65, 1992:およびPearsonら, Meth. Mol. Rio. 24:307-31, 1994。Altschulら, J. Mol. Biol. 215:403-10, 1990は、配列アラインメント法および相同性計算の詳細な考慮事項を示す。
【0069】
NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschulら, J. Mol. Biol. 215:403-10, 1990)は、配列分析プログラム、blastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxとともに使用するために、National Center for Biological Information(NCBI)を含むいくつかの情報源から、およびインターネット上で入手可能である。さらなる情報は、NCBIウェブサイトで見出され得る。
【0070】
選択マーカー: 「選択マーカー」とは、成功裡に形質転換されたレシピエント宿主細胞(例えば、細菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞など)の選択を可能にする組換え核酸構築物に含まれ得る。レシピエント宿主細胞において発現され得る選択マーカーとしては、レシピエント宿主細胞を、薬物(例えば、アクチノマイシンC1、アクチノマイシンD、アンホテリシン、アンピシリン、ブレオマイシン、カルベニシリン、クロラムフェニコール、ジェネティシン、ゲンタマイシン、ハイグロマイシンB、カナマイシン、メトトレキサート、マイトマイシン、ネオマイシン、ノボビオシン、ペニシリン、ピューロマイシン、リファンピシン、ストレプトマイシン、テトラサイクリン、およびエリスロマイシン)に対して耐性にする遺伝子が挙げられ得るが、これらに限定されない。選択マーカーはまた、生合成遺伝子(例えば、ヒスチジン、トリプトファン、およびロイシン生合成経路におけるもの)を含み得る。レシピエント宿主細胞のトランスフェクションまたは形質転換の際に、上記細胞は、適切な選択マーカーと接触するようになる。選択マーカーはまた、視覚的なマーカー(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)のような蛍光マーカーまたは化学発光マーカー)を含み得る。
【0071】
血清型: 抗原の特徴的なセットによって区別される、関連性が近い微生物(例えば、ウイルス)の群。
【0072】
Stuffer配列: 2つの核酸特徴の間に(例えば、プロモーターとコード配列との間に)所望の間隔を作り出すために、または核酸分子が所望の長さのものであるように、核酸分子を伸長させるために代表的には使用されるより大きな核酸分子(例えば、ベクター)内部に含まれるヌクレオチドの配列をいう。Stuffer配列は、タンパク質コード情報を含まず、未知/合成由来/および/またはより大きな核酸分子の内部の他の核酸配列に関連しないものであり得る。
【0073】
被験体: 生きている多細胞の脊椎のある生物(ヒトおよび非ヒト哺乳動物を含むカテゴリー)。いくつかの実施形態において、上記被験体は、ヒトである。1つの実施形態において、上記ヒト被験体は、成人被験体、すなわち、18歳齢を超えているヒト被験体である。1つの実施形態において、上記ヒト被験体は、小児被験体、すなわち、0~18歳齢(両端を含む)のヒト被験体である。
【0074】
合成の: 実験室において人工的手段によって生成される。例えば、合成核酸は、実験室において化学合成され得る。
【0075】
非翻訳領域(UTR): 代表的なmRNAは、上記コード配列の上流および下流に、それぞれ、5’非翻訳領域(5’ UTR)および3’非翻訳領域(3’ UTR)を含む(Mignone F.ら, (2002) Genome Biol 3:REVIEWS0004を参照のこと)。
【0076】
治療上有効な量: 薬剤で処置される被験体において、または細胞において、所望の効果を達成するために十分な、特定の医薬または治療剤(例えば、組換えAAV)の量。上記薬剤の有効量は、処置されている被験体または細胞、および治療用組成物の投与様式が挙げられるが、これらに限定されないいくつかの要因に依存する。
【0077】
ベクター: ベクターは、ベクターが宿主細胞において複製するおよび/または組み込まれる能力を破壊することなく、外来核酸の挿入を可能にする核酸分子である。ベクターは、宿主細胞において複製することを可能にする核酸配列(例えば、複製起点)を含み得る。ベクターはまた、1またはこれより多くの選択マーカー遺伝子および他の遺伝的エレメントを含み得る。発現ベクターは、挿入された遺伝子の転写および翻訳を可能にするために必要な調節配列を含むベクターである。本明細書中のいくつかの実施形態において、上記ベクターは、AAVベクターである。
【0078】
別段説明されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。単数形「1つの、ある(a)」、「1つの、ある(an)」、および「その、この、上記(the)」は、文脈が別段明確に示さなければ、複数形への言及を含む。「AまたはBを含む」とは、A、またはB、またはAおよびBを含むことを意味する。核酸またはポリペプチドに関して与えられる全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、および全ての分子量または分子質量値が、近似値であり、説明のために提供されることは、さらに理解されるべきである。本明細書で記載されるものに類似または等価な方法および材料が本開示の実施または試験において使用され得るものの、適切な方法および材料は、以下に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体において参考として援用される。矛盾する場合、本明細書(用語の説明を含む)が優先する、さらに、上記材料、方法および例は、例証に過ぎず、限定ではないことが意図される。
【0079】
本発明は、とりわけ、種々の組成物、例えば、組換え核酸構築物、ベクター、および宿主細胞、ならびに組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)の生成におけるそれらの使用方法を提供する。本明細書で記載される組成物および方法を使用して生成されるrAAVは、種々の治療的および診断的適用において有用であり得る。
【0080】
組換え核酸構築物
本明細書で提供される例に記載されるように、本発明者らは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)の生成においてcapおよび/またはrep DNA配列の逆パッケージングを低減し得る新規な組換え核酸構築物を作り出した。これらの組換え核酸構築物の使用は、純度が増加したrAAV粒子の生成を可能にし、これは、次に、被験体における形質導入後の免疫抑制レジメンのレベルを低減し得るかまたはその必要性を排除し得、形質導入された細胞におけるより長い導入遺伝子発現を可能にし得る。逆パッケージrepおよびcap配列の有意な低減に付随して、本発明者らは、これらの新規な核酸構築物の利用が、驚くべきことに、rAAVの生成のための方法において使用される場合、ゲノム力価を5倍まで増加させ得ることを観察した。従って、有意な治療的および製造上の利益が、本明細書に記載される組換え核酸構築物から得られ得る。
【0081】
上記のことによれば、第1の局面において、本開示は、AAV複製(「Rep」)コード配列およびAAVキャプシド(「Cap」)コード配列を含む組換え核酸構築物であって、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである組換え核酸構築物を提供する。
【0082】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、天然に存在するAAV Capタンパク質(天然に存在するcap遺伝子から発現される)をコードする。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、天然に存在するAAVキャプシドタンパク質の遺伝子操作されたバリアント(バリアントAAVキャプシドタンパク質を発現するように操作されたcap遺伝子から発現される)をコードする。
【0083】
本明細書で記載される種々の実施形態において、本発明の組換え核酸構築物から発現されるAAVキャプシドタンパク質は、血清型1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、rh10、hu37のAAV(例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh10、AAVhu37)、ならびにヒトおよび非ヒト霊長類組織から単離された100を超える天然のバリアントのうちのいずれか1つに由来し得る。例えば、Choiら, 2005, Curr Gene Ther. 5: 299-310, 2005およびGaoら, 2005, Curr Gene Ther. 5: 285-297を参照のこと。
【0084】
前述のキャプシドの他に、1またはこれより多くの有益な治療特性(例えば、選択された組織に対する改善された標的化、免疫応答を逃れる能力の増大、中和抗体の刺激の低減など)を有するように操作されている非天然のバリアントAAVキャプシドを発現し得る組換え核酸構築物が、本発明の範囲内に含まれる。このような操作されたバリアントキャプシドの非限定的な例は、米国特許第9,506,083号、同第9,585,971号、同第9,587,282号、同第9,611,302号、同第9,725,485号、同第9,856,539号、同第9,909,142号、同第9,920,097号、同第10,011,640号、同第10,081,659号、同第10,179,176号、同第10,202,657号、同第10,214,566号、同第10,214,785号、同第10,266,845号、同第10,294,281号、同第10,301,648号、同第10,385,320号、および同第10,392,632号に、ならびにPCT公開番号WO/2017/165859、WO/2018/022905、WO/2018/156654、WO/2018/222503、およびWO/2018/226602(これらの開示は、本明細書に参考として援用される)に記載される。
【0085】
ある特定の例示的実施形態において、本発明の組換え核酸構築物から発現される上記AAVキャプシドタンパク質は、AAV8キャプシドタンパク質である。
【0086】
上記AAV8キャプシドタンパク質は、米国特許第7,282,199号、同第7,790,449号、同第8,318,480号、同第8,962,330号、同第8,962,332号、同第9,493,788号、同第9,587,250号、および同第10,266,846号に記載される。上記AAV8キャプシドは、以下の3種のAAV8 VPタンパク質:
・ VP1(例えば、配列番号35のアミノ酸配列を有するタンパク質(738アミノ酸))、
・ VP2(例えば、VP1のAAs 138~738に相当する、配列番号36のアミノ酸配列を有するタンパク質(601アミノ酸))、および
・ VP3(例えば、VP1のAAs 204~738に相当する、配列番号37のアミノ酸配列を有するタンパク質(535アミノ酸))、
から構成される自己集合したAAVキャプシドである。
【0087】
AAVに関して、全3種のキャプシドタンパク質(VP1、VP2、およびVP3)が、1個のmRNAから翻訳される。VP3は、主要キャプシドタンパク質であり、60個のキャプシドモノマーのうちのおよそ50個を占める一方で、キャプシドあたりVP1およびVP2の各々およそ5コピーが存在する(および従って、VP1:VP2:VP3に関しては、1:1:10の比)。本明細書で使用される場合、「AAV8キャプシド」とは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むAAVキャプシドをいう。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるとおりのAAV8キャプシドは、配列番号35のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、AAV8キャプシドは、配列番号38のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるとおりのAAV8キャプシドは、1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変された配列によってコードされ、改変前の配列は、配列番号38のヌクレオチド配列である。
【0088】
ある特定の例示的実施形態において、本発明の組換え核酸構築物から発現されるAAVキャプシドタンパク質は、AAV9キャプシドタンパク質である。
【0089】
上記AAV9キャプシドタンパク質は、米国特許第7,906,111号および同第10,265,417号に記載される。上記AAV9キャプシドは、以下の3種のAAV9 VPタンパク質:
・ VP1(例えば、配列番号39のアミノ酸配列を有するタンパク質(736アミノ酸))、
・ VP2(例えば、VP1のAAs 138~736に相当する、配列番号40のアミノ酸配列を有するタンパク質(599アミノ酸))、および
