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特表2023-518447注文の生産スケジューリング方法、システム、装置及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-01
(54)【発明の名称】注文の生産スケジューリング方法、システム、装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230424BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556218
(86)(22)【出願日】2021-01-25
(85)【翻訳文提出日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 CN2021073575
(87)【国際公開番号】W WO2021196837
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】202010247982.X
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522147311
【氏名又は名称】北京京邦▲達▼▲貿▼易有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGBANGDA TRADE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 101, 1st Floor, No.2 Building, No.20 Suzhou Street, Haidian District Beijing 100080, China
(71)【出願人】
【識別番号】521456922
【氏名又は名称】北京京東振世信息技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Jingdong Zhenshi Information Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】6th Floor, No.76 Zhichun Road, Haidian District, Beijing 100086, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ジィエンチィ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
(57)【要約】
注文の生産スケジューリング方法、生産スケジューリング装置、電子機器及びコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、当該方法は、作業ステーションの複数のラックバッファ位置からターゲットバッファ位置を特定すること(S210)と、複数のラックのラック情報を取得し、複数の処理対象注文を取得し、ラック情報及び処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定すること(S240)と、制御情報を出力することによって、ラックをターゲットバッファ位置に移動すること(S250)と、複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定すること(S260)とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業ステーションの複数のラックバッファ位置から、ターゲットバッファ位置を特定することと、
複数のラックの、複数のラックのうちの各ラックに積載された貨物の貨物情報を含むラック情報を取得することと、
未始動注文と始動済未完了注文を含む複数の処理対象注文を取得することと、
前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定することと、
制御情報を出力することによって、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動することと、
前記複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定することと、を含む、
注文の生産スケジューリング方法。
【請求項2】
前記作業ステーションの複数のラックバッファ位置から、ターゲットバッファ位置を特定することは、
前記複数のラックバッファ位置の状態情報を取得することと、
前記状態情報に基づいて、前記複数のラックバッファ位置から空き状態にあるラックバッファ位置を前記ターゲットバッファ位置として特定することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定することは、
前記複数のラックのうちの各ラックに対して、前記ラックに積載された、前記複数の処理対象注文における貨物、又は前記始動済未完了注文における貨物を含むピッキング可能な貨物の数を特定することと、
前記複数のラックのうちの各ラックに対して、前記ラックに積載された貨物の緊急需要度を特定することと、
前記ピッキング可能な貨物の数及び貨物の緊急需要程度に基づいて、前記複数のラックから作業ステーションに移動する次のラックを特定することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記貨物の緊急需要度は、注文出庫期限までの時間長さに基づいて特定され、及び/又は、
前記貨物の緊急需要度は、始動済未完了注文の完成度に基づいて特定され、前記完成度は、前記始動済未完了注文においてピッキングが完了した貨物数が総貨物数に占める比率に基づいて特定される、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定することは、さらに、
注文出庫期限を監視し、出庫期限が第1閾値よりも小さい緊急注文が存在する場合、前記緊急注文を優先的に処理することを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定することは、
複数の処理対象注文のうちの各処理対象注文が現在前記複数のラックバッファ位置にあるラックによって満たされる割合を被覆率として特定し、前記被覆率が第2閾値よりも高い処理対象注文をピッキング対象注文として特定することと、
複数の処理対象注文のうちの複雑な注文をピッキング対象注文とし、前記複雑な注文は、含まれる貨物のカテゴリ数が第3閾値よりも大きい注文であることと、
注文出庫期限までの時間長さに基づいて、複数の処理対象注文から一部の注文をピッキング対象注文として特定することと、のうちの少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記制御情報を出力することによって、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動することは、
搬送ロボットに制御情報を送信することによって、前記搬送ロボットが前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に搬送するように制御すること、又は、
前記ラックに制御情報を送信することによって、前記ラックが前記ターゲットバッファ位置に移動するように制御すること、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
作業ステーションの複数のラックバッファ位置から、ターゲットバッファ位置を特定するための第1選択モジュールと、
複数のラックの、複数のラックのうちの各ラックに積載された貨物情報を含むラック情報を取得するための第1取得モジュールと、
未始動注文と始動済未完了注文を含む複数の処理対象注文を取得するための第2取得モジュールと、
