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特表2023-518632クィックチャック装置、及び、手持ち式工作機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】クィックチャック装置、及び、手持ち式工作機械
(51)【国際特許分類】
   B24B 45/00 20060101AFI20230426BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20230426BHJP
   B24B 23/02 20060101ALI20230426BHJP
   B23B 31/02 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B24B45/00 Z
B25F5/00 Z
B24B23/02
B23B31/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535804
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2020085579
(87)【国際公開番号】W WO2021130026
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】102019220539.9
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】バルト,ダニエル
【テーマコード(参考)】
3C032
3C034
3C064
3C158
【Fターム(参考)】
3C032GG00
3C034AA15
3C034BB52
3C034BB65
3C034BB89
3C064AA05
3C064AA08
3C064AB02
3C064AC03
3C064AD02
3C064BB32
3C064CB13
3C064CB64
3C064CB71
3C064CB93
3C158AA03
3C158AA04
3C158AA15
3C158AC03
3C158CB03
3C158CB04
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】本発明は、付属装置(17)を手持ち式工作機械(13)、特にアングルグラインダーに配置するためのクィックチャック装置であって、被駆動ユニット(33)の被駆動軸線(A)を中心にして付属装置(17)を運動させるために設けられた被駆動ユニット(33)と、前記手持ち式工作機械(13)で前記付属装置(17)を保持するために設けられた、特に保持部材(39)を備えた保持ユニット(37)とを有する形式のものに関する。前記保持ユニット(37)が、保持状態で、特に保持状態から緊締状態への移行時に変化する保持パラメータを有するように提案される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付属装置(17)を手持ち式工作機械(13)、特にアングルグラインダーに配置するためのクィックチャック装置であって、被駆動ユニット(33)の被駆動軸線(A)を中心にして前記付属装置(17)を運動させるために設けられた被駆動ユニット(33)と、前記手持ち式工作機械(13)で前記付属装置(17)を保持するために設けられた、特に保持部材(39)を備えた保持ユニット(37)とを有する形式のものにおいて、
前記保持ユニット(37)が、保持状態で、特に保持状態から緊締状態への移行時に変化する保持パラメータを有していることを特徴とする、クィックチャック装置。
【請求項2】
前記保持ユニット(37)、特に前記保持部材(39)が、保持状態で概ね前記被駆動軸線(A)を中心にして回転可能に支承され、かつ/または1つの緊締状態/前記緊締状態で概ね前記被駆動軸線(A)に沿って可動に支承されていることを特徴とする、請求項1記載のクィックチャック装置。
【請求項3】
前記被駆動軸線(A)に沿った前記保持部材(39)の運動が前記保持ユニット(37)の保持状態で遮断されていることを特徴とする、請求項1または2記載のクィックチャック装置。
【請求項4】
被駆動軸線(A)を中心とした前記保持部材(39)の運動が、前記保持ユニット(37)の1つの緊締状態で遮断されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項5】
前記保持ユニット(37)が保持部材(39)を有しており、該保持部材(39)は、前記付属装置(17)を貫通係合し、かつ該付属装置(17)を緊締するために設けられていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項6】
前記保持ユニット(37)、特に前記保持部材(39)を前記被駆動軸線(A)に沿って運動させるために設けられた緊締ユニット(51)、特に緊締部材(61)を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項7】
前記緊締ユニット(51)が、特にねじ山付き部材または傾斜型部材として構成された勾配部材(65)を有していることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項8】
前記緊締ユニット(51)が、特にねじ山付き部材または傾斜型部材として構成された別の勾配部材(67)を有しており、該別の勾配部材(67)は、前記勾配部材と間接的にまたは直接的に協働するために設けられていることを特徴とする、請求項7記載のクィックチャック装置。
【請求項9】
前記保持ユニット(37)の単数または複数の前記保持パラメータを制御するために設けられたプリロード部材(77)を有していることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項10】
前記勾配部材(65)が、第1の勾配区分(71)と、該第1の勾配区分(71)に対して曲げられた第2の勾配区分(73)とを有していることを特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項11】
前記緊締部材(61)が前記保持部材(39)と一体的に構成されているか、または前記緊締部材(61)が、前記保持部材(39)と連結された別個の緊締リングとして構成されていることを特徴とする、請求項6から10までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項12】
前記保持ユニット(37)、特に前記保持部材(39)を、前記被駆動軸線(A)を中心とした回転方向で運動させるために設けられたカム伝動装置(91)を有していることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項13】
前記カム伝動装置(91)が、スピンドル部材(47)に対する前記保持ユニット(37)、特に前記保持部材(39)の運動、特に回転運動を制御するために設けられたガイドユニット(95)を有していることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項14】
前記保持部材(39)を前記プリロード部材(61,63)および/または前記スピンドル部材(47)に向かって付勢するために設けられたばね部材(105,107)を有していることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載のクィックチャック装置(23)を備えた手持ち式工作機械、特にアングルグラインダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載したクィックチャック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、動力駆動式の手持ち式工具に関し、この手持ち工具は、ハウジングとスピンドルヘッドと、このスピンドルヘッドの縦軸線を中心にして駆動可能、特に回転振動式に駆動可能な工具スピンドルとを有しており、この場合、工具スピンドルは、駆動しようとする工具のための、ネック区分を備えた工具側の端部と、緊締装置と固定部材とを有しており、この場合、緊締装置は、緊締配置と解除配置とを有していて、緊締配置で工具が固定部材を用いて工具スピンドルに固定可能であって、また解除配置で工具が解除可能であり、この場合、緊締装置は同じ方向に向けられた調節運動によって緊締配置と解除配置との間で切替え可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012007926号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、簡単な構造的手段によってクィックチャック装置を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、被駆動ユニットの被駆動軸線Aを中心にして付属装置を運動させるために設けられた被駆動ユニットと、手持ち式工作機械で付属装置を保持するために設けられた、特に保持部材を備えた保持ユニットとを有する、付属装置を手持ち式工作機械、特にアングルグラインダーに配置するためのクィックチャック装置によって解決される。
【0006】
好適には、保持ユニットが、保持状態で、特に保持状態から緊締状態への移行時に変化する保持パラメータを有している。
【0007】
保持ユニットは、保持パラメータが、保持状態で、特に保持ユニットの保持状態から緊締状態への移行時に変えられるように調整可能である。
【0008】
本発明のクィックチャック装置によって、付属装置は特に確実かつ迅速に受け入れられ、かつ手持ち式工作機械で保持され得る。特に好適には、様々な厚さの受け入れ領域を有する付属装置を確実に受け入れ、かつ緊締することができる。様々な厚さを有する付属装置をそれぞれ概ね均一な緊締力によりクィックチャック装置で保持できるように保証されてもいる。
【0009】
さらに、クィックチャック装置若しくは手持ち式工作機械における付属装置の簡単な取り付けおよび/または取り外しが可能であることによって、特に高い操作快適性が得られる。しかも、付属装置を特に時間を節約してクィックチャック装置に取り付け、再び取り外すことができ、この場合、付属装置の確実な受け入れを断念する必要はない。
【0010】
さらに、付属装置は特に確実にクィックチャック装置で保持され得るので、付属装置は単独でおよび/または意図せずに外れないように保持される。
【0011】
保持パラメータの変化によって、付属装置は特に簡単に保持状態から緊締状態にずらされる。保持ユニットの保持パラメータは、特に付属装置をクィックチャック装置若しくは手持ち式工作機械で保持するために、保持ユニットを例えば回転運動によって解除状態から保持状態へずらすために設けられていてよい。さらに、保持ユニットの保持パラメータは、特に付属装置をクィックチャック装置若しくは手持ち式工作機械で緊締するために、保持ユニットを例えば被駆動軸線に沿った並進運動によって保持状態から緊締状態にずらすことができるようにするために設けられていてよい。特に好適には、付属装置をクィックチャック装置若しくは手持ち式工作機械に形状締結式に保持するために、保持ユニットが解除状態から保持状態へずらされることによって、および付属装置を特に被駆動軸線に沿って緊締するために、保持ユニットが保持状態から緊締状態にずらされることによって、機能の分離が得られる。保持ユニットの保持パラメータが保持状態で変えられることによって、保持ユニット、特に保持部材の運動方向が変えられる。
