(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】アーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器
(51)【国際特許分類】
H01H 9/44 20060101AFI20230426BHJP
H01H 9/34 20060101ALI20230426BHJP
H01H 73/18 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
H01H9/44 A
H01H9/34
H01H73/18 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554438
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(85)【翻訳文提出日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 KR2021002586
(87)【国際公開番号】W WO2021182787
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0031560
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】キム,イルヒョン
【テーマコード(参考)】
5G027
5G030
【Fターム(参考)】
5G027AA03
5G027BA07
5G027BB03
5G027BB07
5G027BC03
5G027BC20
5G030DB01
5G030DB06
5G030DE01
(57)【要約】
アーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器が開示される。本発明の実施例によるアーク消弧部は、内部で磁場を形成する消弧磁石を含む。これによって、発生したアークが気中遮断器の外部に向かう方向で電磁気力を受けるようになり、迅速に移動及び消弧することができる。消弧磁石は磁石ケースに収容される。磁石ケースは、消弧磁石を密閉することができる。よって、消弧磁石は、発生したアークによって損傷することがなくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間し、互いに対向するように配置される複数の支持板;
複数の前記支持板の間に位置し、複数の前記支持板にそれぞれ結合されるグリッド;
前記グリッドの一側に位置し、前記グリッドを覆うグリッドカバー;
前記グリッドの前記一側と反対の他側で、複数の前記支持板の間に位置し、複数の前記支持板にそれぞれ結合される磁石ケース;及び
前記磁石ケースに収容される消弧磁石;を含み、
前記消弧磁石は、複数の前記支持板の間に磁場を形成する、アーク消弧部。
【請求項2】
第1項において、
前記磁石ケースは、
前記グリッドの前記他側に位置する第1収容部;
複数の前記支持板のうちのある1つと結合する第2収容部;及び
複数の前記支持板のうちの他の1つと結合する第3収容部;を含む、アーク消弧部。
【請求項3】
第2項において、
前記第1収容部は、前記第2収容部及び前記第3収容部の間に位置する、アーク消弧部。
【請求項4】
第2項において、
前記第1収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離は、前記第2収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離、又は前記第3収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離よりも長い、アーク消弧部。
【請求項5】
第2項において、
前記第2収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離は、前記第3収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離と同一である、アーク消弧部。
【請求項6】
第2項において、
前記消弧磁石は、
前記第1収容部に収容される第1消弧磁石;
前記第2収容部に収容される第2消弧磁石;及び
前記第3収容部に収容される第3消弧磁石;を含む、アーク消弧部。
【請求項7】
第6項において、
前記第2消弧磁石及び前記第3消弧磁石が互いに対向する各面は同じ極性に磁化(magnetize)し、
前記第1消弧磁石は、前記グリッドに向かう一側面が、前記第2消弧磁石及び前記第3消弧磁石が互いに対向する前記各面と同じ極性に磁化する、アーク消弧部。
【請求項8】
第6項において、
前記第1収容部は、
陥没形成され、前記第1消弧磁石を収容する第1収容溝;及び
前記第1収容溝を覆うように前記第1収容部に備えられる覆い部;を含む、アーク消弧部。
【請求項9】
第6項において、
前記第2収容部は、複数の前記支持板のうちの前記ある1つに向かう一側で陥没形成され、前記第2消弧磁石を収容する第2収容溝を含み、複数の前記支持板のうちの前記ある1つは、前記第2収容溝を覆うように前記第2収容部と結合する、アーク消弧部。
【請求項10】
第6項において、
前記第3収容部は、複数の前記支持板のうちの前記他の1つに向かう一側で陥没形成され、前記第3消弧磁石を収容する第3収容溝を含み、
複数の前記支持板のうちの前記他の1つは、前記第3収容溝を覆うように前記第3収容部と結合する、アーク消弧部。
【請求項11】
第2項において、
前記第2収容部は、複数の前記支持板のうちの前記ある1つと前記グリッドとの間に位置し、
前記第3収容部は、複数の前記支持板のうちの前記他の1つと前記グリッドとの間に位置する、アーク消弧部。
【請求項12】
第1項において、
前記グリッドは複数備えられ互いに離間して一方向に並ぶように配置され、
複数の前記グリッドのうちのある1つ以上のグリッドの他側端部は、前記磁石ケースに結合される、アーク消弧部。
【請求項13】
第12項において、
前記磁石ケースは、前記グリッドに向かう一側面に陥没形成され、複数の前記支持板の間で延びるグリッド結合部を含み、
前記ある1つ以上のグリッドは、前記磁石ケースに向かう前記他側端部が前記グリッド結合部に挿入結合される、アーク消弧部。
【請求項14】
第13項において、
前記グリッド結合部は、その延び方向の両端部が前記グリッドと反対の方向に貫通形成され、
前記ある1つ以上のグリッドは、前記他側端部が前記グリッド結合部の前記両端部に貫通結合される、アーク消弧部。
【請求項15】
第13項において、
前記ある1つ以上のグリッドの幅は、複数の前記グリッドのうちの残りのグリッドの幅よりも小さい、アーク消弧部。
【請求項16】
第13項において、
前記ある1つ以上のグリッドの長さは、複数の前記グリッドのうちの残りのグリッドの長さよりも短い、アーク消弧部。
【請求項17】
固定接点;
前記固定接点に向かう方向又は前記固定接点から離れる方向に移動する可動接点;及び
前記固定接点及び前記可動接点に隣接して位置し、前記固定接点と前記可動接点とが離間して発生したアークを消弧するように構成されるアーク消弧部;を含み、
前記アーク消弧部は、
互いに離間し、互いに対向するように配置される一対の支持板;
複数の前記支持板の間に位置し、一対の前記支持板にそれぞれ結合されるグリッド;
前記グリッドの一側で、一対の前記支持板の間に位置し、複数の前記支持板にそれぞれ結合される磁石ケース;及び
前記磁石ケースに収容され、互いに離間配置される複数の消弧磁石;を含み、
複数の前記消弧磁石は、一対の前記支持板の間に磁場をそれぞれ形成する、気中遮断器。
【請求項18】
第17項において、
前記磁石ケースは、前記グリッドの前記一側に位置する第1収容部;
前記第1収容部の一側から延び、一対の前記支持板のいずれか一方と結合する第2収容部;及び
前記第1収容部の他側から延び、一対の前記支持板のいずれか他方と結合する第3収容部;を含む、気中遮断器。
【請求項19】
第18項において、
前記第2収容部及び前記第3収容部は、前記第1収容部を挟んで互いに対向するように配置される、気中遮断器。
【請求項20】
第18項において、
前記第1収容部と前記固定接点との間の最短距離は、前記第2収容部と前記固定接点との間の最短距離、又は前記第3収容部と前記固定接点との間の最短距離よりも短い、気中遮断器。
【請求項21】
第18項において、
前記消弧磁石は、
前記第1収容部に収容される第1消弧磁石;
前記第2収容部に収容される第2消弧磁石;及び
前記第3収容部に収容される第3消弧磁石;を含み、
前記第2消弧磁石及び前記第3消弧磁石が互いに対向する各面は同じ極性に磁化し、
前記第1消弧磁石は、前記グリッドに向かう一面が、前記第2消弧磁石及び前記第3消弧磁石が互いに対向する各面と同じ極性に磁化する、気中遮断器。
【請求項22】
第18項において、
前記磁石ケースは、前記グリッドと反対の一面で、前記第1収容部に対して傾いて陥没形成されるアーク流入部を含み、
前記アーク流入部は複数備えられ、
複数の前記アーク流入部のうちのある1つは、前記第1収容部と前記第2収容部との間に位置し、
複数の前記アーク流入部のうちの他の1つは、前記第1収容部と前記第3収容部との間に位置する、気中遮断器。
【請求項23】
第17項において、
前記磁石ケースは、前記グリッドに向かう一面で陥没形成され、一対の前記支持板の間で延びるグリッド結合部を含み、
前記グリッドは、前記磁石ケースに向かう一側の端部が前記グリッド結合部に挿入結合される、気中遮断器。
【請求項24】
第23項において、
前記グリッド結合部は、延長方向の各端部が前記グリッドに向かう方向及び前記グリッドと反対の方向に貫通形成され、前記グリッド結合部に挿入結合される前記グリッドの前記一側の端部は、前記グリッド結合部の前記各端部に貫通結合される、気中遮断器。
【請求項25】
第23項において、
前記グリッドは複数備えられ互いに離間して互いに対向するように積層され、
複数の前記グリッドのうちのある1つ以上のグリッドが前記磁石ケースに結合し、
前記ある1つ以上のグリッドが隣接する前記グリッドと対向する面の面積は、複数の前記グリッドのうちの残りのグリッドの面よりも狭い、気中遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器に関し、より具体的には、電流が遮断されて発生したアークを効果的に消弧できるアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
遮断器とは、固定接点及び可動接点の接触及び離間によって、外部との通電を許容又は遮断することができる機器を意味する。遮断器に備えられる固定接点及び可動接点は、それぞれ外部の電源又は負荷と通電可能に連結される。
【0003】
可動接点は、遮断器に移動可能に備えられる。可動接点は、固定接点に向かう方向又は離れる方向に移動し得る。可動接点と固定接点とが接触すると、遮断器は、外部の電源又は負荷と通電可能に連結できる。
【0004】
遮断器に過電流又は異常電流が流れる場合、接触状態にあった可動接点と固定接点とは互いに離間する。このとき、可動接点と固定接点との間で通電していた電流は直ちに消滅せず、アーク(arc)の形に変化して可動接点に沿って伸張(extend)する。
【0005】
アークは、高温高圧の電子の流れと定義できる。よって、発生したアークが遮断器の内部空間で長時間滞留する場合、遮断器の各構成要素が損傷するおそれがある。また、アークが別の処理過程なしに遮断器の外部に排出される場合、ユーザが傷害を負うおそれがある。
【0006】
このため、遮断器にはアークを消弧(extinguish)しながら排出するための消弧装置が備えられていることが一般的である。発生したアークは、消弧装置を通過してアーク圧力が増加することで、移動速度が速くなると共に冷却されて外部に排出することができる。
【0007】
したがって、発生したアークは、アーク消弧装置に迅速に誘導されなければならない。
【0008】
韓国公開特許文献第10-2015-0001499号は、アークエネルギーの活用率を向上させたガス絶縁開閉装置の遮断器を開示する。具体的に、アークエネルギーを用いて消弧ガスの圧力を増加させることで、アーク消弧性能を向上させることができるプッパー(puffer)方式の遮断器を開示する。
【0009】
ところが、このような類型の遮断器は、アークを消弧するための媒質として別途のガスが備えられる遮断器にのみ適用できるという限界がある。すなわち、上記先行文献は、アークを消弧するための媒質としてSF6(Sulfur hexafluoride)を活用する場合にのみ適用可能であり、空気を媒質とする気中遮断器には適用が困難であるという限界がある。
【0010】
韓国公開実用新案文献第20-100000825号は、気中遮断器の限流構造を開示する。具体的に、アークチャンバに一定の間隙を有するように積層され、接点が位置するように誘導溝を形成したグリッドと、グリッドの誘導溝の側壁に設けられたガイドプレートとを含む気中遮断器の限流構造を開示する。
【0011】
ところが、このような類型の遮断器は、ガイドプレートを通じてグリッドに向かってアークを誘導することはできるが、ガイドプレートに流動していないアーク経路の形成に対する方案を提示することができない。すなわち、上記先行文献は、ガイドプレートに隣接していないアーク経路を効果的に形成するための方案に対する考察がないという限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述した問題点を解決することができる構造のアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器を提供することにある。
【0013】
先ず、発生したアークを迅速に消弧及び移動できる構造のアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器を提供することを一の目的とする。
【0014】
また、アークの移動経路に関連する磁場を形成する磁石がアークによって損傷しない構造のアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器を提供することを一の目的とする。
【0015】
また、アークの移動経路に関連する磁場を形成する磁石を備えるために過度な設計変更が求められない構造のアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器を提供することを一の目的とする。
【0016】
また、アークの移動経路に関連する磁場を形成する磁石が備えられても、占有する空間が過度に増加しない構造のアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器を提供することを一の目的とする。
【0017】
また、アークの移動経路に関連する磁場を形成する磁石が複数備えられる場合、各磁石の形成する磁場を強化できる構造のアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器を提供することを一の目的とする。
【0018】
また、磁石が備えられても、発生したアークの消弧経路を確保できる構造のアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器を提供することを一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するため、本発明は、互いに離間し、互いに対向するように配置される複数の支持板;複数の前記支持板の間に位置し、複数の前記支持板にそれぞれ結合されるグリッド;前記グリッドの一側に位置し、前記グリッドを覆うグリッドカバー;前記グリッドの前記一側と反対の他側で、複数の前記支持板の間に位置し、複数の前記支持板にそれぞれ結合される磁石ケース;及び前記磁石ケースに収容される消弧磁石を含み、前記消弧磁石は、複数の前記支持板の間に磁場を形成するアーク消弧部を提供する。
【0020】
また、前記アーク消弧部の前記磁石ケースは、前記グリッドの前記他側に位置する第1収容部;複数の前記支持板のうちのある1つと結合する第2収容部;及び複数の前記支持板のうちの他の1つと結合する第3収容部を含んでもよい。
【0021】
また、前記アーク消弧部の前記第1収容部は、前記第2収容部及び前記第3収容部の間に位置してもよい。
【0022】
また、前記アーク消弧部の前記第1収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離は、前記第2収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離、又は前記第3収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離よりも長くてもよい。
【0023】
また、前記アーク消弧部の前記第2収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離は、前記第3収容部と前記グリッドカバーとの間の最短距離と同一であってもよい。
【0024】
また、前記アーク消弧部の前記消弧磁石は、前記第1収容部に収容される第1消弧磁石;前記第2収容部に収容される第2消弧磁石;及び前記第3収容部に収容される第3消弧磁石を含んでもよい。
【0025】
また、前記アーク消弧部の前記第2消弧磁石及び前記第3消弧磁石が互いに対向する各面は同じ極性に磁化(magnetize)し、前記第1消弧磁石は、前記グリッドに向かう一側面が、前記第2消弧磁石及び前記第3消弧磁石が互いに対向する前記各面と同じ極性に磁化してもよい。
【0026】
また、前記アーク消弧部の前記第1収容部は、陥没形成され、前記第1消弧磁石を収容する第1収容溝;及び前記第1収容溝を覆うように前記第1収容部に備えられる覆い部を含んでもよい。
【0027】
また、前記アーク消弧部の前記第2収容部は、複数の前記支持板のうちの前記ある1つに向かう一側で陥没形成され、前記第2消弧磁石を収容する第2収容溝を含み、複数の前記支持板のうちの前記ある1つは、前記第2収容溝を覆うように前記第2収容部と結合してもよい。
【0028】
また、前記アーク消弧部の前記第3収容部は、複数の前記支持板のうちの前記他の1つに向かう一側で陥没形成され、前記第3消弧磁石を収容する第3収容溝を含み、複数の前記支持板のうちの前記他の1つは、前記第3収容溝を覆うように前記第3収容部と結合してもよい。
【0029】
また、前記アーク消弧部の前記第2収容部は、複数の前記支持板のうちの前記ある1つと前記グリッドとの間に位置し、前記第3収容部は、複数の前記支持板のうちの前記他の1つと前記グリッドとの間に位置してもよい。
【0030】
また、前記アーク消弧部の前記グリッドは複数備えられ互いに離間して一方向に並ぶように配置され、複数の前記グリッドのうちのある1つ以上のグリッドの他側端部は、前記磁石ケースに結合してもよい。
【0031】
また、前記アーク消弧部の前記磁石ケースは、前記グリッドに向かう一側面に陥没形成され、複数の前記支持板の間で延びるグリッド結合部を含み、前記ある1つ以上のグリッドは、前記磁石ケースに向かう前記他側端部が前記グリッド結合部に挿入結合されてもよい。
【0032】
また、前記アーク消弧部の前記グリッド結合部は、その延び方向の両端部が前記グリッドと反対の方向に貫通形成され、前記ある1つ以上のグリッドは、前記他側端部が前記グリッド結合部の前記両端部に貫通結合されてもよい。
【0033】
また、前記アーク消弧部の前記ある1つ以上のグリッドの幅は、複数の前記グリッドのうちの残りのグリッドの幅よりも小さくてもよい。
【0034】
また、前記アーク消弧部の前記ある1つ以上のグリッドの長さは、複数の前記グリッドのうちの残りのグリッドの長さよりも短くてもよい。
【0035】
また、本発明は、固定接点;前記固定接点に向かう方向又は前記固定接点から離れる方向に移動する可動接点;及び前記固定接点及び前記可動接点に隣接して位置し、前記固定接点と前記可動接点とが離間して発生したアークを消弧するように構成されるアーク消弧部を含み、前記アーク消弧部は、互いに離間し、互いに対向するように配置される一対の支持板;複数の前記支持板の間に位置し、一対の前記支持板にそれぞれ結合されるグリッド;前記グリッドの一側で、一対の前記支持板の間に位置し、複数の前記支持板にそれぞれ結合される磁石ケース;及び前記磁石ケースに収容され、互いに離間配置される複数の消弧磁石を含み、複数の前記消弧磁石は、一対の前記支持板の間に磁場をそれぞれ形成する気中遮断器を提供する。
【0036】
また、前記気中遮断器の前記磁石ケースは、前記グリッドの前記一側に位置する第1収容部;前記第1収容部の一側から延び、一対の前記支持板のいずれか一方と結合する第2収容部;及び前記第1収容部の他側から延び、一対の前記支持板のいずれか他方と結合する第3収容部を含んでもよい。
【0037】
また、前記気中遮断器の前記第2収容部及び前記第3収容部は、前記第1収容部を挟んで互いに対向するように配置されてもよい。
【0038】
また、前記気中遮断器の前記第1収容部と前記固定接点との間の最短距離は、前記第2収容部と前記固定接点との間の最短距離、又は前記第3収容部と前記固定接点との間の最短距離よりも短くてもよい。
【0039】
また、前記気中遮断器の前記消弧磁石は、前記第1収容部に収容される第1消弧磁石;前記第2収容部に収容される第2消弧磁石;及び前記第3収容部に収容される第3消弧磁石を含み、前記第2消弧磁石及び前記第3消弧磁石が互いに対向する各面は同じ極性に磁化し、前記第1消弧磁石は、前記グリッドに向かう一面が、前記第2消弧磁石及び前記第3消弧磁石が互いに対向する各面と同じ極性に磁化してもよい。
【0040】
また、前記気中遮断器の前記磁石ケースは、前記グリッドと反対の一面で、前記第1収容部に対して傾いて陥没形成されるアーク流入部を含み、前記アーク流入部は複数形成され、複数の前記アーク流入部のうちのある1つは前記第1収容部と前記第2収容部との間に位置し、複数の前記アーク流入部のうちの他の1つは前記第1収容部と前記第3収容部との間に位置してもよい。
【0041】
また、前記気中遮断器の前記磁石ケースは、前記グリッドに向かう一面で陥没形成され、一対の前記支持板の間で延びるグリッド結合部を含み、前記グリッドは、前記磁石ケースに向かう一側の端部が、前記グリッド結合部に挿入結合されてもよい。
【0042】
また、前記気中遮断器の前記グリッド結合部は、延長方向の各端部が前記グリッドに向かう方向及び前記グリッドと反対の方向に貫通形成され、前記グリッド結合部に挿入結合される前記グリッドの前記一側の端部は、前記グリッド結合部の前記各端部に貫通結合されてもよい。
【0043】
また、前記気中遮断器の前記グリッドは複数備えられ互いに離間して互いに対向するように積層され、複数の前記グリッドのうちのある1つ以上のグリッドが前記磁石ケースに結合し、前記ある1つ以上のグリッドが隣接する前記グリッドと対向する面の面積は、複数の前記グリッドのうちの残りのグリッドの面よりも狭くてもよい。
【発明の効果】
【0044】
本発明の実施例によると、下記のような効果を達成することができる。
【0045】
先ず、アーク消弧部には消弧磁石が備えられる。消弧磁石は、固定接点に向かうグリッドの一側及び各支持板に向かう両側にそれぞれ配置され、互いに離間する。各消弧磁石は、複数のグリッド及びその間に形成される空間に磁場を形成する。各消弧磁石の形成する磁場は、固定接点及び可動接点まで延びてもよい。
【0046】
固定接点及び可動接点が離間して発生したアークは、各消弧磁石が形成する磁場によりアーク消弧部に向かう方向の電磁気力を受けるようになる。よって、アーク経路は、固定接点及び可動接点から、アーク消弧部を通過して外部に排出される方向に形成される。
【0047】
これによって、発生したアークが迅速に消弧及び移動することができる。
【0048】
また、アーク消弧部には磁石ケースが備えられる。磁石ケースは消弧磁石を収容することができる。磁石ケースに収容された消弧磁石は密閉され、外部との連通が遮断される。
【0049】
具体的に、第1消弧磁石は第1収容部に収容される。第1収容部は、第1消弧磁石を収容する第1収容溝、及び第1収容溝を覆う覆い部を含む。
【0050】
第2消弧磁石及び第3消弧磁石は、第2収容部の第2収容溝及び第3収容部の第3収容溝にそれぞれ収容される。第2収容溝及び第3収容溝は、互いに対向する支持板によって覆われる。
【0051】
したがって、各消弧磁石は、アークが流動する気中遮断器の内部空間に露出しない。これによって、各消弧磁石は、発生したアークの熱又は圧力によって損傷することがなくなる。
【0052】
また、各消弧磁石を収容する磁石ケースはアーク消弧部に備えられる。具体的に、磁石ケースは、アーク消弧部に備えられるグリッド及び各支持板に結合される。
【0053】
また、磁石ケースは、複数のグリッドのうち内側、すなわち最も外側に位置する一対のグリッドの間に位置する。また、固定接点に向かって突出する第1収容部は、支持板の一側端部よりも固定接点から遠いように配置される。言い換えると、磁石ケースはアーク消弧部の外部に突出しない。
【0054】
したがって、磁場を形成するための消弧磁石を備えるため、気中遮断器の他の構成要素及び配置方式の設計変更が求められない。
【0055】
さらに、磁石ケースは、アーク消弧部が占有する空間の内部に位置する。
【0056】
したがって、磁石ケースが備えられても、アーク消弧部が占有する空間は過度に増加しない。
【0057】
また、各消弧磁石は、それ自体で形成される副磁場と、各消弧磁石の間に形成される主磁場とを形成する。主磁場は副磁場と同じ方向に形成される。
【0058】
これによって、各消弧磁石の形成する磁場を強化することができる。結果的に、磁場により形成される電磁気力も強化され、アーク経路が効果的に形成されることができる。
【0059】
また、磁石ケースにはアーク流入部が形成される。アーク流入部は、流入されるアークが磁石ケースと結合していないグリッドに向かうように誘導する。また、アーク流入部は、磁石ケースと結合したグリッドの部分のうち、磁石ケースと結合していない部分にアークを誘導する。
【0060】
これによって、磁石ケース及び消弧磁石が備えられても、発生したアークは、グリッドに向かって流動することができる。よって、発生したアークの消弧経路を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】本発明の実施例による気中遮断器を示す斜視図である。
【
図2】
図1の気中遮断器で後面カバーが取り外された状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1の気中遮断器で後面カバーが取り外された状態を示す正面図である。
【
図4】
図1の気中遮断器で後面カバーが取り外された状態を示す平面図である。
【
図5】
図1の気中遮断器で後面カバーが取り外された状態を示す断面図である。
【
図6】
図1の気中遮断器に備えられる永久磁石を示す斜視図である。
【
図7】
図1の気中遮断器に備えられる永久磁石を示す正面図である。
【
図8】
