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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】中性子捕捉療法システム
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20230426BHJP
   H05H 3/06 20060101ALI20230426BHJP
   G21K 5/02 20060101ALI20230426BHJP
   G21K 5/08 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
A61N5/10 H
H05H3/06
G21K5/02 N
G21K5/08 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556465
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2021081284
(87)【国際公開番号】W WO2021185277
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】202010190673.3
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520417207
【氏名又は名称】中硼(厦▲門▼)医▲療▼器械有限公司
【氏名又は名称原語表記】Neuboron Therapy System Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.2060 Wengjiao West Road, Haicang District Xiamen, Fujian Provance, 361026 P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】▲貢▼秋平
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲韋▼霖
【テーマコード(参考)】
2G085
4C082
【Fターム(参考)】
2G085BA17
2G085BE04
2G085BE07
2G085DA03
2G085EA07
4C082AA01
4C082AC07
4C082AE01
4C082AG12
4C082AG26
(57)【要約】
本願に係る中性子捕捉療法システムは、荷電粒子ビームを輸送する真空管、中性子ビームを生成する中性子生成部及び中性子ビームを整形するビーム整形体を含み、上記ビーム整形体に収容部が形成され、中性子生成部は、真空管の端部に設置され、真空管は、第1の位置及び第2の位置を含み、上記中性子捕捉療法システムは、搬出装置をさらに含み、上記搬出装置は、真空管を移動させるように駆動する移動部を含み、移動部は、第3の位置及び第4の位置を含み、移動部が第3の位置に位置する場合、真空管は、第1の位置に位置し、移動部が第4の位置に位置する場合、真空管は、第2の位置に位置し、このとき、中性子生成部は、ビーム整形体の外側に位置する。すなわち、搬出装置の設置により中性子生成部を有する真空管を取り外し、作業者と核反応が発生した後の中性子生成部との直接的な接触を減少させ、作業者の放射線による潜在的な安全上の問題を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中性子捕捉療法システムであって、荷電粒子ビームを輸送する真空管、中性子ビームを生成する中性子生成部及び中性子ビームを整形するビーム整形体を含み、前記ビーム整形体に収容部が形成され、真空管は、第1の端部及び第2の端部を含み、中性子生成部は、真空管の第1の端部に設置され、真空管は、第1の位置及び第2の位置を含み、前記中性子捕捉療法システムは、真空管を第1の位置と第2の位置との間で移動させる搬出装置をさらに含み、真空管が第1の位置に位置する場合、中性子生成部は、荷電粒子ビームと反応して中性子を生成することができ、真空管が第2の位置に位置する場合、中性子生成部は、ビーム整形体の外側に位置する、ことを特徴とする中性子捕捉療法システム。
【請求項2】
前記搬出装置は、真空管を移動させるように駆動する移動部を含み、移動部は、第3の位置及び第4の位置を含み、ビーム整形体の横延出方向をX方向と定義し、移動部は、X方向に沿って第3の位置と第4の位置との間で移動し、移動部が第3の位置に位置する場合、真空管は、第1の位置に位置し、移動部が第4の位置に位置する場合、真空管は、第2の位置に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項3】
前記搬出装置は、真空管をクランプ又はアンクランプすることができる少なくとも1つのクランプ部をさらに含み、前記クランプ部は、移動部に伴ってX方向に移動する、ことを特徴とする請求項2に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項4】
