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特表2023-518553園芸マスタ及びスレーブ照明デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-02
(54)【発明の名称】園芸マスタ及びスレーブ照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/195 20200101AFI20230425BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20230425BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20230425BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20230425BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20230425BHJP
【FI】
H05B47/195
H05B47/105
H05B47/165
H05B45/10
H05B45/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557634
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-09-21
(86)【国際出願番号】 EP2021057447
(87)【国際公開番号】W WO2021191212
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】20165775.6
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ スルイス バルテル マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】クライン マルセリヌス ペトルス カロルス ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン エルムプト ロブ フランシスクス マリア
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA01
3K273SA02
3K273SA19
3K273SA36
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA55
3K273TA62
3K273UA22
(57)【要約】
園芸マスタ照明デバイス(11)は、光源と、1つ以上の園芸マスタ光設定を決定する及び1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて園芸マスタ光をレンダリングするために光源を制御するように構成されるプロセッサとを含む。園芸マスタ光は、植物(3)を第1の位置から照らし、さらに、変調光通信信号を含む。園芸スレーブ照明デバイス(21)は、光センサと、光源と、光センサを介して、園芸マスタ照明デバイスから園芸マスタ光を受ける、変調光通信信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定する、及び1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて園芸スレーブ光をレンダリングするために光源を制御するように構成されるプロセッサとを含む。園芸スレーブ光は、植物を第2の位置から照らす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物育成環境において植物を照らすための園芸スレーブ照明デバイスであって、当該園芸スレーブ照明デバイスは、
園芸マスタ照明デバイスから園芸マスタ光を受けるための光センサであって、前記園芸マスタ光は、変調光通信信号を含み、前記園芸マスタ光は、前記植物を第1の位置から照らす、光センサと、
光源と、
前記光センサを介して、前記変調光通信信号を受信する、
前記変調光通信信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定する、及び
前記1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて園芸スレーブ光をレンダリングするために前記光源を制御し、前記園芸スレーブ光は、前記植物を第2の位置から照らす、
ように構成される、少なくとも1つのプロセッサと、
を含み、
前記園芸スレーブ光は、前記園芸マスタ光と異なり、これにより、前記植物を前記第1の位置から照らす園芸光とは異なる園芸光で前記植物を前記第2の位置から照らす、園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項2】
当該園芸スレーブ照明デバイスは、前記植物育成環境において前記植物と一緒に移動するように構成される、請求項1に記載の園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項3】
当該園芸スレーブ照明デバイスは、プラントトレイ、プラントガリ、若しくはプラントポットに埋設される、又は植物、プラントトレイ、プラントガリ、若しくはプラントポットに取り付けられる、請求項1又は2に記載の園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項4】
当該園芸スレーブ照明デバイスは、トップライティングデバイス、インターライティングデバイス及びボトムライティングデバイスのいずれかである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項5】
前記受信した変調光通信信号は、前記1つ以上の園芸スレーブ光設定、1つ以上の園芸マスタ光設定、園芸光プロトコル識別子、及び前記園芸マスタ照明デバイスの識別子のうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項6】
前記受信した変調光通信信号は、前記1つ以上の園芸マスタ光設定を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記1つ以上の園芸マスタ光設定を調整することにより前記1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて前記1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定するように構成される、請求項5に記載の園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項7】
当該園芸スレーブ照明デバイスは、トランスミッタ及びレシーバを含み、前記受信した変調光通信信号は、前記光プロトコル識別子及び/又は前記園芸マスタ照明デバイスの前記識別子を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記トランスミッタを介して、サーバシステムに前記光プロトコル識別子及び/又は前記園芸マスタ照明デバイスの前記識別子を送信する、及び
前記送信に応答して前記サーバシステムから、前記レシーバを介して、前記1つ以上の園芸スレーブ光設定及び/又は1つ以上の園芸マスタ光設定を受信する、
ように構成される、請求項5に記載の園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記光プロトコル識別子及び/又は前記園芸マスタ照明デバイスの前記識別子と共に前記サーバシステムに当該園芸スレーブ照明デバイスのハードウェア特性を記述する情報を送信する、及び
前記送信に応答して前記サーバシステムから前記1つ以上の園芸スレーブ光設定を受信し、前記1つ以上の園芸スレーブ光設定は、当該園芸スレーブ照明デバイスの前記ハードウェア特性に基づいて決定される、
ように構成される、請求項7に記載の園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項9】
前記園芸マスタ照明デバイスの前記識別子は、前記園芸マスタ照明デバイスのロケーションを識別する、請求項7又は8に記載の園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項10】
前記1つ以上の園芸マスタ光設定及び/又は前記1つ以上の園芸スレーブ光設定は、スペクトル光分布設定及び/又は光強度レベルを含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の園芸スレーブ照明デバイス。
【請求項11】
植物育成環境において植物を照らすための園芸マスタ照明デバイスであって、当該園芸マスタ照明デバイスは、
光源と、
1つ以上の園芸マスタ光設定を決定する、及び
前記1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて園芸マスタ光をレンダリングするために前記光源を制御し、前記園芸マスタ光は、変調光通信信号を含み、前記変調光通信信号は、前記1つ以上の園芸マスタ光設定、1つ以上の園芸スレーブ光設定、及び園芸光プロトコル識別子のうちの少なくとも1つを含む、
ように構成される、少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、園芸マスタ照明デバイス。
【請求項12】
