(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-02
(54)【発明の名称】信号機なしの交差点での車路連携実現方法および装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20230425BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20230425BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20230425BHJP
B60W 30/09 20120101ALI20230425BHJP
B60W 30/095 20120101ALI20230425BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 F
G08G1/13
G08G1/09 V
B60W30/09
B60W30/095
B60W40/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557948
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2021082858
(87)【国際公開番号】W WO2021197177
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】202010248522.9
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 柏
(72)【発明者】
【氏名】▲邊▼ 学▲鵬▼
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA32
3D241BA33
3D241BB31
3D241BC01
3D241BC02
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE02
3D241DB20Z
3D241DC25Z
3D241DC33Z
3D241DC42Z
3D241DC44Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF03
5H181LL04
5H181LL14
(57)【要約】
軌跡計画用情報を取得するステップと、軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するステップと、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、を含む信号機なしの交差点での車路連携実現方法および装置を提供する。交差点で複数台の自動車の走行軌跡をインテリジェントに計画することにより、従来の信号機の作用に取って代わって、交差点における通行効率を大幅に向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するステップと、
前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、ステップと、
前記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、
を含む、信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項2】
前記の各車両の通行動作のカテゴリは、
各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1種を含む、
請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項3】
前記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、
障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、
前記正方形を前記正方形の複数の内接円で置き換えるステップであって、各内接円は、前記正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、ステップと、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項4】
前記の平面座標系における各車両の座標を取得するステップは、
各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、
前記長方形を、前記長方形を含むことができる最小対称二重外接円である前記長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における前記長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得するステップと、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項5】
前記正方形を前記正方形の複数の内接円で置き換えるステップは、
前記正方形の一辺長を直径とし前記正方形の中心を円心とする円を、前記正方形の最大内接円とするステップと、
正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を正方形の複数の小内接円とするステップであって、前記複数の小内接円の半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる、ステップと、
を含む、請求項3に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項6】
前記の平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定するステップは、
道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで前記障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定するステップと、
前記第1の衝突回避の制約条件および前記道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップと、
各車両の座標に基づいて、前記通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定するステップと、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項7】
前記第1の衝突回避の制約条件および前記道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、
前記第1の衝突回避の制約条件および前記道路領域幅情報に基づいて、前記車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと判定するステップ、および/または、
前記第1の衝突回避の制約条件および前記道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップ、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項8】
各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するステップは、
各車両の運動状態のパラメータに基づいて、各車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定するステップと、
各車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定するステップと、
各車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定するステップと、
前記第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、損失関数を決定するステップと、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項9】
前記の信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、車路連携管理システムに適用され、
前記車路連携管理システムは、
検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、
取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、請求項1~8のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている、
請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項10】
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するステップと、
前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて、衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、ステップと、
前記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、を含み、
前記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、
平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、
各ブロックは、外接正方形の辺が前記平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、前記最大円の外接正方形の、前記原点に隣接する2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む、
信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項11】
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得するように構成された取得ユニットと、
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを、車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、軌跡計画情報を取得するように構成された計画ユニットであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、計画ユニットと、
前記軌跡計画情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された駆動ユニットと、
を含む、信号機なしの交差点での車路連携実現装置。
【請求項12】
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するように構成された情報ユニットと、
前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するように構成された軌跡ユニットであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、軌跡ユニットと、
前記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された動作ユニットと、を含み、
前記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、
平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、
各ブロックは、外接正方形の辺が前記平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、 前記最大円の外接正方形の、前記原点に隣接する2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む、
信号機なしの交差点での車路連携実現装置。
【請求項13】
1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが記憶されている記憶装置とを含むサーバであって、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項1~10のいずれか1項に記載の方法が実行される、
サーバ。
【請求項14】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読媒体であって、
前記プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法が実行されるコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月1日に出願された出願番号が202010248522.9で、発明の名称が「信号機なしの交差点での車路連携実現方法および装置」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、当該特許出願の全文を引用により本出願に組み込む。
【0002】
本出願の実施形態は、高度道路管理技術の分野に関し、具体的には車路連携管理技術の分野に関し、特に信号機なしの交差点での車路連携実現方法および車路連携実現装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
「車路連携」は、無線通信と新世代のインターネットなどの技術を利用して、車両-車両、車両-道路の動的でリアルタイムな情報のインタラクションを全面的に実施し、全時間・空間における動的な交通情報の採集と融合に基づいて車両のアクティブセーフティ制御と車路連携管理を行い、人-車両-道路の有効な連携を完全に実現し、交通の安全性を確保し、通行効率を高めることにより、安全的、効率的、かつ環境に優しい道路交通システムを形成する。
【0004】
信号機なしの交差点で車路連携を実現するための関連アプローチは、通常、各車両が特定の経路に沿って運動するか、特定のモダリティを用いて運動するという仮定を強いるものである。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、信号機なしの交差点での車路連携実現方法および車路連携実現装置を提出する。
【0006】
第1態様において、本出願の実施形態では、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得するステップと、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリおよび各車両の運動状態のパラメータを車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップと、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、を含み、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、信号機なしの交差点での車路連携実現方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態において、各車両の通行動作のカテゴリは、各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1種を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、正方形を、上記の正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換えるステップと、を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、平面座標系における各車両の座標を取得するステップは、各車両のサイズ情報(?および車両の道路上の位置情報)に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、長方形を、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得するステップと、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、正方形を正方形の複数の内接円で置き換えて平面座標系における複数の内接円の円心と半径を取得するステップは、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、正方形の最大内接円とするステップと、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を、半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる正方形の複数の小内接円とするステップと、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定するステップは、道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定するステップと、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップと、車両の座標に基づいて、通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定するステップと、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと判定するステップ、および/または、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップ、を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するステップは、各車両の運動状態のパラメータに基づいて、各車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定するステップと、各車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定するステップと、各車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定するステップと、第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定するステップと、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、車路連携管理システムに適用され、車路連携管理システムは、検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、上記のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている。
【0015】
第2態様において、本出願の実施形態は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するステップと、
前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて、衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、ステップと、
前記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、を含み、
前記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、
平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、
各ブロックは、外接正方形の辺が前記平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、前記最大円の外接正方形の、前記原点に隣接する2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む、信号機なしの交差点での車路連携実現方法を提供する。
【0016】
