(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-01
(54)【発明の名称】血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置
(51)【国際特許分類】
A61B 34/37 20160101AFI20230424BHJP
【FI】
A61B34/37
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556087
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2020083459
(87)【国際公開番号】W WO2021184444
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】202010187837.7
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522287673
【氏名又は名称】上海奥朋医▲療▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 坤▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陸▼ 清声
(72)【発明者】
【氏名】李 蒙
(72)【発明者】
【氏名】朱 良▲楽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 道志
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 奕▲コン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲虞▼ 忠▲偉▼
(57)【要約】
本発明は、血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置を提供しており、この装置は、手術台、本体組立体、外側アーム組立体、及び内側アーム組立体を含み、上記本体組立体は、支柱、スライダ、スライドテーブル、支持フレーム、及び水平押しスクリューモータを含み、上記支柱は手術台に設けられ、支柱には支持フレームが設けられ、支持フレームにはスライドテーブルが設けられ、スライドテーブルはスライダに連結され、スライダは、水平押しスクリューモータに連結され、且つ水平押しスクリューモータの作用下でスライドテーブルに沿ってスライドすることができ、上記外側アーム組立体は支柱に連結され、内側アーム組立体は、外側アーム組立体及びスライダに連結され、内側アーム組立体及び外側アーム組立体は互いに対して移動することができる。本発明は、生体工学の原理に基づいて、3自由度の平面ロボットアームによってカテーテルガイドワイヤを直線的に押したり引いたりすることを実現し、運動範囲が広く、元の機構に固有の不十分な運動範囲、不十分な柔軟性及び機動性の問題を解決し、臨床応用のニーズを満たす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術台(1)と、本体組立体と、外側アーム組立体と、内側アーム組立体と、を備え、前記本体組立体は、支柱(2)と、スライダ(21)と、スライドテーブル(22)と、支持フレーム(23)と、水平押しスクリューモータと、を含み、
前記支柱(2)は前記手術台(1)に設けられ、前記支柱(2)には前記支持フレーム(23)が設けられ、前記支持フレーム(23)には前記スライドテーブル(22)が設けられ、前記スライドテーブル(22)は前記スライダ(21)に連結され、前記スライダ(21)は、前記水平押しスクリューモータに連結され、且つ前記水平押しスクリューモータの作用下で前記スライドテーブル(22)に沿ってスライドすることができ、
前記外側アーム組立体は前記支柱(2)に連結され、前記内側アーム組立体は、前記外側アーム組立体及び前記スライダ(21)に連結され、前記内側アーム組立体及び前記外側アーム組立体は互いに対して移動することができる、
血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【請求項2】
前記外側アーム組立体は、外側アームの第1のモータ(3)と、伝動軸(4)と、外側アームの第1の連接棒(11)と、外側アームの第2のモータ(12)と、外側アームの第2の連接棒(14)と、外側アームの第3のモータ(16)と、外側アームの第3の連接棒(18)と、を含み、