植物育成環境において植物を照らすための園芸照明システムであって、当該システムは、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の園芸スレーブ照明デバイス及び請求項11に記載の園芸マスタ照明デバイスを含み、前記園芸マスタ照明デバイスは、前記植物育成環境内で固定され、前記園芸スレーブ照明デバイスは、前記植物育成環境において前記植物と共に移動するように構成される、園芸照明システム。
【請求項13】
園芸スレーブ光で植物育成環境における植物を照らす方法であって、当該方法は、
光センサを介して、園芸マスタ照明デバイスから園芸マスタ光を受けることであって、前記園芸マスタ光は、変調光通信信号を含み、前記園芸マスタ光は、前記植物を第1の位置から照らす、ことと、
前記変調光通信信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定することと、
前記1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて前記園芸スレーブ光をレンダリングすることであって、前記園芸スレーブ光は、前記植物を第2の位置から照らす、ことと、
を含み、
前記園芸スレーブ光は、前記園芸マスタ光と異なり、これにより、前記植物を前記第1の位置から照らす園芸光とは異なる園芸光で前記植物を前記第2の位置から照らす、方法。
【請求項14】
少なくとも1つのソフトウェアコード部分を含むコンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式又は前記コンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記ソフトウェアコード部分は、請求項1に記載の園芸スレーブ照明デバイスのプロセッサ上で実行されると、前記プロセッサに請求項13に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式又はコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
園芸マスタ光で植物育成環境における植物を照らす方法であって、当該方法は、
1つ以上の園芸マスタ光設定を決定することと、
前記1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて前記園芸マスタ光をレンダリングすることであって、前記園芸マスタ光は、変調光通信信号を含み、前記変調光通信信号は、前記1つ以上の園芸マスタ光設定、1つ以上の園芸スレーブ光設定、及び園芸光プロトコル識別子のうちの少なくとも1つを含む、ことと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物育成環境(plant growing environment)において植物を照らすための園芸照明デバイスに関する。
【0002】
本発明はさらに、植物育成環境において植物を照らす方法に関する。
【0003】
本発明はまた、コンピュータシステムが植物育成環境において植物を照らす方法を実行することを可能にするコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【背景技術】
【0004】
温室における作物の育成(growing)は、かねてからよく行われている。植物の光合成のために、太陽が、主光源として使用されている。近年では、日中の暗い期間は、作物の成長を促進するために人工照明で埋められている。最初、HIDランプが使用された。HIDランプは、LEDによって置き換えられつつある。LEDの利点は、植物の及び人間のニーズ及び要求に応じてLEDをスペクトル調整するケイパビリティ(capability)、HIDに比べてより高いLEDの効率、並びに、瞬時に減光又は増光されることができるという事実である。
【0005】
園芸照明における課題の一つは、植物があるサイズに達すると、植物の葉が、上方からの光が植物の下部に到達するのを妨げることである。植物の下部を照らすために、インターライティングデバイス及び/又はボトムライティングデバイスが、異なる角度から植物を照らすために使用されることができる。例えば、JP2015092861Aは、上部に配置されたLED、側部に配置されたLED及び底部付近に配置されたLEDによって植物が囲まれる配置を開示している。各取付角度は、作物に任意の角度で光が照射されることができるように調整可能に構成される。
【0006】
インターライティングデバイス及び/又はボトムライティングデバイスの使用の不利な点は、これらの園芸照明デバイスの光設定が別個に構成される必要があり、植物育成者に余分な作業を強いることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1の目的は、光設定の別個の構成(separate configuration)を必要とすることなくインターライティングデバイス及び/又はボトムライティングデバイスの使用を可能にする、園芸照明デバイスを提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、光設定の別個の構成を必要とすることなくインターライティングデバイス及び/又はボトムライティングデバイスの使用を可能にする、方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様において、植物育成環境において植物を照らすための園芸スレーブ照明デバイス(horticulture slave lighting device)は、園芸マスタ照明デバイス(horticulture master lighting device)から園芸マスタ光(horticulture master light)を受けるための光センサであって、前記園芸マスタ光は、変調光通信信号(modulated light communication signal)を含み、前記園芸マスタ光は、前記植物を第1の位置から照らす、光センサと、光源と、前記光センサを介して、前記変調光通信信号を受信する、前記変調光通信信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定(horticulture slave light setting)を決定する、及び前記1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて園芸スレーブ光(horticulture slave light)をレンダリングする(render)ために前記光源を制御し、前記園芸スレーブ光は、前記植物を第2の位置から照らす、ように構成される少なくとも1つのプロセッサとを含む。前記変調光通信信号は、例えば、可視光通信信号又は赤外光通信信号であってもよい。
【0010】
前記園芸スレーブ光は、前記園芸マスタ光と異なってもよく、すなわち、前記園芸スレーブ光及び前記園芸マスタ光の少なくとも1つの光特性が異なってもよく、前記少なくとも1つの光特性は、スペクトル光分布及び/又は光強度であってもよい。園芸マスタ光の特性は、センサによって受信される園芸マスタ光自体から、又はセンサによって受信される変調光通信信号に含まれる園芸マスタ光設定から決定されてもよい。
【0011】
例えば、園芸スレーブ照明デバイスは、トップライティングデバイス(top-lighting device)から検出される育成光特性に応じて出力される育成光(grow light)を生成するインターライティングデバイス(inter-lighting device)であってもよい。インターライティングデバイスは、例えば、植物の下部を照らすために植物の間に一時的に位置付けられるポータブル照明デバイスであってもよい。
【0012】
ある植物を照らす、第1の園芸照明デバイスの1つ以上の園芸光設定を、同じ植物を異なる位置から照らす、第2の園芸照明デバイスによって送信される変調光通信信号に基づいて決定することにより、光設定の別個の構成は、第1の園芸照明デバイスに対して必要とされない。例えば、光設定は、US 2016/0338173 A1に開示されるように変調光通信を使用して送信されてもよい。第2の園芸照明デバイスによって送信される変調光通信信号は、園芸照明デバイスが異なる位置から同じ植物を照らすという事実にもかかわらず、第1の園芸照明デバイスの光設定を決定するために使用されることができる。
【0013】
前記園芸マスタ光は、前記植物を第1の角度から照らし、前記園芸スレーブ光は、前記植物を第2の角度から照らす。これらの角度は、植物又はその一部(例えば、植物の中心/重心)の観点からのものである。それゆえ、植物又は植物部分が基準点とみなされるので、植物又は植物部分に対する光源(マスタ又はスレーブのいずれか)の位置は、植物又は植物部分の照明角度も決定する。2つの異なる位置から植物を照らす光源は、異なる角度で植物を照らす。第1の照明角度と第2の照明角度との差は、典型的には、30°を超え、例えば、園芸マスタ照明デバイスがトップライティングデバイスであり、園芸スレーブ照明デバイスがボトムライティングデバイス(bottom-lighting device)である場合、90°より大きくてもよい。
【0014】