第3態様において、本出願の実施形態は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得するように構成された取得ユニットと、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを、車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、軌跡計画情報を取得するように構成された計画ユニットであって、車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、計画ユニットと、軌跡計画情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された駆動ユニットと、を含む、信号機なしの交差点で車路連携を実現する装置を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態において、取得ユニットと計画ユニットにおける各車両の通行動作のカテゴリは、各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1種を含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、取得ユニットが平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、障害物のサイズ情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、正方形を、上記の正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換えるステップと、を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、取得ユニットが平面座標系における各車両の座標を取得するステップは、各車両のサイズ情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、長方形を、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得するステップと、を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、取得ユニットが正方形を正方形の複数の内接円で置き換えるステップは、正方形の一辺長を直径とし上記の正方形の中心を円心とする円を、上記の正方形の最大内接円とするステップと、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を、半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる正方形の複数の小内接円とするステップと、を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、計画ユニットが平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定するステップは、道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定するように構成された第1の衝突回避制約条件決定サブユニットと、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するように構成された通行可能領域決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定するように構成された第2の衝突回避制約条件決定サブユニットと、によって実行される。
【0022】
いくつかの実施形態において、通行可能領域決定サブユニットが第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと決定するステップ、および/または、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップ、を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、計画ユニットが車両の運動状態のパラメータおよび車両の座標に基づいて損失関数を決定するステップは、各車両の運動状態のパラメータに基づいて、各車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定するように構成された第1の方程式決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定するように構成された第2の方程式決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、車両から座標原点までの距離に関する第3の方程式を決定するように構成された第3の方程式決定サブユニットと、第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定するように構成された損失関数決定サブユニットと、によって実行される。
【0024】
いくつかの実施形態において、信号機なしの交差点での車路連携実現装置は、車路連携管理システムに適用され、車路連携管理システムは、検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、上記のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている。
【0025】
第4態様において、本出願の実施形態は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するように構成された情報ユニットと、前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するように構成された軌跡ユニットであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、軌跡ユニットと、上記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された動作ユニットと、を含み、上記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、各ブロックは、外接正方形の辺が上記の平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、上記の原点に隣接する上記の最大円の外接正方形の2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む、信号機なしの交差点での車路連携実現装置を提供する。
【0026】
第5態様において、本出願の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプログラムが記憶されている記憶装置とを含むサーバであって、少なくとも1つのプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに上記のいずれかの実施形態に記載の方法が実行されるサーバを提供する。
【0027】
第6態様において、本出願の実施形態は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読媒体であって、プログラムがプロセッサによって実行されると、上記のいずれかの実施形態に記載の方法が実行されるコンピュータ可読媒体を提供する。
【0028】
本出願の実施形態で提供される信号機なしの交差点での車路連携実現方法および装置は、まず、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得する。そして、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを車両走行軌跡計画用のモデルに入力して、軌跡計画情報を取得する。車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および各車両の通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する。最後に、軌跡計画情報に基づいて、各車両を走行させる。道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および各車両の通行動作のカテゴリに基づいて構築された車両走行軌跡計画用のモデルによれば、モデルから出力された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両間の走行軌跡をより柔軟で協調されたものにすることができるので、交差点領域における各車両による渋滞を回避し、最終的に交差点の通行効率を大幅に向上させることができる。
【0029】
以下の図面を参照して作成された非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことによって、本出願の他の特徴、目的、および利点は、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本出願のいくつかの実施形態が適用され得る例示的なシステムアーキテクチャの図である。
【
図2】本出願に係る信号機なしの交差点での車路連携実現方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図3】本出願の一実施形態による、道路幅情報、障害物情報、および車両情報を平面座標系にマッピングするための適用シーンの模式図である。
【
図4】本出願の一実施形態による、障害物を複数の内接円の形で表す原理図である。
【
図5】本出願の一実施形態による、車両の頂点がある凸多角形障害物の外部にあると判定する原理図である。
【
図6】本出願の一実施形態による、各車両の通行可能領域を決定する適用シーンである。
【
図7】本出願の一実施形態による、各車両の終了時刻における所在領域の適用シーンである。
【
図8】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における障害物の座標を決定する一実施形態のフローチャートである。
【
図9】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における障害物を複数の内接円の形で表す適用シーンである。
【
図10】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における各車両の座標を決定する一実施形態のフローチャートである。
【
図11】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における車両を対称二重接円の形で表す適用シーンである。
【
図12】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現装置の一実施形態の構造概略図である。
【
図13】本出願の実施形態を実現するのに適した電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本出願について、添付の図面および実施形態に関連してさらに詳細に説明する。本明細書に記載された特定の実施形態は、本出願の限定ではなく、関連する発明を説明するためにのみ使用されることを理解されべきである。さらに、説明の便宜上、図面には、関連する発明に関連する部分のみが示されている。
【0032】
本出願における実施形態および実施形態における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせてもよいことに留意されたい。以下、本出願について図面を参照し、実施形態に関連して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本出願の実施形態を適用することができる信号機なしの交差点での車路連携実現方法または装置の例示的なシステムアーキテクチャ100を示す。
【0034】
図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、様々な検知装置101、102、103、ネットワーク104、サーバ105、各車両106、107、108、およびネットワーク109を含むことができる。ネットワーク104は、検知装置101、102、103とサーバ105との間に通信リンクを提供するための媒体である。ネットワーク104は、有線、無線通信リンク、または光ファイバケーブルなどの様々な接続タイプを含むことができる。ネットワーク109は、各車両106、107、108とサーバ105との間に通信リンクを提供するための媒体である。ネットワーク109はまた、有線、無線通信リンク、または光ファイバケーブルなどの様々な接続タイプを含むことができる。
【0035】
検知装置101、102、103は、メッセージなどを受信または送信するために、ネットワーク104を介してサーバ105とインタラクションする。各車両106、107、108は、メッセージなどを受信または送信するために、ネットワーク109を介してサーバ105とインタラクションする。
【0036】
検知装置101、102、103は、レーダ、視覚センサ、地下に埋め込まれたグランドループ等を含むがこれらに限定されない、各車両のサイズ情報、各車両の運動状態のパラメータ情報、車両の位置情報、および各車両の通行動作のカテゴリを感知する装置であってもよい。検知装置101、102、103がソフトウェアである場合には、上述した電子機器にインストールすることができる。それは、例えば、分散サービスを提供するために使用される複数のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実現することができ、単一のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実現することもできる。ここでは、具体的な限定はしない。
【0037】
サーバ105は、様々なサービスを提供するサーバ、例えば、各車両に軌跡計画の駆動指令信号を提供するバックエンドサーバであってもよい。バックエンドサーバは、受信した車両走行データおよび道路情報データについて解析などの処理を行い、処理結果に応じて各車両を走行させることができる。したがって、信号機なしの交差点での車路連携実現装置はサーバ105内に配置されてもよい。ここでは、具体的な限定はしない。
【0038】
なお、サーバはハードウェアであってもよいし、ソフトウェアであってもよい。サーバがハードウェアである場合には、複数のサーバからなる分散サーバクラスタとして実現されてもよく、単一のサーバとして実現されてもよい。サーバがソフトウェアである場合には、例えば、分散サービスを提供するために使用される複数のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実現されてもよく、単一のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実現されてもよい。ここでは、具体的な限定はしない。
【0039】
図1の検知装置、ネットワーク、サーバ、および車両の数は、例示的なものに過ぎないことを理解されたい。実現の必要に応じて、任意の数の検知装置、ネットワーク、サーバ、および車両を有することができる。
【0040】
引続き
図2を参照すると、
図2は、本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法の一実施形態のフォローチャット200を示す。この信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、以下のステップを含む。
【0041】
ステップ201では、平面座標系における、道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標と、各車両の通行動作のカテゴリと、各車両の運動状態のパラメータとを含む軌跡計画用情報を取得する。
【0042】
本実施形態では、信号機なしの交差点での車路連携実現方法の実行主体(例えば、
図1に示すサーバ)は、軌跡計画用情報をローカルから取得してもよいし、他の中継装置から取得してもよい。通行動作のカテゴリは、通行意図を表すための走行動作であってもよい。軌跡計画情報は、交差点領域(例えば、十字路交差点領域、丁字路交差点領域など)の道路状況情報を示すために使用されてもよく、車両走行軌跡計画用のモデルの入力として使用されることができる。軌跡計画情報は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標と各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを含んでもよい。
【0043】
一例として、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータをローカルから取得することができる。実行主体は、上述した情報データをローカルから取得する前に、検知装置から取得した各車両のサイズ情報、各車両の運動状態のパラメータ情報、および車両の位置情報を平面座標系にマッピングすることができる。ここで、マッピングは、交差点領域の実際の道路状況を平面座標系に反映させるために使用される。
【0044】
具体的には、実行主体は、有線接続方式または無線接続方式により、検知装置から各車両のサイズ情報、運動状態のパラメータ情報、および車両の位置情報を受信することができ、地図データベースから交差点領域の道路の幅情報および障害物情報を取得することができる。さらに、実行主体は道路幅情報、障害物情報、および車両情報を平面座標系にマッピングし、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することができる。
【0045】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、各車両の通行動作のカテゴリは、各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1つを含む。
【0046】
一例として、十字路の交差点領域では、車両は、東西南北の4方向(平面座標系におけるX軸の正方向、X軸の負方向、Y軸の正方向、およびY軸の負方向)から交差点領域に進入することができる。各方向から交差点領域に進入した車両は、左折、直進、右折の3種の通行動作のカテゴリに従って交差点を出て目標車線まで走行することができる。そこで、4つの交差点を通過するすべての車両を12種の通行動作のカテゴリに分類することができる。西から東へと交差点を出る車両を3種の通行動作のカテゴリとして、集合A1(左折車両集合)、集合A2(直進車両集合)、集合A3(右折車両集合)と定義する。東から西へと交差点を出る車両を3種の通行動作のカテゴリとして、集合B1(左折車両集合)、集合B2(直進車両集合)、集合B3(右折車両集合)と定義する。南から北へと交差点を出る車両を3種の通行動作のカテゴリとして、集合C1(左折車両集合)、集合C2(直進車両集合)、集合C3(右折車両集合)と定義する。北から南へと交差点を出る車両を3種の通行動作のカテゴリとして、集合D1(左折車両集合)、集合D2(直進車両集合)、集合D3(右折車両集合)と定義する。任意の車両の通行動作のカテゴリは、上記の12個の集合のいずれか1つのみに属する。
【0047】
本実施形態では、平面座標系における障害物の座標を取得する際に、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を平面座標系にマッピングし、障害物がマッピングされた形状の座標を取得することができる。障害物を平面座標系にマッピングする技術は、従来技術または将来の技術における障害物を平面座標系にマッピングする方法で実現することができ、本出願の実施形態はこれを限定しない。例えば、障害物を多角形の形(例えば、長方形または正方形)で平面座標系にマッピングしてもよい。ここで、XOY座標系にはNobs個の凸多角形障害物が存在しており、そのうち、j番目の障害物はNPj個の頂点Vj1~VjNPjを含むと仮定する。一般性を失うことなく、車両iと障害物jの間の衝突回避制約をモデル化する(j=1,…,Nobs)。2次元平面上の衝突は、必ず頂点に起因し、ここでの頂点は、車体頂点または凸多角形障害物の頂点であってもよい。これは、車体長方形の頂点が障害物多角形の外部にあることを時刻ごとに制限し、多角形障害物の頂点が車体長方形の外部にあることを制限することができれば、衝突が必ず発生しないことを意味する。時刻ごとの各障害物の頂点Vj1~VjNPj、車体の頂点Ai(t)~Di(t)の所在位置を解析的に表すことができるため、「ある点がある凸多角形の外部にある」ことを記述できる制約モデリング手法が1つだけ必要となる。この問題を抽象化し、もっぱら「点P=(x,y)がn個の頂点を持つ凸多角形Q1~Qnの外部にある」をどのように記述するかを考える。
