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特表2023-518435オーディオ伝送のチャンネルベースの制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-01
(54)【発明の名称】オーディオ伝送のチャンネルベースの制御
(51)【国際特許分類】
   H04B 11/00 20060101AFI20230424BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
H04B11/00 C
H04R3/00 310
H04R3/00 320
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556118
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 US2021022708
(87)【国際公開番号】W WO2021188633
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】16/823,740
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522284948
【氏名又は名称】リスナー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ファラー レベッカ
(72)【発明者】
【氏名】メンデル オズ
(72)【発明者】
【氏名】クナウアー ウィリアム
【テーマコード(参考)】
5D220
【Fターム(参考)】
5D220AA50
5D220AB06
5D220BA06
(57)【要約】
オーディオ伝送の受信および送信を制御するための方法およびシステムが提供される。一態様では、複数のオーディオ伝送の中から第1のオーディオチャネルを選択する工程、および第1のオーディオチャネルを使用して第1のオーディオ伝送を送信する工程を含む方法が提供される。次いで、第1のオーディオチャネルの受信確認を含む第2のオーディオ伝送が受信され得る。特定の事例では、第2のオーディオ伝送は、第2のオーディオチャネル上で受信され得る。受信確認が所定の期間にわたって受信されない場合、第1のオーディオ伝送は、第2のオーディオチャネルを使用して選択され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)複数のオーディオチャネルの中から第1のオーディオチャネルを選択する工程、
(b)第1のコンピューティングデバイスから、前記第1のオーディオチャネルを使用して第2のコンピューティングデバイスに、データを含む第1のオーディオ伝送を送信する工程、
(c)前記複数のオーディオチャネルとは別個の第2のオーディオチャネル上で、前記第1のオーディオ伝送の受信確認を含む第2のオーディオ伝送を受信するのを最大で所定の期間にわたって待つ工程、
(d)前記第2のオーディオ伝送を受信したことに応答して、前記第1のオーディオ伝送が前記第1のオーディオチャネルを使用して正常に送信されたと判定する工程、および
(e)前記所定の期間内に前記第2のオーディオ伝送を受信しなかったことに応答して、(a)~(c)を繰り返して、前記複数のオーディオチャネルの中から第3のオーディオチャネルを選択し、前記第3のオーディオチャネルを使用して前記第1のオーディオ伝送を送信する工程
を含む、方法。
【請求項2】
(a)の前に、前記複数のオーディオチャネルおよび前記第2のオーディオチャネルとは別個の第4のオーディオチャネル上で、前記第2のコンピューティングデバイスを識別するオーディオ伝送を検出する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
(a)~(e)を繰り返して、前記第1のコンピューティングデバイスから前記第2のコンピューティングデバイスに第2のオーディオ伝送を送信する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1のオーディオチャネルおよび前記第3のオーディオチャネルの少なくとも一方が、前記複数のオーディオチャネルからランダムに選択される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記複数のオーディオチャネルが少なくとも5つのオーディオチャネルを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記複数のオーディオチャネルの各々および前記第2のオーディオチャネルが、所定の帯域幅を有する周波数範囲を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記複数のオーディオチャネルの各々および前記第2のオーディオチャネルが、1kHzの帯域幅を有する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記複数のオーディオチャネルの各々が、所定の周波数帯域によって分離されている、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記複数のオーディオチャネルの各々が、1kHzの周波数帯域によって分離されている、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記複数のオーディオチャネルおよび前記第2のオーディオチャネルが、9.5~18.5kHzの範囲内に含まれる、請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記所定の期間内に前記第2のオーディオ伝送を受信しなかったことに応答して、前記第1のオーディオチャネルが第2の所定の期間にわたってオーディオ伝送に使用されるべきでないという指示を格納する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
プロセッサと、
命令を格納しているメモリであって、前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
(a)複数のオーディオチャネルの中から第1のオーディオチャネルを選択させ、
(b)第1のコンピューティングデバイスから、前記第1のオーディオチャネルを使用して第2のコンピューティングデバイスに、データを含む第1のオーディオ伝送を送信させ、
(c)前記複数のオーディオチャネルとは別個の第2のオーディオチャネル上で、前記第1のオーディオ伝送の受信確認を含む第2のオーディオ伝送を受信するのを最大で所定の期間にわたって待たせ、
(d)前記第2のオーディオ伝送を受信したことに応答して、前記第1のオーディオ伝送が前記第1のオーディオチャネルを使用して正常に送信されたと判定させ、
(e)前記所定の期間内に前記第2のオーディオ伝送を受信しなかったことに応答して、(a)~(c)を繰り返して、前記複数のオーディオチャネルの中から第3のオーディオチャネルを選択させ、前記第3のオーディオチャネルを使用して前記第1のオーディオ伝送を送信させる、
メモリと
を備える、システム。
【請求項13】
前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサにさらに、(a)の前に、前記複数のオーディオチャネルおよび前記第2のオーディオチャネルとは別個の第4のオーディオチャネル上で、前記第2のコンピューティングデバイスを識別するオーディオ伝送を検出させる、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサにさらに、(a)~(e)を繰り返して、前記第1のコンピューティングデバイスから前記第2のコンピューティングデバイスに第2のオーディオ伝送を送信させる、請求項12記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のオーディオチャネルおよび前記第3のオーディオチャネルの少なくとも一方が、前記複数のオーディオチャネルからランダムに選択される、請求項12記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のオーディオチャネルの各々および前記第2のオーディオチャネルが、所定の帯域幅を有する周波数範囲を含む、請求項12記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のオーディオチャネルの各々が、所定の周波数帯域によって分離されている、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記複数のオーディオチャネルの各々が、1kHzの周波数帯域によって分離されており、前記複数のオーディオチャネルの各々および前記第2のオーディオチャネルが、1kHzの帯域幅を有する、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサにさらに、前記所定の期間内に前記第2のオーディオ伝送を受信しなかったことに応答して、前記第1のオーディオチャネルが第2の所定の期間にわたってオーディオ伝送に使用されるべきでないという指示を格納させる、請求項12記載のシステム。
【請求項20】
命令を格納している非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
(a)複数のオーディオチャネルの中から第1のオーディオチャネルを選択させ、
(b)第1のコンピューティングデバイスから、前記第1のオーディオチャネルを使用して第2のコンピューティングデバイスに、データを含む第1のオーディオ伝送を送信させ、
(c)前記複数のオーディオチャネルとは別個の第2のオーディオチャネル上で、前記第1のオーディオ伝送の受信確認を含む第2のオーディオ伝送を受信するのを最大で所定の期間にわたって待たせ、
(d)前記第2のオーディオ伝送を受信したことに応答して、前記第1のオーディオ伝送が前記第1のオーディオチャネルを使用して正常に送信されたと判定させ、
(e)前記所定の期間内に前記第2のオーディオ伝送を受信しなかったことに応答して、(a)~(c)を繰り返して、前記複数のオーディオチャネルの中から第3のオーディオチャネルを選択させ、前記第3のオーディオチャネルを使用して前記第1のオーディオ伝送を送信させる、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
データは、両方のデバイスを同じコンピューティングネットワークに接続することなく、コンピューティングデバイス間で伝送される必要があることが多い。例えば、特定の用途では、コンピューティングネットワークがコンピューティングデバイスの近くに存在しない場合があり、またはコンピューティングデバイスの一方または両方を近くのコンピューティングネットワークに接続するのが煩雑すぎる場合がある(例えば、時間がかかりすぎる場合がある)。したがって、データは、1台のコンピューティングデバイスから別のコンピューティングデバイスに直接伝送され得る。
【発明の概要】
【0002】
概要
本開示は、オーディオ伝送の受信および送信を制御するための新規で革新的なシステムおよび方法を提示する提供される。第1の局面では、(a)複数のオーディオチャネルの中から第1のオーディオチャネルを選択する工程、および(b)第1のコンピューティングデバイスから、第1のオーディオチャネルを使用して第2のコンピューティングデバイスに、データを含む第1のオーディオ伝送を送信する工程を含む方法が提供される。方法は、(c)複数のオーディオチャネルとは別個の第2のオーディオチャネル上で、第1のオーディオ伝送の受信確認を含む第2のオーディオ伝送を受信するのを最大で所定の期間にわたって待つ工程、および(d)第2のオーディオ伝送を受信したことに応答して、第1のオーディオ伝送が第1のオーディオチャネルを使用して正常に送信されたと判定する工程をさらに含み得る。方法はまた、(e)所定の期間内に第2のオーディオ伝送を受信しなかったことに応答して、(a)~(c)を繰り返して、複数のオーディオチャネルの中から第3のオーディオチャネルを選択し、第3のオーディオチャネルを使用して第1のオーディオ伝送を送信する工程も含み得る。