当該園芸スレーブ照明デバイスは、例えば、トップライティングデバイス、インターライティングデバイス及びボトムライティングデバイスのいずれかであってもよい。当該園芸スレーブ照明デバイスは、前記植物育成環境において前記植物と一緒に移動する(move together with)ように構成されてもよい。例えば、植物は、異なる光及び/又は気候条件を有するゾーン間を移動してもよい。これは、固定トップライティングデバイスの光設定が定期的に調整されることを必要とせずに植物の成長段階に依存する光条件を使用することを可能にする。しかしながら、ある状況においては、例えば、最適な照明を提供するために、園芸スレーブ照明デバイスが、プラントトレイ(plant tray)、プラントガリ(plant gully)、若しくはプラントポット(plant pot)に埋設(embed)される、又は植物、プラントトレイ、プラントガリ、若しくはプラントポットに取り付け(attach)られる場合、園芸スレーブ照明デバイスを植物と一緒に移動させることが有益である。
【0015】
前記受信した変調光通信信号は、前記1つ以上の園芸スレーブ光設定、1つ以上の園芸マスタ光設定(horticulture master light setting)、園芸光プロトコル識別子(horticulture light protocol identifier)、及び前記園芸マスタ照明デバイスの識別子のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0016】
前記受信した変調光通信信号は、例えば、前記1つ以上の園芸スレーブ光設定を含んでもよい。これは、園芸スレーブ照明デバイスを比較的シンプルにすることを可能にするが、これは、園芸マスタ照明デバイスが園芸スレーブ光設定を決定することを必要とし、園芸マスタ照明デバイスの複雑さを増大させる可能性がある。
【0017】
前記受信した変調光通信信号は、例えば、前記1つ以上の園芸マスタ光設定を含んでもよい。この場合、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記1つ以上の園芸マスタ光設定を調整することにより前記1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて前記1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定するように構成されてもよい。園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスは植物の異なる部分を照らすので、園芸マスタ光設定とは異なる園芸スレーブ設定を使用することが有益であり得る。例えば、開花段階の薬用大麻植物を育成する場合、植物の上方の(複数の)園芸マスタ光設定は、(高い光強度レベルを意味し、植物にストレスを与える)花の薬用成分生成(medicinal content production)のために最適化されてもよい。同時に、(複数の)園芸スレーブ光設定は、植物の下部での光合成のために最適化されてもよい。ハイワイヤ(high-wire)トマト植物を育成する場合、植物の上方の(複数の)園芸マスタ光設定は、光合成のために最適化されてもよく、(複数の)園芸スレーブ光設定は、(部分的に)トマトを照らし、トマトのビタミンC生成のために最適化されてもよい。
【0018】
前記受信した変調光通信信号は、例えば、前記光プロトコル識別子及び/又は前記園芸マスタ照明デバイスの前記識別子を含んでもよい。当該園芸スレーブ照明デバイスはさらに、トランスミッタ及びレシーバを含んでもよく、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記トランスミッタを介して、サーバシステムに前記光プロトコル識別子及び/又は前記園芸マスタ照明デバイスの前記識別子を送信する、及び、前記送信に応答して前記サーバシステムから、前記レシーバを介して、前記1つ以上の園芸スレーブ光設定及び/又は1つ以上の園芸マスタ光設定を受信するように構成されてもよい。前記園芸マスタ照明デバイスの前記識別子は、例えば、前記園芸マスタ照明デバイスのロケーションを識別してもよい。
【0019】
これは、園芸スレーブ照明デバイスがトランスミッタ及びレシーバを含む必要があるので、園芸スレーブ照明デバイスを多少複雑にする可能性があるが、これは、園芸スレーブ照明デバイスが、適用可能な(例えば、成長)光プロトコルに関する詳細情報を取得する及び/又は園芸スレーブ照明デバイスの仕様(specifics)に最適化された園芸スレーブ光設定を取得することを可能にする。後者を実現するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記光プロトコル識別子及び/又は前記園芸マスタ照明デバイスの前記識別子と共に前記サーバシステムに当該園芸スレーブ照明デバイスのハードウェア特性を記述する情報を送信する、及び、前記送信に応答して前記サーバシステムから前記1つ以上の園芸スレーブ光設定を受信し、前記1つ以上の園芸スレーブ光設定は、当該園芸スレーブ照明デバイスの前記ハードウェア特性に基づいて決定される、ように構成されてもよい。
【0020】
前記1つ以上の園芸マスタ光設定及び/又は前記1つ以上の園芸スレーブ光設定は、例えば、スペクトル光分布設定及び/又は光強度レベルを含んでもよい。
【0021】
植物の上方の光強度レベルと比較して、園芸スレーブ照明デバイスのロケーション、例えば、植物の間又は植物の底部に近いロケーションの光強度レベルは、植物のキャノピ(canopy)による遮光に起因して減衰される可能性がある。減衰の程度は、植物の状態又は植物の成長段階のインディケーション(indication)である。例えば、葉の茂った成熟した健康で生き生きとした植物(mature healthy vigorous plant)の場合、植物の下方に向かう間に昼光及びマスタ光の大きな減衰がある。若くまだ十分に発達していない植物の場合、減衰ははるかに小さい。ある実施形態において、園芸スレーブ照明デバイスは、園芸スレーブ照明デバイスのロケーションにおける光強度レベル(例えば、光量子束密度(photon flux density)、光合成光量子束密度(photosynthetic photon flux density)、又は全体としてのスペクトル)を測定するための追加の光センサを備えてもよい。追加の光センサは、(複数の)園芸マスタ光設定及び変調光通信信号を測定するための光センサと統合/結合されてもよい。スペクトル及び/又は強度レベルの観点から、所望の園芸スレーブ光設定は、園芸光プロトコルから決定されてもよい。この場合、園芸マスタ照明デバイスは、サーバシステムから、(複数の)所望の園芸マスタ光設定及び(複数の)所望の園芸スレーブ光設定を受信する。園芸マスタ照明デバイスは、変調光通信信号を用いて、園芸スレーブ照明デバイスに(複数の)所望の園芸スレーブ光設定を伝達する。園芸スレーブ照明デバイスは、スペクトル及び/又は強度レベルの観点から、園芸スレーブ照明デバイスのロケーションにおける(複数の)実際の園芸光設定を測定するために光センサを使用し、これを、(複数の)受信した所望の園芸スレーブ光設定と比較する。(複数の)所望の園芸スレーブ光設定が(複数の)実際の園芸光設定から逸脱する場合、(複数の)所望の園芸スレーブ光設定にできるだけ近くなるように、欠いているスペクトル又は光強度が園芸スレーブ照明デバイスによって補強される。代替的に、スペクトル及び/又は強度レベルの観点から、所望の園芸スレーブ光設定は、サービスシステムによって決定されてもよい。この場合、園芸スレーブ照明デバイスにおける追加のセンサは、園芸スレーブ照明デバイスのロケーションにおける(複数の)実際の園芸光設定を測定し、これをサーバシステムに(好ましくは無線で)伝達する。この情報は、(複数の)所望の園芸スレーブ光設定を決定するためにサーバシステムによって処理される。この(複数の)所望の園芸スレーブ光設定は、園芸スレーブ照明デバイスに(好ましくは無線で)伝達し返される。さらなる代替例において、わずかに複雑であるが、園芸スレーブ照明デバイスにおける追加のセンサは、園芸スレーブ照明デバイスのロケーションにおける(複数の)実際の園芸光設定を測定し、これを別の変調光通信信号を通じて園芸マスタ照明デバイスに伝達する。この場合、園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスの両方が、園芸光及びこれに含まれる変調光通信信号を検出するための光センサを有し、両デバイスは、斯かる変調光通信信号を介して互いに双方向に通信することができる。園芸スレーブ照明デバイスのロケーションにおける(複数の)実際の園芸光設定に関する情報は、(複数の)所望の園芸スレーブ光設定を決定するために園芸マスタ照明デバイスによって処理され、(複数の)所望の園芸スレーブ光設定は、園芸マスタ光における変調光通信信号を介して園芸スレーブ照明デバイスに伝達し返される。
【0022】
園芸スレーブ光(設定)が園芸マスタ光(設定)と異なってもよいさらなる理由としては、植物に対する照明デバイスの位置(例えば、トップライティング、インターライティング、ボトムライティング等)及びそれに伴って照らされる植物部分(例えば、葉対果実)、照明デバイスのタイプ(例えば、LED、SON-T等)、光スペクトル及び/若しくは利用可能なスペクトルチューナビリティ(spectral tunability)及び/若しくは光強度レベル等の仕様の観点からの照明デバイスのケイパビリティ、並びに、照明デバイスの機能性(例えば、光合成光(photosynthetic light)、開花光(flowering light)、果実熟し光(fruit ripening light)、植物栄養価向上光(plant nutritional value improving light)等)が挙げられる。園芸スレーブ光(設定)は園芸マスタ光(設定)と異なってもよいが、それにもかかわらず、これらは、植物の位置、(照明の観点からの)植物のニーズ及び/又は植物の成長段階を通じて関連する。
