(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法、表示マザーボード並びに表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230426BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230426BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20230426BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20230426BHJP
H10K 71/00 20230101ALI20230426BHJP
H10K 50/84 20230101ALI20230426BHJP
H10K 50/88 20230101ALI20230426BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
G09F9/30 308Z
G09F9/30 338
G09F9/00 338
G09F9/30 309
H10K59/10
H10K77/10
H10K71/00
H10K50/84
H10K50/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569177
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 CN2020095426
(87)【国際公開番号】W WO2021189669
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/080700
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 林宏
(72)【発明者】
【氏名】于 ▲鵬▼▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 庭良
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 毅
(72)【発明者】
【氏名】秦 世▲開▼
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC45
3K107DD17
3K107DD19
3K107DD38
3K107DD39
3K107DD88
3K107DD90
3K107DD92
3K107EE41
3K107FF15
3K107GG52
5C094AA42
5C094BA03
5C094BA27
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5C094DA06
5C094DA07
5C094DA15
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA03
5C094FA04
5C094FB02
5C094GB10
5C094HA08
5C094JA08
5C094JA09
5G435AA17
5G435BB05
5G435CC09
5G435HH20
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL08
(57)【要約】
表示基板を提供する。表示基板はフレキシブル基板(10)、及びフレキシブル基板(10)に設けられる複合絶縁層を備え、表示基板のエッジ領域(500)はフレキシブル基板(10)及び複合絶縁層から形成される段差構造を備え、段差構造において段差の高さは表示基板のエッジから表示基板の内部への方向に順に増加し、エッジ領域(500)は段差構造を被覆する第1平坦層(20)を更に備え、第1平坦層(20)のエッジはフレキシブル基板(10)のエッジと面一である。表示基板の製造方法、表示マザーボード及び表示装置を更に提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に設けられる複合絶縁層とを備え、前記表示基板のエッジ領域は前記複合絶縁層で形成される段差構造を備え、前記段差構造において段差の高さは表示基板のエッジから表示基板の内部への方向に順に増加し、前記エッジ領域は前記段差構造を被覆する第1平坦層を更に備え、前記第1平坦層のエッジは前記フレキシブル基板のエッジと面一である、表示基板。
【請求項2】
前記段差構造は第1段差、第2段差及び第3段差を備え、前記第1段差の厚さは前記第2段差の厚さよりも大きく、前記第1段差の厚さは前記第3段差の厚さよりも大きい、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1段差の厚さは15μm~20.7μmであり、前記第2段差の厚さは0.2μm~1.3μmであり、前記第3段差の厚さは0.5μm~1.4μmである、請求項2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記表示基板のエッジ領域は前記第1平坦層に設けられる第2平坦層を更に備え、前記第2平坦層の前記フレキシブル基板での正投影は前記第1段差及び第2段差の前記フレキシブル基板での正投影と部分的に重なる、請求項2に記載の表示基板。
【請求項5】
表示基板の内部から表示基板のエッジへの方向において、前記第2平坦層の前記フレキシブル基板での正投影と前記第1段差の前記フレキシブル基板での正投影が重なる幅は10μm~20μmであり、前記第2平坦層の前記フレキシブル基板での正投影と前記第2段差の前記フレキシブル基板での正投影が重なる幅は20μm~30μmである、請求項4に記載の表示基板。
【請求項6】
前記表示基板の基板領域は、前記フレキシブル基板に設けられる第1絶縁層と、前記第1絶縁層に設けられる活性層と、前記活性層を被覆する第2絶縁層と、前記第2絶縁層に設けられる第1ゲート金属層と、前記第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層と、前記第3絶縁層に設けられる第2ゲート金属層と、前記第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層と、前記第4絶縁層に設けられるソース/ドレイン金属層と、前記ソース/ドレイン金属層を被覆する第5絶縁層と、前記第1平坦層に設けられる金属導電層と、前記金属導電層を被覆する第2平坦層と、を備える請求項1~5のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項7】
前記フレキシブル基板は順に積層設置される第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層を備え、前記複合絶縁層は前記第2バリア層に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を備え、前記第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層及び第2フレキシブル層の合計厚さは15μm~20μmであり、前記第2バリア層の厚さは0.4μm~0.7μmであり、前記第1絶縁層の厚さは0.2μm~0.6μmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第2バリア層は前記第2フレキシブル層に積層設置される第1サブ層及び第2サブ層を備え、前記第1段差は前記第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び前記第2バリア層の第1サブ層を備え、前記第2段差は前記第2バリア層の第2サブ層及び第1絶縁層を備え、前記第3段差は前記第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を備え、前記第1段差の上面と基準面との距離は0.05μm~0.06μmであり、前記第2段差の上面と基準面との距離は0.75μm~0.95μmであり、前記第3段差の上面と基準面との距離は1.40μm~1.80μmであってもよく、前記基準面は前記第1サブ層の前記第2フレキシブル層に近接する側の表面である、請求項7に記載の表示基板。
【請求項9】
前記第2段差及び第3段差の側壁は傾斜面であり、前記傾斜面の母線と前記表示基板の法線方向との夾角は20°~50°である、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項10】
第1段差のエッジから第2段差のエッジまでの距離は第2段差のエッジから第3段差のエッジまでの距離よりも大きく、第1段差のエッジから第2段差のエッジまでの距離は第3段差のエッジからクラックダムのエッジまでの距離よりも大きい、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項11】
第1段差のエッジから第2段差のエッジまでの距離は55μm~210μmであり、第2段差のエッジから第3段差のエッジまでの距離は5μm~40μmであり、第3段差のエッジからクラックダムのエッジまでの距離は5μm~15μmである、請求項10に記載の表示基板。
【請求項12】
前記エッジ領域の複合絶縁層にクラックダムが更に設けられ、前記クラックダムは間隔をあけて設けられる複数のクラックを備え、前記クラックは前記第1絶縁層を露出させ、前記第1平坦層は前記クラックダムを被覆する、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項13】
前記表示基板のエッジ領域は周辺領域及び切断内領域を備え、前記切断内領域は前記周辺領域の基板領域から離れる側に位置し、前記段差構造は前記切断内領域に設けられ、前記クラックダムは前記周辺領域に設けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項14】
前記表示基板の基板領域は表示領域、及び前記表示領域の片側に設けられるボンディング領域を備え、前記ボンディング領域の前記表示領域から離れる側のエッジ領域に階段構造が形成され、前記階段構造は第1階段及び第2階段を備え、前記第1階段はフレキシブル基板及び複合絶縁層から形成され、前記第2階段は前記第1平坦層及び第2平坦層から形成され、前記ボンディング領域の前記表示領域から離れる側のエッジ領域を除き、前記段差構造は前記表示領域及びボンディング領域の他のエッジ領域に設けられる、請求項13に記載の表示基板。
【請求項15】
表示マザーボードであって、複数の基板領域、及び前記基板領域を取り囲む切断領域を備え、前記表示マザーボードは、前記基板領域及び切断領域に設けられる駆動構造層と、前記駆動構造層に設けられる第1平坦層とを備え、前記切断領域の駆動構造層は複合絶縁層を備え、前記複合絶縁層に溝が設けられ、前記第1平坦層は前記溝を充填する、表示マザーボード。
【請求項16】
前記基板領域の駆動構造層は、フレキシブル基板に設けられる第1絶縁層と、前記第1絶縁層に設けられる活性層と、前記活性層を被覆する第2絶縁層と、前記第2絶縁層に設けられる第1ゲート金属層と、前記第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層と、前記第3絶縁層に設けられる第2ゲート金属層と、前記第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層と、前記第4絶縁層に設けられるソース/ドレイン金属層と、前記ソース/ドレイン金属層を被覆する第5絶縁層とを備え、前記切断領域の駆動構造層は、フレキシブル基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を備え、前記フレキシブル基板は積層設置される第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層を備え、前記第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層及び第2フレキシブル層の合計厚さは15μm~20μmであり、前記第2バリア層の厚さは0.4μm~0.7μmであり、前記第1絶縁層の厚さは0.2μm~0.6μmである、請求項15に記載の表示マザーボード。
【請求項17】
前記第2バリア層は前記第2フレキシブル層に積層設置される第1サブ層及び第2サブ層を備え、前記溝は第1溝及び第2溝を備え、前記第1溝は前記第1絶縁層及び第2バリア層の第2サブ層に設けられ、前記第1溝は前記第2バリア層の第1サブ層を露出させ、前記第2溝は前記第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層に設けられ、前記第2溝は前記第1絶縁層及び前記第2バリア層の第1サブ層を露出させ、前記第2溝のフレキシブル基板での正投影は前記第1溝のフレキシブル基板での正投影を含み、前記第1溝の深さは0.2μm~1.3μmであり、前記第2溝の深さは0.5μm~1.4μmである、請求項16に記載の表示マザーボード。
【請求項18】
表示基板の製造方法であって、
複数の基板領域及び前記基板領域を取り囲む切断領域に駆動構造層を形成し、前記切断領域の駆動構造層はフレキシブル基板に設けられる複合絶縁層を備え、前記複合絶縁層は段差構造の溝を形成することと、
前記駆動構造層を被覆する第1平坦層を形成し、前記第1平坦層は前記溝を充填することと、
前記切断領域において切断を行って表示基板を形成し、前記表示基板のエッジ領域に段差構造を形成し、前記段差構造における段差の高さは表示基板のエッジから表示基板の内部への方向に順に増加し、前記第1平坦層は前記段差構造を被覆し、前記第1平坦層のエッジは前記フレキシブル基板のエッジと面一であることと、を含む表示基板の製造方法。
【請求項19】
切断領域に駆動構造層を形成することは、
フレキシブル基板に第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を順に形成し、前記フレキシブル基板が積層設置される第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層を備え、前記第2バリア層が前記第2フレキシブル層に積層設置される第1サブ層及び第2サブ層を備え、前記第1絶縁層が前記第2バリア層の第2サブ層に形成されることと、
