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特表2023-518828時間制御に適応した人工呼吸用モジュール式人工呼吸システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】時間制御に適応した人工呼吸用モジュール式人工呼吸システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20230426BHJP
   A61M 16/12 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
A61M16/00 343
A61M16/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557158
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 US2021024258
(87)【国際公開番号】W WO2021195449
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】63/002,349
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/994,285
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515329768
【氏名又は名称】ナーダー、エム.ハバシ
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100099472
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(72)【発明者】
【氏名】ナーダー、エム.ハバシ
(57)【要約】
本発明は、モジュール式人工呼吸システム、装置、キット、及び使用方法に関する。より具体的には、本発明は、1つのガス源及び患者の近位にある複数の弁を用いて同時に1人以上の個体に時間制御に適応した人工呼吸を提供するモジュール式構成要素を含む人工呼吸装置に関し、個別化した人工呼吸を提供する。モジュール式構成要素は、さまざまな仕方で順応性のある構成に簡単に製造及び組み立てが可能である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ガス流を生成するために単一のガス源をシステムに接続するためのポートと、
b.ガス流の圧力を調節する圧力-流量調整器と、
c.ガス流に酸素を導入するベンチュリ又はガス混合器のうちの少なくとも一方と、
d.少なくとも一人の患者又は肺にガス流を提供する少なくとも1つのシステムマニホールドと、
e.少なくとも3つの圧力解放弁と、
f.時間設定式圧力解放弁と、
g.時間コントローラと、を含み、
少なくとも3つの圧力解放弁は、患者吸気圧力を調節する吸気圧力解放弁と、患者呼気圧力を調節する呼気圧力解放弁と、マニホールド圧力を調節するマニホールド圧力調整弁と、を含み、
少なくとも1つのシステムマニホールドは、第1のマニホールドをガス源に接続するソースコネクタと、少なくとも1つのシステムマニホールドを少なくとも一人の患者又は肺にガス流を供給する人工呼吸器回路に接続する患者コネクタと、第1のマニホールドをマニホールド圧力調整弁又は第2のマニホールドに接続するマニホールドコネクタと、を含む少なくとも3つのコネクタを含み、かつ
吸気圧力解放弁、時間設定式圧力解放弁及び呼気圧力解放弁は、患者又は肺の近位にあり、かつ患者又は肺毎に個別に調整可能である、
少なくとも一人の患者又は肺を人工呼吸するモジュール式人工呼吸システム。
【請求項2】
ガス源はタービン、圧縮ガス、又は流量発生器である、請求項1に記載されたシステム。
【請求項3】
ベンチュリは酸素を導入して、100%未満の酸素、好ましくは約70%の酸素を有するガス流を生成する、請求項1に記載されたシステム。
【請求項4】
ガス混合器は酸素を導入して100%までの酸素であるガス流を生成する、請求項1に記載されたシステム。
【請求項5】
圧力-流量調整器は、ガス源からの圧力を20~60psi、好ましくは約40~50psiに調整する、請求項1に記載されたシステム。
【請求項6】
患者吸気圧力は100cmHO以下である、請求項1に記載されたシステム。
【請求項7】
マニホールド圧力は、100cmHOとシステムに接続された患者又は肺の数との積である、請求項1に記載されたシステム。
【請求項8】
圧力閾値が満たされていないときに鳴るアラームをさらに含む、請求項1に記載されたシステム。
【請求項9】
コネクタは、ねじ付き、スナップ式、摩擦又は迅速接続式コネクタを含む機械的接続具である、請求項1に記載されたシステム。
【請求項10】
圧力解放弁は、スプリング負荷式圧力弁又は空気圧弁を含む機械式弁、又は電磁弁を含む電気弁である、請求項1に記載されたシステム。