【0023】
本発明の第2の態様において、植物育成環境において植物を照らすための園芸マスタ照明デバイスは、光源と、1つ以上の園芸マスタ光設定を決定する、及び、前記1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて園芸マスタ光をレンダリングするために前記光源を制御し、前記園芸マスタ光はさらに、変調光通信信号を含み、前記変調光通信信号は、前記1つ以上の園芸マスタ光設定、1つ以上の園芸スレーブ光設定、及び園芸光プロトコル識別子のうちの少なくとも1つを含む、ように構成される少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0024】
本発明の第3の態様において、植物育成環境において植物を照らすための園芸照明システムは、前記園芸スレーブ照明デバイス及び前記園芸マスタ照明デバイスを含む。例えば、前記園芸マスタ照明デバイスは、前記植物育成環境内で固定されてもよく、前記園芸スレーブ照明デバイスは、前記植物育成環境において前記植物と共に移動するように構成されてもよい。
【0025】
本発明の第4の態様において、園芸スレーブ光で植物育成環境における植物を照らす方法は、光センサを介して、園芸マスタ照明デバイスから園芸マスタ光を受けることであって、前記園芸マスタ光は、変調光通信信号を含み、前記園芸マスタ光は、前記植物を第1の位置から照らす、ことと、前記変調光通信信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定することと、前記1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて前記園芸スレーブ光をレンダリングすることであって、前記園芸スレーブ光は、前記植物を第2の位置から照らす、こととを含む。前記方法は、プログラマブルデバイスで実行されるソフトウェアによって実行されてもよい。このソフトウェアは、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0026】
本発明の第5の態様において、コンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式は、少なくとも1つのソフトウェアコード部分又は少なくとも1つのソフトウェアコード部分を記憶するコンピュータプログラムプロダクトを含み、ソフトウェアコード部分は、前記園芸スレーブ照明デバイスのプロセッサ上で実行されると、園芸スレーブ光で植物育成環境における植物を照らす前記方法を実行するように構成される。
【0027】
本発明の第6の態様において、園芸マスタ光で植物育成環境における植物を照らす方法は、1つ以上の園芸マスタ光設定を決定することと、前記1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて前記園芸マスタ光をレンダリングすることであって、前記園芸マスタ光はさらに、変調光通信信号を含み、前記変調光通信信号は、前記1つ以上の園芸マスタ光設定、1つ以上の園芸スレーブ光設定、及び園芸光プロトコル識別子のうちの少なくとも1つを含む、こととを含む。前記方法は、プログラマブルデバイスで実行されるソフトウェアによって実行されてもよい。このソフトウェアは、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0028】
本発明の第7の態様において、コンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式は、少なくとも1つのソフトウェアコード部分又は少なくとも1つのソフトウェアコード部分を記憶するコンピュータプログラムプロダクトを含み、ソフトウェアコード部分は、前記園芸マスタ照明デバイスのプロセッサ上で実行されると、園芸マスタ光で植物育成環境における植物を照らす前記方法を実行するように構成される。
【0029】
さらに、本明細書で説明される方法を実践するためのコンピュータプログラム、並びに、そのコンピュータプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータプログラムは、例えば、既存のデバイスによってダウンロードされるか、又は、既存のデバイスにアップロードされてもよく、あるいは、これらのシステムの製造時に記憶されてもよい。
【0030】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも第1のソフトウェアコード部分を記憶し、第1のソフトウェアコード部分は、コンピュータによって実行又は処理されると、光センサを介して、変調光通信信号を受信することであって、前記変調光通信信号は、園芸マスタ照明デバイスからの園芸マスタ光に含まれ、前記園芸マスタ光は前記光センサによって受けられ、植物を第1の位置から照らす、ことと、前記変調光通信信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定することと、前記1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて園芸スレーブ光をレンダリングすることであって、前記園芸スレーブ光は前記植物を第2の位置から照らす、こととを含む実行可能オペレーション(executable operation)を実行するように構成される。
【0031】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも第2のソフトウェアコード部分を記憶し、第2のソフトウェアコード部分は、コンピュータによって実行又は処理されると、1つ以上の園芸マスタ光設定を決定することと、前記1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて園芸マスタ光をレンダリングすることであって、前記園芸マスタ光はさらに、変調光通信信号を含み、前記変調光通信信号は、前記1つ以上の園芸マスタ光設定、1つ以上の園芸スレーブ光設定、及び園芸光プロトコル識別子のうちの少なくとも1つを含む、こととを含む実行可能オペレーションを実行するように構成される。
【0032】
当業者には理解されるように、本発明の諸態様は、デバイス、方法、又はコンピュータプログラムプロダクトとして具現化されてもよい。したがって、本発明の諸態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、あるいは、ソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態を取ってもよく、それらは全て、本明細書では「回路」、「モジュール」、又は「システム」と総称されてもよい。本開示で説明される機能は、コンピュータのプロセッサ/マイクロプロセッサによって実行される、アルゴリズムとして実装されてもよい。さらには、本発明の諸態様は、1つ以上のコンピュータ可読媒体として具現化されている、コンピュータプログラムプロダクトの形態を取ってもよく、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、その上に具現化されている、例えば記憶されている、コンピュータ可読プログラムコードを有する。
【0033】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定するものではないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体の、システム、装置、若しくはデバイス、あるいは、上述の任意の好適な組み合わせであってもよい。より具体的なコンピュータ可読記憶媒体の例としては、限定するものではないが、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(random access memory;RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory;ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory;EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(portable compact disc read-only memory;CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上述の任意の好適な組み合わせを挙げることができる。本発明の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを含むか、又は記憶することが可能な、任意の有形媒体であってもよい。
【0034】
コンピュータ可読信号媒体としては、例えばベースバンド内又は搬送波の一部として、その内部に具現化されているコンピュータ可読プログラムコードを有する、伝搬データ信号を挙げることができる。そのような伝搬信号は、限定するものではないが、電磁気、光学、又はこれらの任意の好適な組み合わせを含めた、様々な形態のうちのいずれを取ってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを、通信、伝搬、又は伝送することが可能な、任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0035】