図1の気中遮断器に備えられる変流器ケースを示す分解斜視図である。
【
図10】
図1の気中遮断器に備えられるアーク消弧部の一実施例を示す斜視図である。
【
図11】
図10に示されているアーク消弧部の一実施例を示す正面図である。
【
図12】
図10に示されているアーク消弧部の一実施例を示す平面図である。
【
図13】
図10に示されているアーク消弧部の一実施例を示す側面図である。
【
図14】
図10に示されているアーク消弧部でアークカバー部が取り外された状態を示す斜視図である。
【
図15】
図14に示されているアーク消弧部でメッシュ部が取り外された状態を示す斜視図である。
【
図16】
図14に示されているアーク消弧部でメッシュ部が取り外された状態を示す平面図である。
【
図17】
図15に示されているアーク消弧部で上部磁石部が取り外された状態を示す斜視図である。
【
図18】
図15に示されているアーク消弧部で上部磁石部が取り外された状態を示す平面図である。
【
図19】
図1の気中遮断器に備えられるアーク消弧部の他の実施例を示す斜視図である。
【
図20】
図1の気中遮断器に備えられるアーク消弧部の他の実施例を示す正面図である。
【
図21】
図19に示されているアーク消弧部で支持板が取り外された状態を示す斜視図である。
【
図22】19に示されているアーク消弧部で支持板が取り外された状態を示す正面図である。
【
図23】
図19に示されているアーク消弧部で支持板が取り外された状態を示す底面図である。
【
図24】
図19に示されているアーク消弧部で一部のグリッドが取り外された状態を示す斜視図である。
【
図25】
図19に示されているアーク消弧部で一部のグリッドが取り外された状態を示す正面図である。
【
図26】
図19に示されているアーク消弧部で一部のグリッドが取り外された状態を示す左側面図(a)及び右側面図(b)である。
【
図27】
図19に示されているアーク消弧部に備えられる消弧磁石を示す分解斜視図である。
【
図28】
図19に示されているアーク消弧部に備えられる消弧磁石を他の角度で示す分解斜視図である。
【
図29】
図19に示されているアーク消弧部に備えられる消弧磁石を示す正面図である。
【
図30】
図19に示されているアーク消弧部に備えられる消弧磁石を示す平面図である。
【
図31】本発明の実施例によるフレームで形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の一例を示す正面図である。
【
図32】本発明の実施例によるフレームで形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の一例を示す平面図である。
【
図33】
図10の実施例によるアーク消弧部に形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の一例を示す正面図である。
【
図34】
図10の実施例によるアーク消弧部に形成された磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の他の例を示す断面図である。
【
図35】
図10の実施例によるアーク消弧部に形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の一例を示す正面図である。
【
図36】
図10の実施例によるアーク消弧部に形成された磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の他の例を示す断面図である。
【
図37】
図8の変流器ケース及び
図10の実施例によるアーク消弧部を含む気中遮断器に形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の一例を示す断面図である。
【
図38】
図8の変流器ケース及び
図10の実施例によるアーク消弧部を含む気中遮断器に形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の他の例を示す正面図である。
【
図39】
図8の変流器ケース及び
図10の実施例によるアーク消弧部を含む気中遮断器に形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の一例を示す正面図である。
【
図40】
図8の変流器ケース及び
図10の実施例によるアーク消弧部を含む気中遮断器に形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の一例を示す断面図である。
【
図41】
図19の実施例によるアーク消弧部に形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の一例を示す正面図である。
【
図42】
図19の実施例によるアーク消弧部に形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の一例を示す底面図である。
【
図43】
図19の実施例によるアーク消弧部に形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の他の例を示す正面図である。
【
図44】
図19の実施例によるアーク消弧部で形成される磁場、及びこれによって形成されるアーク経路の他の例を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例によるアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器を詳しく説明する。
【0063】
以下の説明では、本発明の特徴を明確にするために、一部の構成要素についての説明が省略されることがある。
【0064】
1.用語の定義
以下の説明で使用される「通電」という用語は、1つ以上の部材の間に電流又は電気的信号が互いに伝達されることを意味する。
【0065】
以下の説明で使用される「磁石」という用語は、磁性体を磁化するか、又は磁場を発生できる任意の物体を意味する。一実施例において、磁石は永久磁石(permanent magnet)又は電磁石(electromagnet)で備えられてもよい。
【0066】
以下の説明で使用される「気中遮断器(Air Circuit Breaker)」という用語は、空気又は圧縮空気を用いてアークを消弧するように構成される遮断器を意味する。以下で説明される各構成は気中遮断器に適用されることを前提とする。
【0067】
但し、以下で説明される各構成は、空気遮断器、圧縮空気遮断器、ガス遮断器、油遮断器及び真空遮断器などにも適用できる。
【0068】
以下の説明で使用される「主磁場(Main Magnetic Field)」という用語は、互いに隣接して配置される複数の磁石間に形成される磁場を意味する。すなわち、主磁場(M.M.F)は、複数の磁石のうちのある1つの磁石から他の1つの磁石に向かうように形成される磁場を意味する。
【0069】
以下の説明で使用される「副磁場(Sub Magnetic Field)」という用語は、ある1つの磁石そのものによって形成される磁場を意味する。すなわち、副磁場(S.M.F)は、ある1つの磁石の一側面から他側面に向かうように形成される磁場を意味する。
【0070】
以下の説明で使用される「上側」、「下側」、「右側」、「左側」、「前方側」及び「後方側」という用語は、
図1に示されている座標系を通じて理解されるであろう。
【0071】
2.本発明の実施例による気中遮断器(10)の構成の説明
図1ないし
図5を参照すると、本発明の実施例による気中遮断器(10)は、カバー部(100)、駆動部(200)及び遮断部(300)を含む。
【0072】
また、
図6ないし
図30を参照すると、本発明の実施例による気中遮断器(10)は、カバー磁石部(400)、CT(Current Transformer)磁石部(500)、及びアーク消弧部(600、700)を含む。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例による気中遮断器(10)の各構成を説明するが、カバー磁石部(400)、CT磁石部(500)、及びアーク消弧部(600、700)は別項で説明する。
【0073】
(1)カバー部(100)についての説明
図1ないし
図5を参照すると、本発明の実施例による気中遮断器(10)は、カバー部(100)を含む。
【0074】
カバー部(100)は、気中遮断器(10)の外形を形成する。また、カバー部(100)は、内部に空間が形成され、気中遮断器(10)の作動のための各構成要素を実装することができる。
【0075】
すなわち、カバー部(100)は、一種のハウジング(housing)として機能する。
【0076】
カバー部(100)は、高耐熱性、高剛性の素材で形成されてもよい。内部に実装された各構成要素の損傷を防止し、内部で発生したアークによって損傷することを防止するためである。一実施例において、カバー部(100)は、合成樹脂又は強化プラスチックで形成されてもよい。
【0077】
図示の実施例において、カバー部(100)は、上下方向を高さとする四角柱状である。カバー部(100)の形状は、気中遮断器(10)の作動のための構成要素を内部に実装できる任意の形態に備えられてもよい。
【0078】
カバー部(100)の内部空間は外部と通電する。カバー部(100)の内部に実装された各構成要素は、外部の電源又は負荷と通電可能に連結されてもよい。
【0079】
図示の実施例において、カバー部(100)は、上部カバー(110)及び下部カバー(120)を含む。
【0080】
上部カバー(110)は、カバー部(100)の上側を形成する。上部カバー(110)は、下部カバー(120)の上側に位置する。一実施例において、上部カバー(110)と下部カバー(120)とは一体に形成されてもよい。
【0081】
上部カバー(110)の内部には空間が形成される。前記空間には、気中遮断器(10)に備えられる様々な構成要素が実装される。一実施例において、上部カバー(110)の内部空間には、遮断部(300)及びアーク消弧部(600、700)などが実装されてもよい。
【0082】
上部カバー(110)の内部空間は、下部カバー(120)の内部空間と連通する。遮断部(300)などの構成要素は、上部カバー(110)の内部空間及び下部カバー(120)の内部空間にわたって収容されてもよい。
【0083】
上部カバー(110)の一側、図示の実施例における上側面にはアーク消弧部(600、700)が位置する。アーク消弧部(600、700)は、上部カバー(110)の上側面で部分的に露出してもよい。上部カバー(110)の内部空間で発生したアークは、アーク消弧部(600、700)を通過して消弧し、気中遮断器(10)の外部に排出されてもよい。
【0084】
上部カバー(110)の他側、図示の実施例における前方側には、遮断部(300)の固定接点台(310)が露出する。固定接点台(310)は、前記露出した部分を通じて外部の電源又は負荷と通電可能に連結されてもよい。
【0085】
図示の実施例において、上部カバー(110)は、第1上部カバー(111)及び第2上部カバー(112)を含む。
【0086】
第1上部カバー(111)は、気中遮断器(10)の上側の一側、図示の実施例における前方側を覆うように構成される。第1上部カバー(111)は、任意の締結手段によって第2上部カバー(112)と結合する。
【0087】
第1上部カバー(111)には開口部が形成される。前記開口部を通じて固定接点台(310)が外部に露出してもよい。図示の実施例において、前記開口部は左右方向に3つ形成される。
【0088】
第1上部カバー(111)には、カバー磁石部(400)が配置されてもよい。カバー磁石部(400)は、複数のアーク消弧部(600、700)が互いに離間して配置される方向に配置されてもよい。
【0089】
第2上部カバー(112)は、気中遮断器(10)の上側の他側、図示の実施例における後方側を覆うように構成される。第2上部カバー(112)は、任意の締結手段によって第1上部カバー(111)と結合する。
【0090】
第2上部カバー(112)には、カバー磁石部(400)が配置されてもよい。上述したように、第1上部カバー(111)にもカバー磁石部(400)が配置されてもよい。すなわち、第1上部カバー(111)及び第2上部カバー(112)のいずれか一方にカバー磁石部(400)が配置されてもよい。
【0091】
下部カバー(120)は、カバー部(100)の下側を形成する。下部カバー(120)は、上部カバー(110)の下側に位置する。
【0092】
下部カバー(120)の内部には空間が形成される。前記空間には、気中遮断器(10)に備えられる様々な構成要素が実装される。一実施例において、下部カバー(120)の内部空間には駆動部(200)及び遮断部(300)などが実装されてもよい。
【0093】
下部カバー(120)の内部空間は、上部カバー(110)の内部空間と連通する。遮断部(300)などの構成要素は、下部カバー(120)の内部空間及び上部カバー(110)の内部空間にわたって収容されてもよい。
【0094】
下部カバー(120)の一側、図示の実施例における前方には遮断部(300)の可動接点台(320)が位置する。可動接点台(320)は、下部カバー(120)に形成された開口部を通じて外部に露出してもよい。可動接点台(320)は、前記露出した部分を通じて外部の電源又は負荷と通電可能に連結されてもよい。
【0095】
下部カバー(120)の前記開口部、すなわち可動接点台(320)が露出する開口部には、後述のCT磁石部(500)が結合される。これについての詳細な説明は後述する。
【0096】
(2)駆動部(200)についての説明
図1ないし
図5を参照すると、本発明の実施例による気中遮断器(10)は駆動部(200)を含む。
【0097】
駆動部(200)は、遮断部(300)の固定接点(311)と可動接点(321)とが離間することによって回転し、トリップ動作(trip mechanism)を行う。これによって、気中遮断器(10)は、外部との通電を遮断することができ、ユーザは通電を遮断するための動作が行われたことを認知することができる。
【0098】
駆動部(200)は、気中遮断器(10)の内部に収容される。具体的に、駆動部(200)は、カバー部(100)の内部の空間に部分的に収容される。また、駆動部(200)の残りの部分は、図面符号が付与されていない、カバー部(100)の一側(図示の実施例における後方側)に備えられるケースの内部に収容される。
【0099】
駆動部(200)は遮断部(300)と連結される。具体的に、駆動部(200)のクロスバー(220)は、遮断部(300)の可動接点台(320)の回転によって共に回転するように構成される。
【0100】
したがって、遮断部(300)の可動接点台(320)が回転移動すると、駆動部(200)が共に回転することができる。駆動部(200)は、気中遮断器(10)の内部に回転可能に収容される。
【0101】
図示の実施例において、駆動部(200)は、シューター(210)、クロスバー(220)、及びレバー(230)を含む。
【0102】
シューター(210)は、遮断部(300)の可動接点台(320)が固定接点台(310)から離れる方向に回転することによって共に回転する。シューター(210)は、クロスバー(220)及びレバー(230)と連結される。
【0103】
具体的に、シューター(210)は、クロスバー(220)によって一側端部が拘束される。シューター(210)の他側端部には弾性部材が備えられる。これによって、固定接点(311)と可動接点(321)とが接触した状態で、シューター(210)は前記弾性部材を加圧して復元力を貯蔵する。上記加圧のための外力は、クロスバー(220)が固定接点台(310)に向かって回転した状態によって提供されてもよい。
【0104】
可動接点(321)が固定接点(311)から離間すると、可動接点台(320)は、固定接点台(310)から離れる方向に回転する。これによって、クロスバー(220)も回転し、シューター(210)の一側端部が解放されて前記弾性部材によって提供された復元力によって回転する。
【0105】
シューター(210)はレバー(230)と連結される。シューター(210)が回転してレバー(230)を打つと、レバー(230)も回転してトリップ動作が行われることができる。
【0106】
クロスバー(220)は、可動接点台(320)と連結され、可動接点台(320)が回転することによって共に回転する。これによって、クロスバー(220)に拘束されたシューター(210)が解放され、トリップ動作が行われることができる。
【0107】
クロスバー(220)は、複数の遮断部(300)の間で延びてもよい。図示の実施例において、遮断部(300)の可動接点台(320)は計3つ備えられ、左右方向に配置される。クロスバー(220)は、左右方向に配置される複数の可動接点台(320)を貫通して連結されてもよい。
【0108】
クロスバー(220)は、シューター(210)の前記一側端部と接触して、シューター(210)を拘束する。クロスバー(220)が可動接点台(320)と共に回転すると、クロスバー(220)は、シューター(210)の前記一側端部を解放する。
【0109】
レバー(230)は、回転するシューター(210)によって打たれて回転することができる。レバー(230)は、気中遮断器(10)の外側に部分的に露出してもよい。遮断部(300)によってトリップ動作が行われると、レバー(230)は既設定の方向に回転する。
【0110】
これによって、ユーザは、トリップ動作が行われたことを容易に認知することができる。また、ユーザは、レバー(230)を回転操作することで気中遮断器(10)を再度通電可能な状態に調整することができる。
【0111】
駆動部(200)によってトリップ動作が行われる過程は周知の技術であるため、これについての詳細な説明は省略する。
【0112】
(3)遮断部(300)についての説明
図1ないし
図5を参照すると、本発明の実施例による気中遮断器(10)は遮断部(300)を含む。
【0113】
遮断部(300)は、互いに離間又は接触する固定接点台(310)及び可動接点台(320)を含む。固定接点台(310)と可動接点台(320)とが互いに接触すると、気中遮断器(10)は外部の電源又は負荷と通電することができる。固定接点台(310)と可動接点台(320)とが離間すると、気中遮断器(10)は外部の電源又は負荷と通電が遮断される。
【0114】
遮断部(300)は、気中遮断器(10)の内部に収容される。具体的に、遮断部(300)は、カバー部(100)の内部空間に回転可能に収容される。
【0115】
遮断部(300)は外部と通電することができる。一実施例において、固定接点台(310)及び可動接点台(320)のいずれか一方には、外部の電源又は負荷から電流が流入し得る。また、固定接点台(310)及び可動接点台(320)のいずれか他方から外部の電源又は負荷に電流が流出し得る。
【0116】
遮断部(300)は、気中遮断器(10)の外部に部分的に露出してもよい。これによって、遮断部(300)は、導線(図示せず)などの部材を通じて外部の電源又は負荷と通電可能に連結され得る。
【0117】
遮断部(300)は複数備えられてもよい。複数の遮断部(300)は、互いに一方向に離間して配置されてもよい。各遮断部(300)の間には、各遮断部(300)に通電する電流間の干渉を防止するための隔壁が備えられてもよい。
【0118】
図示の実施例において、遮断部(300)は3つ備えられる。また、3つの遮断部(300)は、気中遮断器(10)の左右方向に互いに離間して配置される。これは、本発明の実施例による気中遮断器(10)に、R相、S相及びT相、又はU相、V相及びW相などの三相電流が通電することに基づく。
【0119】
遮断部(300)の数は、気中遮断器(10)に通電する電流の相の数によって変わり得る。
【0120】
図示の実施例において、遮断部(300)は、固定接点台(310)及び可動接点台(320)を含む。
【0121】
固定接点台(310)は、可動接点台(320)と接触又は離間してもよい。固定接点台(310)に可動接点台(320)が接触すると、気中遮断器(10)は外部の電源又は負荷と通電することができる。固定接点台(310)と可動接点台(320)とが離間すると、気中遮断器(10)は外部の電源又は負荷と通電が遮断される。
【0122】
名称より分かるように、固定接点台(310)は、カバー部(100)に固定設置される。よって、固定接点台(310)と可動接点台(320)との接触及び離間は、可動接点台(320)の回転によって達成される。
【0123】
図示の実施例において、固定接点台(310)は、上部カバー(110)の内部空間に収容される。
【0124】
固定接点台(310)は、気中遮断器(10)の外部に部分的に露出してもよい。前記露出した部分を通じて、固定接点台(310)は、外部の電源又は負荷と通電可能に連結され得る。
【0125】
図示の実施例において、固定接点台(310)は、上部カバー(110)の前方側に形成される開口部を通じて外部に露出する。
【0126】
固定接点台(310)は、電気伝導性を有する素材で形成されてもよい。一実施例において、固定接点台(310)は、銅(Cu)又は鉄(Fe)、及びこれらを含む合金素材で形成されてもよい。
【0127】
図示の実施例において、固定接点台(310)は固定接点(311)を含む。
【0128】
固定接点(311)は、可動接点(321)と接触又は離間してもよい。固定接点(311)は、可動接点台(320)に向かう固定接点台(310)の一側、図示の実施例における後方側に位置する。
【0129】
固定接点(311)は、固定接点台(310)と通電する。図示の実施例において、固定接点(311)は、固定接点台(310)の前記後方側に位置する。一実施例において、固定接点(311)は、固定接点台(310)と一体に形成されてもよい。
【0130】
固定接点(311)と可動接点(321)とが接触すると、気中遮断器(10)は外部の電源又は負荷と通電可能に連結される。また、固定接点(311)が可動接点(321)と離間すると、気中遮断器(10)は外部の電源又は負荷と通電が遮断される。
【0131】
可動接点台(320)は、固定接点台(310)と接触又は離間してもよい。可動接点台(320)と固定接点台(310)との接触及び離間によって、気中遮断器(10)が外部の電源又は負荷と通電するか又は通電が遮断されることは上述したとおりである。
【0132】
可動接点台(320)は、カバー部(100)の内部空間に回転可能に設けられる。可動接点台(320)は、固定接点台(310)に向かう方向及び固定接点台(310)から離れる方向に回転することができる。
【0133】
図示の実施例において、可動接点台(320)は、上部カバー(110)及び下部カバー(120)の内部空間に収容される。上部カバー(110)及び下部カバー(120)の各内部空間が互いに連通可能なことは上述したとおりである。
【0134】
可動接点台(320)は、気中遮断器(10)の外部に部分的に露出してもよい。前記露出した部分を通じて、可動接点台(320)は、外部の電源又は負荷と通電可能に連結され得る。
【0135】
図示の実施例において、可動接点台(320)は、下部カバー(120)の前方側に形成される開口部を通じて外部に露出する。
【0136】
前記開口部は、後述のCT磁石部(500)に覆われてもよい。これによって、可動接点台(320)が外部の電源又は負荷と通電する部分を除いては、前記開口部は閉鎖されてもよい
【0137】
可動接点台(320)は、電気伝導性を有する素材で形成されてもよい。一実施例において、可動接点台(320)は、銅又は鉄、及びこれらを含む合金素材で形成されてもよい。
【0138】
可動接点台(320)は駆動部(200)と連結される。具体的に、可動接点台(320)は、駆動部(200)のクロスバー(220)と連結される。一実施例において、可動接点台(320)にはクロスバー(220)が貫通結合されてもよい。
【0139】
可動接点台(320)が回転すると、クロスバー(220)も回転することができる。これによって、駆動部(200)が作動してトリップ動作が行われることができることは上述したとおりである。
【0140】
図示の実施例において、可動接点台(320)は、可動接点(321)及び回転軸(322)を含む。
【0141】
可動接点(321)は、固定接点(311)と接触又は離間してもよい。可動接点(321)は、固定接点台(310)に向かう可動接点台(320)の一側、図示の実施例における前方側に位置する。
【0142】
可動接点(321)は、可動接点台(320)と共に回転することができる。可動接点台(320)が固定接点台(310)に向かって回転すると、可動接点(321)も固定接点(311)に向かって回転して固定接点(311)と接触することができる。
【0143】
また、可動接点台(320)が固定接点台(310)から離れる方向に回転すると、可動接点(321)も固定接点(311)から離間し得る。
【0144】
可動接点(321)は、可動接点台(320)と通電する。図示の実施例において、可動接点(321)は、可動接点台(320)の前記前方側に位置する。一実施例において、可動接点(321)は、可動接点台(320)と一体に形成されてもよい。
【0145】
可動接点(321)と固定接点(311)との接触及び離間によって、気中遮断器(10)が外部の電源又は負荷と通電するか又は通電が遮断されることは上述したとおりである。
【0146】
固定接点(311)及び可動接点(321)が互いに接触して通電する状態で、固定接点(311)及び可動接点(321)が離間するとアークが発生する。本発明の実施例による気中遮断器(10)は、発生したアーク経路を効果的に形成するための様々な構成を含む。これについての詳細な説明は後述する。
【0147】
回転軸(322)は、可動接点台(320)がカバー部(100)に回転可能に結合される部分である。可動接点台(320)は、回転軸(322)を中心に固定接点台(310)に向かう方向、又は固定接点台(310)から離れる方向に回転することができる。
【0148】
回転軸(322)は、固定接点台(310)と反対の可動接点台(320)の他側、図示の実施例における後方側に位置する。
【0149】
3.本発明の実施例によるカバー磁石部(400)についての説明
図6ないし
図7を参照すると、本発明の実施例による気中遮断器(10)はカバー磁石部(400)を含む。
【0150】
カバー磁石部(400)は磁場を形成する。前記磁場により、アーク消弧部(600、700)で発生するアークが流動する経路であるアーク経路(A.P)が形成されてもよい。
【0151】
カバー磁石部(400)は、磁場を形成できる任意の形態に備えられてもよい。一実施例において、カバー磁石部(400)は、永久磁石又は電磁石などで備えられてもよい。
【0152】
カバー磁石部(400)は、気中遮断器(10)の上部カバー(110)に結合される。カバー磁石部(400)は、複数のアーク消弧部(600、700)の間及びその外側にそれぞれ位置する。