【0003】
第1の局面による第2の局面では、方法は、(a)の前に、複数のオーディオチャネルおよび第2のオーディオチャネルとは別個の第4のオーディオチャネル上で、第2のコンピューティングデバイスを識別するオーディオ伝送を検出する工程をさらに含む。
【0004】
第1の局面および第2の局面のいずれかによる第3の局面では、方法は、(a)~(e)を繰り返して、第1のコンピューティングデバイスから第2のコンピューティングデバイスに第2のオーディオ伝送を送信する工程をさらに含む。
【0005】
第1の局面から第3の局面いずれかによる第4の局面では、第1のオーディオチャネルおよび第3のオーディオチャネルの少なくとも一方が、複数のオーディオチャネルからランダムに選択される。
【0006】
第1の局面から第4の局面のいずれかによる第5の局面では、複数のオーディオチャネルは少なくとも5つのオーディオチャネルを含む。
【0007】
第1の局面から第5の局面のいずれかによる第6の局面では、複数のオーディオチャネルの各々および第2のオーディオチャネルは、所定の帯域幅を有する周波数範囲を含む。
【0008】
第6の局面による第7の局面では、複数のオーディオチャネルの各々および第2のオーディオチャネルは、1kHzの帯域幅を有する。
【0009】
第6の局面および第7の局面のいずれかによる第8の局面では、複数のオーディオチャネルの各々は、所定の周波数帯域によって分離されている。
【0010】
第8の局面による第9の局面では、複数のオーディオチャネルの各々は、1kHzの周波数帯域によって分離されている。
【0011】
第6の局面から第9の局面のいずれかによる第10の局面では、複数のオーディオチャネルおよび第2のオーディオチャネルは、9.5~18.5kHzの範囲内に含まれる。
【0012】
第1の局面から第10の局面のいずれかによる第11の局面では、方法は、所定の期間内に第2のオーディオ伝送を受信しなかったことに応答して、第1のオーディオチャネルは第2の所定の期間にわたってオーディオ伝送に使用されるべきでないという指示を格納する工程をさらに含む。
【0013】
本明細書に記載される特徴および利点は、すべてを含むものではなく、特に、図および説明を考慮すれば当業者には多くの追加の特徴および利点が明らかになるであろう。さらに、本明細書で使用される文言は、主として、読みやすさおよび説明を目的として選択されており、開示の主題の範囲を限定するためのものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本開示の例示的な態様によるシステムを示す。
図2図2は、本開示の例示的な態様によるオーディオ伝送を示す。
図3A図3A~3Bは、本開示の例示的な態様による送信機/受信機アレイを示す。
図3B図3A~3Bは、本開示の例示的な態様による送信機/受信機アレイを示す。
図4図4は、本開示の例示的な態様によるシナリオを示す。
図5図5は、本開示の例示的な態様によるオーディオチャンネル分布を示す。
図6図6は、本開示の例示的な態様によるシステムを示す。
図7図7は、本開示の例示的な態様による方法を示す。
図8図8は、本開示の例示的な態様によるコンピューティングシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的な態様の詳細な説明
本開示の局面は、複数のデバイス間でオーディオ伝送を送信および受信することに関する。特定の局面では、単一のコンピューティングデバイスが、複数のコンピューティングデバイスからオーディオ伝送を受信し得、オーディオ伝送に応答して複数のコンピューティングデバイスに受信確認を送信し得る。
【0016】
同じ通信ネットワークに接続することなくコンピューティングデバイス間でデータを交換するための様々な技術およびシステムが存在する。例えば、コンピューティングデバイスは、デバイス間の直接通信リンクを介してデータを送信してもよい。特に、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線周波数識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)、およびWi-Fi(登録商標)(例えば、コンピューティングデバイス間の直接Wi-Fi(登録商標)リンク)などの1つまたは複数の直接無線通信プロトコルに従ってデータが伝送され得る。しかしながら、これらのプロトコルの各々は、様々な周波数の電磁波を使用するデータ伝送に依拠する。したがって、特定の事例(例えば、ZigBee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、RFID、およびNFC)では、コンピューティングデバイスは、通常、これらの無線通信プロトコルに従ってデータを伝送するために専用ハードウェアを必要とする場合がある。さらなる事例(例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、およびWi-Fi(登録商標))では、コンピューティングデバイスは、通常、これらの無線通信プロトコルに従ってデータを伝送するために通信可能にペアリングされなければならない場合がある。そのような通信ペアリングは煩雑で低速であることがあり、コンピューティングデバイスの一方または両方と関連付けられたユーザが、それらのプロトコルを利用してデータを送信する可能性を低下させる。
【0017】
したがって、(i)専用ハードウェアを必要とせず、(ii)データ伝送前の通信ペアリングを必要としない方法で、データを無線送信する必要性が存在する。この問題に対する1つの解決策は、オーディオ伝送を使用してデータを送信することである。例えば、図1に、本開示の一態様による例示的なシステム100を示す。システム100は、オーディオ伝送114、116を使用してデータ122、124を伝送するように構成された2台のコンピューティングデバイス102、104を含む。特に、各コンピューティングデバイス102、104は、送信機106、108および受信機110、112を含む。送信機106、108は、スピーカなどの、オーディオ信号を生成することができる任意のタイプのデバイスを含み得る。特定の実装形態では、送信機106、108は、コンピューティングデバイス102、104に組み込まれたスピーカとして実装され得る。例えば、コンピューティングデバイスの一方または両方が、スマートフォン、タブレットコンピュータ、および/または送信機106、108の機能を実行する組み込みスピーカを備えたラップトップであってもよい。他の実装形態では、送信機106、108は、コンピューティングデバイス102、104の外部のマイクロフォンとして実装され得る。例えば、送信機106、108は、コンピューティングデバイス102、104に外部接続された1つまたは複数のスピーカとして実装されてもよい。
【0018】
受信機110、112は、オーディオ伝送を受信し、オーディオ伝送をマイクロフォンなどの、コンピューティングデバイスのプロセッサによって処理されることが可能な信号(例えば、デジタル信号)に変換することが可能な任意のタイプのデバイスを含み得る。他の実装形態では、受信機110、112は、コンピューティングデバイス102、104に組み込まれたマイクロフォンとして実装され得る。例えば、コンピューティングデバイスの一方または両方が、スマートフォン、タブレットコンピュータ、および/または受信機110、112の機能を実行する組み込みマイクロフォンを備えたラップトップであってもよい。他の実装形態では、受信機110、112は、コンピューティングデバイス102、104の外部のマイクロフォンとして実装され得る。例えば、受信機110、112は、コンピューティングデバイス102、104に通信可能に結合されたコンピューティングデバイス102、104の外部の1つまたは複数のマイクロフォンとして実装されてもよい。特定の実装形態では、送信機106、108および受信機110、112は、コンピューティングデバイスに接続された単一のデバイスとして実装され得る。例えば、送信機106、108および受信機110、112は、コンピューティングデバイス102、104に通信可能に結合された少なくとも1つのスピーカと少なくとも1つのマイクロフォンを含む単一のデバイスとして実装されてもよい。
【0019】
特定の実装形態では、コンピューティングデバイス102、104の一方または両方が、複数の送信機106、108および/または複数の受信機110、112を含み得る。例えば、(例えば、コンピューティングデバイス102が複数の送信機108および複数の受信機112のうちの少なくとも1つの近くに位置するときに)コンピューティングデバイス104が複数の位置でコンピューティングデバイス102と通信できるように、コンピューティングデバイス104は、複数の位置に配置された複数の送信機108および複数の受信機112を含んでいてもよい。追加の実装形態または代替の実装形態では、コンピューティングデバイス102、104の一方または両方が、単一の位置に複数の送信機106、108および/または複数の受信機110、112を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス104は、単一の位置に配置された複数の送信機108および複数の受信機112を含んでいてもよい。複数の送信機108および複数の受信機112は、その単一の位置の近くのエリアにおけるカバレッジおよび/または信号品質を改善するように配置され得る。例えば、複数の送信機108および複数の受信機112は、他のコンピューティングデバイス102が、送信機108および受信機112に対するそれらの位置にかかわらず(例えば、送信機108および受信機112のサービスエリア内のコンピューティングデバイス102の位置にかかわらず)同様の品質のオーディオ伝送114、116を受信するように、配列または他の構成で配置されてもよい。
【0020】
コンピューティングデバイス102、104は、データ122、124を互いに送信するためにオーディオ伝送114、116を生成し得る。例えば、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイス102からコンピューティングデバイス104にデータ122を送信するために、1つまたは複数のオーディオ伝送114を生成し得る。別の例として、コンピューティングデバイス104は、コンピューティングデバイス104からコンピューティングデバイス102にデータ124を送信するために、1つまたは複数のオーディオ伝送116を生成し得る。特に、コンピューティングデバイス102、104は、オーディオ伝送114、116を使用した伝送のために、(例えば、データ122、124の一部分を含む)データ122、124に基づいて1つまたは複数のパケット118、120を作成し得る。オーディオ伝送114、116を生成するために、コンピューティングデバイス102、104は、パケット118、120をオーディオキャリア信号に変調し得る。次いで、コンピューティングデバイス102、104は、送信機106、108を介してオーディオ伝送114、116を送信し、次いで、オーディオ伝送114、116は、他方のコンピューティングデバイス102、104の受信機110、112によって受信され得る。(例えば、データ122、124がパケット118、120のサイズの所定の閾値を超える場合)特定の事例では、データ122、124は、別々のオーディオ伝送114、116を使用して伝送するために複数のパケット118、120に分割され得る。
