(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】パッケージ中の製品を保存するための活性化合物アタッチメント、並びにその製造方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A23L 3/00 20060101AFI20230426BHJP
A23B 4/00 20060101ALI20230426BHJP
A23B 7/00 20060101ALI20230426BHJP
B65D 81/26 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
A23L3/00 101A
A23B4/00 A
A23B7/00 101
B65D81/26 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556682
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 US2021070315
(87)【国際公開番号】W WO2021217162
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501014005
【氏名又は名称】シーエスピー テクノロジーズ,インコーポレイティド
【住所又は居所原語表記】960 West Veterans Boulevard, Auburn, Alabama 36832 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エイ・ジョンストン
(72)【発明者】
【氏名】アンジェラ・モーガン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ポール・ガトロー
【テーマコード(参考)】
3E067
4B021
4B169
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067BB14A
3E067CA03
3E067GB03
4B021LA12
4B021LW02
4B021LW04
4B169AB05
4B169HA01
4B169HA11
4B169KA01
4B169KB07
(57)【要約】
パッケージに保管された製品/物品内及び/又はその上の微生物の増殖を減速、阻害、かつ/又は防止するため、あるいは微生物を死滅させるための方法が本明細書に説明される。方法は、パッケージの穿孔部分の上にフィルムカバーを適用することと、穿孔部分の外周でフィルムカバーをパッケージに接着剤で、又は熱かしめによって固定することと、を含み得る。フィルムカバーは、パッケージ内の雰囲気を変化させるための材料を含み得る。パッケージは、既存の予め穿孔されたパッケージであってもよく、又は穿孔を必要とするパッケージであってもよい。パッケージが穿孔を必要とする場合、方法は、穿孔部分の上にフィルムカバーを位置決めする前に、パッケージの少なくとも一部分を穿孔することを更に含み得る。フィルムカバーは、三相材料又は他の材料から形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
内部と、外部と、前記内部と外部との間に複数の穿孔を有する穿孔部分である少なくとも一部分と、を有するパッケージを提供することであって、前記穿孔部分は、外周を有する、提供することと、
フィルムカバーを前記パッケージの前記穿孔部分の上に位置決めすることであって、前記フィルムカバーは、周辺表面を有する、位置決めすることと、
前記フィルムカバーの前記周辺表面を前記パッケージの前記穿孔部分の前記外周に固定することと、を含む、方法。
【請求項2】
方法であって、
内部と、外部と、前記パッケージの前記内部と前記外部との間にガス及び水分が流れることを可能にするように構成された穿孔部分と、を有するパッケージを提供することと、
前記パッケージの前記穿孔部分の上に、前記パッケージ内の雰囲気を変化させるように構成された材料で作られたフィルムカバーを取り付けることと、を含む、方法。
【請求項3】
前記フィルムカバーは、前記パッケージの前記外部の前記穿孔部分に取り付けられている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルムカバーは、上側及び下側を有し、前記フィルムカバーの前記周辺表面を前記穿孔部分の前記外周に固定することは、前記周辺表面の前記下側に接着剤を塗布することと、前記周辺表面の前記下側を前記パッケージの前記穿孔部分の前記外周に接触させることと、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記周辺表面の前記下側に接着剤を塗布することは、前記周辺表面の前記下側に接着剤バッキング材料を塗布することを含む、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記フィルムカバーは、上側及び下側を有し、前記フィルムカバーの前記周辺表面を前記穿孔部分の前記外周に固定することは、接着剤バッキング材料が前記周辺表面の前記上側及び前記パッケージ外部の前記一部に重なるように、前記接着剤バッキング材料を、前記周辺表面の前記上側及び前記穿孔部分の前記外周を取り囲む前記パッケージの前記外部の一部に塗布することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記フィルムカバーの前記周辺表面を前記穿孔部分の前記外周に固定することは、前記周辺表面と前記外周とを一緒に熱かしめすることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、連続プロセスとして行われる、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、バッチプロセスとして行われる、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記フィルムカバーは、前記パッケージ内の前記雰囲気を変化させるように構成された材料で作られている、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記フィルムカバーは、活性剤を組み込んだ材料で作られている、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記活性剤は、抗微生物放出剤及び乾燥剤のうちの一方又は両方である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記フィルムカバーは、三相材料で作られている、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記フィルムカバーは、前記パッケージの前記内部の前記穿孔部分に取り付けられている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
前記フィルムカバーは、透過性である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記パッケージを提供する前に、パッケージの少なくとも一部分を穿孔することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
方法であって、
内部及び外部を有するパッケージを提供することと、
前記パッケージの少なくとも一部分を穿孔して、前記パッケージの前記内部と前記外部との間の気体流を可能にする前記パッケージの穿孔部分を提供することと、
前記パッケージの前記穿孔部分の上に、活性剤を組み込んだ三相材料で作られたフィルムカバーを取り付けることと、を含む、方法。
【請求項18】
前記フィルムカバーは、前記パッケージの前記外部の前記穿孔部分に取り付けられている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記フィルムカバーは、上側と、下側と、周辺表面と、を有し、
前記穿孔部分は、外周を有し、
前記フィルムカバーを前記穿孔部分に取り付けることは、前記周辺表面の前記下側に接着剤を塗布することと、前記周辺表面の前記下側を前記パッケージの前記穿孔部分の前記外周に接触させることと、を更に含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記周辺表面の前記下側に接着剤を塗布することは、前記周辺表面の前記下側に接着剤バッキング材料を塗布することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記フィルムカバーは、上側と、下側と、周辺表面と、を有し、
