IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイエル アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2023-518767メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの結晶形およびそれらの除草相乗効果
<>
  • 特表-メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの結晶形およびそれらの除草相乗効果 図1
  • 特表-メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの結晶形およびそれらの除草相乗効果 図2
  • 特表-メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの結晶形およびそれらの除草相乗効果 図3
  • 特表-メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの結晶形およびそれらの除草相乗効果 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの結晶形およびそれらの除草相乗効果
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/12 20060101AFI20230426BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20230426BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
C07D413/12 CSP
A01P13/00
A01N43/80 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556199
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2021056623
(87)【国際公開番号】W WO2021185806
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】20164735.1
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20175105.4
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591063187
【氏名又は名称】バイエル アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブリッタ・オレニク
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・ベルンハルト・ハーフ
(72)【発明者】
【氏名】ロタール・ローレンツ
(72)【発明者】
【氏名】ビルギット・カイル
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・レスラー
【テーマコード(参考)】
4C063
4H011
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC73
4C063DD51
4C063EE03
4H011AB01
4H011BB10
(57)【要約】
本発明は、2つの立体異性体:式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]-アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの形態で存在するメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)の結晶形、該結晶形を調製する方法、安定な農薬製剤を調製するための使用、および有害植物を防除するための農業分野における使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CuKα放射線を用いた25℃でのX線粉末ディフラクトグラムが、以下の2θ(2シータ)値のうち少なくとも3つを有することを特徴とする、それぞれの結晶化形の式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート。
【表1】
【請求項2】
CuKα放射線を用いた25℃でのX線粉末ディフラクトグラムが、請求項1に規定の前記2θ(2シータ)値のうち少なくとも4つ、好ましくは少なくとも6つ、より好ましくはすべてを有することを特徴とする、請求項1に記載の式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート。
【請求項3】
(Ia)と(Ib)との比が1.5:0.5~0.5:1.5の範囲で変化する、請求項1または2に記載の、それぞれの結晶化形の式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の、それぞれの結晶化形の式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートを含む、植物保護剤。
【請求項5】
植物保護剤の製剤化に慣用的な1種以上の農業上許容される添加剤をさらに含む、請求項4に記載の植物保護剤。
【請求項6】
望ましくない植物成長に対抗するための、請求項1から3のいずれか一項に記載の、それぞれの結晶化形の式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート、または請求項4もしくは5に記載の植物保護剤の使用。
【請求項7】
前記望まれない植物成長が有用植物の作物におけるものである、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記有用植物がトランスジェニック植物である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
