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特表2023-518557シート素材の自動裁断機における吸引裁断用のモジュール式支持要素
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  • 特表-シート素材の自動裁断機における吸引裁断用のモジュール式支持要素 図1
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  • 特表-シート素材の自動裁断機における吸引裁断用のモジュール式支持要素 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-02
(54)【発明の名称】シート素材の自動裁断機における吸引裁断用のモジュール式支持要素
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/20 20060101AFI20230425BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20230425BHJP
   B65H 5/08 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
B26D7/20
B26D7/02 B
B65H5/08 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557644
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 FR2021050407
(87)【国際公開番号】W WO2021191522
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】2003043
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507289553
【氏名又は名称】レクトラ
【氏名又は名称原語表記】LECTRA
(71)【出願人】
【識別番号】516282684
【氏名又は名称】アンバロール
(71)【出願人】
【識別番号】517386930
【氏名又は名称】エコール ナシオナル シュペリュール ダル エ メティエ
(71)【出願人】
【識別番号】514255523
【氏名又は名称】サントレ ナティオナル ド ラ ルシェルシェ シアンティフィク
(71)【出願人】
【識別番号】512082370
【氏名又は名称】コンセルバトワール ナシオナル デ アール エ メティエ(セエヌアエム)
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャビラン、ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】ラルマン、レジ
(72)【発明者】
【氏名】レニエ、ジル
(72)【発明者】
【氏名】ベン ゴルバル、ゲラン
【テーマコード(参考)】
3C021
3F101
【Fターム(参考)】
3C021CA03
3C021GA03
3C021GA05
3F101CB08
3F101CE19
3F101LA15
3F101LB11
(57)【要約】
本発明は、刃によるシート素材の自動裁断用の機械で吸引を伴うモジュール式裁断支持体要素(4)であって、同じ単一の線に配置された複数の剛毛(6)であって、剛毛のうちの少なくともいくつかはそれぞれ、支持体上に取り付けることを意図したベアリングプレート(10)にしっかりと接続されたベース(8)を有する、複数の剛毛(6)と、裁断されるシート素材が上に置かれることを意図したベースの反対側の頭部(12)と、頭部をベースに接続するステム(9)であって、その最大断面は頭部の最大断面に厳密に含まれる、ステム(9)とを含み、ベアリングプレートは、その側面のそれぞれに、剛毛がそこから延在するベアリングプレートの上面と、上面の反対側の内面との間の連通を提供する吸引空気の通過のための複数の横方向チャネル(18)を含む、モジュール式要素(4)に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃によるシート素材の自動裁断用の機械で吸引を伴う裁断支持体(2;2’)のモジュール式要素(4;4’;4’’;4’’’)であって、
