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特表2023-51882710SPEローカル及びリモートウェイクによる少接続部数インターフェースウェイクソース通信、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】10SPEローカル及びリモートウェイクによる少接続部数インターフェースウェイクソース通信、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04L 69/323 20220101AFI20230426BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
H04L69/323
H04L25/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557156
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021070305
(87)【国際公開番号】W WO2021195663
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】62/993,825
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チン、エリック
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー、ヴェンカトラマン
【テーマコード(参考)】
5K029
【Fターム(参考)】
5K029AA13
5K029BB03
5K029DD13
5K029KK31
(57)【要約】
10SPEウェイクのソースを通信するためのシステム、方法、及びデバイスが開示される。そのような通信は、分割構成を有する10SPE物理層(PHY)モジュールの少ピン数ハードウェアインターフェースにわたって実行され得る。10SPE PHYのコントローラ側は、ウェイクの通信されたソースに応答して、ローカル又はリモート10SPEウェイク転送を実行することができる。また、少ピン数接続部を介してPHYコントローラをPHYトランシーバに動作可能に結合するためのデジタルインターフェースが開示され、デジタルインターフェースは、デジタルインターフェースの回路の完全性をチェックするための回路を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
10SPE物理層モジュールの物理層トランシーバであって、前記物理層トランシーバは、
分割構成物理層モジュールの前記物理層トランシーバと物理層コントローラとの間の通信リンクの側を定義するように構成されたデジタルインターフェースと、
前記デジタルインターフェースを介して検出されたウェイクのソースを通信するように構成されたウェイク検出論理と、を備える、物理層トランシーバ。
【請求項2】
前記検出されたウェイクの前記ソースは、ローカルウェイク又はリモートウェイクを含む、請求項1に記載の物理層トランシーバ。
【請求項3】
前記ウェイク検出論理は、前記デジタルインターフェースを介してウェイクソースシグナリングのハンドシェイクを実行することによって、前記検出されたウェイクの前記ソースを通信するように構成されている、請求項1に記載の物理層トランシーバ。
【請求項4】
前記ウェイク検出論理は、前記デジタルインターフェースを介してバス信号を提供することによって、前記検出されたウェイクの前記ソースを通信するように構成されている、請求項1に記載の物理層トランシーバ。
【請求項5】
前記ウェイク検出論理は、前記デジタルインターフェースを介してアクセス可能であるリモートウェイク指示及びローカルウェイク指示のうちの1つ以上を生成して記憶するように構成されている、請求項1に記載の物理層トランシーバ。
【請求項6】
ウェイクピンを更に備え、前記ウェイク検出論理は、前記ウェイクピンのアサーションに応答してローカルウェイク指示を生成するように構成されている、請求項1に記載の物理層トランシーバ。
【請求項7】
スイッチング電圧レギュレータの有効化ピンに動作可能に結合するように構成された電力管理ピンを更に備える、請求項1に記載の物理層トランシーバ。
【請求項8】
前記ウェイク検出論理は、前記検出されたウェイクに応答して、前記物理層トランシーバを起動状態にウェイクさせるように構成されている、請求項7に記載の物理層トランシーバ。
【請求項9】
前記10SPE PHYモジュールの前記物理層コントローラの電力供給ピンに動作可能に結合するように構成された調整供給出力ピンを更に備える、請求項1に記載の物理層トランシーバ。
【請求項10】
10SPE物理層(PHY)モジュールの物理層コントローラであって、前記物理層コントローラは、
前記物理層コントローラと分割構成物理層デバイスの物理層トランシーバとの間の通信リンクの側を定義するように構成されたデジタルインターフェースと、
物理層ウェイク転送論理であって、
前記デジタルインターフェースを介して検出されたウェイクのソースを学習し、かつ
前記検出されたウェイクの前記ソースに応答してウェイク転送を生成するように構成された、物理層ウェイク転送論理と、を備える、物理層コントローラ。
【請求項11】
前記ウェイク転送は、リモートウェイク転送又はローカルウェイク転送のうちの1つ以上を含む、請求項10に記載の物理層コントローラ。
【請求項12】
前記物理層ウェイク転送論理は、追加の検出されたウェイクを処理するように構成されており、前記追加の検出されたウェイクのソースは、追加のウェイクソースシグナリングのハンドシェイクに応答して学習される、請求項11に記載の物理層コントローラ。
【請求項13】
前記デジタルインターフェースを介して受信されたバス信号を解釈するように構成されたウェイク検出論理を備える、請求項10に記載の物理層コントローラ。
【請求項14】
前記デジタルインターフェースを介してPHYトランシーバに記憶されたウェイク指示を読み取るように構成されたウェイク検出論理を備える、請求項10に記載の物理層コントローラ。
【請求項15】
方法であって、
ウェイク信号を観察するステップと、
分割構成物理層を有する10SPE物理層モジュールの第1の物理層部分と第2の物理層部分とを結合するデジタルインターフェースを介して、検出されたウェイクのソースを通信するステップと、
前記検出されたウェイクの前記ソースに応答してウェイク転送を実行するステップと、を含む、方法。
【請求項16】
前記検出されたウェイクの前記ソースを通信するステップは、ウェイク検出シグナリングのハンドシェイクを実行するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記検出されたウェイクの前記ソースを通信するステップは、バス信号を解釈するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記検出されたウェイクの前記ソースを通信するステップは、前記10SPE物理層モジュールの前記第1の物理層部分に記憶されたウェイク指示を読み取るステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
追加のウェイクを処理するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
追加のウェイクを処理するステップは、第2のウェイクのソースを通信するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2のウェイクの前記ソースに応答して前記ウェイク転送を実行するステップを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
分割構成を有する10SPE物理層モジュールの物理層トランシーバの回路に動作可能に結合するように構成された複数のピンを有するパッケージであって、前記パッケージングは、
動作可能に結合されたときに、分割構成物理層を形成する、物理層トランシーバのハードウェアインターフェース及び物理層コントローラと関連付けられた第1の数の前記ピンと、
共有伝送メディアと関連付けられた第2の数の前記ピンと、
電力供給と関連付けられた第3の数の前記ピンであって、無停電電力供給と関連付けられたピンを含む、第3の数の前記ピンと、
ローカルウェイクと関連付けられた第4の数のピンと、
前記ピンとは別に配置された導体塊であって、前記物理層トランシーバの前記回路のための接地経路と関連付けられた、導体塊と、を備え、
前記パッケージは、8個以下のピンを有する、パッケージ。
【請求項23】
電力供給の有効化入力と関連付けられた第5の数の前記ピンを更に備える、請求項22に記載のパッケージ。
【請求項24】
前記10SPE物理層モジュールの物理層コントローラの電力供給ピンと関連付けられ、前記物理層トランシーバのオンチップレギュレータ供給に動作可能に結合するように構成された第5の数の前記ピンを更に備える、請求項22に記載のパッケージ。
【請求項25】
通常電力供給と関連付けられた第5の数の前記ピンを含む、請求項22に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2020年3月24日に出願された米国特許仮出願第62/993,825号の米国特許法第119(e)条の下での利益を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して、シングルペアイーサネットネットワークに関する。いくつかの実施形態は、分割構成を有する10SPE物理層モジュール用の低接続部インターフェースに関する。いくつかの実施形態は、10SPEウェイク(wake)のソースを通信することに関する。いくつかの実施形態は、低接続部インターフェースのピン割り当てを含む物理層トランシーバパッケージに関する。いくつかの実施形態は、分割構成を有する10SPE物理層モジュールの物理層コントローラのデジタルインターフェースのデジタル論理回路の完全性をチェックすること、並びに関連するシステム、方法、及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
相互接続は、ネットワークのデバイス、サブシステム及びシステム間の通信を容易にするために広く使用されている。一般的に言えば、電気信号は、物理メディア(例えば、限定することなく、バス、同軸ケーブル、又はツイストペア-一般には、単に「回線」又は「バス」と称される)で、その物理メディアに結合されたデバイスによって伝送される。
【0004】
開放型システム間相互接続モデル(Open Systems Interconnection model、OSIモデル)によれば、イーサネットベースのコンピュータネットワーキング技術は、ベースバンド伝送(すなわち、電気信号は離散的な電気パルスである)を使用して、ネットワークデバイス間で通信されるデータパケット及び究極的にはメッセージを伝送する。OSIモデルによれば、回線のアナログドメインと、パケットシグナリングに従って動作するデータリンク層(本明細書では単に「リンク層」とも称される)のデジタルドメインとの間のインターフェースをとるために、物理層(physical layer、PHY)デバイス又はコントローラと呼ばれる特殊回路が使用される。データリンク層は1つ以上の副層(サブレイヤ)を含み得るが、イーサネットベースのコンピュータネットワーキングにおいて、データリンク層は、典型的には、物理層の制御抽象化を提供する少なくともメディアアクセス制御(media access control、MAC)層を含む。非限定的な例として、ネットワークの別のデバイスにデータを伝送するとき、MACコントローラは、物理メディアのためのフレームを準備し、誤り訂正要素を追加し、衝突回避を実装してもよい。更に、別のデバイスからデータを受信するとき、MACコントローラは、受信したデータの完全性を確保し、より高い層のフレームを準備してもよい。
【0005】
物理層及びリンク層を実装する(並びに、限定することなく、他の層を含み得る)様々なネットワークトポロジが存在する。1990年代初め頃から共に使用されている、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect、PCI)規格及びパラレルアドバンストテクノロジアタッチメント(パラレルATA、Advanced Technology Attachment)は、マルチドロップバストポロジを実装することができる。2000年代初め頃からの傾向は、ポイントツーポイントバストポロジを使用しており、例えば、PCIエクスプレス規格(PCI Express standard、PCIe)及びシリアルATA(Serial ATA、SATA)規格は、ポイントツーポイントトポロジを実装する。
