(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-01
(54)【発明の名称】改善された衝撃特性を有するガラス繊維で強化された成形組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 77/00 20060101AFI20230424BHJP
C08K 7/14 20060101ALI20230424BHJP
C08L 77/02 20060101ALI20230424BHJP
C08L 77/06 20060101ALI20230424BHJP
C08L 23/00 20060101ALI20230424BHJP
F16L 37/00 20060101ALI20230424BHJP
A43B 13/04 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
C08L77/00
C08K7/14
C08L77/02
C08L77/06
C08L23/00
F16L37/00
A43B13/04 A
A43B13/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557146
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 FR2021050483
(87)【国際公開番号】W WO2021191547
(87)【国際公開日】2021-09-30
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サバード, マチュー
(72)【発明者】
【氏名】ブリュレ, ブノワ
【テーマコード(参考)】
3J106
4F050
4J002
【Fターム(参考)】
3J106BC20
4F050BA01
4F050HA63
4F050JA01
4J002BB032
4J002BB052
4J002BB062
4J002BB072
4J002BB082
4J002BB122
4J002BB142
4J002BB152
4J002BB212
4J002BN142
4J002BP012
4J002CL011
4J002CL031
4J002CL051
4J002CL072
4J002DD077
4J002DD087
4J002DE147
4J002DJ037
4J002DJ047
4J002DL006
4J002EG047
4J002FA046
4J002FD010
4J002FD016
4J002FD047
4J002FD067
4J002FD077
4J002FD202
4J002FD207
4J002GC00
4J002GN00
4J002GT00
(57)【要約】
本発明は、特に射出成形に使用するための組成物に関し、該組成物は、
(A)29~74重量%、より詳細には34~64重量%、特に44~54重量%の少なくとも1種の半結晶性脂肪族ポリアミドであって、
少なくとも1つのC6~C18、好ましくはC9~C18、より好ましくはC10~C18、さらにより好ましくはC10~C12、特にC11のアミノ酸、または
少なくとも1つのC6~C18、好ましくはC9~C18、より好ましくはC10~C18、さらにより好ましくはC10~C12、特にC12のラクタム、または
少なくとも1つのC4~C36、特にC6~C36、好ましくはC6~C18、好ましくはC6~C12、より好ましくはC10~C12のジアミンCaと、少なくとも1つのC4~C36、特にC6~C36、好ましくはC6~C18、好ましくはC10~C18、より好ましくはC10~C12の二酸Cbとの重縮合から得られる半結晶性脂肪族ポリアミドと、
(B)25~70重量%、より詳細には35~65重量%、特に45~55重量%の、主に二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなるガラス繊維であって、
以下の組成:
62~66重量%のSiO2からなるガラス繊維(B)と、
(C)1~20重量%の少なくとも1種の耐衝撃性改良剤と、
(D)0~2重量%、好ましくは1~2重量%の少なくとも1つの添加剤であって、
亜クロム酸銅、硫化亜鉛、二酸化チタン、炭酸カルシウムおよびポリオレフィン系の着色マスターバッチを除く、添加剤と、
を含み、
各種成分(A)~(D)の合計は、100重量%である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形に特に有用な組成物であって、
(A)29~74重量%、より詳細には34~64重量%、特に44~54重量%の少なくとも1種の半結晶性脂肪族ポリアミドであって、
C
6~C
18、優先的にはC
9~C
18、より優先的にはC
10~C
18、さらにより優先的にはC
10~C
12、特にC
11の少なくとも1つのアミノ酸、または
C
6~C
18、優先的にはC
9~C
18、より優先的にはC
10~C
18、さらにより優先的にはC
10~C
12、特にC
12の少なくとも1つのラクタム、または
C
4~C
36、特にC
6~C
36、優先的にはC
6~C
18、優先的にはC
6~C
12、より優先的にはC
10~C
12の少なくとも1つのジアミンCaと、C
4~C
36、特にC
6~C
36、優先的にはC
6~C
18、優先的にはC
10~C
18、より優先的にはC
10~C
12の少なくとも1つの二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性脂肪族ポリアミドと、
(B)主として二酸化シリカ(SiO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)および酸化マグネシウム(MgO)からなる、25~70重量%、より詳細には35~65重量%、特に45~55重量%のガラス繊維であって、
以下の組成:
62~66重量%のSiO
2;
22~27重量%のAl
2O
3;
8~12重量%のMgO;
0~9重量%の酸化カルシウム(CaO);および
0~1重量%の他の酸化物、
からなり、合計が100重量%に等しいガラス繊維(B)と、
(C)1~20重量%の少なくとも1種の耐衝撃性改良剤と、
(D)0~2重量%、好ましくは1~2重量%の少なくとも1つの添加剤であって、
亜クロム酸銅、硫化亜鉛、二酸化チタン、炭酸カルシウムおよびポリオレフィン系の着色マスターバッチを除く、添加剤と、
を含み、
各種成分(A)~(D)の合計が、100重量%である、組成物。
【請求項2】
ポリアミドが、PA11、PA12、PA1010、PA1012、PA1210およびPA1212、特にPA11およびPA12、特にPA11から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
耐衝撃性改良剤が、ISO 178:2010規格(23℃ RH50)に従って測定される100 MPa未満の曲げ弾性率を有し、かつ0℃未満のTg(DSCサーモグラムの変曲点で11357-2:2013規格に従って測定される)を有するポリオレフィン系ポリマーから選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
耐衝撃性改良剤がポリオレフィンであり、ポリオレフィンが官能化もしくは非官能化されているか、または両方の混合物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
ポリオレフィンが、官能化ポリオレフィンまたは官能化ポリオレフィンと非官能化ポリオレフィンとの混合物から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
官能化ポリオレフィンが、カルボン酸、無水マレイン酸およびエポキシ官能基から選択される官能基を有するポリオレフィンである、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項7】
添加剤が、流動化剤、染料、触媒、安定剤、特に熱安定剤、UV安定剤、光安定剤、界面活性剤、白色化剤、抗酸化剤、鎖延長剤、潤滑剤、核形成剤、ワックス、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
耐衝撃性改良剤(C)が、1~15重量%、特に1~10重量%で存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
組成物の成分が、特に二軸押出機、混錬機またはインターナルミキサーで配合することによって混合される、請求項1から8に記載の組成物を製造する方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の組成物から射出成形により得られる成形品。
【請求項11】
成形品が、輸送分野、特に自動車およびトラックの分野のためのクイックカプラである、請求項10に記載の成形品。