・ VP3(例えば、VP1のAAs 203~736に相当する、配列番号41のアミノ酸配列を有するタンパク質(534アミノ酸))、
から構成される自己集合したAAVキャプシドである。
【0090】
本明細書で使用される場合、「AAV9キャプシド」とは、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するAAVキャプシドをいう。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるとおりのAAV9キャプシドは、配列番号39のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるとおりのAAV9キャプシドは、配列番号42のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるとおりのAAV9キャプシドは、1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変された配列によってコードされ、上記改変前の配列は、配列番号42のヌクレオチド配列である。
【0091】
本明細書で示されるように、本発明に従う組換え核酸構築物は、いくつかの実施形態において、AAV8キャプシドまたはAAV9キャプシドをコードし得る。しかし、他の実施形態において、別のAAVキャプシドが選択される。組織特異性は、キャプシドタイプによって決定される。適切な標的(例えば、肝臓、筋、肺、またはCNS)を形質導入するAAV血清型は、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV6.2、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh10、AAVrh64Rl、AAVrh64R2、AAVrh8、AAVhu37を含むAAVウイルスベクターのキャプシドの供給源として選択され得る。さらに、未だ発見されていないAAV、またはそれに基づく組換えAAVが、AAVキャプシドの供給源として使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で記載される組換え核酸構築物による発現のためのAAVキャプシドは、前述のAAVキャプシドまたはそのコード核酸のうちの一方の変異誘発によって(すなわち、挿入、欠失、または置換によって)生成され得る。
【0092】
本発明のこの第1の局面によれば、1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列のVP3領域に挿入される。例えば、AAV8の文脈において、1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV8 Capコード配列、例えば、配列番号38の(任意の挿入(複数可)前の)ヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の同一性を有するCapコード配列、または配列番号38の(任意の挿入(複数可)前の)ヌクレオチド配列を有するCapコード配列に挿入され得る。例証目的で、AAV8の文脈において、1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、配列番号38のAAV8 Capコード配列のヌクレオチド610~2214にわたる領域に挿入され得る。
【0093】
別の例として、AAV9の文脈において、1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV9 Capコード配列、例えば、配列番号42の(任意の挿入(複数可)前の)ヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の同一性を有するCapコード配列、または配列番号42の(任意の挿入(複数可)前の)ヌクレオチド配列を有するCapコード配列に挿入され得る。さらなる例証のために、AAV9の文脈において、1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、配列番号42のAAV9 Capコード配列のヌクレオチド607~2208にわたる領域に挿入され得る。
【0094】
本発明は、代表的なAAV8およびAAV9のCapコード配列に関連して記載されるが、本開示を授けられた当業者は、本明細書で開示される教示を任意のAAVキャプシドに容易に適用し得る。
【0095】
いくつかの実施形態において、上記組換え核酸構築物は、1個またはこれより多くのプロモーターをさらに含み得る。1つの実施形態において、上記プロモーターは、異種プロモーター、例えば、LacZプロモーターである。1つの実施形態において、上記プロモーターは、AAVプロモーター、例えば、P5、P19、および/またはP40プロモーターである。いくつかの実施形態において、上記組換え核酸構築物は、少なくとも1個の異種プロモーターおよび少なくともAAVプロモーターを含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、上記組換え核酸構築物は、1個またはこれより多くのAAVイントロン(すなわち、非異種の天然のAAVイントロン)をさらに含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、上記組換え核酸構築物は、選択マーカーのコード配列をさらに含み得る。1つの実施形態において、上記選択マーカーは、薬物耐性を付与するタンパク質、例えば、カナマイシン耐性のためのタンパク質(例えば、KanR)、アンピシリン耐性のためのタンパク質(例えば、AmpR)、またはピューロマイシン耐性のためのタンパク質(例えば、Pac)である。別の実施形態において、上記選択マーカーは、生合成経路タンパク質(例えば、ヒスチジン、トリプトファン、またはロイシン生合成経路において見出されるタンパク質)である。別の実施形態において、上記選択マーカーは、視覚的マーカー(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)のような蛍光マーカー)である。例示的な実施形態において、上記組換え核酸構築物は、KanR(kanRによってコードされる)のコード配列を含む。これは、カナマイシン耐性を形質転換されたレシピエント宿主細胞にもたらす。
【0098】
本発明のこの第1の局面によれば、いくつかの実施形態において、1個の切り取り可能な異種イントロン配列または2個以上の切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入される。いくつかの実施形態において、単一の切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入される。いくつかの実施形態において、少なくとも2個の(例えば、2個、3個、4個、またはこれより多くの)切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入される。例示的な実施形態において、単一の切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入される。
【0099】
本発明のこの第1の局面によれば、ある特定の実施形態において、上記1個の切り取り可能な異種イントロン配列の長さまたは2個以上の切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kb(すなわち、少なくとも1,000ヌクレオチド塩基)であり、これは、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入され得る。いくつかの実施形態において、上記1個の切り取り可能な異種イントロン配列の長さまたは2個以上の切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1.1kb、1.2kb、1.3kb、1.4kb、1.5kb、1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2.0kb、2.1.kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3.0kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb、3.8kb、3.9kb、4.0kb、4.1kb、4.2kb、4.3kb、4.4kb、4.5kb、4.6kb、4.7kb、4.8kb、4.9kb、または少なくとも5.0kbであり、これは、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入され得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、上記1個の切り取り可能な異種イントロン配列の長さまたは2個以上の切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、1.0kb~5.0kbであり、これは、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入され得る。1つの実施形態において、上記1個の切り取り可能な異種イントロン配列の長さまたは2個以上の切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、1.5kb~4.5kbであり、これは、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入され得る。1つの実施形態において、上記1個の切り取り可能な異種イントロン配列の長さまたは2個以上の切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、2.0kb~4.0kbである。1つの実施形態において、上記1個の切り取り可能な異種イントロン配列の長さまたは2個以上の切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、2.5kb~3.5kbであり、これは、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入され得る。
【0101】
いくつかの実施形態において、上記1個の切り取り可能な異種イントロン配列の長さまたは2個以上の切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、約1.5kb、1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2.0kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3.0kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb、3.8kb、3.9kb、4.0kb、4.1kb、4.2kb、4.3kb、4.4kb、または約4.5kbであり、これは、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入され得る。
【0102】
例示的な実施形態において、約1.5kb、1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2.0kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3.0kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb、3.8kb、3.9kb、4.0kb、4.1kb、4.2kb、4.3kb、4.4kb、または約4.5kbの長さを有する単一の切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列(例えば、AAV8 Capコード配列、AAV9 Capコード配列、または別のAAV血清型Capコード配列)のVP3領域に挿入される。
【0103】
本発明における使用のための例示的な切り取り可能な異種イントロンは、以下の表1に示されるイントロンから選択され得る:
【表1】
