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特表2023-518797圧力および他の生理学的パラメータの撮像および測定のためのカテーテル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】圧力および他の生理学的パラメータの撮像および測定のためのカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20230426BHJP
   A61M 25/01 20060101ALI20230426BHJP
   A61B 1/01 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
A61B1/00 680
A61M25/01 500
A61B1/01 512
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556645
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 US2021023198
(87)【国際公開番号】W WO2021188923
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/992,695
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/044,960
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/205,854
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522369887
【氏名又は名称】ゼンター,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】リンダー,リチャード・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】エステス,コリー・レックス
(72)【発明者】
【氏名】マーランド,スコット・ケネス
(72)【発明者】
【氏名】メイナード,エドウィン・ミード
(72)【発明者】
【氏名】クイスト,スティーブン・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ナイトン,ネイサン・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C161AA21
4C161AA22
4C161NN03
4C161UU03
4C267AA11
4C267BB02
4C267BB26
4C267BB62
4C267CC08
4C267CC12
4C267CC19
(57)【要約】
カテーテルシステムは、血管構造など、体の内腔空間内へ挿入されるように構成された細長いチューブ構造を含む。カテーテルは導電性を有し、電気信号を伝えるように構成される。カテーテルは、カテーテルの内腔内に配置された下にあるガイドワイアなどから電力および/またはデータ信号を送信および受信するように構成された1つまたは複数の電力およびデータ結合デバイスを含む。1つまたは複数のセンサがカテーテルの遠位区分に結合され、1つまたは複数の電力およびデータ結合デバイスに電気接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内に挿入するための細長いチューブ構造であって、近位端、遠位端、ならびに前記近位端および前記遠位端を通って延びる内腔を有するチューブ構造と、
前記チューブ構造の遠位区分に結合された1つまたは複数のセンサタイプの1つまたは複数のセンサと、
前記チューブ構造に付随する1つまたは複数のワイアであって、前記1つまたは複数のセンサに電気接続可能な1つまたは複数のワイアと、
前記チューブ構造に動作可能に付随するように構成された第1の電力およびデータ結合デバイスであって、前記1つまたは複数のワイアに導電結合し、前記1つまたは複数のワイアを通って電気信号を送信および受信するように構成された第1の電力およびデータ結合デバイスと
を備える医療デバイス。
【請求項2】
前記細長いチューブ構造がオーバ・ザ・ワイア・カテーテルである、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記細長いチューブ構造が急速交換(rapid exchange)カテーテルである、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記1つまたは複数のワイアが、1つまたは複数の電力および/またはデータ線を含み、前記1つまたは複数の電力および/またはデータ線が、前記内腔内に配置され、または前記チューブ構造の壁を横切ってもしくは前記チューブ構造の壁の中を前記第1の電力およびデータ結合デバイスと前記1つもしくは複数のセンサとの間に延びる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記1つまたは複数のワイアが、前記チューブ構造の前記内腔の少なくとも一部分内に位置決め可能なガイドワイアを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記第1の電力およびデータ結合デバイスが、前記チューブ構造の近位区分(proximal section)に配置された近位電力(proximal power)およびデータ結合デバイスである、請求項5に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記チューブ構造の遠位区分(distal section)に配置された第2の遠位電力(distal power)およびデータ結合デバイスをさらに備える、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記近位電力およびデータ結合デバイスならびに前記遠位電力およびデータ結合デバイスが、前記ガイドワイアが前記チューブ構造の前記内腔を通って挿入されるとき、前記ガイドワイアに導電接触し、それによって前記ガイドワイアを介して前記チューブ構造の前記近位区分と前記チューブ構造の前記遠位区分との間の前記電気信号の通過を可能にするように構成されている、請求項7に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記近位電力およびデータ結合デバイス、前記遠位電力およびデータ結合デバイス、またはその両方が、前記ガイドワイアとの直接接触によって前記ガイドワイアに導電結合するように構成されている、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記近位電力およびデータ結合デバイス、前記遠位電力およびデータ結合デバイス、またはその両方が、容量結合によって前記ガイドワイアに導電結合するように構成されている、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記1つまたは複数のセンサが、前記チューブ構造の前記遠位区分で前記遠位電力およびデータ結合デバイスに電気接続されている、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記デバイスが、単一のワイアを通って前記電気信号を送信および受信するように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記チューブ構造が、末梢挿入式(peripherally inserted)中心カテーテル、中心静脈カテーテル、または静脈内カテーテルである、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記第1の電力およびデータ結合デバイスが、前記1つまたは複数のワイアとの直接接触によって前記1つまたは複数のワイアに導電結合するように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記第1の電力およびデータ結合デバイスが、前記1つまたは複数のワイアとの容量結合によって前記1つまたは複数のワイアに導電結合するように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項16】
前記1つまたは複数のセンサタイプが、2つ以上の異なるセンサタイプを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項17】
複数のセンサが、1つまたは複数の生理学的パラメータの同時測定を提供するように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項18】
前記1つまたは複数のセンサの活動時のサンプリング速度が5秒以下である、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項19】
前記1つまたは複数のセンサが、1つまたは複数の圧力センサを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項20】
前記1つまたは複数の圧力センサが、抵抗、容量、光、音響、光音響、またはこれらの組合せを含む、請求項19に記載の医療デバイス。
【請求項21】
前記デバイスが、前記チューブ構造の遠位区分の長さに沿って長手方向に隔置された複数の圧力センサを備える、請求項19に記載の医療デバイス。
【請求項22】
前記1つまたは複数のセンサが、1つまたは複数の超音波センサ、カメラ、電荷結合デバイス、または他の撮像センサを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項23】
前記電気信号が、前記1つまたは複数のセンサに電力供給するために前記1つまたは複数のワイアを通って前記1つまたは複数のセンサへ送達される電力信号を含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項24】
前記電気信号が、前記1つまたは複数のセンサの動作の結果として前記1つまたは複数のセンサによって前記1つまたは複数のワイアを通って送信されるデータ信号を含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項25】
前記1つまたは複数のセンサが、少なくとも部分的に前記チューブ構造の壁に埋め込まれている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項26】
前記1つまたは複数のセンサが基板に結合され、前記基板が前記チューブ構造の遠位区分に結合されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項27】
前記1つまたは複数のセンサおよび前記1つまたは複数のセンサに対応する支持電子機器が、前記チューブ構造の遠位区分に配置されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項28】
前記チューブ構造がハイポチューブ(hypotube)である、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項29】
近位端、遠位端、ならびに前記近位端および前記遠位端を通って延びる内腔を有するカテーテルと、
前記カテーテルの遠位区分に結合された1つまたは複数のセンサタイプの1つまたは複数のセンサと、
前記カテーテルに動作可能に付随するように構成された第1の電力およびデータ結合デバイスと、
前記カテーテルの壁を横切ってまたは前記カテーテルの壁の中を前記第1の電力およびデータ結合デバイスと前記1つまたは複数のセンサとの間に延びる1つまたは複数の電力および/またはデータ線とを備え、
前記電力およびデータ結合デバイスが、前記1つまたは複数の電力および/またはデータ線に容量結合し、それによって電気信号を送信および受信するように構成されている、
カテーテルシステム。
【請求項30】
近位端、遠位端、ならびに前記近位端および前記遠位端を通って延びる内腔を有するカテーテルであって、前記内腔がガイドワイアを受け取るように構成されている、カテーテルと、