【0012】
保持パラメータとは、好適には機械的な意味で互いに独立した複数の運動可能性を形成する、特に運動自由度であると解釈されてよい。保持パラメータは、少なくとも1つの保持部材の運動、特に運動方向を規定することができる。保持パラメータは、被駆動軸線を中心とした回転運動を規定することができる。保持パラメータは、被駆動軸線に沿った並進運動を規定することができる。保持パラメータの変化は、例えば被駆動軸線を中心とした回転運動が遮断若しくは停止され、かつ/または被駆動軸線に沿った並進運動が解除若しくは開始されることによって、発生する。好適な形式で、保持ユニットは、特に保持状態から緊締状態への移行時に、保持運動、特に保持ユニットの保持運動の変化を制御するために設けられている。特に、保持パラメータは、保持状態から緊締状態への移行時に変化する。
【0013】
保持ユニットは、付属装置をクィックチャック装置または手持ち式工作機械に形状締結式および/または摩擦締結式に保持するために設けられていてよい。
【0014】
保持ユニットは、少なくとも1つの状態で互いに可動に支承されている少なくとも2つの部材を有していてよい。これら2つの部材は、付属装置が軸方向でクィックチャック装置に保持されるように、互いに向かい合って配置されていてよい。これら2つの部材は、緊締ユニットによって緊締力を付属装置に伝達するために設けられていてよい。好適には、緊締力は、少なくとも、付属装置をクィックチャック装置若しくは手持ち式工作機械の1つの運転状態で保持ユニット、特にクィックチャック装置で保持するために定められた保持力に相当する。これら2つの部材は、付属装置を軸方向で緊締するために、互いに向かい合って軸方向で被駆動軸線に沿って可動に支承されていてよい。その際、保持ユニットは、保持部材を有していてよい。保持部材は、付属装置、特に付属装置の切欠に貫通係合して、付属装置を形状締結式および/または摩擦締結式にクィックチャック装置または被駆動ユニットで保持するために設けられていてよい。保持部材は、好適な形式で被駆動軸線に対して半径方向で外方に延在する保持翼を有していてよい。保持部材は、付属装置を軸方向の運動によって緊締または解除するために、被駆動軸線に沿って軸方向で可動に支承されていてよい。保持部材は、付属装置の受け切欠の、特に受け切欠の受け輪郭に概ね相当する保持輪郭を有していてよい。保持輪郭は保持翼の輪郭によって取り囲まれていてよい。保持輪郭は、概ね受け輪郭に対応して構成されていてよい。保持輪郭は受け輪郭よりも小さく構成されていてよい。保持部材は、保持部材を付属装置の受け切欠を貫通して差し込むことができるようにするために、保持輪郭が受け輪郭にぴったり合うように、構成されていてよい。保持部材は、保持翼により付属装置の受け切欠を貫通係合して付属装置を保持するために設けられていてよい。特に、保持翼が付属装置と形状締結を形成するように、保持部材は受け切欠に対して回転せしめられる。保持輪郭は受け輪郭に対して次のように整列可能、つまり、第1の回転位置で保持輪郭が受け輪郭と重なり、それにより保持部材が受け切欠に貫通差し込み可能となり、被駆動軸線を中心にして第2の回転位置へ回転させると保持輪郭が受け切欠の受け輪郭と重なるように、整列可能である。
【0015】
好適な形式で、被駆動ユニットは、被駆動軸線を中心とした回転および/または振動運動を、保持ユニットにより被駆動ユニットで保持された付属装置に伝達するために設けられている。好適な形式で、被駆動ユニットは、当業者により既に公知の方法および形式で手持ち式工作機械の駆動ユニットに、特に駆動ユニットの少なくとも1つの駆動ピニオンを介して接続されている。被駆動ユニットは、少なくとも1つのスリーブおよび/または少なくとも1つの中空軸、特に中空スピンドルを有している。被駆動ユニットの回転および/または振動運動は、好適な形式で、少なくとも1つの電動機を有する手持ち式工作機械の駆動ユニットと被駆動ユニットとの協働によって生ぜしめることができる。特に、保持部材は取り外し不能に取り付けられている。このことは特に、構成部分、特に保持部材が、少なくとも1つの別の構成部分、特に被駆動ユニットに解除不能に配置されていて、かつ/または好適には正常な機能状態でおよび/若しくは機能可能な状態で、特にクィックチャック装置の解除状態(応力除去状態)およびクィックチャック装置の緊締状態(締付固定された状態)で、特に被駆動ユニットから分離不能であると解釈されてよい。好適な形式で、保持部材は解除不能に被駆動ユニットに配置されている。特に、被駆動ユニットに解除不能に配置された保持部材および/またはそれぞれ別の、被駆動ユニットに解除不能に配された構成部分は、特にクィックチャック装置の開放された状態および/または閉鎖された状態で、被駆動ユニットに解除不能に結合されている。特に保持部材は、保持部材の回転位置に依存して付属工具に貫通差し込み可能であり、回転位置が変えられると、特に被駆動軸線に沿った軸方向で付属装置と形状締結を形成する。クィックチャック装置の「解除状態」とは、特に、取り外しのためにクィックチャック装置に配置された付属装置を解除するために設けられた、かつ/または付属装置をクィックチャック装置に取り付けるためにクィックチャック装置を解除するために設けられたクィックチャック装置の状態であると解釈されてよい。解除状態は、クィックチャック装置の下死点を形成してよい。クィックチャック装置の「保持状態」とは、特に、付属装置がクィックチャック装置若しくは手持ち式工作機械の被駆動ユニットに形状締結式に保持されていて、好適な形式で外れないように固定されている、クィックチャック装置の状態である、と解釈されてよい。クィックチャック装置の「緊締状態」とは、特に、付属装置が、好適な形式で緊締運動によって被駆動ユニットに固定された状態にずらされ、かつ/または機能可能に被駆動ユニットに固定されている、クィックチャック装置の状態である、と解釈されてよい。緊締状態は、付属装置が被駆動ユニットに締付固定された状態にある、クィックチャック装置の上死点を形成してよい。好適な形式で、付属装置を機能可能に被駆動ユニットに固定することができ、かつ/または特に付属装置を被駆動ユニットから破壊されずに取り外すことは不可能である。特に、保持状態は緊締状態を含んでいてよい。特に、緊締状態は、保持状態が付属装置を保持する機能も含むことにより、保持状態の特別な形状を形成することができる。保持部材は、特にクィックチャック装置の緊締状態で、付属装置、特に研削ディスクをクィックチャック装置で保持するために摩擦締結および/または形状締結を生ぜしめるために設けられている。特に、緊締状態とは、付属装置を保持するための摩擦締結および/または形状締結を生ぜしめるための緊締運動をクィックチャック装置が生ぜしめる、と解釈されてよい。好適な形式で、保持部材は、有利には被駆動ユニットの少なくとも一部分に対して付属装置の少なくとも一部分を圧着することによって、特に軸方向の形状締結を生ぜしめる。保持部材は、特に軸方向の形状締結に加えて半径方向の形状締結および/または円周方向の形状締結を生ぜしめることが考えられ、この場合、円周方向は、面法線が被駆動軸線に対して平行に延在する平面に位置している。特に、付属装置は工具なしでクィックチャック装置に固定されている。「工具なしで固定可能」とは、付属装置をクィックチャック装置に配置する過程および/または解除状態と緊締状態との間の切替えが、例えばスパナ、六角付きレンチ等の外部の工具の使用に関係なく可能である、と解釈されてよい。保持部材は、特に被駆動ユニットに関連して、特に軸方向で被駆動軸線に沿って並進運動可能におよび/または被駆動軸線を中心にして回転可能に可動に支承されており、この場合、好適には、保持部材の運動軸線、特に回転軸線は少なくとも概ね被駆動軸線と一致している。被駆動ユニットは、保持部材を少なくとも部分的に、特に、少なくとも概ね被駆動軸線に対して平行に延在する面法線を有する平面内に位置する円周方向に沿って把持する。好適な形式で、被駆動ユニットは、保持部材を少なくとも部分的に受けるための中空軸を有している。特に、このような形式のクィックチャック装置は、好適にはコンパクトに構成されており、それによって、特に例えば100mmまたはそれより小さい直径を有する小さい取り付け工具の取り付けが可能である。
【0016】
付属装置は、研削ディスクおよび/または切断ディスクとして構成されていてよい。
【0017】
従属請求項は、本発明によるクィックチャック装置の別の好適な実施態様を提供する。
【0018】
好適には、保持ユニット、特に保持部材は、保持状態で概ね被駆動軸線を中心にして回転可能に支承され、かつ/または1つの緊締状態/上記緊締状態で概ね被駆動軸線に沿って可動に支承されている。さらに、好適には、保持ユニット、特に保持部材は1つの緊締状態を有しており、この緊締状態で保持部材は概ね被駆動軸線に沿って可動に支承されている。保持状態で、保持ユニットは被駆動軸線を中心にして回転可能および/または被駆動軸線に沿って可動に支承されていてよい。緊締状態で、保持ユニットは被駆動軸線を中心にしておよび/または被駆動軸線に沿って可動に支承されていてよい。特に、保持ユニットは保持状態または緊締状態で、被駆動軸線を中心にして回転不能に支承されているか、または被駆動軸線に沿って不動に支承されていてよい。機能の分離は、保持部材が例えば保持状態で被駆動軸線を中心にして回転可能に可動に支承されているか、または被駆動軸線を中心にして回転可能に、かつ被駆動軸線に沿って並進運動で可動に支承されていることによって、得られる。機能の分離はさらに、保持ユニットが例えば緊締状態で被駆動軸線に沿って並進運動で可動に支承されているか、または被駆動軸線に沿って並進運動で可動に、かつ被駆動軸線を中心にして回転可能に可動に支承されていることによって、得られる。この場合、保持パラメータの変化は、例えば回転運動が遮断され、並進運動が解除されることによる、保持ユニット、特に保持部材の自由度の変化によって行われる。好適には、保持ユニットの保持状態で被駆動軸線に沿った、保持部材の運動、特にスピンドル部材に対する保持部材の運動は遮断されている。保持部材は、解除状態から保持状態が緊締状態に移行するまでまたは緊締状態まで、被駆動軸線を中心にして可動に支承されていてよい。保持部材は、緊締状態で被駆動軸線に沿って可動に支承されていてよい。
【0019】
さらに、好適には、保持部材の運動、特に保持ユニットの緊締状態での被駆動軸線を中心としたスピンドル部材に対する保持部材の運動は遮断されている。保持部材は、解除状態から、保持状態が緊締状態へ移行するまで、または緊締状態まで、被駆動軸線に沿って可動に支承されていてよい。保持部材は保持状態で被駆動軸線を中心にして可動に支承されていてよい。