【0021】
そのため、オーディオ伝送114、116をこのようにして生成および送信することによって、コンピューティングデバイス102、104は、コンピューティングデバイス102、104を通信可能にペアリングする必要なしにデータ122、124を互いに送信することができる。むしろ、コンピューティングデバイス102、104は、別のコンピューティングデバイス102、104と通信可能にペアリングする必要なしに、受信機110、112を介して別のコンピューティングデバイス102、104から受信されたオーディオ伝送114、116をリッスンすることができる。また、これらの技術は、スピーカおよびマイクロフォンのような従来のコンピュータハードウェアを利用することができるので、コンピューティングデバイス102、104は、データ122、124を送信するために専用ハードウェアも必要としない。
【0022】
しかしながら、オーディオ伝送によってデータを送信することは、他の制限を含む。特に、複数のコンピューティングデバイスが同じコンピューティングデバイスにオーディオ伝送を送信しようと試みているとき、オーディオ伝送は互いに競合する可能性がある。例えば、同じ周波数(例えば、同じキャリア周波数)を使用して送信されたオーディオ伝送は互いに競合する可能性があり、これにより、オーディオ伝送を受信することになっているコンピューティングデバイスがオーディオ伝送をパースまたは処理することができないままになる可能性がある。通常、通信システムは、コンピューティングデバイスが受信側コンピューティングデバイスにオーディオ伝送をいつ送信することができるかについての時間ベースの制御を利用し得る。例えば、特定の通信システムは、時分割多元接続(TDMA)プロトコルを利用して、各コンピューティングデバイスが送信を許可されるタイムスロットを割り当ててもよい。通信システムはまた、コンピューティングデバイスが、データの送信を開始する前に、別のコンピューティングデバイスが送信しているかどうかを判定するキャリア検知技術を利用してもよい。例えば、特定の通信システムは、キャリア検知多重アクセス(CSMA)プロトコルを利用して、他のコンピューティングデバイスが送信していないときにのみ送信するようにコンピューティングデバイスを制限してもよい。
【0023】
しかしながら、オーディオ伝送を制御するためのそのような技術は、データを含むオーディオ伝送の使用に適していない場合がある。特に、オーディオを使用したデータの伝送は電磁信号を使用したデータの伝送よりも低い帯域幅を有する場合があり、結果としてオーディオ信号を処理するのにより多くの時間がかかる可能性がある。したがって、別のコンピューティングデバイスからのキャリア信号が存在するかどうかを判定しようと試みるCSMAなどの技術は、受信されたオーディオ信号を処理してオーディオ伝送のキャリア信号を検出するのに時間がかかりすぎる可能性があるので、適切でない場合がある。さらに、スピーカなどの送信機内のハードウェア制限の結果として、オーディオ伝送は、受信されるオーディオ伝送のタイミングが予想される受信時刻からそれだけずれる可能性がある大きなタイミングバッファ(例えば、0.2秒以上)を必要とすることになり得る。したがって、タイミングベースの制御技術も同様に、必要なバッファを考慮するために各タイミングセグメントの前後に追加される追加時間のために、時間がかかりすぎる可能性がある。
【0024】
したがって、タイミングベースの制御または他のコンピューティングデバイスからのキャリアオーディオ信号の事前検出を必要としない方法で、複数のコンピューティングデバイスからオーディオ伝送を送信する必要が存在する。この問題に対する1つの解決策は、オーディオ伝送を送信および受信することができるオーディオスペクトルの一部分を各々表す複数のオーディオチャネルを使用してオーディオ信号を送信することである。オーディオ伝送を送信するために、コンピューティングデバイスは、オーディオチャネルのうちの1つを選択し(例えば、ランダムに選択し)、選択されたオーディオチャネルを使用してオーディオ伝送を送信し得る。次いで、コンピューティングデバイスは、受信されたオーディオ伝送の受信確認を受信するのを待ち得る。コンピューティングデバイスが受信確認を受信した場合、コンピューティングデバイスは、オーディオ伝送が選択されたチャネルを使用して正常に送信されたと判定し得る。コンピューティングデバイスが受信確認を(例えば、所定の期間内に)受信しなかった場合、コンピューティングデバイスは、オーディオ伝送が正常に送信されなかったと判定し得る。これに応答して、コンピューティングデバイスは、別のオーディオチャネルを選択してもよく、新たに選択されたオーディオチャネルを使用してオーディオ伝送を送信し得る。
【0025】
図2に、本開示の例示的な態様によるオーディオ伝送200を示す。オーディオ伝送200は、あるコンピューティングデバイスから別のコンピューティングデバイスにデータを伝送するために使用され得る。例えば、図1を参照すると、オーディオ伝送200は、コンピューティングデバイス102、104によって生成されたオーディオ伝送114、116の例示的な実装形態であってもよい。オーディオ伝送200は、オーディオ伝送200内の個々の期間に対応し得る複数のシンボル1~24を含む。例えば、各シンボル1~24は、オーディオ伝送200の2msに対応し得る。別の例では、シンボル1~24は、オーディオ伝送200内の他の期間(例えば、1ms、10ms、20ms、40ms)に対応し得る。各シンボル1~24は、オーディオ伝送200内の情報を符号化するために使用される1つまたは複数の周波数を含み得る。例えば、1つまたは複数の周波数は、オーディオ伝送200内の情報を符号化するために変調され得る(例えば、特定の周波数が特定の情報に対応し得る)。別の例では、周波数の位相が、オーディオ伝送200内の情報を符号化するために、追加的または代替的に変調され得る(例えば、基準信号からの特定の位相差が特定の情報に対応し得る)。
【0026】
特に、特定のシンボル1~24は、オーディオ伝送200内の特定のタイプの情報に対応し得る。例えば、シンボル1~6はプリアンブル202に対応していてもよく、シンボル7~24はペイロード204に対応していてもよい。プリアンブル202は、(例えば、周波数および周波数1~6についての所定の方法における位相の1つまたは複数を変更することによって)所定の時点に生成された所定のシンボルを含み得る。プリアンブル202は、オーディオ伝送200を受信するコンピューティングデバイスへのオーディオ伝送200を識別するために使用され得る。例えば、オーディオ伝送200などのオーディオ伝送を受信するコンピューティングデバイスの受信機は、他のタイプのオーディオデータ(例えば、環境雑音および/またはオーディオ干渉からの音声データ)も受信し得る。したがって、プリアンブル202は、コンピューティングデバイスの受信機によって受信されたときに、オーディオ伝送200に対応するオーディオデータを識別するように構成され得る。特に、コンピューティングデバイスは、受信機から着信オーディオデータを解析し、プリアンブル202を含まないオーディオデータを無視するように構成され得る。プリアンブル202を検出すると、コンピューティングデバイスはオーディオ伝送200の受信および処理を開始し得る。プリアンブルはまた、オーディオ伝送200の処理をオーディオ伝送200のシンボル1~24と位置合わせするためにも使用され得る。特に、オーディオ伝送200の先頭を示すことによって、プリアンブル202は、オーディオ伝送200を受信するコンピューティングデバイスがそのオーディオ伝送の処理をシンボル1~24と適切に位置合わせすることを可能にし得る。
【0027】
ペイロード204は、伝送を意図されたデータを、伝送を意図されたデータの適切な処理を可能にする他の情報と共に含み得る。特に、パケット208は、オーディオ伝送200を生成するコンピューティングデバイスによって送信を求められたデータを含み得る。例えば、図1を参照すると、パケット208は、データ122、124の全部または一部を含み得るパケット118、120に対応し得る。ヘッダ206は、パケット208内に含まれるデータの関連する処理のための追加情報を含み得る。例えば、ヘッダ206は、データの最終宛先(例えば、オーディオ伝送200を受信するコンピューティングデバイスの外部のサーバ)の経路指定情報を含んでいてもよい。ヘッダ206はまた、データの発信元(例えば、オーディオ伝送200を送信するコンピューティングデバイスの識別子および/またはオーディオ伝送200を送信するコンピューティングデバイスと関連付けられたユーザ)も示し得る。
【0028】
図2に示されるシンボル1~24およびそれらの構成は、単なる例示である。オーディオ伝送200の特定の実装形態が、より多いかまたはより少ないシンボルを使用する場合もあること、ならびにプリアンブル202、ペイロード204、ヘッダ206、および/またはパケット208のうちの1つまたは複数が、図示されたシンボルよりも多くのシンボルまたはより少ないシンボルを使用する場合もあり、オーディオ伝送200内で異なる順序または構成で配置される場合もあることを理解されたい。
【0029】
図3A図3Bに、本開示の例示的な態様による送信機/受信機アレイ300を示す。送信機/受信機アレイ300は、オーディオ伝送200を送信および/または受信するために使用され得る。例えば、送信機/受信機アレイ300は、コンピューティングデバイス102、104の少なくとも一方の例示的な実装形態であり得る。送信機/受信機アレイ300は、8つの受信機302A~302Hおよび8つの送信機304A~304Hを含む。8つの受信機302A~302Hの各々は、受信機110、112の例示的な実装形態であり得る。例えば、8つの受信機302A~302Hは、マイクロフォンとして実装されてもよい。8つの送信機304A~304Hの各々は、送信機106、108の例示的な実装形態であり得る。例えば、8つの送信機304A~304Hは、スピーカとして実装されてもよい。
【0030】
図示のように、受信機302A~302Hおよび送信機304A~304Hは、送信機/受信機アレイ300を取り囲む360°のエリアを均等にカバーするように配置される。例えば、受信機302A~302Hおよび送信機304A~304Hは、隣接する受信機302A~302H間および隣接する送信機304A~304H間がおおよそ45°になるように配置される。そのような構成により、送信機/受信機アレイ300が、送信機/受信機アレイ300のカバレッジエリア内の複数の方向においてオーディオ伝送200を受信し、複数の方向にオーディオ伝送200を送信することが可能になり得る。例えば、送信機/受信機アレイ300は、サービスエリアの異なる部分にある複数のコンピューティングデバイスからオーディオ伝送を受信するように構成され得る。
【0031】
受信機302A~302Hおよび送信機304A~304Hは、支持体306に取り付けられ得る。支持体306は、受信機302A~302Hおよび送信機304A~304Hの相対的な向きを変更することなく、送信機/受信機アレイ300が配置および構成されることを可能にし得る。特定の実装形態では、受信機302A~302Hは、受信機302A~302Hが送信機304A~304Hから分離されるように(例えば、受信機302A~302Hが送信機304A~304Hからの干渉を回避することができるように)取り付けられ得る。例えば、受信機302A~302Hは、受信機302A~302Hを送信機304A~304Hから分離する構造部材308A~308D(図3Bにその一部のみが示されている)に取り付けられてもよい。特定の実装形態では、送信機/受信機アレイ300は、支持要素310などの支持要素に取り付けられ得る。支持要素310は、送信機/受信機アレイ300がオーディオ伝送200を受信および送信するのにより適した高さに(例えば、典型的な個人の胸および腰の高さまたはそれらの間に)あるように、送信機/受信機アレイ300を地面から持ち上げてもよい。