前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定するための特定モジュールと、
制御情報を出力することによって、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動するための出力モジュールと、
前記複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定するための第2選択モジュールと、を含む、
注文の生産スケジューリング装置。
【請求項9】
前記第1選択モジュールは、具体的に、
前記複数のラックバッファ位置の状態情報を取得すること、および、
前記状態情報に基づいて、前記複数のラックバッファ位置から空き状態にあるラックバッファ位置を前記ターゲットバッファ位置として特定することのために用いられる、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記特定モジュールは、具体的に、
複数のラックのうちの各ラックに対して、ラックに積載された、複数の処理対象注文における貨物、又は始動済未完了注文における貨物を含むピッキング可能な貨物の数を特定すること、
複数のラックのうちの各ラックに対して、ラックに積載された貨物の緊急需要程度を特定すること、および、
ピッキング可能な貨物の数及び貨物の緊急需要程度に基づいて、複数のラックから作業ステーションに移動する次のラックを特定することのために用いられる、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記ピッキング対象注文に対応する少なくとも一つの出庫容器を特定し、前記少なくとも一つの出庫容器によってピッキングを行うための出庫モジュールをさらに含む、
請求項8に記載の装置。
【請求項12】
プロセッサと、
コンピュータ読取可能な命令が記憶され、前記命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサに請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行させるメモリと、を含む、
電子機器。
【請求項13】
コンピュータ読取可能な命令が記憶されるコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサに請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行させる、
コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連引用]
本開示は、2020年03月31日に提出された出願番号が202010247982.Xである中国出願の優先権を要求し、当該優先権出願の全文は、援用により本出願に組み込まれる。
本開示は、倉庫貯蔵物流の技術分野に関し、より具体的には、注文の生産スケジューリング方法、システム、装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子商務の益々の発展に伴い、人々は、ネットワークから商品を購入することにますます慣れており、これは、倉庫貯蔵物流システムに大きなチャレンジをもたらす。如何にしてピッキング梱包をより効率的に完了して、物流によってユーザに渡すかは、早急に解決すべき問題となる。
【0003】
いくつかの倉庫において、ラックを作業ステーションに自動的に移動することができ、作業者によって注文または集合リストに応じてラックから出庫容器にピッキングする。一つのラックの貨物をピッキングした後、当該ラックが元の位置に移動し、新たなラックが作業ステーションに移動し、このように繰り返す。ここで、一つの出庫容器は、一つの集合リストの貨物を格納するために用いられる。したがって、当該技術において集合リストに応じて一連のラックを作業ステーションまで調達する必要があり、これによって作業ステーションの前のバッファ位置がすべて占められ、メイン通路を占用して渋滞が発生する可能性がある。この生産スケジューリング方法に基づいてピッキングする効率は低く、ピッキング効率を向上させるために新たな方式が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本開示は、注文の生産スケジューリング方法、システム、装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一局面は、注文の生産スケジューリング方法であって、作業ステーションの複数のラックバッファ位置からターゲットバッファ位置を特定することと、複数のラックの、複数のラックのうちの各ラックに積載された貨物の貨物情報を含むラック情報を取得することと、未始動注文と始動済未完了注文を含む複数の処理対象注文を取得することと、前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定することと、制御情報を出力することによって、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動することと、前記複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定することと、を含む注文の生産スケジューリング方法を提供する。選択的には、前記作業ステーションの複数のラックバッファ位置から、ターゲットバッファ位置を特定することは、前記複数のラックバッファ位置の状態情報を取得することと、前記状態情報に基づいて、前記複数のラックバッファ位置から空き状態にあるラックバッファ位置を前記ターゲットバッファ位置として特定することとを含む。
【0006】
選択的には、前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定することは、前記複数のラックのうちの各ラックに対して、前記ラックに積載された、前記複数の処理対象注文における貨物、又は前記始動済未完了注文における貨物を含むピッキング可能な貨物の数を特定することと、前記複数のラックのうちの各ラックに対して、前記ラックに積載された貨物の緊急需要度を特定することと、前記ピッキング可能な貨物の数及び貨物の緊急需要程度に基づいて、前記複数のラックから作業ステーションに移動する次のラックを特定することと、を含む。
【0007】
選択的には、前記貨物の緊急需要度は、注文出庫期限までの時間長さに基づいて特定される。
【0008】
選択的には、前記貨物の緊急需要度は、始動済未完了注文の完成度に基づいて特定され、前記完成度は、前記始動済未完了注文においてピッキングが完了した貨物数が総貨物数に占める比率に基づいて特定される。
【0009】
選択的には、前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定することは、さらに、注文出庫期限を監視し、出庫期限が第1閾値よりも小さい緊急注文が存在する場合、前記緊急注文を優先的に処理することを含む。
【0010】
選択的には、前記複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定することは、複数の処理対象注文のうちの各処理対象注文が現在前記複数のラックバッファ位置にあるラックによって満たされる割合を被覆率として特定し、前記被覆率が第2閾値よりも高い処理対象注文をピッキング対象注文として特定することを含む。
【0011】
選択的には、前記複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定することは、複数の処理対象注文のうちの複雑な注文をピッキング対象注文とし、前記複雑な注文は、含まれる貨物のカテゴリ数が第3閾値よりも大きい注文であることを含む。