【0020】
好適な形式で、保持部材は、クィックチャック装置を解除状態から緊締状態へずらすために、スピンドル部材に対して可動に支承されている。
【0021】
これによって、それぞれの状態の機能のために必要な運動が解除され、不必要な運動若しくは必ずしも必要ではない運動が遮断されることが確保される。
【0022】
付属装置を固定するために、保持ユニット、特に保持部材は、解除状態(下死点)から締付固定された緊締状態(上死点)まで、被駆動軸線を中心にして所定の角度だけ回転させることができる。この角度は、0°乃至25°、特に30°まで、好適には40°まで、有利には50°まで、特に有利には55°まで、さらに有利には60°まで、さらに有利には65°までの範囲を有している。例えば、この角度は、好適には+20°乃至-10°の公差を有する0°乃至40°の範囲を有している。例えばこの角度は、+/-8°の公差を有する0°乃至32°の範囲を有している。例えば、この角度は、好適には+/-16°の公差を有する0°乃至48°の範囲を有している。
【0023】
好適には、保持ユニットは、付属装置を貫通係合しかつ付属装置を緊締するために設けられた保持部材を有している。保持部材は、特に解除状態で、付属装置を貫通して延在することができ、特に保持状態で、例えば被駆動軸線を中心とした回転運動によって、付属装置を形状締結式に保持するために、付属装置に対して回転させることができる。保持部材は、好適には保持翼を有しており、この保持翼は、被駆動軸線に対して半径方向に延在している。保持翼は、付属装置を少なくとも勾配区分毎に把持するために設けられていてよい。保持翼は、緊締力を付属装置に加えるために設けられていてよい。保持翼は保持面を有していてよい。保持面は、被駆動軸線の半径方向平面に沿って延在していてよい。これによって、付属装置は特に簡単かつ確実な形式で、クィックチャック装置、特に被駆動ユニットに接続され得る。
【0024】
さらに好適には、保持ユニットは、付属装置を、被駆動軸線Aを中心としたスピンドル部材に対する保持ユニット特に保持部材の回転運動によって、解除状態から保持状態若しくは緊締状態へずらすために、設けられている。
【0025】
さらに好適には、緊締装置は緊締ユニット、特に緊締部材を有しており、この緊締ユニット/緊締部材は、保持ユニット、特に保持部材を軸方向で被駆動軸線Aに沿って運動させるために設けられている。緊締ユニットは保持ユニットと連結されていてよい。緊締ユニットは、付属装置を保持ユニットによって軸方向で規定するために、特に保持状態から緊締状態にずらすために設けられていてよい。
【0026】
緊締ユニットは、緊締力を、特に被駆動軸線に沿って軸方向で付属装置に伝達するために設けられてよい。緊締ユニットは緊締部材を有していてよく、この緊締部材は、保持ユニット、特に保持部材の軸方向運動を制御するために設けられている。緊締ユニットは、付属装置を、特に緊締部材の運動若しくは被駆動軸線を中心とした回転運動によって、軸方向で被駆動軸線に沿って締め付けるために設けられていてよい。
【0027】
緊締ユニットは別の緊締部材を有していてよく、この別の緊締部材は、緊締部材と間接的または直接的に協働するために設けられている。緊締部材および別の緊締部材は、緊締力を特に軸方向で被駆動軸線に沿って付属装置に伝達するために設けられたねじ山または傾斜を形成してよい。別の緊締部材は緊締部材に対して可動に支承されていてよい。別の緊締部材は、緊締ユニットの別の部材に構成されていてよい。
【0028】
さらに、好適には、緊締ユニットは、特にねじ山付き部材または傾斜型部材として構成された勾配部材を有している。勾配部材とは、特に円周方向で被駆動軸線周りに勾配を有する部材であると解釈されてよい。例えば、勾配部材は、ねじ山またはねじ山付き区分を形成してよい。勾配部材は、楔形部材として構成されていてよい。勾配部材は、例えば勾配部材に沿った運動若しくは被駆動軸線を中心とした円周方向の運動を、勾配部材に対して特に直交する横方向の運動、若しくは被駆動軸線に沿った軸方向の運動に置き換えるために設けられていてよい。勾配部材は、変化する勾配または一定の勾配を有していてよい。勾配部材は、単調に特に著しく単調に上昇する構成を有していてよい。
【0029】
緊締ユニットは、1つだけの勾配部材または複数の勾配部材を有していてよい。勾配部材は、円周方向で互いに接続している。勾配部材は円周方向で互いに並んで配置されていてよい。勾配部材は互いに平行に配置されていてよい。勾配部材は円周方向で互いに間隔を保っていてよい。勾配部材は、被駆動軸線に対して半径方向に延在し、かつ/または互いに平行に配置された2つの半径方向平面によって区切られていてよい。特に、2つの半径方向平面はそれぞれ第1の勾配部材を区切ってよい。好適な形式で、2つの半径方向平面の間隔は、単数若しくは複数の勾配部材または単数/複数の勾配部材の1つの勾配区分の最大軸方向長さによって区切られている。2つの半径方向平面は、解除状態から緊締状態への、概ね被駆動軸線に沿った保持部材の最大軸方向運動に相当する互いの間隔を有していてよい。
【0030】
さらに、好適には、勾配部材は、第1の勾配区分と、この第1の勾配区分に対して曲げられた第2の勾配区分とを有している。第1の勾配区分は、被駆動軸線の半径方向平面に延在していてよい。第1の勾配区分は平らに構成されていてよい。第1の勾配区分は、被駆動軸線を中心として円周方向で好適には勾配を有していない。第1の勾配区分は、特に完全に、被駆動軸線の半径方向平面に沿って延在していてよい。第1の勾配区分は被駆動軸線の半径方向平面に対して曲げられていることが考えられる。第2の勾配区分は、被駆動軸線の半径方向平面に対して曲げられていてよい。勾配部材によって、特に勾配部材の第1の勾配区分および第2の勾配区分によって、保持ユニットの保持パラメータが変えられる。
【0031】
さらに、好適には、緊締ユニットは、特にねじ山付き部材または傾斜型部材として構成された別の勾配部材を有していてよい。この別の勾配部材は、勾配部材に対応配設されていてよい。別の勾配部材は、概ね勾配部材と同様に構成されていてよい。別の勾配部材は、勾配部材と間接的にまたは直接的に協働するために設けられていてよい。別の勾配部材は、勾配部材と接触するために設けられていてよい。別の勾配部材は、被駆動軸線を中心とした円周方向で、および/または被駆動軸線に沿った軸方向で、勾配部材に対して相対的に可動に支承されていてよい。別の勾配部材は、勾配部材に対して滑動可能に支承するために設けられていてよい。
【0032】
勾配部材および別の勾配部材は、ねじ山または傾斜を形成してよい。
【0033】
勾配部材は緊締部材に配置されていてよい。勾配部材は緊締部材と一体的に構成されていてよい。別の勾配部材は別の緊締部材に配置されていてよい。別の勾配部材は、別の緊締部材と一体的に構成されていてよい。これによって、所望の緊締力が適切に調整され得る。
【0034】
好適には、緊締部材は保持部材と一体的に構成されている。緊締部材は、保持部材に連結された別個の緊締リングとして構成されていてよい。緊締部材は、保持部材を被駆動軸線に対して半径方向で区切ってよい。緊締部材は、保持部材と一体的に構成されていてよい。緊締部材は、保持部材を少なくとも一平面内で360°取り囲んでいてよい。緊締部材は保持部材に対して同心的に配置されていてよい。緊締部材は保持部材に配置されていてよい。緊締部材は、保持部材と特に相対回動不能に接続可能な別個の構成部材として構成されていてよい。緊締部材は、例えば固定ねじ等の固定手段を用いて保持部材に接続された別個の構成部分として構成されていてよい。緊締部材は円板状に構成されていてよい。緊締部材は保持部材と堅固に接続されていてよいので、2つの部材の相対運動(回転運動、並進運動)は阻止される。緊締部材は保持部材と相対回動不能に接続されていてよい。緊締部材は、別の部材、例えば緊締ユニットの別の緊締部材に対する緊締部材の相対的な回転運動によって、保持ユニットを緊締するために設けられていてよい。緊締部材は、保持部材の、付属装置とは反対側に配置されていてよい。緊締部材は、被駆動軸線に沿った保持部材の軸方向長さを区切ってよい。これによって、緊締ユニットは特にコンパクトに構成され得る。
【0035】
さらに好適には、クィックチャック装置、特に保持ユニットは緊締部材を有しており、この緊締部材は、特に緊締ユニットを用いて保持部材と協働するために設けられている。スピンドル部材は、付属装置を被駆動軸線を中心にして駆動するために設けられていてよい。スピンドル部材は、直接的にまたは間接的に付属装置と接触してよい。スピンドル部材は、付属装置を被駆動軸線に沿って軸方向で載設するために用いられる載設部材特に載設面を有していてよい。スピンドル部材はスピンドルスリーブとして構成されていてよい。スピンドル部材は、保持部材を一平面内で360°取り囲んでいてよい。スピンドル部材は、付属装置を少なくとも緊締状態において被駆動軸線を中心とした円周方向で相対回動不能に支承するために設けられていてよい。
【0036】
スピンドル部材は、緊締部材に対応配設された別の緊締部材を有していてよい。別の緊締部材はスピンドル部材と一体的に構成されていてよい。別の緊締部材はねじ山付き部材または傾斜型部材として構成されていてよい。別の緊締部材はスピンドル部材の半径方向長さを区切ってよい。
【0037】
保持ユニット、特にスピンドル部材は、付属装置を駆動するか若しくは特に被駆動軸線を中心にして回転させるために設けられた連動部材を有していてよい。この連動部材は、回転連動部材として構成されていてよい。連動部材は、付属装置を把持し、かつ/または付属装置と形状締結を形成するために設けられていてよい。
【0038】
さらに、好適には、クィックチャック装置はカム伝動装置を有しており、このカム伝動装置は、保持ユニット、特に保持部材を、被駆動軸線を中心とした回転方向で運動させるために設けられている。カム伝動装置は、保持ユニット、特に保持部材を、2つの終端位置間で往復運動させるために設けられていてよい。特に、終端位置のうちの1つは、好適には固定ユニットによって固定可能な位置であってよい。特に、好適な力の伝達および/または力の変換が得られる。好適には、特に簡単なユーザー操作、例えばスイッチボタンタッチおよび/またはレバー調整が、保持部材の複雑な運動、例えば回転運動に変換され得ることにより、使用者に対する優しさが高められる。特に、カム伝動装置は、クィックチャック装置のロック解除ピンの直線運動を、少なくとも部分的に、特に固定部材の回転運動に変換するために設けられている。「終端位置」とは、特に開放された状態の位置および/または閉鎖された状態の位置であると解釈されてよい。「固定ユニットによって固定可能な位置」とは、特に開放された状態にある位置であると解釈されてよい。好適には「カム伝動装置」は、直線運動を、少なくとも部分的に直線運動とは異なる運動、例えば回転運動に変換するか、または少なくとも部分的に直線運動とは異なる運動を直線運動に切替えるために設けられている。
【0039】