【請求項12】
電気および電子機器の分野のための、特に携帯用デバイス、特に携帯電話、スマートウォッチ、コンピュータまたはタブレット用の部品からなる群から選択される、請求項10に記載の成形品。
【請求項13】
スポーツ分野、特にスポーツシューズのソールおよびスポーツ用保護用品のための、請求項10に記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に射出成形に使用され、トラック、自動車などのためのクイックカプラの分野だけでなく、電気および電子機器、スポーツおよび産業の分野で適用するためのポリアミド組成物、その調製方法、ならびにこの組成物から得られる物品に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブは、様々な種類の流体を輸送するために必要である。例えば、自動車では、タンクからエンジンに、冷却回路、油圧システム、空調システムなどに燃料を供給するためにチューブが使用される。
【0003】
ポリアミドは、これらのチューブの製造に広く使用される。関与するすべての技術的要件に照らして、多層構造を使用することがしばしば必要である。例えば、窒素原子あたりの炭素原子の平均数が比較的高いポリアミド(PA11またはPA12など)をベースとする少なくとも1つの外層であって、チューブに望ましい可撓性、機械的強度および耐薬品性を提供する外層と、輸送される流体に必要な不透過性を提供するバリア層と呼ばれる少なくとも1つの内層と、を使用することが多い。窒素原子あたりの炭素原子の数が比較的少ないポリアミド(例えばPA6またはPA6.6)、およびエチレン-ビニルアルコール共重合体などの非ポリアミド材料もバリア層に含まれ得る。
【0004】
上記のチューブは、互いに接続されるか、またはコネクタもしくはカプラ、特にクイックカプラを使用して機能部品(フィルタなど)に接続される。
【0005】
通例、従来のカプラは、一般にガラス繊維、特にE型で強化されたPA6、PA11、PA12またはポリフタルアミド(PPA)などのポリアミド材料を使用して、射出成形によって、製造される。
【0006】
しかしながら、クイックカプラは、剛性材料を必要とし、該材料は、したがって、ISO 527規格に従って測定される高い引張弾性率を有し、良好な衝撃強度、特にISO 179/1 eA規格に従って測定される-40℃での高い衝撃強度特性を有し、特に30%E型ガラス繊維を有するPA11、または50%E型ガラス繊維を有するPA11もしくはPA12などの製品の衝撃強度よりも高い。
【0007】
国際出願WO2019/095099には、C10~C14のモノマー単位中に平均炭素原子数を有する81~98重量%の直鎖脂肪族ポリアミドと、1~9重量%のS型ガラス繊維と、1~10重量%の耐衝撃性改良剤とを含む組成物が記載されている。
【0008】
得られる組成物は、ISO 527による破断伸びを有し、これは、S型ガラス繊維と比較して、E型ガラス繊維を含む比較組成物でははるかに低い。それにもかかわらず、使用される繊維にかかわらず、引張弾性率はクイックカプラ用途には低すぎる。さらに、この文献では低温(-40℃)での衝撃強度についても言及されていない。
【0009】
米国特許出願公開第2014/0066561号には、ポリアミド、主に二酸化ケイ素、二酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムからなるガラス繊維、ならびに粒状充填剤に基づく組成物が記載されている。本出願によれば、粒状充填剤は、多くの場合、無機顔料を使用して成形組成物を着色するか、または特性の他の特定の変更を行うかにかかわらず、ガラス繊維と共に使用されるが、特に引張強度、破断伸びおよび衝撃強度を低下させることによって、機械的特性に一般的に悪影響を及ぼすという欠点を有する。
【0010】
さらに、本出願によれば、円形断面を有するEガラス繊維は、ガラス繊維を含むポリアミド成形組成物の強化中に事実上排他的に使用される。
【0011】
ASTM D578-00規格に従って、Eガラス繊維は、52~62%の二酸化ケイ素、12~16%の酸化アルミニウム、16~25%の酸化カルシウム、0~10%のホウ砂、0~5%の酸化マグネシウム、0~2%のアルカリ金属酸化物、0~1.5%の二酸化チタンおよび0~0.3%の酸化第二鉄から構成される。
【0012】
米国特許出願公開第2014/0066561号によれば、粒状充填剤なしでは、E型ガラス繊維またはS型ガラス繊維を含む組成物の機械的特性および特に衝撃強度は実質的に同等であるが、それでもなおクイックカプラ用途には不十分である。これらの組成物への粒状充填剤、特に亜クロム酸銅の添加は、機械的特性を有意に低下させるが、劣化はS繊維の方が遅い。
【0013】
米国特許出願公開第2019/0153221号には、改善された衝撃特性を有し、かつ半結晶性脂肪族ポリアミド、耐衝撃性改良剤およびガラス繊維を含む成形組成物が記載されている。
【発明の概要】
【0014】
したがって、本発明は、射出成形に特に有用な組成物に関し、該組成物は、
(A)29~89重量%、特に29~74重量%、より詳細には34~64重量%、特に44~54重量%の少なくとも1種の半結晶性脂肪族ポリアミドであって、
C6~C18、優先的にはC9~C18、より優先的にはC10~C18、さらにより優先的にはC10~C12、特にC11の少なくとも1つのアミノ酸、または
C6~C18、優先的にはC9~C18、より優先的にはC10~C18、さらにより優先的にはC10~C12、特にC12の少なくとも1つのラクタム、または
C4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC6~C12、より優先的にはC10~C12の少なくとも1つのジアミンCaと、C4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC10~C18、より優先的にはC10~C12の少なくとも1つの二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性脂肪族ポリアミドと、
(B)10~70重量%、特に25~70重量%、より詳細には35~65重量%、特に45~55重量%の、主として二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなるガラス繊維と、
(C)1~20重量%の少なくとも1種の耐衝撃性改良剤と、
(D)0~2重量%、好ましくは1~2重量%の少なくとも1つの添加剤であって、
亜クロム酸銅、硫化亜鉛、二酸化チタン、炭酸カルシウムおよびポリオレフィン系の着色マスターバッチを除く、添加剤と、
を含み、
各種成分(A)~(D)の合計は、100重量%である。
【0015】
したがって、本発明者らは、予想外にも、ポリアミドと、主に二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなり、粒状充填剤を含まない少なくとも10%のガラス繊維とを含む組成物において、耐衝撃性改良剤を使用することにより、組成物がE型ガラス繊維または主に二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなるガラス繊維を含むか否かにかかわらず、E型ガラス繊維を含む同じ組成物のものまたは耐衝撃性改良剤を含まない同じ組成物のものと比較して、特に低温条件下(-40℃)で機械的特性、特に衝撃強度を改善することが可能になることを見出した。
【0016】
一実施形態では、本発明は、上記で定義された組成物のうちの1つに関し、該組成物は、粒状充填剤およびポリオレフィン系着色マスターバッチを除外する。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、射出成形に特に有用な組成物に関し、該組成物は、
(A)29~89重量%、特に29~74重量%、より詳細には34~64重量%、特に44~54重量%の少なくとも1種の半結晶性脂肪族ポリアミドであって、
C6~C18、優先的にはC9~C18、より優先的にはC10~C18、さらにより優先的にはC10~C12、特にC11の少なくとも1つのアミノ酸、または
C6~C18、優先的にはC9~C18、より優先的にはC10~C18、さらにより優先的にはC10~C12、特にC12の少なくとも1つのラクタム、または
C4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC6~C12、より優先的にはC10~C12の少なくとも1つのジアミンCaと、C4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC10~C18、より優先的にはC10~C12の少なくとも1つの二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性脂肪族ポリアミドと、