望ましくない植物成長に対抗する方法であって、請求項1から3のいずれか一項に記載の、それぞれの結晶化形の式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート、または請求項4もしくは5に記載の植物保護剤が、植物または望まれない植生の部分に施用される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの立体異性体:式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]-アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの形態で存在するメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)の結晶形、該結晶形を調製する方法、安定な農薬製剤を調製するための使用、および有害植物を防除するための農業分野における使用に関する。
【化1】
【背景技術】
【0002】
メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)は、国際公開第2018/228985号パンフレットに公開されている除草剤である。
【0003】
(有効成分が固体形態で存在する)固体製剤は、貯蔵安定性が非常に良好であるため、経済的に非常に重要である。これらは、例えば、粒剤、カプセル化粒剤、錠剤、顆粒水和剤、水和錠剤、粉末水和剤、または種子を処理するための粉末水和剤、粉剤製剤、有効成分が分散形態で存在する製剤、例えば、懸濁剤(SC)、油性懸濁剤、サスポエマルジョン、または種子を処理するための懸濁剤である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/228985号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この種の製剤は、有効成分が固体形態、最も好ましくは熱力学的に最も安定な修飾体で存在する場合にのみ施用することができる。
【0006】
現代の作物保護剤に課される生態学的および経済的要件は、例えば作用スペクトル、活性、および施用量に関して絶えず増加しているため、既知の形と比較して、少なくとも一部の領域でそれ自体が利点を有する、結晶形のメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)を用意すること、または少なくとも一部の領域で利点を有する、固体製剤中の活性物質を提供することができることが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)の新しい結晶形が今般見出され、この結晶形は、固体製剤中で提供することができるため貯蔵安定性という上述の欠点を回避し、先行技術に開示されている活性物質と比較して改善された除草活性、および立体異性体の組み合わせの改善された除草活性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、式(Ia)の化合物の結晶形のX線粉末ディフラクトグラムを示している。
図2図2は、式(Ib)の化合物の結晶形のX線粉末ディフラクトグラムを示している。
図3図3は、式(Ia)の化合物の結晶形のラマンスペクトルを示している。
図4図4は、式(Ib)の化合物の結晶形のラマンスペクトルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、2つの立体異性体:式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]-アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの形態で存在するメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)の結晶形に関する。
【0010】
メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)を結晶化した後、クロマトグラフィーによって2つの立体異性体に分離する。2つの立体異性体の結晶性材料の特性評価を初めて行う。
【0011】
以下の反射[°2シータでのピーク最大値](表1)を、式(Ia)の化合物の結晶形について、CuKα放射線を用いて25℃で測定する(X線粉末回折法)。
【0012】
以下の反射[°2シータでのピーク最大値](表1)を、式(Ib)の化合物の結晶形について、CuKα放射線を用いて25℃で測定する(X線粉末回折法)。
【0013】
【表1A】
【表1B】
【0014】
式(Ia)の化合物の結晶形は、CuKα放射線を用いた25℃でのX線粉末ディフラクトグラムが、それぞれが2θ値±0.2°として示される、少なくとも以下の反射:16,9、4,6、および20,9、好ましくは少なくとも以下の反射:16,9、4,6、20,9、17,6、および16,5、より好ましくは少なくとも以下の反射:16,9、4,6、20,9、17,6、16,5、28,0、および14,5、最も好ましくは少なくとも以下の反射:16,9、4,6、20,9、17,6、16,5、28,0、14,5、22,0、23,6、および19,6を有することを特徴とする。
【0015】
式(Ib)の化合物の結晶形は、CuKα放射線を用いた25℃でのX線粉末ディフラクトグラムが、それぞれが2θ値±0.2°として示される、少なくとも以下の反射:7,1、11,1、および23,7、好ましくは少なくとも以下の反射:7,1、11,1、23,7、24,0、および17,1、より好ましくは少なくとも以下の反射:7,1、11,1、23,7、24,0、17,1、17,7、および21,6、最も好ましくは少なくとも以下の反射:7,1、11,1、23,7、24,0、17,1、17,7、21,6、20,8、24,6、および19,3を有することを特徴とする。
【0016】
式(Ia)の化合物の結晶形は、特に好ましくは、CuKα放射線を用いた25℃でのX線粉末ディフラクトグラムが、図1に示されるディフラクトグラムに本質的に対応することを特徴とする。
【0017】
式(Ib)の化合物の結晶形は、特に好ましくは、CuKα放射線を用いた25℃でのX線粉末ディフラクトグラムが、図2に示されるディフラクトグラムに本質的に対応することを特徴とする。