前記穿孔部分は、外周を有し、
前記フィルムカバーを前記穿孔部分に取り付けることは、接着剤バッキング材料が前記周辺表面の前記上側及び前記パッケージ外部の前記一部に重なるように、前記接着剤バッキング材料を、前記周辺表面の前記上側及び前記穿孔部分の前記外周を取り囲む前記パッケージの前記外部の一部に塗布することを更に含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項22】
前記フィルムカバーを前記穿孔部分に取り付けることは、前記フィルムカバーの周辺表面を前記穿孔部分の外周に熱かしめして、前記フィルムカバーを前記穿孔部分の前記外周に密封することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、連続プロセスとして行われる、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、バッチプロセスとして行われる、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記三相材料の前記活性剤は、抗微生物放出剤である、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
パッケージであって、
外側表面及び内側表面と、
前記内側表面と前記外側表面との間に延在する複数の穿孔を有する穿孔部分である前記パッケージの少なくとも一部分であって、前記穿孔部分は、外周を有する、少なくとも一部分と、
前記パッケージ内の雰囲気を変化させるように構成された材料で作られたフィルムカバーであって、前記フィルムカバーは、周辺表面を有する、フィルムカバーと、を含み、
前記フィルムカバーの前記周辺表面は、前記パッケージの前記穿孔部分の前記外周に固定されている、パッケージ。
【請求項27】
前記材料は、抗微生物放出剤を組み込んだ三相材料である、請求項26に記載のパッケージ。
【請求項28】
前記材料は、乾燥剤を組み込んだ三相材料である、請求項26に記載のパッケージ。
【請求項29】
前記周辺表面の上面、及び前記穿孔部分の前記外周を取り囲む前記パッケージの前記外部の一部とオーバーラップシール接触するバッキング材料を更に含み、前記穿孔部分は、前記フィルムカバー周辺部分を前記穿孔部分の前記外周に固定するように構成されている、請求項26に記載のパッケージ。
【請求項30】
前記バッキング材料は、前記パッケージに熱かしめされている、請求項29に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月26日に出願された「ACTIVE COMPOUND ATTACHMENT FOR PRESERVING PRODUCT IN A PACKAGE, AND METHOD OF MAKING AND USING SAME」と題する米国仮特許出願第63/000,341号に対する優先権を主張するものであり、その内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
この開示され特許請求された概念は、パッケージに保管された製品/物品内及び/又はその上で微生物の増殖を減速、阻害、又は防止するため、あるいは微生物を死滅させるための方法に関し、より詳細には、抗微生物放出剤を同伴させたポリマーを使用して、微生物の増殖を減速、阻害、及び/若しくは防止するパッケージ、並びに/又は例えば食品容器内の微生物を減速、阻害、若しくは死滅させるパッケージを作製するための方法に関する。この開示され特許請求された概念はまた、微生物の増殖を減速、阻害、及び/若しくは防止し、かつ/又は微生物を死滅させるパッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの品物は、好ましくは、制御及び/又は規制する必要がある環境において保管され、出荷され、かつ/又は利用される。例えば、水分制御の分野では、内部に閉じ込められた過剰な水分を吸収する能力を有する容器及び/又はパッケージが望ましいと認識されている。同様に、汚染のリスクを有する製品、例えば食品を包装する場合には、微生物の成長及び増殖を制御することが望ましい。
【0004】
食品、特に肉、鶏肉、果物、及び野菜などのスライス又はカットされた生鮮食品は、通常、食品の目視検査を可能にする透明なプラスチックフィルムで覆われたトレイなどの支持容器に保管され、販売される。これらの食品は概して浸出液(すなわち汁)を生成し、これが微生物因子の増殖源となる可能性がある。加えて、食品が接触する加工装置又は他の表面上の汚染材料は、食品とともに残り、包装中に増殖する可能性がある。同様に、食品は包装プロセスの前であっても汚染される可能性がある。例えば、トマトの皮には開口部があり、そこから不要な微生物が侵入して増殖する可能性がある。食品取り扱いプロセス及び/又はコールドチェーン管理に障害(例えば、食品輸送中の冷蔵が数時間にわたり失敗)が生じると、汚染された食品上で微生物が増殖する可能性があり、食品媒介疾患の発生を引き起こす可能性がある。本明細書中で使用されるように、表現「複数(a number of)」及びその変形例は、1の量を含む任意の0でない量を広く指すものとする。食品中の微生物汚染の発生源又は性質にかかわらず、汚染された食品の貯蔵寿命及び安全性は、微生物の汚染及び増殖によって悪影響を受ける。
【0005】
食品産業が食品保存に取り組んできた1つの方法は、食品と直接接触する包装材料の成分として抗微生物剤を利用することである。しかしながら、かかる直接接触は、用途によっては望ましくない場合がある。
【0006】
特定の用途では、効果を発揮するために保管された食品との直接接触を必要とする固体又は液体成分と比較して、微生物の増殖を制御するために抗微生物ガスを食品パッケージ又は容器のヘッドスペースに放出する抗微生物剤を提供することが望ましい。しかし、ヘッドスペースに抗微生物ガスを供給することには課題がある。かかる課題の1つは、指定された期間中にヘッドスペース内で抗微生物ガスの所望の放出プロファイルを達成することである。与えられた製品に対して適切な放出プロファイルを達成することができないと、その製品に対して望ましい貯蔵寿命を達成することができない場合がある。したがって、限定されるものではないが、滅菌された使い捨て医療機器の包装のような他の用途と同様に、食品包装における微生物汚染を制御し、減少させ、かつ/又は実質的に破壊するために、抗微生物剤の送達を改善する必要性が存在する。この必要性を満たす際の課題は、病原体を効果的に制御及び/又は死滅させるためにパッケージヘッドスペースに十分な抗微生物ガスを提供する一方で、例えば官能的分解によって製品の品質に悪影響を及ぼし得るパッケージヘッドスペースを「過剰投与」しないように、適切なバランスを維持することである。
【0007】
ある特定の望ましい抗微生物効果を達成するように設計された高分子材料が開発されている。例えば、PCT/US2017/061389を参照されたい。この開示は、参照により本明細書に援用される。しかしながら、かかる材料を既存の包装とともに使用することには、依然として課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以下の概要は、開示される実施形態に特有の革新的な特徴の一部の理解を容易にするために提供されており、完全な説明を意図するものではない。実施形態の種々の態様の十分な理解は、明細書、特許請求の範囲、概要及び図面全体を取り上げることによって得ることができる。
【0009】
内部と、外部と、パッケージの少なくとも内部と外部との間に気体流を許容するための穿孔部分と、を有するパッケージを提供することと、パッケージ内の雰囲気を変化させるための材料で作られたフィルムカバーをパッケージの穿孔部分の上に取り付けることと、を含む方法が本明細書に説明される。種々の態様では、フィルムカバーは、例えば、抗微生物剤及び乾燥剤のうちの一方又は両方であり得る活性剤を組み込むことができる。種々の態様では、フィルムカバー材料は、活性剤を組み込んだ三相材料であり得る。
【0010】
内部及び外部を有するパッケージを提供することを含む方法も本明細書に説明される。種々の態様では、パッケージの少なくとも一部分は、内部と外部との間に延在する複数の穿孔を有し、穿孔部分は外周を有する。本方法は、パッケージの穿孔部分の少なくとも一部分の上に周辺表面を有するフィルムカバーを位置決めすることと、フィルムカバーの周辺表面をパッケージの穿孔部分の外周に固定することと、を更に含む。
【0011】