(B)10~70重量%、特に25~70重量%、より詳細には35~65重量%、特に45~55重量%の、主として二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなるガラス繊維と、
(C)1~20重量%の少なくとも1種の耐衝撃性改良剤と、
(D)0~2重量%、好ましくは1~2重量%の少なくとも1つの添加剤と、
からなり、
各種成分(A)~(D)の合計は、100重量%である。
【0018】
したがって、後者の組成物は、亜クロム酸銅、硫化亜鉛、二酸化チタン、炭酸カルシウム、ポリオレフィン系着色マスターバッチまたは粒状充填剤をもはや含有することができない。
【0019】
したがって、後者の組成物は、4つの成分A~Dのみからなる。
【0020】
粒状充填剤は当業者に周知であり、特に米国特許出願公開第2014/0066561号に定義されている。
【0021】
特に、本発明から除外される粒状充填剤は、
タルク、マイカ、シリケート、石英、珪灰石、カオリン、ケイ酸、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、チョーク、粉砕または切断された炭酸カルシウム、石灰、長石、硫酸バリウムなどの無機顔料、酸化亜鉛、硫化亜鉛、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化第二鉄マンガン、金属酸化物、特にスピネル、例えば第二鉄銅スピネル、銅-クロム酸化物、亜鉛-鉄酸化物、コバルト-クロム酸化物、コバルト-アルミニウム酸化物、マグネシウム-アルミニウム酸化物、銅-クロム-マンガン酸化物、銅-マンガン-鉄酸化物、チタン-亜鉛ルチルなどのルチル顔料、ニッケル-アンチモンチタネート、永久磁性または磁化可能な金属または合金、凹状シリケート充填材料、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ホウ素、窒化アルミニウム、フッ化カルシウムおよびそれらの混合物から選択される。
【0022】
したがって、それらは、亜クロム酸銅、亜硫酸亜鉛、二酸化チタンおよび炭酸カルシウムを含む。
【0023】
ポリオレフィン系着色マスターバッチは、米国特許出願公開第2018237598号に定義されている通りである。
【0024】
ポリオレフィン系着色マスターバッチは、特に、所望の支持体樹脂中に分散される色としての着色剤、顔料または染料を含んでもよい。
【0025】
適切な顔料は、例えば、無機顔料、例えば金属酸化物および混合金属酸化物、例えば酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄など、硫化亜鉛などの硫化物;アルミネート;ナトリウムスルホシリケート;サルフェートおよびクロメート;亜鉛フェライト;群青;ピグメントブラウン24;ピグメントレッド101;ピグメントイエロー119;有機顔料、例えばアゾ、ジアゾ、キナクリドン、ペリレン、ナフタレンテトラカルボン酸、フラバントロン、イソインドリノン、テトラクロロイソインドリノン、アントラキノン、アンタントロン、ジオキサジン、フタロシアニンおよびアゾレーキ;ピグメントブルー60、ピグメントレッド122、ピグメントレッド149、ピグメントレッド177、ピグメントレッド179、ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット29、ピグメントブルー15、ピグメントグリーン7、ピグメントイエロー147および150、または上述の顔料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む。
【0026】
適切な着色剤は、例えば有機着色剤、例えばクマリン460(青)、クマリン6(緑)、ナイルレッドなど;ランタニド錯体、炭化水素および置換炭化水素着色剤;多環芳香族炭化水素;シンチレーション着色剤(好ましくはオキサゾールおよびオキサジアゾール);アリールまたはヘテロアリール置換を有するポリ(2-8)オレフィン;カルボシアニン着色剤;フタロシアニンに基づく着色剤および顔料、オキサジン着色剤;カルボスチリル着色剤;ポルフィリン着色剤;アクリジン含有着色剤;アントラキノン着色剤;アリールメタン着色剤;アゾ着色剤;ジアゾニウム含有着色剤;ニトロ着色剤;キノン-イミン着色剤;テトラゾリウム着色剤;チアゾール着色剤;ペリレン着色剤;ペリノン着色剤;ビス-ベンゾオキサゾリルチオフェン(BBOT);およびキサンテン含有着色剤;近赤外波長範囲で吸収し、可視波長範囲で発光する反ストークスシフト着色剤などのフルオロフォアなど;発光着色剤、例えば5-アミノ-9-ジエチルイミノベンゾ(a)フェノキサゾニウムペルクロラート;7-アミノ-4-メチルカルボスチリル;7-アミノ-4-メチルクマリン;3-(2-ベンズイミダゾリル)-7-N,N-ジエチルアミノクマリン;3-(2-ベンゾチアゾリル)-7-ジエチルアミノクマリン;2-(4-ビフェニリル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4オキサジアゾール;2-(4-ビフェニル)-6-フェニルベンゾオキサゾール-1,3;2,5-ビス-(4-ビフェニリル)-1,3,4-オキサジアゾール;2,5-ビス-(4-ビフェニリル)-オキサゾール;4,4-ビス-(2-ブチルオクチルオキシ)-p-クオタフェニル;p-ビス(o-メチルスチリル)-ベンゼン;5,9-ジアミノベンゾ(a)フェノキサゾニウムペルクロラート;4-ジシアノメチレン-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン;1,1-ジエチル-2,2-カルボシアニンヨージド;3,3-ジエチル-4,4,5,5-ジベンゾチアトリカルボシアニンヨージド;7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン;7-ジエチルアミノ-4-トリフルオロメチルクマリン;2,2-ジメチル-p-クアテルフェニル;2,2-ジメチル-p-ターフェニル;7-エチルアミノ-6-メチル-4-トリフルオロメチルクマリン;7-エチルアミノ-4-トリフルオロメチルクマリン;ナイルレッド;ローダミン700;オキサジン750;ローダミン800;IR 125;IR 144;IR 140;IR 132;IR 26;IR 5;ジフェニルヘキサトリエン;ジフェニルブタジエン;テトラフェニルブタジエン;ナフタレン;アントラカン;9,10-ジフェニルアントラセン;ピレン;クリセン;ルブレン;コロネン;フェナントレンなど、または上記の着色剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む。
【0027】
適切な染料は、例えば、二酸化チタン、アントラキノン、ペリレン、ペリノン、インダントロン、キナクリドン、キサンテン、オキサジン、オキサゾリン、チオキサンテン、インジゴイド、チオインジゴイド、ナフタルイミド、シアニン、キサンテン、メチン、ラクトンソフィリン、クマリン(BBOT)、ナフタレンテトラカルボン酸誘導体、モノアゾおよびジアゾ顔料、トリアリールメタン、アミノケトン、ビフェニルビス(スチリル)誘導体など、およびそれらのうちの少なくとも1つを含む組み合わせも含み得る。
【0028】
着色マスターバッチはポリオレフィン支持樹脂を含む。一般に、支持樹脂は、支持樹脂を通して染料の良好な分散を提供するように選択することができる。様々な例において、ポリオレフィン系着色マスターバッチは、ポリエチレンまたはポリプロピレン支持樹脂を含むことができるが、他のポリオレフィン系支持樹脂を確実に使用することができる。
【0029】
ポリオレフィン系マスターバッチは、ポリアミド系樹脂およびガラス繊維と混合することができる。
【0030】
ポリアミド(A)について
ポリアミドを定義するために使用される命名法は、ISO規格1874-1:2011 「Plastiques--Materiaux polyamides(PA)pour moulage et extrusion--Partie 1:Designation」、特に3ページ(表1および2)に記載されており、当業者に周知である。
【0031】
半結晶性ポリアミドは、本発明の意味の範囲内で、ISO規格11357-2および3:2013に従ってそれぞれ決定されるガラス転移温度(Tg)および融解温度(Tm)、ならびにISO規格11357-3、2013に従って測定されるDSCにおける20 K/分の速度での冷却工程中の30 J/gより大きい、好ましくは35 J/gより大きい結晶化エンタルピーを有するポリアミドを示す。
【0032】
半結晶性ポリアミドは、0~30重量%の割合で少なくとも1つの非晶質ポリアミドによって置換されてもよい。
【0033】
有利には、組成物は非晶質ポリアミドを含まない。
【0034】
