(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】かみそり刃のためのコーティング
(51)【国際特許分類】
B26B 21/60 20060101AFI20230426BHJP
B26B 21/56 20060101ALI20230426BHJP
C23C 14/06 20060101ALI20230426BHJP
C23C 14/08 20060101ALI20230426BHJP
C23C 14/12 20060101ALI20230426BHJP
C23C 14/14 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B26B21/60
B26B21/56
C23C14/06 A
C23C14/06 B
C23C14/08
C23C14/12
C23C14/14 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557070
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(85)【翻訳文提出日】2022-09-21
(86)【国際出願番号】 US2021027449
(87)【国際公開番号】W WO2021211815
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】316015877
【氏名又は名称】ザ ジレット カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE GILLETTE COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケネス ジェームズ スクロービス
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム オーウェン ジョリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ローレンス マジアルズ
(72)【発明者】
【氏名】ビン シェン
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド リチャード ダフ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ジョー デイビッド ルシア
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ヘインツ クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ アラン ドピュイ
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029AA02
4K029BA02
4K029BA07
4K029BA22
4K029BA34
4K029BA43
4K029BA44
4K029BA55
4K029BA56
4K029BA58
4K029BA59
4K029BA62
4K029CA05
(57)【要約】
かみそり刃であって、基材であって、先端領域を含む先端部分、基部を含む刃本体、並びに基材の分割線の両側に配設された第1及び第2の外側面を有し、第1及び第2の外側面が先端で収束する、基材を含み、第1の外側面が、その上に実質的に配設されており、かつ先端領域から基部に向かって延びる第1のコーティングを備え、第2の外側面の第1の部分が、いかなるコーティングも実質的に含まず、第1の部分が、先端領域から基部に向かって延びるか、又は先端領域及び基部から離間されている、かみそり刃。かみそり刃をコーティングする方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かみそり刃であって、
基材であって、先端領域を含む先端部分、基部を含む刃本体、並びに前記基材の分割線の両側に配設された第1及び第2の外側面を有し、前記第1及び第2の外側面が先端で収束する、基材を備え、
前記第1の外側面が、その上に実質的に配設された第1のコーティングを備え、前記第1のコーティングが、前記先端領域から前記基部に向かって延び、
前記第2の外側面の第1の部分は、いかなるコーティングも実質的に含まず、前記第1の部分が、前記先端領域から前記基部に向かって延びるか、又は前記先端領域及び前記基部から離間されている、かみそり刃。
【請求項2】
前記第2の外側面の第2の部分が、その上に実質的に配設された第2のコーティングを備え、前記第2のコーティングが、実質的に第1の場所から第2の場所まで延び、前記第1の場所が、前記先端領域から離間されており、前記第2の場所が、前記基部に向かって位置する、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項3】
前記第1の部分が、前記第2の外側面の全体を実質的に含む、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項4】
前記第2の外側面の第2の部分が、その上に実質的に配設された第2のコーティングを備え、前記第2のコーティングが、第1の場所から第2の場所まで実質的に延びる第1のセクションと、第3の場所から第4の場所まで実質的に延びる第2のセクションと、を備え、前記第1の場所が、前記先端領域を含み、前記第2の場所が、前記第3の場所から離間されており、いかなるコーティングも実質的に含まない前記第2の外側面の前記第1の部分が、前記第2のコーティングの前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間に位置する、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項5】
前記第1の外側面の少なくとも一部分が、皮膚接触面を画定する、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項6】
前記分割線が、前記基材を2つの実質的に等しい半体に分割するか、又は前記分割線が、前記基材を2つの非対称半体に分割する、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項7】
前記第1のコーティングが、
前記第1の外側面上に実質的に配設されており、かつ前記先端領域から前記基部に向かって第1の距離にわたって延びる、第1の層と、
前記第1の層の少なくとも1セクションの上に配設されており、かつ前記先端領域から前記基部に向かって前記第1の距離以下の第2の距離にわたって延びる第2の層と、を備える、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項8】
前記第1の層が、第1の材料を含み、前記第2の層が、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、請求項7に記載のかみそり刃。
【請求項9】
前記第1のコーティングが、前記先端領域から前記かみそり刃の前記基部に向かって延びる方向に前記第1のコーティングの少なくとも1セクションに沿って変動する厚さを含む、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項10】
前記第1のコーティングが、イオン注入された材料を含む、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項11】
前記第1のコーティングの少なくとも1セクションが、前記基材の下にある部分の外形とは異なる外形を画定する、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項12】
前記第1の外側面が、1つ以上の第1のファセットを備え、前記第2の外側面が、1つ以上の第2のファセットを備え、前記第1のコーティングが、前記第1のファセットの少なくとも1つの上に配設されており、いかなるコーティングも実質的に含まない前記第2の外側面の前記第1の部分が、前記第2のファセットのうちの少なくとも1つのうちの1つの少なくとも一部分を含む、請求項1に記載のかみそり刃。
【請求項13】
前記第1のコーティングが、
前記第1の外側面上で第1の場所から第2の場所まで実質的に延びる第1のセクションと、
前記第2の場所から前記第1の外側面上の第3の場所まで実質的に延びる第2のセクションと、を備え、前記第1の場所が、前記先端領域を含み、前記第2の場所が、(i)前記第1のファセットのうちの2つの隣接するものの間、又は(ii)前記刃本体と、前記第1のファセットのうちの1つとの間の接合部を含む、請求項12に記載のかみそり刃。
【請求項14】
前記第2の場所が、前記第1のファセットのうちの2つの隣接するものの間の前記接合部を含み、前記第3の場所が、前記刃本体と前記第1のファセットのうちの1つとの間の前記接合部を含み、前記第1のコーティングが、前記第3の場所から前記基部に向かって実質的に延びる第3のセクションを更に備える、請求項13に記載のかみそり刃。
【請求項15】
かみそり刃をコーティングする方法であって、前記かみそり刃が、基材であって、先端領域を含む先端部分、基部を含む刃本体、並びに前記基材の分割線の両側に配設された第1及び第2の外側面を有し、前記第1及び第2の外側面が先端で収束する、基材を備え、前記方法が、
(i)前記第1の外側面の一部分にのみ第1のコーティングを適用することであって、前記コーティングが、前記先端領域から前記基部に向かって延び、かつ実質的に前記第1の外側面上に配設されている、適用すること、又は
(ii)前記第1の外側面の一部分に第1のコーティングを適用することであって、前記第1のコーティングが、前記先端領域から前記基部に向かって延び、前記第1の外側面上に実質的に配設されている、適用すること、及び前記第2の外側面に第2のコーティングを適用することであって、その結果、前記第2の外側面の第1の部分が、いかなるコーティングも実質的に含まず、前記第2の外側面の第2の部分が、前記第2のコーティングを備え、前記第1の部分が、前記先端領域から前記基部に向かって延びるか、若しくは前記先端領域及び前記基部から離間されている、適用すること、のうちの1つを含む、方法。
【請求項16】
前記第1のコーティングが、第1の技術で適用され、前記第2のコーティングが、前記第1の技術とは異なる第2の技術で適用される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のコーティング又は前記第2のコーティングのうちの少なくとも1つのセクション上に1つ以上の適用後処理を実施することを更に含み、前記1つ以上の適用後処理が、
前記コーティングのうちの1つをイオン注入に供するステップ、又は
前記第1のコーティング若しくは前記第2のコーティング又はその両方の1つ以上のセクションを部分的に除去するステップのうちの1つ以上を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、基材のコーティングに関し、より具体的には、かみそり刃などのかみそり構成要素上の改善されたコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
かみそり刃は、典型的には、ステンレス鋼などの好適な基材材料で形成され、約1000オングストローム(Å)未満、例えば、約200~300Åの半径を有する最先端を含む、くさび形の構成で形成された刃先を含む。ダイヤモンド、非晶質ダイヤモンド、ダイヤモンド様炭素(DLC)材料、窒化物、炭化物、酸化物、又はセラミックなどの1つ以上のハードコーティングは、強度、耐食性、及びシェービング能力を改善し、かつより低い切断力を有するより薄いエッジが使用されることを許容しながら必要な強度を維持するために、基材材料、特に刃先に適用され得る。一般に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのポリマー材料の1つ以上のソフトコーティングをハードコーティングの上に層状にして、潤滑性を付与し、摩擦を低減し得る。ニオブ又はクロム含有材料の中間層は、基材、典型的にはステンレス鋼と、DLCなどの硬質炭素コーティングとの間の結合を改善するのに役立ち得る。コーティングは、任意の好適な方法、例えば、ハードコーティングには物理蒸着(Physical Vapor Deposition、PVD)技術、及びソフトコーティングには浸漬、噴霧、及び/又はブラッシングを使用して、適用され得る。かみそり刃及び製造プロセスの例は、米国特許第5,295,305号、同第5,232,568号、同第4,933,058号、同第5,032,243号、同第5,497,550号、同第5,940,975号、及び同第5,669,144号、欧州特許第0591339号、並びに国際出願第92/03330号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
従来の刃は、典型的には、基材の両側に略等しい量の材料を含み、これらは、多くの場合、刃先に沿った蒸着によって適用される。これらの刃上のコーティングは非常に対称であり、刃先の両側に実質的に同様の組成、被覆面積、微細構造などを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,295,305号
【特許文献2】同第5,232,568号
【特許文献3】同第4,933,058号
【特許文献4】同第5,032,243号
【特許文献5】同第5,497,550号
【特許文献6】同第5,940,975号