【0012】
選択的には、前記複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定することは、注文出庫期限までの時間長さに基づいて、複数の処理対象注文から一部の注文をピッキング対象注文として特定することを含む。
【0013】
選択的には、前記制御情報を出力することによって、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動することは、搬送ロボットに制御情報を送信することによって、前記搬送ロボットが前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に搬送するように制御することを含む。
【0014】
選択的には、前記制御情報を出力することによって、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動することは、前記ラックに制御情報を送信することによって、前記ラックが前記ターゲットバッファ位置に移動するように制御することを含む。
【0015】
本開示の別の局面は、注文の生産スケジューリング装置を提供し、第1選択モジュールと、第1取得モジュールと、第2取得モジュールと、特定モジュールと、出力モジュールと、第2選択モジュールとを含む。第1選択モジュールは、作業ステーションの複数のラックバッファ位置から、ターゲットバッファ位置を特定するために用いられる。第1取得モジュールは、複数のラックのラック情報を取得するために用いられ、前記ラック情報は、複数のラックのうちの各ラックに積載された貨物情報を含む。第2取得モジュールは、複数の処理対象注文を取得するために用いられ、前記処理対象注文は、未始動注文と始動済未完了注文とを含む。特定モジュールは、前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定するために用いられる。出力モジュールは、制御情報を出力することによって、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動するために用いられる。第2選択モジュールは、前記複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定するために用いられる。選択的には、前記第1選択モジュールは、具体的に、前記複数のラックバッファ位置の状態情報を取得することと、および、前記状態情報に基づいて、前記複数のラックバッファ位置から空き状態にあるラックバッファ位置を前記ターゲットバッファ位置として特定することのために用いられる。
【0016】
選択的には、前記特定モジュールは、具体的に、複数のラックのうちの各ラックに対して、ラックに積載されたピッキング可能な貨物の数を特定し、ピッキング可能な貨物は、複数の処理対象注文における貨物、又は始動済未完了注文における貨物を含むこと、複数のラックのうちの各ラックに対して、ラックに積載された貨物の緊急需要度を特定すること、および、ピッキング可能な貨物の数及び貨物の緊急需要度に基づいて、複数のラックから作業ステーションに移動する次のラックを特定することのために用いられる。
【0017】
選択的には、前記装置は、前記ピッキング対象注文に対応する少なくとも一つの出庫容器を特定し、前記少なくとも一つの出庫容器によってピッキングを行うための出庫モジュールをさらに含む。
【0018】
本開示の別の局面は、少なくとも一つのプロセッサと、一つまたは複数のコンピュータ読取可能な命令を記憶するための少なくとも一つのメモリと、を含む電子機器を提供し、前記一つ又は複数のコンピュータ読取可能な命令が前記少なくとも一つのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに上記のような方法を実行させる。
【0019】
本開示の別の局面は、コンピュータ実行可能な命令を記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供し、前記命令が実行されると、上記のような方法を実現するために用いられる。
【0020】
本開示の別の局面は、コンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータプログラムを提供し、前記命令が実行されると、上記のような方法を実現するために用いられる。
【0021】
従来の形態では、予め生成された集合リストに基づいて、作業ステーションに搬送する必要があるラック、及びラックに対応するラックバッファ位置を特定するので、ラック及びラックバッファ位置を必要以上に早く占用するため、作業ステーションの前のバッファ位置が満たされることを引き起こし、メイン通路を占用して渋滞が発生してしまい、ピッキング効率が低いことを引き起こす恐れがある。本開示の実施例の方法では、予め生成された集合リストに応じてラックを調達することではなく、未始動注文と始動済未完了注文とラック情報を総合的に考慮して作業ステーションのバッファ位置に調達されるラックを共同に特定し、その後にピッキング対象注文を特定する。ラックやラックバッファ位置などのリソースへの予め占用を回避するかまたは後にすることによって、従来のモードに存在したピッキング効率が低いという問題が改善された。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例を説明することによって、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点は、より明らかになるであろう。
図1図1は、本開示の実施例による注文の生産スケジューリング方法の適用シーンを概略的に示す。
図2図2は、本開示の実施例による注文の生産スケジューリング方法のフローチャートを概略的に示す。
図3図3は、本開示の実施例による前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定するフローチャートを概略的に示す。
図4図4は、本開示の別の実施例による注文の生産スケジューリング方法のフローチャートを概略的に示す。
図5図5は、本開示の実施例による注文の生産スケジューリング装置の概略図を示す。
図6図6は、本開示の実施例による注文の生産スケジューリング装置を実現することに適するコンピュータシステムのブロック図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。ただし、これらの説明は、例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。以下の詳細な説明において、説明しやすくするために、多くの具体的な詳細を説明して本開示の実施例に対する全面的な理解に供する。しかしながら、明らかに、一つ又は複数の実施例は、これらの具体的な詳細がない場合にも実施され得る。また、以下の説明において、公知の構造及び技術に対する説明を省略することにより、本開示の概念を不必要に混同することを回避する。
【0024】
ここで使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。ここで使用される用語「含む」、「含まれる」などは、前記特徴、ステップ、操作及び/又は部材の存在を示すが、一つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作又は部材の存在または追加を排除するものではない。
【0025】
ここで使用される全ての用語(技術及び科学用語を含む)は、特別に定義されない限り、当業者に一般的に理解される意味を有する。なお、ここで使用された用語は、本明細書のコンテキストと一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化又は硬すぎる方式で解釈されるべきではない。