【0153】
図示の実施例において、複数のアーク消弧部(600、700)は、それぞれ複数の固定接点(311)に隣接して位置する。
【0154】
一実施例において、カバー磁石部(400)は、複数の固定接点(311)よりもアーク消弧部(600、700)にさらに隣接して配置されてもよい。すなわち、カバー磁石部(400)は、上下方向で、固定接点(311)とアーク消弧部(600、700)との間に位置してもよい。
【0155】
図示の実施例において、カバー磁石部(400)は、一側が第2上部カバー(112)に結合し、他側が第1上部カバー(111)に向かって延びる。すなわち、カバー磁石部(400)は前後方向に延びる。
【0156】
上記実施例において、第1上部カバー(111)には、カバー磁石部(400)を収容するための収容溝が陥没形成されてもよい。
【0157】
或いは、カバー磁石部(400)は、第1上部カバー(111)に結合し、第2上部カバー(112)に向かって延びてもよい。すなわち、カバー磁石部(400)は、第1上部カバー(111)及び第2上部カバー(112)のいずれか一方に結合してもよい。
【0158】
上記実施例において、第2上部カバー(112)には、カバー磁石部(400)を収容するための収容溝が陥没形成されてもよい。
【0159】
すなわち、第1上部カバー(111)及び第2上部カバー(112)には、カバー磁石部(400)の一部及び残りの一部を収容するための収容溝がそれぞれ形成される。
【0160】
これによって、カバー磁石部(400)が上部カバー(110)に結合されると、カバー磁石部(400)は外部に露出しない。よって、カバー磁石部(400)は、発生したアークによって損傷することがなくなる。
【0161】
カバー磁石部(400)は複数備えられてもよい。複数のカバー磁石部(400)は互いに離間して配置されてもよい。図示の実施例において、カバー磁石部(400)は4つ備えられる。
【0162】
各カバー磁石部(400)は、並ぶように配置されたアーク消弧部(600、700)の各外側、及び各アーク消弧部(600、700)の間にそれぞれ配置されてもよい。
【0163】
図示の実施例において、カバー磁石部(400)は、第1カバー磁石(410)、第2カバー磁石(420)、第3カバー磁石(430)、及び第4カバー磁石(440)を含む。
【0164】
第1カバー磁石(410)は、複数のアーク消弧部(600、700)の外側に位置する。図示の実施例において、複数のアーク消弧部(600、700)は、左右方向に並ぶように配置される。
【0165】
第1カバー磁石(410)は、複数のアーク消弧部(600、700)のうち、最も左側に位置するアーク消弧部(600、700)の外側(すなわち、左側)に位置する。第1カバー磁石(410)は、複数のアーク消弧部(600、700)のうち、最も左側に位置するアーク消弧部(600、700)の外側(すなわち、左側)を部分的に覆うように構成される。
【0166】
第1カバー磁石(410)は、第2カバー磁石(420)と主磁場(M.M.F)を形成することができる。また、第1カバー磁石(410)は、それ自体で副磁場(S.M.F)を形成することができる。
【0167】
第1カバー磁石(410)は、第1面(411)及び第2面(412)を含む。
【0168】
第1面(411)は、第1カバー磁石(410)の面のうち、アーク消弧部(600、700)のグリッドカバー(630、730)に向かう一側面と定義される。図示の実施例において、第1面(411)は、第1カバー磁石(410)の上側面を形成する。
【0169】
第2面(412)は、第1カバー磁石(410)の面のうち、アーク消弧部(600、700)のグリッドカバー(630、730)と反対の他側面と定義される。図示の実施例において、第2面(412)は、第1カバー磁石(410)の下側面を形成する。
【0170】
第1面(411)と第2面(412)とは、互いに対向するように配置される。言い換えると、第1面(411)と第2面(412)とは、互いに対向する第1カバー磁石(410)の一側及び他側面である。
【0171】
第1面(411)はS極に磁化(magnetize)してもよい。また、第2面(412)はN極に磁化してもよい。
【0172】
すなわち、第1面(411)と第2面(412)とは互いに反対極性に磁化する。これによって、第1面(411)及び第2面(412)との間には副磁場(S.M.F)が形成され得る。
【0173】
第2カバー磁石(420)は、複数のアーク消弧部(600、700)の間のいずれか1つに位置する。図示の実施例において、第2カバー磁石(420)は、複数のアーク消弧部(600、700)のうち、最も左側に位置するアーク消弧部(600、700)、及び中央に位置するアーク消弧部(600、700)の間に位置する。
【0174】
第2カバー磁石(420)は、複数のアーク消弧部(600、700)のうち、最も左側に位置するアーク消弧部(600、700)の内側(すなわち、右側)、及び中央に位置するアーク消弧部(600、700)の一内側(すなわち、左側)を部分的に覆うように構成される。
【0175】
第2カバー磁石(420)は、第1カバー磁石(410)及び第3カバー磁石(430)と主磁場(M.M.F)を形成することができる。また、第2カバー磁石(420)は、それ自体で副磁場(S.M.F)を形成することができる。
【0176】
第2カバー磁石(420)は、第1面(421)及び第2面(422)を含む。
【0177】
第1面(421)は、第2カバー磁石(420)の面のうち、アーク消弧部(600、700)のグリッドカバー(630、730)に向かう一側面と定義される。図示の実施例において、第1面(421)は、第2カバー磁石(420)の上側面を形成する。
【0178】
第2面(422)は、第2カバー磁石(420)の面のうち、アーク消弧部(600、700)のグリッドカバー(630、730)と反対の他側面と定義される。図示の実施例において、第2面(422)は、第2カバー磁石(420)の下側面を形成する。
【0179】
第1面(421)と第2面(422)とは、互いに対向するように配置される。言い換えると、第1面(421)と第2面(422)とは、互いに対向する第2カバー磁石(420)の一側及び他側面である。
【0180】
第1面(421)はS極に磁化(magnetize)してもよい。また、第2面(422)はN極に磁化してもよい。すなわち、第1面(421)と第2面(422)とは互いに反対極性に磁化する。これによって、第1面(421)及び第2面(422)の間には副磁場(S.M.F)が形成され得る。
【0181】
第3カバー磁石(430)は、複数のアーク消弧部(600、700)の間のうちの他の1つに位置する。具体的に、第3カバー磁石(430)は、複数のアーク消弧部(600、700)のうち、中央に位置するアーク消弧部(600、700)及び最も右側に位置するアーク消弧部(600、700)の間に位置する。
【0182】
第3カバー磁石(430)は、複数のアーク消弧部(600、700)のうち、中央に位置するアーク消弧部(600、700)の他の内側(すなわち、右側)、及び最も左側に位置するアーク消弧部(600、700)の内側(すなわち、左側)を部分的に覆うように構成される。
【0183】
第3カバー磁石(430)は、第2カバー磁石(410)及び第4カバー磁石(440)と主磁場(M.M.F)を形成することができる。また、第3カバー磁石(430)は、それ自体で副磁場(S.M.F)を形成することができる。
【0184】
第3カバー磁石(430)は、第1面(431)及び第2面(432)を含む。
【0185】
第1面(431)は、第3カバー磁石(430)の面のうち、アーク消弧部(600、700)のグリッドカバー(630、730)に向かう一側面と定義される。図示の実施例において、第1面(431)は、第3カバー磁石(430)の上側面を形成する。
【0186】
第2面(432)は、第3カバー磁石(430)の面のうち、アーク消弧部(600、700)のグリッドカバー(630、730)と反対の他側面と定義される。図示の実施例において、第2面(432)は、第3カバー磁石(430)の下側面を形成する。
【0187】
第1面(431)と第2面(432)とは、互いに対向するように配置される。言い換えると、第1面(431)と第2面(432)とは、互いに対向する第3カバー磁石(430)の一側及び他側面である。
【0188】
第1面(431)はS極に磁化(magnetize)してもよい。また、第2面(432)はN極に磁化してもよい。すなわち、第1面(431)と第2面(432)とは互いに反対極性に磁化する。これによって、第1面(431)及び第2面(432)の間には副磁場(S.M.F)が形成され得る。
【0189】
第4カバー磁石(440)は、複数のアーク消弧部(600、700)のうち、最も右側に位置するアーク消弧部(600、700)の外側(すなわち、右側)に位置する。第4カバー磁石(440)は、複数のアーク消弧部(600、700)のうち、最も右側に位置するアーク消弧部(600、700)の外側(すなわち、右側)を部分的に覆うように構成される。
【0190】
第4カバー磁石(440)は、第3カバー磁石(430)と主磁場(M.M.F)を形成することができる。また、第4カバー磁石(440)は、それ自体で副磁場(S.M.F)を形成することができる。
【0191】
第4カバー磁石(440)は、第1面(441)及び第2面(442)を含む。
【0192】
第1面(441)は、第4カバー磁石(440)の面のうち、アーク消弧部(600、700)のグリッドカバー(630、730)に向かう一側面と定義される。図示の実施例において、第1面(441)は、第4カバー磁石(440)の上側面を形成する。
【0193】
第2面(442)は、第4カバー磁石(440)の面のうち、アーク消弧部(600、700)のグリッドカバー(630、730)と反対の他側面と定義される。図示の実施例において、第2面(442)は、第4カバー磁石(440)の下側面を形成する。
【0194】
第1面(441)と第2面(442)とは、互いに対向するように配置される。言い換えると、第1面(441)と第2面(442)とは、互いに対向する第4カバー磁石(440)の一側及び他側面である。
【0195】
第1面(441)はS極に磁化(magnetize)してもよい。また、第2面(442)はN極に磁化してもよい。すなわち、第1面(441)と第2面(442)とは、互いに反対極性に磁化する。これによって、第1面(441)及び第2面(442)の間には副磁場(S.M.F)が形成され得る。
【0196】
第2カバー磁石(420)は、第1カバー磁石(410)及び第4カバー磁石(440)に比べて厚い厚さを有するように形成されてもよい。上述したように、第2カバー磁石(420)は、第1カバー磁石(410)及び第3カバー磁石(430)と主磁場(M.M.F)を形成でき、これは十分な磁力を確保するためである。
【0197】
同様に、第3カバー磁石(430)も第1カバー磁石(410)及び第4カバー磁石(440)に比べて厚い厚さを有するように形成されてもよい。上述したように、第3カバー磁石(430)は、第2カバー磁石(420)及び第4カバー磁石(440)と主磁場(M.M.F)を形成でき、これは十分な磁力を確保するためである。
【0198】
一実施例において、第3カバー磁石(430)と第2カバー磁石(420)とは、同じ厚さを有するように形成されてもよい。また、第1カバー磁石(410)と第4カバー磁石(440)とは、同じ厚さを有するように形成されてもよい。
【0199】
本実施例において、カバー磁石部(400)は、上部カバー(110)に直接結合される。これによって、気中遮断器(10)の組み立て便宜性が向上し得る。
【0200】
また、本実施例によるカバー磁石部(400)が備えられることによって、発生したアークがアーク消弧部(600、700)に向かって効果的に流動することができる。これは、カバー磁石部(400)が形成する主磁場(M.M.F)及び副磁場(S.M.F)によって達成される。これについての詳細な説明は後述する。
【0201】
4.本発明の実施例によるCT(Current Transformer)磁石部(500)についての説明
図1、
図8及び
図9を参照すると、本発明の実施例による気中遮断器(10)はCT磁石部(500)を含む。
【0202】
CT磁石部(500)は、可動接点台(320)が部分的に露出する下部カバー(120)の開口部を覆うように下部カバー(120)に脱着可能に結合してもよい。
【0203】
また、CT磁石部(500)は、内部にCT磁石(530)を含み、アーク経路(A.P)を形成するための磁場を形成する。
【0204】
CT磁石部(500)は複数備えられてもよい。図示の実施例において、可動接点台(320)及び下部カバー(120)の前記開口部は3つ備えられる。これによって、CT磁石部(500)も3つ備えられてもよい。
【0205】
CT磁石部(500)の内部には空間が形成される。前記空間にはCT磁石(530)が収容されてもよい。気中遮断器(10)に通電する電流が交流の場合、前記空間には変流(Current Transformer)のための各種構成要素を実装することができる。
【0206】
以下では、本発明の実施例による気中遮断器(10)に直流電流が通電することを前提として説明する。
【0207】
図示の実施例において、CT磁石部(500)は、ケース(510)、空間部(520)、CT磁石(530)、及び覆い部(540)を含む。
【0208】
ケース(510)はCT磁石部(500)の外形を形成する。ケース(510)は、下部カバー(120)に脱着可能に結合し、下部カバー(120)の前記開口部を覆うように構成される。
【0209】
ケース(510)の内部には空間部(520)が形成される。前記空間部(520)にはCT磁石(530)が収容されてもよい。上述したように、気中遮断器(10)に交流電流が通電する実施例では、前記空間部(520)に変流のための各種構成要素が実装されてもよい。
【0210】
一方、気中遮断器(10)に直流電流が通電する実施例では、変流のための構成要素が求められない。このため、前記空間部(520)にCT磁石(530)が収容される実施例は、気中遮断器(10)に直流電流が通電する場合であることが理解されるであろう。
【0211】
ケース(510)の内部には開口部が形成される。前記開口部は、下部カバー(120)の開口部と連通する。前記開口部を通じて、可動接点台(320)は外部に露出し得る。
【0212】
空間部(520)は、ケース(510)の内部に形成された空間である。空間部(520)は、ケース(510)の外面及び内面に取り囲まれた空間と定義できる。
【0213】
空間部(520)にはCT磁石(530)が収容される。上記実施例は、気中遮断器(10)に交流電流が通電する場合であることは上述したとおりである。
【0214】
空間部(520)は開放形成された開放部を含む。前記開放部は、カバー部(100)と反対する空間部(520)の一側、図示の実施例における前方側に形成される。前記開放部は覆い部(540)によって閉鎖されてもよい
【0215】
図示の実施例において、空間部(520)は、ケース(510)の内部に形成された開口部を取り囲み、ケース(510)の外面に取り囲まれる空間と定義される。
【0216】
空間部(520)には、ケース(510)をカバー部(100)に結合するための締結部材(図示せず)が収容されてもよい。また、空間部(520)には、覆い部(540)をケース(510)に結合するための締結部材が収容されてもよい。
【0217】
CT磁石(530)は磁場を形成する。前記磁場により、アーク消弧部(600、700)で発生するアークが流動する経路であるアーク経路(A.P)が形成されてもよい。
【0218】
具体的に、CT磁石(530)は、アーク消弧部(600、700)からCT磁石(530)に向かう方向の磁場、又はCT磁石(530)からアーク消弧部(600、700)に向かう方向の磁場を形成する。
【0219】
これによって、発生したアークは、アーク消弧部(600、700)に備えられるグリッド(720)の両側に向かう方向の電磁気力を受けるようになる。よって、アーク経路(A.P)がグリッド(720)の両側に形成された尖頭(peak)に向かうように形成され、アークが効果的にアーク消弧部(600、700)に流動することができる。
【0220】
CT磁石(530)は、磁場を形成できる任意の形態に備えられてもよい。一実施例において、CT磁石(530)は、永久磁石又は電磁石などで備えられてもよい。
【0221】
CT磁石(530)は、ケース(510)に結合される。具体的に、CT磁石(530)は、ケース(510)の内部に形成された空間部(520)に収容される。CT磁石(530)は、カバー部(100)に向かうケース(510)の一面、図示の実施例における後方側面に結合される。
【0222】
一実施例において、CT磁石(530)は、ケース(510)の開口部を取り囲む面にも結合されてもよい。上記実施例において、CT磁石(530)は、ケース(510)にさらに安定して結合し得る。
【0223】
図示の実施例において、CT磁石(530)は、ケース(510)の開口部の上側に位置する。言い換えると、CT磁石(530)は、ケース(510)の開口部と、アーク消弧部(600、700)との間に位置する。
【0224】
或いは、CT磁石(530)は、ケース(510)の開口部の下側に位置してもよい。すなわち、CT磁石(530)は、ケース(510)の開口部がCT磁石(530)とアーク消弧部(600、700)との間に位置するように配置されてもよい。この場合、CT磁石(530)とアーク消弧部(600、700)との間の距離が増加するため、CT磁石(530)の磁気力が増加することが好ましい。
【0225】
結合したCT磁石(530)の任意分離及び揺動を防止するため、ネジ又はフレームなどの固定部材(図示せず)が備えられてもよい。
【0226】
CT磁石(530)は、第1面(531)及び第2面(532)を含む。
【0227】
第1面(531)は、CT磁石(530)の面のうち、アーク消弧部(600、700)に向かう一側面と定義できる。図示の実施例において、アーク消弧部(600、700)はCT磁石(530)の上側に位置する。
【0228】
これによって、第1面(531)は、CT磁石(530)の上側面と定義できる。
【0229】
第2面(532)は、CT磁石(530)の面のうち、アーク消弧部(600、700)と反対の一側面と定義できる。言い換えると、第2面(532)は、CT磁石(530)の下側面と定義できる。
【0230】
第1面(531)と第2面(532)とは、互いに対向するように配置される。言い換えると、第1面(531)と第2面(532)とは、互いに対向するCT磁石(530)の一側及び他側面である。
【0231】
第1面(531)は、N極又はS極のいずれか一方の極性に磁化(magnetize)してもよい。また、第2面(532)は、N極又はS極のいずれか他方の極性に磁化してもよい。すなわち、第1面(531)と第2面(532)とは、互いに反対極性に磁化する。これによって、第1面(531)及び第2面(532)の間には副磁場(S.M.F)が形成され得る。
【0232】
後述のように、本発明の一実施例によるアーク消弧部(600)には消弧磁石(634)が備えられてもよい。上記実施例において、第1面(531)と消弧磁石(634)の第1面(633a)との間には主磁場(M.M.F)が形成されてもよい。
【0233】
上述したように、気中遮断器(10)に直流電流が通電する実施例では変流のための構成要素が求められない。
【0234】
このため、本実施例では気中遮断器(10)に直流電流が通電する場合、CT磁石部(500)にCT磁石(530)が備えられる。CT磁石(530)は、それ自体で副磁場(S.M.F)を形成し、アーク消弧部(600)の消弧磁石(634)と共に主磁場(M.M.F)を形成する。
【0235】
これによって、発生したアークがアーク消弧部(600)を通過して効果的に消弧することができる。これについての詳細な説明は後述する。
【0236】
5.本発明の一実施例によるアーク消弧部(600)についての説明
図10ないし
図18を参照すると、本発明の一実施例による気中遮断器(10)はアーク消弧部(600)を含む。
【0237】
アーク消弧部(600)は、固定接点(311)と可動接点(321)とが離間して発生するアークを消弧するように構成される。発生したアークは、アーク消弧部(600)を通過して消弧及び冷却した後、気中遮断器(10)の外部に排出されてもよい。
【0238】
アーク消弧部(600)はカバー部(100)に結合される。アーク消弧部(600)は、アークが排出されるための一側がカバー部(100)の外側に露出してもよい。図示の実施例において、アーク消弧部(600)は、その上側がカバー部(100)の外側に露出する。
【0239】
アーク消弧部(600)は、カバー部(100)に部分的に収容される。アーク消弧部(600)は、外部に露出する部分を除いた残りの部分がカバー部(100)の内部空間に収容されてもよい。図示の実施例において、アーク消弧部(600)は、上部カバー(110)の上側に部分的に収容される。
【0240】
上記配置は、固定接点(311)及び可動接点(321)の位置によって変わり得る。すなわち、アーク消弧部(600)は、固定接点(311)及び可動接点(321)に隣接するように位置してもよい。これによって、固定接点(311)から離れるように回転する可動接点(321)に沿って延設されるアークがアーク消弧部(600)に容易に進入することができる。
【0241】
アーク消弧部(600)は複数備えられてもよい。複数のアーク消弧部(600)は、互いに物理的、電気的に離間して配置されてもよい。図示の実施例において、アーク消弧部(600)は3つ備えられる。これは上述したように、本発明の実施例による気中遮断器(10)に三相電流が通電することに基づく。
【0242】
すなわち、各アーク消弧部(600)は、各固定接点(311)及び可動接点(321)に隣接して位置する。図示の実施例において、各アーク消弧部(600)は、各固定接点(311)及び可動接点(321)の上側に隣接して位置する。
【0243】
各アーク消弧部(600)が各遮断部(300)に通電する各相の電流が遮断され発生するアークを消弧するように構成されることが理解されるであろう。
【0244】
アーク消弧部(600)は、互いに隣接して配置されてもよい。図示の実施例において、3つのアーク消弧部(600)は、気中遮断器(10)の左右方向に並ぶように配置される。
【0245】
本実施例において、アーク消弧部(600)は消弧磁石(634)を含む。消弧磁石(634)は、主磁場(M.M.F)及び副磁場(S.M.F)を形成し、発生したアークがアーク消弧部(600)に向かって効果的に流動するためのアーク経路(A.P)を形成する。これについての詳細な説明は後述する。
【0246】
図示の実施例において、アーク消弧部(600)は、支持板(610)、グリッド(620)、グリッドカバー(630)、アークガイド(640)、及びアークランナー(650)を含む。
【0247】
支持板(610)は、アーク消弧部(600)の両側、図示の実施例における右側及び左側を形成する。支持板(610)は、アーク消弧部(600)の各構成要素と結合し、上記構成要素を支持する。
【0248】
具体的に、支持板(610)は、グリッド(620)、グリッドカバー(630)、アークガイド(640)、及びアークランナー(650)と結合する。
【0249】
支持板(610)は複数備えられる。複数の支持板(610)は、互いに離間し、互いに対向するように配置されてもよい。図示の実施例において、支持板(610)は2つ備えられ、それぞれアーク消弧部(600)の右側及び左側を形成する。
【0250】
支持板(610)は、絶縁性の素材で形成されてもよい。発生したアークが支持板(610)に向かって流動することを防止するためである。
【0251】
支持板(610)は、耐熱性の素材で形成されてもよい。発生したアークによって損傷するか形状が変形することを防止するためである。
【0252】
支持板(610)には、複数の貫通孔が形成される。前記貫通孔のうちの一部には、グリッド(620)及びアークランナー(650)が挿入結合されてもよい。また、前記貫通孔のうちの他の一部には、グリッドカバー(630)及びアークガイド(640)を支持板(610)に締結するための締結部材が貫通結合されてもよい。
【0253】
図示の実施例において、支持板(610)は、頂点に複数の角が形成された板状に備えられる。支持板(610)は、アーク消弧部(600)の両側を形成し、アーク消弧部(600)の各構成要素を支持できる任意の形態に備えられてもよい。
【0254】
支持板(610)はグリッド(620)と結合する。具体的に、支持板(610)の前記貫通孔のうちの一部には、グリッド(620)の両側、図示の実施例における右側端部及び左側端部に備えられる挿入突起が挿入結合される。
【0255】
支持板(610)はグリッドカバー(630)と結合する。具体的に、支持板(610)の上側にはグリッドカバー(630)が結合される。上記結合は、支持板(610)とグリッドカバー(630)との嵌合結合又は別の締結部材によって達成されてもよい。
【0256】
支持板(610)はアークガイド(640)と結合する。具体的に、支持板(610)の下側、すなわちグリッドカバー(630)と反対の一側にアークガイド(640)が結合される。上記結合は、別の締結部材によって達成されてもよい。
支持板(610)はアークランナー(650)と結合する。具体的に、支持板(610)の後方側、すなわち固定接点(311)と反対の一側にアークランナー(650)が結合される。上記結合は、別の締結部材によって達成されてもよい。
【0257】
グリッド(620)は、固定接点(311)と可動接点(321)とが離間して発生したアークをアーク消弧部(600)に誘導する。
【0258】
上記誘導は、グリッド(620)が発生させる磁気力によって達成することができる。また、上記誘導は、アーク消弧部(600)に備えられる消弧磁石(634)によって達成することができる。
【0259】
グリッド(620)は、磁性を有する素材で形成されてもよい。電子の流れであるアークに吸引力(attractive force)を印加するためである。
【0260】
グリッド(620)は複数備えられてもよい。複数のグリッド(620)は、互いに離間して積層されてもよい。図示の実施例において、グリッド(620)は9つ備えられ、前後方向に積層される。
【0261】
グリッド(620)の数は変わり得る。具体的に、グリッド(620)の数は、アーク消弧部(600)の大きさ、性能又はアーク消弧部(600)が備えられる気中遮断器(10)の定格容量などによって変わり得る。
【0262】
複数のグリッド(620)が互いに離間して形成される空間を通じて、流入されたアークが分かれて流動してもよい。これによって、アークの圧力が増加し、アークの移動速度及び消弧速度が増加し得る。
【0263】
