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<図1>
  • -空気清浄機 図1
  • -空気清浄機 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/90 20210101AFI20230426BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20230426BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20230426BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20230426BHJP
   B01D 46/44 20060101ALI20230426BHJP
   B01D 46/121 20220101ALI20230426BHJP
   A61L 2/14 20060101ALI20230426BHJP
   F24F 8/192 20210101ALN20230426BHJP
   F24F 8/158 20210101ALN20230426BHJP
【FI】
F24F8/90
F24F8/108 210
F24F8/108 120
F24F8/80 140
F24F8/30
F24F8/80 300
B01D46/44
B01D46/121
A61L2/14
F24F8/192
F24F8/158
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022548594
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 EP2021053227
(87)【国際公開番号】W WO2021160682
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】202021006451
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006450
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006452
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006453
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006449
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】20166875.3
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20176491.7
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513186590
【氏名又は名称】ブルーエアー・エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ダンベルガー,ラース・ヘンリック
(72)【発明者】
【氏名】ネタジ,アラギリサミー
(72)【発明者】
【氏名】ウェナーストローム,ジョアン・ダニエル
【テーマコード(参考)】
4C058
4D058
【Fターム(参考)】
4C058AA19
4C058AA24
4C058BB06
4C058CC06
4C058KK06
4D058JA12
4D058JB50
4D058KB06
4D058NA01
4D058QA03
4D058QA21
4D058QA30
(57)【要約】
空気清浄機の内面または空気清浄機内のフィルタ媒体をイオン雲にさらすことによって、前記内面または前記フィルタ媒体を滅菌するための方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機の内面または空気清浄機内のフィルタ媒体をイオン雲にさらすことによって、前記内面または前記フィルタ媒体を滅菌するための方法。
【請求項2】
前記空気清浄機は、イオン雲を前記内面または前記フィルタ媒体上に生成するように構成されたイオナイザを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イオナイザは、前記滅菌される表面から15cm以内に配置されたコロナ放電先端を備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記空気清浄機は、取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタと、空気流発生器と、前記空気流発生器を制御するための手段と、空気濾過空気流速度を有する第1の空気流設定と、前記空気清浄機の内面および/または取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタの滅菌と相関する第2の空気流設定とを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