【0048】
障害物は複数の凸多角形障害物であってもよい。この場合、平面座標系におけるj番目の障害物の頂点はQである。すなわち、すべてのNPj個の頂点はそれぞれVj1~VjNPjである。各頂点の座標は、障害物のサイズおよび障害物の位置に基づいて決定することができる。
【0049】
図3を参照すると、
図3は、道路幅情報、障害物情報、および車両情報を平面座標系にマッピングする適用シーンを示す。十字路の交差点領域の道路幅情報を平面座標系にマッピングして、道路領域幅情報L
road_width(
図3では、「L
W」と略記)を取得する。長方形障害物ブロック1(以下、「Block1」と略記)、ブロック2(以下、「Block2」と略記)、ブロック3(以下、「Block3」と略記)、ブロック4(以下、「Block4」と略記)の情報を平面座標系にマッピングして、長方形障害物の座標を取得する。例えば、Block1の座標原点に近い頂点座標は(-L
W,L
W)であり、Block3のX軸に近く原点から離れた頂点座標は(L
W+L
L,-L
W)であり、L
Lは長方形障害物の長さである。また、交差点領域を通過する各車両の通行動作のカテゴリを直感的に示すために、
図3には12種の通行動作のカテゴリA1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、C3、D1、D2、D3が示されている。
【0050】
図2に戻り、本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングし、正方形を、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換えることができる。
【0051】
一例として、輪郭が正方形である障害物を平面座標系にマッピングしてもよいし、数学幾何演算を用いて輪郭が凸多角形である障害物を含むことができる最小正方形を決定した後に、障害物のサイズ情報に基づいて座標系における正方形の長さと幅を決定することで正方形の頂点座標を取得し、正方形を正方形の複数の内接円で置き換えてもよい。ここで、各内接円は正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接しており、取得された複数の内接円は新たに正方形障害物として平面座標系に反映される。
【0052】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、正方形の最大内接円とする。正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を、正方形障害物の複数の小内切円とする。複数の小内切円の半径が最大内切円の半径と等比減衰の数列となる。
【0053】
図4を参照すると、
図4は、障害物を複数の内切円の形で表す原理図を示す。Block2を第1象限にマッピングした正方形を例にとると、等比減衰の数列の公比を0.5に予め設定し、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、正方形の最大内接円とする。そして、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する、半径が最大内切円の半径と等比減衰の数列となる複数の円形を正方形障害物の複数の小内接円とする。
【0054】
本実施形態では、各車両の座標を取得する際に、各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングし、ある時刻tにおけるi台目の車両の頂点P、すなわち長方形輪郭の4頂点の横座標Aix(t)、Bix(t)、Cix(t)、Dix(t)および縦座標Aiy(t)、Biy(t)、Ciy(t)、Diy(t)を取得することができる。
【0055】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングし、長方形を長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得することができる。ここで、対称二重外接円は、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である。
【0056】
一例として、対称二重外接円の2つの円心を長方形の対称軸上に設け、当該円心に基づいて当該長方形を覆うことができる半径を決定し、最小対称二重外接円を取得することができる。
【0057】
上記の実施形態では、通行動作のカテゴリを設定することにより、各車両の通行領域を限定し、障害物を複数の内接円の形で表すことができる。車両を対称二重外接円の形で表すことにより、車両走行軌跡計画用のモデルにおける多角形間の衝突回避の制約を凸制約に変換することができ、さらには車両走行軌跡計画用のモデルの求解複雑さを低減し、モデルから出力された各車両の軌跡をより正確なものにし、各車両間の交差点領域を通る軌跡をより協調させることができるので、各車両の交差点領域での通行効率を向上させることができる。
【0058】
ステップ202では、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するための車両走行軌跡計画用のモデルに、軌跡計画用情報を入力し、計画された軌跡情報を取得する。
【0059】
本実施形態では、車両走行軌跡計画用のモデルは、衝突回避の制約条件、損失関数、および車両運動微分連立方程式を含む。ここで、車両運動微分連立方程式は、車両の運動方程式に基づいて取得することができる。平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および各車両の通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータと各車両の座標に基づいて損失関数を決定する。損失関数は、通行効率、快適性能、安全性能の最適化要求を反映するために使用される。
【0060】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、道路領域幅情報、障害物の座標、および車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定することができる。第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定することができる。車両の座標に基づいて、通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定することができる。
【0061】
一例として、第1の衝突回避の制約条件を決定する際に、「車両の頂点がある凸多角形障害物の外部にある」という制約モデリング方法を用いて、制約条件を決定することができる。
図5を参照すると、
図5は、車両の頂点がある凸多角形障害物の外部にあると判定する適用シーンを示す。車両の頂点Pと凸多角形障害物の2つの隣接する頂点とをそれぞれ三角形に構成する。そして、これらの三角形の面積を累加する。面積の和が凸多角形の面積よりも大きい場合は、点Pは凸多角形の外部にある。そうでなければ、点Pは凸多角形障害物のある辺または凸多角形障害物の内部にある。これにより、点Pが凸多角形障害物の外部にある連立方程式を確立することができる。
【数1】
ここで、S
△は対応する三角形の面積を表し、S
□は凸多角形の面積を表す。S
△は三角形の頂点座標により解を求める。
【0062】
S
△PQkQk+1を例にとると、三角形の頂点座標がそれぞれP=(x,y)、Q
k=(x
Qk,y
Qk)、Q
k+1=(x
Q(k+1),y
Q(k+1))となると、三角形の頂点座標および三角形の面積式に基づいて、次のようになる。
【数2】
【0063】
連立方程式を解くと、点Pが凸多角形障害物の頂点Q
1~Q
nの外部にある一般的な制約条件が得られる。
【数3】
【0064】
これによりj番目の障害物V
j1V
j2…V
jNPjと車体長方形A
iB
iC
iD
iとの衝突回避の制約条件を作成することができる。
【数4】
【0065】
以上より、車両iとすべての障害物との間の衝突回避の制約条件は、以下のように設定することができる。
【数5】
【0066】
【0067】
引き続き
図6を参照すると、
図6は、任意の通行動作のカテゴリにおける各車両の通行可能領域を決定する適用シーンを示す。車両が西から東に向かって交差点に進入した場合、各車両が通行動作のカテゴリA1、A2、A3に対応している。全運動時間領域[0,t
f]では、A3カテゴリを例にとると、この通行動作のカテゴリにおける車両は、つねに直線y=0の下方、直線x=0の左側領域内にある。当該領域には長方形障害物Block4が存在するため、A3カテゴリの車両は長方形障害物Block4を避けて走行する必要があり、2本の直線で囲まれた半閉領域から長方形障害物Block4が占める領域を除けば、A3カテゴリの車両の通行可能領域となる。同様に、A2カテゴリに属する車両はつねに直線y=0の下方と直線y=-L
road_width(道路領域幅の半分)の上方の帯状領域内を走行している。A1カテゴリに属する車両の通行可能領域の設定方式はA3と類似して原理が同じであるが、対向道路空間もA1カテゴリの車両の走行可能領域の一部とすることができる。左折車両の対向道路利用を許可することにより、左折車両が道路空間をより十分に利用することができ、全体的な通行効率を向上させることができる。以上より、A1、A2、A3カテゴリの車両の通行可能領域はそれぞれ以下のように定義することができる。
【数7】
【0068】
ここで、Aix(t)、Bix(t)、Cix(t)、Dix(t)はそれぞれi台目の車両の時刻tにおける車両の長方形輪郭の4頂点の横座標を表す。同様に、Aiy(t)、Biy(t)、Ciy(t)、Diy(t)はそれぞれi台目の車両の時刻tにおける車両の長方形輪郭4頂点の縦座標を表す。VehicleOutOfPolygon(Γ、γ)は、2つの凸多角形Γとγの間で衝突しない衝突回避の制約条件を記述するためのものである。
【0069】
一例として、通行可能領域を決定した後、各車両が対応する通行可能領域内を運動する全過程において、通行可能領域が重なる車両カテゴリ同士が衝突せず、各カテゴリ内の各車両が衝突しないことを実現するための第2の衝突回避の制約条件を決定することができる。時刻tにおけるi車とj車の衝突回避の制約条件をVehicleOutOfVehicle(i、j、t)と記すと、第2の衝突回避の制約条件は次のようになってもよい。
【数8】
【0070】
具体的には、第2の衝突回避の制約条件は、次のようになる。
【数9】
【数10】
【0071】
いくつかの実施形態において、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと判定するステップを含む。これにより、左折車両が道路空間をより十分に利用することができ、全体の通行効率を向上させることができる。
【0072】
あるいは、または追加的に、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップを含んでもよい。これにより、交差点領域を車両が自由に柔軟に走行できる通行可能領域とすることで、交差点領域の空間をより十分に利用することができ、全体的な通行効率を向上させることができる。
【0073】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、各車両の運動状態のパラメータに基づいて、各車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定することができる。各車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定することができる。各車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定することができる。第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定することができる。
【0074】
一例として、車両の運動状態のパラメータに基づいて、車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定する。第1の方程式J
快適は、交差点領域を通過する各車両の快適性能を反映する方程式であってもよく、車両が交差点領域を通過する際に、車両の運動状態のパラメータ(例えば、速度、加速度、角速度、変位角)の変化量が小さく、かつ開始時刻0における各車両は快適性能を達成するためにスムーズに等速走行し始める。したがって、第1の方程式J
快適は、運動状態のパラメータが変化する方程式であってもよい。例えば、交差点領域にバッファ領域を設け、バッファ領域内において車両が運動状態のパラメータを変化し、最終的に交差点領域を通過する際の開始時刻0から交差点領域を通過した後の終了時刻t
fまで、各車両が現在所在する区間の方向に同じ速度で等速走行する。交差点領域を通過する際に、各車両の加速度、角速度、変位角がともに0となってもよい。ここで、以下の方程式がある。
【数11】
【0075】
図7を参照すると、
図7は、各車両の終了時刻t
fにおける所在領域での適用シーンを示す。終了時刻t
fにおける各車両について、以下の方程式がある。
【数12】
【0076】
ここで、Vcommon>0は各車両がスムーズに等速走行する速度値であり、(xi,yi)はi台目の車両の開始位置の座標であり、θi(0)はi台目の対称二重外接円の形で表される車両が交差点領域を通過する際の開始時刻における2つの円心の結び線と座標X軸のなす角であり、θi(tf)はi台目の対称二重外接円の形で表される車両が交差点領域を通過した後の終了時刻における2つの円心の結び線と座標X軸のなす角である。
【0077】
一例として、各車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定する。第2の方程式は、交差点領域を通過する各車両の安全性能を反映する方程式J安全であってもよく、各車両間の距離を示すためのものである。例えば、交差点領域にバッファ領域を設け、各車両は、バッファ領域において自己の運動状態のパラメータを調整してもよい。開始時刻には、各車両ともスムーズに等速走行し始め、各車両間の距離も設定値に達する(車両の座標から両車両間の距離を計算することができる)。
【0078】
一例として、各車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定する。第3の方程式は、通行効率を反映する方程式であってもよく、終了時刻で目標車線に到達した全ての車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離であってもよい。第3の方程式は、各車両が交差点領域を通過した終了時刻t
fにおいてそれぞれの目標車線をできるだけ遠くまで走行していることを示すことができる。すなわち、以下の方程式がある。
【数13】
【0079】
ここで、tfは各車両が交差点領域を通過した終了時刻である。第3方程式は終了時刻の制約を早期に達成できるはずの多くの車両が引続き前進するように促すことができる。
【0080】
一例として、第1方程式、第2方程式、および第3方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定する。第3方程式は、J=w1・J通行効率+w2・J快適+w3・J安全であってもよい。ここで、w1,w2,w3>0はいずれも重み係数である。
【0081】
ステップ203では、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させる。
【0082】
本実施形態では、実行主体は、ステップ202で計画された軌跡情報に基づいて、計画された軌跡情報を示す駆動指令信号を各車両の通信装置に送信することができ、各車両のプロセッサは、通信装置が受信した駆動指令信号に基づいて車両の走行を制御することができる。
【0083】
本出願の実施形態で提供される信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、および各車両の通行動作のカテゴリに基づいて構築した車両走行軌跡計画用のモデルは、モデルから出力された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両間の走行軌跡をより柔軟で調和されたものにすることができるので、交差点区域における各車両による渋滞を回避し、交差点の通行効率を大幅に向上させることができる。
【0084】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、車路連携管理システムに適用され、車路連携管理システムは、検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、上記のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている。
【0085】
本実施形態では、インテリジェント・コネクテッドカーが引き継がれた後、車路連携管理システムは多車連携軌跡計画タスクをトリガする。このタスクはシステムの計画モジュールによって達成され、信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実現する。計画モジュールは、現在交差点範囲内にあるすべてのインテリジェント・コネクテッドカーの運動行為を再計画し、その後、システムの通信モジュールを通じて各インテリジェント・コネクテッドカーに配信して実行させる。インテリジェント・コネクテッドカーが交差点から引き継ぎ範囲を離れた後、その車両をシステム管理リストからクリアすることができる。このように、車路連携管理システムによって実現できる多車連携軌跡計画タスクは、各インテリジェント・コネクテッドカーの通行効率を向上させることができる。
【0086】
引き続き
図8を参照すると、
図8は、本実施形態による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における、障害物の座標を決定する一実施形態のフロー800である。障害物の座標を決定する方法のフローは、以下のステップを含む。
【0087】
ステップ801では、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングする。
【0088】
本実施形態では、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて不規則障害物を凸多角形の形で平面座標系にマッピングして凸多角形の各頂点座標を取得することができるが、作成したモデルをより簡略化するために、交差点領域のシーンにおける障害物を正方形に設定するか、または障害物のサイズ情報および障害物の位置情報に基づいて数学幾何演算を用いて凸多角形障害物をその凸多角形を含むことができる最小正方形の形で平面座標系にマッピングすることができる。
【0089】
ステップ802では、正方形を、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換える。
【0090】
本実施形態では、車両走行軌跡計画用のモデルを構築する際に、モデルにおける衝突回避制約を非凸制約から凸制約に変換するためには、正方形を正方形の複数の内接円で置き換えてもよいし、その他の車両走行軌跡計画用のモデルにおける非凸制約を凸制約に変換するための形状で、上記の正方形を置き換えてもよい。正方形を複数の内接円で置き換える場合、各内接円はいずれも正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する。
【0091】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、上記の正方形の最大内接円とし、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を正方形の複数の小内接円とし、前記複数の小内接円の半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる。
【0092】
一例として、
図9を参照すると、
図9は、障害物を複数の内接円の形で表す適用シーンを示す。正方形障害物の最大内接円の半径を決定し、その後、等比減衰の数列の公比を0.5とし、正方形障害物の複数の内接円を作成し、複数の内接円の形で表される障害物を得る。
【0093】
本実施形態では、障害物を最終的に複数の内接円の形で表すことにより、車両走行軌跡計画用のモデルにおける衝突回避制約を非凸制約から凸制約に変換することができ、そしてモデルの複雑さを簡略化することができ、さらにモデルの求解難易度を低減することができ、最終的には取得された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両の交差点領域での通行効率を向上させることができる。