【請求項11】
電源を更に含み、電源が圧縮ガス駆動タービン又は電気接続を含む、請求項1に記載されたシステム。
【請求項12】
人工呼吸の状態、患者/その近位のインターフェースを描画し、かつその情報を離れた手持ち装置に送る表示装置をさらに含む、請求項1に記載されたシステム。
【請求項13】
時間設定式圧力解放弁及び呼気圧力解放弁が一つの弁に複合化されている、請求項1に記載されたシステム。
【請求項14】
吸気圧力解放弁、時間設定式圧力解放弁及び呼気圧力解放弁が1つの弁に複合化されている、請求項1に記載されたシステム。
【請求項15】
システムは、吸気圧力解放弁及び呼気圧力解放弁を調整するによって、連続陽圧(CPAP)又は周期的人工呼吸で患者又は肺の人工呼吸を行う、請求項1に記載されたシステム。
【請求項16】
システムは、吸気圧力解放弁及び時間設定式圧力解放弁を調整することによって、圧力及び時間―制御モードで患者又は肺の人工呼吸を行う、請求項1に記載されたシステム。
【請求項17】
請求項1に記載されたモジュール式人工呼吸システムにより少なくとも1人の患者又は肺を人工呼吸する方法。
【請求項18】
患者は人間又は動物である、請求項20に記載された方法。
【請求項19】
肺は体外肺又はテスト肺である、請求項20に記載された方法。
【請求項20】
a.それぞれ3つのマニホールドコネクタを含む、少なくとも2つのスタンドアロンのシステムマニホールドと、
b.スタンドアロンの圧力-流量調整器と、
C.少なくとも2つの回路コネクタを含む少なくとも2つのスタンドアロンの人工呼吸器回路と、
d.少なくとも2つのスタンドアロンのベンチュリ又はガス混合器と、
e.吸気圧力解放弁、時間設定式圧力解放弁及び呼気圧力解放弁を組み込んだ少なくとも2つのスタンドアロンの複合弁と、
f.少なくとも1つのスタンドアロンのマニホールド圧力調整弁と、
g.少なくとも2つのスタンドアロンの時間コントローラと、を含み、
システムマニホールドは、第1のマニホールドの第1コネクタで圧力-流量調整器に、第1のマニホールドの第2のコネクタで少なくとも1つの人工呼吸器回路に、かつ第1のマニホールドの第3のコネクタで第2のシステムマニホールドに、接続するように構成された第1のシステムマニホールドを含み、
第2のシステムマニホールドは、第2のマニホールドの第1のコネクタにより第1のシステムマニホールドに、第2のマニホールドの第2のコネクタにより少なくとも1つの人工呼吸器回路に、かつ第2のマニホールドの第3のコネクタによりマニホールド圧力調整弁に、接続するよう構成されており、
少なくとも1つの人工呼吸器回路は、第1の回路コネクタにより少なくとも1つのベンチュリ又はガス混合器にかつ第1の回路コネクタにより少なくとも1つの複合弁に接続するよう構成されており、かつ
少なくとも1つの時間制御部は、複合弁を制御するように構成されている、
モジュール式の人工呼吸システム用のキット。
【請求項21】
請求項22の構成要素を含むモジュール式の人工呼吸装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との対応関係及び優先権主張】
【0001】
(関連出願との対応関係及び優先権主張)
本願は、2020年3月25日出願の仮出願第62/994,285号及び2020年3月30日出願の仮出願第63/002,349号に対する優先権を主張するものであって、その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、かつそれに対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、人工呼吸装置(ventilation apparatus)及び人工呼吸システムに関する。より具体的には、本発明は、1人以上の個人に対して時間制御に適応した人工呼吸装置を提供するモジュール式構成要素(modular components)を含む人工呼吸装置に関する。本発明によれば、装置の構成要素は、製造及び組み立てが容易であり、安価で、携帯可能であり、使い捨て可能かつ殺菌が簡単である。
【背景技術】
【0003】
最も初期の呼吸装置はドリンカー呼吸器(Drinker respirator)であった。それは1928年に発明され、「鉄の肺」として知られていた。これらの装置は、1930年代から1950年代にかけて、ポリオによって呼吸筋が麻痺した患者によって使用された。それらは陰圧を使用して、鉄の肺の気密チャンバーの中で横になった状態の患者が呼吸するのを助けた。ポンプはチャンバー内の空気を除去し、患者の胸の周りに低い空気圧を作り出した。これにより肺が膨張し、患者が息を吸うことができた。他の負圧装置には、胸にしっかりと縛リ付けた殻のような装置(shell-like device)である「キュイラス(cuirass)」が含まれていた。ポンプは胸全体に真空を作り出し、患者に強制的に息を吸い込ませていた。
【0004】