種々の態様では、フィルムカバーは、上側及び下側を有し、フィルムカバーの周辺表面を穿孔部分の外周に固定することは、周辺表面の下側に接着剤又は接着剤を塗布したバッキング材料を塗布することと、周辺表面の下側をパッケージの穿孔部分の外周に接触させることと、を含む。
【0012】
種々の態様では、フィルムカバーは、上側及び下側を有し、フィルムカバーの周辺表面を穿孔部分の外周に固定することは、接着剤バッキング材料が周辺表面の上側及びパッケージ外部の一部に重なるように、接着剤バッキング材料を、周辺表面の上側及び穿孔部分の外周を取り囲むパッケージの外部の一部に塗布することを含む。
【0013】
種々の態様では、フィルムカバーの周辺表面を穿孔部分の外周に固定することは、周辺表面と外周とを一緒に熱かしめすることを含む。
【0014】
パッケージの表面の少なくとも一部分を穿孔することと、パッケージの穿孔部分の少なくとも一部分の上にフィルムカバーを適用することと、穿孔部分の外周でフィルムカバーをパッケージに固定することと、を含む方法であって、フィルムカバーがパッケージ内の雰囲気を変化させるための材料を含む方法が本明細書で説明される。
【0015】
少なくともその一部分に穿孔を有する予め穿孔されたパッケージを提供することと、パッケージの穿孔部分の少なくとも一部分の上にフィルムカバーを適用することと、穿孔部分の外周でパッケージにフィルムカバーを固定することと、を含む方法であって、フィルムカバーがパッケージ内の雰囲気を変化させるための材料を含む方法も説明される。
【0016】
本方法の種々の態様では、フィルムカバーは、抗微生物特性を有する材料で作ることができる。本方法の種々の態様では、フィルムカバーは、乾燥剤特性を有する材料で作ることができる。本方法の種々の態様では、フィルムカバーは、活性剤を組み込んだ三相材料で作ることができる。活性剤は、抗微生物剤及び乾燥剤のうちの一方又は両方であり得る。
【0017】
パッケージも本明細書において説明される。パッケージは、外側表面及び内側表面を含む。パッケージの少なくとも一部分は、内側表面と外側表面との間に延在する穿孔を有し、穿孔部分は外周を有する。パッケージはまた、穿孔部分の外周に固定された周辺表面を有するフィルムカバーを含む。フィルムカバーは、パッケージ内の雰囲気を変化させるための材料、好ましくは三相材料、より好ましくは、例えば、抗微生物特性、放出特性、及び乾燥特性のうちの1つ以上を有する材料で作られる。
【0018】
種々の態様では、パッケージは、フィルムカバーの周辺部分を穿孔部分の外周に固定するために、周辺表面の上面及び穿孔部分の外周を取り囲むパッケージの外部の一部分とオーバーラップ接着接触するバッキング材料を更に含み得る。あるいは、フィルムカバーの周辺表面は、熱かしめによって穿孔部分の外周に固定されてもよい。
【0019】
本開示は、本概要に開示される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定義されるように、開示され特許請求された概念の精神及び範囲内にある修正を包含することを意図していることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の特徴及び利点は、添付図面を参照することによってよりよく理解することができる。
【0021】
【
図1A】少なくともその一部分にわたって穿孔を有する例示的なパッケージと、穿孔部分の上に位置決めされたフィルムカバーの実施形態とを示す。
図1に示すフィルムカバーの実施形態は、穿孔部分の外周を取り囲むパッケージの領域にフィルムカバーを固定するための任意のポリマーバッキングを有する。
【
図1B】パッケージの表面とフィルムカバーとの間に位置するバッキング材料を使用してパッケージの穿孔部分の外周に固定されたフィルムカバーを有するパッケージの表面の、
図1Aの線1-1に沿った側断面図の概略図である。
【
図1C】フィルムカバーとパッケージとの間に熱かしめによってパッケージの穿孔部分の外周に固定されたフィルムカバーを有するパッケージの表面を示すことを除いて、
図1Bと同様の図である。
【
図1D】パッケージの穿孔部分の外周に固定されたフィルムカバーを有するパッケージの表面を、パッケージの表面とフィルムカバーとの両方を覆うバッキング材料を使用して示すことを除いて、
図1Bと同様の図である。
【
図2】開示され特許請求された概念の任意の実施形態による、同伴ポリマーで形成されたフィルムカバーの例示的な一部分の斜視図である。
【
図4】
図3と同様の断面図であり、同伴ポリマーの別の実施形態で形成されたフィルムカバーの別の実施形態を示す。
【
図5】フィルムカバーの任意の実施形態による同伴ポリマーの概略断面図であり、活性剤は、選択材料(例えば水分)との接触によって活性化される抗微生物ガス放出材料である。
【
図6】任意のポリマーバッキングに接着された、フィルムカバーの任意の実施形態による同伴ポリマーから形成されたシート又はフィルムの断面図である。
【
図7】開示され特許請求された概念の任意の実施形態による同伴ポリマーを使用して形成することができるパッケージの断面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書では、システム、デバイス及び方法を実施例及び実施形態として説明しているが、当業者は、本開示の技術が記載された実施形態又は図面に限定されないことを認識する。むしろ、本開示の技術は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある全ての修正、均等物及び代替を包含する。本明細書に開示されるいずれか一実施形態の特徴は、省略され得るか、又は別の実施形態に組み込まれ得る。
【0023】
本明細書で使用されるいずれの見出しも、組織的な目的のためだけであり、明細書又は特許請求の範囲の範囲を限定することを意図していない。本明細書中で使用される場合、「し得る(may)」という語は、必須の意味(すなわち、しなければならないことを意味する)ではなく、許容的な意味(すなわち、する可能性を有することを意味する)で使用される。用語は、上記の語、その派生語及び類似の意味を有する語を含む。
【0024】
微生物の増殖を減速し、阻害若しくは防止し、微生物を死滅させ、又は微生物を死滅させるとともに微生物の増殖を減速し、阻害し若しくは防止するパッケージを作製するための方法が本明細書に説明される。
図1A及び
図1Bにおける例示的なパッケージ及びその構成要素、並びにその中に含まれる製品2を参照すると、本方法は、任意選択で、フィルムカバー55を穿孔パッケージ40に、又はパッケージ40の穿孔部分18に取り付けることを含む。種々の態様では、フィルムカバー55は、パッケージの外側14上のパッケージ40の穿孔部分18に取り付けられてもよい。種々の態様では、フィルムカバー55は、パッケージ40の内部16上のパッケージの穿孔部分18に取り付けられてもよい。フィルムカバー55を取り付けることは、パッケージの表面(パッケージの意図された内容物に適したアタッチメントの選択に応じて、内側表面14又は外側表面16)に面しかつ接触するフィルムカバー55の周辺表面24をパッケージ40の穿孔部分18の外周22に固定することを含み得る。
【0025】
フィルムカバー55を少なくとも部分的に穿孔されたパッケージ40に取り付ける方法は、パッケージの内容物との直接接触を回避しながら、フィルムカバー55を既存の穿孔されたパッケージ若しくは部分的に穿孔されたパッケージ、例えばバッグ、ポーチ、又は以下により詳細に定義される別の可撓性若しくは剛性の容器に取り付けることを含み得る。本方法は、かかるパッケージを充填する一部の現行プロセスのうちの1つの一部として実施することができ、連続プロセス又はバッチプロセスとすることができる。
【0026】
種々の態様では、本方法は、最初にパッケージ40の少なくとも一部分18を穿孔し、次いで、パッケージ40の穿孔部分18上にフィルムカバー55を取り付け、次いで、フィルムカバー55をパッケージ40に固定することを含み得る。フィルムカバー55を固定することは、パッケージの表面(パッケージの意図された内容物に適したアタッチメントの選択に応じて、内側表面14又は外側表面16)に面しかつ接触するフィルムカバー55の少なくとも又は周辺表面24のみを、パッケージ40の穿孔部分18の外周22に固定することを含み得る。その後、パッケージに所望の内容物を充填することができる。本開示の技術の結果として、穿孔され覆われたパッケージの作製中にパッケージの内容物と直接接触する必要がないことが有利である。本方法は、連続プロセス又はバッチプロセスとして実施することができる。
【0027】
本方法の種々の態様におけるフィルムカバー55は、以下に定義及び説明するように、好ましくは又は任意選択で抗微生物材料である三相材料で作ることができる。