1回目のパターニングプロセスによって、前記第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層において、前記第1絶縁層を露出させる第2溝を形成することと、
2回目のパターニングプロセスによって、前記第2溝における第1絶縁層及び第2バリア層の第2サブ層において、前記第2バリア層の第1サブ層を露出させる第1溝を形成し、前記第2溝が前記第1溝を露出させることと、を含む請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
請求項1~14のいずれか一項に記載の表示基板を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年3月23日に中国受理局に提出された、出願番号がPCT/CN2020/080700であり、発明の名称が表示基板及びその製造方法、表示マザーボード並びに表示装置であるPCT国際特許出願の優先権を主張し、その全内容が引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本開示は表示技術分野に関するが、これに限定されず、特に表示基板及びその製造方法、表示マザーボード並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLEDと略称)はアクティブ発光型表示ディバイスであり、自己発光、広視野角、高コントラスト、低消費電力、及び超高速応答等の利点を持つ。表示技術の継続的な発展に伴って、OLED技術はフレキシブル表示装置にますます多く使用されている。
【0004】
現在、フレキシブルOLED表示装置の製造では、まず、表示マザーボードを製造し、次に表示マザーボードを切断し、それにより表示マザーボードを複数の表示基板に分け、分けられた表示基板はいずれも単一のOLED表示装置を形成することに使用できる。
図1は表示マザーボードに備えられる複数の表示基板の配列模式図である。
図1に示すように、表示マザーボード100における複数の基板領域300は周期的かつ規則的に配列され、切断領域400は基板領域300の外側に位置する。基板領域300は少なくとも表示領域310及びボンディング領域302を含み、表示領域310は行列状に配列される複数の画素を備え、ボンディング領域302はファンアウト領域及び駆動回路を備え、ボンディング領域302は表示領域310の片側に設けられる。切断領域400内に第1切断レーン701及び第2切断レーン702が設けられ、表示マザーボードのすべての膜層の製造が完了した後、切断装置はそれぞれ第1切断レーン701及び第2切断レーン702に沿って粗切断及び精密切断を行い、表示基板を形成する。
【0005】
従来の製造では、表示基板は黒点不良等の問題を抱えており、表示品質を損なってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下、本明細書で詳細に説明されるテーマの概要である。本概要は特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、本開示は表示基板を提供し、フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に設けられる複合絶縁層とを備え、前記表示基板のエッジ領域は前記複合絶縁層で形成される段差構造を備え、前記段差構造において段差の高さは表示基板のエッジから表示基板の内部への方向に順に増加し、前記エッジ領域は前記段差構造を被覆する第1平坦層を更に備え、前記第1平坦層のエッジは前記フレキシブル基板のエッジと面一である。
【0008】
いくつかの可能な実現方式では、前記段差構造は第1段差、第2段差及び第3段差を備え、前記第1段差の厚さは前記第2段差の厚さよりも大きく、前記第1段差の厚さは前記第3段差の厚さよりも大きい。
【0009】
いくつかの可能な実現方式では、前記第1段差の厚さは15μm~20.7μmであり、前記第2段差の厚さは0.2μm~1.3μmであり、前記第3段差の厚さは0.5μm~1.4μmである。
【0010】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示基板のエッジ領域は前記第1平坦層に設けられる第2平坦層を更に備え、前記第2平坦層の前記フレキシブル基板での正投影は前記第1段差及び第2段差の前記フレキシブル基板での正投影と部分的に重なる。
【0011】
いくつかの可能な実現方式では、表示基板の内部から表示基板のエッジへの方向において、前記第2平坦層の前記フレキシブル基板での正投影と前記第1段差の前記フレキシブル基板での正投影が重なる幅は10μm~20μmであり、前記第2平坦層の前記フレキシブル基板での正投影と前記第2段差の前記フレキシブル基板での正投影が重なる幅は20μm~30μmである。
【0012】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示基板の基板領域は、前記フレキシブル基板に設けられる第1絶縁層と、前記第1絶縁層に設けられる活性層と、前記活性層を被覆する第2絶縁層と、前記第2絶縁層に設けられる第1ゲート金属層と、前記第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層と、前記第3絶縁層に設けられる第2ゲート金属層と、前記第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層と、前記第4絶縁層に設けられるソース/ドレイン金属層と、前記ソース/ドレイン金属層を被覆する第5絶縁層と、前記第1平坦層に設けられる金属導電層と、前記金属導電層を被覆する第2平坦層と、を備える。
【0013】
いくつかの可能な実現方式では、前記フレキシブル基板は順に積層設置される第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層を備え、前記複合絶縁層は前記第2バリア層に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を備え、前記第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層及び第2フレキシブル層の合計厚さは15μm~20μmであり、前記第2バリア層の厚さは0.4μm~0.7μmであり、前記第1絶縁層の厚さは0.2μm~0.6μmである。
【0014】
いくつかの可能な実現方式では、前記第2バリア層は前記第2フレキシブル層に積層設置される第1サブ層及び第2サブ層を備え、前記第1段差は前記第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び前記第2バリア層の第1サブ層を備え、前記第2段差は前記第2バリア層の第2サブ層及び第1絶縁層を備え、前記第3段差は前記第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を備え、前記第1段差の上面と基準面との距離は0.05μm~0.06μmであり、前記第2段差の上面と基準面との距離は0.75μm~0.95μmであり、前記第3段差の上面と基準面との距離は1.40μm~1.80μmであり、前記基準面は前記第1サブ層の前記第2フレキシブル層に近接する側の表面である。
【0015】
いくつかの可能な実現方式では、前記第2段差及び第3段差の側壁は傾斜面であり、前記傾斜面の母線と前記表示基板の法線方向との夾角は20°~50°である。
【0016】
いくつかの可能な実現方式では、第1段差のエッジから第2段差のエッジまでの距離は第2段差のエッジから第3段差のエッジまでの距離よりも大きく、第1段差のエッジから第2段差のエッジまでの距離は第3段差のエッジからクラックダムのエッジまでの距離よりも大きい。
【0017】
いくつかの可能な実現方式では、第1段差のエッジから第2段差のエッジまでの距離は55μm~210μmであり、第2段差のエッジから第3段差のエッジまでの距離は5μm~40μmであり、第3段差のエッジからクラックダムのエッジまでの距離は5μm~15μmである。
【0018】
いくつかの可能な実現方式では、前記エッジ領域の複合絶縁層にクラックダムが更に設けられ、前記クラックダムは間隔をあけて設けられる複数のクラックを備え、前記クラックは前記第1絶縁層を露出させ、前記第1平坦層は前記クラックダムを被覆する。
【0019】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示基板のエッジ領域は周辺領域及び切断内領域を備え、前記切断内領域は前記周辺領域の基板領域から離れる側に位置し、前記段差構造は前記切断内領域に設けられ、前記クラックダムは前記周辺領域に設けられる。
【0020】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示基板の基板領域は表示領域、及び前記表示領域の片側に設けられるボンディング領域を備え、前記ボンディング領域の前記表示領域から離れる側のエッジ領域に階段構造が形成され、前記階段構造は第1階段及び第2階段を備え、前記第1階段はフレキシブル基板及び複合絶縁層から形成され、前記第2階段は前記第1平坦層及び第2平坦層から形成され、前記ボンディング領域の前記表示領域から離れる側のエッジ領域を除き、前記段差構造は前記表示領域及びボンディング領域の他のエッジ領域に設けられる。
【0021】
別の態様によれば、本開示は表示マザーボードを更に提供し、複数の基板領域、及び前記基板領域を取り囲む切断領域を備え、前記表示マザーボードは、前記基板領域及び切断領域に設けられる駆動構造層と、前記駆動構造層に設けられる第1平坦層とを備え、前記切断領域の駆動構造層は複合絶縁層を備え、前記複合絶縁層に溝が設けられ、前記第1平坦層は前記溝を充填する。
【0022】
いくつかの可能な実現方式では、前記基板領域の駆動構造層は、フレキシブル基板に設けられる第1絶縁層と、前記第1絶縁層に設けられる活性層と、前記活性層を被覆する第2絶縁層と、前記第2絶縁層に設けられる第1ゲート金属層と、前記第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層と、前記第3絶縁層に設けられる第2ゲート金属層と、前記第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層と、前記第4絶縁層に設けられるソース/ドレイン金属層と、前記ソース/ドレイン金属層を被覆する第5絶縁層とを備え、前記切断領域の駆動構造層は、フレキシブル基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を備え、前記フレキシブル基板は積層設置される第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層を備え、前記第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層及び第2フレキシブル層の合計厚さは15μm~20μmであり、前記第2バリア層の厚さは0.4μm~0.7μmであり、前記第1絶縁層の厚さは0.2μm~0.6μmである。
【0023】
いくつかの可能な実現方式では、前記第2バリア層は前記第2フレキシブル層に積層設置される第1サブ層及び第2サブ層を備え、前記溝は第1溝及び第2溝を備え、前記第1溝は前記第1絶縁層及び第2バリア層の第2サブ層に設けられ、前記第1溝は前記第2バリア層の第1サブ層を露出させ、前記第2溝は前記第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層に設けられ、前記第2溝は前記第1絶縁層及び前記第2バリア層の第1サブ層を露出させ、前記第2溝のフレキシブル基板での正投影は前記第1溝のフレキシブル基板での正投影を含み、前記第1溝の深さは0.2μm~1.3μmであり、前記第2溝の深さは0.5μm~1.4μmである。
【0024】
更なる態様によれば、本開示は表示基板の製造方法を更に提供し、
複数の基板領域及び前記基板領域を取り囲む切断領域に駆動構造層を形成し、前記切断領域の駆動構造層はフレキシブル基板に設けられる複合絶縁層を備え、前記複合絶縁層は段差構造の溝を形成することと、
前記駆動構造層を被覆する第1平坦層を形成し、前記第1平坦層は前記溝を充填することと、
前記切断領域において切断を行って表示基板を形成し、前記表示基板のエッジ領域に段差構造を形成し、前記段差構造における段差の高さは表示基板のエッジから表示基板の内部への方向に順に増加し、前記第1平坦層は前記段差構造を被覆し、前記第1平坦層のエッジは前記フレキシブル基板のエッジと面一であることと、を含む。
【0025】
いくつかの可能な実現方式では、切断領域に駆動構造層を形成することは、
フレキシブル基板に第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を順に形成し、前記フレキシブル基板が積層設置される第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層を備え、前記第2バリア層が前記第2フレキシブル層に積層設置される第1サブ層及び第2サブ層を備え、前記第1絶縁層が前記第2バリア層の第2サブ層に形成されることと、
1回目のパターニングプロセスによって、前記第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層において、前記第1絶縁層を露出させる第2溝を形成することと、
2回目のパターニングプロセスによって、前記第2溝における第1絶縁層及び第2バリア層の第2サブ層において、前記第2バリア層の第1サブ層を露出させる第1溝を形成し、前記第2溝が前記第1溝を露出させることと、を含む。
【0026】
更なる態様によれば、本開示は、前記表示基板を備える表示装置を更に提供する。
【0027】