これらのタイプの呼吸用保護具は、1950年代に人工呼吸器に置き換えられた。人口呼吸器は陽圧を使用する、即ちフェイスマスクや喉のチューブを通して肺に直接空気を能動的に送り込むことを意味する。人工呼吸器は、高高度を飛行する戦闘機パイロットに酸素を供給するために第二次世界大戦中に開発された。手押しポンプ式で機械式の陽圧装置(positive-pressure devices)は、1950年代のポリオの流行時に患者の呼吸を助けた。
この期間中、肺に空気を能動的に直接送り込みかつ吸引する人工呼吸器の開発により、ポリオ患者の死亡率を「ほぼ一晩で」80%超から約40%に急激に低下させたとされている。(Slutsky, A. S., History of Mechanical Ventilation - From Vesalius to Ventilator-induced Lung Injury, Am J Respir Crit Care Med. (May 15, 2015) 191(10):1106-15参照)。
【0005】
人工呼吸器はそれ以来、手術や集中治療医学において不可欠なツールとなっている。実際、機械的人工呼吸は、集中治療室(ICU)で実施される最も一般的な治療手段の1つである。ICUに入って後最初の24時間で、急性呼吸不全、肺機能障害、呼吸困難、又は気道を保護できない人を含むICUの患者の半数以上が人工呼吸を施されている(Kirton, O., Mechanical Ventilation in the Intensive Care Unit, AAST.org (2011) General Information, Mechanical Ventilation参照)。
【0006】
したがって、人工呼吸器は、肺機能が低下した患者の看護において重要な役割を果たしている。肺の主な機能は、肺の血管を通る血液に酸素を供給すると共にそこから二酸化炭素を除去することである。肺に障害が生じるときはいつでも、酸素と二酸化炭素を交換する患者の能力は差し迫ったものとなる。患者がCOVID-19、肺炎、又は肺機能に影響を与える他の疾患又は状態に罹患している場合、肺に障害が生じる可能性がある。人工呼吸器は、基本的にこの機能で患者の肺を支援する。
【0007】
現代の人工呼吸器は規定された人工呼吸モードで作動するが、この人口呼吸モードは、患者に機械的呼吸を提供すべき時点を部分的又は全面的に決定し、かくして機械的人工呼吸中の患者の呼吸パターンを決定するプロセスである。
【0008】
初期の人工呼吸器は、機械的トリガーよる量規定吸気(volume-control inspiration)しか提供しなかった。しかし、技術が進歩するにつれて、圧力抑制型人工呼吸器(pressure-targeted ventilators)が開発され、これが標準になった。
【0009】
気道圧力解放人口呼吸器(APRV)は、1987年に人工呼吸サイクル全体を通して自発呼吸を可能にするモードと記された。(Downs JB, Stock MC. Airway pressure release Ventilation: a new concept in ventilatory support. Crit Care Med. 1987;15:459-461参照)。APRVは、人工呼吸を容易にするため、主要な時間での高レベルと短時間での呼気解放、の2つのレベルの気道陽圧(positive airway pressure)間隔を時間設定する交互式のもの(alternant)である。
【0010】
Birdの米国特許第3,974,828号は、加圧ガスの供給部への接続に適合した入口及び第1、第2及び第3の出口を有し、それ自身の動作サイクルにおける吸入相(inhalation phase)及び呼気相(exhalation phase)を備えた人工呼吸器を開示している。入口と出口とを有し、入口から出口へのガスの流量を制御するために開閉位置間で移動可能な制御弁手段を備えたサーボコントローラが設けられている。第1の出口から患者のアダプタにガスを供給するための導管システムが設けられている。呼気弁アセンブリは、患者のアダプタに結合され開閉位置間で移動可能である。ガスがサーボコントローラの出口から供給されている期間中、呼気弁アセンブリを閉じた位置に維持するために、第2の出口から呼気弁アセンブリにガスを供給するための導管システムが設けられている。サーボコントローラの出口から患者のアダプタにガスを供給するための導管システム内のガスの圧力を感知し、かつ所定の圧力に達したときにサーボコントローラを開位置から閉位置に切り替えるため、検知機構が設けられている。第1の出口の圧力が所定の圧力であるときに、第1の出口を通るガス流を増大するための流量推進システム(flow acceleration system)が設けられている。フェールセーフ(安全を保障する)持続性吸息プラトー(fail-safe apneustic plateau)システムが設けられている。また、高い一定の陽圧が吸気呼吸サークル内に存在する状態で吸気相を開始するために、呼気端子回路が設けられている。