前記外側アームの第1のモータ(3)は前記支柱(2)に設けられ、前記外側アームの第1のモータ(3)は、前記伝動軸(4)を介して前記外側アームの第1の連接棒(11)の一端に連結され、前記外側アームの第1の連接棒(11)の他端は前記外側アームの第2の連接棒(14)の一端に連結され、前記外側アームの第2の連接棒(14)の他端は、前記外側アームの第3の連接棒(18)の一端に連結され、前記外側アームの第3の連接棒(18)の他端はクランプ端であり、前記外側アームの第2のモータ(12)は、前記外側アームの第2の連接棒(14)の一端に設けられ、前記外側アームの第3のモータ(16)は、前記外側アームの第3の連接棒(18)の一端に設けられている、
請求項1に記載の血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【請求項3】
前記内側アーム組立体は、内側アームの第1のモータ(5)と、伝動組立体と、伝動シリンダ(9)と、支持軸受組立体(20)と、内側アームの第1の連接棒(10)と、内側アームの第2のモータ(13)と、内側アームの第2の連接棒(15)と、内側アームの第3のモータ(17)と、内側アームの第3の連接棒(19)と、を含み、
前記内側アームの第1のモータ(5)は前記スライダ(21)に設けられ、前記内側アームの第1のモータ(5)は前記伝動組立体を介して前記伝動シリンダ(9)に連結され、前記伝動シリンダ(9)は、前記内側アームの第1の連接棒(10)の一端に連結され、前記内側アームの第1の連接棒(10)の他端は、前記内側アームの第2の連接棒(15)の一端に連結され、前記内側アームの第2の連接棒(15)の他端は、前記内側アームの第3の連接棒(19)の一端に連結され、前記内側アームの第3の連接棒(19)の他端はクランプ端であり、前記内側アームの第2のモータ(13)は、前記内側アームの第2の連接棒(15)の一端に連結され、前記内側アームの第3のモータ(17)は、前記内側アームの第3の連接棒(19)の一端に設けられ、
前記伝動シリンダ(9)は、支持軸受組立体(20)を介して前記スライダ(21)に連結され、前記伝動シリンダ(9)の内部は中空であり、前記外側アーム組立体の伝動軸(4)は前記伝動シリンダ(9)を貫通する、
請求項1に記載の血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【請求項4】
前記伝動組立体は、駆動プーリー(6)と、ベルト(7)と、従動プーリー(8)と、を含み、前記駆動プーリー(6)は、前記内側アームの第1のモータ(5)に連結され、前記従動プーリー(8)は前記伝動シリンダ(9)に同軸に設けられ、前記駆動プーリー(6)と前記従動プーリー(8)は前記ベルト(7)で連結されている、
請求項3に記載の血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【請求項5】
前記伝動シリンダ(9)と前記外側アーム組立体の前記伝動軸(4)との軸線は一致しており、前記伝動シリンダ(9)と前記外側アーム組立体の前記伝動軸(4)は、軸線に沿って互いに対してスライド及び回転することができる、
請求項3に記載の血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【請求項6】
前記伝動軸(4)が伸縮ロッドである、
請求項2に記載の血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【請求項7】
前記伝動軸(4)は、前記外側アームの第1のモータ(3)の作用下で回転し、それにより前記外側アームの第1の連接棒(11)を駆動して回転させ、前記外側アームの第1の連接棒(11)は前記外側アームの第2の連接棒(14)に回転可能に連結され、前記外側アームの第2の連接棒(14)は、前記外側アームの第2のモータ(12)の作用下で前記外側アームの第1の連接棒(11)に対して回転することができ、前記外側アームの第2の連接棒(14)は前記外側アームの第3の連接棒(18)に回転可能に連結され、前記外側アームの第3の連接棒(18)は、前記外側アームの第3のモータ(16)の作用下で前記外側アームの第2の連接棒(14)に対して回転することができ、
前記外側アームの第1の連接棒(11)の回転軸、前記外側アームの第2の連接棒(14)の回転軸、及び前記外側アームの第3の連接棒(18)の回転軸は、互いに平行であり、