前記カテーテルの遠位区分に結合された1つまたは複数のセンサタイプの1つまたは複数のセンサと、
前記カテーテルの近位区分に動作可能に付随するように構成された近位電力およびデータ結合デバイスと、
前記カテーテルの遠位区分に結合された遠位電力およびデータ結合デバイスとを備え、
前記近位電力およびデータ結合デバイスならびに前記遠位電力およびデータ結合デバイスが、前記ガイドワイアが前記カテーテルの前記内腔を通って挿入されるとき、前記ガイドワイアに導電接触し、それによって前記ガイドワイアを介して前記カテーテルの前記近位区分と前記カテーテルの前記遠位区分との間の電気信号の通過を可能にするように構成されている、
カテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年3月20日に出願された「CATHETER SYSTEM,DEVICE,AND METHOD THEREOF」という名称の米国特許仮出願第62/992,695号、2020年6月26日に出願された「CATHETER AND GUIDEWIRE SYSTEMS WITH ENHANCED LOCATION AND CHARACTERIZATION FEATURES」という名称の米国特許仮出願第63/044,960号、および2021年3月18日に出願された「CATHETER FOR IMAGING AND MEASUREMENT OF PRESSURE AND OTHER PHYSIOLOGICAL PARAMETERS」という名称の米国特許出願第17/205,854号に対する優先権を主張する。上記の出願の各々の全内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]追加として、本出願は、2021年3月18日に出願された「SIGNAL CONDUCTING DEVICE FOR CONCURRENT POWER AND DATA TRANSFER TO AND FROM UN-WIRED SENSORS ATTACHED TO A MEDICAL DEVICE」という名称の米国特許出願第17/205,614号、2021年3月18日に出願された「OPERATIVELY COUPLED DATA AND POWER TRANSFER DEVICE FOR MEDICAL GUIDEWIRES AND CATHETERS WITH SENSORS」という名称の米国特許出願第17/205,754号、および2021年3月18日に出願された「GUIDEWIRE FOR IMAGING AND MEASUREMENT OF PHYSIOLOGICAL PARAMETERS」という名称の米国特許出願第17/205,964号に関係する。上記の出願の各々の全内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[0003]本発明は、一般に、1つまたは複数の生理学的パラメータの同時および/または連続測定のための様々なセンサを含むガイドワイアおよびカテーテルなどの腔内デバイスを含む医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
[0004]多くの場合、患者の体内の標的とされる解剖学的箇所へカテーテルまたは他の介入性デバイスを誘導または案内するために、ガイドワイアデバイスが使用される。典型的に、ガイドワイアは患者の血管構造に通されて、たとえば患者の心臓または脳またはその付近に位置し得る標的箇所に到達する。典型的に、ガイドワイアを標的とされる箇所へ誘導するのを支援するために、放射線撮像が利用される。様々な外径サイズを有するガイドワイアが利用可能である。広く利用されているサイズには、たとえば直径0.254mm(0.010インチ)、0.3556mm(0.014インチ)、0.4064mm(0.016インチ)、0.4572mm(0.018インチ)、0.6096mm(0.024インチ)、および0.889mm(0.035インチ)が含まれるが、これらはより小さい直径またはより大きい直径でもよい。カテーテルはまた、様々なサイズで提供されており、典型的に、標準的なガイドワイアサイズとともに使用されるように構成されている。
【0005】
[0005]多くの事例では、ガイドワイアは介入性処置中に体内に配置され、このガイドワイアを使用して、複数のカテーテルまたは他の介入性デバイスを標的とされる解剖学的箇所へ案内することができる。定位置についた後、カテーテルを使用して、凝血塊もしくは他の閉塞物を吸引することができ、あるいは薬物、ステント、塞栓用デバイス、放射線不透過性染料、または患者を治療するための他のデバイスもしくは物質を送達することができる。
【0006】
[0006]これらのタイプの介入性デバイスは、デバイスに追加の機能を提供するために、遠位端に位置するセンサを含むことができる。たとえば、血管内超音波(IVUS)は、遠位端に超音波撮像センサが取り付けられたカテーテルを利用する撮像技法である。超音波を利用して、標的とされる血管構造(典型的に、冠状動脈)内を撮像する。
【0007】
[0007]そのようなセンサの使用には、いくつかの難題が伴う。特に、関連する介入性デバイスは、関連する厳しい寸法制約を考慮すると、作業するための空間が非常に制限される。さらに、効果的な機能を維持するように介入性デバイスにセンサを一体化するのは難しいことがある。
【0008】
[0008]この分野に共通する別の問題は、デバイスの遠位端を標的箇所に適切に局所化および位置決めすることである。挿入中にデバイス先端が不適切に位置決めされた場合、または挿入後に先端が所望の位置から移動した場合、様々なリスクが生じる可能性がある。たとえばカテーテルの実装例では、不適切な位置決めは流体の浸出を招く可能性があり、それにより患者の痛みまたは負傷、血栓症率の増大、治療の遅れ、デバイスの破損または動作不良、デバイス交換による遅れおよびデバイス交換に付随する追加のコスト、ならびに主治医および医療センターによって必要とされる追加の時間が生じる可能性がある。
【0009】
[0009]さらに、内部撮像およびカテーテルの局所化のための従来の手法では、染料の注入および/またはX線の使用が必要とされる。これらの各々は患者にとって有害となり得る。その上、そのような撮像放射は、放射にさらされる医師および職員にとっても有害となり得る。
【0010】
[0010]そのような介入性デバイスの使用はまた、ガイドワイアおよびカテーテル、電力ケーブル、データワイアなどを含むいくつかの長い長さのワイアおよび他の構成要素を管理する必要があることから困難である。滅菌野で何が許可されているか、およびいつそれを除去することができるかに関して、注意を払わなければならない。多くの場合、単にそのようなワイアおよびケーブルを管理するためだけに、追加の職員が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0011]したがって、センサを効果的に一体化し、センサとの電力およびデータ通信を効果的に管理し、デバイスからのデータを追加の処理のために効果的に通信し、血管構造または他の標的とされる解剖学的構造内の所望の標的位置における医療デバイスのより効果的な位置決めを可能にする、改善された介入性デバイスが現在必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012]一実施形態では、カテーテルシステムは、体内に挿入されるように構成されたカテーテルを含み、このチューブ構造は、近位端、遠位端、ならびに近位端および遠位端を通って延びる内腔を有する。チューブ構造の遠位区分に1つまたは複数のセンサタイプの1つまたは複数のセンサが結合されており、チューブ構造には1つまたは複数のワイアが付随し、1つまたは複数のセンサに電気接続可能である。第1の電力およびデータ結合デバイスが、チューブ構造に動作可能に関係し、1つまたは複数のワイアに導電結合し、それによって1つまたは複数のワイアを通って電気信号を送信および受信するように構成される。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態では、1つまたは複数のワイアは、1つまたは複数の電力および/またはデータ線を含み、1つまたは複数の電力および/またはデータ線は、チューブ構造の壁を横切ってまたはチューブ構造の壁の中を第1の電力およびデータ結合デバイスと1つまたは複数のセンサとの間に延びる。それによって、第1の電力およびデータ結合デバイスは、1つまたは複数の電力および/またはデータ線を介してカテーテルの遠位区分にある1つまたは複数のセンサと通信することができる。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルの近位区分に配置された第1の近位電力およびデータ結合デバイスと、カテーテルの遠位区分に配置された第2の遠位電力およびデータ結合デバイスとを含む。カテーテルは、ガイドワイアを受け取るように構成される。近位電力およびデータ結合デバイスならびに遠位電力およびデータ結合デバイスは、ガイドワイアがチューブ構造の内腔を通って挿入されるとき、ガイドワイアに導電接触し、それによってガイドワイアを介してチューブ構造の近位区分とチューブ構造の遠位区分との間の電気信号の通過を可能にするように構成される。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態では、近位電力およびデータ結合デバイス、遠位電力およびデータ結合デバイス、またはその両方が、ガイドワイアとの直接接触によってガイドワイアに導電結合するように構成される。いくつかの実施形態では、近位電力およびデータ結合デバイス、遠位電力およびデータ結合デバイス、またはその両方が、容量結合によってガイドワイアに導電結合するように構成される。
【0016】
[0016]この発明の概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明する一連の概念を簡略化された形で導入するために提供されたものである。この発明の概要は、特許請求する主題の主要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図したものでも、特許請求する主題の範囲を決定する際の支援として使用されることを意図したものでもない。
【0017】
[0017]追加の特徴および利点は、以下の説明に記載されており、一部はこの説明から明らかであり、または本明細書の内容を実施することによって知ることができる。本発明の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘する機器および組合せによって実現および取得することができる。本発明の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより十分に明らかになり、または以下に述べる本発明の実施によって知ることができる。
【0018】
[0018]本発明の様々な目的、特徴、特性、および利点は、そのすべてが本明細書の一部を形成する添付の図面および添付の特許請求の範囲と併せて、実施形態の以下の説明から明らかになり、より容易に理解されよう。図面では、同じ参照番号を利用して、様々な図で対応または類似している部分を指定することができ、示されている様々な要素は、必ずしも原寸に比例して描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】[0019]電力およびデータ結合デバイスの構成要素を示し、結合デバイスを外部デバイスに通信可能に結合することができることを示す、本明細書に記載する特徴のうちの1つまたは複数を提供するように構成されたガイドワイアシステムを示す図である。
図2】[0020]電力およびデータ結合デバイスの構成要素を示し、結合デバイスを外部デバイスに通信可能に結合することができることを示す、本明細書に記載する特徴のうちの1つまたは複数を提供するように構成されたカテーテルシステムを示す図である。
図3】[0021]カテーテル上の例示的なセンサ配置をより良好に示すためのカテーテルの遠位区分の拡大図である。
図4】[0022]カテーテルの内腔に通された導電ガイドワイアを使用して遠位区分に配置された1つまたは複数のセンサへの電力供給および1つまたは複数のセンサからのデータ収集を可能にする構成要素を有するカテーテルシステムを示す図である。