【0026】
「A、B及びCなどのうちの少なくとも一つ」に類似したような記述を使用する場合、一般的には、当業者が一般的に当該記述を理解する意味で解釈すべきである(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、Aを単独で有し、Bを単独で有し、Cを単独で有し、A及びBを有し、A及びCを有し、B及びCを有し、及び/又はA、B、Cを有するシステム等を含むがこれらに限定されない)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも一つ」に類似したような記述を使用する場合、一般的には、当業者が一般的に当該記述を理解する意味で解釈すべきである(例えば、「A、B又はCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、Aを単独で有し、Bを単独で有し、Cを単独で有し、A及びBを有し、A及びCを有し、B及びCを有し、及び/又はA、B、Cを有するシステム等を含むがこれらに限定されない)。当業者であればさらに理解されるように、実質的に2つ又はより多くの選択可能な項目を示す任意の接続詞及び/又はフレーズは、明細書、特許請求の範囲、図面のいずれにおいても、これらの項目の1つ、これらの項目のいずれか一方、又は2つの項目を含む可能性があると理解されるべきである。例えば、フレーズ「A又はB」は、「A」又は「B」、或いは「A及びB」を含む可能性があると理解されるべきである。
【0027】
図1は、本開示の実施例による注文の生産スケジューリング方法の適用シーンを概略的に示す。なお、図1に示されるのは、当業者が本開示の技術内容を理解することに寄与するために、本開示の実施例を適用できる適用シーンの例に過ぎず、本開示の実施例が他の装置、システム、環境又はシーンに適用できないことを意味するものではない。
【0028】
図1に示されるように、円形又は楕円形のシンボルは、注文を表し、作業ステーションの左側の方形シンボルは、ラックを表し、作業ステーションの右側の方形シンボルは、出庫容器を表す。関連技術において、集合リストに基づいて、次の注文に必要な貨物に応じて複数のラックを特定し、そのうちの一つのラックを作業ステーションに移動し、他のラックをバッファ領域に移動し、作業ステーションの作業者により貨物をピッキングし、同一の集合リストの貨物を一つの出庫容器にピッキングする。
【0029】
出庫容器には、いくつかのトリガ条件を設定することができ、トリガ条件を満たす際に出庫容器が出庫することができる。これらのトリガ条件は、例えば、出庫容器における複数の貨物注文の注文数が10より大きいこと、単一の貨物注文の注文数が20より大きいこと、出庫容器におけるスロット位置がフル状態になること、複数の貨物注文の貨物数が20より大きいこと、又はある時間制限に達することなどであってもよい。
【0030】
しかしながら、このような方式では、作業ステーションの前のバッファ位置が満たされ、メイン通路を占用して渋滞が発生することを引き起こしやすく、ラックの移動毎にピッキングできる貨物が少なく、ピッキング効率が低い。
【0031】
これに対して、本開示の実施例は、注文の生産スケジューリング方法を提供し、当該注文の生産スケジューリング方法は、作業ステーションの複数のラックバッファ位置からターゲットバッファ位置を特定することと、複数のラックのラック情報を取得することであって、前記ラック情報は、複数のラックのうちの各ラックに積載された貨物の貨物情報を含むことと、未始動注文及び始動済未完了注文を含む処理対象注文を複数取得することと、前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定することと、制御情報を出力することにより、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動することと、前記複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定することとを含む。
【0032】
本開示の実施例は、ラックを注目のコアとし、注文を注目のコアとするというピッキング方式を転覆し、作業ステーションのラックバッファ位置に空きがある場合、一つのラックを推薦し、例えばより多くの貨物をピッキング可能なラックを選択して作業ステーションに移動することができ、各ラックでのピッキング数量を効果的に向上させることができ、ピッキング効率を向上させる。従来の生産スケジューリングアルゴリズムとは異なり、本発明の実施例では、出庫容器は、基本的に注文をスケジューリングする制約条件とせず、このようにして、必要な場合に、出庫容器を随時に閉じることができ、新たな注文のために新たな出庫容器を準備することが可能となる。
【0033】
本開示の実施例において、出庫容器に設定されたトリガ条件は、例えば、容器にオープン注文がないことであってもよい。
【0034】
理解されるように、図1における注文、ラック、作業ステーション及び出庫容器の数は、単に例示的なものである。実現の需要に応じて、任意の数の注文、ラック、作業ステーション及び出庫容器を有することができる。
【0035】
図2は、本開示の実施例による注文の生産スケジューリング方法のフローチャートを概略的に示す。
【0036】
図2に示されるように、当該方法は、操作S210~S260を含む。
【0037】
操作S210において、作業ステーションの複数のラックバッファ位置からターゲットバッファ位置を特定する。
【0038】
本開示の実施例によれば、作業ステーションの複数のラックバッファ位置の状態情報を取得し、状態情報に基づいて、複数のラックバッファ位置から空き状態にある1つのラックバッファ位置をターゲットバッファ位置として特定することができる。
【0039】
操作S220において、複数のラックのラック情報を取得し、前記ラック情報は、複数のラックのうちの各ラックに積載された貨物の貨物情報を含む。
【0040】
操作S230において、複数の処理対象注文を取得し、前記処理対象注文は、未始動注文と、始動済未完了注文とを含む。
【0041】
本開示の実施例によれば、始動済未完了注文は、オープン注文、又は始動された注文と呼ばれてもよい。関連技術とは異なり、本開示の実施例の方法では、予め定義された集合リストに基づいて出庫容器を予め占用せず、かつ、一つの作業ステーションに複数のオープン注文が同時に存在することを許可するため、本開示の実施例の方法は、複数の未始動注文と始動済未完了注文を同時に考慮することができ、より効率的に貨物をピッキングすることを図ることができる。
【0042】
操作S240において、前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定する。
【0043】
出庫容器を予め占めることがないため、ラックを選択して注文をスケジューリングする際には、より自由である。例えば、より多くの貨物をピッキング可能なラックを選択することができ、ピッキング効率を効果的に向上させることができる。
【0044】
例えば、ラックA、B、Cについて、ラックAに積載された貨物のうちピッキング可能な貨物の数が5つであり、ラックBに積載された貨物のうちピッキング可能な貨物の数が7つであり、ラックCに積載された貨物のうちピッキング可能な貨物の数が2つであれば、ラックBが作業ステーションに移動する次のラックであると特定することができる。
【0045】
図3は、本開示の実施例による前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定するフローチャートを概略的に示す。
【0046】
図3に示されるように、当該方法は、操作S310~S330を含む。
【0047】