【0028】
本方法及び本方法によって作製されたパッケージの詳細を更に説明する前に、本明細書で使用される特定の用語の意味は以下の通りである。
【0029】
本明細書で使用されているように、「a」、「an」、及び「the」の単数形は、文脈が他に明確に指示しない限り、複数の参照を含む。
【0030】
例えば、限定されるものではないが、頂部、底部、左、右、下、上、前、後、及びそれらの変形例のような、本明細書で使用される方向表現は、添付の図面に示される要素の方向に関するものであり、特に明記しない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0031】
請求項を含む本出願において、特に指示しない限り、量、値又は特性を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修正されるものとして理解されるべきである。したがって、数字は、「約」という語が数字とともに明示的に現れない場合であっても、「約」という用語が前に付いているかのように読むことができる。したがって、別段の指示がない限り、以下の説明に記載される任意の数値パラメータは、本開示による組成物及び方法において得られようとする所望の特性に応じて変化し得る。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定しようとする試みとしてではなく、本明細書に記載された各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数に照らして、かつ通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
【0032】
本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に含まれる全てのサブ範囲を含むことが意図されている。例えば、「1~10」の範囲は、列挙されている最小値1~列挙されている最大値10(列挙されている値を含む)、すなわち、1に等しい又は1を超える最小値及び10に等しい又は10未満の最大値を有する、全ての部分範囲を含むことが意図される。
【0033】
本明細書で使用される「活性」という用語は、開示され特許請求された概念に従って、選択材料(例えば、水分又は酸素)に作用し、選択材料と相互作用し、又は選択材料と反応することができるものとして定義される。かかる作用又は相互作用の例としては、選択材料の吸収、吸着又は放出が挙げられ得る。「活性」の別の例は、放出された材料の放出を引き起こすために、選択材料に作用し、選択材料と相互作用し、又は選択材料と反応することができる剤である。
【0034】
本明細書で使用される「活性剤」という用語は、(1)好ましくはベースポリマーと非混和性であり、ベースポリマー及びチャネリング剤と混合及び加熱されたときに溶融しない、すなわち、ベースポリマー又はチャネリング剤のいずれかの融点よりも高い融点を有し、(2)選択材料に作用し、選択材料と相互作用し、又は選択材料と反応する材料として定義される。「活性剤」という用語は、選択材料を吸収、吸着、又は放出する材料を含み得るが、これらに限定されない。本明細書における主な焦点の活性剤は、抗微生物ガス、好ましくは二酸化塩素ガスを放出するものである。
【0035】
「抗微生物放出剤」という用語とは、放出された抗微生物材料を、例えばガス形態で放出することができる活性剤をいう。この活性剤は、抗微生物ガスを放出するように構成された配合物(例えば、粉末混合物)において、活性成分、並びに触媒及びトリガーなどの他の成分を含み得る。「放出された抗微生物材料」は、微生物の成長及び増殖を阻害若しくは防止し、かつ/又は微生物を死滅させる化合物、例えば二酸化塩素ガスである。放出された抗微生物材料は、抗微生物放出剤によって放出される。例としてのみであるが、抗微生物放出剤は、選択材料(例えば、水分)との接触によって(例えば、化学反応又は物理的変化によって)トリガーされ得る。例えば、水分は、抗微生物放出剤と反応して、抗微生物放出剤に放出された抗微生物材料を放出させることができる。
【0036】
本明細書中で使用される場合、「ベースポリマー」という用語は、選択材料のガス透過速度が、任意選択で、チャネリング剤のガス透過速度よりも実質的に低いか、又は実質的に同等であるポリマーである。一例として、かかる透過速度は、選択材料が水分であり、活性剤が水分によって活性化される抗微生物ガス放出剤である実施形態における水蒸気透過速度である。この活性剤は、抗微生物ガスを放出するように構成された配合物中の活性成分及び他の成分を含み得る。ベースポリマーの主な機能は、同伴ポリマーの構造を提供することである。
【0037】
開示され特許請求された概念で使用するのに適したベースポリマーとしては、熱可塑性ポリマー、例えばポリプロピレン及びポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-メタクリレートコポリマー、ポリ(塩化ビニル)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアクリル酸エステル、アクリル、ポリウレタン、及びポリアセタール、又はこれらのコポリマー若しくは混合物が挙げられる。
【0038】
本明細書において使用される場合、「チャネリング剤(channeling agent)」又は「チャネリング剤(channeling agents)」という用語は、ベースポリマーと非混和性であり、かつベースポリマーよりも速い速度で気相物質を輸送する親和性を有する材料として定義される。任意選択で、チャネリング剤は、チャネリング剤をベースポリマーと混合することによって形成される場合、同伴ポリマーを通してチャネルを形成することができる。任意選択で、かかるチャネルは、選択材料を、ベースポリマーのみにおけるよりも速い速度で同伴ポリマーを通して伝達することができる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「チャネル」又は「相互接続チャネル」という用語は、ベースポリマーを貫通し、互いに相互接続され得る、チャネリング剤によって形成される複数の通路として定義される。
【0040】
本明細書中で使用される場合、「同伴ポリマー」という用語は、少なくともベースポリマーと活性剤、及び任意選択で、全体に同伴又は分布されたチャネリング剤とから形成されるモノリシック材料として定義される。したがって、同伴ポリマーは、チャネリング剤を含まない二相ポリマーと、チャネリング剤を含む三相ポリマーとを含む。
【0041】
本明細書で使用されるように、「モノリシック」、「モノリシック構造」又は「モノリシック組成物」という用語は、複数の別個の巨視的層又は部分から構成されない組成物又は材料として定義される。したがって、「モノリシック組成物」は多層複合材料を含まない。
【0042】
本明細書で使用されるように、「相」という用語は、その構造又は組成物にそのモノリシック特徴を与えるために全体に均一に分布されるモノリシック構造又は組成物の一部分又は成分として定義される。
【0043】
本明細書で使用される「選択材料」という用語は、活性剤に作用し、活性剤によって作用され、活性剤と相互作用又は反応し、同伴ポリマーのチャネルを通して伝達することができる材料として定義される。例えば、放出材料が活性剤である実施形態では、選択材料は、抗微生物ガスのような放出材料を放出するために活性剤と反応するか又は活性剤をトリガーする水分であってもよい。
【0044】
本明細書で使用される場合、「三相」という用語は、3つ以上の相を含むモノリシック組成物又は構造として定義される。開示され特許請求された概念による三相組成物の例は、ベースポリマー、活性剤、及びチャネリング剤から形成される同伴ポリマーである。任意選択で、三相組成物又は構造は、追加の相、例えば着色剤を含み得るが、それにもかかわらず、3つの主要な機能性成分の存在のために依然として「三相」とみなされる。
【0045】
更に、「パッケージ」、「包装」及び「容器」という用語は、本明細書中で互換的に使用されて、例えば食品及び食料品などの物品を保持若しくは含有する物体、又は物品を保持若しくは含有することができる物体を示し得る。任意選択で、パッケージは、その中に保管された製品を有する容器を含み得る。パッケージ、包装、及び容器の非限定的な例としては、トレイ、ボックス、カートン、ボトルレセプタクル、ベッセル、ポーチ、及び可撓性バッグが挙げられる。パッケージ、包装又は容器は、剛性、半剛性又は可撓性であってもよい。ポーチ又は可撓性バッグは、例えば、ポリプロピレン又はポリエチレンで作ることができる。パッケージ又は容器は、例えば、カバー、蓋、蓋用シーラント、接着剤、及びヒートシールを含む種々の機構を使用して、閉じられ、覆われ、かつ/又は密封され得る。パッケージ又は容器は、プラスチック(例えば、ポリプロピレン又はポリエチレン)、紙、発泡スチロール、ガラス、金属、及びそれらの組み合わせなどの種々の材料で構成又は構築される。1つの任意の実施形態では、パッケージ又は容器は、剛性又は半剛性ポリマー、任意選択でポリプロピレン又はポリエチレンから構成され、好ましくは重力下でその形状を保持するのに十分な剛性を有する。