前記外側アームの第1の連接棒(11)、前記外側アームの第2の連接棒(14)、及び前記外側アームの第3の連接棒(18)は同じ平面にある、
請求項2に記載の血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【請求項8】
前記伝動シリンダ(9)は、前記内側アームの第1のモータ(5)及び前記伝動組立体の作用下で回転し、それにより前記内側アームの第1の連接棒(10)を駆動して回転させ、前記内側アームの第1の連接棒(10)は前記内側アームの第2の連接棒(15)に回転可能に連結され、前記内側アームの第2の連接棒(15)は、前記内側アームの第2のモータ(13)の作用下で前記内側アームの第1の連接棒(10)に対して回転することができ、前記内側アームの第2の連接棒(15)は前記内側アームの第3の連接棒(19)に回転可能に連結され、前記内側アームの第3の連接棒(19)は、前記内側アームの第3のモータ(17)の作用下で前記内側アームの第2の連接棒(15)に対して回転することができ、
前記内側アームの第1の連接棒(10)の回転軸、前記内側アームの第2の連接棒(15)の回転軸、及び前記内側アームの第3の連接棒(19)の回転軸は、互いに平行であり、
前記内側アームの第1の連接棒(10)、前記内側アームの第2の連接棒(15)、及び前記内側アームの第3の連接棒(19)は同じ平面にある、
請求項3に記載の血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【請求項9】
前記外側アーム組立体の外側アームの第1の連接棒(11)、外側アームの第2の連接棒(14)、及び外側アームの第3の連接棒(18)が位置する運動面は、前記内側アーム組立体の内側アームの第1の連接棒(10)、内側アームの第2の連接棒(15)、及び内側アームの第3の連接棒(19)が位置する運動面と平行である、
請求項1に記載の血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【請求項10】
コントローラを更に含み、前記コントローラは、伝動軸(4)、水平押しスクリューモータ、外側アーム組立体の外側アームの第1のモータ(3)、外側アームの第2のモータ(12)及び外側アームの第3のモータ(16)、並びに前記内側アーム組立体の内側アームの第1のモータ(5)、内側アームの第2のモータ(13)及び内側アームの第3のモータ(17)に信号で接続されている、
請求項1に記載の血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の分野に関し、特に血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血管介入手術用ロボットは、一般にマスタースレーブ遠隔操作モードを採用しており、医師が長期間DSA機器の下にいることによる放射線累積損傷を回避することができ、更に重要なことに、マスタースレーブ操作は、操作精度を向上させ、操作の安定性を向上させ、医師の疲労を軽減し、介入手術の治療の質を改善することができる。ロボットのマスターエンドは、一般に、医師がハンドルを操作することによって、把持、回転、押し及び引き、並びにこれらの動作の複合動作を含む動作命令を発行することである。そのうち、押し及び引きは、カテーテルガイドワイヤ操作の最も基本的で最も頻繁な動作であり、それは一般に、シース出口の方向に沿って可能な限り直線的に引き出すか、又はシース口に沿って一段ずつ内側に直線的に押し込むことである。カテーテルガイドワイヤの中には2.5メートルもの長さのものもあり、手術が複雑な場合、複数の器具が同時に手術に関与する可能性があるため、介入装置には、より広い押し込み作業範囲とより多くの押し込み点が要求される。
【0003】
現在、血管介入用手術ロボットのガイドワイヤカテーテルを押したり引いたりする従来の方法では、2つのローラ、例えば、フランスのCatheter Robotics社、米国のCorPath社の製品を使用してカテーテル又はガイドワイヤを押圧し、次にローラを向かい合って回転させ、カテーテル又はガイドワイヤを前進させ、逆方向に向かい合って回転させると、カテーテルガイドワイヤが後退する。この方法は、カテーテルガイドワイヤの前進と後退を効果的に制御することができるが、複数のカテーテルガイドワイヤの同軸での大範囲操作を実現することは困難である。中国では、中国科学院自動化研究所は、ローラを向かい合って回転させる方法でクランプして押し込み、北京理工大学は、歯車を押圧してカテーテルガイドワイヤをクランプして押し込む方法を開発したが、同様の問題が存在する。