操作S310において、前記複数のラックのうちの各ラックに対して、前記ラックに積載されたピッキング可能な貨物の数をラックの第1スコアとして特定する。ここで、前記ピッキング可能な貨物は、前記複数の処理対象注文における貨物、又は、前記始動済未完了注文における貨物を含む。
【0048】
一般的には、処理対象注文にピッキングする必要がある貨物は、ピッキング可能な貨物であるが、例外があってもよい。例えば、作業ステーションに収容可能な出庫容器に限界があり、始動済未完了注文が一定の数量に達する場合、これらの始動済未完了注文を完了すれば出庫容器が満たされると、新たな注文を始動することができない。このとき、ピッキング可能な貨物は、これらの始動済未完了注文に必要な貨物であり、未始動注文に必要な貨物を含まないものとする。
【0049】
例えば、上記したラックA、B、Cは、ラックAの第1スコアが5であり、ラックBの第1スコアが7であり、ラックCの第1スコアが2である。当然ながら、第2スコアと統合し、2つの最終結果への寄与をより制御しやすくするために、まず数量を正規化した後に第1スコアを特定することができ、このとき、ラックAの第1スコアは5/14であり、ラックBの第1スコアは1/2であり、ラックCの第1スコアは1/7である。
【0050】
本開示の実施例によれば、注文に含まれる貨物の転置インデックスを確立することができ、ラックに含まれる貨物のリストに基づいて、相応的な注文を見つけ、その後、以下に図4を参照して説明するS260の方式に応じて、ピッキング対象注文であるか否かを特定し、含まれるピッキング対象注文における貨物の数を特定し、かつ当該数に基づいて第1スコアを特定する。
【0051】
操作S320において、前記複数のラックのうちの各ラックに対して、前記ラックに積載された貨物の緊急需要度をラックの第2スコアとして特定する。
【0052】
本開示の実施例によれば、前記貨物の緊急需要度は、注文出庫期限までの時間長さに基づいて特定することができる。注文出庫期限までの時間長さが異なる場合、異なる緊急需要度を特定することができ、残り時間が短くなるにつれて、貨物の緊急需要度が向上する。例えば、残り時間の逆数を緊急需要度として設定することができ、そうすると、注文出庫期限までの時間が3時間、2時間、1時間、30分間であるときの緊急需要度を1/3、1/2、1、2に特定することができる。当然ながら、注文出庫期限までの最長時間及び最短時間に基づいて上記結果を正規化し、正規化された結果を緊急需要度とすることができる。
【0053】
本開示の実施例によれば、前記貨物の緊急需要度は、始動済未完了注文の完成度に基づいて特定することができる。例えば、ある注文が始動され、すなわち、始動済未完了状態にあり、当該注文は、合計5つの貨物をピッキングする必要があり、現在3つの商品をピッキングした場合、完成度は60%となり、4つの商品をピッキングした場合、完成度は80%となる。当該完成度に基づいて緊急需要度を特定することができる。簡単的に、当該完成度を緊急需要度とすることができる。
【0054】
本開示の実施例によれば、以上の2種類の緊急需要度は、単独で使用して第2スコアを特定してもよく、組み合わせて使用して第2スコアを共同に特定してもよい。例えば、ある始動済未完了注文出庫期限までの時間の長さが1時間であり、かつ当該始動済未完了注文の完成度が80%である場合、2種類の方式で特定された緊急需要度をそれぞれ正規化して加重加算して、第2スコアを取得することができる。
【0055】
操作S330において、前記第1スコア及び第2スコアに基づいて、前記複数のラックから、作業ステーションに移動する次のラックを特定する。例えば、両者の加算、加重加算又は乗算の方式を選択して最終的なスコアを特定し、各ラックの最終的なスコアに基づいて、最適なラックを作業ステーションに移動する次のラックとして特定することができる。
【0056】
本開示の実施例によれば、前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定することは、さらに注文出庫期限を監視することを含み、出庫期限が第1閾値より小さい緊急注文が存在する場合、前記緊急注文を優先的に処理する。
【0057】
本開示の実施例によれば、処理対象注文には、一般的な注文と異なる時効注文を含むことができ、時効注文は、一般的な注文よりも時効要求が高い。本開示の実施例の方法では、時効注文の処理状況を単独で監視することができ、ある時刻に達した後、時効注文が所定の時間内に完了することを保証するために、ラックからいくら他の注文に必要な貨物を得ることができても、当該時効注文の処理を強制的に開始することができる。
【0058】
図2に戻る。操作S250において、制御情報を出力することによって、前記ラックをターゲットバッファ位置に移動する。
【0059】
本開示の実施例によれば、前記制御情報を出力することにより、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動することは、搬送ロボットに制御情報を送信することにより、前記搬送ロボットが前記ラックを作業ステーションに搬送するように制御することを含む。当該搬送ロボットは、例えば、自動ガイド輸送車AGVであってもよく、ラックを作業ステーション内のターゲットバッファ位置に搬送するようにAGVを制御することができる。
【0060】
本開示の実施例によれば、前記制御情報を出力することにより、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動することは、前記ラックに制御情報を送信することにより、前記ラックを作業ステーションに移動するように制御することを含む。本開示の実施例において、インテリジェントラックを用いることができ、インテリジェントラックの底部にはユニバーサルホイールが設けられてもよく、さらに通信装置、プロセッサ、及び駆動装置を含むことができ、通信装置により制御情報を受信する場合、プロセッサは、制御情報を解析して制御信号を生成することにより、駆動装置によってラックを作業ステーション内のターゲットバッファ位置に移動させることができる。
【0061】
操作S260において、複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定する。
【0062】
本開示の実施例によれば、ピッキング対象注文は、集合リストとすることが可能であり、どの注文が間もなくピッキング工程に入るのかを表すために用いられる。
【0063】
本開示の実施例によれば、処理対象注文のうちの始動済未完了注文をピッキング対象注文とすることができる。
【0064】
本開示の実施例によれば、未始動注文からピッキング対象注文を特定することは、様々な方式を採用することができ、以下にそれぞれ説明する。なお、以下の方式は、単独で又は組み合わせて用いることができ、本開示はこれを限定しないものとする。
【0065】
例えば、複数の処理対象注文のうちの各処理対象注文が現在前記複数のラックバッファ位置にあるラックに満たされる割合を被覆率として特定し、前記被覆率が第2閾値よりも高い処理対象注文をピッキング対象注文として特定することができる。例えば、第2閾値を50%に予め設定することができ、始動済未完了注文にはある注文が存在し、かつ、現在作業ステーションに停止しているラックでピッキングすることにより当該注文の完成度が50%を超え、換言すれば、現在作業ステーションに停止しているラックでの貨物が当該注文の50%を被覆する場合、当該注文をピッキング対象注文として特定することができる。
【0066】
また例えば、複数の処理対象注文のうちの複雑な注文をピッキング対象注文とすることができ、前記複雑な注文とは、含まれる貨物のカテゴリ数が第3閾値よりも大きい注文である。例えば、第3閾値を3に設定することができ、ある注文が3つ以上のカテゴリの貨物を含む場合、少なくとも3つのラックを必要として当該注文のピッキング需要を満たすことができ、当該注文を複雑な注文として特定し、現在のラックが複雑な注文における一部の貨物を満たすことができる場合、当該複雑な注文をピッキング対象注文とする。