【0018】
式(Ia)の化合物の結晶形および式(Ib)の化合物の結晶形は、25℃で1064nmのレーザー波長で2cm-1の分解能で記録されるそれぞれのスペクトルに基づいて、ラマン分光法によって特徴付けることができる。本発明による結晶形は、以下にピーク最大値として示されるバンド(表2)のうち少なくとも3つ、多くの場合少なくとも5つ、特には少なくとも7つ、とりわけすべてを示す。
【0019】
【表2A】
【表2B】
【0020】
式(Ia)の化合物の結晶形は、以下のバンド:1002、1611、および1621、好ましくは少なくとも以下のバンド:96、1004、1622、1601、および1578、より好ましくは少なくとも以下のバンド:96、1004、1622、1601、1578、1375、および267、最も好ましくは少なくとも以下のバンド:96、1004、1622、1601、1578、1375、267、2952、3015、および3096によって特徴付けられる。
【0021】
ラマンスペクトルを図3に示す。
【0022】
式(Ib)の化合物の結晶形は、以下のバンド:96、1004、および1622、好ましくは少なくとも以下のバンド:1002、1611、1621、1374、および261、より好ましくは少なくとも以下のバンド:1002、1611、1621、1374、261、1296、および1212、最も好ましくは少なくとも以下のバンド:1002、1611、1621、1374、261、1296、1212、2957、1968、および2941によって特徴付けられる。
【0023】
ラマンスペクトルを図4に示す。
【0024】
式(Ia)の化合物を用いて熱顕微鏡検査を行うと、2つの準安定な修飾体を観察することができる。一方の融点は130℃であり、他方の融点は152℃である。
【0025】
立体異性体は、しばしば生物学的活性の差を示す。2つの単離された結晶性立体異性体、すなわち式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートは、予想どおり、除草活性の差を示す。式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートは、式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートと比較して活性が優れている(表3~6参照)。
【0026】
式(I)、(Ia)、および(Ib)の結晶性化合物の比較試験は、予想外にも、(Ia)と(Ib)とからなる物理的混合物、すなわちメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)が、式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートと比較して除草活性が優れている式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートと比較して除草活性が優れていることを示している。(Ia)と(Ib)とからなる物理的混合物、すなわちメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)は、相乗効果を示す(表3~6参照)。
【0027】
本発明による(I)、(Ia)、および(Ib)は、広範囲の経済的に重要な有害単子葉植物および双子葉植物に対して卓越した除草活性を有する。
【0028】
具体的には、本発明による(I)、(Ia)、および(Ib)によって防除することができる単子葉および双子葉雑草植物相のいくつかの代表例が挙げられ、これらの列挙は特定の種に限定されない。
【0029】
本書の文脈において、BBCH monograph「Growth stages of mono- and dicotyledonous plants」、第2版、2001年、Uwe Meier編、Federal Biological Research Centre for Agriculture and Forestry(Biologische Bundesanstalt fur Land und Forstwirtschaft)による成長段階を参照してもよい。
【0030】
本発明による(I)、(Ia)、および(Ib)が効率的に作用する単子葉有害植物の例は、Hordeum spp.、Echinochloa spp.、Poa spp.、Bromus spp.、Digitaria spp.、Eriochloa spp.、Setaria spp.、Pennisetum spp.、Eleusine spp.、Eragrostis spp.、Panicum spp.、Lolium spp.、Alopecurus sp.、Apera sp.、Brachiaria spp.、Leptochloa spp.、Avena spp.、Cyperus spp.、Axonopris spp.、Sorghum spp.、およびMelinus spp.の属からのものである。
【0031】
本発明による(I)、(Ia)、および(Ib)が効率的に作用する単子葉有害植物種の特定の例は、Hordeum murinum、Echinochloa crus-galli、Poa annua、Bromus rubens L.、Bromus rigidus、Bromus secalinus L.、Digitaria insularis、Digitaria sanguinalis、Eriochloa gracilis、Setaria faberi、Setaria viridis、Pennisetum glaucum、Eleusine indica、Eragrostis pectinacea、Panicum miliaceum、Lolium sp.、Brachiaria platyphylla、Leptochloa fusca、Avena fatua、Cyperus compressus、Cyperus esculentes、Axonopris offinis、Sorghum halapense、Alopecurus myosuroides、Apera spica-venti、およびMelinus repensの種から選択される。