同じ単一の線(L1;L2)に配置された複数の剛毛(6;6’;6’’;6a-6b)であって、少なくともいくつかの剛毛はそれぞれ、支持体上に取り付けることを意図したベアリングプレート(10)にしっかりと接続されたベース(8;8’;8’’)を有する、複数の剛毛(6;6’;6’’;6a-6b)と、
裁断されるシート素材が上に置かれることを意図した前記ベースの反対側の頭部(12;12’;12’’;12a-12b)と、
前記頭部を前記ベースに接続するステム(9;9’;9’’)であって、その最大断面は前記頭部の最大断面に厳密に含まれる、ステム(9;9’;9’’)とを含み、
前記ベアリングプレートは、その側面(10a、10b)のそれぞれに、前記剛毛がそこから延在する前記ベアリングプレートの上面と、前記上面の反対側の内面との間の連通を提供する吸引空気の通過のための複数の横方向チャネル(18;18’)を含む、モジュール式要素(4;4’;4’’;4’’’)。
【請求項2】
前記ベアリングプレート(10)は、前記横方向チャネル内に吸引空気を均一に分配するために、その側面(10a、10b)のそれぞれに、前記ベアリングプレートの前記長手方向端部(10c、10d)の間に延在し、前記横方向チャネル(18;18’)と連通する、少なくとも1つの長手方向チャネル(20;20’)をさらに含む、請求項1に記載のモジュール式要素。
【請求項3】
前記ベアリングプレートは、その側面のそれぞれに、別のモジュール式要素と機械的に組み立てるための少なくとも1つの部材(13)をさらに含む、請求項1または2に記載のモジュール式要素。
【請求項4】
各々の組立部材(13)は、前記ベアリングプレートの側面(10a、10b)に対して突出し、隣接するモジュール式要素の組立部材の対応する凹部内に連結するように意図された少なくとも1つのラグ(14)と、前記ベアリングプレートの前記側面に対して後退され、前記隣接するモジュール式要素の前記組立部材の対応するラグを連結によって受け入れることを意図した凹部(16)とを含む、請求項3に記載のモジュール式要素。
【請求項5】
少なくともいくつかの剛毛(6;6’)は、円錐台形状を有する頭部(12;12’)と、円筒形状を有するステム(9;9’)とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のモジュール式要素。
【請求項6】
各々の剛毛(6’)の前記頭部(12’)は、外側の円形断面よりも大きい内側の円形断面を有する円錐台形状を有する、請求項5に記載のモジュール式要素。
【請求項7】
各々の剛毛(6)の前記頭部(12)は、内側の円形断面よりも大きい外側の円形断面を有する逆円錐台形状を有する、請求項5に記載のモジュール式要素。
【請求項8】
少なくともいくつかの剛毛(6’’)は、多角形の断面を有するステム(9’’)および頭部(12’’)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のモジュール式要素。
【請求項9】
前記剛毛のステム(9’’)は、六角形の断面を有し、前記剛毛の前記頭部(12’’)は、八角形の断面を有する、請求項8に記載のモジュール式要素。
【請求項10】
前記ベアリングプレート(10)は、前記モジュール式要素を支持体上に組み立てるための各々の長手方向端部に取り付け具(22)と、内方に突出し、前記支持体上の心立て要素として機能する2つの指部(24)とをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のモジュール式要素。
【請求項11】
前記横方向チャネル(18)は、別のモジュール式要素が前記要素に対して取り付けられたときに円筒状の横通路を形成するように、半円形の断面を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のモジュール式要素。
【請求項12】
前記要素は、成形によって得られる、請求項1~11のいずれか一項に記載のモジュール式要素。
【請求項13】
前記剛毛(6;6’;6’’)は、一列の剛毛を形成する直線(L1)に配置される、請求項1~12のいずれか一項に記載のモジュール式要素。
【請求項14】
前記剛毛(6;6’;6’’)は、破線(L2)に配置され、剛毛の2つの平行な列(R1、R2)を形成する、請求項1~12のいずれか一項に記載のモジュール式要素。
【請求項15】
それぞれの頭部(12a、12b)が異なる形状を有する少なくとも2つの剛毛(6a、6b)を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のモジュール式要素(4’’’)。
【請求項16】