取り外し可能なフィルタ媒体と、空気流発生器と、イオナイザとを備える空気清浄機であって、
少なくとも1つの空気流設定と、
空気流の非存在下、または、空気流設定と組み合わせて、前記フィルタ媒体が0.1~1.2cm-1の空気流を受けるように前記イオナイザが起動するさらなる設定と
を備える、空気清浄機。
【請求項6】
取り外し可能なフィルタ媒体と、空気流発生器およびイオナイザと、温度センサと、湿度センサとを備える、空気清浄機。
【請求項7】
前記イオナイザは、前記取り外し可能なフィルタ媒体上に配置されている、請求項6に記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第2007034082号明細書は、清浄機を通過する空気流中の微粒子材料を帯電させるように動作するイオン化アセンブリを含む空気清浄機を開示している。帯電微粒子材料は、イオン化アセンブリの下流に配置され、帯電微粒子材料とは反対の電荷を有するフィルタ要素に引き付けられ保持される。フィルタを通過する清浄された空気は、場合により清浄された空気流に添加される芳香剤と併せて、装置の外に導かれる。イオン化アセンブリには、イオン化部材に隣接して配置された接地部材が形成され、清浄機内にイオン化アセンブリによって生成された電子を保持し、したがって清浄機の外側で静電気放電が発生するのを防止する。空気流は、清浄機の効率が増加するように、ファンによって角度が付けられて実質的に層状に清浄機を通して導かれる。
【0003】
米国特許第2002141131号明細書は、空気入口と、高電圧源と、イオンを生成するために高電圧源に電気的に接続された電極と、空気出口とを含む改善された空気イオナイザ装置を開示している。空気ムーバが、空気入口を通して空気を空気イオナイザに流入させ、空気出口を通して空気イオナイザから空気を流出させるために設けられる。導電性材料を含む有孔フィルタが、電圧源および接地の少なくとも1つに電気的に結合される。フィルタは、空気入口に流入する空気、空気出口から流出する空気、または電極を通過して流れる空気がフィルタを通って流れるように、空気入口、空気出口、および電極の少なくとも1つの上に位置決めされる。好ましい実施形態では、フィルタは、金属グリッドまたはスクリーンを備える。
【0004】
国際公開第2018/058716号は、ハウジング(1)と、屋内戻り空気入口(21)と、屋外新気出口(22)と、新気送達出口(2)と、屋内戻り空気排出出口(12)と、ハウジング(1)内に設けられた電力供給制御装置とを備える一体型新気清浄機を開示しており、ハウジング(1)内には、第1段フィルタ(3)と、熱交換コア(4)と、排気ファン(5)と、第2段フィルタ(6)と、イオン雲ダスト除去モジュールと、送風機(9)と、第3段フィルタ(10)とが順に設けられており、排気ファン(5)、イオン雲ダスト除去モジュール、および送風機(9)は、電力供給制御装置に電気的に接続される。本一体型装置は、換気機能と空気清浄機能を組み合わせ、プラグアンドプレイであり、設置およびメンテナンスに困難をもたらさず、または空気パイプを設置して部屋を損傷するという構造的問題をもたらさず、高い負イオン生成率を有し、長い搬送距離を有し、強力なダスト除去および消毒効果を有し、さらに、動作中にオゾンを生成せず、健康な環境を維持する。
【0005】
中国特許第105823131号明細書は、教示範囲についての新気清浄複合システムを開示している。新気清浄複合システムは、空気処理アセンブリを備える。空気処理アセンブリは、新気換気装置と、空気清浄機とを備える。新気換気装置および空気清浄機を独立して配置し、部屋内の異なる位置に固定することで、組み合わせて屋内の空気質を制御することができる。教示範囲についての新気清浄複合システムによれば、酸素一定空気清浄機と清浄型新気換気装置の組み合わせにより、常時清潔、酸素一定、省エネ、かつグリーンなエコ教室を作ることができ、生徒に対して安全で清潔な学習環境を提供する。
【0006】
米国特許第2005055990号明細書は、空気クリーナを開示しており、また空気クリーナの動作を制御する方法が開示されている。空気クリーナは、入口および出口を有するキャビネットと、室内空気からダストおよび臭気粒子を除去するフィルタアセンブリと、ファンと、室内空気の組成を感知するセンサアセンブリと、室内空気の不十分な成分の少なくとも1つを清潔な空気に提供する供給アセンブリと、室内空気の組成に関するデータに基づいて供給アセンブリを制御するコントローラとを含む。別の態様では、空気クリーナの動作を制御する方法は、室内空気を感知するステップと、室内空気の不十分な成分およびその量を測定するステップと、室内空気の不十分な成分の少なくとも1つを清潔な空気に提供するステップとを含む。
【0007】
従来技術の存在にもかかわらず、改善された空気清浄機、特に作業寿命を通してより衛生的な空気清浄機が依然として必要とされている。
【0008】
空気清浄機は、フィルタを通して周囲空気を濾過することによって機能する。したがって、空気中のいかなるものも、理論的にはフィルタによって捕捉可能である。微粒子フィルタからガスフィルタまで様々なタイプの濾過手段があるが、空気流に捕捉された微生物も捕捉することは、空気清浄機の機能の必然的な結果である。