複数のグリッド(620)のうち、固定接点(311)から最も離れるグリッド(620)、図示の実施例における後方側のグリッド(620)に隣接してアークランナー(650)が位置する。
【0264】
グリッド(620)は、幅方向、図示の実施例における左右方向の端部が固定接点(311)に向かう方向、すなわち下側に向かって突設されてもよい。すなわち、グリッド(620)は、左右方向の端部が下側に向かう尖頭(peak)の形状に形成される。
【0265】
これによって、発生したアークは、グリッド(620)の左右方向の前記端部に向かって効果的に進行し、アーク消弧部(600)に容易に流動することができる。
【0266】
グリッド(620)の前記左右方向の端部の外側、図示の実施例における下側にはアークガイド(640)が位置する。
【0267】
グリッド(620)は支持板(610)に結合される。具体的に、グリッド(620)の幅方向、図示の実施例における左右方向の角には、複数の結合突起がその延び方向、図示の実施例における上下方向に複数形成される。グリッド(620)の前記結合突起は、支持板(610)に形成された貫通孔に挿入結合される。
【0268】
グリッドカバー(630)に向かうグリッド(620)の一側、図示の実施例における上側端部は、グリッドカバー(630)に隣接するように位置してもよい。グリッド(620)に沿って流動したアークは、グリッドカバー(630)を通過して外部に排出されてもよい。
【0269】
グリッドカバー(630)は、アーク消弧部(600)の上側を形成する。グリッドカバー(630)は、グリッド(620)の上側端部を覆うように構成される。複数のグリッド(620)が互いに離間して形成された空間を通過したアークは、グリッドカバー(630)を通じて気中遮断器(10)の外部に排出されてもよい。
【0270】
グリッドカバー(630)は支持板(610)に結合される。グリッドカバー(630)の幅方向、図示の実施例における左右方向の角には、支持板(610)の貫通孔に挿入される突起が形成されてもよい。また、グリッドカバー(630)と支持板(610)とは、別の締結部材によって結合されてもよい。
【0271】
グリッドカバー(630)は、一方向、図示の実施例における前後方向に延設される。上記方向は、複数のグリッド(620)が積層される方向と同一であることが理解されるであろう。
【0272】
グリッドカバー(630)の他方向、図示の実施例における幅方向の長さは、複数のグリッド(620)の幅方向の長さによって決定されてもよい。
【0273】
図示の実施例において、グリッドカバー(630)は、カバー本体(631)、上部フレーム(632)、メッシュ部(633)、消弧磁石(634)、磁石カバー(635)、及び遮断板(636)を含む。
【0274】
カバー本体(631)は、グリッドカバー(630)の外形を形成する。カバー本体(631)は、支持板(610)に結合される。また、カバー本体(631)には上部フレーム(632)が結合される。
【0275】
カバー本体(631)の内部には所定の空間が形成される。前記空間は上部フレーム(632)によって覆われてもよい。前記空間にはメッシュ部(633)、消弧磁石(634)、磁石カバー(635)、及び遮断板(636)が収容される。このため、前記空間は「収容空間」と指称することができる。
【0276】
前記収容空間は、グリッド(620)が離間して形成される空間と連通する。結果的に、前記収容空間は、カバー部(100)の内部空間と連通する。これによって、発生したアークは、グリッド(620)が離間して形成される空間を通過して、カバー本体(631)の前記収容空間に流動することができる。
【0277】
グリッド(620)に向かうカバー本体(631)の一側、図示の実施例における下側には、グリッド(620)の上側端部が接触してもよい。一実施例において、カバー本体(631)は、グリッド(620)の上側端部を支持してもよい。
【0278】
カバー本体(631)は、絶縁性の素材で形成されてもよい。アーク経路(A.P)を形成するための磁場が歪むことを防止するためである。
【0279】
カバー本体(631)は、耐熱性の素材で形成されてもよい。発生したアークによって損傷するか形状が変形することを防止するためである。
【0280】
図示の実施例において、カバー本体(631)は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長く形成される。カバー本体(631)の形状は、支持板(610)の形状及びグリッド(620)の形状と数によって変わり得る。
【0281】
グリッド(620)と反対のカバー本体(631)の一側、図示の実施例における上側には、上部フレーム(632)が結合される。
【0282】
上部フレーム(632)は、カバー本体(631)の上側に結合される。上部フレーム(632)は、カバー本体(631)に形成された前記収容空間、及び前記収容空間に収容されたメッシュ部(633)、消弧磁石(634)、磁石カバー(635)、及び遮断板(636)を覆うように構成される。
【0283】
図示の実施例において、上部フレーム(632)は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長く形成される。上部フレーム(632)は、カバー本体(631)の上側に安定して結合し、前記収容空間、及び前記収容空間に収容された構成要素を覆うことができる任意の形状に備えられてもよい。
【0284】
上部フレーム(632)には、複数の貫通孔が形成される。前記貫通孔を通じて、グリッド(620)の間を通過して消弧したアークを排出することができる。図示の実施例において、前記貫通孔は、左右方向に3つずつ、前後方向に3列備えられ、計9つ形成される。貫通孔の数は変わり得る。
【0285】
前記貫通孔は互いに離間して位置する。前記貫通孔の間には、一種のリブ(rib)が形成される。前記リブは、カバー本体(631)の空間に収容されたメッシュ部(633)、消弧磁石(634)、磁石カバー(635)、及び遮断板(636)を上側で加圧することができる。
【0286】
これによって、アークが発生しても、メッシュ部(633)、消弧磁石(634)、磁石カバー(635)、及び遮断板(636)がカバー本体(631)の前記収容空間から任意に離脱することがない。
【0287】
上部フレーム(632)は、カバー本体(631)の上側に固定結合されてもよい。図示の実施例において、上部フレーム(632)は、締結部材によってカバー本体(631)の上側に固定結合される。
【0288】
上部フレーム(632)とカバー本体(631)との間、すなわち上部フレーム(632)の下側でカバー本体(631)の前記収容空間には、メッシュ部(633)、消弧磁石(634)、磁石カバー(635)、及び遮断板(636)が位置する。
【0289】
言い換えると、カバー本体(631)の前記収容空間には、上側から下側にメッシュ部(633)、消弧磁石(634)と磁石カバー(635)、及び遮断板(636)が積層される。
【0290】
メッシュ部(633)は、グリッド(620)の間に形成された空間を通過して消弧したアークに残存する不純物をろ過する役割をする。消弧したアークは、メッシュ部(633)を通過し、残存する不純物が除去された後、外部に排出することができる。
【0291】
すなわち、メッシュ部(633)は、一種のフィルター(filter)として機能する。
【0292】
メッシュ部(633)は複数の貫通孔を含む。前記貫通孔の大きさ、すなわち直径は、アークに残存する不純物の粒子の直径よりも小さく形成されることが好ましい。また、前記貫通孔の直径は、アークが含むガスが通過できるように、十分に大きく形成されることが好ましい。
【0293】
メッシュ部(633)は複数備えられてもよい。複数のメッシュ部(633)は上下方向に積層されてもよい。これによって、メッシュ部(633)を通過するアークに残存する不純物を効果的に除去することができる。
【0294】
メッシュ部(633)は、カバー本体(631)の内部に形成された前記収容空間に収容される。メッシュ部(633)の形状は、前記収容空間の形状によって決定されてもよい。
【0295】
メッシュ部(633)は、上部フレーム(632)の下側に位置する。メッシュ部(633)に形成された複数の貫通孔は、上部フレーム(632)に形成された複数の貫通孔と連通する。これによって、メッシュ部(633)を通過したアークは、上部フレーム(632)を通過して外部に排出され得る。
【0296】
メッシュ部(633)に形成された複数の貫通孔は、グリッド(620)が離間して形成される空間と連通する。結果的に、メッシュ部(633)に形成された複数の貫通孔は、カバー部(100)の内部空間と連通する。
【0297】
メッシュ部(633)の下側には、消弧磁石(634)、磁石カバー(635)、及び遮断板(636)が位置する。
【0298】
消弧磁石(634)は、発生したアークがアーク消弧部(600)に向かって流動するための電磁気力を形成する磁場を形成する。消弧磁石(634)は、カバー本体(631)の前記収容空間の内部に収容される。
【0299】
消弧磁石(634)はメッシュ部(633)の下側に位置する。また、消弧磁石(634)は遮断板(636)の上側に位置する。一実施例において、消弧磁石(634)は遮断板(636)に安着してもよい。
【0300】
消弧磁石(634)は、磁場を形成できる任意の形態に備えられてもよい。一実施例において、消弧磁石(634)は、永久磁石又は電磁石として備えられてもよい。
【0301】
消弧磁石(634)は、所定の大きさで形成されてもよい。具体的に、後述のように、遮断板(636)には、複数の貫通孔(636a)が形成される。消弧磁石(634)は、遮断板(636)に形成された貫通孔(636a)を覆わない大きさで形成されることが好ましい。
【0302】
図示の実施例において、消弧磁石(634)は、長方形の形状に備えられる。消弧磁石(634)は、遮断板(636)の前後方向の長さの半分以下に形成される。また、消弧磁石(634)は、遮断板(636)の幅方向の長さよりも小さく形成される。
【0303】
消弧磁石(634)は、貫通孔(636a)を覆わない任意の大きさ及び形状に備えられてもよい。例えば、消弧磁石(634)は、遮断板(636)の幅方向の長さと同じ幅を有するように形成されてもよい。
【0304】
図示の実施例において、消弧磁石(634)は、カバー本体(631)の前記収容空間の前方側に位置する。言い換えると、消弧磁石(634)は、カバー本体(631)の前記収容空間のうち、複数の貫通孔(636a)が形成された位置と反対になるように位置する。
【0305】
消弧磁石(634)は、複数の貫通孔(636a)を覆わない任意の位置に配置されてもよい。
【0306】
消弧磁石(634)は、磁石カバー(635)によって支持される。具体的に、消弧磁石(634)は、磁石カバー(635)に形成された第2開口部(635b)に挿入される。
【0307】
これによって、消弧磁石(634)の上下方向の揺動は、上部フレーム(632)、メッシュ部(633)、及び遮断板(636)によって制限される。また、消弧磁石(634)の前後方向及び左右方向の揺動は、磁石カバー(635)によって制限される。
【0308】
消弧磁石(634)は、第1面(634a)及び第2面(634b)を含む。
【0309】
第1面(634a)は、メッシュ部(633)に向かう消弧磁石(634)の一側面を形成する。言い換えると、第1面(634a)は、グリッド(620)と反対の消弧磁石(634)の一側面を形成する。図示の実施例において、第1面(634a)は、消弧磁石(634)の上側面と定義できる。
【0310】
第2面(634b)は、遮断板(636)に向かう消弧磁石(634)の他側面を形成する。言い換えると、第2面(634b)は、グリッド(620)に向かう消弧磁石(634)の他側面を形成する。図示の実施例において、第2面(634b)は、消弧磁石(634)の下側面と定義できる。
【0311】
第1面(634a)と第2面(634b)とは、互いに対向するように配置される。言い換えると、第1面(634a)と第2面(634b)とは、互いに対向する消弧磁石(634)の一側及び他側面である。
【0312】
第1面(634a)は、N極又はS極のいずれか一方の極性に磁化(magnetize)してもよい。また、第2面(634b)は、N極又はS極のいずれか他方の極性に磁化してもよい。すなわち、第1面(634a)と第2面(634b)とは、互いに反対極性に磁化する。これによって、第1面(634a)及び第2面(634b)の間には副磁場(S.M.F)が形成され得る。
【0313】
上述したように、本発明の実施例によるCT磁石部(500)はCT磁石(530)を含む。上記実施例において、第2面(634b)とCT磁石部(500)の第1面(531)との間には主磁場(M.M.F)が形成されてもよい。
【0314】
消弧磁石(634)によって主磁場(M.M.F)及び副磁場(S.M.F)が形成される過程についての詳細な説明は後述する。
【0315】
磁石カバー(635)は、遮断板(636)に安着した消弧磁石(634)が遮断板(636)で任意に揺動しないように消弧磁石(634)を支持する。
【0316】
磁石カバー(635)はメッシュ部(633)の下側に位置する。また、磁石カバー(635)は遮断板(636)の上側に位置する。磁石カバー(635)は遮断板(636)に安着してもよい。
【0317】
上述したように、消弧磁石(634)も遮断板(636)に安着することができる。すなわち、磁石カバー(635)は、消弧磁石(634)のような平面上に位置してもよい。
【0318】
磁石カバー(635)は複数の開口部を含む。図示の実施例において、磁石カバー(635)は、後方側に形成された第1開口部(635a)、及び前方側に形成された第2開口部(635b)を含む。
【0319】
磁石カバー(635)の第1及び第2開口部(635a、635b)のいずれか一方、図示の実施例における後方側に形成された第1開口部(635a)は、遮断板(636)に形成された貫通孔(636a)と連通する。貫通孔(636a)を通過したアークは、第1開口部(635a)を通じて遮断板(636)を通過してメッシュ部(633)に流動してもよい。
【0320】
磁石カバー(635)の第1及び第2開口部(635a、635b)のいずれか他方、図示の実施例における前方側に形成された第2開口部(635b)には消弧磁石(634)が位置する。磁石カバー(635)の前方側に形成された第2開口部(635b)を取り囲む磁石カバー(635)の各角は、消弧磁石(634)を取り囲む。
【0321】
磁石カバー(635)の前方側に形成された第2開口部(635b)は、消弧磁石(634)の形状に対応する形状に形成されてもよい。図示の実施例において、消弧磁石(634)は、前後方向及び左右方向に延設される長方形の断面を有する。
【0322】
これによって、磁石カバー(635)の前方側に形成された第2開口部(635b)も、前後方向及び左右方向に延設される長方形の断面を有するように形成されてもよい。
【0323】
磁石カバー(635)によって、消弧磁石(634)は、遮断板(636)に安着した状態で前後方向又は左右方向に揺動しなくなる。また、磁石カバー(635)に形成された開口部を通じて遮断板(636)の貫通孔(636a)を通過したアークがメッシュ部(633)に流動してもよい。
【0324】
磁石カバー(635)は、耐熱性の素材で形成されてもよい。遮断板(636)の貫通孔(636a)を通過するアークによって損傷するか形状が変形することを防止するためである。
【0325】
磁石カバー(635)は、絶縁性の素材で形成されてもよい。消弧磁石(634)の形成する磁場が干渉するか、又は流動するアークが磁石カバー(635)に吸引されることを防止するためである。
【0326】
一実施例において、磁石カバー(635)は、強化プラスチック又はアクリルなどの素材で形成されてもよい。
【0327】
磁石カバー(635)の下側には、遮断板(636)が位置する。
【0328】
遮断板(636)は、消弧磁石(634)及び磁石カバー(635)を下側で支持する。これによって、カバー本体(631)の内部空間に収容された消弧磁石(634)は、発生したアークに露出しなくなる。これによって、アークによる消弧磁石(634)の損傷を防止することができる。
【0329】
また、遮断板(636)は、グリッド(620)の間に形成された空間を通過したアークがメッシュ部(633)に向かって流動するための通路を提供する。
【0330】
遮断板(636)は、カバー本体(631)の前記収容空間に収容される。遮断板(636)は、カバー本体(631)の前記収容空間における最も下側に位置する。
【0331】
図示の実施例において、遮断板(636)は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長い、長方形の断面を有するように形成される。遮断板(636)の形状は、カバー本体(631)の前記収容空間の断面の形状によって変わり得る。
【0332】
遮断板(636)の下側にはグリッド(620)が位置する。一実施例において、グリッド(620)の上側端部、すなわち遮断板(636)に向かうグリッド(620)の一側端部は、遮断板(636)に接触することができる。
【0333】
遮断板(636)は貫通孔(636a)を含む。
【0334】
貫通孔(636a)は、複数のグリッド(620)が互いに離間して形成された空間を通過したアークが、カバー本体(631)の前記収容空間に流入される通路である。貫通孔(636a)は、遮断板(636)に垂直な方向、図示の実施例における上下方向に貫通形成される。
【0335】
貫通孔(636a)は複数形成されてもよい。複数の貫通孔(636a)は、互いに離間して配置されてもよい。
【0336】
貫通孔(636a)は、遮断板(636)の一側に偏って位置してもよい。図示の実施例において、貫通孔(636a)は、消弧磁石(634)と反対の方向、すなわち遮断板(636)の後方側に位置する。
【0337】
貫通孔(636a)は、消弧磁石(634)によって塞がれることなく、磁石カバー(635)に形成された第1開口部(635a)と連通できる任意の位置に配置されてもよい。貫通孔(636a)は第1開口部(635a)と連通する。
【0338】
アークガイド(640)は、発生したアークがグリッド(620)に向かって流動するようにアークを誘導する。アークガイド(640)によって、発生したアークが支持板(610)に向かって流動して支持板(610)が損傷することを防止することができる。
【0339】
アークガイド(640)は、固定接点(311)及び可動接点(321)に向かう支持板(610)の一側に位置する。図示の実施例において、アークガイド(640)は、支持板(610)の下側に位置する。
【0340】
アークガイド(640)は複数備えられてもよい。複数のアークガイド(640)は各支持板(610)に結合してもよい。図示の実施例において、アークガイド(640)は2つ備えられ、各支持板(610)にそれぞれ結合される。2つのアークガイド(640)は、互いに対向するように配置される。
【0341】
アークガイド(640)は支持板(610)に結合される。上記結合は、別の締結部材によって達成されてもよい。
【0342】
アークガイド(640)は、耐熱性の素材で形成されてもよい。発生したアークによる損傷及び形状の変形を防止するためである。一実施例において、アークガイド(640)はセラミック(ceramic)素材で形成されてもよい。
【0343】
アークガイド(640)は、グリッド(620)の両側、図示の実施例における左右方向の端部に形成された尖頭部分を部分的に取り囲むように配置される。これによって、アークガイド(640)によりガイドされたアークは、グリッド(620)のある一部分に集中することがない。
【0344】
アークガイド(640)は、支持板(610)の延び方向、図示の実施例における前後方向に延びてもよい。すなわち、アークガイド(640)は、最も前方側に位置するグリッド(620)、及び最も後方側に位置するグリッド(620)の間で延びてもよい。
【0345】
アークガイド(640)は、第1延長部(641)及び第2延長部(642)を含む。
【0346】
第1延長部(641)は、アークガイド(640)が支持板(610)に結合される部分である。第1延長部(641)は、固定接点台(310)に向かう支持板(610)の一側、図示の実施例における下側に位置する。第1延長部(641)は締結部材により支持板(610)に結合してもよい。
【0347】
第1延長部(641)は、グリッド(620)に向かう方向、図示の実施例における上側に延びる。一実施例において、第1延長部(641)は、支持板(610)と接触しながら延びてもよい。他の実施例において、第1延長部(641)は、支持板(610)と平行に延びてもよい。
【0348】
第1延長部(641)の端部で第2延長部(642)が延びる。
【0349】
第2延長部(642)は、グリッド(620)の左右方向の端部に形成された尖頭部分を部分的に取り囲むように形成される。第2延長部(642)は、第1延長部(641)と所定の角度をなして延びる。一実施例において、第2延長部(642)は、第1延長部(641)と鈍角をなして延びてもよい。
【0350】
他の実施例において、第2延長部(642)は、グリッド(620)の左右方向の端部に形成された尖頭部分と平行に延びてもよい。
【0351】
アークランナー(650)は、発生したアークがグリッド(620)に向かって流動するようにアークを誘導する。アークガイド(640)によって、発生したアークがグリッド(620)を超えてカバー部(100)の一側壁に進行することを防止することができる。これによって、発生したアークによりカバー部(100)が損傷することを防止することができる。
【0352】
アークランナー(650)は、固定接点(311)及び可動接点(321)に向かう支持板(610)の一側に位置する。図示の実施例において、アークランナー(650)は、支持板(610)の下側に位置する。
【0353】
アークランナー(650)は、固定接点(311)と反対の支持板(610)の他側に位置する。具体的に、アークランナー(650)は、支持板(610)の前方側に位置する固定接点(311)と反対になるように、支持板(610)の下側で後方側に位置する。
【0354】
アークランナー(650)は支持板(610)に結合される。上記結合は、アークランナー(650)の左右方向の端部に形成される突起が支持板(610)に形成された貫通孔に挿入されて形成されてもよい。
【0355】
アークランナー(650)は伝導性の素材で形成されてもよい。流動するアークに吸引力を印加して、効果的にアークを誘導するためである。一実施例において、アークランナー(650)は、銅、鉄又はこれらを含む合金から形成されてもよい。
【0356】
アークランナー(650)は、グリッド(620)に向かって所定の長さだけ延びる。一実施例において、アークランナー(650)は、固定接点(311)から最も離れるように位置するグリッド(620)、図示の実施例で最も後方側に位置するグリッド(620)を後方側で覆うように配置されてもよい。
【0357】
これによって、アークが最も後方側に位置するグリッド(620)を超えて延びることがなく、カバー部(100)の損傷を防止することができる。また、発生したアークがグリッド(620)に向かって効果的に誘導され得る。
【0358】
6.本発明の他の実施例によるアーク消弧部(700)についての説明
図19ないし
図30を参照すると、本発明の他の実施例による気中遮断器(10)はアーク消弧部(700)を含む。
【0359】
アーク消弧部(700)は、固定接点(311)と可動接点(321)とが離間して発生するアークを消弧するように構成される。発生したアークは、アーク消弧部(700)を通過して消弧及び冷却した後、気中遮断器(10)の外部に排出されてもよい。
【0360】
アーク消弧部(700)は、カバー部(100)に結合される。アーク消弧部(700)は、アークが排出されるための一側がカバー部(100)の外側に露出してもよい。図示の実施例において、アーク消弧部(700)は、その上側がカバー部(100)の外側に露出する。
【0361】
アーク消弧部(700)は、カバー部(100)に部分的に収容される。アーク消弧部(700)は、外部に露出する部分を除いた残りの部分がカバー部(100)の内部空間に収容されてもよい。図示の実施例において、アーク消弧部(700)は、上部カバー(110)の上側に部分的に収容される。
【0362】
上記配置は、固定接点(311)及び可動接点(321)の位置によって変わり得る。すなわち、アーク消弧部(700)は、固定接点(311)及び可動接点(321)に隣接するように位置してもよい。これによって、固定接点(311)から離れるように回転する可動接点(321)に沿って延設されるアークがアーク消弧部(700)に容易に進入することができる。
【0363】
アーク消弧部(700)は複数備えられてもよい。複数のアーク消弧部(700)は、互いに物理的、電気的に離間して配置されてもよい。図示の実施例において、アーク消弧部(700)は3つ備えられる。これは上述したように、本発明の実施例による気中遮断器(10)に三相電流が通電することに基づく。
【0364】
すなわち、各アーク消弧部(700)は、各固定接点(311)及び可動接点(321)に隣接して位置する。図示の実施例において、各アーク消弧部(700)は、各固定接点(311)及び可動接点(321)の上側に隣接して位置する。
【0365】
各アーク消弧部(700)が各遮断部(300)に通電する各相の電流が遮断され発生するアークを消弧するように構成されることが理解されるであろう。
【0366】
アーク消弧部(700)は、互いに隣接して配置されてもよい。図示の実施例において、3つのアーク消弧部(700)は、気中遮断器(10)の左右方向に並ぶように配置される。
【0367】
本実施例において、アーク消弧部(700)は、第1ないし第3消弧磁石(771、772、773)を含む。第1ないし第3消弧磁石(771、772、773)は、主磁場(M.M.F)及び副磁場(S.M.F)を形成し、発生したアークがアーク消弧部(700)に向かって効果的に流動するアーク経路(A.P)を形成する。これについての詳細な説明は後述する。
【0368】
図示の実施例において、アーク消弧部(700)は、支持板(710)、グリッド(720)、グリッドカバー(730)、アークガイド(740)、アークランナー(750)、磁石ケース(760)、及び消弧磁石(770)を含む。
【0369】
支持板(710)は、アーク消弧部(700)の両側、図示の実施例における右側及び左側を形成する。支持板(710)は、アーク消弧部(700)の各構成要素と結合し、上記構成要素を支持する。
【0370】
具体的に、支持板(710)は、グリッド(720)、グリッドカバー(730)、アークガイド(740)、及びアークランナー(750)と結合する。また、支持板(710)は磁石ケース(760)と結合する。
【0371】