【0104】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0105】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV1のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV1のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0106】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV2のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV2のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0107】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV3のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV3のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0108】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV4のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV4のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0109】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV5のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV5のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0110】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV6のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV6のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0111】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV7のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV7のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0112】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV8のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV8のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0113】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV9のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV9のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0114】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV10のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV10のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0115】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV11のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV11のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0116】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV12のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAV12のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0117】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAVrh10のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAVrh10のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0118】
いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAVhu37のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、85%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~100%、91%~100%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、80%~99%、80%~98%、80%~97%、80%~96%、80%~95%、80%~94%、80%~93%、80%~92%、80%~91%、80%~90%、80%~89%、80%~88%、80%~87%、80%~86%、80%~85%、80%~84%、80%~83%、80%~82%、または80%~81%同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記AAV Capコード配列は、血清型AAVhu37のキャプシドタンパク質をコードし、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、配列番号1~31から選択される配列からなる。
【0119】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1個のスプライスドナー部位を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1個のスプライスアクセプター部位を含む。いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1個のスプライスドナー部位および少なくとも1個のスプライスアクセプター部位を含む。例示的な実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1個のスプライスドナー部位および少なくとも1個のスプライスアクセプター部位を天然で含む。他の実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1個のスプライスドナーおよび/または少なくとも1個のスプライスアクセプター部位を含むように遺伝的に改変され得る。
【0120】
上記切り取り可能な異種イントロンは、上記Capコード配列のVP3領域における任意の適切な位置に置かれ得るが、ただし上記イントロンは、VP1、VP2、およびVP3のキャプシドタンパク質の適切な発現を可能にする位置においてVP3領域内に置かれる。上記組換え核酸構築物は、標準的な分子生物学技術を使用して生成され得、本明細書で記載されるように、ウェスタンブロット分析を使用して、Capタンパク質、VP1、VP2、およびVP3を生成する能力に関して評価され得る。
【0121】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、CAG/G(配列番号32)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される。例証目的で、
図1は、14個のこのような部位が、AAV8 Capコード配列に存在し、そのうちの10個が、VP3コード配列に位置することを示す。
【0122】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、CAG/CTG(配列番号33)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される。例証目的で、
図1は、2個のこのような部位が、AAV8 Capコード配列に存在し、そのうちの1個が、VP3コード配列に位置することを示す。
【0123】
いくつかの実施形態において、上記切り取り可能な異種イントロンは、CAG/GTG(配列番号34)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される。例証目的で、
図1は、1つのこのような部位が、AAV8 Capコード配列に存在し、これは、VP3コード配列に位置することを示す。
【0124】
この第1の局面に従うさらなる実施形態において、上記AAV Repコード配列はまた、1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変され得る。よって、1つの実施形態において、本開示は、組換え核酸構築物であって、(a)1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されているAAV Repコード配列、および(b)1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されているAAV Capコード配列を含み、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1kbの全長を有し、上記Capコード配列のVP3領域に挿入される、組換え核酸構築物を提供する。
【0125】
組換え核酸構築物を含むベクター
第2の局面において、本開示は、組換え核酸構築物を含むベクターであって、ここで上記組換え核酸構築物は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含み、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbであるベクターを提供する。よって、この局面において、上記組換え核酸構築物は、宿主細胞に送達され得る遺伝的エレメント、すなわち、ベクターの中に含まれる。
【0126】
この第2の局面に従ういくつかの実施形態において、上記ベクターは、プラスミド、コスミド、ファージミド、エピソーム、非ウイルス性送達ビヒクル(例えば、脂質ナノ粒子)、およびウイルスから選択される。例示的な実施形態において、上記ベクターは、プラスミドである。他の実施形態において、上記組換え核酸構築物は、宿主細胞に裸のDNAとして送達され得る。
【0127】
上記選択されたベクターは、任意の適切な方法(トランスフェクション、エレクトロポレーション、リポソームベースの送達、および膜融合技術が挙げられる)によって、宿主細胞に送達され得る。例示的な実施形態において、上記ベクターは、トランスフェクションを介して宿主細胞に送達される。標準的なDNAトランスフェクション技術は、ベクターを宿主細胞に送達するために使用され得る。例えば、Sambrookら, 2000, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第3版, Cold Spring Harbor Press, Plainview, NYを参照のこと。
【0128】
いくつかの実施形態において、上記ベクター(例えば、プラスミド)は、プロモーター、AAVイントロン、および選択マーカーのコード配列から選択される1またはこれより多くの核酸配列をさらに含み得る。
【0129】
例示的な実施形態において、上記ベクター(例えば、プラスミド)は、rAAVの生成のための三重プラスミドトランスフェクションにおいて有用性を有する「Trans」プラスミドであり得る。本明細書で使用される場合、用語「Trans」プラスミドとは、AAV Rep遺伝子およびCap遺伝子を含みかつAAV RepおよびCapタンパク質が発現されるプラスミドをいう。いくつかの実施形態において、上記ベクターは、VP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変される、「packtron Transプラスミド」である(本明細書で使用される場合、用語「標準的なTransプラスミド」とは、1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されていないTransプラスミドをいう)。
【0130】
いくつかの実施形態において、上記ベクター(例えば、プラスミド)は、5’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列、エンハンサー配列、プロモーター配列、イントロン配列、導入遺伝子コード配列、ポリアデニル化シグナル配列、スタッファー核酸配列、および3’-逆方向末端反復(3’-ITR)配列から選択される1個またはこれより多くの核酸配列をさらに含み得る。例示的な実施形態において、上記ベクター(例えば、プラスミド)は、少なくとも5’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列、プロモーター配列、導入遺伝子コード配列、および3’-逆方向末端反復(3’-ITR)配列を含む。
【0131】
よって、いくつかの実施形態において、本開示は、(a)組換え核酸構築物であって、ここで上記組換え核酸構築物は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含み、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである組換え核酸構築物;(b)5’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列;(c)導入遺伝子発現を駆動し得るプロモーター配列;(d)導入遺伝子コード配列;ならびに(e)3’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列を含むベクターを提供する。いくつかの実施形態において、上記ベクターは、エンハンサー配列、パート(a)のイントロン配列とは異なるイントロン配列、ポリアデニル化シグナル配列、およびスタッファー核酸配列から選択される少なくとも1個の配列エレメントをさらに含み得る。