【0032】
本発明による(I)、(Ia)、および(Ib)が効率的に作用する双子葉有害植物の例は、Amaranthus spp.、Polygonum spp.、Medicago spp.、Mollugo spp.、Cyclospermum spp.、Stellaria spp.、Gnaphalium spp.、Taraxacum spp.、Oenothera spp.、Amsinckia spp.、Erodium spp.、Erigeron spp.、Senecio spp.、Lamium spp.、Kochia spp.、Chenopodium spp.、Lactuca spp.、Malva spp.、Ipomoea spp.、Brassica spp.、Sinapis spp.、Urtica spp.、Sida spp、Portulaca spp.、Richardia spp.、Ambrosia spp.、Calandrinia spp.、Sisymbrium spp.、Sesbania spp.、Capsella spp.、Sonchus spp.、Euphorbia spp.、Helianthus spp.、Coronopus spp.、Salsola spp.、Abutilon spp.、Vicia spp.、Epilobium spp.、Cardamine spp.、Picris spp.、Trifolium spp.、Galinsoga spp.、Epimedium spp.、Marchantia spp.、Solanum spp.、Oxalis spp.、Metricaria spp.、Plantago spp.、Tribulus spp.、Cenchrus spp.、Bidens spp.、Veronica spp.、およびHypochaeris spp.の属からのものである。
【0033】
本発明による(I)、(Ia)、および(Ib)が効率的に作用する双子葉有害植物種の特定の例は、Amaranthus spinosus、Amaranthus palmer、Amaranthis rudis、Polygonum convolvulus、Medicago polymorpha、Mollugo verticillata、Cyclospermum leptophyllum、Stellaria media、Gnaphalium purpureum、Taraxacum offi cinale、Oenothera laciniata、Amsinckia intermedia、Erodium cicutarium、Erodium moschatum、Erigeron bonariensis、Senecio vulgaris、Lamium sp.、Erigeron canadensis、Polygonum aviculare、Kochia scoparia、Chenopodium album、Lactuca serriola、Malva parviflora、Malva neglecta、Ipomoea hederacea、Ipomoea lacunose、Brassica nigra、Sinapis arvensis、Urtica dioica、Amaranthus blitoides、Amaranthus retroflexus、Amaranthus hybridus、Amaranthus lividus、Sida spinosa、Portulaca oleracea、Richardia scabra、Ambrosia artemisiifolia、Calandrinia caulescens、Sisymbrium irio、Sesbania exaltata、Capsella bursa-pastoris、Sonchus oleraceus、Euphorbia maculate、Helianthus annuus、Coronopus didymus、Salsola tragus、Abutilon theophrasti、Vicia benghalensis L.、Epilobium paniculatum、Cardamine spp、Picris echioides、Trifolium spp.、Galinsoga spp.、Epimedium spp.、Marchantia spp.、Solanum spp.、Oxalis spp.、Matricaria chamomilla、Plantago spp.、Tribulus terrestris、Salsola kali、Cenchrus spp.、Bidens bipinnata、Veronica sp.、Galium aparine L.、Papaver rhoeas、Viola arvense、Centaurea cyanus、およびHypochaeris radicataの種から選択される。
【0034】
本発明に従って使用される(I)、(Ia)、および(Ib)は、グレゴリオ暦年に1回、2回、または3回施用され、すなわち、グレゴリオ暦による年に1つ、2つ、または3つの施用物に分けて施用される。
【0035】
好ましい実施形態では、本発明は、2つの立体異性体:式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]-アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの形態で存在するメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)の結晶形の、有害植物を防除するための農業分野における使用、および有用植物の作物における望まれない植物成長に対抗するための使用に関する。
【0036】
別の好ましい実施形態では、本発明は、2つの立体異性体:式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]-アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの形態で存在するメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)の結晶形の、有用植物の作物における望まれない植物成長に対抗するための使用に関する。