支持板(710)は複数備えられる。複数の支持板(710)は、互いに離間し、互いに対向するように配置されてもよい。図示の実施例において、支持板(710)は2つ備えられ、それぞれアーク消弧部(700)の右側及び左側を形成する。
【0372】
支持板(710)は、絶縁性の素材で形成されてもよい。発生したアークが支持板(710)に向かって流動することを防止するためである。
【0373】
支持板(710)は、耐熱性の素材で形成されてもよい。発生したアークによって損傷するか形状が変形することを防止するためである。
【0374】
支持板(710)には、複数の貫通孔が形成される。前記貫通孔のうちの一部には、グリッド(720)及びアークランナー(750)が挿入結合されてもよい。
【0375】
また、前記貫通孔のうちの他の一部には、グリッドカバー(730)及びアークガイド(740)を支持板(710)に締結する締結部材が貫通結合されてもよい。
【0376】
さらに、前記貫通孔のうちまた他の一部には第2ないし第3消弧磁石(772、773)を支持板(710)に締結するための締結部材(762c、763c)が貫通結合されてもよい。
【0377】
図示の実施例において、支持板(710)は、頂点に複数の角が形成された板状に備えられる。支持板(710)は、アーク消弧部(700)の両側を形成し、アーク消弧部(700)の各構成要素を支持できる任意の形態に備えられてもよい。
【0378】
支持板(710)はグリッド(720)と結合する。具体的に、支持板(710)の前記貫通孔のうちの一部には、グリッド(720)の両側、図示の実施例における右側端部及び左側端部に備えられる挿入突起が挿入結合される。
【0379】
支持板(710)は、グリッドカバー(730)と結合する。具体的に、支持板(710)の上側には、グリッドカバー(730)が結合される。上記結合は、支持板(710)とグリッドカバー(730)との嵌合結合又は別の締結部材によって達成されてもよい。
【0380】
支持板(710)はアークガイド(740)と結合する。具体的に、支持板(710)の下側、すなわちグリッドカバー(730)と反対の一側にアークガイド(740)が結合される。上記結合は、別の締結部材によって達成されてもよい。
【0381】
支持板(710)はアークランナー(750)と結合する。具体的に、支持板(710)の後方側、すなわち固定接点(311)と反対の一側にアークランナー(750)が結合される。上記結合は、別の締結部材によって達成されてもよい。
【0382】
支持板(710)は磁石ケース(760)と結合する。具体的に、支持板(710)は、磁石ケース(760)の第2収容部(762)及び第3収容部(763)と、第2及び第3締結部材(762c、763c)によって結合されてもよい。
【0383】
グリッド(720)は、固定接点(311)と可動接点(321)とが離間して発生したアークをアーク消弧部(700)に誘導する。
【0384】
上記誘導は、グリッド(720)が発生させる磁気力によって達成することができる。また、上記誘導は、アーク消弧部(700)に備えられる消弧磁石(770)によって達成することができる。
【0385】
グリッド(720)は、磁性を有する素材で形成されてもよい。電子の流れであるアークに吸引力(attractive force)を印加するためである。
【0386】
グリッド(720)は複数備えられてもよい。複数のグリッド(720)は、互いに離間して積層されてもよい。図示の実施例において、グリッド(720)は10個備えられ、前後方向に積層される。
【0387】
複数のグリッド(720)が互いに離間して形成される空間を通じて、流入されたアークが分かれて流動してもよい。これによって、アークの圧力が増加し、アークの移動速度及び消弧速度が増加し得る。
【0388】
複数のグリッド(720)のうち、固定接点(311)から最も離れるグリッド(720)、図示の実施例における後方側のグリッド(720)に隣接してアークランナー(750)が位置する。
【0389】
グリッド(720)は、幅方向、図示の実施例における左右方向の端部が固定接点(311)に向かう方向、すなわち下側に向かって突設されてもよい。すなわち、グリッド(720)は、左右方向の端部が下側に向かう尖頭(peak)の形状に形成される。
【0390】
これによって、発生したアークは、グリッド(720)の左右方向の前記端部に向かって効果的に進行し、アーク消弧部(700)に容易に流動することができる。
【0391】
グリッド(720)の前記左右方向の端部の外側、図示の実施例における下側にはアークガイド(740)が位置する。
【0392】
グリッド(720)は支持板(710)に結合される。具体的に、グリッド(720)の幅方向、図示の実施例における左右方向の角には、複数の結合突起がその延び方向、図示の実施例における上下方向に複数形成される。グリッド(720)の前記結合突起は、支持板(710)に形成された貫通孔に挿入結合される。
【0393】
複数のグリッド(720)のうちの一部は、磁石ケース(760)のグリッド結合部(764)に挿入結合される。
【0394】
具体的に、複数のグリッド(720)のうちの一部のグリッド(720)の一側、図示の実施例における下側の端部は、磁石ケース(760)のグリッド結合部(764)に挿入結合される。
【0395】
上述したように、グリッド(720)は固定接点(311)の上側に位置するため、一部のグリッド(720)の各側のうち固定接点(311)に向かう一側がグリッド結合部(764)に挿入されるとも言えるであろう。
【0396】
複数のグリッド(720)のいずれか1つ以上には、アーク経路を形成するための消弧磁石(770)を収容する磁石ケース(760)を結合してもよい。具体的に、複数のグリッド(720)のいずれか1つ以上の下側端部が磁石ケース(760)に形成されたグリッド結合部(764)に挿入結合されてもよい。
【0397】
図示の実施例において、前後方向の中央に位置する2つのグリッド(720)、すなわち前方側から五番目及び六番目に位置する2つのグリッド(720)の下側端部がグリッド結合部(764)に挿入結合される。
【0398】
また、前記2つのグリッド(720)の両側、図示の実施例における左右方向には、第2収容部(762)及び第3収容部(763)が結合される。
【0399】
すなわち、図示の実施例において、前後方向の中央に位置する2つのグリッド(720)、すなわち前方側から五番目及び六番目に位置する2つのグリッド(720)の間の左側に第2収容部(762)が結合される。また、前記2つのグリッド(720)の間の右側に第3収容部(763)が結合される。
【0400】
グリッドカバー(730)に向かうグリッド(720)の一側、図示の実施例における上側端部は、グリッドカバー(730)に隣接するように位置してもよい。グリッド(720)に沿って流動したアークは、グリッドカバー(730)を通過して外部に排出されてもよい。
【0401】
グリッドカバー(730)は、アーク消弧部(700)の上側を形成する。グリッドカバー(730)は、グリッド(720)の上側端部を覆うように構成される。複数のグリッド(720)が互いに離間して形成された空間を通過したアークは、グリッドカバー(730)を通じて気中遮断器(10)の外部に排出されてもよい。
【0402】
グリッドカバー(730)は支持板(710)に結合される。グリッドカバー(730)の幅方向、図示の実施例における左右方向の角には、支持板(710)の貫通孔に挿入される突起が形成されてもよい。また、グリッドカバー(730)と支持板(710)とは、別の締結部材によって結合されてもよい。
【0403】
グリッドカバー(730)は、一方向、図示の実施例における前後方向に延設される。上記方向は、複数のグリッド(720)が積層される方向と同一であることが理解されるであろう。
【0404】
グリッドカバー(730)の他方向、図示の実施例における幅方向の長さは、複数のグリッド(720)の幅方向の長さによって決定されてもよい。
【0405】
図示の実施例において、グリッドカバー(730)は、カバー本体(731)、上部フレーム(732)、及びメッシュ部(733)を含む。
【0406】
カバー本体(731)は、グリッドカバー(730)の外形を形成する。カバー本体(731)は支持板(710)に結合される。また、カバー本体(731)には上部フレーム(732)が結合される。
【0407】
カバー本体(731)の内部には所定の空間が形成される。前記空間は、上部フレーム(732)によって覆われてもよい。前記空間にはメッシュ部(733)が収容される。このため、前記空間は「収容空間」と指称することができる。
【0408】
前記収容空間は、グリッド(720)が離間して形成される空間と連通する。結果的に、前記収容空間は、カバー部(100)の内部空間と連通する。これによって、発生したアークは、グリッド(720)が離間して形成される空間を通過して、カバー本体(731)の前記収容空間に流動することができる。
【0409】
グリッド(720)に向かうカバー本体(731)の一側、図示の実施例における下側には、グリッド(720)の上側端部が接触してもよい。一実施例において、カバー本体(731)は、グリッド(720)の上側端部を支持してもよい。
【0410】
カバー本体(731)は、絶縁性の素材で形成されてもよい。アーク経路(A.P)を形成する磁場が歪むことを防止するためである。
【0411】
カバー本体(731)は、耐熱性の素材で形成されてもよい。発生したアークによって損傷するか形状が変形することを防止するためである。
【0412】
図示の実施例において、カバー本体(731)は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長く形成される。カバー本体(731)の形状は、支持板(710)の形状及びグリッド(720)の形状と数によって変わり得る。
【0413】
グリッド(720)と反対のカバー本体(731)の一側、図示の実施例における上側には、上部フレーム(732)が結合される。
【0414】
上部フレーム(732)は、カバー本体(731)の上側に結合される。上部フレーム(732)は、カバー本体(731)に形成された前記収容空間、及び前記収容空間に収容されたメッシュ部(733)を覆うように構成される。
【0415】
図示の実施例において、上部フレーム(732)は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長く形成される。上部フレーム(732)は、カバー本体(731)の上側に安定して結合し、前記収容空間、及び前記収容空間に収容された構成要素を覆うことができる任意の形状に備えられてもよい。
【0416】
上部フレーム(732)には、複数の貫通孔が形成される。前記貫通孔を通じて、グリッド(720)の間を通過して消弧したアークを排出することができる。図示の実施例において、前記貫通孔は、左右方向に3つずつ、前後方向に3列備えられ、計9つ形成される。貫通孔の数は変わり得る。
【0417】
前記貫通孔は互いに離間して位置する。前記貫通孔の間には、一種のリブ(rib)が形成される。前記リブは、カバー本体(731)の空間に収容されたメッシュ部(733)を上側で加圧することができる。
【0418】
これによって、アークが発生しても、メッシュ部(733)がカバー本体(731)の前記収容空間から任意に離脱することがない。
【0419】
上部フレーム(732)は、カバー本体(731)の上側に固定結合されてもよい。図示の実施例において、上部フレーム(732)は、締結部材によってカバー本体(731)の上側に固定結合される。
【0420】
上部フレーム(732)とカバー本体(731)との間、すなわち上部フレーム(732)の下側でカバー本体(731)の前記収容空間にはメッシュ部(733)が位置する。
【0421】
メッシュ部(733)は、グリッド(720)の間に形成された空間を通過して消弧したアークに残存する不純物をろ過する役割をする。消弧したアークは、メッシュ部(733)を通過し、残存する不純物が除去された後、外部に排出することができる。
【0422】
すなわち、メッシュ部(733)は、一種のフィルター(filter)として機能する。
【0423】
メッシュ部(733)は複数の貫通孔を含む。前記貫通孔の大きさ、すなわち直径は、アークに残存する不純物の粒子の直径よりも小さく形成されることが好ましい。また、前記貫通孔の直径は、アークが含むガスが通過できるように、十分に大きく形成されることが好ましい。
【0424】
メッシュ部(733)は複数備えられてもよい。複数のメッシュ部(733)は上下方向に積層されてもよい。これによって、メッシュ部(733)を通過するアークに残存する不純物を効果的に除去することができる。
【0425】
メッシュ部(733)は、カバー本体(731)の内部に形成された前記収容空間に収容される。メッシュ部(733)の形状は、前記収容空間の形状によって決定されてもよい。
【0426】
メッシュ部(733)は、上部フレーム(732)の下側に位置する。メッシュ部(733)に形成された複数の貫通孔は、上部フレーム(732)に形成された複数の貫通孔と連通する。これによって、メッシュ部(733)を通過したアークは、上部フレーム(732)を通過して外部に排出されてもよい。
【0427】
メッシュ部(733)に形成された複数の貫通孔は、グリッド(720)が離間して形成される空間と連通する。結果的に、メッシュ部(733)に形成された複数の貫通孔は、カバー部(100)の内部空間と連通する。
【0428】
図示されてはいないが、メッシュ部(733)の下側には遮断板(図示せず)が位置してもよい。遮断板(図示せず)には、複数の貫通孔(図示せず)が形成され、カバー部(100)の内部空間とメッシュ部(733)が連通できる。
【0429】
アークガイド(740)は、発生したアークがグリッド(720)に向かって流動するようにアークを誘導する。アークガイド(740)によって、発生したアークが支持板(710)に向かって流動して支持板(710)が損傷することを防止することができる。
【0430】
アークガイド(740)は、固定接点(311)及び可動接点(321)に向かう支持板(710)の一側に位置する。図示の実施例において、アークガイド(740)は支持板(710)の下側に位置する。
【0431】
アークガイド(740)は複数備えられてもよい。複数のアークガイド(740)は、各支持板(710)に結合してもよい。図示の実施例において、アークガイド(740)は2つ備えられ、各支持板(710)にそれぞれ結合される。2つのアークガイド(740)は、互いに対向するように配置される。
【0432】
アークガイド(740)は支持板(710)に結合される。上記結合は、別の締結部材によって達成されてもよい。
【0433】
アークガイド(740)は、耐熱性の素材で形成されてもよい。発生したアークによる損傷及び形状の変形を防止するためである。一実施例において、アークガイド(740)は、セラミック(ceramic)素材で形成されてもよい。
【0434】
アークガイド(740)は、グリッド(720)の両側、図示の実施例における左右方向の端部に形成された尖頭部分を部分的に取り囲むように配置される。これによって、アークガイド(740)によりガイドされたアークは、グリッド(720)のある一部分に集中することがない。
【0435】
アークガイド(740)は、支持板(710)の延び方向、図示の実施例における前後方向に延びてもよい。すなわち、アークガイド(740)は、最も前方側に位置するグリッド(720)、及び最も後方側に位置するグリッド(720)の間で延びてもよい。
【0436】
アークガイド(740)は、第1延長部(741)及び第2延長部(742)を含む。
【0437】
第1延長部(741)は、アークガイド(740)が支持板(710)に結合される部分である。第1延長部(741)は、固定接点台(310)に向かう支持板(710)の一側、図示の実施例における下側に位置する。第1延長部(741)は、締結部材により支持板(710)に結合してもよい。
【0438】
第1延長部(741)は、グリッド(720)に向かう方向、図示の実施例における上側に延びる。一実施例において、第1延長部(741)は、支持板(710)と接触しながら延びてもよい。他の実施例において、第1延長部(741)は、支持板(710)と平行に延びてもよい。
【0439】
第1延長部(741)の端部で第2延長部(742)が延びる。
【0440】
第2延長部(742)は、グリッド(720)の左右方向の端部に形成された尖頭部分を部分的に取り囲むように形成される。第2延長部(742)は、第1延長部(741)と所定の角度をなして延びる。一実施例において、第2延長部(742)は、第1延長部(741)と鈍角をなして延びてもよい。
【0441】
他の実施例において、第2延長部(742)は、グリッド(720)の左右方向の端部に形成された尖頭部分と平行に延びてもよい。
【0442】
アークランナー(750)は、発生したアークがグリッド(720)に向かって流動するようにアークを誘導する。アークガイド(740)によって、発生したアークがグリッド(720)を超えてカバー部(100)の一側壁に進行することを防止することができる。これによって、発生したアークによりカバー部(100)が損傷することを防止することができる。
【0443】
アークランナー(750)は、固定接点(311)及び可動接点(321)に向かう支持板(710)の一側に位置する。図示の実施例において、アークランナー(750)は支持板(710)の下側に位置する。
【0444】
アークランナー(750)は固定接点(311)と反対の支持板(710)の他側に位置する。具体的に、アークランナー(750)は支持板(710)の前方側に位置する固定接点(311)と反対になるように、支持板(710)の下側で後方側に位置する。
【0445】
アークランナー(750)は支持板(710)に結合される。上記結合は、アークランナー(750)の左右方向の端部に形成される突起が支持板(710)に形成された貫通孔に挿入されて形成されてもよい。
【0446】
アークランナー(750)は伝導性の素材で形成されてもよい。流動するアークに吸引力を印加して、効果的にアークを誘導するためである。一実施例において、アークランナー(750)は、銅、鉄又はこれらを含む合金から形成されてもよい。
【0447】
アークランナー(750)は、グリッド(720)に向かって所定の長さだけ延びる。一実施例において、アークランナー(750)は、固定接点(311)から最も離れるように位置するグリッド(720)、図示の実施例で最も後方側に位置するグリッド(720)を後方側で覆うように配置されてもよい。
【0448】
これによって、アークが最も後方側に位置するグリッド(720)を超えて延びることがなく、カバー部(100)の損傷を防止することができる。また、発生したアークがグリッド(720)に向かって効果的に誘導され得る。
【0449】
磁石ケース(760)は、アーク消弧部(700)に主磁場(M.M.F)及び副磁場(S.M.F)を形成するように構成される消弧磁石(770)を収容する。
【0450】
また、磁石ケース(760)は、支持板(710)又はグリッド(720)と結合し、消弧磁石(770)がアーク消弧部(700)に安定して結合できるようにする。
【0451】
磁石ケース(760)は、一方向、図示の実施例における左右方向に延びる。磁石ケース(760)が延びる長さは、グリッド(720)が幅方向、すなわち左右方向に延びる長さによって決定されてもよい。
【0452】
一実施例において、磁石ケース(760)は、延長方向の一側端部及び他側端部がそれぞれ互いに対向する各支持板(710)に接触するように延びてもよい。すなわち、磁石ケース(760)は、互いに対向する各支持板(710)の間で延びる。
【0453】
磁石ケース(760)は、絶縁性の素材で形成されてもよい。消弧磁石(770)が形成する主磁場(M.M.F)及び副磁場(S.M.F)が磁気的な干渉を受けることを防止するためである。
【0454】
磁石ケース(760)は、耐熱性の素材で形成されてもよい。高温高圧のアークによって磁石ケース(760)が損傷することを防止するためである。
【0455】
一実施例において、磁石ケース(760)は、合成樹脂又は強化プラスチックで形成されてもよい。
【0456】
図示の実施例において、磁石ケース(760)は、第1収容部(761)、第2収容部(762)、第3収容部(763)、グリッド結合部(764)、及びアーク流入部(765)を含む。
【0457】
第1収容部(761)は、消弧磁石(770)の第1消弧磁石(771)を収容する。
【0458】
第1収容部(761)は、磁石ケース(760)の一側、図示の実施例における下方側を形成する。言い換えると、第1収容部(761)は、固定接点(311)に向かう磁石ケース(760)の一側に形成される。
【0459】
第1収容部(761)は、グリッド(720)から離れる方向、図示の実施例における下側に突設される。第1収容部(761)の突出長さは、支持板(710)の下側端部の位置によって決定されてもよい。すなわち、第1収容部(761)の下側端部は、支持板(710)の下側端部より固定接点(311)でより離間するように位置してもよい。
【0460】
第1収容部(761)は、磁石ケース(760)が延設される方向、図示の実施例における左右方向で中央部分に位置してもよい。言い換えると、第1収容部(761)は、第2収容部(762)と第3収容部(763)との間に位置してもよい。
第1収容部(761)は、グリッド(720)の下側に位置してもよい。具体的に、第1収容部(761)は、固定接点(311)に向かうグリッド(720)の一側、図示の実施例における下側に位置する。
【0461】
グリッド(720)に向かう第1収容部(761)の一側、図示の実施例における上側にはグリッド結合部(764)が形成される。また、第1収容部(761)の両側、図示の実施例における右側及び左側にはアーク流入部(765)が形成される。
【0462】
第1収容部(761)は、第1収容溝(761a)、第1締結孔(761b)、第1締結部材(761c)、及び覆い部(761d)を含む。
【0463】
第1収容溝(761a)は、消弧磁石(770)の第1消弧磁石(771)が収容される空間である。第1収容溝(761a)は、アークランナー(750)と反対の第1収容部(761)の一側、図示の実施例における前方側面で陥没形成される。
【0464】
第1収容溝(761a)は、第1消弧磁石(771)を収容できる任意の位置に形成されてもよい。例えば、第1収容溝(761a)は、第1収容部(761)の後方側面又は下側面など、陥没して空間を形成できる任意の位置に形成されてもよい。
【0465】
第1収容溝(761a)の前記一側、図示の実施例における前方側には開口部が形成される。第1消弧磁石(771)は、前記開口部を通じて第1収容溝(761a)に収容されてもよい。
【0466】
上述したように、第1収容溝(761a)は、第1収容部(761)の他の位置にも形成されてもよい。この場合にも、第1収容溝(761a)の外側には開口部が形成され、第1消弧磁石(771)が第1収容溝(761a)に収容される通路として機能することができる。図示の実施例において、第1収容溝(761a)は、長方形の断面を有するように形成される。第1収容溝(761a)の形状は、第1消弧磁石(771)の形状によって変わり得る。
【0467】
第1収容溝(761a)に第1消弧磁石(771)が収容された後、第1収容溝(761a)は、覆い部(761d)によって覆われてもよい。これによって、第1収容溝(761a)に収容された第1消弧磁石(771)の揺動及び任意離脱を防止することができる。
【0468】
第1締結孔(761b)は、覆い部(761d)を第1収容部(761)に固定するための第1締結部材(761c)が挿入される空間である。第1締結孔(761b)は、第1収容部(761)に陥没形成される。一実施例において、第1締結孔(761b)は、第1収容部(761)に貫通形成されてもよい。
【0469】
第1締結孔(761b)は、第1収容溝(761a)に隣接して位置する。図示の実施例において、第1締結孔(761b)は2つ形成され、各第1締結孔(761b)は、第1収容溝(761a)の右側及び左側にそれぞれ位置する。
【0470】
第1締結孔(761b)の数及び位置は、覆い部(761d)に形成された締結孔の数及び位置によって変わり得る。
【0471】
第1締結部材(761c)は、第1収容部(761)と覆い部(761d)とを締結する。
【0472】
第1締結部材(761c)は、覆い部(761d)に貫通結合される。また、第1締結部材(761c)は、第1収容部(761)に挿入又は貫通結合される。これによって、第1収容部(761)と覆い部(761d)とが安定して結合し得る。
【0473】
第1締結部材(761c)は、2つ以上の部材を締結できる任意の形態に備えられてもよい。一実施例において、第1締結部材(761c)は、ネジ部材又はリベット部材などで備えられてもよい。
【0474】
第1締結部材(761c)は複数備えられてもよい。図示の実施例において、第1締結部材(761c)は2つ備えられる。第1締結部材(761c)の数は、第1収容部(761)の第1締結孔(761b)の数、及び覆い部(761d)に形成された貫通孔の数によって決定されてもよい。
【0475】
覆い部(761d)は、第1収容部(761)に結合される。第1収容溝(761a)に第1消弧磁石(771)が収容された後、覆い部(761d)は、第1収容溝(761a)を覆ってもよい。これによって、第1消弧磁石(771)の任意揺動及び離脱を防止することができる。
【0476】
覆い部(761d)は、第1収容部(761)に対応する形状に形成されてもよい。一実施例において、覆い部(761d)は、第1収容部(761)の断面のような形状に形成されてもよい。
【0477】
図示の実施例において、第1収容部(761)の断面及び覆い部(761d)の断面は、上側及び下側の各角を底面及び上面にする台形形状であるが、その形状は変わり得る。
【0478】
覆い部(761d)には貫通孔が形成される。前記貫通孔には第1締結部材(761c)が貫通結合される。これによって、覆い部(761d)と第1収容部(761)とが安定して結合し得る。
【0479】
貫通孔は複数形成されてもよい。複数の貫通孔は互いに離間して配置されてもよい。図示の実施例において、貫通孔は2つ形成され、それぞれ覆い部(761d)の左右方向に離間して配置される。
【0480】
貫通孔の数及び位置は、第1収容部(761)の第1締結孔(761b)の数及び位置によって変わり得る。
【0481】
第1収容部(761)の一側、図示の実施例における左側には第2収容部(762)が位置する。第1収容部(761)と第2収容部(762)とは連続している。
【0482】
第2収容部(762)は、消弧磁石(770)の第2消弧磁石(772)を収容する。
【0483】
第2収容部(762)は、磁石ケース(760)の他側、図示の実施例における左側を形成する。言い換えると、第2収容部(762)は、互いに対向する支持板(710)のいずれか一方、図示の実施例における左側に位置する支持板(710)に隣接して位置する。