図面及び詳細な説明を閲覧して理解した後、他の態様が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図面は本開示の技術案を更に理解するためのものであり、明細書の一部として組み込まれており、本開示の実施例とともに本開示の技術案を解釈することに用いられ、本開示の技術案を限定しない。図面中の各部材の形状及びサイズは実際の縮尺で作成されるものではなく、本開示の内容を模式的に説明することのみを目的とする。
【0029】
【
図1】
図1は表示マザーボードに備えられる複数の表示基板の配列模式図である。
【
図2】
図2は表示マザーボードの切断領域における金属塊残存の模式図である。
【
図3】
図3は本開示の表示マザーボードの構造模式図である。
【
図4】
図4は本開示のフレキシブル基板を形成した後の模式図である。
【
図5】
図5は本開示の駆動構造層パターンを形成した後の模式図である。
【
図6】
図6は本開示の溝及びクラックダムを形成した後の模式図である。
【
図7】
図7は本開示の第1平坦層パターンを形成した後の模式図である。
【
図8】
図8は本開示の金属導電層パターンを形成した後の模式図である。
【
図9】
図9は本開示の第2平坦層パターンを形成した後の模式図である。
【
図10】
図10は本開示の陽極及び第3接続電極のパターンを形成した後の模式図である。
【
図11】
図11は本開示の画素定義層及びダムベースのパターンを形成した後の模式図である。
【
図12】
図12は本開示のスペーサコラムパターンを形成した後の模式図である。
【
図13】
図13は本開示の有機発光層及び陰極のパターンを形成した後の模式図である。
【
図14】
図14は本開示のパッケージ層パターンを形成した後の模式図である。
【
図15】
図15は本開示のバックフィルムを貼付した後の模式図である。
【
図17】
図17は本開示の表示基板のエッジ領域の構造模式図である。
【
図18】
図18は本開示のボンディング領域の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、図面を参照しながら本開示の実施例を詳細に説明する。ただし、実施形態は複数の異なる形式で実施できる。当業者が容易に理解できる点として、本開示の趣旨及びその範囲を逸脱せずに形態及び内容を様々な形式に変換することができる。従って、本開示は下記実施形態に記載される内容に限定されるものではないと解釈すべきである。矛盾しない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴を任意に組み合わせることができる。
【0031】
図面では、明確にするために、各構成要素のサイズ、層の厚さ又は領域が誇張されている場合がある。従って、本開示の1つの形態は必ずしも該サイズに限定されず、図中の各部材の形状及びサイズは実際の縮尺で作成されるものではない。また、図面は理想的な例を模式的に示しており、本開示の1つの形態は図示される形状又は数値等に限定されない。
【0032】
本明細書の「第1」、「第2」、「第3」等の序数詞は、数量を制限するものではなく、構成要素の混乱を回避するために設定される。
【0033】
本明細書では、便宜上、図面を参照して構成要素の位置関係を説明するために、「中部」、「上」、「下」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の方位又は位置関係を指示する単語や文を使用しているが、単に本明細書の説明の便宜上及び簡略化のために使用され、係る装置又は素子が特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作されたりしなければならないことを指示又は暗示しない。従って、本開示を限定するものではないと理解すべきである。構成要素の位置関係は各構成要素を説明する方向に応じて適宜に変更される。従って、明細書で説明される単語や文に限定されず、場合によって適宜に変更することができる。
【0034】
本明細書では、別段明確な規定及び限定がない限り、用語の「取り付け」、「連結」、「接続」は広義に理解すべきである。例えば、固定的接続、又は取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的接続、又は電気的接続であってもよく、直接接続、又は中間部材を介する間接的接続、又は2つの素子の内部が連通することであってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本開示での具体的な意味を理解することができる。
【0035】
本明細書では、トランジスタとは、少なくともゲート電極、ドレイン電極及びソース電極という3つの端子を備える素子を指す。トランジスタはドレイン電極(ドレイン電極端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース電極(ソース電極端子、ソース領域又はソース電極)との間にチャネル領域を有し、且つ電流はドレイン電極、チャネル領域及びソース電極を流れることができる。なお、本明細書では、チャネル領域とは電流が流れる主な領域を指す。
【0036】
本明細書では、第1電極はドレイン電極、第2電極はソース電極であってもよく、又は第1電極はソース電極、第2電極はドレイン電極であってもよい。極性が反対のトランジスタを使用する場合又は回路の動作中の電流方向が変化する場合等では、「ソース電極」と「ドレイン電極」の機能は相互に交換されることがある。従って、本明細書では、「ソース電極」と「ドレイン電極」は相互に交換することができる。
【0037】
本明細書では、「電気的接続」は、構成要素がある電気的機能を有する素子によって接続される場合を含む。「ある電気的機能を有する素子」は、接続される構成要素間で電気信号を送受信できる限り、特に限定しない。「ある電気的機能を有する素子」の例として、電極及び配線だけではなく、トランジスタ等のスイッチング素子、抵抗器、インダクタ、コンデンサ、及び様々な機能を有する他の素子等も含まれる。
【0038】
本明細書では、「平行」とは、2本の直線のなす角度が-10°以上10°以下の状態を指し、従って、該角度が-5°以上5°以下の状態も含まれる。また、「垂直」とは、2つの直線のなす角度が80°以上100°以下の状態を指し、従って、角度が85°以上95°以下の状態も含まれる。
【0039】
本明細書では、「膜」と「層」は相互に交換することができる。例えば、「導電層」を「導電膜」に置き換える場合がある。同様に、「絶縁膜」を「絶縁層」に置き換える場合もある。
【0040】
研究を行ったところ、表示基板の黒点不良等の問題は、製造プロセスで切断領域に金属残存や粒子汚染がある等の要因によって引き起こされることを見出した。表示基板の切断領域の製造プロセスは、フレキシブル基板に第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を順に形成することを含み、後続の切断プロセスの切断厚さ及び難度を低減させるために、切断領域の上記絶縁層にフレキシブル基板におけるフレキシブル材料層を露出させる溝が開設される。その後、平坦層を形成し、切断領域の一部の平坦層が除去されて該溝を露出させる。このように、切断領域の上記膜層は段差状の溝構造として形成され、溝の側壁が傾斜面である。その後、金属薄膜を堆積させ、パターニングプロセスによって金属薄膜をパターニングし、平坦層に金属導電層パターンを形成する。切断領域に段差状の溝が形成されているため、堆積した金属薄膜の各位置の高さが異なるだけではなく、金属薄膜の高さ差が大きく、その結果、パターニングプロセスで金属薄膜を完全にエッチングできず、
図2に示すように、パターニングプロセスの後で溝の底面及び段差面に金属塊aが残存している。金属薄膜はチタン/アルミニウム/チタン(Ti/Al/Ti)積層構造を使用するため、後続のプロセスのエッチング液が銀(Ag)イオンを含有する場合、残存している金属塊50がAg粒子を置換し、Ag粒子がエッチング液に混入して隅々まで流れながら付着する。Ag粒子が表示領域に付着すると、表示領域に黒点不良等の欠陥が生じる。また、堆積した金属薄膜及び残存している金属塊がフレキシブル基板のフレキシブル材料層に直接接触し、金属が有機材料と化学反応して粒子(particle)を発生させる。粒子は装置の汚染につながるだけではなく、エッチング液に混入して隅々まで流れながら付着する。
【0041】
本開示は表示基板を提供し、前記表示基板はフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に設けられる複合絶縁層とを備え、前記表示基板のエッジ領域は前記複合絶縁層で形成される段差構造を備え、前記段差構造において段差の高さは表示基板のエッジから表示基板の内部への方向に順に増加し、前記エッジ領域は前記段差構造を被覆する第1平坦層を更に備え、前記第1平坦層のエッジは前記フレキシブル基板のエッジと面一である。
【0042】
例示的な実施形態では、前記段差構造は第1段差、第2段差及び第3段差を備え、前記第1段差の厚さは前記第2段差の厚さよりも大きく、前記第1段差の厚さは前記第3段差の厚さよりも大きい。
【0043】
例示的な実施形態では、前記第1段差の厚さは15μm~20.7μmであり、前記第2段差の厚さは0.2μm~1.3μmであり、前記第3段差の厚さは0.5μm~1.4μmである。
【0044】
例示的な実施形態では、前記表示基板の基板領域は、前記フレキシブル基板に設けられる第1絶縁層と、前記第1絶縁層に設けられる活性層と、前記活性層を被覆する第2絶縁層と、前記第2絶縁層に設けられる第1ゲート金属層と、前記第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層と、前記第3絶縁層に設けられる第2ゲート金属層と、前記第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層と、前記第4絶縁層に設けられるソース/ドレイン金属層と、前記ソース/ドレイン金属層を被覆する第5絶縁層とを備え、前記第1平坦層は前記第5絶縁層に設けられる。
【0045】
例示的な実施形態では、前記表示基板の基板領域は、前記第1平坦層に設けられる金属導電層と、前記金属導電層を被覆する第2平坦層とを更に備える。
【0046】
例示的な実施形態では、前記フレキシブル基板は、順に積層設置される第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層を備え、前記第2バリア層は前記第2フレキシブル層に積層設置される第1サブ層及び第2サブ層を備え、前記複合絶縁層は前記第2バリア層の第2サブ層に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を備え、前記第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層及び第2フレキシブル層の合計厚さは15μm~20μmであり、前記第2バリア層の厚さは0.4μm~0.7μmであり、前記第1絶縁層の厚さは0.2μm~0.6μmであり、前記段差構造は、前記第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層の第1サブ層から形成される第1段差と、前記第2バリア層の第2サブ層及び第1絶縁層から形成される第2段差と、前記第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層から形成される第3段差とを備え、前記第1段差、第2段差及び第3段差の高さは前記第1段差から第3段差への方向に順に増加する。
【0047】
例示的な実施形態では、前記第1段差の上面と基準面との距離は0.05μm~0.06μmであり、前記第2段差の上面と基準面との距離は0.75μm~0.95μmであり、前記第3段差の上面と基準面との距離は1.40μm~1.80μmであり、前記基準面は前記第1サブ層の前記第2フレキシブル層に近接する側の表面である。
【0048】
例示的な実施形態では、前記第2段差及び第3段差の側壁は傾斜面であり、前記傾斜面の母線と前記表示基板の法線方向との夾角は20°~50°である。
【0049】
例示的な実施形態では、前記エッジ領域の複合絶縁層にクラックダムが更に設けられ、前記クラックダムは間隔をあけて設けられる複数のクラックを備え、前記クラックは前記第1絶縁層を露出させ、前記第1平坦層は前記クラックダムを被覆する。
【0050】
例示的な実施形態では、前記表示基板は基板領域及びエッジ領域を備え、前記エッジ領域は周辺領域及び切断内領域を備え、前記切断内領域は前記周辺領域の基板領域から離れる側に位置し、前記段差構造は前記切断内領域に設けられ、前記クラックダムは前記周辺領域に設けられる。
【0051】
例示的な実施形態では、前記基板領域は表示領域、及び前記表示領域の片側に設けられるボンディング領域を備え、前記ボンディング領域の前記表示領域から離れる側のエッジ領域に階段構造が形成され、前記階段構造は第1階段及び第2階段を備え、前記第1階段はフレキシブル基板及び複合絶縁層から形成され、前記第2階段は前記第1平坦層及び第2平坦層から形成され、前記ボンディング領域の前記表示領域から離れる側のエッジ領域を除き、前記段差構造は前記表示領域及びボンディング領域の他のエッジ領域に設けられる。
【0052】
図3は本開示における表示基板の構造模式図であり、
図1におけるA-A方向の断面図であり、デュアルソース/ドレイン金属層(デュアルSD又は2SD)構造の基板領域及び切断領域の断面構造を模式的に示す。表示基板に平行する平面方向において、表示基板は表示領域310、周辺回路領域320及びエッジ領域500を備え、エッジ領域500は周辺領域330及び切断内領域420を備え、切断内領域420は周辺領域330の表示領域310から離れる側に位置する。
図3に示すように、表示基板に垂直な平面方向において、本開示の表示基板は、フレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設けられる駆動構造層と、駆動構造層に設けられる第1平坦層20と、第1平坦層20に設けられる金属導電層と、金属導電層を被覆する第2平坦層21とを備える。表示領域310の駆動構造層は画素駆動回路を形成する複数のトランジスタを備え、周辺回路領域320の駆動構造層は周辺回路を形成する複数のトランジスタ及びストレージコンデンサを備え、