【0037】
別の好ましい実施形態では、本発明は、2つの立体異性体:式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]-アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートおよび式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートの形態で存在するメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)の結晶形を含み、植物保護剤の製剤化に慣用的な1種以上の農業上許容される添加剤をさらに含んでいてもよい植物保護剤に関する。
【0038】
本発明による式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物は、広く普及した生物学的および/または化学的-物理的パラメータに応じて、様々な形態で製剤化することができる。以下は、製剤の一般的な可能性の例である。
【0039】
水和剤(WP)、水溶剤(SP)、水溶性液剤、噴霧液、懸濁剤(SC)、油または水をベースとした分散液、油混和性溶液、カプセル懸濁製剤(CS)、散粉製品(DP)、種子ドレッシング製品、散布および土壌施用のための粒剤、粒剤(GR)(微粒剤、噴霧粒剤、被覆粒剤、および吸着粒剤の形態)、顆粒水和剤(WG)、顆粒水溶剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤、ならびにワックス。
【0040】
(有効成分が固体形態で存在する)固体製剤、例えば、粒剤、カプセル化粒剤、錠剤、顆粒水和剤、水和錠剤、粉末水和剤、または種子を処理するための粉末水和剤、粉剤製剤、有効成分が分散形態で存在する製剤、例えば、懸濁剤(SC)、油性懸濁剤、サスポエマルジョン、または種子を処理するための懸濁剤が好ましい。
【0041】
これらの個々の製剤型は原則として公知であり、例えば、Winnacker-Kuchler、「Chemische Technologie」[化学技術]、第7巻、C.Hanser Verlag Munich、第4版、1986年;Wade van Valkenburg、「Pesticide Formulations」、Marcel Dekker、N.Y.、1973年;K.Martens、「Spray Drying」Handbook、第3版、1979年、G.Goodwin Ltd.、ロンドンに記載されている。
【0042】
必要とされる製剤補助剤、例えば不活性材料、界面活性剤、溶媒、およびさらなる添加剤も同様に公知であり、例えば、Watkins、「Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers」、第2版、Darland Books、Caldwell N.J.;H.v.Olphen、「Introduction to Clay Colloid Chemistry」、第2版、J.Wiley&Sons、N.Y.;C.Marsden、「Solvents Guide」、第2版、Interscience、N.Y.、1963年;McCutcheonの「Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publ.Corp.、Ridgewood N.J.;SisleyおよびWood、「Encyclopedia of Surface Active Agents」、Chem.Publ.Co.Inc.、N.Y.、1964年;Schonfeldt、「Grenzflachenaktive Athylenoxidaddukte」[界面活性エチレンオキシド付加物]、Wiss.Verlagsgesellschaft、Stuttgart 1976年;Winnacker-Kuchler、「Chemische Technologie」[化学技術]、第7巻、C.Hanser Verlag Munich、第4版、1986年に記載されている。
【0043】
水和剤は、水中に均一に分散され得る製剤であり、有効成分に加えて、希釈剤または不活性物質とは別に、イオン性および/または非イオン性型の界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えば、ポリオキシエチル化アルキルフェノール、ポリオキシエチル化脂肪アルコール、ポリオキシエチル化脂肪アミン、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグノスルホン酸ナトリウム、2,2’-ジナフチルメタン-6,6’-ジスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、またはオレオイルメチルタウリン酸ナトリウムも含む。水和剤を製造するために、除草有効成分を、例えばハンマーミル、ブロアミル、およびエアジェットミルなどの慣用的な装置で細かく粉砕し、同時にまたはその後に、製剤補助剤と混合する。
【0044】
粉剤は、有効成分を微分散固体物質、例えば、タルク、天然粘土(カオリン、ベントナイト、およびパイロフィライトなど)、または珪藻土を用いて粉砕することによって得られる。
【0045】
懸濁剤は水性であっても油性であってもよい。これらは、例えば、市販のビーズミルを用いて湿式粉砕し、例えば、他の製剤型について既に列挙した界面活性剤を場合により添加することによって調製され得る。
【0046】
粒剤は、有効成分を吸着性顆粒状不活性材料に噴霧することによって、または有効成分濃縮物を接着剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、もしくは鉱物油を用いて担体(砂、カオリナイト、もしくは顆粒状不活性材料など)の表面に塗布することによって調製することができる。肥料との混合物として望まれる場合、適切な有効成分を肥料粒剤の製造に慣用的な様式で造粒することもできる。
【0047】
顆粒水和剤は、一般に、噴霧乾燥、流動床造粒、パン造粒、高速ミキサーによる混合、および固体不活性材料を用いない押出などの慣用的な方法によって製造する。
【0048】