【0009】
また、主な焦点が周囲空気から汚染を除去することであり、微粒子が除去されていることを示す様々なセンサが存在することも、空気清浄機の日常的な特徴である。結果として、空気清浄機が自動モードで機能することも非常に日常的であり、微粒子の存在は装置を通る空気流の速度に影響を及ぼす。したがって、空気質が良好である場合、エネルギーを節約するために清浄機をアイドルモードまたはスタンバイモードに維持することが可能であり、多くの場合望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第2007034082号明細書
【特許文献2】米国特許第2002141131号明細書
【特許文献3】国際公開第2018/058716号
【特許文献4】中国特許第105823131号明細書
【特許文献5】米国特許第2005055990号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、空気がフィルタによって捕捉された清浄機微生物を通過していない場合、これは迅速に増殖してバイオフィルムを形成する場合があり、有効なフィルタの寿命に悪影響を及ぼし、家庭環境を習慣とするユーザに対して健康被害を引き起こす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、第1の態様では、空気清浄機の内面または空気清浄機内のフィルタ媒体をイオン雲にさらすことによって、前記内面または前記フィルタ媒体を滅菌するための方法が提供される。
【0013】
好ましくは、空気清浄機は、イオン雲を前記内面または前記フィルタ媒体上に生成するように構成されたイオナイザを備える。
【0014】
空気清浄機は、イオナイザを備える。好ましくは、イオナイザは、コロナ放電先端と、受け電極とを備える。コロナ放電先端が適切な電圧にさらされると、コロナ放電先端は、先端と受け電極または接地電極との間にイオン雲を生成する。
【0015】
清浄機は、前記清浄機の外部に配置されたイオナイザをさらに備えてもよい。イオナイザが前記装置の外部に配置される場合、装置の上面に配置されることが好ましい。装置の上面に外部イオナイザを位置させることは、家庭用ダスト粒子が空気を通って地面に向かって落下するときにイオン化され、したがって帯電するにつれて凝集する可能性が高いことを意味する。より凝集するにつれて、家庭用ダスト粒子は装置によって生成された空気循環パターンにより容易に巻き込まれ、したがってより容易に濾過される。
【0016】
装置の内部に配置されたイオナイザは、好ましくは、空気流方向において取り外し可能な微粒子フィルタの前に位置する。
【0017】
好ましくは、装置は、内部イオナイザと、外部イオナイザとを備える。外部イオナイザは、家庭用ダスト粒子の凝集を容易にし、内部イオナイザは、取り外し可能な微粒子フィルタによる凝集したダスト粒子の捕捉を容易にする。両方の場合において、イオン化は、より低密度の濾過媒体および低い空気速度(ファン)速度を可能にする。
【0018】
使用されるイオナイザは、エミッタ電極と、接地電極とを備える。エミッタ電極は、好ましくは-10~10kV、より好ましくは-8~8kVの範囲付近の適切な電圧が加えられると、エミッタとレシーバとの間でイオン雲を排出する。
【0019】
エミッタ電極は、好ましくは、点、先端、または複数の先端もしくは点、例えばブラシであり、電圧源と電気的に連通している。
【0020】
受け電極は、好ましくは、イオンがエミッタから離れて費やされ、次いでレシーバに向かって引っ張られるときに結果として生じるイオン雲が三次元になるように、リング形状の金属部品である。
【0021】
好ましくは、エミッタは、リングの形態でレシーバ間の中央に配置される。エミッタは、使用中に空気流に向かってまたは空気流から離れるように配置されてもよいが、エミッタは、滅菌される表面、例えば、内壁またはフィルタ媒体に向いていることが好ましい。
【0022】
代替的に好ましい実施形態では、イオナイザは、取り外し可能なフィルタ媒体上に配置されている。そのような実施形態では、フィルタ媒体は、少なくとも発光電極を備える。受け電極は、清浄機の一部またはフィルタ媒体の一部であってもよいが、いずれの場合も、取り外し可能なフィルタ媒体は、フィルタ媒体が作業構成に置かれたときにイオナイザがイオンファイルドを発生することができるように、清浄機と電気的に連通するための手段を備える。そのような実施形態では、清浄機とフィルタの両方が、清浄機からフィルタ上に配置されたイオナイザ、すなわちエミッタとレシーバの両方に電気を通すように協働する電気コネクタを備える。
【0023】
好ましくは、前記イオナイザは、前記滅菌される表面から15cm以内に配置されたコロナ放電先端を備える。
【0024】
第2の態様では、空気清浄機の内面またはフィルタ媒体を滅菌するための方法が提供され、前記空気清浄機は、イオナイザと、取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタと、空気流発生器と、前記空気流発生器を制御するための手段と、空気濾過空気流速度を有する第1の空気流設定と、空気清浄機の内面および/または取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタの滅菌と相関する第2の空気流設定とを備える。