さらに、好適には、カム伝動装置はガイドユニットを有しており、このガイドユニットは、スピンドル部材に対する保持ユニット、特に保持部材の運動、特に回転運動を制御するために設けられている。ガイドユニットはガイド切欠を有しており、このガイド切欠は、緊締ピンを特に被駆動軸線に沿って軸方向でガイドするために設けられている。ガイド切欠は、被駆動軸線に対して曲げられた形状を有する曲線経路を有していてよい。緊締ピンは、この緊締ピンが緊締ユニット若しくは保持ユニットを制御するようにガイド切欠内でガイドされていてよい。特に、好適な力の伝達および/または力の変換が得られる。好適には、このような形式のカム伝動装置によって、被駆動ユニットに対して相対的な構成部分の運動を強制的に行うことができる。ガイドユニットは複数のガイド切欠を有しており、これらのガイド切欠は、特に直線的な形状、つる巻線状またはその他の湾曲した形状を有していてよい。
【0040】
カム伝動装置は複数のカム伝動部材を有していてよい。これらのカム伝動部材は、それぞれ1つのガイド切欠を有していてよい。これらのガイド切欠は、緊締ピンをガイドするために設けられていてよい。これらのガイド切欠は、被駆動軸線を中心とした保持ユニットの回転運動を制御するために設けられていてよい。これらのガイド切欠によって、カム伝動部材の運動が連結され得る。
【0041】
特に、ガイドユニットと緊締ユニットとが協働することにより、保持ユニットは特に解除状態から緊締状態へ、好適には保持状態から緊締状態へ制御されるようになる。
【0042】
好適には、緊締ユニットは、特にねじ山付き部材または傾斜型部材として構成された別の勾配部材を有している。別の勾配部材は勾配部材に対して間隔を保って構成されていてよい。別の勾配部材はねじ山付き部材として構成されていてよい。
【0043】
別の勾配部材はプリロード部材に配置されていてよい。別の勾配部材はプリロード部材と一体的に構成されていてよい。別の勾配部材は、プリロード部材を取り囲んでおり、特に一平面内で360°取り囲んでいてよい。
【0044】
好適には、クィックチャック装置は、保持ユニットの保持パラメータを制御するために設けられたプリロード部材を有している。プリロード部材は、保持ユニット、特に保持部材およびスピンドル部材と協働するために設けられている。プリロード部材は、緊締部材/別の緊締部材を有していてよい。プリロード部材は、特にねじ山付き部材または傾斜型部材として構成された勾配部材/別の勾配部材を有していてよい。
【0045】
緊締部材によって、保持ユニットに対する付属装置の特に確実かつ迅速な固定が保証され得る。特に、保持パラメータはカム伝動装置および緊締ユニットによって特に確実に制御され得る。特にカム伝動装置と緊締ユニットとの組み合わせは、保持ユニットの適合した調整可能性を生ぜしめる。
【0046】
好適には、保持状態が緊締状態へ移行してから締付固定された状態までの、保持ユニット、特に保持部材の、被駆動軸線に沿った並進運動は、解除状態から保持状態が保持ユニットの緊締状態へ移行するまでの並進運動よりも大きい。好適な形式で、解除状態と緊締状態との間の保持ユニットの並進運動は遮断され、緊締状態で解除されてよい。この関連性において、運動とは、特に保持ユニットの運動、特にスピンドル部材に対する保持部材の運動であると解釈されてよい。解除状態から保持状態が緊締状態へ移行するまでの運動時に、保持部材は回転運動だけによって、付属工具が手持ち式工作機械で保持されるように、運動させられてよい。これによって、付属装置の特に確実な保持および緊締が得られる。
【0047】
さらに、好適には、解除状態から保持状態が緊締状態へ移行するまでの、被駆動軸線を中心とした保持部材の回転運動は、保持状態が緊締状態へ移行してから保持ユニットの締付固定された状態までの回転運動よりも大きい。好適な形式で、保持部材の回転運動は緊締状態で遮断され、解除状態から保持状態が緊締状態へ移行するまで解除されてよい。
【0048】
好適には、プリロード部材は保持部材を、特に被駆動軸線を中心とした円周方向で取り囲んでいる。さらに、好適には、プリロード部材は概ね中空円筒形に構成されていてよい。プリロード部材はプリロードスリーブを形成してよい。プリロード部材は、特に保持状態で、保持部材および/またはスピンドル部材に対して可動に支承されていてよい。プリロード部材は、保持部材に対して軸方向でプリロードをかけられていてよい。プリロード部材は保持部材に配置されていてよい。プリロード部材は、スピンドル部材によって取り囲まれていてよい。プリロード部材は保持部材に対して相対回動不能に構成されていてよい。プリロード部材は、スピンドル部材に対して被駆動軸線を中心とした円周方向でプリロードをかけられていてよい。プリロード部材は、被駆動軸線に沿って延在する主延在ラインを有している。プリロード部材によって、保持ユニットの保持パラメータは特に好適な形式で制御され得る。さらに、プリロード部材が保持部材を、一方では特に回転運動によって解除状態から保持状態へ、他方では特に並進運動によって保持状態から緊締状態へずらすことによって、機能の分離が得られる。
【0049】
好適には、保持ユニットがスピンドル部材および保持部材を有しており、この場合、スピンドル部材と保持部材との間にプリロード部材が配置されている。プリロード部材は保持部材を取り囲んでいてよい。プリロード部材はスピンドル部材によって取り囲まれていてよい。プリロード部材はスピンドル部材および/または保持部材に対して同心的に配置されていてよい。これによって、特にコンパクトなクィックチャック装置が構成され得る。
【0050】
さらに、好適には、プリロード部材が保持部材およびスピンドル部材と連結されている。プリロード部材は、スピンドル部材および保持部材と協働するために設けられていてよい。プリロード部材は、保持ユニットをスピンドルユニットに対して緊締状態で被駆動軸線に沿って軸方向に締め付けるために設けられていてよい。さらに、好適には、クィックチャック装置は緊締部材を有しており、この緊締部材は、保持ユニット、特に保持部材を軸方向で被駆動軸線Aに沿って運動させるために設けられている。緊締部材は、ねじ山付き部材または傾斜型部材を有していてよい。プリロード部材は緊締部材と対応する緊締部材を有していてよい。対応する緊締部材は、プリロード部材と一体的に構成されていてよい。対応する緊締部材は、ねじ山付き部材、特に内ねじおよび/または傾斜型部材として構成されていてよい。対応する緊締部材は、プリロード部材を半径方向で被駆動軸線に対して、および/または軸方向で被駆動軸線に沿って区切ってよい。
【0051】
さらに、好適には、プリロード部材は、プリロード部材と一体的に構成されている別の緊締部材を有している。別の緊締部材は、ねじ山付き部材、特に外ねじまたは傾斜型部材を有していてよい。別の緊締部材はスピンドル部材と連結されていてよい。スピンドル部材は、別の緊締部材と対応する別の緊締部材を有していてよい。対応する別の緊締部材はスピンドル部材と一体的に構成されていてよい。対応する別の緊締部材は、ねじ山付き部材、特に内ねじとして構成されていてよい。対応する別の緊締部材は、スピンドル部材を半径方向で被駆動軸線に対しておよび/または軸方向で被駆動軸線に沿って区切ってよい。これによって、保持部材およびスピンドル部材の特に簡単な連結が可能となる。
【0052】
さらに、クィックチャック装置はばね部材を有しており、このばね部材は、緊締ユニット、特に保持部材をプリロード部材および/またはスピンドル部材に向かって付勢するために設けられていることが提案される。ばね部材は、引張/圧縮ばねとして構成されていてよい。ばね部材はねじりばねとして構成されていてよい。ばね部材は保持部材を一平面内で360°取り囲んでいる。ばね部材は、手持ち式工作機械を緊締状態にずらすために設けられていてよい。これによって、特に簡単な形式でリセットが得られる。これによって、均一な付勢力が得られる。
【0053】
クィックチャック装置は、保持部材を解除状態でプリロード部材および/またはスピンドル部材に向かって付勢するために設けられたばね部材を有していてよい。ばね部材は引張/圧縮ばねとして構成されていてよい。ばね部材は保持部材の中空室内で支承されていてよい。ばね部材は、緊締ピン若しくはロック解除ピンを付勢するために設けられていてよい。ばね部材は、解除状態で、緊締状態におけるよりも強くプリロードをかけられてよい。
【0054】
クィックチャック装置は、プリロード部材を円周方向で被駆動軸線を中心にしてスピンドル部材に向かって付勢するために設けられた別のばね部材を有していてよい。この別のばね部材はねじりばねとして構成されていてよい。ねじりばねは保持部材を一平面内で360°取り囲んでいてよい。別のばね部材は、プリロード部材を緊締状態でスピンドル部材に対して締め付けるために設けられていてよい。別のばね部材は、緊締状態で、解除状態におけるのと同じくらい強く緊締されていてよい。ねじりばねは、保持部材の回転運動に依存して、スピンドル部材に対してプリロードをかけられるかまたは応力除去されてよい。
【0055】
プリロード部材は、緊締状態で、ばね部材、特にねじりばねによって、被駆動軸線に沿って軸方向でまたは被駆動軸線を中心にして円周方向でプリロードをかけられていてよい。さらに、好適には、プリロード部材は、解除状態および/または保持状態および/または緊締状態で、ばね部材、特にねじりばねによって、被駆動軸線を中心にして円周方向でプリロードをかけられている。
【0056】
本発明は、さらに、付属装置を運転するためのクィックチャック装置を備えた手持ち式工作機械、特にアングルグラインダーに関する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本発明によるクィックチャック装置を有する手持ち式工作機械の斜視図である。
図2】手持ち式工作機械の断面図である。
図3】手持ち式工作機械の断面図である。
図4】クィックチャック装置の2つの状態を示す図である。
図5】クィックチャック装置の断面図である。
図6図5に示したクィックチャック装置の分解図である。
図7】クィックチャック装置の1つの状態を示す図である。
図8】クィックチャック装置の別の状態を示す図である。
図9】クィックチャック装置の別の状態を示す図である。
図10】クィックチャック装置の変化実施例を示す図である。
図11】クィックチャック装置の変化実施例を示す図である。
図12】クィックチャック装置の変化実施例を示す図である。
図13】クィックチャック装置の変化実施例を示す図である。
図14】クィックチャック装置の変化実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
その他の利点は、以下の図面の説明に記載されている。図面には本発明の複数の実施例が示されている。図面、明細書および請求項は、多くの特徴の組合せを含む。当業者は、これらの特徴を好適な形式で個別なものとしてみなしてもよいし、また有意義な別の組合せで組み合わせてもよい。
【0059】
以下の図面中、同じ構成要素には同じ符号が付けられている。
【0060】