コンピュータ可読媒体上に具現化されているプログラムコードは、限定するものではないが、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RF等、又は上述の任意の好適な組み合わせを含めた、任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。本発明の諸態様に関する動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、Java(商標)、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含めた、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれてもよい。このプログラムコードは、スタンドアロン型ソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(local area network;LAN)若しくは広域ネットワーク(wide area network;WAN)を含めた任意のタイプのネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、この接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)実施されてもよい。
【0036】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラムプロダクトの、フローチャート図及び/又はブロック図を参照して、本発明の諸態様が以下で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装されることができる点が理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを作り出すために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置の、プロセッサ、特にマイクロプロセッサ又は中央処理ユニット(central processing unit;CPU)に提供されてもよく、それにより、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスのプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するための手段を作り出す。
【0037】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに、特定の方式で機能するように指示することが可能な、コンピュータ可読媒体内に記憶されてもよく、それにより、コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施する命令を含む、プロダクトを作り出す。
【0038】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ実施プロセスを作り出すために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、それらのコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するためのプロセスを提供する。
【0039】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるデバイス、方法、及びコンピュータプログラムプロダクトの可能な実装の、アーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定されている論理関数を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードのモジュール、セグメント、又は部分を表してもよい。また、一部の代替的実装形態では、ブロック内に記されている機能は、それらの図に記されている順序と異なる順序で行われてもよい点にも留意されたい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は、それらのブロックは、関与している機能性に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びに、それらブロック図及び/又はフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定されている機能若しくは行為を実行する専用ハードウェアベースのシステム、又は、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施されることができる点にも留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下の図面から明らかであり、例として、それらの図面を参照してさらに解明されるであろう。
図1】園芸照明システムの第1の実施形態のブロック図である。
図2図1の園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスのブロック図である。
図3】園芸照明システムの第2の実施形態における園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスのブロック図である。
図4】園芸照明システムの第3の実施形態のブロック図である。
図5図4の園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスのブロック図である。
図6】園芸照明システムの第4の実施形態における園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスのブロック図である。
図7】園芸照明システムの第5の実施形態のブロック図である。
図8図7の園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスのブロック図である。
図9】園芸照明システムの第6の実施形態における園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスのブロック図である。
図10】園芸照明システムの第7の実施形態のブロック図である。
図11図10の園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスのブロック図である。
図12】園芸照明システムの第8の実施形態における園芸マスタ照明デバイス及び園芸スレーブ照明デバイスのブロック図である。
図13】方法の第1の実施形態のフロー図である。
図14】方法の第2の実施形態のフロー図である。
図15】方法の第3の実施形態のフロー図である。
図16】本発明の方法を実行するための例示的なデータ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図面中の対応する要素は、同じ参照番号によって示される。
【0042】
図1は、植物育成環境における園芸照明システムの第1の実施形態を示している。図1の実施形態において、園芸照明システムは、園芸トップライティングデバイス11と、2つの園芸ボトムライティングデバイス21とを含む。園芸トップライティングデバイス11は、植物3を第1の位置から照らす。園芸ボトムライティングデバイス21は、植物3を第2の位置から照らす。図1の実施形態において、2つの園芸ボトムライティングデバイス21は、植物トレイ20に取り付けられている。植物トレイ20は、植物3を有する、プラントポット1を含む。代替的に、園芸ボトムライティングデバイス21は、植物トレイ20に埋設されてもよく、植物3に取り付けられてもよく、又は、プラントポット1に埋設若しくは取り付けられてもよい。
【0043】
図1の例において、園芸ボトムライティングデバイス21は、植物育成環境において植物3と一緒に移動するように構成されている。植物トレイ20を含む、複数の植物トレイは、コンベヤベルト5上を移動している。代替的な実施形態では、植物3は、プラントガリに植えられ、モバイルガリシステム(mobile gully system)で移動し、園芸ボトムライティングデバイス21は、プラントガリに埋設又は取り付けられている。代替的な実施形態では、植物3は移動せず、固定される。
【0044】
園芸トップライティングデバイス11及び園芸ボトムライティングデバイス21は、図2に関連してより詳細に述べられる。園芸トップライティングデバイス11は、光源17と、レシーバ13と、トランスミッタ14と、プロセッサ15とを含む。プロセッサ15は、1つ以上の園芸マスタ光設定を決定する及び1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて園芸マスタ光をレンダリングするために光源17を制御するように構成される。園芸マスタ光はさらに、変調光通信信号を含む。
【0045】
図2の実施形態において、プロセッサ15は、トランスミッタ14を介して、サーバシステム9に要求メッセージを送信する、及び、レシーバ13を介して、応答メッセージを返信で受信することにより1つ以上の園芸マスタ光設定を決定するように構成される。応答メッセージは、少なくとも1つ以上の園芸マスタ光設定を含み、光プロトコル全体(entire light protocol)を含んでもよい。園芸トップライティングデバイス11は、この実施形態において、園芸マスタ照明デバイスと称される。