【0004】
手術ロボットには、操作の透明性が求められ、即ち、スレーブロボットアームが医師の操作技術を忠実に再現する。ローラでカテーテルガイドワイヤを押圧してカテーテルガイドワイヤを押し込むことは、カテーテルガイドワイヤの押し込み操作を実現するが、それは、医師の技術の再現ではなく、動作機能の実現である。しかしながら、医師の操作技術は、速度、力、位置などを含めて多様であり、ローラ式の押し込み機構は必要な柔軟性に欠けている。この柔軟性は、複数の介入機器の協調と、広い動的運動範囲の操作を含み、この要求に対処するためには、医師の操作の生体工学特徴から解決策を見出す必要がある。実際の操作では、執刀医は通常、両手でカテーテルガイドワイヤを把持してねじり、そして両腕の協調によりカテーテルガイドワイヤの進退及び協調を実現し、腕を用いて遠隔操作する。このために、本発明の特許は解決策を提供し、執刀医の両腕をシミュレートし、直線的に押したり引いたりすることを実現し、広い動的範囲の操作要件を満たすことができる血管介入用二重平面ロボットアームを設計する。
【0005】
公開番号CN109157729Aの特許文献は、血管介入手術用のガイドワイヤ送達装置を開示しており、この装置は、支持部材を含み、支持部材には駆動装置が設けられ、駆動装置は、能動運動装置に連結され、能動運動装置には複数の連接棒が設けられ、連接棒の一端は、能動運動装置にヒンジで連結され、連接棒の他端は、ガイドワイヤクランプ装置にヒンジで連結され、ガイドワイヤクランプ装置はガイド装置にスライド可能に連結され、ガイド装置は連結フレームに固定して連結され、連結フレームは支持部材に設けられている。この発明は、全体積が小さく、機構全体の伝達精度が良く、使用しやすく、ガイドワイヤ送達作業の効率が高く、医師の労働強度を低下させ、実用性が高く、普及に値する。しかし、この解決方法は、ガイドワイヤの前進と後退を効果的に制御することしかできず、複数のカテーテルガイドワイヤの同軸での大範囲操作を実現することは困難であり、また医師の操作技術を忠実に再現することは不可能である。
【発明の概要】
【0006】
従来技術の欠点を考慮して、本発明の目的は、血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置を提供することである。
【0007】
本発明によれば、血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置は、手術台、本体組立体、外側アーム組立体、及び内側アーム組立体を含み、上記本体組立体は、支柱、スライダ、スライドテーブル、支持フレーム、及び水平押しスクリューモータを含み、
上記支柱は手術台に設けられ、支柱には支持フレームが設けられ、支持フレームにはスライドテーブルが設けられ、スライドテーブルはスライダに連結され、スライダは、水平押しスクリューモータに連結され、且つ水平押しスクリューモータの作用下でスライドテーブルに沿ってスライドすることができ、
上記外側アーム組立体は支柱に連結され、内側アーム組立体は、外側アーム組立体及びスライダに連結され、内側アーム組立体及び外側アーム組立体は互いに対して移動することができる。
【0008】
好ましくは、上記外側アーム組立体は、外側アームの第1のモータ、伝動軸、外側アームの第1の連接棒、外側アームの第2のモータ、外側アームの第2の連接棒、外側アームの第3のモータ、及び外側アームの第3の連接棒を含み、
上記外側アームの第1のモータは支柱に設けられ、外側アームの第1のモータは、伝動軸を介して外側アームの第1の連接棒の一端に連結され、外側アームの第1の連接棒の他端は外側アームの第2の連接棒の一端に連結され、外側アームの第2の連接棒の他端は、外側アームの第3の連接棒の一端に連結され、外側アームの第3の連接棒の他端はクランプ端であり、外側アームの第2のモータは、外側アームの第2の連接棒の一端に設けられ、外側アームの第3のモータは、外側アームの第3の連接棒の一端に設けられている。
【0009】
好ましくは、上記内側アーム組立体は、内側アームの第1のモータ、伝動組立体、伝動シリンダ、支持軸受組立体、内側アームの第1の連接棒、内側アームの第2のモータ、内側アームの第2の連接棒、内側アームの第3のモータ、及び内側アームの第3の連接棒を含み、