図1は、ハウジング15および付属装置17を備えた手持ち式工作機械13を有する工作機械システムを示す。手持ち式工作機械13はアングルグラインダーとして構成されている。付属装置17は、研削ディスクとしておよび/または切断ディスクとして構成されている。付属装置17は接続装置19を有している(図4参照)。接続装置19は貫通する受け切欠21として構成されている。
【0061】
手持ち式工作機械13はクィックチャック装置23を有しており、このクィックチャック装置23は、付属装置17を手持ち式工作機械13に配置するために設けられている。手持ち式工作機械13は、クィックチャック装置23を開閉するための操作手段25を有している。操作手段25は引張レバー54として構成されている。引張レバー54は偏心体27を有している。操作手段25は、特に偏心体27によって、クィックチャック装置23のロック解除ピン29(図2図3参照)を軸方向に運動させるために設けられている。ロック解除ピン29は、このロック解除ピン29が工作機械12のハウジング15内に移動する際に、クィックチャック装置23をロック解除するために設けられている。クィックチャック装置23のロック時に、ロック解除ピン29は工作機械12のハウジング15から出る方向に移動する。図1に示された操作手段25は、閉じた状態にある。工作機械12は駆動ユニット31を有しており、この駆動ユニット31は、付属装置17を運動、特に回転させるための運動エネルギを提供するために設けられている。駆動ユニット31はハウジング15内に配置されている。駆動ユニット31は電動機として構成されていて、特にECモータとして構成されている。
【0062】
クィックチャック装置23は、被駆動ユニット33の被駆動軸線Aを中心にして付属装置17を運動させるための被駆動ユニット33を有している。駆動ユニット31は、被駆動軸線Aを中心にして付属装置17を運動させるために被駆動ユニット33を駆動する。被駆動ユニット33は、被駆動軸線Aを中心とした回転および/または振動運動を、保持ユニット37によって被駆動ユニット33で保持された付属装置17に伝達するために設けられている。被駆動ユニット33は、駆動ピニオンを介して駆動ユニット31に作用接続されている。被駆動ユニット33は、中空軸、特に中空スピンドルとして構成されたスピンドル部材47を有している。
【0063】
クィックチャック装置23はさらに、付属装置17を手持ち式工作機械13で保持するための保持部材39を備えた保持ユニット37を有している。保持ユニット37は、保持パラメータが保持状態で、特に保持ユニット37が保持状態から緊締状態へ移行する際に変化するように、調整可能である。
【0064】
保持パラメータの変化によって、付属装置17は、特に簡単に保持状態から緊締状態へずらされ得る。保持ユニット37の保持パラメータは、付属装置17をクィックチャック装置23で保持するために、保持ユニット37が回転運動によって(図10図11以下)または回転運動および並進運動によって(図2図9)、解除状態から保持状態にずらされるように調整されている。この場合、保持ユニット37または保持部材39は、保持状態で回転運動可能(図10図11以下)または回転および並進運動可能(図2図9)に可動に支承されているかまたは強制ガイドされている。
【0065】
さらに、保持ユニット37の保持パラメータは、付属装置17をクィックチャック装置23によって緊締するために、保持ユニット37が並進運動によって保持状態から緊締状態へずらされるように調整可能または変化可能である。この場合、保持ユニット37または保持部材39は、緊締状態で並進運動可能(図2図9図10)または回転および並進運動可能(図11以下)に可動に支承されているかまたは強制ガイドされている。特に好適には、保持ユニット37の保持パラメータが保持状態で変えられ、それによって保持ユニット37の保持部材39の運動方向が変えられ、特に遮断または解除され得ることによって、機能の分離が得られる。例えば、保持状態から緊締状態への移行時に、保持部材の被駆動軸線Aを中心とした相対回転運動および被駆動軸線Aに沿った相対並進運動が、被駆動軸線Aに沿った相対並進運動に変えられる(図2図9)。例えば、保持状態から緊締状態への移行時に、保持部材39の被駆動軸線Aを中心とした相対回転運動が、被駆動軸線Aに沿った相対並進運動に変えられる(図10)。例えば、保持状態から緊締状態への移行時に、保持部材39の被駆動軸線Aを中心とした相対回転運動が、被駆動軸線Aを中心とした相対回転運動および被駆動軸線Aに沿った相対並進運動に変えられる(図11以下)。
【0066】
保持パラメータとは、保持部材39の運動自由度であると解釈されてよい。
【0067】
保持部材39は、付属装置17をクィックチャック装置23に形状締結式に保持するために設けられている。
【0068】
保持部材39の他に、保持ユニット37はスピンドル部材47を有している。保持部材39はスピンドル部材47に対して1つの状態で可動に支承されている。保持部材39とスピンドル部材47とは、互いに相対的に、付属装置17が被駆動軸線Aに沿って軸方向でクィックチャック装置23に保持されるように配置されている。保持部材39およびスピンドル部材47は、緊締ユニット51を用いて緊締力を付属装置17に伝達するために設けられている。緊締力は好適には、少なくとも、付属装置17をクィックチャック装置23若しくは手持ち式工作機械13の運転状態でクィックチャック装置23に保持するために設定された保持力に相当する。保持部材39とスピンドル部材47とは、付属装置17を軸方向で緊締するために、互いに相対的に、被駆動軸線Aに沿って軸方向で可動に支承されている。
【0069】
スピンドル部材47は、保持部材39を、少なくとも概ね被駆動軸線Aと平行に延びる面法線を有する平面内に位置する円周方向に沿って把持する。スピンドル部材47は、保持部材39を少なくとも部分的に受けるために、中空軸として構成されている。
【0070】
保持部材39は、付属装置17の受け切欠21を貫通係合して付属装置17をクィックチャック装置23に形状締結式に保持するために設けられている。保持部材39は複数の、特に4つの保持翼53を有しており、これらの保持翼53は、被駆動軸線Aに対して半径方向で外方に向かって延在している。保持部材39は保持輪郭55を有しており、この保持輪郭55は、付属装置17の受け切欠21の受け輪郭57に概ね相当する。保持輪郭55は保持翼53の輪郭によって描かれている。保持輪郭55は、概ね受け輪郭57に対応して構成されていて、保持翼53が受け切欠21を貫通係合できるように、受け輪郭57よりも小さく構成されている。保持部材39は、保持部材39を付属装置17の受け切欠21を貫通して差し込むことができるように、保持輪郭55が受け輪郭57を通って嵌合するように構成されている。保持部材39は、保持翼53が付属装置17の受け切欠21を貫通係合して付属装置17を保持するために設けられている。保持部材39は、保持翼53が付属装置17と共に形状締結を形成するように、受け切欠21に対して回動可能である。保持輪郭55は、第1の回転位置(図13)で保持輪郭55が受け輪郭57と重なり合い、それによって保持部材39が受け切欠21を貫通して差し込み可能となり、被駆動軸線Aを中心として第2の回転位置(図14)へ回転する際に保持輪郭55が受け切欠21の受け輪郭57と重なり合うように、受け輪郭57に対して整列可能である。保持部材39は、保持部材39の回転位置に依存して付属工具が貫通差し込み可能となり、回転位置が変わると、付属装置17と形状締結、特に被駆動軸線Aに沿って軸方向で形状締結を形成する。
【0071】
保持部材39は、解除状態(図9)、保持状態(図8)および緊締状態、特に締付固定された状態(図7)で、クィックチャック装置23と特に取り外し不能に結合されている。保持部材39は、軸方向で被駆動軸線Aに沿って並進的におよび/または被駆動軸線Aを中心にして回転可能にスピンドル部材47に対して相対的に可動に支承されており、この場合、保持部材39の運動軸線、特に回転軸線は、少なくとも概ね被駆動軸線Aと一致する。図9では、クィックチャック装置は解除状態にあり、保持部材39の運動時に保持状態に移行する。図9の解除状態は、保持部材の下死点を形成する。クィックチャック装置が図9の位置から図8の位置へ移動する際に、クィックチャック装置は保持状態にある。図8で、クィックチャック装置は保持状態から緊締状態への移行状態にある。クィックチャック装置が図8の位置から図7の位置へ移動する際に、クィックチャック装置は緊締状態にあり、図7で、保持部材が上死点に達する締付固定された状態に達する。
【0072】
保持部材39は、保持状態で概ね被駆動軸線Aを中心にして回転可能に支承され、かつ/または1つの緊締状態/上記緊締状態で概ね被駆動軸線Aに沿って可動に支承されている。保持状態で、保持部材39は、被駆動軸線Aを中心にして回転可能および/または被駆動軸線Aに沿って可動に支承されている。緊締状態で、保持部材39は、被駆動軸線Aを中心にして回転可能および/または被駆動軸線Aに沿って可動に支承されている。保持部材39は、保持状態で被駆動軸線Aに沿って不動に支承されていてよい(図10図11以下)。保持部材39は、緊締状態で被駆動軸線Aを中心にして回転不能に支承されていてよい(図2図9図10)。機能の分離は、保持部材39が保持状態から緊締状態への移行時に、被駆動軸線Aを中心にして回転可能な支承状態から被駆動軸線Aに沿って可動な支承状態へ切替えられることによって得られる。機能の分離はさらに、保持ユニット37が例えば緊締状態で並進的に被駆動軸線Aに沿って可動に支承されているか、または被駆動軸線Aに沿って並進的におよび被駆動軸線Aを中心にして回転可能に可動に支承されていることによって得られる。
【0073】
図10および図11以下では、スピンドル部材に対する保持部材の被駆動軸線に沿った運動は、解除状態から保持状態が保持ユニットの緊締状態へ移行するまで遮断されている。図2図9では、被駆動軸線を中心としたスピンドル部材に対する保持部材の運動は、保持状態が緊締状態へ移行してから、保持ユニットの締付固定された状態まで遮断されている。
【0074】
付属装置を固定するために、保持部材は、スピンドル部材に対して解除状態(下死点)から、締付固定された緊締状態(上死点)まで、被駆動軸線を中心として所定の角度だけ回転可能である。この角度は、+20°乃至-10°の公差を有する0°乃至40°の範囲を有する(図2図9図10)。この角度は、+/-16°の公差を有する0°乃至48°の範囲を有する(図11以下)。
【0075】
保持パラメータの変化は、例えば回転運動が遮断され並進運動が解除されることにより、保持ユニット37、特に保持部材39の自由度の変化によって行われる。
【0076】
保持部材39は、付属装置17を貫通係合し、付属装置17を緊締するために設けられている。保持部材39は、解除状態で付属装置17を貫通して延在し、かつ保持状態で被駆動軸線Aを中心とした回転運動によって付属装置17に対して回転させて付属装置17を形状締結式に保持するために設けられている。保持部材39は、保持部材39の回転位置に依存して、付属工具を貫通して差し込み可能であり(図13)、回転位置が変化する際に、被駆動軸線Aに沿って軸方向で付属装置17と形状締結を形成する(図14)。保持部材39は保持翼53を有しており、この保持翼53は、被駆動軸線Aに対して半径方向に延びていて、付属装置17を少なくとも区分毎に把持するために設けられている。保持翼53は、緊締力を付属装置17に作用させるために設けられている。保持翼53は保持面54を有しており、この保持面54は、被駆動軸線Aの半径方向平面内で被駆動軸線Aに対して半径方向平面に延在している。