【0132】
組換え核酸構築物を含む宿主細胞
第3の局面において、本開示は、組換え核酸構築物を含む宿主細胞であって、ここで上記組換え核酸構築物は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含み、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は少なくとも1kbである、宿主細胞を提供する。例示的な実施形態において、上記宿主細胞中の上記組換え核酸構築物は、ベクター(例えば、プラスミド)に存在する。
【0133】
いくつかの実施形態において、上記宿主細胞は、1個またはこれより多くのアデノウイルスヘルパー遺伝子(例えば、E1A、E1B、E2A、E4、VA RNAなどのようなアデノウイルスヘルパー遺伝子)を含むプラスミド(本明細書で「Adヘルパー」プラスミドといわれる)をさらに含む。例示的な実施形態において、上記宿主細胞は、E2A、E4、およびVA RNAを含むプラスミドを含む。いくつかの実施形態において、上記宿主細胞(例えば、Hek293宿主細胞)は、上記E1AおよびE1B機能を供給し得る。
【0134】
代替の実施形態において、ヘルパー機能は、ヘルペスウイルスによって供給されてもよい。これらの代替の実施形態において、上記宿主細胞は、1個またはこれより多くのヘルペスウイルス遺伝子(例えば、UL5、UL8、UL9、UL29、UL30、UL42、およびUL52のようなヘルペスウイルス複製遺伝子)を含むプラスミド(本明細書で「HSVヘルパー」プラスミドといわれる)をさらに含み得る。
【0135】
いくつかの実施形態において、上記宿主細胞は、5’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列、プロモーター、導入遺伝子コード配列、および3’-逆方向末端反復(3’-ITR)配列を含むプラスミド(本明細書で「Cis」プラスミドといわれる)をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記Cisプラスミドは、エンハンサー、イントロン、ポリアデニル化シグナル、およびスタッファー核酸配列から選択される1個またはこれより多くの配列エレメントをさらに含み得る。
【0136】
いくつかの実施形態において、上記Cisプラスミドは、AAV2に由来する5’-ITR配列を含む。いくつかの実施形態において、上記Cisプラスミドは、AAV2に由来する3’-ITR配列を含む。いくつかの実施形態において、上記Cisプラスミドは、AAV2に由来する5’-ITR配列および3’-ITR配列を含む。他の実施形態において、上記Cisプラスミドは、非AAV2供給源に由来する5’-ITR配列および/または3’-ITR配列を含む。
【0137】
いくつかの実施形態において、上記Cisプラスミドは、ニワトリβ-アクチン(CBA)プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)最初期遺伝子プロモーター、トランスサイレチン(TTR)プロモーター、チロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター、およびα-1アンチトリプシン(A1AT)プロモーターから選択されるプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、上記Cisプラスミドは、遺伝子特異的内因性プロモーターであるプロモーターを含む。
【0138】
少なくとも1個の導入遺伝子のためのプロモーターおよびコード配列に加えて、Cisプラスミドは、他の適切な転写開始配列、終止配列、およびエンハンサー配列、ならびに効率的なRNAプロセシングシグナルを含み得る。
【0139】
いくつかの実施形態において、上記Cisプラスミドは、1個またはこれより多くのエンハンサー配列を含む。1つの実施形態において、上記エンハンサーは、サイトメガロウイルス最初期遺伝子(CMV)エンハンサー、トランスサイレチンエンハンサー(enTTR)、ニワトリβ-アクチン(CBA)エンハンサー、En34エンハンサー、およびApoEエンハンサーから選択される。
【0140】
いくつかの実施形態において、上記Cisプラスミドは、1個またはこれより多くのイントロン配列を含む。1つの実施形態において、上記イントロンは、SV40 Small Tイントロン、ウサギヘモグロビンサブユニットβ(rHBB)イントロン、ヒトβグロビンIVS2イントロン、β-グロビン/IgGキメライントロン、またはhFIXイントロンから選択される。
【0141】
いくつかの実施形態において、上記Cisプラスミドは、ポリアデニル化シグナル配列を含む。1つの実施形態において、上記ポリアデニル化シグナル配列は、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナル配列、SV40ポリアデニル化シグナル配列、ウサギβグロビンポリアデニル化シグナル配列から選択される。
【0142】
この第3の局面に従ういくつかの実施形態において、上記宿主細胞は、Cisプラスミドを含み、ここで上記Cisプラスミドは、導入遺伝子タンパク質もしくはそのアイソフォーム、またはその機能的フラグメントもしくは機能的バリアントの部分的なまたは完全なコード配列を含む。
【0143】
1つの実施形態において、導入遺伝子タンパク質の部分的なまたは完全なコード配列は、野生型、すなわち、「天然の」コード配列である。本明細書で使用される場合、用語「野生型」とは、天然に存在する生体ポリマー(例えば、ポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列)と同じ生体ポリマー(例えば、ポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列)をいう。
【0144】
1つの実施形態において、導入遺伝子タンパク質の部分的なまたは完全なコード配列は、コドン最適化されたコード配列である。1つの実施形態において、上記部分的なまたは完全なコード配列は、ヒトにおける発現のためにコドン最適化される。
【0145】
いくつかの実施形態において、コード配列は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、グルコース 6-ホスファターゼ(G6Pase)、第VIII因子、第IX因子、ATP7B、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)、アルギニノスクシネートシンセターゼ、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットα(PCCA)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットβ(PCCB)、生存運動ニューロン(SMN)、イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)、α-1-イズロニダーゼ(IDUA)、トリペプチジルペプチダーゼ1(TPP1)、低密度リポタンパク質レセプター(LDLR)、ミオチュブラリン1、酸性α-グルコシダーゼ(GAA)、筋強直性ジストロフィー-プロテインキナーゼ(DMPK)、N-スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ(SGSH)、線維芽細胞成長因子-4(FGF-4)、rabエスコートタンパク質1(REP1)、カルバモイルシンセターゼ1(CPS1)、アルギニノスクシネートリアーゼ(ASL)、アルギナーゼ、フマリルアセテートヒドロラーゼ、α-1アンチトリプシン、メチルマロニルCoAムターゼ、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質、およびジストロフィン遺伝子産物(例えば、ミニジストロフィンまたはマイクロジストロフィン)から選択されるタンパク質導入遺伝子を発現する。
【0146】
本発明は、例えば、これらの前述のタンパク質導入遺伝子、ならびにそのフラグメント、バリアント、アイソフォーム、および融合物を送達し得るrAAVを製造するために使用され得る。
【0147】
この第3の局面によれば、組換え核酸構築物を含む宿主細胞であって、ここで上記組換え核酸構築物は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含み、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は少なくとも1kbである宿主細胞が、本明細書で提供される。具体的な実施形態において、上記宿主細胞は、AAVの増殖のために適切であり得る。
【0148】
非常に広い範囲の宿主細胞が使用され得る(例えば、細菌、酵母、昆虫、哺乳動物の細胞など)。いくつかの実施形態において、上記宿主細胞は、rAAVの生成に適した細胞(または細胞株)、例えば、Hek293、HeLa、Cos-7、A549、BHK、Vero、RD、ARPE-19、またはMRC-5細胞であり得る。
【0149】
例示的な実施形態において、上記宿主細胞は、Hek293細胞である。任意のクローン性誘導体(例えば、Hek293-F細胞、Hek293-T細胞、またはHek-EXPI293細胞)が、Hek293細胞の意味に含められることは、当業者によって理解されかつ容易に認識される。
【0150】
別の実施形態において、上記宿主細胞は、HeLa細胞である。任意のクローン性誘導体(例えば、HeLa S3細胞(これは、無血清培地中および懸濁培養において増殖し得るHeLa細胞株のサブクローンである))が、HeLa細胞の意味内に含められることは、当業者によって理解されかつ容易に認識される。
【0151】
上記組換え核酸構築物またはこれを含むベクターは、当該分野で公知の任意の適切な方法を使用して、上記宿主細胞へと送達され得る。例示的な実施形態において、上記組換え核酸構築物またはこれを含むベクターは、トランスフェクションを介して送達される。いくつかの実施形態において、そのゲノムへと挿入される上記組換え核酸構築物またはベクターを有する適切な宿主細胞株が、生成される。いくつかの実施形態において、本明細書で記載される組換え核酸構築物を含む安定な宿主細胞株が生成される。
【0152】
ある特定の例示的実施形態において、宿主細胞は、本発明のTransプラスミドで、AdヘルパープラスミドおよびCisプラスミドとともにトランスフェクトされる(例えば、rAAVの生成に適した三重トランスフェクション)。1つの実施形態において、上記宿主細胞は、Hek293細胞である。
【0153】
組換えAAVを生成するための方法
第4の局面において、本開示は、組換えAAV(rAAV)の調製物を生成する方法であって、上記方法は、宿主細胞を、rAAVの生成を促進する適切な条件下で培養するステップであって、ここで上記宿主細胞は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物を含み、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbであるステップを包含する方法を提供する。例示的な実施形態において、上記宿主細胞は、AdヘルパープラスミドおよびCisプラスミドをさらに含む。別の例示的な実施形態において、上記宿主細胞は、Hek293細胞である。
【0154】
別の局面において、本開示は、組換えAAV(rAAV)においてcapおよび/またはrep DNAの汚染を低減する方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記方法は、(a)適切な宿主細胞に、本明細書で記載されるとおりの組換え核酸構築物を含むベクターを導入するステップ;(b)AdヘルパープラスミドおよびCisプラスミドを、上記宿主細胞において発現させるステップ;ならびに(c)上記宿主細胞を培養して、rAAVを生成するステップを包含する。
【0155】
遺伝子治療に適したrAAVを生成するための方法は、当該分野で周知であり(例えば、Clementら, 2016, Mol. Ther. Methods. Clin. Dev. 3: 16002、Nasoら, 2017, BioDrugs 31(4): 317-334、およびAyusoら, 2010, Curr. Gene Ther. 10(6): 423-36を参照のこと)、本明細書で開示される組換え核酸構築物および方法とともに使用され得る。
【0156】
上記のように、選択されたベクターは、任意の適切な方法(トランスフェクション、エレクトロポレーション、リポソームベースの送達、および膜融合技術が挙げられる)によって宿主細胞へと送達され得る。例示的な実施形態において、上記ベクターは、トランスフェクションを介して宿主細胞へと送達される。
【0157】
いくつかの実施形態において、rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されたrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのcap DNAを含む。いくつかの実施形態において、rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されたrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのrep DNAを含む。いくつかの実施形態において、rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されたrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのcap DNAおよびrep DNAを含む。