図5A】[0023]そのような基板を使用してカテーテル上にセンサを位置決めすることができる例示的なセンサ基板および配置を示す図である。
図5B】そのような基板を使用してカテーテル上にセンサを位置決めすることができる例示的なセンサ基板および配置を示す図である。
図5C】そのような基板を使用してカテーテル上にセンサを位置決めすることができる例示的なセンサ基板および配置を示す図である。
図5D】そのような基板を使用してカテーテル上にセンサを位置決めすることができる例示的なセンサ基板および配置を示す図である。
図5E】そのような基板を使用してカテーテル上にセンサを位置決めすることができる例示的なセンサ基板および配置を示す図である。
図6】[0024]図6Aは、カテーテルの遠位区分にセンサ基板を適用するためのプロセスを示す図である。 図6Bは、カテーテルの遠位区分にセンサ基板を適用するためのプロセスを示す図である。 図6Cは、カテーテルの遠位区分にセンサ基板を適用するためのプロセスを示す図である。 図6Dは、カテーテルの遠位区分にセンサ基板を適用するためのプロセスを示す図である。
図7】[0025]カテーテル内で利用することができる例示的な超音波アレイの詳細図である。
図8A】[0026]カテーテルの近位区分で使用するための例示的な近位電力およびデータ結合デバイスの詳細図である。
図8B】カテーテルの近位区分で使用するための例示的な近位電力およびデータ結合デバイスの詳細図である。
図8C】[0027]カテーテルの遠位区分で使用するための例示的な遠位電力およびデータ結合デバイスの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
腔内システムの概要
[0028]図1は、本明細書に記載する特徴のうちの1つまたは複数を組み込むことができるガイドワイアシステム100の概略図を示す。ガイドワイアシステム100は、近位デバイス104を通って経路指定可能なワイア102を含む。ガイドワイアシステム100のワイア102は、患者の体内へ挿入されるように構成される。患者は典型的にヒトであるが、他の実装例では、ヒト以外の哺乳動物、またはさらには哺乳動物以外の動物であってもよい。特定の好みおよび/または応用例の必要に応じて、任意の好適な投与経路を利用することができる。一般的な経路には、大腿部、橈骨、および頸静脈が含まれるが、ガイドワイアシステム100は、必要に応じて他のアクセス経路を利用することもできる。
【0021】
[0029]本明細書に記載する例の多くは、血管内処置(たとえば、心臓血管または神経血管)に関連するガイドワイアシステム100またはカテーテルシステム200(図2参照)の使用に関するが、記載するシステムは、他の医療用途でも同様に利用することができることが理解されよう。本明細書に記載するシステムを利用することができる他の医療応用例には、たとえば、リンパ系、泌尿器系/腎臓系、胃腸系、生殖器系、肝臓系、または呼吸器系へのアクセスを伴う応用例が含まれる。
【0022】
[0030]ここでは、近位デバイス104は止血バルブとして示されているが、他の実施形態では、近位デバイス104は、追加または代替の形態を含むことができる。本明細書では、近位デバイス104を「データおよび電力結合デバイス104」または単に「結合デバイス104」と呼ぶこともある。
【0023】
[0031]ワイア102の長さは、特定の応用例の必要および標的とされる解剖学的面積に応じて変動し得る。一例として、ワイア102は、特定の応用例の必要および/または特定の解剖学的標的に応じて、約50cm~約350cm、より一般には約200cmの近位端から遠位端までの全長を有し得る。ワイア102は、外径(たとえば、他の外側部材の適用後)が約0.2032mm(0.008インチ)から約1.016mm(0.040インチ)になるようなサイズを有することができるが、特定の応用例の必要に応じて、より大きいまたは小さいサイズを利用することもできる。たとえば、特定の実施形態は、0.254mm(0.010インチ)、0.3556mm(0.014インチ)、0.4064mm(0.016インチ)、0.4572mm(0.018インチ)、0.6096mm(0.024インチ)、0.889mm(0.035インチ)、0.9652mm(0.038インチ)、またはガイドワイアデバイスに一般的な他のそのようなサイズなど、標準的なガイドワイアサイズに対応する外径サイズを有することができる。ワイア102は、ステンレス鋼または適当な機械特性を有する他の金属もしくは合金から形成することができる。追加、または別法として、ワイア102は、適当な機械特性を有する導電性材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、ワイア102は、導電ポリマーから形成することができ、または導電ポリマーを含むことができる。
【0024】
[0032]結合デバイスはまた、ガイドワイアシステム100と外部デバイス110(または複数のそのような外部デバイス)との間のワイアレス通信を可能にするために、送信器を含むことができ、または送信器に付随することができる。代替実施形態では、ガイドワイアシステム100および外部デバイス110は、有線接続を介して接続することができる。
【0025】
[0033]外部デバイス110は、移動電話、タブレット、またはラップトップコンピュータなど、手持ち式のデバイスとすることができる。外部デバイス110として手持ち式または移動デバイスを使用する例示的な実施形態を本明細書に記載するが、この必要はなく、他の実施形態は、デスクトップコンピュータ、モニタ、プロジェクタなど、他の「非移動」デバイスを含むこともできることが理解されよう。いくつかの実施形態では、外部デバイス110は、移動/手持ち式のデバイスを含み、追加としてデスクトップデバイスまたは他の非移動デバイスを含む。たとえば、移動デバイスは、送信器から伝送されたデータを受信し、そのデータを非移動コンピュータシステムへさらに送信することによってブリッジとして機能するように構成することができる。これは、医師が移動デバイス上でデータを見る選択肢を好むが、両手がふさがっているとき(たとえば、ガイドワイアシステム100を取り扱っているとき)などは、追加または別法としてデータをより大きいモニタに渡すかまたはミラーリングさせる必要がある状況で有用となり得る。
【0026】
[0034]ガイドワイアシステム100の外部デバイス110は、人体の血管または他の標的とされる解剖学的構造内のワイア102の遠位先端の位置を判定する際に医師を支援することができる。このようにして、医師は、ワイア102を適当に位置決めしながら、標的とされる解剖学的構造で様々なパラメータのデータを取得することもでき、したがって医師は、関連する環境をより良好に理解することができ、患者を治療しながら適当な決定を下すことができる。
【0027】
[0035]ガイドワイアシステム100およびカテーテルシステム200のワイアレスシステムは、たとえばパーソナルエリアネットワーク(PAN)(たとえば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、BLE、NFCなど、極超短波電波通信)、ローカルエリアネットワーク(LAN)(たとえば、WiFi)、またはワイドエリアネットワーク(WAN)(たとえば、3G、LTE、5Gなど、セルラーネットワーク)を含むことができる。ワイアレスデータ伝送は、追加または別法として、無線周波(RF)センサ、赤外信号、または他のワイアレスデータ伝送手段など、光信号(光ファイバ線の使用の有無にかかわらず、赤外、可視無線)の使用を含むことができる。
【0028】
[0036]本明細書では、「電気信号」および「信号」はどちらも全体として、開示するシステム、デバイス、または方法の範囲内で任意の信号を指す。一方、「センサデータ信号」、「センサ信号」、または「データ信号」は、医療センサなどの医療デバイスによって生成されたコマンドまたは情報を搬送する任意の信号を指す。対照的に、「電力信号」または「エネルギー信号」は、センサなどの医療デバイスに電力を提供する任意の信号を指す。いくつかの場合、「信号」は、データ信号および電力信号の両方を含むことができる。
【0029】
[0037]センサデータ信号の処理は、全体をもしくは主に外部デバイス110で実施することができ、または別法として、遠隔サーバもしくは分散ネットワークなど、外部デバイス110に通信可能に接続された1つもしくは複数の他の外部デバイスで、少なくとも部分的に実施することができる。追加または別法として、センサデータ信号は、結合デバイス104もしくは204において、ワイア102もしくはカテーテル202上において、またはガイドワイアシステム100もしくはカテーテルシステム200内のデバイスの何らかの組合せにおいて処理することができる。センサデータ信号は、たとえば画像データ、位置データ、および/または様々なタイプのセンサデータ(流体の流れ、流体圧力、様々なガスまたは生物学的構成要素の存在/レベル、温度、他の物理パラメータなどに関係する)を含むことができる。
【0030】
[0038]1つまたは複数のセンサは、ワイア102に結合することができ、1つまたは複数のセンサは、ワイア102を通って結合デバイス104へデータ信号を送信するように動作することができる。追加または別法として、結合デバイス104は、1つまたは複数のセンサへ電力または信号を送信するように動作することができる。
【0031】
[0039]示されているように、ガイドワイアシステム100は、制御ユニット112(拡大して概略的な形態で示す)を含み、制御ユニット112は、電源114、データ信号プロセッサ116、および任意選択で送信器118を含む。送信器118は、上述したように、外部デバイス110(または複数のそのようなデバイス)へのワイアレス通信を可能にする。
【0032】
[0040]データ信号プロセッサ116は、ワイア102に付随する1つまたは複数のセンサ121からワイア102を通って送信されたセンサデータ信号を受信するように構成される。電源114は、ワイア102を通って電力を伝送し、1つまたは複数のセンサ121および/またはワイア102の他の構成要素に電力供給するように構成される。電源114は、電池もしくは電池パックなど、内蔵電源を含むことができ、かつ/または外部電源への有線接続を含むことができる。1つまたは複数のセンサ121は、ワイア102上の任意の好適な位置に配置することができるが、典型的には、標的とされる解剖学的構造に到達することが予期される遠位区分に配置される。
【0033】
[0041]ガイドワイアシステム100は、実際のワイア102自体を通ってこれらの電力およびデータ信号を送信するように構成されており、遠位区分から近位区分およびその逆に信号を送信するための追加のトレース/リードを必要としない。ワイア102自体を使用して、デバイスを通って電力および/またはデータ信号を送信することで、いくつかの利益が提供される。たとえば、ワイア102を使用してこれらの信号を伝送することで、センサ121を近位端に接続するために、かつ/またはセンサへ電力を送達するために、ワイア102に沿って他の接続線を走らせる必要が低減またはなくされる。ガイドワイアが本質的に厳格な寸法および性能(たとえば、トルク性、屈曲、押込み性、剛性など)の制限を伴い、作業するための空間が制限されることを考慮すると、余分な構成要素を低減またはなくす能力により、制限された空間が自由になり、さらなる設計上の柔軟性が可能になる。また、追加の接続線の使用を低減またはなくすことで、デバイスの全体的な複雑さが低減され、それによって構成要素の障害のリスクが低減され、より頑強に機能するデバイスが得られる。
【0034】