【0046】
園芸ボトムライティングデバイス21は各々、光センサ22と、プロセッサ25と、パワーサプライ26と、光源29とを含む。プロセッサ25は、光センサ22を介して、園芸トップライティングデバイス11から変調光通信信号を受信する、変調光通信信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定する、及び、1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて園芸スレーブ光をレンダリングするために光源29を制御するように構成される。パワーサプライ26は、例えば、無線パワーレシーバ(wireless power receiver)及び/又はバッテリを含んでもよい。園芸ボトムライティングデバイス21は、この実施形態において、園芸スレーブ照明デバイスと称される。
【0047】
1つ以上の園芸マスタ光設定及び/又は1つ以上の園芸スレーブ光設定は、好ましくは、スペクトル光分布設定及び/又は光強度レベルを含む。図2の実施形態において、変調光通信信号は、1つ以上の園芸スレーブ光設定及び/又は1つ以上の園芸マスタ光設定を含む。プロセッサ25は、1つ以上の受信した園芸マスタ光設定を調整することにより1つ以上の受信した園芸マスタ光設定に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定するように構成されてもよい。
【0048】
図3は、植物育成環境における園芸照明システムの第2の実施形態を示している。この第2の実施形態において、変調光通信信号は、園芸光プロトコル識別子及び/又は園芸マスタ照明デバイスの識別子を含み、園芸ボトムライティングデバイス31は、図2のボトムライティングデバイス21と比較して、追加のレシーバ33及び追加のトランスミッタ34を含む。
【0049】
園芸ボトムライティングデバイス31は、トランスミッタ34を介して、光プロトコル識別子及び/又は園芸マスタ照明デバイスの識別子を含む要求メッセージをサーバシステム9に送信する、及び、要求メッセージの送信に応答してサーバシステム9から、レシーバ33を介して、1つ以上の園芸スレーブ光設定を受信する点で図3の園芸ボトムライティングデバイス21のプロセッサ25とは異なるプロセッサ35を含む。
【0050】
図4は、植物育成環境における園芸照明システムの第3の実施形態を示している。図4の実施形態において、園芸照明システムは、図2の園芸トップライティングデバイス11と、園芸インターライティングデバイス51とを含む。園芸トップライティングデバイス11は、植物3を第1の位置から照らす。園芸インターライティングデバイス51は、植物3を第2の位置から照らす。
【0051】
園芸インターライティングデバイス51は、図5に関連してより詳細に述べられる。園芸インターライティングデバイス51は、光センサ52と、プロセッサ55と、パワーサプライ56と、3つの光源57~59とを含む。プロセッサ55は、光センサ52を介して、園芸トップライティングデバイス11から変調光通信信号を受信する、変調光通信信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定する、及び、1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて園芸スレーブ光をレンダリングするために光源57~59を制御するように構成される。パワーサプライ56は、例えば、パワーコネクタ(power connector)及び/又はバッテリを含んでもよい。園芸インターライティングデバイス51は、この実施形態において、園芸スレーブ照明デバイスと称される。
【0052】
図5の実施形態において、変調光通信信号は、1つ以上の園芸スレーブ光設定及び/又は1つ以上の園芸マスタ光設定を含む。プロセッサ55は、1つ以上の受信した園芸マスタ光設定を調整することにより1つ以上の受信した園芸マスタ光設定に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定するように構成されてもよい。図5は、図2の園芸トップライティングデバイス11も示している。
【0053】
図6は、植物育成環境における園芸照明システムの第4の実施形態を示している。この第4の実施形態において、変調光通信信号は、園芸光プロトコル識別子及び/又は園芸マスタ照明デバイスの識別子を含み、園芸インターライティングデバイス61は、図5のインターライティングデバイス51と比較して、追加のレシーバ63及び追加のトランスミッタ64を含む。
【0054】
園芸インターライティングデバイス61は、トランスミッタ64を介して、光プロトコル識別子及び/又は園芸マスタ照明デバイスの識別子を含む要求メッセージをサーバシステム9に送信する、及び、要求メッセージの送信に応答してサーバシステム9から、レシーバ63を介して、1つ以上の園芸スレーブ光設定を受信する点で図5の園芸インターライティングデバイス51のプロセッサ55とは異なるプロセッサ65を含む。
【0055】
図7は、植物育成環境における園芸照明システムの第5の実施形態を示している。図7の実施形態において、園芸照明システムは、園芸インターライティングデバイス81と、図2の園芸ボトムライティングデバイス21とを含む。園芸インターライティングデバイス81は、植物3を第1の位置から照らす。園芸ボトムライティングデバイス21は、植物3を第2の位置から照らす。
【0056】
園芸インターライティングデバイス81は、図8に関連してより詳細に述べられる。園芸インターライティングデバイス81は、図5及び図6の園芸インターライティングデバイス51及び61とそれぞれ同様の同じパワーサプライ56及び光源57~59を含む。園芸インターライティングデバイス81はさらに、図6の園芸インターライティングデバイス61と同様のレシーバ63及びトランスミッタ64を含む。園芸インターライティングデバイス81はさらに、プロセッサ85を含む。プロセッサ85は、1つ以上の園芸マスタ光設定を決定する及び1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて園芸マスタ光をレンダリングするために光源57~59を制御するように構成される。園芸マスタ光はさらに、変調光通信信号を含む。
【0057】
図8の実施形態において、プロセッサ85は、トランスミッタ64を介して、サーバシステム9に要求メッセージを送信する、及び、レシーバ63を介して、応答メッセージを返信で受信することにより1つ以上の園芸マスタ光設定を決定するように構成される。応答メッセージは、少なくとも1つ以上の園芸マスタ光設定を含み、全光プロトコルを含んでもよい。園芸インターライティングデバイス81は、この実施形態において、園芸マスタ照明デバイスと称される。
【0058】
図9は、植物育成環境における園芸照明システムの第6の実施形態を示している。この第6の実施形態において、園芸照明システムは、図8の園芸インターライティングデバイス81と、図3の園芸ボトムライティングデバイス31とを含む。変調光通信信号は、園芸光プロトコル識別子及び/又は園芸マスタ照明デバイスの識別子を含む。
【0059】
図10及び図11は、植物育成環境における園芸照明システムの第7の実施形態を示している。図10及び図11の実施形態において、園芸照明システムは、図2の園芸トップライティングデバイス11及び園芸ボトムライティングデバイス21と、図5の園芸インターライティングデバイス51とを含む。園芸トップライティングデバイス11は、植物3を第1の位置から照らす。園芸インターライティングデバイス51は、植物3を第2の位置から照らす。園芸ボトムライティングデバイス21は、植物3を第3の位置から照らす。
【0060】
図12は、植物育成環境における園芸照明システムの第8の実施形態を示している。図12の実施形態において、園芸照明システムは、図2の園芸トップライティングデバイス11と、図3の園芸ボトムライティングデバイス31と、図6の園芸インターライティングデバイス61とを含む。園芸トップライティングデバイス11は、植物3を第1の位置から照らす。園芸インターライティングデバイス61は、植物3を第2の位置から照らす。園芸ボトムライティングデバイス31は、植物3を第3の位置から照らす。
【0061】
図1図12に示される実施形態では、照明デバイスは、1つのプロセッサを含む。代替的な実施形態では、照明デバイスの1つ以上は、複数のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、特定用途向けプロセッサ、例えば、LEDコントローラICであってもよい。プロセッサは、プログラマブルであってもよい。レシーバ及びトランスミッタは、シンプルであってもよく、例えば、アナログ信号を受信及び送信してもよく、又は、複雑であってもよく、例えば、Wi-fi(登録商標)、Zigbee(登録商標)又はBluetooth(登録商標)トランシーバであってもよい。光源は各々、例えば、1つ以上のLEDを含んでもよい。
【0062】
図1図12に示される実施形態では、別個のレシーバ及び別個のトランスミッタが使用されている。代替的な実施形態では、レシーバ及びトランスミッタは、トランシーバにまとめられる。照明デバイスは、照明デバイスに典型的な他の構成要素を含んでもよい。本発明は、1つ以上のプロセッサで実行されるコンピュータプログラムを使用して実装されてもよい。
【0063】