【0094】
引き続き
図10を参照すると、
図10は、本実施形態による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における、各車両の座標を決定する一実施形態のフロー1000である。この各車両の座標を決定する方法のフローは、以下のステップを含む。
【0095】
ステップ1001では、各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングする。
【0096】
本実施形態では、車両のサイズ情報および位置情報に基づいて、車両を長方形の形で平面座標系にマッピングしてもよいし、未来の自動車の形状およびサイズに応じて自動車を、それ自体を覆うことができる長方形の形で、平面座標系にマッピングしてもよい。
【0097】
ステップ1002では、長方形を、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得する。
【0098】
本実施形態では、車両走行軌跡計画用のモデルを構築する際に、モデルにおける衝突回避制約を非凸制約から凸制約に変換するためには、長方形を対称二重外接円で置き換えてもよいし、上記の長方形をその他の車両走行軌跡計画用のモデルにおける非凸制約を凸制約に変換するための形状で置き換えてもよい。対称二重外接円は、長方形を含むことができる最小対称二重外接円であってもよい。
【0099】
図11を参照すると、
図11は、車両を対称二重接円の形で表す適用シーンを示す。車両iの輪郭A
iB
iC
iD
iに対して、点(xr
i,yr
i)および(xf
i,yf
i)を円心としR
iを半径とする円形で覆うことにより、i車とj車の時刻tにおける衝突回避の制約条件を作成することができる。すなわち、第2の衝突回避の制約条件は、次のようになってもよい。
【数14】
【0100】
各長方形車両を対称二重外接円の形に簡略化し、正方形障害物を複数の内接円の形に簡略化し、最終的には各車両と障害物との間で衝突を回避する第1の衝突回避の制約条件も簡略化することができる。ここではこれ以上説明しない。
【0101】
本実施形態では、車両を最終的に対称二重外接円の形で表すことにより、車両走行軌跡計画用のモデルにおける衝突回避の制約を凸制約に変換することができ、そしてモデルの複雑さを簡略化することができ、さらにモデルの求解難易度を低減することができ、最終的には取得された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両の交差点領域での通行効率を向上させることができる。
【0102】
さらに、本出願は、信号機なしの交差点での車路連携実現方法の一実施形態を提供する。この方法の実施形態は、以下のステップを含む。
【0103】
まず、軌跡計画用情報を取得するステップは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む。
【0104】
ここで、平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、各ブロックは、外接正方形の辺が上記の平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、上記の原点に隣接する上記の最大円の外接正方形の2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む。
【0105】
そして、上記の軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップにおいて、車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する。
【0106】
最後に、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させる。
【0107】
当業者であれば、この方法の実施形態は、
図2に示す方法の実施形態に対応しており、
図2に示す方法の実施形態と異なるのは、この方法の実施形態が未来のブロックに基づく一連の円の形態の障害物(
図9に示す内接円の形の障害物と同様)をさらに決定したことにあると理解すべきである。このような障害物であれば、車両走行軌跡計画用のモデルにおける衝突回避の制約を凸制約とすることができ、そしてモデルの複雑さを簡略化することができ、さらにモデルの求解難易度を低減し、最終的には取得された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両の交差点領域での通行効率を向上させることができる。
【0108】
さらに
図12を参照すると、上述した各図に示す方法の実現として、本出願は、
図2に示す方法の実施形態に対応する信号機なしの交差点で車路連携を実現する装置の一実施形態を提供する。この装置は、具体的には様々な電子機器に適用可能である。
【0109】
図12に示すように、本実施形態の信号機なしの交差点での車路連携実現装置1200は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得するように構成された取得ユニット1201と、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するための車両走行軌跡計画用のモデルに、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを入力し、軌跡計画情報を取得するように構成された計画ユニット1202と、軌跡計画情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された駆動ユニット1203と、を含む。
【0110】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、取得ユニットおよび計画ユニットにおける各車両の通行動作のカテゴリは、各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1つを含む。
【0111】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、取得ユニットが平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、正方形障害物を、上記の正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換えるステップと、を含む。
【0112】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、取得ユニットが平面座標系における各車両の座標を取得するステップは、各車両のサイズ情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、長方形を、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得するステップと、を含む。
【0113】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、取得ユニットが正方形障害物を複数の内接円で置き換えて平面座標系における複数の内接円の円心と半径を取得するステップは、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、上記の正方形の最大内接円とするステップと、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を、半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる正方形の複数の小内接円とするステップと、を含む。
【0114】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、計画ユニットが平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定するステップは、道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定するように構成された第1の衝突回避制約条件決定サブユニットと、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するように構成された通行可能領域決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定するように構成された第2の衝突回避制約条件決定サブユニットと、によって実行される。
【0115】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、通行可能領域決定サブユニットが第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと判定するステップ、および/または、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップ、を含む。
【0116】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、計画ユニットが車両の運動状態のパラメータおよび車両の座標に基づいて損失関数を決定するステップは、車両の運動状態のパラメータに基づいて、車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定するように構成された第1の方程式決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定するように構成された第2の方程式決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系X軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定するように構成された第3の方程式決定サブユニットと、第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定すると、によって実行される。
【0117】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、信号機なしの交差点での車路連携実現装置は、車路連携管理システムに適用され、車路連携管理システムは、検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、上記のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている。
【0118】
さらに、本出願は、信号機なしの交差点での車路連携実現装置の一実施形態を提供する。この装置の実施形態は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するように構成された情報ユニット(図示せず)と、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するための車両走行軌跡計画用のモデルに、上記の軌跡計画用情報を入力し、計画された軌跡情報を取得するように構成された軌跡ユニット(図示せず)と、上記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された動作ユニット(図示せず)と、を含む。上記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含む。各ブロックは、外接正方形の辺が上記の平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、上記の原点に隣接する上記の最大円の外接正方形の2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む。
【0119】
次に
図13を参照すると、
図13は、本出願の実施形態を実現するのに適した電子機器(例えば、
図1のサーバ)1300の構造概略図を示す。
図13に示すサーバは一例に過ぎず、本出願の実施形態の機能および使用範囲に制限を与えるべきではない。
【0120】
図13に示すように、電子機器1300は、読み出し専用メモリ(ROM)1302に記憶されたプログラムまたは記憶装置1308からランダムアクセスメモリ(RAM)1303にロードされたプログラムに従って様々な適切な動作および処理を実行することができる処理装置(例えば、中央処理装置、グラフィックスプロセッサなど)1301を含むことができる。RAM1003には、電子機器1300の動作に必要な各種プログラムおよびデータも記憶されている。処理装置1301、ROM1302、およびRAM1303は、バス1304を介して接続されている。入出力(I/O)インターフェース1305もバス1304に接続されている。
【0121】
通常、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、マウス、カメラ、マイクロフォン、加速度計、ジャイロスコープなどを含む入力装置1306、液晶ディスプレイ(LCD)、スピーカ、バイブレータなどを含む出力装置1307、磁気テープ、ハードディスクなどを含む記憶装置1308、電子機器1300がデータを交換するために他の装置と無線または有線通信することを可能にすることができる通信装置1309は、I/Oインターフェース1305に接続することができる。
図13は、様々な装置を有する電子機器1300を示しているが、図示されたすべての装置を実現または具備することは要求されていないことを理解すべきである。代替的に実現されてもよく、またはより多い装置もしくはより少ない装置を備えてもよい。
図13に示す各ブロックは、1つの装置を表すことができ、必要に応じて複数の装置を表すことができる。
【0122】
特に、本出願の実施形態によれば、フローチャートを参照して説明されたプロセスをコンピュータソフトウェアプログラムとして実現することができる。例えば、本出願の実施形態は、コンピュータ可読媒体上に搬送されたコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を含む。上記のコンピュータプログラムにはフローチャートに示された方法を実行するためのプログラムコードが含まれる。このような実施形態では、上記のコンピュータプログラムは、通信装置1309を介してネットワーク上からダウンロード・インストールされてもよいし、記憶装置1308またはROM1302からインストールされてもよい。上記のコンピュータプログラムが処理装置1301によって実行されると、本出願の実施形態の方法で限定された上述した機能が実行される。本出願の実施形態のコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよく、または上記の2つの任意の組み合わせであってもよいことに留意されたい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線の、もしくは半導体のシステム、装置もしくは機器、または任意の以上の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例は、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、あるいは上記の任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない。本出願の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、実行システム、装置または機器によって使用されるか、またはそれらと組み合わせて使用することができるプログラムを含むまたは記憶する任意の有形媒体であってもよい。一方、本出願の実施形態では、コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードが搬送された、ベースバンドにおいてまたはキャリアの一部として伝播されたデータ信号を含むことができる。このように伝播されたデータ信号は、電磁信号、光信号、または上述した任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な形態をとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、指令実行システム、装置、または部品によって使用されるか、またはそれと組み合わせて使用するためのプログラムを送信、伝播、または伝送することができる、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体上に含まれるプログラムコードは、電線、光ケーブル、RF(無線周波数)など、または上述した任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体で送信されてもよい。
【0123】
上述したコンピュータ可読媒体は、上述したサーバに含まれていてもよいし、サーバに組み込まれずに単独で存在していてもよい。上記のコンピュータ可読媒体には、少なくとも1つのプログラムが搭載されている。上記の少なくとも1つのプログラムが上記の電子機器によって実行されると、上記の電子機器は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するステップと、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するための車両走行軌跡計画用のモデルに、軌跡計画用情報を入力し、計画された軌跡情報を取得するステップと、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、を実行する。
【0124】
本出願の実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語、またはそれらの組み合せで書くことができる。プログラミング言語は、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語や、「C」言語または類似するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で実行されることも、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されることも、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されることも、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されながら部分的にリモートコンピュータ上で実行されることも、または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で実行されることも可能である。リモートコンピュータの場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されることができる。または、外部のコンピュータに接続されることができる(例えば、インターネットサービスプロバイダーによるインターネット経由で接続される)。
【0125】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本出願の様々な実施形態に係るシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の実施可能なアーキテクチャ、機能、および動作を示している。ここで、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部を表すことができる。該モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部は、指定されたロジック関数を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む。また、いくつかのオプション的な実施形態では、ブロックに記載されている機能は、図面に示されているものとは異なる順序で発生する場合があることにも留意されたい。例えば、連続して表されている2つのブロックは、実際にほぼ並行して実行されてもよく、時には逆の順序で実行されてもよい。これは関連する機能によって決まる。また、ブロック図および/またはフローチャートにおける各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組み合せは、指定された機能または動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実施することも、または専用のハードウェアとコンピュータの指令の組み合せで実施することも可能であることに留意されたい。