【0158】
1つの実施形態において、上記cap DNAレベルは、本開示の改変されたAAV Capコード配列を使用して調製されるrAAV調製物において1.5倍またはこれより大きく低減され得る。いくつかの実施形態において、上記cap DNAレベルは、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されたrAAVの相当する調製物と比較して、少なくとも1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、または8倍低減され得る。
【0159】
1つの実施形態において、上記rep DNAレベルは、本開示の改変されたAAV Capコード配列を使用して調製されるrAAV調製物において1.5倍またはこれより大きく低減され得る。いくつかの実施形態において、上記rep DNAレベルは、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されたrAAV相当する調製物と比較して、少なくとも1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、または8倍低減され得る。
【0160】
rAAV調製物中のcap DNAおよびrep DNAのレベルは、当該分野で利用可能な任意の適切な方法によって測定され得る。例えば、Sanmiguelら, 2019, Adeno-Associated Virus Vectors: Design and Delivery, Methods in Molecular Biology, vol. 1950, Chapter 4, Springer Nature 2019を参照のこと。1つのこのような方法は、実施例に記載されるように、定量的PCR(qPCR)である。別のこのような方法は、液滴デジタルPCR(ddPCR)である。他の方法としては、サザンブロット、ドットブロット、スロットブロット、または標識されたプローブとのハイブリダイゼーションによってDNAを検出するために当該分野で利用される任意の他のこのような方法が挙げられる。
【0161】
組換えAAV(rAAV)および関連の医薬組成物
さらなる局面において、本開示は、組換え核酸構築物を含む宿主細胞から生成されるrAAVであって、ここで上記組換え核酸構築物は、AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含み、ここで上記AAV Capコード配列は、上記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、ここで上記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである、rAAVを提供する。
【0162】
この局面に従ういくつかの実施形態において、上記rAAVは、Hek293、HeLa、Cos-7、A549、BHK、Vero、RD、ARPE-19、またはMRC-5細胞から選択される宿主細胞で生成された。例示的な実施形態において、上記宿主細胞は、Hek293細胞である。ある特定の例示的実施形態において、上記宿主細胞は、AdヘルパープラスミドおよびCisプラスミドとともに、本発明のTransプラスミドでトランスフェクトされている。
【0163】
上記局面に従ういくつかの実施形態において、上記rAAVは、上記rAAVの中にキャプシドおよびパッケージベクターゲノムを含み、ここで上記ベクターゲノムは、プロモーター配列およびタンパク質導入遺伝子のコード配列を含む。いくつかの実施形態において、上記コード配列は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、グルコース 6-ホスファターゼ(G6Pase)、第VIII因子、第IX因子、ATP7B、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)、アルギニノスクシネートシンセターゼ、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットα(PCCA)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットβ(PCCB)、生存運動ニューロン(SMN)、イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)、α-1-イズロニダーゼ(IDUA)、トリペプチジルペプチダーゼ1(TPP1)、低密度リポタンパク質レセプター(LDLR)、ミオチュブラリン1、酸性α-グルコシダーゼ(GAA)、筋強直性ジストロフィー-プロテインキナーゼ(DMPK)、N-スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ(SGSH)、線維芽細胞成長因子-4(FGF-4)、rabエスコートタンパク質1(REP1)、カルバモイルシンセターゼ1(CPS1)、アルギニノスクシネートリアーゼ(ASL)、アルギナーゼ、フマリルアセテートヒドロラーゼ、α-1アンチトリプシン、メチルマロニルCoAムターゼ、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質、およびジストロフィン遺伝子産物(例えば、ミニジストロフィンまたはマイクロジストロフィン)から選択されるタンパク質導入遺伝子を発現する。いくつかの実施形態において、上記キャプシドは、血清型1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、rh10、もしくはhu37のAAV、またはその操作されたバリアントに由来する。例示的な実施形態において、上記rAAVは、AAV8キャプシドを含む。別の例示的な実施形態において、上記rAAVは、AAV9キャプシドを含む。
【0164】
さらなる局面において、本開示は、本発明のrAAV(例えば、本明細書で記載される宿主細胞または方法から生成されるrAAV)および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を提供する。いくつかの実施形態において、本発明のrAAV(例えば、本明細書で記載される宿主細胞または方法から生成されるrAAV)を含む医薬組成物は、静脈内、皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、髄腔内、または脳室内投与のために製剤化される。
【0165】
いくつかの実施形態において、上記rAAVは、ヒト被験体における注入に適した緩衝液/キャリア中に製剤化される。上記緩衝液/キャリアは、rAAVが注入チューブに貼り付くことを防止するが、インビボでのrAAV結合活性に干渉しない構成要素を含むべきである。種々の適切な溶液が、以下のうちの1またはこれより多くを含み得る:緩衝化食塩水、界面活性剤、および約100mM 塩化ナトリウム(NaCl)~約250mM 塩化ナトリウムに等しいイオン強度に調節された生理学的に適合性の塩または塩の混合物、または等しいイオン濃度に調節された生理学的に適合性の塩。そのpHは、6.5~8.5、または7~8.5、または7.5~8の範囲にあり得る。適切な界面活性剤または界面活性剤の組み合わせは、ポロキサマー、すなわち、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2本の親水性鎖が隣接したポリオキシプリピレン10(ポリ(プロピレンオキシド))の中心疎水性鎖から構成される非イオン性トリブロックコポリマー、SOLUTOL HS 15(マクロゴール-15ヒドロキシステアレート)、LABRASOL(ポリオキシカプリル酸グリセリド)、ポリオキシ10オレイルエーテル、TWEEN(登録商標)(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、エタノールおよびポリエチレングリコールから選択され得る。
【0166】
例示的な実施形態において、上記rAAVは、NaCl(例えば、200mM NaCl)、MgCl2(例えば、1mM MgCl2)、Tris(例えば、20mM Tris)、pH 8.0、およびポロキサマー188(例えば、0.005%または0.01% ポロキサマー188)を含む溶液中に製剤化される。
【0167】
いくつかの実施形態において、上記rAAVは、少なくとも1種の二価アルコールまたは多価アルコールを含む医薬組成物中に製剤化される。1つの実施形態において、上記二価アルコールまたは多価アルコールは、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびソルビトールからなる群より選択される1種またはこれより多くのアルコールである。
【0168】
例示的な実施形態において、上記rAAVは、ソルビトールを含む医薬組成物中に製剤化される。1つの実施形態において、ソルビトールは、0.5重量%~20重量%の範囲で上記製剤に存在する。1つの実施形態において、ソルビトールは、1重量%~10重量%の範囲で上記製剤に存在する。1つの実施形態において、ソルビトールは、約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、または約10重量%で上記製剤に存在する。
【0169】
例示的な実施形態において、上記rAAVは、5重量% ソルビトールおよびポロキサマー188(例えば、0.005%または0.01% ポロキサマー188)を含む医薬組成物中に製剤化される。
【0170】
処置方法
さらに別の局面において、本開示は、ヒト被験体において疾患、状態、または障害を防止、処置または改善する方法であって、上記ヒト被験体に、治療上有効な量の、本明細書で開示される少なくとも1種のrAAVを投与するステップを包含する方法を提供する。
【0171】
任意の適切な方補または経路は、本明細書で記載されるrAAVまたはrAAV含有組成物を投与するために使用され得る。投与経路としては、例えば、皮下に、皮内に、腹腔内に、髄腔内に、脳室内に、静脈内に、および他の非経口投与経路が挙げられる。例示的な実施形態において、上記rAAVは、静脈内に投与される。
【0172】
投与される具体的用量は、各患者に対して均一な用量、患者1名あたり例えば、1.0×1011~1.0×1014 ゲノムコピー(GC)のウイルスであり得る。あるいは、患者の用量は、上記患者のおおよその体重または表面積に合わせて調節され得る。適切な投与量を決定することにおける他の要因としては、処置または防止される疾患または状態、疾患の重篤度、投与経路、および上記患者の年齢、性別および医学的状態が挙げられ得る。処置に適切な投与量を決定するために必要な計算のさらなる改良は、当業者によって、特に、本明細書で開示される投与量情報およびアッセイに鑑みて慣用的に行われる。上記投与量はまた、適切な用量-応答データとともに使用される投与量を決定するために公知のアッセイの使用を通じて決定され得る。個々の患者の投与量はまた、上記疾患の進行がモニターされるにつれて調節され得る。
【0173】
いくつかの実施形態において、上記rAAVは、qPCRまたは液滴デジタルPCR(ddPCR)によって測定されるように、例えば、約1.0×1011 ゲノムコピー/kg 患者体重(GC/kg)~約1×1014 GC/kg、約5×1011 ゲノムコピー/kg 患者体重(GC/kg)~約5×1013 GC/kg、または約1×1012~約1×1013 GC/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記rAAVは、約1×1012~約1×1013 ゲノムコピー(GC)/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記rAAVは、約1.1×1011、約1.3×1011、約1.6×1011、約1.9×1011、約2×1011、約2.5×1011、約3.0×1011、約3.5×1011、約4.0×1011、約4.5×1011、約5.0×1011、約5.5×1011、約6.0×1011、約6.5×1011、約7.0×1011、約7.5×1011、約8.0×1011、約8.5×1011、約9.0×1011、約9.5×1011、約1.0×1012、約1.5×1012、約2.0×1012、約2.5×1012、約3.0×1012、約3.5×1012、約4.0×1012、約4.5×1012、約5.0×1012、約5.5×1012、約6.0×1012、約6.5×1012、約7.0×1012、約7.5×1012、約8.0×1012、約8.5×1012、約9.0×1012、約9.5×1012、約1.0×1013、約1.5×1013、約2.0×1013、約2.5×1013、約3.0×1013、約3.5×1013、約4.0×1013、約4.5×1013、約5.0×1013、約5.5×1013、約6.0×1013、約6.5×1013、約7.0×1013、約7.5×1013、約8.0×1013、約8.5×1013、約9.0×1013、または約9.5×1013ゲノムコピー(GC)/kgの用量で投与される。上記rAAVは、単回用量で、または所望の治療結果にとって必要とされる場合は、複数回用量(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはより多くの用量)で投与され得る。