前記搬出装置は、前記クランプ部を支持する引き締め部をさらに含み、前記引き締め部は、移動部に伴ってX方向に移動し、クランプ部は、真空管をクランプ又はアンクランプするように引き締め部を通って引き締め部に対して回転する、ことを特徴とする請求項3に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項5】
前記搬出装置は、移動部に固定的に接続された当接部をさらに含み、X方向に前記当接部は、引き締め部よりも真空管に近接し、前記引き締め部は、第5の位置及び第6の位置を含み、当接部に向かって延出された接続部材を備え、前記接続部材は、当接部を通って引き締め部が第5の位置と第6の位置との間で移動することを可能にし、前記真空管は、第1の位置と第2の位置との間に位置する第7の位置を含み、引き締め部が第5の位置に位置する場合、真空管は、第1の位置に位置し、引き締め部が第6の位置に位置する場合、真空管は、第7の位置に位置し、当接部は、真空管の第2の端部に当接し、クランプ部は、真空管をクランプ又はアンクランプするように引き締め部を介して当接部を通る、ことを特徴とする請求項4に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項6】
前記移動部、引き締め部及び当接部は、いずれも板状構造であり、移動部は、第1の側面及び第1の側面に対向して設置された第2の側面を含み、当接部は、第3の側面及び第3の側面に対向して設置された第4の側面を含み、引き締め部は、第5の側面及び第5の側面に対向して設置された第6の側面を含み、前記第3の側面、第4の側面、第5の側面及び第6の側面同士は、互いに平行であり、第3の側面、第4の側面、第5の側面及び第6の側面は、いずれも第1の側面及び第2の側面に垂直である、ことを特徴とする請求項5に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項7】
前記搬出装置は、搬出装置と真空管との相対位置を決定する位置合わせ部をさらに含み、前記位置合わせ部は、当接部に設置され、前記クランプ部は、位置合わせ部よりも真空管の外面に近接する、ことを特徴とする請求項5に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項8】
前記搬出装置は、2つの補強部をさらに含み、前記補強部は、移動部の第1の側面と当接部の第4の側面に接続され、引き締め部は、移動部及び2つの補強部の間に位置する、ことを特徴とする請求項6に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項9】
前記搬出装置は、中性子生成部を遮蔽する遮蔽部をさらに含み、前記クランプ部及び移動部は、いずれも遮蔽部内に位置し遮蔽部内で移動し、真空管が第2の位置に位置する場合、前記中性子生成部は、遮蔽部内に収容される、ことを特徴とする請求項3に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項10】
前記遮蔽部は、遮蔽部を開閉できる第1の側壁を含み、第1の側壁が遮蔽部を開く場合、真空管は、第1の位置から第2の位置へ移動することができ、第1の側壁が遮蔽部を閉じる場合、真空管は、第2の位置に位置する、ことを特徴とする請求項9に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項11】
中性子捕捉療法システムであって、荷電粒子ビームを輸送する真空管、中性子ビームを生成する中性子生成部及び中性子ビームを整形するビーム整形体を含み、前記ビーム整形体に収容部が形成され、中性子生成部は、真空管の一端に設置され、真空管は、第1の位置及び第2の位置を含み、真空管が第1の位置に位置する場合、中性子生成部は、荷電粒子ビームと反応して中性子を生成することができ、真空管が第2の位置に位置する場合、中性子生成部は、ビーム整形体の外側に位置し、前記中性子捕捉療法システムは、真空管を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように駆動する移動部を含む搬出装置をさらに含む、ことを特徴とする中性子捕捉療法システム。
【請求項12】
前記搬出装置は、真空管を第1の位置と第2の位置との間で移動させるようにクランプするクランプ部をさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項13】
前記搬出装置は、中性子生成部を遮蔽する遮蔽部をさらに含み、前記移動部は、遮蔽部内に位置し遮蔽部内で移動することができる、ことを特徴とする請求項11に記載の中性子捕捉療法システム。
【請求項14】
請求項12に記載の中性子捕捉療法システムのターゲット交換方法であって、
真空管が第1の位置に位置する場合、真空管と搬出装置を位置合わせして両者の相対位置を決定し、搬出装置のクランプ部が真空管をクランプすることにより、真空管が第1の位置と第2の位置との間でX方向に沿って移動するステップを含む、ターゲット交換方法。
【請求項15】
請求項13に記載の中性子捕捉療法システムのターゲット交換方法であって、