【特許文献7】同第5,669,144号
【特許文献8】欧州特許第0591339号
【特許文献9】国際出願第92/03330号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在のかみそり刃は十分に機能しているものの、より良好に機能する次世代製品のために、刃と皮膚との間、及び刃と毛との間の相互作用に改善が行われ得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、かみそり刃であって、基材であって、先端領域を含む先端部分、基部を含む刃本体、並びに基材の分割線の両側に配設された第1及び第2の外側面を有し、第1及び第2の外側面が先端で収束する、基材を含む、かみそり刃が提供される。第1の外側面は、その上に実質的に配設された第1のコーティングを含み、第1のコーティングが、先端領域から基部に向かって延び、第2の外側面の第1の部分は、いかなるコーティングも実質的に含まず、第1の部分は、先端領域から基部に向かって延びるか、又は先端領域及び基部から離間されている。
【0007】
本開示の別の態様によれば、かみそり刃をコーティングする方法であって、かみそり刃が基材を含み、基材が、先端領域を含む先端部分、基部を含む刃本体、並びに基材の分割線の両側に配設された第1及び第2の外側面を有し、第1及び第2の外側面が先端で収束し、方法が、(i)第1の外側面の一部分にのみ第1のコーティングを適用することであって、第1のコーティングが、先端領域から基部に向かって延び、かつ第1の外側面上に実質的に配設されている、適用すること、又は(ii)第1の外側面の一部分に第1のコーティングを適用することであって、第1のコーティングが、先端領域から基部に向かって延び、かつ第1の外側面上に実質的に配設されている、適用すること、及び第2の外側面に第2のコーティングを適用することであって、その結果、第2の外側面の第1の部分が、いかなるコーティングも実質的に含まず、第2の外側面の第2の部分が、第2のコーティングを備え、第1の部分が、先端領域から基部に向かって延びるか、若しくは先端領域及び基部から離間されている、適用することのうちの1つを含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明を形成するとみなされる主題を特に指摘して明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の説明とともに添付図面を参照することでより良好に理解されると考えられる。添付図面における同種の表記番号は、実質的に同じ要素を示すために用いる。
【
図1】本開示による、ハンドル及びかみそりカートリッジを備えるかみそりシステムの正面図である。
【
図2】本開示による、対称基材を伴うかみそり刃の側面図である。
【
図3】本開示による、対称基材を伴う別のかみそり刃の先端部分の斜視図である。
【
図4】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図5】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図6】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図7】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図8】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図9】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図10】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図11】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図12】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図13】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図14】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図15】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図16】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図17】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図3のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図18】本開示による、非対称基材を伴うかみそり刃の側面図である。
【
図19】本開示による、非対称基材を伴う別のかみそり刃の側面図である。
【
図20A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図20B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図21A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図21B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図22A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図22B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図23A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図23B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図24A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図24B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図25A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図25B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図26A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図26B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図27A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図27B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図28A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図28B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図29A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図29B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図30A】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図30B】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図31】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図32】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図33】本開示による、1つ以上のコーティングを備える
図18のかみそり刃の先端部分の側面図である。
【
図35】本開示による、1つ以上のコーティングを備えるかみそり刃の先端領域の
図34と同様の追加の詳細な側面図である。
【
図36】本開示による、1つ以上のコーティングを備えるかみそり刃の先端領域の
図34と同様の追加の詳細な側面図である。
【
図37】本開示による、1つ以上のコーティングを備えるかみそり刃の先端領域の
図34と同様の追加の詳細な側面図である。
【
図38】本開示による、堆積技術を介してコーティングすることができるかみそり刃を示すチャンバの概略図である。
【
図39】本開示による、かみそり刃をコーティングする例示的な方法を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用される場合、「非対称刃」という用語は、基材によって画定される刃であって、基材が、刃本体を備える第1の部分と、先端部分を備える第2の部分と、を有し、分割線が、先端部分の先端を通過し、第1及び第2の部分を通って延び、かつ第2の部分を略非対称の第1及び第2のセクションに分離する、刃を意味する。第2の部分の第1のセクションの外面は、第2のセクションの外面に関して非対称である。第2の部分の第1のセクションの外面は、皮膚接触面として機能し得、第2のセクションの外面は、毛切断面として機能し得る。
【0010】
本明細書で使用される場合、「分割線」は、刃基材の先端部分の先端を通って延びる線を意味し、この線は、第2の部分を非対称の第1及び第2のセクションに分離し、かつ刃基材の刃本体を画定する第1の部分の略平行な第1及び第2の外面と略平行である。
【0011】
図1を参照すると、シェービングかみそりシステム10は、ハンドル12及びかみそりカートリッジ14を備える。いくつかの例では、かみそりカートリッジ14は、図示のように、コネクタ20を用いてハンドル12に取り外し可能に装着され得、他の例では、かみそりカートリッジ14は、ハンドル12に恒久的に取り付けられ得る。かみそりカートリッジ14は、ハンドル12に対して枢動し得る。かみそりカートリッジ14は、1つ以上のかみそり刃18を有するカートリッジハウジング16を含み得る。
図1には3つの刃が示されているが、より多くの又はより少ない任意の数の刃が、かみそりカートリッジ14内に装着され得ることが理解される。かみそり刃18は、カートリッジハウジング16内に装着され、図示のようにクリップ24a及び24bで固定され得る。カートリッジハウジング16は、カートリッジハウジング16の後部の近くに位置するキャップ22と、カートリッジハウジング16の前部の近くに位置する1つ以上のガード構造26と、を更に備え得る。キャップ22は、1つ以上の潤滑部材(標識せず)を備え得る。
【0012】
図2は、本開示によるかみそり刃8の側面図であり、
図3及び
図4は、それぞれ、本開示によるかみそり刃18の要素の詳細な斜視図及び側面図である。
図2~
図4に示すかみそり刃8及び18は各々、刃本体30を有する第1の部分と、先端部分34を有する第2の部分と、を備える基材28を備え得る。本明細書で使用される場合、「基材」は、本開示における堆積プロセスによって作用される物質又は材料を表す。本明細書における例示的な実施形態は、概して、かみそり刃の形成に通常使用されるステンレス鋼基材に関する。本発明の基材はまた、他の金属、プラスチック、セラミック、又は他の任意の材料から構成され得る。刃本体30は、基部32を備え得、先端部分34は、先端40で収束して、かつ毛の切断を実施する基材28の刃先42を画定するフランク36を備え得る。フランク36は、本明細書に記載のように、各々1つ以上の斜面又はファセット38を備え得る。
【0013】
図2~
図4に例示する例では、基材28は実質的に対称であり、かつ分割線SL
28を備え得、この分割線は、先端40を通過し、かつ基材28を実質的に等しい第1及び第2のセクション又は半体44及び46に分割(devide)又は分離する。基材28の一方の外側面48(本明細書では第1の外側面とも称される)は、他方の外側面50(本明細書では第2の外側面とも称される)に対して、分割線SL
28の両側に配設されている。本明細書で使用される場合、「第1」及び「第2」という用語は、参照のみのためであり、限定することを意図するものではない。
【0014】
基材28の一方の外側面、例えば、第1の外側面48の少なくとも一部分は、皮膚接触面を画定し得、他方の外側面、例えば、第2の外側面50の少なくとも一部分は、毛切断面を画定し得る。かみそり刃の2つの側面は、一般に、異なる機能(例えば、皮膚に接触する底面及び毛の切断を実施する上面であり、両方の側面は、より大きい干渉を有する(例えば、皮膚から離れている)上面で毛切断を実施する)を有することが判明している。研究により、テフロンを一方の斜面に置き、他方の斜面にはテフロンを置かない場合、テフロンコーティングされた斜面が皮膚面を上に(例えば、皮膚から離れて)置かれているか、皮膚面を下に(例えば、皮膚により近く)置かれるかに応じて、切断力が完全に異なることが示されている。一方の側面にテフロンコーティングがないかみそり刃が、その側面(例えば、テフロンコーティングなし)を皮膚面が下になるように置かれる場合、両側にテフロンを有する刃と比較したときに、わずかな切断力の増加しか認められなかったが、テフロンコーティングがないかみそり刃が皮膚面を上にして置かれる場合、両側にテフロンを有する刃と比較したときに、非常に有意な切断力の増加が測定された。