【0077】
保持部材39は、付属装置17を、スピンドル部材47に対する被駆動軸線Aを中心とした保持部材39の回転運動によって、解除状態から保持状態(図2図9図10)および/または緊締状態(図11以下)にずらすために設けられている。
【0078】
クィックチャック装置23は、緊締部材61を有する緊締ユニット51を有しており、この緊締ユニットは、保持部材39を軸方向で被駆動軸線Aに沿って運動させるために設けられている。緊締ユニット51は保持ユニット37と連結されている。緊締部材61は、付属装置17を保持ユニット37によって軸方向で保持状態から緊締状態へずらすために設けられている。緊締部材61は、緊締力を軸方向で被駆動軸線Aに沿って付属装置17に伝達し、それによって付属装置17を緊締するために設けられている。緊締部材61は、保持部材39の軸方向運動を制御するために設けられている。緊締部材61は、付属装置を、スピンドル部材47に対する、被駆動軸線Aを中心とした緊締部材61の回転運動若しくは相対運動によって、被駆動軸線Aに沿って軸方向で緊締するために設けられている。
【0079】
緊締部材61は、ねじ山付き部材(図2図9)または傾斜型部材(図10図11以下)として構成された勾配部材65を有している。勾配部材65は、楔形部材として構成されており、この楔形部材は、被駆動軸線Aを中心とした保持部材39の円周方向の運動を、被駆動軸線Aに沿った保持部材39の軸方向の運動に置き換えるために設けられている。勾配部材65は、変化する勾配または一定の勾配を有していてよい。勾配部材65は、単調な、特に著しく単調な上昇勾配を有して構成されていてよい。勾配部材65はねじ山付き区分を形成してよい。
【0080】
緊締ユニット51は複数の勾配部材65を有しており、これらの勾配部材65は円周方向で互いに接続している。勾配部材65は円周方向で互いに並んで配置されていてよい(図10)。勾配部材65は、円周方向で互いに間隔を保っていてよい(図11以下)。勾配部材65は、被駆動軸線Aに対して半径方向に延在しかつ/または互いに平行に配置された2つの半径方向平面によって区切られている。2つの半径方向平面は、それぞれ第1の勾配部材65を区切る。2つの半径方向平面の間隔は、勾配部材65の最大軸方向長さによって区切られている。2つの半径方向平面は互いに、解除状態から緊締状態への、被駆動軸線Aに沿った保持部材39の最大軸方向運動に概ね相当する間隔を有している。
【0081】
勾配部材65は、第1の勾配区分71と、この第1の勾配区分71に対して曲げられた第2の勾配区分73とを有している。第1の勾配区分71は、被駆動軸線Aの半径方向平面に延在している。第1の勾配区分71は平らに構成されている。第1の勾配区分71は、被駆動軸線Aを中心とした円周方向で平らに構成されていて、勾配を有していない。第1の勾配区分71は、被駆動軸線Aの半径方向平面に対して曲げられていることが考えられる。第2の勾配区分73は被駆動軸線Aの半径方向平面に対して曲げられている。勾配部材65の第1の勾配区分71および第2の勾配区分73によって、保持ユニット37の保持パラメータが変えられる。
【0082】
別の勾配部材67は、勾配部材65と同様に構成されている。
【0083】
緊締ユニット51は、勾配部材65に対応配設された別の勾配部材67を有しており、この別の勾配部材67は、勾配部材65と直接的にまたは間接的に協働するために設けられている。別の勾配部材67は勾配部材65と接触する。別の勾配部材67は、被駆動軸線Aを中心とした円周方向でおよび/または被駆動軸線Aに沿った軸方向で勾配部材65に対して相対的に可動に支承されている。別の勾配部材67は、勾配部材65に対して滑動可能に支承されている。勾配部材65および別の勾配部材67は、互いに協働するそれぞれ1つのねじ山付き部材(図2図9)または傾斜型部材(図10図11以下)を形成する。別の勾配部材67は別の緊締部材63に配置されている。
【0084】
緊締部材61は保持部材39と一体的に構成されていてよい(図2図9)。緊締部材61は、保持部材39と連結された別個の緊締リングとして構成されていてよい(図10図11以下)。緊締部材61は、被駆動軸線Aに対して半径方向で保持部材39を区切っている。緊締部材61は、保持部材39と一体的に構成されている。緊締部材61は、保持部材39を少なくとも一平面内で360°取り囲んでいて、保持部材39と同心的に配置されている。緊締部材61は、別個の構成部分として構成されており、この別個の構成部分は、保持部材39と相対回動不能に接続可能である(図10図11以下)。緊締部材61は別個の構成部分として構成されており、この別個の構成部分は、固定ねじとして構成された固定手段75によって保持部材39と接続されている。緊締部材61は概ね円板状に構成されている。緊締部材61は概ねリング状に構成されている。緊締部材61は、2つの部材の相対運動(回転運動、並進運動)が阻止されるように、保持部材39に堅固に接続されている。緊締部材61は、保持部材39に相対回動不能に接続されている。緊締部材61は、保持ユニット37を緊締部材61の回転運動によって緊締ユニット51の別の緊締部材61,63に対して緊締するために設けられている。緊締部材61は、保持部材39の、付属装置17とは反対側に配置されている。緊締部材61は、保持部材39に被せ嵌められている。
【0085】
緊締ユニット51は別の緊締部材63を有しており、この別の緊締部材63は、緊締部材61と直接的にまたは間接的に協働するために設けられている。別の緊締部材63は、スピンドル部材47またはプリロード部材77に構成されていてよい。
【0086】
図2図9では、別の緊締部材63がスピンドル部材47に配置されていて、間接的に、若しくはプリロードスリーブとして構成されたプリロード部材77によって、保持部材39と一体的に構成された緊締部材61と協働するために設けられている。緊締部材61は保持部材39と一体的に構成されている。別の緊締部材63は、スピンドル部材47の半径方向長さを区切っている。別の緊締部材63は保持部材39と一体的に若しくは一体部品で構成されている。この場合、プリロード部材77は、緊締部材61および別の緊締部材63に対応する2つの中間緊締部材81,83を有している。中間緊締部材81,83はプリロード部材77に配置されていて、このプリロード部材77と一体的に構成されている。第1の中間緊締部材81は、プリロード部材77の内側に配置されていて、内ねじとして構成されている。第2の中間緊締部材83は、プリロード部材77の外側に配置されていて、外ねじとして構成されている。第1の中間緊締部材81は、外ねじとして構成された緊締部材61と協働するために設けられている。第2の中間緊締部材83は、内ねじとして構成された、スピンドル部材47の別の緊締部材63と協働するために設けられている。中間緊締部材81,83は、被駆動軸線Aに対して半径方向でプリロード部材77を区切る。別の緊締部材63はプリロード部材77と一体的に構成されている。
【0087】
図10では、別の緊締部材63が、プリロードスリーブとして構成されたプリロード部材77に配置されていて、緊締リングとして構成された緊締部材61と直接的に協働するために設けられている。緊締部材61は別個の構成部分として構成されている。緊締部材61は、保持部材39に連結された別個の緊締リングとして構成されている。緊締部材61および別の緊締部材63は傾斜型部材(図10図11以下)として構成されている。別の緊締部材63は、プリロード部材77を被駆動軸線Aに沿った軸方向で区切る。別の緊締部材63は、プリロード部材77と一体的に構成されている。図10の左下で、プリロード部材77の変化実施例が示されており、このプリロード部材77は、プリロード部材77の軸方向長さを区切る別の緊締部材63を有している。この場合、別の緊締部材63は、プリロード部材77の端面側に環状に延びていて、かつ/または被駆動軸線Aに向かって半径方向に突き出している。図10の左下で、別の緊締部材63が、プリロード部材77の内側領域内に配置されている。別の緊締部材63は半径方向で、被駆動軸線Aに沿って軸方向に延在する中空円筒形の壁部によって区切られている。
【0088】
図11以下で、別の緊締部材63がスピンドルスリーブとして構成されたスピンドル部材47に配置されていて、緊締リングとして構成された緊締部材61と直接的に協働するために設けられている。別の緊締部材63は、被駆動軸線Aに沿って軸方向でスピンドル部材47を区切る。別の緊締部材63はスピンドル部材47と一体的に構成されている。別の緊締部材63はスピンドル部材47と連結されていて、この緊締部材61と直に接触する。
【0089】
緊締部材61および別の緊締部材63はそれぞれ、ねじ山付き部材または傾斜型部材を形成する少なくとも1つの勾配部材65,67を有している。緊締部材61だけまたは別の緊締部材63だけが、勾配部材65,67を有していてよいことは自明である。例えば、緊締部材61,63のうちの一方が勾配部材65,67を有しているのではなく、例えば一種の隆起部として構成されていてよく、この隆起部は、この隆起部に対応する勾配部材65,67と協働するために設けられている。
【0090】
保持部材39はスピンドル部材47を有しており、このスピンドル部材47は、緊締ユニット51を用いて保持部材39と協働し、被駆動軸線Aを中心にして付属装置17を駆動するために設けられている。スピンドル部材47は、このスピンドル部材47が、付属装置17を被駆動軸線Aに沿って軸方向で載設するために用いられる、載設面87を有する載設部材85を備えていることによって、付属装置17と間接的に接触する。スピンドル部材47はスピンドルスリーブとして構成されていて、保持部材39を一平面内で360°取り囲んでいる。スピンドル部材47は、付属装置17を少なくとも緊締状態において被駆動軸線Aを中心とした円周方向で相対回動不能に支承するために、また運転状態において駆動するために設けられている。このために、スピンドル部材47は連動部材89を有しており、この連動部材89は付属装置17を、被駆動軸線Aを中心にして回転させるために設けられている。連動部材89は回転連動部材として構成されている。連動部材89は、付属装置17を把持し、かつ/または付属装置17と形状締結を形成するために設けられている。
【0091】
クィックチャック装置23はプリロード部材77を有しており、このプリロード部材77は、保持ユニット37の単数または複数の保持パラメータを制御するために設けられている。このプリロード部材77は、保持部材39およびスピンドル部材47と協働するために設けられている。プリロード部材77は、別の勾配部材65,67を備えた別の緊締部材61,63を有しており、この別の勾配部材は、ねじ山付き部材若しくは外ねじとして構成されている。