【0011】
Birdの米国特許第4,060,078号は、加圧力下のガス源(source of gas)で使用するため、その動作サイクル内に吸入相及び呼気相を有する人工呼吸器を開示している。デマンド式流れ加速器(demand flow accelerator)は、呼吸ヘッドアセンブリ内のガスの圧力が所定の圧力を下回ると、呼吸ヘッドアセンブリ内のガスの圧力に応答して呼吸ヘッドアセンブリに追加のガスを供給する。呼吸ヘッドアセンブリ内のガスの圧力に応答するセンサ、即ち、呼吸ヘッドアセンブリ内のガスの圧力が所定値を下回ったときに、呼吸ヘッドアセンブリにガスを供給して患者に実質的に一定の気道陽圧に対抗して息を吐かせるようにするセンサも設けられている。所定の圧力を超える圧力に達したときに、呼吸回路からガスを抽気するために感知すべき気道圧力を感知する追加のセンサも設けられている。所定時間を超える吸気相をロックアウト(閉鎖)するためのロックアウト手段が設けられている。始動手段は、吸気相が開始される前に人工呼吸器が呼気相に切り替わることを確実にするために設けられている。
【0012】
Birdの米国特許第5,007,420号は、ガスを患者の気道に供給するための加圧下にあるガス源と共に使用し、ガス源への接続用に適合された入口と、患者の気道への接続用に適合された出口とを有する人工呼吸器を開示している。空気圧式加振装置(pneumatic oscillator)は、患者の呼吸中に患者に気道の拡散換気が起こるように、連続する少量のガスの形で患者の気道に拍動性ガス(pulsatile gas)を供給する入口に接続されている。呼気弁アセンブリは、患者が患者の気道に導入されたガスを吐出できるように、患者の気道に接続されている。
【0013】
McDanielらの米国特許第9,314,579号は、小型、軽量、かつ携帯性でありながら、複数の異なるモード及び患者に様々な治療法を提供する構成での動作に迅速に適合可能な人口呼吸器を開示している。移植システム(porting system)はガスの流れに対して多数のパラメータを監視するように構成された複数のセンサを有し、かつ多数の移植ブロックが、単肢(single-limb)又は二重肢(dual limb)人工呼吸器として動作するように人工呼吸器を再構成するのに使用される。単肢構成では、能動的又は受動的な排気アセンブリを患者の近位に設けることができる。人工呼吸器は、単肢構成でも、容積(volume)又は圧力支持モードで動作することができる。また、電力制御機構は、交流電源、鉛蓄電池、内部蓄電池パック、及び着脱式電池パックから人口呼吸器への電力供給を制御する。
【0014】
Koch他のWO 2012/062 266は、圧力センサが取り付けられた換気チューブ(ventilation tube)と、そのチューブに取り付けられ、モータコントローラによって制御される吸気ポンプ(inspiration pump)と、そのチューブに取り付けられ、モータコントローラによって制御される呼気モータ(expiration pump)と、吸気ポンプに入口側で接続された人口肺ユニット(oxygenator unit)と、吸気ポンプに接続され、その温度が専用のサーモスタットによって安定化される主容器(main container)と、液体のための追加の容器であって、人口肺ユニットの出口と主容器の入口との間に配置された液体のための追加の容器と、人工呼吸を施す対象の人工呼吸に供される液体量(ventilated amount of liquid)を決定するためのバランス(balance)と、人工呼吸を行うために回路全体の弁を切り替え、かつ少なくともモータコントローラ及びセンサに接続されている制御ユニットと、を含む、気体及び/又は液体による換気のための装置及び方法を開示している。主容器の出口側と人口肺ユニットの入口側との間には、その二つを接続する蠕動ポンプ(peristaltic pump)が、それぞれの流体を主容器から人口肺へホースラインを介して移送するために配置されており、弁がガス用の追加容器に接続され、かつ制御ユニットは、第1の機能ユニットにおける、ガス人工呼吸のための、全流体人工呼吸のための及び二つの流体人工呼吸の組み合わせのための、人工呼吸パラメータを計算する第1の機能ブロックと、第2の機能ユニットにおけるモータ制御のための第2の機能ブロックと、第3の機能ユニット中のデータ収集のための第3の機能ブロックと、を少なくとも備えて設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