図3では3つのトランジスタ及び2つのストレージコンデンサを例として模式的に示す。エッジ領域500の駆動構造層は複数の無機絶縁層から構成される複合絶縁層を備え、複合絶縁層に段差構造及びクラックダムが設けられ、エッジ領域500の第1平坦層20は段差構造及びクラックダムを被覆して充填する。
【0053】
例示的な実施形態では、表示領域310及び周辺回路領域320の駆動構造層は、フレキシブル基板10に設けられる第1絶縁層11と、第1絶縁層11に設けられる活性層と、活性層を被覆する第2絶縁層13と、第2絶縁層13に設けられる第1ゲート金属層と、第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層15と、第3絶縁層15に設けられる第2ゲート金属層と、第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層16と、第4絶縁層16に設けられるソース/ドレイン金属層と、ソース/ドレイン金属層を被覆する第5絶縁層19とを備えてもよい。活性層は少なくとも第1活性層、第2活性層及び第3活性層を備え、第1ゲート金属層は少なくとも第1ゲート電極、第2ゲート電極、第3ゲート電極、第1コンデンサ電極及び第2コンデンサ電極を備え、第2ゲート金属層は少なくとも第3コンデンサ電極及び第4コンデンサ電極を備え、ソース/ドレイン金属層は少なくとも第1ソース電極、第1ドレイン電極、第2ソース電極、第2ドレイン電極、第3ソース電極、第3ドレイン電極及び低電圧線105を備え、第1活性層、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極は第1トランジスタ101を構成し、第2活性層、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極は第2トランジスタ102を構成し、第3活性層、第3ゲート電極、第3ソース電極及び第3ドレイン電極は第3トランジスタ103を構成し、第1コンデンサ電極及び第3コンデンサ電極は第1ストレージコンデンサ104Aを構成し、第2コンデンサ電極及び第4コンデンサ電極は第2ストレージコンデンサ104Bを構成する。表示領域310及び周辺回路領域320は発光構造層を更に備え、発光構造層は、第1平坦層20に設けられる金属導電層と、金属導電層を被覆する第2平坦層21と、第2平坦層21に設けられる陽極23及び第3接続電極108と、画素定義層24と、有機発光層25と、陰極26と、パッケージ層27とを備える。金属導電層は少なくとも第1接続電極106及び第2接続電極107を備える。
【0054】
例示的な実施形態では、エッジ領域500の駆動構造層は、フレキシブル基板10に順に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19を備えてもよく、上記絶縁層はいずれも無機絶縁層であり、本開示の複合絶縁層とする。段差構造は切断内領域420に設けられ、クラックダムは周辺領域330に設けられる。エッジ領域500の切断内領域420において、フレキシブル基板10及び複合絶縁層はともに本開示の段差構造を形成する。段差構造は、フレキシブル基板10の第1フレキシブル層10A、第1バリア層10B、アモルファスシリコン層10C、第2フレキシブル層10D及び第2バリア層10Eの第1サブ層から形成される第1段差51と、第2バリア層10Eの第2サブ層及び第1絶縁層11から形成される第2段差52と、第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19から形成される第3段差53とを備え、第1段差51、第2段差52及び第3段差53の高さは切断内領域420(表示基板のエッジ)から表示領域310(表示基板の内部)への方向に順に増加し、即ち、第1段差51から第3段差53への方向に沿って、第1段差51、第2段差52及び第3段差53の高さは順に増加する。本開示では、段差の高さとは、段差の表面とフレキシブル基板の下面との距離を指す。切断内領域420の第1平坦層20は上記段差構造を被覆し、第1平坦層20の表示領域310から離れる側のエッジはフレキシブル基板10のエッジと面一である。エッジ領域500における周辺領域330において、複合絶縁層にクラックダム33が設けられ、クラックダム33は複合絶縁層内に間隔をあけて設けられる複数のクラックを備え、クラック内の第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19は除去されて、第1絶縁層11の表面を露出させる。周辺領域330の第1平坦層20はクラックダム33を被覆し、クラックダム33における間隔をあけて設けられる複数のクラックを充填し、周辺領域330の第1平坦層20の表面は切断内領域420の第1平坦層20の表面と略面一である。
【0055】
以下、表示基板の製造プロセスの例をもって本開示の表示基板の構造を説明する。本開示に記載の「パターニングプロセス」は膜層堆積、フォトレジストコーティング、マスク露光、現像、エッチング及びフォトレジスト剥離等の処理を含む。堆積はスパッタリング、蒸着及び化学気相堆積から選択されるいずれか1種又は複数種を使用してもよく、コーティングはスプレー塗装及びスピンコーティングから選択されるいずれか1種又は複数種を使用してもよく、エッチングはドライエッチング及びウェットエッチングから選択されるいずれか1種又は複数種を使用してもよい。「薄膜」とは、ある材料を基板に堆積又はコーティングすることによって製造されたものを指す。全作製過程では該「薄膜」に対してパターニングプロセスを行う必要がない場合、該「薄膜」は「層」と呼ばれてもよい。全作製過程では該「薄膜」に対してパターニングプロセスを更に行う必要がある場合、パターニングプロセスの前では「薄膜」と呼ばれ、パターニングプロセスの後では「層」と呼ばれる。パターニングプロセスを経た「層」に少なくとも1つの「パターン」が含まれる。本開示に記載の「AとBが同層に設けられる」とは、AとBが同じパターニングプロセスによって同時に形成されることを指す。「Aの正投影がBの正投影を含む」とは、Bの正投影の境界がAの正投影の境界範囲内にあるか、又はAの正投影の境界がBの正投影の境界と重なることを指す。
【0056】
本開示の表示基板の製造プロセスは、まず表示マザーボードを製造し、次に表示マザーボードを切断して表示基板を形成することであるため、以下の説明では、切断前の基板は表示マザーボードと呼ばれ、切断後の基板は表示基板と呼ばれる。表示マザーボードは基板領域300、及び基板領域300の周辺に位置する切断領域400を備える。
【0057】
(1)ガラスキャリアプレート1においてフレキシブル基板10を製造する。本開示では、フレキシブル基板10は、ガラスキャリアプレート1に積層設置される第1フレキシブル材料層、第1無機材料層、半導体層、第2フレキシブル材料層及び第2無機材料層を備える。第1、第2フレキシブル材料層の材料はポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は表面処理されたポリマー軟質フィルム等の材料を使用してもよく、第1、第2無機材料層の材料は窒化ケイ素(SiNx)又は酸化ケイ素(SiOx)等を使用してもよく、基板の耐水性や耐酸素性を向上させることに用いられ、第1、第2無機材料層はバリア(Barrier)層とも呼ばれ、半導体層の材料はアモルファスシリコン(a-si)を使用してもよい。1つの例示的な実施形態では、
図4に示すように、積層構造PI1/Barrier1/a-si/PI2/Barrier2を例として、その製造プロセスは、まずガラスキャリアプレート1に1層のポリイミドをコーティングし、硬化させて成膜した後、第1フレキシブル(PI1)層10Aを形成し、その後、第1フレキシブル層10Aに1層のバリア薄膜を堆積させ、第1フレキシブル層10Aを被覆する第1バリア(Barrier1)層10Bを形成し、次に第1バリア層10Bに1層のアモルファスシリコン薄膜を堆積させ、第1バリア層10Bを被覆するアモルファスシリコン(a-si)層10Cを形成し、次にアモルファスシリコン層10Cに1層のポリイミドを再度コーティングし、硬化させて成膜した後、第2フレキシブル(PI2)層10Dを形成し、次に、第2フレキシブル層10Dに1層のバリア薄膜を堆積させ、第2フレキシブル層10Dを被覆する第2バリア(Barrier2)層10Eを形成し、フレキシブル基板10の製造が完了することを含む。今回のプロセスを行った後、基板領域300及び切断領域400はいずれもフレキシブル基板10を備える。
【0058】
例示的な実施形態では、第1フレキシブル層10A、第1バリア層10B、アモルファスシリコン層10C及び第2フレキシブル層10Dの合計厚さは15μm~20μmであってもよく、第2バリア層10Eの厚さは0.4μm~0.7μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、第1フレキシブル層10A、第1バリア層10B、アモルファスシリコン層10C及び第2フレキシブル層10Dの合計厚さは17.6μmであってもよく、第2バリア層10Eの厚さは0.55μmであってもよい。本開示では、厚さとは膜層の上面と下面との距離を指す。
【0059】
(2)フレキシブル基板10において駆動構造層パターンを製造する。基板領域300の駆動構造層は、画素駆動回路を構成する第1トランジスタ101、第2トランジスタ102、第3トランジスタ103、第1ストレージコンデンサ104A、第1ストレージコンデンサ104B及び低電圧線105を備え、切断領域400の駆動構造層は複数の無機絶縁層から構成される複合絶縁層を備え、複合絶縁層にはフレキシブル基板10の第2フレキシブル層10Dを露出させる溝が形成される。1つの例示的な実施形態では、駆動構造層の製造プロセスは、
フレキシブル基板10に第1絶縁薄膜及び活性層薄膜を順に堆積させ、パターニングプロセスによって活性層薄膜をパターニングし、フレキシブル基板10全体を被覆する第1絶縁層11、及び第1絶縁層11に設けられる活性層パターンを形成し、活性層パターンが基板領域300に形成され、少なくとも第1活性層12A、第2活性層12B及び第3活性層12Cを備え、今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400が、フレキシブル基板10に設けられる第1絶縁層11を備えることを含んでもよい。
【0060】
例示的な実施形態では、第1絶縁層11の厚さは0.2μm~0.6μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、第1絶縁層11の厚さは0.4μmであってもよい。
【0061】
その後、第2絶縁薄膜及び第1金属薄膜を順に堆積させ、パターニングプロセスによって第1金属薄膜をパターニングし、活性層パターンを被覆する第2絶縁層13、及び第2絶縁層13に設けられる第1ゲート金属層パターンを形成し、第1ゲート金属層パターンは基板領域300に形成され、少なくとも第1ゲート電極14A、第2ゲート電極14B、第3ゲート電極14C、第1コンデンサ電極41A、第2コンデンサ電極41B、複数のゲート線(図示せず)及び複数のゲートリード(図示せず)を備える。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400はフレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11及び第2絶縁層13を備える。
【0062】
その後、第3絶縁薄膜及び第2金属薄膜を順に堆積させ、パターニングプロセスによって第2金属薄膜をパターニングし、第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層15、及び第3絶縁層15に設けられる第2ゲート金属層パターンを形成し、第2ゲート金属層パターンは基板領域300に形成され、少なくとも第3コンデンサ電極42A、第4コンデンサ電極42B及び第2ゲートリード(図示せず)を備え、第3コンデンサ電極42Aの位置は第1コンデンサ電極41Aの位置に対応し、第4コンデンサ電極42Bの位置は第2コンデンサ電極41Bの位置に対応する。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400はフレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層13及び第3絶縁層15を備える。
【0063】
その後、第4絶縁薄膜を堆積させ、パターニングプロセスによって第4絶縁薄膜をパターニングし、第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層16のパターンを形成し、第4絶縁層16に複数の第1ビアが開設され、複数の第1ビアは基板領域300に形成され、その位置はそれぞれ第1活性層12A、第2活性層12B及び第3活性層12Cの両端位置に対応し、複数の第1ビア内の第4絶縁層16、第3絶縁層15及び第2絶縁層13はエッチングして除去され、それぞれ第1活性層12A、第2活性層12B及び第3活性層12Cの表面を露出させる。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400はフレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層13、第3絶縁層15及び第4絶縁層16を備える。
【0064】