[0042]図2は、本明細書に記載する特徴のうちの1つまたは複数を組み込むことができるカテーテルシステム200の概要である。カテーテルシステム200は、多くの点でガイドワイアシステム100に類似したものとすることができ、ガイドワイアシステム100に関係する上記の説明は、違いが明記されている場合を除いて、ここでも適用可能である。カテーテルシステムは、近位端206から遠位端208へ延びるカテーテル202を含む。カテーテル202は、1つの内腔または複数の内腔を含むことができる。典型的に、カテーテル202は、少なくとも主に1つまたは複数の医療グレードポリマー材料から形成されるが、いくつかの実施形態は、金属などの他の材料を含むことができる。たとえば、本明細書では、カテーテル202という用語は、別途指定されない限り、ハイポチューブまたは微細機械加工されたチューブを含む、体内に挿入されるように構成された、細長いチューブ構造を備え、1つまたは複数の内腔を有する他の医療デバイスを指すことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム200は、1つまたは複数の入れ子状のカテーテル(たとえば、「伸縮式」構成で配置される)を含むことができる。別個の層は、たとえば、当技術分野で知られている編組層、ライナ、ポリマーコーティング、他のカテーテル層、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0035】
[0043]カテーテルシステム200は、カテーテル202および近位デバイス204(本明細書では、「近位電力およびデータ結合デバイス204」または単に「近位結合デバイス204」と呼ぶこともある)を含む。近位結合デバイス204は、制御ユニット212(拡大して概略的な形態で示す)を含み、制御ユニット212は、電源214、データ信号プロセッサ216、および任意選択で送信器218を含む。送信器218は、図1に関して上述したように、外部デバイス110(または複数のそのようなデバイス)へのワイアレス通信を可能にする。
【0036】
[0044]データ信号プロセッサ216は、カテーテル202に付随する1つまたは複数のセンサ221からカテーテル202を通って送信されたセンサデータ信号を受信するように構成される。電源214は、カテーテル202を通って電力を伝送し、1つまたは複数のセンサ221および/またはカテーテル202の他の構成要素に電力供給するように構成される。電源214は、電池もしくは電池パックなどの内蔵電源を含むことができ、かつ/または外部電源への有線接続を含むことができる。1つまたは複数のセンサ221は、カテーテル202上の任意の好適な位置に配置することができるが、典型的には、標的とされる解剖学的構造に到達することが予期されるカテーテル202の遠位区分に配置される。本明細書では、「遠位区分」とは、デバイスの最も遠位の30cm、デバイスの最も遠位の20cm、デバイスの最も遠位の15cm、デバイスの最も遠位の10cm、または上記の値のうちのいずれか2つを終点として使用する範囲を指す。
【0037】
[0045]センサ221は、たとえば接合、成形、共押出し、溶接、および/または接着の技法を用いることによって、カテーテル202(たとえば、カテーテル202の遠位区分)に結合することができる。追加または別法として、以下でより詳細に説明するように、センサ221を基板に結合することもでき、基板自体はカテーテル202に取り付けられる。本明細書では、「遠位区分」または「遠位部分」とは、デバイスの最も遠位の30cm、デバイスの最も遠位の20cm、デバイスの最も遠位の15cm、デバイスの最も遠位の10cm、または上記の値のうちのいずれか2つを終点として使用する範囲を指す。いくつかの実施形態では、「中間区分」とは、デバイスの中央約3分の1であると見なすことができ、「近位区分」または「近位部分」とは、デバイスの近位約3分の1であると見なすことができる。
【0038】
[0046]いくつかの実施形態では、電力および/またはデータ線201が、カテーテル202の長さに沿って1つまたは複数のセンサ221まで延びる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電力および/またはデータ線201をカテーテル202内の編組構造の少なくとも一部分に組み込むことができ、またはカテーテル202内の編組構造の少なくとも一部分を形成することができる。本明細書では、「電力線」および/または「データ線」は、医療デバイス内の任意の導電経路(たとえば、トレース)を指す。複数の電力および/またはデータ線201を利用することができるが、より好ましい実施形態は、電力およびデータの両方を単一のワイアで送信し、かつ/または複数のセンサからのセンサデータ信号を単一のワイアで管理するように構成される。これにより、カテーテル202の構造を通って(またはカテーテル202の構造に沿って)経路指定しなければならないワイアの数が低減され、デバイスの制限された空間がより効果的に利用され、ならびにデバイスの複雑さおよび関連するデバイス障害のリスクが低減される。
【0039】
[0047]いくつかの実施形態では、線201を介して、複数の電力および/またはデータ信号(たとえば、複数のセンサ221からのデータ信号)を同時に送信することができる。電力および/またはデータ信号はまた、「連続」して送信することもできる。すなわち、電力および/またはデータ信号は、実際的に「実時間」となる時間枠内に情報がユーザへ提供されるように、十分に高いサンプリング速度を有することができる。ほとんどの応用例では、これは、約5秒以下、3秒以下、1秒以下のサンプリング速度、または1秒未満のサンプリング速度を含む。
【0040】
[0048]近位結合デバイス204は、カテーテル202への流体(たとえば、薬剤、栄養物)の導入を容易にするために、1つまたは複数のポートを含むことができる。カテーテル202は、体内に一時的に挿入されるようにサイズ設定および構成することができ、体内に恒久的に移植されるようにサイズ設定および構成することができ、または体内にインプラントを送達するように構成することができる。一実施形態では、カテーテル202は、末梢挿入式中心カテーテル(PICC)線であり、典型的には、体の血管系へアクセスするように体の腕または脚に配置される。カテーテル202はまた、中心静脈カテーテル、IVカテーテル、冠状動脈カテーテル、ステント送達カテーテル、バルーンカテーテル、アテレクトミーカテーテル、もしくはIVUSカテーテル、または他の撮像カテーテルとすることができる。カテーテル202は、シングルまたはマルチルーメンカテーテルとすることができる。
【0041】
[0049]システムの遠位区分の局所化が有益になるはずの応用例では、ガイドワイアシステム100および/またはカテーテルシステム200を効果的に利用することができる。たとえば、大静脈心房接合部など、標的とされる部位へのPICCカテーテルもしくは中心静脈カテーテルのステント送達または適切な配置を支援するために、本明細書に記載する局所化特徴を利用することができる。
追加のセンサの詳細
[0050]ガイドワイアシステム100の1つもしくは複数のセンサ121、および/またはカテーテルシステム200の1つもしくは複数のセンサ221は、たとえば圧力センサ、流れセンサ、撮像センサ、または構成要素検出センサを含むことができる。圧力センサ(1つまたは複数)は、環境内の圧力の変化を感知するようにサイズ設定および構成することができる。流れセンサ(1つまたは複数)は、速度または他の流れ特性など、流体の流れを感知するようにサイズ設定および構成することができる。検出センサ(1つまたは複数)は、体の外部に位置決めされた1つまたは複数の検出ノードへの近接または距離を検出することができる。撮像センサは、様々な形態の撮像データを集めることができる。
【0042】
[0051]1つまたは複数のセンサは、追加または別法として、生物学的構成要素の存在を感知するように、または標的とされる解剖学的箇所(たとえば、血液)内の生理学的パラメータを測定するように構成することができる。検出/測定することができる生物学的構成要素の例には、血糖レベル、pHレベル、COレベル(CO分圧、重炭酸塩レベル)、酸素レベル(酸素分圧、酸素飽和度)、温度、ならびに他のそのような基質および生理学的パラメータが含まれる。1つまたは複数のセンサは、たとえば免疫系関連分子(たとえば、マクロファージ、リンパ球、T細胞、ナチュラルキラー細胞、単球、他の白血球など)、炎症マーカ(たとえば、C反応性蛋白、プロカルシトニン、アミロイドA、サイトカイン、α1-酸性糖蛋白、セルロプラスミン、ヘプシジン、ハプトグロビンなど)、血小板、ヘモグロビン、アンモニア、クレアチニン、ビリルビン、ホモシステイン、アルブミン、ラクテート、ピルベート、ケトン体、イオンおよび/もしくは栄養レベル(たとえば、グルコース、尿素、塩化物、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄/フェリチン、銅、亜鉛、マグネシウム、ビタミンなど)、ホルモン(たとえば、エストラジオール、卵胞刺激ホルモン、アルドステロン、プロゲステロン、黄体形成ホルモン、テストステロン、チロキシン、チロトロピン、副甲状腺ホルモン、インスリン、グルカゴン、コルチゾール、プロラクチンなど)、酵素(たとえば、アミラーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、リパーゼ、クレアチンキナーゼ)、脂質(たとえば、トリグリセリド、HDLコレステロール、LDLコレステロール)、腫瘍マーカ(たとえば、α-フェトプロテイン、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、癌胎児性抗原、前立腺特異抗原、カルシトニン)、ならびに/または毒素(たとえば、鉛、エタノール)など、生物学的構成要素の存在、不在、またはレベルを感知するように構成することができる。
カテーテルセンサ配置および遠位特徴
[0052]図3は、カテーテルシステム200の遠位区分の拡大図を示し、カテーテルシステム200に配置された様々なセンサを示す。この実施形態では、1つまたは複数のセンサ221(より概略的に図2に示す)は、複数の圧力センサ220および超音波センサ222を含む。上述したように、カテーテル202内に埋め込むこと、接着剤で取り付けること、および/または他の取付け手段によって、カテーテル202にセンサを取り付けることができる。この例では、これらのセンサは基板224に位置決めされ、基板224は、センサをそれぞれの所望の位置に配置するように、カテーテル202に位置決めされる。基板224は、基板224でカテーテル202を包むこと、基板224をカテーテル202に巻き付けること、または他の方法で基板224をカテーテル202に位置決めすることを可能にする、ある程度可撓性がある材料(たとえば、好適な医療グレードポリマー)から作ることができる。基板224はまた、カテーテル202にセンサを導電結合するために、トレース線および/または1つもしくは複数の導電コンタクトなど、フレキシブル回路を含む。基板224は、カテーテル202との摩擦嵌めを形成することができ、追加または別法として、カテーテル202に接着または他の方法で機械的に接合することができる。
【0043】
[0053]センサを基板224に結合し、次いで基板224をカテーテル202上に配置することで、いくつかの利益が提供される。たとえば、基板224は、本質的に2次元のレイアウトに広げることができ、これによりセンサを適当に位置決めすることがはるかに容易になる。次いで、センサが結合された2次元の基板224は、各センサを別個にカテーテル202上に配置した場合より容易に、3次元の円筒形のカテーテル202上に配置することができる。特に、様々なセンサが基板224上で互いに対して適当に位置決めされることを確実にし、次いで基板224をカテーテル202上に位置決めすることは、3次元の円筒形のカテーテル202上で各センサの相対的な間隔を制御しようとするより容易である。別法として、基板が3次元のカテーテル202に適用された後、様々なセンサを基板に配置することもできる。
【0044】
[0054]示されている実施形態はまた、エネルギーハーベスタ232を含む。エネルギーハーベスタは、注入電力を、センサに好適な調整されたDC電圧に変換するように構成される。エネルギーハーベスタ232はまた、たとえば障害または節電中のセンサへの電力の切断など、他の電気調整機能を提供することができる。追加として、本明細書では、別途指定されない限り、エネルギーハーベスタ232は、1つまたは複数のセンサ221の下位構成要素であると見なされる。したがって、別途記載されない限り、1つまたは複数のセンサ221の参照は、エネルギーハーベスタ232など、関連する回路も指す。
【0045】