【0006】
典型的なポイントツーポイントバストポロジは、各デバイス間の回線(例えば、限定することなく、専用ポイントツーポイント)又はデバイスとスイッチとの間の回線(例えば、限定することなく、スイッチトポイントツーポイント)を実装することができる。マルチドロップバストポロジでは、物理伝送メディアは共有バスであり、各ネットワークデバイスは、例えば、物理メディアのタイプ(例えば、限定することなく、同軸又はツイストペア)に基づいて選択される回路を介して共有バスに結合される。
【0007】
専用ポイントツーポイントトポロジ又はスイッチトポイントツーポイントトポロジなどのポイントツーポイントバストポロジは、デバイス間のリンクが多くなることに部分的に起因して、マルチドロップトポロジより多くのワイヤ及びより高価な材料を必要とする。自動車などの特定の用途では、デバイスを直接接続することを困難にする物理的な制約が存在することがあり、したがって、ネットワーク又はサブネットワーク内において直接接続を必要としない、又は同数の直接接続を必要としないトポロジ(例えば、限定することなく、マルチドロップトポロジ)は、そのような制約の影響を受けにくい、又はそのような制約によって妨げられにくい場合がある。
【0008】
ベースバンドネットワーク(例えば、これに限定しないが、マルチドロップネットワーク)にあるデバイスは、同じ物理伝送メディアを共有し、典型的には、伝送のためにそのメディアの帯域幅全体を使用する(すなわち、ベースバンド伝送において使用されるデジタル信号は、メディアの帯域幅全体を占有する)。その結果、ベースバンドネットワークの1つのデバイスのみが、所与の瞬間に伝送し得る。そのため、媒体アクセス制御方法が、そのような共有伝送メディアに対する競合を処理するために使用されることがある。
任意の特定の要素又は作用についての考察を容易に識別するために、参照番号の最上位桁(複数可)は、その要素が最初に紹介された図番号を指す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】最新技術による分割PHYアーキテクチャを有する物理層モジュールを示すブロック図である。
図2】1つ以上の実施形態による、スリープ状態を含む図1の分割PHYの挙動を示す状態図である。
図3】1つ以上の実施形態による、分割PHYのPHYトランシーバを示すブロック図である。
図4】1つ以上の実施形態による、ウェイクソース指示論理を示すブロック図である。
図5】1つ以上の実施形態による、ウェイク検出シグナリングハンドシェイクを含むウェイクプロセスのためのプロセスを示すフロー図である。
図6A】1つ以上の実施形態による、検出されたウェイクのソースを通信するPHYトランシーバ側のプロセスを示すフロー図である。
図6B】1つ以上の実施形態による、検出されたウェイクのソースを通信するPHYトランシーバ側のプロセスを示すフロー図である。
図6C】1つ以上の実施形態による、検出されたウェイクのソースを通信するPHYトランシーバ側のプロセスを示すフロー図である。
図7】1つ以上の実施形態による、分割PHYのPHYコントローラを示すブロック図である。
図8】1つ以上の実施形態による、ウェイク検出シグナリングハンドシェイクのPHYコントローラ側のプロセスを示すフロー図である。
図9】1つ以上の実施形態による、分割PHYを示すブロック図である。
図10】1つ以上の実施形態による、分割PHYを示すブロック図である。
図11】1つ以上の実施形態による、分割PHYでのデータ完全性チェックのための回路を示すブロック図である。
図12】1つ以上の実施形態による、分割PHYでのデータ完全性チェックのためのプロセスを示すフロー図である。
図13】1つ以上の実施形態について開示された特徴又は要素の一部又は全体を実行するための回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本開示を実施し得る実施形態の具体例を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施することを可能にするように十分に詳細に説明される。しかしながら、他の実施形態が利用され得、本開示の範囲から逸脱することなく、構造、材料、及びプロセスを変えられ得る。
【0011】
本明細書に提示する図は、任意の特定の方法、システム、デバイス、又は構造の実際の図であることを意図するものではなく、本開示の実施形態を説明するために用いられる理想化した表現にすぎない。本明細書に提示する図面は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。様々な図面における類似の構造又は構成要素は、読者の便宜のために同一又は類似の付番を保持し得る。しかしながら、付番における類似性は、構造又は構成要素が必ずしもサイズ、組成、構成、又は任意の他の特性において同一であることを意味するものではない。
【0012】
以下の説明は、当業者が開示される実施形態を実施することを可能にするのを補助するための実施例を含み得る。「例示的な」、「例として」、「例えば」という用語の使用は、関連する説明が、説明的なものであることを意味し、本開示の範囲は、実施例及び法的等価物を包含することを意図するものであり、そのような用語の使用は、実施形態又は本開示の範囲を特定の構成要素、ステップ、特徴、機能などに限定することを意図するものではない。
【0013】
本明細書で概して説明され、図面に例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、様々な実施形態の以下の説明は、本開示の範囲を限定することを目的とするものではなく、単に様々な実施形態を表すものである。実施形態の様々な態様が図面に提示され得るが、図面は、具体的に指示されていない限り、必ずしも尺度どおりに描画されていない。
【0014】
更に、図示及び説明する具体的な実装形態は、単なる例であり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実施する唯一の方式と解釈されるべきでない。要素、回路、及び機能は、不要に詳述して本開示を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示され得る。逆に、図示し、説明する具体的な実装形態は、単に例示的なものであり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方法と解釈されるべきではない。更に、様々なブロック間での論理のブロック定義及びパーティショニングは、例示的な具体的な実装形態である。当業者には、本開示が多数の他のパーティショニングソリューションによって実施され得ることが容易に明らかになるであろう。大部分については、タイミングの考慮などに関する詳細は省略されており、そのような詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要ではなく、当業者の能力の範囲内である。
【0015】
当業者であれば、情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。いくつかの図面は、表示及び説明を明確にするために、単一の信号として信号を例示してもよい。当業者は、信号が信号のバスを表し得、このバスは様々なビット幅を有してもよく、本開示は、単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号で実施され得ることを理解するであろう。
【0016】
本明細書に開示する実施形態に関連して記載する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、集積回路(Integrated Circuit、IC)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されている、これらの任意の組み合わせを用いて実装され得る、又は実行され得る。汎用プロセッサ(本明細書では、ホストプロセッサ又は単にホストと称されこともある)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンでもあってもよい。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成の組み合わせとして実装されてもよい。プロセッサを含む汎用コンピュータは専用コンピュータとみなされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、ソフトウェアコード)を実行するように構成されている。
【0017】
実施形態は、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として示すプロセスに関して説明され得る。フローチャートは、順次プロセスとして動作行為を説明し得るが、これらの行為の多くは、別の順序で、並行して、又は実質的に同時に実行され得る。加えて、行為の順序は再調整され得る。プロセスは、方法、スレッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムに対応し得るが、それらに限定されない。更に、本明細書に開示する方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読メディアの1つ以上の命令又はコードとして記憶されてもよく、又は送信されてもよい。コンピュータ可読メディアは、コンピュータ記憶メディア及び、コンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意のメディアを含む通信メディアの両方を含む。
【0018】
「第1」、「第2」などの表記を使用して、本明細書の要素に対する任意の言及は、そのような制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の数量又は順序を限定しない。むしろ、これらの表記は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用され得る。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが用いられ得ること、又は何らかの様式で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。加えて、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ以上の要素を含んでもよい。
【0019】
本明細書で使用されるとき、所与のパラメータ、特性、又は条件に言及する際の「実質的に(substantially)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が、例えば許容可能な製造許容差の範囲内などの、小さいばらつきを満たすことを当業者が理解するであろう程度を意味し、かつ含む。一例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90%満たされ得るか、少なくとも95%満たされ得るか、更には少なくとも99%満たされ得る。
【0020】
本明細書で使用される場合、ピンを参照して使用される用語「アサートする(assert)」、「デアサートする(de-assert)」、及びそれらの派生語は、それぞれ、ピンと関連付けられた信号(例えば、限定することなく、ピンに特別に割り当てられた信号、又はピンが特別に割り当てられている信号)をアサート又はデアサートすることを意味する。
【0021】
自動車、トラック、バス、船舶、及び/又は航空機などの車両(移動体)は、車両通信ネットワークを含んでもよい。車両通信ネットワークの複雑性は、ネットワーク内の電子デバイスの数に応じて変化し得る。例えば、高度車両通信ネットワークは、非限定的な例として、エンジン制御、変速機制御、安全制御(例えば、アンチロックブレーキ)、及び排出制御のための様々な制御モジュールを含み得る。これらのモジュールをサポートするために、自動車(自動移動体)産業は様々な通信プロトコルに依存している。
【0022】
10SPE(すなわち、10Mbpsシングルペアイーサネット)は、現在IEEE802.3cg(商標)の仕様の下にあるネットワーク技術である。10SPEを使用して、マルチドロップネットワークでの衝突のない決定論的伝送を提供し得る。
【0023】