【0484】
第2収容部(762)は、第1収容部(761)の一側、図示の実施例における左側に位置する。第2収容部(762)は、第1収容部(761)から離れる方向に延びる。
【0485】
言い換えると、第2収容部(762)は、前記支持板(710)又はグリッド(720)の左側角に向かって延びる。第2収容部(762)の端部は、前記支持板(710)と接触してもよい。
【0486】
第2収容部(762)は、第1収容部(761)を挟んで、第3収容部(763)と対向するように配置される。一実施例において、第2収容部(762)と第3収容部(763)とは、互いに対称になるように形成されてもよい。
【0487】
第2収容部(762)は、グリッド(720)の一側に位置してもよい。具体的に、第2収容部(762)は、支持板(710)のうち左側に位置する支持板(710)に向かうグリッド(720)の一側、すなわち図示の実施例における左側に位置する。
【0488】
第2収容部(762)と第3収容部(763)との間にはグリッド結合部(764)が形成される。また、第2収容部(762)と第3収容部(763)との間にはアーク流入部(765)が形成される。
【0489】
第2収容部(762)は、第2収容溝(762a)、第2締結孔(762b)、及び第2締結部材(762c)を含む。
【0490】
第2収容溝(762a)は、消弧磁石(770)の第2消弧磁石(772)が収容される空間である。第2収容溝(762a)は、第2収容部(762)の端部の面、図示の実施例における左側面で陥没形成される。
【0491】
言い換えると、第2収容溝(762a)は、支持板(710)に向かう第2収容部(762)の一側、図示の実施例における左側面で陥没形成される。
【0492】
第2収容溝(762a)の前記一側、図示の実施例における左側には開口部が形成される。第2消弧磁石(772)は、前記開口部を通じて第2収容溝(762a)に収容されてもよい。
【0493】
図示の実施例において、第2収容溝(762a)は、長方形の断面を有するように形成される。第2収容溝(762a)の形状は、第2消弧磁石(772)の形状によって変わり得る。
【0494】
第2収容溝(762a)に第2消弧磁石(772)が収容された後、第2収容溝(762a)は、支持板(710)によって覆われてもよい。これによって、第2収容溝(762a)に収容された第2消弧磁石(772)の揺動及び任意離脱を防止することができる。
【0495】
第2締結孔(762b)は、支持板(710)を第2収容部(762)に固定するための第2締結部材(762c)が挿入される空間である。第2締結孔(762b)は、第2収容部(762)に陥没形成される。一実施例において、第2締結孔(762b)は、第2収容部(762)に貫通形成されてもよい。
【0496】
第2締結孔(762b)は、第2収容溝(762a)に隣接して位置する。図示の実施例において、第2締結孔(762b)は2つ形成され、各第2締結孔(762b)は、第2収容溝(762a)の上側及び下側にそれぞれ位置する。
【0497】
第2締結孔(762b)の数及び位置は、支持板(710)に形成された締結孔の数及び位置によって変わり得る。
【0498】
第2締結部材(762c)は、第2収容部(762)と支持板(710)とを締結する。
【0499】
第2締結部材(762c)は、支持板(710)に貫通結合される。また、第2締結部材(762c)は、第2収容部(762)に挿入又は貫通結合される。これによって、第2収容部(762)と支持板(710)とが安定して結合し得る。
【0500】
第2締結部材(762c)は、2つ以上の部材を締結できる任意の形態に備えられてもよい。一実施例において、第2締結部材(762c)は、ネジ部材又はリベット部材などで備えられてもよい。
【0501】
第2締結部材(762c)は複数備えられてもよい。図示の実施例において、第2締結部材(762c)は2つ備えられる。第2締結部材(762c)の数は、第2収容部(762)の第2締結孔(762b)の数、及び支持板(710)に形成された貫通孔の数によって決定されてもよい。
【0502】
第3収容部(763)は、消弧磁石(770)の第3消弧磁石(773)を収容する。
【0503】
第3収容部(763)は、磁石ケース(760)の他の他側、図示の実施例における右側を形成する。言い換えると、第3収容部(763)は、互いに対向する支持板(710)のいずれか他方、図示の実施例における右側に位置する支持板(710)に隣接して位置する。
【0504】
第3収容部(763)は、第1収容部(761)の他側、図示の実施例における右側に位置する。第3収容部(763)は、第1収容部(761)から離れる方向に延びる。
言い換えると、第3収容部(763)は、前記支持板(710)又はグリッド(720)の右側角に向かって延びる。第3収容部(763)の端部は、前記支持板(710)と接触してもよい。
【0505】
第3収容部(763)は、第1収容部(761)を挟んで、第2収容部(762)と対向するように配置される。一実施例において、第3収容部(763)と第2収容部(762)とは、互いに対称になるように形成されてもよい。
【0506】
第3収容部(763)は、グリッド(720)の一側に位置してもよい。具体的に、第3収容部(763)は、支持板(710)のうち右側に位置する支持板(710)に向かうグリッド(720)の一側、すなわち図示の実施例における右側に位置する。
【0507】
第3収容部(763)と第2収容部(762)との間にはグリッド結合部(764)が形成される。また、第3収容部(763)と第2収容部(762)との間にはアーク流入部(765)が形成される。
【0508】
第3収容部(763)は、第3収容溝(763a)、第3締結孔(763b)、及び第3締結部材(763c)を含む。
【0509】
第3収容溝(763a)は、消弧磁石(770)の第3消弧磁石(773)が収容される空間である。第3収容溝(763a)は、第3収容部(763)の端部の面、図示の実施例における右側面で陥没形成される。
【0510】
言い換えると、第3収容溝(763a)は、支持板(710)に向かう第3収容部(763)の一側、図示の実施例における右側面で陥没形成される。
【0511】
第3収容溝(763a)の前記一側、図示の実施例における右側には開口部が形成される。第3消弧磁石(773)は、前記開口部を通じて第3収容溝(763a)に収容されてもよい。
【0512】
図示の実施例において、第3収容溝(763a)は、長方形の断面を有するように形成される。第3収容溝(763a)の形状は、第3消弧磁石(773)の形状によって変わり得る。
【0513】
第3収容溝(763a)に第3消弧磁石(773)が収容された後、第3収容溝(763a)は、支持板(710)によって覆われてもよい。これによって、第3収容溝(763a)に収容された第3消弧磁石(773)の揺動及び任意離脱を防止することができる。
【0514】
第3締結孔(763b)は、支持板(710)を第3収容部(763)に固定するための第3締結部材(763c)が挿入される空間である。第3締結孔(763b)は、第3収容部(763)に陥没形成される。一実施例において、第3締結孔(763b)は、第3収容部(763)に貫通形成されてもよい。
【0515】
第3締結孔(763b)は、第3収容溝(763a)に隣接して位置する。図示の実施例において、第3締結孔(763b)は2つ形成され、各第3締結孔(763b)は、第3収容溝(763a)の上側及び下側にそれぞれ位置する。
【0516】
第3締結孔(763b)の数及び位置は、支持板(710)に形成された締結孔の数及び位置によって変わり得る。
【0517】
第3締結部材(763c)は、第3収容部(763)と支持板(710)とを締結する。
【0518】
第3締結部材(763c)は、支持板(710)に貫通結合される。また、第3締結部材(763c)は、第3収容部(763)に挿入又は貫通結合される。これによって、第3収容部(763)と支持板(710)とが安定して結合し得る。
【0519】
第3締結部材(763c)は、2つ以上の部材を締結できる任意の形態に備えられてもよい。一実施例において、第3締結部材(763c)は、ネジ部材又はリベット部材などで備えられてもよい。
【0520】
第3締結部材(763c)は複数備えられてもよい。図示の実施例において、第3締結部材(763c)は2つ備えられる。第3締結部材(763c)の数は、第3収容部(763)の第3締結孔(763b)の数、及び支持板(710)に形成された貫通孔の数によって決定されてもよい。
【0521】
第1収容部(761)、第2収容部(762)及び第3収容部(763)は、それぞれ上下方向を基準として所定の高さに位置してもよい。
【0522】
具体的に、第1収容部(761)は、第2収容部(762)及び第3収容部(763)に比べて相対的により下側に位置してもよい。
【0523】
すなわち、第1収容部(761)とグリッドカバー(730)との間の距離は、第2収容部(762)とグリッドカバー(730)との間の距離、又は第3収容部(763)とグリッドカバー(730)との間の距離よりも長く形成されてもよい。一実施例において、前記距離は最短距離、すなわち垂直距離であってもよい。
【0524】
言い換えると、第1収容部(761)と固定接点(311)との間の距離は、第2収容部(762)と固定接点(311)との間の距離、又は第3収容部(763)と固定接点(311)との間の距離よりも短くてもよい。一実施例において、前記距離は最短距離、すなわち垂直距離であってもよい。
【0525】
また、第2収容部(762)及び第3収容部(763)は、上下方向で互いに同一の高さに位置してもよい。
【0526】
すなわち、第2収容部(762)とグリッドカバー(730)との間の距離は、第3収容部(763)とグリッドカバー(730)との間の距離と同一に形成されてもよい。一実施例において、前記距離は最短距離、すなわち垂直距離であってもよい。
【0527】
言い換えると、第2収容部(762)と固定接点(311)との間の距離は、第3収容部(763)と固定接点(311)との間の距離と同一に形成されてもよい。一実施例において、前記距離は最短距離、すなわち垂直距離であってもよい。
【0528】
したがって、固定接点(311)で発生及び延長するアークは、第1収容部(761)に収容された第1消弧磁石(771)が形成する磁場によりアーク消弧部(700)に誘導され得る。
【0529】
また、誘導されたアークは、第2収容部(762)及び第3収容部(763)にそれぞれ収容された第2消弧磁石(772)及び第3消弧磁石(773)が形成する磁場により誘導され、グリッド(720)の間を通過して消弧してもよい。
【0530】
グリッド結合部(764)は、磁石ケース(760)がグリッド(720)と結合する部分である。具体的に、グリッド結合部(764)にはグリッド(720)が挿入結合される。
【0531】
グリッド結合部(764)は、磁石ケース(760)の他側面で陥没形成される。具体的に、グリッド結合部(764)は、第1収容部(761)が形成される磁石ケース(760)の一側と反対の他側、図示の実施例における上側面で陥没形成される。
【0532】
グリッド結合部(764)は、所定の長さだけ陥没形成される。グリッド結合部(764)は、グリッド(720)の下側を部分的に収容できる程度に十分に深く陥没形成されることが好ましい。
【0533】
グリッド結合部(764)は、第2収容部(762)及び第3収容部(763)の間で延びる。図示の実施例において、グリッド結合部(764)は、左右方向に延設される。グリッド結合部(764)が延びる方向は、グリッド(720)が各支持板(710)の間で延びる方向と同一であることが理解されるであろう。
【0534】
グリッド結合部(764)は、所定の長さだけ延びる。図示の実施例において、グリッド結合部(764)の左側端部は、左側に形成されるアーク流入部(765)の左側端部と左右方向に隣接するように位置する。また、グリッド結合部(764)の右側端部は、右側に形成されるアーク流入部(765)の右側端部と左右方向に隣接するように位置する。
【0535】
グリッド結合部(764)の延長長さは、固定接点(311)に向かうグリッド(720)の一側、図示の実施例における下側を部分的に収容できる長さに形成されることが好ましい。
【0536】
グリッド結合部(764)の内部は段差が形成されてもよい。図示の実施例において、グリッド結合部(764)が延びる方向である左右方向の各端部は、残りの部分よりも短い長さに陥没形成される。一実施例において、グリッド結合部(764)の前記各端部は、磁石ケース(760)の上下方向に貫通形成されてもよい。
【0537】
したがって、グリッド結合部(764)に挿入されるグリッド(720)の左右方向の端部は、グリッド結合部(764)に貫通結合されてもよい。
【0538】
このとき、グリッド結合部(764)に結合されるグリッド(720)は、グリッド結合部(764)に結合していない他のグリッド(720)と形状が異なってもよい。
【0539】
一例で、グリッド結合部(764)に結合されるグリッド(720)の長さ、すなわち上下方向の長さは、グリッド結合部(764)に結合していない他のグリッド(720)の長さに比べて短く形成されてもよい。
【0540】
また、グリッド結合部(764)に結合されるグリッド(720)の端部の幅、すなわち左右方向の長さは、グリッド結合部(764)に結合していない他のグリッド(720)の端部の幅よりも短く形成されてもよい。
【0541】
このとき、グリッド結合部(764)に結合されるグリッド(720)が支持板(710)に結合される部分の幅は、グリッド結合部(764)に結合していない他のグリッド(720)が支持板(710)に結合される部分の幅のように形成されてもよい。
【0542】
すなわち、磁石ケース(760)と結合するグリッド(720)が磁石ケース(760)と結合していない他のグリッド(720)と同じ形状を有する場合、磁石ケース(760)を備えるためにアーク消弧部(700)の構造が過度に変更されなければならない。
【0543】
したがって、本実施例によるアーク消弧部(700)は、磁石ケース(760)と結合する一部のグリッド(720)の形状を変更することで、アーク消弧部(700)の構造変更を最小化することができる。
【0544】
グリッド結合部(764)の内部に形成される前記段差は、グリッド結合部(764)に挿入結合されるグリッド(720)の下側端部の形状によって決定されてもよい。
【0545】
グリッド結合部(764)は複数備えられてもよい。複数のグリッド結合部(764)は、互いに離間して形成されてもよい。
【0546】
図示の実施例において、グリッド結合部(764)は、固定接点(311)に向かう方向、すなわち前方側に位置する第1グリッド結合部(764a)及びアークランナー(750)に向かう方向、すなわち後方側に位置する第2グリッド結合部(764b)を含んでも犬形成される。
【0547】
各グリッド結合部(764a、764b)は、グリッド(720)に向かう磁石ケース(760)の一側、図示の実施例における上側面の前後方向で互いに離間して形成される。
【0548】
各グリッド結合部(764)には、互いに異なるグリッド(720)の下側が挿入される。図示の実施例において、前方側に位置する第1グリッド結合部(764a)には、前方側から五番目に配置されるグリッド(720)が挿入結合される。また、後方側に位置する第2グリッド結合部(764b)には、前記グリッド(720)の後方側に隣接して配置されるグリッド(720)が挿入結合される。
【0549】
第2グリッド結合部(764b)に挿入結合されるグリッド(720)が前方側から六番目に配置されるグリッド(720)であることが理解されるであろう。
【0550】
アーク流入部(765)は、アーク消弧部(700)を流動するアークがグリッド(720)に向かって流動する通路を形成する。
【0551】
具体的に、アーク経路(A.P)は、磁石ケース(760)に収容された消弧磁石(770)が形成する主磁場(M.M.F)及び副磁場(S.M.F)によって形成される。これによって、アーク経路(A.P)は、グリッド(720)に向かって流動する。
【0552】
このとき、グリッド(720)は、幅方向、図示の実施例における右側及び左側方向の各端部が尖頭状に形成される。よって、流動されたアークはグリッド(720)の両側端部に向かって進行することができる。
【0553】
ところが、上述したように、磁石ケース(760)は、複数のグリッド(720)のうちの一部に挿入結合される。よって、流動されたアークのうち磁石ケース(760)が挿入されたグリッド(720)の両側端部に向かって進行することができる。
【0554】
このため、アーク流入部(765)は、流入されたアークが磁石ケース(760)に挿入されたグリッド(720)に隣接する他のグリッド(720)に向かって流動できる通路として機能する。
【0555】
すなわち、図示の実施例において、アーク流入部(765)は、流入されたアークが磁石ケース(760)に挿入されたグリッド(720)の前方側又は後方側に隣接して位置する他のグリッド(720)に向かって流動するように誘導することができる。
【0556】
アーク流入部(765)は、固定接点(311)に向かう磁石ケース(760)の一側、図示の実施例における下側で陥没形成される。一実施例において、アーク流入部(765)は、第1収容部(761)の下側端部を通る一面で陥没形成されてもよい。
【0557】
アーク流入部(765)は、所定長さだけ延びてもよい。図示の実施例において、アーク流入部(765)は、上側に向かって傾いて延びる第1部分、及び前記第1部分と連通され、上側に向かって垂直するように延びる第2部分を含む。
【0558】
アーク流入部(765)が延びる長さは、流動されたアークが隣接するグリッド(720)に向かって流動するのに十分な長さに形成されてもよい。
【0559】
アーク流入部(765)は、複数形成されてもよい。複数のアーク流入部(765)は、第1収容部(761)の両側に配置されてもよい。一実施例において、複数のアーク流入部(765)は、第1収容部(761)の両側を取り囲むように配置されてもよい。
【0560】
図示の実施例において、アーク流入部(765)は、磁石ケース(760)が延びる両方向、すなわち右側及び左側で第1収容部(761)を取り囲むように形成される。
【0561】
これによって、複数のグリッド(720)のうち磁石ケース(760)が結合したグリッド(720)に流動されたアークは、アーク流入部(765)を通じて隣接するグリッド(720)に流動することができる。
【0562】
これによって、発生したアークが効果的に消弧してアーク消弧部(700)を通過することができる。
【0563】
消弧磁石(770)は、アーク経路(A.P)を形成するための磁場を形成する。消弧磁石(770)が形成する磁場内部で流動するアークは、ローレンツの力と定義される電磁気力を受けるようになる。これによって、発生したアークが所定の方向に向かうように進行するアーク経路(A.P)が形成される。
【0564】
消弧磁石(770)は磁石ケース(760)に収容される。すなわち、消弧磁石(770)は外部に露出しない。これによって、発生したアーク及びアークに含まれる粉じんなどによって消弧磁石(770)が損傷することがなくなる。
【0565】
消弧磁石(770)は、磁場を形成できる任意の形態に備えられてもよい。一実施例において、消弧磁石(770)は、永久磁石又は電磁石として備えられてもよい。
【0566】
消弧磁石(770)は複数備えられてもよい。複数の消弧磁石(770)は、相互間に形成される磁場である主磁場(M.M.F)を形成することができる。また、複数の消弧磁石(770)は、各消弧磁石(770)によって形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成することができる。
【0567】
図示の実施例において、消弧磁石(770)は、第1消弧磁石(771)、第2消弧磁石(772)及び第3消弧磁石(773)を含んで3つ備えられる。消弧磁石(770)の数は変わり得る。
【0568】
第1消弧磁石(771)は、アーク経路(A.P)を形成するための磁場を形成する。
【0569】
第1消弧磁石(771)は、それ自体で副磁場(S.M.F)を形成することができる。また、第1消弧磁石(771)は、第2消弧磁石(772)及び第3消弧磁石(773)のように主磁場(M.M.F)を形成することができる。
【0570】
第1消弧磁石(771)は、所定の形状を有するように形成されてもよい。図示の実施例において、第1消弧磁石(771)は、左右方向の長さが上下方向の長さよりも長い、長方形の断面を有するように形成される。
【0571】
第1消弧磁石(771)の形状は、第1収容溝(761a)に収容され、覆い部(761d)によって密閉可能な任意の形状であってもよい。すなわち、第1消弧磁石(771)の形状は、第1収容溝(761a)の形状によって決定されてもよい。
【0572】
これによって、第1消弧磁石(771)は外部に露出しなくなる。結果的に、発生したアークによって第1消弧磁石(771)が損傷することがなくなる。
【0573】
第1消弧磁石(771)は、第1面(771a)及び第2面(771b)を含む。
【0574】
第1面(771a)は、グリッド(720)に向かう第1消弧磁石(771)の一側面を形成する。言い換えると、第1面(771a)は、固定接点(311)と反対の第1消弧磁石(771)の一側面を形成する。図示の実施例において、第1面(771a)は、第1消弧磁石(771)の上側面と定義できる。
【0575】
第2面(771b)は、固定接点(331)に向かう第1消弧磁石(771)の他側面を形成する。言い換えると、第2面(771b)は、グリッド(720)と反対の第1消弧磁石(771)の他側面を形成する。図示の実施例において、第2面(771b)は、第1消弧磁石(771)の下側面と定義できる。
【0576】
第1面(771a)と第2面(771b)とは、互いに対向するように配置される。すなわち、第1面(771a)と第2面(771b)とは、互いに対向する第1消弧磁石(771)の一側及び他側面である。
【0577】
第1面(771a)は、N極又はS極のいずれか一方の極性に磁化(magnetize)してもよい。また、第2面(771b)は、N極又はS極のいずれか他方の極性に磁化してもよい。すなわち、第1面(771a)と第2面(771b)とは、互いに反対極性に磁化する。これによって、第1面(771a)及び第2面(771b)の間には副磁場(S.M.F)が形成され得る。
【0578】
第2消弧磁石(772)は、アーク経路(A.P)を形成するための磁場を形成する。
【0579】
第2消弧磁石(772)は、それ自体で副磁場(S.M.F)を形成することができる。また、第2消弧磁石(772)は、第1消弧磁石(771)及び第3消弧磁石(773)のように主磁場(M.M.F)を形成することができる。
【0580】
第2消弧磁石(772)は、所定の形状を有するように形成されてもよい。図示の実施例において、第2消弧磁石(772)は、前後方向の長さが上下方向の長さよりも長い、長方形の断面を有するように形成される。
【0581】
第2消弧磁石(772)の形状は、第2収容溝(762a)に収容され、支持板(710)によって密閉可能な任意の形状であってもよい。すなわち、第2消弧磁石(772)の形状は、第2収容溝(762a)の形状によって決定されてもよい。
【0582】
これによって、第2消弧磁石(772)は外部に露出しなくなる。結果的に、発生したアークによって第2消弧磁石(772)が損傷することがなくなる。
【0583】
第2消弧磁石(772)は、第1面(772a)及び第2面(772b)を含む。
【0584】
第1面(772a)は、支持板(710)に向かう第2消弧磁石(772)の一側面を形成する。言い換えると、第1面(772a)は、グリッド(720)と反対の第2消弧磁石(772)の一側面を形成する。図示の実施例において、第1面(772a)は、第2消弧磁石(772)の左側又は外側面と定義できる。
【0585】
第2面(772b)は、グリッド(720)に向かう第2消弧磁石(772)の他側面を形成する。言い換えると、第2面(772b)は、支持板(710)と反対の第2消弧磁石(772)の他側面を形成する。図示の実施例において、第2面(772b)は、第2消弧磁石(772)の右側又は内側面と定義できる。
【0586】
第1面(772a)と第2面(772b)とは、互いに対向するように配置される。言い換えると、第1面(772a)と第2面(772b)とは、互いに対向する第2消弧磁石(772)の一側及び他側面である。
【0587】
第1面(772a)は、N極又はS極のいずれか一方の極性に磁化(magnetize)してもよい。また、第2面(772b)は、N極又はS極のいずれか他方の極性に磁化してもよい。すなわち、第1面(772a)と第2面(772b)とは、互いに反対極性に磁化する。これによって、第1面(772a)及び第2面(772b)の間には副磁場(S.M.F)が形成され得る。
【0588】
第3消弧磁石(773)は、アーク経路(A.P)を形成するための磁場を形成する。
【0589】
第3消弧磁石(773)は、それ自体で副磁場(S.M.F)を形成することができる。また、第3消弧磁石(773)は、第1消弧磁石(771)及び第2消弧磁石(772)のように主磁場(M.M.F)を形成することができる。
【0590】
第3消弧磁石(773)は、磁場を形成できる任意の形態に備えられてもよい。一実施例において、第3消弧磁石(773)は、永久磁石又は電磁石として備えられてもよい。
【0591】
第3消弧磁石(773)は、所定の形状を有するように形成されてもよい。図示の実施例において、第3消弧磁石(773)は、左右方向の長さが上下方向の長さよりも長い、長方形の断面を有するように形成される。
【0592】
第3消弧磁石(773)の形状は、第3収容溝(763a)に収容され、支持板(710)によって密閉可能な任意の形状であってもよい。すなわち、第3消弧磁石(773)の形状は、第3収容溝(763a)の形状によって決定されてもよい。
【0593】
第3消弧磁石(773)は、第1面(773a)及び第2面(773b)を含む。
【0594】
第1面(773a)は、支持板(710)に向かう第3消弧磁石(773)の一側面を形成する。言い換えると、第1面(773a)は、グリッド(720)と反対の第3消弧磁石(773)の一側面を形成する。図示の実施例において、第1面(773a)は、第3消弧磁石(773)の右側又は外側面と定義できる。
【0595】
第2面(773b)は、グリッド(720)に向かう第3消弧磁石(773)の他側面を形成する。言い換えると、第2面(773b)は、支持板(710)と反対の第3消弧磁石(773)の他側面を形成する。図示の実施例において、第2面(773b)は、第3消弧磁石(773)の左側又は内側面と定義できる。
【0596】