少なくとも1つの支持体上に取り付けられた、請求項1~15のいずれか一項に記載の複数のモジュール式要素(4;4’)を含む、シート素材の自動裁断のための機械における吸引を伴う裁断支持体(2;2’)。
【請求項17】
前記モジュール式要素(4)は、前記剛毛の規則正しい整列が得られるように前記支持体に取り付けられる、請求項16に記載の裁断支持体(2)。
【請求項18】
前記モジュール式要素(4’)は、前記剛毛の互い違いの整列が得られるように前記支持体上に取り付けられる、請求項16に記載の裁断支持体(2)。
【請求項19】
前記剛毛の規則正しい整列が得られるように、いくつかのモジュール式要素が前記支持体上に取り付けられ、前記剛毛の互い違いの整列が得られるように、他のいくつかのモジュール式要素が同支持体上に取り付けられる、請求項16に記載の裁断支持体。
【請求項20】
2つの隣接する剛毛の間の距離が、前記剛毛の前記ステムの断面の最大寸法よりも大きい、請求項16~19のいずれか一項に記載の裁断支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裁断支持体内を貫通する振動刃を使用する、シート素材、特に繊維素材用の自動裁断機における吸引を伴う裁断支持体に関する。より正確には、このような裁断支持体を形成することを意図したモジュール式要素に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の適用分野は、吸引を伴う裁断支持体内を貫通する振動刃を使用して、素材シート、特に繊維素材のスタックまたはパッドを自動的に裁断する分野である。
【0003】
典型的には、振動刃裁断機は、特に、裁断操作中にシートのスタックを駆動する裁断コンベヤを含む。この裁断コンベヤは、裁断操作中に裁断される素材のシートを固定するために内部に高真空が確立されたケーシング内に収容されている。
【0004】
このタイプの機械では、裁断コンベヤは、振動する刃の貫通裁断支持体としても機能する。実際、裁断操作中に刃が裁断される素材を完全に通過するだけでなく、支持面を越えてそのような面を提供する素材床内に下向きに延在することができるように、裁断支持体を刃が貫通できるようにすることはよく知られている。
【0005】
これを行うために、裁断支持体は、一般的に、ベルトによって駆動されるブロックの組立体からなる。より正確には、各々のブロックは、ベアリングプレート上にいくつかの平行な列に取り付けられた複数の剛毛を含み、各々の剛毛は、裁断されるシート素材用の支持体を形成する頭部を有する。吸引空気の通過を可能にするために、ベアリングプレートを介して横方向チャネルが作製される。したがって、これらのブロックは、裁断刃で素材を貫通することができる一方で、裁断される素材を吸引下で支持することを可能にする。
【0006】
裁断支持ブロックは、プラスチック材料を成形することによって得られることが最も多い。成形により、ベアリングプレートおよびその剛毛の組立体と一体のブロックを得ることが可能になる。このような部品の離型を確実にするために、一般的に円錐形または円筒形の剛毛は、ベースの直径よりも小さい頭部の直径を有することが必要である。特に、そのような裁断支持ブロックの一実施形態を記載している米国特許第4,205,835号明細書を参照することができる。
【0007】
しかしながら、裁断刃の先端が面取りされているため、刃と剛毛の間の干渉が、剛毛の円錐形とその柔軟性の組み合わせによって促進され、剛毛の部分的または完全な切断につながる可能性がある。この切断の上部の位置は、剛毛と刃の円錐形、または刃が遭遇する剛毛の母線に対する刃の位置に直接関連している。
【0008】
さらに、ベースが頭部よりも大きな直径を有する剛毛を有する必要性は、吸引空気の通過のためのチャネルを生成するためのベアリングプレート上の空間を制限するという欠点を有し、これは裁断支持体の吸引能力を低下させる。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点をもたない裁断支持体を提供することである。
【0010】
本発明によれば、この目的は、刃によるシート素材の自動裁断用の機械で吸引を伴うモジュール式裁断支持体要素であって、同じ単一の線に配置された複数の剛毛であって、剛毛のうちの少なくともいくつかはそれぞれ、支持体上に取り付けることを意図したベアリングプレートにしっかりと接続されたベースを有する、複数の剛毛と、裁断されるシート素材が上に置かれることを意図したベースの反対側の頭部と、頭部をベースに接続するステムであって、その最大断面は頭部の最大断面に厳密に含まれる、ステムとを含み、ベアリングプレートは、その側面のそれぞれに、剛毛がそこから延在するベアリングプレートの上面と、上面の反対側の内面との間の連通を提供する吸引空気の通過のための複数の横方向チャネルを含む、モジュール式要素によって達成される。