現代の人工呼吸器は複雑で高価な医療機器である。COVI-19パンデミックのような健康危機において、多くの患者は人工呼吸器の不足のために適切な医療を受けられない可能性がある。人工呼吸器は病気を直接治すわけではないが、肺機能をサポートして患者が回復できるようにすることで命を救うことができる。したがって、患者ごとに個別に制御することができ、簡単で、費用対効果が高く、持ち運びでき、使い捨てで、モジュール式及び/又は容易に組立てでき、かつ必要に応じて電源へのアクセスを要しない、単一のガス源から複数の患者の人工呼吸を行う手段が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、大規模災害状況又はパンデミックなどにおいて、1人の患者又は複数の患者に同時に人工呼吸を提供するモジュール式人工呼吸システムに関する。
本人工呼吸システムは、複数の患者が単一のガス源を共有し得るように、単一のガス源に接続し、個々の患者に人工呼吸を提供する個々の人工呼吸装置の構成要素(components)を含む。各人工呼吸装置は、モジュール式の構成要素で作られており、複数の構成に簡単に組み立てることができる。
【0017】
本システムの構成要素は、好ましくは使い捨てかつモジュール式のスタンドアロン(独立型)の構成要素であり、そのためシステムはモジュール式の構成を有している。
【0018】
本システムは、異なる電源を利用するか、或いは完全に機械式であり、緊急事態を含む異なる状況に対して最大限の順応性を提供するために電力を必要としないことが可能である。好ましい実施形態によれば、電源は、圧縮ガス駆動タービン、又は蓄電池又は壁のコンセント又は発電機又はコンセントからの交流等の電源を含む。電池は、風力、太陽光、原子力、又は他の電源などによって充電可能である。
【0019】
人工呼吸システム用のガス源は加圧ガスを供給するが、緊急事態に最大限の順応性を提供するために、例えば、圧縮ガス、高流量発生器(high flow generator)、タービン、又は遠心ポンプなどの異なるガス源を利用することができる。ガス源は流圧(flow pressure)を生成しかつガス濃度を決定する。本システムは、好ましいガス濃度又は混合物を得るために、ベンチュリを使用して異なるガスを混入させ(entrain)又はガス混合器を使用することができる。
【0020】
好ましい実施形態によれば、ベンチュリは酸素を導入して、100%未満の酸素、好ましくは約70%の酸素を有するガス流を生成する。代替的には、ガス混合器が酸素を導入して100%までの酸素であるガス流を生成する。好ましくは、患者吸気圧力は100cmHO以下であり、マニホールド圧力(manifold pressure)は、100cmHOとシステムに接続された患者又は肺の数との積である。好ましい実施形態によれば、システムは、これらの圧力閾値のいずれかが満たされていないときに鳴るアラームをさらに含む。
【0021】
本人工呼吸システムは、1人以上の患者に適合するように構成された回路を介してガス流を接続する。複数の患者がいる場合、加圧ガス用の主肢(main limb)は各患者に別々のガス供給部を提供するマニホールド(manifold)として機能する。
【0022】
本システム内のガス圧力は、流量-調整器、吸気圧力解放弁、時間設定式圧力解放弁(time cycled pressure release valve)、呼気圧力解放弁、及びマニホールド圧力調整弁(manifold pressure regulator valve)を含む様々な弁によって制御される。時間設定式圧力解放弁は時間制御される。呼気圧力解放弁は呼息肢(exhalation limb)を減圧し、時間設定式圧力解放弁によって間接的に時間制御される。マニホールド圧力調整弁は、マニホールド内の圧力を調整し、過剰な圧力を抽気する(bleed off)ことができる。
【0023】
本発明のシステムは、圧力、圧力解放、及び人口呼吸のタイミングを調節することができる。代替的には、本システムは、圧力調節、圧力解放、及び異なる圧力の持続時間の制御を可能にする。本システムは、吸気圧力解放弁及び/又は呼気圧力解放弁を調整することによって、患者又は肺に対して連続陽圧(CPAP)又は周期的人工呼吸(cyclic ventilation)を提供できる。代替的には、本システムは、吸気圧力解放弁及び時間設定式圧力解放弁を調整することによって、圧力及び時間-制御モードで患者又は肺の人工呼吸を行うことができる。
【0024】
好ましい実施形態によれば、吸気圧力解放弁、時間設定式圧力解放弁、及び呼気圧力解放弁は、ガス源の直ぐ近くとは反対に、特にガス源が患者から離れている場合において、個々の患者又は肺人工呼吸パラメータの調整を容易にするために患者又は肺に相対的により近い位置である。より好ましい実施形態によれば、吸気圧力解放弁、時間設定式圧力解放弁、及び呼気圧力解放弁は患者が着用可能なもの一部、例えばマスク又は管状のもの(tubing)の一部である。
【0025】
本システムは、人工呼吸状態に関する情報の図形表示、及び人工呼吸を制御及び調整するためのコントローラを含み得る。ユーザインターフェースは、感染力が高いプロセスの場合に患者から離れた場所に配置可能である。データ出力は、専門家のガイドライン、臨床サポート、技術サポート、及びデバイスサポート用の中央ステーションとして、遠隔地へのデータストリーミングを提供することができる。