[0055]追加として、少なくとも1つの実施形態では、エネルギーハーベスタ232は、1つまたは複数のセンサ221に対する制御機能を提供するように構成される。たとえば、特定の信号を電力およびデータ結合デバイス204からエネルギーハーベスタ232に通信することができる。特定の信号は、チャープ、インパルス機能、または特定の周波数チャネルの何らかの信号を含むことができる。エネルギーハーベスタ232は、特定の信号を所定のコマンドにマッピングし、次いでその所定のコマンドに作用する。たとえば、1つまたは複数のセンサ221に電力供給している1つまたは複数のレールへのDC電力を切断するように、特定の信号をコマンドにマッピングすることができる。したがって、特定の信号を受信したとき、エネルギーハーベスタ232は、1つまたは複数のセンサ221への電力の提供を停止し、それにより1つまたは複数のセンサ221をオフにする。任意の数の異なる信号を、任意の数の異なるコマンドにマッピングすることができる。追加として、少なくとも1つの実施形態では、エネルギーハーベスタ232以外の回路が、信号を受信し、信号を解釈し、かつ/または信号に作用する。
【0046】
[0056]別途記載されない限り、センサ(総称として、または特有のタイプのセンサ)を参照するとき、支持電子機器も同様に含むことを理解されたい。支持電子機器は、たとえば、電力調整器、変換器、信号増幅器、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの処理構成要素などを含むことができる。1つまたは複数のセンサ221の支持電子機器は、1つまたは複数のセンサ221自体の近く(たとえば、遠位区分および/または基板224)に位置決めされることが好ましい。これは、支持電子機器をデバイスの近位区分に配置した場合と比較して、信号ドリフトを低減させることが有益であることが分かっている。支持電子機器(たとえば、ASIC)をセンサ221付近の遠位区分に配置することで、他の手法による顕著なドリフト問題なしに、効果的な信号伝送が提供される。
【0047】
[0057]基板224を含む(したがって、センサを含む)カテーテル202の長さは、約3cmから約30cm、またはより典型的には約5cmから約15cmとすることができるが、これらの長さは、特定の応用例の必要に応じて変更することができる。センサ配置の長さは実質的に、標的解剖学的構造内の病変/狭窄の予期される長さに及ぶことが好ましい。圧力センサ220の線形の配置を利用することで、カテーテル202を動かす必要なしに、標的とされる解剖学的構造に圧力マッピングを提供することができる。複数のセンサからの複数の測定を、同時にかつ/または連続して行うことができる。また、圧力センサ220の配置を利用することで、脈波伝播速度(PWV)を測定することができ(たとえば、一連の波のピークを判定し、ピーク間の時間を測定することによる)、かつ/またはパルス波形の空間追跡を提供することができる。
別個のガイドワイアを使用するカテーテルの電力およびデータ伝送
[0058]図4は、カテーテル202の内腔に通された導電ガイドワイア101を使用して1つもしくは複数のセンサ221に電力供給することを可能にし、かつ/または1つもしくは複数のセンサ221がガイドワイア101を使用してデータ信号を渡すことを可能にする構成のカテーテルシステム200を示す。ガイドワイア101は、上述したガイドワイアシステム100に対応することができ、またはガイドワイア101が電気信号を伝えることが可能である限り、当技術分野で知られている他のガイドワイアの形態をとることができる。カテーテル202が電力および/またはデータを伝送するためにガイドワイア101を使用するように構成された特定の実施形態では、他の電力および/またはデータ線201を省略することができる。言い換えれば、カテーテル202は、ガイドワイア101が電力および/またはデータ信号を伝送するのに必要な唯一のワイアまたは線になるように構成することができる。
【0048】
[0059]示されているように、カテーテル202は、ガイドワイア101を介して経路指定することができる。ガイドワイア101およびカテーテル202はどちらも、近位結合デバイス204を通って経路指定される。1つまたは複数のセンサ221は、カテーテル202の遠位区分に配置される。遠位電力およびデータ結合デバイス205(「遠位結合デバイス205」とも呼ばれる)もまた、カテーテル202の遠位区分に配置され、1つまたは複数のセンサ221と電気的に通信する。近位結合デバイス204および遠位結合デバイス205はどちらも、下にあるガイドワイア101に導電結合するように構成される。
【0049】
[0060]電力および/またはデータを伝送する手段としてガイドワイア101を使用することで、カテーテル202に沿って電力および/またはデータを伝送するための様々な電力および/またはデータ線(図2の電力および/またはデータ線201参照)の必要が低減またはなくされる。そのような電力および/またはデータ線201は、カテーテル202の長さに沿って経路指定され、またはカテーテル202の壁に埋め込まれなければならないので、カテーテル202の形状および機械特性がこれらの追加の制約を考慮しなければならず、それに付随して製造がより困難になる。同様に、電力および/またはデータを伝送する手段としてガイドワイア101を使用することで、カテーテル202の使用中に障害または動作不良を生じるリスクのある構成要素の数が低減され、それによってセンサ221へ電力を伝送しかつセンサ221からデータ信号を受信するための頑強なシステムが提供される。
【0050】
[0061]結合デバイス204、205とガイドワイア101との間の導電結合は、結合デバイス204、205と下にあるガイドワイア101との間の直接接触によって実現することができる。たとえば、結合デバイス204、205のうちの一方または両方の内面は、カテーテル202がガイドワイア101に通されるときにガイドワイア101に直接接触するようにサイズ設定することができる。
【0051】
[0062]より好ましい実施形態では、下にあるガイドワイア101との直接接触を必要としない。以下でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、近位結合デバイス204、遠位結合デバイス205、またはその両方が、下にあるガイドワイア101に容量結合するように構成される。このタイプの結合により、カテーテル202に沿って電力および/またはデータを伝送するための様々な電力および/またはデータ線201の必要がさらに低減またはなくされる。また容量結合により、カテーテル202とガイドワイア101との間の摩擦および拘束のリスクを増大させる結合デバイス204、205の内面とガイドワイア101の外面との間の直接接触を形成する必要がなくされる。他の実施形態では、近位結合デバイス204は、電力および/またはデータを伝送するために、カテーテル202に直接結合することができる(必ずしも導電結合のためにガイドワイア101を必要としない)。そのような実施形態では、必ずしも遠位結合デバイス205を必要としない。
センサ基板およびカテーテルへの適用
[0063]上述したように、カテーテル202の構造に埋め込むこと、接着剤で取り付けること、および/または当技術分野で知られている他のセンサ取付け方法によって、1つまたは複数のセンサ221をカテーテル202に結合することができる。別の例では、カテーテル202の外面にエッチングすることができ、または溝を形成することができ、1つまたは複数のセンサ221が付随することができる適当な導電トレースを形成する材料(たとえば、導電ポリマー)で充填することができる。次いで、トレースおよび/またはセンサ221の上に外層を少なくとも部分的に適用して、カテーテル202の壁の中に構成要素を埋め込むことができる。
【0052】
[0064]以下では、本明細書に記載する他のセンサ取付け方法に対する追加または代替として使用することができる、1つまたは複数のセンサ221を取り付ける別の方法について説明する。
【0053】
[0065]図5A図5Eは、基板224の追加の例示的な構成を示す。図5Aは、図3に示したものと類似して、カテーテル202を螺旋形に包むことを可能にする構造を有する基板224の一例を提供する。図5Bは、構造内に切断部または分割部を有する基板224の一例を示す。図5Bの基板224はまた、縁部が切断部/分割部に接触または重複するまで、カテーテル202の周りに位置決めすることができる。別法として、図5Bの基板224は、2つの半体がカテーテル202の上に配置され、次いで上にある外側部材によってつなぎ合わされかつ/または定位置に保持された、「クラムシェル」構造を形成することができる。示されている切断部/分割部は長手方向であるが、他の実施形態では、横方向、湾曲形、螺旋形などを含む他の形状の他の切断部/分割部を含むこともできる。いくつかの実施形態では、切断部/分割部により、つなぎ合わされると互いに係合するように構成された整合する連結および/または1組の縁部が可能になる。
【0054】
[0066]図5Cは、カテーテル202の上に配置するためにチューブを操作することを可能にする切断パターン538を有する、チューブ構造を有する基板224の一例を示す。図5Cは、螺旋形の切断パターンを示す。他の実施形態は、追加または別法として、カテーテル202の上に配置することを可能にするようにチューブを操作することを可能にする他の切断パターン(たとえば、一連の長手方向および/または横方向の切断部)を含むことができる。しかし、切断パターン538は、好ましい屈曲平面のチューブ内での形成を回避するために、チューブの周りに円周方向に分散させられることが好ましい。
【0055】
[0067]図5Dおよび図5Eは、カテーテル202上への配置中に基板224をどのように操作することができるかの一例を提供する。図5Dは、基板224のチューブ構造をそのデフォルト状態で示す。図5Eに示すように、チューブの端部を適当にねじることによって、チューブは長手方向に短くなりかつ径方向に拡大する。径方向に拡大した位置で、チューブはカテーテル202の上に嵌ることができ、所望の箇所に位置決めすることができる。ねじれ力を除去すると、次いでチューブは図5Dのデフォルト位置へ戻り、それによってカテーテル202の周りに締まる。いくつかの実施形態では、チューブは、カテーテル202の周りに摩擦嵌めを形成するのに十分に締め付けることができる。上述したように、外側部材の接着接合および/または配置は、追加または別法として、基板224を定位置に保持するように機能することができる。
【0056】
[0068]図6A図6Dは、センサ基板224をカテーテル202に適用するための一連のステップを示す。この例では、基板224は、カテーテル202の周りに螺旋形に巻き付けられるように構成されたストリップの形態を有する(図5Aに示す実施形態と同様)。図6Aは、平坦位置に配置された基板224を示す。基板224は、ベース材料636(たとえば、好適な医療グレードポリマー)および導電トレース634を含む。導電トレース634は、たとえば、ベース材料636に埋め込まれた、または他の方法でベース材料636に取り付けられた、標準的な導電性の銅トレースおよび/または他の導電性材料を含むことができる。
【0057】
[0069]いくつかの実施形態では、導電トレース634を形成するために、導電ポリマーを利用することができる。たとえば、導電ポリマーを所望の箇所に受け取るように、ベース材料636を切断、溝の形成、または他の方法で準備することができ、次いで導電ポリマーを適用し、導電トレース634を形成するように硬化させることを(必要に応じて)可能にすることができる。類似のプロセスは、基板224を必要とすることなく、カテーテル202自体の外面にも適用することができる。
【0058】
[0070]導電トレース634は、センサ(たとえば、示されている圧力センサ220であるが、追加または別法として本明細書に記載する他のセンサタイプを使用することもできる)のための導電コンタクトを提供しており、したがってセンサ220は、基板224がカテーテル202に適用された後、下にあるカテーテル202の他の構成要素と導電通信するように配置することができる。導電トレース634は、示されているように、1つまたは複数の継続的および連続的な線として形成することができる。別法として、センサの対応する配置のために、導電性材料の1つまたは複数の個別区分の各々が何らかの形で下にある構造と導電通信するように配置される限り、それらの個別区分を基板224内に含むことができる。