【0011】
ここで、「断面」とは、剛毛の軸に垂直な断面を意味するものとする。さらに、ここで「厳密に含まれる」とは、各々の剛毛のステムの最大断面のすべての点が、剛毛の頭部の最大断面に含まれる(または包含される)ことを意味するが、頭部の最大断面の少なくとも1つの点は、ステムの最大断面には含まれない。例えば、剛毛の頭部とステムがそれぞれ円形の断面を有する場合、この状態は、頭部の断面がステムの直径よりも厳密に大きい直径を有することと等価である。
【0012】
本発明は、複数のモジュール式要素を少なくとも1つの支持体に取り付けることによって、裁断支持体を製造することを可能にすることを特徴とする。各々のモジュール式要素は同じ単一の線に配置された剛毛を含むので、ベアリングプレートとそれらの剛毛を備えた単一の部品に成形することによってこれらのモジュール式要素を製造する能力を保持しながら、ステムの断面を取り囲む断面を有する頭部を少なくともいくつかの剛毛に与えることが可能である。剛毛のそのような幾何学的形状は、裁断刃の先端と接線方向の剛毛との間の相互作用を制限するという利点を有する。
【0013】
さらに、これらのモジュール式要素によって提供される支持面は、剛毛の頭部がステムの断面よりも大きいという事実により、より良好である。また、剛毛のステムとベースの断面を小さくすることで、吸引空気の通過用の横方向チャネルの直径を大きくすることが容易になり、したがって最大の吸引力を維持し、圧力低下を制限するために、ベアリングプレートの空気に対する多孔性を向上させることが容易になる。
【0014】
本発明に係る複数のモジュール式要素を取り付けることによる裁断支持体の製造に関連する別の利点は、裁断刃、織機などによって差別化された裁断支持体を提案できる可能性にある。
【0015】
ベアリングプレートは、好ましくは、その側面のそれぞれに、ベアリングプレートの長手方向端部の間に延在し、横方向チャネルと連通する少なくとも1つの長手方向チャネルをさらに含み、前記横方向チャネル内に吸引空気を均一に分配する。この構成により、モジュール式要素の吸引をベアリングプレートの表面全体でより均一にすることができる。
【0016】
同様に、ベアリングプレートは、好ましくは、その側面のそれぞれに、別のモジュール式要素と機械的に組み立てるための少なくとも1つの組立部材をさらに含む。
【0017】
この場合、各々の機械的組立部材は、ベアリングプレートの側面に対して突出し、隣接するモジュール式要素の組立部材の対応する凹部内で連結することを意図した少なくとも1つのラグと、ベアリングプレートの側面に対して後退され、隣接するモジュール式要素の組立部材の対応するラグを連結によって受け入れることを意図した凹部とを含むことができる。
【0018】
少なくともいくつかの剛毛は、円錐台形状を有する頭部と、円筒形状を有するステムとを含むことができる。この場合、これらの剛毛の頭部は、外側の円形断面よりも大きい内側の円形断面を有する円錐台形状を有することができる。あるいはまた、これらの剛毛の頭部は、内側の円形断面よりも大きい外側の円形断面を有する逆円錐台形状を有することができる。
【0019】
あるいはまた、少なくともいくつかの剛毛は、多角形の断面を有するステムと頭部(例えば、六角形の断面のステムと八角形の断面を有する頭部)を有することができる。
【0020】
ベアリングプレートは、モジュール式要素を支持体上に組み立てるための各々の長手方向端部における取り付け具と、内側に突出し、支持体上の心立て要素として作用する2つの指部とをさらに含むことができる。
【0021】
横方向チャネルは、別のモジュール式要素が前記要素に対して取り付けられたときに円筒形の横通路を形成するように、半円形の断面を有することができる。
【0022】
同じモジュール式要素の剛毛は、一列の剛毛を形成する直線に配置することができる。あるいはまた、剛毛は、剛毛の2つの平行な列を形成する破線に配置することができる。
【0023】
モジュール式要素は、それぞれの頭部が異なる形状を有する少なくとも2つの剛毛を含むことができる。
【0024】
本発明の別の目的は、上記のような、少なくとも1つの支持体に取り付けられた複数のモジュール式要素を含む、シート素材の自動裁断のための機械用の吸引を伴う裁断支持体である。
【0025】