【0046】
例示的な同伴ポリマー
従来、乾燥剤、脱酸素剤、及びその他の活性剤は、パッケージの内部環境を制御するために、包装内の小袋又はキャニスターに収容された散逸した微粒子などの未加工の形で使用されてきた。多くの用途では、活性物質がそのように緩やかに保管されることは望ましくない。したがって、本出願は、活性剤を含む活性同伴ポリマーを提供し、かかるポリマーは、種々の所望の形態、例えば、容器ライナー、プラグ、フィルムシート、ペレット、及び他のかかる構造体に押出及び/又は成形することができる。任意選択で、かかる活性同伴ポリマーは、同伴ポリマーの表面とその内部との間にチャネルを形成し、選択材料、例えば水分を同伴された活性剤、例えば水分を吸収する乾燥剤に伝達する、ポリエチレングリコール(PEG)などのチャネリング剤を含み得る。上記で説明したように、同伴ポリマーは、二相配合物、すなわち、ベースポリマー及び活性剤を含み、チャネリング剤を含まないものであってもよく、又は、三相配合物、すなわち、ベースポリマー、活性剤及びチャネリング剤を含むものであってよい。同伴ポリマーは、例えば、米国特許第5,911,937号、同第6,080,350号、同第6,124,006号、同第6,130,263号、同第6,194,079号、同第6,214,255号、同第6,486,231号及び同第7,005,459号、並びに米国特許出願公開第2016/0039955号に記載されており、これらの各々は、完全に記載されているかのように参照により本明細書に援用される。
【0047】
図1A及び
図1Bは、パッケージ40の穿孔部分18の外部14上に配置されたフィルムカバー55を示す例示的なパッケージを示している。図示の実施形態では、フィルムカバー55は、例示的なバッキング材料60を使用することによって穿孔部分18の外周22に取り付けられる。
【0048】
図2~
図7は、フィルムカバー55として使用するための例示的な材料を示している。例示的な材料は、種々の態様では、同伴ポリマー20を含む。
図2~
図7はまた、開示され特許請求された概念の特定の実施形態による、同伴ポリマーから形成された種々の包装アセンブリを示している。同伴ポリマー20はそれぞれ、ベースポリマー25と、活性剤30と、任意選択でチャネリング剤35とを含む。図示のように、チャネリング剤35は、同伴ポリマー20を介して複数の相互接続チャネル45を形成する。活性剤30の少なくとも一部は、これらのチャネル45内に含まれ、それにより、チャネル45は、活性剤30と同伴ポリマー20の外部との間を同伴ポリマー25の外側表面に形成されたチャネル開口48を介して連絡する。活性剤30は、例えば、以下に更に詳細に記載されるように、種々の放出材料のうちのいずれか1つ以上であってもよい。チャネリング剤(例えば35)が好ましいが、開示され特許請求された概念は、任意選択でチャネリング剤を含まない同伴ポリマーを広く包含する。
【0049】
適切なチャネリング剤としては、ポリグリコール、例えばポリエチレングリコール(PEG)、エチレン-ビニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、グリセリンポリアミン、ポリウレタン及びポリカルボン酸(例えばポリアクリル酸又はポリメタクリル酸)が挙げられる。あるいは、チャネリング剤35は、例えば、CLARIANTによって製造されたPolyglykol B01/240の商品名で市販されているプロピレンオキシド重合物-モノブチルエーテルのような水不溶性ポリマーであり得る。他の実施形態では、チャネリング剤は、CLARIANTによって製造されたPolyglykol B01/20という商品名で市販されているプロピレンオキシド重合物モノブチルエーテル、CLARIANTによって製造されたPolyglykol D01/240という商品名で市販されているプロピレンオキシド重合物、エチレン酢酸ビニル、ナイロン6、ナイロン66、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。
【0050】
抗微生物放出剤を有する同伴ポリマーが以下に更に説明される。
【0051】
抗微生物放出剤及びそれを組み込んだ任意の同伴ポリマー配合物
開示され特許請求された概念による適切な活性剤には、抗微生物放出剤が含まれる。
図5は、活性剤30が抗微生物放出剤である同伴ポリマー20の実施形態を示している。矢印は、選択材料、例えば水分又は別のガスが、同伴ポリマー20の外部からチャネル45を通って活性剤30(この場合には抗微生物放出剤)の粒子までの経路を示している。任意選択で、抗微生物放出剤は、選択材料(例えば、水分)と反応するか、又は別様でトリガーされるか活性化され、応答して放出された抗微生物材料を、好ましくはガス形態で放出する。
【0052】
本明細書において使用される抗微生物剤は、揮発性抗微生物放出剤、不揮発性抗微生物放出剤、及びそれらの組み合わせを含む。
【0053】
用語「揮発性抗微生物放出剤」は、液体、例えば水又は食品からの汁と接触すると、放出された抗微生物剤の蒸気のようなガス及び/又は気相を生成する任意の化合物を含む。以下により詳細に説明するように、揮発性抗微生物放出剤は、放出された抗微生物材料、例えばガス及び/又は蒸気が漏れないように、概して閉鎖系で使用される。揮発性の抗微生物放出剤の例としては、例えば、オリガヌム、バジル、シンナムアルデヒド、二酸化塩素放出剤、例えば、亜塩素酸ナトリウムと触媒とトリガーとの組み合わせ、炭酸ガス放出剤、オゾン放出剤、バニリン、バニリン酸、シラントロ油、チョウジ油、西洋ワサビ油、ハッカ油、ローズマリー、セージ、タイム、ワサビ又はそれらの抽出物、竹抽出物、グレープフルーツ種子抽出物、ダイオウ抽出物、オウギの抽出物、オウギの抽出物、ラベンダー油、レモン油、ユーカリ油、ハッカ油、cananga odorata、cupressus sempervirens、curcuma longa、cymbopogon citratus、eucalyptus globulus、pinus radiate、piper crassinervium、psidium guayava、rosmarinus officinalis、zingiber officinale、タイム、チモール、アリルイソチオシアネート(AIT)、ヒノキチオール、カルバクロール、オイゲノール、α-テルピノール、ゴマ油、又はこれらの化合物の任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
「不揮発性抗微生物剤」という用語は、液体(例えば、水又は食品からの汁)と接触した場合に、抗微生物剤の蒸気を最小にするか又は全く生じない任意の化合物を含む。不揮発性抗微生物剤の例としては、アスコルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸、クエン酸、クエン酸塩、乳酸、乳酸塩、安息香酸、安息香酸塩、炭酸水素塩、キレート化合物、ミョウバン塩、ナイシン、10%ε-ポリリジン、メチル及び/若しくはプロピルパラベン、又は上記化合物の任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。塩としては、上記化合物のいずれかのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩が挙げられる。具体的な例としては、ソルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ソルビン酸カリウム、又はソルビン酸ナトリウムが挙げられる。
【0055】
開示され特許請求された概念の態様に従って使用される抗微生物放出剤の好ましい特徴には、以下の特徴、すなわち(1)冷蔵温度で揮発すること、(2)食品安全で最終形態で食用であること、(3)放出のための同伴ポリマー配合物又は他のメカニズムに安全に組み込まれ得ること、(4)長期保管条件において貯蔵安定性があること、(5)放出された抗微生物材料を、薬剤が配設されたパッケージがパッケージ内に配設された製品と密封された場合にのみ放出すること、(6)パッケージ内で所望の放出プロファイルを達成するように配合及び構成されている場合に、保管された食品に官能的に影響を及ぼさないこと、並びに(7)好ましくは、食品包装及び最終食品表示に関する適用される政府規制及び/又はガイドラインの下で許容されること、のうちのいずれか1つ以上が含まれる。