【0059】
[0071]図6Bに示すように、センサ220は、平坦な基板224の長手方向軸から回転方向にオフセットされるように位置決めされる。これにより、図6Cに示すように、基板224がカテーテル202に螺旋形に巻き付けられたとき、センサをカテーテル202の長手方向軸と位置合わせすることが可能になる。このタイプのオフセットは、特定のセンサタイプ(たとえば、径方向に対称のセンサ)にとって必要ないことがあるが、カテーテル202に対するセンサの向きが重要な場合に利用することができる。オフセット角は、たとえば長手方向軸から約10から35度とすることができるが、カテーテル202に適用されるときの基板224の巻付け角度、センサ220の所望の最終的な向きなどの要因に応じて、他のオフセット角を利用することもできる。
【0060】
[0072]基板224上のセンサ220の間隔および/または基板224をカテーテル202に適用するときの巻付け角度はまた、その結果得られる下にあるカテーテル202に対するセンサ220の位置および間隔を調整するように修正することができる。たとえば、示されている実施形態は、連続する各センサ220が隣接するセンサから約120度だけ円周方向にオフセットされることを示す。設計の好みおよび/または特定の応用例の必要に従って、他の円周オフセット角を利用することもできる。好ましい実施形態は、デバイスの円周にセンサ220をより良好に隔置し、したがって全体的なセンサ読取りにおける変数としての円周位置をより良好に除くために、何らかの形態の円周オフセットを含む。
【0061】
[0073]図6Dは、基板224の上への外側部材226の適用を示す。外側部材226は、収縮チューブ、浸漬コーティング、および/または当技術分野で知られているポリマーコーティングをカテーテルに適用する他の手段を使用して適用することができる。例示の目的で、センサ220は、外側部材226の外面のやや上に示されている。ほとんどの実施形態では、センサ220は、外側部材226の外面と実質的に同一平面である。
撮像機能
[0074]カテーテルシステム200は、撮像を提供するための1つまたは複数のセンサを含むことができる。図7は、超音波センサ222の一例を示す。本明細書に記載する他のセンサと同様に、超音波センサ222は、基板224上に配置することができ、次いで基板224がカテーテル202上に位置決めされ、または超音波センサ222は、たとえばカテーテル202に直接埋め込むことができる。示されている超音波センサ222は、1つまたは複数(好ましくは複数)の微細機械加工された容量性超音波トランスデューサ(CMUT)742と、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)チップ740の形態の対応する支持電子機器とを含む。示されている実施形態では、各CMUT742に独自のCMOSチップ740が、対の1:1の関係で付随する。各CMUT742およびCMOSチップ740の対は、カテーテル202を通ってデータ信号を送信するように独立して機能し、別個のCMUT742からの複数の信号を多重化するためにCMOSチップ740のいずれも必要としない。
【0062】
[0075]カテーテルシステム200の超音波センサ222は、任意の適当な1組の周波数で動作するように構成することができる。いくつかの実施形態では、超音波センサ222は、約10から約80MHz、約15から約60MHz、約20から約50MHz、または上記の値のうちのいずれか2つを終点として使用する他の範囲の中心周波数で動作可能である。
【0063】
[0076]カテーテルシステム200のいくつかの実施形態は、追加または別法として、他の撮像センサを含むことができる。たとえば、カテーテルシステム200は、画素アレイ、画像、ビデオ、または他のタイプの撮像データを含む様々なタイプの撮像データをキャプチャするように構成されたカメラデバイスを含むことができる。カテーテルシステム200は、光ファイバカメラ、LIDARシステム、ラマン散乱システム、光コヒーレンス断層撮影法(OCT)、mm波カメラ、赤外撮像システム、当技術分野で知られている他の撮像デバイス/システム、またはこれらの組合せを含む、システムの遠位部分での位置決めまたはシステムの遠位部分との一体化に好適な、当技術分野で知られている任意の撮像デバイスを含むことができる。そのような撮像デバイスによって集められた画像データは、当技術分野で知られている1つまたは複数の画像強調アルゴリズムを使用して修正することができる。
電力およびデータ結合デバイス
[0077]上述したように(図4および関連の説明を参照)、カテーテルシステム200は、下にあるガイドワイア101を使用して、カテーテル202に沿って電力および/またはデータを伝送し、したがって相当な長さのカテーテル202にわたって延びる電力および/またはデータ線201の必要を最小化またはなくすようにともに機能する近位結合デバイス204および遠位結合デバイス205を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、単一の電力およびデータ結合デバイスを利用することができ、いくつかの実施形態では、1対の電力およびデータ結合デバイスを利用することができる。いくつかの実施形態は、3つ以上の電力およびデータ結合デバイスを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、複数のガイドワイアおよび/またはカテーテル部材を利用することができ(たとえば、血管分岐部に位置する冠状動脈病変を標的とする処置)、複数のそのような部材は、1つまたは複数の電力およびデータ結合デバイスを含むことができる。
【0064】
[0078]図8Aは、例示的な近位電力およびデータ結合デバイス204の詳細図を提供する。近位結合デバイス204は、ここでは止血バルブとして示されているが、本明細書に記載する近位結合デバイス204の構成要素および関連する機能は、必ずしもバルブ機能を提供する必要のない他の構造(たとえば、拡張器、ポート、挿入針、シリンジ)によって提供することもできる。しかし、止血バルブはガイドワイアの応用例で広く普及しているため、近位結合デバイス204の構成要素を止血バルブに一体化することは有益な実装例である。
【0065】
[0079]示されている近位結合デバイス204は、電池846の形態の電源(図2の電源214に対応)と送信器218とを収容する本体844を含む。近位結合デバイス204は、追加または別法として、有線電力接続847を含むことができるが、好ましい実施形態では、追加の配線の使用が最小にされる。近位結合デバイス204はまた、近位結合デバイス204を通って挿入されて平行移動させられるときにガイドワイア101が通過するように位置決めされた第1の近位導電面850(この例では導電チューブの形態)を含む。したがって、図8Aは、近位結合デバイス204を通ってガイドワイア101の上にカテーテル202を通すことができるオーバ・ザ・ワイア・カテーテルの応用例を示す。そのようなオーバ・ザ・ワイア結合では、カテーテル202は、ガイドワイア101を少なくとも電力およびデータ結合デバイス204からカテーテル202の遠位部分まで囲む。そのような実施形態では、カテーテル202は、近位結合デバイス204とガイドワイア101との間の容量結合への干渉を最小限に抑えるかまたは回避するように構成される。これはたとえば、導電面内の孔または他の開口(たとえば、信号を搬送することを意味した周波数に整合し、それによって間隙を介した結合を可能にするようにサイズ設定される)を含めて、カテーテル202の表面がガイドワイア101を完全に取り囲まないことを確実にすることによって実現することができる。
【0066】
[0080]他方では、図8Bは、「急速交換」カテーテルの応用例の近位結合デバイス204を示す。この応用例では、カテーテル202のうち近位結合デバイス204を通過する部分が、ガイドワイア101の上に位置するのではなく、ガイドワイア101に隣接することができる。急速交換結合は、ガイドワイア101を囲むカテーテル202の遠位部分と、カテーテル202の近位部分に隣接して延びるガイドワイア101の近位部分とを含む。オーバ・ザ・ワイアまたは急速交換のいずれの構成でも、電力およびデータ結合デバイス204は、ガイドワイア101内の導電面および/またはカテーテル202内の導電面に結合するように構成される。
【0067】
[0081]示されている近位結合デバイス204は、カテーテル202またはガイドワイア101との直接接触を必要とすることなく、カテーテル202への電力および/またはデータの伝達の接続および切断を可能にする容量結合器として機能するように構成される(図8Bに示す特定の例のガイドワイア101による。他の実施形態では、電力および/またはデータを伝達するのに必ずしもガイドワイア101を必要とせず、たとえば電力および/またはデータを伝達するために1つまたは複数の電力および/またはデータ線201を使用することができる)。特に、第1の近位導電面850は、第2の導電面(すなわち、ガイドワイア101の一部分)に結合するように構成された第1の導電面として機能する。動作の際、第1の近位導電面850は、時間変化する電界を放射してガイドワイア101へ電力を運び、ガイドワイア101および/またはカテーテル202からデータ信号を受信するように構成されたピックアップを含む(またはそのようなピックアップに接続される)。ガイドワイア101の外面と第1の近位導電面850の内側部分との間の空間が、典型的に比較的大きい導電率を有する血液で充填されるため、特に高い電圧を必要とすることなく(たとえば、5から12ボルトで典型的に十分である)、容量結合を確立することができる。第1の近位導電面850は、結合デバイス204から1つまたは複数の外部デバイス110(図2参照)へデータ信号を伝送することができるように、送信器218に通信可能に接続される。
【0068】
[0082]示されている実施形態は、チューブの形態の第1の近位導電面850を含むが、他の実施形態は、ガイドワイア101との十分な電気接触を形成することが可能な1つまたは複数の板、他の同心円状もしくは部分的に同心円状の形状、または他の形状の形態の第1の導電面を含むことができる。近位結合デバイス204は、信号の増幅のための増幅器など、1つまたは複数の追加の支持電子構成要素を含むことができる。
【0069】
[0083]図8Cは、カテーテル202の遠位区分(遠位端208付近)に位置する遠位結合デバイス205の一実施形態を示す。遠位結合デバイス205は、図8Aに示す近位結合デバイス204に類似した構成要素および特徴を含むことができる。遠位結合デバイス205は、ガイドワイア101が通過する第1の遠位導電面851(ここではチューブの形態で示す)を含み、任意選択で、第1の遠位導電面851が電気接続される電源(ここでは電池849の形態で示す)を含むことができる。第1の遠位導電面851は、別法として、カテーテル202の遠位区分での使用に適当な板、湾曲面、または他の形状とすることができる。1つまたは複数のセンサ221は、第1の遠位導電面851に電気接続される(たとえば、1つまたは複数の接続線による)。
【0070】
[0084]遠位結合デバイス205の第1の遠位導電面851は、近位結合デバイス204に類似しているが、通常は反対方向に進む信号を有し、ガイドワイア101から伝送される電力信号をピックアップするように動作し、次いでそれらを1つまたは複数のセンサ221へ伝送する。第1の遠位導電面851はまた、1つまたは複数のセンサ221からのデータ信号を受信し、時間変化する電界を放射して対応するデータ信号をガイドワイア101へ運ぶように構成される。
【0071】
[0085]示されている遠位結合デバイスは、第1の遠位導電面851の形態の第1の導電面を含むが、他の実施形態は、カテーテル202の遠位区分でガイドワイア101との十分な電気接触を形成することが可能な1つまたは複数の板、他の同心円状もしくは部分的に同心円状の形状、または他の形状の形態の第1の導電面を含むことができる。遠位結合デバイス205は、信号の増幅のための増幅器など、1つまたは複数の追加の支持電子構成要素を含むことができる。
【0072】