本発明の意味の範囲内で、非晶質ポリアミドは、ガラス転移温度(Tg)(融解温度(Tm)ではない)のみを有するポリアミド(Tgは、ISO規格11357-2:2013に従って決定される)、またはISO規格11357-3:2013に従って測定される20 K/分の速度での冷却工程中の結晶化エンタルピーが、30 J/g未満、特に20 J/g未満、好ましくは15 J/g未満であるようなガラス転移温度および融点を有する結晶性が非常に低いポリアミドを示す。
【0035】
少なくとも1つの非晶質ポリアミドは、式XYのホモポリアミドまたは式A/XYのコポリアミドであってもよく、XYは、少なくとも1つの脂環式ジアミン(X)と、上に定義される少なくとも1つのC4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC6~C12、より優先的にはC10~C12の脂肪族ジカルボン酸(Y)または少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸(Y)との重縮合によって得られる反復単位であり、Aは、少なくとも1つのC6~C18、優先的にはC10~C18、より優先的にはC10~C12のアミノ酸、もしくは少なくとも1つのC6~C18、優先的にはC10~C18、より優先的にはC10~C12のラクタムの重縮合によって得られる反復単位、または少なくとも1つの脂肪族ジアミン(Ca)と、上に定義される少なくとも1つのC4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC6~C12、より優先的にはC10~C12の脂肪族ジカルボン酸(Cb)との重縮合によって得られる反復単位である。
【0036】
脂環式ジアミン(X)は、ビス(3,5-ジアルキル-4-アミノシクロヘキシル)-メタン、ビス(3,5-ジアルキル-4-アミノシクロヘキシル)エタン、ビス(3,5-ジアルキル-4-アミノシクロヘキシル)-プロパン、ビス(3,5-ジアルキル-4-アミノシクロ-ヘキシル)-ブタン、ビス-(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)-メタンまたは一般に「BMACM」または「MACM」と呼ばれる3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシル-メタン(および以下にBで示す)、一般に「PACM」と呼ばれるp-ビス(アミノシクロヘキシル)-メタン(および以下にPで示す)、特にDicykan(登録商標)、一般に「PACP」と呼ばれるイソプロピリデンジ(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン(以下にIPDで示す)および一般に「BAMN」と呼ばれる2,6-ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ならびにビス(アミノメチル)シクロヘキサン「BAC」、特に1,3-BAC、または特に1,4-BACから選択され得る。
【0037】
有利には、それは、一般に(BMACM)または(MACM)と呼ばれるビス-(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)-メタンまたは3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシル-メタン(以下、Bと示す)、一般に(PACM)と呼ばれるビス(p-アミノシクロヘキシル)-メタン(以下、Pと示す)およびビス(アミノメチル)シクロヘキサン(BAC)、特に1,3-BAC、または特に1,4-BACから選択される。
【0038】
(Y)が少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸(Y)である場合、それは有利にはテレフタル酸(Tで示される)、イソフタル酸(Iで示される)および2,6-ナフタレンジカルボン酸(Nで示される)またはそれらの混合物から選択され、特に、それはテレフタル酸(Tで示される)、イソフタル酸(Iで示される)またはそれらの混合物から選択される。
【0039】
(Y)が少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸である場合、それはCbについて以下に定義される通りである。
【0040】
少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが少なくとも1つのラクタムの重縮合から得られる場合、少なくとも1つのラクタムは、C6~C18ラクタム、優先的にはC10~C18、より優先的にはC10~C12から選択され得る。C6~C12ラクタムは、特にカプロラクタム、デカノラクタム、ウンデカノラクタムおよびラウリルラクタムである。
【0041】
したがって、少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが少なくとも1つのラクタムの重縮合から得られる場合、それは単一のラクタムまたはいくつかのラクタムを含み得る。
【0042】
有利には、少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドは、単一ラクタムの重縮合から得られ、ラクタムは、ラウリルラクタムおよびウンデカノラクタム、有利にはラウリルラクタムから選択される。
【0043】
少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが少なくとも1つのアミノ酸の重縮合から得られる場合、少なくとも1つのアミノ酸は、C6~C18アミノ酸、優先的にはC10~C18、より優先的にはC10~C12から選択され得る。
【0044】
アミノ酸C6~C12は、特に6-アミノヘキサン酸、9-アミノノナン酸、10-アミノデカン酸、10-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸および11-アミノウンデカン酸ならびにそれらの誘導体、特にN-ヘプチル-11-アミノウンデカン酸である。
【0045】
したがって、少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが少なくとも1つのラクタムの重縮合から得られる場合、それは単一のアミノ酸またはいくつかのアミノ酸を含み得る。
【0046】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、単一アミノ酸の重縮合から得られ、アミノ酸は、11-アミノウンデカン酸および12-アミノドデカン酸、有利には11-アミノウンデカン酸から選択される。
【0047】
少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが、少なくとも1つのC4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC6~C12、より優先的にはC10~C12のジアミンCaと、少なくとも1つのC4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC10~C18、より優先的にはC10~C12の二酸Cbとの重縮合から得られる場合、
少なくとも1つのジアミンCaは、脂肪族ジアミンであり、少なくとも1つの二酸Cbは脂肪族二酸である。
【0048】
ジアミンは直鎖状であっても分岐状であってもよい。有利には、それは直鎖状である。
【0049】
少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaは、特に、ブタンメチレンジアミン、1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,14-テトラデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミンおよび1,18-オクタデカメチレンジアミン、オクタデセンジアミン、エイコサンジアミン、ドコサンジアミンならびに脂肪酸から得られるジアミンから選択することができる。
【0050】
有利には、少なくとも1つのC6~C36ジアミンCaは、特に、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,14-テトラデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミンおよび1,18-オクタデカメチレンジアミン、オクタデセンジアミン、エイコサンジアミン、ドコサンジアミンならびに脂肪酸から得られるジアミンから選択することができる。
【0051】
有利には、少なくとも1つのジアミンCaは、C6~C18であり、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,14-テトラデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミンおよび1,18-オクタデカメチレンジアミンから選択することができる。