【0056】
二酸化塩素放出抗微生物放出剤
開示され特許請求された概念の1つの態様では、好ましい抗微生物放出剤は、放出された抗微生物材料として二酸化塩素(ClO2)をガス形態で放出する揮発性抗微生物剤である。例えば、抗微生物放出剤は、例えば亜塩素酸ナトリウム又は亜塩素酸カリウムのようなアルカリ性亜塩素酸塩、触媒、及び例えば粉末の形態のトリガー剤を含む化合物又は配合物であってもよく、これらの組み合わせは、水分によってトリガー又は活性化されて二酸化塩素を放出させる。1つの例示的な抗微生物放出剤は、BASF Catalysts LLCによりASEPTROL 7.05の商品名で提供されている。この材料及びその調製は、米国特許第6,676,850号に記載されており、その全体が参照により本明細書に援用される。上記特許の実施例6は、開示され特許請求された概念の任意の態様に従って、抗微生物放出剤として特に適した配合物を記載している。
【0057】
任意選択で、米国特許第6,676,850号の実施例6に基づき、水分による活性化の際に二酸化塩素ガスを放出するように構成された適切な抗微生物放出剤を以下のように調製することができる。
【0058】
抗微生物放出剤は、亜塩素酸ナトリウム(活性成分として)、ベース触媒、及びトリガーを含む配合物を含む。触媒調製物及びトリガー調製物を別々に調製し、次いで一緒に混合し、最終的に亜塩素酸ナトリウムと混合する。
【0059】
ベース触媒は、任意選択で、まず25~30重量%のケイ酸ナトリウム溶液(SiO2:Na2O(重量比で2.0~3.3の割合))を調製することによって任意選択で作成される。この溶液を、28~44重量%のジョージアカオリン粘土(粒径約80%の直径が1マイクロメートル未満)の水性スラリーに混合し、ここでケイ酸ナトリウム溶液はスラリーの2重量%である。スラリーを100℃でオーブン乾燥して、約70μmの大きさの凝集体又は微小球を生成する。300gのこれらの微小球に280gの2.16N硫酸溶液を含浸させる。次いで、その混合物を100℃で乾燥する。次に、乾燥された混合物は、350℃で3時間の焼成プロセスに供され、続いて、シールがテープで包まれた密封されたガラスジャー中で300℃で追加の焼成プロセスに供される。この混合物はベース触媒を形成する。
【0060】
次に、ベース触媒84.6gをトリガー乾燥塩化カルシウム10.1gと混合する。このベース触媒及びトリガー混合物を、室温で乳鉢及び乳棒で粉砕する。この混合物を200℃で2時間乾燥する。次いで、ベース触媒及びトリガー混合物を、シールの周りにテープを巻き付けた密封ガラスジャー中で室温まで冷却する。
【0061】
最後に、ベース触媒及びトリガー混合物を、活性剤の活性成分である亜塩素酸ナトリウム5.3gと合わせる。次いで、全混合物を室温にて乳鉢及び乳棒で粉砕し、それにより、抗微生物放出剤の任意の実施形態を形成する。次いで、抗微生物放出剤は、シールを保存するためにシールの周りにテープが巻き付けられた密封されたガラスジャーの中に堆積され、そしてシールを本質的に湿気を含まないように保つが、これは、例えば、二酸化塩素ガスを放出するために、シールを早期に活性化し得る。
【0062】
任意選択で、抗微生物放出剤は、同伴ポリマーの成分であり、好ましくは、例えば40重量%~70重量%の活性剤、ベースポリマー、及びチャネリング剤を含む三相ポリマーである。任意選択で、かかる同伴ポリマーは、使用時に構成されたフィルム75の形態であり、パッケージ40の穿孔部分18を完全に覆うのに十分な所望の形状に加えて、フィルム75の周辺24に沿って、パッケージの穿孔部分18の外周22を取り囲むパッケージの対向面を覆いかつ固定するのに十分な量の追加面を有する。フィルムカバー55は、肉又は農産物などの生鮮食料品を収容する包装の穿孔部分18の上に配設される。
【0063】
同伴ポリマー混合物中の抗微生物放出剤濃度が高いほど、概して、最終組成物の吸収、吸着又は放出能力が大きいと考えられる。しかし、活性剤濃度が高すぎると、同伴ポリマーが脆くなりすぎることがある。これはまた、活性剤、ベースポリマー、及び(使用される場合には)チャネリング剤の溶融混合物を、熱的に形成、押出又は射出成形のいずれかがより困難になる原因となり得る。一実施形態では、抗微生物放出剤の負荷レベル又は濃度は、同伴ポリマーの総重量に対して10重量%~80重量%、好ましくは40重量%~70重量%、より好ましくは40重量%~60重量%、更に好ましくは45重量%~55重量%の範囲であり得る。任意選択で、チャネリング剤は、2重量%~10重量%、好ましくは約5重量%の範囲で提供することができる。任意選択で、ベースポリマーは、全組成物の10重量%~50重量%、好ましくは20重量%~35重量%の範囲であり得る。任意選択で、着色剤は、例えば全組成物の約2重量%で添加される。
【0064】
一実施形態では、同伴ポリマーは、粉末混合物の形態の50重量%のASEPTROL 7.05抗微生物放出剤、ベースポリマーとして38重量%のエチルビニルアセテート(EVA)、及びチャネリング剤として12重量%のポリエチレングリコール(PEG)を含む三相配合物であり得る。
【0065】
図2は、同伴ポリマー20で構成されたカバー55の斜視図を示している。前述したように、同伴ポリマー20は、ベースポリマー25、チャネリング剤35及び活性剤30を含む。
【0066】
図3は、
図2に示すカバー55の断面図である。更に、
図3は、同伴ポリマー20が固化され、チャネリング剤35が多数の相互接続チャネル45を形成して固化フィルムカバー55全体に通路を確立するようになっていることを示している。活性剤30の少なくとも一部は、チャネル45内に含まれ、それにより、チャネル45は、活性剤30と同伴ポリマー20の外部との間を同伴ポリマー20の外側表面に形成されたチャネル開口48を介して連絡する。
【0067】
図4は、
図3のカバー55と同様の構造及び構成を有するカバー55の実施形態を示しており、相互接続チャネル45は、
図3に示すものと比較してより微細である。これは、二量体剤(すなわち、可塑剤)をチャネリング剤35とともに使用することから生じ得る。二量体剤は、ベースポリマー25とチャネリング剤35との相溶性を強化することができる。この強化された相溶性は、ブレンドのより低い粘度によって促進され、これにより、通常の条件下で均一溶液への混合に抵抗し得るベースポリマー25とチャネリング剤35とのより完全なブレンドを促進することができる。二量体剤が添加された同伴ポリマー20の固化時に、それを通って形成される相互接続チャネル45は、より大きな分散及びより小さな多孔性を有し、それによってカバー55全体にわたってより大きな密度の相互接続チャネルを確立する。
【0068】
本明細書に開示されるような相互接続チャネル45は、水分、ガス又は臭気などの所望の材料が、概してこれらの材料の透過に抵抗するバリアとして作用するベースポリマー25を通過するのを容易にする。この理由のために、ベースポリマー25自体は、活性剤30がその中に同伴され得るバリア物質として作用する。チャネリング剤35から形成された相互接続チャネル45は、所望の材料が同伴ポリマーを通って移動するための経路を提供する。これらの相互接続チャネル45がなければ、多くても比較的少量の所望の材料のみがベースポリマー25を介して活性剤30へ、又は活性剤30から伝達されると考えられる。更に、所望の材料が活性剤30から伝達される場合、例えば、活性剤30が抗微生物ガス放出材料などの放出材料である実施形態では、所望の材料は活性剤30から放出されてもよい。
【0069】
図6は、開示され特許請求された概念の態様による、複合材料を形成するためにバリアシート80と組み合わせて使用される同伴ポリマー20から形成される活性シート又はフィルム75を示している。活性シート75の特性は、
図2及び
図3に示すフィルムカバー55に関して説明したものと同様である。バリアシート80は、水分又は酸素透過性が低い、容器壁などの、フォイル及び/又はポリマーなどの基板であってもよい。バリアシート80は、活性シート75と相溶性であり、したがって、分注後に活性シート75が固化したときに活性シート75に熱的に結合するように構成される。
【0070】
図7は、2つのシート75及び80が組み合わされて、同伴ポリマー20/活性シート75によって形成された内側表面16に活性特性を有し、バリアシート80によって形成された外側表面に耐蒸気特性を有する包装用ラップを形成する実施形態を示している。バリアシート80は、その少なくとも一部分を貫通する穿孔50を有し、種々の態様では、穿孔50は、シート80の実質的に全てを貫通する。フィルム75は、フィルム75及びバリアシート80を接合することによって形成されたパッケージの内側表面16上に配置され、一緒に積層されて積層体又は複合材を形成する。