【0126】
本出願の実施形態において説明されたユニットは、ソフトウェアまたはハードウェアによって実施され得る。説明されたユニットはプロセッサに内蔵されてもよい。
【0127】
上記の説明は、あくまでも本出願の好ましい実施形態および応用技術原理の説明にすぎない。本出願に係る発明の範囲は、上記の技術的特徴の特定の組み合わせによって形成された技術的解決手段に限定されず、上記の発明の構想から逸脱しない範囲で上記の技術的特徴またはその同等の技術的特徴の任意の組み合せによって形成されたその他の技術的解決手段、例えば、上記の特徴と本出願に開示された同様の機能を有する技術的特徴(それだけに限定されない)とが相互に代替することによって形成された技術的解決手段もカバーしていることを当業者は理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月1日に出願された出願番号が202010248522.9で、発明の名称が「信号機なしの交差点での車路連携実現方法および装置」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、当該特許出願の全文を引用により本出願に組み込む。
【0002】
本出願の実施形態は、高度道路管理技術の分野に関し、具体的には車路連携管理技術の分野に関し、特に信号機なしの交差点での車路連携実現方法および車路連携実現装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
「車路連携」は、無線通信と新世代のインターネットなどの技術を利用して、車両-車両、車両-道路の動的でリアルタイムな情報のインタラクションを全面的に実施し、全時間・空間における動的な交通情報の採集と融合に基づいて車両のアクティブセーフティ制御と車路連携管理を行い、人-車両-道路の有効な連携を完全に実現し、交通の安全性を確保し、通行効率を高めることにより、安全的、効率的、かつ環境に優しい道路交通システムを形成する。
【0004】
信号機なしの交差点で車路連携を実現するための関連アプローチは、通常、各車両が特定の経路に沿って運動するか、特定のモダリティを用いて運動するという仮定を強いるものである。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、信号機なしの交差点での車路連携実現方法および車路連携実現装置を提出する。
【0006】
第1態様において、本出願の実施形態では、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得するステップと、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリおよび各車両の運動状態のパラメータを車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップと、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、を含み、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、信号機なしの交差点での車路連携実現方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態において、各車両の通行動作のカテゴリは、各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1種を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、正方形を、上記の正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換えるステップと、を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、平面座標系における各車両の座標を取得するステップは、各車両のサイズ情報(?および車両の道路上の位置情報)に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、長方形を、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得するステップと、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、正方形を正方形の複数の内接円で置き換えて平面座標系における複数の内接円の円心と半径を取得するステップは、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、正方形の最大内接円とするステップと、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を、半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる正方形の複数の小内接円とするステップと、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定するステップは、道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定するステップと、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップと、車両の座標に基づいて、通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定するステップと、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと判定するステップ、および/または、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップ、を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するステップは、各車両の運動状態のパラメータに基づいて、各車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定するステップと、各車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定するステップと、各車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定するステップと、第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定するステップと、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、車路連携管理システムに適用され、車路連携管理システムは、検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、上記のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている。
【0015】
第2態様において、本出願の実施形態は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するステップと、
前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて、衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、ステップと、
前記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、を含み、
前記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、
平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、
各ブロックは、外接正方形の辺が前記平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、前記最大円の外接正方形の、前記原点に隣接する2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む、信号機なしの交差点での車路連携実現方法を提供する。
【0016】
第3態様において、本出願の実施形態は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得するように構成された取得ユニットと、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを、車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するように構成された計画ユニットであって、車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、計画ユニットと、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された駆動ユニットと、を含む、信号機なしの交差点で車路連携を実現する装置を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態において、取得ユニットと計画ユニットにおける各車両の通行動作のカテゴリは、各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1種を含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、取得ユニットが平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、正方形を、上記の正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換えるステップと、を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、取得ユニットが平面座標系における各車両の座標を取得するステップは、各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、長方形を、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得するステップと、を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、取得ユニットが正方形を正方形の複数の内接円で置き換えるステップは、正方形の一辺長を直径とし上記の正方形の中心を円心とする円を、上記の正方形の最大内接円とするステップと、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を、半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる正方形の複数の小内接円とするステップと、を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、計画ユニットが平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定するステップは、道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定するように構成された第1の衝突回避制約条件決定サブユニットと、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するように構成された通行可能領域決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定するように構成された第2の衝突回避制約条件決定サブユニットと、によって実行される。
【0022】
いくつかの実施形態において、通行可能領域決定サブユニットが第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと決定するステップ、および/または、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップ、を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、計画ユニットが車両の運動状態のパラメータおよび車両の座標に基づいて損失関数を決定するステップは、各車両の運動状態のパラメータに基づいて、各車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定するように構成された第1の方程式決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定するように構成された第2の方程式決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、車両から座標原点までの距離に関する第3の方程式を決定するように構成された第3の方程式決定サブユニットと、第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定するように構成された損失関数決定サブユニットと、によって実行される。
【0024】
いくつかの実施形態において、信号機なしの交差点での車路連携実現装置は、車路連携管理システムに適用され、車路連携管理システムは、検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、上記のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている。
【0025】
第4態様において、本出願の実施形態は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するように構成された情報ユニットと、前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するように構成された軌跡ユニットであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、軌跡ユニットと、上記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された動作ユニットと、を含み、上記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、各ブロックは、外接正方形の辺が上記の平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、上記の原点に隣接する上記の最大円の外接正方形の2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む、信号機なしの交差点での車路連携実現装置を提供する。
【0026】
第5態様において、本出願の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプログラムが記憶されている記憶装置とを含むサーバであって、少なくとも1つのプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに上記のいずれかの実施形態に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法が実行されるサーバを提供する。
【0027】
第6態様において、本出願の実施形態は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読媒体であって、プログラムがプロセッサによって実行されると、上記のいずれかの実施形態に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法が実行されるコンピュータ可読媒体を提供する。
【0028】
第7態様において、本出願の実施形態は、プロセッサによって実行されると、上記のいずれかの実施形態に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法が実行されるコンピュータプログラムを提供する。
【0029】
本出願の実施形態で提供される信号機なしの交差点での車路連携実現方法および装置は、まず、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得する。そして、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを車両走行軌跡計画用のモデルに入力して、計画された軌跡情報を取得する。車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および各車両の通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する。最後に、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させる。道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および各車両の通行動作のカテゴリに基づいて構築された車両走行軌跡計画用のモデルによれば、モデルから出力された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両間の走行軌跡をより柔軟で協調されたものにすることができるので、交差点領域における各車両による渋滞を回避し、最終的に交差点の通行効率を大幅に向上させることができる。
【0030】
以下の図面を参照して作成された非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことによって、本出願の他の特徴、目的、および利点は、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本出願のいくつかの実施形態が適用され得る例示的なシステムアーキテクチャの図である。
【
図2】本出願に係る信号機なしの交差点での車路連携実現方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図3】本出願の一実施形態による、道路幅情報、障害物情報、および車両情報を平面座標系にマッピングするための適用シーンの模式図である。
【
図4】本出願の一実施形態による、障害物を複数の内接円の形で表す原理図である。
【
図5】本出願の一実施形態による、車両の頂点がある凸多角形障害物の外部にあると判定する原理図である。
【
図6】本出願の一実施形態による、各車両の通行可能領域を決定する適用シーンである。
【
図7】本出願の一実施形態による、各車両の終了時刻における所在領域の適用シーンである。
【
図8】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における障害物の座標を決定する一実施形態のフローチャートである。
【
図9】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における障害物を複数の内接円の形で表す適用シーンである。
【
図10】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における各車両の座標を決定する一実施形態のフローチャートである。
【
図11】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における車両を対称二重
外接円の形で表す適用シーンである。
【
図12】本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現装置の一実施形態の構造概略図である。
【
図13】本出願の実施形態を実現するのに適した電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本出願について、添付の図面および実施形態に関連してさらに詳細に説明する。本明細書に記載された特定の実施形態は、本出願の限定ではなく、関連する発明を説明するためにのみ使用されることを理解されべきである。さらに、説明の便宜上、図面には、関連する発明に関連する部分のみが示されている。
【0033】
本出願における実施形態および実施形態における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせてもよいことに留意されたい。以下、本出願について図面を参照し、実施形態に関連して詳細に説明する。
【0034】