園芸マスタ光及び園芸スレーブ光で植物育成環境における植物を照らす方法の第1の実施形態が図13に示されている。ステップ101は、園芸マスタ照明デバイスが、1つ以上の園芸マスタ光設定を決定することを含む。ステップ103は、園芸マスタ照明デバイスが、1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて園芸マスタ光をレンダリングすることを含む。園芸マスタ光は、植物を第1の位置から照らし、可視光通信(VLC:visible light communication)信号を含む。
【0064】
図13の実施形態では、ステップ103は、ステップ121で実施される。ステップ121は、1つ以上の園芸スレーブ光設定を含むVLC信号を含む園芸マスタ光をレンダリングすることを含む。これは、園芸スレーブ照明デバイスが、スタンドアロンで、すなわち、ネットワーク接続を必要とせずに動作することを可能にする。VLC信号は、例えば、光プロトコル全体を含んでもよい。園芸マスタ照明デバイスは、ステップ101においてこれらの1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定してもよい。
【0065】
ステップ111は、園芸スレーブ照明デバイスが、光センサを介して、園芸マスタ照明デバイスから園芸マスタ光を受けることを含む。ステップ113は、園芸スレーブ照明デバイスが、VLC信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定することを含む。図13の実施形態では、ステップ113は、ステップ131で実施される。ステップ131は、VLC信号からVLC信号に含まれる1つ以上の園芸スレーブ光設定を抽出することを含む。ステップ115は、園芸スレーブ照明デバイスが、1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて園芸スレーブ光をレンダリングすることを含む。園芸スレーブ光は、植物を第2の位置から照らす。図13の実施形態では、園芸スレーブ照明デバイスは、受信した光設定と全く同じ光設定をレンダリングする。
【0066】
園芸マスタ光及び園芸スレーブ光で植物育成環境における植物を照らす方法の第2の実施形態が図14に示されている。ステップ101は、園芸マスタ照明デバイスが、1つ以上の園芸マスタ光設定を決定することを含む。ステップ103は、園芸マスタ照明デバイスが、1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて園芸マスタ光をレンダリングすることを含む。
【0067】
園芸マスタ光は、植物を第1の位置から照らし、可視光通信(VLC)信号を含む。図14の実施形態では、ステップ103は、ステップ141で実施される。ステップ141は、1つ以上の園芸マスタ光設定を含むVLC信号を含む園芸マスタ光をレンダリングすることを含む。
【0068】
ステップ111は、園芸スレーブ照明デバイスが、光センサを介して、園芸マスタ照明デバイスから園芸マスタ光を受けることを含む。ステップ113は、園芸スレーブ照明デバイスが、VLC信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定することを含む。図14の実施形態では、ステップ113は、ステップ151及び153で実施される。
【0069】
ステップ151は、VLC信号からVLC信号に含まれる園芸マスタ光設定を抽出することを含む。ステップ153は、1つ以上の抽出された園芸マスタ光設定を調整することにより1つ以上の抽出された園芸マスタ光設定に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定することを含む。言い換えれば、園芸スレーブ照明デバイスは、ステップ151において、1つ以上の依存性(植物間)(dependent (interplant))光設定、例えば、依存性(植物間)光プロトコルを決定する。
【0070】
ステップ115は、園芸スレーブ照明デバイスが、1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて園芸スレーブ光をレンダリングすることを含む。園芸スレーブ光は、植物を第2の位置から照らす。1つ以上のマスタ光設定はステップ153で調整されたので、園芸スレーブ光は、園芸マスタ光とは異なる。例えば、スレーブ光は、とりわけ、果実等、特定の植物器官の成長又は品質面を促進することを目的としてもよい。
【0071】
園芸マスタ光及び園芸スレーブ光で植物育成環境における植物を照らす方法の第3の実施形態が図15に示されている。ステップ101は、園芸マスタ照明デバイスが、1つ以上の園芸マスタ光設定を決定することを含む。ステップ103は、園芸マスタ照明デバイスが、1つ以上の園芸マスタ光設定に基づいて園芸マスタ光をレンダリングすることを含む。
【0072】
園芸マスタ光は、植物を第1の位置から照らし、可視光通信(VLC)信号を含む。図14の実施形態では、ステップ103は、ステップ161で実施される。ステップ161は、光プロトコル識別子及び/又は園芸マスタ照明デバイスの識別子を含むVLC信号で園芸マスタ光をレンダリングすることを含む。
【0073】
ステップ111は、園芸スレーブ照明デバイスが、光センサを介して、園芸マスタ照明デバイスから園芸マスタ光を受けることを含む。ステップ113は、園芸スレーブ照明デバイスが、受信した園芸マスタ光におけるVLC信号に基づいて1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定することを含む。図14の実施形態では、ステップ113は、ステップ171~175で実施される。
【0074】
ステップ171は、園芸スレーブ照明デバイスが、光プロトコル識別子及び/又は園芸マスタ照明デバイスの識別子を含む要求メッセージをサーバシステムに送信することを含む。ステップ173は、園芸スレーブ照明デバイスが、要求メッセージの送信に応答してサーバシステムから1つ以上の園芸スレーブ光設定を受信することを含む。ステップ175は、園芸スレーブ照明デバイスが、サーバシステムの応答メッセージから1つ以上の園芸スレーブ光設定を抽出することを含む。1つ以上の園芸スレーブ光設定は、典型的には、1つ以上の園芸マスタ光設定とは異なる。言い換えれば、園芸スレーブ照明デバイスは、典型的には、ステップ175において、1つ以上の依存性(植物間)光設定、例えば、依存性(植物間)光プロトコルを決定/抽出する。
【0075】
代替的な実施形態において、ステップ173は、要求メッセージの送信に応答してサーバシステムから1つ以上の園芸マスタ光設定を受信することを含み、ステップ175は、サーバシステムの応答メッセージから1つ以上の園芸マスタ光設定を抽出することを含む。この代替実施形態では、図14のステップ153が、ステップ175の後に実行されてもよい。
【0076】
ステップ181は、サーバシステムが、園芸スレーブ照明デバイスから要求メッセージを受信することを含む。ステップ183は、サーバシステムが、要求メッセージに含まれる光プロトコル識別子及び/又は園芸マスタ照明デバイスの識別子に関連する光プロトコルから1つ以上の園芸光設定を決定することを含む。光プロトコルは、光プロトコルのデータベースに記憶されてもよい。ステップ185は、少なくともステップ183で決定された1つ以上の園芸光設定を含む応答メッセージを園芸スレーブ照明デバイスに送信することを含む。応答メッセージは、例えば、スペクトル、明るさ、スケジュール、及び成長段階等、関連する光プロトコルの詳細を含んでもよい。
【0077】
要求メッセージが光プロトコル識別子を含まない場合、サーバシステムは、デバイス識別子に基づいて園芸マスタ照明デバイスでアクティブな光プロトコルを識別することができてもよい。園芸マスタ照明デバイスの識別子は、例えば、園芸マスタ照明デバイスのロケーションを識別してもよい。
【0078】
光プロトコルは、デバイスのタイプごとに1つ以上の園芸光設定、例えば、トップライティングデバイスのための1つ以上の園芸光設定、インターライティングデバイスのための1つ以上の園芸光設定、及びボトムライティングデバイスのための1つ以上の園芸光設定を指定してもよい。例えば、要求メッセージは、園芸スレーブ照明デバイスのタイプを示す情報を含んでもよく、又は、園芸スレーブ照明デバイスのタイプは、予め定められてもよい。サーバシステムは、ステップ183において光プロトコルからこのデバイスのタイプに関連する1つ以上の園芸光設定を得てもよい。
【0079】
代替的に、光プロトコルは、1つ以上の園芸光設定の1つのセットのみを指定してもよい。この場合、サーバシステムは、この1つ以上の園芸光設定のセットを得、ステップ183において得られた1つ以上の園芸光設定のセットを調整することにより1つ以上の園芸スレーブ光設定を決定してもよい。この場合、ステップ183は、例えば、図14のステップ153又はサブステップとして同様のステップを含んでもよい。
【0080】
要求メッセージは、園芸スレーブ照明デバイスのハードウェア特性を記述する情報を含んでもよい。この場合、ステップ183は、園芸スレーブ照明デバイスのハードウェア特性に基づいて光プロトコルから1つ以上の園芸光設定を得ること、又は、園芸スレーブ照明デバイスのハードウェア特性に基づいて光プロトコルから得られた1つ以上の園芸光設定を調整することを含む。
【0081】