【0015】
図4を参照すると、先端部分34は、第1の外側面48の一部分によって画定される第1のフランク36Aと、第2の外側面50の一部分によって画定される第2のフランク36Bと、を備え得、第1のフランク36A及び第2のフランク36Bは、先端40で収束する。第1のフランク36Aは、1つ以上の第1のファセット、例えば、第1のファセット38A及び第3のファセット38Cを含み得、第2のフランク36Bは、1つ以上の第2のファセット、例えば、第2のファセット38B及び第4のファセット38Dを含み得る。第1のファセット38Aは、第1の接合部39-1で刃本体30と交わり、基材28の第1の外側面48上で刃本体30と第3のファセット38Cとの間に延びる。第3のファセット38Cは、第2の接合部39-2で第1のファセット38Aと交わり、第1の外側面48上で第1のファセット38Aと先端40との間に延びる。基材28の第2の外側面50上で、第2のファセット38Bは、第3の接合部39-3で刃本体30と交わり、刃本体30と第4のファセット38Dとの間に延びる。第4のファセット38Dは、第4の接合部39-4で第2のファセット38Bと交わり、第2の外側面50上で第2のファセット38Bと先端40との間に延びる。第3のファセット38C及び第4のファセット38Dは、エンドファセットとも称され得、先端40で収束して、刃先42を画定する。他の例では、フランク36は各々、1つのファセット38(
図2のかみそり刃8を参照)又は3つ以上のファセット(図示せず)を含み得る。
図2~
図4に示されるかみそり刃8及び18では、第1の外側面48の外形又は幾何学形状は、第2の外側面50の外形又は幾何学形状と実質的に同じであり得る。例えば、第1のファセット38Aは、第2のファセット38Bに実質的に対応し得、第1の接合部39-1と第2の接合部39-2との間、及び第3の接合部39-3と第4の接合部39-4との間にそれぞれ画定されるように、実質的に同様の長さを含み得る。第3のファセット38Cは、第4のファセット38Dに同様に実質的に対応し得、先端40と第2の接合部39-2との間、及び先端40と第4の接合部39-4との間にそれぞれ画定されるように、実質的に同様の長さを含み得る。したがって、接合部39-1及び接合部39-3での角度、並びに接合部39-2及び接合部39-4での角度もまた、実質的に略同様であり得る。
【0016】
引き続き
図4を参照すると、かみそり刃18は、刃本体30の第1の部分30A及び第2の部分30Bの外面によってそれぞれ画定される第1の刃本体外面31A及び第2の刃本外外面31Bと、第1のファセット38A、第2のファセット38B、第3のファセット38C、及び第4のファセット38Dの外面によってそれぞれ画定される第1のファセット外面39A、第2のファセット外面39B、第3のファセット外面39C、及び第4のファセット外面39Dと、を含む、複数の外面を備え得る。基材28の第1の外側面48は、第1の刃本体外面31Aと、第1のファセット外面39A及び第3のファセット外面39Cと、を含む。第2の外側面50は、第2の刃本体外面31Bと、第2のファセット外面39B及び第4のファセット外面39Dと、を含む。第1の刃本体外面31A及び第2の刃本体外面31Bは、互いに略平行であり得、分割線SL
28は、第1の刃本体外面31A及び第2の刃本体外面31Bと略平行であり得る。第1の外側面48及び第2の外側面50は、先端40で収束して、基材28の刃先42を画定する。
【0017】
図18及び
図19は、本開示によるかみそり刃118及び118’の例示的な実施形態を例示する側面図である。各かみそり刃118、118’は、刃本体130、130’を備える第1の部分と、先端部分134、134’を含む第2の部分と、を備える基材128、128’を備え得る。刃本体130、130’は、基部132(
図19には図示せず)を備え得、先端部分134、134’は、それぞれの先端140、140’で収束するフランク136A、136B、及び136A’、136B’を備えて、それぞれの基材128、128’の刃先(標識せず)を画定し得る。フランク136、136’は各々、本明細書に記載のように、1つ以上のそれぞれの斜面又はファセットを備え得る。基材128、128’は、非対称であり得、先端140、140’を通過する分割線SL
128、SL
128’は、刃本体外面131A及び131Bに平行であり、かつ基材128、128’を非対称の第1及び第2のセクション又は半体144、144’及び146、146’に分割(separate)又は分離する。
図18を参照すると、基材128の第1の外側面148は、第2の外側面150に対して分割線SL
128の反対側に配設されている。
図19を参照すると、基材128’の第1の外側面148’は、第2の外側面150’に対して分割線SL
128’の反対側に配設されている。各それぞれの基材128、128’の一方の外側面、例えば、第1の外側面148、148’の少なくとも一部分は、皮膚接触面を画定し得、他方の外側面、例えば、第2の外側面150、150’の少なくとも一部分は、毛切断面を画定し得る。
【0018】
図18に示す例では、基材128の先端部分134は、第1の外側面148の一部分によって画定される第1のフランク136Aと、第2の外側面150の一部分によって画定される第2のフランク136Bと、を備え得る。第1のフランク136Aは、1つ以上の第1のファセット、例えば、第1のファセット138A及び第3のファセット138Cを含み得、第2のフランク136Bは、1つ以上の第2のファセット、例えば、第2のファセット138B及び第4のファセット138Dを含み得る。基材128の第1の外側面148上で、第1のファセット138Aは、第1の接合部139-1で刃本体130と交わり、刃本体130と第3のファセット138Cとの間に延び、第3のファセット138Cは、第2の接合部139-2で第1のファセット138Aと交わり、第1のファセット138Aと先端部140との間に延びる。基材128の第2の外側面150上で、第2のファセット138Bは、第3の接合部139-3で刃本体130と交わり、刃本体130と第4のファセット138Dとの間に延び、第4のファセット138Dは、第4の接合部139-4で第2のファセット138Bと交わり、第2のファセット138Bと先端140との間に延びる。第3のファセット138C及び第4のファセット138Dは、エンドファセットとも称され得、先端140で収束して、基材128の刃先を画定する。
【0019】
図19に示される例では、基材128’の先端部分134’は、第1の外側面148’の一部分によって画定される第1のフランク136A’と、第2の外側面150’の一部分によって画定される第2のフランク136B’と、を備え得る。第1のフランク136A’は、1つ以上の第1のファセット、例えば、第1のファセット138A’及び第3のファセット138C’を含み得、第2のフランク136B’は、1つ以上の第2のファセット、例えば、第2のファセット138B’を含み得る。基材128’の第1の外側面148’上で、第1のファセット138A’は、第1の接合部139-1’で刃本体130’と交わり、刃本体130’と第3のファセット138C’との間に延びる。第3のファセット138C’は、第2の接合部139-2’で第1のファセット138A’と交わり、第1のファセット138A’と先端140’との間に延びる。基材128’の第2の外側面150’上で、第2のファセット138B’は、第3の接合部139-3’で刃本体130と交わり、刃本体130’と先端140’との間に延びる。第2のファセット138B’及び第3のファセット138C’は、エンドファセットとも称され得、先端140’で収束して、基材128’の刃先を画定する。
【0020】
基材128、128’は非対称であるため、第1の外側面148、148’の外形又は幾何学形状は、第2の外側面150、150’の外形又は幾何学的形状とは異なる。例えば、
図18を参照すると、第1のファセット138Aは、第2のファセット138Bと比較して異なる長さを含み得、長さは、第1の接合部139-1と第2の接合部139-2との間、及び第3の接合部139-3と第4の接合部139-4との間にそれぞれ画定される。いくつかの例では、第1のファセット138Aの長さは、第2のファセット138Bの長さよりも大きくてもよく、他の例では、第1のファセット138Aの長さは、第2のファセット138Bの長さよりも小さくてもよい。第3のファセット138Cは同様に、第4のファセット138Dと比較して異なる長さを含み得、長さは、先端140と第2の接合部139-2及び第4の接合部139-4との間にそれぞれ画定される。いくつかの例では、第3のファセット138Cの長さは、第4のファセット138Dの長さよりも大きくてもよく、他の例では、第3のファセット138Cの長さは、第4のファセット138Dの長さよりも小さくてもよい。
【0021】
図19を参照すると、第1の外側面148’は、2つのファセット138A’及び138C’を備え、第2の外側面150’は、1つのファセット138B’のみを備える。第3のファセット138C’は同様に、第2のファセット138B’と比較して異なる長さを含み得、長さは、先端140’と第2の接合部139-2’及び第3の接合部139-3’との間にそれぞれ画定される。いくつかの例では、第3のファセット138C’の長さは、第2のファセット138B’の長さよりも大きくてもよく、他の例では、第3のファセット138C’の長さは、第2のファセット138B’の長さよりも小さくてもよい。
【0022】
かみそり刃118、118’の各々は、複数の外面を備え得る。
図18を参照すると、かみそり刃118は、刃本体130の第1の部分130A及び第2の部分130Bの外面によってそれぞれ画定される第1の刃本体外面131A及び第2の刃本外外面131Bと、第1のファセット138A、第2のファセット138B、第3のファセット138C、及び第4のファセット138Dの外面によってそれぞれ画定される第1のファセット外面139A、第2のファセット外面139B、第3のファセット外面139C、及び第4のファセット外面139Dと、を備える。第1の刃本体外面131A及び第2の刃本体外面131Bは、互いに略平行であり得、分割線SL
128は、第1の刃本体外面131A及び第2の刃本体外面131Bと略平行であり得る。基材128の第1の外側面148は、第1の刃本体外面131Aと、第1のファセット外面139A及び第3のファセット外面139Cと、を含み、第2の外側面150は、第2の刃本体外面131Bと、第2のファセット外面139B及び第4のファセット外面139Dと、を含む。第1の外側面148及び第2の外側面150は、先端140で収束して、基材128の刃先を画定する。第2のファセット138B及び第4のファセット138Dは、第1のファセット138A及び第3のファセット138Cよりも分割線SL
128の近くに位置し得、その結果、基材128の第1の半体144が第2の半体146よりも大きくなる。
【0023】
図19を参照すると、かみそり刃118’は、刃本体130’の第1の部分130A’及び第2の部分130B’の外面によってそれぞれ画定される第1の刃本体外面131A’及び第2の刃本体外面131B’を備える。第1のファセット外面139A’、第2のファセット外面139B’、及び第3のファセット外面139C’は、それぞれ、第1のファセット138A’、第2のファセット138B’、及び第3のファセット138C’の外面によって画定される。第1の刃本体外面131A’及び第2の刃本体外面131B’は、互いに略平行であり得、分割線SL
128’は、第1の刃本体外面131A’及び第2の刃本体外面131B’と略平行であり得る。基材128’の第1の外側面148’は、第1の刃本体外面131A’と、第1のファセット外面139A’及び第3のファセット外面139C’と、を含み、第2の外側面150’は、第2の刃本体外面131B’と、第2のファセット外面139B’と、を含む。第1の外側面148’及び第2の外側面150’は、先端140’で収束して、基材128’の刃先を画定する。第2のファセット138B’は、第1のファセット138A’及び第3のファセット138C’よりも分割線SL
128’の近くに位置し得、その結果、基材128’の第1の半体144’が第2の半体146’よりも大きくなる。
【0024】
本開示によるかみそり刃は、かみそり刃の一方又は両方の外側面に実質的に配設されたコーティングを備え得、一方の外側面の少なくとも一部分は、いかなるコーティングも含まない。本明細書で使用される場合、「層」は、層の組成、形態、又は構造、層間の境界の存在、製品を作製するために使用されるプロセスが1つ以上の層をもたらすことが予想されるかどうか、及び1つ以上の層をもたらすために組成又は形態に十分な変化が存在するかどうかを含むがこれらに限定されない様々な要因によって満たされる、かみそり刃上の少なくとも1つの材料を表し得る。一例として、かみそり刃には1つのタイプの材料しか存在しないが、識別可能な層があり、各層は異なる形態を有し得る。本明細書で使用される場合、「コーティング」は、各層が1つ以上の材料を備える、かみそり刃上の1つ以上の層を表し得る。したがって、本発明の「コーティング」は、単層又は複数の層によって定義され得る。本発明はまた、かみそりの刃の1つの側面上の全ての層を含む、かみそりの刃の1つ側面上の全体又は全体的なコーティングを表すために「コーティング」という用語を企図する。
【0025】