図1は、本出願の実施形態を適用することができる信号機なしの交差点での車路連携実現方法または装置の例示的なシステムアーキテクチャ100を示す。
【0035】
図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、様々な検知装置101、102、103、ネットワーク104、サーバ105、各車両106、107、108、およびネットワーク109を含むことができる。ネットワーク104は、検知装置101、102、103とサーバ105との間に通信リンクを提供するための媒体である。ネットワーク104は、有線、無線通信リンク、または光ファイバケーブルなどの様々な接続タイプを含むことができる。ネットワーク109は、各車両106、107、108とサーバ105との間に通信リンクを提供するための媒体である。ネットワーク109はまた、有線、無線通信リンク、または光ファイバケーブルなどの様々な接続タイプを含むことができる。
【0036】
検知装置101、102、103は、メッセージなどを受信または送信するために、ネットワーク104を介してサーバ105とインタラクションする。各車両106、107、108は、メッセージなどを受信または送信するために、ネットワーク109を介してサーバ105とインタラクションする。
【0037】
検知装置101、102、103は、レーダ、視覚センサ、地下に埋め込まれたグランドループ等を含むがこれらに限定されない、各車両のサイズ情報、各車両の運動状態のパラメータ情報、車両の位置情報、および各車両の通行動作のカテゴリを感知する装置であってもよい。検知装置101、102、103がソフトウェアである場合には、上述した電子機器にインストールすることができる。それは、例えば、分散サービスを提供するために使用される複数のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実現することができ、単一のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実現することもできる。ここでは、具体的な限定はしない。
【0038】
サーバ105は、様々なサービスを提供するサーバ、例えば、各車両に軌跡計画の駆動指令信号を提供するバックエンドサーバであってもよい。バックエンドサーバは、受信した車両走行データおよび道路情報データについて解析などの処理を行い、処理結果に応じて各車両を走行させることができる。したがって、信号機なしの交差点での車路連携実現装置はサーバ105内に配置されてもよい。ここでは、具体的な限定はしない。
【0039】
なお、サーバはハードウェアであってもよいし、ソフトウェアであってもよい。サーバがハードウェアである場合には、複数のサーバからなる分散サーバクラスタとして実現されてもよく、単一のサーバとして実現されてもよい。サーバがソフトウェアである場合には、例えば、分散サービスを提供するために使用される複数のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実現されてもよく、単一のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実現されてもよい。ここでは、具体的な限定はしない。
【0040】
図1の検知装置、ネットワーク、サーバ、および車両の数は、例示的なものに過ぎないことを理解されたい。実現の必要に応じて、任意の数の検知装置、ネットワーク、サーバ、および車両を有することができる。
【0041】
引続き
図2を参照すると、
図2は、本出願による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法の一実施形態のフォローチャット200を示す。この信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、以下のステップを含む。
【0042】
ステップ201では、平面座標系における、道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標と、各車両の通行動作のカテゴリと、各車両の運動状態のパラメータとを含む軌跡計画用情報を取得する。
【0043】
本実施形態では、信号機なしの交差点での車路連携実現方法の実行主体(例えば、
図1に示すサーバ)は、軌跡計画用情報をローカルから取得してもよいし、他の中継装置から取得してもよい。通行動作のカテゴリは、通行意図を表すための走行動作であってもよい。
計画された軌跡情報は、交差点領域(例えば、十字路交差点領域、丁字路交差点領域など)の道路状況情報を示すために使用されてもよく、車両走行軌跡計画用のモデルの入力として使用されることができる。
計画された軌跡情報は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標と各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを含んでもよい。
【0044】
一例として、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータをローカルから取得することができる。実行主体は、上述した情報データをローカルから取得する前に、検知装置から取得した各車両のサイズ情報、各車両の運動状態のパラメータ情報、および車両の位置情報を平面座標系にマッピングすることができる。ここで、マッピングは、交差点領域の実際の道路状況を平面座標系に反映させるために使用される。
【0045】
具体的には、実行主体は、有線接続方式または無線接続方式により、検知装置から各車両のサイズ情報、運動状態のパラメータ情報、および車両の位置情報を受信することができ、地図データベースから交差点領域の道路の幅情報および障害物情報を取得することができる。さらに、実行主体は道路幅情報、障害物情報、および車両情報を平面座標系にマッピングし、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することができる。
【0046】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、各車両の通行動作のカテゴリは、各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1つを含む。
【0047】
一例として、十字路の交差点領域では、車両は、東西南北の4方向(平面座標系におけるX軸の正方向、X軸の負方向、Y軸の正方向、およびY軸の負方向)から交差点領域に進入することができる。各方向から交差点領域に進入した車両は、左折、直進、右折の3種の通行動作のカテゴリに従って交差点を出て目標車線まで走行することができる。そこで、4つの交差点を通過するすべての車両を12種の通行動作のカテゴリに分類することができる。西から東へと交差点を出る車両を3種の通行動作のカテゴリとして、集合A1(左折車両集合)、集合A2(直進車両集合)、集合A3(右折車両集合)と定義する。東から西へと交差点を出る車両を3種の通行動作のカテゴリとして、集合B1(左折車両集合)、集合B2(直進車両集合)、集合B3(右折車両集合)と定義する。南から北へと交差点を出る車両を3種の通行動作のカテゴリとして、集合C1(左折車両集合)、集合C2(直進車両集合)、集合C3(右折車両集合)と定義する。北から南へと交差点を出る車両を3種の通行動作のカテゴリとして、集合D1(左折車両集合)、集合D2(直進車両集合)、集合D3(右折車両集合)と定義する。任意の車両の通行動作のカテゴリは、上記の12個の集合のいずれか1つのみに属する。
【0048】
本実施形態では、平面座標系における障害物の座標を取得する際に、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を平面座標系にマッピングし、障害物がマッピングされた形状の座標を取得することができる。障害物を平面座標系にマッピングする技術は、従来技術または将来の技術における障害物を平面座標系にマッピングする方法で実現することができ、本出願の実施形態はこれを限定しない。例えば、障害物を多角形の形(例えば、長方形または正方形)で平面座標系にマッピングしてもよい。ここで、XOY座標系にはNobs個の凸多角形障害物が存在しており、そのうち、j番目の障害物はNPj個の頂点Vj1~VjNPjを含むと仮定する。一般性を失うことなく、車両iと障害物jの間の衝突回避制約をモデル化する(j=1,…,Nobs)。2次元平面上の衝突は、必ず頂点に起因し、ここでの頂点は、車体頂点または凸多角形障害物の頂点であってもよい。これは、車体長方形の頂点が障害物多角形の外部にあることを時刻ごとに制限し、多角形障害物の頂点が車体長方形の外部にあることを制限することができれば、衝突が必ず発生しないことを意味する。時刻ごとの各障害物の頂点Vj1~VjNPj、車体の頂点Ai(t)~Di(t)の所在位置を解析的に表すことができるため、「ある点がある凸多角形の外部にある」ことを記述できる制約モデリング手法が1つだけ必要となる。この問題を抽象化し、もっぱら「点P=(x,y)がn個の頂点を持つ凸多角形Q1~Qnの外部にある」をどのように記述するかを考える。
【0049】
障害物は複数の凸多角形障害物であってもよい。この場合、平面座標系におけるj番目の障害物の頂点はQである。すなわち、すべてのNPj個の頂点はそれぞれVj1~VjNPjである。各頂点の座標は、障害物のサイズおよび障害物の位置に基づいて決定することができる。
【0050】
図3を参照すると、
図3は、道路幅情報、障害物情報、および車両情報を平面座標系にマッピングする適用シーンを示す。十字路の交差点領域の道路幅情報を平面座標系にマッピングして、道路領域幅情報L
road_width(
図3では、「L
W」と略記)を取得する。長方形障害物ブロック1(以下、「Block1」と略記)、ブロック2(以下、「Block2」と略記)、ブロック3(以下、「Block3」と略記)、ブロック4(以下、「Block4」と略記)の情報を平面座標系にマッピングして、長方形障害物の座標を取得する。例えば、Block1の座標原点に近い頂点座標は(-L
W,L
W)であり、Block3のX軸に近く原点から離れた頂点座標は(L
W+L
L,-L
W)であり、L
Lは長方形障害物の長さである。また、交差点領域を通過する各車両の通行動作のカテゴリを直感的に示すために、
図3には12種の通行動作のカテゴリA1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、C3、D1、D2、D3が示されている。
【0051】
図2に戻り、本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングし、正方形を、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換えることができる。
【0052】
一例として、輪郭が正方形である障害物を平面座標系にマッピングしてもよいし、数学幾何演算を用いて輪郭が凸多角形である障害物を含むことができる最小正方形を決定した後に、障害物のサイズ情報に基づいて座標系における正方形の長さと幅を決定することで正方形の頂点座標を取得し、正方形を正方形の複数の内接円で置き換えてもよい。ここで、各内接円は正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接しており、取得された複数の内接円は新たに正方形障害物として平面座標系に反映される。
【0053】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、正方形の最大内接円とする。正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を、正方形障害物の複数の小内切円とする。複数の小内切円の半径が最大内切円の半径と等比減衰の数列となる。
【0054】
図4を参照すると、
図4は、障害物を複数の内切円の形で表す原理図を示す。Block2を第1象限にマッピングした正方形を例にとると、等比減衰の数列の公比を0.5に予め設定し、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、正方形の最大内接円とする。そして、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する、半径が最大内切円の半径と等比減衰の数列となる複数の円形を正方形障害物の複数の小内接円とする。
【0055】
本実施形態では、各車両の座標を取得する際に、各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングし、ある時刻tにおけるi台目の車両の頂点P、すなわち長方形輪郭の4頂点の横座標Aix(t)、Bix(t)、Cix(t)、Dix(t)および縦座標Aiy(t)、Biy(t)、Ciy(t)、Diy(t)を取得することができる。
【0056】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングし、長方形を長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得することができる。ここで、対称二重外接円は、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である。
【0057】
一例として、対称二重外接円の2つの円心を長方形の対称軸上に設け、当該円心に基づいて当該長方形を覆うことができる半径を決定し、最小対称二重外接円を取得することができる。
【0058】
上記の実施形態では、通行動作のカテゴリを設定することにより、各車両の通行領域を限定し、障害物を複数の内接円の形で表すことができる。車両を対称二重外接円の形で表すことにより、車両走行軌跡計画用のモデルにおける多角形間の衝突回避の制約を凸制約に変換することができ、さらには車両走行軌跡計画用のモデルの求解複雑さを低減し、モデルから出力された各車両の軌跡をより正確なものにし、各車両間の交差点領域を通る軌跡をより協調させることができるので、各車両の交差点領域での通行効率を向上させることができる。
【0059】
ステップ202では、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するための車両走行軌跡計画用のモデルに、軌跡計画用情報を入力し、計画された軌跡情報を取得する。
【0060】
本実施形態では、車両走行軌跡計画用のモデルは、衝突回避の制約条件、損失関数、および車両運動微分連立方程式を含む。ここで、車両運動微分連立方程式は、車両の運動方程式に基づいて取得することができる。平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および各車両の通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータと各車両の座標に基づいて損失関数を決定する。損失関数は、通行効率、快適性能、安全性能の最適化要求を反映するために使用される。
【0061】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、道路領域幅情報、障害物の座標、および車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定することができる。第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定することができる。車両の座標に基づいて、通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定することができる。
【0062】
一例として、第1の衝突回避の制約条件を決定する際に、「車両の頂点がある凸多角形障害物の外部にある」という制約モデリング方法を用いて、制約条件を決定することができる。
図5を参照すると、
図5は、車両の頂点がある凸多角形障害物の外部にあると判定する適用シーンを示す。車両の頂点Pと凸多角形障害物の2つの隣接する頂点とをそれぞれ三角形に構成する。そして、これらの三角形の面積を累加する。面積の和が凸多角形の面積よりも大きい場合は、点Pは凸多角形の外部にある。そうでなければ、点Pは凸多角形障害物のある辺または凸多角形障害物の内部にある。これにより、点Pが凸多角形障害物の外部にある連立方程式を確立することができる。
【数1】
ここで、S
△は対応する三角形の面積を表し、S
□は凸多角形の面積を表す。S
△は三角形の頂点座標により解を求める。
【0063】
S
△PQkQk+1を例にとると、三角形の頂点座標がそれぞれP=(x,y)、Q
k=(x
Qk,y
Qk)、Q
k+1=(x
Q(k+1),y
Q(k+1))となると、三角形の頂点座標および三角形の面積式に基づいて、次のようになる。
【数2】
【0064】
連立方程式を解くと、点Pが凸多角形障害物の頂点Q
1~Q
nの外部にある一般的な制約条件が得られる。
【数3】
【0065】
これによりj番目の障害物V
j1V
j2…V
jNPjと車体長方形A
iB
iC
iD
iとの衝突回避の制約条件を作成することができる。
【数4】
【0066】
以上より、車両iとすべての障害物との間の衝突回避の制約条件は、以下のように設定することができる。
【数5】
【0067】
【0068】
引き続き
図6を参照すると、
図6は、任意の通行動作のカテゴリにおける各車両の通行可能領域を決定する適用シーンを示す。車両が西から東に向かって交差点に進入した場合、各車両が通行動作のカテゴリA1、A2、A3に対応している。全運動時間領域[0,t
f]では、A3カテゴリを例にとると、この通行動作のカテゴリにおける車両は、つねに直線y=0の下方、直線x=0の左側領域内にある。当該領域には長方形障害物Block4が存在するため、A3カテゴリの車両は長方形障害物Block4を避けて走行する必要があり、2本の直線で囲まれた半閉領域から長方形障害物Block4が占める領域を除けば、A3カテゴリの車両の通行可能領域となる。同様に、A2カテゴリに属する車両はつねに直線y=0の下方と直線y=-L
road_width(道路領域幅の半分)の上方の帯状領域内を走行している。A1カテゴリに属する車両の通行可能領域の設定方式はA3と類似して原理が同じであるが、対向道路空間もA1カテゴリの車両の走行可能領域の一部とすることができる。左折車両の対向道路利用を許可することにより、左折車両が道路空間をより十分に利用することができ、全体的な通行効率を向上させることができる。以上より、A1、A2、A3カテゴリの車両の通行可能領域はそれぞれ以下のように定義することができる。
【数7】
【0069】
ここで、Aix(t)、Bix(t)、Cix(t)、Dix(t)はそれぞれi台目の車両の時刻tにおける車両の長方形輪郭の4頂点の横座標を表す。同様に、Aiy(t)、Biy(t)、Ciy(t)、Diy(t)はそれぞれi台目の車両の時刻tにおける車両の長方形輪郭4頂点の縦座標を表す。VehicleOutOfPolygon(Γ、γ)は、2つの凸多角形Γとγの間で衝突しない衝突回避の制約条件を記述するためのものである。
【0070】
一例として、通行可能領域を決定した後、各車両が対応する通行可能領域内を運動する全過程において、通行可能領域が重なる車両カテゴリ同士が衝突せず、各カテゴリ内の各車両が衝突しないことを実現するための第2の衝突回避の制約条件を決定することができる。時刻tにおけるi車とj車の衝突回避の制約条件をVehicleOutOfVehicle(i、j、t)と記すと、第2の衝突回避の制約条件は次のようになってもよい。
【数8】
【0071】
具体的には、第2の衝突回避の制約条件は、次のようになる。
【数9】
【数10】
【0072】
いくつかの実施形態において、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと判定するステップを含む。これにより、左折車両が道路空間をより十分に利用することができ、全体の通行効率を向上させることができる。
【0073】
あるいは、または追加的に、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップを含んでもよい。これにより、交差点領域を車両が自由に柔軟に走行できる通行可能領域とすることで、交差点領域の空間をより十分に利用することができ、全体的な通行効率を向上させることができる。
【0074】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、各車両の運動状態のパラメータに基づいて、各車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定することができる。各車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定することができる。各車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定することができる。第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定することができる。