【0025】
第3の態様では、取り外し可能なフィルタ媒体と、空気流発生器と、イオナイザとを備える空気清浄機が提供され、前記清浄機は、少なくとも1つの空気流設定と、空気流の非存在下、または、空気流設定と組み合わせて、前記フィルタ媒体が0.1~1.2cm-1の媒体速度の空気流を受けるように前記イオナイザが起動するさらなる設定とを備える。
【0026】
取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、媒体速度として当技術分野で知られている。媒体速度は、空気がフィルタを通って移動する速度である。媒体速度は、粒子の最大量が捕らえられることを確実にするために完全に制御されなければならない。速度が速すぎると、多くの汚染物質が濾過されずに直進する。速度が遅すぎると、清浄機が効果的であるのに十分な速さで部屋の最も遠い隅に到達していない。
【0027】
第4の態様では、取り外し可能なフィルタ媒体と、空気流発生器およびイオナイザと、温度センサと、湿度センサとを備える空気清浄機が提供される。本発明者らは、驚くべきことに、微生物を死滅させるために必要な空気ドラフトが空気濾過に必要な空気ドラフトよりも著しく低いことを見出した。さらに、本発明者らは、表面を空気ドラフトに供し、次いでイオナイザに供し、またはその逆に供しても、滅菌特性が向上することを見出した。
【0028】
好ましくは、空気清浄機は、微粒子フィルタまたはガスフィルタであり得る取り外し可能なフィルタ媒体を備える。
【0029】
好ましくは、取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度(媒体速度)は、フィルタ媒体で測定されて少なくとも0.1cm-1である。フィルタ媒体での測定は、フィルタ媒体表面のファン側の空間中心点から行われる。複数のフィルタ媒体が存在する場合、空気ドラフト測定のために取られる表面は、空気流発生器に最も近く、したがって最初に空気ドラフトを受け取るものである。
【0030】
より好ましくは、取り外し可能なフィルタで測定される空気流速度は、0.1~1.2cm-1である。最も好ましくは、取り外し可能なフィルタで測定される空気流速度は、0.2~1.1cm-1である。
【0031】
好ましくは、滅菌モードにあるとき、空気流発生器は、1秒~10時間の間、空気清浄機の内面および/またはフィルタ媒体の滅菌に見合った空気流を生成する。同様に、滅菌モードにあるとき、空気清浄機は、空気流が存在しない場合に、またはフィルタ媒体で0.1~1.2cm-1と測定されるような低い空気速度のみの存在下で1秒~10時間の間イオン雲を生成する。
【0032】
好ましくは、イオン化(A)および低速空気流(0.1~1.2cm-1、(B))は、排他的に、より好ましくは連続的に実行される。これは、滅菌される表面が最初に空気ドラフトに供され、次いで空気ドラフトが停止されると、表面がイオン化のバーストにさらされることを意味する。同様に、イオン化は、空気ドラフトの前に行われてもよい。
【0033】
また、滅菌される表面が断続的に空気ドラフトとイオン化の両方に供されるように、空気ドラフトとその後のイオン化のシーケンス、またはその逆が繰り返されることが好ましい。
【0034】
好ましくは、(A)は、1分~10時間の持続時間を有する。
【0035】
好ましくは、(B)は、1分~10時間の持続時間を有する。
【0036】
好ましい実施形態では、取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタと、空気流発生器と、前記空気流発生器を制御するための手段と、空気濾過空気流速度を有する第1の空気流設定と、空気清浄機の内面および/または取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタの滅菌と相関する第2の空気流設定と、イオナイザとを備える空気清浄機が提供される。
【0037】
好ましくは、空気清浄機は、内面またはフィルタ媒体を滅菌するための動作可能なモードを備え、それによって空気ドラフトは前記第2の空気流設定に対応し、これはイオン化の期間の前または後のいずれかで起動される。より好ましくは、前記イオン化は、空気流なしで、または前記第2の空気流設定と併せて行われる。
【0038】
本発明者らは、驚くべきことに、適度な空気流量とイオン化処理の組み合わせが微生物の増殖を防止し、周囲空気中に吹き込まれ、またフィルタ交換中に環境中に放出される生きた微生物の有病率を劇的に減少させることができることを見出した。
【0039】
そのような微生物には、グラム陽性菌、グラム陰性菌、胞子、カビおよび真菌、ならびに前記微生物内の任意のウイルスが挙げられる。
【0040】
本発明者らは、驚くべきことに、低速空気ドラフト、次いでイオン化のバースト、またはその逆を提供することによって、空気清浄機の内面、特にフィルタ媒体上の微生物の生存率を劇的に減少させることができることを見出した。清浄機が動作している間、微生物がフィルタ上で増殖および繁殖するリスクは増加しない。しかし、清浄機がアイドルモードまたはスタンバイモードにあり、条件が好ましい場合、微生物は増殖する。