[0086]カテーテル202は、近位結合デバイス204を通ってガイドワイア101の上を通されるとき、第1の近位導電面850とガイドワイア101との間の電気結合を大きく妨害しない。カテーテル202はガイドワイア101の外面と第1の近位導電面850の内面との間を通るが、容量接触は、電力およびデータ信号の継続伝送を可能にするレベルで維持される(たとえば、カテーテルの適当な設計および/または容量面の幾何形状による)。対照的に、電力および/またはデータを通すためにワイアに対する何らかのタイプの有線接続を必要とするシステムは、カテーテルがガイドワイアの上を経路指定されるとき、一時的に切断されなければならない。ガイドワイアの接続および切断に付随する複雑さに加えて、これはワイアを通過する視覚化および/または他のデータ信号が停止される瞬間が存在することを意味する。一方、示されているシステム200は、追加の切断/再接続ステップを必要としない。
【0073】
[0087]結合デバイス204、205は、電力およびデータ信号を同時に伝送するように構成することができる。いくつかの実装例では、たとえば、近位結合デバイス204は、ガイドワイア101へ複数の異なる電力信号(たとえば、異なるセンサまたは異なる組のセンサに電力供給するように構成された各電力信号)を提供し、かつ/またはガイドワイア101から複数の異なるデータ信号(たとえば、異なるセンサまたは異なる組のセンサからの各データ信号)を受信することができる。同様に、遠位結合デバイス205は、ガイドワイア101へ複数の異なるデータ信号(たとえば、異なるセンサまたは異なる組のセンサからの各データ信号)を提供し、かつ/またはガイドワイア101から複数の異なる電力信号(たとえば、異なるセンサまたは異なる組のセンサに電力供給するように構成された各電力信号)を受信することができる。
追加のコンピュータシステムの詳細
[0088]本明細書に記載する特定の方法は、1つまたは複数のプロセッサおよびコンピュータ可読媒体、たとえばコンピュータメモリを含むコンピュータシステムによって実施することができる。特に、コンピュータメモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶することができ、コンピュータ実行可能命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、実施形態に記載の動作など、様々な機能を実行させる。
【0074】
[0089]コンピューティングシステムの機能は、ネットワーク接続を介して他のコンピューティングシステムに相互接続されるコンピューティングシステムの能力によって強化することができる。ネットワーク接続は、それだけに限定されるものではないが、有線もしくはワイアレスイーサネットを介した接続、セルラー接続、またはさらには直列、並列、USB、もしくは他の接続によるコンピュータとコンピュータの接続を含むことができる。これらの接続により、コンピューティングシステムが他のコンピューティングシステムのサービスにアクセスし、他のコンピューティングシステムからアプリケーションデータを迅速かつ効率的に受信することが可能になる。
【0075】
[0090]コンピューティングシステムの相互接続は、いわゆる「クラウド」コンピューティングシステムなど、分散コンピューティングシステムを容易にした。本説明では、「クラウドコンピューティング」は、低減された管理労力またはサービス提供者の相互作用で供給および公開することができる構成可能なコンピューティング資源(たとえば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービスなど)の共有プールへのユビキタスで好都合なオンデマンドネットワークアクセスを可能にするシステムまたは資源とすることができる。クラウドモデルは、様々な特性(たとえば、オンデマンドセルフサービス、幅広いネットワークアクセス、リソースプール、迅速な拡張性、測定可能なサービスなど)、サービスモデル(たとえば、Software as a Service(「SaaS」)、Platform as a Service(「PaaS」)、Infrastructure as a Service(「IaaS」)、および実装モデル(たとえば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドなど)から構成することができる。
【0076】
[0091]クラウドおよびリモートに基づくサービスアプリケーションも普及している。そのようなアプリケーションは、クラウドなど、パブリックおよびプライベートの遠隔システムでホストされており、通常はクライアントと双方向に通信するために1組のウェブベースのサービスを提供する。
【0077】
[0092]多くのコンピュータは、コンピュータとの直接ユーザ対話によって使用されることが意図される。したがって、コンピュータは、ユーザ対話を容易にするために、入力ハードウェアおよびソフトウェアユーザインターフェースを有する。たとえば、現代の汎用コンピュータは、ユーザがコンピュータにデータを入力することを可能にするためのキーボード、マウス、タッチパッド、カメラなどを含むことができる。その上、様々なソフトウェアユーザインターフェースも利用可能である。
【0078】
[0093]ソフトウェアユーザインターフェースの例には、グラフィカルユーザインターフェース、テキストコマンドラインに基づくユーザインターフェース、ファンクションキーまたはホットキーユーザインターフェースなどが含まれる。
【0079】
[0094]開示する実施形態は、以下でより詳細に論じるように、コンピュータハードウェアを含む専用または汎用コンピュータを備えまたは利用することができる。開示する実施形態はまた、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を搬送または記憶するための物理コンピュータ可読媒体および他のコンピュータ可読媒体を含む。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用または専用コンピュータシステムによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。コンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読媒体は、物理記憶媒体である。コンピュータ実行可能命令を搬送するコンピュータ可読媒体は、伝送媒体である。したがって、限定ではないが例として、本発明の実施形態は、明白に異なる少なくとも2種類のコンピュータ可読媒体、すなわち物理コンピュータ可読記憶媒体および伝送コンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0080】
[0095]物理コンピュータ可読記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、もしくは他の光ディスクストレージ(CD、DVDなど)、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、またはコンピュータ実行可能命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を記憶するために使用することができ、汎用もしくは専用コンピュータによってアクセスすることができる、任意の他の媒体が含まれる。
【0081】
[0096]「ネットワーク」は、コンピュータシステムおよび/またはモジュールおよび/または他の電子デバイス間の電子データの輸送を可能にする1つまたは複数のデータリンクとして定義される。ネットワークまたは別の通信接続(ハードワイアード、ワイアレス、またはハードワイアードもしくはワイアレスの組合せ)を介してコンピュータへ情報が伝達または提供されるとき、コンピュータは、その接続を伝送媒体として適切に認識する。伝送媒体は、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態のプログラムコードを搬送するために使用することができ、汎用または専用コンピュータによってアクセスすることができる、ネットワークおよび/またはデータリンクを含むことができる。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲に包含される。
【0082】
[0097]さらに、様々なコンピュータシステム構成要素に到達したとき、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態のプログラムコード手段は、伝送コンピュータ可読媒体から物理コンピュータ可読記憶媒体へ自動的に伝達することができる(または逆も同様である)。たとえば、ネットワークまたはデータリンクを介して受信されるコンピュータ実行可能命令またはデータ構造は、ネットワークインターフェースモジュール(たとえば、「NIC」)内のRAMにバッファリングすることができ、次いで最終的には、コンピュータシステムのRAMおよび/またはコンピュータシステムの低揮発性のコンピュータ可読物理記憶媒体へ伝達することができる。したがって、伝送媒体も利用する(またはさらには主に利用する)コンピュータシステム構成要素内に、コンピュータ可読物理記憶媒体を含むことができる。
【0083】
[0098]コンピュータ実行可能命令は、たとえば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または専用処理デバイスに、特定の機能または機能群を実行させる命令およびデータを含む。コンピュータ実行可能命令は、たとえば、バイナリ、アセンブリ言語など、中間形式命令、またはさらにはソースコードとすることができる。主題について構造的特徴および/または方法論的動作に特有の言語で説明したが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、必ずしも上述した記載の特徴または動作に限定されるものではないことを理解されたい。逆に、記載の特徴および動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【0084】
[0099]本発明は、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メッセージプロセッサ、手持ち式のデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラムマブル家電製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、移動電話、PDA、ページャ、ルータ、スイッチなどを含む、多くのタイプのコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実施することができることが、当業者には理解されよう。本発明はまた、ネットワークを介して(ハードワイアードデータリンク、ワイアレスデータリンク、またはハードワイアードおよびワイアレスデータリンクの組合せによって)リンクされたローカルおよびリモートのコンピュータシステムがどちらもタスクを実行する分散システム環境で実施することができる。分散システム環境では、プログラムモジュールが、ローカルおよびリモート両方のメモリ記憶デバイスに位置することができる。
【0085】
[0100]別法または追加として、本明細書に記載した機能は、少なくとも部分的に1つまたは複数のハードウェア論理構成要素によって実行することができる。たとえば、限定されるものではないが、使用することができるハードウェア論理構成要素のタイプの例には、Field-programmable Gate Array(FPGA)、Program-specific Integrated Circuit(ASIC)、Program-specific Standard Product(ASSP)、System-on-a-chip system(SOC)、Complex Programmable Logic Device(CPLD)などが含まれる。
追加の例示的な態様
[0101]本開示の実施形態は、必ずしもそれだけに限定されるものではないが、以下の条項に記載の特徴を含むことができる。
【0086】