パン粒剤、流動床粒剤、押出粒剤、および噴霧粒剤の製造については、例えば、「Spray-Drying Handbook」第3版、1979年、G.Goodwin Ltd.、ロンドン;J.E.Browning、「Agglomeration」、Chemical and Engineering 1967、147頁以下;「Perry’s Chemical Engineer’s Handbook」、第5版、McGraw Hill、ニューヨーク1973年、8~57頁の方法を参照されたい。
【0049】
作物保護組成物の製剤に関するさらなる詳細については、例えば、G.C.Klingman、「Weed Control as a Science」、John Wiley and Sons,Inc.、ニューヨーク、1961年、81~96頁およびJ.D.Freyer、S.A.Evans、「Weed Control Handbook」、第5版を参照されたい。
【0050】
したがって、本発明は、以下をも提供する:
有効量の
-式(I)、(Ia)、(Ib)の化合物の結晶形、もしくはそれらの何らかの混合物、または
-先に定義した、本発明による農薬製剤
を、植物、植物の種子、植物がその中もしくは上で育つ土壌、または耕作中の領域に施用することを特徴とする、有害植物を防除する、および/または植物の成長を調節する方法。
【実施例
【0051】
1.調製
【化2】
式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物の調製
ステップ1:(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニルクロリド
45mLのジクロロメタンに懸濁した2.70g(10.6mmol)の(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボン酸に、3滴のジメチルホルムアミド(DMF)を添加した。次いで、2.03g(15.9mmol)のオキサリルクロリドを滴加した。ガスの発生が観察された。混合物を室温で6時間撹拌し、その後、揮発性成分を真空下で除去した。粗生成物をさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0052】
ステップ2:メチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]-アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(式(I)の化合物)
5mlのジクロロメタンに懸濁した262mg(1.44mmol)のメチル-シス-4-アミノテトラヒドロフラン-2-カルボン酸塩酸塩に、292mg(2.88mmol)のトリエチルアミンを添加した。この反応混合物に、6mlのジクロロメタンに溶解した250mg(0.96mmol)の(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニルクロリドの溶液を0℃で添加した。室温まで加温した後、反応混合物を6時間撹拌した。ワークアップのために水を添加し、有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルを固定相として使用してクロマトグラフィーによって精製し、続いて溶媒を蒸発させた。N-ヘプタンを残渣に添加し、得られた結晶を濾別した。収量:75mg(21%)。
1H-NMR(400.0MHz,CDCl3):δ=7.262(28.6);7.180(2.2);7.174(2.6);7.171(1.5);7.163(1.5);7.160(2.6);7.154(2.1);6.903(0.8);6.887(0.9);6.882(1.6);6.876(0.8);6.860(0.8);6.176(2.0);6.150(2.3);6.133(2.4);6.106(2.5);5.560(1.8);5.558(1.8);5.544(1.7);5.543(1.7);5.517(1.5);5.515(1.5);5.501(1.5);5.500(1.4);5.357(1.6);5.356(1.6);5.343(1.5);5.342(1.5);5.330(1.5);5.329(1.5);5.316(1.4);5.315(1.4);5.299(9.2);4.603(0.5);4.596(0.6);4.591(0.6);4.585(0.6);4.579(0.6);4.574(1.1);4.565(1.2);4.558(1.1);4.550(1.4);4.542(0.9);4.534(0.9);4.525(0.8);4.056(0.8);4.043(0.9);4.041(0.9);4.033(1.3);4.028(0.8);4.020(1.3);4.017(1.4);4.004(1.1);3.950(0.7);3.946(0.7);3.944(0.7);3.929(1.1);3.922(2.7);3.905(0.5);3.899(2.3);3.878(2.2);3.856(2.2);3.814(15.9);3.800(16.0);3.322(1.9);3.313(1.9);3.279(1.6);3.270(1.7);2.566(0.5);2.564(0.5);2.555(0.6);2.549(0.5);2.546(0.5);2.540(0.6);2.538(0.6);2.531(0.6);2.529(0.6);2.514(0.5);2.511(0.6);2.094(0.6);2.060(0.5);2.052(0.5);2.044(0.6);1.577(5.9);0.000(11.4)
【0053】
メチル-シス-4-アミノテトラヒドロフラン-2-カルボン酸塩酸塩の調製は、G.R.Ottら;Bioorg.Med.Chem.Lett.2008年、694~699から公知である。
【0054】