前記真空管は、第1の位置と第2の位置との間に位置する第7の位置をさらに含み、前記ターゲット交換方法は、前記真空管が第1の位置からX方向に沿って第7の位置へ移動する場合、遮蔽部内に部分的に収容され、X方向に沿って第7の位置から第2の位置へ移動し続ける場合、遮蔽部内に完全に収容されるステップを含む、ターゲット交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線照射システムに関し、特に中性子捕捉療法システムに関する。
【背景技術】
【0002】
原子科学の発展に従って、例えば、コバルト60、線形加速器、電子ビーム等の放射線療法は、すでにがん治療の主な手段の一つとなった。しかし、従来の光子又は電子療法は、放射線そのものの物理的条件の制限で腫瘍細胞を殺すとともに、ビーム経路上の数多くの正常組織に損傷を与える。また、腫瘍細胞により放射線に対する感受性の度合いが異なっており、従来の放射線療法では、放射線耐性の高い悪性腫瘍(例えば、多形神経膠芽腫(glioblastoma multiforme)、黒色腫(melanoma))に対する治療効果が良くない。
【0003】
腫瘍の周囲の正常組織の放射線損傷を軽減するために、化学療法(chemotherapy)における標的療法が、放射線療法に用いられている。また、放射線耐性の高い腫瘍細胞に対し、現在では生物学的効果比(relative biological effectiveness、RBE)の高い放射線源が積極的に開発されている(例えば、陽子治療、重粒子治療、中性子捕捉療法等)。このうち、中性子捕捉療法は、上記2つの構想を結びつけたものである。例えば、ホウ素中性子捕捉療法では、ホウ素含有薬物が腫瘍細胞に特異的に集まり、高精度な中性子ビーム制御と合わせることで、従来の放射線と比べて、より良いがん治療オプションを提供する。
【0004】
加速器中性子捕捉療法システムにおいて、加速器により荷電粒子ビームを加速し、前記荷電粒子ビームがビーム整形体内の中性子生成部の原子核間クーロン斥力を克服するのに十分なエネルギーまで加速され、前記中性子生成部と核反応を起こさせて中性子を生成するため、中性子を生成する過程で中性子生成部は、ハイパワーの加速荷電粒子ビームの照射を受け、中性子生成部の温度が大幅に上昇することで、中性子生成部の耐用年数に影響を与えるため、中性子生成部への交換が必要となり、高エネルギーレベルの加速荷電粒子ビームに照射された中性子生成部に必然的に大量の放射線が存在するため、中性子生成部を交換する場合、必然的に放射線による潜在的な安全上の問題がある。
【発明の概要】
【0005】
放射線による潜在的な安全上の問題を低減する中性子捕捉療法システムを提供するために、本願の一実施例に係る中性子捕捉療法システムは、荷電粒子ビームを輸送する真空管、中性子ビームを生成する中性子生成部及び中性子ビームを整形するビーム整形体を含み、前記ビーム整形体に収容部が形成され、真空管は、第1の端部及び第2の端部を含み、中性子生成部は、第1の端部に設置され、真空管は、第1の位置及び第2の位置を含み、前記中性子捕捉療法システムは、真空管を第1の位置と第2の位置との間で移動させる搬出装置をさらに含み、真空管が第1の位置に位置する場合、中性子生成部は、荷電粒子ビームと反応して中性子を生成することができ、真空管が第2の位置に位置する場合、中性子生成部は、ビーム整形体の外側に位置する。
【0006】
好ましくは、前記搬出装置は、真空管を移動させるように駆動する移動部を含み、移動部は、第3の位置及び第4の位置を含み、ビーム整形体の横延出方向をX方向と定義し、移動部は、X方向に沿って第3の位置と第4の位置との間で移動し、移動部が第3の位置に位置する場合、真空管は、第1の位置に位置し、移動部が第4の位置に位置する場合、真空管は、第2の位置に位置する。
【0007】
さらに、前記搬出装置は、真空管をクランプ又はアンクランプすることができる少なくとも1つのクランプ部をさらに含み、前記クランプ部は、移動部に伴ってX方向に移動する。本実施形態では、クランプ部は、4つであり、2つを一組として用いられ、各組は2つあり、上下に配列される。勿論、クランプ部は、任意の数であってもよく、クランプ部の設置により真空管をクランプ又はアンクランプし、かつ真空管をクランプして移動部と共に移動することができればよい。さらに、例えば、クランプ部は、円孔状構造であり、クランプ部の円孔を広げたり縮めたりすることにより真空管をクランプする。
【0008】
さらに、前記搬出装置は、クランプ部を支持する引き締め部をさらに含み、前記引き締め部は、移動部に伴ってX方向に移動し、クランプ部は、真空管をクランプ又はアンクランプするように引き締め部を通って引き締め部に対して回転する。具体的には、前記引き締め部に第1の貫通孔が設置され、前記クランプ部は、第1の貫通孔を通って第1の貫通孔の孔壁に支持され、真空管をクランプ又はアンクランプするように第1の貫通孔で回転する。
【0009】