【0071】
一実施形態では、
図7に示すように、
図6のシート75及び80は互いに接合されて活性パッケージ85を形成する。図示されるように、2つの積層体又は複合体が提供され、その各々は、バリアシート80と接合された活性シート75から形成される。シート積層体は、パッケージの内部16に隣接して配設されるように、各活性シート75を互いに対向させて積層され、パッケージ内部16の密封領域の外周に形成されたシール領域90で接合される。任意選択で、フィルム75は、シール領域90に塗布された接着剤とともに接合されてもよい。
【0072】
種々の態様では、フィルム75は、フィルムカバー55に切断されたときに、パッケージ40の内側表面16又は外側表面14に、例えば、フィルムカバー55の周辺表面24及び穿孔部分18の外周22のうちの一方又は両方に塗布された接着剤を用いてパッケージの穿孔部分18の外周22において、取り付けることができる。あるいは、フィルム75又はフィルムカバー55は、パッケージの穿孔部分18の外周22の表面に、すなわち接着剤なしで熱かしめされてもよい。基板上にフィルムを熱かしめするプロセスは、当技術分野で公知であり、米国特許第8,142,603号に詳細に記載されており、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0073】
フィルムの大きさ及び厚さは変化し得る。特定の実施形態では、フィルムは約0.3mmの厚さを有する。任意選択で、フィルムは0.1mm~1.0mm、より好ましくは0.3mm~0.6mmの範囲であってもよい。任意選択で、同伴ポリマーフィルム75は、
図1に示すように、パッケージ40に熱かしめされる。有利には、熱かしめにより、フィルム75又はフィルムカバー55が、接着剤を使用することなく、パッケージ上又はパッケージ内の所望の位置に永久的に接着することができる。接着剤は、食品を含むヘッドスペース中に望ましくない揮発物を放出することがあるので、状況によっては問題となることがある。開示され特許請求された概念の任意の実施形態による使用することができる熱かしめプロセスの態様は、上述のように米国特許第8,142,603号に開示されている。この場合、熱かしめとは、側壁上のシール層基板を加熱しながら、フィルム及びシール層基板に十分な圧力を加えて、フィルムを容器壁に接着させることをいう。
【0074】
種々の態様では、本方法は、穿孔又は部分的に穿孔された包装の既存ストックとともに使用することができる。
【0075】
フィルムカバー55をパッケージの内容物と直接接触させることなく、既に形成された容器又はパッケージ40にフィルムカバー55を取り付けるための任意の方法は、フィルムカバー55を、パッケージの穿孔部分18と、フィルムカバーをパッケージ40の表面に取り付けるのに十分な穿孔部分の外周22を囲む領域との両方を覆うのに十分な領域で所望の形状に切断することを含む。フィルムカバーの大きさ及び形状、並びに取り付けに必要な周辺表面積24の大きさ及び形状は、穿孔部分18の大きさ及び形状、並びにフィルムカバー55の周辺部分24を穿孔部分18の外周に取り付けるために必要な面積に依存して変化する。種々の態様では、穿孔部分の外周22と接触するように意図されたフィルムカバーの周辺表面24は、接着剤でコーティングされる。別の態様では、バッキング材料60は、穿孔部分18の外周22と接触するように意図されたフィルムカバー55の周辺表面24に取り付けられる。バッキング材料60は、接着剤でコーティングされてもよく、又は接着剤材料であってもよい。
【0076】
別の態様では、接着剤でコーティングされたフィルムの層の例示的な形態のバッキング材料60は、穿孔部分18の外周22と接触するように意図されたフィルムカバーの周辺表面24の一部分に取り付けられる。あるいは、バッキング材料60は、穿孔部分18の外周を取り囲むパッケージ40の外側表面の一部分、並びにパッケージ40の上に重なるフィルムカバー55の縁部に沿ったフィルムカバー55の周辺表面24の一部分の上に位置決めされてもよく、それにより、バッキング材料60は、フィルムカバー55をパッケージ40に固定するために、周辺表面24の一部分及びパッケージの一部に重なる。
【0077】
この方法の種々の態様では、所望の大きさ及び形状に切断され、接着剤、接着剤バッキング、又は接着剤でコーティングされたフィルム若しくはバッキング材料の層でコーティングされたフィルムカバー55が、穿孔部分18の上に配置されて、穿孔部分18を完全に覆う。周辺表面24は、穿孔部分18の外周22に押し付けられ、外周22をフィルムカバー55とともに密封し、フィルムカバー55とパッケージ40との間にシールを形成する。特定の態様では、フィルムカバーは、パッケージ40の外側表面14に取り付けられてもよい。特定の態様では、フィルムカバーは、パッケージ40の内側表面16に取り付けられてもよい。内側から穿孔を覆うようにパッケージ40の内側表面16上に配置される場合、フィルムは、透過性フィルムであることが好ましい。パッケージの内側又は外側に配置されるかにかかわらず、フィルムカバー55は、パッケージ40に対して密封されているか又は緩められているかのいずれかで、穿孔部分18の上に適用される。
【0078】
この方法の種々の態様では、所望の大きさ及び形状に切断されているが、接着剤でコーティングされていないフィルムカバー55は、穿孔部分18の上に位置決めされて、穿孔部分18を完全に覆う。バッキング材料60は、フィルムカバー55をパッケージ40に固定するために、パッケージ40の表面(内部又は外部)の一部分、並びにフィルムカバー55の周辺表面24をその縁部に沿って覆うように配置される。
【0079】
種々の態様では、本方法は、未穿孔包装とともに使用することができる。本方法が、未穿孔包装、又は追加の穿孔を必要とする既存の部分的に穿孔された包装とともに使用される場合、本方法は、パッケージ40内に複数の離間した孔又は穿孔50を形成することを含む。穿孔は、任意の形態のレーザ穿孔、針穿孔、又はフィルム若しくは硬質容器内にガス及び水分の開口部を形成するための他の穿孔技術などの任意の適切な公知の方法によって形成することができる。
【0080】
パッケージ40に形成される前の未穿孔パッケージ40又は未穿孔包装材料は、穿孔器を通過させることができ、そこでは、所望の数の穿孔50が、所望の形状及びパッケージを形成するための各パッケージ40又は材料上の所望の位置に配置される。レーザ穿孔機及びレーザ穿孔を提供するサービスは、市販されている。パッケージを穿孔する、又は孔を形成する他の手段を使用してもよい。
【0081】
穿孔に続いて、フィルム75を所望の形状に切断することができ、その面積は、パッケージ40又は包装材料の穿孔部分18の形状の面積を超える。あるいは、フィルムカバー55を所望の形状に予め形成し、パッケージ上の穿孔をフィルムカバー55の形状よりも小さくすることもできる。いずれの場合も、フィルムカバー55の周辺24に沿った十分な領域が、フィルムカバー55をパッケージ40の穿孔部分18の外周22に取り付けることを可能にするために提供され、その結果、接着剤材料若しくは接着剤バッキング材料又はフィルムが穿孔50を覆わなくなる。いくらかの重なりは許容され得るが、穿孔50は、望ましくは、接着剤、接着剤バッキング若しくは接着剤層、又はバッキング材料によって圧縮又はブロックされない。
【0082】
種々の態様では、穿孔部分18の外周22と接触するように意図されたフィルムカバー55の周辺表面24は、接着剤でコーティングされる。別の態様では、バッキング材料60は、穿孔部分18の外周22と接触するように意図されたフィルムカバーの周辺表面24に取り付けられる。バッキング材料60は、接着剤でコーティングされてもよく、又はそれ自体が接着剤材料の形態であってもよい。別の態様では、バッキング材料は、穿孔部分18の外周22と接触するように意図されたフィルムカバーの周辺表面24に取り付けられた接着剤コーティングされたフィルムの層の形態であってもよい。あるいは、パッケージ40は、フィルムカバー55によって覆われ、次いで、バッキング材料60は、パッケージ40の表面の一部分及びフィルムカバー55の上にある周辺表面24の両方の上に、その縁部に沿って配置されて、フィルムカバー55をパッケージ40に固定してもよい。
【0083】