特に、本明細書で使用される場合、「コーティング」は、かみそり刃の一方の外側面に適用される材料の全ての層を含む。例えば、コーティングは、かみそりの刃の一方の外側面の一部分又は全体上に実質的に配設される第1の層、第1の層の少なくとも一部分上に形成された第2の層、第2の層の少なくとも一部分上に形成された第3の層などの、本明細書で定義される1つ以上の層を含み得る。コーティングは、かみそり刃の一方の外側面上に実質的に配設された複数のセクションを更に含み得、各セクションは、材料の1つ以上の層を備え得る。例えば、コーティングは、かみそり刃の一方の外側面上の第1の点又は場所から一方の外側面上の第2の点又は場所まで実質的に延びる第1のセクション、第2の点又は場所から一方の外側面上の第3の点又は場所まで実質的に延びる第2のセクション、第3の点又は場所から一方の外側面上の第4の点又は場所まで実質的に延びる第3のセクションなどを備え得、各セクションは、本明細書に詳述するように、隣接するセクションと実質的に異なる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「上に実質的に配設され」という語句、「から実質的に延びる」という語句、及び同様の語句は、1つ以上の層及び/又はそのセクションを含む各コーティングの場所又は位置を説明するために使用され、コーティング/層/セクションの大部分が、かみそり刃の示された外側面及び/若しくは表面上に配設され、並びに/又はコーティング/層/セクションの大部分が、かみそり刃の外側面及び/若しくは表面上の2つの示された点又は場所間に延びることを表す。
図34~
図37に関して本明細書に記載のように、これらの語句は、コーティング/層/セクションの一部分が先端の上に、かつ他方の外側面若しくは表面上に延びるか、隣接する外側面若しくは表面上に重複するか、表面上の2つの示された点若しくは場所をわずかに超えて延びるか、又は、隣接するファセット間若しくは刃本体とファセットとの間の識別された接合部をわずかに越えて延びるか、若しくはこの接合部のわずかに手前で停止する構造を包含し得る。
【0027】
本開示によれば、かみそり刃の一方の外側面は、コーティングを備え、かみそり刃の他方の外側面の少なくとも一部分は、いかなるコーティングも含まない。
図4~
図17は、対称な基材28を有する非対称なかみそり刃18に関する例示的なコーティングを例示し、
図20~
図33は、非対称な基材128を有する非対称なかみそり刃118に関する例示的なコーティングを示す。
図5~
図17及び
図20~
図33のいくつかの標識は、構造の他の態様を詳細に示すために除去されている。
【0028】
本明細書で使用される場合、「対称」、「非対称」、及びそれらの派生語は、基材の分割線に関して決定されるように、かみそり刃及び/又はその上に形成されたコーティングを画定する基材の外形を指し得る。例えば、
図4の基材28は実質的に対称である(すなわち、分割線SL
28は、互いの略鏡像である実質的に同様の外形で基材28を実質的に等しいセクション/半体44及び46に分割(divide)する)が、本開示による基材28上に形成されたコーティングは、本明細書に詳述するように、非対称であり得、その結果、かみそり刃18は、非対称である。
図18の基材128及びその上に形成されたコーティングは、本明細書に記載のように、両方とも非対称であり、そのためかみそり刃118は非対称である。
【0029】
図4~
図17では、基材28の一方の外側面、例えば、第1の外側面48は、コーティングを備え得、基材28の他方の外側面、例えば、第2の外側面50の少なくとも一部分51は、いかなるコーティングも実質的に含まなくてもよい。いくつかの例では、第1の外側面48の少なくとも一部分は、皮膚接触面を画定し得る。
図4~
図16に示されるように、部分51は、先端領域35から基部32に向かって延びてもよいし、又は
図17に示されるように、先端領域35及び基部32から離間されていてもよい。本明細書で使用される場合、「第1」及び「第2」という用語は、参照のみのためのものであり、限定することを意図するものではないことが再度強調される。例えば、
図4~
図17の基材28の左側は「第1」の外側面と称されるが、基材28の右側もまた、「第1」の外側面であり得ることが理解される。
【0030】
図4~
図6を参照すると、かみそり刃18は、基材28の第1の外側面48上に実質的に配設されているコーティング60を備え得る。いくつかの例では、コーティング60は、
図4に示されるように、単一の材料層を備え得る。他の例では、コーティング60は、
図5及び
図6に示され、かつ本明細書に詳述するように、複数の材料層を含み得る。コーティング60は、基材28の第1の外側面48に沿って先端領域35から基部32(
図4を参照)に向かって延びる。
図4に示されるように、基材28の先端部分34は、先端領域35を含み、先端領域35は、先端40に加えて、
図34に示すように、先端40から基部32に向かって延びる基材28の一部分を、第1の外側面48及び第2の外側面50に沿って約1μMだけ包含する、すなわち含む。
【0031】
図5を参照すると、いくつかの例では、コーティング60は、第1の層60A及び第2の層60Bを備え得、第1の層60Aは、第1の外側面48上に実質的に配設されており、第2の層60Bは、第1の層60Aの少なくとも一部分の上に形成されている。
図6を参照すると、他の例では、第1のコーティング60は、第1の層60A、第2の層60B、及び第3の層60Cを備え得、第1の層60Aは、第1の外側面48上に実質的に配設されており、第2の層60Bは、第1の層60Aの少なくとも一部分の上に形成されており、第3の層60Cは、第2の層60Bの少なくとも一部分の上に形成されている。本明細書に記載のように、コーティング60及び/又はその層60A~60Cのいずれかは、イオン注入に供されて、例えば、
図13に示されるイオン注入された材料61を含む層60’を生成し得る。
【0032】
図4~
図6に示される例では、コーティング60(その全ての層60A~60Cを含む)は、基材28の第1の外側面48に沿って、先端領域35から刃本体30上に、場合によっては、
図4に示されるように、かみそり刃18の基部32まで全て延びるように描画されている。他の例では、
図7及び
図8に示されるように、コーティング及び/又はその1つ以上の層は、刃本体30及び/又はベース32の手前で停止し得、いくつかの特定の例では、コーティング及び/又はその1つ以上の層は、基材28の先端部分34のみ、例えば、第1ファセット38A及び第3のファセット38Cの一方又は両方上に実質的に配設され得る。
【0033】
図7及び
図8、
図4の基材28の標識を参照すると、コーティング64、68は、それぞれの第1の層64A、68A及び第2の層64B、68Bを含む1つ以上の層を備え得る。第1の層64A、68Aは、基材28の第1の外側面48上に実質的に配設されており、かつその一部分に沿って、先端領域35から基部32に向かって、それぞれの第1の距離D
1、D
1’にわたって延びる。第2の層64B、68Bは、それぞれの第1の層64A、68Bの少なくとも一部分の上に形成されており、先端領域35から基部32に向かって、それぞれの第2の距離D
2、D
2’にわたって延びる。いくつかの例では、第2の距離D
2、D
2’は、それぞれの第1の距離D
1、D
1’よりも小さくてもよい。
図7では、第1の層64Aは、先端領域35から刃本体30上に、かつ基部32に向かって、第1の外側面48に沿って延び得、第2の層64Bは、第1のファセット38A及び第3のファセット38C上に実質的に配設され得、第2の層64Bは、先端領域35から第1のファセット38Aと刃本体30との間の第1の接合部39-1の周りにまで延びる。
図8では、第1の層68Aは、先端領域35から刃本体30上に、かつ基部32に向かって第1の外側面48に沿って延び得、第2の層68Bは、第3のファセット38C上に実質的に配設され得、第2の層68Bは、先端領域35から第1のファセット38Aと第2のファセット38Bとの間の第2の接合部39-2の周りにまで延びる。他の例では、第2の距離D
2、D
2’は、それぞれの第1の距離D
1、D
1’と略同じであり得る。場合によっては、第1及び第2の層は両方とも、第1のファセット38A及び第3のファセット38C上に、又は第3のファセット38Cのみに配設され得る。
図7及び
図8を引き続き参照すると、いくつかの構成では、コーティング64及び68は、2つ以上の層、例えば、第1の層64A、68A及び第2の層64B、68Bを備え得る。他の構成では、コーティング64及び68は、第2の層64B及び68Bのみを備え得る(第1の64A及び68Aは、
図7及び
図8に破線で示されており、それらが任意選択であることを示している)。
【0034】
図9~
図11を参照すると、更なる例では、第1の外側面48上に実質的に配設されたコーティング72は、2つ以上のセクションを備え得る。
図9及び
図10に示すように、コーティング72は、第1のセクション72-1及び第2のセクション72-2を含み得る。コーティング72の第1のセクション72-1は、基材28の先端領域35に実質的に対応し得る第1の点又は場所73-1から、第1の外側面48上の第2の点又は場所73-2まで実質的に第1の外側面48に沿って延び得る。第2のセクション72-2は、第2の場所73-2から第1の外側面48上の第3の点又は場所73-3まで実質的に延び得る。
図9、及び
図4の基材28の標識を参照すると、第2の場所73-2は、ファセットと刃本体30との間の接合部、例えば、第1のファセット38Aと刃本体30との間の接合部39-1の周りに位置付けられ得、第1のセクション72-1が、第1の外側面48上の第1及び第3のファセット38A及び38C上に実質的に位置し得、第2のセクション72-2が、刃本体30上に実質的に位置し得るようにする。
図10、及び
図4の基材28の標識を参照すると、第2の場所73-2は、2つの隣接するファセット間の接合部、例えば、第1のファセット38Aと第3のファセット38Cとの間の接合部39-2の周りに位置付けられ得、第1のセクション72-1が、第3のファセット38C上に実質的に位置するようにする。
図9及び
図10に描画される例では、第3の場所73-3は、第2の場所73-2から離間され得、例えば、
図9に示すように、基材28の基部32に向かって、又はその近くに位置し得る。
【0035】
図11に示すように、コーティング72は、第1のセクション72-1、第2のセクション72-2、及び第3のセクション72-3を含み得る。第1のセクション72-1は、基材28の先端領域35に実質的に対応し得る第1の点又は場所73-1から、第1の外側面48上の第2の点又は場所73-2まで実質的に第1の外側面48に沿って延び得、第2のセクション72-2は、第2の場所73-2から第1の外側面48上の第3の点又は場所73-3まで実質的に延び得、第3のセクション72-3は、第3の場所73-3から第1の外側面48上の第4の点又は場所(図示せず)まで実質的に延び得る。
図11、及び
図4の基材28の標識を参照すると、第2の場所73-2は、第1のファセット38Aと第3のファセット38Cとの間の接合部39-2の周りに位置付けられ得、第3の場所73-3は、第1のファセット38Aと刃本体との間の接合部39-1の周りに位置付けられ得、第1のセクション72-1及び第2のセクション72-2が、それぞれ実質的に第1ファセット38A及び第3のファセット38C上に実質的に配設され得、第3のセクション72-3が、刃本体30上に実質的に位置し得るようにする。第4の場所は、第3の場所73-3から離間され得、例えば、基材28の基部32に向かって、又はその近くに位置し得る。
【0036】
図12を参照すると、更なる例では、基材28は、コーティング76の少なくとも1セクションに沿って、先端領域35から基部32に向かって延びる方向に変動する厚さを有するコーティング76を備え得、厚さは、コーティング76の外面76Aと基材28の外面28Aとの間で測定される。コーティング76は、例えば、
図12に示されるように、厚さが増加し得る。
【0037】
図4~
図12に示される例では、コーティング60、64、68、72、及び76(及びその全ての層又はセクション)の外形は、コーティングが形成されている基材28の下にある部分の外形に略一致する及び/又は鏡像になる。他の例では、
図14に示すように、基材28は、基材28の下にある部分の外形とは異なる外形を画定する1つ以上のセクションを有するコーティング80を備え得る。コーティング80は、コーティング80が基材28から外向きに膨らみ、基材28の下にある部分のうちの1つ以上の外形とは異なる外形、例えば、第1のファセット外面及び第3のファセット外面(標識なし、
図4のファセット外面39A及び39Cを参照)を形成する、厚くされたセクション80Aを含み得る。コーティング80は、基材28の下にある部分、例えば、第1の刃本体外面(標識なし、
図4の刃本体外面31Aを参照)の外形により厳密に一致する外形を有する第2のセクション80Bを任意選択的に含み得る。
【0038】
図4~
図17では、コーティング60、64、68、72、76、及び80は、第1の外側面48上の第1のファセット(すなわち、第1のファセット38A及び/又は第3のファセット38C)の一方又は両方に配設され得、いかなるコーティングも含まない第2の外側面50の部分51は、第2のファセット(すなわち、第2のファセット38B及び/又は第4のファセット38D)の一方又は両方の少なくとも一部分を備え得る。
図4~
図14に示される例では、いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面50の部分51は、第2の外側面50の全体を実質的に含み得る。
図15~