上記内側アームの第1のモータはスライダに設けられ、内側アームの第1のモータは伝動組立体を介して伝動シリンダに連結され、伝動シリンダは、内側アームの第1の連接棒の一端に連結され、内側アームの第1の連接棒の他端は、内側アームの第2の連接棒の一端に連結され、内側アームの第2の連接棒の他端は、内側アームの第3の連接棒の一端に連結され、内側アームの第3の連接棒の他端はクランプ端であり、内側アームの第2のモータは、内側アームの第2の連接棒の一端に連結され、内側アームの第3のモータは、内側アームの第3の連接棒の一端に設けられ、
上記伝動シリンダは、支持軸受組立体を介してスライダに連結され、伝動シリンダの内部は中空であり、外側アーム組立体の伝動軸は伝動シリンダを貫通する。
【0010】
好ましくは、上記伝動組立体は、駆動プーリー、ベルト、及び従動プーリーを含み、駆動プーリーは、内側アームの第1のモータに連結され、従動プーリーは伝動シリンダに同軸に設けられ、駆動プーリーと従動プーリーはベルトで連結されている。
【0011】
好ましくは、上記伝動シリンダと外側アーム組立体の伝動軸との軸線は一致しており、伝動シリンダと外側アーム組立体の伝動軸は、軸線に沿って互いに対してスライド及び回転することができる。
【0012】
好ましくは、上記伝動軸は伸縮ロッドである。
【0013】
好ましくは、上記伝動軸は、外側アームの第1のモータの作用下で回転し、それにより外側アームの第1の連接棒を駆動して回転させ、外側アームの第1の連接棒は外側アームの第2の連接棒に回転可能に連結され、外側アームの第2の連接棒は、外側アームの第2のモータの作用下で外側アームの第1の連接棒に対して回転することができ、外側アームの第2の連接棒は外側アームの第3の連接棒に回転可能に連結され、外側アームの第3の連接棒は、外側アームの第3のモータの作用下で外側アームの第2の連接棒に対して回転することができ、
上記外側アームの第1の連接棒の回転軸、外側アームの第2の連接棒の回転軸、及び外側アームの第3の連接棒の回転軸は、互いに平行であり、
上記外側アームの第1の連接棒、外側アームの第2の連接棒、及び外側アームの第3の連接棒は同じ平面にある。
【0014】
好ましくは、上記伝動シリンダは、内側アームの第1のモータ及び伝動組立体の作用下で回転し、それにより内側アームの第1の連接棒を駆動して回転させ、内側アームの第1の連接棒は内側アームの第2の連接棒に回転可能に連結され、内側アームの第2の連接棒は、内側アームの第2のモータの作用下で内側アームの第1の連接棒に対して回転することができ、内側アームの第2の連接棒は内側アームの第3の連接棒に回転可能に連結され、内側アームの第3の連接棒は、内側アームの第3のモータの作用下で内側アームの第2の連接棒に対して回転することができ、
上記内側アームの第1の連接棒の回転軸、内側アームの第2の連接棒の回転軸、及び内側アームの第3の連接棒の回転軸は、互いに平行であり、
上記内側アームの第1の連接棒、内側アームの第2の連接棒、及び内側アームの第3の連接棒は同じ平面にある。
【0015】
好ましくは、上記外側アーム組立体の外側アームの第1の連接棒、外側アームの第2の連接棒、及び外側アームの第3の連接棒が位置する運動面は、内側アーム組立体の内側アームの第1の連接棒、内側アームの第2の連接棒、及び内側アームの第3の連接棒が位置する運動面と平行である。
【0016】
好ましくは、本発明は、コントローラを更に含み、このコントローラは、伝動軸、水平押しスクリューモータ、外側アーム組立体の外側アームの第1のモータ、外側アームの第2のモータ及び外側アームの第3のモータ、並びに内側アーム組立体の内側アームの第1のモータ、内側アームの第2のモータ及び内側アームの第3のモータに信号で接続されている。
【0017】
従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0018】
1.本発明は、生体工学の原理に基づいて、3自由度の平面ロボットアームによってカテーテルガイドワイヤを直線的に押したり引いたりすることを実現し、運動範囲が広く、元の機構に固有の不十分な運動範囲、不十分な柔軟性及び機動性の問題を解決し、臨床応用のニーズを満たす。
【0019】
2.本発明の平面ロボットアームは、2つの平行な平面内にあり、また、2つのロボットアーム平面間の距離は、スライドテーブルによって変更することができ、末梢血管科、心臓病学科、神経科などの様々な部門での介入手術のニーズを満たす。
【0020】