その後、第3金属薄膜を堆積させ、パターニングプロセスによって第3金属薄膜をパターニングし、第4絶縁層16にソース/ドレイン金属層パターンを形成し、ソース/ドレイン金属層は基板領域300に形成され、少なくとも第1ソース電極17A、第1ドレイン電極18A、第2ソース電極17B、第2ドレイン電極17B、第3ソース電極17C、第3ドレイン電極17C、低電圧(VSS)線105、複数のデータ線(図示せず)及び複数のデータリードパターンを備え、第1ソース電極17A及び第1ドレイン電極18Aはそれぞれ第1ビアによって第1活性層12Aに接続され、第2ソース電極17B及び第2ドレイン電極17Bはそれぞれ第1ビアによって第2活性層12Bに接続され、第3ソース電極17C及び第3ドレイン電極17Cはそれぞれ第1ビアによって第3活性層12Cに接続される。1つの例示的な実施形態では、実際の必要に応じて、ソース/ドレイン金属層は電源線(VDD)、補償線及び補助陰極のうちのいずれか1種又は複数種を更に備えてもよく、ソース/ドレイン金属層は第1ソース/ドレイン金属層(SD1)とも呼ばれる。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400はフレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層13、第3絶縁層15及び第4絶縁層16を備える。
【0065】
その後、第5絶縁薄膜を堆積させ、ソース/ドレイン金属層を被覆する第5絶縁層19のパターンを形成する。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400はフレキシブル基板10に設けられる複合絶縁層を備え、複合絶縁層は積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19を備える。
【0066】
ここまで、
図5に示すように、フレキシブル基板10における駆動構造層パターンの製造が完了する。第1活性層12A、第1ゲート電極14A、第1ソース電極17A及び第1ドレイン電極18Aは第1トランジスタ101を構成し、第2活性層12B、第2ゲート電極14B、第2ソース電極17B及び第2ドレイン電極18Bは第2トランジスタ102を構成し、第3活性層12C、第3ゲート電極14C、第3ソース電極17C及び第3ドレイン電極18Cは第3トランジスタ103を構成し、第1コンデンサ電極41A及び第3コンデンサ電極42Aは第1ストレージコンデンサ104Aを構成し、第2コンデンサ電極42B及び第4コンデンサ電極42Bは第2ストレージコンデンサ104Bを構成し、複数のゲートリード及びデータリードはアレイ基板行駆動(Gate Driver on Array、GOAと略称)の駆動リードを構成する。1つの例示的な実施形態では、第1トランジスタ101は画素駆動回路における駆動トランジスタであってもよく、第2トランジスタ102はGOAにおける走査(SCAN)信号を出力する走査トランジスタであってもよく、第3トランジスタ103はGOAにおけるイネーブル(EM)信号を出力するイネーブルトランジスタであってもよく、駆動トランジスタ、走査トランジスタ及びイネーブルトランジスタはいずれも薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFTと略称)であってもよい。
【0067】
(3)
図6に示すように、パターニングプロセスによって切断領域400、切断領域400に近接する基板領域300の複合絶縁層をパターニングし、切断領域400に第1溝31及び第2溝32を形成し、基板領域300にクラックダム33を形成する。本開示では、基板領域300は表示領域310、周辺回路領域320及び周辺領域330に分割されてもよく、周辺領域330は切断領域400に近接し、表示領域310は周辺領域330の切断領域400から離れる側に位置し、周辺回路領域320は表示領域310と周辺領域330との間に位置する。切断領域400は切断レーン領域410、切断内領域420及び切断外領域430に分割されてもよく、切断レーン領域410は切断領域400の中部に位置し、表示マザーボードを切断する時に切欠きを形成する領域であり、切断内領域420は切断レーン領域410の基板領域300に近接する側に位置し、切断外領域430は切断レーン領域410の基板領域300から離れる側に位置する。表示マザーボードを切断して表示基板を形成した後、切断レーン領域410及び切断外領域430は切断して除去され、切断内領域420は残される。このように、製造された表示基板において、
図6に示すように、基板領域300の周辺領域330及び切断領域400の切断内領域420は表示基板のエッジ領域500を構成する。
【0068】
本開示では、切断領域400に第1溝31及び第2溝32を形成した後、第1溝31はフレキシブル基板10の第2バリア層10Eを露出させ、第2溝32は第1溝31を露出させ、即ち、第1溝31のフレキシブル基板10での正投影は第2溝32のフレキシブル基板10での正投影を含む。後続の説明では、第1溝31及び第2溝32は溝と呼ばれる。
図6に示すように、クラックダム33は基板領域300の周辺領域330に形成され、即ち、エッジ領域500に形成され、クラックダム33は間隔をあけて設けられる複数のクラックを備え、各クラックは第1絶縁層11の表面を露出させる。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400は、フレキシブル基板10に設けられ、溝を有する複合絶縁層を備え、溝において第1溝31及び第2溝32の幅はいずれも切断レーン領域410の幅よりも大きい。
【0069】
例示的な実施形態では、2回のパターニングプロセスによって第1溝31、第2溝32及びクラックダム33を形成してもよい。1回目のマスク(Etch Bending A MASK、EBA MASKと略称)によって、切断領域400及び周辺領域330の第5絶縁層19、第4絶縁層16、第3絶縁層15及び第2絶縁層13をエッチングし、切断領域400の第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19に第2溝32を形成し、周辺領域330の第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19にクラックダム33を形成し、第2溝32及びクラックダム33における第5絶縁層19、第4絶縁層16、第3絶縁層15及び第2絶縁層13はエッチングして除去され、第1絶縁層11の表面を露出させる。次に、2回目のマスク(Etch Bending B MASK、EBB MASKと略称)によって、切断領域400における第2溝32内の第1絶縁層11及びフレキシブル基板10の第2バリア層10Eの第2サブ層をエッチングし、第2バリア層10Eの第2サブ層及び第1絶縁層11に第1溝31を形成し、第1溝31内の第1絶縁層11及び第2バリア層10Eの第2サブ層はエッチングして除去され、フレキシブル基板10の第2バリア層10Eの第1サブ層の表面を露出させる。このように、切断領域400において、第2溝32は第1溝31を露出させ、即ち第1絶縁層11及びフレキシブル基板の第2バリア層10Eの第1サブ層を露出させ、第1溝31はフレキシブル基板10の第2バリア層10Eの第1サブ層を露出させ、段差状の溝構造を形成する。例示的な実施形態では、第2バリア層10Eは積層設置される第1サブ層及び第2サブ層からなると理解でき、第1サブ層は第2フレキシブル層10Dに設けられ、第2サブ層は第1サブ層に設けられ、第1絶縁層11は第2サブ層に設けられる。EBB MASK過程では、第2溝32内の第2サブ層はエッチングして除去され、第1サブ層は残され、即ち、形成される第1溝31は第1絶縁層11及び部分的な厚さの第2バリア層10Eに開設される。いくつかの可能な実現方式では、第1サブ層は第2バリア層10Eの残存部分と呼ばれ、第2サブ層は第2バリア層10Eのエッチング除去部分と呼ばれる。周辺領域330において、間隔をあけて設けられる複数のクラックは第1絶縁層11の表面を露出させ、凹凸状のクラックダム構造を形成する。EBA MASK及びEBB MASKプロセスは表示マザーボードの湾曲領域に対して溝を加工するパターニングプロセスであり、湾曲領域の厚さを薄くする。本開示では、周辺領域330に凹凸状のクラックダム構造を形成することで、表示マザーボードの切断過程での表示領域310及び周辺回路領域320の膜層構造への影響を回避し、間隔をあけて設けられる複数のクラックは表示領域310及び周辺回路領域320の受ける力を小さくするだけではなく、割れが表示領域310及び周辺回路領域320の方向に広がることを阻止することができる。
【0070】
例示的な実施形態では、EBA MASK及びEBB MASKプロセスを用いて第1溝31及び第2溝32を形成する過程では、プロセスパラメータを設定することで第1溝31及び第2溝32の内側壁を傾斜面にすることができ、傾斜面の母線と表示基板の法線方向との夾角θは20°~50°である。例示的な実施形態では、第1溝31の深さh1は第2溝32の深さh2未満である。いくつかの可能な実現方式では、第1溝31の深さh1(即ち、第2段差の厚さ)は0.2μm~1.3μmであってもよく、第2溝32の深さh2(即ち、第3段差の厚さ)は0.5μm~1.4μmであってもよい。
【0071】
(4)上記パターンを形成したフレキシブル基板に第1平坦薄膜をコーティングし、フレキシブル基板10全体を被覆する第1平坦化(PLN)層20を形成し、パターニングプロセスによって第1平坦層20に第2ビア、第3ビア及び仕切り部を形成し、第2ビアは表示領域310に形成され、第2ビア内の第1平坦層20及び第5絶縁層19はエッチングして除去され、第1トランジスタ101の第1ドレイン電極の表面を露出させ、第3ビア及び仕切り部は周辺回路領域320に形成され、第3ビア内の第1平坦層20及び第5絶縁層19はエッチングして除去され、低電圧線105の表面を露出させ、仕切り部内の第1平坦層20は現像して除去され、第5絶縁層19の表面を露出させる。
図7に示すように、基板領域300の周辺領域330において、第1平坦層20はクラックダム33におけるクラックを完全に充填する。切断領域400において、第1平坦層20は第1溝31及び第2溝32を完全に充填し、平坦な表面を有し、即ち、切断領域400の第1平坦層20のフレキシブル基板10から離れる側の表面は平坦状である。例示的な実施形態では、第1平坦層20の厚さは0.8μm~1.5μmであってもよい。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400は、フレキシブル基板10に設けられ、溝を有する複合絶縁層と、複合絶縁層に設けられ、溝を充填する第1平坦層20とを備える。本開示では、基板領域300に仕切り部を形成することで、後続のパッケージの際に、パッケージ層における無機層を第5絶縁層19及び第4絶縁層16に直接接触させ、パッケージ効果及びプロセス品質を確保する。
【0072】
(5)
図8に示すように、上記パターンを形成したフレキシブル基板に第4金属薄膜を堆積させ、パターニングプロセスによって第4金属薄膜をパターニングし、第1平坦層20に金属導電層パターンを形成し、金属導電層は少なくとも第1接続電極106及び第2接続電極107を備え、第1接続電極106は表示領域310に設けられ、第2ビアによって第1トランジスタ101の第1ドレイン電極に接続され、第2接続電極107は周辺回路領域320に設けられ、第3ビアによって低電圧線105に接続され、周辺領域330の方向に延伸し、第3ビアと仕切り部との間の第1平坦層20を被覆する。1つの例示的な実施形態では、金属導電層は第2ソース/ドレイン金属層(SD2)とも呼ばれ、実際の設計に応じて、金属導電層は電源線、電源リード、低電圧リード及び補助陰極のうちのいずれか1種又は複数種を更に備えてもよく、切断領域400にも、例えばテストを実現する信号線等の金属導電層が設けられてもよい。今回のパターニングプロセスでは、切断領域400の溝が第1平坦層20によって充填されるため、第4金属薄膜が平坦な第1平坦層20の表面に形成され、切断領域400における第4金属薄膜の各位置の高さ差を除去し、それにより金属薄膜が不完全にエッチングされる現象を回避し、パターニングプロセスの後で金属塊が残存しない。
【0073】
(6)上記パターンを形成したフレキシブル基板に第2平坦薄膜をコーティングし、マスク、露光、及び現像プロセスによって第1平坦層20に第2平坦層21パターンを形成する。表示領域310において、第2平坦層21に第4ビアが開設され、第4ビア内の第2平坦層21は現像して除去され、第1接続電極106の表面を露出させ、周辺回路領域320において、第2平坦層21に第5ビア及び隙間34が開設され、第5ビア内の第2平坦層21のビア側壁部分に近接する第2平坦層21は現像して除去され、第2接続電極107の表面を露出させ、隙間34は第4ビアと第5ビアとの間に設けられ、隙間34内の第1平坦層20及び第2平坦層21は現像して除去され、第5絶縁層19の表面を露出させる。クラックダム33が位置する領域及び仕切り部が位置する領域の第2平坦層21は現像して除去され、第1平坦層20及び仕切り部を露出させる。
図9に示すように、切断領域400において、切断内領域420の一部の位置及び切断外領域430の一部の位置に第2平坦層21が設けられ、残りの位置における第2平坦層21は現像して除去され、第1平坦層20の表面を露出させる。例示的な実施形態では、第2平坦層21の厚さは0.8μm~1.5μmであってもよい。切断領域400における第2平坦層21の位置について、後で詳細に説明される。隙間34が位置する領域において、第2平坦層21の開口のフレキシブル基板10での正投影は第1平坦層20の開口を含み、即ち、第2平坦層21の開口幅は第1平坦層20の開口幅よりも大きく、第1平坦層20の開口は第5絶縁層19を露出させ、第2平坦層21の開口は第1平坦層20の開口を露出させ、隙間34の側壁に階段状を形成することで、後続で形成される陰極も階段状を有し、陰極と第3接続電極との確実な接続を確保する。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400は、フレキシブル基板10に設けられ、溝を有する複合絶縁層と、複合絶縁層に設けられ、溝を充填する第1平坦層20とを備える。本開示では、周辺回路領域320に隙間34を形成することで、プロセスにおいて平坦化(PLN)膜層に生じたガスを排出し、プロセス品質を向上させる。
【0074】
(7)