モジュール式要素は、剛毛の規則正しい整列が得られるように支持体に取り付けることができる。あるいはまた、モジュール式要素は、剛毛を互い違いに整列させるように支持体に取り付けることができる。別の一代替例では、いくつかのモジュール式要素は、剛毛の規則正しい整列が得られるように支持体に取り付けられ、他のいくつかのモジュール式要素は、剛毛の互い違いの整列が得られるように同じ支持体に取り付けられる。
【0026】
2つの隣接する剛毛の間の距離は、好ましくは、剛毛のステムの断面の最大寸法よりも大きい。この構成により、ブロックの下部に出た切れた剛毛が周囲の剛毛に広がるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係る裁断支持ブロックの斜視図である(いわゆる「規則正しい」構成)。
図2図1の裁断支持体を得るためのモジュール式要素の斜視図である。
図3図2のモジュール式要素の正面図である。
図4図2のモジュール式要素の側面図である。
図5】本発明の別の一実施形態に係る裁断支持ブロックの斜視図である(いわゆる「互い違い」構成)。
図6図5の裁断支持ブロックの上方からの部分図である。
図7図5の裁断支持ブロックを得るためのモジュール式要素の斜視図である。
図8】別の一実施形態に係るモジュール式要素剛毛頭部の図である。
図9】本発明のさらに別の一代替実施形態に係るモジュール式要素の斜視図である。
図10A】本発明に係る同じモジュール式要素の剛毛の代替配置を示す。
図10B】本発明による同じモジュール式要素の剛毛の別の代替配置を示す。
図11】機械的組立部材のない、本発明に係るモジュール式要素の斜視図である。
図12】本発明のさらに別の一代替実施形態に係るモジュール式要素の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
振動刃裁断機のコンベヤは、裁断操作中に裁断される素材を駆動できる。コンベヤの上部は裁断支持体として機能し、下部は通常、裁断作業中に裁断される素材を固定するために内部に高真空が確立されるケーシング内に収容される。
【0029】
裁断サポート自体は、通常、図1に示す裁断支持ブロック2などの、駆動ベルト上に取り付けられた複数のブロックの組立体からなる。
【0030】
この裁断支持ブロック2は、複数のモジュール式要素4(例えば、図1によって示される実施形態では数が11)の組立体から構成される。モジュール式要素の組み立ては、以下に説明するように、それぞれの側面を連結することによって行われる。
【0031】
図2および図3により正確に示されるように、本発明に係る各モジュール式要素4は、剛毛の同じ単一の列に沿って整列された複数の剛毛6を含む。
【0032】
これらの剛毛6はそれぞれ、剛毛の組立体に共通のベアリングプレート10に堅固に接続されたベース8と、ベースの反対側にあり、裁断支持体として機能するように意図された頭部12と、ベースを頭部に結合するステム9とを有する。
【0033】
さらに、各々の剛毛6は、最大断面(換言すれば、剛毛の主軸に垂直に生成された最大断面)がそのステム9の最大断面を取り囲む頭部12を有するという特定の特性を有する。換言すれば、頭部の最大断面は、ステム9の最大断面よりも厳密に大きい(すなわち、より大きいことによってそれを取り囲んでいる)。
【0034】
例えば、図4に示すように、剛毛の頭部12およびステム9がそれぞれ円形断面を有する場合、頭部の最大断面は、ステムの断面の最大直径よりも厳密に大きい直径を有する。
【0035】
また、この実施形態では、各々の剛毛の頭部12は、内側の円形断面よりも大きい外側の円形断面を有する逆円錐台形状を有する(すなわち、円錐台の大きなベースは、モジュール式要素の外側に向かって配置され、円錐台の小さなベースは、内側を向いている)。
【0036】
もちろん、本発明は、剛毛、その頭部、およびそのベースについて、これらの特定の幾何学的形状に限定されない。例えば、ベースは円錐台または多角形ベースのピラミッド形状を有し、頭部は円形以外の断面(正方形、六角形など)を有していると想像できる。
【0037】
いくつかのモジュール式要素4を共に機械的に組み立てることができるようにするために、それらの各々のベアリングプレート10は、その2つの側面10a、10bのそれぞれに、別のモジュール式要素と機械的に組み立てるための少なくとも1つの部材13を含むことができる。
【0038】
例えば、モジュール式要素のベアリングプレートの側面10a、10bのそれぞれは、互いに離間した4つの機械的組立部材、すなわち、その長手方向の両端部10c、10dのそれぞれに端部組立部材13aと、その長手方向の両端部の間に配置された2つの中央組立部材13bとを備える。