PHYは、高電圧温度プロセスで設計及び/又は製造することができるが、そのようなプロセスは、非限定的な例として、限定することなく、大型及び/若しくは高速デジタルブロック、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、並びに/又は1つの時間プログラム可能(one time programmable、OTP)メモリを有するPHY設計に好適ではない場合がある(例えば、限定することなく、損傷する可能性があるか、又は試験に費用がかかりすぎる可能性がある)。高電圧温度プロセスの非限定的な例は、バルク電流注入(bulk current injection、BCI)感受性試験である。本開示の発明者らに既知のBCI及び他の高電圧温度プロセス中に、摂氏約175度の接合部温度が実現され得る。
【0024】
これらの懸念のいくつかに対処するための1つの選択肢は、タイミング要件を満たすか、又はダイに適合するための高電圧温度プロセスのデジタル設計を単純化することであるが、設計は、そのようなタイミング又はダイスペース要件を簡素化すること又は満たすことに適していない場合がある。ダイ又はパッケージのサイズを増加させることができるが、ダイのサイズ及びパッケージのサイズは、典型的には、全体的な処理コストに正比例しており、ダイ又はパッケージが大きくなると、処理コストが高くなる。
【0025】
現在、OPEN Allianceの技術委員会(Technology Committee)14による現在仕様開発中の10BASE-T1Sトランシーバインターフェース規格(以下、「TC14規格」とする)は、分割(コントローラ-トランシーバ)10SPE PHY(分割PHY)のための3ピンハードウェアインターフェースを定義する。図1は、バスネットワークインターフェース112によって伝送メディア114に結合された分割PHY102を含むシステム100を示すブロック図である。分割PHY102は、現在のところ、TC14規格によって指定された定義された3ピンハードウェアインターフェース(ハードウェアインターフェース108)を含む。一般的に言えば、分割PHYの第1の部分(PHYコントローラ104)は、高電圧温度プロセス中に損傷を受けやすく、高電圧温度プロセスを受けない第1のダイに位置付けられ得るデジタルブロックを含む。(個別に又は全体として)高電圧温度プロセスの影響を受けにくいアナログ及びデジタルブロックを含む分割PHYの第2の部分(PHYトランシーバ106)は、高電圧温度プロセスを受けることができる第2のダイに位置付けられ得る。
【0026】
ハードウェアインターフェース108は、PHYトランシーバ106とPHYコントローラ104との間のシグナリングのための3つの接続、すなわち、TX接続116、RX接続118、及びED接続110を含む。3つの接続は、典型的には、分割PHYのそれぞれの集積回路に取り付けられたそれぞれのピンを通して実装され、したがって、3つの接続の各々は、PHYトランシーバ106及びPHYコントローラ104のそれぞれのピンと関連付けられる。TC14規格は、現在のところ、これらの接続の使用を指定し、そのうちのいくつかは、PHYトランシーバの特定の状態と関連付けられている。通常状態では、TX接続116は、PHYコントローラ104からPHYトランシーバ106に伝送フレームを搬送するために使用され、RX接続118は、PHYトランシーバ106からPHYコントローラ104に受信されたフレームを搬送するために使用され、ED接続110は、PHYトランシーバ106からPHYコントローラ104への有効な信号を識別するために使用される。TC14規格は、現在のところ、RX接続118が、信号が閾値を超えるか又は閾値未満であることを示すトランシーバのコンパレータ出力であることを指定し、ED接続110は、閾値の内側又は外側を示す(すなわち、インバンド及びアウトバンド信号を示す)トランシーバの信号検出器出力であり、TXは、トランシーバのクロックレスでステートフルな入力である。
【0027】
分割PHYは、より効率的な電力消費を可能にすることができる。分割PHYのいくつかの部分は、分割PHYによって電力消費を節約するために低電力又は「スリープ」モードに入ることができ、一方、無停電電力供給によって供給される分割PHYの他の部分(例えば、限定されない、トランシーバ又は他のハードウェア取り付け要素)は、分割PHY全体が低電力モードにある間に、分割PHYの少なくともいくつかの機能を実行することができる。図2は、現在のTC14規格(すなわち、スタンバイ、起動、通常、コンフィグ(config)及び伝送(xmitting))及び新しい状態「スリープ」に従う、分割PHYのPHYトランシーバのためのシステム挙動200の具体的な例を示す状態図である。
【0028】
場合によっては、低電力モードにある間に、ある程度動作することができるように、無停電電力ドメイン内にある分割PHYの部分に特定の機能又は動作を位置付けることが望ましい場合がある。非限定的な例として、これらは、分割PHY、ノード、ネットワークセグメント、若しくはネットワークの低電力又はウェイク検出と関連付けられた機能、又は物理伝送メディアの故障検出(「ケーブル故障検出」)と関連付けられた機能であり得る。
【0029】
上述のように、典型的な分割PHYでは、分割PHYの第1及び第2の部分は、3つの有線接続のハードウェアインターフェースによって結合される。分割PHYのそのような第1及び第2の部分は各々、個々のピンをハードウェアインターフェースの特定の信号と関連付けるように構成されたインターフェース論理を含み、ハードウェアインターフェースの接続を介して通信及び信号伝播を処理することができる。理論上、任意の好適な数のピン及び接続を使用して、分割PHYのハードウェアインターフェースを実装することができる。
【0030】
実際には、PHYの第1の部分を含む第1のパッケージ及びPHYの第2の部分を含む第2のパッケージは、各々、そのようなハードウェアインターフェースのための制限された数の利用可能なピンを有する。PHYのハードウェアインターフェース専用のピンが多いほど、より多くのピンを備えたパッケージに移行しなくても、他の用途に利用可能なピンが少なくなる。非限定的な例として、TC14規格は、現在のところ、分割PHYアーキテクチャのための3ピンハードウェアインターフェースを定義する。更に、設計者は、分割PHYアーキテクチャの特徴及び機能を実装するためのデジタルブロックをどこに位置付けるかを選択するときに、そのようなハードウェアインターフェースを介した通信を考慮に入れることができる。
【0031】
前述又は他の実装課題にもかかわらず、分割PHYアーキテクチャは、分割PHY(並びに、限定することなく、ネットワークスイッチ、ブリッジ、及びエンドポイントなどのそれを組み込んだシステム及びデバイス)を、いくつかの単一のPHYアーキテクチャよりデジタル的に集中的かつより電力効率的にすることを可能にすることができ、設計者がこれらの態様を考慮することを可能にする。
【0032】
図3は、1つ以上の実施形態による、通常の電力供給又は低電力供給(電力供給ピンは図示せず)で動作するように構成された特定のブロックを含むPHYトランシーバ300を示すブロック図である。低電力供給で動作するブロックのいくつか(点線境界を有する図3に示すようなブロック)は協働してウェイク信号を検出し、ウェイク信号(ローカル又はリモート)のソースをPHYコントローラ(図示せず)に通信する。
【0033】
通常の電力供給で動作するとき、伝送/受信回路306(TX/RX306とラベル付けされた)は、バスネットワークインターフェース316を介して伝送メディア114へのフレームの伝送と伝送メディア114からのフレームの受信を処理する。伝送/受信回路306は、RXピン312に結合され、バスネットワークインターフェース316で受信された伝送メディア114からPHYトランシーバ300の受信経路にフレームを移動させ、RXピン312がRX接続118に接続されているRXピン312の信号をアサートするように構成される。伝送のために、デジタルインターフェース論理302は、伝送可能フレームを準備し、次いでフレームを伝送/受信回路306に提供し、フレームをバスネットワークインターフェース316を介して伝送メディア114に移動させるように構成される。
【0034】
PHYトランシーバ300が低電力モード(又は図2の「スリープ」状態)にあるとき、PHYトランシーバ300は、低電力供給で動作し、フレームの通常の受信及び/又は伝送(すなわち、図2の「xmtting」状態の動作)を実行しない。より具体的には、伝送/受信回路306及びデジタルインターフェース論理302は、PHYトランシーバ300が低電力モードにある間、伝送メディア114へ/からの伝送又は受信を管理しない。活動検出器308は、PHYトランシーバ300に提供されて、バスネットワークインターフェース316を介して伝送メディア114の信号332を観察する。活動検出器308が、伝送メディア114の信号332がイーサネット通信と関連付けられた信号などの有効な信号であることを観察する場合、限定することなく、活動検出器308は、有効な活動が検出されたことをウェイク検出論理304に示すリモートウェイク指示328をアサートする。
【0035】
低電力モードで動作するとき、PHYトランシーバ300は、電力管理ピン322をアサートすることによって通常電力モードをトリガし、「起動」状態に移行するようにウェイクし、次いで、図2に示すように、「通常」状態に移行するために電源オンリセットコマンドを受信するとリセットを実行することができる。電力管理ピン322は、非限定的な例として、電力管理ピン322(例えば、図9のINH)のアサーションによって有効にされる別個の電圧レギュレータ、又は一体型電圧レギュレータをPHYトランシーバ300(例えば、図9又は図10のLDO)に結合/分離するように動作可能な回路に結合され得る。
【0036】
1つ以上の実施形態では、PHYトランシーバ300のウェイク検出論理304は、活動検出器308による有効なリモートウェイク指示328のアサーション、又はウェイクピン320のアサーションによって提供されたローカルウェイク指示326に応答して、通常電力供給モードへの変化をトリガし得る。
【0037】
分割PHYでは、本開示の発明者らは、PHYトランシーバが、ウェイク信号のソース(例えば、リモート又はローカル)の指示を、分割PHYのPHYコントローラに通信することが望ましいことを理解する。非限定的な例として、PHYコントローラは、限定することなく、他のPHY、ネットワークセグメント、又はネットワークをウェイクアップするためのローカル又はリモートウェイク信号の転送を開始するように構成されてもよい。デジタルインターフェース318は、PHYコントローラとの通信を制御し、デジタルインターフェース318で提供されたウェイクソースインジケータ論理324は、PHYコントローラへのウェイクのソースの指示の通信を制御する。ウェイクソースインジケータ論理324、ウェイク検出論理304、活動検出器308、及びウェイクソースインジケータ論理324の少なくとも一部分は、PHYトランシーバ300の低電力ドメイン、並びにPHYトランシーバ300の通常の電力ドメインで動作する。これらの要素の各々は、低電力ドメインで動作し、PHYトランシーバ300の通常の電力ドメイン内で動作することを示すために、点線境界を有するものとして図3に示される。
【0038】
ウェイク検出論理304は、ローカルウェイク指示326に応答して、ウェイクソース指示330を第1の状態にアサートし、リモートウェイク指示328に応答して、ウェイクソース指示330を第1の状態とは異なる第2の状態にアサートする。ウェイクソースインジケータ論理324は、ウェイク検出論理304によってアサートされたウェイクソース指示330を受信し、それに応答して、ウェイクソースインジケータ論理324は、ウェイクソース指示330のそれぞれのアサートされた状態を、以下で考察されるように、それぞれハードウェアインターフェース108の物理的接続110、118と関連付けられた、RXピン312及びEDピン314のアサーションを介してPHYコントローラに通信する。
【0039】
PHYトランシーバ300がリセットすると、それは、PHYコントローラ、非限定的な例として、以下で更に説明されるPHYコントローラ700が、PHYトランシーバ300が通常の伝送及び受信を実行する準備ができているときを知っているように、デジタルインターフェース318を介してリセットのステータスを通信する。
【0040】
図4は、図3のウェイクソースインジケータ論理324の非限定的な例である、ウェイクソースインジケータ論理を示すブロック図である。
【0041】