【0052】
有利には、少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaは、特に、1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチルジアミン、1,8-オクタメチルジアミン、1,9-ノナメチルジアミン、1,10-デカメチルジアミン、1,11-ウンデカメチルジアミンおよび1,12-ドデカメチルジアミンから選択される。
【0053】
有利には、使用されるCaジアミンは、特に1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミンおよび1,12-ドデカメチレンジアミンから選択されるC10~C12ジアミンである。
【0054】
少なくとも1つのC4~C36ジカルボン酸Cbは、ブタン二酸、ペンタン二酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、および脂肪酸から得られる二酸から選択され得る。
【0055】
有利には、少なくとも1つのジカルボン酸Cbは、C6~C36であり、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、および脂肪酸から得られる二酸から選択される。
【0056】
二酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。有利には、それは直鎖状である。
【0057】
有利には、少なくとも1つのCbジカルボン酸は、C6~C18であり、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸から選択される。
【0058】
有利には、少なくとも1つのジカルボン酸Cbは、C10~C18であり、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸から選択される。
【0059】
有利には、少なくとも1つのCbジカルボン酸は、C10~C12であり、セバシン酸、ウンデカン二酸およびドデカン二酸から選択される。
【0060】
半結晶性脂肪族ポリアミドが、少なくとも1つのジアミンCaと少なくとも1つのジカルボン酸Cbとの重縮合から得られる場合、したがって、単一のジアミンまたは複数のジアミンおよび単一のジカルボン酸またはいくつかのジカルボン酸を含んでもよい。
【0061】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、単一のジアミンCaと単一のジカルボン酸Cbとの重縮合から得られる。
【0062】
一実施形態では、半結晶性ポリアミドは、
C6~C18、優先的にはC9~C18、より優先的にはC10~C18、さらにより優先的にはC10~C12、特にC11の少なくとも1つのアミノ酸、または
C6~C18、優先的にはC9~C18、より優先的にはC10~C18、さらにより優先的にはC10~C12、特にC12の少なくとも1つのラクタムの重縮合から生じる。
【0063】
この実施形態の第1の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC9~C18アミノ酸または少なくとも1つのC9~C18ラクタムの重縮合から生じる。
【0064】
この実施形態の第2の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC10~C18アミノ酸または少なくとも1つのC10~C18ラクタムの重縮合から生じる。
【0065】
この実施形態の第3の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC10~C12アミノ酸または少なくとも1つのC10~C12ラクタムの重縮合から生じる。
【0066】
この実施形態の第4の変形例では、半結晶性ポリアミドは、C11アミノ酸またはC12ラクタムの重縮合から生じる。
【0067】
別の実施形態では、半結晶性ポリアミドは、
【0068】
C4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC6~C12、より優先的にはC10~C12の少なくとも1つのジアミンCaと、C4~C36、特にC6~C36、優先的にはC6~C18、優先的にはC10~C18、より優先的にはC10~C12の少なくとも1つの二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0069】
この他の実施形態の第1の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC4~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0070】
この他の実施形態の第2の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0071】
この他の実施形態の第3の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0072】
この他の実施形態の第4の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0073】
この他の実施形態の第5の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0074】
この他の実施形態の第6の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC4~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0075】
この他の実施形態の第7の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0076】
この他の実施形態の第8の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0077】
この他の実施形態の第9の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0078】
この他の実施形態の第10の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0079】
この他の実施形態の第11の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C18ジアミンCaと少なくとも1つのC4~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0080】
この他の実施形態の第12の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C18ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0081】
この他の実施形態の第13の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C18ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0082】
この他の実施形態の第14の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C18ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0083】
この他の実施形態の第15の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C18ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0084】
この他の実施形態の第16の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC4~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0085】
この他の実施形態の第17の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0086】
この他の実施形態の第18の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0087】
この他の実施形態の第19の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0088】