【0039】
再び非限定的な例として、モジュール式要素の2つの側面の組立部材13は、互いに向き合って整列させることができる。
【0040】
図3の例により正確に示されるように、機械的組立部材13はそれぞれ、ベアリングプレートの側面に対して突出する少なくとも1つのラグ14と、ベアリングプレートの側面に対して後退する凹部16とを含み、ラグおよび凹部は、例えば、横並びに配置され得る。
【0041】
2つのモジュール式要素の機械的組立中、一方のモジュール式要素の機械的組立部材のラグ14は、他方のモジュール式要素の機械的組立部材の凹部16の内側で(逆も同様)、例えば、接着剤またはクリッピングによって、提供可能な保持力で連結する。いくつかのモジュール式要素を共に組み立てることで、ベアリングプレートの上面の連続性を確保することができる。
【0042】
あるいはまた、モジュール式要素を単にブロックの両側に配置するか、または支持体上に直接配置し、適切な機構によって共に保持することができる。
【0043】
再び本発明によれば、モジュール式要素のベアリングプレート10の2つの側面10a、10bはそれぞれ、ベアリングプレートの外面(換言すれば、そこから剛毛が伸びる表面)と、その内面(換言すれば、外面の反対側の面)との間の連通を提供する複数の横方向チャネル18を含む。
【0044】
ベアリングプレートの全長にわたって有利には規則的に分布しているこれらの横方向チャネル18は、吸引空気がベアリングプレートを通過できるようにすることによって、ベアリングプレートに多孔性を与える。
【0045】
例として、横方向チャネル18はそれぞれ、2つのモジュール式要素が互いに取り付けられたときに円筒状の横通路を形成するように、半円形の断面を有することができる。
【0046】
もちろん、横方向チャネルの断面について異なる形状(例えば、楕円形、多角形、または他の形状)を想定することも可能である。
【0047】
有利な構成によれば、ベアリングプレートは、その2つの側面10a、10bの各々に、2つの長手方向端部10c、10dの間に延在し、横方向チャネル18に吸引空気を均一に分配するために横方向チャネル18と連通する、長手方向チャネル20をさらに含む。
【0048】
例として、長手方向チャネル20は、2つのモジュール式要素が互いに取り付けられたときに円筒状の長手方向通路を形成するように、半円形の断面を有することができる。
【0049】
もちろん、長手方向チャネルの断面について異なる形状(例えば、楕円形、多角形、または他の形状)を想定することが可能である。
【0050】
別の有利な構成によれば、モジュール式要素のベアリングプレート10は、その長手方向端部10c、10dのそれぞれにフックの形態の少なくとも1つの取り付け具22と、ベアリングプレート内に内側に突出する2つの指部24とをさらに含む。
【0051】
フック形状の取り付け具22は、裁断コンベヤの駆動ベルト上に直接取り付けられるように意図された支持体(図示せず)に、いくつかのモジュール式要素の組立体によって形成される裁断支持ブロックを取り付けることを可能にする。指部24に関しては、それらは支持体上の心立て要素として機能する。
【0052】
もちろん、モジュール式要素をブロックに、または裁断支持体に直接取り付けるために、他の形状の取り付け具を想定することも可能である。例えば、これらの取り付け具は、T字型とすることができる。
【0053】
図1図4の実施形態では、モジュール式要素は、剛毛の規則正しい整列が得られるように、換言すれば、同じブロック2内の剛毛6が長手方向および横方向に整列されるように、同じブロック内に組み立てられる。
【0054】
図5図7によって示される別の一実施形態では、同じブロックのモジュール式要素の少なくともいくつかを、剛毛の互い違いの整列が得られるように組み立てることができる。
【0055】
したがって、図5および図6に示されるブロック2’では、モジュール式要素4-1~4-4は、剛毛を規則正しい整列が得られるように組み立てられ、一方、モジュール式要素4’-1~4’-4は、剛毛の互い違いの整列が得られるように組み立てられる。もちろん、必要に応じて、2種類のモジュール式要素を組み合わせることによる他の構成も可能である。
【0056】
図7は、同じ支持ブロック内で剛毛の互い違いの組立体を得るためのモジュール式要素4’を詳細かつ斜視図で示している。
【0057】
図1図4の実施形態と比較して、このモジュール式要素4’は、ベアリングプレート10の内面と外面との間の吸引空気の通過のための横方向チャネル18’の形状によって異なる。