ウェイクソースインジケータ論理400は、ウェイクソース指示416のローカルウェイク指示402(例えば、アサートされたローカルウェイク指示326に応答して第1の状態にアサートされたウェイクソース指示330)及び/又はリモートウェイク指示404(例えば、アサートされたリモートウェイク指示328に応答して第2の状態にアサートされたウェイクソース指示330)の一方又は両方に応答して設定されるコマンド及びステータスレジスタ410を含む。コマンド復号化論理412は、コマンド及びステータスレジスタ410に記憶された値に少なくとも部分的に基づいてコマンド408を復号化するように構成され、RX及びEDピンを介してウェイク指示406を送信し、TXピンを介してコマンド408を受信する。
【0042】
ウェイクソースインジケータ論理400は、いくつかの実施形態では、ウェイクソースインジケータ論理400が、電力オンのリセットのステータスとウェイクのソースを別々に通信することができるので(例えば、ウェイク指示406を介して)、「任意選択」であるハンドシェイク論理414を任意選択的に含む。しかしながら、本明細書で考察されるように追加情報が提供され得るように、双方に知られているハンドシェイクプロトコルを介して通信することがより効率的であり得る。ここで、ハンドシェイク論理414は、例えば、ウェイクソース指示416を含むウェイク指示406を通信するために、RX/EDピンのアサーションを制御するように構成されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、PHYコントローラは、ウェイク検出のソースに応答して、ローカルウェイク転送、リモートウェイク転送、又はその両方を実行するように構成され得る。例えば、PHYコントローラが実行するウェイク転送の形態(例えば、ローカルウェイクアウトピンを介したローカル、又は共有伝送メディアを介したリモート)を判定することができるように、分割PHYのPHYトランシーバが、検出されたウェイク信号のソースをPHYコントローラに通信することが望ましい場合がある。更に、場合によっては、PHYコントローラがウェイク転送を実行するのを待機する間に、追加の検出されたウェイク信号が存在し得る。ウェイク転送を実行する前に、PHYコントローラが共有伝送メディアで可能な衝突を考慮に入れることが望ましい場合がある。追加のウェイク検出のソースがローカルウェイク指示である場合、現在のウェイク検出のローカル又はリモートウェイク転送は、共有伝送メディアでの衝突を恐れずに実行され得る。追加の検出されたウェイク信号のソースがリモートウェイク指示である場合、現在のウェイク検出のリモートウェイク転送は、共有伝送メディアでの衝突を経験し得る。
【0044】
1つ以上の実施形態は、検出されたウェイク信号のソースを通信すること、より具体的には、分割PHYを結合するための3ピンインターフェースを介してソースを通信することに関する。図5は、1つ以上の実施形態による、検出されたウェイク信号のソースを通信することを含む、分割PHYによって実行されるウェイキングプロセス500を示すフローチャートである。
【0045】
動作502で、プロセス500は、検出されたウェイク、ローカル、又はリモートに応答して、分割PHYをウェイクする。PHYトランシーバの場合、プロセス500は、通常電力ドメイン内の分割PHYの構成要素への電力供給を可能にする。図2の状態図に示されるように、電力オンリセット(図2によって「power-on-reset、POR」とラベル付けされた)は、PHYトランシーバを「起動」状態に移行させ、そこからPHYコントローラによってリセットされ、フレームの構成(configuration)又は伝送のための状態に移行することができる「通常」の状態に移行することができる。後に考察されるように、検出されたウェイク信号のソースを通信するための本明細書で企図されるいくつかのプロセスは、起動又は通常状態の間に実行され得、他のプロセスは、構成状態(configuration state)で実行され得る。
【0046】
動作504で、プロセス500は、検出されたウェイク信号のソースを、分割PHYの第1の部分から第2の部分に通信する(例えば、通知する又は学習する)。通信は、任意選択で、(i)(例えば、図6Aのように)第1のPHY部分と第2のPHY部分との間に定義された通信リンクを介して、ウェイク検出シグナリングハンドシェイクを実行することによって、ソースの第2のPHY部分に通知すること、(ii)第1のPHY部分と第2のPHY部分とを結合するハードウェアインターフェースを介して提供されたバス信号を解釈することによって、第2のPHY部分でソースを学習すること、又は(iii)通信リンクを介して、制御レジスタの(例えば、制限することなく、コマンド及びステータスレジスタ410の)フィールドを読み取ることによって、第2のPHY部分でソースを学習することであって、制御レジスタのフィールドが、検出されたウェイク信号のソースを示す、学習することのうちの1つによることができる。
【0047】
動作506では、プロセス500は、任意選択で、任意の追加の検出されたウェイク信号を処理する。上で考察されたように、場合によっては、PHYコントローラが以前に検出されたウェイク信号に基づいてウェイク転送を実行するのを待機する間に、追加のウェイク信号が検出され得る。例えば、PHYコントローラは、後で検出されたウェイク信号が、リモートウェイク(例えば、PHYトランシーバが後に考察されるようにリセットされている間にEDピンが排他的にデアサートされる場合)に関連することを観察することができ、共有伝送メディアの衝突を回避するために、現在のウェイク検出を転送目的のためにリモートウェイクとして処理することができる(すなわち、他のPHYのローカルウェイクピンに転送されるが、共有伝送メディアには転送されない)。
【0048】
動作508では、プロセス500は、ローカルウェイク転送又はリモートウェイク転送のうちの1つ以上を実行する。ローカルウェイク転送及びリモートウェイク転送のタイプは、通信されるウェイク信号のタイプに応答して実行され得る。
【0049】
図6A図6B及び図6Cは、図5で考察されたように、検出されたウェイク信号のソースを通信するための例示的な実施形態を示すフロー図である。
【0050】
1つ以上の実施形態は、分割PHYを結合するための3接続インターフェースで実行され得るウェイクソースシグナリングハンドシェイクに関する。ウェイクソースシグナリングハンドシェイクは、ウェイク信号が検出されたこと及び検出されたウェイク信号のソースをPHYコントローラに通知する。そのようなシグナリングハンドシェイクは、本明細書では「ウェイクソースシグナリングハンドシェイク」と称され得る。
【0051】
図6Aは、ウェイク検出シグナリングのハンドシェイクのPHYトランシーバ側のプロセス600aを示すフロー図である。プロセス600aの1つ以上の行為は、非限定的な例として、ウェイクソースインジケータ論理400のハンドシェイク論理414、又はより一般的にはウェイクソースインジケータ論理324によって実行され得る。
【0052】
動作602、動作604、及び動作608で、プロセス600aは、ウェイク信号を検出するように待機する検出ループを実行する。動作602で、プロセス600aは、ED及びRXピンをデアサート(例えば、受動的な高に設定)する。動作604で、プロセス600aは、リモートウェイクがウェイクソース指示330のソースであるかどうかを判定し、例えば、ウェイクソース指示330は、第2の状態でアサートされる。そうでない場合、動作608で、プロセス600aは、ローカルウェイクが検出されているかどうかを判定し、例えば、ウェイクソース指示330は、第1の状態でアサートされる。そうでない場合、プロセス600aは、検出ループの開始、すなわち、動作602に戻る。
【0053】
動作604で、プロセス600aは、リモートウェイクが検出されたと判定した場合、動作606で、プロセス600aは、EDピン314を排他的にアサートし(例えば、EDピン314は能動的な低信号を示し、一方で、RXピン312は受動的な高信号を示し続け)、リモートウェイクが検出されたことを指示する。特に、プロセス600aを実装するPHYトランシーバは、検出されたウェイク(図2の「ウェイク」としてラベル付与されるような移行状態)に応答してスリープから起動状態に移行することになる。
【0054】
動作612で、プロセス600aは、待機ループを実行し、リセットコマンドが(例えば、PHYコントローラから)検出されるまで待機する。待機中、プロセス600aは、EDピンの信号を排他的にアサートし続ける。リセットコマンドを検出すると、動作614で、プロセス600aは、EDピン及びRXピンをデアサート(例えば、両方とも受動的な高に設定)し、PHYトランシーバが通常状態に入る。特に、プロセス600aを実装するPHYトランシーバは、リセットコマンド(図2の「リセット&Edb」としてラベル付与された移行状態)に応答して、起動状態から通常状態に移行する。
【0055】
動作616で、プロセス600aは、EDピン及びRXピンをアサート(例えば、両方とも能動的な低に設定)し、PHYトランシーバがリセットを完了し、通常状態にある(すなわち、通常の伝送及び受信を実行する準備ができている)ことを示し、これは、ウェイクソースシグナリングの終了の終了も示す。
【0056】
動作608で、プロセス600aは、ローカルウェイクが検出されたと判定した場合、動作610で、プロセス600aは、RXピンを排他的にアサート(例えば、RXピンを能動的な低に設定する一方で、EDピンはデアサートされたままであり、すなわち受動的な高に設定)し、ローカルウェイクが検出されたことを示す。上記のように、プロセス600aを実装するPHYトランシーバは、検出されたウェイク(図2の「ウェイク」としてラベル付与されるような移行状態)に応答して、スリープから起動状態に移行する。起動すると、プロセス600aは動作612に移動し、上で考察されたようにリセットコマンドを待つ。
【0057】
図6Bは、PHYコントローラがウェイク検出のソースを学習するために解釈し得るバス信号を提供するPHYトランシーバ側のプロセス600bを示すフロー図である。プロセス600bの1つ以上の行為は、限定されないが、より一般的にはウェイクソースインジケータ論理400又はウェイクソースインジケータ論理324によって、実行され得る。
【0058】
動作618及び動作620で、プロセス600bは、ウェイク信号を検出するように待機する検出ループを実行する。動作618で、プロセス600bは、EDピン及びRXピンをデアサート(例えば、両方とも受動的な高に設定)する。動作620で、プロセス600bは、ウェイクが検出されているかどうかを判定する。そうでない場合、プロセス600bは、検出ループの開始、すなわち動作618に戻る。
【0059】
動作620で、プロセス600bが、ウェイクが検出されたと判定した場合、動作622で、プロセス600bは、ウェイクが検出されたことを示すためにEDピンを排他的にアサートし、受信された場合にバス信号をRXピンに伝播する。後に考察されるように、PHYコントローラ700のウェイク検出論理702は、バス信号を解釈し(例えば、限定することなく、より一般的には所定のリモートウェイクフレーム又はイーサネットフレームを検出する)、それによって、リモートウェイクが検出されたウェイクのソースであるか否かを検出することができる。バス信号を解釈すると、ウェイク検出論理702がリモートウェイクを検出しない場合、PHYコントローラ700は、検出されたウェイク信号のソースがローカルウェイクであったと推定することができる。特に、プロセス600bを実装するPHYトランシーバは、検出されたウェイク(図2の「ウェイク」としてラベル付与されるような移行状態)に応答して、スリープから起動状態に移行する。
【0060】
動作624で、プロセス600bは、待機ループを実行し、リセットコマンドが(例えば、PHYコントローラから)検出されるまで待機する。待機中、プロセス600bは、EDピンを排他的にアサートし続け、受信された場合にバス信号をRXピンに伝播させる。
【0061】
リセットコマンドを検出すると、動作626で、プロセス600bは、EDピン及びRXピンをデアサートし、PHYトランシーバは通常状態に入る。上記のように、いくつかの場合では、RXピンがデアサートされ、そのような場合、RXピンをデアサートすることは、RXピンをそのデアサート状態に維持することを意味する。特に、プロセス600bを実装するPHYトランシーバは、リセットコマンド(図2の「リセット&EDb」としてラベル付与されたような移行状態)に応答して起動状態から通常状態に移行する。
【0062】
動作628で、プロセス600bは、PHYトランシーバがリセットを完了したことを示すようにEDピン及びRXピンをアサートし、これはまた、ウェイクソースシグナリングの終了を示す。