さらに、前記搬出装置は、移動部に固定的に接続された当接部をさらに含み、X方向に前記当接部は、引き締め部よりも真空管に近接し、前記引き締め部は、第5の位置及び第6の位置を含み、当接部に向かって延出された接続部材を備え、前記接続部材は、当接部を通って引き締め部が第5の位置と第6の位置との間で移動することを可能にする。前記真空管は、第1の位置と第2の位置との間に位置する第7の位置を含み、引き締め部が第5の位置に位置する場合、真空管は、第1の位置に位置し、引き締め部が第6の位置に位置する場合、真空管は、第7の位置に位置し、当接部は、真空管の第2の端部に当接し、クランプ部は、真空管をクランプ又はアンクランプするように、引き締め部を介して当接部を通って真空管の表面に位置する。具体的には、前記当接部に第2の貫通孔が設置され、接続部材が第2の貫通孔の孔壁に支持され、前記接続部材は、第2の貫通孔を通って第2の貫通孔に対して移動することにより、引き締め部が第5の位置と第6の位置との間で移動することを可能にする。当接部に当接部を貫通する第3の貫通孔がさらに設置され、クランプ部は、第1の貫通孔を介して第3の貫通孔を通って真空管の表面に位置し、本実施形態では、第3の貫通孔のサイズは、クランプ部の第1の貫通孔における回転範囲が第3の貫通孔に制限されないように第1の貫通孔のサイズより大きいことで、クランプ部が真空管をクランプ又はアンクランプすることに役立つ。当接部の設置により真空管にクランプ部のクランプ力以外の当接力を提供することにより、真空管が第1の位置と第2の位置との間で移動する過程においてバランスを保持することができ、真空管が移動する過程において傾斜してビーム整形体の収容部と擦れることを減少させることで、真空管をビーム整形体からより容易に搬出する。
【0010】
さらに、前記移動部、引き締め部及び当接部は、いずれも板状構造であり、移動部は、第1の側面及び第1の側面に対向して設置された第2の側面を含み、当接部は、第3の側面及び第3の側面に対向して設置された第4の側面を含み、引き締め部は、第5の側面及び第5の側面に対向して設置された第6の側面を含み、前記第3の側面、第4の側面、第5の側面及び第6の側面同士は、互いに平行であり、第3の側面、第4の側面、第5の側面及び第6の側面は、いずれも第1の側面及び第2の側面に垂直であり、第1の貫通孔は、第5の側面から第6の側面を貫通し、第2の貫通孔は、第3の側面から第4の側面を貫通し、第3の貫通孔は、第3の側面から第4の側面を貫通する。
【0011】
好ましくは、前記搬出装置は、搬出装置と真空管との相対位置を決定する位置合わせ部をさらに含み、前記位置合わせ部は、当接部に設置され、前記クランプ部は、位置合わせ部よりも真空管の外面に近接する。位置合わせ部は、搬出装置と真空管との位置合わせを行い、すなわち搬出装置と真空管との相対的な位置関係を決定するものであり、位置合わせ部に基づいて搬出装置と真空管の位置を決定した後、搬出装置のクランプ部は、真空管の外側に位置する。本実施形態では、位置合わせ部は4つであり、かつクランプ部の外周に均一に分布する。他の実施形態では、位置合わせ部は、任意の数であってもよく、位置合わせ部の設置がクランプ部の作動を妨げず、位置合わせをガイドする役割を果たすことができればよい。例えば、位置合わせ部は、広げたり縮めたりすることができる円孔状構造であり、位置合わせ部の円孔を広げたり縮めたりすることにより搬出装置全体を真空管と位置合わせするようにガイドする。
【0012】
さらに、前記搬出装置は、2つの補強部をさらに含み、前記補強部は、移動部の第1の側面と当接部の第4の側面に接続され、引き締め部は、移動部及び2つの補強部の間に位置する。
【0013】
さらに、前記搬出装置は、中性子生成部を遮蔽する遮蔽部をさらに含み、前記クランプ部及び移動部は、いずれも遮蔽部内に位置し遮蔽部内で移動し、真空管が第2の位置に位置する場合、前記中性子生成部は、遮蔽部内に収容される。具体的な実施形態として、前記遮蔽部は、前記移動部が設置された底壁、底壁に対向して設置された天井壁及び底壁と天井壁を接続する側壁を含み、前記天井壁、底壁及び側壁が接続されて遮蔽空間を形成し、前記クランプ部及び移動部は、いずれも遮蔽空間内に位置し遮蔽空間内で移動し、真空管が第2の位置に位置する場合、前記中性子生成部は、遮蔽空間内に収容される。
【0014】
さらに、前記側壁は、遮蔽部を開閉できる第1の側壁を含み、第1の側壁が遮蔽部を開く場合、真空管は、第1の位置から第2の位置へ移動することができ、第1の側壁が遮蔽部を閉じる場合、真空管は、第2の位置に位置する。
【0015】
本願の別の実施例に係る中性子捕捉療法システムは、荷電粒子ビームを輸送する真空管、中性子ビームを生成する中性子生成部及び中性子ビームを整形するビーム整形体を含み、前記ビーム整形体に収容部が形成され、中性子生成部は、真空管の一端に設置され、真空管は、第1の位置及び第2の位置を含み、真空管が第1の位置に位置する場合、中性子生成部は、荷電粒子ビームと反応して中性子を生成することができ、真空管が第2の位置に位置する場合、中性子生成部は、ビーム整形体の外側に位置し、前記中性子捕捉療法システムは、真空管を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように駆動する移動部を含む搬出装置をさらに含む。
【0016】
さらに、前記搬出装置は、真空管を第1の位置と第2の位置との間で移動させるようにクランプするクランプ部をさらに含む。
【0017】
さらに、前記搬出装置は、中性子生成部を遮蔽する遮蔽部をさらに含み、前記移動部は、遮蔽部内に位置し遮蔽部内で移動することができる。