生成物であるメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)を、標準クロマトグラフィーを適用して式(Ia)のメチル(2R,4R)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートと式(Ib)のメチル(2S,4S)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]-テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートとに分離した。溶媒を蒸発させた後、式(Ia)および(Ib)の化合物を結晶性材料として得る。
式(Ia)の化合物のNMRデータ
1H-NMR(400.6MHz,CDCl3):δ=7.494(0.6);7.474(0.6);7.278(0.9);7.184(1.5);7.178(2.0);7.176(1.4);7.167(1.3);7.164(2.0);7.159(1.7);6.906(0.6);6.890(0.7);6.884(1.3);6.879(0.7);6.863(0.6);6.180(1.1);6.153(1.2);6.137(1.4);6.110(1.4);5.560(2.2);5.559(2.2);5.516(1.9);5.516(1.9);5.358(2.1);5.331(2.0);4.622(0.5);4.615(0.6);4.611(0.6);4.608(0.6);4.602(0.6);4.597(0.6);4.562(1.0);4.553(1.2);4.539(1.2);4.530(1.1);4.060(0.9);4.047(1.0);4.036(1.5);4.023(1.4);3.955(1.1);3.951(1.2);3.928(2.9);3.885(2.5);3.801(16.0);3.322(2.3);3.279(2.0);2.569(0.5);2.551(0.6);2.546(0.6);2.534(0.7);2.528(0.6);2.517(0.7);2.511(0.7);2.493(0.6);2.056(0.5);2.050(0.8);2.043(0.6);2.015(0.8);2.009(0.5);0.000(0.8)
式(Ib)の化合物のNMRデータ
1H-NMR(400.6MHz,CDCl3):δ=7.461(0.7);7.442(0.7);7.278(0.9);7.184(1.6);7.178(2.0);7.164(2.1);7.159(1.6);6.907(0.6);6.891(0.8);6.885(1.3);6.880(0.7);6.864(0.7);6.179(1.1);6.152(1.3);6.136(1.4);6.109(1.4);5.543(2.3);5.500(2.0);5.344(2.2);5.317(2.1);4.593(0.6);4.587(0.7);4.579(1.6);4.570(1.8);4.563(0.6);4.555(1.5);4.546(1.2);4.043(1.0);4.030(1.0);4.019(1.6);4.006(1.4);3.935(1.2);3.930(1.2);3.905(3.0);3.862(2.6);3.814(16.0);3.331(2.4);3.288(2.1);2.596(0.5);2.579(0.6);2.573(0.6);2.562(0.7);2.555(0.6);2.544(0.7);2.538(0.7);2.521(0.6);2.107(0.6);2.101(0.9);2.095(0.6);2.073(0.5);2.067(0.8);2.060(0.5);1.257(0.5);0.000(0.8)
【0055】
(I)における(Ia)と(Ib)との比は、1.5:0.5~0.5:1.5の範囲で変化する。
【0056】
国際公開第2018/228985号パンフレットに公開されているメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレートと本発明によるメチル(2R*,4R*)-4-[[(5S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ビニル-4H-イソオキサゾール-5-カルボニル]アミノ]テトラヒドロフラン-2-カルボキシレート(I)との違いは、粗生成物にN-ヘプタンを適用したときのその結晶性であり、これは初めて公開される(その調製のステップ2を参照されたい)。分離された立体異性体もまた、初めて結晶性生成物として公開される。
【0057】
2.NMRピークリストの手順
選択された実施例の1H-NMRデータを、1H-NMRピークリストの形態で記載する。ppm単位のδ値および丸括弧内のシグナル強度を各シグナルピークについて列挙する。δ値-シグナル強度の対の間には区切り記号としてセミコロンを記載する。
【0058】
したがって、実施例のピークリストは以下の形態を有する。
δ1(強度1);δ2(強度2);......;δi(強度i);......;δn(強度n
【0059】
シャープなシグナルの強度は、1H-NMRスペクトルの印刷表示におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の実際の関係を示す。ブロードなシグナルからの数個のピーク、またはシグナルの中央と、スペクトル中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対強度が示され得る。
【0060】
テトラメチルシラン、または試料がテトラメチルシランを含まない場合には溶媒の化学シフトを、1Hスペクトルの化学シフトの較正に用いる。そのため、1H-NMRピークリストでは、必ずではないが、テトラメチルシランピークが生じ得る。
【0061】
1H-NMRピークリストは、古典的な1H-NMR印刷物と同等であり、通常、古典的な1H-NMR解釈でも列挙されるすべてのピークを含む。
【0062】
さらに、これらのピークリストは、古典的な1H-NMR印刷物と同様に、溶媒のシグナル、本発明の目的であることもある化合物の立体異性体、および/または不純物のピークを示し得る。
【0063】
1H-NMR溶媒シグナル、テトラメチルシランシグナル、および対応する溶媒中の水シグナルは、非常に高い強度値を有するので、相対強度較正から除外される。
【0064】
平均的に、本発明による化合物の立体異性体のピーク、および/または不純物のピークは、通常、本発明による化合物(例えば、90%超の純度を有する)のピークよりも低い強度を有する。