図10に示すように、上記パターンを形成した基板に透明導電薄膜を堆積させ、パターニングプロセスによって透明導電薄膜をパターニングし、陽極23及び第3接続電極108のパターンを形成し、陽極23は表示領域310の第2平坦層21に形成され、第4ビアによって第1接続電極106に接続され、第3接続電極108は周辺回路領域320の第2平坦層21に形成され、第3接続電極108の一部は第5ビアによって第2接続電極107に接続され、残りの部分は隙間34に設けられ、第5ビアと隙間34との間の第3接続電極108に複数の第6ビアが開設される。隙間34の側壁は階段状であるため、隙間34に設けられる第3接続電極108も階段状である。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400及び周辺領域330(クラックダム33が位置する領域)の膜層構造は変化していない。
【0075】
(8)上記パターンを形成した基板に画素定義薄膜をコーティングし、マスク、露光、及び現像プロセスによって、基板領域300に画素定義(PDL)層24、第1ダムベース201及び第2ダムベース202のパターンを形成し、画素定義層24は表示領域310に形成され、画素開口が開設され、画素開口における画素定義薄膜は現像して除去され、陽極23の表面を露出させる。
図11に示すように、第1ダムベース201及び第2ダムベース202は周辺回路領域320に形成され、第1ダムベース201は第5ビア内の第3接続電極108に設けられ、第2ダムベース202は第5ビアと仕切り部との間の第2平坦層21に設けられ、第1ダムベース201及び第2ダムベース202の断面形状は台形である。本開示では、第1ダムベース201及び第2ダムベース202は2つの支持ダム(dam)を形成することに用いられる。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400及び周辺領域330(クラックダム33が位置する領域)の膜層構造は変化していない。
【0076】
(9)
図12に示すように、上記パターンを形成した基板に有機材料薄膜をコーティングし、マスク、露光、及び現像プロセスによって、周辺回路領域320に複数のスペーサコラム(PS)203のパターンを形成し、複数のスペーサコラム203はそれぞれ第1ダムベース201、第2ダムベース202及び隙間34の両側の位置に設けられ、複数のスペーサコラム203の断面形状は台形であり、第1ダムベース201及びその上のスペーサコラム203は第1支持ダムを形成し、第2ダムベース202及びその上のスペーサコラム203は第2支持ダムを形成する。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400及び周辺領域330(クラックダム33が位置する領域)の膜層構造は変化していない。
【0077】
(10)
図13に示すように、上記パターンを形成した基板に有機発光層25及び陰極26を順に形成する。有機発光層25は積層設置される正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を備え、基板領域300の画素開口内に形成され、有機発光層25と陽極23の接続を実現する。陽極23が第1接続電極106に接続され、第1接続電極106が第1トランジスタ101のドレイン電極に接続されるため、有機発光層25の発光制御を実現できる。陰極26の一部は有機発光層25に形成され、陰極26は有機発光層25に接続され、陰極26の残りの部分は画素開口と第5ビアとの間の領域に形成され、陰極26は隙間34及び第5ビアによって第3接続電極108に接続される。第3接続電極108が第2接続電極107に接続され、第2接続電極107が低電圧線105に接続されるため、陰極26と低電圧線105の接続を実現できる。隙間34の位置での第3接続電極108が階段状であるため、形成される陰極26も階段状を有し、異なる段差において第3接続電極108に接触し、陰極と第3接続電極108の確実な接続を確保する。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400及び周辺領域330(クラックダム33が位置する領域)の膜層構造は変化していない。
【0078】
(11)
図14に示すように、上記パターンを形成した上でパッケージ層27を形成し、パッケージ層27は基板領域300の表示領域310及び周辺回路領域320に形成され、無機材料/有機材料/無機材料の積層構造を使用し、2つの無機材料層は表示領域310及び周辺回路領域320に設けられ、第1支持ダム及び第2支持ダムを包み、有機材料層は2つの無機材料層の間に設けられ、第1支持ダムの周辺領域330から離れる側に位置する。本開示では、第5絶縁層19の表面を露出させる仕切り部が第1平坦層20に形成されているため、2つの無機材料層は仕切り部内の第5絶縁層19に直接形成され、パッケージ効果及びプロセス品質を確保する。今回のパターニングプロセスを行った後、切断領域400及び周辺領域330(クラックダム33が位置する領域)の膜層構造は変化していない。
【0079】
(12)上記膜層構造の製造が完了した後、
図15に示すように、まず剥離プロセスによって表示マザーボードをガラスキャリアプレート1から剥離し、次にローラ圧着法によって表示マザーボードの裏面(フレキシブル基板10の膜層から離れる側の表面)に1層のバックフィルム2を貼付し、表示マザーボードの製造を完了する。
【0080】
(13)
図16に示すように、切断装置は切断領域400の切断レーン領域410に沿って切断を行い、切断ストリップLは表示マザーボードを本開示の表示基板に分割する。
図3に示すように、切断完了後、切断領域400の切断レーン領域410及び切断外領域430は切断して除去され、切断内領域420は残され、基板領域300の周辺領域330及び切断領域400の切断内領域420は本開示の表示基板のエッジ領域500を構成する。
【0081】
図3~
図16に示すように、本開示の表示基板のエッジ領域500はフレキシブル基板10、及びフレキシブル基板10に設けられる複合絶縁層を備え、複合絶縁層は複数の無機絶縁層からなり、フレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19を備える。エッジ領域500における切断内領域420において、フレキシブル基板10及び複合絶縁層は段差構造を形成し、段差構造は、フレキシブル基板10の第1フレキシブル層10A、第1バリア層10B、アモルファスシリコン層10C、第2フレキシブル層10D及び第2バリア層10Eの第1サブ層から形成される第1段差51と、第2バリア層10Eの第2サブ層及び第1絶縁層11から形成される第2段差52と、第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19から形成される第3段差53とを備え、第1段差51、第2段差52及び第3段差53の高さは切断内領域420から周辺領域330への方向に順に増加し、即ち、第1段差51から第3段差53への方向に順に増加する。切断内領域420は第1平坦層20、及び第1平坦層20に設けられる第2平坦層21を更に備え、第1平坦層20は上記段差構造を被覆し、第1平坦層20の外縁(周辺領域330から離れる側の端面)はフレキシブル基板10の外縁と略面一であり、第2平坦層21は第1段差51と第2段差52との境界領域に設けられる。エッジ領域500における周辺領域330において、複合絶縁層にクラックダム33、及びクラックダム33を被覆する第1平坦層20が形成され、クラックダム33は複合絶縁層において間隔をあけて設けられる複数のクラックを備え、クラック内の第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19は除去され、第1絶縁層11の表面を露出させる。周辺領域330の第1平坦層20はクラックダム33を被覆し、クラックダム33において間隔をあけて設けられる複数のクラックを充填する。周辺領域330の第1平坦層20の表面は切断内領域420の第1平坦層20の表面と略面一である。
【0082】
図17は本開示の表示基板のエッジ領域の構造模式図である。
図17に示すように、本開示のエッジ領域の段差構造において、第2段差52及び第3段差53の側壁は傾斜面であり、傾斜面の母線と表示基板の法線方向との夾角θは20°~50°である。
【0083】
例示的な実施形態では、第1段差51の厚さh0は第3段差53の厚さh2よりも大きく、第1段差51の厚さh0は第2段差52の厚さh1よりも大きい。いくつかの可能な実現方式では、第3段差53の厚さh2は第2段差52の厚さh1よりも大きくてもよい。本開示では、段差の厚さとは、段差の上面と段差の下面との距離を指す。
【0084】
例示的な実施形態では、第1段差51の厚さh0は15μm~20.7μmであってもよく、第2段差52の厚さh1は0.2μm~1.3μmであってもよく、第3段差53の厚さh2は0.5μm~1.4μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、第1段差51の厚さh0は17.654μmであってもよく、第2段差52の厚さh1は0.76μmであってもよく、第3段差53の厚さh2は0.80μmであってもよい。
【0085】
例示的な実施形態では、第1サブ層の厚さは0.05μm~0.06μmであってもよく、第2サブ層の厚さは0.44μm~0.55μmであってもよく、即ち、厚さが0.4μm~0.7μmの第2バリア層10Eにおいて、エッチングして除去される厚さは0.44μm~0.55μmであってもよく、残りの厚さは0.05μm~0.06μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、第2バリア層10Eの厚さは0.55μmであってもよく、第1サブ層の厚さは0.054μmであってもよく、第2サブ層の厚さは0.496μmであってもよい。
【0086】
例示的な実施形態では、第1サブ層の第2フレキシブル層に近接する側の表面(第2バリア層の第2フレキシブル層に近接する側の表面、又は第2フレキシブル層の第2バリア層に近接する側の表面)を基準面とし、第1段差51の上面と基準面との距離は0.05μm~0.06μmであってもよく、第2段差52の上面と基準面との距離は0.75μm~0.95μmであってもよく、第3段差53の上面と基準面との距離は1.40μm~1.80μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、第1段差51の上面と基準面との距離は0.054μmであってもよく、第2段差52の上面と基準面との距離は0.812μmであってもよく、第3段差53の上面と基準面との距離は1.614μmであってもよい。
【0087】
例示的な実施形態では、第1段差51のエッジから第2段差52のエッジまでの距離はs1であり、s1は第1段差51の幅と呼ばれ、第2段差52のエッジから第3段差53のエッジまでの距離はs2であり、s2は第2段差52の幅と呼ばれ、第3段差53のエッジからクラックダムのエッジまでの距離はs3であり、s3は第3段差53の幅と呼ばれる。第1段差51の幅s1は第2段差52の幅s2よりも大きく、第1段差51の幅s1は第3段差53の幅s3よりも大きい。
【0088】
例示的な実施形態では、第1段差51の幅s1は55μm~210μmであってもよく、第2段差52の幅s2は5μm~40μmであってもよく、第3段差53の幅s3は5μm~15μmであってもよく、第2段差52の幅s2は第3段差53の幅s3以上であってもよい。いくつかの可能な実現方式では、第1段差51の幅s1は105μmであってもよい。他のいくつかの可能な実現方式では、第1段差51の幅s1は160μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、第2段差52の幅s2は35μmであってもよく、第3段差53の幅s3は6μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、第2段差52の幅s2は10μmであってもよく、第3段差53の幅s3は10μmであってもよい。
【0089】
例示的な実施形態では、エッジ領域500の第2平坦層21のフレキシブル基板10での正投影は、第1段差51及び第2段差52のフレキシブル基板10での正投影と部分的に重なり、即ち、第2平坦層21のフレキシブル基板10での正投影は、第2段差52の一部のフレキシブル基板10での正投影と重なり、第1段差51の一部のフレキシブル基板10での正投影と重なる。エッジ領域500の第2平坦層21の表示領域から離れるエッジから第2段差52のエッジまでの距離はs4であり、s4は第2平坦層21が第1段差51を被覆する幅、即ち、第2平坦層21のフレキシブル基板10での正投影が第1段差51のフレキシブル基板10での正投影と重なる幅と呼ばれる。エッジ領域500の第2平坦層21の表示領域に近接するエッジから第2段差52のエッジまでの距離はs5であり、s5は第2平坦層21が第2段差52を被覆する幅、即ち、第2平坦層21のフレキシブル基板10での正投影が第2段差52のフレキシブル基板10での正投影と重なる幅と呼ばれる。例示的な実施形態では、第2平坦層21が第1段差51を被覆する幅s4は10μm~20μmであってもよく、第2平坦層21が第2段差52を被覆する幅s5は20μm~30μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、第2平坦層21が第1段差51を被覆する幅s4は15μmであってもよく、第2平坦層21が第2段差52を被覆する幅s5は25μmであってもよい。例示的な実施形態では、表示領域から離れる方向に沿って、エッジ領域500の第2平坦層21の幅s6は30μm~50μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、エッジ領域500の第2平坦層21の幅s6は40μmであってもよい。本開示の例示的な実施例では、第2平坦層21は第1段差51と第2段差52との境界領域に設けられ、第2平坦層21は第2段差52の傾斜面の側壁が位置する領域を被覆することで、後続で陽極23及び第3接続電極108のパターンを形成するパターニングプロセスでは、透明導電薄膜のエッチング残存を回避し、プロセス品質を向上させることができる。
【0090】