【0063】
図6Cは、制御レジスタのフィールドを読み取ることによって、検出されたウェイク信号のソースを学習するためのプロセスのPHYトランシーバ側のプロセス600cを示すフロー図である。
【0064】
動作630、動作632、及び動作634で、プロセス600cは、ウェイク信号を検出するように待機する検出ループを実行する。動作630で、プロセス600cは、EDピン及びRXピンをデアサートする(受動的な高)。動作632で、プロセス600cは、リモートウェイクが検出されているかどうかを判定する。そうでない場合、動作636で、プロセス600cは、ローカルウェイクが検出されているかどうかを判定する。そうでない場合、プロセス600cは、検出ループの開始、すなわち動作630に戻る。
【0065】
動作632で、プロセス600cが、リモートウェイクが検出されたと判定した場合、動作634で、プロセス600cは、制御レジスタにリモートウェイクインジケータを記録する。動作636で、プロセス600cが、ローカルウェイクが検出されたと判定した場合、動作638で、プロセス600cは、制御レジスタにローカルウェイクインジケータを記録する。制御レジスタで記録されたそれぞれのインジケータは、PHYトランシーバが構成状態にあるときに、PHYコントローラによってアクセス可能である(例えば、限定することなく、読み取り可能である)。
【0066】
動作640で、プロセス600cは、ウェイクが検出されたことを示すために、EDピンを排他的にアサートする。動作642で、プロセス600cは、待機ループを実行し、リセットコマンドが(例えば、限定することなく、PHYコントローラから)検出されるまで待機する。待機中、プロセス600cは、EDを排他的にアサートし続ける。リセットコマンドを検出すると、動作644で、プロセス600cは、EDピン及びRXピンをデアサート(両方とも受動的な高に設定)し、PHYトランシーバは通常状態に入る。上記のように、いくつかの場合では、RXピンがデアサートされ、そのような場合、RXピンをデアサートすることは、RXピンをそのデアサート状態に維持することを意味する。
【0067】
動作646で、プロセス600cは、PHYトランシーバがリセットを行ったことを示すためにEDピン及びRXピンをアサートし、これはまた、インジケータ(リモート又はローカル)が制御レジスタで読み取られるように利用可能であることを示す。リモート又はローカルウェイクインジケータなどの制御レジスタのフィールドは、PHYトランシーバが構成状態にあるときにPHYコントローラによって読み取られるように利用可能である。
【0068】
図7及び図8は、分割PHYのPHYコントローラ側に関連する図である。図7は、本明細書で考察されるハンドシェイクのシグナリング及びウェイク転送の実行のための、3接続インターフェース及び論理のデジタルインターフェース716を含むPHYコントローラ700を示すブロック図である。図8は、ウェイクソースシグナリングのハンドシェイクのPHYコントローラ側で実行されるプロセスを示すフローチャートである。
【0069】
図7を参照すると、ブロック図は、1つ以上の実施形態によるPHYコントローラ700を示す。PHYコントローラ700は、デジタルインターフェース716、PHYウェイク転送論理710、ローカルウェイクアウトピン708、及び任意選択のローカルウェイクアウトピン722を含む。ウェイク検出論理702を含むデジタルインターフェース論理706は、一般に、本明細書で考察される3接続(すなわち、3ピン)ハードウェアインターフェースに結合されたTXピン704、RXピン712、及びEDピン714のアサーション/デアサーションを介してデジタルインターフェース716に結合されたPHYトランシーバ300のデジタルインターフェース318と通信するために構成される。
【0070】
PHYウェイク転送論理710は、一般に、PHYコントローラ700が、結合されたPHYトランシーバで検出されたウェイク信号について学習するか、又は任意選択のローカルウェイクアウトピン722を介してローカルに学習するときにウェイク転送を実行するように構成されている。すなわち、ローカルウェイクアウトピン708に向けてローカルウェイク信号を送信するには、デジタルインターフェース716を介して通信されるコマンド720を介してリモートウェイク信号を伝送メディア114に向けて送信するか、又はその両方である。
【0071】
1つ以上の実施形態では、PHYウェイク転送論理710は、ウェイク検出論理702が実行するように構成され得るウェイク検出論理702からのウェイク指示718を介して検出されたウェイク及びそのソースについて学習することができ、ウェイク検出論理702は、例えば、限定するものではないが、本明細書において考察されるように、TXピン704、RXピン712、及びEDピン714を介することを含む、ウェイクソースシグナリングハンドシェイクを実行するか、制御レジスタを読み取るか、又はバス信号を解釈するように構成され得る。
【0072】
図8は、ウェイクソースシグナリングハンドシェイクのPHYコントローラ側のプロセス800を示すフロー図である。プロセス800は、開始動作802で開始し、PHYコントローラは、例えば、通常電力供給がPHYコントローラに電力を供給し始めるため、プロセスの残りの行為に移行するパワードスリープ又はアイドル状態にある。
【0073】
動作804で、プロセス800は、EDピン及びRXピンのうちの1つが排他的にアサートされているか(例えば、能動的な低であるか)どうかを検出する。両方がデアサートされている(例えば、受動的な高である)場合、ウェイク検出がシグナリングされておらず、コントローラが動作806でトランシーバをリセットする。プロセス800が、EDピン又はRXピンのうちの1つが排他的にアサートされていると判定した場合、動作810で、プロセス800は、トランシーバをリセットする(例えば、TXピンを介してRESET(リセット)コマンドを送信する)。動作812で、プロセス800は、非限定的な例として、図6A図6B、又は図6Cに関して考察されたプロセスのうちの1つに応答して、検出されたウェイクのソースを学習する。
【0074】
動作814で、プロセス800は、PHYトランシーバが動作810のリセットからリセットされている間に、EDピン又はRXピンが排他的にアサートされたかどうかを判定する。そうである場合、第2のウェイクがPHYトランシーバによって検出されたことを示し、そのため、プロセス800は動作810及び動作812にループバックし、(動作810で)PHYトランシーバをリセットし、(動作812で)検出された第2のウェイクのソースを学習する。
【0075】
動作816で、プロセス800は、検出されたウェイク(又は2つ以上のウェイクが検出された場合は「複数のウェイク」)の学習されたソースに応答してウェイク転送を実行する。1つのみのウェイクが検出され、それがローカルウェイクであった場合、プロセス800は、(i)ローカルウェイクアウトピン708、及び(ii)共有伝送メディア(例えば、デジタルインターフェース716のTXピンを介して)の一方又は両方でウェイクを転送することができる。1つのみのウェイクが検出され、それがリモートウェイクであった場合、プロセス800は、ウェイクを伝送メディアではなくて、ローカルウェイクアウトピン708で転送することができ、さもなければ衝突が発生し得る。第1のウェイクを転送する前に第2のウェイクが検出され、第2のウェイクがリモートウェイクであった場合、第1のウェイクは、ローカルウェイクアウトピン708及び共有伝送メディアの両方にわたって転送されるはずのローカルウェイクであったとしても、ローカルウェイクアウトピン708のみを介して転送される。
【0076】
動作804に戻ると、状態の移行を示すEDピン及びRXピンの両方がデアサートされ(例えば、受動的な高)、したがって、プロセス800がウェイク検出信号によって開始されなかった場合。それにもかかわらず、PHYコントローラは、動作806でアウェイクしているため、上述のように、プロセス800は、トランシーバをリセットする(すなわち、リセットコマンドを送信する)。動作808で、プロセス800は、PHYトランシーバがリセットしている間、ED又はRXピンのうちの1つが排他的にアサートされるかどうかを判定する。もしそうであれば、それは、PHYトランシーバがリセットしている間、PHYトランシーバで遅いウェイクが検出されたことを示す(これは、プロセス800の特定の実行において最初に検出されたウェイクである)。遅いウェイクが検出された場合、プロセス800は、動作810でトランシーバをリセットし、上で考察されたように継続する。PHYトランシーバが動作808のリセットからリセットしている間に遅いウェイクが起こらない場合、動作818で、プロセス800は、いかなるウェイク信号も転送することなく終了する。
【0077】
<<PHYトランシーバパッケージ>>
本明細書で考察されるように、ウェイクが検出されたことを通信する1つの利点は、PHYコントローラ及びPHYトランシーバが、低電力モード及び通常電力モードを含む複数の電力モードで動作することができることである。それらは、検出されたウェイクに応答して電力モード間で移行することができる。PHYトランシーバは、検出されたウェイク信号に応答して、分割PHYへの電力の供給を開始することができる。ピンは、これらの機能を実行するためにPHYトランシーバに追加され得るが、PHYトランシーバパッケージのピンの数を制限することは、コストの理由から望ましい場合がある。
【0078】
図9及び図10は、1つ以上の実施形態による、PHYトランシーバ300を含む8ピンパッケージについて、例えば、異なるピン割り当てを示すブロック図である。
【0079】
第1の数のピンは、動作可能に結合されるときに、分割構成物理層を形成する、物理層トランシーバのハードウェアインターフェース及び物理層コントローラと関連付けられている。第2の数のピンは、共有伝送メディアと関連付けられている。第3の数のピンは、電力供給と関連付けられている。第3の数のピンは、無停電電力供給と関連付けられたピンを含む。第4の数のピンは、ローカルウェイクと関連付けられている。特に、接地ピンは、図9及び図10に示されるピン割り当てには存在しない。接地割り当てを有するピンの代わりに、ピンと別々に配置され、物理層トランシーバの回路に内部接続された導体塊(例えば、限定することなく、半導体パッケージの熱スラグ)は、物理層トランシーバの回路のための接地経路の一部分を形成する。
【0080】
図9を参照すると、PHYトランシーバ902の2つのピン(すなわち、第2の数のピンの)がAC結合に割り当てられる。1つのピン(すなわち、第4の数のピンの)が、(ウェイクピン320に関連して上述したように、)ローカルウェイク信号、WAKEINに割り当てられ、1つのピン(すなわち、第3の数のピンの)が、供給電圧、Vbat(すなわち、無停電電力供給)に割り当てられ、1つのピン(すなわち、第1の数のピンの)、EDが、(EDピン314に関連して上述したように、)有効な信号に割り当てられ、1つのピン(すなわち、第1の数のピンの)、RXが、(RXピン312に関連して上述したように、)受信信号に割り当てられ、1つのピン(すなわち、第1の数のピンの)、TXが、(TXピン310に関連して上述したように、)伝送信号に割り当てられ、1つのピン(すなわち、第5の数のピンの)、INHが、(電力管理ピン322に関連して上述したように、)電力管理信号に割り当てられる。接地される導体塊910は、ピン(例えば、限定することなく、熱スラグなど)とは別に配置され、内部接続908を介してPHYトランシーバ902の回路に結合され、PHYトランシーバ902の回路のための接地経路の一部分を形成する。特に、導体塊910を使用して接地経路の一部分を形成することによって、接地用のピン割り当ては不要である。
【0081】
分割PHY900は、スイッチングレギュレータ906と示されるスイッチング電圧レギュレータを含み、これは、オンの場合に、調整された供給電圧を生成する。スイッチングレギュレータ906の有効化ピン(図示せず)は、PHYトランシーバ902のピンINH(本明細書では「電力管理ピン」とも称される)に結合される。スイッチングレギュレータ906による調整された供給電圧の生成は、PHYトランシーバ902によるピンINHのアサーションに応答して制御される(例えば、オン又はオフにされる)。PHYコントローラ904の電圧供給ピン、VREGは、スイッチングレギュレータ906の出力に結合され、それにより、スイッチングレギュレータ906がオンにされたときに、PHYコントローラ904は、調整された供給電圧を受信することができる。