3.本発明の2つの平面ロボットアームの運動は、互いに干渉することなく独立して制御され、ロボットアームの運動パラメータは、手術ロボットのベース座標系におけるカテーテルガイドワイヤの位置及び姿勢に基づいて逆解法によって得ることができ、逆解速度が速く、且つ唯一解があり、カテーテルガイドワイヤの迅速なリアルタイム操作を実現することができ、制御操作方法が簡単で実行しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、以下の図面を参照して非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことによってより明らかになるであろう。
【
図2】本発明による平面ロボットアームの3自由度の逆解の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、具体的な実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。以下の実施形態は、当業者が本発明を更に理解するのに役立つが、本発明をいかなる形態においても限定するものではない。当業者であれば、本発明の概念から逸脱することなく、いくつかの変更及び改善を行うことができることに留意されたい。これらはすべて、本発明の保護範囲に属する。
【0023】
本出願の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「内側」、「外側」などで示される配向又は位置関係は、図面に示される配向又は位置関係に基づくものであり、本出願の説明を容易にし、説明を簡略化するためだけのものであり、示された装置又は要素が特定の配向を有し、特定の配向で構築及び操作しなければならないことを示したり暗示したりするものではなく、したがって、本出願を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0024】
本発明は、血管介入手術に適したバイプレーンロボットアーム装置を提供し、特に、3自由度の回転関節が直列に取り付けられた平面ロボットアームを用いてカテーテルガイドワイヤを直線的に押したり引いたりする装置を提供し、広い運動範囲内でカテーテルガイドワイヤを直線的に操作するという課題を解決する。本発明は、3自由度の回転関節が直列に取り付けられた2つの平面ロボットアームを含み、2つのロボットアームの肩関節は同軸に取り付けられ、肩関節間の幅は、1つの直動関節によって調整され、即ち、外側アームの第1の連接棒11の回転軸は、内側アームの第1の連接棒10の回転軸と同軸であり、2つのロボットアームの端部(クランプ端)は、並行して同軸高速介入機器の直動操作を行うことができ、また、2組の介入機器の平行直動操作を同時に行うことができる。本発明は、運動範囲が広く、占有スペースが小さく、柔軟であるという特徴を有し、末梢血管介入及び心血管介入など、様々な臨床介入機器の押し及び引き操作のニーズを満たすことができる。
【0025】
本発明によれば、血管介入手術に適した二重平面ロボットアーム装置は、
図1に示されるように、手術台1、本体組立体、外側アーム組立体、及び内側アーム組立体を含み、上記本体組立体は、支柱2、スライダ21、スライドテーブル22、支持フレーム23、及び水平押しスクリューモータを含み、上記支柱2は手術台1に設けられ、支柱2には支持フレーム23が設けられ、支持フレーム23にはスライドテーブル22が設けられ、スライドテーブル22はスライダ21に連結され、スライダ21は、水平押しスクリューモータに連結され、且つ水平押しスクリューモータの作用下でスライドテーブル22に沿ってスライドすることができ、上記外側アーム組立体は支柱2に連結され、内側アーム組立体は、外側アーム組立体及びスライダ21に連結され、内側アーム組立体及び外側アーム組立体は互いに対して移動することができる。好ましくは、支柱2は手術台1の側面に取り付けられ、内側アーム組立体は、スライダ21上に取り付けられて同期して平行移動する。
【0026】