【0018】
本願に係る中性子捕捉療法システムのターゲット交換方法は、真空管が第1の位置に位置する場合、真空管と搬出装置を位置合わせして両者の相対位置を決定し、搬出装置のクランプ部が真空管をクランプすることにより、真空管が第1の位置と第2の位置との間でX方向に沿って移動するステップを含む。
【0019】
さらに、前記搬出装置は、中性子生成部を遮蔽する遮蔽部をさらに含み、前記真空管は、第1の位置と第2の位置との間に位置する第7の位置をさらに含み、前記ターゲット交換方法は、前記真空管が第1の位置からX方向に沿って第7の位置へ移動する場合、遮蔽部内に部分的に収容され、X方向に沿って第7の位置から第2の位置へ移動し続ける場合、遮蔽部内に完全に収容されるステップを含む。
【0020】
本願では、第7の位置が第1の位置と第2の位置との間に位置するため、本願における、前記真空管が第1の位置と第2の位置との間で移動することは、真空管が第1の位置から第7の位置へ移動することと、第7の位置から第2の位置へ移動することとを含み、また、ターゲット交換過程において、真空管が常に遮蔽空間内に位置するため、真空管の第1の位置から第2の位置への移動過程における各変位距離は、真空管がビーム整形体から遮蔽空間方向へ移動する距離に等しいことを明確に知ることができる。
【0021】
本願の中性子捕捉療法システムは、搬出装置の設置により作業者のターゲット交換過程における参加、作業者と放射線との接触、及び放射線による潜在的な安全上の問題を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本願の中性子捕捉療法システムの斜視図であり、中性子生成部は、第1の位置に位置する。
図2図1に示す中性子捕捉療法システムの別の角度の概略図である。
図3図2における移動部が第3の位置に位置する概略図であり、ビーム整形体は、部分断面である。
図4】搬出装置のターゲット交換の概略図であり、移動部が第3の位置から第4の位置へ移動することと、引き締め部が第5の位置から第6の位置へ移動することと、真空管が第1の位置から第7の位置及び第2の位置へ移動することとを含む概略図である。
図5】ターゲット交換が完了した後、搬出装置がビーム整形体から離れる概略図である。
図6】本願の搬出装置の概略図である。
図7】遮蔽部を含まない搬出装置の概略図である。
図8図7に示す搬出装置の別の角度の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
近年のがんの有効な治療手段として、中性子捕捉療法の適用が徐々に増加され、ホウ素中性子捕捉療法が最も一般的であり、ホウ素中性子捕捉療法に供給する中性子は、核反応炉又は加速器によって供給することができる。本願の実施例は、加速器ホウ素中性子捕捉療法を例として、加速器ホウ素中性子捕捉療法のベースアセンブリは、一般的には、荷電粒子(例えば、陽子、デューテリウム核等)を加速する加速器、中性子生成部及び熱除去システムならびにビーム整形体を含む。加速荷電粒子と金属中性子生成部の作用により中性子を生成し、必要な中性子収率及びエネルギー、提供可能な加速荷電粒子エネルギーと電流の大きさ、金属中性子生成部の物理化学等の特性に基づいて適切な核反応を選択する。常に検討されている核反応はLi(p、n)BeとBe(p、n)Bであり、この2つの反応は、いずれも吸熱反応であり、この2つの核反応のエネルギー閾値はそれぞれ1.881MeVと2.055MeVである。ホウ素中性子捕捉療法の理想的な中性子源はkeVエネルギーレベルの熱外中性子であるため、理論的には閾値を僅かに上回るエネルギーを持つ陽子を用いて金属リチウム中性子生成部を衝撃すると、比較的低いエネルギーの中性子を生成することができ、あまりにも多くの減速処理することなく、臨床的に使用することができるが、リチウム金属(Li)とベリリウム金属(Be)という2つの中性子生成部と閾値エネルギーの陽子との作用断面が高くなく、十分に大きな中性子束を発生させるために、一般的には、比較的高いエネルギー陽子を用いて核反応を開始させる。
【0024】
理想的な中性子生成部は、中性子収率が高く、生成された中性子のエネルギー分布が熱外中性子エネルギー領域(以下に詳細に説明する)に近く、あまり強い放射線の発生はなく、安全かつ安価で操作しやすく、かつ耐高温等の特性を有するが、実際には全ての要件を満たす核反応を見つけることは不可能である。本願の実施例では、リチウム金属で製造された中性子生成部を採用する。しかしながら、当業者によく知られているように、中性子生成部の材料は、上記で言及された金属材料以外の他の金属材料で製造することができる。
【0025】
熱除去システムに対する要件は、選択された核反応によって異なり、例えばLi(p、n)Beの場合、金属中性子生成部(リチウム金属)の低い融点と低い熱伝導率により、熱除去システムへの要件はBe(p、n)Bより厳しくなる。本願の実施例では、Li(p、n)Beの核反応を採用する。このことから分かるように、高エネルギーレベルの加速荷電粒子ビームの照射を受ける中性子生成部の温度は、必然的に大幅に上昇するため、中性子生成部の耐用年数に影響を与える。
【0026】