【0067】
さらに例えば、注文出庫期限までの時間長さに基づいて、複数の処理対象注文から一部の注文をピッキング対象注文として特定することができる。例えば、ある注文が注文出庫期限まで3時間、2時間、1時間、30分間などがかかる場合、異なる緊急度を特定することができ、残り時間が短くなるにつれて、緊急度が向上する。緊急度に基づいて重み値を特定することによって、当該注文をピッキング対象注文として特定するか否かを特定してもよく、時間がある所定値よりも小さい場合に当該注文をピッキング対象注文として強制的に特定してもよい。
【0068】
本開示の実施例によれば、以上の方法又は他の方法によりそれぞれ重み値を特定し、総合的に評価し、その後に当該注文をピッキング対象注文として特定するか否かを特定することができる。
【0069】
従来の形態では、予め生成された集合リストに基づいて、作業ステーションに搬送する必要があるラック、及びラックに対応するラックバッファ位置を特定するので、ラック及びラックバッファ位置を必要以上に早く占用するため、作業ステーションの前のバッファ位置が満たされることを引き起こし、メイン通路を占用して渋滞が発生してしまい、ピッキング効率が低いことを引き起こす恐れがある。本開示の実施例の方法では、予め生成された集合に応じてラックを調達することではなく、未始動注文と始動済未完了注文とラック情報を総合的に考慮して作業ステーションのバッファ位置に調達されるラックを共同に特定し、その後にピッキング対象注文を特定する。ラックやラックバッファ位置などのリソースへの予め占用を回避するかまたは後にすることによって、従来のモードに存在したピッキング効率が低いという問題が改善された。
【0070】
また、本開示の実施例の方法では、未始動注文と始動済未完了注文とラック情報を総合的に考慮して調達されるラックを共同に特定するため、平均的なラックピッキング件数を向上させ、ピッキング効率を向上させることができる。本開示の実施例の方法の主な考え方は、注文、ラック、出庫容器、バッファ位置を含む任意の生産スケジュール投入への予め占用を回避するか又は後にすることである。様々な異常による予想される生産スケジュール最適化失効を回避しつつ、決定を後にすることによって、より多くの注文を蓄積して、他の投入をよりタイムリーに最適化することにも有利である。
【0071】
本開示の実施例によれば、ラックが作業ステーションに移動した後、作業ステーションにコンピュータシステム又はコンピュータシステムと通信可能に接続されたディスプレイを有することができ、作業者にどの貨物をピッキングするかを提示するために用いられる。手動でピッキングする代わりにロボットアームを設けてもよく、このようにして、ディスプレイを必要とせず、ロボットアームを直接的に制御してピッキングすればよい。次に、図4に示される実施例を参照して、ピッキング貨物を特定する過程を説明する。
【0072】
図4は、本開示の別の実施例による注文の生産スケジューリング方法のフローチャートを概略的に示す。
【0073】
図4に示されるように、当該方法は、前述した実施例を基にして、さらに操作S410を含むことができる。
【0074】
操作S410において、ピッキング対象注文に対応する少なくとも一つの出庫容器を特定し、少なくとも一つの出庫容器によってピッキングを行う。
【0075】
本開示の実施例によれば、ピッキング対象注文における貨物の種類及び数に基づいて、少なくとも一つの出庫容器を割り当てることができ、出庫過程においてピッキング対象注文における貨物を積載するために用いられる。
【0076】
本開示の実施例によれば、ディスプレイによってピッキング対象注文における一つ又は複数の貨物の情報を表示して、作業者がこれらの貨物の情報に基づいて貨物をピッキングするように構成することができ、或いは、ロボットアームがピッキング対象注文に指示された一つ又は複数の貨物を出庫容器へキャプチャするように制御するように構成することもできる。
【0077】
本開示の実施例によれば、ピッキング対象注文を特定した後に出庫容器を調達することになるため、出庫容器を予め占用することを回避することができ、それによって出庫容器の調達をより柔軟にすることができる。
【0078】
同じ発明構想に基づいて、本開示の実施例は、さらに注文の生産スケジューリング装置を提供し、以下に、図5を参照して本開示の実施例の注文の生産スケジューリング装置を説明する。
【0079】
図5は、本開示の実施例による注文の生産スケジューリング装置500のブロック図を概略的に示す。
【0080】
図5に示されるように、当該注文の生産スケジューリング装置500は、第1選択モジュール510と、第1取得モジュール520と、第2取得モジュール530と、特定モジュール540と、出力モジュール550と、第2選択モジュール560と、を含む。この装置500は、図2を参照しながら上述した様々な方法を実行することができる。
【0081】
第1選択モジュール510は、例えば、上記図2を参照して説明した操作S210を実行し、作業ステーションの複数のラックバッファ位置からターゲットバッファ位置を特定するために用いられる。
【0082】
第1取得モジュール520は、例えば、上記図2を参照して説明した操作S220を実行し、複数のラックのラック情報を取得するために用いられ、前記ラック情報は、複数のラックのうちの各ラックに積載された貨物情報を含む。
【0083】
第2取得モジュール530は、例えば、上記図2を参照して説明した操作S230を実行し、複数の処理対象注文を取得するために用いられ、前記処理対象注文は、未始動注文と始動済未完了注文とを含む。
【0084】
特定モジュール540は、例えば、上記図2を参照して説明した操作S240を実行し、前記ラック情報及び前記処理対象注文に基づいて、作業ステーションに移動する次のラックを特定するために用いられる。
【0085】
出力モジュール550は、例えば、上記図2を参照して説明した操作S250を実行し、制御情報を出力することによって、前記ラックを前記ターゲットバッファ位置に移動するために用いられる。
【0086】
第2選択モジュール560は、例えば、上記図2を参照して説明した操作S260を実行し、複数のラックバッファ位置に移動されたラックに積載された貨物に基づいて、複数の処理対象注文から一部の処理対象注文をピッキング対象注文として特定するために用いられる。
【0087】
本開示の実施例によれば、第1選択モジュール510は、複数のラックバッファ位置の状態情報を取得すること、および、状態情報に基づいて、複数のラックバッファ位置から空き状態にあるラックバッファ位置をターゲットバッファ位置として特定することのために用いられる。
【0088】
本開示の実施例によれば、特定モジュール540は、複数のラックのうちの各ラックに対して、ラックに積載されたピッキング可能な貨物の数を特定し、ピッキング可能な貨物は、複数の処理対象注文における貨物、又は、始動済未完了注文における貨物を含むこと、複数のラックのうちの各ラックに対して、ラックに積載された貨物の緊急需要度を特定すること、および、ピッキング可能な貨物の数及び貨物の緊急需要度に基づいて、複数のラックから作業ステーションに移動する次のラックを特定することのために用いられる。
【0089】
本開示の実施例によれば、前記貨物の緊急需要度は、注文出庫期限までの時間長さに基づいて特定される。
【0090】
本開示の実施例によれば、前記貨物の緊急需要度は、始動済未完了注文の完成度に基づいて特定され、ここで、前記完成度は、前記始動済未完了注文においてピッキングが完了した貨物数が総貨物数に占める比率に基づいて特定される。
【0091】