1つの例示的な実施形態では、基板領域は、パッケージ層に設けられるタッチ層又はタッチパネル、及びタッチ層又はタッチパネルを被覆する保護層(OC)を更に備えてもよい。他の例示的な実施形態では、表示基板領域は保護膜(Temporary Protect Film、TPFと略称)を更に備えてもよく、保護膜はパッケージ層に貼付され、保護膜は表示基板の膜層構造を保護することに用いられ、バックフィルム貼付操作は保護膜貼付後で行われる。切断完了後、まず該保護膜を除去し、次にパッケージ層にタッチ層及びカバープレートを順に設けてタッチ表示パネルを形成し、又はパッケージ層にカバープレートを直接に設けて表示パネルを形成する。
【0091】
本開示では、第1絶縁薄膜、第2絶縁薄膜、第3絶縁薄膜、第4絶縁薄膜及び第5絶縁薄膜は酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)及び酸窒化ケイ素(SiON)のうちのいずれか1種又は複数種を使用してもよく、単層、多層又は複合層であってもよい。第1絶縁層はバッファ(Buffer)層と呼ばれ、基板の耐水性や耐酸素性を向上させることに用いられ、第2絶縁層及び第3絶縁層はゲート絶縁(GI)層と呼ばれ、第4絶縁層は層間絶縁(ILD)層と呼ばれ、第5絶縁層はパッシベーション(PVX)層と呼ばれる。第1平坦層及び第2平坦層は有機材料を採用してもよい。第1金属薄膜、第2金属薄膜、第3金属薄膜及び第4金属薄膜は、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)及びモリブデン(Mo)のような金属材料のうちのいずれか1種又は複数種、或いは、例えばアルミニウムネオジム合金(AlNd)又はモリブデンニオブ合金(MoNb)のような上記金属の合金材料を使用してもよく、単層構造、又は例えばMo/Cu/Mo等の多層複合構造であってもよい。陰極はマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)及びリチウム(Li)のうちのいずれか1種又は複数種、或いは上記金属のうちのいずれか1種又は複数種から製造された合金を使用してもよい。活性層薄膜はアモルファスインジウムガリウム亜鉛酸化物材料(a-IGZO)、酸窒化亜鉛(ZnON)、インジウム亜鉛スズ酸化物(IZTO)、アモルファスシリコン(a-Si)、ポリシリコン(p-Si)、ヘキサチオフェン、及びポリチオフェン等の様々な材料を使用してもよく、即ち、本開示は酸化物(Oxide)技術、シリコン技術及び有機物技術に基づいて製造されたトランジスタに適用できる。透明導電薄膜は酸化インジウムスズ(ITO)又は酸化インジウム亜鉛(IZO)を使用してもよく、画素定義層はポリイミド、アクリル又はポリエチレンテレフタレート等を採用してもよい。
【0092】
図3~
図16に示すように、本開示に係る表示基板は、
順に積層設置される第1フレキシブル層10A、第1バリア層10B、アモルファスシリコン(a-si)層10C、第2フレキシブル層10D及び第2バリア層10Eを備えるフレキシブル基板10と、
フレキシブル基板10に設けられる第1絶縁層11と、
第1絶縁層11に設けられる活性層パターン(活性層パターンは表示領域310に設けられ、活性層パターンは第1活性層12A、第2活性層12B及び第3活性層12Cを備える)と、
活性層を被覆する第2絶縁層13と、
第2絶縁層13に設けられる第1ゲート金属層(第1ゲート金属層は表示領域310及び周辺回路領域320に設けられ、第1ゲート金属層は少なくとも表示領域310の第1ゲート電極14Aと、周辺回路領域320の第2ゲート電極14B、第3ゲート電極14C、第1コンデンサ電極41A及び第2コンデンサ電極41Bとを備える)と、
第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層15と、
第3絶縁層15に設けられる第2ゲート金属層(第2ゲート金属層は周辺回路領域320に設けられ、第2ゲート金属層は少なくとも第3コンデンサ電極42A及び第4コンデンサ電極42Bを備える)と、
第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層16(表示領域310及び周辺回路領域320の第4絶縁層16に複数の第1ビアが開設され、複数の第1ビアはそれぞれ第1活性層12A、第2活性層12B及び第3活性層12Cを露出させる)と、
第4絶縁層16に設けられるソース/ドレイン金属層(ソース/ドレイン金属層は表示領域310及び周辺回路領域320に設けられ、ソース/ドレイン金属層は少なくとも表示領域310の第1ソース電極17A及び第1ドレイン電極18Aと、周辺回路領域320の第2ソース電極17B、第2ドレイン電極18B、第3ソース電極17C、第3ドレイン電極18C及び低電圧線105とを備え、第1ソース電極17A及び第1ドレイン電極18Aはそれぞれ第1ビアによって第1活性層12Aに接続され、第2ソース電極17B及び第2ドレイン電極18Bはそれぞれ第1ビアによって第2活性層12Bに接続され、第3ソース電極17C及び第3ドレイン電極18Cはそれぞれ第1ビアによって第3活性層12Cに接続される)と、
ソース/ドレイン金属層を被覆する第5絶縁層19(第5絶縁層19は表示領域310及び一部の周辺回路領域320に設けられ、周辺領域330に形成される複合絶縁層にクラックダム33が設けられ、クラックダム33は間隔をあけて設けられる複数のクラックを備え、クラックは第1絶縁層11を露出させ、切断領域400に形成される複合絶縁層に溝が設けられ、溝はフレキシブル基板10の第2バリア層10Eの第1サブ層を露出させ、溝は第1溝31及び第2溝32を備え、第1溝31は第2バリア層10Eの第2サブ層及び第1絶縁層11に設けられ、フレキシブル基板10の第2バリア層10Eの第1サブ層を露出させ、第2溝32は第2絶縁層13、第3絶縁層15、第4絶縁層16及び第5絶縁層19に設けられ、第1溝31を露出させる)と、
上記構造を被覆する第1平坦層20(表示領域310において、第1平坦層20に第2ビアが開設され、周辺回路領域320において、第1平坦層20に第3ビア及び仕切り部が開設され、第2ビアは第1ドレイン電極18Aを露出させ、第3ビアは低電圧線105を露出させ、仕切り部は第5絶縁層19を露出させ、周辺領域330において、第1平坦層20はクラックダム33を完全に充填し、切断領域400において、第1平坦層20は溝を完全に充填する)と、
第1平坦層20に設けられる金属導電層(金属導電層は少なくとも表示領域310の第1接続電極106及び周辺回路領域320の第2接続電極107を備え、第1接続電極106は第2ビアによって第1ドレイン電極18Aに接続され、第2接続電極107は第3ビアによって低電圧線105に接続される)と、
金属導電層を被覆する第2平坦層21(表示領域310において、第2平坦層21に第4ビアが設けられ、周辺回路領域320において、第2平坦層21に第5ビア及び隙間34が設けられ、第4ビアは第1接続電極106を露出させ、第5ビアは第2接続電極107を露出させ、隙間34は第5絶縁層19を露出させる)と、
第2平坦層23に設けられる陽極23及び第3接続電極108(陽極23は表示領域310に形成され、第3接続電極108は周辺回路領域320に形成され、陽極23は第4ビアによって第1接続電極106に接続され、第3接続電極108は第5ビアによって第2接続電極107に接続される)と、
表示領域310に設けられる画素定義層24、周辺回路領域320の第1ダムベース201及び第2ダムベース202(画素定義層24に画素開口が開設され、画素開口は陽極23を露出させ、第1ダムベース201は第5ビア内の第3接続電極108に設けられ、第2ダムベース202は第1ダムベース201の切断領域400に近接する側に設けられる)と、
周辺回路領域320に設けられる複数のスペーサコラム203と、
表示領域310に設けられる有機発光層25(有機発光層25は陽極23に接続される)と、
表示領域310及び周辺回路領域320に設けられる陰極26(陰極26はそれぞれ有機発光層25及び第3接続電極108に接続される)と、
表示領域310及び周辺回路領域320に設けられるパッケージ層27と、を備える。
【0093】
図18は本開示のボンディング領域の構造模式図である。
図18に示すように、表示基板に平行する平面において、ボンディング領域302は表示領域310の片側に位置し、ボンディング領域302は第1ファンアウト領域303、湾曲領域304、第2ファンアウト領域305、帯電防止領域306、駆動チップ領域307及びボンディングピン領域308を備え、湾曲領域304の複合絶縁層はEBA MASK及びEBB MASKプロセスによって除去されることで、湾曲領域の厚さを薄くする。本開示では、上記第1溝及び第2溝を形成するプロセスは、湾曲領域304の複合絶縁層を除去するプロセスと同期に行われる。表示マザーボードを製造する過程では、ボンディング領域302の表示領域310から離れる側に、アレイテスト(Array Test)ユニット600が更に設けられ、アレイテストユニット600は信号線によってボンディングピン領域308に接続され、表示基板をテストして、短絡、開回路等の問題の有無を検査するように設定される。ボンディング領域302の外側に第1切断線701及び第2切断線702が設けられ、第2切断線702は精密切断線であり、ボンディング領域302の周辺に位置し、第2切断線702の形状はボンディング領域302の輪郭と同じであり、第1切断線701は粗切断線であり、第2切断線702の周辺に位置し、第1切断線701の形状は第2切断線702の輪郭と同じであるが、ボンディング領域302とアレイテストユニット600との間に第2切断線702のみが設けられる。アレイテストユニット600のボンディング領域302から離れる側に、少なくとも1本の第1切断線701が更に設けられる。表示マザーボードの膜層プロセスが完了した後、切断装置は第1切断線701(粗切断線)に沿って表示マザーボードを切断し、複数の基板領域を形成し、表示基板のテストが完了した後、切断装置は第2切断線702(精密切断線)に沿って基板領域を切断し、表示基板を形成する。
【0094】
図19は
図18におけるB-B方向の断面図である。表示基板に垂直な平面において、ボンディング領域302は、フレキシブル基板10に設けられる第1絶縁層11と、第1絶縁層11に設けられる第2絶縁層13と、第2絶縁層13に設けられる第3絶縁層15と、第3絶縁層15に設けられる第4絶縁層16と、第4絶縁層16に設けられる複数の第1リードと、複数の第1リードを被覆する第5絶縁層19及び第1平坦層20と、第1平坦層20に設けられる複数の第2リード(図示せず)と、複数の第2リードを被覆する第2平坦層21とを備える。複数の第1リードは上記ソース/ドレイン金属層と同層に設けられ、同じパターニングプロセスによって同時に形成され、複数の第2リードは上記金属導電層と同層に設けられ、同じパターニングプロセスによって同時に形成される。いくつかの可能な実現方式では、ボンディング領域302は、上記第1ゲート金属層と同層に設けられるリードを更に備えてもよく、又は上記第2ゲート金属層と同層に設けられるリードを備えてもよい。ボンディング領域外に位置する切断領域は、フレキシブル基板10に設けられる複合絶縁層及び第1平坦層20を備え、複合絶縁層に段差構造の溝が設けられ、第1平坦層20は該溝を充填する。
【0095】
図19は溝の構造を模式的に示し、溝の右側はエッジ領域の段差構造であり、溝の左側は切断外領域430の段差構造であり、切断外領域430はダミー(Dummy)領域と呼ばれ、溝の中間部分の二重破線は切断線を表す。エッジ領域の段差構造の特徴及びその対応する幾何学的パラメータは
図17で詳細に説明されたため、ここでは重複説明を省略する。
図19に示すように、ダミー領域の段差構造では、ダミー領域の第2段差52’及びダミー領域の第3段差53’の側壁は傾斜面であり、傾斜面の母線と表示基板の法線方向との夾角θは20°~50°である。
【0096】
例示的な実施形態では、ダミー領域の第1段差51’の厚さh0はダミー領域の第3段差53’の厚さh2よりも大きく、ダミー領域の第1段差51’の厚さh0はダミー領域の第2段差52’の厚さh1よりも大きい。いくつかの可能な実現方式では、ダミー領域の第3段差53’の厚さh2はダミー領域の第2段差52’の厚さh1よりも大きくてもよい。
【0097】
例示的な実施形態では、ダミー領域の第1段差51’の厚さh0は15μm~20.7μmであってもよく、ダミー領域の第2段差52’の厚さh1は0.2μm~1.3μmであってもよく、ダミー領域の第3段差53’の厚さh2は0.5μm~1.4μmであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、ダミー領域の第1段差51’の厚さh0は17.654μmであってもよく、ダミー領域の第2段差52’の厚さh1は0.76μmであってもよく、ダミー領域の第3段差53’の厚さh2は0.80μmであってもよい。
【0098】
例示的な実施形態では、ダミー領域の第1段差51’のエッジからダミー領域の第2段差52’のエッジまでの距離はs1’であり、s1’はダミー領域の第1段差51’の幅と呼ばれ、ダミー領域の第2段差52’のエッジからダミー領域の第3段差53’のエッジまでの距離はs2’であり、s2’はダミー領域の第2段差52’の幅と呼ばれ、ダミー領域の第1段差51’の幅s1’はダミー領域の第2段差52の幅s2’よりも大きい。
【0099】
例示的な実施形態では、ダミー領域の第1段差51’の幅s1’は55μm~155μmであり、ダミー領域の第2段差52’の幅s2’は5μm~15μmである。いくつかの可能な実現方式では、ダミー領域の第1段差51’の幅s1’は105μmである。いくつかの可能な実現方式では、ダミー領域の第2段差52’の幅s2’は10μmである。
【0100】
例示的な実施形態では、ダミー領域の第2平坦層21のフレキシブル基板10での正投影は、ダミー領域の第2段差52’及び第3段差53’のフレキシブル基板10での正投影を含み、一部のダミー領域の第1段差51’のフレキシブル基板10での正投影を含む。ダミー領域の第2平坦層21の表示領域に近接するエッジからダミー領域の第2段差52’のエッジまでの距離はs4’であり、s4’は第2平坦層21がダミー領域の第1段差51’を被覆する幅と呼ばれる。例示的な実施形態では、第2平坦層21がダミー領域の第1段差51’を被覆する幅s4’は10μm~20μmである。いくつかの可能な実現方式では、第2平坦層21がダミー領域の第1段差51’を被覆する幅s4’は15μmである。