図17に示される例では、いかなるコーティングも実質的に含まない部分51は、第2の外側面50の一部のみを含み得る(本明細書では第1の部分又はコーティングされていない部分とも称される)。第2の外側面50の第2の部分53は、その上に実質的に配設された第2のコーティング62を備え得、第2の外側面50の一部のみがコーティングされていないようにする。
【0039】
図15~
図16、及び
図4の基材28の標識を参照すると、いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面50の第1の部分51は、先端領域35から基部32に向かって延び得、第2のコーティング62は、第1の場所75-1から第2の場所75-2まで実質的に延び得、第1の場所75-1は、先端領域35から離間されており、第2の場所75-2は、基部32に向かって位置する。
図15では、第1の場所75-1は、刃本体30と第4のファセット38Dとの間の接合部39-3に実質的に対応し得、第2の外側面50のコーティングされていない部分51が、第2のファセット38B及び第4のファセット38Dの全体を実質的に備え得るようにする。
図16では、第1の場所75-1は、第2のファセット38Bと第4のファセット38Dとの間の接合部39-4に実質的に対応し得、第2の外側面50のコーティングされていない部分51が、第4のファセット38Dの全体を実質的に備え得るようにする。第2のコーティング62は、第2の外側面50のコーティングされていない部分51がこれらのパラメータ内の任意の所望の場所に位置するように配設され得ることが理解され得る。
【0040】
図17、及び
図4の基材28の標識を参照すると、更なる例では、第2のコーティング62は、第1のセクション62-1及び第2のセクション62-2を含み得、第2の外側面50のコーティングされていない部分51は、第2のコーティング62の第1のセクション62-1と第2のセクション62-2との間に位置し得、コーティングされていない部分51が、先端領域35及び基部32から離間されるようにする。例えば、第2のコーティング62の第1のセクション62-1は、第1の場所75-1から第2の場所75-2まで実質的に延び得、第2のセクション62-2は、第3の場所75-3から第4の場所75-4まで実質的に延び得る。第1の場所75-1は、基材28の先端領域35に実質的に対応し得、第2の場所75-2は、第3の場所75-3から離間され得る。
図17に示される例では、第2の場所75-2は、第2のファセット38Bと第4のファセット38Dとの間の接合部39-4に実質的に対応し得、第3の場所75-3は、刃本体30と第4のファセット38Dとの間の接合39-3に実質的に対応し得、第4の場所75-4は、基材28の基部32に向かって位置し得、第2の外側面50のコーティングされていない部分51が、第2のファセット38Bの全体を実質的に備え得るようにする。第2のコーティング62のセクション62-1及び62-2は、第2の外側面50のコーティングされていない部分51がこれらのパラメータ内の任意の所望の場所に位置するように配設され得ることが理解される。
【0041】
全ての例では、各コーティングは、1つ以上の材料を含み得る。
図5~
図8に示すように、基材28が複数の層を有するコーティングを備える例では、層は、互いに比較して、同じ材料又は1つ以上の異なる材料を含み得る。例えば、コーティングの第1の層は、1つ以上の第1の材料を含み得、コーティングの第2の層は、1つ以上の第2の材料を含み得、第2の材料のうちの少なくとも1つは、第1の材料のうちの少なくとも1つとは異なる。
図9~
図11に示されるように、基材28が2つ以上のセクションを有するコーティングを備える例では、各セクションは、隣接するセクション又は近隣のセクションと比較して、異なる材料を含み得る。
図15~
図17に示されるように、基材28が第1及び第2のコーティングを備える例では、コーティングは、互いに比較して、同じ材料又は1つ以上の異なる材料を含み得る。例えば、第1のコーティングは、1つ以上の第1の材料を含み得、第2のコーティングは、1つ以上の第2の材料を含み得、第2の材料のうちの少なくとも1つは、第1の材料のうちの少なくとも1つとは異なる。
【0042】
材料は、1つ以上の炭素含有材料(例えば、ダイヤモンド、非晶質ダイヤモンド、ナノ結晶ダイヤモンド、又はダイヤモンド様炭素(DLC))、窒化物(例えば、窒化ホウ素、窒化ニオブ、窒化クロム、窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、炭窒化チタン)、炭化物(例えば、炭化ケイ素又は炭化クロム)、酸化物(例えば、アルミナ、ジルコニア)、二ホウ化チタン、1つ以上のセラミック材料、フッ素化ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)、ニオブ、クロム、及び白金クロムを含み得る。炭素含有材料は、タングステン、チタン、又はクロムなどの他の元素を、例えばスパッタリング適用中にこれらの添加物をターゲット材の中に含めることにより、添加することができる。これらの材料はまた、水素、例えば水素化DLCを組み込むことができる。材料は、炭素ベースのナノ複合材、金属マトリックスナノ複合材、及び/又はセラミックマトリックスナノ複合材などの1つ以上のナノ複合材、例えば、ダイヤモンド及び炭素及びナノ複合材料を含み得る。
【0043】
材料は、材料の摩擦係数に少なくとも部分的に基づいて選択され得、様々なコーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションの材料は、互いに比較して、異なる摩擦係数を有する1つ以上の材料を含む。例えば、
図4のコーティング60又は
図5~
図7のそれらの外層60B、60C、64B、68Bは、特に基材28の第1の外側面48が皮膚接触表面を少なくとも部分的に画定するときに、PTFEなどの摩擦係数が低い材料を含み得る。存在するときに、第2のコーティング62(
図15~
図17を参照)は、ポリプロピレンなどのPTFEよりも摩擦係数が高い材料を含み得る。
【0044】
コーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションの材料はまた、形態に少なくとも部分的に基づいて選択され得、これは微細構造(例えば、非晶質、柱状、結晶性、高密度、多孔質など)を含み得る。多孔質微細構造は、後続のポリマーコーティングの接着を改善し得る。所望の形態は、例えば、本明細書に記載のように、異なる適用技術を介して、又は異なる適用速度での同じ適用技術を介してコーティング及び/及び層及び/又はそれらのセクションを適用することによって取得され得る。
【0045】
コーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションの材料は、材料の硬度に少なくとも部分的に基づいて、更に選択され得る。1つのコーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションは、第1の硬度を含み得、別のコーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションは、第2の硬度を含み得る。いくつかの例では、第1の硬度は、約7GPaよりも大きくてもよく、第2の硬度は、第1の硬度の約2倍より大きい、例えば、約15GPaよりも大きくてもよい。他の例では、第1の硬度は、約7GPa~約10GPaであり得、第2の硬度は、約15GPa~約60GPaであり得る。硬度に関して本明細書で使用される場合、「約」という用語は、±0.5GPaを意味し得る。
【0046】
コーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションのテクスチャもまた選択され得る。例えば、
図4のコーティング60又は
図5~
図7のそれらの外層60B、60C、64B、68Bは、特に基材28の第1の外側面48が皮膚接触表面を少なくとも部分的に画定するときに、実質的に滑らかなテクスチャを備え得る。存在するときに、第2のコーティング62(
図15~
図17参照)は、突出部を含み得る不連続又はより粗いテクスチャを備え得る。所望のテクスチャは、例えば、本明細書に記載のように、異なる適用技術を介して、又は異なる適用速度での同じ適用技術を介してコーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションを適用することによって取得され得る。テクスチャはまた、本明細書に記載のように、1つ以上の適用後処理方法を介して変更され得る。
【0047】
更なる例では、コーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションのうちの少なくとも1セクションは、1つ以上の適用後処理(例えば、コーティングの表面の修飾及び/又はコーティングの1つ以上の層の修飾)に供され得る。例えば、コーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションのうちの1つ以上のセクションは、イオン注入に供され得る。
図13を参照すると、コーティング60’の少なくとも1セクションは、イオン注入された材料61を含み得る。イオン注入された材料61は、例えば、プラズマ窒化された材料又はプラズマホウ化された材料を含み得る。イオン注入は、本明細書に記載のように実施され得、コーティング60’の全部又は一部に対して実施され得る。1つ以上の適用後処理はまた、コーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションのテクスチャを変更することを含み得る。例えば、コーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションは、化学修飾(例えば、溶媒処理)及び/又は機械的修飾(例えば、イオンエッチング、イオン注入、研磨、ラビング、ポリッシングなど)に供されて、表面テクスチャを変更し得る。
【0048】
1つ以上の適用後処理は、例えば、溶媒処理、イオンエッチングなどによって、コーティング及び/又は層及び/又はそれらのセクションを部分的に除去することを更に含み得る。部分的除去は、例えば、第2のコーティングの1つ以上のセクションに沿ったコーティングの厚さ(すなわち、基材の下にある部分に実質的に垂直な方向)の全部又は一部の除去を含み得、コーティングの少なくとも一部分は無傷のままである。いくつかの例では、コーティングの1つ以上の部分の部分的な除去には、材料が部分的に除去されたコーティングに材料を選択的に適用することを含む1つ以上の追加の適用後処理が続き得る。選択的に適用された材料は、任意の好適な方法を使用して、適用され得る。選択的に適用された材料は、フルオロポリマー、PTFE、又はポリプロピレンなどの例えば、ポリマー又は有機化合物を含み得る。いくつかの特定の例では、材料が選択的に適用されるコーティングの部分は、かみそり刃の皮膚接触面を画定し得る。
【0049】
ここで
図20~
図33を参照すると、かみそり刃118は、
図4~
図17に描画され、本明細書に詳述するかみそり刃18と実質的に同様である1つ以上のコーティングを備え得、基材128の第1の外側面148又は第2の外側面150のうちの一方は、コーティングを備え得、基材128の第1の外側面148又は第2の外側面150のうちの他方の少なくとも一部分149又は151は、いかなるコーティングも実質的に含まなくてもよい。第1の外側面148がコーティングを備えるいくつかの特定の例では、第1の外側面148の少なくとも一部分は、皮膚接触面を画定し得る。
図20~
図32に示されるように、部分149、151は、先端領域135から基部132に向かって延び得るか、又は
図33に示されるように、先端領域135及び基部132から離間され得る。
【0050】
図20A、
図21A、及び
図22Aに示されるように、かみそり刃118は、基材128の第1の外側面148上に実質的に配設され、かつ先端領域135から基部(図示せず、
図18の基部132を参照)に向かって第1の外側面148に沿って延びるコーティング160を備え得る。いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面150の部分151は、先端領域135から基部に向かって延び得る。コーティング160は、
図20Aに示されるように、単一の材料層、又は
図21A及び
図22Aに示されるように、複数の材料層、例えば、第1の層160A、第2の層160B、及び/又は第3の層160Cを備え得る。第1の層160Aは、第1の外側面148上に実質的に配設されており、第2の層160Bが、第1の層160Aの少なくとも一部分の上に形成されており、存在するときに、第3の層160Cは、第2の層160Bの少なくとも一部分の上に形成される。
図20B、
図21B、及び
図22Bは、
図20A、
図21A、及び
図22Aのそれぞれの代替構成を描画し、かみそり刃118が、基材128の第2の外側面150上に実質的に配設されたコーティング162を備え、第1の外側面148は、いかなるコーティングも実質的に含まない部分149を備える。コーティング162は、先端領域135から基部(図示せず、
図18の基部132を参照)に向かって第1の外側面150に沿って延びる。いかなるコーティングも実質的に含まない部分149は、先端領域135から基部に向かって延び得る。コーティング162は、
図20Bに示されるように、単一の材料層、又は