この他の実施形態の第20の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0089】
この他の実施形態の第21の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC4~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0090】
この他の実施形態の第22の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C36二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0091】
この他の実施形態の第23の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0092】
この他の実施形態の第24の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0093】
この他の実施形態の第25の変形例では、半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる。
【0094】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0095】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0096】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0097】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0098】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0099】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C36ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0100】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C18ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C36二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0101】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C18ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0102】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C18ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0103】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C18ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0104】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C36二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0105】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0106】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0107】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC6~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0108】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC4~C36二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0109】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C36二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0110】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC6~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0111】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C18二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0112】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、および少なくとも1つのC10~C12ジアミンCaと少なくとも1つのC10~C12二酸Cbとの重縮合から生じる半結晶性ポリアミドから選択される。
【0113】
有利には、半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA11、PA12、PA1010、PA1012、PA1210およびPA1212、特にPA11およびPA12、特にPA11から選択される。
【0114】
ガラス繊維(B)について
ガラス繊維(B)は、主に二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなる。
【0115】
一実施形態では、組成物は、主に二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなるガラス繊維以外の他のガラス繊維を含んでもよく、他のガラス繊維は、ガラス繊維の総重量に対して0~49.9重量%の割合である。
【0116】
有利には、他のガラス繊維は、ガラス繊維の総重量に対して0~40重量%、特に0~30重量%、特に0~20重量%、より詳細には0~10重量%の割合である。
【0117】
本発明の意味の範囲内で、他のタイプのガラス繊維とは、特にFrederickT.Wallenberger、James C.Watson and Hong Li,PPG industries Inc.(ASM Handbook,Vol 21:composites(#06781 G),2001 ASM International)によって記載されているような任意のガラス繊維、およびASTM D578-00規格に従って、主に二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなるもの、特にE、R、ECR、DまたはTから選択されるタイプ、特にE、特に52~62%の二酸化ケイ素、12~16%の二酸化アルミニウム、16~25%の酸化カルシウム、0~10%のホウ砂、0~5%の酸化マグネシウム、0~2%のアルカリ金属酸化物、0~1.5%の二酸化チタンおよび0~0.3%の酸化第二鉄からなるものとの差異を意味することを意図している。
【0118】
ガラス繊維は、
-4μm~25μm、好ましくは4~15μmの直径を有する円形断面を有する。
-または2~8、特に2~4のL/D比(Lは繊維の断面の最大寸法を表し、Dは繊維の断面の最小寸法を表す)を有する非円形断面を有する。LおよびDは、走査電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。
【0119】
有利には、ガラス繊維は、4μm~25μm、好ましくは4~15μmの直径を有する円形断面を有する。
【0120】
別の実施形態では、組成物は、他のガラス繊維を除いて、主に二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなるガラス繊維を含む。
【0121】
一実施形態では、本発明は上で定義した組成物に関し、ガラス繊維(B)は、二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)に基づく高機械的強度ガラス繊維、または二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化カルシウム(CaO)に基づく高弾性率ガラス繊維である。
【0122】
「に基づく」という表現は、二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)の割合が、繊維中に存在する成分の総重量に対して少なくとも78重量%であることを意味する。