【0174】
詳細な説明全体を通じて、組成物が、特定の構成要素を有する、包含する、もしくは含むと記載される場合、またはプロセスおよび方法が、特定の工程を有する、包含する、もしくは含むと記載される場合、さらに、その記載される構成要素から本質的になるかまたはそれからなる本発明の組成物が存在すること、ならびにその記載される処理工程から本質的になるかまたはそれからなる本発明に従うプロセスおよび方法が存在することは、企図される。
【0175】
本開示において、要素または構成要素が、記載される要素または構成要素のリストの中に含まれるおよび/またはリストから選択されるといわれる場合、その要素もしくは構成要素が、その記載される要素もしくは構成要素のうちのいずれか1つであり得るか、またはその要素もしくは構成要素が、その記載される要素もしくは構成要素のうちの2もしくはこれより多くからなる群より選択され得ることは、理解されるべきである。
【0176】
さらに、本明細書で記載される組成物または方法の要素および/または特徴が、本明細書で明示的であろうと暗示的であろうと、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく種々の方法において組み合わされ得ることは、理解されるべきである。例えば、特定の化合物に対して言及がなされる場合、その化合物は文脈から別段理解されなければ、本発明の組成物の種々の実施形態においておよび/または本発明の方法において使用され得る。言い換えると、本開示の中で、実施形態は、明確かつ簡潔な開示が書かれ、描かれることを可能にする方法で記載され、示されているが、実施形態が、本教示および本発明から切り離されることなく、種々に組み合わされてもよいし、分離されてもよいことは、意図され、認識される。例えば、本明細書で記載され、示される全ての特徴が、本明細書で記載され、示される本発明の全ての局面に適用可能であり得ることは、認識される。
【0177】
表現「のうちの少なくとも1」が、文脈および用途から別段理解されなければ、その表現の後に来る記載される物体の各々、およびその記載される物体のうちの2またはこれより多くの種々の実施形態を個々に含むことは、理解されるべきである。3またはこれより多くの記載される物体に関連して、表現「および/または」は、文脈から別段理解されなければ、同じ意味を有することが理解されるべきである。
【0178】
用語「含む、包含する(include)」、「含む、包含する(includes)」、「含む、包含する(including)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む、含有する(contain)」、「含む、含有する(contains)」または「含む、含有する(containing)」の使用は、これらの文法上等価なものを含め、概して制限がなくかつ非限定的である、例えば、別段具体的に述べられなければ、または文脈から理解されなければ、さらなる記載されない要素または工程を排除しないと概して理解されるべきである。
【0179】
用語「約」が定量的値の前で使用される場合、本発明はまた、別段具体的に述べられなければ、その特定の定量的値自体を含む。本明細書で使用される場合、用語「約」とは、別段示されなければまたは推測されなければ、名目上の値からの±10% 変動に言及する。
【0180】
工程の順序またはある特定の行為を行うための順序は、本発明が実施可能なままである限りにおいて、重要ではないことが理解されるべきである。さらに、2またはこれより多くの工程または行為は、同時と見做されてもよい。
【0181】
任意のおよび全ての例、または例示的な文言、例えば、「のような、例えば(such as)」または「が挙げられる(including)」の本明細書での使用は、本発明をよりよく例証することを意図するに過ぎず、別段特許請求されなければ、本発明の範囲に対する限定を課すものではない。本明細書中のいかなる文言も、任意の特許請求されていない要素を本発明の実施に必須として示すと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0182】
ここで一般的に記載されている開示は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解される。実施例は、本開示のある特定の局面および実施形態を例証する目的で含められるに過ぎず、いかなる方法によっても本開示の範囲を限定することは意図されない。
【0183】
実施例1:
この実施例の目的は、AAV8キャプシドのVP3 ORFにおいて潜在的なスプライスドナーおよびアクセプター部位の選択および同定を記載することである。
【0184】
この実施例において、AAV8 VP3 ORF内のイントロン性スプライスドナーおよびスプライスアクセプターDNAモチーフに関するインシリコ検索を完了した。具体的には、以前に記載されるとおりの「CAG/G」(配列番号32によって表される)、「CAG/CTG」(配列番号33によって表される)、または「CAG/GTG」(配列番号34によって表される)エキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列(Shapiro & Senapathy, 1987, Nucl. Acids Res. 15(17); Shepardら, 2011, Nucl. Acids Res. 39(20)を参照のこと)を含むコンセンサスおよび非常に強いスプライス部位モチーフを、同定した。
【0185】
例証目的で
図2に示されるように、3個のこのような「CAG/G」モチーフ(A-5、A-6およびA-7と称する)、1個のこのような「CAG/CTG」モチーフ(B-2と称する)、および1個のこのような「CAG/GTG」モチーフ(C-1と称する)を、示されるAAV8 VP3 ORFのセクション内で同定した。
【0186】
例証目的で
図3に示されるように、10個のこのような「CAG/G」モチーフ(A5-14と称する)、1個のこのような「CAG/CTG」モチーフ(B-2と称する)、および1個のこのような「CAG/GTG」モチーフ(C-1と称する)を、完全なAAV8 VP3 ORF内で同定した。
【0187】
実施例2:
この実施例の目的は、AAV8キャプシドのVP3 ORFへの挿入に適した切り取り可能な異種イントロンの選択を記載することである。
【0188】
この実施例において、以下の基準を利用して、異種イントロン候補を同定した: >1000塩基対の長さ、子宮頸癌細胞における遺伝子特異的pre-mRNAもしくはmRNAの上昇した発現、またはアデノウイルス血清型5に感染した子宮頸癌細胞における遺伝子特異的pre-mRNAまたはmRNAの上昇した発現(文献中に記載されるとおりか、またはRNA-SEQ分析によって経験的に決定されるとおりかのいずれか)、ならびに内部コンセンサススプライスアクセプターおよびドナー部位(それぞれ、「GT」および「AG」)の存在。
【0189】
上記の段落で記載されるスクリーニングは、配列番号1~31に示されるイントロンの選択をもたらした。具体的には、EIF2S1イントロン(Halbertら, 2011, Gene Therapy 18(4): 411-7およびWangら, 2014, Gene Therapy 21(4): 363-70)、COL1A2イントロン(Caoら, 2000, J. Virology 74(24): 11456-63)、SPARCイントロン(Shiら, 2016, Oncol Lett 11(5): 3251-8)、およびSTAT3イントロン(Shuklaら, 2010, Mol Cancer 9: 282)は、以前に文献の中で記載された。配列番号1~31に示される残りのイントロンを、アデノウイルス血清型5に感染させた子宮頸癌細胞における遺伝子特異的pre-mRNAまたはmRNAの発現を試験するために行ったRNA-SEQ分析を使用して同定した。
【0190】
実施例3:
この実施例の目的は、本明細書で記載される作業の実験作業フローを記載することである。
【0191】
その実験作業フローを、異種イントロンの選択に関する堅牢な3層アプローチで開始した。第1層(実施例2に記載されるとおりの初期選択)の後に、異種イントロン候補を、複数回のインシリコ分析(第2層)に供した。具体的には、スプライス部位強度を、最大エントロピーの原理に基づいて、計算して得られた使用確率関数(probability of use function)で概算した(Yeo & Burge, 2004, J. of Computational Biology 11(2-3); Shepardら, 2011, Nucl. Acids Res. 39(20);ならびに、それぞれ、ヒト5’スプライス部位およびヒト3’スプライス部位に関してChristopher Burge Lab MITウェブサイト[ソフトウェアタブ]から入手可能なMaxEntScan::score5ssおよびMaxEntScan::score3ssツールを参照のこと)。十分なスプライス部位強度の異種イントロン候補を、インシリコ分析の最終層 (第3層)としてRNAスプライス部位二次構造に関して分析した(Shepard & Hertel, 2008, RNA (14); Zuker, 2003, Nucl. Acids Res. 31(13)を参照のこと)。
【0192】
次いで、選択した異種イントロン候補を、当該分野で公知の従来の分子技術を介して、AAV8 RepおよびAAV8 Capタンパク質を発現するTransプラスミドのCap VP3領域のコード配列内の以前に同定したコンセンサス部位または「非常に強い」スプライス部位に挿入した。
【0193】
いったん生成したら、これらのイントロンが改変されたTransプラスミドを利用して、Hek293細胞へのCisプラスミド、イントロン改変されたTransプラスミドおよびpAdHelperプラスミドの三重トランスフェクションを介してrAAVを生成した。三重トランスフェクションの後に、細胞を、代謝産物およびpH調整を少なくとも24時間ごとに行って、標準的な条件において3~5日間培養した。細胞上清を、3~5日間の培養後に採取し、標準的な実験用フィルターを使用して清澄にした。いったん清澄にした後、その上清を、捕捉および精製のために、アフィニティー樹脂とともにインキュベートした。次いで、精製rAAVを濃縮し、緩衝液交換して、マトリクス効果によるqPCR阻害を改善した。
【0194】
rAAV生成およびアフィニティー捕捉の後に、精製rAAVベクター物質を、複数の方法によって重要な品質属性に関して分析した。これらの方法は、アルカリ性ゲルDNA電気泳動によるベクターゲノム完全性の評価、SDS-PAGEもしくはウェスタンブロットによるベクターキャプシド比の評価、ならびに目的の導入遺伝子またはウイルスゲノムに存在する他の選択された分子特徴を検出するように設計されたプライマー/プローブを利用する定量的PCR(qPCR)によってウイルス力価の定量を含み得る。qPCRも利用して、精製ウイルス調製物に存在するRepおよびCapの逆パッケージDNAを定量した。
【0195】
実施例4:
この実施例の目的は、TransプラスミドのAAV8 Capコード配列がVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されている場合に、逆パッケージcap DNAおよび逆パッケージrep DNAのレベルが低減されることを示すことである(本明細書において「packtron」といわれるアプローチ)。さらに、この実施例は、rAAVゲノムパッケージングが、rAAVの生成のためにpacktronプラスミドを使用する場合に、有意にかつ驚くほど増加していることを示す。
【0196】
この実施例において、rAAVベクターを、ヒト第IX因子(hFIX)をコードするCisプラスミド、異種イントロンおよび挿入位置が異なるpacktron AAV8 Cap Transプラスミドの種々のバージョン、ならびにpAdHelperプラスミドでの、Hek293細胞の三重トランスフェクションを介して生成した。トランスフェクトしたHek293細胞を、3~5日間培養し、次いで、細胞上清を採取し、ウイルス粒子を、アフィニティー樹脂捕捉によって精製し、続いて、濃縮および緩衝液交換を行った。次いで、ウイルス粒子を、DNaseで処理して、キャプシド形成されていないDNAを除去し、AAV8 cap DNA、rep DNA、またはhFIXゲノム構築物内の特異的分子エレメントを検出するように設計されたプライマー/プローブを用いるqPCRによって分析した。
【0197】
この実施例において使用したpacktron AAV8 Cap Transプラスミドを、以下の異種イントロン挿入で作製した: 位置C-1においてALDOA(配列番号14)、位置C-1においてCOL1A2(配列番号2)、位置A-11においてCOL1A2(配列番号2)、位置C-1においてSPARC(配列番号5)、位置A-11においてSPARC(配列番号5)、位置C-1においてGNAS(配列番号20)、位置A-11においてGNAS(配列番号20)、位置C-1においてENO1(配列番号9)、および位置A-11においてENO1(配列番号9)。