【0101】
図20は
図18におけるC-C方向の断面図である。
図18及び
図20に示すように、表示領域310から離れる方向に沿って、ボンディング領域302はボンディング回路領域311及びボンディング切断領域312を備え、第1ファンアウト領域303、湾曲領域304、第2ファンアウト領域305、帯電防止領域306、駆動チップ領域307及びボンディングピン領域308はボンディング回路領域311に設けられ、ボンディング領域302とアレイテストユニット600との間の第2切断線702はボンディング切断領域312に設けられる。第1平坦層20及び第2平坦層21を形成するとき、ボンディング切断領域312及びアレイテストユニット600が位置する領域の第1平坦層20及び第2平坦層21は除去され、即ち、表示領域310から離れる方向に沿って、第1平坦層20及び第2平坦層21は、ボンディング回路領域311とボンディング切断領域312との境界まで延伸する。ボンディング領域302とアレイテストユニット600との間に複数の信号線が設けられるため、ボンディング切断領域312の複合絶縁層に第1溝及び第2溝が開設されていない。表示基板のテストが完了した後、切断装置は第2切断線702に沿って基板領域を切断した後、ボンディング領域302の表示領域から離れる側のエッジ領域に階段構造が形成され、階段構造は第1階段及び第2階段を備え、第1階段はフレキシブル基板及び複合絶縁層から構成され、フレキシブル基板は複合絶縁層の表示領域から離れる側の端面と面一であり、第2階段は第1平坦層及び第2平坦層から構成され、第1平坦層は第2平坦層の表示領域から離れる側の端面と略面一である。このように、ボンディング領域302の表示領域310から離れる側のエッジ領域に階段構造が形成され、ボンディング領域302の表示領域310から離れる側のエッジ領域を除き、表示領域及びボンディング領域の他のエッジ領域にも段差構造が形成される。
【0102】
本開示の表示基板の構造及び製造プロセスからわかるように、本開示に係る表示基板は、第1平坦層が切断領域の溝を完全に充填するように設置することで、金属導電層のパターニングプロセスに発生する金属塊の残存を回避し、後続のプロセスではAg粒子や粒子が発生しないだけではなく、Ag粒子や粒子が至るところに付着することもなく、表示基板の黒点不良を効果的に回避し、表示品質を向上させる。
【0103】
表示基板の構造では、後続の切断プロセスの切断厚さ及び難度を低減させるために、切断領域の複合絶縁層及び第1平坦層には基板を露出させる溝が開設される。溝の合計深さは第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層、第5絶縁層及び第1平坦層の厚さの和であるため、堆積した金属薄膜の各位置の高さは異なるだけではなく、金属薄膜の高さ差は大きく、その結果、パターニングプロセスでは金属薄膜が不完全にエッチングされ、パターニングプロセスの後で溝の底面及び段差面に金属塊が残存してしまう。また、溝によって、堆積した金属薄膜がフレキシブル基板に直接接触し、金属が有機材料と化学反応して粒子を発生させるため、装置の粒子汚染の問題が生じる。本開示では、切断領域の複合絶縁層にも溝が開設されるが、本開示の第1平坦層は複合絶縁層の溝を完全に充填するように設置され、第1平坦層によって溝領域の高さ差を除去する。後続で金属薄膜を堆積する際に、切断領域が平坦な表面を有し、堆積した金属薄膜の各位置での高さが近いため、金属薄膜のパターニングプロセスに金属塊の残存が発生することを回避し、後続のプロセスではAg粒子が発生することもなく、Ag粒子が至るところに付着することもない。また、溝が第1平坦層によって充填され、後続で堆積した金属薄膜がフレキシブル基板に直接接触していないことで、金属が有機材料と化学反応して粒子を発生させることを回避するだけではなく、フレキシブル基板を金属による腐食から保護する。本開示の製造プロセスは従来の成熟した製造装置によって実現でき、従来のプロセスをほとんど改良せずに済み、従来の製造プロセスとの互換性に優れ、プロセスの実現が簡単であり、実施が容易であり、生産効率が高く、生産コストが低く、歩留まりが高い。要するに、本開示は金属塊の残存や粒子汚染に起因する黒点不良を効果的に回避し、製品の歩留まりを確保し、製品の品質を向上させる。
【0104】
本開示の表示基板の構造及びその製造プロセスは単に例示的な説明である。例示的な実施形態では、実際の必要に応じて、対応する構造を変更するか、パターニングプロセスを増加又は減少させることができる。例えば、OLEDはトップエミッション構造、又はボトムエミッション構造であってもよい。また例えば、駆動トランジスタはトップゲート構造又はボトムゲート構造であってもよく、シングルゲート構造又はデュアルゲート構造であってもよい。更に例えば、駆動構造層に他の電極、リード及び構造膜層が設けられてもよく、本開示では特に限定しない。
【0105】
本開示は表示マザーボードを更に提供し、表示マザーボードは基板領域300、及び基板領域300の周辺に位置する切断領域400を備える。
図4~
図16に示すように、前記表示マザーボードは、前記基板領域及び切断領域に設けられる駆動構造層と、前記駆動構造層に設けられる第1平坦層とを備え、前記切断領域の駆動構造層は複合絶縁層を備え、前記複合絶縁層に溝が設けられ、前記第1平坦層は前記溝を充填する。
【0106】
例示的な実施形態では、前記複合絶縁層は積層設置される複数の無機絶縁層を備え、前記溝は前記フレキシブル基板を露出させる。
【0107】
例示的な実施形態では、前記基板領域の駆動構造層は、フレキシブル基板に設けられる第1絶縁層と、前記第1絶縁層に設けられる活性層と、前記活性層を被覆する第2絶縁層と、前記第2絶縁層に設けられる第1ゲート金属層と、前記第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層と、前記第3絶縁層に設けられる第2ゲート金属層と、前記第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層と、前記第4絶縁層に設けられるソース/ドレイン金属層と、前記ソース/ドレイン金属層を被覆する第5絶縁層と、を備える。
【0108】
例示的な実施形態では、前記切断領域の駆動構造層は、フレキシブル基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を備え、前記フレキシブル基板は積層設置される第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層を備え、前記第1絶縁層は前記第2バリア層に設けられ、前記溝は前記フレキシブル基板の第2バリア層を露出させる。
【0109】
例示的な実施形態では、前記第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層及び第2フレキシブル層の合計厚さは15μm~20μmであってもよく、前記第2バリア層の厚さは0.4μm~0.7μmであってもよく、前記第1絶縁層の厚さは0.2μm~0.6μmであってもよい。
【0110】
例示的な実施形態では、前記第2バリア層は前記第2フレキシブル層に積層設置される第1サブ層及び第2サブ層を備え、前記溝は第1溝及び第2溝を備え、前記第1溝は前記第1絶縁層及び第2バリア層の第2サブ層に設けられ、前記第1溝は前記フレキシブル基板の第2バリア層の第1サブ層を露出させ、前記第2溝は前記第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層に設けられ、前記第2溝は前記第1絶縁層及び前記フレキシブル基板の第2バリア層の第1サブ層を露出させ、前記第2溝のフレキシブル基板での正投影は前記第1溝のフレキシブル基板での正投影を含む。
【0111】
例示的な実施形態では、表示マザーボードは、前記第1平坦層に設けられる金属導電層と、前記金属導電層を被覆する第2平坦層と、を更に備える。
【0112】
例示的な実施形態では、前記第1溝の深さは0.2μm~1.3μmであってもよく、前記第2溝の深さは0.5μm~1.4μmであってもよい。
【0113】
本開示は表示基板の製造方法を更に提供する。例示的な実施形態では、表示基板の製造方法は、
複数の基板領域及び前記基板領域を取り囲む切断領域に駆動構造層を形成し、前記切断領域の駆動構造層はフレキシブル基板に設けられる複合絶縁層を備え、前記複合絶縁層は段差構造の溝を形成するステップS1と、
前記駆動構造層を被覆する第1平坦層を形成し、前記第1平坦層は前記溝を充填するステップS2と、
前記切断領域において切断を行って表示基板を形成し、前記表示基板のエッジ領域に段差構造を形成し、前記段差構造における段差の高さは表示基板のエッジから表示基板の内部への方向に順に増加し、前記第1平坦層は前記段差構造を被覆し、前記第1平坦層のエッジは前記フレキシブル基板のエッジと面一であるステップS3と、を含む。
【0114】
例示的な実施形態では、前記複合絶縁層は積層設置される複数の無機絶縁層を備えてもよく、前記溝は前記フレキシブル基板を露出させてもよい。
【0115】
例示的な実施形態では、ステップS1では、切断領域に駆動構造層を形成することは、
フレキシブル基板に第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層を順に形成するステップS11と、
前記第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層をパターニングし、前記フレキシブル基板を露出させる溝を形成するステップS12と、を含む。
【0116】
例示的な実施形態では、前記フレキシブル基板は積層設置される第1フレキシブル層、第1バリア層、アモルファスシリコン層、第2フレキシブル層及び第2バリア層を備えてもよく、前記第2バリア層は前記第2フレキシブル層に積層設置される第1サブ層及び第2サブ層を備えてもよく、前記第1絶縁層は前記第2バリア層の第2サブ層に形成されてもよい。ステップS12は、
1回目のパターニングプロセスによって、前記第2絶縁層、第3絶縁層、第4絶縁層及び第5絶縁層に、前記第1絶縁層を露出させる第2溝を形成することと、
2回目のパターニングプロセスによって、前記第2溝における第1絶縁層及び第2バリア層の第2サブ層に、前記フレキシブル基板の第2バリア層の第1サブ層を露出させる第1溝を形成し、前記第2溝が前記第1溝を露出させることと、を含む。
【0117】
本開示は表示基板の製造方法を提供し、第1平坦層が切断領域の溝を完全に充填するように設置することで、金属導電層のパターニングプロセスに発生する金属塊の残存を回避し、後続のプロセスではAg粒子や粒子が発生しないだけではなく、Ag粒子や粒子が至るところに付着することもなく、表示基板の黒点不良を効果的に回避する。本開示の製造プロセスは従来の成熟した製造装置によって実現でき、従来のプロセスをほとんど改良せずに済み、従来の製造プロセスとの互換性に優れ、プロセスの実現が簡単であり、実施が容易であり、生産効率が高く、生産コストが低く、歩留まりが高い。
【0118】
本開示は上記実施例の表示基板を備える表示装置を更に提供する。表示装置は携帯電話、タブレットPC、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、及びナビゲータ等表示機能を有する製品又は部材であってもよい。
【0119】
本願の図面は本開示に係る構造のみに関し、他の構造については通常設計を参照すればよい。矛盾しない限り、本開示の実施例及び実施例における特徴を相互に組み合わせて新しい実施例を得ることができる。
【0120】
当業者が理解できるように、本開示の技術案の趣旨及び範囲を逸脱せずに、本開示の技術案に対して変更や等価置換を行うことができ、これらの変更や等価置換はすべて本願の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
1 ガラスキャリアプレート
10 フレキシブル基板
10A 第1フレキシブル層
10B 第1バリア層
10C アモルファスシリコン層
10D 第2フレキシブル層
10E 第2バリア層
11 第1絶縁層
12A 第1活性層
12B 第2活性層
12C 第3活性層
13 第2絶縁層
14A 第1ゲート電極
14B 第2ゲート電極
14C 第3ゲート電極
15 第3絶縁層
16 第4絶縁層
17A 第1ソース電極
17B 第2ソース電極
17C 第3ソース電極
18A 第1ドレイン電極
18B 第2ドレイン電極
18C 第3ドレイン電極
19 第5絶縁層
20 第1平坦層
21 第2平坦層
23 陽極
24 画素定義層
25 有機発光層
26 陰極
27 パッケージ層
31 第1溝
32 第2溝
33 クラックダム
34 隙間
41A 第1コンデンサ電極
42 第2コンデンサ電極
42A 第3コンデンサ電極
42B 第4コンデンサ電極
51 第1段差
52 第2段差
53 第3段差
100 表示マザーボード
101 第1トランジスタ
102 第2トランジスタ
103 第3トランジスタ
104A 第1ストレージコンデンサ
104B 第2ストレージコンデンサ
105 低電圧線
106 第1接続電極
107 第2接続電極
108 第3接続電極
201 第1ダムベース
202 第2ダムベース
203 スペーサコラム
300 基板領域
302 ボンディング領域
303 第1ファンアウト領域
304 湾曲領域
305 第2ファンアウト領域
306 帯電防止領域
307 駆動チップ領域
308 ボンディングピン領域
310 表示領域
311 ボンディング回路領域
312 ボンディング切断領域
320 周辺回路領域
330 周辺領域
400 切断領域
410 切断レーン領域
420 切断内領域
430 切断外領域
500 エッジ領域
600 アレイテストユニット
701 第1切断線
702 第2切断線
【国際調査報告】