この方法の種々の態様では、所望の大きさ及び形状に切断され、接着剤、接着剤バッキング、又は接着剤でコーティングされたフィルム若しくはバッキング材料の層でコーティングされたフィルムカバー55が、穿孔部分18の上に配置されて、フィルムカバー55が穿孔部分18を完全に覆うようにする。周辺表面24は、穿孔部分18の外周22に押し付けられ、外周22をフィルムカバー55に密封して、フィルムカバー55とパッケージ40との間にシールを形成する。特定の態様では、フィルムカバーは、パッケージ40の外部14に取り付けられてもよい。特定の態様では、フィルムカバーは、パッケージ40の内部16に取り付けられてもよい。内側から穿孔を覆うようにパッケージ40の内側16に配置される場合、フィルムは透過性フィルムであることが好ましい。パッケージの内側又は外側に配置されるかにかかわらず、フィルムカバー55は、パッケージ40に対して密封されているか又は緩められているかのいずれかで、穿孔部分18の上に適用される。
【0084】
この方法の種々の態様では、所望の大きさ及び形状に切断されているが接着剤でコーティングされていないフィルムカバー55を穿孔部分18の上に配置して穿孔部分18を完全に覆い、続いてフィルムカバー55の周辺24にバッキング材料60を別個に適用する。バッキング材料60は、フィルムカバー55をパッケージ40に固定するために、パッケージ40の表面(内部又は外部)の一部分及びフィルムカバー55の周辺表面24の両方の上に、その縁部に沿って配置される。バッキング材料60は、フィルムカバー55の周辺縁部をパッケージ40に密封して、フィルムカバー55を穿孔50上に包囲する。密封は、上記のように、接着剤の使用又は熱かしめなどの任意の適切な手段によって行うことができる。
【0085】
図1を参照すると、パッケージ40は孔又は穿孔50を含む。どのように形成されても、穿孔50は、パッケージ40の内部16とパッケージ40の直近の又は近接する外部14との間に流体連通を提供する。
【0086】
フィルムカバー55は、
図2~
図6を参照して上述した材料のいずれかで作ることができる。好ましい材料は、三相ポリマーである。Activ Film(商標)で販売されている好ましい市販ポリマーは、特に食品保管に適している。Aptar CSP Technologiesから市販されているActiv-Film(商標)材料は、通常0.3~1.2mmの範囲の厚さで入手可能であるが、他の厚さも入手可能である。押し出されたフィルムは、容器内に落下させることができ、若しくは接着剤を用いて内側表面に固定することができ、又は米国特許第8,142,603号に記載されている方法に従って熱及び圧力の組み合わせを用いてエンクロージャの適合性密封層に熱かしめすることができる。Activ-Film(商標)配合物は、水分、酸素濃度、及び揮発性有機化合物などの種々のガスを吸収することができる。Activ-Film(商標)材料はまた、炭酸ガス(CO2)及び二酸化塩素(ClO2)などのガスを放出することがある。
【0087】
種々の態様では、フィルムカバー55は、穿孔50の上に直接適用されたとき、パッケージ40の内部16と流体連通しているが、パッケージ40の内容物と直接物理的に接触していない。
図1には直線状に配列されて示されているが、穿孔50は、パッケージ40内の任意の位置及び任意の形状に形成することができる。フィルムカバー55及び穿孔部分18は、任意の形状(例えば、円、楕円、正方形、三角形、長方形、三日月形、円弧、文字、数字若しくは他の印、若しくは任意の他の湾曲若しくは直線形状、又はそれらの組み合わせ)に構成されてもよい。
【0088】
種々の態様では、バッキング材料60はポリマーであり得る。種々の態様では、本明細書の他の箇所に記載されているように、バッキング材料60は、例えば、フィルムカバー55の縁部又は周辺24において、フィルムカバー55をパッケージ40に密封する。このプロセスは、任意の予め製造されたパッケージ40にフィルムカバー55をインラインで適用することを可能にする。
【0089】
別の代替構成では、フィルムカバー55自体が穿孔され、パッケージ40の内側に適用されてもよい。この態様では、パッケージ40は、意図された内容物で予め充填されない。
【0090】
本明細書に記載される方法を使用するための用途は様々であり得る。例えば、ポリマーバッキングフィルムカバー55で密封された穿孔パッケージ40は、食品用の抗微生物剤及び/又は乾燥材料用の乾燥剤を含浸させることができる。フィルムカバー55で覆われた穿孔パッケージ40は、袋入りサラダ又は農産物のような袋又はポーチで販売される食品に使用することができる。乾燥したパスタ又は小麦粉など、湿気に曝露すべきでない食品は、乾燥剤を染み込ませた袋に保管してもよい。フィルムカバー55で覆われた穿孔パッケージ40は、試験ストリップのような水分を含まないように保持すべき非食料品に使用することができる。
【0091】
本明細書に記載された全ての特許、特許出願、刊行物又は他の開示資料は、あたかも個々の参考文献がそれぞれ明示的に参照により組み込まれているかのように、その全体が参照により組み込まれている。参照により本明細書に援用されたとする全ての参考文献、及び任意の材料、又はその一部分は、組み込まれる材料が、本開示に記載される既存の定義、記述、又は他の開示材料と矛盾しない範囲においてのみ本明細書に援用される。したがって、必要な範囲において、本明細書に記載された開示は、参照により本明細書に組み込まれたあらゆる矛盾する資料に取って代わり、本出願に明示的に記載された開示が支配する。
【0092】
以下の例示的な実施形態は、開示され特許請求された技術の任意選択な態様を更に説明するものであり、この詳細な説明の一部である。これらの例示的な実施形態は、本出願の技術的なクレームではないが、特許請求の範囲と実質的に類似した形式で記載されている(各セットは、文字(例えば、「A」、「B」など)が後に続く数値表示を含む)。以下の例示的な実施形態は、互いに従属関係において「特許請求の範囲」の代わりに「実施形態」として参照する。
【0093】
1A.パッケージ内の製品を保存する方法であって、方法は、
パッケージにカバーフィルムを取り付けることであって、カバーフィルムは、パッケージを貫通して延在する複数の穿孔を覆うようにパッケージに取り付けられ、カバーフィルムは、抗微生物放出剤を含む、取り付けることを含む、方法。
2A.カバーフィルムは、パッケージの外部に取り付けられている、実施形態1Aに記載の方法。
3A.カバーフィルムは、パッケージ内の製品との直接的な接触を回避する、実施形態1Aに記載の方法。
1B.パッケージ内の製品を保存する方法であって、方法は、
腐敗しやすい製品をパッケージに挿入することであって、パッケージは、パッケージを通って延在する複数の穿孔を含む、挿入することと、
カバーフィルムが複数の穿孔の各々を覆うようにパッケージにカバーフィルムを取り付けることと、を含む、方法。
2B.カバーフィルムは、同伴ポリマーフィルムである、実施形態1Bに記載の方法。
3B.同伴ポリマーフィルムは、ポリマーベース及び活性剤を含む、実施形態2Bに記載の方法。
4B.同伴ポリマーフィルムは、チャネリング剤を更に含む、実施形態3Bに記載の方法。
5B.カバーフィルムは、パッケージ内の製品と直接接触しない、実施形態1B~4Bのいずれか1つに記載の方法。
【0094】
開示され特許請求された概念は、種々の例示的及び例示的実施形態を参照して説明されてきた。本明細書に記載される実施形態は、開示され特許請求された概念の種々の実施形態の種々の詳細の例示的特徴を提供するものとして理解され、したがって、別段の指定がない限り、開示され特許請求された概念の範囲から逸脱することなく、開示される実施形態の1つ以上の特徴、要素、部品、構成要素、成分、構造体、モジュール、及び/又は態様は、可能な範囲で、開示される実施形態の1つ以上の他の特徴、要素、部品、構成要素、成分、構造体、モジュール、及び/又は態様と組み合わされ、分離され、交換され、かつ/又は再配置することができることが理解されるべきである。したがって、開示され特許請求された概念の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態のいずれかの種々の置換、修正、又は組み合わせを行うことができることは、当業者には理解されるであろう。加えて、当業者は、本明細書の検討に基づいて、本明細書に記載された開示され特許請求された概念の種々の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、又はルーチンの実験のみを使用して確認することができる。したがって、開示され特許請求された概念は、種々の実施形態の説明によって限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている。
【国際調査報告】