[0102]条項1:体内に挿入するための細長いチューブ構造であって、近位端、遠位端、ならびに近位端および遠位端を通って延びる内腔を有するチューブ構造と、チューブ構造の遠位区分に結合された1つまたは複数のセンサタイプの1つまたは複数のセンサと、チューブ構造に付随する1つまたは複数のワイアであって、1つまたは複数のセンサに電気接続可能な1つまたは複数のワイアと、チューブ構造に動作可能に付随するように構成された第1の電力およびデータ結合デバイスであって、1つまたは複数のワイアに導電結合し、1つまたは複数のワイアを通って電気信号を送信および受信するように構成された第1の電力およびデータ結合デバイスとを備える医療デバイス。
【0087】
[0103]条項2:細長いチューブ構造がオーバ・ザ・ワイア・カテーテルとして構成されている、条項1に記載の医療デバイス。
[0104]条項3:細長いチューブ構造が急速交換カテーテルとして構成されている、条項1または2に記載の医療デバイス。
【0088】
[0105]条項4:1つまたは複数のワイアが、1つまたは複数の電力および/またはデータ線を含み、1つまたは複数の電力および/またはデータ線は、内腔内に配置され、またはチューブ構造の壁を横切ってもしくはチューブ構造の壁の中を第1の電力およびデータ結合デバイスと1つもしくは複数のセンサとの間に延びる、条項1~3のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0089】
[0106]条項5:1つまたは複数のワイアが、チューブ構造の内腔の少なくとも一部分内に位置決め可能なガイドワイアを含む、条項1~4のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0090】
[0107]条項6:第1の電力およびデータ結合デバイスが、チューブ構造の近位区分に配置された近位電力およびデータ結合デバイスである、条項5に記載の医療デバイス。
[0108]条項7:チューブ構造の遠位区分に配置された第2の遠位電力およびデータ結合デバイスをさらに備える、条項6に記載の医療デバイス。
【0091】
[0109]条項8:近位電力およびデータ結合デバイスならびに遠位電力およびデータ結合デバイスは、ガイドワイアがチューブ構造の内腔を通って挿入されるとき、ガイドワイアに導電接触し、それによってガイドワイアを介してチューブ構造の近位区分とチューブ構造の遠位区分との間の電気信号の通過を可能にするように構成されている、条項7に記載の医療デバイス。
【0092】
[0110]条項9:近位電力およびデータ結合デバイス、遠位電力およびデータ結合デバイス、またはその両方が、ガイドワイアとの直接接触によってガイドワイアに導電結合するように構成されている、条項8に記載の医療デバイス。
【0093】
[0111]条項10:近位電力およびデータ結合デバイス、遠位電力およびデータ結合デバイス、またはその両方が、容量結合によってガイドワイアに導電結合するように構成されている、条項8に記載の医療デバイス。
【0094】
[0112]条項11:1つまたは複数のセンサが、チューブ構造の遠位区分で遠位電力およびデータ結合デバイスに電気接続されている、条項10に記載の医療デバイス。
[0113]条項12:デバイスが、単一のワイアを通って電気信号を送信および受信するように構成されている、条項1~11のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0095】
[0114]条項13:チューブ構造が、末梢挿入式中心カテーテル、中心静脈カテーテル、または静脈内カテーテルとして構成されている、条項1~12のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0096】
[0115]条項14:第1の電力およびデータ結合デバイスが、1つまたは複数のワイアとの直接接触によって1つまたは複数のワイアに導電結合するように構成されている、条項1~13のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0097】
[0116]条項15:第1の電力およびデータ結合デバイスが、1つまたは複数のワイアとの容量結合によって1つまたは複数のワイアに導電結合するように構成されている、条項1~14のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0098】
[0117]条項16:1つまたは複数のセンサタイプが、2つ以上の異なるセンサタイプを含む、条項1~15のいずれか一項に記載の医療デバイス。
[0118]条項17:複数のセンサが、1つまたは複数の生理学的パラメータの同時測定を提供するように構成されている、条項1~16のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0099】
[0119]条項18:1つまたは複数のセンサの活動時のサンプリング速度が5秒以下である、条項1~17のいずれか一項に記載の医療デバイス。
[0120]条項19:1つまたは複数のセンサが、1つまたは複数の圧力センサを含む、条項1~18のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0100】
[0121]条項20:1つまたは複数の圧力センサが、抵抗、容量、光、音響、光音響、またはこれらの組合せを含む、条項19に記載の医療デバイス。
[0122]条項21:デバイスが、チューブ構造の遠位区分の長さに沿って長手方向に隔置された複数の圧力センサを備える、条項19または20に記載の医療デバイス。
【0101】
[0123]条項22:1つまたは複数のセンサが、1つまたは複数の超音波センサ、カメラ、電荷結合デバイス、または他の撮像検出器を含む、条項1~21のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0102】
[0124]条項23:電気信号が、1つまたは複数のセンサに電力供給するために1つまたは複数のワイアを通って1つまたは複数のセンサへ送達される電力信号を含む、条項1~22のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0103】
[0125]条項24:電気信号が、1つまたは複数のセンサの動作の結果として1つまたは複数のセンサによって1つまたは複数のワイアを通って送信されるデータ信号を含む、条項1~23のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0104】
[0126]条項25:1つまたは複数のセンサが、少なくとも部分的にチューブ構造の壁に埋め込まれている、条項1~24のいずれか一項に記載の医療デバイス。
[0127]条項26:1つまたは複数のセンサが基板に結合され、基板がチューブ構造の遠位区分に結合されている、条項1~25のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0105】
[0128]条項27:1つまたは複数のセンサおよび1つまたは複数のセンサに対応する支持電子機器が、チューブ構造の遠位区分に配置されている、条項1~26のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【0106】
[0129]条項28:チューブ構造がハイポチューブである、条項1~27のいずれか一項に記載の医療デバイス。
[0130]条項29:近位端、遠位端、ならびに近位端および遠位端を通って延びる内腔を有するカテーテルと、カテーテルの遠位区分に結合された1つまたは複数のセンサタイプの1つまたは複数のセンサと、カテーテルに動作可能に付随するように構成された第1の電力およびデータ結合デバイスと、カテーテルの壁を横切ってまたはカテーテルの壁の中を第1の電力およびデータ結合デバイスと1つまたは複数のセンサとの間に延びる1つまたは複数の電力および/またはデータ線とを備え、電力およびデータ結合デバイスが、1つまたは複数の電力および/またはデータ線に容量結合し、それによって電気信号を送信および受信するように構成されている、カテーテルシステム。
【0107】
[0131]条項30:近位端、遠位端、ならびに近位端および遠位端を通って延びる内腔を有するカテーテルであって、内腔がガイドワイアを受け取るように構成されている、カテーテルと、カテーテルの遠位区分に結合された1つまたは複数のセンサタイプの1つまたは複数のセンサと、カテーテルの近位区分に動作可能に付随するように構成された近位電力およびデータ結合デバイスと、カテーテルの遠位区分に結合された遠位電力およびデータ結合デバイスとを備え、近位電力およびデータ結合デバイスならびに遠位電力およびデータ結合デバイスが、ガイドワイアがカテーテルの内腔を通って挿入されるとき、ガイドワイアに導電接触し、それによってガイドワイアを介してカテーテルの近位区分とカテーテルの遠位区分との間の電気信号の通過を可能にするように構成されている、カテーテルシステム。
結論
[0132]本開示の特定の実施形態について、特有の構成、パラメータ、構成要素、要素などを参照して詳細に説明したが、これらの説明は例示であり、特許請求される発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0108】
[0133]さらに、別途暗示または明示されない限り、記載する実施形態の構成要素の任意の所与の要素に対して、その要素または構成要素に関して挙げる可能な代替のいずれかを、概して個々に使用しても、互いに組み合わせて使用してもよいことを理解されたい。
【0109】
[0134]その上、別途指示されない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される数量、構成、距離、または他の尺度を表す数は、任意選択で「約」という用語またはその類義語によって修飾されると理解されたい。「約(about)」、「約(approximately)」、「実質的に」などの用語が、記載の量、値、または条件とともに使用されるとき、これは、記載の量、値、または条件から20%未満、10%未満、5%未満、または1%未満だけ逸脱する量、値、または条件を意味すると解釈することができる。少なくとも、特許請求の範囲の範囲に対する均等論の適用を限定しようとすることなく、各数値パラメータは、報告される有効桁の数に照らして、通常の丸め技法を適用することによって解釈されたい。
【0110】
[0135]本明細書に使用されるあらゆる見出しおよび小見出しは、編成のみを目的とし、本説明または特許請求の範囲の範囲を限定するために使用されることを意味したものではない。
【0111】
[0136]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形の「a(1つの)」、「an(1つの)」、および「the(その)」は、文脈上別途明白に指示しない限り、複数の対象物を除外しないことにも留意されたい。したがって、たとえば単数の対象物(たとえば、「ウィジェット」)を参照する実施形態は、2つ以上のそのような対象物も含むことができる。
【0112】
[0137]本明細書に記載した実施形態は、本明細書に記載した他の実施形態に記載する特性、特徴(たとえば、成分、構成要素、部材、要素、部品、および/または部分)を含むことができることも理解されよう。それに応じて、所与の実施形態の様々な特徴を、本開示の他の実施形態と組み合わせることができ、かつ/または本開示の他の実施形態に組み込むことができる。したがって、本開示の特有の実施形態に関する特定の特徴の開示は、前記特徴の適用または包含を特有の実施形態に限定すると解釈されるべきではない。逆に、他の実施形態もまた、そのような特徴を含むことができることが理解されよう。
【0113】
[0138]本発明は、その精神または特性から逸脱することなく、他の特有の形態でも実施することができる。記載する実施形態は、あらゆる点で、制限ではなく例示としてのみ考慮されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲に記載される。特許請求の範囲に均等の意味および範囲内のあらゆる変更は、特許請求の範囲内に包含されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
【国際調査報告】