そのため、中性子捕捉療法システムは、必然的に中性子生成部を交換するという問題がある。該問題を解決するとともに、作業者と放射線との接触を可能な限り減少させるために、本願は、中性子捕捉療法システムを提供する。
【0027】
ターゲット交換作業者への主要な放射は、荷電粒子ビームが中性子生成部に照射されて核反応が発生することによる放射線に由来するため、本願は、新たな中性子生成部を取り付けることを説明せず、核反応が発生した後の中性子生成部を取り外すことを説明することを目的とする。
【0028】
図1及び図2に示すように、中性子捕捉療法システム100は、荷電粒子ビームPを輸送する真空管10、真空管10の端部に設置されて中性子ビームNを生成する中性子生成部(図示せず)、中性子ビームNを整形するビーム整形体20及び真空管10を取り外す搬出装置30を含む。
【0029】
図3図5を参照して、上記ビーム整形体20に収容部21が形成され、本実施形態では、真空管10は、収容部21内に埋設された埋設部11及び収容部21から延出してビーム整形体20の外に位置する延出部12を含む。埋設部11の端部は、第1の端部(符号なし)であり、延出部12の端部は、第2の端部(符号なし)である。中性子生成部(図示せず)は、第1の端部に設置され、かつ真空管10と共に移動する。真空管10は、第1の位置L1及び第2の位置L2を含み、搬出装置30は、真空管10を第1の位置L1と第2の位置L2との間で移動させる。真空管10が第1の位置L1に位置する場合、中性子生成部(図示せず)は、荷電粒子ビームPと反応して中性子を生成することができ、真空管10が第2の位置L2に位置する場合、中性子生成部(図示せず)は、ビーム整形体20の外側に位置する。
【0030】
図6図8を参照して、上記搬出装置30は、真空管10を第1の位置L1と第2の位置L2との間で移動させるように駆動する移動部31、真空管10をクランプして移動部31と共に移動するクランプ部32及び中性子生成部(図示せず)が設置された真空管10を遮蔽する遮蔽部(符号なし)を含む。
【0031】
図4を参照して、ビーム整形体20の横延出方向をX方向に定義し、上記移動部31は、第3の位置L3及び第4の位置L4を含み、移動部31は、X方向に沿って第3の位置L3と第4の位置L4との間で移動する。移動部31が第3の位置L3に位置する場合、真空管10は、第1の位置L1に位置し、このとき、中性子生成部(図示せず)は、荷電粒子ビームと反応して中性子を生成することができ、移動部31が第4の位置L4に位置する場合、真空管10は、第2の位置L2に位置し、このとき、中性子生成部(図示せず)は、ビーム整形体20の外側に位置し、遮蔽部(符号なし)内に収容される。
【0032】
図6を参照して、本願の実施例におけるクランプ部32は4つであり、2つを一組として用いられ、各組は2つあり、上下に配列される。移動部31が第3の位置L3に位置する場合、上記クランプ部32は、真空管10の外面に位置し、かつ必要に応じて真空管10の外面をクランプ又はアンクランプする。他の実施形態では、真空管にフランジ又は溝を設置し、クランプ部が真空管のフランジ又は溝にクランプされてもよい。勿論、クランプ部32は、任意の数であってもよく、クランプ部32の設置により真空管10をクランプ又はアンクランプし、かつ真空管10を移動部31と共に移動させることができればよい。例えば、クランプ部の数は2つであり、真空管に十分なクランプ力を提供するために、上記2つのクランプ部の間の角度は180度となる。同様に、クランプ部の数が3つである場合、真空管に十分なクランプ力を提供するために、3つのクランプ部は、真空管の周方向に均一に分布する。さらに、例えば、クランプ部は、広げたり縮めたりすることができる円孔状構造であり、クランプ部の円孔を広げたり縮めたりすることにより真空管をアンクランプ又はクランプする。具体的には、クランプ部は、第1のクランプ部、一端が第1のクランプ部に接続され他端が第1のクランプ部から離れる第2のクランプ部、及び第1のクランプ部と第2のクランプ部を接続するか又は緩めるロック部を含み、第1のクランプ部と第2のクランプ部が一体成形され、クランプ部の数が1つであると考えることができる。1つの実施形態として、第1のクランプ部の第2のクランプ部から離れる一端と、第2のクランプ部の第1のクランプ部から離れる一端にそれぞれねじ穴が設置され、ロック部は、スクリュー及びスクリューと螺合するナットを含む。スクリューは、第1のクランプ部のねじ穴及び第2のクランプ部のねじ穴を通り、スクリュー上のナットを回すことにより第1のクランプ部と第2のクランプ部を分離させるか又は接続し、第1のクランプ部と第2のクランプ部が一体に接続される場合、クランプ部全体は、円孔状を呈し、円孔の孔径サイズがナットの締め付け程度によって決定されることで、クランプ部が真空管をクランプ又はアンクランプする。ロック部は、他の機械構造であってもよく、第1のクランプ部と第2のクランプ部が真空管をクランプ又はアンクランプすることができればよい。また、第1のクランプ部と第2のクランプ部は、両端がいずれも分離された構造であってもよく、2つのロック部を設置することによりクランプ部が真空管をクランプ又はアンクランプする。この場合、クランプ部の数は2つであると考えてもよい。