【0198】
図4に示されるように、逆パッケージAAV8 cap DNAの2倍~8倍の低減が、標準的なTransプラスミドで作製したrAAV8-hFIX生成物と比較した場合に、packtron Transプラスミドを使用して作製したrAAV8-hFIX生成物の大部分にわたって観察された。逆パッケージcap DNAの観察された低減のレベルは、部分的に、利用した特異的異種イントロンおよび挿入されたイントロンの位置に依存するようであった。
【0199】
図5に示されるように、逆パッケージAAV8 rep DNAの2倍~8.5倍の低減が、標準的なTransプラスミドで作製したrAAV8-hFIX生成物と比較した場合に、packtron Transプラスミドを使用して作製したrAAV8-hFIX生成物の大部分にわたって観察された。逆パッケージrep DNAの観察された低減のレベルは、部分的に、利用した特異的異種イントロンおよび挿入されたイントロンの位置に依存するようであった。
【0200】
逆パッケージcapおよびrep DNAにおける低減に加えて、本発明者らは、標準的なTransプラスミドで作製したrAAV8-hFIX生成物と比較した場合に、packtron Transプラスミドを使用して作製したrAAV8-hFIX生成物のうちの大部分において、パッケージhFIXベクターゲノムDNAの1.5倍~5倍の増加を驚くべきことに観察した。
図6を参照のこと。パッケージhFIX DNAの観察された増加のレベルは、部分的に、利用した特異的異種イントロンおよび挿入されたイントロンの位置に依存するようであった。
【0201】
この実施例は、AAV8 VP3 ORF内で見出されるコンセンサスならびに「非常に強い」スプライスドナーおよびアクセプターモチーフへの異種イントロンの包含が、トランスフェクトされたTransプラスミドに由来する逆パッケージcapおよびrep DNA配列のレベルを低減し、パッケージベクターゲノム配列のレベルを増加させることを示す。
実施例5:
【0202】
この実施例の目的は、packtronプラスミドがrAAV生成のために使用される場合に、代表的なCap発現および化学量論が維持されることを示すことである。
【0203】
この実施例において、rAAVベクターを、ヒト第IX因子(hFIX)をコードするCisプラスミド、異種イントロンおよび挿入の位置が異なるpacktron AAV8 Cap Transプラスミドの種々のバージョン(前の実施例で示されるとおり)、およびpAdHelperプラスミドでのHek293細胞の三重トランスフェクションを介して生成した。トランスフェクトしたHek293細胞を、3~5日間培養し、遠心分離でペレットにすることによって、細胞上清から採取した。いったん単離された後、ペレット化したHek293細胞を溶解し、抗AAVキャプシド抗体を利用するウェスタンブロットによって分析した。
【0204】
図7に示されるように、各packtronプラスミドからのVP1、VP2、およびVP3の細胞内AAV8キャプシドタンパク質発現の比は、対照Transプラスミドからのタンパク質発現に類似であることが観察された。これらのデータは、VP1、VP2およびVP3それぞれ、以前に報告されたキャプシド比 1:1:10と一致するようである。
【0205】
この実施例は、AAV8 VP3 ORFへの異種イントロンの挿入が、AAV8 Capタンパク質のアイソフォームの発現レベルまたはスプライシングを有意に変化させなかったことを示す。
【0206】
実施例6:
この実施例の目的は、packtronプラスミドが、顕著に異なるゲノム特徴を有する他のrAAV8生成物に利益をもたらし得るかどうかを評価することであった。具体的には、異なるサイズ、調節エレメント、および導入遺伝子を有する3種のゲノムを、分析した。
【0207】
この実施例において、rAAVベクターを、hFIX、eGFP、またはmCherryをコードするCisプラスミド、異種イントロンおよび挿入位置が異なるpacktron AAV8 Transプラスミドの2つのバージョン、ならびにpAdHelperプラスミドでのHek293細胞の三重トランスフェクションを介して生成した。トランスフェクトしたHek293細胞を、3~5日間培養し、次いで、細胞上清を採取し、ウイルス粒子を、アフィニティー樹脂捕捉によって精製し、続いて、濃縮および緩衝液交換を行った。次いで、ウイルス粒子を、DNaseで処理して、キャプシド形成されていないDNAを除去し、AAV8 cap DNA、rep DNA、または上記3種のゲノム構築物間で共有される特異的分子エレメントを検出するために設計したプライマー/プローブを用いるqPCRによって分析した。
【0208】
この実施例において使用したpacktron AAV8 Cap Transプラスミドを、以下の異種イントロン挿入で作製した: 位置A-11においてSPARC(配列番号5)および位置C-1においてGNAS(配列番号20)。
【0209】
図8に示されるように、逆パッケージAAV8 cap DNAの低減は、分析した全てのゲノムに関して標準的なTransプラスミドと比較した場合に、packtron Transプラスミドの使用で観察された。逆パッケージcap DNAの観察された低減のレベルは、部分的に、利用した特異的異種イントロンおよび挿入されたイントロンの位置に依存するようであった。
【0210】
図9に示されるように、逆パッケージAAV8 rep DNAの低減は、分析した全てのゲノムに関して標準的なTransプラスミドと比較した場合に、packtron Transプラスミドの使用で観察された。逆パッケージrep DNAの観察された低減のレベルは、部分的に、利用した特異的異種イントロンおよび挿入されたイントロンの位置に依存するようであった。
【0211】
図10に示されるように、パッケージベクターゲノムDNAの増加は、分析した全3種のゲノムに関して標準的なTransプラスミドと比較した場合に、GNAS2イントロンを含むpacktron Transプラスミドの使用で観察された。
【0212】
この実施例は、AAV8 VP3 ORF内で見出されるコンセンサスならびに「非常に強い」スプライスドナーおよびアクセプターモチーフへの異種イントロンの包含が、トランスフェクトされたTransプラスミドに由来する逆パッケージcapおよびrep配列のレベルを低減し、異なるゲノム特徴を有する3種のrAAV8生成物にわたって、パッケージベクターゲノム配列のレベルを増加させ得ることを示す。
【0213】
実施例7:
実施例4および6に記載されるように、packtronプラスミドの使用は、rAAV8生成物の生成に有益であった。この実施例の目的は、packtronプラスミドが、rAAV9生成物に類似の利益をもたらし得るかどうかを評価することであった。
【0214】
この実施例において、AAV9 Cap VP3 ORFは、インシリコ分析ならびに実施例1、2および3に記載されるとおりの異種イントロンの挿入を受けた。rAAVベクターを、hFIXをコードするCisプラスミド、異種イントロンおよび挿入位置が異なるpacktron AAV9 Cap Transプラスミドの種々のバージョン、ならびにpAdHelperプラスミドでのHek293細胞の三重トランスフェクションを介して生成した。トランスフェクトしたHek293細胞を、3~5日間培養し、次いで、細胞上清を採取し、ウイルス粒子を、アフィニティー樹脂捕捉によって精製し、続いて、濃縮および緩衝液交換を行った。次いで、ウイルス粒子を、DNaseで処理して、キャプシド形成されていないDNAを除去し、AAV9 cap DNA、rep DNA、またはhFIXゲノム構築物内の特異的分子エレメントを検出するために設計したプライマー/プローブを用いるqPCRによって分析した。
【0215】
この実施例において使用したpacktron AAV9 Cap Transプラスミドを、以下の異種イントロン挿入で作製した: 位置A-4(AAV9 VP3におけるCAG/G接合部)におけるALDOA(配列番号14)、位置A-4におけるCOL1A2(配列番号2)、位置A-5(AAV9 VP3におけるCAG/G接合部)におけるCOL1A2(配列番号2)、位置A-4におけるSPARC(配列番号5)、位置A-5におけるSPARC(配列番号5)、位置A-4におけるGNAS(配列番号20)、位置A-5におけるGNAS(配列番号20)、位置A-4におけるENO1(配列番号9)、および位置A-5におけるENO1(配列番号9)。
【0216】
図11に示されるように、逆パッケージAAV9 cap DNAの低減は、標準的なTransプラスミドと比較した場合に、packtron Transプラスミドの使用を伴う全rAAV9-hFIX生成物にわたって観察された。逆パッケージcap DNAの観察された低減のレベルは、部分的に、利用した特異的異種イントロンおよび挿入されたイントロンの位置に依存するようであった。
【0217】
図12に示されるように、逆パッケージAAV9 rep DNAの低減は、標準的なTransプラスミドと比較した場合に、packtron Transプラスミドの使用を伴う全てのrAAV9-hFIX生成物にわたって観察された。逆パッケージrep DNAの観察された低減のレベルは、部分的に、利用した特異的異種イントロンおよび挿入されたイントロンの位置に依存するようであった。
【0218】
図13に示されるように、パッケージhFIXベクターゲノムDNAの増加は、標準的なTransプラスミドと比較した場合に、packtron Transプラスミドの使用を伴う全てのrAAV9-hFIX生成物にわたって観察された。パッケージhFIX DNAの観察された増加のレベルは、部分的に、利用した特異的異種イントロンおよび挿入されたイントロンの位置に依存するようであった。
【0219】
この実施例は、AAV9 VP3 ORF内で見出されるコンセンサスならびに「非常に強い」スプライスドナーおよびアクセプターモチーフへの異種イントロンの包含が、トランスフェクトしたTransプラスミドに由来する逆パッケージAAV9 RepおよびCap配列のレベルを低減し、パッケージベクターゲノム配列のレベルを増加させることを示す。
【0220】
これらの実施例に記載される発明は、代表的なAAV8およびAAV9 Capコード配列と合わせて例証されるが、そのアプローチは、本出願の開示を使用して、任意の他のAAV Capコード配列(および従って任意のキャプシド血清型含有rAAV)に適用され得る。
【0221】
番号付けした実施形態
実施形態P1: AAV Repコード配列およびAAV Capコード配列を含む組換え核酸構築物であって、
ここで前記AAV Capコード配列は、前記AAV Capコード配列のVP3領域における1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の挿入を介して改変されており、
ここで前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1kbである、
組換え核酸構築物。
【0222】
実施形態P2: 前記AAV Capコード配列は、血清型AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh10、AAVhu37、またはその操作されたバリアントのキャプシドタンパク質をコードする、実施形態P1に記載の組換え核酸構築物。
【0223】
実施形態P3: 前記AAV Capコード配列は、AAV8の血清型のキャプシドタンパク質をコードする、実施形態P1に記載の組換え核酸構築物。
【0224】
実施形態P4: 前記AAV Capコード配列は、AAV9の血清型のキャプシドタンパク質をコードする、実施形態P1に記載の組換え核酸構築物。
【0225】
実施形態P5: 前記組換え核酸構築物は、プロモーター、AAVイントロン、および選択マーカーのコード配列から選択される1個またはこれより多くの核酸配列をさらに含む、実施形態P1~P4のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0226】
実施形態P6: 単一の切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列のVP3領域に挿入される、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0227】
実施形態P7: 少なくとも2個の切り取り可能な異種イントロン配列は、AAV Capコード配列のVP3領域に挿入される、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0228】
実施形態P8: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1個のスプライスドナーおよび少なくとも1個のスプライスアクセプター部位を含む、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0229】
実施形態P9: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、少なくとも1個のスプライスドナーおよび少なくとも1個のスプライスアクセプター部位を含む、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0230】