上記外側アーム組立体は、外側アームの第1のモータ3、伝動軸4、外側アームの第1の連接棒11、外側アームの第2のモータ12、外側アームの第2の連接棒14、外側アームの第3のモータ16、及び外側アームの第3の連接棒18を含み、上記外側アームの第1のモータ3は支柱2に設けられ、外側アームの第1のモータ3は、伝動軸4を介して外側アームの第1の連接棒11の一端に連結され、外側アームの第1の連接棒11の他端は外側アームの第2の連接棒14の一端に連結され、外側アームの第2の連接棒14の他端は、外側アームの第3の連接棒18の一端に連結され、外側アームの第3の連接棒18の他端はクランプ端であり、外側アームの第2のモータ12は、外側アームの第2の連接棒14の一端に設けられ、外側アームの第3のモータ16は、外側アームの第3の連接棒18の一端に設けられている。外側アームの第3の連接棒18のククランプ端は、外側介入機器24をクランプして、外側アーム組立体の運動面において介入機器を直線的に押したり引いたりすることができる。上記外側アームの第1のモータ3は、外側アーム組立体の重量を軽減するために支柱2に設けられている。
【0027】
上記内側アーム組立体は、内側アームの第1のモータ5、伝動組立体、伝動シリンダ9、支持軸受組立体20、内側アームの第1の連接棒10、内側アームの第2のモータ13、内側アームの第2の連接棒15、内側アームの第3のモータ17、及び内側アームの第3の連接棒19を含み、上記内側アームの第1のモータ5はスライダ21に設けられ、内側アームの第1のモータ5は伝動組立体を介して伝動シリンダ9に連結され、伝動シリンダ9は、内側アームの第1の連接棒10の一端に連結され、内側アームの第1の連接棒10の他端は、内側アームの第2の連接棒15の一端に連結され、内側アームの第2の連接棒15の他端は、内側アームの第3の連接棒19の一端に連結され、内側アームの第3の連接棒19の他端はクランプ端であり、内側アームの第2のモータ13は、内側アームの第2の連接棒15の一端に連結され、内側アームの第3のモータ17は、内側アームの第3の連接棒19の一端に設けられ、上記伝動シリンダ9は、支持軸受組立体20を介してスライダ21に連結され、伝動シリンダ9の内部は中空であり、外側アーム組立体の伝動軸4は伝動シリンダ9を貫通する。内側アームの第3の連接棒19のクランプ端は、内側介入機器25をクランプして、内側アーム組立体の運動面において介入機器を直線的に押したり引いたりすることができる。伝動シリンダ9の設計は、内側アーム組立体と外側アーム組立体の運動が互いに干渉しないようにすることができる。
【0028】
上記伝動組立体は、駆動プーリー6、ベルト7、及び従動プーリー8を含み、駆動プーリー6は、内側アームの第1のモータ5に連結され、従動プーリー8は伝動シリンダ9に同軸に設けられ、駆動プーリー6と従動プーリー8はベルト7で連結されている。上記伝動シリンダ9と外側アーム組立体の伝動軸4との軸線は一致しており、伝動シリンダ9と外側アーム組立体の伝動軸4は、軸線に沿って互いに対してスライド及び回転することができる。上記伝動軸4は伸縮ロッドである。このような設計により、外側アームの第1の連接棒11の回転軸は、内側アームの第1の連接棒10の回転軸と同軸になり、内側アーム組立体は、支持軸受組立体20によってスライダ21上に固定的に取り付けられ、伝動軸4に沿って平行移動することができ、様々な手術の要件に合わせて、外側アーム組立体が位置する運動面と内側アーム組立体が位置する運動面との間の距離を変更して医師の手の柔軟性をシミュレートする。
【0029】
上記伝動軸4は、外側アームの第1のモータ3の作用下で回転し、それにより外側アームの第1の連接棒11を駆動して回転させ、外側アームの第1の連接棒11は外側アームの第2の連接棒14に回転可能に連結され、外側アームの第2の連接棒14は、外側アームの第2のモータ12の作用下で外側アームの第1の連接棒11に対して回転することができ、外側アームの第2の連接棒14は外側アームの第3の連接棒18に回転可能に連結され、外側アームの第3の連接棒18は、外側アームの第3のモータ16の作用下で外側アームの第2の連接棒14に対して回転することができ、上記外側アームの第1の連接棒11の回転軸、外側アームの第2の連接棒14の回転軸、及び外側アームの第3の連接棒18の回転軸は、互いに平行であり、上記外側アームの第1の連接棒11、外側アームの第2の連接棒14、及び外側アームの第3の連接棒18は同じ平面にある。
【0030】
上記伝動シリンダ9は、内側アームの第1のモータ5及び伝動組立体の作用下で回転し、それにより内側アームの第1の連接棒10を駆動して回転させ、内側アームの第1の連接棒10は内側アームの第2の連接棒15に回転可能に連結され、内側アームの第2の連接棒15は、内側アームの第2のモータ13の作用下で内側アームの第1の連接棒10に対して回転することができ、内側アームの第2の連接棒15は内側アームの第3の連接棒19に回転可能に連結され、内側アームの第3の連接棒19は、内側アームの第3のモータ17の作用下で内側アームの第2の連接棒15に対して回転することができ、上記内側アームの第1の連接棒10の回転軸、内側アームの第2の連接棒15の回転軸、及び内側アームの第3の連接棒19の回転軸は、互いに平行であり、上記内側アームの第1の連接棒10、内側アームの第2の連接棒15、及び内側アームの第3の連接棒19は同じ平面にある。