図21B及び22Bに示されるように、複数の材料層、例えば、第1の層162A、第2の層162B、及び/又は第3の層162Cを備え得る。本明細書に記載のように、コーティング160、162及び/又はそれらの層160A~160C、162A~162Cのいずれかは、イオン注入に供されて、例えば、それぞれ、
図29A及び29Bに示されるイオン注入された材料161又は163を含む層160’又は162’を生成し得る。
【0051】
図20~
図22に示される例では、コーティング160及び162(それらの全ての層160A~160C及び162A~162Cを含む)は、基材128のそれぞれの外側面148又は150に沿って、先端領域135から刃本体(標識なし、
図18の刃本体130を参照)上に延びるように描画されており、場合によっては、かみそり刃118の基部(図示せず、
図18の基部132を参照)まで全て延び得る。他の例では、コーティング及び/又はその1つ以上の層は、刃本体及び/又はベースの手前で停止してもよく、いくつかの特定の例では、コーティング及び/又はその1つ以上の層は、基材128の先端部分(標識なし、
図18の134を参照)、例えば、第1及び第3のファセットの一方若しくは両方、又は第2及び第4のファセットの一方若しくは両方(標識なし、
図18のファセット138A~138Dを参照)上にのみ実質的に配設され得る。
【0052】
図23A及び
図24A、並びに
図18の基材128の標識を参照すると、第1のコーティング164、168は、先端領域135から基部132に向かって、それぞれの第1の距離D
10、D
10’にわたって基材128の第1の外側面148の一部分上に実質的に配設されて、かつこれに沿って延びる第1の層164A、168Aと、それぞれ第1の層164A、168Bの少なくとも一部分の上に形成され、かつ先端領域135から基部132に向かって、それぞれの第2の距離D
20、D
20’にわたって延びる第2の層164B、168Bと、を含む1つ以上の層を備え得る。いくつかの例では、第2の距離D
20、D
20’は、それぞれの第1の距離D
10、D
10’よりも小さくてもよい。
図23Aでは、第1の層164Aは、先端領域135から刃本体130上に、かつ基部132に向かって、第1の外側面148に沿って延び得、第2の層164Bは、第1のファセット138A及び第3のファセット138C上に実質的に配設され得、第2の層164Bは、先端領域135から第1のファセット138Aと刃本体130との間の第1の接合部139-1の周りにまで延びる。
図24Aでは、第1の層168Aは、先端領域135から刃本体130上に、かつ基部132に向かって第1の外側面148に沿って延び得、第2の層168Bは、第3のファセット138C上に実質的に配設され得、第2の層168Bは、先端領域135から第1のファセット138Aと第2のファセット138Bとの間の第2の接合部139-2の周りにまで延びる。他の例では、第2の距離D
20、D
20’は、それぞれの第1の距離D
10、D
10’と略同じであり得る。場合によっては(図示せず)、第1及び第2の層は両方とも、第1のファセット138A及び第3のファセット138C上に、又は第3のファセット138Cのみに配設され得る。
【0053】
図23B及び
図24Bは、それぞれ
図23A及び24Aの代替構成を描画し、第2の外側面150が、その上に実質的に配設されたコーティング166、170を備え、各コーティング166、170が、それぞれの第1の層166A、170A及び第2の層166B、170Bを含む1つ以上の層を備え得る。各第1の層166A、170Aは、先端領域135から基部(図示せず、
図18の基部132)に向かって第2の外側面150の一部分に沿って、それぞれの第3の距離D
30、D
30’にわたって延び、各第2の層166B、170Bは、先端領域135から基部に向かって、それぞれの第4の距離D
40、D
40’にわたって延びる。いくつかの例では、第4の距離D
40、D
40’は、それぞれの第3の距離D
30、D
30’よりも小さくてもよく、例えば、
図23Bのコーティング166の第2の層166Bは、第2及び第4のファセット(標識なし、
図18のファセット138B及び138Dを参照)上に実質的に配設されており、
図24Bのコーティング170の第2の層170Bは、第4のファセット上に実質的に配設されている。他の例では、第4の距離D
40、D
40’は、それぞれの第3の距離D
30、D
30’と略同じであり得る。
図23及び
図24に描画される例では、コーティング164、166、168、及び170は、2つの層、例えば、それぞれの第1の層164A、166A、168A、及び170A、並びに第2の層164B、166B、168B、及び170Bを備え得る。他の構成では、コーティング164、166、168、及び170は、第2の層164B、166B、168B、及び170Bのみを備え得る(第1の層164A、166A、168A、及び170Aは、
図23及び
図24に破線で示されており、それらが任意選択であることを示している)。
【0054】
図25A、
図26A、及び
図27Aを参照すると、更なる例では、コーティング172は、第1のセクション172-1、第2のセクション172-2、及び第3のセクション172-3を含む2つ以上のセクションを含み得る。第1のセクション172-1は、基材128の先端領域135に実質的に対応し得る第1の点又は場所173-1から、第2の点又は場所173-2まで実質的に第1の外側面148に沿って延び得、第2のセクション172-2は、第2の場所173-2から第3の点又は場所173-3まで実質的に延び得、存在するときに、第3のセクション172-3は、第3の場所173-3から第4の点又は場所(図示せず)まで実質的に延び得る。
図25A、及び
図18の基材118の標識を参照すると、第2の場所173-2は、第1のファセット138Aと刃本体130との間の接合部139-1の周りに位置付けられ得、第1のセクション172-1が第1のファセット138A及び第3のファセット138Cに実質的に位置し得、第2のセクション172-2が、刃本体130上に実質的に位置し得るようにする。
図26A、及び
図18の基材118の標識を参照すると、第2の場所173-2は、第1のファセット138Aと第3のファセット138Cとの間の接合部139-2の周りに位置付けられ得、第1のセクション172-1が第3のファセット138C上に実質的に位置し得るようにする。
図25A及び
図26Aに描画される例では、第3の場所173-3は、第2の場所173-2から離間され得、例えば、
図25Aに示すように、基材128の基部132に向かって、又はその近くに位置し得る。
図27A、及び
図18の基材118の標識を参照すると、第2の場所173-2は、第1のファセット138Aと第3のファセット138Cとの間の接合部139-2の周りに位置付けられ得、第3の場所173-3は、第1のファセット138Aと刃本体130との間の接合部139-1の周りに位置付けられ得、第1のセクション172-1及び第2のセクション172-2が、それぞれ実質的に第1ファセット138A及び第3のファセット138C上に実質的に配設され得、第3のセクション172-3が、刃本体130上に実質的に位置し得るようにする。第4の場所(図示せず)は、第3の場所173-3から離間され得、例えば、基材128の基部132に向かって、又はその近くに位置し得る。
【0055】
図25B、
図26B、及び
図27Bは、それぞれ
図25A、
図26A、及び
図27Aの代替構成を描画し、第2の外側面150が、第1のセクション174-1、第2のセクション174-2、及び第3のセクション174-3を含む2つ以上のセクションを含むコーティング174を備える。第1のセクション174-1は、(基材128の先端領域135に実質的に対応し得る)第1の点又は場所175-1から、第2の点又は場所175-2まで実質的に第2の外側面150に沿って延び得、第2のセクション174-2は、第2の場所175-2から第3の点又は場所175-3まで実質的に延び得、存在するときに、第3のセクション174-3は、第3の場所175-3から第4の点又は場所(図示せず)まで実質的に延び得る。
【0056】
図28A及び
図28Bを参照すると、更なる例では、基材128の第1の外側面148又は第2の外側面150のうちの一方は、先端領域135から基部132に向かって延びる方向に、コーティング176及び178の少なくとも1セクションに沿って変動する厚さを有するそれぞれのコーティング176又は178を備え得る。コーティング176及び178の厚さは、それぞれのコーティング176及び178の外面176A、178Aと基材128の外面128Aとの間で測定され得る。コーティング176及び178は、例えば、
図28A及び
図28Bに示されるように、厚さが増加し得る。
【0057】
図20~
図28に示される例では、コーティング160、162、164、166、168、170、172、174、176及び178(並びにそれらの全ての層又はセクション)の外形は、コーティングが形成されている基材128の下にある部分の外形に略一致する及び/又は鏡像になる。他の例では、
図30A及び
図30Bに示されるように、基材128は、基材128の下にある部分の外形とは異なる外形を画定する1つ以上のセクションを有するコーティング180又は182を備え得る。
図30Aに示されるように、コーティング180は、第1の外側面148上に実質的に配設され得、コーティング180が基材128から外向きに膨らみ、基材128の下にある部分のうちの1つ以上の外形とは異なる外形、例えば、第3のファセット外面及び第1のファセット外面の少なくとも一部分(標識なし、
図18のファセット外面139A及び139Cを参照)を形成する、厚くされたセクション180Aを含み得る。
図30Bに示されるように、コーティング182は、第2の外側面150上に実質的に配設され得、コーティング182が基材128から外向きに膨らみ、基材128の下にある部分のうちの1つ以上の外形とは異なる外形、例えば第4のファセット外面及び第2のファセット外面の少なくとも一部分(標識なし、
図18のファセット外面139B及び139Dを参照)を形成する、厚くされたセクション182Aを含み得る。コーティング180及び182は、任意選択的に、基材128の下にある部分の外形、例えば、第1又は第2の刃本体外面(図示せず、
図18の刃本体外面131A、131Bを参照)に厳密に一致する外形を有するそれぞれの第2のセクション180B及び182Bを含み得る。
【0058】
図20A、
図21A、
図22A、
図23A、
図24A、
図25A、
図26A、
図27A、
図28A、
図29A、及び
図30Aでは、コーティング160、164、168、172、176、及び180は、基材128の第1の外側面148上の第1のファセット(すなわち、
図18の第1のファセット138A及び/又は第3のファセット138C)の一方又は両方に配設され得、いかなるコーティングも含まない第2の外側面150の部分151は、第2のファセット(すなわち、
図18の第2のファセット138B及び/又は第4のファセット138D)の一方又は両方の少なくとも一部分を備え得る。
図20B、
図21B、
図22B、
図23B、
図24B、
図25B、
図26B、
図27B、
図28B、
図29B、及び
図30Bでは、コーティング162、166、170、174、178、及び182は、基材128の第2の外側面150上の第2のファセット(すなわち、
図18の第2のファセット138B及び/又は第4のファセット138D)の一方又は両方に配設され得、いかなるコーティングも含まない第1の外側面148の部分149は、第1のファセット(すなわち、
図18の第1のファセット138A及び/又は第3のファセット138C)の一方又は両方の少なくとも一部分を備え得る。
図20~
図30に示される例では、いかなるコーティングも実質的に含まない外側面148又は150の部分149又は151は、それぞれの外側面148又は150の全体を実質的に備え得る。
図31~
図33に示される例では、いかなるコーティングも実質的に含まない部分151は、第2の外側面150の一部のみを備え得る(本明細書では第1の部分又はコーティングされていない部分とも称される)。第2の外側面150の第2の部分153は、その上に実質的に配設された第2のコーティング162を備え得、第2の外側面150の一部のみがコーティングされていないようにする。
【0059】
図31~
図32、及び
図18の基材128の標識を参照すると、いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面150の第1の部分151は、先端領域135から基部132に向かって延び得、第2のコーティング162は、第1の場所175-1から第2の場所175-2まで延び得、第1の場所175-1は、先端領域135から離間されており、第2の場所175-2は、基部132に向かって位置する。
図31では、第1の場所175-1は、刃本体130と第4のファセット138Dとの間の接合部139-3に実質的に対応し得、外側面150のコーティングされていない部分151が、第2のファセット138B及び第4のファセット138Dの全体を実質的に備え得るようにする。
図32では、第1の場所175-1は、第2のファセット138Bと第4のファセット138Dとの間の接合部139-4に実質的に対応し得、外側面150のコーティングされていない部分151が、第4のファセット138Dの全体を実質的に備え得るようにする。第2のコーティング162は、外側面150のコーティングされていない部分151がこれらのパラメータ内の任意の所望の場所に位置するように配設され得ることが理解され得る。