【0082】
特に、Vbatに結合された供給電圧は、無停電電力供給であり、非限定的な例として、バッテリ、別の電圧レギュレータ、又はいくつかの他の電圧源によって提供され得る。電圧供給ピンVREGは、通常電力供給を提供する。
【0083】
PHYトランシーバ902は、分割PHY900を含む電子回路(すなわち、チップ)のオンチップレギュレータ供給912(オンチップ低ドロップアウトレギュレータ(drop out regulator、LDO)などであるが、これに限定されない)を介して通常動作のために電力を供給される。集積回路は、通常動作中の電力のためにPHYトランシーバ902をオンチップレギュレータ供給912に結合することができる。オンチップレギュレータ供給912及び内部接続908を導体塊910に使用することにより、PHYトランシーバ902は、8ピンパッケージに実装され得、ここで、他の場合では接地に使用され得るピンのうちの1つ及び通常電力供給が、ローカルウェイク信号(WAKEIN)及び電力管理信号(INH)のための別のピンのために使用され得る。
【0084】
図10を参照すると、図9に示されるピン割り当てと同様に、分割PHY1000のPHYトランシーバ1002の2つのピン(すなわち、第2の数のピン)は、(バスネットワークインターフェース316に関連して上述したように)ACカップリングに割り当てられる。1つのピン(すなわち、第3の数のピン)が、供給電圧Vbat(すなわち、無停電電力供給)に割り当てられ、1つのピン(すなわち、第4の数のピン)が、(ウェイクピン320に関連して上述したように、)ローカルウェイク信号WAKEINに割り当てられ、1つのピン(すなわち、第1の数のピン)が、(EDピン314に関連して上述したよう、に)有効な信号EDに割り当てられ、1つのピン(すなわち、第1の数のピン)が、(RXピン312に関連して上述したように、)受信信号RXに割り当てられ、1つのピン(すなわち、第1の数のピン)が、(TXピン310に関連して上述したように、)伝送信号TXに割り当てられる。ピンは、接地には割り当てられない。図9のPHYトランシーバ902による電力管理信号INHに割り当てられたピン(すなわち、第5の数のピンの)は、図10では、代わりに、PHYコントローラ1004の電力供給ピンにPHYトランシーバ1002によって提供される調整供給電圧出力VREGOUTに割り当てられる。
【0085】
オンチップレギュレータ供給1006は、PHYトランシーバ1002に供給し、調整供給電圧出力VREGOUTを介してPHYコントローラ1004に供給するために使用される。図9に示される配置のスイッチングレギュレータ906は、図10には存在しないため、図10に示される配置は、図9によって示される配置の大きな個別の構成要素、すなわち、スイッチングレギュレータ906を排除する。
【0086】
<<デジタル回路の完全性チェッカー>>
本開示の発明者らは、信号及びデータ完全性が、分割PHYのデジタル-アナログ及びアナログ-デジタル境界で損なわれ得ることを理解する。PHYコントローラ及びPHYトランシーバの境界回路の典型的なデータ完全性チェックでは、PHYコントローラは、共有伝送メディアへの伝送のために、PHYコントローラからPHYトランシーバにデータ完全性フレームを送信することができる。PHYトランシーバの通常動作中、伝送フレーム(データ完全性フレーム又は他の場合)を共有伝送メディアに移動させると、伝送フレームは、RX及びED信号を介して(すなわち、RX接続118及びED接続110を介して)共有伝送メディアで検出された信号として通常の受信経路を介してPHYコントローラに戻され、ここで、フレームは復号され、復元されたデータ(例えば、限定することなく、完全性データ)は、元の完全性データと比較される。したがって、典型的には、分析のためにPHYコントローラにデータ完全性フレームを提供するためのPHYトランシーバを介した内蔵ループバック機能がある。
【0087】
ここで、本開示の発明者らは、分割PHYにおいて、PHYトランシーバを含まずに、PHYコントローラの回路のデータ完全性チェックのためのサポートを含むことが望ましい場合があることを理解する。非限定的な例として、PHYコントローラの回路の完全性は、PHYトランシーバを低電力モードに留める要望がある場合、共有伝送メディアがビジーであるとき、又は共有伝送メディアで伝送する分割PHYの番ではない場合、PHYトランシーバを起動せずにチェックされ得る。
【0088】
回路は、完全性チェック中に伝送経路を受信経路に結合/脱結合するために、PHYコントローラ又はハードウェアインターフェースのデジタルインターフェースに含まれ得る。しかしながら、そのようなデータ完全性フレームから識別された情報は、上で考察された典型的な構成では、伝送フレーム(データ完全性フレーム又は他の場合)の電気信号が、典型的には、共有伝送メディアに移動され、同時にPHYコントローラにループバックされる前に、PHYトランシーバで特徴付けられ、かつ/又は調整されるため、予想とは異なり得る。これらのデータ完全性フレームは、任意の他の受信フレームのようなPHYコントローラの受信経路で復号され、受信されたフレームに適用される標準復号は、典型的には、PHYトランシーバでの電気信号の特徴付け及び/又は調整を明らかにする。標準復号が特徴付けられていない、及び/又は調整されていないフレームに適用される場合、復元された完全性データに間違ったビットをもたらし、したがって、完全性データの分析から誤った結果をもたらし得る。
【0089】
1つ以上の実施形態は、一般に、PHYトランシーバと協働することなく、PHYコントローラでデジタル回路の完全性をチェックすることに関する。PHYコントローラ周波数のデジタルインターフェースで提供される回路は、符号化されたデータ完全性フレームが、PHYトランシーバによって調整及び/又は特徴付けられるフレームと実質的に一致するように、データ完全性フレームを符号化する。回路は、符号化されたデータ完全性フレームをPHYコントローラの受信経路に提供し、ここで、完全性データは、標準的な復号化を適用することで復元し、次いで分析される。
【0090】
図11は、1つ以上の実施形態による、デジタルインターフェース1116を介してPHYトランシーバ(図示せず)に結合可能な、PHYコントローラ1114でデータ完全性チェックを可能にするための回路1100を示すブロック図である。図11に示す例では、PHYトランシーバ側のデジタルインターフェース(例えば、図3のデジタルインターフェース318)のTXピン(TX)及びRXピン(RX)の接続は、開状態(すなわち、高インピーダンス状態)にある。
【0091】
ダウン周波数エンコーダ1104及びループバック回路1118は、デジタルインターフェース1116(例えば、その集積回路に実装される)で提供される。企図される動作では、デジタル回路完全性チェッカー1102は、デジタル回路完全性チェッカー1102によってアサートされる選択信号1110(後に考察される)に少なくとも部分的に応答して有効にされるように構成されたループバック回路1118にデータ完全性フレーム1112を送信するように構成されている。データ完全性フレーム1112の内容は、チェックサム又は他のシーケンスを含み得る。
【0092】
デジタル回路完全性チェッカー1102がデータ完全性フレーム1112をTX経路に送信するとき、TX経路に結合されたダウン周波数エンコーダ1104は、データ完全性フレーム1112を受信し、ダウン周波数符号化をデータ完全性フレーム1112に適用し、PHYトランシーバを通過するフレームに類似するよう予測されるビットレートでフレームを符号化し、ダウン周波数符号化フレーム1108を生成する。
【0093】
ダウン周波数エンコーダ1104は、ダウン周波数符号化フレーム1108をループバック回路1118に提供するように配置される。ループバック回路1118は、MUX1106及びサンプリングデコーダ1120を含む受信経路(RX)に向かって、かつデジタル回路完全性チェッカー1102に向かって、ダウン周波数符号化フレーム1108を搬送するように配置される。
【0094】
デジタル回路の完全性チェッカー1102は、MUX1106(すなわち、マルチプレクサ(MUX))に結合された選択信号1110を介してMUX1106を制御することによって、ループバック回路1118を有効にする。MUX1106は、アサートされた選択信号1110に応答して、その利用可能な入力の中から、ダウン周波数符号化フレーム1108を選択する。MUX1106の別の入力は、デジタルインターフェース1116のRXピンに結合される。このようにして、デジタル回路の完全性チェッカー1102は、必要に応じて、ループバック回路1118/通常受信経路RXを交互に有効にし、無効にすることができる。
【0095】
ダウン周波数符号化フレーム1108は、ループバック回路1118を介してサンプリングデコーダ1120に提供される。サンプリングデコーダ1120は、選択信号1110がアサートされている場合、ダウン周波数符号化フレーム1108にアップ周波数復号化を適用するか、又は選択信号1110がアサートされていない場合、デジタルインターフェース1116のRXピンで受信された信号へのアップ周波数復号化を行い、復元されたデータ1122を取得するように構成されており、これは、選択信号1110がアサートされる場合、データ完全性フレーム1112を表す。1つ以上の実施形態では、サンプリングデコーダ1120によってダウン周波数符号化フレーム1108に対して適用される周波数復号は、データ完全性フレーム1112が生成されたときに適用されるアップ周波数符号化、及びダウン周波数エンコーダ1104によって適用されるダウン周波数符号化のうちの1つ以上を復号するように構成され得る。復元データ1122は、デジタル回路完全性チェッカー1102に提供され、これは、データ完全性フレーム1112で送信された完全性データに対して復元データ1122を比較し(ビットごとの比較)、データが一致するかを判定する。比較の結果は、例えば、PHYコントローラ1114におけるデジタル回路の完全性を判定するために、所望に応じて記憶又は使用され得る。
【0096】
図12は、PHYコントローラ1114などで、1つ以上の実施形態による、分割PHYのPHYコントローラでデータ完全性チェックを実行するためのプロセス1200を示すフローチャートである。
【0097】
動作1202で、プロセス1200は、PHYコントローラのデジタルインターフェースに結合された伝送経路で運ばれた第1のフレーム(例えば、完全性データを含むデータ完全性フレーム)にダウン周波数符号化を適用し、ダウン周波数符号化された第1のフレーム(データ完全性フレーム)を取得する。デジタルインターフェースは、PHYコントローラをPHYトランシーバに動作可能に結合するように構成される。結合されると、PHYコントローラ及びPHYトランシーバは、分割構成を有する10SPE PHYモジュールを形成する。
【0098】
動作1204で、プロセス1200は、ダウン周波数符号化された第1のフレーム(例えば、ダウン周波数符号化されたデータ完全性フレーム)をデジタルインターフェースの受信経路に向けて提供する。ループバック回路1118などのループバック回路は、例えば、図11に関して考察されるようなマルチプレクサでの選択を制御することによって、伝送経路から受信経路に向かってダウン周波数符号化された第1のフレームを伝達することが可能になり得る。
【0099】
動作1206で、プロセス1200は、デジタルインターフェースの受信経路のダウン周波数符号化された第1のフレーム(例えば、ダウン周波数符号化されたデータ完全性フレーム)にアップ周波数符号化を適用して、復元されたデータを取得する。
【0100】
動作1208で、プロセス1200は、復元されたデータを第1のフレームに含まれる元のデータ(例えば、データ完全性フレームに含まれる元の完全性データ)と比較する(例えば、ビットごとの比較を実行する)。
【0101】
動作1210で、プロセス1200は、任意選択で、少なくとも部分的に比較に応答して、PHYコントローラのデジタル論理回路の完全性を判定する。
【0102】
本明細書に開示される実施形態の機能要素(例えば、機能、動作、動作、プロセス、及び/又は方法)は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得ることが、当業者には理解されるであろう。図13は、本明細書に開示される機能要素の実装形態の非限定的な実施例を示している。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される機能要素の一部又は全ての部分は、機能的要素を実行するために特別に構成されたハードウェアによって実行されてもよい。