【0026】
本発明の目的は、少なくとも1人の患者又は肺の人工呼吸を行うモジュール式人工呼吸システムを提供することであり、
本システムは、
a.ガス流を生成するために単一のガス源をシステムに接続するためのポート(port;口)と、
b.ガス流の圧力を調節する圧力-流量調整器(pressure-flow regulator)と、
c.ガス流に酸素を導入するベンチュリ又はガス混合器のうちの少なくとも一方と、
d.少なくとも一人の患者又は肺にガス流を提供する少なくとも1つのシステムマニホールド(system manifold)と、
e.少なくとも3つの圧力解放弁と、
f.時間設定式圧力解放弁と、
g.時間コントローラ(time controller)と、を含み、
少なくとも3つの圧力解放弁は、患者吸気圧力を調節する吸気圧力解放弁と、患者呼気圧力を調節する呼気圧力解放弁と、マニホールド圧力を調節するマニホールド圧力調整弁と、を含み、
少なくとも1つのシステムマニホールドは、第1のマニホールドをガス源に接続するソースコネクタと、少なくとも1つのシステムマニホールドを少なくとも一人の患者又は肺にガス流を供給する人工呼吸器回路に接続する患者コネクタと、第1のマニホールドをマニホールド圧力調整弁又は第2のマニホールドに接続するマニホールドコネクタと、を含む少なくとも3つのコネクタを含み、かつ
吸気圧力解放弁、時間設定式圧力解放弁及び呼気圧力解放弁は、患者又は肺の近位にあり、かつ患者又は肺毎に個別に調整可能である。
【0027】
好ましくは、コネクタは、ねじ付き、スナップ、摩擦又は迅速接続式(quick connect)コネクタを含む機械的接続具である。より好ましくは、圧力解放弁は、スプリング負荷式圧力弁又は空気圧弁を含む機械式弁、又は電磁弁を含む電気弁である。
【0028】
本発明の他の目的は、本発明のモジュール式人口呼吸システムを用いて少なくとも1人の患者又は肺の人工呼吸を行う方法を提供することである。
【0029】
本発明の更に他の目的は、
a.それぞれ3つのマニホールドコネクタを含む、少なくとも2つのスタンドアロンのシステムマニホールド(system manifolds)と、
b.スタンドアロンの圧力-流量調整器と、
c.少なくとも2つの回路コネクタを含む少なくとも2つのスタンドアロンの人工呼吸器回路と、
d.少なくとも2つのスタンドアロンのベンチュリ又はガス混合器と、
e.吸気圧力解放弁、時間設定式圧力解放弁、及び呼気圧力解放弁を組み込んだ少なくとも2つのスタンドアロンの複合弁(combination valves)と、
f.少なくとも1つのスタンドアロンのマニホールド圧力調整弁と、
g.少なくとも2つのスタンドアロンの時間コントローラと、を含み、
システムマニホールドは、第1のマニホールドの第1コネクタで圧力-流量調整器に、第1のマニホールドの第2のコネクタで少なくとも1つの人工呼吸器回路に、かつ第1のマニホールドの第3のコネクタで第2のシステムマニホールドに、接続するように構成された第1のシステムマニホールドを含み、
第2のシステムマニホールドは、第2のマニホールドの第1のコネクタにより第1のシステムマニホールドに、第2のマニホールドの第2のコネクタにより少なくとも1つの人工呼吸器回路に、かつ第2のマニホールドの第3のコネクタによりマニホールド圧力調整弁に、接続するよう構成されており、
少なくとも1つの人工呼吸器回路は、第1の回路のコネクタにより少なくとも1つのベンチュリ又はガス混合器に、かつ第1の回路コネクタにより少なくとも1つの複合弁に接続するよう構成されており、かつ
少なくとも1つの時間制御部(timer controller)は、複合弁を制御するように構成されている、モジュール式人工呼吸システム用のキットを提供することである。
【0030】
キットの構成要素を含むモジュール式人工呼吸装置を提供することは本発明の他の目的である。
【0031】
これら及び他の目的について、以下及び添付の図面においてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1の実施の形態に係る人工呼吸装置の概略構成図である。
図2】第1の実施の形態の人工呼吸器装置のフロー図である。
図3】第2の実施の形態に係る人工呼吸装置の概略構成図である。
図4】第2の実施の形態の人工呼吸器装置のフロー図である。
図5】第3の実施の形態に係る人工呼吸器装置の概略構成図である
図6】第3の実施の形態の人工呼吸器装置のフロー図である。
図7】第4の実施の形態に係る人工呼吸システムの概略構成図である。
図8】第5の実施の形態に係る人工呼吸システムの概略構成図である。
図9】第6の実施の形態に係る人工呼吸システムの概略構成図である。