【0031】
上記外側アーム組立体の外側アームの第1の連接棒11、外側アームの第2の連接棒14、及び外側アームの第3の連接棒18が位置する運動面は、内側アーム組立体の内側アームの第1の連接棒10、内側アームの第2の連接棒15、及び内側アームの第3の連接棒19が位置する運動面と平行である。
【0032】
本発明は、コントローラを更に含み、このコントローラは、伝動軸4、水平押しスクリューモータ、外側アーム組立体の外側アームの第1のモータ3、外側アームの第2のモータ12及び外側アームの第3のモータ16、並びに内側アーム組立体の内側アームの第1のモータ5、内側アームの第2のモータ13及び内側アームの第3のモータ17に信号で接続されている。
【0033】
内側アーム組立体、外側アーム組立体の3自由度ロボットアームのクランプ端は、介入材料(例えば、カテーテルガイドワイヤ)をクランプして、カテーテルガイドワイヤを直線的に前進させ、そして幾何学的手法により3つの関節の逆解アルゴリズムを解き、即ち、手術ロボットのベース座標系におけるカテーテルガイドワイヤのリアルタイム位置及び姿勢を通じて、ロボットアームの3つの回転軸の回転角度値を計算し、上記コントローラは、回転角度値に応じて対応するモータをリアルタイムで調整する。
【0034】
図2に示されるように、内側アーム組立体、外側アーム組立体の3自由度平面ロボットアームの運動調整関係は同じである。外側アーム組立体を例にとると、外側アーム組立体の伝動軸4と支柱2の交点を座標原点とし、外側アーム組立体の横運動方向をX軸、外側アーム組立体の縦運動方向をY軸とし、デカルト座標系を構築する。外側アームの第1の連接棒11の長さをL1、外側アームの第2の連接棒14の長さをL2、外側アームの第3の連接棒18の長さをL3、外側アームの第1の連接棒11とX軸とのなす角度をθ1、外側アームの第2の連接棒14と外側アームの第1の連接棒11とのなす角度をθ2、外側アームの第3の連接棒18と外側アームの第2の連接棒14とのなす角度をθ3とする。ここでは、ロボットアームのクランプ端がカテーテルガイドワイヤをクランプしていると仮定する。1つの典型的な状況では、カテーテルガイドワイヤがロボットアームのクランプ端に垂直であり、即ち、外側アームの第3の連接棒18に垂直である。カテーテルガイドワイヤを直線的に前進させ、そして幾何学的手法により3つの関節の逆解アルゴリズムを解く。
図2に示される座標系xoyにおいて、カテーテルガイドワイヤのクランプ点の開始座標を(x0,y0)とし、カテーテルガイドワイヤとX軸とのなす角度をθとすると、θ1、θ2、θ3の計算関係は以下のとおりである。
【数1】
式中、L1、L2、L3、θ、x0、y0は既知量である。次に上記の関係によりθ1、θ2、θ3の値を計算して、外側アーム組立体を調整することができる。
【0035】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明した。本発明は上記の特定の実施形態に限定されるものではなく、当業者は、特許請求の範囲内で様々な変更又は修正を行うことができ、これらは本発明の本質的な内容に影響を及ぼさないことを理解されたい。本出願の実施形態及び実施形態における特徴は、矛盾がない限り、互いに任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 手術台
2 支柱
3 外側アームの第1のモータ
4 伝動軸
5 内側アームの第1のモータ
6 駆動プーリー
7 ベルト
8 従動プーリー
9 伝動シリンダ
10 内側アームの第1の連接棒
11 外側アームの第1の連接棒
12 外側アームの第2のモータ
13 内側アームの第2のモータ
14 外側アームの第2の連接棒
15 内側アームの第2の連接棒
16 外側アームの第3のモータ
17 内側アームの第3のモータ
18 外側アームの第3の連接棒
19 内側アームの第3の連接棒
20 支持軸受組立体
21 スライダ
22 スライドテーブル
23 支持フレーム
24 外側介入機器
25 内側介入機器
【国際調査報告】