【0032】
送信機/受信機アレイ300の追加または代替の実装形態が可能であることを理解されたい。例えば、代替の実装形態は、より多いもしくはより少ない送信機および/もしくは受信機を有していてもよく、かつ/またはより大きいもしくはより小さい送信機および/もしくは受信機を有していてもよい。別の例として、代替の実装形態は、支持体306、構造部材308A~308D、および/または支持要素310のうちの1つまたは複数を省いてあってもよい。さらに別の例として、代替の実装形態は、送信機304A~304Hおよび/または受信機302A~302Hを取り囲むハウジングをさらに含んでいてもよい。
【0033】
図4に、本開示の例示的な態様によるシナリオ400を示す。シナリオ400では、コンピューティングデバイス402が送信機/受信機アレイ300にオーディオ伝送406を送信している。別のコンピューティングデバイス404は、異なる方向から送信機/受信機アレイ300にオーディオ伝送408を送信しており、そのためオーディオ伝送408は、オーディオ伝送406とは異なるマイクロフォンによって受信され得る。シナリオ400は、コンピューティングデバイス402と同じかまたは同様の方向からオーディオ伝送412を送信する第3のコンピューティングデバイス410を含む。コンピューティングデバイス402、404が同じオーディオチャネルを使用して送信している事例では、オーディオ伝送406、408が異なる方向から送信され、異なるマイクロフォンによって受信されたため、オーディオ伝送406、408を受信するコンピューティングデバイスは、両方のオーディオ伝送を依然として区別することができる可能性がある。しかしながら、オーディオ伝送406、412が同じオーディオチャネルを使用して送信される場合、オーディオ伝送406、408を受信するコンピューティングデバイスは、それらの伝送が同様の方向から送信され、したがって同じかまたは同様のマイクロフォンによって受信され、互いに干渉する可能性があるため、オーディオ伝送を区別することができない可能性がある。さらに、オーディオ伝送406、408が異なるチャネルを使用して送信される場合、受信されるオーディオ信号の精度は(例えば、オーディオ信号406、408が互いに干渉していないため)向上する可能性がある。
【0034】
図5に、本開示の例示的な態様によるオーディオチャネル分配500を示す。オーディオチャネル分配500は、周波数スペクトルF1~F15に沿って分配されたオーディオチャネル1~7を含む。各オーディオチャネル1~7は、対応する帯域幅BW1~7を有する。特に、オーディオチャネル1は、F1からF2に及ぶ帯域幅BW1を有し、オーディオチャネル2は、F3からF4に及ぶ帯域幅BW2を有し、オーディオチャネル3は、F5からF6に及ぶ帯域幅BW3を有し、オーディオチャネル4は、F7からF8に及ぶ帯域幅BW4を有し、オーディオチャネル5は、F9からF10に及ぶ帯域幅BW5を有し、オーディオチャネル6は、F11からF12に及ぶ帯域幅BW6を有し、オーディオチャネル7は、F13からF14に及ぶ帯域幅BW7を有する。オーディオチャネル1~7は、オーディオ伝送を送信するために使用することができるキャリア周波数の範囲を表し得る。例えば、オーディオチャネル1に従ってオーディオ伝送を送信するために、コンピューティングデバイスは、F1~F2のキャリア周波数を利用し得る。特定の実装形態では、コンピューティングデバイスは、F1~F2の中間のキャリア周波数を使用し得る。具体例として、F1が9.5kHzであり、F2が10.5kHzである場合、オーディオチャネル1を使用してオーディオ伝送を送信するコンピューティングデバイスは、10kHzなど、9.8kHz~10.2kHzのキャリア周波数を利用し得る。
【0035】
オーディオチャネル1~7はまた、周波数帯域502、504、506、508、510、512によって分離されている。特に、周波数帯域502は、オーディオチャネル1とオーディオチャネル2とを分離し、周波数F2からF3に及び、周波数帯域504は、オーディオチャネル2とオーディオチャネル3とを分離し、周波数F4からF5に及び、周波数帯域506は、オーディオチャネル3とオーディオチャネル4とを分離し、周波数F6からF7に及び、周波数帯域508は、オーディオチャネル4とオーディオチャネル5とを分離し、周波数F8からF9に及び、周波数帯域510は、オーディオチャネル5とオーディオチャネル6とを分離し、周波数F10からF11に及び、周波数帯域512は、オーディオチャネル6とオーディオチャネル7とを分離し、周波数F12からF13に及ぶ。周波数帯域502、504、506、508、510、512は、オーディオチャネル1~7を分離し得、これは、オーディオ伝送が互いに干渉するのを防止するのに役立ち得る。例えば、コンピューティングデバイスの送信機の不正確さ(例えば、コンピューティングデバイスのクロック同期の不正確さ)は、不正確なキャリア周波数(例えば、所与のオーディオチャネル1~7内の所望のまたは好ましいキャリア周波数から逸脱したキャリア周波数)を有するオーディオ伝送をもたらす可能性がある。別の例として、オーディオ伝送との干渉(例えば、オーディオ伝送を送信している間のコンピューティングデバイスの移動)は、オーディオ伝送が受信されるときのオーディオ伝送のキャリア周波数をシフトさせるか、または他の様態で変更する可能性がある。これらの事例のいずれにおいても、キャリア周波数の変更は、オーディオ伝送の全部または一部を所望のオーディオチャネルの外側で発生させる可能性がある。具体例として、コンピューティングデバイスがオーディオチャネル2を使用している場合、オーディオ伝送は、F3よりも高い周波数および/またはF2よりも低い周波数を有する部分を含み得る。そのような事例では、周波数帯域502、504がオーディオチャネル2をオーディオチャネル1、3から分離していなかった場合、オーディオ伝送はオーディオチャネル1、3のうちの1つとオーバーラップし、オーディオチャネル1、3内のオーディオ伝送と干渉する可能性がある。したがって、周波数帯域502、504、506、508、510、512は、チャネル間のオーディオ伝送干渉を低減および/または防止することによって、受信される伝送の精度を向上させるのに役立ち得る。
【0036】
特定の実装形態では、オーディオチャネル1~7は等しい帯域幅BW1~7を有し得る。例えば、帯域幅1~7の各々は1kHz幅であってもよいが、他の実装形態が使用されてもよい(例えば、500Hz、2kHz、5kHzの帯域幅)。追加の実装形態または代替の実装形態では、オーディオチャネル1~7は異なる帯域幅BW1~7を有していてもよい。加えて、特定の実装形態では、周波数帯域502、504、506、508、510、512は等しい幅であってもよい。例えば、周波数帯域502、504、506、508、510、512の各々は1kHz幅であってもよいが、他の実装形態が使用されてもよい(例えば、500Hz、2kHz、5kHzの周波数帯域)。さらなる実装形態では、周波数帯域502、504、506、508、510、512は異なる幅を有していてもよい。
【0037】
特定の実装形態では、帯域幅BW1~7と周波数帯域502、504、506、508、510、512とは同じ幅を有し得る。例えば、帯域幅BW1~7と周波数帯域502、504、506、508、512とはすべて1kHzの幅を有していてもよい。そのような事例では、周波数F1は9.5kHzであってもよく、周波数F2は10.5kHzであってもよく、周波数F3は11.5kHzであってもよく、周波数F4は、12.5kHzであってもよく、周波数F5は、13.5kHzであってもよく、周波数F6は、14.5kHzであってもよく、周波数F7は、15.5kHzであってもよく、周波数F8は、16.5kHzであってもよく、周波数F9は、17.5kHzであってもよく、周波数F10は、18.5kHzであってもよく、周波数F11は、19.5kHzであってもよく、周波数F12は、20.5kHzであってもよく、周波数F13は、21.5kHzであってもよく、周波数F14は、22.5kHzであってもよい。
【0038】
オーディオチャネル分配500の代替の態様は、追加のチャネルまたはより少ないチャネルを使用し得ることを理解されたい。例えば、代替の実装形態は、10個のオーディオチャネルを含んでいてもよい。別の例として、代替の実装形態は、5つまたは6つのオーディオチャネルを含んでいてもよい。特に、2つのオーディオチャネル1~2を制御チャネルとして利用する代わりに、オーディオチャネル1のみが制御チャネルとして使用されてもよく、したがって、合計6つのオーディオチャネルが生じ得る(例えば、オーディオチャネル7は使用されない場合がある)。さらなる実装形態では、制御チャネルが使用されなくてもよく、合計5つのオーディオチャネルが生じる(例えば、オーディオチャネル6、7は使用されない場合がある)。
【0039】
図6に、本開示の例示的な態様によるシステム600を示す。システム600は、複数のオーディオチャネルを使用してオーディオ伝送を送信および受信するように構成され得る。特に、システム600はコンピューティングデバイス602、604を含み、コンピューティングデバイス602、604は、複数のオーディオチャネル606、608、610、612、614、616、618を利用してオーディオ伝送を送信するように構成され得る。コンピューティングデバイス604は、複数の他のコンピューティングデバイス(例えば、二次コンピューティングデバイス)からオーディオ伝送を受信するように構成された一次コンピューティングデバイスの例示的な実装形態であり得る。例えば、コンピューティングデバイス604は、販売時点管理(POS)デバイスに接続された販売者デバイスであってもよく、複数のコンピューティングデバイスから複数のオーディオ伝送を受信して支払いを受信および処理してもよい。特定の実装形態では、コンピューティングデバイス604は、複数のコンピューティングデバイスからオーディオ伝送を受信して処理するために、送信機/受信機アレイ300などの送信機/受信機アレイに接続され得る。
【0040】
コンピューティングデバイス602は、(例えば、支払いを処理するために)コンピューティングデバイス604にオーディオ伝送を送信するように構成された二次コンピューティングデバイスの例示的な実装形態であり得る。特定の実装形態では、コンピューティングデバイス602は、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットコンピューティングデバイス、ラップトップ、または他のパーソナルコンピューティングデバイスのうちの1つまたは複数によって実現され得る。
【0041】
コンピューティングデバイス602、604の両方が、オーディオチャネル606、608、610、612、614、616、618、オーディオチャネル606、608、610、612、614、616、618は、オーディオ伝送を送信および受信するために利用され得る。例えば、オーディオチャネル606、608、610、612、614、616、618はそれぞれ、オーディオチャネル分配500のオーディオチャネル1~7の例示的な実装形態であってもよい。特定の実装形態では、コンピューティングデバイス602、604は、オーディオチャネル606、608、610、612、614、616、618の異なるサブセットを使用してオーディオ伝送を送信および受信するように構成され得る。例えば、コンピューティングデバイス602は、オーディオチャネル610、612、614、616、618のうちの1つまたは複数を使用してオーディオ伝送を送信し、オーディオチャネル606、608を使用してオーディオ伝送を受信するように構成され得る。別の例として、コンピューティングデバイス604は、オーディオチャネル606、608を使用してオーディオ伝送を送信し、オーディオチャネル610、612、614、616、618を使用してオーディオ伝送を受信するように構成され得る。