園芸スレーブ照明デバイスのタイプを記述する情報は、例えば、タイプが園芸スレーブ照明デバイスの高さ以上のものを示す場合又は園芸スレーブ照明デバイスの高さがこの植物育成環境における特定のハードウェア特性に関連する場合、園芸スレーブ照明デバイスのハードウェア特性を記述する情報として使用可能であってもよい。代替的な実施形態において、要求メッセージは、園芸スレーブ照明デバイスの識別子を含み、サーバシステムは、この識別子に基づいて園芸スレーブ照明デバイスのハードウェア特性を得る。
【0082】
斯くして、要求メッセージに基づいて、サーバシステムは、検出された光プロトコル及び園芸スレーブ照明デバイスのハードウェア特性に対してカスタマイズされる1つ以上の園芸光設定を返送する。言い換えれば、ステップ173において園芸スレーブ照明デバイスによって受信される1つ以上の園芸スレーブ光設定は、園芸スレーブ照明デバイスのハードウェア特性に基づいて決定される。
【0083】
ステップ115は、ステップ175でサーバシステムの応答メッセージから1つ以上の園芸スレーブ光設定が抽出された後に実行される。ステップ115は、園芸スレーブ照明デバイスが、1つ以上の園芸スレーブ光設定に基づいて園芸スレーブ光をレンダリングすることを含む。園芸スレーブ光は、植物を第2の位置から照らす。
【0084】
図13図15の実施形態において、園芸マスタ光は、可視光通信信号を含む。これらの実施形態の変形例では、マスタ光は、異なるタイプの変調光通信信号、例えば、赤外光通信信号を含む。
【0085】
図16は、図13図15を参照して述べられたような方法を実行し得る、例示的なデータ処理システムを示すブロック図を示している。
【0086】
図16に示されるように、データ処理システム300は、システムバス306を介してメモリ要素304に結合される、少なくとも1つのプロセッサ302を含んでもよい。それゆえ、データ処理システムは、メモリ要素304内にプログラムコードを記憶してもよい。さらに、プロセッサ302は、システムバス306を介してメモリ要素304からアクセスされるプログラムコードを実行してもよい。一態様では、データ処理システムは、プログラムコードを記憶及び/又は実行するために好適なコンピュータとして実装されてもよい。しかしながら、データ処理システム300は、本明細書内で述べられる機能を実行することが可能な、プロセッサ及びメモリを含む任意のシステムの形態で実装されてもよい点を理解されたい。
【0087】
メモリ要素304は、例えば、ローカルメモリ308及び1つ以上の大容量記憶デバイス310等の、1つ以上の物理メモリデバイスを含んでもよい。ローカルメモリとは、プログラムコードの実際の実行中に一般に使用される、ランダムアクセスメモリ又は他の非永続的メモリデバイスを指してもよい。大容量記憶デバイスは、ハードドライブ又は他の永続的データ記憶デバイスとして実装されてもよい。処理システム300はまた、実行中に大容量記憶デバイス310からプログラムコードが取得されなければならない回数を低減するために、少なくとも一部のプログラムコードの一時記憶を提供する、1つ以上のキャッシュメモリ(図示せず)を含んでもよい。また、処理システム300は、例えば、処理システム300がクラウドコンピューティングプラットフォームの一部である場合、別の処理システムのメモリ要素を使用することができてもよい。
【0088】
入力デバイス312及び出力デバイス314として示される、入出力(I/O:input/output)デバイスが、オプションとして、データ処理システムに結合されることができる。入力デバイスの例としては、限定するものではないが、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、(例えば、ボイス及び/又はスピーチ認識のための)マイク等を挙げることができる。出力デバイスの例としては、限定するものではないが、モニタ又はディスプレイ、スピーカ等を挙げることができる。入力デバイス及び/又は出力デバイスは、直接、又は介在I/Oコントローラを介して、データ処理システムに結合されてもよい。
【0089】
一実施形態では、入力デバイス及び出力デバイスは、複合型入力/出力デバイス(入力デバイス312及び出力デバイス314を取り囲む破線で図16に示されるもの)として実装されてもよい。そのような複合型デバイスの一例は、「タッチスクリーンディスプレイ」又は単に「タッチスクリーン」と称される場合もある、タッチセンシティブディスプレイである。そのような実施形態では、デバイスへの入力は、タッチスクリーンディスプレイ上、又はタッチスクリーンディスプレイの近くでの、例えばスタイラス又はユーザの指等の、物理的実体の移動によって提供されてもよい。
【0090】
ネットワークアダプタ316もまた、データ処理システムに結合されて、介在する私設ネットワーク又は公衆ネットワークを介して、そのデータ処理システムが、他のシステム、コンピュータシステム、リモートネットワークデバイス、及び/又はリモート記憶デバイスに結合されることを可能にしてもよい。ネットワークアダプタは、上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークによってデータ処理システム300に送信されるデータを受信するための、データレシーバと、データ処理システム300から上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークにデータを送信するための、データトランスミッタとを含んでもよい。モデム、ケーブルモデム、及びEthernet(登録商標)カードは、データ処理システム300と共に使用されてもよい、種々のタイプのネットワークアダプタの例である。
【0091】
図16に示されるように、メモリ要素304は、アプリケーション318を記憶してもよい。様々な実施形態では、アプリケーション318は、ローカルメモリ308、1つ以上の大容量記憶デバイス310内に記憶されてもよく、あるいは、それらローカルメモリ及び大容量記憶デバイスとは別個であってもよい。データ処理システム300はさらに、アプリケーション318の実行を容易にすることが可能なオペレーティングシステム(図16には示さず)を実行してもよい点を理解されたい。アプリケーション318は、実行可能プログラムコードの形態で実装されており、データ処理システム300によって、例えばプロセッサ302によって、実行されることができる。アプリケーションの実行に応答して、データ処理システム300は、本明細書で述べられる1つ以上の動作又は方法ステップを実行するように構成されてもよい。
【0092】
本発明の様々な実施形態は、コンピュータシステムと共に使用するためのプログラムプロダクトとして実装されてもよく、このプログラムプロダクトのプログラムは、(本明細書で説明される方法を含めた)実施形態の機能を定義する。一実施形態では、このプログラムは、様々な非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができ、本明細書で使用されるとき、「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という表現は、全てのコンピュータ可読媒体を含むが、唯一の例外は一時的な伝搬信号である。別の実施形態では、このプログラムは、様々な一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができる。例示的なコンピュータ可読記憶媒体としては、限定するものではないが、(i)情報が永続的に記憶される、書き込み不可記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって読み取り可能なCD-ROMディスク、ROMチップ、又は任意のタイプの不揮発性固体半導体メモリ等の、コンピュータ内部の読み出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される、書き込み可能記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内部のフロッピーディスク、又は任意のタイプのランダムアクセス固体半導体メモリ)が挙げられる。コンピュータプログラムは、本明細書で述べられるプロセッサ302上で実行されてもよい。
【0093】
本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用されるとき、用語「含む」及び/又は「含んでいる」は、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在若しくは追加を排除するものではない点が、さらに理解されるであろう。
【0094】
以下の請求項における全てのミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素の、対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に特許請求される他の特許請求要素と組み合わせて機能を実行するための、任意の構造、材料、又は行為を含むことが意図される。本発明の実施形態の説明は、例示を目的として提示されてきたが、網羅的であるか、又は開示された形態の実装形態に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正形態及び変形形態が当業者には明らかとなるであろう。実施形態は、本発明の原理及び一部の実際的応用を最良に説明し、想到される特定の用途に適するような様々な修正を有する様々な実施形態に関して、他の当業者が本発明を理解することを可能にするために、選択及び説明されるものとした。
図1
図2
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【国際調査報告】