【0058】
実際、この実施形態では、モジュール式要素4’の横方向チャネル18’はそれぞれ、別のモジュール式要素が前記要素上に組み立てられたときに豆形の横通路26を形成するように、二重半円の形状の断面を有する(図6を参照)。
【0059】
さらに、ベアリングプレートの長手方向端部間に延在する長手方向チャネル20’は、横方向チャネル内に吸引空気を均一に分配するために、横方向チャネル18’と連通している。
【0060】
図8は、代替実施形態に係るモジュール式要素剛毛頭部を示し、この剛毛の形状は、図5図7の実施形態のものと同様に、図1図4の実施形態のモジュール式要素に等しく適用可能である。
【0061】
この代替実施形態では、剛毛6’の頭部12’は、内側の円形断面が外側の円形断面よりも大きい円錐台形状を有する(すなわち、円錐台の小さなベースb’が、モジュール式要素の外側に向かって配置され、円錐台の大きなベースB’が内側を向く)。
【0062】
この別の実施形態では、頭部12’も、最大断面(換言すれば、最大ベースB’における断面)が、剛毛のステム9’の円形断面の最大直径d’よりも厳密に大きい直径D’を有する円形断面を有する。
【0063】
さらに、モジュール式要素4、4’の剛毛の代替実施形態が何であれ、各々の剛毛6、6’のステム9、9’は、その頭部12、12’とそのベース8、8’との間に円筒形状を有することができる。もちろん、(例えば、正方形、多角形などの断面を有する)他の形状も可能である。
【0064】
したがって、図9は、モジュール式裁断支持要素4’’のさらに別の一代替実施形態を示し、剛毛6’’のステム9’’は、頭部12’’とベース8’’との間に六角形の断面を有する。さらに、この別の実施形態では、頭部12’’は八角形の断面を有する。
【0065】
剛毛6、6’、6’’のそのような一般的な形状、および単列の剛毛を含むモジュール式要素の製造により、剛毛を単一部品に成形することによって製造することが可能になる。特に、そのような構成は、離型に必要であった剛毛形状の制約を克服することを可能にする。
【0066】
もちろん、モジュール式要素の別の製造方法、例えば付加製造またはその他の工業的製造プロセスを想定することも可能である。
【0067】
同じモジュール式要素のすべての剛毛は、断面がステムの最大断面を包含する頭部を必ずしも有するとは限らないことに再度注意すべきである。実際、同じモジュール式要素の剛毛の一部のみがそのような構成を有し、モジュール式要素の他の剛毛はそれらのステムの断面と同一の頭部断面を有することを想定することが可能である。
【0068】
さらに、図10Aおよび図10Bは、同じモジュール式要素4、4’の剛毛6、6’、6’’の2つの可能な配置を示す。
【0069】
図10Aの例示的な配置では、同じモジュール式要素の剛毛は直線L1に配置され、剛毛の単一の列を形成する。換言すれば、剛毛のそれぞれの長手軸は、すべて同じ直線L1上に整列している。
【0070】
あるいはまた、図10Bの実施形態では、同じモジュール式要素の剛毛は、剛毛の2つの平行な列R1、R2を形成するように、破線L2に沿って(または鋸歯状に)配置することができる。
【0071】
代替実施形態がどうであれ、モジュール式要素は単一部品の成形によって製造できることに留意されたい。
【0072】
同様に、図11に示すように、本発明に係るモジュール式要素4は、機械的組立部材を有していなくてもよい。この場合、同じ支持体のモジュール式要素は、同じ支持体上で互いに配置され、適切な機構によって共に保持されるだけである。
【0073】
図12は、モジュール式裁断支持要素4’’’のさらに別の一代替実施形態を部分的に示しており、剛毛の頭部が異なる形状を有している。
【0074】
したがって、図12の例示的な実施形態では、モジュール式要素は、大きなベースが外側を向いている円錐台形状をそれぞれの頭部12aが有する交互の剛毛6aと、大きなベースが内側を向いている円錐台形状をそれぞれの頭部12bが有する剛毛6bとを含む。
【0075】
剛毛頭部のそのような「頭部と尾部」の交替は、剛毛の見かけの密度を増加させるという利点を有し、布の保持を増加させる。
【0076】
もちろん、必要に応じて、(いくつかの異なる形状の剛毛頭部を備えた)他の可能な構成を想定することが可能である。同様に、この代替実施形態は、他の前述の代替実施形態と組み合わせることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
【国際調査報告】