【0075】
一例として、車両の運動状態のパラメータに基づいて、車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定する。第1の方程式J
快適は、交差点領域を通過する各車両の快適性能を反映する方程式であってもよく、車両が交差点領域を通過する際に、車両の運動状態のパラメータ(例えば、速度、加速度、角速度、変位角)の変化量が小さく、かつ開始時刻0における各車両は快適性能を達成するためにスムーズに等速走行し始める。したがって、第1の方程式J
快適は、運動状態のパラメータが変化する方程式であってもよい。例えば、交差点領域にバッファ領域を設け、バッファ領域内において車両が運動状態のパラメータを変化し、最終的に交差点領域を通過する際の開始時刻0から交差点領域を通過した後の終了時刻t
fまで、各車両が現在所在する区間の方向に同じ速度で等速走行する。交差点領域を通過する際に、各車両の加速度、角速度、変位角がともに0となってもよい。ここで、以下の方程式がある。
【数11】
【0076】
図7を参照すると、
図7は、各車両の終了時刻t
fにおける所在領域での適用シーンを示す。終了時刻t
fにおける各車両について、以下の方程式がある。
【数12】
【0077】
ここで、Vcommon>0は各車両がスムーズに等速走行する速度値であり、(xi,yi)はi台目の車両の開始位置の座標であり、θi(0)はi台目の対称二重外接円の形で表される車両が交差点領域を通過する際の開始時刻における2つの円心の結び線と座標X軸のなす角であり、θi(tf)はi台目の対称二重外接円の形で表される車両が交差点領域を通過した後の終了時刻における2つの円心の結び線と座標X軸のなす角である。
【0078】
一例として、各車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定する。第2の方程式は、交差点領域を通過する各車両の安全性能を反映する方程式J安全であってもよく、各車両間の距離を示すためのものである。例えば、交差点領域にバッファ領域を設け、各車両は、バッファ領域において自己の運動状態のパラメータを調整してもよい。開始時刻には、各車両ともスムーズに等速走行し始め、各車両間の距離も設定値に達する(車両の座標から両車両間の距離を計算することができる)。
【0079】
一例として、各車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定する。第3の方程式は、通行効率を反映する方程式であってもよく、終了時刻で目標車線に到達した全ての車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離であってもよい。第3の方程式は、各車両が交差点領域を通過した終了時刻t
fにおいてそれぞれの目標車線をできるだけ遠くまで走行していることを示すことができる。すなわち、以下の方程式がある。
【数13】
【0080】
ここで、tfは各車両が交差点領域を通過した終了時刻である。第3方程式は終了時刻の制約を早期に達成できるはずの多くの車両が引続き前進するように促すことができる。
【0081】
一例として、第1方程式、第2方程式、および第3方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定する。第3方程式は、J=w1・J通行効率+w2・J快適+w3・J安全であってもよい。ここで、w1,w2,w3>0はいずれも重み係数である。
【0082】
ステップ203では、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させる。
【0083】
本実施形態では、実行主体は、ステップ202で計画された軌跡情報に基づいて、計画された軌跡情報を示す駆動指令信号を各車両の通信装置に送信することができ、各車両のプロセッサは、通信装置が受信した駆動指令信号に基づいて車両の走行を制御することができる。
【0084】
本出願の実施形態で提供される信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、および各車両の通行動作のカテゴリに基づいて構築した車両走行軌跡計画用のモデルは、モデルから出力された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両間の走行軌跡をより柔軟で調和されたものにすることができるので、交差点区域における各車両による渋滞を回避し、交差点の通行効率を大幅に向上させることができる。
【0085】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、車路連携管理システムに適用され、車路連携管理システムは、検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、上記のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている。
【0086】
本実施形態では、インテリジェント・コネクテッドカーが引き継がれた後、車路連携管理システムは多車連携軌跡計画タスクをトリガする。このタスクはシステムの計画モジュールによって達成され、信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実現する。計画モジュールは、現在交差点範囲内にあるすべてのインテリジェント・コネクテッドカーの運動行為を再計画し、その後、システムの通信モジュールを通じて各インテリジェント・コネクテッドカーに配信して実行させる。インテリジェント・コネクテッドカーが交差点から引き継ぎ範囲を離れた後、その車両をシステム管理リストからクリアすることができる。このように、車路連携管理システムによって実現できる多車連携軌跡計画タスクは、各インテリジェント・コネクテッドカーの通行効率を向上させることができる。
【0087】
引き続き
図8を参照すると、
図8は、本実施形態による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における、障害物の座標を決定する一実施形態のフロー800である。障害物の座標を決定する方法のフローは、以下のステップを含む。
【0088】
ステップ801では、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングする。
【0089】
本実施形態では、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて不規則障害物を凸多角形の形で平面座標系にマッピングして凸多角形の各頂点座標を取得することができるが、作成したモデルをより簡略化するために、交差点領域のシーンにおける障害物を正方形に設定するか、または障害物のサイズ情報および障害物の位置情報に基づいて数学幾何演算を用いて凸多角形障害物をその凸多角形を含むことができる最小正方形の形で平面座標系にマッピングすることができる。
【0090】
ステップ802では、正方形を、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換える。
【0091】
本実施形態では、車両走行軌跡計画用のモデルを構築する際に、モデルにおける衝突回避制約を非凸制約から凸制約に変換するためには、正方形を正方形の複数の内接円で置き換えてもよいし、その他の車両走行軌跡計画用のモデルにおける非凸制約を凸制約に変換するための形状で、上記の正方形を置き換えてもよい。正方形を複数の内接円で置き換える場合、各内接円はいずれも正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する。
【0092】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、上記の正方形の最大内接円とし、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を正方形の複数の小内接円とし、前記複数の小内接円の半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる。
【0093】
一例として、
図9を参照すると、
図9は、障害物を複数の内接円の形で表す適用シーンを示す。正方形障害物の最大内接円の半径を決定し、その後、等比減衰の数列の公比を0.5とし、正方形障害物の複数の内接円を作成し、複数の内接円の形で表される障害物を得る。
【0094】
本実施形態では、障害物を最終的に複数の内接円の形で表すことにより、車両走行軌跡計画用のモデルにおける衝突回避制約を非凸制約から凸制約に変換することができ、そしてモデルの複雑さを簡略化することができ、さらにモデルの求解難易度を低減することができ、最終的には取得された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両の交差点領域での通行効率を向上させることができる。
【0095】
引き続き
図10を参照すると、
図10は、本実施形態による、信号機なしの交差点での車路連携実現方法における、各車両の座標を決定する一実施形態のフロー1000である。この各車両の座標を決定する方法のフローは、以下のステップを含む。
【0096】
ステップ1001では、各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングする。
【0097】
本実施形態では、車両のサイズ情報および位置情報に基づいて、車両を長方形の形で平面座標系にマッピングしてもよいし、未来の自動車の形状およびサイズに応じて自動車を、それ自体を覆うことができる長方形の形で、平面座標系にマッピングしてもよい。
【0098】
ステップ1002では、長方形を、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得する。
【0099】
本実施形態では、車両走行軌跡計画用のモデルを構築する際に、モデルにおける衝突回避制約を非凸制約から凸制約に変換するためには、長方形を対称二重外接円で置き換えてもよいし、上記の長方形をその他の車両走行軌跡計画用のモデルにおける非凸制約を凸制約に変換するための形状で置き換えてもよい。対称二重外接円は、長方形を含むことができる最小対称二重外接円であってもよい。
【0100】
図11を参照すると、
図11は、車両を対称二重
外接円の形で表す適用シーンを示す。車両iの輪郭A
iB
iC
iD
iに対して、点(xr
i,yr
i)および(xf
i,yf
i)を円心としR
iを半径とする円形で覆うことにより、i車とj車の時刻tにおける衝突回避の制約条件を作成することができる。すなわち、第2の衝突回避の制約条件は、次のようになってもよい。
【数14】
【0101】
各長方形車両を対称二重外接円の形に簡略化し、正方形障害物を複数の内接円の形に簡略化し、最終的には各車両と障害物との間で衝突を回避する第1の衝突回避の制約条件も簡略化することができる。ここではこれ以上説明しない。
【0102】
本実施形態では、車両を最終的に対称二重外接円の形で表すことにより、車両走行軌跡計画用のモデルにおける衝突回避の制約を凸制約に変換することができ、そしてモデルの複雑さを簡略化することができ、さらにモデルの求解難易度を低減することができ、最終的には取得された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両の交差点領域での通行効率を向上させることができる。
【0103】
さらに、本出願は、信号機なしの交差点での車路連携実現方法の一実施形態を提供する。この方法の実施形態は、以下のステップを含む。
【0104】
まず、軌跡計画用情報を取得するステップは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む。
【0105】
ここで、平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、各ブロックは、外接正方形の辺が上記の平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、上記の原点に隣接する上記の最大円の外接正方形の2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む。
【0106】
そして、上記の軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップにおいて、車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する。
【0107】
最後に、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させる。
【0108】
当業者であれば、この方法の実施形態は、
図2に示す方法の実施形態に対応しており、
図2に示す方法の実施形態と異なるのは、この方法の実施形態が未来のブロックに基づく一連の円の形態の障害物(
図9に示す内接円の形の障害物と同様)をさらに決定したことにあると理解すべきである。このような障害物であれば、車両走行軌跡計画用のモデルにおける衝突回避の制約を凸制約とすることができ、そしてモデルの複雑さを簡略化することができ、さらにモデルの求解難易度を低減し、最終的には取得された各車両の計画軌跡をより正確なものにし、各車両の交差点領域での通行効率を向上させることができる。
【0109】
さらに
図12を参照すると、上述した各図に示す方法の実現として、本出願は、
図2に示す方法の実施形態に対応する信号機なしの交差点で車路連携を実現する装置の一実施形態を提供する。この装置は、具体的には様々な電子機器に適用可能である。
【0110】
図12に示すように、本実施形態の信号機なしの交差点での車路連携実現装置1200は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得するように構成された取得ユニット1201と、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するための車両走行軌跡計画用のモデルに、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを入力し、
計画された軌跡情報を取得するように構成された計画ユニット1202と、
計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された駆動ユニット1203と、を含む。
【0111】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、取得ユニットおよび計画ユニットにおける各車両の通行動作のカテゴリは、各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1つを含む。
【0112】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、取得ユニットが平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、正方形障害物を、上記の正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、正方形の複数の内接円で置き換えるステップと、を含む。
【0113】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、取得ユニットが平面座標系における各車両の座標を取得するステップは、各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、長方形を、長方形を含むことができる最小対称二重外接円である長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得するステップと、を含む。
【0114】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、取得ユニットが正方形障害物を複数の内接円で置き換えて平面座標系における複数の内接円の円心と半径を取得するステップは、正方形の一辺長を直径とし正方形の中心を円心とする円を、上記の正方形の最大内接円とするステップと、正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を、半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる正方形の複数の小内接円とするステップと、を含む。
【0115】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、計画ユニットが平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定するステップは、道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定するように構成された第1の衝突回避制約条件決定サブユニットと、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するように構成された通行可能領域決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定するように構成された第2の衝突回避制約条件決定サブユニットと、によって実行される。
【0116】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、通行可能領域決定サブユニットが第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと判定するステップ、および/または、第1の衝突回避の制約条件および道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップ、を含む。
【0117】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、計画ユニットが車両の運動状態のパラメータおよび車両の座標に基づいて損失関数を決定するステップは、車両の運動状態のパラメータに基づいて、車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定するように構成された第1の方程式決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定するように構成された第2の方程式決定サブユニットと、車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系X軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定するように構成された第3の方程式決定サブユニットと、第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、車両通行状態に関する損失関数を決定するように構成された損失関数決定サブユニットと、によって実行される。
【0118】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、信号機なしの交差点での車路連携実現装置は、車路連携管理システムに適用され、車路連携管理システムは、検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、上記のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている。
【0119】
さらに、本出願は、信号機なしの交差点での車路連携実現装置の一実施形態を提供する。この装置の実施形態は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するように構成された情報ユニット(図示せず)と、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するための車両走行軌跡計画用のモデルに、上記の軌跡計画用情報を入力し、計画された軌跡情報を取得するように構成された軌跡ユニット(図示せず)と、上記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された動作ユニット(図示せず)と、を含む。上記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含む。各ブロックは、外接正方形の辺が上記の平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、上記の原点に隣接する上記の最大円の外接正方形の2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む。