図10】好ましい実施形態に係る弁の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、第1の実施の形態に係る人工呼吸装置(ventilator apparatus)の概略構成図である。図1では、ガス源Aは、流量/圧力調整器Bを介して加圧ガスをコネクタNを介してシステムマニホールドLに供給する。システムマニホールドLは、コネクタOを介してさらに人工呼吸器回路Dに接続されている。人工呼吸器回路Dは、ベンチュリ装置Cを備える。ベンチュリ装置Cは、加圧ガスを、コネクタFを介して患者(人又は動物)又は(試験又は体外)肺に供給する。人工呼吸器回路Dは、吸気圧力解放弁Eと、時間設定式圧力解放弁Gと、呼気圧力解放弁Hとをさらに含む。時間制御部Iは、時間設定式圧力解放弁Gにおける時間を制御する。システムマニホールドは、さらにマニホールドコネクタPのところでマニホールド圧力調整弁Mに接続される。
【0034】
図1に示すように、流量/圧力コントローラBは、ガス源AからシステムマニホールドL及び人工呼吸器回路Dを通過するガス(すなわち酸素)の流量及び圧力を調整する。ガスは、ガス源AからシステムマニホールドLを通って人工呼吸器回路Dのベンチュリ弁Cまで通過してガスを混入させ、かつ人工呼吸器回路Dを通るガスの流量/圧力を増加させ、必要に応じて患者又は肺へのFのところのガス濃度を変化させる。マニホールド圧力調整弁Mは、超えた場合に圧力が解放される閾値圧力を設定するが、その圧力は流量/圧力調整器Bによって設定されるのと同圧である。呼気圧力解放弁Hは、時間設定式圧力解放弁Gが開いているときに圧力を生じるように、ガス流に対する抵抗を維持するように機能する。図2は、図1の時間設定式圧力解放弁Gのフロー図である。図2に示すように、時間設定式圧力解放弁22は、時間制御部23によって制御される弁アクチュエータ21を有する。弁アクチュエータ21は、絞り(restrictor)を制御して(減圧及び加圧することにより)、人工呼吸器回路D内のガス流量を変化させる。時間制御部23は、弁アクチュエータ21が開放するときの持続期間24と、弁アクチュエータ21が何回開閉するかの回数(rate)25を調整する。
【0035】
図3は、第2の実施の形態に係る人工呼吸装置の概略構成図であり、時間設定式圧力解放弁Gと呼気圧力解放弁Hの機能は、複合化された圧力解放/時限式閾値呼気弁(timed threshold expiratory valve)Jに組み込まれている。患者が息を吐いたり咳をしたりすると、余分な空気は吸気圧力解放弁Eを通って移動して弁Jを通して流出する。弁Eは、流れが通過できるように常にある程度開いている。弁Jは、患者が圧力の解放を必要とするか、又は弁Jが時間コントローラIによって制御される呼気解放時間に開く以外は常に閉じている。
【0036】
図3に示すように、流量/圧力調整器Bは、ガス源AからシステムマニホールドL及び人工呼吸器回路Dを流れるガス(即ち酸素)の流量及び圧力を調整する。ガスは、ガス源Aからシステムマニホールドを通って人工呼吸器回路D及びベンチュリ弁Cまで移動し、ガスを混入させて回路を通るガスの流量/圧力を増加させ、Fのところで接続された患者へのガス濃度を変化させる。吸気圧力解放弁Eは、時限閾値呼気弁Jが開いているときに圧力が生じるように、ガス流に対する抵抗を維持するように機能する。図4は、図3の複合化された圧力解放/時限閾値呼気弁Jのフロー図である。図4に示すように、弁アクチュエータ41は、複合化された時間設定式圧力解放弁と呼気圧力解放弁42のガス流量を変化させるために、時間コントローラ43を介して絞りを物理的に動かして、弁アクチュエータが開いている持続期間44及び複合化された時間設定式圧力解放弁と呼気圧力解放弁42のアクチュエータ41が何回開閉するかその回数45を調整する。
【0037】
図5は、第3の実施の形態に係る人工呼吸装置の概略構成図であり、ここでは、吸気圧力解放弁E、時間設定式圧力解放弁G、及び呼気圧解放Hは、吸気圧力解放弁/時間設定式解放弁/呼気圧力解放弁Kに複合化されている。第3の実施の形態によれば、弁Kは、患者が息を吐く/咳をした場合の圧力解放及びタイミングを合わせた呼気流を提供し、かつ、呼気肢(expiratory limb)内を陽圧に保持するために流れを妨害することもできる。
【0038】
流量/圧力コントローラBは、ガス源AからシステムマニホールドL及び人工呼吸器回路Dを通るガス(すなわち酸素)の流量及び圧力を調節する。ガスは、ガス源AからシステムマニホールドL、人工呼吸器回路D及びベンチュリ弁Cを移動してガスを混入させて回路を通るガスの流量/圧力を増加させ、Fのところに接続された患者へのガス濃度を変化させる。図6は、図5の複合化された吸気圧力解放弁/時間設定式圧力解放弁/呼気圧力解放弁Kのフロー図である。図6に示すように、複合化された弁68は、絞り(restrictor)を物理的に動かして複合化された時間設定式圧力解放弁/呼気圧力解放弁62のガス流量を変化させる弁アクチュエータ61と、絞りを物理的に移動させて吸気圧力解放弁67のガス流量を変化させる弁アクチュエータ66とを含み、ここでは、時間コントローラ63が、弁アクチュエータが開いている持続期間64と複合化された時間設定式圧力解放弁/呼気圧力解放弁62のアクチュエータ61が何回開閉するかの回数65を調整する。