【0042】
特に、コンピューティングデバイス604は、オーディオチャネル606を使用してビーコン620を送信するように構成され得る。ビーコン620は、コンピューティングデバイス604の識別子(例えば、固有の識別子)を含み得る。例えば、システム(例えば、オーディオ伝送システム)内の各一次コンピューティングデバイスに固有の識別子が割り当てられてもよく、コンピューティングデバイス604はビーコン620内にその対応する固有の識別子を含んでいてもよい。ビーコン620はまた、コンピューティングデバイス604によってサポートされるチャネルに関する情報も含み得る。例えば、ビーコンは、チャネルの数値識別子(例えば、チャネル1~7)を含んでいてもよく、かつ/またはサポートされるチャネルの周波数範囲を含んでいてもよい。別の例(例えば、コンピューティングデバイス604が、支払いの処理に関連してオーディオ伝送を受信するように構成された場合)として、コンピューティングデバイス604は、ビーコン620を送信する前にサーバ(例えば、決済処理サーバ)と通信してもよく、支払いを処理する際に使用するための固有の識別子(例えば、EuroPay(登録商標)、Mastercard(登録商標)、Visa(登録商標)(EMV)値を受信してもよく、オーディオ伝送624を生成する際に使用するためにビーコン620に固有の識別子を含めてもよい。追加の実装形態または代替の実装形態では、ビーコンは、(例えば、オーディオ伝送のセキュアな暗号化に使用するための)公開鍵を含んでいてもよい。
【0043】
ビーコン620は、コンピューティングデバイス604が近くに位置し、オーディオ伝送を受信することができることを他のコンピューティングデバイス602に示すために使用され得る。特に、コンピューティングデバイス604は、オーディオチャネル606を使用して一定の間隔で(例えば、0.5秒ごと、1秒ごと、2秒ごと、5秒ごとに)ビーコン620を送信し得る。他のコンピューティングデバイスは、ビーコンのためのオーディオチャネル606(例えば、オーディオチャネル606に対応する周波数間に含まれるオーディオチャネル)を介して受信されたオーディオ信号を解析して、オーディオ伝送をいつ送信することができるかを判定し得る。例えば、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624を送信する必要があり、したがって、オーディオチャネル606を介して受信された信号を解析し得る。
【0044】
オーディオチャネル606内のビーコン620を検出すると、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624を送信することができると判定し得る。特に、コンピューティングデバイス602がビーコン620を受信したので、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624を受信することができるコンピューティングデバイス604が近くに位置する可能性がある(例えば、10~200フィート以内などのオーディオ伝送範囲内)と判定し得る。したがって、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624を送信する際に使用するためのオーディオチャネル610、612、614、616、618を選択し得る。特定の実装形態では、コンピューティングデバイス602は、コンピューティングデバイス602がオーディオ伝送624を送信するために使用する構成されているオーディオチャネル610、612、614、616、618の中からランダムに選択し得る。例えば、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624を送信する際に使用するように図示されているオーディオチャネル612をランダムに選択し得る。次いで、コンピューティングデバイス602は、オーディオチャネル612を使用して(例えば、オーディオ伝送624をオーディオチャネル624のキャリア周波数に変調することによって)オーディオ伝送624を送信し、コンピューティングデバイス602の送信機を使用してオーディオ伝送を送信し得る。
【0045】
次いで、コンピューティングデバイス604は、オーディオチャネル612を介してオーディオ伝送624を受信し得る。例えば、コンピューティングデバイス604は、オーディオチャネル610、612、614、616、618の各々に対応するオーディオ信号を定期的に解析するように構成され得る。そのような解析を実行すると、コンピューティングデバイス604は、(例えば、オーディオ伝送624のプリアンブル202を検出することによって)オーディオチャネル612内のオーディオ伝送624を検出し得る。オーディオ伝送624を検出すると、コンピューティングデバイス604は、オーディオ伝送624の後続の処理を実行し得る。例えば、オーディオ伝送624が支払いを処理するために送信される場合、オーディオ伝送624は、処理されるべき支払いの指示を含み得、コンピューティングデバイス604は、(例えば、1つまたは複数の決済システムおよび/またはサーバとインターフェースすることによって)支払いの処理を進め得る。オーディオ伝送624の後続の処理を完了すると、かつ/またはオーディオ伝送624を受信すると、コンピューティングデバイス604は受信確認622を生成し得る。特定の実装形態では、受信確認622は、オーディオ伝送624内に含まれる固有の識別子(例えば、オーディオ伝送624および/またはオーディオ伝送624の発信元であるコンピューティングデバイス602の固有の識別子)などの、オーディオ伝送624の識別子を含み得る。さらなる実装形態では、受信確認622は、受信されたオーディオ伝送624の性能情報(例えば、オーディオ伝送624の信号対雑音比、オーディオ伝送624の総処理時間)を含み得る。別の例として、受信確認622は、オーディオ伝送624内に含まれるデータに応答して(例えば、データの後続の処理に基づいて)生成されてもよい。例えば、データは、オーディオ伝送624の発信元と関連付けられたユーザの認証のためのデータを含んでいてもよく、受信確認は、データを使用した認証が成功したことを示すために送信され得る。次いで、コンピューティングデバイス604は、オーディオチャネル608を使用して(例えば、受信確認622をオーディオチャネル608のキャリア信号に変調することによって)受信確認622を送信し得る。
【0046】
特定の事例では、コンピューティングデバイス604は、別のコンピューティングデバイスから(例えば、コンピューティングデバイス602と同様の別の二次コンピューティングデバイスから)別のオーディオ伝送626を受信し得る。図示のように、オーディオ伝送626は、オーディオ伝送624が受信されたオーディオチャネル612とは異なるオーディオチャネル616に沿って受信され得る。そのような事例では、オーディオ伝送626を検出すると、コンピューティングデバイス604は、受信確認622に関連して上述したのと同様の技術を使用して第2の受信確認を生成し得る。第2の受信確認は、オーディオチャネル608を使用して同様に送信され得る。特定の事例では、受信確認は、オーディオ伝送624、626が受信される順番に基づいて決定された順序で送信され得る。例えば、オーディオ伝送624がオーディオ伝送626の前に受信された場合、受信確認622は、オーディオ伝送626に対応する第2の受信確認が送信される前に、オーディオチャネル608を使用して送信され得る。追加の事例または代替の事例では、受信確認622は、オーディオ伝送624、626が処理される順番に基づいて決定された順序で送信され得る。例えば、オーディオ伝送624はオーディオ伝送626の前に受信され得るが、オーディオ伝送626の処理はオーディオ伝送624の処理が完了する前に完了され得る。そのため、オーディオ伝送626に対応する第2の受信確認は、受信確認622の前に送信され得る。
【0047】
次いで、コンピューティングデバイス602は、オーディオチャネル608を介して(例えば、オーディオチャネル608に対応する周波数範囲内のオーディオ信号を解析することによって)受信確認622を受信し得る。例えば、オーディオ伝送624を送信した後、コンピューティングデバイス602は、受信確認622を検出するために、オーディオチャネル608に対応するオーディオ信号を解析し得る。受信確認622を受信して検出すると、コンピューティングデバイス602は、受信確認622がオーディオ伝送624に応答して送信されたことを検証し得る。例えば、上述したように、受信確認622は、オーディオ伝送624の固有の識別子を含むように、かつ/またはオーディオ伝送624に基づいて生成された固有の識別子を含むように生成され得る。したがって、コンピューティングデバイス602は、受信確認622がオーディオ伝送624に応答して送信されたことを検証するために、受信確認622内に含まれる固有の識別子を解析し得る。上述したように、コンピューティングデバイス604は、複数のオーディオ伝送624、626を受信し得、各オーディオ伝送624、626に基づいて異なる受信確認を送信し得る。特定の事例では、異なるオーディオ伝送626に対する受信確認が同じオーディオチャネル608を使用して送信される場合もあり、したがって、コンピューティングデバイス602は、特定の事例では、コンピューティングデバイス602によって送信されたオーディオ伝送626以外のオーディオ伝送624に応答して送信された受信確認を検出し得る。したがって、受信された受信確認622がコンピューティングデバイス602によって送信されたオーディオ伝送624に応答して送信されたことを検証することが必要な場合がある。
【0048】
コンピューティングデバイス602が受信確認622の検証に成功した場合、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624がコンピューティングデバイス604によって正常に受信されたと判定し得る。コンピューティングデバイス602が受信確認622の検証に成功しなかった場合、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624が正常に受信されなかったと判定し得る。例えば、特定の実装形態では、コンピューティングデバイス602は、コンピューティングデバイス604からの受信確認622を所定の期間(例えば、1秒、2秒、5秒、10秒)にわたって待つように構成され得る。所定の期間にわたって待っている間に、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624に応答して送信された受信確認622のオーディオチャネル608に対応するオーディオ信号を解析し得る。そのような受信確認622が所定の期間中に受信されなかった場合、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624がコンピューティングデバイス604によって正常に受信されなかったと判定し得る。例えば、オーディオ伝送626が(例えば、第2のコンピューティングデバイスがコンピューティングデバイス602と同じオーディオチャネル612をランダムに選択したために)オーディオ伝送624と同じオーディオチャネル612を使用して送信される場合、オーディオ伝送624、626は上述したように互いに干渉する可能性がある。干渉が原因で、コンピューティングデバイス604は、オーディオ伝送624、626を検出および/または正常に処理することができない場合があり、したがって、オーディオチャネル608を介して受信確認622を送信しない場合がある。そのため、コンピューティングデバイス602は、受信確認622を受信しない場合があり、その結果、オーディオ伝送624が正常に送信されなかったと判定し得る。