【0060】
図33、及び
図18の基材128の標識を参照すると、更なる例では、第2のコーティング162は、第1のセクション162-1及び第2のセクション162-2を含み得、第2の外側面150のコーティングされていない部分151は、第2のコーティング162の第1のセクション162-1と第2のセクション162-2との間に位置し得、コーティングされていない部分151が、先端領域135及び基部132から離間されるようにする。例えば、第2のコーティング162の第1のセクション162-1は、第1の場所175-1から第2の場所175-2まで実質的に延び得、第2のセクション162-2は、第3の場所175-3から第4の場所175-4まで実質的に延び得る。第1の場所175-1は、基材128の先端領域135に実質的に対応し得、第2の場所175-2は、第3の場所175-3から離間され得る。
図33に示される例では、第2の場所175-2は、第2のファセット138Bと第4のファセット138Dとの間の接合部139-4に実質的に対応し得、第3の場所175-3は、刃本体130と第4のファセット138Dとの間の接合139-3に実質的に対応し得、第4の場所175-4は、基材128の基部132に向かって位置し得、外側面150のコーティングされていない部分151が、第2のファセット138Bの全体を実質的に備え得るようにする。第2のコーティング162のセクション162-1及び162-2は、第2の外側面150のコーティングされていない部分151がこれらのパラメータ内の任意の所望の場所に位置するように配設され得ることが理解される。追加的に、コーティングされていない部分151は、第2の外側面150上に位置するように
図31~
図33に描画されているが、コーティングされていない部分151はまた、第1の外側面148(図示せず)上に位置し得ることが理解される。
【0061】
図20~
図33に描画されるコーティング及び/又はそれらの層及び/又はセクションは、
図4~
図17に関して本明細書に詳述するように、1つ以上の材料を含み得る。材料は、本明細書に記載のプロパティ及び特性(例えば、摩擦係数、形態、テクスチャ、硬度など)のいずれかについて選択され得、コーティング及び/又はそれらの層及び/又はセクションの少なくとも1セクションは、本明細書に詳述するように、1つ以上の適用後処理に供され得る。例えば、コーティング及び/又はそれらの層及び/又はセクションの1つ以上のセクションは、
図29A及び
図29Bに示されるようにイオン注入に供され得、コーティング160’、162’の少なくとも1セクション、イオン注入された材料161、163を含み得る。
【0062】
図34~
図37は、
図4~
図17及び
図20~
図33の基材28及び128のいずれかを表現し得る基材28の先端領域35の詳細図である。
図34は、先端領域35の理想的な表現を描画し、コーティング60が、基材28の第1の外側面48上、すなわち、基材28の分割線S
28の左側にのみ配設され、基材28の第2の外側面50、すなわち、分割線S
28の右側の少なくとも一部分51は、いかなるコーティングも含まない。
【0063】
しかしながら、基材228への材料の適用は、
図35~
図37に例示されるように、わずかな欠陥を有する先端領域235を生成し得る。
図35~
図37では、(分割線SL
228によって定義されるような)基材228の第1の外側面248は、第1の層260A及び第2の層260Bを有するコーティング260を備え得、第2の外側面250の一部分251は、いかなるコーティングも実質的に含まなくてもよい。
図35及び
図36に示されるように、いくつかの例では、コーティング260の小さな部分(層260A及び260Bの一方又は両方を含み得る)は、先端領域235において基材228の第2の外側面250上に配設され得、すなわち、コーティング260の小さな部分(先端240から基部に向かって約1μM以下で延びる)は、分割線SL
228の右側に位置し得る。
図37は、コーティング260が先端240のわずかに手前で停止する更なる例を提供し、コーティング260と先端240との間に小さなギャップ(約1μM以下)があるようにする。
【0064】
本明細書に記載の例では、コーティング260による第2の外側面250への少量の重複(先端240から基部に向かって1μM以下後方に延びる)又は先端領域235における先端240とコーティング260との間のギャップ(約1μM以下)にかかわらず、コーティング260の大部分が基材228の第1の外側面248上に配設されたときに、その全ての層260A及び260Bを含むコーティング260が、基材228の第1の外側面248上に「実質的に」に配設され、「先端領域」から延びるとみなされる。追加的に、
図35及び
図36の「先端領域から基部に向かって」延びる第2の外側面250の部分は、コーティング260による第2の外側面250への少量の重複にかかわらず、「いかなるコーティングも実質的に含まない」とみなされる。
図34~
図37に示される例は、基材228の第1の外側面248上に位置するコーティングを描画するが、コーティングはまた、第2の外側面250上に位置し得ると理解される。
【0065】
第1及び/又は第2のコーティングが2つ以上の層(
図5~
図8及び
図21~
図24を参照)及び/又は2つ以上のセクション(
図9~
図11及び
図25~
図27を参照)を含む例では、各層又はセクションは、基材上で1つの点又は場所から別の点又は場所(例えば、ファセットの隣接するもの間の接合部、又は刃本体とファセットのうちの1つとの間の接合部)まで延びるとして記載されており、いくつかの例では、セクションが隣接するセクションの少なくとも一部分に隣接して接触し得る。
【0066】
図35~
図37に描画される構造と同様に、層及び/又はセクションは、わずかに超えて(約1μM以下)延びるか、又は特定された場所の一方又は両方のわずかに手前で(約1μM以下)停止し得る。場合によっては、2つの隣接するセクション間のインターフェースでの材料の少量の混合、又は隣接するセクション(約1μM以下)間の小さなギャップがあり得る。これらのわずかな欠陥にもかかわらず、コーティングの層又はセクションは、層/セクションの大部分が2つの識別された場所の間に配設されたときに、1つの場所から別の場所に「実質的に」延びるとみなされ得る。
【0067】
本明細書に記載のコーティングは、1つ以上の技術を使用して適用又は選択的に除去され得る。
図38は、1つ以上のコーティングを複数のかみそり刃318の1つ以上の部分に適用し、及び/又は1つ以上のコーティングの適用後に1つ以上の適用後処理を実施するために使用され得る1つ以上のチャンバ及び/又はステーション302-1~302-nを有するシステム300のブロック図である。図示のように、かみそり刃318は、真空堆積、噴霧、浸漬、ブラッシング、成形、焼結、印刷、エッチング、パッド又は塗料を介した適用、インクジェットノズル、それらの任意の組み合わせなどの1つ以上の技術であって、これらのうちのいずれもかみそり刃318の1つ以上の部分をマスキングすることを含んでも含まなくてもよい技術を使用して、1つ以上のコーティングの適用のために、第1のチャンバ302-1内に位置付けされ得る。いくつかの例では、チャンバ302-1は、真空ポンプ390を有する真空チャンバを備え得る。システム300は、異なるコーティング技術を実施するための、及び/又は異なる適用後処理を実施するための1つ以上の追加のチャンバ302-nを任意選択的に備え得る。
【0068】
かみそり刃318は、本明細書に記載の任意のかみそり刃を表し得る。かみそり刃318は、チャンバ302-1内に任意の方式で配置され得る。図示のように、かみそり刃318は、かみそり刃スピンドルと称され得る配置で互いに隣接して位置付けられ得る。刃318はまた、スペーサを使用して互いに間の空間(図示せず)とともに配設され得、これは、かみそり刃318の刃本体330上へのコーティング被覆を増加させることができ得る。刃318はまた、エッジ(標識せず)及び先端340が反対方向に面するか、又は互いに異なる角度(図示せず)で配設され得る。かみそり刃318の任意の実行可能な向きが、本開示において企図される。
【0069】
システム300は、かみそり刃にコーティングを適用するために使用され得、かみそり刃は、分割線の両側に配置された第1及び第2の外側面を有する基材を含む。第1及び第2のコーティングは、第1及び第2の外側面の少なくとも一部分に適用され、第1及び第2のコーティングは、基材の先端領域から基部に向かって延び、実質的にそれぞれの第1又は第2の外側面上に配設されている。コーティングは各々1つ以上の層を備え得る。
【0070】
システム300は、金属、フッ素化ポリマーなどを含む、本明細書に記載されるような複数の異なる種類の材料の適用を収容するように構成され得る。第1及び第2のコーティングは、同時に又は順次に適用され得、同じ又は異なる技術を使用して適用され得る。いくつかの例では、1つ以上の材料の選択的適用は、例えば、基材の1つ以上の部分をマスキングし、材料を基材のマスクされていない部分に適用することによって達成され得る。システム300はまた、本明細書に記載のように、特定の厚さ、外形、形態、テクスチャなどを含む、各コーティングに対して1つ以上の所望の特性を生成するように、第1及び第2のコーティングを適用するように構成され得る。システム300は、イオン注入及び/又はコーティングのテクスチャを変更することを含む、第1のコーティング又は第2のコーティングの少なくとも1つのセクションで1つ以上の適用後処理を実施するように更に構成され得る。
【0071】
図39は、本開示による、かみそり刃をコーティングする例示的な方法400を例示するフロー図である。
図4及び
図18を参照して、かみそり刃18、118は、先端領域35、135を備える先端部分34、134、基部32、132を備える刃体30、130、並びに基材28、128の分割線SL
28、SL
128の両側に配設された第1の外側面48、148及び第2の外側面50、150を備える基材28、128を備えてもよく、第1の外側面48、148及び第2の外側面50、150は、先端40、140で収束する。方法400は、第1の外側面の一部分にのみ第1のコーティングを適用することであって、コーティングが、先端領域から基部に向かって延び、かつ実質的に第1の外側面上に配設されている、適用することを含む、ステップ410、又は第1の外側面の一部分に第1のコーティングを適用することであって、第1のコーティングが、先端領域から基部に向かって延び、かつ実質的に第1の外側面上に配設されている、適用することと、第2の外側面に第2のコーティングを適用することであって、第2の外側面の第1の部分が、いかなるコーティングも実質的に含まず、第2の外側面の第2の部分が、第2のコーティングを備え、第1の部分が、先端領域から基部に向かって延びるか、若しくは先端領域及び基部から離間されている、適用することと、を含む、ステップ420うちのいずれかを含み、その後、方法400は完了し得る。
【0072】
いくつかの特定の例では、基材は、第2のコーティングを備え得る。場合によっては、第2のコーティングが、第1の場所から第2の場所まで実質的に延び得、第1の場所が、先端領域から離間されており、第2の場所が、基部に向かって位置する。第2のコーティングが、第1の場所から第2の場所まで実質的に延びる第1のセクションと、第3の場所から第4の場所まで実質的に延びる第2のセクションと、を含み得、第1の場所が、先端領域を含み、第2の場所が、第3の場所から離間され得、いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面の第1の部分が、第2のコーティングの第1のセクションと第2のセクションとの間に位置し得る。第1のコーティングは、1つ以上の第1の材料を含み得、第2のコーティングは、1つ以上の第2の材料を含み得、第2の材料のうちの少なくとも1つは、第1の材料のうちの少なくとも1つとは異なり得る。第1及び第2のコーティングが、同時又は順次に、及び/又は同じ技術又は異なる技術を使用して適用され得る。
【0073】
第1のコーティングの少なくとも1セクションが、基材の下にある部分の外形とは異なる外形を画定するように、又は第1のコーティングが、先端領域からかみそり刃の基部に向かって延びる方向に第1のコーティングの少なくとも1セクションに沿って変動する厚さを含むように、第1のコーティングが適用され得る。
【0074】
いくつかの例では、第1のコーティングを適用するステップ410が、複数の材料層を適用することを更に含み得る。複数の材料層を適用することは、第1の外側面の一部分に第1の層を適用することであって、第1の層が、先端領域から基部に向かって第1の距離にわたって延びる、適用することと、第1の層の少なくとも1セクションの上に第2の層を適用することであって、第2の層が、先端領域から基部に向かって第1の距離以下の第2の距離にわたって延びる、適用することと、を含み得る。第1の層は、第1の材料を含み得、第2の層は、第1の材料とは異なる第2の材料を含み得る。
【0075】