【0092】
特に、保持状態が緊締状態へ移行してから締付固定された状態(上死点)までの、被駆動軸線Aに沿ったスピンドル部材に対する保持部材39の並進運動は、解除状態から保持状態が保持部材39の緊締状態へ移行するまでよりも大きい。好適な形式で、保持部材39の並進運動は、解除状態と保持状態から緊締状態への移行との間で遮断されていて、保持状態が緊締状態若しくは締付固定された状態へ移行することによって解除されている。解除状態から保持状態が緊締状態へ移行するまでの運動時に、保持部材39は回転運動だけによって、付属装置が手持ち式工作機械13で保持されるように可動である。
【0093】
特に、解除状態から保持状態が緊締状態へ移行するまでの、被駆動軸線Aを中心としたスピンドル部材に対する保持部材39の回転運動は、保持状態が緊締状態へ移行してから保持部材39の締付固定された状態までの回転運動よりも大きい。好適な形式で、保持部材39の回転運動は、保持状態が緊締状態へ移行してから遮断されていて、解除状態から保持状態が緊締状態へ移行するまで解除されている。
【0094】
プリロード部材77は、被駆動軸線Aを中心とした円周方向で保持部材39を取り囲んでいる。プリロード部材77は、概ね中空円筒形に構成されていて、プリロードスリーブを形成する。プリロード部材77は、保持状態で保持部材39に対しておよび/またはスピンドル部材47に対して可動に支承されていて、保持部材39に対して軸方向でプリロードをかけられている。プリロード部材77は保持部材39に配置されていて、この保持部材39と連結されている。プリロード部材77は保持部材39に対して相対回動不能に構成されていて、スピンドル部材47によって取り囲まれている。プリロード部材77はスピンドル部材47に対して被駆動軸線Aを中心とした円周方向でプリロードをかけられていて、被駆動軸線Aに沿って延在する主延在方向を有している。プリロード部材77を用いて、プリロード部材77が一方では保持部材39を回転運動により解除状態から保持状態にずらし、他方では並進運動により保持状態から緊締状態にずらすことによって、機能の分離が得られる。
【0095】
保持ユニット37は、スピンドル部材47および保持部材39を有しており、この場合、プリロード部材77は、スピンドル部材47と保持部材39との間に配置されている。プリロード部材77は、保持部材39を取り囲んでいて、スピンドル部材47によって取り囲まれている。プリロード部材77は、スピンドル部材47および保持部材39に対して同心的に配置されている。
【0096】
プリロード部材77は、保持部材39およびスピンドル部47と連結されていて、スピンドル部材47および保持部材39と協働するために設けられている。プリロード部材77は、保持ユニット37を緊締状態でスピンドルユニットに対して被駆動軸線Aに沿って軸方向で締め付けるために設けられている。
【0097】
クィックチャック装置23は、カム伝動装置91を有しており、このカム伝動装置91は、保持部材39を被駆動軸線Aを中心とした回転方向で運動させるために設けられている。カム伝動装置91は、保持部材39を2つの終端位置間で往復運動(図7図9)させるために設けられている。カム伝動装置91は、クィックチャック装置23のロック解除ピン29の直線運動を少なくとも部分的に回転運動、特に保持部材39の回転運動に変換させるために設けられている。このために、カム伝動装置91は、ガイドユニット95を有しており、このガイドユニット95は、保持部材39の回転運動をスピンドル部材47に対して制御するために設けられている。ガイドユニット95は、保持部材39を解除状態から緊締状態へ、およびその逆にずらすために設けられている。ガイドユニット95は複数のガイド切欠99を有しており、このガイド切欠99は、ロック解除ピン29と横方向に接続された緊締ピン97を被駆動軸線Aに沿って軸方向でガイドするために設けられている。ロック解除ピン29は緊締ピン97に形状締結式に結合されている。ロック解除ピン29は被駆動軸線Aに対して同軸的に配置されている。緊締ピン97は、緊締ボルトとして構成されていて、保持部材39の運動を、被駆動軸線Aに沿って軸方向でおよび/または被駆動軸線Aを中心として円周方向で、スピンドル部材47に対して区切っている。ガイド切欠99は、被駆動軸線Aに対して曲げられた形状を有する部分的な曲線経路を有している。緊締ピン97は、緊締ピン97が保持部材39をスピンドル部材47に対して制御するように、ガイド切欠99内でガイドされている。軸方向でガイド切欠99に沿った緊締ピン97の運動は、スピンドル部材47に対する保持部材39の強制運動を生ぜしめる。緊締ピン97は、被駆動軸線Aに沿った軸方向で、特に単数または複数のガイド切欠99に沿って、スピンドル部材47および保持部材39に対して滑動するために、設けられている。これによって、カム伝動装置91を用いて、スピンドル部材47に対して相対的な保持部材39の運動が強制的に行われる。ガイドユニット95は複数のガイド切欠99を有しており、これらのガイド切欠99は特に直線的な形状、つる巻線状またはその他の湾曲した形状を有している。スピンドル部材47に対する保持部材39の運動は、ガイド切欠99の配向に依存して制御され得る。
【0098】
カム伝動装置91は複数のカム伝動部材93を有しており、これらのカム伝動部材93は、保持部材39、プリロード部材77および/またはスピンドル部材47によって形成されている。カム伝動部材93はそれぞれ1つのガイド切欠99を有している。ガイド切欠99は、緊締ピン97をガイドし、被駆動軸線Aを中心にして保持ユニット37の回転運動を制御するために設けられている。ガイド切欠99によって、カム伝動部材93の運動が連結され得る。
【0099】
好適な形式で、プリロード部材77は、プリロードガイド部材101,特にプリロードガイド溝を有している。好適には、スピンドル部材47は、スピンドルガイド部材102、特にスピンドルガイド溝を有している。特に好適には、保持部材39は保持ガイド部材103、特に保持ガイド溝を有している。さらに好適には、各ガイド切欠99が緊締ピン97と連結されている。特に、ガイド切欠99は、ガイド切欠99内でまたはガイド切欠に沿ってガイドされた緊締ピン97によって、スピンドル部材47に対する保持部材および/またはプリロード部材77の軸方向運動(図10)を制御するために設けられている。特に、ガイド切欠99はそれぞれ長孔として形成されている。長孔はそれぞれ少なくとも部分的に直線的におよび/または曲げられて構成されていてよい。少なくとも1つのガイド切欠99は、被駆動軸線Aに沿った延在ラインを有しており、この延在ラインは、保持部材39の軸方向運動を区切るために設けられている。特に緊締ピン97は、ガイド切欠99に沿ってガイドされるために設けられており、したがって、クィックチャック装置23を緊締状態から解除状態へ、およびそれとは逆に運動させるために、保持部材39をプリロード部材77およびスピンドル部材47に対して運動させることが可能である。
【0100】
特に、ガイドユニット95と緊締ユニット51との連動により、保持部材39が、解除状態から緊締状態へ、または解除状態から保持状態若しくは緊締状態へ、およびそれとは逆に制御される。
【0101】
図2図9では、スピンドル部材に対して保持部材を強制運動させることができるように、緊締ピンが、プリロードガイド部材101、スピンドルガイド部材102および保持ガイド部材103に差し込まれ、軸方向でガイド部材に沿ってガイドされる。さらに、スピンドル部材に対する保持部材の軸方向運動は、緊締部材61および別の緊締部材63によって区切られている。2つの緊締部材61,63は、2つの中間緊締部材81,83と共に2つのねじを形成する。ガイド部材99,101,102,103は、解除状態から保持状態への移行時に1つのねじが遮断され、別のねじが解除され、保持状態から緊締状態への移行時に2つのねじが解除されるように、曲げられていて、特に少なくとも区分毎に直線的におよび/または曲げられて構成されている。
【0102】
クィックチャック装置23はばね部材105を有しており、このばね部材105は、解除状態で保持部材39をプリロード部材77および/またはスピンドル部材47に向かって付勢するために設けられている。ばね部材105は、引張/圧縮ばねとして構成されている。ばね部材105は、保持部材39の中空室内に支承されている。このばね部材105は、緊締ピン97若しくはロック解除ピン29を付勢するために設けられている。ばね部材105は、解除状態で、緊締状態におけるよりも強くプリロードをかけられている。
【0103】
クィックチャック装置23は別のばね部材107を有していてよく、この別のばね部材107はプリロード部材77を、被駆動軸線Aを中心にして円周方向でスピンドル部材47に向かって付勢するために設けられている(図10)。別のばね部材107はねじりばねとして構成されている。ねじりばねは、保持部材39を一平面内で360°包囲している。別のばね部材107は、プリロード部材77に軸方向で接続することができる。別のばね部材107は、プリロード部材77を緊締状態でスピンドル部材47に対して締め付けるために設けられている。この場合、別のばね部材107は、緊締状態で、解除状態におけるのと同様に強く緊締されている。ねじりばねは、保持部材39の回転運動に依存してスピンドル部材47に対してプリロードをかけられているかまたは応力除去されている。ねじりばねは2つの脚を有している。第1の脚はプリロード部材77に形状締結式に結合されていて、プリロード部材77の軸方向に延在する形状切欠109内に配置されている。第2の脚は、形状締結式、特に相対回動不能に間接的または直接的にスピンドル部材47と接続されていて、軸方向に延在する別の形状切欠内に配置されている。
【符号の説明】
【0104】
12 工作機械
13 手持ち式工作機械
15 ハウジング
17 付属装置
19 接続装置
21 受け切欠
23 クィックチャック装置
25 操作手段
27 偏心体
29 ロック解除ピン
31 駆動ユニット
33 被駆動ユニット
37 保持ユニット
39 保持部材
47 スピンドル部材
51 緊締ユニット
53 保持翼
54 保持面
55 保持輪郭
57 受け輪郭
61 緊締部材、プリロード部材
63 別の緊締部材、プリロード部材
65 勾配部材、傾斜型部材、ねじ山付き部材
67 別の勾配部材
71 第1の勾配区分
73 第2の勾配区分
75 固定手段
77 プリロード部材
81 第1の中間緊締部材
83 第2の中間緊締部材
85 載設部材
87 載設面
89 連動部材
91 カム伝動装置
93 カム伝動部材
95 ガイドユニット
97 緊締ピン、緊締ボルト
99 ガイド切欠
101 プリロードガイド部材、プリロードガイド溝
102 スピンドルガイド部材、スピンドルガイド溝
103 保持ガイド部材、保持ガイド溝
105 ばね部材
107 別のばね部材
109 形状切欠
A 被駆動軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-06-13
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