【0041】
本発明の好ましい実施形態では、清浄機は、微生物の増殖を助長する条件の可能性を確認し、そのような条件が存在すると考えられる場合、空気流発生器および/またはイオナイザを作動させ、フィルタ上の微生物、または清浄機の内面上の微生物さえも破壊する。条件が微生物の繁茂を助長するかどうかを評価するための好ましい手段には、湿度センサおよび温度センサが挙げられる。
【0042】
プロセッサは、条件が微生物の増殖を助長すると決定した場合、例えば視覚信号もしくは可聴信号によって、または携帯電話などの遠隔装置に電子的に指示を提供し、それにより空気流発生器および/もしくはイオナイザを用いるべきであることをユーザに通知するか、または本明細書に記載のようにファンもしくはインペラを低速で自動的に作動させ、これは微生物の増殖を防止するか、または微生物を直接破壊するのに十分である。
【0043】
好ましくは、清浄機は、選択肢が以下のいずれかである第1のモードを有する:湿度センサおよび温度センサによって決定された条件が、微生物の増殖がないまたは少ないことが予想されるようなものであるアクションなし;条件が微生物にとって好ましいものであることをユーザにアラートし、ユーザがファンを作動させるオプションを可能にするためのモバイル装置への電子信号によるアラート;および微生物の増殖が起こりそうであり、ファンまたはインペラを作動させることをユーザに強く推奨することをユーザに警告する警告レベル。
【0044】
第2のモードは、温度センサおよび湿度センサからの入力によって指示が決定されるという点で同様に動作することができるが、警告またはアラートの代わりに、微生物の増殖が起こりそうな条件であるときに機械が自動的にオンになる。
【0045】
もちろん、ユーザは、適宜これら2つのモードのうちの1つを選択してもよい。
【0046】
温度センサは当技術分野で公知であり、Sensirionから市販されている。温度センサの適切な例には、STS3xシリーズが挙げられる。
【0047】
湿度センサは当技術分野で公知であり、Sensirionから市販されている。湿度センサの適切な例には、SHT3xシリーズが挙げられる。
【0048】
好ましい実施形態では、前記センサからの入力に基づいて空気流発生器を制御するための手段は、例えばプロセッサによって自動的に行われる。そのような実施形態では、センサは、連続的または断続的に温度および/または湿度を感知し、情報をプロセッサに送り返す。プロセッサは、少なくとも温度または湿度に基づいて、条件が微生物の増殖を助長するかどうかを決定する。好ましくは、プロセッサは、温度および湿度に基づいて、条件が微生物の増殖を助長するかどうかを決定する。より好ましくは、プロセッサは、地理的位置、時刻、週、月もしくは季節、または汚染レベル、ならびに発生する任意の特定の条件、例えばウイルスのパンデミックもしくはブッシュ火災、およびこれらのいずれかの組み合わせなどのパラメータにさらに基づいて、微生物の増殖の可能性を決定する。
【0049】
例えば、アジアでは、湿った季節は典型的にはモンスーンによって定義され、これは夏に発生する。対照的に、欧州および北米の夏は、より乾燥した天候を特徴とする。同様に、半球は異なる季節的特性を有する。
【0050】
好ましくは、地理的位置は、GPSまたは清浄機WIFI能力によって決定される。これはまた、セットアッププロセス中にユーザ入力によって提供されてもよい。
【0051】
清浄機は、内部電源、例えばバッテリー、および外部電源を含む任意の適切な電源によって電力供給される。電力は、モータを駆動するために使用され、モータは、存在する場合、少なくとも空気流発生器およびイオナイザに電力供給する。
【0052】
好ましくは、フィルタ媒体は、炭素、活性炭素、不織布、熱可塑性材料、熱硬化性材料、多孔質発泡体、繊維ガラス、紙、高ロフトのスパンボンドウェブ、低ロフトのスパンボンドウェブ、メルトブローンウェブ、および/または二峰性の繊維直径を有するメルトブローン媒体の少なくとも1つを含む。
【0053】
好ましくは、取り外し可能な微粒子フィルタは、高効率微粒子空気(HEPA)フィルタである。空気清浄機のフィルタ部はその機能の重要な部分であるが、空気清浄機は通常、所定の場所にフィルタを備えて製造されないことを理解されたい。それらは、実際には常に別々に製造され、最も重要なことには、空気清浄機自体の製造業者とは異なる商業企業によって製造されることが多い。フィルタの製造業者が、異なる製造業者によって作製された異なる空気清浄機モデル用のフィルタを製造することも典型的である。微粒子フィルタは、プレフィルタまたは存在する任意のダストフィルタと対比されるべきである。好ましくは、フィルタは、空気清浄機に適用する前に事前に帯電される。
【0054】
プレフィルタは、低い空気抵抗を有し、ユーザがボリュートまたはインペラアセンブリに触れるのを防止するポークガードとしても機能するフィルタである。プレフィルタは、空気清浄に関して大きな効果を示すことを意図していない。それらは、専用の微粒子フィルタの空気抵抗または粒子同伴能力を有さない。好ましくは、プレフィルタは、HEPAフィルタではない。