第1面(773a)と第2面(773b)とは、互いに対向するように配置される。言い換えると、第1面(773a)と第2面(773b)とは、互いに対向する第3消弧磁石(773)の一側及び他側面である。
【0597】
また、第2面(773b)は、第2消弧磁石(772)の第2面(772b)と対向するように配置される。
【0598】
第1面(773a)は、N極又はS極のいずれか一方の極性に磁化(magnetize)してもよい。また、第2面(773b)は、N極又はS極のいずれか他方の極性に磁化してもよい。すなわち、第1面(773a)と第2面(773b)とは、互いに反対極性に磁化する。これによって、第1面(773a)及び第2面(773b)の間には副磁場(S.M.F)が形成され得る。
【0599】
各消弧磁石(771、772、773)によって主磁場(M.M.F)及び副磁場(S.M.F)が形成される過程についての詳細な説明は後述する。
【0600】
7.本発明の各実施例による気中遮断器(10)に形成されるアーク経路(A.P)についての説明
上述したように、本発明の実施例による気中遮断器(10)は、固定接点(311)及び可動接点(321)を含む。固定接点(311)及び可動接点(321)が離間すると、通電していた電流によってアークが発生する。
【0601】
本発明の実施例による気中遮断器(10)は、発生したアークがアーク消弧部(600、700)に向かって流動するアーク経路(A.P)を形成するための様々な構成要素を含む。
【0602】
以下、
図31ないし
図44を参照して、本発明の実施例による気中遮断器(10)においてアーク経路(A.P)が形成される過程について詳しく説明する。
【0603】
以下で説明される様々な実施例は、それ自体でアーク経路(A.P)を形成するか、又は2つ以上の実施例が互いに組み合わせされてアーク経路(A.P)を形成することができる。
【0604】
以下の説明で、「
で表示された部分は、電流が紙面(paper)から出る方向に流れることを意味する。また、「
で表示された部分は、電流が紙面(paper)に向かって入る方向に流れることを意味する。
【0605】
上記符号が表示された部分が、固定接点(311)及び可動接点(321)が接触して、気中遮断器(10)が外部の電源又は負荷と通電する部分であることが理解されるであろう。
【0606】
(1)本発明の実施例によるカバー磁石部(400)によってアーク経路(A.P)が形成される過程についての説明
図31ないし
図32を参照して、本発明の実施例によるカバー磁石部(400)によってアーク経路(A.P)が形成される過程について詳しく説明する。
【0607】
図31を参照すると、本発明の実施例によるカバー磁石部(400)を含む気中遮断器(10)の正面が示されている。また、
図32を参照すると、本発明の実施例によるカバー磁石部(400)を含む気中遮断器(10)の平面が示されている。
【0608】
理解の便宜のために、上部カバー(110)の図示は省略されている。
【0609】
図示の実施例において、カバー磁石部(400)の第1ないし第4カバー磁石(410、420、430、440)は、各固定接点台(310)を挟むように位置する。
【0610】
このとき、各カバー磁石(410、420、430、440)の各上側面、すなわち各第1面(411、421、431、441)は、S極を帯びるように形成される。また、各カバー磁石(410、420、430、440)の各下側面、すなわち各第2面(412、422、432、442)はN極を帯びるように形成される。
【0611】
各カバー磁石(410、420、430、440)は、それ自体によって形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0612】
図示されてはいないが、互いに隣接して位置する各カバー磁石(410、420、430、440)は、相互間に主磁場(M.M.F)を形成してもよい。
【0613】
図31の(a)において、各遮断部(300)に通電する電流は、紙面から出る方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。
【0614】
また、各カバー磁石(410、420、430、440)が形成する副磁場(S.M.F)は、各第2面(412、422、432、442)から各第1面(411、421、431、441)に向かう方向、すなわち図示の実施例における下側から上側に向かう方向である。
【0615】
各固定接点(311)及び各可動接点(321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)及び通電していた電流によって形成される電磁気力は、アーク消弧部(600、700)の一側の角、図示の実施例における上側の左側に向かう方向に形成される。
【0616】
したがって、
図31の(a)に図示の実施例において、形成されたアークは、グリッド(620、720)の一側(すなわち、左側)の角に向かって進行する。これによって、発生したアークが迅速に流動して消弧することができる。
【0617】
図31の(b)において、各遮断部(300)で通電する電流は、紙面に入る方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が固定接点台(310)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。
【0618】
また、各カバー磁石(410、420、430、440)が形成する副磁場(S.M.F)は、各第2面(412、422、432、442)から各第1面(411、421、431、441)に向かう方向、すなわち図示の実施例における下側から上側に向かう方向である。
【0619】
各固定接点(311)及び各可動接点(321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)及び通電していた電流によって形成される電磁気力は、アーク消弧部(600、700)の一側の角、図示の実施例における上側の右側に向かう方向に形成される。
【0620】
したがって、
図31の(b)に図示の実施例において、形成されたアークは、グリッド(620、720)の他側(すなわち、右側)の角に向かって進行する。これによって、発生したアークが迅速に流動して消弧することができる。
図32を参照すると、
図31に示されている例を上側から見た平面図が示されている。
【0621】
図32の(a)において、各遮断部(300)に通電する電流は、気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。前記電流の方向は、
図31の(a)に図示の実施例と同一であることが理解されるであろう。
【0622】
上述したように、各カバー磁石(410、420、430、440)が形成する副磁場(S.M.F)は、各第2面(412、422、432、442)から各第1面(411、421、431、441)に向かう方向、すなわちアーク消弧部(600、700)に向かう方向に形成される。
【0623】
各固定接点(311)及び各可動接点(321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)及び通電していた電流によって形成される電磁気力は、アーク消弧部(600、700)の一側の角、図示の実施例における上側の左側に向かう方向に形成される。
【0624】
したがって、
図32の(a)に図示の実施例において、形成されたアークは、グリッド(620、720)の一側(すなわち、左側)の角に向かって進行する。これによって、発生したアークが迅速に流動して消弧することができる。
【0625】
図32の(b)において、各遮断部(300)に通電する電流は、外部の電源又は負荷に流れる電流が固定接点台(310)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。前記電流の方向は、
図31の(b)に図示の実施例と同一であることが理解されるであろう。
【0626】
上述したように、各カバー磁石(410、420、430、440)が形成する副磁場(S.M.F)は、各第2面(412、422、432、442)から各第1面(411、421、431、441)に向かう方向、すなわちアーク消弧部(600、700)に向かう方向に形成される。
【0627】
各固定接点(311)及び各可動接点(321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)及び通電していた電流によって形成される電磁気力は、アーク消弧部(600、700)の一側の角、図示の実施例における上側の右側に向かう方向に形成される。
【0628】
したがって、
図32の(b)に図示の実施例において、形成されたアークは、グリッド(620、720)の他側(すなわち、右側)の角に向かって進行する。これによって、発生したアークが迅速に流動して消弧することができる。
【0629】
本実施例において、各カバー磁石(410、420、430、440)の各第1面(411、421、431、441)は、互いに同じ極性(すなわち、S極)に磁化してもよい。同様に、各カバー磁石(410、420、430、440)の各第2面(412、422、432、442)は、互いに同じ極性(すなわち、N極)に磁化してもよい。
【0630】
本実施例において、各接点(311、321)に通電する電流の方向が変わっても、アーク経路(A.P)は、グリッド(620、720)の前記端部及びグリッドカバー(630、730)に向かうように形成される。
【0631】
したがって、通電する電流の方向とは関係なく、発生したアークは、アーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧することができる。
【0632】
(2)本発明の一実施例によるアーク消弧部(600)によってアーク経路(A.P)が形成される過程についての説明
図33ないし
図36を参照して、本発明の一実施例によるアーク消弧部(600)によってアーク経路(A.P)が形成される過程について詳しく説明する。
【0633】
図示の実施例において、理解の便宜のため、複数のアーク消弧部(600)のいずれか1つのアーク消弧部(600)が示されている。示されていない他のアーク消弧部(600)も以下の説明によってアーク経路(A.P)が形成されることが理解されるであろう。
【0634】
図33を参照すると、本発明の一実施例によるアーク消弧部(600)の正面が示されている。また、
図34を参照すると、本発明の一実施例によるアーク消弧部(600)の側断面が示されている。
【0635】
上述したように、本実施例によるアーク消弧部(600)は、カバー本体(631)に収容される消弧磁石(634)を含む。
【0636】
消弧磁石(634)の第1面(634a)、すなわちグリッド(620)と反対の一側の面はS極に磁化する。これによって、消弧磁石(634)の第2面(634b)、すなわちグリッド(620)に向かう他側の面はN極に磁化する。
【0637】
消弧磁石(634)は、それ自体によって形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。消弧磁石(634)が形成する副磁場(S.M.F)は、グリッド(620)に向かう方向、すなわち図示の実施例における上側から下側に向かう方向である。
【0638】
図33の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面から出る方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。
【0639】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(620)の一側の角、図示の実施例における上側の右側に向かう方向に形成される。
【0640】
図33の(b)において、各接点(311、321)で通電する電流は、紙面に入る方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。
【0641】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(620)の他側角、図示の実施例における上側の左側に向かう方向に形成される。
【0642】
上述したように、グリッド(620)の左右方向の端部は尖頭状に形成されてもよい。これによって、アークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って流動してグリッド(620)の前記端部に進入することができる。
【0643】
また、アーク経路(A.P)は、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成される。グリッドカバー(630)には、外部と連通する上部フレーム(632)の通孔部(632a)、メッシュ部(633)、及び遮断板(636)の貫通孔(636a)が備えられる。
【0644】
したがって、発生したアークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧して外部に排出され得る。
【0645】
図34の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(600)から離れる方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である(
図34の(a)の実線の矢印を参照)。
【0646】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面に入る方向、すなわちグリッド(620)の左側に向かう方向に形成される。
【0647】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図33の(a)に図示の実施例のように、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0648】
図34の(b)において、各接点(311、321)で通電する電流は、アーク消弧部(600)に向かう方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である(
図34の(b)の実線の矢印を参照)。
【0649】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面から出る方向、すなわちグリッド(620)の右側に向かう方向に形成される。
【0650】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図33の(b)に図示の実施例のように、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0651】
上述したように、グリッド(620)の左右方向の端部は尖頭状に形成されてもよい。これによって、アークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って流動してグリッド(620)の前記端部に進入することができる。
【0652】
したがって、発生したアークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧して外部に排出され得る。
【0653】
図35を参照すると、本発明の一実施例によるアーク消弧部(600)の正面が示されている。また、
図36を参照すると、本発明の一実施例によるアーク消弧部(600)の側断面が示されている。
【0654】
上述したように、本実施例によるアーク消弧部(600)は、カバー本体(631)に収容される消弧磁石(634)を含む。
【0655】
消弧磁石(634)の第1面(634a)、すなわちグリッド(620)と反対の一側の面はN極に磁化する。これによって、消弧磁石(634)の第2面(634b)、すなわちグリッド(620)に向かう他側の面はS極に磁化する。
【0656】
消弧磁石(634)は、それ自体によって形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。消弧磁石(634)が形成する副磁場(S.M.F)は、グリッド(620)から離れる方向、すなわち図示の実施例における下側から上側に向かう方向である。
【0657】
図35の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面から出る方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。
【0658】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(620)の一側の角、図示の実施例における上側の左側に向かう方向に形成される。
図35の(b)において、各接点(311、321)で通電する電流は、紙面に入る方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。
【0659】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(620)の他側角、図示の実施例における上側の右側に向かう方向に形成される。
【0660】
図36の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(600)から離れる方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である(
図36の(a)の実線の矢印を参照)。
【0661】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面から出る方向、すなわちグリッド(620)の右側に向かう方向に形成される。
【0662】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図35の(a)に図示の実施例のように、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0663】
図36の(b)において、各接点(311、321)で通電する電流は、アーク消弧部(600)に向かう方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である(
図36の(b)の実線の矢印を参照)。
【0664】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。すなわち、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面に入る方向、すなわちグリッド(620)の左側に向かう方向に形成される。
【0665】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図33の(b)に図示の実施例のように、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0666】
上述したように、グリッド(620)の左右方向の端部は尖頭状に形成されてもよい。これによって、アークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って流動してグリッド(620)の前記端部に進入することができる。
【0667】
また、アーク経路(A.P)は、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成される。グリッドカバー(630)には、外部と連通する上部フレーム(632)の通孔部(632a)、メッシュ部(633)、及び遮断板(636)の貫通孔(636a)が備えられる。
【0668】
したがって、発生したアークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧して外部に排出され得る。
【0669】
本実施例において、消弧磁石(634)の極性が変わっても、形成されるアーク経路(A.P)は、グリッド(620)の幅方向、図示の実施例における左右方向に向かうように形成される。また、形成されるアーク経路(A.P)は、各接点(311、321)と反対になるように位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成される。
【0670】
さらに、各接点(311、321)に通電する電流の方向が変わる場合にも、アーク経路(A.P)は、グリッド(620)の前記端部及びグリッドカバー(630)に向かうように形成される。
【0671】
したがって、消弧磁石(634)の極性、及び通電する電流の方向が変わっても、発生したアークは、アーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧することができる。
【0672】
(3)本発明の実施例によるCT磁石部(500)、及び一実施例によるアーク消弧部(600)によってアーク経路(A.P)が形成される過程についての説明
図37ないし
図40を参照して、本発明の実施例によるCT磁石部(500)、及び一実施例によるアーク消弧部(600)によってアーク経路(A.P)が形成される過程について詳しく説明する。
【0673】
上述したように、本発明の実施例によるCT磁石部(500)はCT磁石(530)を含む。
【0674】
CT磁石(530)は、ケース(510)の空間部(520)に収容されて副磁場(S.M.F)を形成する。また、CT磁石(530)は、アーク消弧部(600)の消弧磁石(634)と共に主磁場(M.M.F)を形成することができる。
【0675】
また、上述したように、本発明の一実施例によるアーク消弧部(600)は消弧磁石(634)を含む。
【0676】
消弧磁石(634)は、グリッドカバー(630)の内部に収容され、副磁場(S.M.F)を形成する。また、消弧磁石(634)は、CT磁石部(500)のCT磁石(530)と共に主磁場(M.M.F)を形成することができる。
【0677】
このとき、CT磁石(530)と消弧磁石(634)とが互いに対向する面、すなわちCT磁石(530)の第1面(531)、及び消弧磁石(634)の第2面(634b)は、互いに異なる極性に磁化してもよい。
【0678】
図37を参照すると、本発明の実施例によるCT磁石部(500)、及び一実施例によるアーク消弧部(600)を含む気中遮断器(10)の正面が示されている。また、
図38を参照すると、本発明の実施例によるCT磁石部(500)、及び一実施例によるアーク消弧部(600)を含む気中遮断器(10)の右側面が示されている。
【0679】
CT磁石(530)の第1面(531)、すなわち各接点(311、321)又はアーク消弧部(600)に向かう一側の面はS極に磁化する。これによって、CT磁石(530)の第2面(532)、すなわち各接点(311、321)又はアーク消弧部(600)と反対の他側の面はN極に磁化する。CT磁石(530)は、それ自体によって形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0680】
また、消弧磁石(634)の第1面(634a)、すなわち各接点(311、321)又はCT磁石部(500)と反対の一側の面はS極に磁化する。これによって、消弧磁石(634)の第2面(634b)、すなわち各接点(311、321)又はCT磁石部(500)に向かう他側の面はN極に磁化する。消弧磁石(634)は、それ自体によって形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0681】
さらに、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間には主磁場(M.M.F)が形成される。具体的に、消弧磁石(634)の第2面(634b)からCT磁石(530)の第1面(531)に向かう方向、図示の実施例における上側から下側に向かう方向に主磁場(M.M.F)が形成される。
【0682】
図37の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面から出る方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。
【0683】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0684】
すなわち、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間に形成される主磁場(M.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(620)の一側の角、図示の実施例における上側の右側に向かう方向に形成される。
【0685】
図37の(b)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面に入る方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。
【0686】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0687】
すなわち、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間に形成される主磁場(M.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(620)の一側の角、図示の実施例における上側の左側に向かう方向に形成される。
【0688】
図38の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(600)から離れる方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が各接点(311、321)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である(
図38の(a)の実線の矢印を参照)。
【0689】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0690】
すなわち、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間に形成される主磁場(M.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面から出る方向、すなわちグリッド(620)の右側に向かう方向に形成される。
【0691】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図37の(a)に図示の実施例のように、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0692】