【0065】
このような立体異性体および/または不純物は、特定の調製方法に固有のものであり得る。そのため、対応するピークは、「副産物指紋」によって調製方法の再現を認識するのに役立ち得る。
【0066】
既知の方法(MestReC、ACDシミュレーション、ただし、経験的に評価した期待値も使用)で標的化合物のピークを計算する専門家は、場合によりさらなる強度フィルタを用いて、必要に応じて標的化合物のピークを割り当てることができる。この割り当ては、古典的な1H-NMR解釈での通常のピークピッキングと同様であるであろう。
【0067】
使用された溶媒は、パラメータを「溶媒」、分光計周波数を「周波数を観測」、分光計タイプを「分光計/データシステム」としてJCAMPファイルから抽出することができる。
【0068】
13C-NMRデータは、広帯域デカップリング13C-NMRスペクトルからのピークリストとして1H-NMRデータと同様に表示される。13C-NMR溶媒シグナルおよびテトラメチルシランは、これらのシグナルが非常に高い強度を有し得るので、相対強度較正から除外される。
【0069】
ピークリストを含むNMRデータの記載のさらなる詳細は、Research Disclosure Database Number 564025の刊行物「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」に開示されている。
【0070】
3.結晶形の特性評価
方法
本出願の一部であるすべてのデータを、別段の指示がない限り、以下に記載される方法に従って準備した。測定に使用した試料は直接使用し、さらなる試料調製には供しなかった。
XRPD
XRD回折計X’Pert PRO(PANalytical)およびSTOE STADI-P(放射線CuKα1、波長1.5406Å)を用いて室温でX線回折パターンを記録した。すべてのX線反射は、±0.2°の分解能で°2θ(シータ)値(ピーク最大値)として示される。
ラマン
Bruker製のFT-ラマン-分光光度計(モデルRFS 100およびMultiRam)を用いて室温でラマンスペクトルを記録した。分解能は2cm-1であった。ガラスバイアルまたはアルミニウムディスクで測定を行った。
熱顕微鏡検査
Axio Scope.A1およびAxioskop(登録商標)40(Zeiss) 倍率:100倍 光:偏光された通常の透過光
【0071】
4.生物学的試験
出芽後処理の方法
草および広葉雑草の種子を、砂壌土で満たした鉢(直径:7cm)に播いた。発芽後、植物を、種に応じてBBCH11~14の成長段階まで最適条件下で成長させた。
【0072】
施用は、1ヘクタールあたり300Lの水の噴霧量を使用して、植え付けた鉢に対する出芽後処理によって実施した。除草剤は、記載のとおり単独でおよび組み合わせて施用した。
【0073】
試験は温室内で行い、最適な成長条件を確保した。
【0074】
処理された植物と処理されていない植物とを比較する目視評価によって、施用後21日で除草効果を評価した(0%=効果なし~100%=完全な死滅)。
【0075】
式(Ia)、(Ib)、および(I)の化合物をWP(水和剤)製剤として製剤化した。
【0076】
以下の略語を使用した。
BBCH=BBCHコードは、植物の形態的発達段階に関する情報を提供する。公式には、この略語は、Biologische Bundesanstalt、Bundessortenamt und Chemische Industrie[農林業の生物学的連邦機関、作物植物品種および化学工業のための連邦事務所]を示す。BBCH00~10の範囲は、表面浸透までの種子の発芽段階を示す。BBCH11~25の範囲は、貯蔵までの葉の発達段階を示す(分げつまたは側枝の数に対応)。
【0077】
試験では、広葉雑草および雑草の以下の生物型を使用した。
ALOMY感受性 (Alopecurus myosuroides) 慣用的な除草活性化合物に感受性。
ALOMY_R(耐性) (Alopecurus myosuroides) HRACグループAおよびBの除草活性化合物に耐性;高い代謝抵抗性(IMR)およびある程度の標的部位抵抗性(TSR)を有する圃場由来の個体群混合体。
LOLRI感受性 (Lolium rigidum) 慣用的な除草活性化合物に感受性。
LOLRI_R(耐性) (Lolium rigidum) HRACグループAおよびBの除草活性化合物に耐性;高い代謝抵抗性(IMR)およびある程度の標的部位抵抗性(TSR)を有する圃場由来の個体群混合体。
AMAPA_R(耐性) (amaranthus palmeri) HRACグループAおよびBの除草活性化合物に耐性;高い代謝抵抗性(IMR)およびある程度の標的部位抵抗性(TSR)を有する圃場由来の個体群混合体。
CHRVI(chloris virgate)オヒゲシバ
KCHSC(Kochia scoparia)ホウキギ
MATIN(matricaria inodora)偽カモミール
POLCO(polygonum convolvulus)ソバカズラ
ABUTH(Abutilon theophrasti)イチビ
AMAPA(amaranthus palmeri)オオホナガアオゲイトウ
BIDPI(bidens pilosa)コセンダングサ
CHEAL(Chenopodium album)アカザ
EPHHL(euphorbia heterophylla)ショウジョウソウモドキ
XANST(Xanthium strumarium)オナモミ
EMEAU(Emex australis)-キャットヘッド
GALAP(Gallium aparine)-クリーバー
【0078】
相乗的除草活性を、Colbyの式(S.R.Colby;Weeds 15(1967)、20~22を参照されたい)を用いて計算した。
【0079】
Colbyによれば、測定された有効性が、二元混合物についての彼の式に従って計算された予想される有効性よりも高い場合に、除草有効成分の相乗効果が示される。
EC=A+B-(A×B)/100
【0080】
これらの結果を以下の表3~6に示す。
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】