【0123】
高機械的強度繊維は、特にS型繊維であり、特に、ASTM C1557-03に従って測定して、75 GPa超、優先的には78 GPa超、より優先的には80 GPa超の弾性率を有する繊維であり得る。
【0124】
一実施形態では、二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)に基づく高強度ガラス繊維または二酸化シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化カルシウム(CaO)に基づく高弾性率ガラス繊維は、58~70重量%の二酸化ケイ素(SiO2)、15~30重量%の酸化アルミニウム(Al2O3)、5~15重量%の酸化マグネシウム(MgO)、0~10重量%の酸化カルシウム(CaO)および0~2重量%の他の酸化物、例えば二酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ホウ素(B2O3)、二酸化チタン(TiO2)または酸化リチウム(Li2O)からなる。
【0125】
別の実施形態では、それらは、60~67重量%の二酸化ケイ素(SiO2)、20~28重量%の酸化アルミニウム(Al2O3)、7~12重量%の酸化マグネシウム(MgO)、0~9重量%の酸化カルシウム(CaO)および1.5重量%の他の酸化物、例えば二酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ホウ素(B2O3)、二酸化チタン(TiO2)または酸化リチウム(Li2O)からなる。
【0126】
有利には、それらは、62~66重量%の二酸化ケイ素(SiO2)、22~27重量%の酸化アルミニウム(Al2O3)、8~12重量%の酸化マグネシウム(MgO)、0~9重量%の酸化カルシウム(CaO)、および0~1重量%の他の酸化物、例えば二酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ホウ素(B2O3)、二酸化チタン(TiO2)または酸化リチウム(Li2O)からなる。
【0127】
特に、高強度ガラス繊維は、ASTM D2343に従って測定して、3500 MPa以上の引張強度および/または少なくとも5%の破断伸びを有することが好ましい。
【0128】
本発明による高機械的強度ガラス繊維は、
-4μm~25μm、好ましくは4~15μmの直径を有する円形断面を有する。
-または2~8、特に2~4のL/D比(Lは繊維の断面の最大寸法を表し、Dは繊維の断面の最小寸法を表す)を有する非円形断面を有する。LおよびDは、走査電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。
【0129】
耐衝撃性改良剤(C)について
「耐衝撃性改良剤」は、ISO 178:2010規格(23℃ RH50%)に従って測定される100 MPa未満の曲げ弾性率を有し、かつ0℃未満のTg(DSCサーモグラムの変曲点で11357-2:2013規格に従って測定される)を有するポリオレフィン系ポリマー、特にポリオレフィンであると理解されるべきである。
【0130】
耐衝撃性改良剤はまた、曲げ弾性率<200 MPaを有するPEBAブロックポリマー(ポリエーテル-ブロック-アミド)であってもよい。
【0131】
組成物は、上で定義した1つ以上の耐衝撃性改良剤をさらに含んでもよい。
【0132】
耐衝撃性改良剤の存在は、製造される物品により大きな延性を付与することを可能にする。
【0133】
耐衝撃性改良剤は、官能化または非官能化ポリオレフィンであってもよく、または少なくとも1つの官能化ポリオレフィンおよび/または少なくとも1つの非官能化ポリオレフィンの混合物であってもよい。ポリオレフィンが官能化されている場合、ポリオレフィンの一部または全部は、カルボン酸、カルボン酸無水物およびエポキシド官能基から選択される官能基を有する。
【0134】
ポリオレフィンは、従来、アルファ-オレフィンまたはジオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-オクテン、ブタジエンのホモポリマーまたはコポリマーである。例として、以下を挙げることができる。
-ポリエチレン、特にLDPE、HDPE、LLDPE(線状低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)およびメタロセンポリエチレンのホモポリマーおよびコポリマー。
-プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー。
-エチレン/プロピレン、エチレン/オクテン、EPR(エチレン-プロピレン-ゴムの略語)およびエチレン/プロピレン/ジエンなどのエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー
(EPDM)。
-スチレン/エチレン-ブテン/スチレン(SEBS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/エチレン-プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー。
-エチレンと、アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチルアクリレート)などの不飽和カルボン酸の塩もしくはエステル、または酢酸ビニル(EVA)などの飽和カルボン酸のビニルエステルから選択される少なくとも1つの生成物とのコポリマーであって、コモノマーの比率は40重量%に達し得る、コポリマー。
【0135】
ペバ(ポリエーテルブロックアミド)は、ポリアミド単位を有するブロックおよびポリエーテル単位を有するブロックを含有するコポリマーである。それらはまた、特にポリアミドブロックの末端カルボン酸官能基とポリエーテルブロックのヒドロキシル官能基との縮合反応から生じるエステル官能基を含有し得る。Pebaは、特にArkema社からPebax(登録商標)の商品名で市販されている。
【0136】
有利には、耐衝撃性改良剤は、Fusabond(登録商標)F493、Tafmer MH5020、Lotader(登録商標)、例えばLotader(登録商標)4700、Exxelor(登録商標)VA1803、VA1801およびVA 1840、Orevac(登録商標)IM800またはそれらの混合物から選択され、この場合、それらは、0.1/99.9~99.9/0.1の範囲の比で、クラトン(登録商標)FG 1901、FG 1924、MD 1653、Tuftec(登録商標)M1913、M1911およびM 1943、ならびにPebax(登録商標)、特にPebax(登録商標)40R53 SP01である。
【0137】
耐衝撃性改良剤は、コア-シェルポリマーとも呼ばれるコア-シェル改質剤であってもよい。「コア-シェル改質剤」は、エラストマーコアおよび少なくとも1つの熱可塑性シェルを有する微粒子の形態で提示され、粒径は、一般に、aμm未満、有利には包括的に150~500 nmである。コア-シェル改質剤は、アクリルまたはブタジエン塩基を有する。
【0138】
一実施形態において、「コア-シェル」耐衝撃性改良剤は、60~100重量%のブタジエン単位および0~40重量%のスチレン単位を含むコア(コアは、60~95重量%の「コアシェル」耐衝撃性改良剤を表す)、ならびに80~100重量%のメチルメタクリレート単位および0~20重量%の改質モノマー単位を含むシェル(シェルは、5~40重量%の「コア-シェル」耐衝撃性改良剤を表す)を除外する。
【0139】
別の実施形態では、組成物の耐衝撃性改良剤は、「コアシェル」耐衝撃性改良剤を除外する。
【0140】
いくつかの異なる耐衝撃性改良剤が組成物中に存在し得る。
【0141】
組成物の総重量に対する耐衝撃性改良剤(C)の含有量は、1~20重量%である。
【0142】
特定の実施形態によれば、組成物の総重量に対する耐衝撃性改良剤(C)の含有量は、1~15重量%、特に1~10重量%である。
【0143】
別の実施形態によれば、組成物は、組成物の総重量に対して1~8重量%、特に2~6重量%、特に3~6重量%の耐衝撃性改良剤を含む。
【0144】
一実施形態では、ポリオレフィンは、官能化ポリオレフィンまたは官能化ポリオレフィンと非官能化ポリオレフィンとの混合物から選択される。
【0145】
有利には、官能化ポリオレフィンは、カルボン酸、無水マレイン酸およびエポキシ官能基から選択される官能基を有するポリオレフィンである。
【0146】
添加剤(D)について
添加剤は、タルク、ワックス、カーボンブラックおよびそれらの混合物などの粒状充填剤を除いて、流動化剤、染料、触媒、安定剤、特に熱安定剤、UV安定剤、光安定剤、界面活性剤、白色化剤、有機顔料、抗酸化剤、鎖延長剤、潤滑剤、核形成剤から選択される。
【0147】