実施形態P10: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも1.5kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0231】
実施形態P11: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも2.0kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0232】
実施形態P12: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも2.5kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0233】
実施形態P13: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも3.0kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0234】
実施形態P14: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも3.5kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0235】
実施形態P15: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、少なくとも4.0kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0236】
実施形態P16: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、1.0kb~5.0kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0237】
実施形態P17: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、2.0kb~3.5kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0238】
実施形態P18: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、約2.0kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0239】
実施形態P19: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、約2.5kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0240】
実施形態P20: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、約3.0kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0241】
実施形態P21: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列の合わせた全長は、約3.5kbである、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0242】
実施形態P22: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、真核生物翻訳開始因子2、サブユニット1(EIF2S1)、I型コラーゲンα2鎖(COL1A2)、酸性かつシステインが豊富な分泌タンパク質(SPARC)、転写のシグナル伝達因子および活性化因子3(STAT3)、エノラーゼ1(ENO1)、ピルビン酸キナーゼ(PKM)、アルドラーゼ、フルクトース-ビスホスフェートA(ALDOA)、Yボックス結合タンパク質1(YBX1);グアニンヌクレオチド結合タンパク質{Gプロテイン}、βポリペプチド2様1(GNB2L1);リボソームタンパク質S3(RPS3)、GNAS複合体遺伝子座(GNAS)、フィラミンA(FLNA)、トランスフェリンレセプター(TFRC)、細胞質性ポリA結合タンパク質1(PABPC1)、ユビキチン様修飾因子活性化酵素1(UBA1)、カルネキシン(CANX)、および乳酸デヒドロゲナーゼA(LDHA)のイントロンから選択される、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0243】
実施形態P23: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、配列番号1~31のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一である配列から選択される、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0244】
実施形態P24: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、配列番号1~31から選択される配列を含む、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0245】
実施形態P25: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、配列番号1~31から選択される配列からなる、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0246】
実施形態P26: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、CAG/G(配列番号32)のスプライスドナー:アクセプター接合部配列を有するcap VP3の位置において挿入される、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0247】
実施形態P27: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、CAG/CTG(配列番号33)のエキソンスプライスドナー/エキソンスプライスアクセプター配列を有するcap VP3の位置において挿入される、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0248】
実施形態P28: 前記1個またはこれより多くの切り取り可能な異種イントロン配列は、CAG/GTG(配列番号34)のスプライスドナー:アクセプター接合部配列を有するcap VP3の位置において挿入される、実施形態P1~P5のいずれか1項に記載の組換え核酸構築物。
【0249】
実施形態P29: 実施形態P1~P28のいずれかに記載の組換え核酸構築物を含むベクター。
【0250】
実施形態P30: 前記ベクターは、プラスミドである、実施形態P29に記載のベクター。
【0251】
実施形態P31: 実施形態P1~P28のいずれかに記載の組換え核酸構築物を含む宿主細胞。
【0252】
実施形態P32: 前記組換え核酸構築物は、ベクターに存在する、実施形態P31に記載の宿主細胞。
【0253】
実施形態P33: 前記ベクターは、プラスミドである、実施形態P32に記載の宿主細胞。
【0254】
実施形態P34: 前記宿主細胞は、1個またはこれより多くのアデノウイルスヘルパー遺伝子を含むプラスミドをさらに含む、実施形態P31~P33のいずれかに記載の宿主細胞。
【0255】
実施形態P35: 前記宿主細胞は、5’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列、プロモーター、導入遺伝子コード配列、および3’-逆方向末端反復(3’-ITR)配列を含むプラスミドをさらに含む、実施形態P31~P34のいずれかに記載の宿主細胞。
【0256】
実施形態P36: 前記宿主細胞は、以下をさらに含む、実施形態P31~P33のいずれかに記載の宿主細胞:
【0257】
1個またはこれより多くのアデノウイルスヘルパー遺伝子を含むプラスミド;ならびに
【0258】
5’-逆方向末端反復(5’-ITR)配列、プロモーター、導入遺伝子コード配列、および3’-逆方向末端反復(3’-ITR)配列を含むプラスミド。
【0259】
実施形態P37: 前記導入遺伝子コード配列は、天然のコード配列である、実施形態P35~P36のいずれかに記載の宿主細胞。
【0260】
実施形態P38: 前記導入遺伝子コード配列は、コドン最適化されたコード配列である、実施形態P35~P36のいずれかに記載の宿主細胞。
【0261】
実施形態P39: 前記導入遺伝子は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、グルコース 6-ホスファターゼ(G6Pase)、第VIII因子、第IX因子、ATP7B、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)、アルギニノスクシネートシンセターゼ、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットα(PCCA)、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼサブユニットβ(PCCB)、生存運動ニューロン(SMN)、イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)、α-1-イズロニダーゼ(IDUA)、トリペプチジルペプチダーゼ1(TPP1)、低密度リポタンパク質レセプター(LDLR)、ミオチュブラリン1、酸性α-グルコシダーゼ(GAA)、筋強直性ジストロフィー-プロテインキナーゼ(DMPK)、N-スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ(SGSH)、線維芽細胞成長因子-4(FGF-4)、rabエスコートタンパク質1(REP1)、カルバモイルシンセターゼ1(CPS1)、アルギニノスクシネートリアーゼ(ASL)、アルギナーゼ、フマリルアセテートヒドロラーゼ、α-1アンチトリプシン、メチルマロニルCoAムターゼ、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質、ミニジストロフィン、およびマイクロジストロフィンから選択される、実施形態P35~P36のいずれかに記載の宿主細胞。
【0262】
実施形態P40: 前記宿主細胞は、Hek293、HeLa、Cos-7、A549、BHK、Vero、RD、ARPE-19、またはMRC-5細胞から選択される、実施形態P31~P39のいずれかに記載の宿主細胞。
【0263】
実施形態P41: 前記宿主細胞は、Hek293細胞である、実施形態P31~P39のいずれかに記載の宿主細胞。
【0264】
実施形態P42: 組換えAAV(rAAV)の調製物を生成するための方法であって、前記方法は、実施形態P31~P41のいずれかに記載の宿主細胞を、rAAVの生成を促進する適切な条件下で培養するステップを包含する方法。
【0265】
実施形態P43: 前記rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されるrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのcap DNAを含む、実施形態P42に記載の方法。
【0266】
実施形態P44: 前記rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されるrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのrep DNAを含む、実施形態P42に記載の方法。
【0267】
実施形態P45: 前記rAAVの調製物は、改変されていないAAV Capコード配列を使用して生成されるrAAVの相当する調製物と比較して、低減されたレベルのrep DNAおよびcap DNAを含む、実施形態P42に記載の方法。
【0268】
実施形態P46: 実施形態P42~P45のいずれかに記載の方法によって生成されるrAAV。
【0269】
実施形態P47: 実施形態P46に記載のrAAVおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む医薬組成物。
【0270】
参照による援用
本明細書で言及される特許文書および科学論文の各々の開示全体は、全ての目的のために参照により援用される。
【0271】
均等物
本開示は、その趣旨および本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的形態において具現化され得る。従って、前述の実施形態は、全ての点において、本明細書で記載される開示を限定するのではなく例証であるとみなされるべきである。異なる実施形態の種々の構造的要素および種々の開示される方法の工程は、種々の組み合わせおよび並べ替えにおいて利用され得、全てのこのような改変は、本開示の形態であるとみなされるべきである。本開示の範囲は、従って、前述の説明によるのではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および均等の範囲内に入る全ての変更は、その中に包含されることが意図される。
【配列表】
【国際調査報告】