【0033】
図7及び図8参照して、上記搬出装置30は、移動部31に固定的に接続され、かつ移動部31と共に移動する当接部34及び当接部34に対して移動可能な引き締め部35を含む。X方向に当接部34は、引き締め部35よりも中性子生成部(図示せず)に近接する。上記引き締め部35は、移動部31に伴ってX方向に移動し、クランプ部32は、真空管10の外面をクランプ又はアンクランプするように引き締め部35を通って引き締め部35に対して回転する。本願では、移動部31、当接部34及び引き締め部35は、いずれも板状構造である。移動部31は、第1の側面311及び第1の側面311に対向して設置された第2の側面312を含み、当接部34は、第3の側面341及び第3の側面341に対向して設置された第4の側面342を含み、引き締め部35は、第5の側面351及び第5の側面351に対向して設置された第6の側面352を含む。上記第3の側面341、第4の側面342、第5の側面351及び第6の側面352同士は、互いに平行であり、かつ第3の側面341、第4の側面342、第5の側面351及び第6の側面352は、いずれも第1の側面311及び第2の側面312に垂直である。
【0034】
上記引き締め部35の第5の側面351は、当接部34の第4の側面342に向かって延出された接続部材353を備え、引き締め部35の第5の側面351には、第6の側面352へ貫通して横断面が長方形である少なくとも2つの第1の貫通孔354が形成され、当接部34の第3の側面341には、第4の側面342へ貫通して第2の貫通孔343が形成され、上記接続部材353は、第2の貫通孔343の孔壁に支持され、かつ第2の貫通孔343中にX方向に沿って当接部34に対して移動することができ、引き締め部35は、接続部材353と共に移動する。当接部34の第3の側面341には、第4の側面342へ貫通して第1の貫通孔354に対応する第3の貫通孔344が形成され、第3の貫通孔344の横断面も長方形であり、クランプ部32は、第1の貫通孔354を通って第3の貫通孔344に入る。クランプ部32は、第1の貫通孔354の孔壁に支持され、かつ第1の貫通孔354の支持により第1の貫通孔354及び第3の貫通孔344中で回転することにより、真空管10の外面をクランプするか又はアンクランプする。本願では、クランプ部32の第1の貫通孔354での回転範囲が第3の貫通孔344に制限されないために、回転方向に、第3の貫通孔344のサイズは、第1の貫通孔354のサイズより大きい。X方向に、クランプ部32と引き締め部35は、相対的に固定され、すなわち、X方向にクランプ部32は、引き締め部35と共に移動する。引き締め部35は、第5の位置L5及び第6の位置L6を有し、上記真空管10は、第1の位置L1と第2の位置L2との間に位置する第7の位置L7をさらに含み、引き締め部35は、接続部材353の第2の貫通孔343での移動に伴って当接部34に対して第5の位置L5と第6の位置L6との間で移動する。引き締め部35が第5の位置L5に位置する場合、真空管10は、第1の位置L1に位置し、引き締め部35が第6の位置L6に位置する場合、真空管10は、第7の位置L7に位置し、このとき、当接部34は、真空管10の延出部12の端部に当接する。このように設置すれば、移動部31が真空管10を第2の位置L2へ移動させるように駆動する前に、引き締め部35が第5の位置L5から第6の位置L6へ移動することにより、真空管10をクランプしたクランプ部32を移動させるように駆動して、真空管10の延出部12の端部が当接部34に当接し、すなわち真空管10を第7の位置L7へ移動させ、したがって、真空管10を移動させる場合、クランプ部32が真空管10に提供するクランプ力に加えて、当接部34は、真空管10に当接力を提供することにより、真空管10が移動中にバランスを保持し、真空管10が移動する場合に傾斜して収容部21と擦れることを防止し、真空管10を収容部21からより容易に搬出することができるという利点がある。勿論、他の実施形態では、真空管10は、延出部を設置することなく収容部21内に完全に埋設することができ、この場合に、クランプ部32は、収容部21内に直接挿入して真空管10をクランプするか、又はクランプ部への設置によりクランプ部が真空管の第2の端部をクランプすることができ、それにより真空管10は、移動部31の第3の位置L3と第4の位置L4との間の移動に伴って第1の位置L1と第2の位置L2との間で移動する。実施過程において、収容部21の内壁と真空管10の外壁との間に遮蔽用の充填部(符号なし)がさらに設置され、クランプ部が真空管をクランプして真空管を移動部と共に第1の位置L1から第2の位置L2へ移動させる場合、充填部は真空管と共に移動する。
【0035】