図38の(b)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(600)に向かう方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である(
図38の(b)の実線の矢印を参照)。
【0693】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0694】
すなわち、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間に形成される主磁場(M.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面に入る方向、すなわちグリッド(620)の左側に向かう方向に形成される。
【0695】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図37の(b)に図示の実施例のように、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0696】
上述したように、グリッド(620)の左右方向の端部は尖頭状に形成されてもよい。これによって、アークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って流動してグリッド(620)の前記端部に進入することができる。
【0697】
また、アーク経路(A.P)は、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成される。グリッドカバー(630)には、外部と連通する上部フレーム(632)の通孔部(632a)、メッシュ部(633)、及び遮断板(636)の貫通孔(636a)が備えられる。
【0698】
したがって、発生したアークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧して外部に排出され得る。
【0699】
図39を参照すると、本発明の実施例によるCT磁石部(500)、及び一実施例によるアーク消弧部(600)を含む気中遮断器(10)の正面が示されている。また、
図40を参照すると、本発明の実施例によるCT磁石部(500)、及び一実施例によるアーク消弧部(600)を含む気中遮断器(10)の側面が示されている。
【0700】
CT磁石(530)の第1面(531)、すなわち各接点(311、321)又はアーク消弧部(600)に向かう一側の面はN極に磁化する。これによって、CT磁石(530)の第2面(532)、すなわち各接点(311、321)又はアーク消弧部(600)と反対の他側の面はS極に磁化する。CT磁石(530)は、それ自体によって形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0701】
また、消弧磁石(634)の第1面(634a)、すなわち各接点(311、321)又はCT磁石部(500)と反対の一側の面はN極に磁化する。これによって、消弧磁石(634)の第2面(634b)、すなわち各接点(311、321)又はCT磁石部(500)に向かう他側の面はS極に磁化する。消弧磁石(634)は、それ自体によって形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0702】
さらに、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間には主磁場(M.M.F)が形成される。具体的に、CT磁石(530)の第1面(531)から消弧磁石(634)の第2面(634b)に向かう方向、図示の実施例における下側から上側に向かう方向に主磁場(M.M.F)が形成される。
【0703】
図39の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面から出る方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。
【0704】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0705】
すなわち、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間に形成される主磁場(M.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(620)の一側の角、図示の実施例における上側の左側に向かう方向に形成される。
【0706】
図39の(b)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面に入る方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。
【0707】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0708】
すなわち、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間に形成される主磁場(M.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(620)の一側の角、図示の実施例における上側の右側に向かう方向に形成される。
【0709】
図40の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(600)から離れる方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が各接点(311、321)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である(
図40の(a)の実線の矢印を参照)。
【0710】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0711】
すなわち、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間に形成される主磁場(M.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面に入る方向、すなわちグリッド(620)の左側に向かう方向に形成される。
【0712】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図39の(a)に図示の実施例のように、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0713】
図40の(b)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(600)に向かう方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である(
図40の(b)の実線の矢印を参照)。
【0714】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0715】
すなわち、CT磁石(530)と消弧磁石(634)との間に形成される主磁場(M.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面から出る方向、すなわちグリッド(620)の右側に向かう方向に形成される。
【0716】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図39の(b)に図示の実施例のように、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0717】
上述したように、グリッド(620)の左右方向の端部は尖頭状に形成されてもよい。これによって、アークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って流動してグリッド(620)の前記端部に進入することができる。
【0718】
また、アーク経路(A.P)は、グリッド(620)の上側に位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成される。グリッドカバー(630)には、外部と連通する上部フレーム(632)の通孔部(632a)、メッシュ部(633)、及び遮断板(636)の貫通孔(636a)が備えられる。
【0719】
したがって、発生したアークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧して外部に排出され得る。
【0720】
本実施例において、CT磁石(530)及び消弧磁石(634)の極性が変わっても、形成されるアーク経路(A.P)は、グリッド(620)の幅方向、図示の実施例における左右方向に向かうように形成される。また、形成されるアーク経路(A.P)は、各接点(311、321)と反対になるように位置するグリッドカバー(630)に向かうように形成される。
【0721】
さらに、各接点(311、321)に通電する電流の方向が変わる場合にも、アーク経路(A.P)は、グリッド(620)の前記端部及びグリッドカバー(630)に向かうように形成される。
【0722】
したがって、消弧磁石(634)の極性、及び通電する電流の方向が変わっても、発生したアークは、アーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧することができる。
【0723】
また、CT磁石(530)及び消弧磁石(634)は、それぞれ副磁場(S.M.F)を形成する。各副磁場(S.M.F)は、CT磁石(530)及び消弧磁石(634)の間に形成される主磁場(M.M.F)と同じ方向に形成される。
【0724】
したがって、アーク経路(A.P)を形成する磁場の強度が強化され得る。結果的に、電磁気力の強度も強化されるため、発生したアークがアーク経路(A.P)に沿ってアーク消弧部(600)に向かって迅速に移動及び消弧することができる。
【0725】
(4)本発明の他の実施例によるアーク消弧部(700)によってアーク経路(A.P)が形成される過程についての説明
図41ないし
図44を参照して、本発明の他の実施例によるアーク消弧部(700)によってアーク経路(A.P)が形成される過程について詳しく説明する。
【0726】
上述したように、本実施例によるアーク消弧部(700)は消弧磁石(770)を含む。消弧磁石(770)は、第1収容部(761)に備えられる第1消弧磁石(771)、第2収容部(762)に備えられる第2消弧磁石(772)、及び第3収容部(763)に備えられる第3消弧磁石(773)を含む。
【0727】
各消弧磁石(771、772、773)は副磁場(S.M.F)を形成する。また、各消弧磁石(771、772、773)の間には主磁場(M.M.F)が形成されてもよい。
【0728】
このとき、第2消弧磁石(772)と第3消弧磁石(773)とが互いに対向する面、すなわち第2消弧磁石(772)の第2面(772b)と第3消弧磁石(773)の第2面(773b)とは、同じ極性に磁化してもよい。
【0729】
また、グリッド(720)に向かう第1消弧磁石(771)の一面、すなわち第1消弧磁石(771)の第1面(771a)は、第2消弧磁石(772)の第2面(772b)及び第3消弧磁石(773)の第2面(773b)と同じ極性に磁化してもよい。
【0730】
図41を参照すると、本発明の他の実施例によるアーク消弧部(700)の正面が示されている。また、
図42を参照すると、本発明の他の実施例によるアーク消弧部(700)の底面が示されている。
【0731】
第1消弧磁石(771)の第1面(771a)、すなわちグリッド(720)に向かう第1消弧磁石(771)の一側の面はS極に磁化する。これによって、第1消弧磁石(771)の第2面(771b)、すなわちグリッド(720)と反対の第1消弧磁石(771)の他側の面はN極に磁化する。第1消弧磁石(771)は、第1面(771a)及び第2面(771b)の間に形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0732】
第2消弧磁石(772)の第1面(772a)、すなわち第1消弧磁石(771)と反対の第2消弧磁石(772)の一側の面はN極に磁化する。これによって、第2消弧磁石(772)の第2面(772b)、すなわち第1消弧磁石(771)に向かう第2消弧磁石(772)の他側の面はS極に磁化する。第2消弧磁石(772)は、第1面(772a)及び第2面(772b)の間に形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0733】
第3消弧磁石(773)の第1面(773a)、すなわち第1消弧磁石(771)と反対の第3消弧磁石(773)の一側の面はN極に磁化する。これによって、第3消弧磁石(773)の第2面(773b)、すなわち第1消弧磁石(771)に向かう第3消弧磁石(773)の他側の面はS極に磁化する。第3消弧磁石(773)は、第1面(773a)及び第2面(773b)の間に形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0734】
また、第1消弧磁石(771)及び第2消弧磁石(772)の間には主磁場(M.M.F)が形成される。具体的に、第1消弧磁石(771)の第2面(771b)から第2消弧磁石(772)の第2面(772b)に向かう方向、図示の実施例で第1消弧磁石(771)から左側に向かう方向に主磁場(M.M.F)が形成される。
【0735】
第1消弧磁石(771)及び第3消弧磁石(773)の間にも主磁場(M.M.F)が形成される。具体的に、第1消弧磁石(771)の第2面(771b)から第3消弧磁石(773)の第2面(773b)に向かう方向、図示の実施例で第1消弧磁石(771)から右側に向かう方向に主磁場(M.M.F)が形成される。
【0736】
図41の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面から出る方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。
【0737】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0738】
すなわち、主磁場(M.M.F)、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(720)の一側の角、図示の実施例における上側の右側に向かう方向に形成される。これによって、アーク経路(A.P)も上側の右側に向かうように形成される。
【0739】
図41の(b)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面に入る方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。
【0740】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0741】
すなわち、主磁場(M.M.F)、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(720)の他側角、図示の実施例における上側の左側に向かう方向に形成される。これによって、アーク経路(A.P)も上側の左側に向かうように形成される。
【0742】
図42の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(700)に向かう方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。
【0743】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0744】
すなわち、主磁場(M.M.F)、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面に入る方向、すなわちグリッド(720)に向かう方向に形成される。
【0745】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図41の(a)に図示の実施例のように、グリッド(720)の右側に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0746】
図42の(b)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(700)に向かう方向、すなわち気中遮断器(10)を流れる電流が各接点(311、321)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。
【0747】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0748】
すなわち、主磁場(M.M.F)、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面に入る方向、すなわちグリッド(720)に向かう方向に形成される。
【0749】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図41の(a)に図示の実施例のように、グリッド(720)の左側に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0750】
上述したように、グリッド(720)の左右方向の端部は尖頭状に形成されてもよい。これによって、アークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って流動してグリッド(720)の前記端部に進入することができる。
【0751】
また、アーク経路(A.P)は、グリッド(720)の上側に位置するグリッドカバー(730)に向かうように形成される。グリッドカバー(730)には、外部と連通する上部フレーム(732)の通孔部(732a)、及びメッシュ部(733)の貫通孔(734a)が備えられる。
【0752】
したがって、発生したアークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧して外部に排出され得る。
【0753】
図43を参照すると、本発明の他の実施例によるアーク消弧部(700)の正面が示されている。また、
図44を参照すると、本発明の他の実施例によるアーク消弧部(700)の底面が示されている。
【0754】
第1消弧磁石(771)の第1面(771a)、すなわちグリッド(720)に向かう第1消弧磁石(771)の一側の面はN極に磁化する。これによって、第1消弧磁石(771)の第2面(771b)、すなわちグリッド(720)と反対の第1消弧磁石(771)の他側の面はS極に磁化する。第1消弧磁石(771)は、第1面(771a)及び第2面(771b)の間に形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0755】
第2消弧磁石(772)の第1面(772a)、すなわち第1消弧磁石(771)と反対の第2消弧磁石(772)の一側の面はS極に磁化する。これによって、第2消弧磁石(772)の第2面(772b)、すなわち第1消弧磁石(771)に向かう第2消弧磁石(772)の他側の面はN極に磁化する。第2消弧磁石(772)は、第1面(772a)及び第2面(772b)の間に形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0756】
第3消弧磁石(773)の第1面(773a)、すなわち第1消弧磁石(771)と反対の第3消弧磁石(773)の一側の面はS極に磁化する。これによって、第3消弧磁石(773)の第2面(773b)、すなわち第1消弧磁石(771)に向かう第3消弧磁石(773)の他側の面はN極に磁化する。第3消弧磁石(773)は、第1面(773a)及び第2面(773b)の間に形成される磁場である副磁場(S.M.F)を形成する。
【0757】
また、第1消弧磁石(771)及び第2消弧磁石(772)の間には主磁場(M.M.F)が形成される。具体的に、第2消弧磁石(772)の第2面(772b)で第1消弧磁石(771)の第2面(771b)に向かう方向、図示の実施例で第2消弧磁石(772)で右側に向かう方向に主磁場(M.M.F)が形成される。
【0758】
第1消弧磁石(771)及び第3消弧磁石(773)の間にも主磁場(M.M.F)が形成される。具体的に、第3消弧磁石(773)の第2面(773b)から第1消弧磁石(771)の第2面(771b)に向かう方向、図示の実施例で第3消弧磁石(773)から左側に向かう方向に主磁場(M.M.F)が形成される。
【0759】
図43の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面から出る方向、すなわち気中遮断器(10)に流れる電流が固定接点台(310)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。
【0760】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0761】
すなわち、主磁場(M.M.F)、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(720)の一側の角、図示の実施例における上側の左側に向かう方向に形成される。これによって、アーク経路(A.P)も上側の左側に向かうように形成される。
【0762】
図43の(b)において、各接点(311、321)に通電する電流は、紙面に入る方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。
【0763】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0764】
すなわち、主磁場(M.M.F)、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、グリッド(720)の他側角、図示の実施例における上側の右側に向かう方向に形成される。これによって、アーク経路(A.P)も上側の右側に向かうように形成される。
【0765】
図44の(a)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(700)に向かう方向、すなわち外部の電源又は負荷に流れる電流が各接点(311、321)を通じて気中遮断器(10)に伝達される方向である。
【0766】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0767】
すなわち、主磁場(M.M.F)、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面に入る方向、すなわちグリッド(720)に向かう方向に形成される。
【0768】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図43の(a)に図示の実施例のように、グリッド(720)の左側に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0769】
図44の(b)において、各接点(311、321)に通電する電流は、アーク消弧部(700)に向かう方向、すなわち気中遮断器(10)を流れる電流が各接点(311、321)を通じて外部の電源又は負荷に伝達される方向である。
【0770】
これによって、各接点(311、321)が接触する位置でアンペールの左手の法則を適用すると、アーク経路(A.P)を予想することができる。
【0771】
すなわち、主磁場(M.M.F)、副磁場(S.M.F)、及び各接点(311、321)に通電する電流によって形成される電磁気力は、紙面に入る方向、すなわちグリッド(720)に向かう方向に形成される。
【0772】
図示されてはいないが、本実施例において、アーク経路(A.P)は、
図43の(a)に図示の実施例のように、グリッド(720)の右側に向かうように形成されることが理解されるであろう。
【0773】
上述したように、グリッド(720)の左右方向の端部は尖頭状に形成されてもよい。これによって、アークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って流動してグリッド(720)の前記端部に進入することができる。
【0774】
また、アーク経路(A.P)は、グリッド(720)の上側に位置するグリッドカバー(730)に向かうように形成される。グリッドカバー(730)には、外部と連通する上部フレーム(732)の通孔部(732a)、及びメッシュ部(733)の貫通孔(734a)が備えられる。
【0775】
したがって、発生したアークは、形成されたアーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧して外部に排出され得る。
【0776】
本実施例において、各消弧磁石(771、772、773)の極性が変わっても、形成されるアーク経路(A.P)は、グリッド(720)の幅方向、図示の実施例における左右方向に向かうように形成される。また、形成されるアーク経路(A.P)は、各接点(311、321)と反対になるように位置するグリッドカバー(730)に向かうように形成される。
【0777】
さらに、各接点(311、321)に通電する電流の方向が変わる場合にも、アーク経路(A.P)は、グリッド(720)の前記端部及びグリッドカバー(730)に向かうように形成される。
【0778】
したがって、各消弧磁石(771、772、773)の極性、及び通電する電流の方向が変わっても、発生したアークは、アーク経路(A.P)に沿って迅速に移動及び消弧することができる。
【0779】
また、各消弧磁石(771、772、773)は、それぞれ副磁場(S.M.F)を形成する。各副磁場(S.M.F)は、各消弧磁石(771、772、773)の間に形成される主磁場(M.M.F)と同じ方向に形成される。
【0780】
したがって、アーク経路(A.P)を形成する磁場の強度が強化され得る。結果的に、電磁気力の強度も強化されるため、発生したアークがアーク経路(A.P)に沿ってアーク消弧部(700)に向かって迅速に移動及び消弧することができる。
【0781】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当業界における通常の知識を有する者であれば、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能なことを理解することができるであろう。
【0782】
産業上の利用可能性
本発明は、アーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器に関し、電流が遮断されて発生したアークを効果的に消弧できるアーク消弧部、及びこれを含む気中遮断器を提供することができるため、産業上の利用可能性がある。
【国際調査報告】