【0055】
本発明の清浄機はまた、ファンまたはインペラを備える。ファンは、ブレードレスファン、軸流ファンであってもよいが、ラジアルファンであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】一実施形態の断面を示す図である。
図2】イオナイザ構成によって生成されたイオンファイルドが、使用中にイオン流にフィルタをどのように浸すかを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
ここで本発明の実施形態は、以下を参照して説明され、図1は、一実施形態の断面を示す。
【0058】
詳細には、図1は、ハウジング(2)、およびボリュート(4)に収容されたファン(3)を備える空気清浄機(1)を示す。ファン(3)は、その物理的特性または配置を説明しようとすることなく簡略化された形態で示されている。ボリュート(4)は、空気がファン(3)からフィルタ(6)に通過する出口(5)を備える。フィルタ(6)は、それらの上縁(7)で接続されて頂点を形成する。ボリュート出口(5)はまた、フィルタ(6)に向かって延びるイオンファイルド(図示せず)を生成するためのイオンエミッタ(9)およびイオンレシーバ(8)を備える。
【0059】
使用中、空気は、空気流に同伴される大きなアイテムが装置の内部機構に進入してブロックするのを防止する初期フィルタとして作用するが、ポークガードとしても作用するプレフィルタ(12)で固定された空気入口(10)を通って周囲から清浄機内に入る。
【0060】
次いで、空気流がファン(3)によって生成され、空気はボリュートを通過してフィルタ(6)に向かい、そこで清潔にされる。
【0061】
次に、空気は出口(13)を通って出る。同様に、出口(13)もプレフィルタ(11)で固定されている。
【0062】
図2は、イオナイザ構成によって生成されたイオンファイルドが、使用中にイオン流にフィルタをどのように浸すかを示す概略図である。ボリュート(4)およびコロナ放電先端(9)が示されており、コロナ放電先端(9)は、適切な電圧が先端(9)に加えられたときに先端(9)と受け電極(8)との間にイオン流を生成する。
【0063】
イオン雲(20)は、先端(9)から離れて延び、フィルタ(6)を浸し、滅菌効果をもたらす。
【0064】
[実施例1]
以下の実験は、基材、この場合は微粒子フィルタ上の微生物の生存率に対するイオン化のみの影響を評価することを示す。イオン流を放出するために、イオナイザを-5kVにかけた。
【0065】
この実験で基材に加えられた空気流は、0であった。
使用した微生物は黄色ブドウ球菌および緑膿菌であり、バイオフィルムを生成するためのインキュベーション期間は5日間であった。
結果:
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
結論:
イオナイザエミッタが基材に近いほど、微生物の生存率に対する影響が良好である。さらに、約2時間のイオン化のバーストが最も最適に機能する。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2021-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気清浄機内のフィルタ媒体をイオン雲にさらすことによって、記フィルタ媒体を滅菌するための方法。
【請求項2】
前記空気清浄機は、イオン雲を記フィルタ媒体上に生成するように構成されたイオナイザを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イオナイザは、前記フィルタ媒体から15cm以内に配置されたコロナ放電先端を備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記空気清浄機は、取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタと、空気流発生器と、前記空気流発生器を制御するための手段と、空気濾過空気流速度を有する第1の空気流設定と、前記空気清浄機の内面および/または取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタの滅菌と相関する第2の空気流設定とを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
取り外し可能なフィルタ媒体と、空気流発生器と、イオナイザとを備える空気清浄機であって、
少なくとも1つの空気流設定と、
空気流の非存在下、または、空気流設定と組み合わせて、前記フィルタ媒体が0.1~1.2cm-1の空気流を受けるように前記イオナイザが起動するさらなる設定と
を備える、請求項4に記載の空気清浄機。
【請求項6】
取り外し可能なフィルタ媒体と、空気流発生器およびイオナイザと、温度センサと、湿度センサとを備える、請求項4または5に記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記イオナイザは、前記取り外し可能なフィルタ媒体上に配置されている、請求項6に記載の空気清浄機。
【国際調査報告】