【0103】
図13は、回路1300のブロック図であり、いくつかの実施形態において、本明細書に開示される様々な機能、動作、行為、プロセス、及び/又は方法を実装し得る。回路1300は、1つ以上のデータ記憶デバイス(本明細書では「記憶装置1304」と称されることがある)に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサ(本明細書では「プロセッサ1302」と称されることもある)を含む。記憶装置1304は、それに記憶された機械実行可能コード1306を含み、プロセッサ1302は論理回路1308を含む。機械実行可能コード1306は、論理回路1308によって実施(例えば、実行)され得る機能要素を説明する情報を含む。論理回路1308は、機械実行可能コード1306によって記述される機能要素を実装(例えば、実行)するように適合されている。回路1300は、機械実行可能コード1306によって記述される機能要素を実行するときに、本明細書に開示される機能要素を実行するように構成された専用ハードウェアとしてみなされるべきである。いくつかの実施形態では、プロセッサ1302は、機械実行可能コード1306によって記述される機能要素を、順次に、同時に(例えば、1つ以上の異なるハードウェアプラットフォームで)、又は1つ以上の並列処理ストリームにおいて、実行するように構成され得る。
【0104】
プロセッサ1302の論理回路1308によって実装されるとき、機械実行可能コード1306は、本明細書に開示される実施形態の動作を実行するようにプロセッサ1302を適合させるように構成されている。例えば、機械実行可能コード1306は、図1図12に示されるブロック及びプロセスの少なくとも一部分又は全体を実行するようにプロセッサ1302を適合させるように構成され得る。別の例として、機械実行可能コード1306、本明細書において考察される分割PHYについて考察された動作の少なくとも一部分又は全体を実行するようにプロセッサ1302を適合させるように構成され得る。
【0105】
特定の非限定的な例として、機械実行可能コード1306は、本明細書で考察されるウェイクソース通信及びデータ完全性チェックの一部又は全体を実行するようにプロセッサ1302を適合させるように構成され得る。
【0106】
プロセッサ1302は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、中央処理装置(central processing unit、CPU)、マイクロコントローラ、プログラマブル論理コントローラ(programmable logic controller、PLC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、他のプログラマブルデバイス、又は本明細書に開示される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを含み得る。プロセッサを含む汎用コンピュータは、専用コンピュータとみなされ、同時に、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関する機械実行可能コード1306(例えば、ソフトウェアコード、ファームウェアコード、ハードウェア記述)に対応する機能要素を実行するように構成されている。汎用プロセッサ(本明細書では、ホストプロセッサ又は単にホストとも称されることもある)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサ1302は、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンを含んでもよいことに留意されたい。プロセッサ1302はまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成の組み合わせなど、コンピューティングデバイスの組み合わせとして実装され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、記憶装置1304は、揮発性データ記憶装置(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性データ記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)など)を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ1302及び記憶装置1304は、単一のデバイス(例えば、限定することなく、半導体デバイス製品、システムオンチップ(system-on-chip、SOC)、又はシステムベースチップ)に実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ1302及び記憶装置1304は、別個のデバイスに実装され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、機械実行可能コード1306は、コンピュータ可読命令(例えば、ソフトウェアコード、ファームウェアコード)を含み得る。非限定的な実施例として、コンピュータ可読命令は、記憶装置1304によって記憶され、プロセッサ1302によって直接アクセスされ、少なくとも論理回路1308を使用してプロセッサ1302によって実行され得る。また、非限定的な実施例として、コンピュータ可読命令は、記憶装置1304に記憶され、実行のためにメモリデバイス(図示せず)に転送され、少なくとも論理回路1308を使用してプロセッサ1302によって実行され得る。したがって、いくつかの実施形態では、論理回路1308は、電気的に構成可能な論理回路1308を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、機械実行可能コード1306は、論理回路1308内に実装されるハードウェア(例えば、回路)を記述し、機能要素を実行し得る。このハードウェアは、ローレベルトランジスタレイアウトからハイレベル記述言語までの様々な抽象化レベルのいずれかで記述され得る。高レベルの抽象化では、IEEE Standard ハードウェア記述言語(hardware description language、HDL)などのハードウェア記述言語(HDL)が使用されてもよい。非限定的な例として、Verilog(商標)、SystemVerilog(商標)又は超大規模集積(very large scale integration、VLSI)ハードウェア記述言語(hardware description language、VHDL(商標))が使用されてもよい。
【0110】
HDL記述は、所望に応じて、多数の他の抽象化レベルのうちのいずれかにおける記述に変換され得る。非限定的な実施例として、高レベル記述を、レジスタ転送言語(register-transfer language、RTL)、ゲートレベル(gate-level、GL)記述、レイアウトレベル記述、又はマスクレベル記述などの論理レベル記述に変換することができる。非限定的な実施例として、論理回路1308のハードウェア論理回路(例えば、これらに限定されないが、ゲート、フリップフロップ、レジスタ)によって実行されるマイクロ動作は、RTLに記述され、次いで合成ツールによってGL記述に変換され得、GL記述は、配置及びルーティングツールによってレイアウトレベル記述に変換され得、このレイアウトレベル記述は、プログラマブル論理デバイス、別個ゲート若しくはトランジスタ論理、個別のハードウェア構成要素、又はそれらの組み合わせの集積回路の物理的レイアウトに対応する。したがって、いくつかの実施形態では、機械実行可能コード1306は、HDL、RTL、GL記述、マスクレベル記述、他のハードウェア記述、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0111】
機械実行可能コード1306が(任意の抽象化レベルにおける)ハードウェア記述を含む実施形態では、システム(図示しないが、記憶装置1304を含む)は、機械実行可能コード1306によって記述されるハードウェア記述を実施するように構成され得る。非限定的な実施例として、プロセッサ1302は、プログラマブル論理デバイス(例えば、FPGA又はPLC)を含み得、論理回路1308は、ハードウェア記述に対応する回路を論理回路1308に実装するように電気的に制御され得る。また、非限定的な実施例として、論理回路1308は、機械実行可能コード1306のハードウェア記述に従って製造システム(図示しないが、記憶装置1304を含む)によって製造されたハードワイヤード論理を含み得る。
【0112】
機械実行可能コード1306がコンピュータ可読命令又はハードウェア記述を含むかどうかにかかわらず、論理回路1308は、機械実行可能コード1306の機能要素を実装するときに、機械実行可能コード1306によって記述された機能要素を実行するように適合される。ハードウェア記述は機能要素を直接記述しなくともよいが、ハードウェア記述は、ハードウェア記述によって記述されたハードウェア要素が実行することができる機能要素を間接的に記述することに留意されたい。
【0113】
本開示で使用される用語、及び特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)において使用される用語は、一般に「オープン」用語として意図される(例えば、用語「含んでいる(including)」は、「含んでいるが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している」という用語は、「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」などと解釈されるべきである。
【0114】
加えて、特定の数の導入された特許請求項列挙が意図される場合、そのような意図は特許請求項に明示的に列挙されることになり、そのような列挙がない場合には、そのような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求項列挙を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含むことがある。しかしながら、そのような語句の使用は、たとえ同じ特許請求項が導入語句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」、及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」又は「an」による特許請求項列挙の導入が、そのような導入された特許請求項列挙を含む任意の特定の特許請求項を、そのような列挙のうちの1つのみを含む実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、特許請求項列挙を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。
【0115】
加えて、導入された特許請求項列挙の特定の数が明示的に列挙されている場合であっても、当業者は、そのような列挙が少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきであることを、認識するであろう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの○○」の明白な列挙は、「少なくとも2つの○○」又は「2つ以上の○○」を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、及びCなどのうちの1つ以上」に類似した慣例が使用される場合、一般に、そのような構造は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、又はA、B、及びCを一緒に含むことを意図する。
【0116】
更に、2つ以上の代替用語を提示する任意の離接語又は語句は、明細書、特許請求の範囲、又は図面にかかわらず、用語のうちの1つ、用語のいずれか又は両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、「A又はB」という句は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるべきである。本明細書において使用される場合、「各(each)」は、一部又は全体を意味する。本明細書で使用される場合、「ありとあらゆる」は、全体を意味する。
【0117】