【0120】
次に
図13を参照すると、
図13は、本出願の実施形態を実現するのに適した電子機器(例えば、
図1のサーバ)1300の構造概略図を示す。
図13に示すサーバは一例に過ぎず、本出願の実施形態の機能および使用範囲に制限を与えるべきではない。
【0121】
図13に示すように、電子機器1300は、読み出し専用メモリ(ROM)1302に記憶されたプログラムまたは記憶装置1308からランダムアクセスメモリ(RAM)1303にロードされたプログラムに従って様々な適切な動作および処理を実行することができる処理装置(例えば、中央処理装置、グラフィックスプロセッサなど)1301を含むことができる。RAM1003には、電子機器1300の動作に必要な各種プログラムおよびデータも記憶されている。処理装置1301、ROM1302、およびRAM1303は、バス1304を介して接続されている。入出力(I/O)インターフェース1305もバス1304に接続されている。
【0122】
通常、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、マウス、カメラ、マイクロフォン、加速度計、ジャイロスコープなどを含む入力装置1306、液晶ディスプレイ(LCD)、スピーカ、バイブレータなどを含む出力装置1307、磁気テープ、ハードディスクなどを含む記憶装置1308、電子機器1300がデータを交換するために他の装置と無線または有線通信することを可能にすることができる通信装置1309は、I/Oインターフェース1305に接続することができる。
図13は、様々な装置を有する電子機器1300を示しているが、図示されたすべての装置を実現または具備することは要求されていないことを理解すべきである。代替的に実現されてもよく、またはより多い装置もしくはより少ない装置を備えてもよい。
図13に示す各ブロックは、1つの装置を表すことができ、必要に応じて複数の装置を表すことができる。
【0123】
特に、本出願の実施形態によれば、フローチャートを参照して説明されたプロセスをコンピュータソフトウェアプログラムとして実現することができる。例えば、本出願の実施形態は、コンピュータ可読媒体上に搬送されたコンピュータプログラムを含む。上記のコンピュータプログラムにはフローチャートに示された方法を実行するためのプログラムコードが含まれる。このような実施形態では、上記のコンピュータプログラムは、通信装置1309を介してネットワーク上からダウンロード・インストールされてもよいし、記憶装置1308またはROM1302からインストールされてもよい。上記のコンピュータプログラムが処理装置1301によって実行されると、本出願の実施形態の方法で限定された上述した機能が実行される。本出願の実施形態のコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよく、または上記の2つの任意の組み合わせであってもよいことに留意されたい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線の、もしくは半導体のシステム、装置もしくは機器、または任意の以上の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例は、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、あるいは上記の任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない。本出願の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、実行システム、装置または機器によって使用されるか、またはそれらと組み合わせて使用することができるプログラムを含むまたは記憶する任意の有形媒体であってもよい。一方、本出願の実施形態では、コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードが搬送された、ベースバンドにおいてまたはキャリアの一部として伝播されたデータ信号を含むことができる。このように伝播されたデータ信号は、電磁信号、光信号、または上述した任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な形態をとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、指令実行システム、装置、または部品によって使用されるか、またはそれと組み合わせて使用するためのプログラムを送信、伝播、または伝送することができる、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体上に含まれるプログラムコードは、電線、光ケーブル、RF(無線周波数)など、または上述した任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体で送信されてもよい。
【0124】
上述したコンピュータ可読媒体は、上述したサーバに含まれていてもよいし、サーバに組み込まれずに単独で存在していてもよい。上記のコンピュータ可読媒体には、少なくとも1つのプログラムが搭載されている。上記の少なくとも1つのプログラムが上記の電子機器によって実行されると、上記の電子機器は、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するステップと、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するための車両走行軌跡計画用のモデルに、軌跡計画用情報を入力し、計画された軌跡情報を取得するステップと、計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、を実行する。
【0125】
本出願の実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語、またはそれらの組み合せで書くことができる。プログラミング言語は、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語や、「C」言語または類似するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で実行されることも、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されることも、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されることも、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されながら部分的にリモートコンピュータ上で実行されることも、または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で実行されることも可能である。リモートコンピュータの場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されることができる。または、外部のコンピュータに接続されることができる(例えば、インターネットサービスプロバイダーによるインターネット経由で接続される)。
【0126】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本出願の様々な実施形態に係るシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の実施可能なアーキテクチャ、機能、および動作を示している。ここで、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部を表すことができる。該モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部は、指定されたロジック関数を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む。また、いくつかのオプション的な実施形態では、ブロックに記載されている機能は、図面に示されているものとは異なる順序で発生する場合があることにも留意されたい。例えば、連続して表されている2つのブロックは、実際にほぼ並行して実行されてもよく、時には逆の順序で実行されてもよい。これは関連する機能によって決まる。また、ブロック図および/またはフローチャートにおける各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組み合せは、指定された機能または動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実施することも、または専用のハードウェアとコンピュータの指令の組み合せで実施することも可能であることに留意されたい。
【0127】
本出願の実施形態において説明されたユニットは、ソフトウェアまたはハードウェアによって実施され得る。説明されたユニットはプロセッサに内蔵されてもよい。
【0128】
上記の説明は、あくまでも本出願の好ましい実施形態および応用技術原理の説明にすぎない。本出願に係る発明の範囲は、上記の技術的特徴の特定の組み合わせによって形成された技術的解決手段に限定されず、上記の発明の構想から逸脱しない範囲で上記の技術的特徴またはその同等の技術的特徴の任意の組み合せによって形成されたその他の技術的解決手段、例えば、上記の特徴と本出願に開示された同様の機能を有する技術的特徴(それだけに限定されない)とが相互に代替することによって形成された技術的解決手段もカバーしていることを当業者は理解すべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するステップと、
前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、ステップと、
前記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、
を含む、信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項2】
前記の各車両の通行動作のカテゴリは、
各車両が任意の目標車線まで走行するために必要とされる左折動作、直進動作、または右折動作のいずれか1種を含む、
請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項3】
前記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、
障害物のサイズ情報および障害物の道路上の位置情報に基づいて、障害物を正方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、
前記正方形を前記正方形の複数の内接円で置き換えるステップであって、各内接円は、前記正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2つの辺に接する、ステップと、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項4】
前記の平面座標系における各車両の座標を取得するステップは、
各車両のサイズ情報および車両の道路上の位置情報に基づいて、各車両を長方形の形で平面座標系にマッピングするステップと、
前記長方形を、前記長方形を含むことができる最小対称二重外接円である前記長方形の対称二重外接円で置き換え、平面座標系における前記長方形の対称二重外接円の円心の座標と半径を取得するステップと、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項5】
前記正方形を前記正方形の複数の内接円で置き換えるステップは、
前記正方形の一辺長を直径とし前記正方形の中心を円心とする円を、前記正方形の最大内接円とするステップと、
正方形における平面座標系の原点に近い内角に隣接する2本の辺に接する複数の円形を正方形の複数の小内接円とするステップであって、前記複数の小内接円の半径が最大内接円の半径と等比減衰の数列となる、ステップと、
を含む、請求項3に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項6】
前記の平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定するステップは、
道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標に基づいて、各車両が任意の通行動作のカテゴリにおいて任意の時刻tで前記障害物と衝突しない第1の衝突回避の制約条件を決定するステップと、
前記第1の衝突回避の制約条件および前記道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップと、
各車両の座標に基づいて、前記通行可能領域内の同一通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない、および異なる通行動作のカテゴリにおける任意の2つの車両が衝突しない第2の衝突回避の制約条件を決定するステップと、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項7】
前記第1の衝突回避の制約条件および前記道路領域幅情報に基づいて、各車両の任意の通行動作のカテゴリにおける通行可能領域を決定するステップは、
前記第1の衝突回避の制約条件および前記道路領域幅情報に基づいて、前記車両の通行動作のカテゴリが左折動作であることに応答して、左折動作における当該車両の通行可能領域が対向道路領域を含むと判定するステップ、および/または、
前記第1の衝突回避の制約条件および前記道路領域幅情報に基づいて、平面座標系における道路領域の交差点領域を、各車両が自由に柔軟に走行するための通行可能領域とするステップ、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項8】
各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定するステップは、
各車両の運動状態のパラメータに基づいて、各車両の運動状態のパラメータの変化に関する第1の方程式を決定するステップと、
各車両の座標に基づいて、任意の2つの車両間の距離に関する第2の方程式を決定するステップと、
各車両の座標に基づいて、各車両から平面座標系のX軸およびY軸までの距離に関する第3の方程式を決定するステップと、
前記第1の方程式、第2の方程式、および第3の方程式に基づいて、損失関数を決定するステップと、
を含む、請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項9】
前記の信号機なしの交差点での車路連携実現方法は、車路連携管理システムに適用され、
前記車路連携管理システムは、
検知装置と通信装置を用いて、交差点から予め設定された距離内の各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータを取得し、
取得された各インテリジェント・コネクテッドカーの座標、通行動作のカテゴリ、および運動状態のパラメータに基づいて、当該車両が交差点から所定距離出るまで、請求項1~8のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法を実行するように構成されている、
請求項1に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項10】
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するステップと、
前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するステップであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて、衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、ステップと、
前記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるステップと、を含み、
前記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、
平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、
各ブロックは、外接正方形の辺が前記平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、前記最大円の外接正方形の、前記原点に隣接する2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む、
信号機なしの交差点での車路連携実現方法。
【請求項11】
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得し、各車両の通行動作のカテゴリを取得し、各車両の運動状態のパラメータを取得するように構成された取得ユニットと、
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標、各車両の通行動作のカテゴリ、および各車両の運動状態のパラメータを、車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、
計画された軌跡情報を取得するように構成された計画ユニットであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、計画ユニットと、
前記
計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された駆動ユニットと、
を含む、信号機なしの交差点での車路連携実現装置。
【請求項12】
平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、および各車両の座標を取得することと、各車両の通行動作のカテゴリを取得することと、各車両の運動状態のパラメータを取得することとを含む、軌跡計画用情報を取得するように構成された情報ユニットと、
前記軌跡計画用情報を車両走行軌跡計画用のモデルに入力し、計画された軌跡情報を取得するように構成された軌跡ユニットであって、前記車両走行軌跡計画用のモデルは、平面座標系における道路領域幅情報、障害物の座標、各車両の座標および通行動作のカテゴリに基づいて衝突回避の制約条件を決定し、各車両の運動状態のパラメータおよび各車両の座標に基づいて損失関数を決定する、軌跡ユニットと、
前記の計画された軌跡情報に基づいて、各車両を走行させるように構成された動作ユニットと、を含み、
前記の平面座標系における障害物の座標を取得するステップは、
平面座標系における十字路交差点の中心点を座標原点とし、十字路交差点に隣接する4ブロックの座標を取得するステップを含み、
各ブロックは、外接正方形の辺が前記平面座標系の座標軸に平行である1つの最大円と、 前記最大円の外接正方形の、前記原点に隣接する2つの辺と内接し、半径が最大円の半径と等比減衰の数列となる複数の小円と、を含む、
信号機なしの交差点での車路連携実現装置。
【請求項13】
1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが記憶されている記憶装置とを含むサーバであって、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項1~10のいずれか1項に記載の
信号機なしの交差点での車路連携実現方法が実行される、
サーバ。
【請求項14】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読媒体であって、
前記
コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~10のいずれか1項に記載の
信号機なしの交差点での車路連携実現方法が実行されるコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、請求項1~10のいずれか1項に記載の信号機なしの交差点での車路連携実現方法が実行されるコンピュータプログラム。
【国際調査報告】