無論、粒状充填剤およびガラス繊維は添加剤から除外される。
【0148】
添加剤は、組成物の総重量に基づいて2重量%まで存在してもよく、特に、組成物の総重量に対して1~2重量%で存在する。
【0149】
「流動化剤」という用語は、特にプレポリマーとして理解されるべきである。
【0150】
プレポリマーは、直鎖または分枝の脂肪族、脂環式、半芳香族またはさらに芳香族ポリアミドオリゴマーから選択されてもよい。プレポリマーはまた、コポリアミドオリゴマーまたはポリアミドとコポリアミドオリゴマーとの混合物であってもよい。好ましくは、プレポリマーは、1000~10000 g/mol、特に1000~5000 g/molの数平均分子量Mnを有する。特に、使用される鎖制限剤が例えばモノアミンである場合、それは単官能性NH2であり得る。数平均分子量(Mn)またはアミン価は、次の式:Mn=1000/[NH2]に従って計算され、[NH2]は、例えば電位差測定によって決定されるコポリアミドのアミン官能基の濃度である。
【0151】
「触媒」という用語は、重縮合触媒、例えば鉱物または有機酸を示す。
【0152】
有利には、触媒の重量割合は、組成物の総重量に対して約50ppm~約5000ppm、特に約100~約3000ppmで構成される。
【0153】
有利には、触媒は、リン酸(H3PO4)、亜リン酸(H3PO3)、次亜リン酸(H3PO2)、またはそれらの混合物から選択される。
【0154】
銅錯体という表現は、特に、一価または二価の銅塩と有機または無機酸との錯体および有機配位子を示す。
【0155】
有利には、銅塩は、ハロゲン化水素の第二銅(Cu(II))塩、ハロゲン化水素の第一銅(Cu(I))塩および脂肪族カルボン酸の塩から選択される。
【0156】
特に、銅塩は、CuCl、CuBr、CuI、CuCN、CuCl2、Cu(OAc)2、ステアリン酸第一銅から選択される。
【0157】
銅錯体は、特に米国特許第3505285号に記載されている。
【0158】
銅系錯体は、ホスフィン、特にトリフェニルホスフィン、メルカプトベンゾイミダゾール、EDTA、アセチルアセトネート、グリシン、エチレンジアミン、オキサレート、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ピリジン、テトラブロモビスフェニル-A、テトラビスフェニル-Aの誘導体、例えばエポキシ誘導体、およびクロロジメタンジベンゾ(a,e)シクロオクテンの誘導体およびそれらの混合物、ジホスホンおよびジピリジルまたはそれらの混合物、特にトリフェニルホスフィンおよび/またはメルカプトベンゾイミダゾールから選択される配位子をさらに含み得る。
【0159】
ホスフィンは、アルキルホスフィン、例えばトリブチルホスフィンまたはアリールホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン(TPP)を示す。
【0160】
有利には、配位子はトリフェニルホスフィンである。
【0161】
複合体の例およびそれらの調製方法は、特許CA 02347258に記載されている。
【0162】
有利には、銅系錯体はハロゲン化有機化合物をさらに含む。
【0163】
ハロゲン化有機化合物は、任意のハロゲン化有機化合物であってよい。
【0164】
有利には、ハロゲン化有機化合物は、臭素系化合物および/または芳香族化合物である。
【0165】
有利には、芳香族化合物は、特に、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、ブロモまたはクロロスチレンオリゴマー、ポリジブロモスチレンから選択される。
【0166】
有利には、ハロゲン化有機化合物は臭素系化合物である。
【0167】
ハロゲン化有機化合物は、組成物の総重量に対して50~30,000ppm、特に100~10,000、特に500~1500ppmのハロゲンの重量割合で組成物に添加される。
【0168】
有利には、銅:ハロゲンのモル比は、1:1~1:3000、特に1:2~1:100で構成される。
【0169】
特に、比は1:1.5~1:15で構成される。
【0170】
有利には、抗酸化剤は銅錯体に基づく。
【0171】
熱安定剤は、有機安定剤、またはより一般的には有機安定剤の組み合わせ、例えばフェノール型の一次抗酸化剤(例えば、Cibaのirganox245または1098または1010型)、またはホスファイト型の二次抗酸化剤であってもよい。
【0172】
UV安定剤は、ヒンダードアミン光安定剤または抗UV(例えば、CibaのTinuvin 312)を意味するHALSであってもよい。
【0173】
光安定剤は、ヒンダードアミン(例えば、CibaのTinuvin 770)、フェノール系またはリン系の安定剤であってもよい。
【0174】
潤滑剤は、ステアリン酸などの脂肪酸型潤滑剤であってもよい。
【0175】
核形成剤はタルクを除外し、シリカ、アルミナ、クレイとすることができる。
【0176】
別の態様によれば、本発明は、上記で定義される組成物を製造するための方法に関し、組成物の成分は、特に二軸押出機、混錬機(comalaxeur)またはインターナルミキサーで配合することによって混合される。
【0177】
さらに別の態様によれば、本発明は、上記で定義される組成物から射出成形によって得られる成形品に関する。
【0178】
一実施形態では、物品は、輸送分野、特に自動車およびトラックの分野のためのクイックカプラである。
【0179】
別の実施形態では、物品は、電気および電子機器の分野のためのものであり、特に携帯用デバイス、特に携帯電話、スマートウォッチ、コンピュータまたはタブレット用の部品からなる群から選択される。
【0180】
さらに別の実施形態では、物品は、スポーツの分野、特にスポーツシューズのソールのためのものであり、スポーツのための、および産業用途のための保護用品のためのものである。
【0181】
さらに別の態様によれば、本発明は、上記に記載の成形品を調製するための射出成形における上記に記載の組成物の使用に関する。
【実施例】
【0182】
配合
溶融時にポリマー顆粒を短繊維と混合することによって組成物を調製した。この混合物は、230℃で平坦な温度プロファイル(T°)を有する二軸共回転MC26型押出機で配合することによって作製した。スクリュー速度は300 rpmであり、流速は25 kg/時間である。
【0183】
ガラス繊維の導入は、サイドフィードによって達成される。
【0184】
添加剤およびポリアミドは、配合プロセス中にメインホッパーに添加される。
【0185】
以下の組成物を調製した(E=本発明の実施例C=比較例):
【0186】
本発明による組成物および比較組成物の機械的特性を試験した:
【0187】
使用したPA11およびPA1010は、当業者に周知の方法に従って調製し、ISO規格11443:2014に従って、260℃、110 s-1の剪断速度で、Goettferブランド(ダイ直径12 mm)製のRheograph 25型のキャピラリーレオメーターで測定して、それぞれ400 Pa.sおよび100 Pa.sの粘度を有する。
【0188】
引張弾性率は、23℃でISO 527に従って測定される。
【0189】
破断伸びおよび破断強度は、ISO規格527に従って23℃で測定した。
【0190】
使用される機械は、INSTRON 5966型のものである。クロスヘッドの速度は、弾性率測定では1 mm/分であり、破断歪みおよび破断伸びでは5 mm/分である。試験条件は、乾燥状態で23℃である。ISO 527 1A形状の試料を、23℃、50% RHで2週間事前にコンディショニングした。変形は、接触式伸び計によって測定される。
【0191】
衝撃強度は、ISO 179/1eA(シャルピー)に従って、80mm×10mm×4 mmの寸法のノッチ付き試験片について、温度23℃+/-2℃、相対湿度50%+/-10%の下、または-40℃+/-2℃、相対湿度50%+/-10%の下で測定された。
【0192】
これらの結果から、主に二酸化シリカ(SiO2)、二酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化マグネシウム(MgO)からなる少なくとも10%の量のガラス繊維と、半結晶性ポリアミドと、耐衝撃性改良剤との組み合わせは、少なくとも10%の量のE型ガラス繊維と、半結晶性ポリアミドと、耐衝撃性改良剤との組み合わせを含む比較組成物から得られた物品、または10%未満の量のE型もしくはS2ガラス繊維と、半結晶性ポリアミドと、耐衝撃性改良剤との組み合わせを含む比較組成物から得られた物品、あるいは少なくとも10%の量のE型もしくはS2ガラス繊維と、半結晶性ポリアミドとの組み合わせを含む比較組成物から得られた物品と比較して、高い引張弾性率および冷間弾性率(シャルピー衝撃強度)を有する本発明の組成物から得られる物品を得るために必須であることが示される。
【国際調査報告】