上記遮蔽部(符号なし)は、天井壁331、天井壁331に対向して設置された底壁332、及び天井壁331と底壁332を接続する側壁333を含み、上記天井壁331、底壁332及び側壁333の間に移動部31、引き締め部35及び当接部34を収容する遮蔽空間334が形成される。上記移動部31は、底壁332に設置され、移動部31、クランプ部32、引き締め部35及び当接部34は、いずれも遮蔽空間334内で移動する。上記側壁333は、第1の側壁335を含み、上記第1の側壁335は開閉することができ、第1の側壁335が開く場合、真空管10は第1の位置L1から第2の位置L2へ移動することができ、真空管10が第2の位置L2に位置する場合、第1の側壁335が閉じられ、真空管10が遮蔽される。真空管10が第1の位置L1から第2の位置L2へ移動する距離は、常に真空管10がビーム整形体20から遮蔽空間334内へ移動する距離と等しい。
【0036】
本願の実施形態では、上記搬出装置30は、遮蔽空間334内に位置する2つの補強部36をさらに含み、補強部36は、移動部31の第1の側面311と当接部34の第4の側面342に接続され、引き締め部35は、移動部31及び2つの補強部36の間に位置する。補強部36の設置により搬出装置30全体の強度を高めることができる。当接部34の第3の側面341には、搬出装置30と真空管10との相対位置を決定する少なくとも2つの位置合わせ部37がさらに固着されることで、クランプ部32は真空管10の外面に位置する。本実施形態では、上記位置合わせ部37は4つあり、2つを一組として用いられ、各組の位置合わせ部37は、各組のクランプ部32の外側に位置する。ここでの上記各組の位置合わせ部37が各組のクランプ部32の外側に位置することは、移動部31が第3の位置L3に位置する場合、クランプ部32が位置合わせ部37よりも真空管10の外面に近接すると理解されたい。搬出装置30に対してターゲット交換作業を行う前に、位置合わせ部37に基づいて搬出装置30と真空管10との間の相対位置を決定する。
【0037】
搬出装置30は、駆動部(符号なし)をさらに含む。駆動部は、移動部31を第3の位置L3と第4の位置L4との間で移動させるように駆動する第1の駆動部41と、クランプ部32が真空管10の外面をクランプ又はアンクランプするように駆動する第2の駆動部42と、引き締め部35を第5の位置L5と第6の位置L6との間で移動させるように駆動する第3の駆動部43と、第1の側壁335が遮蔽部(符号なし)を開閉するように駆動する第4の駆動部44とを含む。
【0038】
本願では、第1の駆動部41及び第4の駆動部44は、いずれもロッドレスシリンダであり、移動部31の第1の側面311は、第1の駆動部41に設置され、移動部31は、第1の駆動部41の作動で第3の位置L3と第4の位置L4との間で移動し、第1の側壁335は、第4の駆動部44に設置され、第1の側壁335は、第4の駆動部の作動で開閉する。本願の実施形態では、上記第2の駆動部42は、薄型エアチャックシリンダである。上記第3の駆動部43は、伸縮シリンダであり、伸縮シリンダは、一端が当接部34の第4の側面342に接続され、他端が引き締め部35の第5の側面351に固定的に接続され、第3の駆動部43の作動で、引き締め部35は、当接部34に対して第5の位置L5と第6の位置L6との間で移動する。
【0039】
上記中性子捕捉療法システム100は、移動可能な支持部50をさらに含み、搬出装置30は、支持部50に設置され、第4の駆動部44は、支持部50のビーム整形体20に近接する側面に設置される。位置合わせ部37に基づいて支持部50を調整することにより、クランプ部32は真空管10の延出部12の外面に位置し、それにより搬出装置30と真空管との相対位置を決定する。X方向に垂直な方向をY方向と定義し、本願では、上記支持部50は、さらにY方向に沿って伸長するか又は短縮することができる。
【0040】
次に、搬出装置30のターゲット交換手順について説明する。
【0041】
S1では、位置合わせ部37により支持部50を調整することにより、搬出装置30と真空管10との相対位置を決定し、
S2では、第1の駆動部41により移動部31が第3の位置L3へ移動するように駆動し、このとき、真空管10の延出部12が遮蔽部の遮蔽空間334内に入り、真空管が第1の位置L1に位置し、第4の駆動部44により第1の側壁335が遮蔽部を開くように駆動し、クランプ部32が真空管10に位置しアンクランプ状態にあり、引き締め部35が第5の位置L5に位置し、
S3では、第2の駆動部42によりクランプ部32が真空管10の外面をクランプするように駆動し、
S4では、第3の駆動部43により引き締め部35が第5の位置L5から第6の位置L6へ移動するように駆動し、このとき、真空管10が第1の位置L1から第7の位置L7へ移動し、
S5では、第1の駆動部41により移動部31が第3の位置L3から第4の位置L4へ移動するように駆動し、このとき、真空管10が第7の位置L7から第2の位置L2へ移動し、完全に遮蔽空間334に収容され、
S6では、第4の駆動部44により第1の側壁335が遮蔽部を閉じるように駆動し、
S7では、支持部50を移動させることにより、真空管10が収容された搬出装置30をビーム整形体20から遠ざける。
【0042】
本願に開示された中性子捕捉療法システムは、以上の実施例に記載の内容及び図面に示された構造に限定されるものではなく、本願の基礎上にその構成要素の材料、形状及び位置に対して行われる明らかな変更、置換又は改変は、いずれも本願の特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】