他の例では、基材の第1の外側面が、1つ以上の第1のファセットを備え得、第2の外側面が、1つ以上の第2のファセットを備え得る。第1のコーティングが、第1のファセットのうちの少なくとも1つに配設され得、いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面の第1の部分が、第2のファセットのうちの少なくとも1つのうちの1つの少なくとも一部分を備え得る。第1のコーティングが、第1の外側面上で第1の場所から第2の場所まで実質的に延びる第1のセクションと、第2の場所から第1の外側面上の第3の場所まで実質的に延びる第2のセクションと、を含むように第1のコーティングが適用され得、第1の場所が、先端領域を含み得、第2の場所が、(i)第1のファセットのうちの2つの隣接するものの間、又は(ii)刃本体と第1のファセットのうちの1つとの間の接合部を備え得る。第2の場所が、第1のファセットのうちの2つの隣接するものの間の接合部を備え得、第3の場所が、刃本体と第1のファセットのうちの1つとの間の接合部を備え得、第1のコーティングが、第3の場所から基部に向かって実質的に延びる第3のセクションを更に含むように第1のコーティングが適用され得る。
【0076】
更なる例では、方法は、第1のコーティングの少なくとも1セクションで1つ以上の適用後処理を実施すること、及び/又は基材が第2のコーティングを備えるときに、第2のコーティングの少なくとも1セクションで1つ以上の適用後処理を実施することを含む、任意選択のステップ430を更に含み得る。場合によっては、1つ以上の適用後処理は、第1及び/又は第2のコーティングの少なくとも1セクションをイオン注入に供すること、又は第1及び/又は第2のコーティングの1つ以上のセクションを部分的に除去することのうちの1つ以上を含み得る。他の場合では、1つ以上の適用後処理が、第1及び/又は第2のコーティングの1つ以上のセクションの部分的除去後、第1及び/又は第2のコーティングに材料を選択的に適用することを更に含み得る。選択的に適用された材料を有する第1又は第2の外側面上の少なくとも一部分は、皮膚接触面を画定し得る。
【0077】
上述した本開示の代表的な実施形態を以下のように説明することができる。
A.かみそり刃であって、
●基材であって、先端領域を含む先端部分、基部を含む刃本体、並びに基材の分割線の両側に配設された第1及び第2の外側面を有し、第1及び第2の外側面が、先端で収束する、基材を備え、
●第1の外側面が、その上に実質的に配設された第1のコーティングを備え、第1のコーティングが、先端領域から基部に向かって延び、
●第2の外側面の第1の部分は、いかなるコーティングも実質的に含まず、第1の部分が、先端領域から基部に向かって延びるか、又は先端領域及び基部から離間されている、かみそり刃。
B.第2の外側面の第2の部分が、その上に実質的に配設された第2のコーティングを備え、第2のコーティングが、実質的に第1の場所から第2の場所まで延び、第1の場所が、先端領域から離間されており、第2の場所が、基部に向かって位置する、パラグラフAに記載のかみそり刃。
C.第1の部分が、第2の外側面の全体を実質的に含む、パラグラフA又はBに記載のかみそり刃。
D.第2の外側面の第2の部分が、その上に実質的に配設された第2のコーティングを備え、第2のコーティングが、第1の場所から第2の場所まで実質的に延びる第1のセクションと、第3の場所から第4の場所まで実質的に延びる第2のセクションと、を含み、第1の場所が、先端領域を含み、第2の場所が、第3の場所から離間されており、いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面の第1の部分が、第2のコーティングの第1のセクションと第2のセクションとの間に位置する、パラグラフA又はCに記載のかみそり刃。
E.第1の外側面の少なくとも一部分が、皮膚接触面を画定する、パラグラフA~Dのいずれか1つに記載のかみそり刃。
F.分割線が、基材を2つの実質的に等しい半体に分割する、パラグラフA~Eのいずれか1つに記載のかみそり刃。
G.分割線が、基材を2つの非対称な半体に分割する、パラグラフA~Fのいずれか1つに記載のかみそり刃。
H.第1のコーティングが、複数の材料層を備える、パラグラフA~Gのいずれか1つに記載のかみそり刃。
I.第1のコーティングが、
●第1の外側面上に実質的に配設されており、かつ先端領域から基部に向かって第1の距離にわたって延びる、第1の層と、
●第1の層の少なくとも1セクションの上に配設されており、先端領域から基部に向かって第1の距離以下の第2の距離にわたって延びる第2の層と、を備える、パラグラフHに記載のかみそり刃。
J.第1の層が、第1の材料を含み、第2の層が、第1の材料とは異なる第2の材料を含む、パラグラフIに記載のかみそり刃。
K.第1のコーティングが、先端領域からかみそり刃の基部に向かって延びる方向に第1のコーティングの少なくとも1セクションに沿って変動する厚さを含む、パラグラフA~Jのいずれか1つに記載のかみそり刃。
L.第1のコーティングが、イオン注入された材料を含む、パラグラフA~Kのいずれか1つに記載のかみそり刃。
M.第1のコーティングの少なくとも1セクションが、基材の下にある部分の外形とは異なる外形を画定する、パラグラフA~Lのいずれか1つに記載のかみそり刃。
N.第2の外側面の第2の部分が、その上に実質的に配設された第2のコーティングを備える、パラグラフA、C、又はE~Mのいずれか1つに記載のかみそり刃。
O.第1のコーティングが、1つ以上の第1の材料を含み、第2のコーティングが、1つ以上の第2の材料を含み、第2の材料のうちの少なくとも1つが、第1の材料のうちの少なくとも1つとは異なる、パラグラフNに記載のかみそり刃。
P.第1の外側面が、1つ以上の第1のファセットを備え、第2の外側面が、1つ以上の第2のファセットを備える、パラグラフA~Oのいずれか1つに記載のかみそり刃。
Q.第1のコーティングが、第1のファセットのうちの少なくとも1つに配設されており、いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面の第1の部分が、第2のファセットのうちの少なくとも1つのうちの1つの少なくとも一部分を備える、パラグラフPに記載のかみそり刃。
R.第1のコーティングが、
●第1の外側面上で第1の場所から第2の場所まで実質的に延びる、第1のセクションと、
●第2の場所から第1の外側面上の第3の場所まで実質的に延びる第2のセクションであって、第1の場所が、先端領域を含み、第2の場所が、(i)第1のファセットのうちの2つの隣接するものの間、又は(ii)刃本体と、第1のファセットのうちの1つとの間の接合部を備える、第2のセクションと、を含む、パラグラフPに記載のかみそり刃。
S.第2の場所が、第1のファセットのうちの2つの隣接するものの間の接合部を備え、第3の場所が、刃本体と第1のファセットのうちの1つとの間の接合部を備え、第1のコーティングが、第3の場所から基部に向かって実質的に延びる第3のセクションを更に含む、パラグラフRに記載のかみそり刃。
T.基材であって、先端領域を含む先端部分、基部を含む刃本体、並びに基材の分割線の両側に配設された第1及び第2の外側面を有し、第1及び第2の外側面が先端で収束する、基材を備えるかみそり刃をコーティングする方法であって、
方法が、
●(i)第1の外側面の一部分にのみ第1のコーティングを適用することであって、コーティングが、先端領域から基部に向かって延び、かつ実質的に第1の外側面上に配設されている、適用することと、又は
●(ii)第1の外側面の一部分に第1のコーティングを適用することであって、第1のコーティングが、先端領域から基部に向かって延び、第1の外側面上に実質的に配設される、適用すること、及び第2のコーティングを第2の外側面に適用することであって、第2の外側面の第1の部分が、いかなるコーティングも実質的に含まず、第2の外側面の第2の部分が、第2のコーティングを備え、第1の部分が、先端領域から基部に向かって延びるか、若しくは先端領域及び基部から離間されている、適用することのうちの1つを含む、方法。
U.基材が、第2のコーティングを備える、パラグラフTに記載の方法。
V.第2のコーティングが、第1の場所から第2の場所まで実質的に延び、第1の場所が、先端領域から離間されており、第2の場所が、基部に向かって位置する、パラグラフUに記載の方法。
W.第2のコーティングが、第1の場所から第2の場所まで実質的に延びる第1のセクションと、第3の場所から第4の場所まで実質的に延びる第2のセクションと、を含み、第1の場所が、先端領域を含み、第2の場所が、第3の場所から離間されており、いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面の第1の部分が、第2のコーティングの第1のセクションと第2のセクションとの間に位置する、パラグラフUに記載の方法。
X.第1のコーティングが、1つ以上の第1の材料を含み、第2のコーティングが、1つ以上の第2の材料を含み、第2の材料のうちの少なくとも1つが、第1の材料のうちの少なくとも1つとは異なる、パラグラフU~Wのいずれか1つに記載の方法。
Y.第1のコーティング及び第2のコーティングが、同時に適用される、パラグラフU~Xのいずれか1つに記載の方法。
Z.第1のコーティング及び第2のコーティングが、順次適用される、パラグラフU~Xのいずれか1つに記載の方法。
AA.第1のコーティング及び第2のコーティングが、同じ技術を使用して適用される、パラグラフU~Zのいずれか1つに記載の方法。
BB.第1のコーティングが、第1の技術で適用され、第2のコーティングが、第1の技術とは異なる第2の技術で適用される、パラグラフU~Zのいずれか1つに記載の方法。
CC.第1のコーティングの少なくとも1セクションが、基材の下にある部分の外形とは異なる外形を画定するように第1のコーティングが適用される、パラグラフT~BBのいずれか1つに記載の方法。
DD.第1のコーティングが、先端領域からかみそり刃の基部に向かって延びる方向に第1のコーティングの少なくとも1セクションに沿って変動する厚さを含むように第1のコーティングが適用される、パラグラフT~CCのいずれか1つに記載の方法。
EE.H.第1のコーティングを適用することが、複数の材料層を適用することを更に含む、パラグラフT~DDのいずれか1つに記載の方法。
FF.複数の材料層を適用することが、
●第1の外側面の一部分に第1の層を適用することであって、第1の層が、先端領域から基部に向かって第1の距離にわたって延びる、適用することと、
●第1の層の少なくとも1セクションの上に第2の層を適用することであって、第2の層が、先端領域から基部に向かって第1の距離以下の第2の距離にわたって延びる、適用することと、を含む、パラグラフEEに記載の方法。
GG.第1の層が、第1の材料を含み、第2の層が、第1の材料とは異なる第2の材料を含む、パラグラフFFに記載の方法。
HH.基材の第1の外側面が、1つ以上の第1のファセットを備え、第2の外側面が、1つ以上の第2のファセットを備える、パラグラフT~GGのいずれか1つに記載の方法。
II.第1のコーティングが、第1のファセットのうちの少なくとも1つに配設されており、いかなるコーティングも実質的に含まない第2の外側面の第1の部分が、第2のファセットのうちの少なくとも1つのうちの1つの少なくとも一部分を備える、パラグラフHHに記載の方法。
JJ.第1のコーティングが、
●第1の外側面上で第1の場所から第2の場所まで実質的に延びる、第1のセクションと、
●第2の場所から第1の外側面上の第3の場所まで実質的に延びる第2のセクションであって、第1の場所が、先端領域を含み、第2の場所が、(i)第1のファセットのうちの2つの隣接するものの間、又は(ii)刃本体と、第1のファセットのうちの1つとの間の接合部を備える、第2のセクションと、を含むように第1のコーティングが適用される、パラグラフHHに記載の方法。
KK.第2の場所が、第1のファセットのうちの2つの隣接するものの間の接合部を備え、第3の場所が、刃本体と第1のファセットのうちの1つとの間の接合部を備え、第1のコーティングが、
●第3の場所から基部に向かって実質的に延びる第3のセクションを更に備えるように第1のコーティングが適用される、パラグラフJJに記載の方法。
LL.
●第1のコーティングの少なくとも1セクションで1つ以上の適用後処理を実施することを更に含む、パラグラフT~JJのいずれか1つに記載の方法。
MM.1つ以上の適用後処理が、
●第1のコーティングの少なくとも1セクションをイオン注入に供すること、又は
●第1のコーティングの1つ以上のセクションを部分的に除去することのうちの1つ以上を含む、パラグラフMMに記載の方法。
NN.1つ以上の適用後処理が、第1のコーティングの1つ以上のセクションの部分的除去後、第1のコーティングに材料を選択的に適用することを更に含む、パラグラフMMに記載の方法。
OO.第1の外側面の少なくとも一部分が、皮膚接触面を画定する、パラグラフNNに記載の方法。
PP.基材が、第2のコーティングを含み、方法は、
●第2のコーティングの少なくとも1セクションで1つ以上の適用後処理を実施することを更に含む、パラグラフTT~JJのいずれか1つに記載の方法。
QQ.1つ以上の適用後処理が、第2のコーティングの1つ以上のセクションを部分的に除去することを含む、パラグラフPPに記載の方法。
【0078】
本明細書に提示される例示は、任意の特定の基材、装置(例えば、デバイス、システムなど)、又は方法の実際の図であることを意図するものではなく、本開示の様々な実施形態を記載及び例示するために用いられる単なる理想化図及び/又は概略図に過ぎない。
【0079】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0080】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0081】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】