本開示の実施例によれば、前記特定モジュール540はさらに、注文出庫期限を監視し、出庫期限が第1閾値よりも小さい緊急注文が存在する場合、前記緊急注文を優先的に処理するために用いられる。
【0092】
本開示の実施例によれば、前記装置は、さらに表示モジュール又は出庫モジュールのうちの少なくとも一つを含むことができる。表示モジュールは、前記ピッキング対象注文に基づいて前記一つ又は複数の貨物の情報を表示するために用いられる。出庫モジュールは、ピッキング対象注文に対応する少なくとも一つの出庫容器を特定し、少なくとも一つの出庫容器によってピッキングするために用いられる。
【0093】
本開示の実施例によれば、前記第2選択モジュール560は、複数の処理対象注文のうちの各処理対象注文が現在前記複数のラックバッファ位置にあるラックによって満たされる割合を被覆率として特定し、前記被覆率が第2閾値よりも高い処理対象注文をピッキング対象注文として特定するために用いることができる。
【0094】
本開示の実施例によれば、前記第2選択モジュール560は、複数の処理対象注文のうちの複雑な注文をピッキング対象注文とするために用いることができ、前記複雑な注文は、含まれる貨物のカテゴリ数が第3閾値よりも大きい注文である。
【0095】
本開示の実施例によれば、前記第2選択モジュール560は、注文出庫期限までの時間長さに基づいて、複数の処理対象注文から一部の注文をピッキング対象注文として特定するために用いることができる。
【0096】
本開示の実施例によれば、前記出力モジュール550は、搬送ロボットに制御情報を送信することによって、前記搬送ロボットが前記ラックを作業ステーションに搬送するように制御するために用いることができる。
【0097】
本開示の実施例によれば、前記出力モジュール550は、前記ラックに制御情報を送信することによって、前記ラックが作業ステーションに移動するように制御するために用いることができる。
【0098】
本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちの任意複数、又はそのうちの任意複数の少なくとも一部の機能は、一つのモジュールにおいて実現されてよい。本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちのいずれか一つ又は複数は、複数のモジュールに分割して実現されてよい。本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちのいずれか一つ又は複数は、少なくとも部分的にハードウェア回路、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、システムオンチップ、基板上のシステム、パッケージ上のシステム、特定用途向け集積回路(ASIC)に実現されてもよく、又は回路を集積又はパッケージングする如何なる他の合理的な方式のハードウェア又はファームウェアで実現されてもよく、又はソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの三つの実現方式のうちのいずれか一つ又はそのうちの任意のいくつかの適切な組み合わせで実現されてもよい。又は、本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちの一つ又は複数は、少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されてよく、当該コンピュータプログラムモジュールが実行されると、対応する機能を実行することができる。
【0099】
例えば、第1選択モジュール510、第1取得モジュール520、第2取得モジュール530、特定モジュール540、出力モジュール550、第2選択モジュール560、出庫モジュール及び表示モジュールのうちの任意複数のモジュールは、一つのモジュールに統合して実現されてもよく、又はそのうちのいずれか一つのモジュールが複数のモジュールに分割されてもよい。又は、これらのモジュールのうちの一つ又は複数のモジュールの少なくとも一部の機能は、他のモジュールの少なくとも一部の機能と組合わせて、一つのモジュールにおいて実現されてもよい。本開示の実施例によれば、第1選択モジュール510、第1取得モジュール520、第2取得モジュール530、特定モジュール540、出力モジュール550、第2選択モジュール560、出庫モジュール及び表示モジュールのうちの少なくとも一つは、少なくとも部分的にハードウェア回路、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、システムオンチップ、基板上のシステム、パッケージ上のシステム、特定用途向け集積回路(ASIC)に実現されてもよく、又は回路を集積又はパッケージングする如何なる他の合理的な方式のハードウェア又はファームウェアで実現されてもよく、又はソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの三つの実現方式のうちのいずれか一つ又はそのうちの任意のいくつかの適切な組み合わせで実現されてもよい。又は、第1選択モジュール510、第1取得モジュール520、第2取得モジュール530、特定モジュール540、出力モジュール550、第2選択モジュール560、出庫モジュール及び表示モジュールのうちの少なくとも一つは、少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されてよく、当該コンピュータプログラムモジュールが実行されると、対応する機能を実行することができる。
【0100】
図6は、本開示の実施例による注文の生産スケジューリング方法及び装置を実現することに適するコンピュータシステムのブロック図を概略的に示す。図6に示すコンピュータシステムは、単に一例に過ぎず、本開示の実施例の機能及び使用範囲にいかなる制限を与えない。図6に示すコンピュータシステムは、少なくとも一つのプロセッサ(例えばプロセッサ601)及び少なくとも一つのメモリ(例えば記憶部分608)を含むサーバクラスタとして実現されてもよい。
【0101】
図6に示すように、本開示の実施例によるコンピュータシステム600は、リードオンリーメモリ(ROM)602に記憶されたプログラム、又は記憶部分608からランダムアクセスメモリ(RAM)603にロードされたプログラムに基づいて、様々な適切な動作及び処理を実行することができるプロセッサ601を含む。プロセッサ601は、例えば、汎用マイクロプロセッサ(例えば、CPU)、コマンドセットプロセッサ及び/又は関連チップセット及び/又は特定用途向けマイクロプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))などを含んでよい。プロセッサ601は、さらにキャッシュの用途に用いられるオンボードメモリを含んでもよい。プロセッサ601は、本開示の実施形態による方法フローに従った異なる動作を実行するための単一の処理ユニット、或いは複数の処理ユニットを含んでよい。
【0102】
RAM603には、システム600の操作に必要な様々なプログラム及びデータが記憶される。プロセッサ601、ROM602、およびRAM603は、バス604により相互に接続されている。プロセッサ601は、ROM602及び/又はRAM603に格納されたプログラムを実行することにより、本開示の実施形態による方法フローに従った各種の操作を実行する。なお、前記プログラムは、ROM602及びRAM603以外の一つ又は複数のメモリに記憶されてもよい。プロセッサ601は、前記一つ又は複数のメモリに格納されたプログラムを実行することにより、本開示の実施例による方法フローに従った各種の操作を実行してもよい。
【0103】