【0039】
図7は、本発明による人工呼吸装置システムの概略構成図である。図7において、図1に示す人工呼吸器装置が複数のシステムマニホールドLを介して1つのガス源に直列に接続されている。図8では、図3に示す人工呼吸装置が複数のシステムマニホールドLを介して1つのガス源に直列に接続されている。図9では、図5に示す人工呼吸器が複数のシステムマニホールドLを介して1つのガス源に直列に接続されている。代替的には、人工呼吸システムは、システムマニホールドを介して図1、3及び図5の装置を任意に組み合わせて接続することができる。
【0040】
本発明によれば、加圧ガス源Aは、流量を流量/圧力調整器Bによって調節可能にした状態で、約20~60psi、好ましくは約40~50psiの圧力の壁設置ガス源(wall source of gas)であり得る。代替的には、加圧ガス源は、圧縮ガス、流量発生器(flow generator)、タービン、又は容積型ポンプ(displacement pump)であってもよい。好ましい実施形態によれば、加圧ガス源は、(垂直又は遠心)軸流タービンである。主線路(main line)は、ガス管を介して加圧ガスを患者に供給し、人工呼吸器回路の脱圧(depressurization)を制御する。酸素は、標準的な酸素タンク又は壁設置ソース(wall source)を介して供給することができる。患者に供給される加圧ガスの酸素濃度は、酸素/空気混合物の比で決まる。ベンチュリ装置はガスの混入を促進するように機能する。
【0041】
患者は、鼻カニューレ、マスク、気管内チューブ、又は気管切開を含む生体内挿入又は非挿入手段によって人工呼吸装置に接続され得る。
【0042】
吸気圧力解放弁Eは、患者が息を吐出して呼気肢(expiratory limb)内の圧力が所望の圧力を超えた場合に、圧力を緩和するように設計されたポップアップ弁(pop-up valve)であってもよい。好ましくは、吸気圧力解放弁Eは、呼息肢内の圧力を流量/圧力調整器Bによって設定された圧力に維持する。吸気圧力解放弁Eは、呼気圧力解放弁Hに対して開放して連通している。
【0043】
図10は、本発明によって使用され得る弁の一例である。図10の弁は、可能性として以下の位置を持つことができる。
1. 患者にガスを供給する際の加圧段階持続中は、弁は閉止位置にある。
2. 患者にガスを供給する際の加圧段階持続中は、弁は患者の呼気努力の結果として開き、圧力解放弁として機能する。生成される圧力の量によって決まる弁の開度により、部分的又は完全に開くように弁の位置が指示される。
3. 弁の時間機能により、時間制御部で設定された時間持続中、大気圧に減圧するために弁を完全に開くことができる。
4. 弁の時間機能により、抵抗を増加させるために様々な程度に開くことができ、それによって時間制御部で設定された時間持続中大気圧を超える圧力を維持することができる。
5. 弁開放の頻度は、時間制御部によって制御される。
【0044】
時間制御部Iは、ガスが呼気圧力解放弁H及び時間設定式圧力解放弁Gを流れる時間を制御して呼気時間を制御する。時間制御部Iはまた呼気圧力解放弁Hの開口を制御して圧力の制御も行う。圧力は、呼気圧力解放弁Hを最後まで開かないことによって周囲圧力を超える圧力に維持される。呼気圧力解放弁Hは、時間とガス流量の両方を制御する。呼気圧力解放弁Hは、時間制御部I又は手動弁(図示せず)により制御することができる。
【0045】
時間制御部Iは、時間を置いた後でルールを繰り返し実行し得る任意のタイプの装置であり得る。
【0046】
人工呼吸器装置の各構成要素はモジュール式で、簡単に組み立てることができる。本発明は、人工呼吸装置及び必要に応じて人工呼吸システムの組み立てのための様々な構成要素を有するキットを意図している。各構成要素は、3D印刷によって又は他の適切な方法などによって、独立して製造することができる。人工呼吸装置及びシステムの各構成要素はモジュール式であるため、各構成要素は複数の患者のニーズに合うように混合/適合させることができる。
【0047】
人工呼吸装置及びシステムは、圧力及び時間の両方を制御する時間制御に適応した人工呼吸モードで使用できる。人工呼吸器の部品はモジュール式で使い捨てかつ特別なスキルを必要とせずに簡単に組み立てることができる。
【0048】
好ましくは、本人工呼吸システムは、圧力及び流量を監視し、容量(volume)は流量/時間の計算から導出される。
【0049】
好ましい実施形態によれば、人工呼吸システムは、患者及び汚染された領域から距離を置く等のために、無線で取外し及び接続可能なユーザインタフェースを含んでいる。ユーザインタフェースは、モバイルアプリケーションによって制御可能なタッチスクリーンであり得る。より好ましくは、人工呼吸システムは、中央位置から遠隔監視される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】