【0049】
オーディオ伝送624が正常に送信されなかったと判定したことに応答して、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624を再び送信し得る。特に、コンピューティングデバイス602は、2回目のオーディオ伝送624の送信に別のオーディオチャネル610、612、614、616、618を選択し得る。特定の事例では、コンピューティングデバイス602は、オーディオチャネル610、612、614、616、618を再びランダムに選択し得る。さらなる実装形態では、コンピューティングデバイス602は、1回目にオーディオ伝送624を送信するために使用するのに失敗したオーディオチャネル612をランダム選択プロセスから除外し得る。例えば、オーディオ伝送624を再送信する間に、コンピューティングデバイス602は、オーディオチャネル610、614、616、618の中からランダムに選択し得る。特に、オーディオ伝送624がオーディオチャネル612を使用して正常に送信されなかったと判定すると、コンピューティングデバイス602は、オーディオチャネル612は所定の期間(例えば、5秒、10秒、30秒、1分)にわたってオーディオ伝送を送信するために使用されるべきではないという指示を格納し得る。
【0050】
コンピューティングデバイス602は、上述したプロセスを所定の回数繰り返し得る。例えば、コンピューティングデバイス602は、最大で所定数の試行(例えば、3回の試行、4回の試行、5回の試行)にわたってオーディオ伝送624を送信および/または再送信するように構成され得る。オーディオ伝送624が所定数の試行で正常に送信されなかった場合、コンピューティングデバイス602は、(例えば、あまりにも多くの他のコンピューティングデバイスがコンピューティングデバイス604にオーディオ伝送を送信しているため、および/またはコンピューティングデバイス602がコンピューティングデバイス604からあまりにも遠くに移動したために)オーディオ伝送624を現在の条件下で送信することができないと判定し得る。そのような事例では、コンピューティングデバイス602は、エラーメッセージを生成し、例えばコンピューティングデバイス602のユーザに表示し得る。エラーメッセージは、オーディオ伝送が現在の条件下で利用できず、可能であれば、必要な情報を送信するために他の技術が使用されるべきであることを示し得る。例えば、ユーザが支払いを処理するためにオーディオ伝送624を送信している場合、エラーメッセージは、ユーザが代替の決済システム(例えば、物理的なクレジットカード)を使用すべきであることを示し得る。
【0051】
上述した例では、コンピューティングデバイス604は、2つのオーディオチャネル606、608、すなわち、ビーコン620の送信のための1つのオーディオチャネル606と、受信確認622の送信のための別のオーディオチャネル608とを使用して送信するように構成される。特定の実装形態では、より多くのまたはより少ないオーディオチャネルが、コンピューティングデバイス604によって、オーディオ伝送(例えば、ビーコンおよび/または受信確認)の送信のために使用されてもよいことを理解されたい。例えば、コンピューティングデバイス604は、ビーコン620と受信確認622の両方の送信に単一のオーディオチャネル606を使用してもよい。具体例として、コンピューティングデバイス604は、通常、オーディオチャネル606を使用して一定の間隔でビーコンを送信し得るが、受信確認622が送信される必要があるときにはビーコン620の送信を控えてもよく、オーディオチャネル606を使用して受信確認622を送信し得る。別の例では、コンピューティングデバイス604は、ビーコン620および/または受信確認622の送信のために(例えば、上述したのと同様の技術を使用してオーディオチャネル610、612、614、616、618をランダムに選択することによって)オーディオチャネル610、612、614、616、618を使用し得る。さらなる実装形態では、コンピューティングデバイス604は、受信確認622を送信するために複数のオーディオチャネル608を使用し得る。例えば、コンピューティングデバイス604は、受信確認622を送信するための2つ以上のオーディオチャネルを含んでいてもよい。具体例として、コンピューティングデバイス604は、オーディオ伝送624に応答して1つのオーディオチャネルを使用して受信確認622を送信し得、オーディオ伝送626に応答して別のチャネルを使用して第2の受信確認を送信し得る。そのような実装形態では、コンピューティングデバイス602は、受信確認622のために両方のオーディオチャネルを解析するように構成され得る。特定の実装形態では、コンピューティングデバイス604によって使用されるオーディオチャネル606、608は、追加的または代替的に、ビーコンの送信および受信確認の受信以外の他の目的に使用されてもよい。例えば、オーディオチャネル606、608は、コンピューティングデバイス604から利用可能なサービス、コンピューティングデバイス604によってサポートされるオーディオチャネル、コンピューティングデバイス604によってサポートされるデータレート、コンピューティングデバイス604によってサポートされる暗号化技術、コンピューティングデバイス602、604間の現在の通信性能に関する情報、およびコンピューティングデバイス602、604間の通信のためのレート折衝(例えば、必要な通信速度の折衝)のうちの1つまたは複数に関する情報を送信および/または受信するために使用されてもよい。
【0052】
図7に、本開示の例示的な態様による方法700を示す。方法700は、オーディオ伝送の送信のために複数のオーディオチャネルの中から選択するために実行され得る。例えば、方法700は、オーディオ伝送624の送信のためのオーディオチャネル610、612、614、616、618を選択するためにコンピューティングデバイス602によって実行され得る。方法700は、システム600などのコンピュータシステム上で実施され得る。方法700はまた、プロセッサによって実行されると、コンピュータシステムに方法700を実行させる、コンピュータ可読媒体に格納された命令セットによって実装されてもよい。例えば、方法700の全部または一部が、コンピューティングデバイス602のプロセッサおよび/またはメモリによって実施されてもよい。以下の例は、図7に示されるフローチャートを参照して説明されるが、図7と関連付けられた動作を行う多くの他の方法が使用されてもよい。例えば、ブロックの一部の順序が変更されてもよく、特定のブロックが他のブロックと組み合わされてもよく、ブロックのうちの1つまたは複数が繰り返されてもよく、記載されるブロックのうちの一部が任意選択であってもよい。
【0053】
方法700は、第1のオーディオチャネルを選択することから開始し得る(ブロック702)。例えば、コンピューティングデバイス602は、第1のオーディオチャネル612を選択し得る。特に、コンピューティングデバイス602は、特定の周波数範囲に各々対応し得る1つまたは複数のオーディオチャネル610、612、614、616、618を使用して送信するように構成され得る。コンピューティングデバイス602は、オーディオチャネル610、612、614、616、618の中からランダムに選択するように構成され得る。例えば、コンピューティングデバイス602は、15.5kHz~16.5kHzの周波数範囲に対応し得るオーディオチャネル612をランダムに選択し得る。
【0054】
第1のオーディオ伝送は、第1のオーディオチャネルを使用して送信され得る(ブロック704)。例えば、コンピューティングデバイス602は、第1のオーディオチャネル612を使用して第1のオーディオ伝送624を送信し得る。第1のオーディオ伝送を送信するために、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624をオーディオチャネル612と関連付けられたキャリア周波数に変調し得る。上述したように、オーディオチャネルに対応するキャリア周波数は、オーディオチャネルの周波数範囲内の周波数の中間周波数および/または中間周波数範囲を含み得る。具体例として、オーディオチャネル612のためのキャリア周波数は、16kHzであってもよく、かつ/または15.9~16.1kHzであってもよい。コンピューティングデバイス602は、コンピューティングデバイス602の送信機を使用して、オーディオチャネル612のキャリア周波数に変調されたオーディオ伝送624を送信し得る。例えば、コンピューティングデバイス602がスマートフォンである場合、コンピューティングデバイス602は、スマートフォン内に含まれるスピーカを使用して、キャリア周波数に変調されたオーディオ伝送624を送信し得る。
【0055】
コンピューティングデバイスは、第2のオーディオ伝送を待ち得る(ブロック706)。第2のオーディオ伝送は、第1のオーディオ伝送を受信するように構成された一次コンピューティングデバイス604によって送信され得る。一次コンピューティングデバイス604は、コンピューティングデバイス602などのコンピューティングデバイスからオーディオ伝送624を受信したことに応答して、第2のタイプのオーディオ伝送(例えば、受信確認622)を生成および送信するように構成され得る。そのため、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624がコンピューティングデバイス604によって正常に受信されたことを示すコンピューティングデバイス604からの第2のオーディオ伝送を待ち得る。特に、コンピューティングデバイス602は、コンピューティングデバイス6042によってオーディオチャネル608などのオーディオ伝送を送信する使用される1つまたは複数の別個の所定のオーディオチャネルに沿って第2のオーディオ伝送を受信するのを待ち得る。特定の実装形態では、コンピューティングデバイス602は、第2のオーディオ伝送を所定の期間(例えば、1秒、2秒、5秒、10秒)にわたって待つように構成され得る。
【0056】
次いで、コンピューティングデバイス602は、第2のオーディオ伝送が受信されたかどうかを判定し得る(ブロック708)。例えば、コンピューティングデバイス602は、(例えば、オーディオチャネル608を介して)コンピューティングデバイス604から第2のオーディオ伝送(例えば、受信確認622)を受信し得る。そのようなオーディオ伝送を受信すると、コンピューティングデバイス602は、上述したように、オーディオ伝送624を受信したことに応答して第2のオーディオ伝送が送信されたことを検証し得る。コンピューティングデバイス602が第2のオーディオ伝送の検証に成功した場合、コンピューティングデバイス602は、第2のオーディオ伝送が受信されたと判定し得る。これに応答して、コンピューティングデバイス602は、第1のオーディオ伝送が正常に送信されたと判定し得る(ブロック710)。例えば、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624が第1のオーディオチャネル612を使用してコンピューティングデバイス604に正常に送信されたと判定し得る。特定の実装形態では、コンピューティングデバイス602が(例えば、後の時点で)続いて新しいオーディオ伝送を送信する必要があるとき、コンピューティングデバイス602は、方法700を繰り返して、新しいオーディオ伝送を送信する際に使用するためのオーディオチャネルを選択し得る。