本開示の実施例によれば、システム600は、入出力(I/O)インターフェース605をさらに含んでもよく、入出力(I/O)インターフェース605もバス604に接続される。システム600は、I/Oインターフェース605に接続された、キーボード、マウス等を含む入力部分606、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等及びスピーカ等を含む出力部分607、ハードディスク等を含む記憶部分608、及びLANカード、モデム等のネットワークインターフェースカードを含む通信部分609のうちの一つ又は複数をさらに含んでもよい。通信部分609は、インターネット等のネットワークを介して通信処理を行う。ドライバ610も、必要に応じてI/Oインターフェース605に接続されている。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルメディア611は、必要に応じてドライバ610にインストールされ、それによりそれから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部分605にインストールされる。
【0104】
本開示の実施例によれば、本開示の実施例による方法フローは、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現することができる。例えば、本開示の実施例は、コンピュータプログラム製品を含み、それはコンピュータ読取可能な媒体に担持されたコンピュータプログラムを含み、当該コンピュータプログラムはフローチャートに示された方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例において、当該コンピュータプログラムは、通信部分609を介してネットワークからダウンロード及びインストールされ、及び/又はリムーバブルメディア611からインストールされてよい。当該コンピュータプログラムがプロセッサ601により実行されると、本開示の実施例によるシステムに限定された上記機能を実行する。本開示の実施例によれば、前文で説明したシステム、機器、装置、モジュール、ユニットなどは、コンピュータプログラムモジュールにより実現されてよい。
【0105】
本開示は、コンピュータ読取可能な媒体をさらに提供し、当該コンピュータ読取可能な媒体は上記実施例で説明した機器/装置/システムに含まれてもよく、単独で存在し、当該機器/装置/システムに組み込まれていなくてもよい。上記コンピュータ読取可能な媒体には、一つ又は複数のプログラムが担持されており、上記一つ又は複数のプログラムが実行される場合、本開示の実施例による方法を実現する。
【0106】
本開示の実施例によれば、コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ読取可能な信号媒体又はコンピュータ読取可能な記憶媒体、或いは上記両者の任意の組み合わせであってよい。コンピュータ読取可能な記憶媒体は、例えば、電気、磁気、光、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、又はそれらの任意の組み合わせであってもよいが、それらに限定されない。コンピュータ読取可能な記憶媒体のより具体的な例は、一つ又は複数の導線を有する電気的接続、携帯式コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含むが、それらに限定されない。本開示において、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、プログラムを含み又は記憶する如何なる有形の媒体であってもよく、当該プログラムは、コマンド実行システム、装置又はデバイスに使用され、又はそれらと組み合わせて使用されてもよい。本開示において、コンピュータ読取可能な信号媒体は、ベースバンドで、又は搬送波の一部として伝播されるデータ信号を含んでもよく、それにコンピュータ読み取り可能なプログラムコードが担持されている。このような伝播するデータ信号は、様々な形式を採用することができ、電磁信号、光信号又はそれらの任意の適切な組み合わせを含むが、それらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、さらにコンピュータ読取可能な記憶媒体以外の如何なるコンピュータ読取可能な媒体であってもよく、当該コンピュータ読取可能な媒体は、コマンド実行システム、装置又はデバイスに使用され、又はそれらと組み合わせて使用されるためのプログラムを送信、伝播、又は伝送することができる。コンピュータ読取可能な媒体に含まれるプログラムコードは、如何なる適切な媒体で伝送することができ、無線、有線、光ケーブル、無線周波数信号等、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0107】
例えば、本開示の実施例によれば、コンピュータ読取可能な媒体は前文で説明したROM602及び/又はRAM603、及び/又はROM602及びRAM603以外の一つ又は複数のメモリを含むことができる。
【0108】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施例によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点において、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、一つのモジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表すことができ、上記モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部は、一つ又は複数の、所定の論理機能を実現するための実行可能な命令を含む。注意すべきことは、いくつかの代替としての実現において、ブロックにマークされた機能は図面と異なる順序で発生してもよい。例えば、二つの連続的に示されるブロックは、実際に基本的に並行して実行されてもよく、それらは逆の順序で実行されてもよく、これは係られた機能に依存する。注意すべきこととして、ブロック図又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は操作を実行する専用のハードウェアに基づくシステムで実現されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせで実現されてもよい。
【0109】
当業者であれば理解されるように、本開示の各実施例及び/又は特許請求の範囲に記載の特徴は、様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができ、このような組み合わせ又は結合が本開示に明確に記載されていなくてもよい。特に、本開示の精神及び教示から逸脱することなく、本開示の各実施例及び/又は請求項に記載の特徴は、様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができる。これらの組み合わせ及び/又は結合は、いずれも本開示の範囲に属するものである。
【0110】
以上、本開示の実施例について説明した。しかし、これらの実施例は、単に説明のためのものに過ぎず、本開示の範囲を限定するためのものではない。以上に各実施例をそれぞれ説明したが、各実施例における手段を有利に組み合わせて使用することができないことを意味しない。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって限定される。本開示の範囲から逸脱することなく、当業者は様々な代替及び修正を行うことができ、これらの代替及び修正はいずれも本開示の範囲内にあるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】