好適には、保持ユニット、特に保持部材は、保持状態で概ね被駆動軸線を中心にして回転可能に支承され、かつ/または1つの緊締状態/複数の緊締状態で概ね被駆動軸線に沿って可動に支承されている。さらに、好適には、保持ユニット、特に保持部材は1つの緊締状態を有しており、この緊締状態で保持部材は概ね被駆動軸線に沿って可動に支承されている。保持状態で、保持ユニットは被駆動軸線を中心にして回転可能および/または被駆動軸線に沿って可動に支承されていてよい。緊締状態で、保持ユニットは被駆動軸線を中心にしておよび/または被駆動軸線に沿って可動に支承されていてよい。特に、保持ユニットは保持状態または緊締状態で、被駆動軸線を中心にして回転不能に支承されているか、または被駆動軸線に沿って不動に支承されていてよい。機能の分離は、保持部材が例えば保持状態で被駆動軸線を中心にして回転可能に可動に支承されているか、または被駆動軸線を中心にして回転可能に、かつ被駆動軸線に沿って並進運動で可動に支承されていることによって、得られる。機能の分離はさらに、保持ユニットが例えば緊締状態で被駆動軸線に沿って並進運動で可動に支承されているか、または被駆動軸線に沿って並進運動で可動に、かつ被駆動軸線を中心にして回転可能に可動に支承されていることによって、得られる。この場合、保持パラメータの変化は、例えば回転運動が遮断され、並進運動が解除されることによる、保持ユニット、特に保持部材の自由度の変化によって行われる。好適には、保持ユニットの保持状態で被駆動軸線に沿った、保持部材の運動、特にスピンドル部材に対する保持部材の運動は遮断されている。保持部材は、解除状態から保持状態が緊締状態に移行するまでまたは緊締状態まで、被駆動軸線を中心にして可動に支承されていてよい。保持部材は、緊締状態で被駆動軸線に沿って可動に支承されていてよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
図1は、ハウジング15および付属装置17を備えた手持ち式工作機械13を有する工作機械システムを示す。手持ち式工作機械13はアングルグラインダーとして構成されている。付属装置17は、研削ディスクとしておよび/または切断ディスクとして構成されている。付属装置17は接続装置19を有している(図14参照)。接続装置19は貫通する受け切欠21として構成されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
手持ち式工作機械13はクィックチャック装置23を有しており、このクィックチャック装置23は、付属装置17を手持ち式工作機械13に配置するために設けられている。手持ち式工作機械13は、クィックチャック装置23を開閉するための操作手段25を有している。操作手段25は引張レバーとして構成されている。引張レバーは偏心体27を有している。操作手段25は、特に偏心体27によって、クィックチャック装置23のロック解除ピン29(図2図3参照)を軸方向に運動させるために設けられている。ロック解除ピン29は、このロック解除ピン29が工作機械13のハウジング15内に移動する際に、クィックチャック装置23をロック解除するために設けられている。クィックチャック装置23のロック時に、ロック解除ピン29は工作機械13のハウジング15から出る方向に移動する。図1に示された操作手段25は、閉じた状態にある。工作機械13は駆動ユニット31を有しており、この駆動ユニット31は、付属装置17を運動、特に回転させるための運動エネルギを提供するために設けられている。駆動ユニット31はハウジング15内に配置されている。駆動ユニット31は電動機として構成されていて、特にECモータとして構成されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
保持部材39は、保持状態で概ね被駆動軸線Aを中心にして回転可能に支承され、かつ/または1つの緊締状態/複数の緊締状態で概ね被駆動軸線Aに沿って可動に支承されている。保持状態で、保持部材39は、被駆動軸線Aを中心にして回転可能および/または被駆動軸線Aに沿って可動に支承されている。緊締状態で、保持部材39は、被駆動軸線Aを中心にして回転可能および/または被駆動軸線Aに沿って可動に支承されている。保持部材39は、保持状態で被駆動軸線Aに沿って不動に支承されていてよい(図10図11以下)。保持部材39は、緊締状態で被駆動軸線Aを中心にして回転不能に支承されていてよい(図2図9図10)。機能の分離は、保持部材39が保持状態から緊締状態への移行時に、被駆動軸線Aを中心にして回転可能な支承状態から被駆動軸線Aに沿って可動な支承状態へ切替えられることによって得られる。機能の分離はさらに、保持ユニット37が例えば緊締状態で並進的に被駆動軸線Aに沿って可動に支承されているか、または被駆動軸線Aに沿って並進的におよび被駆動軸線Aを中心にして回転可能に可動に支承されていることによって得られる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
図10では、別の緊締部材63が、プリロードスリーブとして構成されたプリロード部材77に配置されていて、緊締リングとして構成された緊締部材61と直接的に協働するために設けられている。緊締部材61は別個の構成部分として構成されている。緊締部材61は、保持部材39に連結された別個の緊締リングとして構成されている。緊締部材61および別の緊締部材63は傾斜型部材(図10図11以下)として構成されている。別の緊締部材63は、プリロード部材77を被駆動軸線Aに沿った軸方向で区切る。別の緊締部材63は、プリロード部材77と一体的に構成されている。図10の左下で、プリロード部材77の変化実施例が示されており、このプリロード部材77は、プリロード部材77の軸方向長さを区切る別の緊締部材63を有している。この場合、別の緊締部材63は、プリロード部材77の端面側に環状に延びていて、かつ/または被駆動軸線Aに向かって半径方向に突き出している。図10下で、別の緊締部材63が、プリロード部材77の内側領域内に配置されている。別の緊締部材63は半径方向で、被駆動軸線Aに沿って軸方向に延在する中空円筒形の壁部によって区切られている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付属装置(17)を手持ち式工作機械(13)、特にアングルグラインダーに配置するためのクィックチャック装置であって、被駆動ユニット(33)の被駆動軸線(A)を中心にして前記付属装置(17)を運動させるために設けられた被駆動ユニット(33)と、前記手持ち式工作機械(13)で前記付属装置(17)を保持するために設けられた、特に保持部材(39)を備えた保持ユニット(37)とを有する形式のものにおいて、
前記保持ユニット(37)が、保持状態で、特に保持状態から緊締状態への移行時に変化する保持パラメータを有していることを特徴とする、クィックチャック装置。
【請求項2】
前記保持ユニット(37)、特に前記保持部材(39)が、保持状態で概ね前記被駆動軸線(A)を中心にして回転可能に支承され、かつ/または1つの緊締状態/複数の緊締状態で概ね前記被駆動軸線(A)に沿って可動に支承されていることを特徴とする、請求項1記載のクィックチャック装置。
【請求項3】
前記被駆動軸線(A)に沿った前記保持部材(39)の運動が前記保持ユニット(37)の保持状態で遮断されていることを特徴とする、請求項1または2記載のクィックチャック装置。
【請求項4】
被駆動軸線(A)を中心とした前記保持部材(39)の運動が、前記保持ユニット(37)の1つの緊締状態で遮断されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項5】
前記保持ユニット(37)が保持部材(39)を有しており、該保持部材(39)は、前記付属装置(17)を貫通係合し、かつ該付属装置(17)を緊締するために設けられていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項6】
前記保持ユニット(37)、特に前記保持部材(39)を前記被駆動軸線(A)に沿って運動させるために設けられた緊締ユニット(51)、特に緊締部材(61)を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項7】
前記緊締ユニット(51)が、特にねじ山付き部材または傾斜型部材として構成された勾配部材(65)を有していることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項8】
前記緊締ユニット(51)が、特にねじ山付き部材または傾斜型部材として構成された別の勾配部材(67)を有しており、該別の勾配部材(67)は、前記勾配部材と間接的にまたは直接的に協働するために設けられていることを特徴とする、請求項7記載のクィックチャック装置。
【請求項9】
前記保持ユニット(37)の単数または複数の前記保持パラメータを制御するために設けられたプリロード部材(77)を有していることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項10】
前記勾配部材(65)が、第1の勾配区分(71)と、該第1の勾配区分(71)に対して曲げられた第2の勾配区分(73)とを有していることを特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項11】
前記緊締部材(61)が前記保持部材(39)と一体的に構成されているか、または前記緊締部材(61)が、前記保持部材(39)と連結された別個の緊締リングとして構成されていることを特徴とする、請求項6から10までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項12】
前記保持ユニット(37)、特に前記保持部材(39)を、前記被駆動軸線(A)を中心とした回転方向で運動させるために設けられたカム伝動装置(91)を有していることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項13】
前記カム伝動装置(91)が、スピンドル部材(47)に対する前記保持ユニット(37)、特に前記保持部材(39)の運動、特に回転運動を制御するために設けられたガイドユニット(95)を有していることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項14】
前記保持部材(39)を前記プリロード部材(61,63)および/または前記スピンドル部材(47)に向かって付勢するために設けられたばね部材(105,107)を有していることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載のクィックチャック装置。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載のクィックチャック装置(23)を備えた手持ち式工作機械、特にアングルグラインダー。
【国際調査報告】