本明細書において、「典型的な」、「従来の」、又は「既知の」とされるものなどの、特徴付けは、先行技術で開示されていること、又は考察された態様が先行技術で認識されていることを必ずしも意味しない。関連分野において、広く知られているか、十分理解されているか、又は日常的に使用されていることも必ずしも意味しない。そのような特徴付けは、「本開示の発明者に知られている」を意味すると理解されるべきである。
【0118】
本開示の更なる非限定的な実施形態は、以下のとおりである。
【0119】
実施形態1:10SPE物理層モジュールの物理層トランシーバであって、分割構成物理層モジュールの物理層トランシーバと物理層コントローラとの間の通信リンクの側を定義するように構成されたデジタルインターフェースと、デジタルインターフェースを介して検出されたウェイクのソースを通信するように構成されたウェイク検出論理と、を備える、物理層トランシーバ。
【0120】
実施形態2:検出されたウェイクのソースは、ローカルウェイク又はリモートウェイクを含む、実施形態1に記載の物理層トランシーバ。
【0121】
実施形態3:ウェイク検出論理は、デジタルインターフェースを介してウェイクソースシグナリングハンドシェイクを実行することによって、検出されたウェイクのソースを通信するように構成されている、実施形態1又は2に記載の物理層トランシーバ。
【0122】
実施形態4:ウェイク検出論理は、デジタルインターフェースを介してバス信号を提供することによって、検出されたウェイクのソースを通信するように構成されている、実施形態1~3のいずれか1つに記載の物理層トランシーバ。
【0123】
実施形態5:ウェイク検出論理は、デジタルインターフェースを介してアクセス可能であるリモートウェイク指示及びローカルウェイク指示のうちの1つ以上を生成して記憶するように構成されている、実施形態1~4のいずれか1つに記載の物理層トランシーバ。
【0124】
実施形態6:ウェイクピンを更に備え、ウェイク検出論理は、ウェイクピンのアサーションに応答してローカルウェイク指示を生成するように構成されている、実施形態1~5のいずれか1つに記載の物理層トランシーバ。
【0125】
実施形態7:スイッチング電圧レギュレータの有効化ピンに動作可能に結合するように構成された電力管理ピンを更に備える、実施形態1~6のいずれか1つに記載の物理層トランシーバ。
【0126】
実施形態8:ウェイク検出論理は、検出されたウェイクに応答して物理層トランシーバを起動状態にウェイクさせるように構成されている、実施形態1~7のいずれか1つに記載の物理層トランシーバ。
【0127】
実施形態9:10SPE PHYモジュールの物理層コントローラの電力供給ピンに動作可能に結合するように構成された調整供給出力ピンを更に備える、実施形態1~8のいずれか1つに記載の物理層トランシーバ。
【0128】
実施形態10:10SPE物理層(PHY)モジュールの物理層コントローラであって、分割構成物理層デバイスの物理層コントローラと物理層トランシーバとの間の通信リンクの側を定義するように構成されたデジタルインターフェースと、デジタルインターフェースを介して検出されたウェイクのソースを学習し、かつ検出されたウェイクのソースに応答してウェイク転送を生成するように構成された物理層ウェイク転送論理と、を備える、物理層コントローラ。
【0129】
実施形態11:ウェイク転送は、リモートウェイク転送又はローカルウェイク転送のうちの1つ以上を含む、実施形態10に記載の物理層コントローラ。
【0130】
実施形態12:物理層ウェイク転送論理は、追加の検出されたウェイクを処理するように構成され、その追加の検出されたウェイクのソースは、追加のウェイクソースシグナリングのハンドシェイクに応答して学習される、実施形態10又は11に記載の物理層コントローラ。
【0131】
実施形態13:デジタルインターフェースを介して受信されたバス信号を解釈するように構成されたウェイク検出論理を備える、実施形態10~12のいずれか1つに記載の物理層コントローラ。
【0132】
実施形態14:デジタルインターフェースを介してPHYトランシーバに記憶されたウェイク指示を読み取るように構成されたウェイク検出論理を備える、実施形態10~13のいずれか1つに記載の物理層コントローラ。
【0133】
実施形態15:方法であって、ウェイク信号を観察するステップと、分割構成物理層を有する10SPE物理層モジュールの第1の物理層部分と第2の物理層部分とを結合するデジタルインターフェースを介して検出されたウェイクのソースを通信するステップと、検出されたウェイクのソースに応答してウェイク転送を実行するステップと、を含む、方法。
【0134】
実施形態16:検出されたウェイクのソースを通信するステップは、ウェイク検出シグナリングハンドシェイクを実行するステップを含む、実施形態15に記載の方法。
【0135】
実施形態17:検出されたウェイクのソースを通信するステップは、バス信号を解釈するステップを含む、実施形態15又は16に記載の方法。
【0136】
実施形態18:検出されたウェイクのソースを通信するステップは、10SPE物理層モジュールの第1の物理層部分に記憶されたウェイク指示を読み取るステップを含む、実施形態15~17のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
実施形態19:追加のウェイクを処理するステップを更に含む、実施形態15~18のいずれか1つに記載の方法。
【0138】
実施形態20:追加のウェイクを処理するステップは、第2のウェイクのソースを通信するステップを含む、実施形態15~19のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
実施形態21:第2のウェイクのソースに応答してウェイク転送を実行するステップを更に含む、実施形態15~20のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
実施形態22:分割構成を有する10SPE物理層モジュールの物理層トランシーバの回路に動作可能に結合するように構成された複数のピンを有するパッケージであって、パッケージは、動作可能に結合されたときに、分割構成物理層を形成する、物理層トランシーバのハードウェアインターフェース及び物理層コントローラと関連付けられた第1の数のピンと、共有伝送メディアと関連付けられた第2の数のピンと、電力供給と関連付けられた第3の数のピンであって、無停電電力供給と関連付けられたピンを含む、第3の数のピンと、ローカルウェイクと関連付けられた第4の数のピンと、ピンとは別に配置された導体塊であって、物理層トランシーバの回路のための接地経路と関連付けられた導体塊と、を備え、パッケージは、8つ以下のピンを有する、パッケージ。
【0141】
実施形態23:電力供給の有効化入力と関連付けられた第5の数のピンを更に備える、実施形態22に記載のパッケージ。
【0142】
実施形態24:10SPE物理層モジュールの物理層コントローラの電力供給ピンと関連付けられ、物理層トランシーバのオンチップレギュレータ供給に動作可能に結合するように構成された第5の数のピンを更に備える、実施形態22又は23に記載のパッケージ。
【0143】
実施形態25:通常電力供給と関連付けられた第5の数のピンを備える、実施形態22~24のいずれか1つに記載のパッケージ。
【0144】
本開示の更なる非限定的な実施形態は、分割構成を有する10SPE物理層モジュールの物理層コントローラのデジタルインターフェースのデジタル論理回路の完全性をチェックすることに関し、以下の実施形態を含む。
【0145】
実施形態1:分割構成を有する10SPE物理層モジュール用の物理層コントローラのデジタルインターフェースであって、デジタルインターフェースは、デジタルインターフェースの伝送経路に動作可能に結合されたダウン周波数エンコーダと、デジタルインターフェースの受信経路に向けてダウン周波数エンコーダの出力を伝達するように配置されたループバック回路と、を備える、デジタルインターフェース。
【0146】
実施形態2:ループバック回路は、デジタルインターフェースの外側に提供されるデジタル回路完全性チェッカーによってアサートされた選択信号に少なくとも部分的に応答して有効にされる、実施形態1に記載のデジタルインターフェース。
【0147】
実施形態3:ループバック回路によってデジタルインターフェースの受信経路に向かって伝達されたダウン周波数エンコーダの出力を受信するように配置されたサンプリングデコーダを備える、実施形態1又は2に記載のデジタルインターフェース。
【0148】
実施形態4:サンプリングデコーダは、アップ周波数復号化を実行するように構成されている、実施形態1~3のいずれか1つに記載のデジタルインターフェース。
【0149】
実施形態5:ダウン周波数デコーダは、伝送経路に向かって運ばれたデータ完全性フレームを受信し、ループバック回路に向かってダウン周波数符号化されたデータ完全性フレームを提供するように配置されており、サンプリングデコーダは、ダウン周波数符号化されたデータ完全性フレームをアップ周波数復号化して、復元データを取得し、復元データをデジタル回路完全性チェッカーに提供するように配置されている、実施形態1~4のいずれか1つに記載のデジタルインターフェース。
【0150】
実施形態6:分割構成を有する10SPE物理層モジュールの物理層コントローラであって、デジタルインターフェースの伝送経路からデジタルインターフェースの受信経路までデータフレームを選択的に伝達するように構成されたデジタルインターフェースと、伝送経路に完全性データを提供し、完全性データを受信経路からの復元データと比較するように構成されたデジタル回路完全性チェッカーと、を備える、物理層コントローラ。
【0151】
実施形態7:デジタル回路完全性チェッカーは、選択信号をアサートするように構成されており、デジタルインターフェースは、伝送経路から受信経路への経路が、選択信号のアサーションに少なくとも部分的に応答することを可能にするように構成されている、実施形態6に記載の物理層コントローラ。
【0152】
実施形態8:デジタルインターフェースは、データフレームにダウン周波数符号化を適用して、ダウン周波数符号化されたデータフレームを取得するように構成されたダウン周波数エンコーダと、ダウン周波数符号化データフレームにアップ周波数復号化を適用して、復元データを取得するように構成されたサンプリングデコーダと、を含む、実施形態6又は7に記載の物理層コントローラ。
【0153】
実施形態9:方法であって、ダウン周波数符号化された第1のフレームを取得するために、物理層コントローラのデジタルインターフェースの伝送経路で運ばれた第1のフレームにダウン周波数符号化を適用するステップであって、物理層コントローラは、分割構成を有する10SPE物理層モジュール用である、適用するステップと、デジタルインターフェースの受信経路に向けてダウン周波数符号化された第1のフレームを提供するステップと、復元データを取得するためにダウン周波数符号化された第1のフレームにアップ周波数復号化を適用するステップと、復元データを、第1のフレームに含まれる完全性データに対応する元の完全性データと比較するステップと、比較に少なくとも部分的に応答する完全性結果を判定するステップと、を含む、方法。
【0154】
実施形態10:完全性結果を判定するステップは、物理層コントローラのデジタル論理回路の完全性を判定するステップを含む、実施形態9に記載の方法。
【0155】
実施形態11:デジタルインターフェース内に信号経路を提供するステップを更に含み、信号経路は、ダウン周波数符号化された第1のフレームをデジタルインターフェースの受信経路に提供するためのものである、実施形態9又は10に記載の方法。
【0156】
本開示は、特定の例示される実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、以下にそれらの法的等価物と共に特許請求されるような本発明の範囲から逸脱することなく、例示され、説明される実施形態に対して数多くの追加、削除、及び修正を行うことができる。加えて、ある実施形態の特徴は、本発明者らによって想到されるように、別の開示した実施形態の特徴と組み合わせることができるが、それでも、本開示の範囲内に包含される。
図1
図2
図3
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図5
図6A
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図7
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【国際調査報告】