【0057】
コンピューティングデバイス602が第2のオーディオ伝送の検証に成功しなかった場合、コンピューティングデバイス602は、ブロック706に関連して上述したように、第2のオーディオ伝送を待ち続けてもよい。例えば、コンピューティングデバイス602は、最大で所定の期間にわたって、検証に成功した第2のオーディオ伝送を受信するのを待ち続けてもよい。所定の期間の後、コンピューティングデバイス602が第2のオーディオ伝送を受信していない場合、および/または受信されたオーディオ伝送の検証に成功していない場合、コンピューティングデバイス602は、第2のオーディオ伝送が受信されなかったと判定し得る。したがって、上述したように、コンピューティングデバイス602は、オーディオ伝送624が第1のオーディオチャネル612を使用してコンピューティングデバイス604に正常に送信されなかったと判定し得る。そのため、コンピューティングデバイス602はブロック702に戻って、第2のオーディオチャネル(例えば、ランダムに選択された第2のオーディオチャネル)を使用してオーディオ伝送624を選択し送信し得る。
【0058】
方法700を実行することにより、コンピューティングデバイス602は、複数のオーディオチャネルを使用してオーディオ伝送を送信することができ、同時にまた、他のチャネルが他のコンピューティングデバイスによって使用されているときに、これに応答してオーディオチャネルを切り替えることもできる。さらに、オーディオ伝送を送信するためにオーディオチャネルをランダムに選択することにより、方法700は、複数のコンピューティングデバイスが同じオーディオチャネルを選択するリスクを低減する。そのため、方法700は、複数のコンピューティングデバイス602がオーディオ伝送を使用して同時に同じコンピューティングデバイス604と通信することを可能にし得る一方で、代替のオーディオチャネルを使用して再ブロードキャストされる必要があるオーディオ伝送の数を減らすことも可能にする。したがってそのような技術は、コンピューティングデバイス604の全体的なシステム帯域幅およびオーディオ伝送スループットを増加させ、コンピューティングデバイス602からのオーディオ伝送624、626を受信して処理するために必要な一次コンピューティングデバイス604の数を低減させる。加えて、方法700は、コンピューティングデバイス602、604が、TDMAなどの以前のチャネル選択プロトコルとは異なり、データを含むオーディオ伝送と互換性のある方法で複数のチャネルを使用して通信することを可能にする。
【0059】
図8に、コンピューティングデバイス102、104、602などの図1のデバイスおよび/または構成要素のうちの1つまたは複数を実装するために利用され得る例示的なコンピュータシステム800を示す。特定の態様では、1つまたは複数のコンピュータシステム800は、本明細書に記載または図示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数の工程を実行する。特定の態様では、1つまたは複数のコンピュータシステム800は、本明細書に記載または図示される機能を提供する。特定の態様では、1つまたは複数のコンピュータシステム800上で動作するソフトウェアが、本明細書に説明もしくは図示される1つもしくは複数の方法の1つもしくは複数の工程を実行するか、または本明細書に記載もしくは図示される機能を提供する。特定の態様は、1つまたは複数のコンピュータシステム800の1つまたは複数の部分を含む。本明細書において、コンピュータシステムと言う場合それは、適切な場合には、コンピューティングデバイスを包含してもよく、逆もまた同様である。さらに、コンピュータシステムという場合それは、適切な場合には、1つまたは複数のコンピュータシステムを包含し得る。
【0060】
本開示は、任意の適切な数のコンピュータシステム800を企図している。本開示は、任意の適切な物理的形態をとるコンピュータシステム800を企図している。限定ではなく、例として、コンピュータシステム800は、組み込みコンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、シングルボード・コンピュータ・システム(SBC)(例えば、コンピュータ・オン・モジュール(COM)やシステム・オン・モジュール(SOM)など)、デスクトップ・コンピュータ・システム、ラップトップもしくはノートブック・コンピュータ・システム、インタラクティブキオスク、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、サーバ、タブレット・コンピュータ・システム、拡張/仮想現実デバイス、またはこれらのうちの2つ以上の組み合わせであってもよい。適切な場合には、コンピュータシステム800は、1つもしくは複数のコンピュータシステム800を含んでいてもよく、単一であるかもしくは分散されていてもよく、複数の場所にまたがっていてもよく、複数の機械にまたがっていてもよく、複数のデータセンターにまたがっていてもよく、または1つもしくは複数のネットワーク内の1つもしくは複数のクラウドコンポーネントを含み得るクラウド内に存在していてもよい。適切な場合には、1つまたは複数のコンピュータシステム800は、本明細書に記載または図示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数の工程を、実質的な空間的または時間的制限なしに実行し得る。限定ではなく、例として、1つまたは複数のコンピュータシステム800は、本明細書に記載または図示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数の工程を、リアルタイムまたはバッチモードで実行し得る。1つまたは複数のコンピュータシステム800は、適切な場合には、本明細書に記載または図示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数の工程を、異なる時刻に、または異なる場所で実行し得る。
【0061】
特定の態様では、コンピュータシステム800は、プロセッサ806と、メモリ804と、ストレージ808と、入力/出力(I/O)インターフェース810と、通信インターフェース812とを含む。本開示は、特定の数の特定の構成要素を特定の配置において有する特定のコンピュータシステムを記載および図示しているが、本開示は、任意の適切な数の任意の適切な構成要素を、任意の適切な配置において有する任意の適切なコンピュータシステムを企図している。
【0062】
特定の態様では、プロセッサ806は、コンピュータプログラムを構成するものなどの命令を実行するためのハードウェアを含む。限定ではなく、例として、命令を実行するために、プロセッサ806は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ804、またはストレージ808から命令を取り出し(またはフェッチし)、命令を復号および実行し、次いで、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ804、またはストレージ808に1つまたは複数の結果を書き込み得る。特定の態様では、プロセッサ806は、データ、命令、またはアドレスのための1つまたは複数の内部キャッシュを含み得る。本開示は、適切な場合には、任意の適切な数の任意の適切な内部キャッシュを含むプロセッサ806を企図している。限定ではなく、例として、プロセッサ806は、1つまたは複数の命令キャッシュ、1つまたは複数のデータキャッシュ、および1つまたは複数のトランスレーション・ルックアサイド・バッファ(TLB)を含み得る。命令キャッシュ内の命令は、メモリ804またはストレージ808内の命令のコピーであってもよく、命令キャッシュは、プロセッサ806によるそれらの命令の取り出しを高速化し得る。データキャッシュ内のデータは、コンピュータ命令によって操作されるべきメモリ804またはストレージ808内のデータのコピー;後続の命令からアクセス可能な、またはメモリ804もしくはストレージ808に書き込むための、プロセッサ806によって実行された前の命令の結果;または任意の他の適切なデータであってもよい。データキャッシュは、プロセッサ806による読み出しまたは書き込み動作を高速化し得る。TLBは、プロセッサ806のための仮想アドレス変換を高速化し得る。特定の態様においては、プロセッサ806は、データ、命令、またはアドレスのための1つまたは複数の内部レジスタを含み得る。本開示は、適切な場合には、任意の適切な数の任意の適切な内部レジスタを含むプロセッサ806を企図している。適切な場合には、プロセッサ806は、1つまたは複数の算術論理演算装置(ALU)を含んでいてもよく、マルチコアプロセッサであってもよく、1つまたは複数のプロセッサ806を含んでいてもよい。本開示は、特定のプロセッサを記載および図示しているが、本開示は、任意の適切なプロセッサを企図している。
【0063】
特定の態様では、メモリ804は、プロセッサ806が実行するための命令またはプロセッサ806が動作するためのデータを格納するためのメインメモリを含む。限定ではなく、例として、コンピュータシステム800は、ストレージ808または別のソース(別のコンピュータシステム800など)からメモリ804に命令をロードし得る。次いで、プロセッサ806は、メモリ804から内部レジスタまたは内部キャッシュに命令をロードし得る。命令を実行するために、プロセッサ806は、内部レジスタまたは内部キャッシュから命令を取り出し、それらを復号し得る。命令の実行中または実行後に、プロセッサ806は、(中間結果または最終結果であり得る)1つまたは複数の結果を内部レジスタまたは内部キャッシュに書き込み得る。次いで、プロセッサ806は、それらの結果のうちの1つまたは複数をメモリ804に書き込み得る。特定の態様では、プロセッサ806は、(ストレージ808または他の場所ではなく)1つまたは複数の内部レジスタまたは内部キャッシュまたはメモリ804内の命令のみを実行し、(ストレージ808または他の場所ではなく)1つまたは複数の内部レジスタまたは内部キャッシュまたはメモリ804内のデータのみに対して動作する。(アドレスバスおよびデータバスを各々含み得る)1つまたは複数のメモリバスが、プロセッサ806をメモリ804に結合し得る。バスは、以下でさらに詳細に説明するように、1つまたは複数のメモリバスを含み得る。特定の態様では、プロセッサ806とメモリ804との間に1つまたは複数のメモリ管理ユニット(MMU)が存在し、プロセッサ806によって要求されたメモリ804へのアクセスを容易にする。特定の態様では、メモリ804は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。このRAMは、適切な場合には、揮発性メモリであってもよい。適切な場合には、このRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)またはスタティックRAM(SRAM)であってもよい。さらに、適切な場合には、このRAMは、シングルポートRAMまたはマルチポートRAMであってもよい。本開示は、任意の適切なRAMを企図している。メモリ804は、適切な場合には、1つまたは複数のメモリ804を含み得る。本開示は、特定のメモリ実装形態を記載および図示しているが、本開示は、任意の適切なメモリ実装形態を企図している。
【0064】
特定の態様では、ストレージ808は、データまたは命令のための大容量ストレージを含む。限定ではなく、例として、ストレージ808は、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、フロッピー・ディスク・ドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、もしくはユニバーサル・シリアル・バス(USB)ドライブ、またはこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。ストレージ808は、適切な場合には、取り外し可能または取り外し不可能な(または固定された)媒体を含み得る。ストレージ808は、適切な場合には、コンピュータシステム800の内部または外部にあってもよい。特定の態様では、ストレージ808は、不揮発性ソリッドステートメモリである。特定の態様では、ストレージ808は、読み出し専用メモリ(ROM)を含む。適切な場合には、このROMは、マスクプログラムROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的変更可能ROM(EAROM)、またはフラッシュメモリ、またはこれらのうちの2つ以上の組み合わせであってもよい。本開示は、任意の適切な物理的形態をとる大容量ストレージ808を企図している。ストレージ808は、適切な場合には、プロセッサ806とストレージ808との間の通信を容易にする1つまたは複数のストレージ制御ユニットを含み得る。適切な場合には、ストレージ808は、1つまたは複数のストレージ808を含み得る。本開示は、特定のストレージを記載および図示しているが、本開示は、任意の適切なストレージを企図している。
【0065】
特定の態様では、I/Oインターフェース810は、コンピュータシステム800と1つまたは複数のI/Oデバイスとの間の通信のための1つまたは複数のインターフェースを提供するハードウェア、ソフトウェア、またはその両方を含む。コンピュータシステム800は、適切な場合には、これらのI/Oデバイスのうちの1つまたは複数を含み得る。これらのI/Oデバイスのうちの1つまたは複数は、人(すなわち、ユーザ)とコンピュータシステム800との間の通信を可能にし得る。限定ではなく、例として、I/Oデバイスは、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、モニタ、スクリーン、ディスプレイパネル、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカ、スチルカメラ、スタイラス、タブレット、タッチスクリーン、トラックボール、ビデオカメラ、別の適切なI/Oデバイス、またはこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。I/Oデバイスは、1つまたは複数のセンサを含み得る。適切な場合には、I/Oインターフェース810は、プロセッサ806がこれらのI/Oデバイスのうちの1つまたは複数を駆動することを可能にする1つまたは複数のデバイスまたはソフトウェアドライバを含み得る。I/Oインターフェース810は、適切な場合には、1つまたは複数のI/Oインターフェース810を含み得る。本開示は、特定のI/Oインターフェースを記載および図示しているが、本開示は、任意の適切なI/OインターフェースまたはI/Oインターフェースの組み合わせを企図している。
【0066】
特定の態様では、通信インターフェース812は、コンピュータシステム800と1つもしくは複数の他のコンピュータシステム800または1つもしくは複数のネットワーク814との間の通信(例えば、パケットベースの通信など)のための1つまたは複数のインターフェースを提供するハードウェア、ソフトウェア、またはその両方を含む。限定ではなく、例として、通信インターフェース812は、イーサネットもしくは任意の他の有線ベースのネットワークと通信するためのネットワーク・インターフェース・コントローラ(NIC)もしくはネットワークアダプタ、またはWi-Fiネットワークなどの無線ネットワークと通信するための無線NIC(WNIC)もしくは無線アダプタを含み得る。本開示は、任意の適切なネットワーク814およびネットワーク814のための任意の適切な通信インターフェース812を企図している。限定ではなく、例として、ネットワーク814は、アドホックネットワーク、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、またはインターネットの1つもしくは複数の部分、またはこれらのうちの2つ以上の組み合わせのうちの1つまたは複数を含み得る。これらのネットワークのうちの1つまたは複数の1つまたは複数の部分が、有線または無線であってもよい。一例として、コンピュータシステム800は、無線PAN(WPAN)(例えば、Bluetooth(登録商標)WPANなど)、WI-FIネットワーク、WI-MAXネットワーク、セルラー電話網(例えば、グローバル移動体通信システム(GSM)ネットワーク)、または任意の他の適切な無線ネットワーク、またはこれらのうちの2つ以上の組み合わせと通信し得る。コンピュータシステム800は、適切な場合には、これらのネットワークのいずれかのための任意の適切な通信インターフェース812を含み得る。通信インターフェース812は、適切な場合には、1つまたは複数の通信インターフェース812を含み得る。本開示は、特定の通信インターフェース実装形態を記載および図示しているが、本開示は、任意の適切な通信インターフェース実装形態を企図している。
【0067】
コンピュータシステム802はまた、バスも含み得る。バスは、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両方を含んでいてもよく、コンピュータシステム800の構成要素を互いに通信可能に結合し得る。限定ではなく、例として、バスは、アクセラレーテッド・グラフィックス・ポート(AGP)・バスもしくは任意の他のグラフィックスバス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、HYPERTRANSPORT(HT)相互接続、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、INFINIBAND相互接続、low-pin-count(LPC)バス、メモリバス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、周辺機器相互接続(PCI)バス、PCIエクスプレス(PCIe)バス、シリアル・アドバンスト・テクノロジー・アタッチメント(SATA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション・ローカル・バス(VLB)、または別の適切なバス、またはこれらのバスのうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。バスは、適切な場合には、1つまたは複数のバスを含み得る。本開示は、特定のバスを記載および図示しているが、本開示は、任意の適切なバスまたは相互接続を企図している。
【0068】
本明細書において、1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体は、適切な場合には、1つまたは複数の半導体ベースまたは他のタイプの集積回路(IC)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)や特定用途向けIC(ASIC))、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピー・ディスク、フロッピー・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、SDカードもしくはドライブ、任意の他の適切なコンピュータ可読非一時的記憶媒体、またはこれらのうちの2つ以上の任意の適切な組み合わせを含み得る。コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、適切な場合には、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性との組み合わせであってもよい。
【0069】
本明細書において、「または」は、他に明示的に示されていない限り、または文脈により他意に解されるのでない限り、包括的であり、排他的ではない。したがって、本明細書では、「AまたはB」は、他に明示的に示されていない限り、または文脈により他意に解されるのでない限り、「A、B、またはその両方」を意味する。さらに、「および」は、他に明示的に示されていない限り、または文脈により他意に解されるのでない限り、結合と個別の両方である。したがって、本明細書では、「AおよびB」は、他に明示的に示されていない限り、または文脈により他意に解されるのでない限り、「AとBの両方または個別のAおよびB」意味する。
【0070】
本開示の範囲は、当業者が理解するであろう、本明細書に記載または図示される例示的な態様に対するすべての変更、置換、変形、改変、および修正を包含する。本開示の範囲は、本明細書に記載または図示される例示的な態様に限定されない。さらに、本開示は、特定の構成要素、要素、特徴、機能、動作、または工程を含むものとして、本明細書においてそれぞれの態様を記載および図示しているが、これらの態様のいずれも、当業者が理解するであろう、本明細書のどこかに記載または図示されている構成要素、要素、特徴、機能、動作、または工程のいずれかの任意の組み合わせまたは順列を含み得る。さらに、特定の機能を実行するように適合され、配置され、能力があり、構成され、使用可能とされ、動作可能であり、または動作する装置またはシステムまたは装置もしくはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲における言及は、その装置、システム、または構成要素が、そのように適合され、配置され、可能であり、構成され、使用可能とされ、動作可能であり、または動作する限り、それまたはその特定の機能が作動され、オンにされ、またはロック解除されるか否かにかかわらず、その装置、システム、構成要素を包含する。加えて、本開示は、特定の利点を提供するものとして特定の態様を記載または図示しているが、特定の態様は、これらの利点のいずれも提供しない場合もあり、またはその一部もしくはすべてを提供する場合もある。
【0071】
本開示に記載された開示の方法および手順のすべてを、1つまたは複数のコンピュータプログラムまたは構成要素を使用して実装することができる。これらの構成要素は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気ディスクもしくは光ディスク、光メモリ、または他の記憶媒体などの、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含む、任意の従来のコンピュータ可読媒体または機械可読媒体上の一連のコンピュータ命令として提供されてもよい。命令は、ソフトウェアまたはファームウェアとして提供されてもよく、ASIC、FPGA、DSP、または任意の他の同様のデバイスなどのハードウェア構成要素において全体的または部分的に実装されてもよい。命令は、一連のコンピュータ命令を実行すると、開示の方法および手順の全部または一部を実行するか、またはその実行を円滑化する1つまたは複数のプロセッサによって実行されるように構成されてもよい。
【0072】
当業者には本明細書に記載された例に対する様々な変更および修正が明らかであることを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を損なうことなく行うことができる。したがって、そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】